説明

モジュール、割り込みコントローラ、動作方法、画像処理装置、画像形成装置、プログラム及び記録媒体

【課題】複数の割り込み要因を持つモジュールからの割り込みが発生した後と、複数の割り込み要因を持つモジュールからの1割り込み要因クリア処理が終了した後の、割り込み処理を高速化するモジュール及び割り込みコントローラを提供する。
【解決手段】複数の割り込み要因を持ち、割り込み要因毎に割り込み通知マスクを設定する割り込み通知マスク手段を有したモジュールであって、割り込み通知マスク手段により割り込み通知マスク設定が解除された複数の割り込み要因のなかで、少なくとも1以上の割り込み要因が発生した場合にパルス信号を出力し、当該モジュールでの割り込み要因発生を割り込みコントローラに通知する割り込み通知手段と、通知した割り込み要因がクリアされる前に他の割り込み要因が発生した場合には、割り込み通知手段が割り込みコントローラに対して割り込み要因発生を通知することを遮断する通知遮断手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム集積回路(以下「システムLSI」という。)等に搭載される割り込み制御装置であるモジュール、割り込みコントローラ、動作方法、画像処理装置、画像形成装置、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
LSIの高集積化に伴い、LSIからCPU(Central Processing Unit)に通知する割り込み要因も増大する。このため、LSIの基本制御の中で割り込み処理を多く用いた場合、各割り込み要因処理の中で共通する割り込み処理時間を短縮することで、システム全体の処理時間も短縮することができる。
【0003】
LSIとCPUとのI/Fとして、PCI−Express(登録商標)が普及している。従来のPCI(Peripheral Component Interconnect)バスに比べレジスタ・リード・レスポンスが遅いことから、レジスタリード制御を含む従来の割り込み制御をした場合、割り込み処理速度が従来と比べて遅くなるという問題がある。
【0004】
PCI−Expressから追加された新たな規格一つとして、メモリライトパケットによりCPUに割り込みを通知する「MSI割り込み」がある。
【0005】
MSI(Message Signaled Interrupt)割り込みのメリットとして、CPUがLSIの割り込み要因レジスタをリードする手順を踏まずに、LSIから発行されるメモリライトパケット内の割り込みIDを識別することで、最大32要因の特定が可能ということが挙げられる。
【0006】
MSIパケット生成手段として、複数の割り込み要因を持ったモジュールからの割り込み通知信号の立ち上がりエッジをトリガとしてMSIを生成する手段が一般的である。
【0007】
LSIが持つ全割り込み要因が32種類以上ある場合、32種類以上の割り込み要因を、32個の「割り込みグループ」に振り分け、割り込みグループを表すIDを含んだMSIを発行する手段が一般的である。
【0008】
また、割り込みグループを各ファンクションに振り分けるのが一般的である(要するに、特定のIDは、特定のファンクションを表す)。また、割り込みグループの優先度を振り分け、優先度の高い順にMSIを生成するのが一般的である。
【0009】
複数割り込み要因を持つファンクションから、割り込みコントローラへの、割り込み発生通知信号がレベル信号である場合、割り込み要因の取りこぼし防止のために、割り込み通知マスクレジスタをリード・モディファイ・ライトする必要がある(図2の3)〜5)のフロー参照)。
【0010】
さらに、割り込み要因クリア処理後に、クリア処理を施した要因以外の割り込み要因の取りこぼしを防ぐために、割り込み通知マスクレジスタにライトアクセスをする必要がある(図2の9)のフロー参照)。
【0011】
従来のMSI処理手順の中で、前述した図2の処理手順3)〜5)、及び9)が必要である理由としては、以下の2点が挙げられる。
【0012】
1つ目は、MSIパケット生成回路であるINTCが、複数の割り込み要因を持つモジュールからの割り込み通知信号の立ち上がりエッジをトリガとしてMSIを生成する実装都合による。
【0013】
2つ目は、複数の割り込み要因を持つモジュールであるFUNC_Aが、複数の割り込み要因の論理和を割り込み通知信号としてMSIパケット生成回路であるINTCに通知する実装都合による。
【0014】
上記の2つの実装都合のため、割り込み通知マスク制御をしない場合、割り込み要因1が発生し、割り込み要因1の割り込みクリア処理をしている間に、別の割り込み要因2が発生した場合、割り込み通知信号はアサート(割り込み要求、assert)されたままの状態となり、MSIパケット生成回路であるINTC4はエッジトリガを検出できないため、MSIをCPUに対して通知できない。つまり、割り込み要因2をソフトウェアが取りこぼす可能性があるという問題があった。
【0015】
