説明

メモリカードソケット

【課題】第1および第2のメモリカードの両方に対応可能なメモリカードソケットであって、コストアップを抑えつつ簡単な構造で実現したメモリカードソケットを提供する。
【解決手段】メモリカードソケットは、カード挿入口を通してSDメモリカードMC1,MC2が内部に挿入されるソケット本体3と、コンタクトC3,C11を保持する基体7とを備える。SDメモリカードMC1,MC2には、第1および第2コンタクトパッドが配置される複数の凹所110が凹設され、またSDメモリカードMC2の凹所110の前後方向寸法はSDメモリカードMC1の凹所110の前後方向寸法よりも大きく設定してある。一方、コンタクトC11は、基体7に保持される被保持部111bからSDメモリカードMC1,MC2の挿入方向に向かって突出し、接点部111aと被保持部111bとの間には、クランク状に折り曲げられた折曲部111dが一体に設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SDメモリカード(登録商標)やマルチメディアカード(MMC)などのメモリカードやSDメモリカードと同様の大きさおよび端子配列を有するSDIOカード(登録商標)を挿抜自在に接続するためのメモリカードソケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、小型で大容量のメモリカードとしてSDメモリカードが提供されているが、このようなSDメモリカードは、それを使用する機器(以下、ホスト機器という。)に設けられたメモリカードソケットに装着されて使用される。
【0003】
図13は従来のSDメモリカードMC1を示し、矩形板状のカード体100の内部にフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶素子を収納してある。カード体100の一面には長手方向における一側に9個のコンタクトパッドP1〜P9が短幅方向に並べて配設されている。また、カード体100の長手方向に沿う両側縁には段部101が形成されるとともに、前側部の片方の角部に斜めに傾斜する切欠部102を形成してある。さらに、カード体100の幅方向における片側縁には、メモリカードソケット側に設けたロック体(図示せず)が係合するロック用凹所103が形成されるとともに、反対側の側縁にはライトプロテクトスイッチ105がスライド移動自在に配置される凹部104を設けてある。なお、コンタクトパッドP1〜P8の間には絶縁のためのリブ106が形成されている。
【0004】
このSDメモリカードMC1は、動作モードを切り替えて使用することが可能であり、動作モードに応じて各コンタクトパッドP1〜P9の機能が切り替えられるようになっている。従来のSDメモリカードMC1において、データの高速転送が可能なモードでは、4個のコンタクトパッドを介してデータ転送を行っており、1クロックサイクルで4ビットのデータ転送が可能となっている。
【0005】
このようなSDメモリカードMC1は、例えばデジタルカメラやデジタルビデオカメラのような映像記録機器の記憶媒体として使用されるのであるが、近年の映像記録機器の高精細化に伴って、記憶媒体に記憶されるコンテンツが大容量化しており、大容量のデータをリアルタイムで記録したり、或いはコンピュータなどの外部機器に転送する場合に従来のSDメモリカードMC1ではデータの転送速度が十分速いとはいえず、比較的長い時間がかかっていた。
【0006】
そこで、データの転送速度を高速化した高速型SDメモリカードMC2が従来提供されている。図14は高速型SDメモリカードMC2を示し、この高速型SDメモリカードMC2では、従来型のSDメモリカードMC1と同じ位置にコンタクトパッドP1,P2,P4,P5,P7〜P9を設けてある。また、コンタクトパッドP3,P6の前後方向寸法を短くして前端位置を後側にずらし、コンタクトパッドP3の前方位置に2個のコンタクトパッドP10,P11を左右に並べて配置するとともに、コンタクトパッドP6の前方位置に2個のコンタクトパッドP12,P13を左右に並べて配置してある。
【0007】
このような高速型SDメモリカードMC2の動作モードは、従来のSDメモリカードMC1と同様の動作を行うSDモードと、より高速のデータ転送が可能な高速モードに切り替えが可能となっており、SDモードと高速モードとで各コンタクトパッドP1〜P13の機能が切り替えられるようになっている。
【0008】
そして、高速モードでは、コンタクトパッドP10,P11が対をなして、1ビットの差動データ信号を送受信するとともに、コンタクトパッドP12,P13が対をなして、1ビットの差動データ信号を送受信する。すなわち、上述のSDモードでは、4個のコンタクトパッドを用いて4ビットのデータを送受信していたが、高速モードでは、コンタクトパッドP10,P11の対と、コンタクトパッドP12,P13の対とを用いて2ビットのデータを送受信している。ここで、高速モードの方がSDモードよりも1クロックサイクルで伝送可能なビット数は少ないが、差動データを送受信することで動作クロックの周波数を飛躍的に高く設定できるため、高速モードではSDモードに比べて高速なデータ伝送を実現することができる。
