説明

メディア処理装置のメディア管理方法

【課題】ネットワークに接続されたメディア処理装置で作成されたメディアを適切に管理することのできるメディア処理装置のメディア管理方法を提案する。
【解決手段】メディア処理システムは、LANに接続された管理PC及び複数のユーザーPCと、ディスクパブリッシャ5を備える。パブリッシャ5はサーバ機能を備え、ユーザーPCから供給されるメディア作成指令に基づき生成したメディア作成データを用いてメディアへの書込み及び印刷を行い、作成メディアを保管用スタッカ22に保管する。ユーザーは、入力装置6からユーザー認証を行って作成メディアを取り出すことができ、管理者は、入力装置6から管理者認証を行って保管用スタッカ22に保管されている全ての作成メディアを取り出すことができる。作成メディアは管理データベースDBで管理され、管理者によって作成メディアが取り出されると、該当するユーザー宛にその旨の電子メールが送信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザー端末を通信ネットワークを介してメディア処理装置に接続し、各ユーザー端末からメディア処理装置を駆動制御してCD、DVDなどの可搬性のメディアを作成(処理)可能なメディア処理システムに関するものである。さらに詳しくは、各ユーザー端末からの指令に基づき作成されてメディア処理装置のメディア保管部に保管されているメディアの管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ディスクパブリッシャ、デュプリケータなどと呼ばれているメディア処理装置においては、一般に、ブランクメディア・スタッカに収納されているブランクメディア(ブランクCDなど)を内蔵のメディアドライブ(CDドライブなど)に供給して所定のデータの書込みを行い、しかる後に内蔵のレーベルプリンタによってレーベルを印刷し、これによって作成された作成済みメディアを作成済みメディア・スタッカに保管し、あるいは排出口から発行(排出)するように構成されている。このようなメディア処理装置は特許文献1〜3に開示されている。
【0003】
【特許文献1】米国特許第5914918号明細書
【特許文献2】特開2000−260172号公報
【特許文献3】特開2005−259318号公報
【0004】
ここで、会社などの組織ではLANが構築されており、LANに接続された1台のメディア処理装置を、当該LANに接続されている複数台のユーザーPCから利用できるように、メディア処理システムが構築される。この構成のメディア処理システムにおいては、次のようにして、ユーザーはメディアを作成し、作成メディアを受け取ることができる。まず、ユーザーが、ユーザーPCでメディア作成用データを作成し、ネットワークを介してディスク処理装置に転送する。メディア作成用データを受信したディスク処理装置はメディアを作成し、得られた作成メディアを内蔵のメディア・スタッカに一時的に保管する。ユーザーは、メディア処理装置の設置場所まで出向き、そのメディア・スタッカに保管されている作成メディアを取り出す。
【0005】
この構成のメディア処理システムを利用して機密情報などが書込まれたメディアを作成する場合には、作成メディアが正当な権限のない第三者に渡ってしまうことの無い様に、作成メディアを管理する必要がある。例えば、メディア処理装置から作成メディアを取り出す際に、ユーザー認証を行い、メディアを作成したユーザーのみが作成メディアを取り出すことができるようにすることが望ましい。
【0006】
しかるに、メディア処理装置が故障した場合、異常が発生した場合などにおいては、メディア処理システムの管理者によってメディア処理装置に残っている作成メディアを取り出す必要がある。また、メディア処理装置内に作成メディアが長期に亘って残っていることはセキュリティ上好ましくないので、定期的に、管理者によって作成メディアを取り出して別の場所に保管することが望ましい。例えば、毎日の業務時間終了後に、管理者がメディア処理装置内に残っている作成メディアを取り出して別の場所に保管し、翌日などにおいてユーザーに渡すことが望ましい。
【0007】
しかしながら、管理者が作成メディアを取り出して別の場所に保管した場合には、ユーザーにとっては自分が作成したメディアの所在が不明になってしまう。また、管理者から作成メディアが正当なユーザーに渡されたか否かも確認できない。機密情報などが書込まれたメディアの取り扱いは、機密情報の漏洩を防止するために、メディア作成時からどのような経路を経てどこに移動したのかを確認可能な状態にしておく必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、このような点に鑑みて、通信ネットワークに接続されたメディア処理装置で作成された機密情報などが記録されたメディアを適切に管理することのできるメディア処理装置のメディア管理方法を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明によるメディア処理装置のメディア保管方法は、管理者を識別する管理者識別情報および当該管理者の通信先情報を含む管理者情報と、ユーザーを識別するユーザー識別情報および当該ユーザーの通信先情報を含むユーザー情報とを管理データベースに登録し、通信回線を介して、前記管理データベースに登録されているユーザーから、データ書込み指令などのメディア処理指令を受信すると、当該メディア処理指令に基づき、可搬性のメディアに対して処理を施し、処理後に得られた処理済みメディアをメディア保管部に一時的に収納し、前記メディア処理指令を出したユーザーと前記処理済みメディアを対応付けした形態で前記管理データベースに登録し、(前記通信回線を経由することなく、)前記ユーザー識別情報が入力された場合には、当該ユーザー識別情報によって特定されるユーザーに対応付けされている前記処理済みメディアのみを前記メディア保管部から取り出し可能にし、当該処理済みメディアが取り出されると、前記管理データベースに当該処理済みメディアが取り出された旨を登録し、(前記通信回線を経由することなく、)前記管理者識別情報が入力された場合には、前記メディア保管部を、当該メディア保管部に収納されている全ての前記処理済みメディアの取り出しが可能な状態に切り替え、前記管理データベースに、前記管理者によって前記処理済みメディアが取り出された旨を登録し、前記メディア保管部に収納されている前記処理済みメディアの収納状態を監視し、当該収納状態が予め定めた特定収納状態になったことを検出した場合には、当該特定収納状態になったことを知らせるための通知を、前記通信回線を介して、前記管理データベースに登録されている少なくとも一つの前記ユーザーの通信先、および/または、前記管理者の通信先に向けて送信することを特徴としている。
【0010】
本発明では、直接入力されるユーザー識別情報および管理者識別情報に基づきユーザー認証および管理者認証を行い、メディア処理指令を出したユーザーがメディア保管部から処理済みメディアを取り出すことができ、管理者はメディア保管部から全ての処理済みメディアを取り出すことができ、処理済みメディアが誰によって取り出されたのかは管理データベースで管理される。
【0011】
また、メディア保管部における処理済みメディアの収納状態が予め定めた特定収納状態になったことが検出された場合には、ユーザーあるいは管理者宛にその旨を通知するようになっている。
【0012】
例えば、本発明において、前記特定収納状態には、前記管理者によって前記メディア保管部に収納されている前記処理済みメディアが取り出された後の収納状態が含まれている。当該収納状態になったことを検出した場合には、取り出された各処理済みメディアに対応付けされている各ユーザーの通信先に、前記管理者によって前記処理済みメディアが取り出されたことを知らせるための通知が送信される。この通知により、各ユーザーは処理済みメディアがメディア処理装置から取り出されて管理者によって保管されていることを知ることができる。
【0013】
また、前記管理者によって前記メディア保管部から前記処理済みメディアが取り出された場合には、メディア処理装置では、前記管理者により前記処理済みメディアが取り出されたことを前記管理データベースに登録し、前記ユーザーから、前記通信回線を介して、前記管理者から前記処理済みメディアを受け取った旨の通知が送信されてくるのを待ち、この通知を前記管理データベースに登録するようにしている。この結果、管理データベースによって、処理済みメディアが、処理指令を出したユーザーに渡されたか否かを確実に監視できる。
