説明

モジュール式廃水浄化システムおよび使用方法

本発明は、現場の清浄化または汚染除去作業の間に生成された廃水中の汚染物質を中和もしくは除去する複数の処理プロセスを用いるモジュール式廃水処理システムに関し、特に、生体有害的な事件または国家防衛的な事件に関する清浄化または汚染除去に起因する廃水の処理法であって、攻撃に使用された生物兵器もしくは化学物質と、使用される清浄化方法とに関する現場固有条件に適合可能な処理法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現場の清浄化または汚染除去作業の間に生成された廃水中の汚染物質を中和もしくは除去する複数の処理プロセスを用いるモジュール式廃水処理システムに関し、特に、生体有害的なテロ事件または国家防衛的な事件に関する清浄化または汚染除去に起因して生成される廃水の処理法であって、攻撃に使用された生物兵器もしくは化学物質と、使用される清浄化方法とに関する現場固有条件に適合可能な処理法に関する。
【背景技術】
【0002】
生体有害的または国家防衛的な事件に関する清浄化または汚染除去に起因する廃水の処理に対して設計された技術は、極めて多様であり得ると共に、概略的には、攻撃に使用された生物兵器もしくは化学物質と、使用される清浄化方法とに関する現場固有条件に対して適合されねばならない。与えられた用途における目標成分は多様であり得ると共に特定技術の単位プロセスは変化し得る一方、全ての現場汚染除去プロジェクトは多くの共通要因により影響される。典型的に当該技術は、汚泥と、砂塵と、油性残渣と、可溶性有機物と、現場表面を洗浄すべく使用される強力な洗浄溶液とを取り扱う。処理済み流出液に対する要件としては、アルカリ度、界面活性剤(MBAS)、オイルおよびグリース(O&G)、懸濁物質総量(TSS)、5日間の生物化学的酸素要求量(BOD5)、化学的酸素要求量(COD)、アンモニア、全ケルダール窒素(TKN)および全リンなどの共通する指標パラメータにより測定された一般的な汚染物質に対する連邦、州および地方の基準を満足し得ることが挙げられる。
【0003】
現在、これらの生体有害的な廃水を処理するために適用もしくは考慮されている典型的な技術としては、化学処理(反応、中和、凝集など)、固体分離(遠心分離、沈降、濾過)、炭素吸着、E33媒体濾過、限外濾過、逆浸透、および、類似のプロセスが挙げられる。殆どの用途においては、廃水内に存在する複数の成分に対処するために、これらの技術の組み合わせが必要とされる。
【0004】
代表的な先行技術の処理システムは、塩素接触、混合媒体濾過および逆洗用貯溜を含む系統的な三元式の流出液浄化システムに関する米国特許第5,407,572号(特許文献1)に例示されている。
【0005】
バイオテロなどの出来事を処理する上での本来的な問題は、高度の消毒が必要とされることから典型的には塩素であるハロゲン消毒剤が極めて高いレベルで使用されるべきであれば下流処理が問題とされる、という事実に在る。たとえば流出液を運用に戻すために自治体の上水道が汚染除去されるべき場合でも、極度に高レベルの消毒剤の故に、逆浸透および限外濾過などの処理は利用できない。更に、バイオテロの解決に対して使用されるシステムは、基礎となる上記問題を悪化させない様に、生成される流出液を本質的にゼロとせねばならない。
【特許文献1】米国特許第5,407,572号
【発明の開示】
【0006】
発明の要約
本発明は、現場の生体有害的な清浄化または汚染除去作業の間に生成した廃水中の汚染物質を中和もしくは除去する複数の処理プロセスを使用するモジュール式廃水処理システムに関する。基本システムは、特定の現場状況に基づく初期化学処理を提供すべく化学物質添加および反応/接触タンクを取入れている。次に廃水は、固体分離のために遠心分離器へと圧送される。微粒子を除去すべく研磨砂フィルタが使用されると共に、炭素吸着により溶解有機物が除去される。E33媒体は流出水中に存在するヒ素を除去する。最終的な流出液は限外濾過ユニットを通されることで、廃水中における一切の粒子物質が更に減少される。特定用途に依存し、上記廃水は逆浸透ユニットを通されることで溶解塩が制御され得る。システム全体は、使用準備状態で現場まで容易に搬送可能なISO容器内に収容される。
【0007】
故に本発明の主要目的は、バイオテロ事件から帰着する現場の清浄化または汚染除去作業の間に生成する廃水中の汚染物質を過塩素化、中和および除去すべく複数の処理プロセスを使用するモジュール式廃水処理システムを提供するに在る。
【0008】
本発明の付加的な目的は、有害排出液の放出をゼロとし乍ら処理済みの流れを環境に戻し得るべく、本発明の自己完結式のモジュール式廃水処理システムを利用し、高度にハロゲン化された又は化学的に負荷された流出液を浄化し得る多重処理プロセスを提供するに在る。
