説明

メークアップ化粧料

【課題】自然なつや感等のメークアップ効果及び使用性に優れたメークアップ化粧料を提供する。
【解決手段】1)アクリル樹脂球状粉体10〜30質量%と、2)平均粒径が5〜30μmである鱗片状ガラス20〜40質量%とを含有し、その質量比がアクリル樹脂球状粉体1質量部に対して鱗片状ガラス1.0〜2.3質量部であるによって自然なつや感健康的な仕上がり感を演出することができる、メークアップ化粧料、特にファンデーションを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に関し、更に詳細には、メークアップ化粧料に好適な化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
メークアップ化粧料、特に、ファンデーションは、シミなどの肌の欠点を隠し、美しく装う為に古くより使用されており、その恩恵に浴した人の数は数え上げることができないほど多数である。この様なメークアップ化粧料においても、美しさを飽きることなく追求する人間にとって、解決すべき課題は常に存在している。近年に於いては、メークアップ化粧料の使用目的に、前述のシミやソバカス等の肌の欠点を隠ぺいする効果に加え、種々の仕上がりを演出する、いわゆる演色効果が加わっている。ファンデーションを塗布することにより、肌に華やかさを得る目的で、種々の二酸化チタン被覆マイカ、いわゆるパール剤がファンデーションに多用されてきた(例えば、特許文献1、2を参照)。しかしながら、これらのパール剤は鏡面反射が大きいために、華やかさが得られる反面、素肌の印象が損なわれ、ともすると、仕上がりに人工的な印象を与えてしまう場合があった。これらのパール剤が有している課題を解決するため、板状のガラス粉末や該ガラス粉末に二酸化チタン等を被覆した複合ガラス粉末を含有させる試みもなされている(例えば、特許文献3を参照)。しかしながら、鏡面反射を充分に制御できず、人工的な印象を完全にぬぐえるまでには至っていない。アクリル樹脂球状粉体とつやとの関係については、アクリル樹脂球状粉体を板状粉体の表面に被覆させ、鏡面反射をコントロールする技術が既に知られているが(例えば、特許文献4を参照)、この様な構成で鏡面反射をコントロールする為には、球状粉体の多層性屈折率変化をコントロールし、被覆の一層性を維持する等の困難な要件が多数存した。すなわち、容易に為しうる方法で、鏡面反射をコントロールする技術を開発し、肌に塗布した場合に、素肌感を損なうことなく、かつ、人工的でない自然なつやを肌に付与し、健康的な印象を与えるファンデーションを創出する技術の開発が望まれていた。
【0003】
一方、アクリル樹脂球状粉体10〜30質量%と、平均粒径が5〜30μmである鱗片状ガラス20〜40質量%とを含有するメークアップ化粧料は全く知られていないし、この様な構成を採用することにより、鏡面反射特性を容易にコントロールできることは全く知られていなかった。
【0004】
【特許文献1】特開昭58−69259号公報
【特許文献2】特開昭60−60163号公報
【特許文献3】特開2001−172118号公報
【特許文献4】特開2005−154280 号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、容易に鏡面反射をコントロールし、自然なつや感と健康的な仕上がり感を演出するメークアップ化粧料、特にファンデーションを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、粉体化粧料における、容易に為しうる鏡面反射のコントロール技術を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、鱗片状ガラスとアクリル樹脂球状粉体を組み合わせて含有させることにより、鏡面反射の容易なコントロールが為しうることを見いだし、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
<1>1)アクリル樹脂球状粉体10〜30質量%と、2)平均粒径が5〜30μmである鱗片状ガラス20〜40質量%とを含有することを特徴とする、メークアップ化粧料。
<2>前記アクリル樹脂球状粉体は、メタクリル酸メチルクロスポリマーであることを特徴とする、<1>に記載のメークアップ化粧料。
<3>前記アクリル樹脂球状粉体は、中空構造を有することを特徴とする、<1>乃至<2>に記載のメークアップ化粧料。
<4>前記鱗片状ガラスと前記アクリル樹脂球状粉体との質量比は、アクリル樹脂球状粉体1質量部に対して鱗片状ガラス1.0〜2.3質量部であることを特徴とする、<1>〜<3>何れか1項に記載のメークアップ化粧料。
<5>固形粉末化粧料であることを特徴とする、<1>〜<4>何れか1項に記載のメークアップ化粧料。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、鏡面反射のコントロールを容易にし、以て、自然なつや感と健康的な仕上がり感を演出するメークアップ化粧料、特にファンデーションを提供することを可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(1)本発明の化粧料の必須成分であるアクリル樹脂球状粉体
本発明の化粧料は、アクリル樹脂球状粉体を必須成分として含有することを特徴とする。このような球状粉体としては、内部に空洞を有するものであって、このような空洞は樹脂壁によって閉じられていても良いし、開口部を有していても良く、メタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルキルエステルなどをモノマーとして、重合乃至は共重合することにより得られる。部分的に二重結合を2つ以上有するモノマーを加えて架橋構造を構築することも可能であり、この様な架橋構造を有するものがより好ましい。具体的にはメタクリル酸メチルクロスポリマーが好ましい。かかる粉体は、優れた流体特性、言い換えれば、粉体組成物において延展性を改善する効果を有する。これは、安息角が20度〜35度の範囲であり、かつ8度〜15度の範囲の崩壊角を与えることを特徴とする為である。ここでいう安息角、崩潰角とは、粉体の総合的な物性特性を表すのに用いられるCarrの指数のひとつであり(R.L.Carr,Chem.Eng.,18,163−168(1965))、
安息角:粉体を積み上げたときに自発的に崩れることなく安定を保つ斜面の角度
