説明

メロンの栽培方法およびその栽培方法に用いる栽培装置

【課題】従来、栽培者の勘または経験によって行われてきたメロンの栽培方法と異なり、様々な環境においても安定した最高級のメロンを供給することができる全く新しいメロンの栽培方法を提供する。
【解決手段】 メロンの花を交配させ、果実肥大期、網目形成期、収穫期を経て栽培されるメロンの栽培方法において、一本の樹に結実している果実肥大期の複数個の果実の赤外線の拡散反射を測定し、その測定値からそれぞれの果実の将来得られる果実の品質を演算し、摘果を行うメロンの栽培方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメロンの栽培方法およびその栽培方法に用いる栽培装置に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】登録実用新案第3049026号
【特許文献2】特開平11−132945号公報
【特許文献3】特開平11−173984号公報
【特許文献4】特開平11−173985号公報
【特許文献5】特開平11−337480号公報
【特許文献6】特開平11−344441号公報
【特許文献7】特開2001−13070号公報
【特許文献8】特開2002−48710号公報
【特許文献9】特公平7−51024号公報
【0003】
メロンは高温多日照を好む植物であり、基本的には5月〜7月に多く生産されている。しかし、低温期は熊本、高知、静岡、そして、気温の上昇とともに関東、晩夏から秋は東北、北海道へと産地を移して、1年中生産されている。また、より良い品質を作るため、ビニールハウスや周りを光透過性の高いガラスやアクリルを屋根や壁の素材とした温室ハウスなどで栽培に適した環境管理を行い栽培されている。
通常、メロンの樹は、種を植えてから20日前後の苗を栽培棚に植えて、三週間から四週間で花を咲かせる。これを人間の手で人工交配、または、蜂を放し飼いにして交配させる。
このメロンの花は受粉(交配)させて2日前後でめしべを膨らませ、実を形成し始める。そして交配日から15〜20日程度まで大きくなる(果実肥大期)。その後、果実の表面に網目を形成する網目形成期を経て、交配日から45〜50日前後でメロンを形成し、収穫される。
【0004】
上述したメロン栽培において、糖度の高いメロンをつくるためには様々な工夫がされている。
たとえば、一本の樹に複数の果実が結実している場合、果実肥大期に果実を1つだけ残し、他の果実を摘み取る摘果を行う。これにより、残した一つの果実に栄養が集中させることができる。このとき、どの果実を残し、どの果実を摘果するかの判断は栽培者の勘と経験で行われている。
【0005】
また一般的に、果実肥大期のメロンの樹に与える水量によって収穫時のメロンの糖度や発育に影響することが知られている。果実肥大期のメロンの樹に水分を与えすぎると網目形成期において、メロン表面に形成されるべく網目がくっきり現れなかったり、網目の形成が均一でなかったりして中身が水っぽくなる。また、果実肥大期のメロンの樹に水分を十分与えないと、網目形成期にて網目を形成するが、実が硬くなりすぎ、種が実に食い込んだりし、成育阻害を起こす。
このように、果実肥大期のメロンの樹に与える水分量はメロンを栽培するに当たって重要であるが、栽培時期の気温、日照時間等の条件をふまえた上での栽培者の独自の勘と経験によって与えられている。
【0006】
さらに、網目を形成し、メロンとして収穫期を迎えても、メロンの中身が発酵しており、割ってみると種子の部分に果肉が水浸状態であり、刺激臭を有する発酵果と呼ばれる不良果である場合がある。正常果と発酵果とは、外観がほとんど同じであり、その識別は、栽培の熟練者が網目形成時または収穫時のメロン表面を見定めることにより行われている。特許文献4〜6には、青果物の追熟度や整理障害の有無を判断する青果物の内部品質判定装置を開示しているが、これらは未熟の状態すなわち果肉が硬く完熟になっていない果実を、一定温度下で放置(追熟)し、その変化の違いを赤外光によって判定しているものであって、収穫直前または収穫後すぐ判定できるものではない。
【0007】
このように、メロンの栽培には栽培者の勘または経験にたよる部分が大きく、安定して糖度の高い正常果のメロンを市場に送りつづけることは容易ではない。
【0008】
さらに、収穫された正常果のメロンが食べ頃かの判断は、収穫後の日数または特許文献1〜3、7の果実非破壊の糖度測定装置などによって測定した糖度によって決定していた。しかし、収穫後の日数で判断する場合、収穫後の環境によってその食べ頃は変化するし、収穫後に日数がわからなくなったときは勘に頼るしかなかった。また、糖度測定装置により判断する場合、その甘さは測定はできるが、メロンのやわらかさ等の内部状態を検出することができなかった。特に、一定の食べ頃期を過ぎた場合、メロンの果実の糖度は一定に保たれるのに対し、果実自身は発酵がさらに進み、水分が抜け、果実の繊維がゆるくなる状態があり、この状態は果実非破壊の糖度測定装置では測定することができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した課題を解決すべく、本発明者は、それぞれの時期の果実内部を拡散反射方式赤外線分光測定法によって測定した結果、その測定値とそれ以後の栽培方法に大きな関連があることを見出した。