説明

メモリモジュール

【課題】クロック信号に同期して動作するメモリ素子群を搭載するメモリモジュールにおいて、その使用条件に応じてクロックの位相を微調整することができるようにする。
【解決手段】クロック信号CLKに同期して動作するメモリ素子群12を搭載するメモリモジュールが、入力クロック信号の位相と、出力クロック信号をフィードバックループに通すことにより得られるフィードバック信号の位相と、が一致するように調整された出力クロック信号を作成する位相同期ループ回路20と、外部からの信号に応じて、前記フィードバックループの負荷を選択的に切り替える切替え手段80と、を具備するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロック信号に同期して動作するメモリ素子群を搭載するメモリモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ等のメインメモリ用としては、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)が主流となっている。このSDRAMは、システムバスクロックに同期して動作することで高速化を実現することを特徴とし、DIMM(Dual In-line Memory Module)の形状で使用されることが多い。このDIMMは、両面の接点が別々に独立し、ピン数が両面合わせて例えば184あり、72ビット単位でのデータのやり取りが可能なメモリモジュールである。
【0003】
DIMMにおけるクロックの分配は、DIMM上に搭載されたPLL(Phase Locked Loop)回路が、DIMMの端子から入力されたクロック信号を位相調整して、各メモリ素子の端子へ分配することにより、行われている。かかる位相調整は、DIMMの開発時に、DIMMの端子からメモリ素子の端子へのクロック信号のディレイがゼロになるように調整するものである。
【0004】
しかし、メモリ素子の違い(メーカの違い、容量の違い、実装方法の違い等)により負荷が異なってくるため、同じガーバー(Gerber)データの基板やJEDEC標準基板を使用しても位相ずれが生ずる場合がある。なお、プリント基板を製造する際には、配線パターンのほか、基板表面に記す文字などの印刷パターン、マスクパターンなどが必要となるが、これらの情報をまとめて通称「ガーバーデータ」と呼ぶ。また、JEDECとは、米国の電子デバイスに関する標準化団体(Joint Electron Device Engineering Council)である。
【0005】
また、DIMMの使用方法(使用スロット数、異容量DIMMの混在等)によっても、出力データに大きなスキューが発生し、出力検出ウィンドウを定めることができなくなるという問題が発生する。
【0006】
なお、本発明に関連する先行技術文献として、下記特許文献1は、クロックドライバからのクロックの入力遅延を補償して同期回路にクロックを出力するクロックスキュー調整回路であって、クロック入力とフィードバック入力が決められた位相となるように調整したクロック出力を行う位相同期ループを備え、位相同期ループのクロック出力をフィードバック入力にフィードバックするフィードバック経路に、入力信号を反転して出力する反転回路を挿入するクロックスキュー調整回路について開示している。
【0007】
また、下記特許文献2は、供給される供給クロックを遅延させて供給クロックと所定の位相関係を有するタイミングクロックを生成するセルフタイミングコントロール回路であって、供給クロックが入力され、供給クロックの周波数に応じて制御された遅延量だけ供給クロックを遅延させる第1の可変遅延回路と、第1の可変遅延回路に接続され、供給クロックの周波数にかかわらず設定された所定の遅延量だけ前記供給クロックを遅延させる追加遅延回路と、を有し、追加遅延回路が、遅延量が可変設定される可変ダミーロードを有し、当該遅延量を設定するプログラマブルメモリにより可変ダミーロードの遅延量が可変設定されるセルフタイミングコントロール回路について開示している。
【0008】
また、下記特許文献3は、上位装置からの信号と入力クロックを入力しSDRAMを制御するメモリ制御集積回路であって、メモリ制御部とPLLとクロック分配部とを有し、メモリ制御部はSDRAMを制御する信号を出力し、PLLは入力クロックとフィードバッククロックを入力し、入力クロックとフィードバッククロックに同期したクロックをクロック分配部へ供給し、クロック分配部がSDRAMに供給するSDRAMクロックとPLLの入力となるフィードバッククロックとSDRAMからのデータをラッチするためのリードクロックとを出力するメモリ制御集積回路について開示している。
【0009】