【0014】
ここで、前記メディア保管部に前記処理済みメディアが収納されている場合には、(前記入力装置を介して)前記管理者識別情報が入力された場合にのみ、メディア処理装置の電源を遮断可能にすることが望ましい。このようにすれば、電源が遮断された管理不能状態において、メディア処理装置のメディア保管部から処理済みメディアが正当な権限のない者によって取り出されてしまうことを防止できる。
【0015】
また、前記管理者識別情報が入力されることなく、メディア処理装置の電源が強制遮断された場合には、当該強制遮断後の電源再投入時に、当該メディア処理装置に異常が発生した旨の警告通知を、前記通信回線を介して、前記管理者の通信先に送信することが望ましい。正当な権限のない者によって電源が遮断された場合には、処理済みメディアが電源遮断状態において取り出された可能性がある。このような状態を管理者が知ることができる。また、この場合には、前記警告通知を送信した後に、前記メディア処理装置のメディア処理動作を禁止することが望ましい。
【0016】
次に、前記特定収納状態には、前記管理データベースにおいて管理されている前記メディア保管部に収納されている前記処理済みメディアの収納枚数と、実際に前記メディア保管部に収納されている前記処理済みメディアの収納枚数とが相違する収納状態がある。この場合には、メディアセンサを用いて、前記メディア保管部に収納されている実際の収納枚数を検出し、前記管理データベースにおいて管理されている収納枚数と実際の収納枚数とが相違する収納状態になったことを検出した場合には、当該メディア処理装置に異常が発生した旨の警告通知を、前記通信回線を介して、前記管理者の通信先に送信するようになっている。
【0017】
収納枚数の相違は、管理者によって処理済みメディアが取り出されずにメディア管理部に残っていた場合、電源遮断状態において処理済みメディアが盗み出された場合などがある。このような異常事態を管理者が知ることができる。また、この場合には、前記警告通知を送信した後に、前記メディア処理装置のメディア処理動作を禁止することが望ましい。
【0018】
次に、前記特定収納状態には、前記メディア保管部に収納されている前記処理済みメディアの枚数が所定枚数に達した収納状態がある。当該収納状態になったことを検出した場合には、前記管理者の通信先に、前記処理済みメディア保管部が満杯間近になった旨の通知を送信し、前記処理済みメディアに対応付けされている各ユーザーの通信先に、処理済みメディアの取り出しを要求する旨の通知を送信するようになっている。
【0019】
これにより、メディア保管部が満杯になって動作不能に陥ることを未然に防止できる。また、処理済みメディアを取り出すことを忘れているユーザーにその旨を知らせることができる。
【0020】
次に、前記特定収納状態には、前記メディア保管部において、同一のユーザー情報が付与された処理済みメディアの枚数が予め定めた枚数に達した収納状態がある。当該収納状態になったことを検出した場合には、当該ユーザーの通信先に、前記処理済みメディアの取り出しを要求する旨の通知を送信するようになっている。ユーザーが処理済みメディアをメディア処理装置から取り出すことを忘れている状態が継続するのを防止できる。
【0021】
また、前記特定収納状態には、前記メディア保管部に所定時間以上に亘って処理済みメディアが保管されている収納状態がある。この場合には、前記管理データベースに、各処理済みメディアが前記メディア保管部に収納された収納時刻を登録し、前記メディア保管部において、前記収納時刻から所定時間を経過した処理済みメディアが存在する収納状態になったことを検出した場合には、当該処理済みメディアに対応付けされているユーザーの通信先に、当該処理済みメディアの取り出しを要求する通知を送信するようになっている。これによっても、ユーザーが処理済みメディアをメディア処理装置から取り出すことを忘れている状態が継続するのを防止できる。
【0022】
一方、本発明によるメディア処理装置は、CD、DVDなどの可搬性のメディアを供給するメディア供給部と、このメディア供給部から供給されるメディアへのデータの書込みを行うメディアドライブと、データが書込まれた書込み済みメディアを一時保管するためのメディア保管部と、メディアを搬送するためのメディア搬送機構と、前記メディアドライブおよび前記メディア搬送機構を駆動制御する制御部と、管理者を識別する管理者識別情報および当該管理者の通信先情報を含む管理者情報、並びに、ユーザーを識別するユーザー識別情報および当該ユーザーの通信先情報を含むユーザー情報が登録されている管理データベースと、この管理データベースの更新機能、メール送受信機能、前記管理者識別情報および前記ユーザー識別情報に基づき管理者認証およびユーザー認証を行う認証機能、および、外部との間で通信を行う通信機能を備えたサーバ部と、前記管理者識別情報および前記ユーザー識別情報を入力するための入力部とを有し、前記制御部は、前記サーバ部を介して、前記管理データベースに登録されているユーザーからデータ書込み指令を受信すると、前記メディア供給部からメディアをメディアドライブに供給してデータの書込みを行わせ、書込み済みメディアを前記メディア保管部に収納させ、
前記サーバ部は、前記データ書込み指令に含まれるユーザー情報を、前記メディア保管部に収納された前記書込み済みメディアを特定するための書込み済みメディア情報に対応付けした形態で前記管理データベースに登録し、前記入力部を介して前記ユーザー識別情報が入力されると、当該ユーザー識別情報に対応する前記書込み済みメディアの取り出し許可を前記制御部に与え、前記管理データベースに、前記ユーザーによって当該書込み済みメディアが取り出された旨を登録し、前記入力部を介して前記管理者識別情報が入力されると、前記メディア保管部に収納されている全ての前記書込み済みメディアの取り出し許可を前記制御部に与え、前記管理データベースに、前記管理者によって全ての前記書込み済みメディアが取り出された旨を登録し、取り出された各書込み済みメディアの各ユーザーの通信先に前記管理者によって各書込み済みメディアが取り出された旨の電子メールを送信することを特徴としている。
【0023】
ここで、前記サーバ部は、前記書込み済みメディアが取り出された旨を前記管理サーバに登録した後は、前記ユーザーから、前記管理者から前記書込み済みメディアを受け取った旨の通知が送られてくるのを待ち、この通知を前記管理データベースに登録することが望ましい。
【0024】
また、前記サーバ部は、前記メディア保管部に前記書込み済みメディアが収納されている場合には、前記入力部を介して前記管理者識別情報が入力された場合にのみ、電源を遮断可能にすることが望ましい。
【0025】
この場合、前記サーバ部は、前記管理者識別情報が入力されることなく前記電源が強制遮断された場合には、当該強制遮断後の電源再投入時に、異常が発生した旨の警告電子メールを、前記管理者の通信先に送信することが望ましい。また、前記サーバ部は、前記警告電子メールを送信した後は、前記制御部に対してメディア処理動作の禁止指令を出すことが望ましい。
【0026】
次に、本発明のメディア処理装置は、前記書込み済みメディア保管部に収納されている書込み済みメディアの枚数を検出するためのメディアセンサを有し、前記サーバは、前記管理データベースの登録情報から得られる前記メディア保管部に収納されている前記書込み済みメディアの収納枚数と、前記メディアセンサによって検出される前記メディア保管部に収納されている実際の前記書込み済みメディアの収納枚数とが相違している場合には、異常が発生した旨の警告電子メールを、前記管理者の通信先に送信することが望ましい。この場合、前記サーバ部は、前記警告電子メールを送信した後は、前記制御部に対してメディア処理動作の禁止指令を出すことが望ましい。
【0027】
次に、前記サーバ部は、前記メディア保管部に収納されている前記書込み済みメディアの枚数が所定枚数に達したことが検出された場合には、前記管理者の通信先に、前記メディア保管部が満杯間近になった旨の電子メールを送信し、前記書込み済みメディアに対応付けされている各ユーザーの通信先に、書込み済みメディアの取り出しを要求する旨の電子メールを送信することが望ましい。
【0028】
また、前記サーバ部は、前記メディア保管部において、同一のユーザー情報が付与された書込み済みメディアの枚数が予め定めた枚数に達したことが検出された場合には、当該ユーザーの通信先に、書込み済みメディアの取り出しを要求する旨の通知を送信することが望ましい。