【0009】
本発明の更に別の目的は、高度に塩素化された水または化学物質による清浄化に起因する廃水を包含する清浄化操作に対する地上水放出基準または再使用基準を満足すべく廃水を処理するという廃水処理システムおよび方法を提供するに在る。
【0010】
本発明の付加的な目的は、ユーザ・フレンドリであると共に容易に保守され、当該システムを操作するために必要な操作者はひとりまたは二人のみであるという廃水処理システムおよび方法を教示するに在る。
【0011】
本発明の他の目的および利点は、図示および例示のために本発明の幾つかの実施例が示されるという一切の添付図面に関して行われる以下の説明から明らかとなろう。本明細書に含まれる一切の図面は、本明細書の一部を構成すると共に本発明の代表的実施例を包含し、かつ、本発明の種々の目的および特徴を例示している。
【0012】
(図面の簡単な説明)
図1は、濾過設備の流れ図である。
図2は、ミルクリーク社製汚水処理設備からの二次的流出液の特性を示す図である。
図3は、サンプル収集および分析プログラムの概要を示す図である。
図4は、検定試験に対する分析方法および該方法により達成される典型的な検出限界値を示す図である。
図5は、種々の品質管理チェックの頻度を示す図である。
図6は、種々の分析パラメータ(pH、温度、濁度など)に対する分析の正確度および精度の限界値の概要を示す図である。
図7は、10日間に亙るヒ素濾過試験の概要を示す図である。
図8Aは、3日間に亙る種々の分析パラメータに関する流入液/流出液の結果に対するヒ素濾過結果を示す図である。
図8Bは、3日間に亙る種々の分析パラメータに関する流入液/流出液の結果に対するヒ素濾過結果を示す図である。
図8Cは、2日間に亙る種々の分析パラメータに関する流入液/流出液の結果に対するヒ素濾過結果を示す図である。
図8Dは、2日間に亙る種々の分析パラメータに関する流入液/流出液の結果に対するヒ素濾過結果を示す図である。
図9は、10日間に亙るメチル・パラチオン分析室試験の概要を示す図である。
図10Aは、3日間に亙る種々の分析パラメータに関する流入液/流出液の結果に対するメチル・パラチオンの分析室試験結果を示す図である。
図10Bは、3日間に亙る種々の分析パラメータに関する流入液/流出液の結果に対するメチル・パラチオンの分析室試験結果を示す図である。
図10Cは、3日間に亙る種々の分析パラメータに関する流入液/流出液の結果に対するメチル・パラチオンの分析室試験結果を示す図である。
図10Dは、1日間に亙る種々の分析パラメータに関する流入液/流出液の結果に対するメチル・パラチオンの分析室試験結果を示す図である。
図11は、11日間に亙る脱塩素試験の結果の概要を示す図である。
図12Aは、11日間に亙る種々の分析パラメータ(pH、TDSなど)に関する原水に対する脱塩素の分析室試験結果を示す図である。
図12Bは、11日間に亙る種々の分析パラメータ(pH、TDSなど)に関する脱塩素水に対する分析室試験の結果を示す図である。
図12Cは、11日間に亙る種々の分析パラメータ(pH、TDSなど)に関する濾過水に対する分析室試験の結果を示す図である。
図12Dは、11日間に亙る種々の分析パラメータ(pH、TDSなど)に関する処理済み吐出水に対する分析室試験の結果を示す図である。
図13Aは、ヒ素、メチル・パラチオン、脱塩素に対するEPA試験の間に使用される化学物質および消耗品を示す図である。
図13Bは、ヒ素、メチル・パラチオン、脱塩素に対するEPA試験の間に使用される化学物質および消耗品を示す図である。
【0013】
定義および略語
次のリストは、本明細書を通して使用される用語、表現および略語を定義するものである。各用語、表現および略語は単数形で列挙されるが、それらの定義は全ての文法的形態を包含することが意図される。
【0014】
本明細書中で使用される如く、“正確度”という用語は、真の値に対する個々の測定値、または、所定数の測定値の平均値の近さの尺度を指している。
本明細書中で使用される如く、“バイアス”という用語は、測定プロセスの系統的もしくは持続的な歪曲であって一方向における誤差を引き起こす歪曲を指している。
本明細書中で使用される如く、“比較可能性”という用語は、2つのデータ群が共通の分析および内挿に寄与し得るという信頼度を表現する定性的用語を指している。
本明細書中で使用される如く、“完全性”という用語は、全ての必要なデータが包含されているとの信頼度を表現する定性的用語を指している。
本明細書中で使用される如く、“精度”という用語は、同様の条件下で行われた同一特性の反復測定値間の一致性の尺度を指している。
本明細書中で使用される如く、“品質保証プロジェクト計画”という用語は、プロジェクトの寿命の間における品質保証および品質管理作業の実施方式を記述する記録文書を指している。