また、下記特許文献4は、位相比較器の位相比較結果出力に応じて発振出力周波数が制御される発振器と、この発振出力を入力とする第1の低域通過フィルタと、このフィルタの出力について所定閾値との比較結果に応じた出力を送出するバッファと、その閾値を制御する制御手段と、を含み、位相比較器はバッファの出力と自回路への入力信号との位相差を位相比較結果出力として出力し、発振器の発振出力を自回路出力として導出するPLL回路について開示している。
【0010】
【特許文献1】特開平9−190239号公報
【特許文献2】特開2000−163999号公報
【特許文献3】特開2001−160000号公報
【特許文献4】特開2001−186017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、クロック信号に同期して動作するメモリ素子群を搭載するメモリモジュールであって、その使用条件に応じてクロックの位相を微調整することができるものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明によれば、クロック信号に同期して動作するメモリ素子群を搭載するメモリモジュールであって、入力クロック信号の位相と、出力クロック信号をフィードバックループに通すことにより得られるフィードバック信号の位相と、が一致するように調整された出力クロック信号を作成する位相同期ループ回路と、外部からの信号に応じて、前記フィードバックループの負荷を選択的に切り替える切替え手段と、を具備することを特徴とするメモリモジュールが提供される。
【0013】
一つの好適な態様では、前記切替え手段は、前記フィードバックループの容量を切り替える。
【0014】
あるいは、前記切替え手段は、前記フィードバックループの抵抗値を切り替える。
【0015】
また、一つの好適な態様では、前記切替え手段は、コントローラにより設定されたレジスタの値に応じて前記フィードバックループの負荷を選択的に切り替える。
【0016】
また、本発明によれば、クロック信号に同期して動作するメモリ素子群を搭載するメモリモジュールであって、入力クロック信号の位相と、出力クロック信号をフィードバックループに通すことにより得られるフィードバック信号の位相と、が一致するように調整された出力クロック信号を作成する位相同期ループ回路と、外部からの信号に応じて、前記位相同期ループ回路内の位相比較回路において前記フィードバック信号の値を判定するための基準レベルを変更する手段と、を具備することを特徴とするメモリモジュールが提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によるメモリモジュールにあっては、モジュールに搭載されるメモリ素子の違いや装置へのモジュールの実装条件の違いが存在しても、クロックの位相を調整することができ、メモリ装置の信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施形態について説明する前に、メモリモジュールの開発時におけるクロック信号のタイミング調整について説明する。図1は、DIMMの概観構成を示す図である。同図に示されるDIMM10は、複数のSDRAM素子16と、それらにクロック信号を分配するためのPLLベーズドクロックドライバ20と、を搭載する。
【0019】
DIMM10においては、DIMMエッジ端子から入力される差動クロック信号CLK及び/CLKがPLLベーズドクロックドライバ20により位相調整されてSDRAM素子16に分配される。なお、/CLKは、バー付きCLKの代替表現である。SDRAM素子16は、供給されるクロック信号に同期して動作し、差動データ出力DQS及び/DQSをDIMMエッジ端子へと出力する。DIMM10において、符号12はCLK端子(又は/CLK端子)を示し、符号14はDQS端子(又は/DQS端子)を示す。PLLベーズドクロックドライバ20から各SDRAM素子16までのクロック信号の配線パターンは、等長配線として設計される。
【0020】
DIMM10の開発時には、PLLベーズドクロックドライバ20のクロック入力端子22と、SDRAM素子16のクロック入力端子18とにおいて、クロック信号の位相差がゼロとなるように、PLLベーズドクロックドライバ20の外部に設けられるフィードバックループが決定される。そして、DIMM10において、CLK端子12にクロックCLKが入力されてからDQS端子14にメモリ出力データDQSが現れるまでの遅延時間tCLKDQSに関し、その最小値tCLKDQSmin及び最大値tCLKDQSmaxが規格値として決定される。
【0021】
図2は、DIMM10におけるクロックの分配の様子を示す回路図である。同図に示されるように、DIMM10のエッジ端子から入力された差動クロックCLK及び/CLKは、PLLベーズドクロックドライバ20の入力端子CKI及び/CKIに入力される。CLKラインと/CLKラインとの間には、抵抗及びコンデンサが並列に接続されている。
【0022】