【0009】
このように、高速型SDメモリカードMC2では、従来のSDメモリカードMC1に比べて高速のデータ転送が可能になっているが、従来のSDメモリカードMC1をブリッジメディアとして使用するホスト機器が既に数多く生産されている。これらのホスト機器は、従来のSDメモリカードMC1に対応したメモリカードソケット(以下、従来型ソケットと言う。)を採用しているため、高速型SDメモリカードMC2には、従来型ソケットに装着して、データ転送が行えるようにすることが要求されている。
【0010】
そこで、高速型SDメモリカードMC2は、カード体100の前側角部に設けた切欠部107以外は従来のSDメモリカードMC1と同様の外形形状及び寸法に形成されている。切欠部107は、従来のSDメモリカードMC1と同じ位置でカード体100の前面に接する第1切欠部108と、第1切欠部108に連続して設けられ、カード体100の側面に接する第2切欠部109とで構成される。第2切欠部109は、第1切欠部108を距離dだけ後方に平行移動させて設けられ、第1切欠部108と第2切欠部109との間には段差が設けてある。
【0011】
このように、高速型SDメモリカードMC2では、カード体100の前側の角部に深さの異なる第1切欠部108と第2切欠部109を設けてあり、メモリカードソケットにカード体100を挿入した際に、従来型ソケットではカード体100の第1切欠部108がメモリカードソケットのスライダーと衝合するのに対して、高速型SDメモリカードMC2に対応したメモリカードソケット(以下、高速対応型ソケットと言う。)では、カード体100の第2切欠部109がスライダーと衝合することによって、メモリカードMC2がより深い位置まで差し込まれることになる。すなわち、従来型ソケットにメモリカードを挿入した場合は、高速対応型ソケットにメモリカードを挿入した場合に比べて、SDメモリカードMC2の挿入位置が浅くなっており、両ソケットでソケット内部に配置されたコンタクトがI/O接触面に接触する位置を異ならせることができる。
【0012】
したがって、従来型ソケットでは、コンタクトパッドP3,P6の前側位置に設けたコンタクトパッドP10〜P13にソケット内部に配置したコンタクトが接触することはなく、従来のSDメモリカードMC1と同様に9個のコンタクトパッドP1〜P9のみをソケット側のコンタクトに接触させることができるようになり、従来型ソケットに対して互換性を持たせることができる。
【0013】
上述のように高速伝送が可能な高速型SDメモリカードMC2は、高速対応型ソケットと従来型ソケットの両方で使用することができるのであるが、高速対応型ソケットに、従来型のSDメモリカードMC1が挿入された場合でも、従来型ソケットに装着した場合と同様に、データの書き込み或いは読み出しが行えるようにすることが要求されている。
【0014】
ここで、挿入されるメモリカードの種類に応じて対応する接触端子(コンタクト)を電気的に接続するとともに、不必要な接触端子を電気的に切断することで、複数種類のメモリカードに対応させたメモリカードソケットも従来提供されているが(例えば特許文献1参照)、この技術を応用して高速モード用の4本のコンタクトを電気的に切断することで、従来型のSDメモリカードMC1を高速対応型ソケットに対応させる方法が考えられる。
【特許文献1】特開2004−14499号公報(段落[0006]−段落[0013]、及び、第1図−第7図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上述した方法では、従来型のSDメモリカードMC1を高速対応型ソケットに挿入した際に、高速モード用の4本のコンタクトがそれぞれコンタクトパッドP3,P6と接触した状態に配置されるため、SDモードの信号伝送特性が変化して規定の転送速度に達しない虞があった。
【0016】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、第1および第2のメモリカードの両方に対応可能なメモリカードソケットであって、コストアップを抑えつつ簡単な構造で実現したメモリカードソケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1の発明は、少なくとも第1および第2のメモリカードが挿抜自在に接続されるメモリカードソケットであって、カード挿入口を通してメモリカードが内部に挿入されるソケット本体と、第1および第2のメモリカードの両方に共通して設けられた複数の第1コンタクトパッドにそれぞれ接触する複数の第1コンタクトおよび第2のメモリカードにのみ設けられた複数の第2コンタクトパッドにそれぞれ接触する複数の第2コンタクトを保持してソケット本体の内部に配置される基体とを備え、第1および第2のメモリカードは、複数の第1および第2コンタクトパッドがそれぞれ配置される複数の凹所が前側に設けられるとともに、第2のメモリカードの凹所の前後方向寸法が第1のメモリカードの凹所の前後方向寸法よりも大きく設定され、複数の第2コンタクトは、それぞれ基体に保持される被保持部からメモリカードの挿入方向に向かって突出し、先端側に設けた接点部と被保持部との間に、第1のメモリカードが挿入された際に該第1のメモリカードの凹所の後端縁に乗り上げる乗り上げ部が設けられたことを特徴とする。
