メラノコルチン受容体アンタゴニスト化合物、それらを調製する方法、ならびにヒト医薬および化粧品におけるその使用
本発明は、下記の一般式(I)に対応する新規なメラノコルチン受容体アンタゴニスト化合物、それらを含有する組成物、それらを調製する方法、および医薬組成物または化粧品組成物中におけるそれらの使用に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1種または複数のメラノコルチン受容体のアンタゴニスト生成物としての新規な化合物に関する。本発明はまた、それらを調製する方法、およびそれらの治療用途に関する。
【背景技術】
【0002】
メラノコルチンは、ホルモンであるプロオピオメラノコルチン(POMC、131アミノ酸長)の翻訳後プロセスによって合成される調節ペプチドのファミリーを形成する。POMCは、3つのクラスのホルモン(メラノコルチン、副腎皮質刺激ホルモンおよび様々なエンドルフィン、例えばリポトロピン)の生成をもたらす(Coneら、Recent Prog.Horm.Res.、51:287〜317頁、(1996);Coneら、Ann.N.Y.Acad.Sc.、31:342〜363頁、(1993)。
【0003】
メラノコルチン受容体(MCR)は、7つの膜貫通ドメインを有するGPCRのスーパーファミリーの一部を形成する。現在までに、受容体の5つのサブタイプであるMC1〜5Rが、哺乳動物において同定されてきた。ペプチドの内在性群はMCRに結合して、アゴニストまたはアンタゴニスト作用を伴う(例えば、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、ならびにアグーチタンパク質およびその誘導体)。しかし、例外は、ACTHとのみ結合するMC2R受容体である(Major pharmacological distinction of the ACTH receptor from other melanocortin receptors、Schiothら、Life Sciences(1996)、59(10)、797〜801頁)。
【0004】
MCRは、多様な生理的役割を有する。MC1Rは、皮膚のメラニンの形成を調節し、免疫系の調節において役割を有する。MC2Rは、副腎の副腎皮質ステロイドの生成を調節する。受容体MC3RおよびMC4Rは、食物摂取および性行動の制御において役割を有する。MC5Rは、外分泌腺の調節に関与している(Wikberg、Jarl E.S.、Melanocortin receptors:perspectives for novel drugs、European Journal of Pharmacology(1999)、375(1〜3)、295〜310頁、Wikberg、Jarl E.S.、Melanocortin receptors:new opportunities in drug discovery.Expert Opinion on Therapeutic Patents(2001)、11(1)、61〜76頁)。
【0005】
肥満症、糖尿病、炎症状態および性機能障害などの主要な病態を治療するための医薬品の標的としてのMCRの有望な使用は、特定のサブタイプに対して高度な特異性を示す化合物の必要性をもたらす。しかし、僅かに異なる受容体サブタイプのための選択的医薬品のモデリングは困難な課題であり、リガンド-受容体相互作用の決定要素に関する詳細な知識を考慮すると単純化されるであろう。
【0006】
本発明の主題である特定の一般式(I)の化合物は、選択的MC4-Rアンタゴニストであることを、出願人は今や驚いたことに予想外に見出した。
【0007】
MC4受容体の機能障害と関連していると記載されている病態は、体重の制御(恒常性)、性機能障害、うつおよび不安(Chakiら、Current Topics in Medicinal Chemistry、2007、1145〜1151頁)、および骨(Cart overexpression is the only identifiable cause of high bone mass in melanocortin 4 receptor deficiency、Endocrinology、2006年7月;147(7):3196〜202頁)に関与している。
【0008】
食欲不振症などの体重減少(自発的でない体重減少を含む)と関連する障害について特に言及し得る。悪液質(The role of central melanocortins in cachexia, Contemporary Endocrinology:Energy Metabolism and Obesity:Research and Clinical Applications、59〜68頁)および関連する適応症(筋肉減少症(Cofemer、2008、P.Dehail)、異化性疾患、および癌またはHIVに関連する悪液質など)についても言及し得る。具体的には、悪液質は、非常に重大な栄養失調と関連する体の深刻な弱体化(体重減少、筋萎縮など)として本明細書において下記で定義される。悪液質はそれ自体は疾患ではないが、他の疾患の症状である。悪液質は、食欲不振症(その体重減少が自発的ではないヒトの場合でさえも)、癌(癌に関連する悪液質、腫瘍によって分泌される物質によって生成される、カヘキシン)、慢性疾患(COPD、心不全、肝不全、腎不全)、あるいはさらに特定の感染症(例えば、結核およびAIDS、または特定の自己免疫疾患)に起因し得る。
【0009】
特許WO02/070511、WO02/079146およびWO02/069905は、メラノコルチン受容体、より特定するとMC1-RおよびMC4-Rのモジュレーターとしての化合物の使用を特許請求している。
【0010】
Chenは、MC4-R受容体の非ペプチドリガンドの発見における最近の進展を記載している(Progress in Medicinal Chemistry、第45巻、111〜167頁)。
【0011】
Chenらは、悪液質についての有望な治療としての選択的MC4-Rアンタゴニストの使用を記載している(Current Topics in Medicinal Chemistry、2007、1131〜1136頁)。
【0012】
Pontilloらは、MC4受容体の選択的アンタゴニストとしての置換フェニルピペラジン化合物を記載しており、その投与は、マウスにおける食物摂取を増加させることができる(A potent and selective non-peptide antagonist of the melanocortin-4 receptor induces food intake in satiated mice-Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、15(2005)、2541〜46頁)。
【0013】
Vosらは、新規なシリーズのMC4-Rアンタゴニストの同定について記載している(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、16(2006)、2302〜2305頁)。
【0014】
Chenらは、フェニルピペラジンおよびピリジニルピペラジンに由来する新規な選択的MC4-Rアンタゴニストの同定について記載している(Journal of Medicinal Chemistry、2007、6356〜6366頁)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】WO02/070511
【特許文献2】WO02/079146
【特許文献3】WO02/069905
【特許文献4】WO2008/008954
【特許文献5】英国特許第1341375号
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Coneら、Recent Prog.Horm.Res.、51:287〜317頁、(1996)
【非特許文献2】Coneら、Ann.N.Y.Acad.Sc.、31:342〜363頁、(1993)
【非特許文献3】Schiothら、Major pharmacological distinction of the ACTH receptor from other melanocortin receptors、Life Sciences(1996)、59(10)、797〜801頁
【非特許文献4】Wikberg、Jarl E.S.、Melanocortin receptors:perspectives for novel drugs、European Journal of Pharmacology(1999)、375(1〜3)、295〜310頁
【非特許文献5】Wikberg、Jarl E.S.、Melanocortin receptors:new opportunities in drug discovery.Expert Opinion on Therapeutic Patents(2001)、11(1)、61〜76頁)
【非特許文献6】Chakiら、Current Topics in Medicinal Chemistry、2007、1145〜1151頁
【非特許文献7】Cart overexpression is the only identifiable cause of high bone mass in melanocortin 4 receptor deficiency、Endocrinology、2006年7月;147(7):3196〜202頁
【非特許文献8】The role of central melanocortins in cachexia, Contemporary Endocrinology:Energy Metabolism and Obesity:Research and Clinical Applications、59〜68頁
【非特許文献9】Cofemer、2008、P.Dehail
【非特許文献10】Progress in Medicinal Chemistry、第45巻、111〜167頁
【非特許文献11】Current Topics in Medicinal Chemistry、2007、1131〜1136頁
【非特許文献12】A potent and selective non-peptide antagonist of the melanocortin-4 receptor induces food intake in satiated mice、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、15(2005)、2541〜46頁
【非特許文献13】Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、16(2006)、2302〜2305頁
【非特許文献14】Journal of Medicinal Chemistry、2007、6356〜6366頁
【非特許文献15】Han,S.、Kim,Y.、Tetrahedron、2004、60、2447〜2467頁
【非特許文献16】Albericio,F.、Current Opinion in Chemical Biology、2004、8、211〜221頁
【非特許文献17】Humphrey,J.、Chamberlin,R.、Chem.Rev.、1997、97、2243〜2266頁
【非特許文献18】Williams,R.M.、Synthesis of optically active α-amino acids、Pergamon Press、Oxford、1989
【非特許文献19】Nowick J.S.ら、JOC(1996)、3929〜3934頁
【非特許文献20】Igarashi,T.、Synlett(2007)、1436頁
【非特許文献21】Durant G.J.、Emmet J.C.、Ganellin C.R.、Roe A.M.、(1973)
【非特許文献22】Loren J.C.、Synlett、2005、2847〜2850頁
【非特許文献23】Wolin R.、BOMCL、1998、2157頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本明細書の下記に記載されているような特定の式(I)の化合物は、特にMC4タイプの受容体について、メラノコルチン受容体アンタゴニスト特性を有することを、今や出願人は予想外に示した。
【課題を解決するための手段】
【0018】
したがって、本発明は、下記の一般式(I)の化合物、ならびにまた対応する塩およびエナンチオマーに関し、
【0019】
【化1】
【0020】
式中、
R1は、水素原子、アリール、置換アリール、アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルを表し、
R2は、水素原子、ヒドロキシル、低級アルキル、置換低級アルキル、高級アルキル、置換高級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、低級アルコキシ、置換低級アルコキシ、高級アルコキシ、置換高級アルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、アシルオキシ、アシル、アルコキシカルボニル、カルボキサミド、カルボン酸、シアノ、またはアシルおよびアリールもしくはアルキルで二置換されているアミノを表し、
R3は、アラルキルまたは置換アラルキルを表し、
R4は、ヘテロアラルキルまたは置換ヘテロアラルキルを表し、
R5は、水素原子またはアルキルを表し、
Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、
n、mは、1または2と等しいことがあり、
この化合物は、MC4-R受容体に対してアンタゴニスト活性を有することを特徴とする。特に、MC4-R受容体に対するこの化合物のアンタゴニスト活性(EC50)は、60nM以下である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】一般式(I)の化合物が調製される一般反応スキームを示す図である。
【図2a】2-2 tert-ブチル[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]カルバメートの1H NMR CDCl3:結果を示す図である(配座異性体の混合物)。
【図2b】2-3 1-{1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-イル}-ブタン-1-オンの1H NMR CDCl3:結果を示す図である(配座異性体の混合物)。
【図3a】4-3 エチル1-[(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートの1H NMR/CDCl3:結果を示す図である(配座異性体の混合物)。
【図3b】4-4 エチル1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートの1H NMR/CDCl3:結果を示す図である(配座異性体の混合物)。
【図3c】4-5 エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(3H-イミダゾール-4-イル)プロピル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレートの1H NMR:結果を示す図である(配座異性体の混合物)。
【図4】5-1 エチル1-[(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(3,4-ジクロロフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートの1H NMR CDCl3:結果を示す図である(配座異性体の混合物)。
【図5a】7-1 エチル1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートトリフルオロ酢酸塩の1H NMR/CD3OD:結果を示す図である(配座異性体の混合物)。
【図5b】7-2 エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-イソチオシアナト-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-ピペリジン-4-カルボキシレートの1H NMR/CDCl3:結果を示す図である(配座異性体の混合物)。
【図5c】7-3 エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレートの1H NMR:結果を図5c示す図である(配座異性体の混合物)。
【図6】エチル4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレートの1H NMR:結果を示す図である(配座異性体の混合物)。
【発明を実施するための形態】
【0022】
薬学的に許容される酸との一般式(I)の化合物の付加塩の中で、好ましくは有機酸または鉱酸との塩について言及し得る。
【0023】
適切な鉱酸は、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば、塩酸または臭化水素酸、硫酸および硝酸である。
【0024】
適切な有機酸は、例えば、ピクリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、シュウ酸および酒石酸である。
【0025】
一般式(I)の化合物はまた、水または溶媒との水和物または溶媒和物の形態で存在し得る。
【0026】
溶媒和物または水和物を形成するための適切な溶媒は、例えば、アルコール、例えば、エタノールもしくはイソプロパノール、または水である。
【0027】
本発明によれば、「アリール」という用語は、非置換フェニルまたはナフチルを表す。
【0028】
本発明によれば、「置換アリール」という用語は、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチルおよびニトロから選択される1つまたは複数の原子団で置換されているフェニルまたはナフチルを表す。
【0029】
本発明によれば、「シクロアルキル」という用語は、3〜7個の炭素原子を含有する飽和環式炭化水素をベースとする鎖を表す。
【0030】
本発明によれば、「ヒドロキシル」という用語は、OH基を意味する。
【0031】
本発明によれば、「アミノ」という用語は、NH2基を意味する。
【0032】
本発明によれば、「シアノ」という用語は、CN基を表す。
【0033】
本発明によれば、「カルボン酸」という用語は、CO2H基を表す。
【0034】
本発明によれば、「アシル」という用語は、アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルで置換されているホルミルまたはカルボニルを表す。
【0035】
本発明によれば、「アルキル」という用語は、置換または非置換の低級アルキルまたは高級アルキルを表す。
【0036】
本発明によれば、「低級アルキル」という用語は、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素をベースとする鎖、または2〜4個の炭素原子を含有する不飽和鎖、特に、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびブチルを表す。
【0037】
本発明によれば、「置換低級アルキル」という用語は、1〜4個の炭素原子を含有し、かつ1個もしくは複数のハロゲン原子で、またはヒドロキシルで置換されている直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の炭化水素をベースとする鎖、あるいは2〜4個の炭素原子を含有し、かつ1個もしくは複数のハロゲン原子で、またはヒドロキシルで置換されている不飽和炭化水素をベースとする鎖を意味する。
【0038】
本発明によれば、「高級アルキル」という用語は、5〜10個の炭素原子を含有する直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素をベースとする鎖を表す。
【0039】
本発明によれば、「置換高級アルキル」という用語は、5〜10個の炭素原子を含有し、かつ1個もしくは複数のハロゲン原子で、またはヒドロキシルで置換されている直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素をベースとする鎖を表す。
【0040】
本発明によれば、「ハロゲン原子」という用語は、塩素、フッ素、ヨウ素および臭素原子を意味する。
【0041】
本発明によれば、「シクロアルキルアルキル」という用語は、シクロアルキルで置換されているアルキルを表す。
【0042】
本発明によれば、「低級アルコキシ」という用語は、低級アルキルで置換されている酸素原子を表す。
【0043】
本発明によれば、「置換低級アルコキシ」という用語は、置換低級アルキルで置換されている酸素原子を表す。
【0044】
本発明によれば、「高級アルコキシ」という用語は、高級アルキルで置換されている酸素原子を表す。
【0045】
本発明によれば、「置換高級アルコキシ」という用語は、置換高級アルキルで置換されている酸素原子を表す。
【0046】
本発明によれば、「シクロアルキルアルコキシ」という用語は、シクロアルキルアルキルで置換されている酸素原子を表す。
【0047】
本発明によれば、「アシルオキシ」という用語は、アシルで置換されている酸素原子を表す。
【0048】
本発明によれば、「アルコキシカルボニル」という用語は、アルコキシ、シクロアルコキシまたはシクロアルキルアルコキシで置換されているカルボニルを表す。
【0049】
本発明によれば、「カルボキサミド」という用語は、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノで置換されているカルボニルを表す。
【0050】
本発明によれば、「アラルキル」という用語は、アリールで置換されているアルキルを表す。
【0051】
本発明によれば、「置換アラルキル」という用語は、置換アリールで置換されているアルキルを表す。
【0052】
本発明によれば、「複素環」という用語は、O、SおよびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を含む、飽和または不飽和の環式または二環式の炭化水素をベースとする鎖を表す。
【0053】
本発明によれば、「置換複素環」という用語は、1個または複数のアルキル基で置換されているO、SおよびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を含む、飽和または不飽和の環式または二環式の炭化水素をベースとする鎖を表す。
【0054】
本発明によれば、「ヘテロアリール」という用語は、芳香族複素環を表す。
【0055】
本発明によれば、「置換ヘテロアリール」という用語は、1個または複数のアルキル基で置換されている芳香族複素環を表す。
【0056】
本発明によれば、「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリールで置換されているアルキルを表す。
【0057】
本発明によれば、「置換ヘテロアラルキル」という用語は、置換ヘテロアリールで置換されているアルキルを表す。
【0058】
本発明の状況において含まれる一般式(I)の化合物の中で、下記
tert-ブチル 4-シクロヘキシル-1-[2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)-プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシルアミド
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
エチル 4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(3H-イミダゾール-4-イル)プロピル]ウレイド}-3-(4-メトキシ-フェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(3-メチル-3H-イミダゾール-4-イル)-エチル]ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオウレイド}-3-(4-メトキシ-フェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-エチル]チオウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]ウレイド}-3-(4-メトキシ-フェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
4-シクロヘキシル-1-(3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[(R)-2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-(3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[(R)-2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-プロピオニル)ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)-プロピオニル]ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)-プロピオニル]ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]-チオウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)-プロピオニル]ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-エチル]ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-エチル]ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(3-メチル-3H-イミダゾール-4-イル)-エチル]ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]尿素
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]尿素
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
1-[2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(2,4-ジクロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-(1H-イミダゾール-4-イル)メチル)尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル))プロピル]チオ尿素