そして、本発明は、従来、栽培者の勘または経験によって行われてきたメロンの栽培方法と異なり、様々な環境においても安定した最高級のメロンを供給することができる全く新しいメロンの栽培方法を提供することを目的としている。さらに、本発明は上記のメロンの栽培方法に用いることができる発酵果の検出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のメロンの栽培方法は、メロンの花を交配させ、果実肥大期、網目形成期、収穫期を経て栽培されるメロンの栽培方法において、一本の樹に結実している果実肥大期の複数個の果実に、赤外光を照射し、その果実からの反射光を測定し、その測定値から将来得られる果実の品質を演算し、前記演算値が所定の基準値を満たさない果実を廃棄し、前記演算値が所定の基準値を満たす果実を継続して栽培することを特徴としている。この栽培方法によって演算する品質として、発酵果になる可能性、メロン果実の将来の網目形成具合、将来の果実内の水分量、将来の果実内の糖度、将来の果実内の色などが挙げられる。
【0011】
本発明のメロンの栽培方法の第2の態様は、メロンの花を交配させ、果実肥大期、網目形成期、収穫期を経て栽培されるメロン栽培方法において、果実肥大期の果実に赤外光を照射し、その果実からの反射光を測定し、その測定値からその果実のなっているメロンの樹の栽培条件を演算し、その演算値に基づいて栽培することを特徴としている。このような栽培方法において、前記測定値から果実内の水分量を演算し、その演算値からメロンの樹の栽培条件を演算するものが好ましい。
【0012】
また、このようなメロンの栽培方法の第2の態様において、前記演算値が所定の基準値(範囲)を満たさない場合は、その測定値に応じた水量をメロンの樹に与え、前記演算値が所定の基準値(範囲)を超えている場合は、その測定値に応じた水量をメロンの樹または果実から蒸発させるものが好ましい。さらに、前記水量の供給に潅水装置を用いることが好ましい。
【0013】
さらに、このようなメロンの栽培方法の第2の態様において、前記栽培条件がメロンの樹の栽培温度であり、その演算により導き出される温度の環境下でメロンの樹を栽培する方法、さらに、前記栽培条件がメロンの樹の栽培湿度であり、演算により導き出される湿度の環境下で栽培する方法、さらには、前記栽培条件がメロンの樹に与える日照時間であり、演算により導き出される日照時間で栽培する方法が好ましい。
【0014】
本発明のメロンの栽培方法の第3の態様は、メロンの花を交配させ、果実肥大期、網目形成期、収穫期を経て栽培されるメロン栽培方法において、収穫期の果実に赤外光を照射し、その果実からの反射光を測定し、その測定値からその果実が発酵果であるか演算し、その演算値が所定の基準値を満たす果実のみを収穫することを特徴としている。
【0015】
本発明の摘果用果実の検出装置は、果実肥大期のメロンの果実に向かって赤外線を発射する発光器と、その果実からの反射光を受ける受光器と、発光器の発光量と受光器の受光量とから将来得られる果実の品質を演算する演算部と、その演算部によって演算された結果を表示する表示部と、発光器と受光器に果実を対向させるように果実と当接するカップ状の当接器とを備えていることを特徴としている。
【0016】
さらに上述の摘果用果実の検出装置において、前記演算部が、将来得られる果実の品質を判断する基準値を記憶する記憶手段と、前記演算部からの演算値と記憶手段の基準値とを比較する比較手段とを有し、比較した結果に基づき、基準値を超えるか、超えないかを表示部に表示するものが好ましい。また、前記基準値を超えないと判断したとき、そのときの測定値を記憶する第2の記憶手段と、つぎの果実の測定値が基準値が超えない場合、第2の記憶手段の値とつぎの果実の測定値とを比較して、いずれの測定値が高いかを表示する第2の表示手段を備えていてもよい。
【0017】
本発明の栽培条件の検出装置は、果実肥大期のメロンの果実に向かって赤外線を発射する発光器と、その果実からの反射光を受ける受光器と、発光器の発光量と受光器の受光量とから果実の栽培条件を演算する演算部と、その演算部によって導き出された栽培条件を表示する表示部と、発光器と受光器に果実を対向させるように果実と当接するカップ状の当接器とを備えていることを特徴としている。
【0018】
本発明の発酵果の検出器は、メロンの果実に向かって赤外線を発射する発光器と、その果実からの反射光を受ける受光器と、発光器の発光量と受光器の受光量とから果実の発酵度を演算する演算部と、その演算部によって演算された結果を表示する表示部と、発光器と受光器に果実を対向させるように果実と当接するカップ状の当接器とを備えていることを特徴としている。このような発酵果の検出器であって、前記演算部が、果実が発酵果であるかを判断する基準値を記憶する記憶手段と、前記演算部からの演算値と記憶手段の基準値とを比較する比較手段とを有し、比較手段によって比較した結果に基づき、基準値を満たすか、満たさないかを表示部に表示するものが好ましい。
【0019】