【0018】
請求項2の発明は、複数の第2コンタクトは、基板に接続される後端部が、メモリカードの挿入方向と交差する側方に延長されたことを特徴とする。
【0019】
請求項3の発明は、複数の第2コンタクトは、メモリカードの挿入方向と交差する方向に並べて配置され、隣接する第2コンタクト同士を絶縁した状態で連結する連結部材が接点部と被保持部との間に設けられたことを特徴とする。
【0020】
請求項4の発明は、連結部材に乗り上げ部が設けられたことを特徴とする。
【0021】
請求項5の発明は、連結部材の乗り上げ部は、少なくとも隣接する第2コンタクトの間で、第2コンタクトの配列方向を法線方向とし、且つ、隣接する両第2コンタクトから等距離にある平面に対して左右対称なカード接触部を備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項6の発明は、連結部材は、乗り上げ部よりも接点部側に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の発明によれば、第1のメモリカードが挿入された場合には、メモリカードに設けた各凹所の後端縁に、それぞれ対応する第2コンタクトの乗り上げ部が乗り上げることで、すべての第2コンタクトを第1コンタクトパッドから離すことができるので、信号伝送特性の悪化を防止できる。また、第2のメモリカードが挿入された場合には、各第2コンタクトの乗り上げ部が対応する凹所の後端縁に乗り上げることがなく、各第2コンタクトをそれぞれ対応する第2コンタクトパッドに接触させることができるので、第1および第2のメモリカードの両方に対応可能なメモリカードソケットを実現することができる。さらに、各第2コンタクトにおいて、接点部と被保持部との間に乗り上げ部を設けるだけでいいので、第1および第2のメモリカードの両方に対応可能なメモリカードソケットを、コストアップを抑えつつ簡単な構造で実現することができるという効果がある。
【0024】
リバースマウントタイプのメモリカードソケットでは、第1および第2コンタクトがメモリカードに対してホスト基板と反対側に配置されるのであるが、請求項2の発明によれば、第2コンタクトの後端部をメモリカードの挿入方向と交差する側方に延長しているので、上記後端部をホスト基板側に折り曲げた場合でも、ソケット内に挿入されるメモリカードが上記後端部に干渉することがなく、リバースマウントタイプのメモリカードソケットを実現できるという効果がある。
【0025】
請求項3の発明によれば、隣接する第2コンタクト同士を連結部材により連結することで、上記両コンタクトを同期させた形でそれぞれ対応するコンタクトパッドに接離することができる。また、カード挿入に伴う各コンタクトの先端部の振れを連結部材により抑制することができるので、例えばメモリカード側のコンタクトパッドの間隔が狭い場合でも、第1コンタクトや隣接するコンタクトパッドに誤って接触するのを防止することができるという効果がある。
【0026】
請求項4の発明によれば、連結部材に乗り上げ部を設けることで第2コンタクト側には乗り上げ部を設けなくてもいいから、第2コンタクトの形状を簡略化することができ、その結果製造コストを抑えつつ第1および第2のメモリカードの両方に対応可能なメモリカードソケットを実現することができるという効果がある。
【0027】
請求項5の発明によれば、メモリカードに接触するカード接触部の形状を、少なくとも隣接する第2コンタクトの間で、第2コンタクトの配列方向を法線方向とし、且つ、隣接する両第2コンタクトから等距離にある平面に対して左右対称に形成しているので、メモリカードを抜き挿しする際に乗り上げ部が斜めに傾くことがなく、上記両コンタクト間の同期精度を向上させることができるという効果がある。
【0028】
請求項6の発明によれば、連結部材を乗り上げ部よりも第2コンタクトの先端側に配置しているので、連結部材による第2コンタクトの先端部の振れの抑制効果が高まるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に本発明に係るメモリカードソケットの実施形態を図面に基づいて説明する。本発明に係るメモリカードソケットは、上述した従来型SDメモリカードおよび高速型SDメモリカードの両方に対応可能なメモリカードソケットであって、例えばデジタルカメラやデジタルビデオカメラのような映像記録機器に組み付けられた状態で用いられる。なお、以下の説明では特に断りがない限り、図2中のa−bの方向を上下方向、c−dの方向を左右方向、e−fの方向を前後方向として説明を行う。
【0030】
(実施形態1)