【0015】
本明細書中で使用される如く、“残渣”という用語は、当該技術により保持されまたは当該技術から排除される最終流出液を除く、廃棄流を指している。
本明細書中で使用される如く、“代表性”という用語は、サンプリング箇所における母数、プロセス条件または環境条件の特性をデータが正確かつ精密に表す度合いの尺度を指している。
本明細書中で使用される如く、“標準操作手順”という用語は、品質保証要件が維持されることを確実とする詳細手順およびプロトコルを含む記録文書を指している。
本明細書中で使用される如く、“技術委員会”という用語は、廃水処理および国家防衛の問題を専門的に研究して熟知している一群の個人を指している。
本明細書中で使用される如く、“試験機関”という用語は、プロトコルおよび試験計画に従い当該技術の研究および試験を行うべく検定機関により認定された機関を指している。
本明細書中で使用される如く、“ベンダ”という用語は、廃水処理機器を組立てまたは販売する企業を指している。
【0016】
本明細書中で使用される如く、“検定”という用語は、所定の研究プロトコルおよび試験計画に従う特定条件下における排液処理技術の性能に関する証明を指している。
本明細書中で使用される如く、“検定機関”という用語は、環境技術を検定して検定陳述書および検定報告書を発行することをEPAにより認定された機関を指している。
本明細書中で使用される如く、“検定報告書”という用語は、全ての生データおよび解析済みデータ、全てのQA/QCデータ・シート、全ての収集データの説明、検定試験において使用された全ての手順および方法の詳細説明、および、全てのQA/QC結果を含む書面報告書を指している。試験計画は、この書類の一部として含まれるものとする。
【0017】
本明細書中で使用される如く、“検定陳述書”という用語は、米国のEPAにより吟味かつ承認された検定報告書を要約する書類を指している。
本明細書中で使用される如く、“検定試験計画”という用語は、処理技術の適用のための検定プロトコル要件に従い試験もしくは研究を行うための手順を記述すべく準備された記録文書を指している。少なくとも、上記試験計画は、当該技術および用途に適切である、サンプルおよびデータの収集、サンプルの取り扱いおよび維持、精度、正確度、目標、ならびに、品質保証および品質管理要件に対する詳細な指示を含むものとする。
【0018】
本明細書中で使用される如く、“BOD5”という略語は、5日間の生物化学的酸素要求量を指している。
本明細書中で使用される如く、“COD”という略語は、化学的酸素要求量を指している。
本明細書中で使用される如く、“CRS”という略語は、塩素除去システムを指している。
本明細書中で使用される如く、“DQI”という略語は、データ品質指標を指している。
本明細書中で使用される如く、“米国EPA”または“EPA”または“米国EPA”という略語は本明細書において互換的に使用されると共に、米国環境保護局を指している。
本明細書中で使用される如く、“ETV”という略語は、環境技術検定を指している。
本明細書中で使用される如く、“ft2”という略語は、平方フート(フィート)を指している。
【0019】
本明細書中で使用される如く、“gal”という略語は、ガロンを指している。
本明細書中で使用される如く、“gpm”という略語は、ガロン/分を指している。
本明細書中で使用される如く、“ISO”という略語は、国際標準化機構を指している。
本明細書中で使用される如く、“Kg”という略語は、キログラムを指している。
本明細書中で使用される如く、“kWh”という略語は、キロワット時を指している。
【0020】
本明細書中で使用される如く、“L”という略語は、リットルを指している。
本明細書中で使用される如く、“lb”という略語は、ポンドを指している。
本明細書中で使用される如く、“Lpm”という略語は、リットル/分を指している。
本明細書中で使用される如く、“MBAS”という略語は、メチレンブルー活性物質を指している。
本明細書中で使用される如く、“MEFS”という略語は、移動式緊急濾過システムを指している。
本明細書中で使用される如く、“MSD”という略語は、大シンシナチの都市下水道地区を指している。
本明細書中で使用される如く、“NRMRL”という略語は、国立リスク管理研究所を指している。
【0021】
本明細書中で使用される如く、“mg/L”という略語は、ミリグラム/リットルを指しており、百万分率を指す“ppm”と互換的に使用される。
本明細書中で使用される如く、“mL”という略語は、ミリリットルを指している。
本明細書中で使用される如く、“μg/L”という略語は、マイクログラム/リットルを指している。
本明細書中で使用される如く、“ND”という略語は、“検出されず”を指している。