また、PLLベーズドクロックドライバ20の出力端子CKO及び/CKOから出力された差動クロック信号RCK及び/RCKが、各SDRAM素子16に供給される。CKOラインと/CKOラインとの間には、終端抵抗Rが設けられている。各SDRAM素子16から出力される差動データDQS及び/DQSは、DIMM10の出力エッジ端子に導かれる。
【0023】
PLLベーズドクロックドライバ20のフィードバック出力端子FBO及び/FBOから出力された差動信号は、フィードバックループを通して、ドライバ20のフィードバック入力端子FBI及び/FBIに導かれる。かかるフィードバックループを構成する二つのライン間には、抵抗24及びコンデンサ26が並列に接続されている。
【0024】
図3は、PLLベーズドクロックドライバ20の内部構成を示す図である。まず、差動クロック入力CKI及び/CKIが、バッファ30を介して位相比較器(PC: Phase Comparator )34の一方の入力に供給される。また、差動フィードバック入力FBI及び/FBIが、バッファ32を介して位相比較器(PC)34の他方の入力に供給される。位相比較器(PC)34は、両入力の位相差に比例した電圧を出力し、ループフィルタ(LP: Loop Filter )36に供給する。
【0025】
ループフィルタ(LP)36は、ロウパスフィルタ( Low Pass Filter )からなり、位相比較器(PC)34の出力を平均化し、次段の電圧制御発振器(VCO: Voltage Controlled Oscillator )38に供給する。電圧制御発振器(VCO)38は、入力電圧に比例した周波数で発振する。その出力は、バッファ40を介して差動出力クロック信号CKO及び/CKOとなる一方、バッファ42を介して差動フィードバック出力FBO及び/FBOとなる。なお、バッファ40は複数個存在するが、簡略化のため図では一個だけ示されている。
【0026】
かくして、PLLベーズドクロックドライバ20は、クロック入力CKI及び/CKIの位相とフィードバック入力FBI及び/FBIの位相とが一致するように動作する。そのため、フィードバックループのライン長や負荷(抵抗24及びコンデンサ26)を変化させることで、出力クロックの位相を調整することが可能となる。DIMM10の開発時には、PLLベーズドクロックドライバ20の入力クロックの位相とSDRAM素子16の入力クロックの位相とが一致するように、フィードバックループのライン長及び負荷が決定される。
【0027】
ところで、このようにしてDIMM基板が設計されても、位相調整時に搭載されたSDRAM素子とは異なるメーカによるSDRAM素子がDIMM基板に搭載される場合がある。その場合には、SDRAM素子の入力容量の相違により位相調整が適切になされていないという問題が生じ得る。また、メーカが異なれば、SDRAM素子自体のアクセスタイムが相違することもある。
【0028】
また、図4(A)に示されるように、SDRAM素子が2段重ねで搭載される場合や、図4(B)に示されるように、異なる品種のSDRAM素子が異なる個数搭載される場合にも、同様の問題が生ずる。その結果、DIMMにクロックが入力されてからデータが得られるまでの遅延時間tCLKDQSが位相調整時と大きく異なる場合がある。
【0029】
さらには、装置へのDIMMの実装方法による影響もある。例えば、図5に示されるような4個のスロット50A、50B、50C及び50Dが存在する場合に、使用スロット数の相違、異なる容量のDIMMの混在等に起因してDIMMのアクセスタイムに相違が生ずる。
【0030】
図6は、DIMM10への入力クロックCLK、SDRAM16への入力クロックRCK、及びDIMM10からの出力データDQSの関係を示すタイムチャートである。DIMMの開発時において、図6(A)及び図6(B)に示されるように、DIMMへの入力クロックCLKとSDRAMへの入力クロックRCKとが同位相となるように、フィードバックループによる位相差ゼロ調整が行われる。ただし、個体差が存在するため、CLKの立ち上がり時刻t0に対し、RCKの立ち上がり時刻は、t1からt2までの範囲にばらつく。
【0031】
そして、図6(C)に示されるように、DIMMからの出力データDQSのタイミング規格値も決定される。すなわち、CLKの立ち上がり時刻t0に対し、DQSの立ち上がり時刻は、t3からt4までの範囲にあることとなる。
【0032】
ところが、DIMMの品種の相違等に起因して、図6(D)に示されるように、RCKの位相とCLKの位相との間にずれT0が生ずる場合がある。その場合には、CLKの立ち上がり時刻t0に対し、RCKの立ち上がり時刻は、t5からt6までの範囲にばらつく。さらに、図6(E)に示されるように、出力負荷の相違やSDRAMのアクセスタイムの相違としてずれT1が加わると、DQSの立ち上がり時刻は、t7からt8までの範囲となってしまう。以上を考慮すると、最終的に、CLKの立ち上がり時刻t0に対し、DQSの立ち上がり時刻は、t3からt8までの範囲にばらつくことがあり得る。