【0029】
さらに、前記サーバ部は、前記管理データベースに、各書込み済みメディアが前記メディア保管部に収納された収納時刻を登録し、前記メディア保管部において、前記処理時刻から所定時間を経過した書込み済みメディアが依然として保管されていることが検出された場合には、当該書込み済みメディアに対応付けされているユーザーの通信先に、当該書込み済みメディアの取り出しを要求する通知を送信することが望ましい。
【0030】
一方、本発明によるメディア処理システムは、通信回線を介して相互に接続されている管理端末、少なくとも一つのユーザー端末、および、メディア処理装置を有し、前記メディア処理装置として、上記構成のメディア処理装置を用いることを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したCD/DVDパブリッシャ(以下、ディスクパブリッシャという)を備えたメディア処理システムを説明する。
【0032】
図1は、メディア処理システムを示す全体構成図である。メディア処理システム1は、LAN2と、当該LAN2に接続されている複数台のユーザーPC3と、LAN2を管理している管理PC4と、当該LAN2に接続されている一台のディスクパブリッシャ5(メディア処理装置)とを有している。本例のディスクパブリッシャ5には、後述のようにサーバ機能が搭載されている。
【0033】
ユーザーPC3および管理PC4は、基本的には一般的に用いられているPCと同一構成であり、入力装置3aおよび表示装置3bが接続されている。各ユーザーPC3で入力あるいは作成されたメディア書込みデータやレーベル印刷データなどの作成データは、LAN2を介してディスクパブリッシャ5に供給される。各ユーザーPC3からLAN2へのログインは、予めユーザー(クライアント)に付与されているユーザーIDおよびパスワードに基づき許可されるようになっている。管理PC4からLAN2へのログインも、予め管理者に付与されている管理者IDおよびパスワードに基づき許可されるようになっている。なお、LAN2の管理者(管理PC)とディスクパブリッシャ5の管理者(管理PC)とは別であってもよいし、LAN2へのログインとディスクパブリッシャ5へのログインのためのIDとパスワードは別であってもよい。
【0034】
ディスクパブリッシャ5は、各ユーザーPC3および管理PC4からのアクセス認証機能を備えている。また、管理データベースDBを備えており、ここに登録されている内容に基づき作成されたメディアが管理される。ディスクパブリッシャ5には入力装置6が接続されており、この操作面にはテンキーなどが配列されている。この入力装置6からユーザー認証、管理者認証を行って、作成されたメディアの取り出し要求を入力できるようになっている。
【0035】
図2はディスクパブリッシャ5のメディアの流れを中心に示す概略構成図であり、図3はその制御系を中心に示す概略ブロック図である。これらの図を参照して説明すると、ディスクパブリッシャ5は、CD、DVDなどの可搬性のメディア11(ブランクメディア11Aおよび作成メディア11B)を収納するためのメディア収納部12と、メディア11へのデータの書込み、およびメディア11からのデータの読み出しを行うメディアドライブ13と、データが書込まれたメディア11のレーベル面11aに、書込みデータを表すタイトルなどのレーベルを印刷するためのレーベルプリンタ14と、メディア11を搬送するためのメディア搬送機構15と、作成メディア11Bを発行(排出)するためのメディア排出口16と、作成メディア11Bをメディア収納部12から取り出すために開かれる電気式ロック17A付きのカバー17とを有している、また、これらの各部の駆動制御を司る制御部18、表示部19、サーバ部20、および、管理データベースDBを有している。サーバ部20は通信用インターフェースI/Fを介してLAN2に接続されている。
【0036】
メディア収納部12は、ブランクメディア11Aを厚さ方向に積層した状態で保管している供給用スタッカ21と、作成メディア11Bを同じく厚さ方向に積層した状態で保管するための保管用スタッカ22(メディア保管部)とを備えている。メディア搬送機構15は、これら供給用スタッカ21および保管用スタッカ22における最も上の位置から順次にメディア11を取り出し可能であり、これら供給用スタッカ21および保管用スタッカ22における最も上の位置に順次にメディア11を収納可能である。
【0037】
保管用スタッカ22はカバー17によって封鎖されており、制御部18の制御の下に、電気式ロック17Aが解除されるとカバー17を開けることができる。カバー17を開けると、保管用スタッカ22に保管されている全ての作成メディア11Bを取り出すことが可能になる。電気式ロック17Aは、例えば、電磁ソレノイドを用いて、非通電状態で施錠し通電状態で開錠するよう構成することが可能である。カバー17の開閉状態はカバーオープンセンサ24の出力に基づき制御部18において検出可能である。カバーオープンセンサ24は、フォトセンサまたはプッシュスイッチなどを用いて構成することが可能である。
【0038】
また、保管用スタッカ22に保管されている作成メディアの枚数はメディアセンサ25によって検出可能となっている。メディアセンサ25は、メディア搬送機構15のメディアキャリア155(図10参照)に設けられ、揺動可能なメディア検出レバーとこのメディア検出レバーの位置を検出する光学センサとを備えている。保管用スタッカ22の直上からメディアキャリア155を下降させると、保管用スタッカ22に保管されている作成メディア11Bの表面(レーベル面11a)にメディア検出レバーが接触して揺動する。これにより、保管用スタッカ22内の作成メディア11Bの有無を検出することができると共に、積層された作成メディア11Bの高さを検出することができる。この積層高さとメディア11の1枚の厚さから、保管用スタッカ22に保管されている作成メディアの枚数を算出することが可能である。同様にして、供給用スタッカ21に収納されているブランクメディア11Aの枚数を検出することが可能である。
【0039】
制御部18は、主制御回路31を備えていると共に、当該主制御回路31の制御の下で、メディアドライブ13を駆動制御する記録制御部32、レーベルプリンタ14を駆動制御する印刷制御部33、メディア搬送機構15を駆動制御する搬送制御部34、カバー17の電気式ロック17Aを駆動制御するカバー制御部35、および表示部19の表示制御を行う表示制御部36を備えている。また、メディアセンサ25からの信号に基づいてメディア収納部12に収納されているメディア11の枚数を管理する収納管理部37を備えている。
【0040】
次に、サーバ部20は、ユーザーPC3からLAN2および通信用インターフェースI/Fを介してメディアの作成指令を受信すると、作成指令と共に送信されてくるユーザーIDおよびパスワード(ユーザー識別情報)からユーザーを認証する認証管理部42と、受信したメディア作成用データに基づいて印刷データを生成する印刷データ生成部43と、受信したメディア作成用データに基づいて書込みデータを生成する記録データ生成部44とを備えている。また、認証されたユーザーによって要求されたメディアの作成指令を管理データベースDBに登録するとともに登録情報の更新を行うデータベース更新部45と、ユーザーおよび管理者との間で電子メールの送受信を行うメール送受信部46を備えている。さらに、ディスクパブリッシャ5が異常状態に陥ったことを検出するための異常検出部47を備えている。
【0041】
受信したデータに基づきサーバ部20で印刷データおよび記録データが生成されると、これらが制御部18に送られ、制御部18の制御の下でメディアが作成される。すなわち、供給用スタッカ21からブランクメディア11Aがメディア搬送機構15によって取り出されてメディアドライブ13に搬送される。メディアドライブ13において記録データがブランクメディア11Aに書込まれる。データ書込み後のメディアはメディア搬送機構15によってレーベルプリンタ14に搬送され、印刷データがメディアに印刷される。印刷後に得られた作成メディア11Bはメディア搬送機構15によって保管用スタッカ22に搬送され、そこに保管(収納)される。
【0042】