本明細書中で使用される如く、“NSF”という略語は、NSFインターナショナルを指している。
本明細書中で使用される如く、“O&M”という略語は、運用保守を指している。
【0022】
本明細書中で使用される如く、“ORP”という略語は、酸化/還元電位を指している。
本明細書中で使用される如く、“PLC”という略語は、プログラマブルロジック・コントローラを指している。
本明細書中で使用される如く、“QA”という略語は、品質保証を指している。
本明細書中で使用される如く、“QC”という略語は、品質管理を指している。
本明細書中で使用される如く、“USS”という略語は、ウルトラストリップ・システム社を指している。
本明細書中で使用される如く、“RCRA”という略語は、資源保全再生法を指している。
【0023】
本明細書中で使用される如く、“RO”という略語は、逆浸透を指している。
本明細書中で使用される如く、“RPD”という略語は、相対百分率偏差を指している。
本明細書中で使用される如く、“SOP”という略語は、標準操作手順を指している。
本明細書中で使用される如く、“TBD”という略語は、“決定されるべき”という表現を指している。
本明細書中で使用される如く、“T&E”という略語は、EPAの試験および評価施設を指している。
本明細書中で使用される如く、“TKN”という略語は、全ケルダール窒素を指している。
【0024】
本明細書中で使用される如く、“TO”という略語は、試験機関(Shaw
Environmental社)を指している。
本明細書中で使用される如く、“TP”という略語は、全リンを指している。
本明細書中で使用される如く、“TOC”という略語は、全有機炭素を指している。
【0025】
本明細書中で使用される如く、“TSS”という略語は、懸濁物質総量を指している。
本明細書中で使用される如く、“UF”という略語は、限外濾過を指している。
本明細書中で使用される如く、“VO”という略語は、検定機関(NSF)を指している。
本明細書中で使用される如く、“VTP”という略語は、検定試験計画を指している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は、脱塩素のための化学物質添加/中和、砂濾過、E33媒体を介したヒ素吸収、炭素吸着、限外濾過および逆浸透を含む多段階濾過プロセスに関する。本発明により開示されるシステムは、現場の清浄化または汚染除去作業の間に生成される廃水中の汚染物質を中和または除去する複数の処理プロセスを使用するモジュール式廃水処理システムである。
【0027】
基本システムは、化学物質添加システムおよび接触タンクを取入れることで、特定の現場状況に基づく初期化学処理を提供する。脱塩素プロセスは、流出液タンクに先立ち廃水の流れ内にチオ硫酸カルシウムを投入する段階を含む。廃水は、必要であれば、固体除去のために遠心分離器へと圧送され得る。微粒子を除去すべく砂濾過が使用されると共に、炭素吸着により溶解有機物が除去される。E33フィルタ媒体は、廃水内に存在するヒ素を吸着する。最終流出液は限外濾過ユニットに通されることで、廃水内に存在する一切の粒子物質が更に減少される。特定用途に依存して、廃水は逆浸透ユニットを通されることで溶解塩が制御され得る。システム全体は、使用準備状態で現場まで容易に搬送され得るという40フィート長の一貫輸送モジュール式鋼鉄コンテナ内に収容される。
【0028】
本明細書において例示される濾過設備は、バッチもしくは連続流に基づき約26ガロン/分(100Lpm)を処理する能力を有する。この規模のシステムは本格的であると共に、現場清浄化のために投入され得るユニットの典型である。以下においては、各単位プロセスの更なる説明が与えられる。
【0029】
脱塩素プロセス:
脱塩素プロセスは、流出液タンクに先立ち廃水の流れ内にチオ硫酸カルシウムを投入する段階を含む。廃水中の残存塩素に対する化学反応は以下の如く行われる:
・その最初の反応において、上記チオ硫酸塩の1個の分子が2個の塩素分子と結合し、4個の塩酸分子と1個のチオ硫酸カルシウム分子とを生成する。
CaS2O3+2Cl2+3H2O−−→4HCl+Ca(HSO3)2
・次の反応は、上記亜硫酸水素塩を2個以上の塩素分子と結合させ、4個以上の塩酸分子および硫酸カルシウムおよび硫酸を生成する。
Ca(HSO3)2+2Cl2+2H2O−−→4HCl+CaSO4+H2SO4
・上記各式を合わせると、以下の式で表現され得る:
CaS2O3+4Cl2+H2O−−→8HCl+CaSO4+H2SO4
・第2のチオ硫酸分子は1個の塩素分子と反応し、2個の塩酸と、硫酸カルシウムと、硫黄とを生成する。この反応は数分を必要とし得る。
CaS2O3+Cl2+H2O−−→CaSO4+S+2HCl
【0030】