【0033】
図7は、コントローラによるメモリデータの受信について説明するための図である。図7(A)に示されるように、コントローラ70が、第一のスロットに挿入されたDIMM72と、第二のスロットに挿入されたDIMM74と、の双方を同時にアクセスし、データを受信するものとする。そして、これらのDIMMにクロックCLKが入力されてからデータが得られるまでの遅延時間を、それぞれ、tCLKDQSmin(負の値)、tCLKDQSmax(正の値)とする。
【0034】
そして、前述したような問題が存在すると、最悪の場合、DIMM72及び74への入力クロックCLK、DIMM72からの出力データDQS、及びDIMM74からの出力データDQSの関係が、図7(B)のタイムチャートに示されるものとなる。かかる場合、コントローラ70は、DIMM72からのデータとDIMM74からのデータとを同一のタイミングで受信することができない。
【0035】
そこで、本発明は、PLL回路を介して分配されるクロックの位相を外部からの信号により調整することができるようにしたメモリモジュールを提供することで、同一タイミングでのメモリリードデータの受信を可能にする。
【0036】
図8は、本発明によるDIMMの一実施形態における回路構成を示す図である。同図に示されるように、前述した図2に示される回路に対し、容量切替え回路80及びレジスタ86が追加されている。なお、レジスタ86は、コントローラ側に設けられてもよい。同図に示されるように、容量切替え回路80は、トランジスタ82とコンデンサ84との直列接続が複数個並列に接続されたものであり、全体としてフィードバックループの抵抗24及びコンデンサ26に対して並列に接続されている。
【0037】
レジスタ86の各ビットの値は、対応するトランジスタ82のオン/オフを制御し、ビット値が“0”のとき、トランジスタ82は遮断状態となり、ビット値が“1”のとき、トランジスタ82は導通状態となる。したがって、DIMMを制御するコントローラは、レジスタの値を変化させて、PLLのフィードバックループに追加接続されるコンデンサ84の数を制御することで、フィードバックループの容量を変更することができる。
【0038】
かくして、フィードバックループの負荷がプログラム的に可変となり、DIMMに搭載されるSDRAMが変更されたり、DIMMの使用条件が変更されたりしても、コントローラは、それに応じた位相調整を行うことが可能となる。なお、容量切替え回路80に代えて、同様の回路構成からなる抵抗切替え回路を設けてもよい。あるいは、容量及び抵抗の両方を可変とするための回路を設けることもできる。
【0039】
図9は、本発明によるDIMMの他の実施形態を説明するための図である。この実施形態では、コントローラからPLLベーズドクロックドライバ20へ、信号Vrefが供給されるように構成されている。この信号Vrefは、図3に示されるPLLベーズドクロックドライバ20において、バッファ32の閾値( threshold )を変化させるものである。
【0040】
すなわち、図10に示されるように、VrefをV0からV1までの範囲で変化させれば、FBIの位相も、t0からt1までの範囲でずれを生ずることとなる。かくして、フィードバック入力FBIの電圧値を判定するための基準電圧が変更されることで、フィードバック入力FBIの変化タイミングがずれる。ひいては、PLLベーズドクロックドライバ20において位相比較器34(図3)での判定がずれてくる。その結果、位相調整を達成することができる。
【0041】
DIMMを対象にして本発明の実施形態を述べてきたが、もちろん本発明はこれに限定されるものではなく、SIMM( Single In-line Memory Module )等の他のメモリモジュールに対しても本発明は適用可能である。
【0042】
以上、本発明を特にその好ましい実施の形態を参照して詳細に説明した。本発明の容易な理解のため、本発明の具体的な形態を以下に付記する。
【0043】
(付記1) クロック信号に同期して動作するメモリ素子群を搭載するメモリモジュールであって、
入力クロック信号の位相と、出力クロック信号をフィードバックループに通すことにより得られるフィードバック信号の位相と、が一致するように調整された出力クロック信号を作成する位相同期ループ回路と、
外部からの信号に応じて、前記フィードバックループの負荷を選択的に切り替える切替え手段と、
を具備することを特徴とするメモリモジュール。
【0044】
(付記2) 前記切替え手段は、前記フィードバックループの容量を切り替える、付記1に記載のメモリモジュール。
【0045】
(付記3) 前記切替え手段は、前記フィードバックループの抵抗値を切り替える、付記1に記載のメモリモジュール。
【0046】