一方、サーバ部20には、そこに接続されている入力装置6から作成メディア11Bの取り出し要求を入力できる。入力装置6を介して管理者による作成済みメディアの取り出し要求を受け付け、入力された管理者IDおよびパスワード(管理者識別情報)による認証を行うと、サーバ部20は制御部18に対して保管用スタッカ22に収納されている全ての作成メディア11Bの取り出しを許可する信号を出力する。制御部18は当該信号を受け取ると、カバー制御部35を介してカバー17のロックを解除し、保管用スタッカ22から全ての作成メディア11Bの取り出しを可能な状態にする。あるいは、制御部18は、搬送制御部34を介してメディア搬送機構15を駆動して、全ての作成メディア11Bを1枚ずつ保管用スタッカ22から取り出してメディア排出口16から排出してもよい。
【0043】
入力装置6を介してユーザーによる作成メディア11Bの取り出し要求を受け付け、入力されたユーザーIDおよびパスワードによる認証を行うと、サーバ部20は制御部18に対して、当該ユーザーによる作成指令に基づき作成された作成メディア11Bの取り出しを許可する信号を出力する。制御部18は当該信号を受け取ると、搬送制御部34を介してメディア搬送機構15を駆動して、該当する作成メディア11Bを保管用スタッカ22から取り出してメディア排出口16から発行する。
【0044】
なお、メディア取り出し要求は、ユーザーPC3や管理PC4から送信し、インターフェースI/Fを介してサーバ部20に入力するようにしてもよい。
【0045】
管理データベースDBには、ユーザー情報50、ジョブ情報60、サーバ情報70が登録されている。ユーザー情報50には、ユーザーに予め付与されているユーザーID、パスワード、およびメールアドレスが含まれている。ジョブ情報60は、ユーザーからの作成指令によって行なわれるメディア処理ジョブを表す情報であり、当該ジョブ情報60は作成依頼元のユーザーと関連付けして登録される。サーバ情報70には、管理者に予め付与されている管理者ID、パスワード、および管理者メールアドレスが含まれている。
【0046】
図4(A)は、管理データベースDBに登録されているジョブ情報60の部分を中心に示す説明図である。ユーザーからからメディア作成指令があると、作成するメディア1枚毎にメディア処理ジョブ61が登録される。メディア処理ジョブ61には、メディアを識別するための処理メディア番号62、作成者(ユーザー)63、作成日時64、作成者による取り出しの有無65、作成者取出日時66、管理者による取り出しの有無67、管理者取り出し日時68、当該メディアの作成時点における保管用スタッカ22に残存している作成メディア11Bの残存枚数69などが含まれている。なお、管理者IDおよびパスワードによって管理PC4からログインした管理者は、管理データベースDBに自由にアクセスすることが可能になっている。これに対して、ユーザーPC3からログインしたユーザーは、一定のアクセス制限の下で管理データベースDBにアクセス可能(例えば、自身のデータのみアクセス可能)となっている。
【0047】
(メディアの作成動作および作成メディアの取り出し動作)
次に、図5はメディア処理システム1におけるメディアの作成動作例およびユーザーによる作成メディアの取り出し動作例を示す概略フローチャートである。
【0048】
まず、ディスクパブリッシャ5においては、その電源投入時に、異常検出部47によって異常検出が行われ(ST51)、異常が発生していない場合にのみ動作可能状態に切り替わり、受信待ちの状態になる(ST52)。
【0049】
後述のように、電源遮断が正常に行われなかった場合、および、管理データベースDBに登録されている作成メディアの収納枚数と実際に収納されている作成メディア枚数が相違する場合には、動作を不能状態に保持し(ST71)、表示部に異常が発生した旨の警告を表示し(ST72)、異常が発生した旨の警告電子メールを管理者の電子メールアドレス先に送信する(ST73)。
【0050】
一方、LAN2に接続されているユーザーPC3においては、例えばユーザーAがメディア作成用データを作成し(ST31)、ユーザーIDおよびパスワードを入力してLAN2へのログインを行う(ST32)。そして、メディアの作成指令、メディア作成用データ、ユーザーIDおよびパスワードをディスクパブリッシャ5へ送信する(ST33)。
【0051】
ディスクパブリッシャ5では、ユーザーPC3からデータを受信すると(ST52)、管理データベースDBに登録されているユーザー情報50に基づいて、認証管理部42が受信したユーザーIDおよびパスワードからユーザー認証を行う(ST53)。ユーザー認証後に、受信データに基づきメディア作成用データ(印刷データおよび記録データ)が生成され、これらがサーバ部20から制御部18に供給される。制御部18では、メディア作成用データに基づいて、ブランクメディア11Aへの書込み、および、印刷を行って、作成メディア11Bを作成する(ST54)。勿論、データの書込みのみが行われて作成メディア11Bとなる場合もあり、印刷のみが行われて作成メディア11Bとなる場合もあり得る。作成メディア11Bは保管用スタッカ22に保管される(ST55)。また、データベース更新部45は、管理データベースDBのジョブ情報60に新たなメディア処理ジョブ61を追加して、そこに処理メディア番号62、作成者63、作成日時64を登録する。また、作成時点において保管用スタッカ22に残存している作成メディア11Bの残存枚数を記録する(ST56)。
【0052】
次に、保管用スタッカ22に保管されている作成メディア11Bをユーザーが取り出す動作を説明する。ユーザーはディスクパブリッシャ5まで作成メディア11Bを取りに行き、入力装置6から、メディア取り出し要求と、ユーザーIDおよびパスワードを入力する(ST60)。サーバ部20は、入力されたユーザーIDおよびパスワードからユーザー認証を行い(ST61)、当該ユーザーによって作成された作成メディア11Bが保管用スタッカ22に保管されているか否かを管理データベースDBのユーザー情報50、ジョブ情報60に基づき判断する(ST62)。該当する作成メディア11Bが特定されると、当該メディア処理ジョブ61に登録されている残存枚数と処理メディア番号62から、該当する作成メディア11Bが保管用スタッカ22の上から何番目であるかを算出し、当該情報を制御部18に送る。制御部18はメディア搬送機構15を駆動制御して、該当する作成メディア11Bをメディア排出口16から発行する(ST63)。すなわち、該当する作成メディア11Bが最も上の位置になるまで、他の作成メディア11Bを供給用スタッカ21に1枚ずつ移動し、該当する作成メディア11Bをメディア排出口16に排出し、供給用スタッカ21に移動した作成メディア11Bを保管用スタッカ22に1枚ずつ戻す処理を行う。
【0053】
なお、同一ユーザーが作成した作成済みメディア11が保管用スタッカ22に複数枚保管されている場合には、全ての作成メディア11Bを排出する。あるいは、ST63において、表示部19に、保管されている作成メディア11Bのメディア番号を表示し、ユーザーは表示されたメディア番号から目的とする作成メディア11Bを選択して、取り出すこととしてもよい。
【0054】
作成メディア11Bが取り出された後は、ユーザーによって取り出しがあった旨および、作成者取得日時が対応するメディア処理ジョブ61に記録される。また、メディア処理ジョブ61毎に記録されている残存枚数の値が更新される(ST64)。日時情報は、ディスクパブリッシャ5が備える不図示のリアルタイムクロックから取得可能である。
【0055】
次に、ディスクパブリッシャ5において、保管用スタッカ22が作成メディア11Bで満杯間近の状態になったことが検出された場合には(ST57)、メール送受信部46は保管されている作成メディア11Bを作成したユーザーを特定し(ST81)、特定された全てのユーザーに保管用スタッカ22から作成メディア11Bを取り出すことを促す電子メールを送信する(ST82)。同時に、管理者宛てに、保管用スタッカ22が満杯間近になった旨の電子メールを送信する(ST83)。
【0056】
ここで、保管用スタッカ22の作成メディア11Bの収納枚数(残存枚数)は次のようにして算出している。先に述べたように、メディア作成動作が行なわれる毎にデータベース更新部45は、管理データベースDBのジョブ情報60に新たなメディア処理ジョブ61を登録して、処理メディア番号62、作成者63、作成日時64を記録する。サーバ部20は、ジョブ情報60から保管用スタッカ22に残存している作成メディア11Bの合計残存枚数を取得する。具体的には、作成メディア11Bの合計枚数から、取り出されたことが記録されている作成メディア11Bの枚数を差し引き、合計残存枚数を取得する。
