説明

モジュールユニット装置

【課題】安価に直接モジュール間の接続を実現でき、確実な電気的接続が確保出来るモジュールユニット装置を実現する。
【解決手段】四角形状をなす複数のモジュールユニットと、この複数のモジュールユニットが鉛直方向に積層状に挿入配置されるモジュールユニットケースとを具備するモジュールユニット装置において、モジュールユニットケースと隣接するモジュールユニット、或はモジュールユニットとこれに隣接するモジュールユニットとを、モジュールユニットケースの前方より、ジャンパー接続端子が設けられたコネクタブロックで互いの電気的接続を得られるようにされたモジュールユニット装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュールユニット装置に関するものである。
更に詳述すれば、簡潔な構成により、安価に直接モジュール間の接続を実現でき、確実な電気的接続が確保出来るモジュールユニット装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図8は従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図、図9は図8の要部構成説明図、図10は図8の組立て説明図である。
図において、複数のモジュールユニット2は、四角形状をなす。
モジュールユニットケース1は、この複数のモジュールユニット2が、鉛直方向に積層状に挿入配置される。
【0003】
モジュールユニットケース1とモジュールユニット2との電気的接続は、モジュールユニットケース1の背面に設けられたバックボードのプリント基板3に設けられた雄コネクタ4とモジュールユニット2に設けられた雌コネクタ5とが、図10に示す如く、コネクタ接続されることにより得られる。
コネクタ接続に使われる部品は、通常市販のコネクタをプリント基板3上に設けて接続している。例えば、PSコネクタ等が使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−042086号公報
【特許文献2】特開2010−135697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような装置においては、以下の問題点がある。
市販コネクタの形状に依存し設計空間および配線方法に制約を受ける。
プリント基板3に半田付けされる構造のため、機器の背面の裏部分に設置されるので、接続の良否が設置後は確認できない。
【0006】
本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、簡潔な構成により、安価に直接モジュール間の接続を実現でき、確実な電気的接続が確保出来るモジュールユニット装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を達成するために、本発明では、請求項1のモジュールユニット装置においては、
四角形状をなす複数のモジュールユニットと、この複数のモジュールユニットが鉛直方向に積層状に挿入配置されるモジュールユニットケースとを具備するモジュールユニット装置において、
前記モジュールユニットの挿入後端面と上面との角部に設けられた第1の接続口と、前記モジュールユニットの挿入後端面と下面との角部に設けられた第2の接続口と、前記モジュールユニットに設けられたプリント基板と、このプリント基板の前記第1の接続口に設けられた電気接続用の第1の配線パターンと、前記プリント基板の前記第2の接続口に前記第1の接続口に対向して設けられた電気接続用の第2の配線パターンと、前記モジュールユニットケースに設けられたプリント基板と、このプリント基板の前記モジュールユニットの第1の接続口に対向する位置に設けられた電気接続用の第3の配線パターンと、前記モジュールユニットケースと前記モジュールユニットケースに隣接する前記モジュールユニットの第1の接続口或は前記モジュールユニットの第2の接続口と隣接する他の前記モジュールユニットの第1の接続口に挿入され絶縁材よりなり矩形状の複数のコネクタブロックと、このコネクタブロックの対向する平面に側面が露出し底面がこのコネクタブロック内に埋め込まれて設けられ前記モジュールユニットケースの第3の配線パターンと前記モジュールユニットケースに隣接する前記モジュールユニットの第1の配線パターン或は前記モジュールユニットの第2の配線パターンとこのモジュールユニットに隣接する前記モジュールユニットの第1の配線パターンとがそれぞれ電気的に接続され前記コネクタブロックの長手方向に互いに平行に配置された複数のコの字状のジャンパー接続端子と、前記コネクタブロックの長手方向に設けられ前記コネクタブロックが前記モジュールユニットのケースに突き当たるのを回避するケース回避溝と、を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1によれば、次のような効果がある。
バックボードプリント基板と市販のコネクタを必要とせず、簡潔な構成により、安価に直接モジュール間の接続を実現できるモジュールユニット装置が得られる。
モジュールユニット間の接続をモジュールユニットケースの前面で実施できることで、モジュールユニットの機能接続が目視でも管理出来、モジュールユニットの確実な電気的接続が確保出来るモジュールユニット装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例の要部構成説明図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図1の要部構成説明図である。
【図4】図3の要部構成説明図である。
【図5】図3の要部構成説明図である。
【図6】図5の要部構成説明図である。
【図7】図1の要部組立説明図である。
【図8】従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図である。
【図9】図8の要部構成説明図である。
【図10】図9の組立説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の要部構成説明図、図2は図1の正面図、図3は図1の要部構成説明図、図4は図3の要部構成説明図で、(a)は正面図、(b)は側面図、図5は図3の要部構成説明図で、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側断面図、図6は図5の要部構成説明図、図7は図1の要部組立説明図である。
図において、図8と同一記号の構成は同一機能を表す。
以下、図8との相違部分のみ説明する。
【0011】