例えば特許文献1においては、優先順位の高い割り込みを優先し、割り込み終了時に割り込み要求をインアクティブにする前に割り込み終了の通知が出されてしまうような場合に誤った動作をしてしまうという課題を解決するために、割り込み要因クリアアクセスから割り込み要因信号がクリアされるまで、ゲート手段からレベル割り込み信号が出力されない、比較的簡単な回路構成による処理で、不正割り込みの出力といった誤った動作を防止できるという発明が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
特許文献1に記載されている方法は、割り込み自動マスク機能は有しているが、割り込みマスク解除機能は有していないために、実装の場合、複数割り込み要因がアサートされた後に1要因がクリアされても、自動割込み再通知処理が不可能であるという問題があった。
【0017】
また、複数割り込み要因を持つファンクションから、割り込みコントローラへの、割り込み発生通知信号がレベル信号である場合、割り込み要因の取りこぼし防止のために、割り込み通知マスクレジスタをリード・モディファイ・ライトする必要があり、さらに割り込み要因クリア処理後に、クリア処理を施した要因以外の割り込み要因の取りこぼしを防ぐために、割り込み通知マスクレジスタにライトアクセスをする必要がある。
【0018】
しかし高速な割り込み処理をするためには、上記の割り込み通知マスクレジスタをリード・モディファイ・ライトする処理と割り込み通知マスクレジスタにライトアクセスをする処理を省略しなければならないという問題があった。
【0019】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、複数の割り込み要因を持つモジュールからの割り込みが発生した後と、複数の割り込み要因を持つモジュールからの1割り込み要因クリア処理が終了した後の、割り込み処理を高速化するモジュール及び割り込みコントローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するため、本発明に係るモジュールは、複数の割り込み要因を持ち、割り込み要因毎に割り込み通知マスクを設定する割り込み通知マスク手段を有したモジュールであって、割り込み通知マスク手段により割り込み通知マスク設定が解除された複数の割り込み要因のなかで、少なくとも1以上の割り込み要因が発生した場合にパルス信号を出力し、当該モジュールでの割り込み要因発生を割り込みコントローラに通知する割り込み通知手段と、通知した割り込み要因がクリアされる前に他の割り込み要因が発生した場合には、割り込み通知手段が割り込みコントローラに対して割り込み要因発生を通知することを遮断する通知遮断手段と、を有することを特徴とする。
【0021】
また本発明に係る割り込みコントローラは、複数の割り込み要因が発生している状況で、少なくとも1つの割り込み要因がクリアされた場合にパルス信号を出力し、当該モジュールでの割り込み要因発生を割り込みコントローラに再度通知する割り込み再通知手段を有する複数のモジュールと接続する接続手段と、複数のモジュールから当該モジュールでの割り込み要因発生を割り込みコントローラに通知する割り込み通知手段により通知される前記パルス信号を取得するパルス信号ラッチ手段と、取得されたパルス信号のエッジトリガに基づいて、当該モジュールの割り込み要因発生を示すMSI割り込みを生成して出力するMSI生成出力手段と、予め設定された優先度に基づいてMSI生成出力手段により生成したMSI割り込みの出力順番を調整するMSI出力調整手段と、を有することを特徴とする。
【0022】
また本発明に係るモジュールの動作方法は、複数の割り込み要因を持ち、割り込み要因毎に割り込み通知マスクを設定する割り込み通知マスク工程を有したモジュールの動作方法であって、割り込み通知マスク工程により割り込み通知マスク設定が解除された複数の割り込み要因のなかで、少なくとも1以上の割り込み要因が発生した場合にパルス信号を出力し、当該モジュールでの割り込み要因発生を割り込みコントローラに通知する割り込み通知工程と、通知した割り込み要因がクリアされる前に他の割り込み要因が発生した場合には、割り込み通知工程が割り込みコントローラに対して割り込み要因発生を通知することを遮断する通知遮断工程と、を有することを特徴とする。
【0023】
また本発明に係る割り込みコントローラの動作方法は、複数の割り込み要因が発生している状況で、少なくとも1つの割り込み要因がクリアされた場合にパルス信号を出力し、当該モジュールでの割り込み要因発生を割り込みコントローラに再度通知する割り込み再通知手段を有する複数のモジュールと接続する接続工程と、複数のモジュールから当該モジュールでの割り込み要因発生を割り込みコントローラに通知する割り込み通知工程と、割り込み通知工程により通知されるパルス信号を取得するパルス信号ラッチ工程と、取得されたパルス信号のエッジトリガに基づいて、当該モジュールの割り込み要因発生を示すMSI割り込みを生成して出力するMSI生成出力工程と、予め設定された優先度に基づいてMSI生成出力工程により生成したMSI割り込みの出力順番を調整するMSI出力調整工程と、を有することを特徴とする。