【0057】
例えば、保管用スタッカ22の最大収納枚数が50枚の場合には、収納枚数が40枚に達した時点で、このような電子メールを送信する。これによって、保管用スタッカ22が満杯になって動作が中断してしまうことを未然に防止できる。また、取り出し対象の作成メディア11Bを取り出すために、その上に積まれている多数枚のメディアを取り除く必要があるためにメディア取り出し動作の効率が大幅に低下してしまうことも回避できる。
【0058】
なお、本例では、メディアの作成毎に保管用スタッカ22の合計残存枚数を検出しているが、一定のサンプリング周期で合計残存枚数を取得するようにしてもよい。
【0059】
一方、本例では、同一のユーザーが作成した作成メディアの保管枚数が所定枚数以上になった場合にも、その旨の通知を行うようにしている。すなわち、同一のユーザーによって作成された作成メディア11Bの保管枚数が、所定枚数を超えたことが検出されると(ST58)、メール送受信部46は、当該ユーザー宛に、保管用スタッカ22に保管されている作成メディア11Bの取り出しを促す旨の電子メールを送信する(ST91)。例えば、同一ユーザーによる作成メディア11Bの保管枚数が10枚に達した場合に、当該ユーザーにメールを送信する。同一のユーザーによる作成メディア11Bが10枚以上も保管用スタッカ22に残存している場合には、そのユーザーが作成メディア11Bを取り出すことを忘れているものと判断できるので、通知することによって取り出しを促すことが望ましい。ユーザー毎の残存枚数は、一定の間隔でジョブ情報60に記録されている作成者63、作成者および管理者による取り出しの有無65、67の情報から算出してもよいし、ユーザー毎の残存枚数をジョブ情報60に記録するようにしてもよい。
【0060】
また、本例では、保管用スタッカ22に長期間に亘って保管されている作成メディア11Bがある場合にも、その取り出しを促す電子メールを送信するようにしている。すなわち、サーバ部20は、一定の間隔で、ジョブ情報60の各メディア処理ジョブ61に記録されている作成日時64を監視しており、作成日時64から所定の保管時間以上経過した作成メディア11Bが保管用スタッカ22に保管されていることを検出すると(ST59)、当該作成メディア11Bを作成したユーザーに、メール送受信部46は、保管用スタッカ22から作成メディア11Bを取り出すことを促す電子メールを送信する(ST101)。例えば、保管時間を1時間とし、作成メディア11Bが1時間以上も保管用スタッカ22に残っている場合には、そのユーザーが作成メディア11Bを取り出すことを忘れているものと判断されるので、通知によって、取り出しを促すことが望ましい。
【0061】
なお、ユーザーに通知するための閾値となる上記の所定の保管枚数や所定の保管時間を、ユーザー毎に設定するようにしてもよい。
【0062】
(管理者による作成済みメディアの取り出し動作)
次に、図6は、ディスクパブリッシャ5における管理者による作成メディア11Bの取り出し動作を示す概略フローチャートである。夜間などのように無人状態になる場合などにおいては、管理者によって保管用スタッカ22に保管されている作成メディア11Bを全て取り出して、安全な場所に保管することが望ましい。
【0063】
作成メディア11Bを全て取り出す場合には、管理者はディスクパブリッシャ5まで行き、入力装置6から管理者IDおよびパスワードを入力する(ST111)。ディスクパブリッシャ5の認証管理部42はサーバ情報70に基づいて、管理者を認証する。管理者認証が行われた後に、入力装置6から作成メディアの取り出し要求が入力されると(ST112)、カバー制御部35はカバー17の電気式ロック17Aを解除する(ST113)。管理者はカバー17を開けて、保管用スタッカ22から全ての作成メディア11Bを取り出すことができる。なお、メディア取り出し要求の入力(ST112)に応じて、ディスクパブリッシャ5が、管理者認証のための管理者IDおよびパスワードの入力(ST111)を管理者に要求するよう構成してもよい。
【0064】
カバー17を開けると、それがカバーオープンセンサ24によって検出され、これによって、管理者が保管用スタッカ22から作成メディア11Bを全て取り出したものと判断される(ST114)。あるいは、保管用スタッカ22が取り出されたことを検出するセンサを設け、カバー17が開かれ、さらに保管用スタッカ22が取り出されたことを検出した場合に、管理者が保管用スタッカ22から作成メディア11Bを全て取り出したものと判断してもよい。この後に、データベース更新部45は、管理データベースDBを更新する(ST115)。すなわち、図4(B)に示すように、取り出された作成メディア11Bに対応するメディア処理ジョブ61の欄に、管理者が取り出した旨67および管理者取り出し日時68を記録する。また、各メディア処理ジョブ61の作成メディア11Bの残存枚数を零となるようにリセットする。
【0065】
この後は、メール送受信部46が、該当するユーザーのメールアドレス宛てに、作成メディア11Bが管理者によって取り出された旨の電子メールを送信する(ST116)。メールを受信したユーザーは、作成メディア11Bを引き取るために、管理者の元へ向かい、管理者から、作成メディア11Bを受け取ることができる。
【0066】
ここで、管理者が作成メディア11Bを取り出すと、取り出された作成メディア11Bのメディア処理ジョブ61には、当該作成メディア11Bがユーザーまで渡ったか否かを管理するデータベース項目が追加される。追加されるデータベース項目は管理者側の確認項目とユーザー側の確認項目の2つである。
【0067】
作成メディア11Bをユーザーに手渡した管理者は、管理PC4から管理データベースDBにアクセスして、ユーザーに作成メディア11Bを手渡した旨を入力する(ST117)。ユーザーはユーザーPC3から管理データベースDBにアクセスして、管理者から受け渡された旨を入力する(ST118)。このように、管理者およびユーザーの双方から通知を受け取ると、その旨が管理データベースDBに登録されるので、これによって、管理者が取り出した作成メディア11Bがユーザーに渡されたか否かを監視できる。
【0068】
なお、ステップST115で、管理者が取り出した旨67をデータベースDBに記録しているので、ステップST117の処理を省略して、ステップST118のユーザーによる確認処理のみ行うようにしてもよい。
【0069】
(ディスクパブリッシャの異常検出動作)
先に述べたように、ディスクパブリッシャ5において、電源の遮断が正常に行われなかった場合、および、管理データベースDBに登録されている作成メディアの収納枚数と実際に収納されている作成メディア枚数が相違する場合には、動作を不能状態に保持し、表示部19に異常が発生した旨の警告を表示し、異常が発生した旨の警告電子メールを管理者の電子メールアドレス先に送信している。その後、ディスクパブリッシャ5によるメディア作成動作を不能にしている(図5のST71〜ST73)。
【0070】
まず、電源遮断が正常に行われなかった場合について説明する。本例のディスクパブリッシャ5では、保管用スタッカ22に作成メディア11Bが残存している場合に電源を遮断できるのは管理者のみとし、電源遮断時には管理者認証を行うようにしている。すなわち、図6に示すように、管理者認証後に(ST111)、電源遮断要求があると(例えば、不図示の電源スイッチが操作されると)(ST121)、管理者による電源遮断である旨を録し、電源を遮断して処理を終了する(ST122)。
【0071】
これに対して、管理者認証が行われずに電源遮断された場合には、管理者以外の者によって電源が遮断(例えば、電源コードが切断)され、作成済みメディアが取り出された可能性がある。そこで、異常検出部47は、管理者認証が行われることなく電源が遮断された場合(管理者による電源遮断である旨の記録がない場合)には、図5のステップST71〜ST73に示すように、電源投入時に、管理者に電源の異常遮断があった旨のメールを送信する。メールを受け取った管理者は、保管用スタッカ22を確認して、そこに保管されている作成メディア11Bと管理データベースDBの登録内容とを照合するなどの確認を行うことにより、作成メディア11Bの盗難などの異常事態に迅速に対応できる。
【0072】
