説明

メモリ制御装置

【課題】 再生しながらデータの消去を可能にする。
【解決手段】 メモリにデータを記憶する記憶手段と、記憶手段により記憶された前記データを再生する再生手段と、記憶手段により記憶されたデータを消去する消去手段と、消去手段において消去するデータの種類を設定する設定手段と、を備え、消去手段は、再生手段の実行中に、再生手段により再生されたアドレスのデータのうち、設定手段において設定された種類のデータを消去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメモリのデータ消去を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
記憶媒体の大容量化に伴い、放送番組等の容量の大きいコンテンツの記憶も可能になっている。しかし、連続番組等は複数回に分けて放送されるため、全ての番組の記憶ができれば良いが、容量不足により次回放送分の番組を記憶できない場合もある。そこで、過去の放送を消去して記憶容量を確保し、最新の番組の記憶を可能にする装置の提案もある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−33986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記装置は、番組の録画に際し、過去の放送番組が消去可能か否かを判断した後に番組の消去を行い、最新の番組を記憶するものである。したがって、判断工程、消去工程を経てから記憶を開始するため、実際に記憶を開始するまでに時間がかかるという課題がある。予約番組等、予め記憶する対象が決まっている場合は、記憶開始時間までに上記判断工程、消去工程を行えば問題ないが、直ぐに記憶を開始したい状況には対応できない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、メモリにデータを記憶する記憶手段と、前記記憶手段により記憶された前記データを再生する再生手段と、前記記憶手段により記憶されたデータを消去する消去手段と、前記消去手段において消去するデータの種類を設定する設定手段と、を備え、前記消去手段は、前記再生手段の実行中に、前記再生手段により再生されたアドレスのデータのうち、前記設定手段において設定された種類のデータを消去する、ことを特徴とする。この構成によれば、再生しながらデータを消去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施形態に係る無線通信端末の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る無線通信端末のポインタの状態を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る無線通信端末における、インデックスを生成する手順を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る無線通信端末のデータを消去する手順を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る無線通信端末のインデックスとポインタとの関係を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る無線通信端末の操作シーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は本発明の実施形態に係るメモリ制御装置を搭載する無線通信端末の構成を示す図である。無線通信端末は、無線部1と、受信したRF信号をベースバンド信号にダウンコンバートするベースバンド処理部2と、ベースバンド信号をデジタル信号に変換するA/D変換部3と、表示部4と、デジタル画像信号をアナログ信号に変換するD/A変換部5と、スピーカ6と、デジタル音声信号をアナログ信号に変換するD/A変換部7と、画像処理部8と、音声処理部9と、CPU10と、圧縮された画像信号、音声信号を記憶する画像メモリ、音声メモリ及びインデックス管理用メモリを備えるメモリ15と、プログラムを格納するメモリ16と、音声、画像データのインデックス情報を記憶するメモリ17と、時計18と、操作部19とを備える。
【0008】
プログラムは、操作、表示を行う入出力機能、インデックス表示、消去フラグのオン/オフ、再生画像表示、再生音声出力を行う画面操作機能、インデックスの作成・更新、画像音声データの記録・再生・消去を行うデータ操作機能を備える。CPU10はプログラムに基づいて、各種インデックスの作成・管理、ポインタの管理、画像メモリ及び音声メモリに管理、エンコーダ及びデコーダの動作管理、A/D及びD/Aの管理を行う。
【0009】
インデックス管理用メモリに記憶されるインデックス情報は、記憶したデータの再生、消去に必要な情報を示すもので、キー情報(記憶開始時刻、記憶終了時刻、データ名(番組情報等))、メモリ15の記憶アドレスを含み、さらに、第1のポインタが付与される。第1のポインタは番組毎に付与され。また、メモリ15のデータ領域の一部には第2のポインタが番組毎に付与される。
【0010】
図2はポインタの状態を示す図である。CPU10はメモリ15に記憶された音声、画像データは、インデックス情報を利用して再生したいデータが記憶されているメモリ15のアドレスを第1ポインタで指定する。その後、データの再生に使用した再生インデックスの第2のポインタを第3のポインタに代えて、データの消去に使用する消去インデックスとして用い、第3のポインタとデータを再生しているアドレスを示す第2のポインタとを比較する。第3のポインタと第2のポインタとが一致した場合は、第2のポインタが示すアドレスのデータを消去する。
【0011】
図3は再生に使用するインデックスを生成する手順を示す図であり、放送番組を記憶する場合を例に説明する。放送信号を受信し(S101)、圧縮した後に録画を開始する(S102)。録画経過とともにポインタ情報を付与する(S103)。その後、インデックス情報を構成する録画開始時刻、録画終了時刻、データ名及びポインタ情報を収集してインデックスを生成する(S104)。
【0012】
図4はデータを消去する手順を示す図である。図3で生成した再生インデックスを利用して再生したいデータが記憶されているメモリ15のアドレスを第1ポインタで指定し、録画番組を再生する(S201)。再生する番組のデータの消去を示すフラグを確認し、フラグが立っていれば消去モードに移行する(S202)。なお、フラグは画像のみを消去するフラグ、音声のみを消去するフラグ、画像音声を消去するフラグを備える。次に、再生に使用した再生インデックスの第2のポインタを第3のポインタに代えて、データの消去に使用する消去インデックスとして用いる(S203)。データの再生から消去までにはメモリの特性に応じて時間がかかるため、再生インデックスを所定時間遅延した後に消去インデックスとして用いる。CPUは画像音声データを処理部へ転送する際に、第2のポインタを監視し(S204)、第3のポインタと第2のポインタとが一致した場合は第2のポインタが示すアドレスのデータを消去する(S205)。
【0013】
図5はインデックスとポインタとの関係を示す図であり、図5(1)は再生インデックスと第1のポインタとの関係、図5(2)は消去インデックスと第3のポインタとの関係を示している。図中、実線で示した領域が表示部に表示される。図6は操作シーケンスを示しており、(A)第1のポインタを参照して図5(1)で示した再生インデックスを表示し、(B)第3のポインタを参照して図5(2)で示した消去インデックスを表示する。また(C)番組を表示する場合は、第2のポインタを参照する。
【0014】
上記実施形態によれば、視聴した放送番組が記憶されたメモリのアドレスをポインタで指定し、ポインタが示すアドレスのデータを消去することで、視聴しながら放送番組を消去することが可能となる。これにより、記憶媒体に十分な容量を確保することができ、即座の録画が可能となる。
【符号の説明】
【0015】
1 無線部
2 ベースバンド処理部
3 A/D変換部
4 表示部
5、7 D/A変換部
6 スピーカ
8 画像処理部
9 音声処理部
10 CPU
11 ROM
12 RAM
15 画像メモリ、音声メモリ(メモリ)
16 プログラム用メモリ
17 インデックス管理用メモリ(再生インデックス、消去インデックス)
18 時計
19 操作部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリにデータを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された前記データを再生する再生手段と、
前記記憶手段により記憶されたデータを消去する消去手段と、
前記消去手段において消去するデータの種類を設定する設定手段と、を備え、
前記消去手段は、前記再生手段の実行中に、前記再生手段により再生されたアドレスのデータのうち、前記設定手段において設定された種類のデータを消去する、
ことを特徴とするメモリ制御装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−147981(P2009−147981A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76075(P2009−76075)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【分割の表示】特願2007−19718(P2007−19718)の分割
【原出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】