ならびにまた対応する塩およびエナンチオマーについて特に言及し得る。
【0059】
一般式(I)の化合物は、図1に示される一般反応スキームによって調製される。
【0060】
反応スキーム1の使用(図1)
【化2】
【0061】
スキーム1によれば、式(IV)の化合物は、例えば、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドなどの溶媒中で、カップリング剤として、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩、ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはTBTUを、および塩基として、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンを使用して、標準的ペプチドカップリング条件下で、式(II)の中間体と、式(III)のアミノ酸(そのアミン官能基は、保護基Pg(例えば、Boc、CBzまたはFmoc基)で保護されている)との間のカップリングによって調製し得る(Han,S.、Kim,Y.、Tetrahedron、2004、60、2447〜2467頁;Albericio,F.、Current Opinion in Chemical Biology、2004、8、211〜221頁;Humphrey,J.、Chamberlin,R.、Chem.Rev.、1997、97、2243〜2266頁)。
【0062】
一般式(IV)のアミノ酸は市販されており、または文献に記載されている方法によって調製し得る(Williams,R.M.、Synthesis of optically active α-amino acids、Pergamon Press、Oxford、1989)。
【0063】
式(V)の化合物は、当業者には公知の方法から選択された方法によって、式(IV)の化合物のアミン官能基の脱保護によって得られる。公知の方法には、とりわけ、例えば、Boc基による保護の場合、ジクロロメタンまたは酢酸エチル中のトリフルオロ酢酸または塩酸の使用、例えば、CBz基による保護の場合、テトラヒドロフランまたはメタノール中の適当な金属による水素化、および例えば、Fmoc基による保護の場合、アセトニトリル中のピペリジンが含まれる。
【0064】
最終ステップにおいて、式(I)の化合物は、例えば、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミド中で、式(VI)のアミンを、化合物(V)から得たイソシアネートまたはイソチオシアネートに加えることによって調製し得る。イソシアネートは、例えば、ホスゲン、ジホスゲンまたはトリホスゲンの存在下で、アミン(V)から調製し得る。イソチオシアネートは、例えば、チオホスゲン(Nowick J.S.ら、JOC(1996)、3929〜3934頁)、またはビス(2-ピリジル)チオノカーボネート(WO2008/008954)の存在下で、アミン(V)から調製し得る。式(I)の化合物はまた、例えば、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミド中で、式(VI)のアミンを、アミン(V)から得た活性化カルバメートに加えることによって合成し得る。「活性化カルバメート」という用語は、例えば、塩基(ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミド中のトリエチルアミンでもよい)の存在下で、パラ-ニトロフェニルクロロホルメートをアミン(V)に加えることによって得ることができる、例えば、パラ-ニトロフェニルカルバメート基を意味する(Igarashi,T.、Synlett(2007)、1436頁)。
【0065】
式(II)の化合物は市販されており、または置換基R1およびR2の性質に応じて適合される、文献において記載されているもしくは当業者には公知の方法によって調製し得る。下記のスキーム1〜8は、式(II)の化合物の調製の例を示す。
【0066】
例えば、R2がアシルオキシまたはカルボキサミド鎖を含有するとき、化合物(II、n、m=2)の調製は、スキーム1によって行い得る。
【0067】
スキーム1
【化3】
【0068】
式(VIII)の化合物は、
-Xが酸素であるとき、文献において記載されている方法を使用して、例えば、化合物(VII)のカルボン酸官能基のエステル化によって、あるいは
-Xが窒素であるとき、当業者には公知の方法から選択された方法を使用して、例えば、アミンに、またはカルボン酸(VII)から得られる酸塩化物に加えることによって得られる。ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドなどの溶媒中で塩化オキサリルまたは塩化チオニルを使用することが特に可能である。
【0069】
式(II)の化合物は、当業者には公知の方法から選択された方法によって、式(VIII)の化合物のアミン官能基の脱保護によって得られる。公知の方法には、とりわけ、例えば、Boc基による保護の場合、ジクロロメタンまたは酢酸エチル中のトリフルオロ酢酸または塩酸の使用、例えば、CBz基による保護の場合、テトラヒドロフランまたはメタノール中の適当な金属による水素化、および例えば、Fmoc基による保護の場合、アセトニトリル中のピペリジンが含まれる。
【0070】
例えば、R1がアルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキル基を含有し、R2がアシルオキシ鎖を含有するとき、化合物(II、n、m=2)の調製は、スキーム2によって行い得る。
【0071】
スキーム2
【化4】
【0072】
基R1の導入は、例えば、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中、リチウムジイソプロピルアミドまたはリチウムヘキサメチルジシラジドなどの塩基の存在下で、化合物(IX)のエステル官能基のα脱コプロン化によって行い得る。式(II)の化合物は、当業者には公知の方法から選択された方法によって、式(X)の化合物のアミン官能基の脱保護によって得られる。公知の方法には、とりわけ、例えば、Boc基による保護の場合、ジクロロメタンまたは酢酸エチル中のトリフルオロ酢酸または塩酸の使用、例えば、CBz基による保護の場合、テトラヒドロフランまたはメタノール中の適当な金属による水素化が含まれる。
【0073】
例えば、R2が、アルコキシまたはアルコキシカルボニル鎖を含有するとき、化合物(II、n、m=1)の調製は、スキーム3によって行い得る。
【0074】
スキーム3
【化5】
【0075】
式(XII)の化合物は、文献に通常記載されている方法によって、例えば、R1に由来するハロゲン化マグネシウムを、N-Boc-アゼチジノン(XI)に加え、続いて第三級アルコールをアルキル化またはアシル化することによって得られ、化合物(XIII)がもたらされる。式(II)の化合物は、例えば、ジクロロメタンまたは酢酸エチル中のトリフルオロ酢酸または塩酸の存在下で、式(XIII)の化合物のアミン官能基の脱保護によって得られる。
【0076】
例えば、R2が、アシル基を含有するとき、化合物(II、n=m=1)の調製は、スキーム4によって行い得る。
【0077】
スキーム4
【化6】
【0078】
式(XV)の化合物は、例えば、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドなどの溶媒中、カップリング剤として、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩、ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはTBTUを、および塩基として、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンを使用して、カルボン酸を有する化合物(XIV)とワインレブアミンとの間のペプチドカップリング条件下にて得ることができる。式(XVI)の化合物は、例えば、R1に由来するハロゲン化マグネシウムを、ワインレブアミド(XV)の誘導体に加えることによって得られる。式(II)の化合物は、当業者には公知の方法から選択された方法によって、式(X)の化合物のアミン官能基の脱保護によって得られる。公知の方法には、とりわけ、例えば、Boc基による脱保護の場合、ジクロロメタンまたは酢酸エチル中のトリフルオロ酢酸または塩酸の使用、例えば、CBz基による保護の場合、テトラヒドロフランまたはメタノール中の適当な金属による水素化が含まれる。
【0079】
例えば、R2が、二置換アミンを含有するとき、化合物(II、n=m=2)の調製は、スキーム5によって行い得る。
【0080】
スキーム5
【化7】
【0081】
式(XVIII)の化合物は、例えば、水酸化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下で、市販のケトン(XVII)とアミンとの間の還元的アミノ化条件下にて得ることができる。次いで、第二級アミン(XVIII)は、例えば、塩基(トリエチルアミンなど)および酸塩化物の存在下でアシル化され、化合物(XIX)を得ることができる。式(II)の化合物は、当業者には公知の方法から選択された方法によって、式(VIII)の化合物のアミン官能基の脱保護によって得られる。公知の方法には、とりわけ、例えば、Boc基による保護の場合、ジクロロメタンまたは酢酸エチル中のトリフルオロ酢酸もしくは塩酸の使用、例えば、CBz基による保護の場合、テトラヒドロフランまたはメタノール中の適当な金属による水素化、および例えば、Fmoc基による保護の場合、アセトニトリル中のピペリジンが含まれる。
【0082】
例えば、R1がシクロヘキシルを含有し、R2がアシル基を含有するとき、化合物(II、n=m=2)の調製は、スキーム6によって行い得る。
【0083】
スキーム6
【化8】
【0084】
トシレート基による市販のアミン(XX)の保護の後、例えば、塩基(ジクロロメタン中のトリエチルアミンなど)の存在下で塩化トシルを反応させることによって、化合物(XXI)が得られる。式(XXII)の化合物は、例えば、トルエン中のアルキルに由来するハロゲン化マグネシウムを、誘導体(XXI)のニトリル官能基に加え、続いて酸性媒体(塩酸でもよい)中での中間体イミン加水分解によって得られる。式(XXIII)の化合物は、酸性媒体(トシレート基の場合は硫酸でもよい)中のアミン官能基の脱保護によって得られる。化合物(II)は、例えば、アルミナ上のロジウムまたはジオキサン中の酸化白金でもよい触媒の存在下で、例えば、化合物(X)の水素化によって得られる。
【0085】
例えば、R1がシクロヘキシル基であり、R2がアルコキシ基であるとき、化合物(II、n=m=2)の調製は、スキーム7によって行い得る。
【0086】
スキーム7
【化9】
【0087】
式(XXIV)の化合物は、例えば、フェニルに由来するハロゲン化マグネシウムを、市販のケトン(XVII)に加え、続いて文献に通常記載されている方法による第三級アルコールのアルキル化によって得られ、化合物(XXV)が生じる。化合物(XXVI)は、例えば、アルミナ上のロジウムまたはジオキサン中の酸化白金でもよい触媒の存在下で、例えば、化合物(XXV)の水素化によって得られる。式(II)の化合物は、例えば、ジクロロメタンまたは酢酸エチル中のトリフルオロ酢酸または塩酸の存在下で、式(XXVI)の化合物のアミン官能基の脱保護によって得られる。
【0088】
例えば、R1がアリール基であり、R2がアルキル鎖を含有するとき、化合物(II、n=m=1)の調製は、スキーム8によって行い得る。
【0089】
スキーム8
【化10】
【0090】
式(XXVIII)の化合物は、例えば、R2に由来するハロゲン化誘導体の存在下で、水素化ナトリウムなどの塩基を、市販のニトリル誘導体(XXVII)に加えることによって得ることができる。第一級アルコール(XXIX)は、塩基(例えば、水素化ナトリウムおよびパラホルムアルデヒド)の存在下で、ニトリル誘導体(XXVIII)から合成し得る。化合物(XXIX)の第一級アルコール官能基は、例えば、塩基(トリエチルアミンでもよい)および塩化トシルの存在下で、スルホネートに変換し得る。アゼチジン化合物(II)は、例えば、水素化アルミニウムリチウムの存在下でニトリル官能基の還元後に得られるアミン官能基とトシレート官能基との間の分子内環化によって合成し得る。
【0091】
式(VI)の化合物は市販されており、または置換基R4およびR5の性質に応じて適合される、文献において記載されているもしくは当業者に公知の方法によって調製し得る。下記のスキーム9〜11は、式(VI)の化合物の調製の例を示す。
【0092】
例えば、R5がアルキル基であり、R4がヘテロアラルキル基を含有するとき、化合物(VI)の調製は、例えば、スキーム9に記載されているように、文献(Durant G.J.、Emmet J.C.、Ganellin C.R.、Roe A.M.、(1973)、英国特許第1341375号)に記載されているコプロコルに従うことによって行い得る。
【0093】
スキーム9
【化11】
【0094】
例えば、R4が、1,2,3-トリアゾール複素環を含有するとき、化合物(VI)の調製は、スキーム10によって行い得る。
【0095】
スキーム10
【化12】
【0096】
式(XXXIV)の化合物は、文献(Loren J.C.、Synlett、2005、2847〜2850頁)に記載されている方法、続いて例えば、水酸化ナトリウムの存在下での塩基性媒体中の切断によって調製され、化合物(VI)が生じ得る。
【0097】
例えば、R4が、ヘテロアラルキルを含有するとき、化合物(VI)の調製は、スキーム11によって行い得る。
【0098】
スキーム11
【化13】
【0099】
式(VI)の化合物は、ヘテロアリールで置換されているアルデヒドと市販のイリドとの間のウィティッヒ反応によって、文献(Wolin R.、BOMCL、1998、2157頁)に記載されている方法によって調製することができ、アルケン(XXXV)が形成し、続いて二重結合の水素化およびフタルイミドのヒドラジン分解によって、化合物(VI)が生じる。
【0100】
本発明の主題はまた、医薬品としての上記定義のような式(I)の化合物である。
【0101】
本発明の主題はまた、下記の病態を治療するための、上記定義のような式(I)の化合物である。
-体重の制御(恒常性)、および体重減少(自発的でない体重減少を含む)または体重増加と関連する障害(食欲不振症、肥満症、悪液質および関連する適応症、例えば、筋肉減少症、異化性疾患、癌に関連する悪液質、慢性肺疾患(COPD)、心不全、肝不全、腎不全、および特定の感染症(結核、AIDS)または特定の自己免疫疾患など)、
-食物摂取および摂食障害の調節、
-骨の病変。
【0102】
本発明の主題はまた、下記の病態を治療するための組成物の調製のための、上記定義のような式(I)の化合物の使用である。
-体重の制御(恒常性)、および体重減少(自発的でない体重減少を含む)または体重増加と関連する障害(食欲不振症、肥満症、悪液質および関連する適応症、例えば、筋肉減少症、異化性疾患、癌に関連する悪液質、慢性肺疾患(COPD)、心不全、肝不全、腎不全、および特定の感染症(結核、AIDS)または特定の自己免疫疾患など)、
-食物摂取および摂食障害の調節、
-骨の病変。
【0103】
本発明の主題はまた、上記定義のような化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物である。
【0104】
本発明の主題はまた、そのために選択した投与方法と適合性の薬学的に許容される担体中に、そのエナンチオマーの1つでの一般式(I)の化合物、または薬学的に許容される酸を有するその塩を含むことを特徴とする、上記の愁訴を治療することを特に意図した医薬組成物である。
【0105】
「薬学的に許容される担体」という用語は、皮膚、粘膜および外皮と適合性の媒体を意味する。
【0106】
本発明による組成物の投与は、経口的、経腸的、非経口的、局所的または目から行われてもよい。好ましくは、医薬組成物は、局所適用に適した形態でパッケージされる。
【0107】
組成物は、経口経路を介して、錠剤、ゲルカプセル剤、コーティング錠剤、シロップ剤、懸濁剤、溶液剤、散剤、顆粒剤、乳剤、懸濁剤、または制御放出を可能とするミクロスフィア、ナノスフィアまたは脂質小胞もしくはポリマー小胞の形態でもよい。組成物は、非経口経路を介して、潅流または注射のための溶液剤または懸濁剤の形態でもよい。
【0108】
本発明による化合物は一般に、1回または複数回の投与量の摂取で、約0.01mg/kg〜100mg/kg体重の1日用量で経口的または全身的に投与される。
【0109】
化合物は、一般に組成物の重量に対して0.001%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜1重量%の濃度で全身的に使用される。
【0110】
局所経路を介して、本発明による医薬組成物はより特定すると、皮膚および粘膜を治療することを意図し、液体、ペーストまたは固体の形態、より特定すると、軟膏剤、クリーム剤、ミルク、ポマード、散剤、含浸パッド、合成洗剤、溶液剤、ゲル剤、スプレー剤、ムース、懸濁剤、スティック、シャンプーまたは洗浄基剤の形態でもよい。本発明による医薬組成物はまた、制御放出を可能にするミクロスフィアまたはナノスフィアまたは脂質小胞もしくはポリマー小胞の懸濁液の形態、またはポリマーパッチもしくはゲル状パッチの形態でもよい。
【0111】
局所適用のために使用される組成物は、一般に組成物の全重量に対して0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%の本発明による化合物の濃度を有する。
【0112】
上記のような医薬組成物および化粧品組成物はまた、不活性な添加物、またはさらに医薬組成物に関しては薬力学的に活性な添加物、またはこれらの添加物の組合せ、特に、
-湿潤剤、
-香味増強剤、
-保存料(パラ-ヒドロキシ安息香酸エステルなど)、
-安定剤、
-湿度調整剤、
-pH調節剤、
-浸透圧調節剤、
-乳化剤、
-UV-AおよびUV-B遮断剤、
-抗酸化剤
を含有し得る。
【0113】
言うまでもなく、当業者は、本発明と本質的に関連する有利な特性が、想定される添加によって悪影響を受けない、または実質的に影響を受けないように、これらの組成物に加える任意選択の化合物を念入りに選択するであろう。
【0114】
本発明による一般式(I)の化合物の生成のいくつかの実施例、およびこれらの化合物の生物活性の結果を、例示として、限定することなくこれから示す。
【0115】
下記の実施例は、本発明による特定の化合物の調製を記載する。これらの実施例は限定的なものではなく、本発明を単に例示する役目を果たす。示した化合物の数は、本発明によるいくつかの化合物の化学構造および物理的性質を例示する本明細書における下記の表に示したものを意味する。
【0116】
下記の略語を使用する。
-EDC:1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
-HOBt:1-ヒドロキシ-1,2,3-ベンゾトリアゾール
-TBTU:N,N,N',N'-テトラメチル-O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムテトラフルオロボレート
-DBU:1,5-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデカ-5-エン
-Rh/Al2O3:アルミナ上のロジウム
-NaHCO3:炭酸水素ナトリウム
-NH4Cl:塩化アンモニウム
-NH4OH:水酸化アンモニウム
-NaCl:塩化ナトリウム
-MgSO4:硫酸マグネシウム
-Na2SO4:硫酸ナトリウム
-CuSO4:硫酸銅
-NaOH:水酸化ナトリウム
-EtOAc:酢酸エチル
-DCM:ジクロロメタン
-DMF:ジメチルホルムアミド
-MeOH:メタノール
-THF:テトラヒドロフラン
-DMSO:ジメチルスルホキシド
-CH3CN:アセトニトリル
-TFA:トリフルオロ酢酸
-CH2Cl2:ジクロロメタン
-CDCl3:重水素化クロロホルム
-TLC:薄層クロマトグラフィー
結合(電子対によってもたらされる単結合)の周りの回転によって1つの異性体から他の異性体へ変換される立体異性体は、配座異性体として公知である。
【実施例1】
【0117】
4-シクロヘキシル-1-[2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
1-1-1 4-tert-ブチルカルバモイル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-tert-ブトキシカルボニル
ジクロロメタン中のシュウ酸の2M溶液(0.53ml(1.06mmol))および0.04mlのジメチルホルムアミドを、3.5mlのジクロロメタン中の300mg(0.96mmol)のピペリジン-1-tert-ブトキシカルボニル-4-シクロヘキシル-4'-カルボン酸に0℃で加える。1時間後、溶媒を蒸発させる。3.5mlのtert-ブチルアミンを加え、媒体を室温で6時間撹拌する。溶媒を蒸発させた後、得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:1/1のヘプタン/酢酸エチル)。285mgの白色の固体を、81%の収率で得る。
【0118】
1-1-2 4-tert-ブチルカルバモイル-4-シクロヘキシルピペリジン
酢酸エチル中の塩化水素の4M溶液(5ml)を、280mg(1.86mmol)の4-tert-ブチルカルバモイル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-tert-ブトキシカルボニルに加える。4時間撹拌した後、反応媒体を1Nの塩酸水溶液、次いで水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、pHを10に調節する。有機生成物を酢酸エチルで抽出する。溶媒を蒸発させた後、172mgの白色の粉末を、72%の収率で得る。
1H NMR CDCl3: δ=0.80〜1.06 (m, 7H); 1.16 (s, 9H); 1.52〜1.60 (m, 6H); 1.78〜1.85 (m, 2H); 2.62 (bt, 2H, J=12.8Hz); 2.98 (bd, 2H, J=12.8Hz)
【0119】
1-2-1 メチル(S)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオネート
10g(33.8mmol)の(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオン酸に、75mlのメタノール、次いで10mlの硫酸を30分に亘り滴下で添加する。30時間後、10Nの水酸化ナトリウム水溶液、続いて飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えることによって、反応媒体をpH8〜9に塩基性化する。有機生成物をジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、次いで濾過し、溶媒を蒸発させる。茶色の油の形態の6.36gのメチル(S)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオネートを、90%の収率で得る。
【0120】
1-2-2 メチル(S)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)-プロパノエート
5.08g(24.3mmol)のメチル(S)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオネートに、15mlのジクロロメタンを加える。反応媒体を冷水浴に浸漬する。7.34g(36.4mmol)の4-ニトロフェニルクロロホルメート、続いて6.33mlのジイソプロピルエチルアミンを加える。室温に温めた後、反応媒体を2時間撹拌する。水を加えることによって反応を停止させ、それに続いてジクロロメタンによって抽出する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーター上で濃縮する。12gの黄色の油を得る。これらの12gに、10mlのジメチルホルムアミドを加え、次いで混合物を80℃に加熱する。8.95g(48.6mmol)のヒスタミン二塩酸塩を加え、それに続いて14.8ml(85.1mmol)のジイソプロピルエチルアミンを滴下で添加する。室温に冷却した後に、溶媒を蒸発させ、粗生成物を、シリカカラム上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:85/15のジクロロメタン/メタノール)。黄色の油の形態の5.6gのメチル(S)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロパノエートを、67%の収率で得る。
1H NMR/CD3OD: δ=2.72 (t, 2H J= 6.36Hz); 2.90 (dd, 1H, J=13.7, 5.88Hz); 3.04 (dd, 1H, J=13.7, 5.60Hz); 3.22 (q, 2H, J=7.4Hz); 3.67 (s, 3H)、3.75 (s, 3H); 4.48 (q, 1H, J= 5.76Hz); 6.81 (d, 2H, J=8.6Hz); 6.87 (s, 1H); 7.05 (d, 2H, J=8.6Hz); 7.75 (s, 1H)
【0121】
1-2-3 2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロパン酸
500mg(1.44mmol)のメチル(S)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロパノエートに、500mgの水酸化リチウム、7mlのテトラヒドロフランおよび2mlの水を加える。反応媒体を、100℃で10分間撹拌しながらマイクロ波反応器中に入れる。7つの他の同一の試験を行う。様々な試験を合わせ、濃縮乾燥する。得られた粗生成物は、シリカパッド上の濾過によって精製する(溶離液:1/1のジクロロメタン/メタノール)。淡黄色の粉末の形態の2.73gの2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロパン酸を、70%の収率で得る。
1H NMR/CD3OD: δ=2.71 (t, 2H J= 6.94Hz); 2.89 (dd, 1H, J=13.6, 6.67Hz); 3.05 (dd, 1H, J=13.6, 4.97Hz); 3.22 (q, 2H, J=7.4Hz); 3.72 (s, 3H); 4.31 (tl, 1H, J= 5.97Hz); 6.76 (d, 2H, J=8.5Hz); 6.84 (s, 1H); 7.10 (d, 2H, J=8.5Hz); 7.68 (s, 1H)
【0122】