本実施形態のメモリカードソケットは、図2および図3に示すようにベースシェル1およびカバーシェル2からなる扁平な矩形箱状のソケット本体3と、複数本のコンタクトC1〜C13を保持するコンタクトブロック4と、ソケット本体3内にSDメモリカードMC1,MC2の挿入方向に沿った前後方向で移動自在に配置され、カード挿入口3aから挿入されたSDメモリカードMC1,MC2の先端側と衝合し、SDメモリカードMC1,MC2からの押力を受けてSDメモリカードMC1,MC2とともに前方に移動するスライダー5と、スライダー5を後方(カード挿入口3a側)に常時付勢する付勢ばね14と、スライダー5を所定位置(図4および図5に示す位置)でロックし、該ロック後にSDメモリカードMC1,MC2への押力が加わってスライダー5が前方移動するときにロックを解除するスライダーロック手段とを主要な構成要素として備えている。なお、スライダー5や付勢ばね14ならびにスライダーロック手段については、従来周知のものを採用しており、詳細な説明は省略する。ここに、本実施形態では、従来型SDメモリカードMC1により第1のメモリカードが構成され、高速型SDメモリカードMC2により第2のメモリカードが構成されている。
【0031】
ベースシェル1は、例えば厚さが極薄い矩形板状のステンレス金属板に打ち抜き加工且つ曲げ加工を施すことにより形成され、左右両側部を下方に折り曲げて側片6b(左側の側片は図示せず)を形成したものであり、下側および前後両側が開放されている。
【0032】
ベースシェル1の前部および右側部には、下方に突出する複数個の突出片9が折り曲げ形成されており、これらの突出片9をコンタクトブロック4の基体7上面に開口した圧入溝(図示せず)に圧入することで、ベースシェル1の下面にコンタクトブロック4が圧入固定されるようになっている。なお、ベースシェル1の前端よりやや後方には、コンタクトブロック4に保持されたコンタクトC1〜C13を逃がすための貫通孔11が複数形成され、また貫通孔11よりも後方には、コンタクトC10〜C13の半田付け端子111cを逃がすための貫通孔113が複数形成されている。
【0033】
また、ベースシェル1の後側縁の左端には、SDメモリカードMC1,MC2の通過位置よりも外側位置から下方に突出し、さらにその先端側が前方に突出する側面視L字形の支持片12が折り曲げ形成されている。
【0034】
カバーシェル2は、厚さが極薄い矩形板状のステンレス金属板に打ち抜き加工且つ曲げ加工を施すことにより形成され、カバーシェル2の前縁からは上方に突出する曲げ片(図示せず)が折り曲げ形成されている。また、カバーシェル2には、曲げ片よりもやや後端寄りの位置に、上方に突出する複数個の突出片(図示せず)が切り起こしによって形成されている。而して、下面にコンタクトブロック4の基体7が固定されたベースシェル1の下側にカバーシェル2を載置して、カバーシェル2の突出片をコンタクトブロック4の基体7に設けた圧入溝(図示せず)に圧入するとともに、カバーシェル2の周縁部とベースシェル1との当接部位をレーザ溶接などの方法で溶接することにより、カバーシェル2がベースシェル1およびコンタクトブロック4に対して固定され、前面にカード挿入口3aが開口する扁平な矩形箱状のソケット本体3が構成される。
【0035】
コンタクトブロック4は、図3〜図5に示すようにベースシェル1およびカバーシェル2の前側辺に沿って配置されて、ソケット本体3の前面を閉塞する側部7aと、側部7aの左右両側部から後方に突出し、ベースシェル1の左右両側の各側片6bに沿ってそれぞれ配置される側部7b,7cと、側部7b,7cの前後方向略中間部の間を連結する形で配置される側部7eとが一体に形成された枠状の樹脂成形品からなる基体7を備えている。基体7の側部7eは、側部7b,7cのベースシェル1側の部位の間を連結し、側部7eとカバーシェル2との間にはSDメモリカードMC1,MC2が通る空間を設けてある(図1参照)。
【0036】
さらに、基体7の側部7aには、SDメモリカードMC1,MC2の前部裏面に共通して並行形成された複数のコンタクトパッドP1〜P9(第1コンタクトパッド)にそれぞれ対応接触する9本のコンタクトC1〜C9(第1コンタクト)が圧入固定され、各コンタクトC1〜C9の接触側(接点部)を側部7aの後面側(カード挿入口3a側)に突出させている。また、基体7の側部7aに対向する形で配置された側部7eには、SDメモリカードMC2の前部裏面のみに並行形成された複数のコンタクトパッドP10〜P13(第2コンタクトパッド)にそれぞれ対応接触する4本のコンタクトC10〜C13(第2コンタクト)が圧入固定され、各コンタクトC10〜C13の接触側(接点部)を側部7eの前面側(メモリカードの挿入方向)に突出させている。すなわち、本実施形態のメモリカードソケットでは、コンタクトC1〜C9とコンタクトC10〜C13とが、メモリカードの挿入方向(前後方向)において互いに対向する形で配置されている。
【0037】
さらに、各コンタクトC10〜C13は、図1に示すように先端側に設けた接点部111aと基体7の側部7eに保持される被保持部111bとの間に、クランク状に折り曲げられた折曲部111dが一体に設けられている(図1ではコンタクトC11のみ図示)。また、コンタクトC1〜C9の半田付け端子112は側部7aの前面から上方に突設され、コンタクトC10〜C13の半田付け端子111cは側部7eの後面から上方に突設されている。なお、各コンタクトC10〜C13の半田付け端子111cは、図1および図2に示すようにそれぞれ対応する貫通孔113から外部に露出した状態に配置される。