崩潰角:安息角を測定した後で、規定の衝撃を加えて円錐積角を崩壊させた時の斜面の角度
と、定義されている。又、このような球状粉体の平均粒径は、コールターカウンターを用いて求めることができるが、5〜25μmが好ましく、10〜20μmがさらに好ましい。これは後記鱗片状ガラスとの組み合わせ効果により、光学的に好ましい化粧膜を形成するように化粧料組成物を延展させる作用を発揮する為である。このようなメタクリル酸メチルクロスポリマーは、乳化重合などにより調整し用いることも出来るが、既に市販品が存するので、かかる市販品を購入して利用することもできる。好ましい市販品としては、「チュウクウビーズ」、「ミクロチュウクウビーズ」、「マイクロスフェア(登録商標)M−330」(いずれも松本油脂製薬株式会社製)等が好ましく例示できる。かかる成分を化粧料全体に対して、10〜30質量%、より好ましくは15〜25質量%含有させることが好ましい。これは少なすぎると肌に均一に拡がらず、前記効果を奏しない場合が存し、多すぎると使用感が損なわれ、化粧膜が薄くなりすぎて光学効果を奏しない場合が存するからである。
【0009】
(2)本発明の化粧料の必須成分である鱗片状ガラス
本発明の化粧料は、鱗片状ガラスを必須成分として含有することを特徴とする。このような鱗片状ガラスとは、国際公開公報WO2007/119395号に開示されている、二酸化珪素が52質量%以上、アルカリ金属酸化物が5質量%以下の鱗片状体質顔料である。本発明の化粧料に用いる鱗片状ガラスの平均粒径は、コールターカウンターを用いて求めることができるが、5〜30μmが好ましく、10〜25μmがさらに好ましい。又、該鱗片状ガラスの表面はハイドロジェンメチルポリシロキサン焼付、シリル化処理等シリコーン等で処理されていても良い。このような鱗片状ガラスには既に市販品が存し、かかる市販品を購入して利用することもできる。かかる市販品としては「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD010FY−F01」、「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD025FY−F02」、「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD025FY−F12」(いずれも日本板硝子株式会社製)等が好ましく例示できる。かかる市販品は1種のみを用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。通常かかる粉体は、平面性が高いが故に皮膚への密着性に優れ、それ故、粉末化粧料に於いては、均一に適度な化粧膜厚で広がることは困難であったが、前記アクリル樹脂球状粉体との組合せによって、本発明の化粧料に於いては、塗布時に前記球状粉体の肌への拡がりを容易にし、かつ均一ならしめることによって自然なつや感を演出することが可能となる。このような効果を発揮するためには、かかる成分を化粧料全体に対して、20〜40質量%、より好ましくは25〜35質量%含有させることが好ましい。これは少なすぎると自然なつや感を演出できない場合が存し、多すぎると前記球状粉体を均一に拡げることができないためである。また、かかる成分と前記アクリル樹脂球状粉体との質量比は、アクリル樹脂球状粉体1質量部に対して鱗片状ガラス1.0〜2.3質量部であることが好ましい。
【0010】
本発明の化粧料においては、かかる成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、通常化粧料で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油等の油脂類、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、赤酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ− 5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH 、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等、フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。これらの内、特に好ましい成分としては、分岐脂肪酸のエステル及び/又はトリグリセライドが好適に例示でき、かかる分岐脂肪酸残基としては、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソステアリン酸残基、オクチルドデカン酸などが好ましく例示でき、2−エチルヘキサン酸残基、イソノナン酸残基、イソステアリン酸残基が特に好ましい。また、アルコール残基としては、セチルアルコール残基、イソノニルアルコール残基等が好適に例示できる。具体的な成分としては、エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸トリグリセリドなどが好適に例示できる。かかる成分は、1〜5質量%含有することが好ましい。これらの必須成分と任意成分とを常法に従って処理することにより、本発明の化粧料は製造できる。
【0011】
以下に、本発明について、更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことはいうまでもない。
【実施例】
【0012】
<実施例1〜3>
表1に示す処方に従って、本発明のメークアップ化粧料を製造した。処方成分の数字は質量%を示す。即ち、処方成分イをヘンシェルミキサーで混合し、しかる後に、0.9mm丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、ヘンシェルミキサーに仕込み、これを攪拌下、処方成分ロを噴霧してコーティングし、これを、1.5mmヘリングボーンスクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、金皿に充填して加圧成形し、本発明のメークアップ化粧料である、パウダーファンデーション1を得た。同様に操作して、パウダーファンデーション1の「チュウクウビーズ」を表2に示す球状粉体に置換したパウダーファンデーション2、3、比較例1〜5も作製した。なお表2には、パウダテスタ PT−S(ホソカワミクロン株式会社製)にて測定した、各粉体の安息角と崩壊角も示す。
【0013】
【表1】