1-3 4-tert-ブチルカルバモイル4-シクロヘキシル-1-[2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン
3mlのジクロロメタンおよび0.5mlのジメチルホルムアミドに溶解した150mg(0.45mmol)の2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロパン酸に、0.16ml(0.90mmol)のジイソプロピルエチルアミン、161mg(0.50mmol)のTBTUおよび133mg(0.50mmol)の4-tert-ブチルカルバモイル-4-シクロヘキシル-ピペリジンを加える。3時間後、溶液を1Nの水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、有機生成物をジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた粗生成物を分取TLCによって精製する(溶離液:ジクロロメタン/メタノール85/15)。白色の粉末の形態の29mgの4-tert-ブチルカルバモイル4-シクロヘキシル-1-[2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-ピペリジンを、11%の収率で得る。
1H NMR/DMSOD6 100℃: δ=0.89〜1.17 (m, 7H); 1.29 (s, 9H); 1.34〜1.99 (m, 9H); 2.62 (t, J=7.2Hz, 2H); 2.73〜2.89 (m, 4H); 3.24 (ql, J=6〜7.6Hz, 2H); 3.73 (s, 3H); 4.81 (ql, J=6Hz, 1H); 5.93 (tl, 1H); 6.00 (d, J=8.8Hz, 1H); 6.23 (s, 1H); 6.74 (s, 1H); 6.81 (d, J=8.4Hz, 2H); 7.08 (d, J=8Hz, 2H); 7.47 (s, 1H)。
【実施例2】
【0123】
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
2-1-1 4-フェニル-1-(トルエン-4-スルホニル)ピペリジン-4-カルボニトリル
150mlのジクロロメタンに溶解した17.2g(89.8mmol)の4-メチルベンゼンスルホニルクロリドを、4-フェニルピペリジン-4-カルボニトリル(20g(89.8mmol))およびトリエチルアミン(28ml)のジクロロメタン(200ml)溶液に加える。反応混合物を室温で1時間撹拌する。200mlの水を加えることによって反応を停止させ、次いでジクロロメタンで抽出する。有機相を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させ、次いで残渣をジエチルエーテルに溶解し、濾過する。白色の粉末の形態の30.3gの4-フェニル-1-(トルエン-4-スルホニル)ピペリジン-4-カルボニトリルを、99%の収率で得る。
1H NMR/CDCl3: δ=0.60 (t, 3H, J=7.36Hz); 1.35 (六重線, 2H, J=7.36Hz); 2.09 (t, 2H, J=7.36Hz); 2.15 (m, 2H); 2.46 (s, 3H); 2.57〜2.66 (4H, m); 3.57〜3.62 (2H, m); 7.22 (d, 2H, J=8.2Hz); 7.23〜7.46 (m, 5H); 7.71 (d, J=8.2Hz)
【0124】
2-1-2 1-[4-フェニル-1-(トルエン-4-スルホニル)ピペリジン-4-イル]-ブタン-1-オン
88ml(176mmol)のn-プロピルマグネシウムクロリドを、4-フェニル-1-(トルエン-4-スルホニル)ピペリジン-4-カルボニトリル(30g(88mmol))のトルエン(500ml)溶液に加える。反応混合物を65〜70℃で6時間、次いで室温で一晩撹拌する。100mlのテトラヒドロフランを加えることによって反応を停止させ、次いで1Nの塩酸溶液で加水分解し、酢酸エチルで抽出する。有機相を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させ、次いで残渣をジエチルエーテルに溶解し、濾過する。1.38gの出発物質を回収する。濾液を濃縮乾燥し、次いでシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:80/20のヘプタン/酢酸エチル)。白色の粉末の形態の17.8gの1-[4-フェニル-1-(トルエン-4-スルホニル)ピペリジン-4-イル]-ブタン-1-オンを、50%の収率で得る。
1H NMR/CDCl3: δ=0.60 (t, 3H, J=7.36Hz); 1.35 (六重線, 2H, J=7.36Hz); 2.09 (t, 2H, J=7.36Hz); 2.15 (m, 2H); 2.46 (s, 3H); 2.57〜2.66 (4H, m); 3.57〜3.62 (2H, m); 7.22 (d, 2H, J=8.2Hz); 7.23〜7.46 (m, 5H); 7.71 (d, J=8.2Hz)
【0125】
2-1-3 4-ブチリル-4-フェニルピペリジン塩酸塩
10g(26mmol)の1-[4-フェニル-1-(トルエン-4-スルホニル)ピペリジン-4-イル]-ブタン-1-オンを、64mlの硫酸および32mlの水に懸濁させる。反応混合物を還流させながら48時間撹拌する。反応をHPLCによってモニターする。50mlのエタノール、続いて40mlの硫酸を加えて、反応媒体をホモジナイズし、加熱を24時間続ける。氷を加えることによって反応を停止させ、水酸化ナトリウム溶液で塩基性化し、次いで酢酸エチルで抽出する。有機相を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させ、次いで残渣をジエチルエーテルに溶解し、酢酸エチル中の塩化水素の4N溶液で沈殿させる。白色の粉末の形態の3.8gの4-ブチリル-4-フェニルピペリジン塩酸塩を、55%の収率で得る。
1H NMR/DMSO: δ=0.56 (t, 3H, J=7.36Hz); 1.31 (六重線, 2H, J=7.36Hz); 2.21 (m, 2H); 2.27 (t, 2H, J=7.36Hz); 2.55 (m, 2H); 2.94〜2.99 (m, 2H); 3.09〜3.12 (m, 2H); 7.32〜7.37 (m, 3H); 7.42〜7.46 (m, 2H); 8.99 (sl, 1H)。
【0126】
2-1-4 1-(4-シクロヘキシルピペリジン-4-イル)ブタン-1-オン
6バールの水素圧力下にてParr bomb中、100mgのアルミナ上のロジウムおよび0.2mlの酢酸を、4-ブチリル-4-フェニルピペリジン塩酸塩(100mg(0.5mmol))のジオキサン(10ml)溶液に加える。反応媒体を80℃で12時間加熱する。反応を停止させ、次いでセライトを通して濾過し、ジクロロメタンで洗浄する。溶媒を蒸発させ、残渣を水に溶解し、1Nの水酸化ナトリウム溶液で塩基性化し、酢酸エチルで抽出する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:9/1のジクロロメタン/メタノール)。白色の粉末の形態の51.2mgの1-(4-シクロヘキシルピペリジン-4-イル)-ブタン-1-オンを、61%の収率で得る。
1H NMR/CDCl3: δ=0.92 (t, 2H, J=7.36Hz); 0.98 (m, 2H); 1.07〜1.27 (m, 3H), 1.34〜1.42 (m, 1H); 1.49〜1.68 (m, 5H), 1.62 (六重線, 2H, J=7.36Hz); 1.72〜1.82 (m, 2H); 2.02 (ddl, 2H, J=2.28; 13.7Hz); 2.40 (t, 2H, J=7.36Hz); 2.55 (td, 2H, J=2.28; 12.4Hz); 2.95 (dtl, 2H, J=2.96, 12.4Hz)。
【0127】
2-2 tert-ブチル[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]カルバメート
0.44g(1.9mmol)の1-(4-シクロヘキシルピペリジン-4-イル)ブタン-1-オン、0.56gの(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオン酸(1.9mmol)、0.4g(2.1mmol)のEDCおよび0.282g(2.1mmol)のHOBtを、4mlのDMFに溶解する。混合物を室温で2時間撹拌する。溶液を2.5%クエン酸水溶液で洗浄し、酢酸エチルで抽出し、次いで有機相を10Nの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄する。それを硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:7/3のヘプタン/酢酸エチル)。0.43gを、無色の油の形態で44%の収率で得る。
1H NMR CDCl3:結果を図2aに示す(配座異性体の混合物)
【0128】
2-3 1-{1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-イル}-ブタン-1-オン
0.43g(0.84mmol)のtert-ブチル[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]カルバメートを、8mlのDCMおよび2mlのトリフルオロ酢酸に希釈する。溶液を室温で1時間30分撹拌し、次いで1Nの水酸化ナトリウム溶液中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。有機相を乾燥させ、濾過し、次いで濃縮する。無色の油の形態の300mgの1-{1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-イル}ブタン-1-オンを、86%の収率で得る。
1H NMR CDCl3:結果は図2bに示す(配座異性体の混合物)
【0129】
2-4 1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
75mg(0.18mmol)の1-{1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-イル}ブタン-1-オンおよび40mg(0.2mmol)のパラ-ニトロフェニルクロロホルメートを、5mlのジクロロメタンに溶解する。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで20%アンモニア水を加えることによって反応を停止させ、ジクロロメタンで抽出する。有機相を水で洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮乾燥する。得られた油を5mlのDMFに希釈し、混合物を80℃に加熱し、39mg(0.2mmol)の1-メチルヒスタミンおよび0.05ml(0.36mmol)のトリエチルアミンを次いで加え、溶液を80℃で5分間および室温で10分間撹拌する。1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えることによって反応を停止させ、次いでDCMで抽出する。有機相を水で洗浄し、次いでスルフェート上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:90/10のDCM/MeOH)。無色の油の形態の40mgの1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素を、39%の収率で得る。
1H NMR DMSOD6 100℃: 0.80〜0.90 (m, 5H); 1.04〜1.22 (m, 4H); 1.32〜1.54 (m, 6H); 1.59〜1.62 (m, 1H); 1.72 (bd, 2H, J=13.2Hz); 1.89 (bt, 2H, J=13.2Hz); 2.40 (t, 2H, J=7.2Hz); 2.54 (t, 2H, J=7.2Hz); 2.71 (dd, 1H, J=8.0, 13.6Hz); 2.79 (dd, 1H, J=13.6, 5.6Hz); 3.2 (m, 4H); 3.22 (q, 2H, J=7.2Hz); 3.59 (s, 3H); 3.73 (s, 3H); 4.79 (q, 1H, J=4.3Hz); 5.89 (vs, 1H); 5.98 (bd, J= 7.2Hz); 6.76 (s, 1H); 6.81 (d, 2H, J=8.0Hz); 7.07 (d, 2H, J=8.0Hz); 7.39 (s, 1H)。
【実施例3】
【0130】
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
3-1-1 2,2-ジメチルプロピオン酸4-[2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)エチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イルメチルエステル
702mg(3.52mmol)のN-(3-ブチニル)フタルイミドおよび552mg(3.51mmol)の2,2-ジメチルプロピオン酸アジドメチルエステルを、水/t-ブタノール混合物(1/1、10.5ml)に懸濁させる。0.18mlのCuSO4(1M)溶液を加える。206mg(1.04mmol)のアスコルビン酸ナトリウムを次いで加える。4時間後、アンモニア水溶液を加えることによって反応を停止させ、反応媒体をEtOAcで抽出する。次いで、有機相をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。黄色の油の形態の1.11gの2,2-ジメチルプロピオン酸4-[2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)エチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イルメチルエステルを、88%の収率で得る。
【0131】
3-1-2 2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチルアミン二塩酸塩
1.08g(3.03mmol)の2,2-ジメチルプロピオン酸4-[2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)エチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イルメチルエステルを、7mlのMeOHに溶解し、7mlの水酸化ナトリウム水溶液(1N)を加える。2時間撹拌した後、反応媒体をDCMで抽出する。水相を濃縮する。得られた固体をエタノールに溶解し、濾過後、溶媒を蒸発させる。粗生成物をシリカのカラム中で精製する(7/3のDCM/MeOH)。558mgの白色の固体を得て、15mlのTHFおよび6mlの水に溶解し、720mgの水酸化リチウムを加える。反応媒体を160℃でマイクロ波反応器中に45分間入れる。反応媒体を濾過し、次いでDCMで抽出する。次いで、水相を塩酸(pH=1)で酸性化し、次いで濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:7/3のDCM/MeOH)。白色の粉末の形態の430mgの2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチルアミン二塩酸塩を14%の収率で得る。
1H NMR DMSO: 2.93 (m, 2H); 3.02 (m, 2H); 7.76 (s, 1 H)
【0132】
3-2 1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
30mg(0.15mmol)の4-ニトロフェニルクロロホルメートを、0℃で2mlのDCMに溶解した57mg(0.14mmol)の1-{1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-イル}ブタン-1-オン(調製2-3を参照されたい)に加える。反応混合物を4時間室温で撹拌する。NH4OH水溶液を加えることによって反応を停止させ、有機化合物をDCMで抽出する。次いで、有機相を水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油をDMFに80℃で溶解し、52mg(0.28mmol)の2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチルアミン二塩酸塩および0.1ml(0.72mmol)のトリエチルアミンを次いで加える。反応混合物を80℃で10分間撹拌する。室温に冷却した後に、ジクロロメタンを加え、有機相を1Nの水酸化ナトリウムで洗浄する。有機相をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:93/7のDCM/MeOH)。白色の固体の形態の25mgの1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素を32%の収率で得る。
【0133】
HPLC:
Atlantis T3、150×4.6mm、5μmカラム
UV検出器:190〜450nm
流量:0.3ml/分
溶媒A:H2O+0.05TFA
溶媒B:CH3CN+0.05TFA
勾配:
時間・組成
0.0分 A=95%、B=5%
20.0分 A=5%、B=95%
30.0分 A=5%、B=95%
保持時間:17.44分、97%、M+H:553。
【実施例4】
【0134】
エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(3H-イミダゾール-4-イル)プロピル]-ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
4-1-1 エチルピペリジン-1-tert-ブトキシカルボニル-4-シクロヘキシル-4'-カルボキシレート
1.92ml(12.8mmol)のDBUおよび1.04ml(12.8mmol)のヨードエタンを、10mlのトルエン中の2.00g(6.42mmol)のピペリジン-1-tert-ブトキシカルボニル-4-シクロヘキシル-4'-カルボン酸に加える。媒体をマイクロ波反応器中で120℃にて10分間撹拌する。ジクロロメタンを反応媒体に加え、有機相を飽和NaHCO3水溶液で洗浄する。有機相をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:9/1のヘプタン/酢酸エチル)。無色の油の形態の1.92gのエチルピペリジン-1-tert-ブトキシカルボニル-4-シクロヘキシル-4'-カルボキシレートを、88%の収率で得る。
【0135】
4-1-2 エチルピペリジン-4-シクロヘキシル-4'-カルボキシレート
6mlのトリフルオロ酢酸を、8mlのジクロロメタンに溶解した1.90g(5.60mmol)中に0℃で導入する。4時間後、溶媒を蒸発させ、反応媒体をEtOAcに溶解し、次いで1Nの水酸化ナトリウムで洗浄する。有機相をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させる。白色の固体の形態の1.21gのエチルピペリジン-4-シクロヘキシル-4'-カルボキシレートを、90%の収率で得る。
1H NMR CDCl3: 1.07〜1.17 (m, 6H); 1.21 (t, 3H, J=7.2Hz); 1.25〜1.33 (m, 1 H); 1.45 (dt, 2H, J=13.4, 4.16Hz); 1.56〜1.71 (m, 5H); 2.09 (bd, 2H, J=13.6Hz); 2.61 (bt, 2H, J=12.8Hz)、3.03 (bd, 2H, J=12.8Hz); 4.12 (q, 2H, J=7.12Hz)
【0136】
4-2 3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピルアミンビス(トリフルオロ酢酸塩)
2mlのトリフルオロ酢酸を、8mlのDCMに溶解した195mg(0.53mmol)の3-(1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)プロピルアミンに加え、次いで氷浴中に浸漬する。室温に温めた後、反応媒体を2時間撹拌し、次いで溶媒を蒸発させる。得られた固体をEtOAcおよび水に溶解する。次いで、水相を濃縮し、110mgの白色の粉末を得て、次のステップでそれ以上精製することなく使用する。
1H NMR DMSO: 2.09 (五重線, 2H, J=6.9Hz); 2.77〜2.82 (m, 2H); 4.28 (t, 2H, J=6.8Hz); 7.71 (s, 1H); 7.77 (s, 1H); 9.11 (s, 1H)
【0137】
4-3 エチル1-[(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレート
20mlのDMFに溶解した3.22g(10.9mmol)の(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-メトキシフェニル)-プロピオン酸に、2.29g(12.0mmol)のEDC、1.62g(12.0mmol)のHOBt、2.62g(10.9mmol)のエチル4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートおよび4.6ml(32.7mmol)のトリエチルアミンを加える。2時間30分撹拌した後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えることによって反応を停止させ、有機生成物をジクロロメタンで抽出する。有機相をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させる。得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:7/3のヘプタン/EtOAc)。白色の粉末の形態の3.70gのエチル1-[(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートを、66%の収率で得る。
1H NMR/CDCl3:結果は図3aにおいて示す(配座異性体の混合物)。
【0138】
4-4 エチル1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレート
0℃の浴に浸漬した30mlのDCMに溶解した3.7g(7.16mmol)のエチル1-[(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートに、10mlのトリフルオロ酢酸を加える。1時間30分撹拌した後、溶媒を蒸発させる。反応媒体を1Nの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、DCMで抽出する。次いで、有機相を水で洗浄し、次いでMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。白色の粉末の形態の2.74gのエチル1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートを、92%の収率で得る。
1H NMR/CDCl3:結果は図3bにおいて示す(配座異性体の混合物)。
【0139】
4-5 エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(3H-イミダゾール-4-イル)プロピル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
冷水浴に浸漬した2mlのDCMに溶解した100mg(0.24mmol)のエチル1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートに、53mg(0.26mmol)の4-ニトロフェニルクロロホルメートを加える。室温に温めた後、反応媒体を2時間30分撹拌する。アンモニア水溶液を加えることによって反応を停止させる。次いで、有機相を水で洗浄し、次いでMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油を80℃で4mlのDMFに溶解し、110mg(0.31mmol)の3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピルアミンビス(トリフルオロ酢酸塩)、0.05mlのトリエチルアミンを次いで加える。反応混合物を80℃で15分間撹拌したままにする。室温に戻った後、ジクロロメタンを加え、有機相を1Nの水酸化ナトリウム溶液で洗浄する。有機相をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:9/1のDCM/MeOH)。無色の油の形態の26mgのエチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(3H-イミダゾール-4-イル)プロピル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-ピペリジン-4-カルボキシレートを、11%の収率で得る。
1H NMR:結果は図3cにおいて示す(配座異性体の混合物)。
【実施例5】
【0140】
エチル4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート:
5-1 エチル1-[(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(3,4-ジクロロフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレート
0.5g(2.1mmol)のエチルピペリジン-4-シクロヘキシル-4'-カルボキシレート(調製4-1-2を参照されたい)、0.7g(2.1mmol)の(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(3,4-ジクロロフェニル)-プロピオン酸、0.31g(2.3mmol)のHOBT、0.44g(2.3mmol)のEDCおよび0.73ml(4.2mmol)のジイソプロピルエチルアミンを、5mlのDMFに入れる。混合物を2時間室温で撹拌する。5%クエン酸水溶液を加えることによって、反応を停止させる。有機化合物を酢酸エチルで抽出し、次いで有機相を1Nの水酸化ナトリウム水溶液、次いで水で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:1/1のヘプタン/酢酸エチル)。300mgのエチル1-[(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(3,4-ジクロロフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートを、26%の収率で得る。