廃水は、化学物質注入システムを含むパイプ網を通し、内部の流出液タンクへと圧送される。
【0031】
上記化学物質注入システムは、電子計量ポンプ、インライン静的ミキサ、および、ミキサを備えた化学物質貯蔵タンクから成る。該注入システムの目的は、廃水中に化学物質を導入することで、汚染除去プロセスにおいて使用された現場固有の化学物質(たとえば塩素、オイル、グリースなど)を中和することである。
【0032】
上記注入システムはまた、化学物質を添加することで懸濁粒子の凝集を行い、固体分離プロセスを増進するためにも使用され得る。上記計量ポンプは、廃水に対して添加される化学物質の投入量の制御を行う。
【0033】
内部の水貯蔵タンク:
上記ユニットは、種々の処理プロセスに先立ち、中間の水貯蔵タンクを備える。該貯蔵タンクは、2〜3mm厚さの等級304ステンレス鋼で構成される。
【0034】
懸濁物質の凝集のために、上記タンク内に圧送されつつある水の流れへと、投入用ポンプの助けを借りて凝集剤(硫酸アルミニウム)が投入される。これに加え、上記タンクの内側へとオイル吸収パッドが降下され、水の表面上に浮遊しているオイルおよびグリースが吸収される。
【0035】
このタンクにおいては、3台の投入用ポンプの助けを借りて夫々の化学物質を投入することにより、pHの調整が達成され得る。上記タンク上に設置されたpHモニタは、温度と共に水のpHの即時的表示を与える。ORPインディケータは、ORP読取値を表す。
【0036】
遠心分離デカンタは、異なる比重の2つ以上の相を分離するために用いられる。この分離は、円筒状で截頭円錐形状の回転ドラム内で行われる。更に高重量の粒子および断片は上記ドラムの周縁部へと‘押しやられ’、回転する内部オーガにより除去される。
【0037】
遠心分離器の構成材料:ステンレス鋼等級304
送給ポンプ:EPDM製シールを備えたステンレス鋼、26米国ガロン
温度限界値:90℃
塩化物限界値:4000PPM
【0038】
殆どの汚染除去現場における廃水は、大量の砂塵、汚泥、および、洗浄操作に起因する他の懸濁物質/残渣を含むことが予想される。上記遠心分離システムは、懸濁物質と、これらの物質に伴う汚染物質との初期除去を行う。上記遠心分離器はこれらの物質を遠心分離を用いて除去するものであり、更に高重量の粒子は上記ユニットの周縁部へと押しやられて上記システムから除去される。懸濁物質の除去は、下水道システムへの放出のための、または、処理済み水の直接的放出もしくは再使用のための放出基準を満足するために必要とされる。懸濁粒子の除去は、下流の単位プロセスを保護すると共に濾過システムおよび吸着システムの効率を高めるためにも必要である。
【0039】
廃水は中間の水貯蔵タンクから、26gpmの設計能力を有するステンレス鋼製の遠心分離器へと圧送される。上記ユニットは、円筒状で截頭円錐形状の回転ドラムである。物質は、上記ドラムの外側部へと移動されて上記システムからオーガ・システムにより除去されることで分離される。
【0040】
上記遠心分離抽出器は、2つ以上の異なる比重の相の分離のために、特に、懸濁物質が存在する液体の清澄化のために用いられる。
【0041】
物質および液体の分離は円筒状で截頭円錐形状の回転ドラム内で行われ、その周縁部上には更に高重量な固相が集まり、内部の渦巻体により連続的に除去される。
【0042】
固液分離を増進するために、上記機械に供給されつつある生成物に対しては、その形式および固有の特性に対して適切に選択された高分子電解質が添加され得る。該高分子電解質は、固体粒子の凝集を、故に沈降を促進する。
【0043】
ドラムの渦巻体:
渦巻体はドラム内に配置されると共に、後者の主要水平シャフトに対してカラー継手により取付けられる。それらは両者ともに同一方向に但し僅かに異なる速度で回転することから、固体生成物は軸心方向に沿い引込まれ、それが移動するにつれて沈降してその形成を完了し、その移動の終了時にそれは截頭円錐(岸辺)に蓄積し、其処でそれは液体が抜かれて当該機械から排出される。
【0044】
伝動:
上記ドラムに対するモータからの伝動は、流体力学的継手およびベルト・ドライブにより行われる。上記内部渦巻体は、減速用遊星歯車列を用いて上記ドラムからベルト・ドライブにより駆動される。変速機における個々の部品は、ドラム速度と渦巻体速度との間の最適な処理関係を達成すべく特に製造される。
【0045】
ドラム−オーガ伝動連鎖の最も脆弱な箇所において該伝動連鎖内には、機械的デバイス(剪断ピン)が配置され、処理の間においてドラム−渦巻体の結合において生じ得る一切の過剰応力から減速歯車および他の運動部分が保護される。
【0046】
上記遠心分離システムからの流出液は次に、媒体濾過システムを通して圧送される。このシステムは、砂および活性炭を含む少なくとも一個のユニットを備えることで、小寸粒子と、一切の溶解有機物と、微量金属を除去すべく調製された粒状充填剤とが除去される。