本発明の食べ頃具合の検出装置は、メロンの果実に向かって赤外線を発射する発光器と、その果実からの反射光を受ける受光器と、発光器の発光量と受光器の受光量とから果実の食べ頃具合を演算する演算部と、その演算部によって演算された結果を表示する表示部と、発光器と受光器に果実を対向させるように果実と当接するカップ状の当接器とを備えていることを特徴としている。このような食べ頃具合の検出装置であって、前記演算部が、果実が食べ頃であるかを判断する基準値を記憶する記憶手段と、前記演算部からの演算値と記憶手段の基準値とを比較する比較手段とを有し、比較手段によって比較した結果に基づき、基準値を満たすか、満たさないかを表示部に表示するものが好ましい。
上述したいずれかの装置であって、発光器の発光量と受光器の受光量とから果実の糖度を演算する演算部を備えたものが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明のメロンの栽培方法は、一本の樹に結実している果実肥大期の複数個の果実の未来の品質を演算し、複数個の果実から良いメロンになる期待の小さい果実を取り除くことにより、最も良いメロンになるであろう果実肥大期の果実を選択して、栽培するため、最高級のメロンの収穫率が高くなる。
【0021】
このようなメロンの栽培方法において、発酵果になる可能性を演算し、選択的に果実を栽培することにより、収穫されるメロンが発酵果になる可能性が低くなる。また、将来に形成する果実表面の網目形成具合を演算することにより、将来メロンとして最高の形および視覚を備えるメロンの栽培が果実肥大期の状態で予測可能となり、従来行われてきた摘果によるロスを省くことができる。さらに、将来に形成する果実の水分量、糖度、果実の色を演算することにより、将来メロンとして最高の品質を備えたメロンの栽培を選択的に行うことができる。
【0022】
本発明者は、測定値と将来のメロンの状態(正常果または発酵果)との間に因果関係があることを発見したため、勘または経験だのみであったメロン栽培のリスクの低減を実現したのである。
この果実肥大期の果実の測定は、受粉した後5日目から15日目くらいに行うのがよい。また、継続して栽培する果実は、2個から3個としてもよいが、1個とするのが好ましい。このように、一本の樹の果実を減らすことにより、メロンの樹からの栄養を集中して送ることができる。
【0023】
本発明のメロンの栽培方法の第2の態様は、果実肥大期の果実に赤外光を照射し、その果実からの反射光を測定し、その測定値からその果実のなっているメロンの樹の栽培条件を演算し、演算に基づいて栽培するため、熟練度の低い栽培者であっても高品質のメロンを栽培することができる。
ここで果実肥大期の果実の測定は、受粉した後だいたい3日目以後のものに行うのがよい。その後、果実肥大期の間毎日行っても、2日間から3日間おきに行ってもよい。
【0024】
本発明のメロンの栽培方法の第2の態様において、前記栽培条件がメロンの樹に与える水分量であり、その演算により導き出される水分量をメロンの樹に与える場合、メロン栽培で一番困難とされるメロンの樹への潅水を勘や経験に基づくことなく行うことができる。また、前記演算値が所定の基準値(範囲)を満たさない場合は、その測定値に応じて水分量をメロンの樹に与え、前記演算値が所定の基準値(範囲)を超えている場合は、その測定値に応じて水分量をメロンの樹あるいは果実から蒸発させることができ、常に最適な水分量を保ったメロンの果実を栽培することができる。
このように水分量を蒸発させる方法としては、LED(発光ダイオード)、蛍光灯等の人工光源を用いても良く、また、メロンに遮光具をかぶせたり、外したりするなど日照時間をコントロールすることにより水分量の蒸発をコントロールしても良い。
さらに、前記水分量の供給に潅水装置を用いる場合、より正確な水分量をメロンの樹に供給することができ、一定品質で最高のメロンを安定して栽培することができる。
【0025】
本発明のメロンの栽培方法の第2の態様において、前記栽培条件がメロンの樹の栽培温度であり、その演算により導き出される温度の環境下で栽培する場合、また、前記栽培条件がメロンの樹の栽培湿度であり、その演算により導き出される温度の環境下で栽培する場合、昼夜において温度または湿度の管理を行うことにより、天気などに左右されず最高級のメロンを安定して提供することができる。
【0026】
さらに、前記栽培条件がメロンの樹に与える日照時間であり、その演算により導き出される日照時間で栽培する場合、一定品質で最高級のメロンを栽培することができる。特に、人工光源を用いてエネルギーをメロンの樹に与える場合、天気に左右されることなくメロン収穫までの間の日照時間を綿密にコントロールできるので好ましい。
【0027】
本発明のメロンの栽培方法の第3の態様は、収穫期の果実に赤外光を照射し、その果実からの反射光を測定し、その測定値からその果実が発酵果であるかを演算し、発酵果と判断した果実以外の果実のみを収穫または出荷するため、消費者に発酵果のメロンが行き届くことを防ぐことができる。また、前記測定値から果実内の水分量を演算し、その演算値からその果実が発酵果であるかを演算する場合、他の成分(たとえば、糖分量)を検出するより精度が高い。
【0028】