1H NMR CDCl3:結果を図4に示す(配座異性体の混合物)。
【0141】
5-2 エチル1-[(R)-2-アミノ-3-(3,4-ジクロロフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレート
300mg(0.54mmol)のエチル1-[(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(3,4-ジクロロフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートを、5mlの4/1のジクロロメタン/トリフルオロ酢酸溶液で希釈する。2時間撹拌した後、混合物を1Nの水酸化ナトリウム水溶液中に注ぎ、次いでジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。白色の粉末の形態の210mgのエチル1-[(R)-2-アミノ-3-(3,4-ジクロロフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートを、86%の収率で得る。
【0142】
5-3 エチル4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
60mg(11mmol)のエチル1-[(R)-2-アミノ-3-(3,4-ジクロロフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートおよび29mg(0.12mmol)のパラ-ニトロフェニルクロロホルメートを5mlのジクロロメタンに溶解する。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで溶液を水中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた無色の油を5mlのジメチルホルムアミドに希釈し、混合物を80℃に加熱し、18mg(0.12mmol)のヒスタミンを加え、溶液を80℃で5分間および室温で一晩撹拌する。1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えることによって反応を停止させ、有機化合物をジクロロメタンで抽出する。有機相を水で洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:90/10のDCM/MeOH)。無色の油の形態の25mgのエチル4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレートを、38%の収率で得る。
1H NMR/DMSO 100℃: 0.89 (m, 4H); 1.11 (m, 4H); 1.22 (t, 3H, 6Hz); 1.28 (s, 2H); 1.61 (d, 3H, 8Hz); 1.73 (d, 2H, 12Hz); 1.97 (t, 2H, 8Hz); 2.62 (t, 2H, 6Hz); 2.87 (m, 6H); 3.24 (四重線, 2H, 6Hz); 4.13 (四重線, 2H, 8Hz); 4.85 (四重線, 2H8Hz); 5.94 (m, 1H); 6.09 (d, 1H, 8Hz); 6.76 (d, 1H, 8Hz); 7.18 (d, 1H, 8Hz); 7.40 (s, 1H); 7.47 (d, 1H, 8Hz); 7.53 (s, 1H)
【実施例6】
【0143】
エチル4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(3-メチル-3H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
実施例5の合成経路と同一の合成経路。
1H NMR/DMSO 100℃: 0.89 (m, 3H); 1.05〜1.45 (m, 8H); 1.22 (t, 3H, 6Hz); 1.61 (m, 3H); 1.75 (m, 2H); 1.97 (m, 2H); 2.64 (m, 2H); 2.78 (m, 2H); 2.80〜3.10 (m, 4H); 3.24 (m, 2H); 3.56 (s, 3H); 4.15 (四重線, 2H, 8Hz); 4.87 (四重線, 2H8Hz); 6.02 (m, 1H); 6.14 (d, 1H, 8Hz); 6.78 (d, 1H, 8Hz); 7.18 (d, 1H, 8Hz); 7.40 (s, 1H); 7.48 (d, 1H, 8Hz); 7.66 (s, 1H)
【実施例7】
【0144】
エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]-チオウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
7-1 エチル1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートトリフルオロ酢酸塩
80mlのジクロロメタン中の10g(19.4mmol)のエチル1-[(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-メトキシフェニル)-プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレート(調製4-3を参照されたい)に、20mlのトリフルオロ酢酸を加える。反応媒体を2時間室温で撹拌する。溶媒を蒸発させ、ジエチルエーテルを数滴のジクロロメタンの存在下で加える。得られた沈殿物を濾過し、次いで真空下で40℃にて乾燥させる。白色の粉末の形態の8gのエチル1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートトリフルオロ酢酸塩を、78%の収率で得る。
1H NMR/CD3OD:結果は図5aにおいて示す(配座異性体の混合物)。
【0145】
7-2 エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-イソチオシアナト-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-ピペリジン-4-カルボキシレート
10mlのCH2Cl2および1ml(5.66mmol)のジイソプロピルエチルアミンに溶解した1g(1.88mmol)のエチル1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートトリフルオロ酢酸塩に、438mg(1.88mmol)のチオ炭酸O,O-ビス(2-ピリジル)エステルを加える。反応媒体を室温で2時間撹拌した後、溶媒を蒸発させ、得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:6/4のヘプタン/EtOAc)。無色の油の形態の763mgのエチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-イソチオシアナト-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレートを、88%の収率で得る。
1H NMR/CDCl3:結果は図5bにおいて示す(配座異性体の混合物)。
【0146】
7-3 エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
5mlのDMF中の65mg(0.141mmol)のエチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-イソチオシアナト-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレートに、50mg(0.141mmol)の3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピルアミンビス(トリフルオロ酢酸塩)(調製4-2を参照されたい)、次いで0.063ml(0.425mmol)の1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンを加える。反応媒体を2時間撹拌し、次いで5%クエン酸水溶液を加えることによって加水分解する。有機化合物をジクロロメタンで抽出する。有機相をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:80/20のCH2Cl2/MeOH)。淡黄色の粉末の形態の22mgのエチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレートを、26%の収率で得る。
1H NMR:結果は図5cにおいて示す(配座異性体の混合物)。
【実施例8】
【0147】
エチル4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
実施例7の合成経路と同一の合成経路。
1H NMR:結果は図6において示す(配座異性体の混合物)。
【実施例9】
【0148】
エチル4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
実施例5の合成経路と同一の合成経路。
1H NMR/DMSO 100℃: 0.90 (m, 3H); 1.07〜1.27 (m, 8H); 1.60 (m, 3H); 1.74 (m, 2H); 1.96 (dd, 2H, 2.4Hz, 11.2Hz); 2.60 (t, 2H, 7.2Hz); 2.76 (m, 2H); 2.96 (m, 4H); 3.21 (四重線, 2H, 7.2Hz); 4.12 (四重線, 2H, 7.2Hz); 4.99 (四重線, 1H); 5.93 (s, 1H); 6.11 (d, 1H, 4.8Hz); 6.74 (s, 1H); 7.28 (s, 2H); 7.49 (d, 2H, 11.2Hz); 7.97 (s, 1H)
【実施例10】
【0149】
エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]-ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
10-1-1 1-トリチル-1H-イミダゾール-4-カルバルデヒド:
28mlのアセトニトリルに懸濁させた1g(10.4mmol)の1H-イミダゾール-4-カルバルデヒドおよび3.18g(11.4mmol)の塩化トリチルを含有する溶液に、2.5ml(17.7mmol)のトリエチルアミンを滴下で添加する。室温で2時間撹拌した後、30mlの水を加え、粗反応生成物を濾過する。ベージュ色の粉末の形態の3.2gを得て、それ以上精製することなく下記のステップで使用する。
【0150】
10-1-2 2-[5-(1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)ペント-4-エニル]イソインドール-1,3-ジオン
0.663ml(4.43mmol)のDBUおよび1.0g(2.96mmol)の1-トリチル-1H-イミダゾール-4-カルバルデヒドを、2.41g(4.43mmol)の[4-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)ブチル]トリフェニルホスホニウムブロミドに加える。反応媒体を18時間還流させる。5%クエン酸水溶液を加えることによって反応を停止させ、有機化合物をCH2Cl2で抽出する。有機相をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:ヘプタン/EtOAc(6/4))。785mgの2-[5-(1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)ペント-4-エニル]イソインドール-1,3-ジオンを、51%の収率で得る。
【0151】
10-1-3 2-[5-(1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]イソインドール-1,3-ジオン
785mg(1.5mmol)の2-[5-(1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)ペント-4-エニル]イソインドール-1,3-ジオン、10mlのMeOH/THF混合物(6/4)および392mgの10%Pd/Cを、Parr bomb中に導入する。反応媒体を、5バールの水素圧力下にて室温で撹拌する。4時間後、セライトを通して反応媒体を濾過し、濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:ヘプタン/EtOAc(5/5)、次いでCH2Cl2/MeOH(9/1))。白色の粉末の形態の380mgの2-[5-(1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]イソインドール-1,3-ジオンを、48%の収率で得る。
1H NMR CDCl3: 1.30 (五重線, 2H, J=6.6Hz); 1.55〜1.64 (m, 4H); 2.45 (t, 2H, J=7.5Hz); 3.58 (t, 2H, J=7.3Hz); 6.43 (s, 1H); 7.09 (m, 6H); 7.27 (m, 7H); 7.62 (m, 2H); 7.77 (m, 2H)。
【0152】
10-1-4 5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチルアミンビス(トリフルオロ酢酸塩)
0.10mlのヒドラジン水和物を、10mlのMeOHに溶解した380mg(0.72mmol)の2-[5-(1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]イソインドール-1,3-ジオンに加える。反応媒体を4時間還流させる。室温に冷却した後に、混合物を濾過し、濾液を濃縮する。得られた粗生成物を分取HPLCによって精製する。4mlのジクロロメタンおよび0.5mlのトリフルオロ酢酸を得られた残渣に加える。反応媒体を室温で18時間撹拌する。溶媒を蒸発させる。14mgの粉末を得て、次のステップでそれ以上精製することなく使用する。
【0153】
10-2 エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
16μLのジイソプロピルエチルアミンおよび10mg(51μmol)の4-ニトロフェニルクロロホルメートを、5mlのDCMに溶解した25mg(47μmol)の1-{1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-イル}ブタン-1-オン(調製4.4を参照されたい)に加える。反応混合物を2時間室温で撹拌する。水を加えることによって反応を停止させ、有機化合物をDCMで抽出する。次いで、有機相をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油を5mlのDMFに80℃で溶解し、14mgの5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチルアミンビス(トリフルオロ酢酸塩)を加える。反応混合物を80℃で5分間および室温で18時間撹拌する。有機相を1Nの水酸化ナトリウムで洗浄し、ジクロロメタンで抽出し、次いでMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた粗生成物を分取HPLCによって精製する。3mgのエチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレートを、10%の収率で得る。
【0154】
分取HPLC法:
Modulo-cart strategy C18、100×21.2mm、5μmカラム
UV検出器:210〜400nm
流量:17ml/分
溶媒A:H2O+0.05TFA
溶媒B:CH3CN+0.05TFA
勾配:
時間・組成
0.0分 A=90%、B=10%
10.0分 A=2%、B=98%
12.0分 A=2%、B=98%
12.1分 A=90%、B=10%
15.0分 A=90%、B=10%
HPLC/SM:
Gemini C6 Phenyl、150×3mm、3μmカラム
UV検出器:190〜900nm
流量:0.5ml/分
溶媒A:CH3CN+0.02TFA
溶媒B:H2O+0.02TFA
勾配:
時間・組成
0.0分 A=10%、B=90%
20.0分 A=90%、B=10%
30.0分 A=90%、B=10%
保持時間:12.62分、91%、M+H:595。
【実施例11】
【0155】
トランス活性化試験:メラノコルチン受容体
細胞:細胞系HEK293を、ベクターpCRE-LucおよびhMC1RまたはhMC4Rでトランスフェクトする。細胞は、10%ウシ胎仔血清を補充したDMEM培地中で37℃および5%CO2で培養する。
【0156】
試験の原則:活性化物質(アゴニスト)の存在下で、メラノコルチン受容体は、ベクターCRE-Lucを介してルシフェラーゼの合成をもたらすcAMP経路を活性化する。発光ルシフェラーゼ基質を含有する溶解緩衝液を加えた後、受容体の活性化または阻害の程度に比例する発光を測定し得る。
【0157】
生成物の試験:生成物を10mMでDMSOに溶解する。生成物は、0.1%のDMSO最終濃度で反応量として試験する。範囲は10のポイントを含み、ゼロは、4倍希釈で10μMから開始する。アゴニストを試験するために、生成物を単独で試験する。アンタゴニスト挙動を決定するために、対象とする生成物は、1nMのNDP-MSH(参照アゴニスト)の存在下で試験する。細胞を無血清DMEM培地中でウェル(384ウェルプレート)毎に5000個の細胞の割合で接種し、37℃および5%CO2で一晩インキュベートする。
【0158】
生成物および参照リガンド(NDP-MSH)を翌日加え、プレートを37℃および5%CO2で6時間再インキュベートする。ルシフェリンを含有する溶解緩衝液を加えた後、プレートをTop-Count機で読み取る。結果は、100%(細胞+NDP-MSH(10nM))および0%(細胞単独)対照を使用して、活性の割合として規準化する。EC50は、XLFitソフトウェアを使用して各生成物について計算する。結果をnMで示し、下記の表に示す。
【0159】
【表1】
【0160】
これらの結果は、ヒトMC1受容体に対して、ヒトMC4受容体への活性について20倍以上の本発明による化合物の選択性の差を示す。したがって、本発明の化合物はMC4受容体について高度に選択的であることが示された。
【技術分野】
【0001】
本発明は、1種または複数のメラノコルチン受容体のアンタゴニスト生成物としての新規な化合物に関する。本発明はまた、それらを調製する方法、およびそれらの治療用途に関する。
【背景技術】
【0002】
メラノコルチンは、ホルモンであるプロオピオメラノコルチン(POMC、131アミノ酸長)の翻訳後プロセスによって合成される調節ペプチドのファミリーを形成する。POMCは、3つのクラスのホルモン(メラノコルチン、副腎皮質刺激ホルモンおよび様々なエンドルフィン、例えばリポトロピン)の生成をもたらす(Coneら、Recent Prog.Horm.Res.、51:287〜317頁、(1996);Coneら、Ann.N.Y.Acad.Sc.、31:342〜363頁、(1993)。
【0003】
メラノコルチン受容体(MCR)は、7つの膜貫通ドメインを有するGPCRのスーパーファミリーの一部を形成する。現在までに、受容体の5つのサブタイプであるMC1〜5Rが、哺乳動物において同定されてきた。ペプチドの内在性群はMCRに結合して、アゴニストまたはアンタゴニスト作用を伴う(例えば、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、ならびにアグーチタンパク質およびその誘導体)。しかし、例外は、ACTHとのみ結合するMC2R受容体である(Major pharmacological distinction of the ACTH receptor from other melanocortin receptors、Schiothら、Life Sciences(1996)、59(10)、797〜801頁)。
【0004】
MCRは、多様な生理的役割を有する。MC1Rは、皮膚のメラニンの形成を調節し、免疫系の調節において役割を有する。MC2Rは、副腎の副腎皮質ステロイドの生成を調節する。受容体MC3RおよびMC4Rは、食物摂取および性行動の制御において役割を有する。MC5Rは、外分泌腺の調節に関与している(Wikberg、Jarl E.S.、Melanocortin receptors:perspectives for novel drugs、European Journal of Pharmacology(1999)、375(1〜3)、295〜310頁、Wikberg、Jarl E.S.、Melanocortin receptors:new opportunities in drug discovery.Expert Opinion on Therapeutic Patents(2001)、11(1)、61〜76頁)。
【0005】
肥満症、糖尿病、炎症状態および性機能障害などの主要な病態を治療するための医薬品の標的としてのMCRの有望な使用は、特定のサブタイプに対して高度な特異性を示す化合物の必要性をもたらす。しかし、僅かに異なる受容体サブタイプのための選択的医薬品のモデリングは困難な課題であり、リガンド-受容体相互作用の決定要素に関する詳細な知識を考慮すると単純化されるであろう。
【0006】
本発明の主題である特定の一般式(I)の化合物は、選択的MC4-Rアンタゴニストであることを、出願人は今や驚いたことに予想外に見出した。
【0007】
MC4受容体の機能障害と関連していると記載されている病態は、体重の制御(恒常性)、性機能障害、うつおよび不安(Chakiら、Current Topics in Medicinal Chemistry、2007、1145〜1151頁)、および骨(Cart overexpression is the only identifiable cause of high bone mass in melanocortin 4 receptor deficiency、Endocrinology、2006年7月;147(7):3196〜202頁)に関与している。
【0008】
食欲不振症などの体重減少(自発的でない体重減少を含む)と関連する障害について特に言及し得る。悪液質(The role of central melanocortins in cachexia, Contemporary Endocrinology:Energy Metabolism and Obesity:Research and Clinical Applications、59〜68頁)および関連する適応症(筋肉減少症(Cofemer、2008、P.Dehail)、異化性疾患、および癌またはHIVに関連する悪液質など)についても言及し得る。具体的には、悪液質は、非常に重大な栄養失調と関連する体の深刻な弱体化(体重減少、筋萎縮など)として本明細書において下記で定義される。悪液質はそれ自体は疾患ではないが、他の疾患の症状である。悪液質は、食欲不振症(その体重減少が自発的ではないヒトの場合でさえも)、癌(癌に関連する悪液質、腫瘍によって分泌される物質によって生成される、カヘキシン)、慢性疾患(COPD、心不全、肝不全、腎不全)、あるいはさらに特定の感染症(例えば、結核およびAIDS、または特定の自己免疫疾患)に起因し得る。
【0009】
特許WO02/070511、WO02/079146およびWO02/069905は、メラノコルチン受容体、より特定するとMC1-RおよびMC4-Rのモジュレーターとしての化合物の使用を特許請求している。
【0010】
Chenは、MC4-R受容体の非ペプチドリガンドの発見における最近の進展を記載している(Progress in Medicinal Chemistry、第45巻、111〜167頁)。
【0011】
Chenらは、悪液質についての有望な治療としての選択的MC4-Rアンタゴニストの使用を記載している(Current Topics in Medicinal Chemistry、2007、1131〜1136頁)。
【0012】
Pontilloらは、MC4受容体の選択的アンタゴニストとしての置換フェニルピペラジン化合物を記載しており、その投与は、マウスにおける食物摂取を増加させることができる(A potent and selective non-peptide antagonist of the melanocortin-4 receptor induces food intake in satiated mice-Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、15(2005)、2541〜46頁)。
【0013】
Vosらは、新規なシリーズのMC4-Rアンタゴニストの同定について記載している(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、16(2006)、2302〜2305頁)。
【0014】
Chenらは、フェニルピペラジンおよびピリジニルピペラジンに由来する新規な選択的MC4-Rアンタゴニストの同定について記載している(Journal of Medicinal Chemistry、2007、6356〜6366頁)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】WO02/070511
【特許文献2】WO02/079146
【特許文献3】WO02/069905
【特許文献4】WO2008/008954
【特許文献5】英国特許第1341375号
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Coneら、Recent Prog.Horm.Res.、51:287〜317頁、(1996)
【非特許文献2】Coneら、Ann.N.Y.Acad.Sc.、31:342〜363頁、(1993)
【非特許文献3】Schiothら、Major pharmacological distinction of the ACTH receptor from other melanocortin receptors、Life Sciences(1996)、59(10)、797〜801頁
【非特許文献4】Wikberg、Jarl E.S.、Melanocortin receptors:perspectives for novel drugs、European Journal of Pharmacology(1999)、375(1〜3)、295〜310頁
【非特許文献5】Wikberg、Jarl E.S.、Melanocortin receptors:new opportunities in drug discovery.Expert Opinion on Therapeutic Patents(2001)、11(1)、61〜76頁)
【非特許文献6】Chakiら、Current Topics in Medicinal Chemistry、2007、1145〜1151頁