【0047】
媒体濾過システム:
上記遠心分離システムからの流出液は、媒体濾過システムへと圧送される。このシステムは、1個の30インチ直径のステンレス鋼製フィルタ・ユニットから成る。濾過媒体は、ガーネットで仕上げられた粒化砂である。該濾過システムは、5ミクロンまでの粒子物質を除去すべく設計される。フィルタは、26gpmの設計能力を有する。
【0048】
該濾過システムは、間欠的に起動される自動逆洗システムを有する。逆洗水は、内部貯蔵タンクへと戻される。逆洗のために使用される水は、砂、E33および炭素フィルタの後の貯溜タンクからパイプ輸送され、凝集剤と共に注入されることで逆洗プロセスを支援する。
【0049】
次に、上記濾過システムからの流出液は、ヒ素吸着のために少なくともひとつのE33フィルタ・システムに通される。E33フィルタ・システムは、ヒ素除去のために使用される粒状E33媒体を含む30インチ直径の2つのフィルタを備える。更に上記E33フィルタ・システムは、E33濾過の効率を維持すべく逆洗され得る。
【0050】
炭素吸着システムは、活性炭吸収剤を含む30インチ直径の少なくともひとつのフィルタを含む。活性炭は、廃水内に存在する溶解有機物を除去すべく用いられる。このプロセスは、最終流出液において200ng/リットル未満の有機スズ化合物の総濃度を達成した。典型的な廃水流内には、(BOD5、CODにより測定される)種々の溶解有機物、および、清浄化プロセスに関連する一定の固有の有機物が存在することが予想される。
【0051】
限外濾過システム:
上記基本システムにおける次のステップは、限外濾過システムである。該システムは、0.003〜0.02ミクロンの範囲の粒子を除去すべく設計される。この精細な濾過によれば、懸濁物質であると考えられる粒子物質の全て、および、0.45ミクロン・フィルタを使用する標準TSS試験により測定される確かに全ての物質が、実質的に除去される。これらのミクロン・サイズにおける限外濾過によれば、清浄化プロセスまたは濾過プロセスにおいて先に除去されないとしても、多くの有機体(バクテリアおよびウィルス)も除去される。
【0052】
炭素およびE33媒体吸着ユニットの後の貯溜タンクからの流出液は、高圧ポンプを介して上記限外濾過システムへと圧送される。該限外濾過は、典型的に65psiにて作用する酢酸セルロース膜を通る直交流濾過を使用する。設計流は26gpmであると共に、5.3gpm(20Lpm)の拒絶流速を有する。
構造の材料:酢酸セルロース
流れ限界値:100リットル/分
温度限界値:45℃
塩化物限界値:なし
【0053】
逆浸透システム:
上記システムは、上記限外濾過ユニットに続く逆浸透(RO)システムを備え得る。処理済み廃水は、必要な場合に上記ROユニットを通され得るか、または、処理済み廃水は上記ROユニットをバイパスし得る。上記ROユニットは、塩化物などの溶解塩、および、ヒ素および鉛などの溶解金属の除去を行い得る。これに加え、ROメンブレンは一定の溶解有機物も排除し得る。ROの使用は、特定用途、および、処理済み廃水の最終的な処分/使用に依存する。もし、洗浄のために使用された廃水が塩素化された後で上記第1処理段階において脱塩素され乍らも溶解塩が多ければ、放出の前に塩分を減少すべくROが必要とされることもある。特に廃水の直接放出のためには、微量金属の処理も必要とされ得る。
【0054】
上記ROユニットは2.1gpm(8Lpm)の拒絶速度を以て、システム全体の設計流に整合すべく26gpmの設計流を有する。上記メンブレンは典型的に、0.002〜0.01ミクロン(直径)範囲の分子を排除するポリアミド・メンブレンである。該メンブレンは、直交流モードで作用する。
【0055】
標準的なROシステムは、240psiの圧力にて作用する。拒絶流速は、廃水の特性に依存して20〜30%の範囲である。拒絶された廃水は、遠心分離の前に保持タンクへとパイプ輸送で戻され、再濾過される。
構造の材料:複合ポリアミド
流れ限界値:100リットル/分
温度限界値:45℃
塩化物限界値:1000PPM
【0056】
上記濾過設備システムは、機器設定を保持して常に各プロセスを操作するプログラマブルロジック・コントローラ(PLC)により操作される。該PLCは、データがラップトップ・コンピュータへとダウンロードされ得る様にシリアル・ポートも備える。
【0057】
上記濾過設備ユニットは、流速(gpm)と処理済み総体積(ガロン)とを報告するタンタライザを備えた2つの流量計を備える。流入液用の流量計はROおよびUFユニットの前に配置される一方、流出液用の流量計は清浄水放出パイプ上に配置される。
【0058】
設備の動作:
上記設備は、一旦設置されたならば自動的に動作する。