【0024】
また本発明に係る割り込みプログラムは、上記に記載のモジュールの動作方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0025】
また本発明に係る割り込みプログラムは、上記に記載の割り込みコントローラの動作方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0026】
また本発明に係る記録媒体は、上記に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な媒体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明により、高速なMSI割り込みに適用できる、複数の割り込み要因を持つモジュールからの割り込みが発生した後と、複数の割り込み要因を持つモジュールからの1割り込み要因クリア処理が終了した後の、割り込み処理を高速化するモジュール及び割り込みコントローラを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係るASICの構成図である。
【図2】従来のMSI割り込み制御フロー図である。
【図3】高速化のために削減したいMSI割り込み処理を示す図である。
【図4】従来の実装を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るASIC全体構成を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係るASICの動作の流れを示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るFUNC_A2の内部構成を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るUSBのDMAディスクリプタ構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明に係る実施形態の全体構成について以下に説明する。
【0030】
(ASIC(Application Specific Integrated Circuit)全体構成)
【0031】
図1は、本発明の実施形態に係るASICの構成図である。ASIC1は複数の割り込み要因を持つモジュールFUNC_A2とFUNC_BとMSI生成回路INTC4とCPU6とのI/FであるPCI−Express5とを備えて構成される。
【0032】
図2は、従来のMSI割り込み制御フロー図である。
【0033】
従来の割り込み制御の流れを説明する。1)FUNC_Aは、自身の割り込み要因が1つでも発生したら、INTCに通知する。2)INTCは、FUNC_Aの割り込み通知を受け、CPUにMSIを発行する。3)CPUは、FUNC_Aの割り込みマスクレジスタ・リードリクエストを発行する。4)CPUは、FUNC_Aからの割り込みマスクレジスタ・リードデータを受信する。5)CPUは、FUNC_Aの割り込みマスクレジスタ・ライトリクエストを発行する。6)CPUは、FUNC_Aの割り込みステータスレジスタ・リードリクエストを発行する。7)CPUは、FUNC_Aの割り込みステータスレジスタ・リードデータを受信する。8)CPUは、FUNC_Aの割り込み要因クリア処理を実施する。9)CPUは、FUNC_Aの割り込みマスクレジスタ・ライトリクエストを発行する。
【0034】
図3は、高速化のために削減したいMSI割り込み処理を示す図である。
【0035】
削減したい処理としては、3)CPUは、FUNC_Aの割り込みマスクレジスタ・リードリクエストを発行する工程と、4)CPUは、FUNC_Aからの割り込みマスクレジスタ・リードデータを受信する工程と、5)CPUは、FUNC_Aの割り込みマスクレジスタ・ライトリクエストを発行する工程と、9)CPUは、FUNC_Aの割り込みマスクレジスタ・ライトリクエストを発行する工程と、の4つの処理手順である。
【0036】
図4は、従来の実装を示す図である。従来の冗長な処理として、FUNC_Aが持つ各割り込み要因の論理和を、INTCにレベルで渡していること、及びFUNC_Aからのレベル信号立ち上がりを見て、MSI割り込みを発生させていること、の2つが大きな要因としてあげられる。
【0037】
図5は、本発明に係る実施形態におけるASIC全体構成を示す図である。
【0038】
複数の割り込み要因を持つモジュールFUNC_A2は、自身の持つ割り込み要因が1つでも発生したら、パルス信号でMSI生成回路INTC4に通知する。
【0039】
また、複数の割り込み要因を持つモジュールFUNC_A2は、自身の持つ割り込み要因が2つ以上発生した状態で、発生している割り込み要因のうち1要因でもクリアされたら、再度パルス信号でMSI生成回路INTC4に通知する。
【0040】
MSI生成回路INTC4は、複数の割り込み要因を持つモジュールFUNC_A2からの割り込み通知パルス信号をラッチ(データ取得)する。