本発明の摘果用果実の検出装置は、果実肥大期のメロンの果実に向かって赤外線を発射する発光器と、果実からの反射光を受ける受光器と、発光器の発光量と受光器の受光量とから将来に得られる果実の品質を演算する演算部と、その演算部によって演算された結果を表示する表示部と、発光器と受光器に果実を対向させるように果実と当接するカップ状の当接器とを備えているため、勘や経験によらず摘果のための果実の検出が容易にできる。
【0029】
このような摘果用果実の検出装置において、将来得られる果実の品質または摘果用果実を判断する基準値を記憶する記憶手段を備え、前記演算部からの演算値と記憶手段の基準値とを比較する比較手段と、比較した結果に基づき、基準値を超えるか、超えないかを表示部に表示するため、果実を当接器に載せて測定するだけで表示部に摘果用果実かどうかを識別することができる。
また、前記基準値を超えないと判断したとき、そのときの測定値を記憶する第2の記憶手段と、つぎの果実の測定値が基準値が超えない場合、第2の記憶手段の値とつぎの果実の測定値とを比較して、いずれの測定値が高いかを表示する第2の表示手段を備えているため、複数の果実を測定して最も好ましい果実を第2の表示手段によって分かる。
【0030】
本発明の栽培条件の検出装置は、果実肥大期のメロンの果実に向かって赤外線を発射する発光器と、その果実からの反射光を受ける受光器と、発光器の発光量と受光器の受光量とから果実の栽培条件を演算する演算部と、その演算部によって演算された結果を表示する表示部と、発光器と受光器に果実を対向させるように果実と当接するカップ状の当接器とを備えているため、メロンの樹に成っている果実に当接して演算させることにより、そのメロンの樹の栽培条件を容易に得ることができる。
【0031】
本発明の発酵果の検出装置は、メロンの果実に向かって水の吸収線である赤外線を発射する発光器と、その果実からの反射光を受ける受光器と、発光器の発光量と受光器の受光量とから発酵度を演算する演算部と、その演算部によって演算された結果を表示する表示部と、発光器と受光器に果実を対向させるように果実と当接するカップ状の当接器とを備えているため、収穫された果実または収穫直前の果実に当接して、その水分量を演算させることによりその果実が発酵果であるか否かわかる。このような装置であって、発酵果を判断する基準値を記憶する記憶手段を備え、前記演算部からの演算値と記憶手段の基準値とを比較する比較手段と、比較した結果に基づき、基準値を超えるか、超えないかを表示部に表示するため、発酵果であるかの検出が表示部を確認するだけでわかる。
【0032】
本発明の食べ頃具合の検出装置は、メロンの果実に向かって水の吸収線である赤外線を発射する発光器と、その果実からの反射光を受ける受光器と、発光器の発光量と受光器の受光量とから果実の食べ頃具合を演算する演算部と、その演算部によって演算された結果を表示する表示部と、発光器と受光器に果実を対向させるように果実と当接するカップ状の当接器とを備えているため、果実内の軟らかさ、水分の量がほどよい食べ頃の果実を識別することができる。
【0033】
また、上述したいずれの装置において、発光器の発光量と受光器の受光量とから果実の糖分量を演算する第3演算部を備えた場合、それぞれの用途に用いることだけでなく、その収穫したメロンの糖度を測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
次に図面に基づいて、本発明のメロンの栽培方法およびその栽培方法に用いる装置の実施形態を説明する。図1は、発明のメロンの栽培方法の一実施形態を示す工程図、図2aは本発明のメロンの栽培方法を行う温室ハウスの一実施形態を示す正面図、図2bはその側面図、図3a〜図3dは本発明のメロンの栽培方法に用いる発酵果の検出装置を示す一実施形態の上面図、右側面図、正面図、左側面図、図4は本発明の発酵果の検出装置の一実施形態を示すブロック図、図5は本発明の発酵果の検出装置の一実施形態を示すフロー図、図6は本発明の摘果用果実の検出装置の一実施形態を示すフロー図、図7は本発明の栽培条件の検出装置の一実施形態を示すフロー図、図8は本発明の食べ頃具合の検出装置の一実施形態を示すフロー図である。
【0035】
図1に本発明のメロンの栽培方法の工程を示す。
種を植えてから20日前後の苗を、温室ハウスまたはビニールハウス内の栽培棚に植えてメロンの樹を栽培する。このメロンの樹を3〜4週間栽培し、メロンの樹に花が咲いたら、人間の手で人工交配、または、温室ハウスまたはビニールハウス内に放し飼いにしている蜂により交配させる(S1)。
【0036】
次に、交配日より3〜5日前後で約直径50〜100mmの卵くらいの大きさになったとき、その果実内の赤外線の拡散反射を測定し、摘果用果実の選定をする(S2)。この測定は近赤外線であって、吸光度が水あるいは糖度などメロンの果実内の成分に依存する波長をいくつか用いて行う。そして、このように幾つかの波長を総合的に演算し、その演算値が将来得られる果実の品質と大きく関係していることにより本発明はなりたっている。そして、この演算値から将来得られる果実が発酵果になりにくく、網目形成具合がよく、果実内の水分量、糖度および色付きが良い最も好ましい果実を2個から3個、もしくは1個選別し、他の果実を摘果してメロンの樹の栽培を続ける(S3)。