・脱塩素ユニットと流出液ポンプ取入口との間(の可撓パイプ)が接続されていることを確実とする。
・たとえば、脱塩素のためのチオ硫酸カルシウム、pHの調整のための水酸化ナトリウムなどの夫々の投入化学物質が、投入タンク内に充填される。
・原水/汚水タンクからコンテナの汚水取入口までのホース接続が為されていること、および、関連するフロート・スィッチが流出液/原水タンクに在ることを確実とする。同様に、化学物質投入用ポンプは流出液ポンプが動作しているときにのみ始動することも銘記されたい。
・ケーブル・コネクタを介して電力がプラグ接続されていることを確実とする。
・制御室の内側で、ドアと連動する遮断器をON位置とする。
・制御パネル上の始動押しボタンを押圧すると、移送ポンプは原水/汚水タンクからの水を投入用ポンプ・ユニットを介して内部の流出液タンクへと搬送する。この動作の間においては上記投入用ポンプも動作し、夫々の化学物質を投入して取入水を調整する。
・上記遠心分離器も始動し、上記制御パネル上のRPMコントローラにより略々1分後に運転速度に到達する。
・遠心分離器用送給ポンプを始動する。
・全ての機器上のポンプは始動し、個々のタンク内のレベルに従い自動的に停止する(流れ図を参照されたい)。
・上記設備が自発的に停止して過負荷起動ランプが点灯しても、上記制御パネルの内側に含まれたモータ・スタータを切換え復帰すると上記ユニットはリセットされ得る。
【0059】
検定試験計画(VTP):
本発明の目的は、限外濾過および逆浸透を行うシステムであって、高度に塩素化された水または化学物質による清浄化に起因する廃水を包含する清浄化操作に対する地上水放出基準または再使用基準を満足すべく廃水を処理するというシステムを提供するに在る。該システムに対する典型的な流出液要件は現場固有とされる必要があるが、以下の表1における概要を含む。
【0060】
【表1】

【0061】
本明細書中に記述される実験的設計態様は、上記廃水処理システムの処理能力に関する定量および定性データであって、汚染除去作業に起因する廃水における成分負荷を減少する上記処理ユニットの有効性を決定する基礎の役割を果たす定量および定性データを獲得すべく設計される。上記実験的設計態様およびサンプリング分析計画に従い収集されたデータは、検定報告書において呈示されると共に、この技術に対する検定陳述書の基礎の役割を果たす。
【0062】
以下の各項目は、流入廃水の特性記述、開始手順、および実際の検定試験を記述している。サンプリングおよび分析の手順は、“サンプリングおよび分析の手順”と表された項目において呈示される。
【0063】
流入廃水
EPAは、その環境技術検定プログラム(ETV)を通して、国家防衛事件に起因して生成された廃水を処理する技術を検定するプログラムを開発した。該プログラムは、該当機器を試すために合成された包括的廃水を使用する。この合成廃水は、実際の汚染廃水に見出され得る概略的な成分を反映せねばならない。該合成廃水の基礎に対する原点はシンシナチMSDにおけるミルクリーク社製汚水処理設備(Mill Creek Sewage Treatment Plant)からT&E設備へとパイプ輸送される二次的流出液である。上記合成廃水は次に、付加的な成分および代用物により増強されることで、該廃水は、検定されつつある特定用途に対して適合調整される。
【0064】
本発明により開示されるユニットは、3つの種類の汚染除去様式に対して試験される。
1)生物学的汚染−二酸化塩素を含む塩素系材料による清浄化に対し、10%漂白剤(5.25%の次亜塩素酸ナトリウム)溶液による洗浄が追随する。
2)化学的汚染(無機)−ルイサイト(lewisite)により汚染された現場の清浄化であり、この場合には汚染除去の副生成物として三価ヒ素が残存する。上記合成廃水は、洗浄剤による水性の洗浄溶液と、アルカリ性緩衝液とを含む。
3)化学的汚染(有機)−洗浄剤と中和化学物質とを含む水性溶液を用いた清浄化であり、有機リン殺虫剤(メチル・パラチオン)が代用汚染物質の役割を果たす。
【0065】
これらの汚染除去様式の各々は、清浄化プロセスからの廃水において予想され得るひとつ以上の重要成分が明白に異なる。故に、検定試験の間においては、3種類の異なる合成廃水組成が用いられる。但し、合成廃水の基本組成は同一である。
【0066】
二次的流出液により希釈されるべき合成汚染物質マトリクスの特性は、代表的試験を実現する上で重要である。この廃水を作成するために使用される典型的な成分は、以下に列挙される。
オイル、炭化水素、一般的有機物
・ディーゼル燃料
・モータ油
固体および粒子
・砂(乾燥重量で50%)
・表土(乾燥重量で50%)
界面活性剤、洗浄剤、リン化合物
・市販の高圧洗濯機のための洗浄製品(界面活性剤系)
・市販の手洗いのための油落とし用製品(409、Mr.