【非特許文献7】Cart overexpression is the only identifiable cause of high bone mass in melanocortin 4 receptor deficiency、Endocrinology、2006年7月;147(7):3196〜202頁
【非特許文献8】The role of central melanocortins in cachexia, Contemporary Endocrinology:Energy Metabolism and Obesity:Research and Clinical Applications、59〜68頁
【非特許文献9】Cofemer、2008、P.Dehail
【非特許文献10】Progress in Medicinal Chemistry、第45巻、111〜167頁
【非特許文献11】Current Topics in Medicinal Chemistry、2007、1131〜1136頁
【非特許文献12】A potent and selective non-peptide antagonist of the melanocortin-4 receptor induces food intake in satiated mice、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、15(2005)、2541〜46頁
【非特許文献13】Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、16(2006)、2302〜2305頁
【非特許文献14】Journal of Medicinal Chemistry、2007、6356〜6366頁
【非特許文献15】Han,S.、Kim,Y.、Tetrahedron、2004、60、2447〜2467頁
【非特許文献16】Albericio,F.、Current Opinion in Chemical Biology、2004、8、211〜221頁
【非特許文献17】Humphrey,J.、Chamberlin,R.、Chem.Rev.、1997、97、2243〜2266頁
【非特許文献18】Williams,R.M.、Synthesis of optically active α-amino acids、Pergamon Press、Oxford、1989
【非特許文献19】Nowick J.S.ら、JOC(1996)、3929〜3934頁
【非特許文献20】Igarashi,T.、Synlett(2007)、1436頁
【非特許文献21】Durant G.J.、Emmet J.C.、Ganellin C.R.、Roe A.M.、(1973)
【非特許文献22】Loren J.C.、Synlett、2005、2847〜2850頁
【非特許文献23】Wolin R.、BOMCL、1998、2157頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本明細書の下記に記載されているような特定の式(I)の化合物は、特にMC4タイプの受容体について、メラノコルチン受容体アンタゴニスト特性を有することを、今や出願人は予想外に示した。
【課題を解決するための手段】
【0018】
したがって、本発明は、下記の一般式(I)の化合物、ならびにまた対応する塩およびエナンチオマーに関し、
【0019】
【化1】
【0020】
式中、
R1は、水素原子、アリール、置換アリール、アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルを表し、
R2は、水素原子、ヒドロキシル、低級アルキル、置換低級アルキル、高級アルキル、置換高級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、低級アルコキシ、置換低級アルコキシ、高級アルコキシ、置換高級アルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、アシルオキシ、アシル、アルコキシカルボニル、カルボキサミド、カルボン酸、シアノ、またはアシルおよびアリールもしくはアルキルで二置換されているアミノを表し、
R3は、アラルキルまたは置換アラルキルを表し、
R4は、ヘテロアラルキルまたは置換ヘテロアラルキルを表し、
R5は、水素原子またはアルキルを表し、
Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、
n、mは、1または2と等しいことがあり、
この化合物は、MC4-R受容体に対してアンタゴニスト活性を有することを特徴とする。特に、MC4-R受容体に対するこの化合物のアンタゴニスト活性(EC50)は、60nM以下である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】一般式(I)の化合物が調製される一般反応スキームを示す図である。
【図2a】2-2 tert-ブチル[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]カルバメートの1H NMR CDCl3:結果を示す図である(配座異性体の混合物)。
【図2b】2-3 1-{1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-イル}-ブタン-1-オンの1H NMR CDCl3:結果を示す図である(配座異性体の混合物)。
【図3a】4-3 エチル1-[(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートの1H NMR/CDCl3:結果を示す図である(配座異性体の混合物)。
【図3b】4-4 エチル1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートの1H NMR/CDCl3:結果を示す図である(配座異性体の混合物)。
【図3c】4-5 エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(3H-イミダゾール-4-イル)プロピル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレートの1H NMR:結果を示す図である(配座異性体の混合物)。
【図4】5-1 エチル1-[(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(3,4-ジクロロフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートの1H NMR CDCl3:結果を示す図である(配座異性体の混合物)。
【図5a】7-1 エチル1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートトリフルオロ酢酸塩の1H NMR/CD3OD:結果を示す図である(配座異性体の混合物)。
【図5b】7-2 エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-イソチオシアナト-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-ピペリジン-4-カルボキシレートの1H NMR/CDCl3:結果を示す図である(配座異性体の混合物)。
【図5c】7-3 エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレートの1H NMR:結果を図5c示す図である(配座異性体の混合物)。
【図6】エチル4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレートの1H NMR:結果を示す図である(配座異性体の混合物)。
【発明を実施するための形態】
【0022】
薬学的に許容される酸との一般式(I)の化合物の付加塩の中で、好ましくは有機酸または鉱酸との塩について言及し得る。
【0023】
適切な鉱酸は、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば、塩酸または臭化水素酸、硫酸および硝酸である。
【0024】
適切な有機酸は、例えば、ピクリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パラ-トルエンスルホン酸、シュウ酸および酒石酸である。
【0025】
一般式(I)の化合物はまた、水または溶媒との水和物または溶媒和物の形態で存在し得る。
【0026】
溶媒和物または水和物を形成するための適切な溶媒は、例えば、アルコール、例えば、エタノールもしくはイソプロパノール、または水である。
【0027】
本発明によれば、「アリール」という用語は、非置換フェニルまたはナフチルを表す。
【0028】
本発明によれば、「置換アリール」という用語は、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、トリフルオロメチルおよびニトロから選択される1つまたは複数の原子団で置換されているフェニルまたはナフチルを表す。
【0029】
本発明によれば、「シクロアルキル」という用語は、3〜7個の炭素原子を含有する飽和環式炭化水素をベースとする鎖を表す。
【0030】
本発明によれば、「ヒドロキシル」という用語は、OH基を意味する。
【0031】
本発明によれば、「アミノ」という用語は、NH2基を意味する。
【0032】
本発明によれば、「シアノ」という用語は、CN基を表す。
【0033】
本発明によれば、「カルボン酸」という用語は、CO2H基を表す。
【0034】
本発明によれば、「アシル」という用語は、アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルで置換されているホルミルまたはカルボニルを表す。
【0035】
本発明によれば、「アルキル」という用語は、置換または非置換の低級アルキルまたは高級アルキルを表す。
【0036】
本発明によれば、「低級アルキル」という用語は、1〜4個の炭素原子を含有する直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素をベースとする鎖、または2〜4個の炭素原子を含有する不飽和鎖、特に、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびブチルを表す。
【0037】
本発明によれば、「置換低級アルキル」という用語は、1〜4個の炭素原子を含有し、かつ1個もしくは複数のハロゲン原子で、またはヒドロキシルで置換されている直鎖状または分岐状の飽和または不飽和の炭化水素をベースとする鎖、あるいは2〜4個の炭素原子を含有し、かつ1個もしくは複数のハロゲン原子で、またはヒドロキシルで置換されている不飽和炭化水素をベースとする鎖を意味する。
【0038】
本発明によれば、「高級アルキル」という用語は、5〜10個の炭素原子を含有する直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素をベースとする鎖を表す。
【0039】
本発明によれば、「置換高級アルキル」という用語は、5〜10個の炭素原子を含有し、かつ1個もしくは複数のハロゲン原子で、またはヒドロキシルで置換されている直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和の炭化水素をベースとする鎖を表す。
【0040】
本発明によれば、「ハロゲン原子」という用語は、塩素、フッ素、ヨウ素および臭素原子を意味する。
【0041】
本発明によれば、「シクロアルキルアルキル」という用語は、シクロアルキルで置換されているアルキルを表す。
【0042】
本発明によれば、「低級アルコキシ」という用語は、低級アルキルで置換されている酸素原子を表す。
【0043】
本発明によれば、「置換低級アルコキシ」という用語は、置換低級アルキルで置換されている酸素原子を表す。
【0044】
本発明によれば、「高級アルコキシ」という用語は、高級アルキルで置換されている酸素原子を表す。
【0045】
本発明によれば、「置換高級アルコキシ」という用語は、置換高級アルキルで置換されている酸素原子を表す。
【0046】
本発明によれば、「シクロアルキルアルコキシ」という用語は、シクロアルキルアルキルで置換されている酸素原子を表す。
【0047】
本発明によれば、「アシルオキシ」という用語は、アシルで置換されている酸素原子を表す。
【0048】
本発明によれば、「アルコキシカルボニル」という用語は、アルコキシ、シクロアルコキシまたはシクロアルキルアルコキシで置換されているカルボニルを表す。
【0049】
本発明によれば、「カルボキサミド」という用語は、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノで置換されているカルボニルを表す。
【0050】
本発明によれば、「アラルキル」という用語は、アリールで置換されているアルキルを表す。
【0051】
本発明によれば、「置換アラルキル」という用語は、置換アリールで置換されているアルキルを表す。
【0052】
本発明によれば、「複素環」という用語は、O、SおよびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を含む、飽和または不飽和の環式または二環式の炭化水素をベースとする鎖を表す。
【0053】
本発明によれば、「置換複素環」という用語は、1個または複数のアルキル基で置換されているO、SおよびNから選択される1個または複数のヘテロ原子を含む、飽和または不飽和の環式または二環式の炭化水素をベースとする鎖を表す。
【0054】
本発明によれば、「ヘテロアリール」という用語は、芳香族複素環を表す。
【0055】
本発明によれば、「置換ヘテロアリール」という用語は、1個または複数のアルキル基で置換されている芳香族複素環を表す。
【0056】
本発明によれば、「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリールで置換されているアルキルを表す。
【0057】
本発明によれば、「置換ヘテロアラルキル」という用語は、置換ヘテロアリールで置換されているアルキルを表す。
【0058】
本発明の状況において含まれる一般式(I)の化合物の中で、下記
tert-ブチル 4-シクロヘキシル-1-[2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)-プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシルアミド
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
エチル 4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(3H-イミダゾール-4-イル)プロピル]ウレイド}-3-(4-メトキシ-フェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(3-メチル-3H-イミダゾール-4-イル)-エチル]ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオウレイド}-3-(4-メトキシ-フェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-エチル]チオウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]ウレイド}-3-(4-メトキシ-フェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
4-シクロヘキシル-1-(3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[(R)-2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-(3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[(R)-2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-プロピオニル)ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)-プロピオニル]ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)-プロピオニル]ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]-チオウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)-プロピオニル]ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-エチル]ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-エチル]ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(3-メチル-3H-イミダゾール-4-イル)-エチル]ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]尿素
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]尿素
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
1-[2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(2,4-ジクロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-(1H-イミダゾール-4-イル)メチル)尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル))プロピル]チオ尿素
ならびにまた対応する塩およびエナンチオマーについて特に言及し得る。
【0059】
一般式(I)の化合物は、図1に示される一般反応スキームによって調製される。
【0060】
反応スキーム1の使用(図1)
【化2】
【0061】
スキーム1によれば、式(IV)の化合物は、例えば、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドなどの溶媒中で、カップリング剤として、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩、ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはTBTUを、および塩基として、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンを使用して、標準的ペプチドカップリング条件下で、式(II)の中間体と、式(III)のアミノ酸(そのアミン官能基は、保護基Pg(例えば、Boc、CBzまたはFmoc基)で保護されている)との間のカップリングによって調製し得る(Han,S.、Kim,Y.、Tetrahedron、2004、60、2447〜2467頁;Albericio,F.、Current Opinion in Chemical Biology、2004、8、211〜221頁;Humphrey,J.、Chamberlin,R.、Chem.Rev.、1997、97、2243〜2266頁)。
【0062】
一般式(IV)のアミノ酸は市販されており、または文献に記載されている方法によって調製し得る(Williams,R.M.、Synthesis of optically active α-amino acids、Pergamon Press、Oxford、1989)。
【0063】
式(V)の化合物は、当業者には公知の方法から選択された方法によって、式(IV)の化合物のアミン官能基の脱保護によって得られる。公知の方法には、とりわけ、例えば、Boc基による保護の場合、ジクロロメタンまたは酢酸エチル中のトリフルオロ酢酸または塩酸の使用、例えば、CBz基による保護の場合、テトラヒドロフランまたはメタノール中の適当な金属による水素化、および例えば、Fmoc基による保護の場合、アセトニトリル中のピペリジンが含まれる。
【0064】
最終ステップにおいて、式(I)の化合物は、例えば、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミド中で、式(VI)のアミンを、化合物(V)から得たイソシアネートまたはイソチオシアネートに加えることによって調製し得る。イソシアネートは、例えば、ホスゲン、ジホスゲンまたはトリホスゲンの存在下で、アミン(V)から調製し得る。イソチオシアネートは、例えば、チオホスゲン(Nowick J.S.ら、JOC(1996)、3929〜3934頁)、またはビス(2-ピリジル)チオノカーボネート(WO2008/008954)の存在下で、アミン(V)から調製し得る。式(I)の化合物はまた、例えば、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミド中で、式(VI)のアミンを、アミン(V)から得た活性化カルバメートに加えることによって合成し得る。「活性化カルバメート」という用語は、例えば、塩基(ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミド中のトリエチルアミンでもよい)の存在下で、パラ-ニトロフェニルクロロホルメートをアミン(V)に加えることによって得ることができる、例えば、パラ-ニトロフェニルカルバメート基を意味する(Igarashi,T.、Synlett(2007)、1436頁)。
【0065】
式(II)の化合物は市販されており、または置換基R1およびR2の性質に応じて適合される、文献において記載されているもしくは当業者には公知の方法によって調製し得る。下記のスキーム1〜8は、式(II)の化合物の調製の例を示す。
【0066】
例えば、R2がアシルオキシまたはカルボキサミド鎖を含有するとき、化合物(II、n、m=2)の調製は、スキーム1によって行い得る。
【0067】
スキーム1
【化3】
【0068】
式(VIII)の化合物は、
-Xが酸素であるとき、文献において記載されている方法を使用して、例えば、化合物(VII)のカルボン酸官能基のエステル化によって、あるいは
-Xが窒素であるとき、当業者には公知の方法から選択された方法を使用して、例えば、アミンに、またはカルボン酸(VII)から得られる酸塩化物に加えることによって得られる。ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドなどの溶媒中で塩化オキサリルまたは塩化チオニルを使用することが特に可能である。
【0069】
式(II)の化合物は、当業者には公知の方法から選択された方法によって、式(VIII)の化合物のアミン官能基の脱保護によって得られる。公知の方法には、とりわけ、例えば、Boc基による保護の場合、ジクロロメタンまたは酢酸エチル中のトリフルオロ酢酸または塩酸の使用、例えば、CBz基による保護の場合、テトラヒドロフランまたはメタノール中の適当な金属による水素化、および例えば、Fmoc基による保護の場合、アセトニトリル中のピペリジンが含まれる。
【0070】
例えば、R1がアルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキル基を含有し、R2がアシルオキシ鎖を含有するとき、化合物(II、n、m=2)の調製は、スキーム2によって行い得る。
【0071】
スキーム2
【化4】
【0072】
基R1の導入は、例えば、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中、リチウムジイソプロピルアミドまたはリチウムヘキサメチルジシラジドなどの塩基の存在下で、化合物(IX)のエステル官能基のα脱コプロン化によって行い得る。式(II)の化合物は、当業者には公知の方法から選択された方法によって、式(X)の化合物のアミン官能基の脱保護によって得られる。公知の方法には、とりわけ、例えば、Boc基による保護の場合、ジクロロメタンまたは酢酸エチル中のトリフルオロ酢酸または塩酸の使用、例えば、CBz基による保護の場合、テトラヒドロフランまたはメタノール中の適当な金属による水素化が含まれる。
【0073】
例えば、R2が、アルコキシまたはアルコキシカルボニル鎖を含有するとき、化合物(II、n、m=1)の調製は、スキーム3によって行い得る。
【0074】
スキーム3
【化5】
【0075】
式(XII)の化合物は、文献に通常記載されている方法によって、例えば、R1に由来するハロゲン化マグネシウムを、N-Boc-アゼチジノン(XI)に加え、続いて第三級アルコールをアルキル化またはアシル化することによって得られ、化合物(XIII)がもたらされる。式(II)の化合物は、例えば、ジクロロメタンまたは酢酸エチル中のトリフルオロ酢酸または塩酸の存在下で、式(XIII)の化合物のアミン官能基の脱保護によって得られる。
【0076】
例えば、R2が、アシル基を含有するとき、化合物(II、n=m=1)の調製は、スキーム4によって行い得る。
【0077】
スキーム4
【化6】
【0078】
式(XV)の化合物は、例えば、ジクロロメタンまたはジメチルホルムアミドなどの溶媒中、カップリング剤として、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩、ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはTBTUを、および塩基として、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンを使用して、カルボン酸を有する化合物(XIV)とワインレブアミンとの間のペプチドカップリング条件下にて得ることができる。式(XVI)の化合物は、例えば、R1に由来するハロゲン化マグネシウムを、ワインレブアミド(XV)の誘導体に加えることによって得られる。式(II)の化合物は、当業者には公知の方法から選択された方法によって、式(X)の化合物のアミン官能基の脱保護によって得られる。公知の方法には、とりわけ、例えば、Boc基による脱保護の場合、ジクロロメタンまたは酢酸エチル中のトリフルオロ酢酸または塩酸の使用、例えば、CBz基による保護の場合、テトラヒドロフランまたはメタノール中の適当な金属による水素化が含まれる。
【0079】
例えば、R2が、二置換アミンを含有するとき、化合物(II、n=m=2)の調製は、スキーム5によって行い得る。
【0080】
スキーム5
【化7】
【0081】