【0038】
スライダー5は合成樹脂成形品からなり、SDメモリカードMC1,MC2の左側縁に沿って前後方向に移動する短冊形の側部5aと、側部5aの先端部(前端部)から右側方に突出してカード体100の切欠部102および第1切欠部108に当接する側部5bとが一体に形成されている。而して、メモリカードソケットに従来型のSDメモリカードMC1が挿入された場合はSDメモリカードMC1の切欠部102が側部5bの傾斜面と衝合し、高速型SDメモリカードMC2が挿入された場合はSDメモリカードMC2の第1切欠部108が側部5bの傾斜面と衝合することになり、SDメモリカードMC1,MC2からの押力を受けてスライダー5が前方に移動することになる。
【0039】
ここにおいて、SDメモリカードMC1,MC2のカード体100の一面(裏面)には、長手方向における一側(図13,図14中の上側)に8個の凹所110が短幅方向に並べて凹設されており、各凹所110の底面には上述したコンタクトパッドP1〜P13がそれぞれ配置されている(但し、コンタクトパッドP10〜P13は、SDメモリカードMC2にのみ配置されている。)。なお、高速型SDメモリカードMC2に設けた各凹所110の前後方向(図14中の上下方向)寸法L2は、従来型SDメモリカードMC1に設けた各凹所110の前後方向寸法L1よりも大きい寸法に設定されている(L2>L1)。
【0040】
次に、本実施形態のメモリカードソケットにSDメモリカードMC1,MC2を挿入した場合のコンタクトの動作について説明する。まず、高速型SDメモリカードMC2を挿入した場合には、上述したように凹所110の前後方向寸法L2が従来型SDメモリカードMC1の凹所110の前後方向寸法L1よりも大きく設定されているから、図1(a)に示すように各コンタクトC10〜C13の折曲部111dがそれぞれ対応する凹所110の後端部に乗り上げることがなく、各コンタクトC10〜C13の接点部111aがそれぞれ対応するコンタクトパッドP10〜P13に接触する(図1(a)ではコンタクトC11のみ図示)。なおこのとき、各コンタクトC1〜C9の接点部もそれぞれ対応するコンタクトパッドP1〜P9に接触する(図4参照)。
【0041】
一方、従来型SDメモリカードMC1を挿入した場合には、図1(b)に示すように各コンタクトC10〜C13の折曲部111dがそれぞれ対応する凹所110の後端部に乗り上げるから、各コンタクトC10〜C13の接点部111aはそれぞれコンタクトパッドP3,P6に接触しない状態に配置される(図1(b)ではコンタクトC11のみ図示)。なおこのとき、各コンタクトC1〜C9の接点部はそれぞれ対応するコンタクトパッドP1〜P9に接触する(図5参照)。なお、上記のSDメモリカードMC1,MC2を所定位置まで挿入した状態では、両メモリカードの先端部(前端部)は同じ位置になるように構成されている。ここに、本実施形態では、各コンタクトC10〜C13の折曲部111dにより乗り上げ部が構成されている。
【0042】
而して、本実施形態によれば、従来型SDメモリカードMC1が挿入された場合には、SDメモリカードMC1に設けた各凹所110の後端縁に、それぞれ対応するコンタクトC10〜C13の折曲部111dが乗り上げることで、すべてのコンタクトC10〜C13をコンタクトパッドP3,P6から離すことができるので、信号伝送特性の悪化を防止できる。また、高速型SDメモリカードMC2が挿入された場合には、各コンタクトC10〜C13の折曲部111dが対応する凹所110の後端縁に乗り上げることがなく、各コンタクトC10〜C13の接点部111aをそれぞれ対応するコンタクトパッドP10〜P13に接触させることができるので、従来型および高速型SDメモリカードMC1,MC2の両方に対応可能なメモリカードソケットを実現することができる。さらに、各コンタクトC10〜C13において、接点部111aと被保持部111bとの間に折曲部111dを設けるだけでいいので、従来型および高速型SDメモリカードMC1,MC2の両方に対応可能なメモリカードソケットを、コストアップを抑えつつ簡単な構造で実現することができる。
【0043】
なお、本実施形態では、第2コンタクトを構成するコンタクトC10〜C13の半田付け端子111cを、SDメモリカードMC1,MC2の挿入方向に延長しているが、例えばSDメモリカードMC1,MC2の挿入方向と交差する側方に延長してもよく、同様に両SDメモリカードMC1,MC2に対応可能なメモリカードソケットを実現できる。
【0044】
(実施形態2)
本発明に係るメモリカードソケットの実施形態2について図6〜図9に基づいて説明する。実施形態1では、コンタクトC10〜C13の半田付け端子111c(後端部)を、SDメモリカードMC1,MC2の挿入方向に延長しているが、本実施形態では上記半田付け端子111cを、SDメモリカードMC1,MC2の挿入方向と交差する側方に延長している。なお、それ以外の構成は実施形態1と同様であるから、同一の構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0045】