次に、本例では、電源投入時に、サーバ部20は、管理データベースDBのジョブ情報60から保管用スタッカ22に残存している作成メディア11Bの合計残存枚数を取得し、メディアセンサ25によって保管用スタッカ22に保管されている実際の作成メディア11Bの枚数を検出している。管理データベースDBによる合計残存枚数と、実際に検出された枚数とが一致していない場合にも、図5のステップST71〜73に示すように、メール送受信部46は、管理者に宛てに異常が発生している旨のメールを送信している。
【0073】
管理データベースDBで管理している合計残存枚数と、保管用スタッカ22に保管されている実際の枚数とが相違している場合には、管理データベースDBの登録内容に基づき作成メディア11Bの管理を正確に行うことができない。したがって、管理者に通知して、回復処理を行わせることが必要である。なお、管理データベースDBが管理している合計残存枚数と、メディアセンサ25が検出した枚数とが相違する場合としては、管理者が保管用スタッカ22から作成メディア11Bを取り出す際に、一部または全ての作成メディア11Bを取り忘れた場合、電源遮断状態において作成メディア11Bが盗まれた場合などがある。本例では、このような異常事態の発生を検出して、以後の対応を迅速に行わせることができる。
【0074】
なお、電源遮断要求が入力された時に保管用スタッカ22に作成メディア11Bが残存している場合には、電源を遮断せずに、保管用スタッカ22から作成メディア11Bを取り出すことを促す電子メールを管理者宛てに送信し、また、表示部19に、同様のメッセージを表示するようにしてもよい。これにより、電源遮断時には、管理者により、全ての作成メディア11Bが保管用スタッカ22から取り出され、保管される。また、この場合には、電源投入時に、保管用スタッカ22内の作成メディア11Bの有無をメディアセンサ25により検出し、作成メディア11Bがある場合には、異常事態として、図5のステップST71〜73に示す処理を行う。
【0075】
(ディスクパブリッシャの具体的構成例)
次に、図7ないし図12を参照して、ディスクパブリッシャ5の具体的構成例を説明する。
図7はディスクパブリッシャ5の外観斜視図である。ディスクパブリッシャ5は、ほぼ直方体形状の筐体131を備え、この筐体131の前面には、左右に開閉可能なカバー17、133が取り付けられている。カバー17の右上端部には、表示ランプ、操作ボタン、LCDが配列された操作面134(表示部)が形成されている。カバー17、133の下側中央部には、メディア排出口16が開いている。また、ディスクパブリッシャ5には、入力装置6が接続されている。入力装置6に代えて、同等の機能を有する操作パネルを操作面134に設けてもよい。
【0076】
図8は、カバー17、133を開いた状態でのディスクパブリッシャ5の斜視図である。左側のカバー17は筐体131の天井板部分に設けられた電気式ロック17Aにより閉じ状態にロックされており、入力装置6または操作面134から入力された管理者IDおよびパスワードによって、予め登録されている管理者のみが開閉できるようになっている。電気式ロック17Aに右側にはカバーオープンセンサ24が設けられている。これに対して、右側のカバー133はレーベルプリンタ14のインクカートリッジの交換時に開閉するためのものであり、当該カバー133を開けると、カートリッジ装着部136が露出するようになっている。本例では上下二段のカートリッジ装着部136が形成されている。
【0077】
図9は、入力装置6、カバー17、133および筐体131の一部を取り外した状態でのディスクパブリッシャ5の斜視図である。図8および図9を参照して説明すると、ディスクパブリッシャ5の筐体131の内部には、その左側の部位において、供給用スタッカ21および保管用スタッカ22が同軸状態で上下に配置されている。供給用スタッカ21は、前方に水平に引き出し可能なスライド板141と、このスライド板141の上に垂直に配置されている左右一対の円弧状の枠板142、143とを備えており、これらにより、メディア11を上側から受け入れ、同軸状態に積層した状態で収納可能なスタッカが構成されている。供給用スタッカ21にメディア11を収納あるいは補充する作業は、カバー17を開け、スライド板141を手前に引き出すことにより、簡単に行うことが可能となっている。
【0078】
下側の保管用スタッカ22も同一構造となっており、前方に水平に引き出し可能なスライド板144と、この上面に垂直に配置されている左右一対の円弧状の枠板145、146とを備えており、これらによって、メディア11を上側から受け入れ、同軸状態で積層した状態で収納可能なスタッカが構成されている。
【0079】
これらの供給用スタッカ21および保管用スタッカ22の後側には、メディア搬送機構15が配置されている。メディア搬送機構15は、筐体131に垂直に取り付けられているシャーシ151と、このシャーシ151の上下の水平支持板部分152、153の間に垂直に架け渡されている垂直ガイド軸154と、この垂直ガイド軸154に取り付けたメディアキャリア155とを備えている。メディアキャリア155は、垂直ガイド軸154に沿って昇降可能であるとともに、当該垂直ガイド軸154を中心に左右に旋回可能である。
【0080】
供給用スタッカ21、保管用スタッカ22およびメディア搬送機構15の側方の部位には、上側にメディアドライブ13が配置され、下側にレーベルプリンタ14が配置されている。図8、9では、上側のメディアドライブ13のメディアトレイ171が手前に引き出されたメディア受け渡し位置171Aにある状態、および、下側のレーベルプリンタ14のメディアトレイ181が手前側のメディア受け渡し位置181Aにある状態が示されている。また、レーベルプリンタ14はインクジェットプリンタであり、インク供給源として各色のインクカートリッジ182が用いられており、これらのインクカートリッジ182がカートリッジ装着部136に前方から装着されている。
【0081】
ここで、供給用スタッカ21および保管用スタッカ22の左右一対の枠板142、143の間、145、146の間には、メディア搬送機構15のメディアキャリア155が昇降可能な隙間が形成されている。また、供給用スタッカ21と筐体131の間、供給用スタッカ21と保管用スタッカ22の間には、メディアキャリア155が水平に旋回して、これらスタッカ21、22の真上に位置できるように、隙間が開いている。さらに、上側のメディアトレイ171をメディアドライブ13に押し込むと、メディア搬送機構15のメディアキャリア155を下降させて、メディア受け渡し位置にあるメディアトレイ181にアクセス可能となっている。したがって、メディアキャリア155の昇降および左右への旋回の組み合わせ動作によって、メディア11を各部分に搬送することが可能である。
【0082】
図10はメディア搬送機構15のみを示す斜視図である。先に述べたように、メディア搬送機構15は、筐体131に対して垂直に取り付けられているシャーシ151を備え、このシャーシ151の上下の水平支持板部分152、153の間に、垂直ガイド軸154が取り付けられ、この垂直ガイド軸154にメディアキャリア155が昇降および旋回可能な状態で支持されている。
【0083】
メディアキャリア155の昇降機構は、駆動源であるモータ156を備えており、このモータ156の回転が、モータ出力軸に取り付けたピニオン157、複合伝達歯車158、および伝達歯車159を備えた減速歯車列を介して、駆動側プーリ161に伝達されるようになっている。駆動側プーリ161は、シャーシ151の上端近傍位置において、水平な回転軸(図示せず)を中心として回転自在の状態に支持されている。シャーシ151の下端近傍位置には、同じく水平な回転軸162を中心として回転自在の状態で従動側プーリ163が支持されており、これら駆動側プーリ161および従動側プーリ163の間にタイミングベルト164が架け渡されている。このタイミングベルト164の左右のベルト部分の一方に、メディアキャリア155の後端部分が固定されている。したがって、モータ156を駆動すると、タイミングベルト164が上下方向に移動し、そこに取り付けられているメディアキャリア155が垂直ガイド軸154に沿って昇降する。
【0084】