式(XVIII)の化合物は、例えば、水酸化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下で、市販のケトン(XVII)とアミンとの間の還元的アミノ化条件下にて得ることができる。次いで、第二級アミン(XVIII)は、例えば、塩基(トリエチルアミンなど)および酸塩化物の存在下でアシル化され、化合物(XIX)を得ることができる。式(II)の化合物は、当業者には公知の方法から選択された方法によって、式(VIII)の化合物のアミン官能基の脱保護によって得られる。公知の方法には、とりわけ、例えば、Boc基による保護の場合、ジクロロメタンまたは酢酸エチル中のトリフルオロ酢酸もしくは塩酸の使用、例えば、CBz基による保護の場合、テトラヒドロフランまたはメタノール中の適当な金属による水素化、および例えば、Fmoc基による保護の場合、アセトニトリル中のピペリジンが含まれる。
【0082】
例えば、R1がシクロヘキシルを含有し、R2がアシル基を含有するとき、化合物(II、n=m=2)の調製は、スキーム6によって行い得る。
【0083】
スキーム6
【化8】
【0084】
トシレート基による市販のアミン(XX)の保護の後、例えば、塩基(ジクロロメタン中のトリエチルアミンなど)の存在下で塩化トシルを反応させることによって、化合物(XXI)が得られる。式(XXII)の化合物は、例えば、トルエン中のアルキルに由来するハロゲン化マグネシウムを、誘導体(XXI)のニトリル官能基に加え、続いて酸性媒体(塩酸でもよい)中での中間体イミン加水分解によって得られる。式(XXIII)の化合物は、酸性媒体(トシレート基の場合は硫酸でもよい)中のアミン官能基の脱保護によって得られる。化合物(II)は、例えば、アルミナ上のロジウムまたはジオキサン中の酸化白金でもよい触媒の存在下で、例えば、化合物(X)の水素化によって得られる。
【0085】
例えば、R1がシクロヘキシル基であり、R2がアルコキシ基であるとき、化合物(II、n=m=2)の調製は、スキーム7によって行い得る。
【0086】
スキーム7
【化9】
【0087】
式(XXIV)の化合物は、例えば、フェニルに由来するハロゲン化マグネシウムを、市販のケトン(XVII)に加え、続いて文献に通常記載されている方法による第三級アルコールのアルキル化によって得られ、化合物(XXV)が生じる。化合物(XXVI)は、例えば、アルミナ上のロジウムまたはジオキサン中の酸化白金でもよい触媒の存在下で、例えば、化合物(XXV)の水素化によって得られる。式(II)の化合物は、例えば、ジクロロメタンまたは酢酸エチル中のトリフルオロ酢酸または塩酸の存在下で、式(XXVI)の化合物のアミン官能基の脱保護によって得られる。
【0088】
例えば、R1がアリール基であり、R2がアルキル鎖を含有するとき、化合物(II、n=m=1)の調製は、スキーム8によって行い得る。
【0089】
スキーム8
【化10】
【0090】
式(XXVIII)の化合物は、例えば、R2に由来するハロゲン化誘導体の存在下で、水素化ナトリウムなどの塩基を、市販のニトリル誘導体(XXVII)に加えることによって得ることができる。第一級アルコール(XXIX)は、塩基(例えば、水素化ナトリウムおよびパラホルムアルデヒド)の存在下で、ニトリル誘導体(XXVIII)から合成し得る。化合物(XXIX)の第一級アルコール官能基は、例えば、塩基(トリエチルアミンでもよい)および塩化トシルの存在下で、スルホネートに変換し得る。アゼチジン化合物(II)は、例えば、水素化アルミニウムリチウムの存在下でニトリル官能基の還元後に得られるアミン官能基とトシレート官能基との間の分子内環化によって合成し得る。
【0091】
式(VI)の化合物は市販されており、または置換基R4およびR5の性質に応じて適合される、文献において記載されているもしくは当業者に公知の方法によって調製し得る。下記のスキーム9〜11は、式(VI)の化合物の調製の例を示す。
【0092】
例えば、R5がアルキル基であり、R4がヘテロアラルキル基を含有するとき、化合物(VI)の調製は、例えば、スキーム9に記載されているように、文献(Durant G.J.、Emmet J.C.、Ganellin C.R.、Roe A.M.、(1973)、英国特許第1341375号)に記載されているコプロコルに従うことによって行い得る。
【0093】
スキーム9
【化11】
【0094】
例えば、R4が、1,2,3-トリアゾール複素環を含有するとき、化合物(VI)の調製は、スキーム10によって行い得る。
【0095】
スキーム10
【化12】
【0096】
式(XXXIV)の化合物は、文献(Loren J.C.、Synlett、2005、2847〜2850頁)に記載されている方法、続いて例えば、水酸化ナトリウムの存在下での塩基性媒体中の切断によって調製され、化合物(VI)が生じ得る。
【0097】
例えば、R4が、ヘテロアラルキルを含有するとき、化合物(VI)の調製は、スキーム11によって行い得る。
【0098】
スキーム11
【化13】
【0099】
式(VI)の化合物は、ヘテロアリールで置換されているアルデヒドと市販のイリドとの間のウィティッヒ反応によって、文献(Wolin R.、BOMCL、1998、2157頁)に記載されている方法によって調製することができ、アルケン(XXXV)が形成し、続いて二重結合の水素化およびフタルイミドのヒドラジン分解によって、化合物(VI)が生じる。
【0100】
本発明の主題はまた、医薬品としての上記定義のような式(I)の化合物である。
【0101】
本発明の主題はまた、下記の病態を治療するための、上記定義のような式(I)の化合物である。
-体重の制御(恒常性)、および体重減少(自発的でない体重減少を含む)または体重増加と関連する障害(食欲不振症、肥満症、悪液質および関連する適応症、例えば、筋肉減少症、異化性疾患、癌に関連する悪液質、慢性肺疾患(COPD)、心不全、肝不全、腎不全、および特定の感染症(結核、AIDS)または特定の自己免疫疾患など)、
-食物摂取および摂食障害の調節、
-骨の病変。
【0102】
本発明の主題はまた、下記の病態を治療するための組成物の調製のための、上記定義のような式(I)の化合物の使用である。
-体重の制御(恒常性)、および体重減少(自発的でない体重減少を含む)または体重増加と関連する障害(食欲不振症、肥満症、悪液質および関連する適応症、例えば、筋肉減少症、異化性疾患、癌に関連する悪液質、慢性肺疾患(COPD)、心不全、肝不全、腎不全、および特定の感染症(結核、AIDS)または特定の自己免疫疾患など)、
-食物摂取および摂食障害の調節、
-骨の病変。
【0103】
本発明の主題はまた、上記定義のような化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物である。
【0104】
本発明の主題はまた、そのために選択した投与方法と適合性の薬学的に許容される担体中に、そのエナンチオマーの1つでの一般式(I)の化合物、または薬学的に許容される酸を有するその塩を含むことを特徴とする、上記の愁訴を治療することを特に意図した医薬組成物である。
【0105】
「薬学的に許容される担体」という用語は、皮膚、粘膜および外皮と適合性の媒体を意味する。
【0106】
本発明による組成物の投与は、経口的、経腸的、非経口的、局所的または目から行われてもよい。好ましくは、医薬組成物は、局所適用に適した形態でパッケージされる。
【0107】
組成物は、経口経路を介して、錠剤、ゲルカプセル剤、コーティング錠剤、シロップ剤、懸濁剤、溶液剤、散剤、顆粒剤、乳剤、懸濁剤、または制御放出を可能とするミクロスフィア、ナノスフィアまたは脂質小胞もしくはポリマー小胞の形態でもよい。組成物は、非経口経路を介して、潅流または注射のための溶液剤または懸濁剤の形態でもよい。
【0108】
本発明による化合物は一般に、1回または複数回の投与量の摂取で、約0.01mg/kg〜100mg/kg体重の1日用量で経口的または全身的に投与される。
【0109】
化合物は、一般に組成物の重量に対して0.001%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜1重量%の濃度で全身的に使用される。
【0110】
局所経路を介して、本発明による医薬組成物はより特定すると、皮膚および粘膜を治療することを意図し、液体、ペーストまたは固体の形態、より特定すると、軟膏剤、クリーム剤、ミルク、ポマード、散剤、含浸パッド、合成洗剤、溶液剤、ゲル剤、スプレー剤、ムース、懸濁剤、スティック、シャンプーまたは洗浄基剤の形態でもよい。本発明による医薬組成物はまた、制御放出を可能にするミクロスフィアまたはナノスフィアまたは脂質小胞もしくはポリマー小胞の懸濁液の形態、またはポリマーパッチもしくはゲル状パッチの形態でもよい。
【0111】
局所適用のために使用される組成物は、一般に組成物の全重量に対して0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%の本発明による化合物の濃度を有する。
【0112】
上記のような医薬組成物および化粧品組成物はまた、不活性な添加物、またはさらに医薬組成物に関しては薬力学的に活性な添加物、またはこれらの添加物の組合せ、特に、
-湿潤剤、
-香味増強剤、
-保存料(パラ-ヒドロキシ安息香酸エステルなど)、
-安定剤、
-湿度調整剤、
-pH調節剤、
-浸透圧調節剤、
-乳化剤、
-UV-AおよびUV-B遮断剤、
-抗酸化剤
を含有し得る。
【0113】
言うまでもなく、当業者は、本発明と本質的に関連する有利な特性が、想定される添加によって悪影響を受けない、または実質的に影響を受けないように、これらの組成物に加える任意選択の化合物を念入りに選択するであろう。
【0114】
本発明による一般式(I)の化合物の生成のいくつかの実施例、およびこれらの化合物の生物活性の結果を、例示として、限定することなくこれから示す。
【0115】
下記の実施例は、本発明による特定の化合物の調製を記載する。これらの実施例は限定的なものではなく、本発明を単に例示する役目を果たす。示した化合物の数は、本発明によるいくつかの化合物の化学構造および物理的性質を例示する本明細書における下記の表に示したものを意味する。
【0116】
下記の略語を使用する。
-EDC:1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
-HOBt:1-ヒドロキシ-1,2,3-ベンゾトリアゾール
-TBTU:N,N,N',N'-テトラメチル-O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムテトラフルオロボレート
-DBU:1,5-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデカ-5-エン
-Rh/Al2O3:アルミナ上のロジウム
-NaHCO3:炭酸水素ナトリウム
-NH4Cl:塩化アンモニウム
-NH4OH:水酸化アンモニウム
-NaCl:塩化ナトリウム
-MgSO4:硫酸マグネシウム
-Na2SO4:硫酸ナトリウム
-CuSO4:硫酸銅
-NaOH:水酸化ナトリウム
-EtOAc:酢酸エチル
-DCM:ジクロロメタン
-DMF:ジメチルホルムアミド
-MeOH:メタノール
-THF:テトラヒドロフラン
-DMSO:ジメチルスルホキシド
-CH3CN:アセトニトリル
-TFA:トリフルオロ酢酸
-CH2Cl2:ジクロロメタン
-CDCl3:重水素化クロロホルム
-TLC:薄層クロマトグラフィー
結合(電子対によってもたらされる単結合)の周りの回転によって1つの異性体から他の異性体へ変換される立体異性体は、配座異性体として公知である。
【実施例1】
【0117】
4-シクロヘキシル-1-[2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
1-1-1 4-tert-ブチルカルバモイル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-tert-ブトキシカルボニル
ジクロロメタン中のシュウ酸の2M溶液(0.53ml(1.06mmol))および0.04mlのジメチルホルムアミドを、3.5mlのジクロロメタン中の300mg(0.96mmol)のピペリジン-1-tert-ブトキシカルボニル-4-シクロヘキシル-4'-カルボン酸に0℃で加える。1時間後、溶媒を蒸発させる。3.5mlのtert-ブチルアミンを加え、媒体を室温で6時間撹拌する。溶媒を蒸発させた後、得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:1/1のヘプタン/酢酸エチル)。285mgの白色の固体を、81%の収率で得る。
【0118】
1-1-2 4-tert-ブチルカルバモイル-4-シクロヘキシルピペリジン
酢酸エチル中の塩化水素の4M溶液(5ml)を、280mg(1.86mmol)の4-tert-ブチルカルバモイル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-tert-ブトキシカルボニルに加える。4時間撹拌した後、反応媒体を1Nの塩酸水溶液、次いで水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、pHを10に調節する。有機生成物を酢酸エチルで抽出する。溶媒を蒸発させた後、172mgの白色の粉末を、72%の収率で得る。
1H NMR CDCl3: δ=0.80〜1.06 (m, 7H); 1.16 (s, 9H); 1.52〜1.60 (m, 6H); 1.78〜1.85 (m, 2H); 2.62 (bt, 2H, J=12.8Hz); 2.98 (bd, 2H, J=12.8Hz)
【0119】
1-2-1 メチル(S)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオネート
10g(33.8mmol)の(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオン酸に、75mlのメタノール、次いで10mlの硫酸を30分に亘り滴下で添加する。30時間後、10Nの水酸化ナトリウム水溶液、続いて飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加えることによって、反応媒体をpH8〜9に塩基性化する。有機生成物をジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、次いで濾過し、溶媒を蒸発させる。茶色の油の形態の6.36gのメチル(S)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオネートを、90%の収率で得る。
【0120】
1-2-2 メチル(S)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)-プロパノエート
5.08g(24.3mmol)のメチル(S)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオネートに、15mlのジクロロメタンを加える。反応媒体を冷水浴に浸漬する。7.34g(36.4mmol)の4-ニトロフェニルクロロホルメート、続いて6.33mlのジイソプロピルエチルアミンを加える。室温に温めた後、反応媒体を2時間撹拌する。水を加えることによって反応を停止させ、それに続いてジクロロメタンによって抽出する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーター上で濃縮する。12gの黄色の油を得る。これらの12gに、10mlのジメチルホルムアミドを加え、次いで混合物を80℃に加熱する。8.95g(48.6mmol)のヒスタミン二塩酸塩を加え、それに続いて14.8ml(85.1mmol)のジイソプロピルエチルアミンを滴下で添加する。室温に冷却した後に、溶媒を蒸発させ、粗生成物を、シリカカラム上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:85/15のジクロロメタン/メタノール)。黄色の油の形態の5.6gのメチル(S)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロパノエートを、67%の収率で得る。
1H NMR/CD3OD: δ=2.72 (t, 2H J= 6.36Hz); 2.90 (dd, 1H, J=13.7, 5.88Hz); 3.04 (dd, 1H, J=13.7, 5.60Hz); 3.22 (q, 2H, J=7.4Hz); 3.67 (s, 3H)、3.75 (s, 3H); 4.48 (q, 1H, J= 5.76Hz); 6.81 (d, 2H, J=8.6Hz); 6.87 (s, 1H); 7.05 (d, 2H, J=8.6Hz); 7.75 (s, 1H)
【0121】
1-2-3 2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロパン酸
500mg(1.44mmol)のメチル(S)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロパノエートに、500mgの水酸化リチウム、7mlのテトラヒドロフランおよび2mlの水を加える。反応媒体を、100℃で10分間撹拌しながらマイクロ波反応器中に入れる。7つの他の同一の試験を行う。様々な試験を合わせ、濃縮乾燥する。得られた粗生成物は、シリカパッド上の濾過によって精製する(溶離液:1/1のジクロロメタン/メタノール)。淡黄色の粉末の形態の2.73gの2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロパン酸を、70%の収率で得る。
1H NMR/CD3OD: δ=2.71 (t, 2H J= 6.94Hz); 2.89 (dd, 1H, J=13.6, 6.67Hz); 3.05 (dd, 1H, J=13.6, 4.97Hz); 3.22 (q, 2H, J=7.4Hz); 3.72 (s, 3H); 4.31 (tl, 1H, J= 5.97Hz); 6.76 (d, 2H, J=8.5Hz); 6.84 (s, 1H); 7.10 (d, 2H, J=8.5Hz); 7.68 (s, 1H)
【0122】
1-3 4-tert-ブチルカルバモイル4-シクロヘキシル-1-[2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン
3mlのジクロロメタンおよび0.5mlのジメチルホルムアミドに溶解した150mg(0.45mmol)の2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロパン酸に、0.16ml(0.90mmol)のジイソプロピルエチルアミン、161mg(0.50mmol)のTBTUおよび133mg(0.50mmol)の4-tert-ブチルカルバモイル-4-シクロヘキシル-ピペリジンを加える。3時間後、溶液を1Nの水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、有機生成物をジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた粗生成物を分取TLCによって精製する(溶離液:ジクロロメタン/メタノール85/15)。白色の粉末の形態の29mgの4-tert-ブチルカルバモイル4-シクロヘキシル-1-[2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-ピペリジンを、11%の収率で得る。
1H NMR/DMSOD6 100℃: δ=0.89〜1.17 (m, 7H); 1.29 (s, 9H); 1.34〜1.99 (m, 9H); 2.62 (t, J=7.2Hz, 2H); 2.73〜2.89 (m, 4H); 3.24 (ql, J=6〜7.6Hz, 2H); 3.73 (s, 3H); 4.81 (ql, J=6Hz, 1H); 5.93 (tl, 1H); 6.00 (d, J=8.8Hz, 1H); 6.23 (s, 1H); 6.74 (s, 1H); 6.81 (d, J=8.4Hz, 2H); 7.08 (d, J=8Hz, 2H); 7.47 (s, 1H)。
【実施例2】
【0123】
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
2-1-1 4-フェニル-1-(トルエン-4-スルホニル)ピペリジン-4-カルボニトリル
150mlのジクロロメタンに溶解した17.2g(89.8mmol)の4-メチルベンゼンスルホニルクロリドを、4-フェニルピペリジン-4-カルボニトリル(20g(89.8mmol))およびトリエチルアミン(28ml)のジクロロメタン(200ml)溶液に加える。反応混合物を室温で1時間撹拌する。200mlの水を加えることによって反応を停止させ、次いでジクロロメタンで抽出する。有機相を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させ、次いで残渣をジエチルエーテルに溶解し、濾過する。白色の粉末の形態の30.3gの4-フェニル-1-(トルエン-4-スルホニル)ピペリジン-4-カルボニトリルを、99%の収率で得る。
1H NMR/CDCl3: δ=0.60 (t, 3H, J=7.36Hz); 1.35 (六重線, 2H, J=7.36Hz); 2.09 (t, 2H, J=7.36Hz); 2.15 (m, 2H); 2.46 (s, 3H); 2.57〜2.66 (4H, m); 3.57〜3.62 (2H, m); 7.22 (d, 2H, J=8.2Hz); 7.23〜7.46 (m, 5H); 7.71 (d, J=8.2Hz)
【0124】
2-1-2 1-[4-フェニル-1-(トルエン-4-スルホニル)ピペリジン-4-イル]-ブタン-1-オン
88ml(176mmol)のn-プロピルマグネシウムクロリドを、4-フェニル-1-(トルエン-4-スルホニル)ピペリジン-4-カルボニトリル(30g(88mmol))のトルエン(500ml)溶液に加える。反応混合物を65〜70℃で6時間、次いで室温で一晩撹拌する。100mlのテトラヒドロフランを加えることによって反応を停止させ、次いで1Nの塩酸溶液で加水分解し、酢酸エチルで抽出する。有機相を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させ、次いで残渣をジエチルエーテルに溶解し、濾過する。1.38gの出発物質を回収する。濾液を濃縮乾燥し、次いでシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:80/20のヘプタン/酢酸エチル)。白色の粉末の形態の17.8gの1-[4-フェニル-1-(トルエン-4-スルホニル)ピペリジン-4-イル]-ブタン-1-オンを、50%の収率で得る。
1H NMR/CDCl3: δ=0.60 (t, 3H, J=7.36Hz); 1.35 (六重線, 2H, J=7.36Hz); 2.09 (t, 2H, J=7.36Hz); 2.15 (m, 2H); 2.46 (s, 3H); 2.57〜2.66 (4H, m); 3.57〜3.62 (2H, m); 7.22 (d, 2H, J=8.2Hz); 7.23〜7.46 (m, 5H); 7.71 (d, J=8.2Hz)
【0125】
2-1-3 4-ブチリル-4-フェニルピペリジン塩酸塩
10g(26mmol)の1-[4-フェニル-1-(トルエン-4-スルホニル)ピペリジン-4-イル]-ブタン-1-オンを、64mlの硫酸および32mlの水に懸濁させる。反応混合物を還流させながら48時間撹拌する。反応をHPLCによってモニターする。50mlのエタノール、続いて40mlの硫酸を加えて、反応媒体をホモジナイズし、加熱を24時間続ける。氷を加えることによって反応を停止させ、水酸化ナトリウム溶液で塩基性化し、次いで酢酸エチルで抽出する。有機相を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させ、次いで残渣をジエチルエーテルに溶解し、酢酸エチル中の塩化水素の4N溶液で沈殿させる。白色の粉末の形態の3.8gの4-ブチリル-4-フェニルピペリジン塩酸塩を、55%の収率で得る。
1H NMR/DMSO: δ=0.56 (t, 3H, J=7.36Hz); 1.31 (六重線, 2H, J=7.36Hz); 2.21 (m, 2H); 2.27 (t, 2H, J=7.36Hz); 2.55 (m, 2H); 2.94〜2.99 (m, 2H); 3.09〜3.12 (m, 2H); 7.32〜7.37 (m, 3H); 7.42〜7.46 (m, 2H); 8.99 (sl, 1H)。
【0126】
2-1-4 1-(4-シクロヘキシルピペリジン-4-イル)ブタン-1-オン
6バールの水素圧力下にてParr bomb中、100mgのアルミナ上のロジウムおよび0.2mlの酢酸を、4-ブチリル-4-フェニルピペリジン塩酸塩(100mg(0.5mmol))のジオキサン(10ml)溶液に加える。反応媒体を80℃で12時間加熱する。反応を停止させ、次いでセライトを通して濾過し、ジクロロメタンで洗浄する。溶媒を蒸発させ、残渣を水に溶解し、1Nの水酸化ナトリウム溶液で塩基性化し、酢酸エチルで抽出する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させる。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:9/1のジクロロメタン/メタノール)。白色の粉末の形態の51.2mgの1-(4-シクロヘキシルピペリジン-4-イル)-ブタン-1-オンを、61%の収率で得る。
1H NMR/CDCl3: δ=0.92 (t, 2H, J=7.36Hz); 0.98 (m, 2H); 1.07〜1.27 (m, 3H), 1.34〜1.42 (m, 1H); 1.49〜1.68 (m, 5H), 1.62 (六重線, 2H, J=7.36Hz); 1.72〜1.82 (m, 2H); 2.02 (ddl, 2H, J=2.28; 13.7Hz); 2.40 (t, 2H, J=7.36Hz); 2.55 (td, 2H, J=2.28; 12.4Hz); 2.95 (dtl, 2H, J=2.96, 12.4Hz)。
【0127】
2-2 tert-ブチル[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]カルバメート
0.44g(1.9mmol)の1-(4-シクロヘキシルピペリジン-4-イル)ブタン-1-オン、0.56gの(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオン酸(1.9mmol)、0.4g(2.1mmol)のEDCおよび0.282g(2.1mmol)のHOBtを、4mlのDMFに溶解する。混合物を室温で2時間撹拌する。溶液を2.5%クエン酸水溶液で洗浄し、酢酸エチルで抽出し、次いで有機相を10Nの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄する。それを硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:7/3のヘプタン/酢酸エチル)。0.43gを、無色の油の形態で44%の収率で得る。