本発明に係るメモリカードソケットは、例えばホスト基板(図示せず)に実装されて用いられるものであり、ホスト基板への実装方法としては、上述したベースシェル1側を基板面に対向させる形で実装する標準マウント方式と、カバーシェル2側を基板面に対向させる形で実装するリバースマウント方式とがある。実施形態1で説明したメモリカードソケットは標準マウントタイプのソケットであり、本実施形態ではリバースマウントタイプのソケットについて説明する。
【0046】
本実施形態では、図7〜図9に示すようにコンタクトC10〜C13(第2コンタクト)の半田付け端子111c(後端部)をSDメモリカードMC1,MC2の挿入方向と交差する側方(コンタクトC10,C11は左側、コンタクトC12,C13は右側)に延長している。そして、このように半田付け端子111cを側方に延長することで、図6(a)(b)に示すようにリバースマウントタイプのメモリカードソケットを実現している。すなわち、実施形態1のようにコンタクトC10〜C13の半田付け端子111cをSDメモリカードMC1,MC2の挿入方向に延長したものでは、リバースマウントタイプに対応させるべく半田付け端子111cをホスト基板側に折り曲げた場合、ソケット内に挿入されるSDメモリカードMC1,MC2が干渉することになるが、本実施形態のように半田付け端子111cをSDメモリカードMC1,MC2の挿入方向と交差する側方に延長することで、半田付け端子111cをホスト基板側に折り曲げた場合でもソケット内に挿入されるSDメモリカードMC1,MC2が干渉することがなく、図6(a)(b)に示すようにリバースマウントタイプのメモリカードソケットを実現できるのである。
【0047】
次に、本実施形態のメモリカードソケットにSDメモリカードMC1,MC2を挿入した場合のコンタクトの動作について説明する。まず、高速型SDメモリカードMC2を挿入した場合には、図6(a)に示すように各コンタクトC10〜C13の折曲部111dがそれぞれ対応する凹所110の後端部に乗り上げることがなく、各コンタクトC10〜C13の接点部111aがそれぞれ対応するコンタクトパッドP10〜P13に接触する(図6(a)ではコンタクトC11のみ図示)。なおこのとき、各コンタクトC1〜C9の接点部もそれぞれ対応するコンタクトパッドP1〜P9に接触する(図8参照)。
【0048】
一方、従来型SDメモリカードMC1を挿入した場合には、図6(b)に示すように各コンタクトC10〜C13の折曲部111dがそれぞれ対応する凹所110の後端部に乗り上げるから、各コンタクトC10〜C13の接点部111aはそれぞれコンタクトパッドに接触しない状態に配置される(図6(b)ではコンタクトC11のみ図示)。なおこのとき、各コンタクトC1〜C9の接点部はそれぞれ対応するコンタクトパッドP1〜P9に接触する(図9参照)。
【0049】
なお、実施形態1,2では、第2コンタクトを構成するコンタクトC10〜C13を保持する側部7eを側部7a,7b,7cと一体に形成しているが、別体であってもよい。また、実施形態1,2では、コンタクトC1〜C13をそれぞれ側部7a,7eに圧入固定しているが、例えばコンタクトC11〜C13をそれぞれ側部7a,7eとともに同時成形してもよい。
【0050】
(実施形態3)
本発明に係るメモリカードソケットの実施形態3について図10〜図12に基づいて説明する。実施形態1,2では、第2コンタクトを構成するコンタクトC10〜C13の接点部111aと被保持部111bとの間にそれぞれ乗り上げ部(折曲部111d)を折曲形成しているが、本実施形態では隣接するコンタクトC10,C11(またはコンタクトC12,C13)同士を連結する連結部材114を設け、各連結部材114にそれぞれ乗り上げ部を設けている。なお、それ以外の構成は実施形態1と同様であるから、同一の構成要素には同一の符号を付して説明は省略する。
【0051】
本実施形態では、図10(a)に示すようにコンタクトC10〜C13が所定の間隔で左右方向に並べて配置されており、隣接するコンタクトC10,C11(またはコンタクトC12,C13)がそれぞれ連結部材114により一体に連結されている。また、ベースシェル1の前端よりやや後方には、各連結部材114および対応するコンタクトC10,C11(またはコンタクトC12,C13)を逃がすための略T字状の貫通孔115が複数形成され、さらに貫通孔115よりも後方には、コンタクトC10〜C13の半田付け端子111cを逃がすための貫通孔113が複数形成されている。
【0052】
連結部材114は、例えば合成樹脂成形品であって、図10(b)に示すように横長の略直方体状の連結部114aと、連結部114aの上面から上方に突出する突台部114bとが一体に形成されている。なお、各連結部材114は、例えば対応するコンタクトC10,C11(またはコンタクトC12,C13)が連結部114aを貫通した状態で、上記コンタクトとともに同時成形される。
【0053】