次に、メディアキャリア155の旋回機構は、駆動源であるモータ165を備えており、このモータ165の出力軸にはピニオン(図示せず)が取り付けられて、このピニオンの回転が、2枚の複合伝達歯車166、167を備えた減速歯車列を介して、扇形の最終段歯車169に伝達されるようになっている。扇形の最終段歯車169は、垂直ガイド軸154を中心として左右に旋回可能である。また、当該最終段歯車169には、メディアキャリア155の昇降機構の構成部品が組み付けられているシャーシ151が搭載されている。モータ165を駆動すると、扇形の最終段歯車169が左右に旋回するので、ここに搭載されているシャーシ151が一体となって垂直ガイド軸154を中心として左右に旋回する。この結果、シャーシ151に搭載されている昇降機構によって保持されているメディアキャリア155が垂直ガイド軸154を中心として左右に旋回する。
【0085】
なお、メディアキャリア155は、その先端側の部位の中心に、例えば、3本の把持爪を備え、それらの一つが半径方向に移動可能となっている。これらの把持爪をメディア11のセンターホールに差し込み、一本の爪を半径方向の外方に移動させることにより、メディア11を把持できる。この把持状態において、一本の爪を半径方向の内方に移動させることにより、メディア11を開放して把持爪から落下させることができる。メディアキャリア155にはこのような把持機構が搭載されている。このような把持機構は、後述のレーベルプリンタ14におけるメディアトレイ181に組み込まれている把持機構と同様である。
【0086】
図11はレーベルプリンタ14のみを示す斜視図であり、図12はそのメディアトレイ181を示す平面図である。レーベルプリンタ14はシャーシ183を備え、このシャーシ183における後側の左右の側板部分の間にはキャリッジガイド軸184が水平に架け渡されており、ここに沿って、インクジェットヘッド(図示せず)が搭載されたヘッドキャリッジ185が左右方向に往復移動可能である。キャリッジ駆動機構は、左右方向に水平に架け渡したタイミングベルト186と、これを駆動するためのキャリッジモータ187とを備えている。
【0087】
ヘッドキャリッジ185に搭載されているインクジェットヘッドは、そのノズル面が下向きとされており、当該インクジェットヘッドの下側位置を、前後方向に水平にメディアトレイ181が往復移動可能となっている。メディアトレイ181は、その右側の端が、前後方向に水平に延びるガイド軸188によって支持され、その左側の端が、スライド可能な状態で、前後方向に水平に延びるガイドレール189によって支持されている。このメディアトレイ181の駆動機構も、前後方向に水平に架け渡したタイミングベルト190と、これを駆動するためのトレイモータ191を備えた構成となっている。
【0088】
メディアトレイ181は、矩形の板の上面に、メディア11を載せるための円形の浅い凹部181aを備えている。また、当該凹部181aの中心部には、同一円上において120度間隔に配置された3本の垂直爪192〜194を備えている。垂直爪194は半径方向に移動可能であり、残りの2本の垂直爪192、193は固定位置に配置されている。電磁ソレノイドなどの不図示の駆動機構によって垂直爪194が移動するようになっている。
【0089】
メディア11を、そのレーベル面11aを上向きにして、上から凹部181aに落とすと、図11に示すように、メディア11のセンターホールに3本の垂直爪192〜194が差し込まれた状態になる。この後に、垂直爪194を半径方向の外方に僅かに移動すると、これら3本の垂直爪192〜194がメディア11のセンターホールの内周面に内側から押し付けられた状態になる。これにより、メディア11がメディアトレイ181に保持される。この状態で、トレイモータ191を駆動して、メディアトレイ181をガイド軸188に沿って後ろ側に移動させ、インクジェットヘッドの印字領域内まで移動させることができる。この後は、インクジェットヘッドによって、メディア11のレーベル面11aに所定の印刷を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明を適用したメディア処理システムを示す全体構成図。
【図2】図1のディスクパブリッシャの機構系を中心に示す概略構成図。
【図3】ディスクパブリッシャの制御系を中心に示す概略ブロック図。
【図4】管理用データベースの登録内容を示す説明図。
【図5】メディアの作成動作およびユーザーによるメディア取り出し動作を示す概略フローチャート。
【図6】管理者によるメディア取り出し動作を示す概略フローチャート。
【図7】ディスクパブリッシャの具体例を示す外観斜視図。
【図8】図7のディスクパブリッシャにおけるカバーが開いた状態での斜視図。
【図9】図7のディスクパブリッシャの内部構造を示すための斜視図。
【図10】図7のディスクパブリッシャのメディア搬送機構を示す斜視図。
【図11】図7のディスクパブリッシャのプリンタを示す斜視図。
【図12】図11のプリンタのメディアトレイを示す平面図。
【符号の説明】
【0091】
1…メディア処理システム、2…LAN、3…ユーザーPC、4…管理PC、5…ディスクパブリッシャ、6…入力装置、11B…作成メディア、18…制御部、20…サーバ部、22…保管用スタッカ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理者を識別する管理者識別情報および当該管理者の通信先情報を含む管理者情報と、ユーザーを識別するユーザー識別情報および当該ユーザーの通信先情報を含むユーザー情報とを管理データベースに登録し、
通信回線を介して、前記管理データベースに登録されているユーザーから、データ書込み指令などのメディア処理指令を受信すると、当該メディア処理指令に基づき、可搬性のメディアに対して処理を施し、
処理後に得られた処理済みメディアをメディア保管部に一時的に収納し、
前記メディア処理指令を出したユーザーと前記処理済みメディアを対応付けした形態で前記管理データベースに登録し、
前記ユーザー識別情報が入力された場合には、当該ユーザー識別情報によって特定されるユーザーに対応付けされている前記処理済みメディアのみを前記メディア保管部から取り出し可能にし、当該処理済みメディアが取り出されると、前記管理データベースに当該処理済みメディアが取り出された旨を登録し、
前記管理者識別情報が入力された場合には、前記メディア保管部を、当該メディア保管部に収納されている全ての前記処理済みメディアの取り出しが可能な状態に切り替え、前記管理データベースに、前記管理者によって前記処理済みメディアが取り出された旨を登録し、
前記メディア保管部に収納されている前記処理済みメディアの収納状態を監視し、
当該収納状態が予め定めた特定収納状態になったことを検出した場合には、当該特定収納状態になったことを知らせるための通知を、前記通信回線を介して、前記管理データベースに登録されている少なくとも一つの前記ユーザーの通信先、および/または、前記管理者の通信先に向けて送信することを特徴とするメディア処理装置のメディア管理方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記特定収納状態には、前記管理者によって前記メディア保管部に収納されている前記処理済みメディアが取り出された後の収納状態が含まれており、
当該収納状態になったことを検出した場合には、取り出された各処理済みメディアに対応付けされている各ユーザーの通信先に、前記管理者によって前記処理済みメディアが取り出されたことを知らせるための通知を送信することを特徴とするメディア処理装置の処理済みメディア管理方法。
【請求項3】
請求項2において、
前記管理者によって前記メディア保管部から前記処理済みメディアが取り出された場合には、その旨を前記管理データベースに登録し、
前記ユーザーから、前記通信回線を介して、前記管理者から前記処理済みメディアを受け取った旨の通知が送信されてくるのを待ち、この通知を前記管理データベースに登録することを特徴とするメディア処理装置のメディア管理方法。
【請求項4】
請求項1において、
前記メディア保管部に前記処理済みメディアが収納されている場合には、
前記管理者識別情報が入力された場合にのみ、メディア処理装置の電源を遮断可能にすることを特徴とするメディア処理装置のメディア管理方法。
【請求項5】
請求項4において、
前記管理者識別情報が入力されることなく、メディア処理装置の電源が強制遮断された場合には、当該強制遮断後の電源再投入時に、当該メディア処理装置に異常が発生した旨の警告通知を、前記通信回線を介して、前記管理者の通信先に送信することを特徴とするメディア処理装置のメディア管理方法。
【請求項6】
請求項1において、