1H NMR CDCl3:結果を図2aに示す(配座異性体の混合物)
【0128】
2-3 1-{1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-イル}-ブタン-1-オン
0.43g(0.84mmol)のtert-ブチル[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]カルバメートを、8mlのDCMおよび2mlのトリフルオロ酢酸に希釈する。溶液を室温で1時間30分撹拌し、次いで1Nの水酸化ナトリウム溶液中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。有機相を乾燥させ、濾過し、次いで濃縮する。無色の油の形態の300mgの1-{1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-イル}ブタン-1-オンを、86%の収率で得る。
1H NMR CDCl3:結果は図2bに示す(配座異性体の混合物)
【0129】
2-4 1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
75mg(0.18mmol)の1-{1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-イル}ブタン-1-オンおよび40mg(0.2mmol)のパラ-ニトロフェニルクロロホルメートを、5mlのジクロロメタンに溶解する。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで20%アンモニア水を加えることによって反応を停止させ、ジクロロメタンで抽出する。有機相を水で洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮乾燥する。得られた油を5mlのDMFに希釈し、混合物を80℃に加熱し、39mg(0.2mmol)の1-メチルヒスタミンおよび0.05ml(0.36mmol)のトリエチルアミンを次いで加え、溶液を80℃で5分間および室温で10分間撹拌する。1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えることによって反応を停止させ、次いでDCMで抽出する。有機相を水で洗浄し、次いでスルフェート上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:90/10のDCM/MeOH)。無色の油の形態の40mgの1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素を、39%の収率で得る。
1H NMR DMSOD6 100℃: 0.80〜0.90 (m, 5H); 1.04〜1.22 (m, 4H); 1.32〜1.54 (m, 6H); 1.59〜1.62 (m, 1H); 1.72 (bd, 2H, J=13.2Hz); 1.89 (bt, 2H, J=13.2Hz); 2.40 (t, 2H, J=7.2Hz); 2.54 (t, 2H, J=7.2Hz); 2.71 (dd, 1H, J=8.0, 13.6Hz); 2.79 (dd, 1H, J=13.6, 5.6Hz); 3.2 (m, 4H); 3.22 (q, 2H, J=7.2Hz); 3.59 (s, 3H); 3.73 (s, 3H); 4.79 (q, 1H, J=4.3Hz); 5.89 (vs, 1H); 5.98 (bd, J= 7.2Hz); 6.76 (s, 1H); 6.81 (d, 2H, J=8.0Hz); 7.07 (d, 2H, J=8.0Hz); 7.39 (s, 1H)。
【実施例3】
【0130】
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
3-1-1 2,2-ジメチルプロピオン酸4-[2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)エチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イルメチルエステル
702mg(3.52mmol)のN-(3-ブチニル)フタルイミドおよび552mg(3.51mmol)の2,2-ジメチルプロピオン酸アジドメチルエステルを、水/t-ブタノール混合物(1/1、10.5ml)に懸濁させる。0.18mlのCuSO4(1M)溶液を加える。206mg(1.04mmol)のアスコルビン酸ナトリウムを次いで加える。4時間後、アンモニア水溶液を加えることによって反応を停止させ、反応媒体をEtOAcで抽出する。次いで、有機相をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。黄色の油の形態の1.11gの2,2-ジメチルプロピオン酸4-[2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)エチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イルメチルエステルを、88%の収率で得る。
【0131】
3-1-2 2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチルアミン二塩酸塩
1.08g(3.03mmol)の2,2-ジメチルプロピオン酸4-[2-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)エチル]-[1,2,3]トリアゾール-1-イルメチルエステルを、7mlのMeOHに溶解し、7mlの水酸化ナトリウム水溶液(1N)を加える。2時間撹拌した後、反応媒体をDCMで抽出する。水相を濃縮する。得られた固体をエタノールに溶解し、濾過後、溶媒を蒸発させる。粗生成物をシリカのカラム中で精製する(7/3のDCM/MeOH)。558mgの白色の固体を得て、15mlのTHFおよび6mlの水に溶解し、720mgの水酸化リチウムを加える。反応媒体を160℃でマイクロ波反応器中に45分間入れる。反応媒体を濾過し、次いでDCMで抽出する。次いで、水相を塩酸(pH=1)で酸性化し、次いで濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:7/3のDCM/MeOH)。白色の粉末の形態の430mgの2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチルアミン二塩酸塩を14%の収率で得る。
1H NMR DMSO: 2.93 (m, 2H); 3.02 (m, 2H); 7.76 (s, 1 H)
【0132】
3-2 1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
30mg(0.15mmol)の4-ニトロフェニルクロロホルメートを、0℃で2mlのDCMに溶解した57mg(0.14mmol)の1-{1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-イル}ブタン-1-オン(調製2-3を参照されたい)に加える。反応混合物を4時間室温で撹拌する。NH4OH水溶液を加えることによって反応を停止させ、有機化合物をDCMで抽出する。次いで、有機相を水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油をDMFに80℃で溶解し、52mg(0.28mmol)の2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチルアミン二塩酸塩および0.1ml(0.72mmol)のトリエチルアミンを次いで加える。反応混合物を80℃で10分間撹拌する。室温に冷却した後に、ジクロロメタンを加え、有機相を1Nの水酸化ナトリウムで洗浄する。有機相をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:93/7のDCM/MeOH)。白色の固体の形態の25mgの1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素を32%の収率で得る。
【0133】
HPLC:
Atlantis T3、150×4.6mm、5μmカラム
UV検出器:190〜450nm
流量:0.3ml/分
溶媒A:H2O+0.05TFA
溶媒B:CH3CN+0.05TFA
勾配:
時間・組成
0.0分 A=95%、B=5%
20.0分 A=5%、B=95%
30.0分 A=5%、B=95%
保持時間:17.44分、97%、M+H:553。
【実施例4】
【0134】
エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(3H-イミダゾール-4-イル)プロピル]-ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
4-1-1 エチルピペリジン-1-tert-ブトキシカルボニル-4-シクロヘキシル-4'-カルボキシレート
1.92ml(12.8mmol)のDBUおよび1.04ml(12.8mmol)のヨードエタンを、10mlのトルエン中の2.00g(6.42mmol)のピペリジン-1-tert-ブトキシカルボニル-4-シクロヘキシル-4'-カルボン酸に加える。媒体をマイクロ波反応器中で120℃にて10分間撹拌する。ジクロロメタンを反応媒体に加え、有機相を飽和NaHCO3水溶液で洗浄する。有機相をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:9/1のヘプタン/酢酸エチル)。無色の油の形態の1.92gのエチルピペリジン-1-tert-ブトキシカルボニル-4-シクロヘキシル-4'-カルボキシレートを、88%の収率で得る。
【0135】
4-1-2 エチルピペリジン-4-シクロヘキシル-4'-カルボキシレート
6mlのトリフルオロ酢酸を、8mlのジクロロメタンに溶解した1.90g(5.60mmol)中に0℃で導入する。4時間後、溶媒を蒸発させ、反応媒体をEtOAcに溶解し、次いで1Nの水酸化ナトリウムで洗浄する。有機相をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させる。白色の固体の形態の1.21gのエチルピペリジン-4-シクロヘキシル-4'-カルボキシレートを、90%の収率で得る。
1H NMR CDCl3: 1.07〜1.17 (m, 6H); 1.21 (t, 3H, J=7.2Hz); 1.25〜1.33 (m, 1 H); 1.45 (dt, 2H, J=13.4, 4.16Hz); 1.56〜1.71 (m, 5H); 2.09 (bd, 2H, J=13.6Hz); 2.61 (bt, 2H, J=12.8Hz)、3.03 (bd, 2H, J=12.8Hz); 4.12 (q, 2H, J=7.12Hz)
【0136】
4-2 3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピルアミンビス(トリフルオロ酢酸塩)
2mlのトリフルオロ酢酸を、8mlのDCMに溶解した195mg(0.53mmol)の3-(1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)プロピルアミンに加え、次いで氷浴中に浸漬する。室温に温めた後、反応媒体を2時間撹拌し、次いで溶媒を蒸発させる。得られた固体をEtOAcおよび水に溶解する。次いで、水相を濃縮し、110mgの白色の粉末を得て、次のステップでそれ以上精製することなく使用する。
1H NMR DMSO: 2.09 (五重線, 2H, J=6.9Hz); 2.77〜2.82 (m, 2H); 4.28 (t, 2H, J=6.8Hz); 7.71 (s, 1H); 7.77 (s, 1H); 9.11 (s, 1H)
【0137】
4-3 エチル1-[(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレート
20mlのDMFに溶解した3.22g(10.9mmol)の(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-メトキシフェニル)-プロピオン酸に、2.29g(12.0mmol)のEDC、1.62g(12.0mmol)のHOBt、2.62g(10.9mmol)のエチル4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートおよび4.6ml(32.7mmol)のトリエチルアミンを加える。2時間30分撹拌した後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えることによって反応を停止させ、有機生成物をジクロロメタンで抽出する。有機相をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、蒸発させる。得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:7/3のヘプタン/EtOAc)。白色の粉末の形態の3.70gのエチル1-[(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートを、66%の収率で得る。
1H NMR/CDCl3:結果は図3aにおいて示す(配座異性体の混合物)。
【0138】
4-4 エチル1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレート
0℃の浴に浸漬した30mlのDCMに溶解した3.7g(7.16mmol)のエチル1-[(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートに、10mlのトリフルオロ酢酸を加える。1時間30分撹拌した後、溶媒を蒸発させる。反応媒体を1Nの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、DCMで抽出する。次いで、有機相を水で洗浄し、次いでMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。白色の粉末の形態の2.74gのエチル1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートを、92%の収率で得る。
1H NMR/CDCl3:結果は図3bにおいて示す(配座異性体の混合物)。
【0139】
4-5 エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(3H-イミダゾール-4-イル)プロピル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
冷水浴に浸漬した2mlのDCMに溶解した100mg(0.24mmol)のエチル1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートに、53mg(0.26mmol)の4-ニトロフェニルクロロホルメートを加える。室温に温めた後、反応媒体を2時間30分撹拌する。アンモニア水溶液を加えることによって反応を停止させる。次いで、有機相を水で洗浄し、次いでMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油を80℃で4mlのDMFに溶解し、110mg(0.31mmol)の3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピルアミンビス(トリフルオロ酢酸塩)、0.05mlのトリエチルアミンを次いで加える。反応混合物を80℃で15分間撹拌したままにする。室温に戻った後、ジクロロメタンを加え、有機相を1Nの水酸化ナトリウム溶液で洗浄する。有機相をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:9/1のDCM/MeOH)。無色の油の形態の26mgのエチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(3H-イミダゾール-4-イル)プロピル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-ピペリジン-4-カルボキシレートを、11%の収率で得る。
1H NMR:結果は図3cにおいて示す(配座異性体の混合物)。
【実施例5】
【0140】
エチル4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート:
5-1 エチル1-[(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(3,4-ジクロロフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレート
0.5g(2.1mmol)のエチルピペリジン-4-シクロヘキシル-4'-カルボキシレート(調製4-1-2を参照されたい)、0.7g(2.1mmol)の(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(3,4-ジクロロフェニル)-プロピオン酸、0.31g(2.3mmol)のHOBT、0.44g(2.3mmol)のEDCおよび0.73ml(4.2mmol)のジイソプロピルエチルアミンを、5mlのDMFに入れる。混合物を2時間室温で撹拌する。5%クエン酸水溶液を加えることによって、反応を停止させる。有機化合物を酢酸エチルで抽出し、次いで有機相を1Nの水酸化ナトリウム水溶液、次いで水で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:1/1のヘプタン/酢酸エチル)。300mgのエチル1-[(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(3,4-ジクロロフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートを、26%の収率で得る。
1H NMR CDCl3:結果を図4に示す(配座異性体の混合物)。
【0141】
5-2 エチル1-[(R)-2-アミノ-3-(3,4-ジクロロフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレート
300mg(0.54mmol)のエチル1-[(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(3,4-ジクロロフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートを、5mlの4/1のジクロロメタン/トリフルオロ酢酸溶液で希釈する。2時間撹拌した後、混合物を1Nの水酸化ナトリウム水溶液中に注ぎ、次いでジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。白色の粉末の形態の210mgのエチル1-[(R)-2-アミノ-3-(3,4-ジクロロフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートを、86%の収率で得る。
【0142】
5-3 エチル4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
60mg(11mmol)のエチル1-[(R)-2-アミノ-3-(3,4-ジクロロフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートおよび29mg(0.12mmol)のパラ-ニトロフェニルクロロホルメートを5mlのジクロロメタンに溶解する。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで溶液を水中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた無色の油を5mlのジメチルホルムアミドに希釈し、混合物を80℃に加熱し、18mg(0.12mmol)のヒスタミンを加え、溶液を80℃で5分間および室温で一晩撹拌する。1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えることによって反応を停止させ、有機化合物をジクロロメタンで抽出する。有機相を水で洗浄し、次いで硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:90/10のDCM/MeOH)。無色の油の形態の25mgのエチル4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレートを、38%の収率で得る。
1H NMR/DMSO 100℃: 0.89 (m, 4H); 1.11 (m, 4H); 1.22 (t, 3H, 6Hz); 1.28 (s, 2H); 1.61 (d, 3H, 8Hz); 1.73 (d, 2H, 12Hz); 1.97 (t, 2H, 8Hz); 2.62 (t, 2H, 6Hz); 2.87 (m, 6H); 3.24 (四重線, 2H, 6Hz); 4.13 (四重線, 2H, 8Hz); 4.85 (四重線, 2H8Hz); 5.94 (m, 1H); 6.09 (d, 1H, 8Hz); 6.76 (d, 1H, 8Hz); 7.18 (d, 1H, 8Hz); 7.40 (s, 1H); 7.47 (d, 1H, 8Hz); 7.53 (s, 1H)
【実施例6】
【0143】
エチル4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(3-メチル-3H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
実施例5の合成経路と同一の合成経路。
1H NMR/DMSO 100℃: 0.89 (m, 3H); 1.05〜1.45 (m, 8H); 1.22 (t, 3H, 6Hz); 1.61 (m, 3H); 1.75 (m, 2H); 1.97 (m, 2H); 2.64 (m, 2H); 2.78 (m, 2H); 2.80〜3.10 (m, 4H); 3.24 (m, 2H); 3.56 (s, 3H); 4.15 (四重線, 2H, 8Hz); 4.87 (四重線, 2H8Hz); 6.02 (m, 1H); 6.14 (d, 1H, 8Hz); 6.78 (d, 1H, 8Hz); 7.18 (d, 1H, 8Hz); 7.40 (s, 1H); 7.48 (d, 1H, 8Hz); 7.66 (s, 1H)
【実施例7】
【0144】
エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]-チオウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
7-1 エチル1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートトリフルオロ酢酸塩
80mlのジクロロメタン中の10g(19.4mmol)のエチル1-[(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(4-メトキシフェニル)-プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレート(調製4-3を参照されたい)に、20mlのトリフルオロ酢酸を加える。反応媒体を2時間室温で撹拌する。溶媒を蒸発させ、ジエチルエーテルを数滴のジクロロメタンの存在下で加える。得られた沈殿物を濾過し、次いで真空下で40℃にて乾燥させる。白色の粉末の形態の8gのエチル1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートトリフルオロ酢酸塩を、78%の収率で得る。
1H NMR/CD3OD:結果は図5aにおいて示す(配座異性体の混合物)。
【0145】
7-2 エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-イソチオシアナト-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-ピペリジン-4-カルボキシレート
10mlのCH2Cl2および1ml(5.66mmol)のジイソプロピルエチルアミンに溶解した1g(1.88mmol)のエチル1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-カルボキシレートトリフルオロ酢酸塩に、438mg(1.88mmol)のチオ炭酸O,O-ビス(2-ピリジル)エステルを加える。反応媒体を室温で2時間撹拌した後、溶媒を蒸発させ、得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:6/4のヘプタン/EtOAc)。無色の油の形態の763mgのエチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-イソチオシアナト-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレートを、88%の収率で得る。
1H NMR/CDCl3:結果は図5bにおいて示す(配座異性体の混合物)。
【0146】
7-3 エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
5mlのDMF中の65mg(0.141mmol)のエチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-イソチオシアナト-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレートに、50mg(0.141mmol)の3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピルアミンビス(トリフルオロ酢酸塩)(調製4-2を参照されたい)、次いで0.063ml(0.425mmol)の1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンを加える。反応媒体を2時間撹拌し、次いで5%クエン酸水溶液を加えることによって加水分解する。有機化合物をジクロロメタンで抽出する。有機相をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:80/20のCH2Cl2/MeOH)。淡黄色の粉末の形態の22mgのエチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレートを、26%の収率で得る。
1H NMR:結果は図5cにおいて示す(配座異性体の混合物)。
【実施例8】
【0147】
エチル4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
実施例7の合成経路と同一の合成経路。
1H NMR:結果は図6において示す(配座異性体の混合物)。
【実施例9】
【0148】