図において、図3に示す如く、第1の接続口11は、モジュールユニット2の挿入後端面201と上面202との角部に設けられている。
第2の接続口12は、モジュールユニット2の挿入後端面201と下面203との角部に第1の接続口11に対向して設けられている。
プリント基板13は、モジュールユニット2に設けられている。
【0012】
電気接続用の第1の配線パターン14は,プリント基板13の第1の接続口に11設けられている。
電気接続用の第2の配線パターン15は、プリント基板13の記第2の接続口12に設けられている。
【0013】
プリント基板16は、モジュールユニットケース1に設けられている。
電気接続用の第3の配線パターン17は、プリント基板16のモジュールユニット2の第1の接続口11に対向する位置に設けられている。
【0014】
コネクタブロック18は、モジュールユニットケース1とモジュールユニットケース1に隣接するモジュールユニット2の第1の接続口11、或は、モジュールユニット2の第2の接続口12と隣接する他のモジュールユニット2の第1の接続口11に挿入され、絶縁材よりなり矩形状をなし、複数個設けられている。
【0015】
ジャンパー接続端子19は、図5に示す如く、コネクタブロック18の対向する平面181,182に側面191,193が露出し、底面192がこのコネクタブロック17内に埋め込まれて設けられている。
【0016】
ジャンパー接続端子19は、モジュールユニットケース1の第3の配線パターン17とモジュールユニットケース1に隣接するモジュールユニット2の第1の配線パターン14、或は、モジュールユニット2の第2の配線パターン15と、隣接するモジュールユニット2の第1の配線パターン14とがそれぞれ電気的に接続されている。
【0017】
ジャンパー接続端子19は、図6に示す如く、コネクタブロック17の長手方向Aに互いに平行に配置され、コの字状をなし、複数個設けられている。
ケース回避溝21は、コネクタブロック17の長手方向に設けられ、コネクタブロック17がモジュールユニット2のケースに突き当たるのを回避する。
【0018】
以上の構成において、モジュールユニットケース1にモジュールユニット2を、図1に示す如く、鉛直方向に積層状に挿入する。
【0019】
モジュールユニットケース1の前面より、コネクタブロック18が、モジュールユニットケース1とモジュールユニットケース1に隣接するモジュールユニット2の第1の接続口11、或は、モジュールユニット2の第2の接続口12と隣接する他のモジュールユニット2の第1の接続口11に挿入される。
【0020】
そして、モジュールユニットケース1の第3の配線パターン17とモジュールユニットケース1に隣接するモジュールユニット2の第1の配線パターン14、或は、モジュールユニット2の第2の配線パターン15と隣接するモジュールユニット2の第1の配線パターン14とがそれぞれ電気的に接続される。
【0021】
この結果、
バックボードプリント基板3とコネクタ4,5を必要とせず、簡潔な構成により、安価に直接モジュール2の間の接続を実現できるモジュールユニット装置が得られる。
モジュールユニット2の間の接続を、モジュールユニットケース1の前面で実施できることで、モジュールユニット2の機能接続が目視でも管理出来、モジュールユニット2の確実な電気的接続が確保出来るモジュールユニット装置が得られる。
【0022】
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。
したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
【符号の説明】
【0023】
1 モジュールユニットケース
2 モジュールユニット
201 挿入後端面
202 上面
203 下面
3 プリント基板
4 雄コネクタ
5 雌コネクタ
11 第1の接続口
12 第2の接続口
13 プリント基板
14 第1の配線パターン
15 第2の配線パターン
16 プリント基板
17 第3の配線パターン
171 平面
172 平面
18 コネクタブロック
19 ジャンパー接続端子
191 側面
192 底面
193 側面
21 ケース回避溝
A 長手方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形状をなす複数のモジュールユニットと、
この複数のモジュールユニットが鉛直方向に積層状に挿入配置されるモジュールユニットケースと、
を具備するモジュールユニット装置において、
前記モジュールユニットの挿入後端面と上面との角部に設けられた第1の接続口と、
前記モジュールユニットの挿入後端面と下面との角部に前記第1の接続口に対向して設けられた第2の接続口と、
前記モジュールユニットに設けられたプリント基板と、
このプリント基板の前記第1の接続口に設けられた電気接続用の第1の配線パターンと、
前記プリント基板の前記第2の接続口に設けられた電気接続用の第2の配線パターンと、
前記モジュールユニットケースに設けられたプリント基板と、
このプリント基板の前記モジュールユニットの第1の接続口に対向する位置に設けられた電気接続用の第3の配線パターンと、
前記モジュールユニットケースと前記モジュールユニットケースに隣接する前記モジュールユニットの第1の接続口或は前記モジュールユニットの第2の接続口と隣接する他の前記モジュールユニットの第1の接続口に挿入され絶縁材よりなり矩形状の複数のコネクタブロックと、
このコネクタブロックの対向する平面に側面が露出し底面がこのコネクタブロック内に埋め込まれて設けられ前記モジュールユニットケースの第3の配線パターンと前記モジュールユニットケースに隣接する前記モジュールユニットの第1の配線パターン或は前記モジュールユニットの第2の配線パターンとこのモジュールユニットに隣接する前記モジュールユニットの第1の配線パターンとがそれぞれ電気的に接続され前記コネクタブロックの長手方向に互いに平行に配置された複数のコの字状のジャンパー接続端子と、
前記コネクタブロックの長手方向に設けられ前記コネクタブロックが前記モジュールユニットのケースに突き当たるのを回避するケース回避溝と、
を具備したことを特徴とするモジュールユニット装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−226861(P2012−226861A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91018(P2011−91018)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】