【0037】
このように選別された果実の赤外線の拡散反射の測定を行い、メロンの樹の栽培条件を決定する(S4)。この測定は、摘果用果実の測定に用いた近赤外線と同範囲の赤外線で行い、この測定値および果実の大きさに基づいて果実の演算値を求める。そして、この時期の果実の演算値をあらかじめ取っておいた基準値と比較し、その果実が成っているメロンの樹の栽培条件を決定する。この栽培条件としては、メロンの樹に与える水分量、栽培温度、栽培湿度、日照時間があり、これらの栽培条件による栽培を交配日から約20日前後の網目形成期まで行う。
このような栽培条件は、たとえば、栽培条件がメロンの樹に与える水量の場合、果実内の水分量に応じたメロンの樹に与える水量の基準値を定め、演算によって得られた水分量と比較することによりメロンの樹に与える水量を決定することができる。また、同様にメロンの樹の栽培温度、栽培湿度、およびメロンの樹に与える日照時間を決定する。
【0038】
このように、メロンの樹に与える水分量等の栽培条件を調整することにより、メロンの樹に水量を与えすぎて、果実が水っぽくなったり、果実の網目形成時において、網目がくっきり現れないといった状態を防止することができ、かつ、メロンの樹に水量を十分与えないことによる果実が硬くなる成育阻害状態を防ぐことができる。
このような果実の大きさおよびその赤外線の拡散反射の測定、また、その水量の調整は、果実の選別後、網目形成時まで毎日行うのが好ましい。しかし、その期間は特に限定されるものではなく、メロンの樹に与える水量を十分に調整できる範囲において、2日から3日おき、さらには4日から5日おきに行っても構わない。
【0039】
上述したように栽培される果実肥大期の果実は、交配後20日から40日の網目形成期において表面に網目またはネットを形成する(S5)。ここで網目形成期のメロンの樹に与える水量は網目形成期の初期において、その果実の赤外線の拡散反射を測定し、果実肥大期の方法によって演算された栽培条件で栽培するのが好ましい。そして、この栽培条件は網目形成期の間一定にしてもよく、毎日または定期的に赤外線の拡散反射を測定して、栽培条件を調整しても良い。
【0040】
最後に、交配後約45日のメロンの果実を赤外線の拡散反射を測定し、そのメロンが発酵果であるかどうかを調べる(S6)。この測定は、摘果用果実の測定に用いた近赤外線で行い、この測定値に基づいて果実の演算値を求める。そして、演算値が前もって計算した基準値を満たしている場合、そのメロンを収穫し、それ以外の場合、そのメロンを廃棄する(S7)。この基準値を満たさないメロンは発酵果である可能性が高い。
この発酵果であるかどうかの検査方法は、出荷されたスーパーや百貨店においても用いることができ、これにより消費者に不良果(発酵果)が行き届かないようにすることができる。
【0041】
このようにメロンの栽培において、上述した水分供給の管理以外にも、良い品質のメロンを安定して作るためには、栽培に適した温度や湿度を常に管理する必要がある。これらの栽培条件もその測定を摘果用果実の測定に用いた近赤外線で行い、この測定値に基づいてそれぞれの果実についての演算値を求め、前もって準備した基準値と比較して決定する。
次に、本発明のメロンの栽培方法を行うのに好ましい温室システムを図2に示す。この温室ハウス10は、メロンの樹11と、そのメロンの樹が等間隔で植えられている栽培槽12と、その栽培槽12と平行に移動する自動潅水装置13と、光源14とからなる。
このような温室ハウス内において、室温は、日中または夜間あるいは季節等に応じて温度を調節して行うのが好ましい。また、これらの管理は、コンピューターを利用したメロンの生育に最適な環境にする複合環境制御装置を用いるのが好ましい。
【0042】
温室ハウス10の屋根や壁などの素材として、光透過性の高いガラスやアクリルを用いる。これにより、効率よく太陽光をメロンの樹に与えることができる。しかし、温室ハウスを完全に光から密閉して後述する光源によってメロンの樹に与えるエネルギーを調整しても良い。
メロンの樹11は、前述したように種を植えてから20日前後の苗を栽培したものである。
栽培槽12は、縦長のものである。このように縦長にすることにより、等間隔にメロンの樹を植え、効率よくメロンの樹を栽培することができる。また、これらのメロンの樹は一つ一つ壁などにより区切って植えても良い。
【0043】
自動潅水装置13は、縦長の栽培槽12に並行して移動するものであり、それぞれの樹の根元周辺に順次散水するものである。
メロンの樹への散水は前述したように水分量が大事であるため、一つ一つの樹に異なる水分量を与えなければならない。そして、メロンは高温多湿を好む植物であるため、ビニールハウス内等での散水は重労働であり、集中力も散漫になりやすい。さらに、メロンの樹の葉に直接水を散水するのは好ましくなく、一株ごとに苗の根元近辺の用土に散水する必要がある。
そのため、このメロンの栽培方法において、自動潅水装置を用いることによりミスなく正確にメロンの樹への散水が可能となる。このようなロボットとして、特許文献9の潅水装置が挙げられる。
【0044】