エチル4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチルウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
実施例5の合成経路と同一の合成経路。
1H NMR/DMSO 100℃: 0.90 (m, 3H); 1.07〜1.27 (m, 8H); 1.60 (m, 3H); 1.74 (m, 2H); 1.96 (dd, 2H, 2.4Hz, 11.2Hz); 2.60 (t, 2H, 7.2Hz); 2.76 (m, 2H); 2.96 (m, 4H); 3.21 (四重線, 2H, 7.2Hz); 4.12 (四重線, 2H, 7.2Hz); 4.99 (四重線, 1H); 5.93 (s, 1H); 6.11 (d, 1H, 4.8Hz); 6.74 (s, 1H); 7.28 (s, 2H); 7.49 (d, 2H, 11.2Hz); 7.97 (s, 1H)
【実施例10】
【0149】
エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]-ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
10-1-1 1-トリチル-1H-イミダゾール-4-カルバルデヒド:
28mlのアセトニトリルに懸濁させた1g(10.4mmol)の1H-イミダゾール-4-カルバルデヒドおよび3.18g(11.4mmol)の塩化トリチルを含有する溶液に、2.5ml(17.7mmol)のトリエチルアミンを滴下で添加する。室温で2時間撹拌した後、30mlの水を加え、粗反応生成物を濾過する。ベージュ色の粉末の形態の3.2gを得て、それ以上精製することなく下記のステップで使用する。
【0150】
10-1-2 2-[5-(1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)ペント-4-エニル]イソインドール-1,3-ジオン
0.663ml(4.43mmol)のDBUおよび1.0g(2.96mmol)の1-トリチル-1H-イミダゾール-4-カルバルデヒドを、2.41g(4.43mmol)の[4-(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)ブチル]トリフェニルホスホニウムブロミドに加える。反応媒体を18時間還流させる。5%クエン酸水溶液を加えることによって反応を停止させ、有機化合物をCH2Cl2で抽出する。有機相をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:ヘプタン/EtOAc(6/4))。785mgの2-[5-(1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)ペント-4-エニル]イソインドール-1,3-ジオンを、51%の収率で得る。
【0151】
10-1-3 2-[5-(1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]イソインドール-1,3-ジオン
785mg(1.5mmol)の2-[5-(1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)ペント-4-エニル]イソインドール-1,3-ジオン、10mlのMeOH/THF混合物(6/4)および392mgの10%Pd/Cを、Parr bomb中に導入する。反応媒体を、5バールの水素圧力下にて室温で撹拌する。4時間後、セライトを通して反応媒体を濾過し、濃縮する。得られた粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィーにかける(溶離液:ヘプタン/EtOAc(5/5)、次いでCH2Cl2/MeOH(9/1))。白色の粉末の形態の380mgの2-[5-(1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]イソインドール-1,3-ジオンを、48%の収率で得る。
1H NMR CDCl3: 1.30 (五重線, 2H, J=6.6Hz); 1.55〜1.64 (m, 4H); 2.45 (t, 2H, J=7.5Hz); 3.58 (t, 2H, J=7.3Hz); 6.43 (s, 1H); 7.09 (m, 6H); 7.27 (m, 7H); 7.62 (m, 2H); 7.77 (m, 2H)。
【0152】
10-1-4 5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチルアミンビス(トリフルオロ酢酸塩)
0.10mlのヒドラジン水和物を、10mlのMeOHに溶解した380mg(0.72mmol)の2-[5-(1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]イソインドール-1,3-ジオンに加える。反応媒体を4時間還流させる。室温に冷却した後に、混合物を濾過し、濾液を濃縮する。得られた粗生成物を分取HPLCによって精製する。4mlのジクロロメタンおよび0.5mlのトリフルオロ酢酸を得られた残渣に加える。反応媒体を室温で18時間撹拌する。溶媒を蒸発させる。14mgの粉末を得て、次のステップでそれ以上精製することなく使用する。
【0153】
10-2 エチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
16μLのジイソプロピルエチルアミンおよび10mg(51μmol)の4-ニトロフェニルクロロホルメートを、5mlのDCMに溶解した25mg(47μmol)の1-{1-[(R)-2-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]-4-シクロヘキシルピペリジン-4-イル}ブタン-1-オン(調製4.4を参照されたい)に加える。反応混合物を2時間室温で撹拌する。水を加えることによって反応を停止させ、有機化合物をDCMで抽出する。次いで、有機相をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた油を5mlのDMFに80℃で溶解し、14mgの5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチルアミンビス(トリフルオロ酢酸塩)を加える。反応混合物を80℃で5分間および室温で18時間撹拌する。有機相を1Nの水酸化ナトリウムで洗浄し、ジクロロメタンで抽出し、次いでMgSO4上で乾燥させ、濾過し、濃縮する。得られた粗生成物を分取HPLCによって精製する。3mgのエチル4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレートを、10%の収率で得る。
【0154】
分取HPLC法:
Modulo-cart strategy C18、100×21.2mm、5μmカラム
UV検出器:210〜400nm
流量:17ml/分
溶媒A:H2O+0.05TFA
溶媒B:CH3CN+0.05TFA
勾配:
時間・組成
0.0分 A=90%、B=10%
10.0分 A=2%、B=98%
12.0分 A=2%、B=98%
12.1分 A=90%、B=10%
15.0分 A=90%、B=10%
HPLC/SM:
Gemini C6 Phenyl、150×3mm、3μmカラム
UV検出器:190〜900nm
流量:0.5ml/分
溶媒A:CH3CN+0.02TFA
溶媒B:H2O+0.02TFA
勾配:
時間・組成
0.0分 A=10%、B=90%
20.0分 A=90%、B=10%
30.0分 A=90%、B=10%
保持時間:12.62分、91%、M+H:595。
【実施例11】
【0155】
トランス活性化試験:メラノコルチン受容体
細胞:細胞系HEK293を、ベクターpCRE-LucおよびhMC1RまたはhMC4Rでトランスフェクトする。細胞は、10%ウシ胎仔血清を補充したDMEM培地中で37℃および5%CO2で培養する。
【0156】
試験の原則:活性化物質(アゴニスト)の存在下で、メラノコルチン受容体は、ベクターCRE-Lucを介してルシフェラーゼの合成をもたらすcAMP経路を活性化する。発光ルシフェラーゼ基質を含有する溶解緩衝液を加えた後、受容体の活性化または阻害の程度に比例する発光を測定し得る。
【0157】
生成物の試験:生成物を10mMでDMSOに溶解する。生成物は、0.1%のDMSO最終濃度で反応量として試験する。範囲は10のポイントを含み、ゼロは、4倍希釈で10μMから開始する。アゴニストを試験するために、生成物を単独で試験する。アンタゴニスト挙動を決定するために、対象とする生成物は、1nMのNDP-MSH(参照アゴニスト)の存在下で試験する。細胞を無血清DMEM培地中でウェル(384ウェルプレート)毎に5000個の細胞の割合で接種し、37℃および5%CO2で一晩インキュベートする。
【0158】
生成物および参照リガンド(NDP-MSH)を翌日加え、プレートを37℃および5%CO2で6時間再インキュベートする。ルシフェリンを含有する溶解緩衝液を加えた後、プレートをTop-Count機で読み取る。結果は、100%(細胞+NDP-MSH(10nM))および0%(細胞単独)対照を使用して、活性の割合として規準化する。EC50は、XLFitソフトウェアを使用して各生成物について計算する。結果をnMで示し、下記の表に示す。
【0159】
【表1】
【0160】
これらの結果は、ヒトMC1受容体に対して、ヒトMC4受容体への活性について20倍以上の本発明による化合物の選択性の差を示す。したがって、本発明の化合物はMC4受容体について高度に選択的であることが示された。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
MC4R受容体に関してアンタゴニスト活性を有することを特徴とする、下記の一般式(I)の化合物、ならびにまた対応する塩およびエナンチオマー
【化1】
[式中、
R1は、水素原子、アリール、置換アリール、アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルを表し、
R2は、水素原子、ヒドロキシルもしくは低級アルキル、置換低級アルキル、高級アルキル、置換高級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、低級アルコキシ、置換低級アルコキシ、高級アルコキシ、置換高級アルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、アシルオキシ、アシル、アルコキシカルボニル、カルボキサミド、カルボン酸、シアノ、またはアシルおよびアリールもしくはアルキルで二置換されているアミノを表し、
R3は、アラルキルまたは置換アラルキルを表し、
R4は、ヘテロアラルキルまたは置換ヘテロアラルキルを表し、
R5は、水素原子またはアルキルを表し、
Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、
n、mは、1または2と等しいことがある]。
【請求項2】
MC4R受容体に対して60nM以下のEC50を伴うアンタゴニスト活性を有する、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
下記の化合物から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物:
tert-ブチル 4-シクロヘキシル-1-[2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)-プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシルアミド
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
エチル 4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(3H-イミダゾール-4-イル)プロピル]ウレイド}-3-(4-メトキシ-フェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]-ウレイド}プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(3-メチル-3H-イミダゾール-4-イル)-エチル]ウレイド}プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオウレイド}-3-(4-メトキシ-フェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-エチル]チオウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]ウレイド}-3-(4-メトキシ-フェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
4-シクロヘキシル-1-(3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[(R)-2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-(3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[(R)-2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-プロピオニル)ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)-プロピオニル]ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]-チオウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)-プロピオニル]ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-エチル]ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-エチル]ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(3-メチル-3H-イミダゾール-4-イル)-エチル]ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]尿素
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]尿素
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
1-[2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(2,4-ジクロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-(1H-イミダゾール-4-イル)メチル)尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオ尿素。
【請求項4】
医薬品としての、請求項1から3に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
下記の病態
-体重の制御(恒常性)、および体重減少(自発的でない体重減少を含む)または体重増加と関連する障害(食欲不振症、肥満症、悪液質および関連する適応症、例えば、筋肉減少症、異化性疾患、癌に関連する悪液質、慢性肺疾患(COPD)、心不全、肝不全、腎不全、および特定の感染症(結核、AIDS)または特定の自己免疫疾患など)、
-食物摂取および摂食障害の調節、
-骨の病変
を治療するための、請求項1から4に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
下記の病態
-体重の制御(恒常性)、および体重減少(自発的でない体重減少を含む)または体重増加と関連する障害(食欲不振症、肥満症、悪液質および関連する適応症、例えば、筋肉減少症、異化性疾患、癌に関連する悪液質、慢性肺疾患(COPD)、心不全、肝不全、腎不全、および特定の感染症(結核、AIDS)または特定の自己免疫疾患など)、
-食物摂取および摂食障害の調節、
-骨の病変
を治療するための組成物の調製のための、請求項1から5に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項7】
請求項1から4に記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項1】
MC4R受容体に関してアンタゴニスト活性を有することを特徴とする、下記の一般式(I)の化合物、ならびにまた対応する塩およびエナンチオマー
【化1】
[式中、
R1は、水素原子、アリール、置換アリール、アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルを表し、
R2は、水素原子、ヒドロキシルもしくは低級アルキル、置換低級アルキル、高級アルキル、置換高級アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、低級アルコキシ、置換低級アルコキシ、高級アルコキシ、置換高級アルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、アシルオキシ、アシル、アルコキシカルボニル、カルボキサミド、カルボン酸、シアノ、またはアシルおよびアリールもしくはアルキルで二置換されているアミノを表し、
R3は、アラルキルまたは置換アラルキルを表し、
R4は、ヘテロアラルキルまたは置換ヘテロアラルキルを表し、
R5は、水素原子またはアルキルを表し、
Xは、酸素原子または硫黄原子を表し、
n、mは、1または2と等しいことがある]。
【請求項2】
MC4R受容体に対して60nM以下のEC50を伴うアンタゴニスト活性を有する、請求項1に記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
下記の化合物から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物:
tert-ブチル 4-シクロヘキシル-1-[2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)-プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシルアミド
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
エチル 4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(3H-イミダゾール-4-イル)プロピル]ウレイド}-3-(4-メトキシ-フェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]-ウレイド}プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(3-メチル-3H-イミダゾール-4-イル)-エチル]ウレイド}プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオウレイド}-3-(4-メトキシ-フェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-エチル]チオウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1H-イミダゾール-4-イル)エチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]ウレイド}-3-(4-メトキシ-フェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-カルボキシレート
4-シクロヘキシル-1-(3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[(R)-2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-(3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[(R)-2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]ウレイド}-プロピオニル)ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)-プロピオニル]ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]ウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)プロピオニル]ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(4-メトキシフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]-チオウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
4-シクロヘキシル-1-[(R)-2-{3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオウレイド}-3-(4-メトキシフェニル)-プロピオニル]ピペリジン-4-tert-ブチルカルバモイル
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-エチル]ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(3,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)-エチル]ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[2-(3-メチル-3H-イミダゾール-4-イル)-エチル]ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
エチル 4-シクロヘキシル-1-((R)-3-(2,4-ジクロロフェニル)-2-{3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]-ウレイド}プロピオニル)ピペリジン-4-カルボキシレート
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]尿素
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]尿素
1-[(R)-2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
1-[2-(4-シクロヘキシル-4-プロポキシピペリジン-1-イル)-1-(4-メトキシベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-クロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(2,4-ジクロロベンジル)-2-オキソエチル]-3-(1H-イミダゾール-4-イル)メチル)尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1H-[1,2,3]トリアゾール-4-イル)エチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[5-(1H-イミダゾール-4-イル)ペンチル]尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]チオ尿素
1-[(R)-2-(4-ブチリル-4-シクロヘキシルピペリジン-1-イル)-1-(4-フルオロベンジル)-2-オキソエチル]-3-[3-(1H-イミダゾール-4-イル)プロピル]チオ尿素。
【請求項4】
医薬品としての、請求項1から3に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
下記の病態
-体重の制御(恒常性)、および体重減少(自発的でない体重減少を含む)または体重増加と関連する障害(食欲不振症、肥満症、悪液質および関連する適応症、例えば、筋肉減少症、異化性疾患、癌に関連する悪液質、慢性肺疾患(COPD)、心不全、肝不全、腎不全、および特定の感染症(結核、AIDS)または特定の自己免疫疾患など)、
-食物摂取および摂食障害の調節、
-骨の病変
を治療するための、請求項1から4に記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
下記の病態
-体重の制御(恒常性)、および体重減少(自発的でない体重減少を含む)または体重増加と関連する障害(食欲不振症、肥満症、悪液質および関連する適応症、例えば、筋肉減少症、異化性疾患、癌に関連する悪液質、慢性肺疾患(COPD)、心不全、肝不全、腎不全、および特定の感染症(結核、AIDS)または特定の自己免疫疾患など)、
-食物摂取および摂食障害の調節、
-骨の病変
を治療するための組成物の調製のための、請求項1から5に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項7】
請求項1から4に記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【公表番号】特表2012−507493(P2012−507493A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533764(P2011−533764)
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064651
【国際公開番号】WO2010/052256
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(599045604)ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメント (117)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月4日(2009.11.4)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064651
【国際公開番号】WO2010/052256
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(599045604)ガルデルマ・リサーチ・アンド・デヴェロップメント (117)
【Fターム(参考)】
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