【0014】
【表2】

【0015】
<実施例4〜6>
表3に示す処方に従って、実施例1と同様に操作して本発明のパウダーファンデーション4〜6を得た。同様に操作して、パウダーファンデーション4〜6の「チュウクウビーズ」を板状粉体のタルクに置換した比較例6〜8を、パウダーファンデーション4〜6の「マイクログラス(登録商標) シルキーフレークTM FTD025FY−F02」を平均粒径が80μmである鱗片状ガラスの市販品「メタシャイン(登録商標)MC1080RS」(日本板硝子株式会社製)に置換した比較例9〜11も作製した。
【0016】
【表3】

【0017】
<試験例1>
専門パネラー3名を用いて、パウダーファンデーション1〜3、比較例1〜5の「化粧料ののび」について、実使用条件下での比較評価を行った。テスト期間は1ヶ月設け、それぞれの化粧料をテスト期間中に少なくとも3回は実使用してもらい、必要があれば、再度使用してもらい、下記に示すスコアの基準で評価してもらった。結果を例数として表4に示す。「化粧料ののび」は、パウダーファンデーション1〜3が優れるものであることは全てのパネラーの認めるところであった。

【0018】
【表4】

【0019】
<試験例2>
専門パネラー3名を用いて、パウダーファンデーション4〜6、比較例6〜11について、「自然なつや感」と「健康的な仕上がり感」について、実使用条件下での比較評価を行った。テスト期間は1ヶ月設け、それぞれの化粧料をテスト期間中に少なくとも3回は実使用してもらい、必要があれば、再度使用してもらい、試験例と同じスコアの基準で評価してもらった。結果を例数として表5に示す。本発明のウダーファンデーション4〜6のメークアップ効果が優れるものであることは全てのパネラーの認めるところであった。なお、試験例2の効果を数値として確認するため、上腕内側部に設けた2cm×4cmの部位に40mgの化粧料を塗布し、グロスメータVGS−SENSOR(日本電色工業製)にて入射45度、受光45度のグロス値(Gs(45°))を計測した。その値も表5に併せて示した。
【0020】
【表5】

【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明はファンデーションなどの化粧料に応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)アクリル樹脂球状粉体10〜30質量%と、2)平均粒径が5〜30μmである鱗片状ガラス20〜40質量%とを含有することを特徴とする、メークアップ化粧料。
【請求項2】
前記アクリル樹脂球状粉体は、メタクリル酸メチルクロスポリマーであることを特徴とする、請求項1に記載のメークアップ化粧料。
【請求項3】
前記アクリル樹脂球状粉体は、中空構造を有することを特徴とする、請求項1乃至2に記載のメークアップ化粧料。
【請求項4】
前記鱗片状ガラスと前記アクリル樹脂球状粉体との質量比は、アクリル樹脂球状粉体1質量部に対して鱗片状ガラス1.0〜2.3質量部であることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載のメークアップ化粧料。
【請求項5】
固形粉末化粧料であることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載のメークアップ化粧料。

【公開番号】特開2010−174006(P2010−174006A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−21634(P2009−21634)
【出願日】平成21年2月2日(2009.2.2)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】