光源14は、発光ダイオード(LED)や蛍光灯などの人工光源が挙げられる。この光源14の配置は必ずしも必要ではないが、天候の悪い日が続くことにより日照時間を十分に確保できない場合など、光源14を点けることによりその不足分を補うことができる。また、前述したように完全密閉型の温室ハウスを用いる場合、光源14によりメロンの樹への人工光源の照射時間を完全に調整することができる。これにより、一層安定した品質のメロンを栽培することができる。
【0045】
次に前述のメロンの栽培方法に用いる発酵果の検出装置30の一実施形態を説明する。
図3aから図3dの検出装置30は、前面、裏面、左右側面と上下面とからなる直方体であり、前面に備えられた果実に当接するカップ状の当接部31と、裏面に備えられたベルト32と、一方の側面(左側面、図3d参照)に設けられた測定結果が表示される表示パネル33とからなる。また、他方の側面(右側面、図3b参照)には、本装置のスイッチ34aおよびバッテリー挿入口34bが設けられている。さらに、下面には通信用接続部34cおよびメモリーブロックの挿入口34dが設けられている。
【0046】
当接部31は、カップ状のフード35と、そのフードの中に配置されたプローブ36と、そのプローブの中に配置された中央リング37とからなる。フード35は果実を当接部31に当接したとき、外乱光を遮る黒い蛇腹のゴムである。プローブ36は、果実を当接したとき、果実を支えるスポンジである。中央リング37は、プローブの中央にあるリングで、果実をこのリングへ配置するようにして測定するものである。この果実の測定時には、この中央リング37の中央部から赤外線が照射され、そして果実の反射光を受光する。
ベルト32は、片手で検出装置30を支えるためのものであり、手のひらを検出装置30の裏面にあて、ベルト32で手の甲を支えるものである。
【0047】
また、図4に示すように検出装置の内部には、果実に向かって中央リング37の中央部から赤外線を発射する発光器41と、果実からの反射光を中央リングの中央部で受ける受光器42と、発光器の発光量および受光器の受光量を出力電圧として出力する信号出力部43と、その信号出力部の出力電力をデジタル化するA/D変換器44と、そのデジタル信号から果実が発酵果であるかを演算するためのマイクロコンピューター45とが備えられている。このマイクロコンピューターは、全体のプログラムを制御するCPU46と、そのCPUに付属する記憶手段であるメモリ47とからなり、それぞれ入出力部を介して表示部33、バッテリー48および他の周辺機器49に接続されている。ここで発光器の発光量を一定にする場合、信号出力部は受光器の受光量を出力するだけでよい。
【0048】
このように検出装置30は構成されているため、果実を検出装置の当接部31に当接させ測定すると図5のようにしてその果実が発酵果であるか判断する。
初めに果実内部に赤外線を照射し、その反射光を測定する。その測定値を、信号出力部を介して、デジタル信号としてマイクロコンピューターに入力する。マイクロコンピューター内では、このデジタル信号に基づいて果実についての演算値が計算される。そして、その計算された演算値と、メモリ等の記憶手段に記憶されている発酵果であるかどうかの基準値(範囲)とを比較し、その計算された演算値がその基準値を満たすか、あるいは満たさないかを判断する。その演算を表示部33において表示する。たとえば、基準値を満たす場合は表示部に「○」を表示し、満たさない場合は、表示部に「×」を表示する。これにより、測定して表示部に「○」を表示する果実のみを収穫する。
【0049】
次に摘果用果実の検出装置の一実施形態を説明する。
この摘果用果実の検出装置は、マイクロコンピューターが発光器および受光器のデジタル信号から将来得られる果実の品質を演算するものあり、当接部が果実肥大期の小さい果実と当接できるように、たとえば、果実肥大期の果実の大きさのカップ状のフード35およびプローブ36を備えている。他の構成は発酵果の検出装置30と実質的に同じである。
【0050】
このように摘果用果実の検出装置は構成されているため、図6のようにしてメロンの樹になっている最も好ましい果実肥大期の果実を選択する。
メロンの樹に複数なっている果実の一つの果実(第M果実)を赤外線により測定し、その測定値により果実の演算値を求め、この値を記録する。次に他の果実(第N果実)を測定し、その演算値を求める。このとき、第M果実の演算値と第N果実の演算値のうち、最適摘果用果実の基準値に近い方の果実番号を表示部に表示し、その演算値を記録する。このとき、基準値から遠い方の果実のデータは破棄すると共に、その果実を摘果する。このようにしてメロンの樹になっている複数の果実を測定し、一番基準値に近い果実を表示する。そして、これに基づいて良い果実を残し、他の果実を摘果する。
【0051】
このとき、最適摘果用果実の基準値は、果実が将来なるであろう品質を予想して決める。特に、その品質として、発酵果になる可能性、網目形成具合、果実内の水分量および糖度の予想、または/および果実内の色の予想を数値化したものである。これらの全ての予想を総合的に数値化してもよく、いずれかの可能性をそれぞれ数値化してもよい。この実施形態では果実の内部を、複数の波長の近赤外光を用いて果実の内部を測定し、それらを総合的に演算することにより解析をしている。