【0041】
また、MSI生成回路INTC4は、割り込み通知信号をラッチしたタイミングで、他の割り込みグループ(例えばFUNC_B3)に対するMSI生成処理を行っている場合、MSI生成処理終了時点でのラッチした割り込みグループの優先度を判別し、MSIを生成する。
【0042】
また、MSI生成回路INTC4は、割り込み通知信号をラッチしたタイミングで、他の割り込みグループに対するMSI生成処理を行っていない場合、ラッチした割り込みグループのMSIを生成する。
【0043】
また、MSI生成回路INTC4は、ある割り込みグループに対するMSI生成処理が終了した時点で、その割り込みグループに対応した割り込み通知ラッチ信号を自動的にクリアする。
【0044】
図6は、ASICの動作の流れを示す図である。以下に割り込みのフローを説明する。
【0045】
複数の割り込み要因を持つモジュールFUNC_A2は、自身の持つ割り込み要因が1つでも発生する(ステップS100)と、パルス信号を生成してMSI生成回路INTC4に通知する(ステップS101)。
【0046】
MSI生成回路INTC4は、複数の割り込み要因を持つモジュールFUNC_A2からの割り込み通知パルス信号をラッチ(データ取得)して、CPU6に対してMSI生成処理をする(ステップS102)。
【0047】
次に、CPU6はFUNC_A2の割り込み要因をクリア処理する(ステップS103)。
【0048】
FUNC_A2は、自身の割り込み要因が複数発生した場合(ステップS104)に、1つの要因がクリア処理されたかを判断する(ステップS105)。クリア処理されていない場合(ステップS105、NO)は、判断を繰り返す。
【0049】
クリア処理された場合(ステップS105、YES)は、その時点でINTC4に対して再度パルス信号を生成して通知する(ステップS106)。INTC4はモジュールFUNC_A2からの割り込み通知パルス信号をラッチ(データ取得)して、CPU6に対してMSI生成処理をする(ステップS107)。
【0050】
次に、本発明に係る実施形態のFUNC_A2の内部構成を以下に説明する。
(FUNC_A2の内部構成)
図7は、本発明に係る実施形態におけるFUNC_A2の内部構成を示す図である。
【0051】
図7のエリア1における「要因:A_0〜A_31」は、割り込み要因A_0〜A_31が発生したことを検知した場合、検知状態をレジスタ20に反映し、図7のエリア2のマスク:A_0〜A_31に信号をアサートする。
【0052】
図7のエリア2における「マスク:A_0〜A_31」は、割り込みマスクレジスタ21の設定が「マスク有効設定」であった場合は、エリア3の割り込みラッチ回路22へ信号をアサートしない。割り込みマスクレジスタ21の設定が「マスク無効設定」であった場合は、図7のエリア3の割り込みラッチ回路22へ信号をアサートする。
【0053】
図7のエリア3における「割り込み要因ラッチ回路22」は、FUNC_A2に入力されるクロック同期で、図7のエリア2の「マスク:A_0〜A_31」回路から受信した信号をラッチする。そして、「マスク:A_0〜A_31」回路から受信した信号を1クロック遅延させて、図7のエリア4の「割り込み要因保持回路23」、および図7のエリア5の「割り込み要因比較回路24」へ出力する。
【0054】
図7のエリア4の「割り込み要因保持回路23」は、FUNC_2に入力されるクロック同期で、図7のエリア3の「割り込み要因ラッチ回路22」から受信した信号をラッチする。そして、「割り込み要因ラッチ回路22」から受信した信号を1クロック遅延させて、割り込み比較回路24へ出力する。
【0055】
図7のエリア5の「割り込み要因比較回路24」は、図7のエリア3の「割り込み要因ラッチ回路22」と、図7のエリア4の「割り込み要因保持回路23」の出力状態を比較し、下記条件(1)、(2)がともに成立したタイミングで、割り込みパルス信号をINTC4へ出力する。
【0056】
条件(1):「割り込み要因ラッチ回路22」からの出力状態、及び「割り込み要因保持回路23」の出力状態が、共に「0」ではない。
【0057】
条件(2):「割り込み要因保持回路23」の出力状態が、「割り込み要因ラッチ回路22」の出力状態に比べ、多くの割り込み要因ビットがアサートされている状態を保持している。
【0058】
(実施形態の一例)
USBのDMA(Direct Memory Access)転送中の割り込み処理を例として以下に説明する。
【0059】
図8は、USBのDMAディスクリプタ構成を示す図である。1バンド毎のディスクリプタをチェーンでつなぎ、リング構成となっている。
【0060】
上記各ディスクリプタは、4KBのメモリ上の受信バッファ領域に対応する。
【0061】
各バンド転送が終了した時点で、PAUSE割り込みが発生し、Continue(前述した割り込み要因クリア処理に相当する)処理を実施する。
【0062】
この処理を実施する際も、従来の実装では割り込み通知マスクレジスタ21に対してリード・モディファイ・ライトを実施する必要がある。
【0063】