また、連結部材114の突台部114bは、図10(b)に示すように斜め前方に傾斜する傾斜面114cと、傾斜面114cの前端縁から前方に延出する当接面114dとを有し、メモリカードソケットにSDメモリカードMC1を挿入した場合には、まず上記傾斜面114cがSDメモリカードMC1の対応する凹所110の後端縁に当接し、さらにSDメモリカードMC1を所定位置まで挿し込んだ状態では、上記当接面114dが上記後端縁に当接することになる。なお、上述した傾斜面114cおよび当接面114dは、隣接するコンタクトC10,C11(またはコンタクトC12,C13)の間で、各コンタクトC10〜C13の配列方向を法線方向とし、且つ、隣接する両コンタクトC10,C11(またはコンタクトC12,C13)から等距離にある平面に対して左右対称な形状に形成されている。ここに、本実施形態では、上記突台部114bにより乗り上げ部が構成され、さらに突台部114bが備える傾斜面114cと当接面114dとによりカード接触部が構成されている。
【0054】
次に、本実施形態のメモリカードソケットにSDメモリカードMC1,MC2を挿入した場合のコンタクトの動作について説明する。まず、本実施形態のメモリカードソケットにSDメモリカードMC1(またはSDメモリカードMC2)が挿入されていない状態では、図11(a)に示すように第2コンタクトを構成する各コンタクトC10〜C13は水平状態に保たれている(図11(a)ではコンタクトC10のみ図示)。この状態から高速型SDメモリカードMC2を挿入した場合には、図11(b)に示すように各組のコンタクトC10,C11(またはコンタクトC12,C13)に設けた連結部材114の突台部114bは対応する凹所110の後端縁には乗り上げないから、各コンタクトC10〜C13の接点部111aがそれぞれ対応するコンタクトパッドP10〜P13に弾接する(図11(b)ではコンタクトC10のみ図示)。なおこのとき、各組のコンタクトC10,C11(またはコンタクトC12,C13)は、連結部材114により一体に連結されているので、略同時に対応するコンタクトパッドに接触することになる。またこのとき、各コンタクトC1〜C9の接点部もそれぞれ対応するコンタクトパッドP1〜P9に接触する(図12(a)(b)参照)。
【0055】
一方、従来型SDメモリカードMC1を挿入した場合には、まず各連結部材114の突台部114bの傾斜面114cが対応する凹所110の後端縁に当接し、その後SDメモリカードMC1を所定位置まで挿し込むことで、図11(c)に示すように突台部114bの当接面114dが上記後端縁に乗り上げる。このとき、上記当接面114dが上記後端縁に乗り上げることで対応するコンタクトC10,C11(またはコンタクトC12,C13)が上方(図11(c)中の下方)に付勢され、各コンタクトC10〜C13の接点部111aはそれぞれコンタクトパッドに接触しない状態に配置される(図11(c)ではコンタクトC10のみ図示)。なおこのとき、各コンタクトC1〜C9の接点部はそれぞれ対応するコンタクトパッドP1〜P9に接触する。
【0056】
而して、本実施形態によれば、隣接するコンタクトC10,C11(またはコンタクトC12,C13)同士を連結部材114により一体に連結することで、上記両コンタクトC10,C11(またはコンタクトC12,C13)を同期させた形でそれぞれ対応するコンタクトパッドP10,P11(またはコンタクトパッドP12,P13)に接離することができる。また、カード挿入に伴う各コンタクトC10〜C13の先端部の振れを連結部材114により抑制することができるので、例えばSDメモリカードMC1(またはSDメモリカードMC2)側のコンタクトパッドの間隔が狭い場合でも、コンタクトC3,C6(第1コンタクト)や隣接するコンタクトパッドに誤って接触するのを防止することができる。
【0057】
さらに、連結部材114に突台部114b(乗り上げ部)を設けることでコンタクトC10,C11(またはコンタクトC12,C13)側には乗り上げ部を設けなくてもいいから、コンタクトC10〜C13の形状を簡略化することができ、その結果製造コストを抑えつつSDメモリカードMC1,MC2の両方に対応可能なメモリカードソケットを実現することができる。また、本実施形態では、メモリカードに接触するカード接触部(本実施形態では傾斜面114cおよび当接面114d)の形状を、隣接するコンタクトC10,C11(またはコンタクトC12,C13)の間で、各コンタクトC10〜C13の配列方向を法線方向とし、且つ、隣接する両コンタクトC10,C11(またはコンタクトC12,C13)から等距離にある平面に対して左右対称に形成しているので、例えばSDメモリカードMC1を抜き挿しする際に突台部114bが斜めに傾くことがなく、上記両コンタクトC10,C11(またはコンタクトC12,C13)間の同期精度を向上させることができる。
【0058】
なお、本実施形態では、乗り上げ部を連結部材114に一体に設けているが、例えば実施形態1,2のように乗り上げ部を各コンタクトC10〜C13側に設け、連結部材114を上記乗り上げ部よりも各コンタクトC10〜C13の先端側(接点部111a側)に配置するように構成してもよく、この場合連結部材114による各コンタクトC10,C11(またはコンタクトC12,C13)の先端部の振れの抑制効果を高めることができる。
【0059】