(付記4) 前記切替え手段は、前記フィードバックループの容量及び抵抗値を切り替える、付記1に記載のメモリモジュール。
【0047】
(付記5) 前記切替え手段は、コントローラにより設定されたレジスタの値に応じて前記フィードバックループの負荷を選択的に切り替える、付記1に記載のメモリモジュール。
【0048】
(付記6) 前記レジスタが当該メモリモジュール上に実装されている、付記5に記載のメモリモジュール。
【0049】
(付記7) 前記クロック信号は、差動信号として構成され、前記フィードバックループの負荷は、二つのライン間に並列に接続された抵抗及びコンデンサである、付記1に記載のメモリモジュール。
【0050】
(付記8) クロック信号に同期して動作するメモリ素子群を搭載するメモリモジュールであって、
入力クロック信号の位相と、出力クロック信号をフィードバックループに通すことにより得られるフィードバック信号の位相と、が一致するように調整された出力クロック信号を作成する位相同期ループ回路と、
外部からの信号に応じて、前記位相同期ループ回路内の位相比較回路において前記フィードバック信号の値を判定するための基準レベルを変更する手段と、
を具備することを特徴とするメモリモジュール。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】DIMMの概観構成を示す図である。
【図2】DIMMにおけるクロックの分配の様子を示す回路図である。
【図3】PLLベーズドクロックドライバの内部構成を示す図である。
【図4】DIMM内の構成の相違について説明するための図である。
【図5】装置へのDIMMの実装方法の相違について説明するための図である。
【図6】DIMMへの入力クロックCLK、SDRAMへの入力クロックRCK、及びDIMMからの出力データDQSの関係を示すタイムチャートである。
【図7】コントローラによるメモリデータの受信について説明するための図である。
【図8】本発明によるDIMMの一実施形態における回路構成を示す図である。
【図9】本発明によるDIMMの他の実施形態を説明するための図である。
【図10】基準電圧を可変にすることの効果について説明するための図である。
【符号の説明】
【0052】
10 DIMM
12 DIMMのCLK端子
14 DIMMのDQS端子
16 SDRAM素子
18 SDRAM素子のクロック入力端子
20 PLLベーズドクロックドライバ
22 PLLベーズドクロックドライバのクロック入力端子
24 フィードバックループの抵抗
26 フィードバックループのコンデンサ
30 バッファ
32 バッファ
34 位相比較器(PC: Phase Comparator )
36 ループフィルタ(LP: Loop Filter )
38 電圧制御発振器(VCO: Voltage Controlled Oscillator )
40 バッファ
42 バッファ
50A、50B、50C、50D スロット
70 コントローラ
72 DIMM
74 DIMM
80 容量切替え回路
86 レジスタ
82 トランジスタ
84 コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロック信号に同期して動作するメモリ素子群を搭載するメモリモジュールであって、
入力クロック信号の位相と、出力クロック信号をフィードバックループに通すことにより得られるフィードバック信号の位相と、が一致するように調整された出力クロック信号を作成する位相同期ループ回路と、
外部からの信号に応じて、前記フィードバックループの負荷を選択的に切り替える切替え手段と、
を具備することを特徴とするメモリモジュール。
【請求項2】
前記切替え手段は、前記フィードバックループの容量を切り替える、請求項1に記載のメモリモジュール。
【請求項3】
前記切替え手段は、前記フィードバックループの抵抗値を切り替える、請求項1に記載のメモリモジュール。
【請求項4】
前記切替え手段は、コントローラにより設定されたレジスタの値に応じて前記フィードバックループの負荷を選択的に切り替える、請求項1に記載のメモリモジュール。
【請求項5】
クロック信号に同期して動作するメモリ素子群を搭載するメモリモジュールであって、
入力クロック信号の位相と、出力クロック信号をフィードバックループに通すことにより得られるフィードバック信号の位相と、が一致するように調整された出力クロック信号を作成する位相同期ループ回路と、
外部からの信号に応じて、前記位相同期ループ回路内の位相比較回路において前記フィードバック信号の値を判定するための基準レベルを変更する手段と、
を具備することを特徴とするメモリモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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