【0052】
次に栽培条件の検出装置の一実施形態を説明する。
この摘果用果実の検出装置は、マイクロコンピューターが発光器および受光器のデジタル信号からその測定した果実の栽培条件を演算するものあり、当接部が果実肥大期の小さい果実と当接できるように、たとえば、果実肥大期の果実の大きさのカップ状のフード35およびプローブ36を備えている。他の構成は発酵果の検出装置30と実質的に同じである。
【0053】
このように構成されているため、図7のようにしてメロンの樹になっている最も好ましい栽培条件を提供する。
果実肥大期の果実、特に摘果を終えたメロンの樹の果実を赤外線でその拡散反射を測定し、その測定値により果実内を解析または演算する。この演算値に基づいて前もって作成した基準値とを比較して栽培条件を演算する。
このような栽培条件として、メロンの樹に与える水分量、栽培温度、栽培湿度、日照時間などが挙げられる。
【0054】
次に果実の食べ頃具合の検出装置の一実施形態を説明する。
この食べ頃具合の検出装置は、マイクロコンピューターが発光器および受光器のデジタル信号からその測定した果実が食べ頃であるかどうかを演算するものであり、他の構成は発酵果検出装置30と実質的に同じである。
【0055】
このように構成されているため、図8のようにして果実の食べ頃度を判断する。
果実の内部を赤外線で測定する。その測定値により果実内を解析し、その演算値を導き出す。この演算値と果実が食べ頃であるかどうかの基準値(範囲)とを比較し、その計算された演算値がその基準値を満たすか、あるいは満たさないかを判断し、表示部にその結果を表示する。この基準値を満たす果実は、一定の基準に基づいた硬さ、発酵具合を有し、食べ頃である。
【0056】
上述したいずれの装置にも、たとえば他の波長の赤外線を用いることにより、発光器の発光量と受光器の受光量とから果実の糖度を演算するようにしてもよい。また、発酵果の検出装置、摘果用果実の検出装置、メロンの栽培条件の検出装置および食べ頃具合の検出装置の全てのプログラムソフトを一つの装置に設けても良い。これにより、一台用意するだけで本発明のメロンの栽培方法および収穫したメロンの評価を行うことができる。また、いずれかのプログラムソフトを使用用途に応じて組み合わせてもよい。
さらに、発酵果の検出装置または食べ頃具合の検出装置および摘果用果実の検出装置またはメロンの栽培条件の検出装置を組み合わせる場合、異なる大きさの果実が対象となるため、カップ状のフード35およびプローブ36は取り替え可能にし、それぞれ当接する果実の大きさに対応した各種大きさのフードおよびプローブと交換できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明のメロンの栽培方法の一実施形態を示す工程図である。
【図2】図2aは本発明のメロンの栽培方法を行う温室ハウスの一実施形態を示す正面図、図2bはその側面図である。
【図3】図3a〜図3dは本発明のメロンの栽培方法に用いる発酵果の検出装置を示す一実施形態の上面図、右側面図、正面図、左側面図である。
【図4】本発明の発酵果の検出装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図5】本発明の発酵果の検出装置の一実施形態を示すフロー図である。
【図6】本発明の摘果用果実の検出装置の一実施形態を示すフロー図である。
【図7】本発明の栽培条件の検出装置の一実施形態を示すフロー図である。
【図8】本発明の食べ頃具合の検出装置の一実施形態を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0058】
10 温室ハウス
11 メロンの樹
12 栽培棚
13 潅水装置
14 光源
30 検出装置
31 当接部
32 ベルト
33 表示パネル
35 フード
36 プローブ
37 中央リング
41 発光器
42 受光器
43 信号出力部
44 A/D変換器
45 マイクロコンピューター
46 CPU
47 メモリ
48 バッテリー
49 周辺機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メロンの花を交配させ、果実肥大期、網目形成期、収穫期を経て栽培されるメロンの栽培方法において、
一本の樹に結実している果実肥大期の複数個の果実に、赤外光を照射し、その果実からの反射光を測定し、
その測定値から将来得られる果実の品質を演算し、
前記演算値が所定の基準値を満たさない果実を廃棄し、
前記演算値が所定の基準値を満たす果実を継続して栽培する、メロンの栽培方法。
【請求項2】
前記品質が発酵果になる可能性である請求項1記載のメロンの栽培方法。
【請求項3】
前記品質が網目形成具合である請求項1記載のメロンの栽培方法。
【請求項4】
前記品質が果実内の水分量である請求項1記載のメロンの栽培方法。
【請求項5】
前記品質が果実内の糖度である請求項1記載のメロンの栽培方法。
【請求項6】
前記品質が果実の色である請求項1記載のメロンの栽培方法。
【請求項7】
メロンの花を交配させ、果実肥大期、網目形成期、収穫期を経て栽培されるメロン栽培方法において、