前記特定収納状態には、前記管理データベースにおいて管理されている前記メディア保管部に収納されている前記処理済みメディアの収納枚数と、実際に前記メディア保管部に収納されている前記処理済みメディアの収納枚数とが相違する収納状態が含まれており、
メディアセンサを用いて、前記メディア保管部に収納されている実際の収納枚数を検出し、
前記管理データベースにおいて管理されている収納枚数と実際の収納枚数とが相違する収納状態になったことを検出した場合には、当該メディア処理装置に異常が発生した旨の警告通知を、前記通信回線を介して、前記管理者の通信先に送信することを特徴とするメディア処理装置のメディア管理方法。
【請求項7】
請求項5または6において、
前記警告通知を送信した後は、前記メディア処理装置のメディア処理動作を禁止することを特徴とするメディア処理装置のメディア管理方法。
【請求項8】
請求項1において、
前記特定収納状態には、前記メディア保管部に収納されている前記処理済みメディアの枚数が所定枚数に達した収納状態が含まれており、
当該収納状態になったことを検出した場合には、前記管理者の通信先に、前記処理済みメディア保管部が満杯間近になった旨の通知を送信し、
前記処理済みメディアに対応付けされている各ユーザーの通信先に、処理済みメディアの取り出しを要求する旨の通知を送信することを特徴とするメディア処理装置のメディア管理方法。
【請求項9】
請求項1において、
前記特定収納状態には、前記メディア保管部において、同一のユーザー情報が付与された処理済みメディアの枚数が予め定めた枚数に達した収納状態が含まれており、
当該収納状態になったことを検出した場合には、当該ユーザーの通信先に、前記処理済みメディアの取り出しを要求する旨の通知を送信することを特徴とするメディア処理装置のメディア管理方法。
【請求項10】
請求項1において、
前記特定収納状態には、前記メディア保管部に所定時間以上に亘って処理済みメディアが保管されている収納状態が含まれており、
前記管理データベースに、各処理済みメディアが前記メディア保管部に収納された収納時刻を登録し、
前記メディア保管部において、前記収納時刻から所定時間を経過した処理済みメディアが存在する収納状態になったことを検出した場合には、当該処理済みメディアに対応付けされているユーザーの通信先に、当該処理済みメディアの取り出しを要求する通知を送信することを特徴とするメディア処理装置のメディア管理方法。
【請求項11】
CD、DVDなどの可搬性のメディアを供給するメディア供給部と、
このメディア供給部から供給されるメディアへのデータの書込みを行うメディアドライブと、
データが書込まれた書込み済みメディアを一時保管するためのメディア保管部と、
メディアを搬送するためのメディア搬送機構と、
前記メディアドライブおよび前記メディア搬送機構を駆動制御する制御部と、
管理者を識別する管理者識別情報および当該管理者の通信先情報を含む管理者情報、並びに、ユーザーを識別するユーザー識別情報および当該ユーザーの通信先情報を含むユーザー情報が登録されている管理データベースと、
この管理データベースの更新機能、メール送受信機能、前記管理者識別情報および前記ユーザー識別情報に基づき管理者認証およびユーザー認証を行う認証機能、および、外部との間で通信を行う通信機能を備えたサーバ部と、
前記管理者識別情報および前記ユーザー識別情報を入力するための入力部とを有し、
前記制御部は、前記サーバ部を介して、前記管理データベースに登録されているユーザーからデータ書込み指令を受信すると、前記メディア供給部からメディアをメディアドライブに供給してデータの書込みを行わせ、書込み済みメディアを前記メディア保管部に収納させ、
前記サーバ部は、
前記データ書込み指令に含まれるユーザー識別情報を、前記メディア保管部に収納された前記書込み済みメディアを特定するための書込み済みメディア情報に対応付けした形態で前記管理データベースに登録し、
前記入力部を介して前記ユーザー識別情報が入力されると、当該ユーザー識別情報に対応する前記書込み済みメディアの取り出し許可を前記制御部に与え、前記管理データベースに、前記ユーザーによって当該書込み済みメディアが取り出された旨を登録し、
前記入力部を介して前記管理者識別情報が入力されると、前記メディア保管部に収納されている全ての前記書込み済みメディアの取り出し許可を前記制御部に与え、前記管理データベースに、前記管理者によって全ての前記書込み済みメディアが取り出された旨を登録し、取り出された各書込み済みメディアの各ユーザーの通信先に前記管理者によって各書込み済みメディアが取り出された旨の電子メールを送信することを特徴とするメディア処理装置。
【請求項12】
請求項11において、
前記サーバ部は、
前記書込み済みメディアが取り出された旨を前記管理サーバに登録した後は、前記ユーザーから、前記管理者から前記書込み済みメディアを受け取った旨の通知が送られてくるのを待ち、この通知を前記管理データベースに登録することを特徴とするメディア処理装置。
【請求項13】
請求項12において、
前記サーバ部は、前記メディア保管部に前記書込み済みメディアが収納されている場合には、前記入力部を介して前記管理者識別情報が入力された場合にのみ、電源を遮断可能にすることを特徴とするメディア処理装置。
【請求項14】
請求項13において、
前記サーバ部は、前記管理者識別情報が入力されることなく前記電源が強制遮断された場合には、当該強制遮断後の電源再投入時に、異常が発生した旨の警告電子メールを、前記管理者の通信先に送信することを特徴とするメディア処理装置。
【請求項15】
請求項11において、
前記書込み済みメディア保管部に収納されている書込み済みメディアの枚数を検出するためのメディアセンサを有し、
前記サーバは、前記管理データベースの登録情報から得られる前記メディア保管部に収納されている前記書込み済みメディアの収納枚数と、前記メディアセンサによって検出される前記メディア保管部に収納されている実際の前記書込み済みメディアの収納枚数とが相違している場合には、異常が発生した旨の警告電子メールを、前記管理者の通信先に送信することを特徴とするメディア処理装置。
【請求項16】
請求項14または15において、
前記サーバ部は、前記警告電子メールを送信した後は、前記制御部に対してメディア処理動作の禁止指令を出すことを特徴とするメディア処理装置。
【請求項17】
請求項11において、
前記サーバ部は、前記メディア保管部に収納されている前記書込み済みメディアの枚数が所定枚数に達したことが検出された場合には、前記管理者の通信先に、前記メディア保管部が満杯間近になった旨の電子メールを送信し、
前記書込み済みメディアに対応付けされている各ユーザーの通信先に、書込み済みメディアの取り出しを要求する旨の電子メールを送信することを特徴とするメディア処理装置。
【請求項18】
請求項11において、
前記サーバ部は、前記メディア保管部において、同一のユーザー情報が付与された書込み済みメディアの枚数が予め定めた枚数に達したことが検出された場合には、当該ユーザーの通信先に、書込み済みメディアの取り出しを要求する旨の通知を送信することを特徴とするメディア処理装置。
【請求項19】
請求項11において、
前記サーバ部は、前記管理データベースに、各書込み済みメディアが前記メディア保管部に収納された収納時刻を登録し、前記メディア保管部において、前記処理時刻から所定時間を経過した書込み済みメディアが依然として保管されていることが検出された場合には、当該書込み済みメディアに対応付けされているユーザーの通信先に、当該書込み済みメディアの取り出しを要求する通知を送信することを特徴とするメディア処理装置。
【請求項20】
通信回線を介して相互に接続されている管理端末、少なくとも一つのユーザー端末、および、メディア処理装置を有し、
前記メディア処理装置は、請求項11乃至19のいずれか一項に記載のメディア処理装置であることを特徴とするメディア処理システム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図1】
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【公開番号】特開2007−213781(P2007−213781A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−2043(P2007−2043)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】