例えば、256MBのUSBのDMA受信動作をする場合、256KB/4KB=64バンドのチェーン動作を実施する必要がある。つまり、割り込み通知マスクレジスタ21に対し64回のリードアクセスを実施する必要がある。
【0064】
PCIE x1レーン構成の場合、1リードアクセスに対して、約200ns要する。上記の実施形態によれば、上記処理を200ns×64=12.8μsと早くすることが可能となり、処理の高速化が可能となる。
【0065】
上記の実施形態によれば、複数の割り込み要因を持つモジュールからの割り込みが発生した後の、割り込み処理を高速化することが可能となる。
【0066】
また上記の実施形態によれば、複数の割り込み要因を持つモジュールからの1割り込み要因クリア処理が終了した後の、割り込み処理を高速化することが可能となる。
【0067】
また上記の実施形態によれば、上記の割り込み処理の高速化をMSI割り込みに適用することが可能となる。
【0068】
また本発明に係るモジュールは、複数の割り込み要因が発生している状況で、少なくとも1つの割り込み要因がクリアされた場合にパルス信号を出力し、当該モジュールでの割り込み要因発生を割り込みコントローラに再度通知する割り込み再通知手段を有することを特徴とする。
【0069】
また本発明に係る画像処理装置は、上記に記載のモジュールを搭載したことを特徴とする。
【0070】
また本発明に係る画像処理装置は、上記に記載の割り込みコントローラを搭載したことを特徴とする。
【0071】
また本発明に係る画像形成装置は、上記に記載の画像処理装置を有することを特徴とする。
【0072】
また本発明に係るモジュールの動作方法は、複数の割り込み要因が発生している状況で、少なくとも1つの割り込み要因がクリアされた場合にパルス信号を出力する工程と、当該モジュールでの割り込み要因発生を割り込みコントローラに再度通知する割り込み再通知工程と、を有することを特徴とする。
【0073】
また、先に述べてきたモジュールや割り込みコントローラを搭載した画像処理装置によっても、本発明は実効的に実施される。
【0074】
また、先に述べてきたモジュールや割り込みコントローラを搭載した画像形成装置によっても、本発明は実効的に実施される。
【0075】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である
【0076】
すなわち、上記した実施形態のモジュールや割り込みコントローラは、プログラムの命令によりコンピュータで実行される処理、手段、機能によって動作する。当該プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、先に述べたような所定の処理や機能を実行する。
【0077】
このように、上記実施形態のモジュールや割り込みコントローラにおける各処理や手段は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現されるものである。
【0078】
そして、上記実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、すなわち記憶メディアを介して、画像処理装置や画像形成装置のコンピュータ(CPUやMPU)が記憶メディアに格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、本発明の目的は達成される。
【0079】
また、プログラムは、記録メディアを介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもでき、これによっても同様に本発明の目的は達成される。
【0080】
この場合、記憶メディアから読み出された又は通信回線を通じてロードし実行されたプログラムコード自体が前述の実施形態の機能を実現することになる。そして、そのプログラムコードを記憶した記憶メディアは本発明を構成する。
【0081】
また、プログラムコードを供給するための記憶メディアとしては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、不揮発性のメモリカード、ROM、磁気テープ等を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明によれば、モジュール、割り込みコントローラ、画像処理装置及び画像形成装置などの用途に適用できる。
【符号の説明】
【0083】
1 ASIC
2 FUNC_A
3 FUNC_B
4 INTC
5 PCI−Expess
6 CPU
20 割り込み要因レジスタ
21 割り込みマスクレジスタ
22 割り込み要因ラッチ回路
23 割り込み要因保持回路
24 割り込み要因比較回路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0084】
【特許文献1】特開2007−280128号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の割り込み要因を持ち、割り込み要因毎に割り込み通知マスクを設定する割り込み通知マスク手段を有したモジュールであって、