また、本実施形態では、傾斜面114cと当接面114dとでカード接触部を構成しているが、カード接触部の形状は本実施形態に限定されるものではなく、少なくとも隣接する第2コンタクトの間で、第2コンタクトの配列方向を法線方向とし、且つ、隣接する両第2コンタクトから等距離にある平面に対して左右対称な形状であれば、他の形状であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】(a)(b)は実施形態1のメモリカードソケットにメモリカードを挿入した際のコンタクトの動作を説明する説明図である。
【図2】同上の外観斜視図である。
【図3】同上からベースシェルおよびカバーシェルを外した状態の正面図である。
【図4】同上に高速型SDメモリカードを挿入した状態を示す状態図である。
【図5】同上に従来型SDメモリカードを挿入した状態を示す状態図である。
【図6】(a)(b)は実施形態2のメモリカードソケットにメモリカードを挿入した際のコンタクトの動作を説明する説明図である。
【図7】同上からベースシェルおよびカバーシェルを外した状態の平面図である。
【図8】同上に高速型SDメモリカードを挿入した状態を示す状態図である。
【図9】同上に従来型SDメモリカードを挿入した状態を示す状態図である。
【図10】(a)は実施形態3のメモリカードソケットからカバーシェルを外した状態の斜視図、(b)は同上の要部詳細図である。
【図11】(a)〜(c)は同上にメモリカードを挿入した際のコンタクトの動作を説明する説明図である。
【図12】(a)(b)は同上に高速型SDメモリカードを挿入した状態を示す状態図である。
【図13】実施形態1〜3に用いる従来型のSDメモリカードを示し、(a)は裏側から見た平面図、(b)は左側から見た断面図である。
【図14】実施形態1〜3に用いる高速型のSDメモリカードを示し、(a)は裏側から見た平面図、(b)は左側から見た断面図である。
【符号の説明】
【0061】
3 ソケット本体
3a カード挿入口
7 基体
110 凹所
111a 接点部
111b 被保持部
111d 折曲部(乗り上げ部)
C1〜C9 コンタクト(第1コンタクト)
C10〜C13 コンタクト(第2コンタクト)
MC1 SDメモリカード(第1のメモリカード)
MC2 SDメモリカード(第2のメモリカード)
P1〜P9 コンタクトパッド(第1コンタクトパッド)
P10〜P13 コンタクトパッド(第2コンタクトパッド)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1および第2のメモリカードが挿抜自在に接続されるメモリカードソケットであって、カード挿入口を通してメモリカードが内部に挿入されるソケット本体と、前記第1および第2のメモリカードの両方に共通して設けられた複数の第1コンタクトパッドにそれぞれ接触する複数の第1コンタクトおよび前記第2のメモリカードにのみ設けられた複数の第2コンタクトパッドにそれぞれ接触する複数の第2コンタクトを保持して前記ソケット本体の内部に配置される基体とを備え、前記第1および第2のメモリカードは、前記複数の第1および第2コンタクトパッドがそれぞれ配置される複数の凹所が前側に設けられるとともに、前記第2のメモリカードの凹所の前後方向寸法が前記第1のメモリカードの凹所の前後方向寸法よりも大きく設定され、前記複数の第2コンタクトは、それぞれ前記基体に保持される被保持部からメモリカードの挿入方向に向かって突出し、先端側に設けた接点部と前記被保持部との間に、前記第1のメモリカードが挿入された際に該第1のメモリカードの凹所の後端縁に乗り上げる乗り上げ部が設けられたことを特徴とするメモリカードソケット。
【請求項2】
前記複数の第2コンタクトは、基板に接続される後端部が、メモリカードの挿入方向と交差する側方に延長されたことを特徴とする請求項1記載のメモリカードソケット。
【請求項3】
前記複数の第2コンタクトは、メモリカードの挿入方向と交差する方向に並べて配置され、隣接する第2コンタクト同士を絶縁した状態で連結する連結部材が前記接点部と前記被保持部との間に設けられたことを特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載のメモリカードソケット。
【請求項4】
前記連結部材に前記乗り上げ部が設けられたことを特徴とする請求項3記載のメモリカードソケット。
【請求項5】
前記連結部材の乗り上げ部は、少なくとも隣接する第2コンタクトの間で、第2コンタクトの配列方向を法線方向とし、且つ、隣接する両第2コンタクトから等距離にある平面に対して左右対称なカード接触部を備えたことを特徴とする請求項4記載のメモリカードソケット。
【請求項6】
前記連結部材は、前記乗り上げ部よりも前記接点部側に配置されることを特徴とする請求項3記載のメモリカードソケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−80416(P2010−80416A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259923(P2008−259923)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】