果実肥大期の果実に赤外光を照射し、その果実からの反射光を測定し、
その測定値からその果実がなっているメロンの樹の栽培条件を演算し、
その演算値に基づいて栽培する、メロンの栽培方法。
【請求項8】
前記栽培条件がメロンの樹に与える水量であり、その演算により導き出される水量をメロンの樹に与える請求項7記載のメロンの栽培方法。
【請求項9】
前記演算値が所定の基準値を満たさない場合は、その測定値に応じた水量をメロンの樹に与え、
前記演算値が所定の基準値(範囲)を超えている場合は、その測定値に応じた水量をメロンの樹または果実から蒸発させる、請求項8記載のメロンの栽培方法。
【請求項10】
前記水量の供給に潅水装置を用いる請求項8記載のメロンの栽培方法。
【請求項11】
前記栽培条件がメロンの樹の栽培温度であり、その演算により導き出される温度の環境下で栽培する、請求項7記載のメロンの栽培方法。
【請求項12】
前記栽培条件がメロンの樹の栽培湿度であり、その演算により導き出される湿度の環境下で栽培する、請求項7記載のメロンの栽培方法。
【請求項13】
前記栽培条件がメロンの樹に与える日照時間であり、その演算により導き出される日照時間で栽培する、請求項7記載のメロンの栽培方法。
【請求項14】
メロンの花を交配させ、果実肥大期、網目形成期、収穫期を経て栽培されるメロン栽培方法において、
収穫期の果実に赤外光を照射し、その果実からの反射光を測定し、
その測定値からその果実が発酵果であるか演算し、
発酵果と判断した果実以外の果実のみを収穫する、メロンの栽培方法。
【請求項15】
前記赤外光が水の吸収線である、請求項14記載のメロンの栽培方法。
【請求項16】
果実肥大期のメロンの果実に向かって赤外線を発射する発光器と、
その果実からの反射光を受ける受光器と、
発光器の発光量と受光器の受光量とから将来得られる果実の品質を演算する演算部と、
その演算部によって演算された結果を表示する表示部と、
発光器と受光器に果実を対向させるように果実と当接するカップ状の当接器とを備えている摘果用果実の検出装置。
【請求項17】
前記演算部が、将来得られる果実の品質を判断する基準値を記憶する記憶手段と、前記演算部からの演算値と記憶手段の基準値とを比較する比較手段とを有し、比較手段によって比較した結果に基づき、基準値を満たすか、満たさないかを表示部に表示する請求項16記載の摘果用果実の検出装置。
【請求項18】
前記基準値を満たさないと判断したとき、そのときの測定値を記憶する第2の記憶手段と、
つぎの果実の測定値が基準値が満たさない場合、第2の記憶手段の値とつぎの果実の測定値とを比較して、いずれの測定値が高いかを表示する第2の表示手段を備えている請求項17記載の摘果用果実の検出装置。
【請求項19】
果実肥大期のメロンの果実に向かって赤外線を発射する発光器と、
その果実からの反射光を受ける受光器と、
発光器の発光量と受光器の受光量とから果実の栽培条件を演算する演算部と、
その演算部によって導き出された栽培条件を表示する表示部と、
発光器と受光器に果実を対向させるように果実と当接するカップ状の当接器とを備えている栽培条件の検出装置。
【請求項20】
メロンの果実に向かって赤外線を発射する発光器と、
その果実からの反射光を受ける受光器と、
発光器の発光量と受光器の受光量とから果実が発酵果であるか演算する演算部と、
その演算部の結果を表示する表示部と、
発光器と受光器に果実を対向させるように果実と当接するカップ状の当接器とを備えている発酵果の検出装置。
【請求項21】
前記演算部が、果実が発酵果であるかを判断する基準値を記憶する記憶手段と、前記演算部からの演算値と記憶手段の基準値とを比較する比較手段とを有し、比較手段によって比較した結果に基づき、基準値を満たすか、満たさないかを表示部に表示する、請求項20記載の発酵果の検出装置。
【請求項22】
メロンの果実に向かって赤外線を発射する発光器と、
その果実からの反射光を受ける受光器と、
発光器の発光量と受光器の受光量とから果実が食べ頃であるかを演算する演算部と、
その演算部の結果を表示する表示部と、
発光器と受光器に果実を対向させるように果実と当接するカップ状の当接器とを備えている食べ頃具合の検出装置。
【請求項23】
前記演算部が、果実が食べ頃であるかを判断する基準値を記憶する記憶手段と、前記演算部からの演算値と記憶手段の基準値とを比較する比較手段とを有し、比較手段により比較した結果に基づき、基準値を満たすか、満たさないかを表示部に表示する、請求項22記載の食べ頃具合の検出装置。
【請求項24】
発光器の発光量と受光器の受光量とから果実の糖分量を演算する第3演算部を備えた請求項14〜23いずれか記載の検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−191816(P2006−191816A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−4451(P2005−4451)
【出願日】平成17年1月11日(2005.1.11)
【出願人】(592102630)コスモプラント株式会社 (3)
【Fターム(参考)】