前記割り込み通知マスク手段により割り込み通知マスク設定が解除された複数の割り込み要因のなかで、少なくとも1以上の割り込み要因が発生した場合にパルス信号を出力し、当該モジュールでの割り込み要因発生を割り込みコントローラに通知する割り込み通知手段と、
前記通知した割り込み要因がクリアされる前に他の割り込み要因が発生した場合には、前記割り込み通知手段が前記割り込みコントローラに対して割り込み要因発生を通知することを遮断する通知遮断手段と、
を有することを特徴とするモジュール。
【請求項2】
複数の割り込み要因が発生している状況で、少なくとも1つの割り込み要因がクリアされた場合にパルス信号を出力し、当該モジュールでの割り込み要因発生を割り込みコントローラに再度通知する割り込み再通知手段を有することを特徴とする請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
複数の割り込み要因が発生している状況で、少なくとも1つの割り込み要因がクリアされた場合にパルス信号を出力し、当該モジュールでの割り込み要因発生を割り込みコントローラに再度通知する割り込み再通知手段を有する複数のモジュールと接続する接続手段と、
複数の前記モジュールから当該モジュールでの割り込み要因発生を割り込みコントローラに通知する割り込み通知手段により通知される前記パルス信号を取得するパルス信号ラッチ手段と、
取得された前記パルス信号のエッジトリガに基づいて、当該モジュールの割り込み要因発生を示すMSI割り込みを生成して出力するMSI生成出力手段と、
予め設定された優先度に基づいて前記MSI生成出力手段により生成した前記MSI割り込みの出力順番を調整するMSI出力調整手段と、
を有することを特徴とする割り込みコントローラ。
【請求項4】
請求項1または2に記載のモジュールを搭載したことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項3に記載の割り込みコントローラを搭載したことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の画像処理装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
複数の割り込み要因を持ち、割り込み要因毎に割り込み通知マスクを設定する割り込み通知マスク工程を有したモジュールの動作方法であって、
前記割り込み通知マスク工程により割り込み通知マスク設定が解除された複数の割り込み要因のなかで、少なくとも1以上の割り込み要因が発生した場合にパルス信号を出力し、当該モジュールでの割り込み要因発生を割り込みコントローラに通知する割り込み通知工程と、
前記通知した割り込み要因がクリアされる前に他の割り込み要因が発生した場合には、前記割り込み通知工程が前記割り込みコントローラに対して割り込み要因発生を通知することを遮断する通知遮断工程と、
を有することを特徴とするモジュールの動作方法。
【請求項8】
複数の割り込み要因が発生している状況で、少なくとも1つの割り込み要因がクリアされた場合にパルス信号を出力し、当該モジュールでの割り込み要因発生を割り込みコントローラに再度通知する割り込み再通知工程を有することを特徴とする請求項7に記載のモジュールの動作方法。
【請求項9】
複数の割り込み要因が発生している状況で、少なくとも1つの割り込み要因がクリアされた場合にパルス信号を出力し、当該モジュールでの割り込み要因発生を割り込みコントローラに再度通知する割り込み再通知手段を有する複数のモジュールと接続する接続工程と、
複数の前記モジュールから当該モジュールでの割り込み要因発生を割り込みコントローラに通知する割り込み通知工程と、
前記割り込み通知工程により通知される前記パルス信号を取得するパルス信号ラッチ工程と、
取得された前記パルス信号のエッジトリガに基づいて、当該モジュールの割り込み要因発生を示すMSI割り込みを生成して出力するMSI生成出力工程と、
予め設定された優先度に基づいて前記MSI生成出力工程により生成した前記MSI割り込みの出力順番を調整するMSI出力調整工程と、
を有することを特徴とする割り込みコントローラの動作方法。
【請求項10】
請求項7または8に記載のモジュールの動作方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項9に記載の割り込みコントローラの動作方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項10または11に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−53955(P2011−53955A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202813(P2009−202813)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】