Cleanなど)
【0067】
上記に列挙された物質は、廃水流に対してビル、駐車場、道路、地下鉄などの現場からの典型的な寄与物をシミュレートすべく用いられる。基礎物質は、廃水処理評価に対して通常的に使用されるインディケータ試験により測定される概略的な目標汚染物質レベルを有する合成廃水を作成すべく用いられる。図1は、基本合成廃水に対する目標特性を示している。目標とされる特性を達成すべく基礎成分の量を設定するために、分析室における予備試験が実施される。
【0068】
T&E設備において行われた試験によれば、ミルクリーク社製汚水処理設備からの二次的流出液は図2に示された特性を有することが示された。
【0069】
生物学的攻撃に起因する清浄化の検定は、消毒/非活性化に対して使用される主要化学物質は塩素系化学物質であるという仮定に基づいている。10部の水に対して1部の漂白剤という比率にて家庭用漂白剤(5.25%の次亜塩素酸ナトリウム溶液)は、バイオテロ事件の後で固体表面を汚染除去する払拭剤として使用され得る。漂白剤と水との1:10溶液は、約2,500mg/Lの塩素濃度を有する。
【0070】
無機化学物質による事件−ヒ素化合物:
ルイサイトを用いた化学的攻撃に起因する清浄化の検定は、化学物質の化学的非活性化から帰着する表面ヒ素汚染を除去すべくアルカリ性洗浄溶液を使用するという仮定に基づいている。軍用の設備の汚染除去に対する奨励レベルは、典型的には10mg/m2である。試験目的に対するヒ素の濃度は、1〜5mg/Lで変化する。試験目的で、上記合成廃水に対しては可溶性のヒ素塩(三酸化ヒ素)が添加される。
【0071】
有機化学物質による事件−神経作用物質または同様の化合物:
一定の種類の神経作用物質または同様の化合物による化学的攻撃に起因する清浄化の検定は、清浄化プロセスは活性作用物質の化学的酸化を伴うと共に全ての表面に対する完全な洗浄が追随するという仮定に基づいている。試験は、酸化体と活性化学物質との間の反応が完全でない結果として廃棄流から化学物質の除去が必要とされることを仮定している。神経作用物質または同様の化学物質の存在をシミュレートすべく代用物を使用すると共に、この特定の代用物を以て固体および吸着システムを試すことは一般的である。この目的に対しては、メチル・パラチオンなどの有機リン殺虫剤が使用された。この事象の検定は、上記合成廃水に対する1mg/Lのメチル・パラチオンの添加を伴う。これは、原液を用いて添加される。
【0072】
原液:
検定試験の全てに対しては、標準的な基本合成廃水混合物が使用される。ミルクリーク社製汚水処理設備からの二次的流出液に対しては、汚れ、廃油および洗浄剤を含む成分が添加される。次に、各試験のために上記合成廃水に対しては代用物(試験に依存して、ヒ素塩、漂白剤またはメチル・パラチオン)が添加される。
【0073】
設置および始動:
先に述べられた如く上記システムは、全てのシステムの設定およびチェックが準備されて鋼鉄コンテナ(トレーラサイズ)内に到達するという自己完結式モジュール・システムである。化学物質添加システムおよびタンクは、上記鋼鉄コンテナの外側で別体的に設定されて積送される。現場においては、流入液および流出液用の保持タンクと、給水、電気供給、および、処理済み廃水の処分のための下水道システムを含む支援設備が提供される。
【0074】
到着すると同時に、熟練した作業員が協働作業することで必要な接続を行うと共に、全ての配管、使用および設置の各要件を満足する。設置は、O&Mマニュアルに概説された指示に従って行われる。設置の間においては、設定を完成するために必要とされた時間長および熟練作業の種類が記録される。上記ユニットの設定の容易さまたは困難さが書き留められる。設定操作は、現場において受け入れられて迅速に作用可能とされるべき移動式処理システムを評価する際の重要な詳細事項である。
【0075】
上記システムが一旦設置されたなら、湿式試験および始動プロセスが開始される。流入液保持タンクは、飲用水により充填される。水は次に、順次的に各システムを通して圧送されることで、全ての配管、バルブ、継手などの状態が試験される。上記システムは漏出に対してチェックされ、見出された一切の漏出が修復される。始動には、上記システムにおける流入液タンクおよび中間タンクに関して充填および吸引方法を用いることによる流量計の較正が含まれる。各流量計は、検定用の試験運転の開始に先立って較正される。湿式試験が完了したなら、上記システムは清浄水による始動および試運転操作の準備ができる。
【0076】
上記始動手順の全ては、上記システムに対するO&Mマニュアルに従う。始動期間の間においては各システムが監視されると共に、PLCおよび書面経過記録により動作条件の通常記録が行われる。始動の間においては、種々の単位プロセスに関するタイマおよびポンプ・サイクルが確認され、必要に応じて調節される。
【0077】
単位プロセスの全ては、物理的または化学的なプロセスである。化学物質添加、遠心分離、濾過および吸着を含む形式であるこれらのシステムは、典型的には数時間以内の動作で安定する。始動プロセスは、ひとつの単位プロセスから次の単位プロセスへと順次的様式で推移する。清浄水による始動は、各単位プロセスに対する動作条件を設定すると共にポンプおよび圧力設定を確認すること、および、各単位操作に対して操作スタッフを精通させることの両方のために使用される。上記システムに対して為される全ての調節または変更は、現場経過記録に文書化される。
【0078】
種々の機器のチェックおよび較正の要件に加え、流入廃水タンクからの少なくとも2回のサンプリングおよび分析が実施される。ひとつのバッチの水(少なくとも2,000ガロン)に対して各原液が添加され、流入液タンクが攪拌される。合成廃水は、上記流入液保持タンクから圧送されて化学的中和/反応タンク内へと受け渡される。500ガロンおよび1500ガロンの後におけるグラブ・サンプル(grab sample)が収集され、図1に示されたパラメータに対して分析される。上記合成廃水システムに対するこの試験によれば、該合成廃水がVTPの仕様範囲内とされ得ることが確認される。必要とされまたは所望されるなら、付加的なサンプリングおよび分析が実施され得る。
【0079】
作業員は、始動が完了して検定試験が開始される時点を決定する。この判断は、上記システムが安定であり且つ動作仕様およびO&Mマニュアルに従って作動していることを決定するための動作条件の吟味に基づく。上記システムが検定試験の開始の準備ができたとき、TOはVOに通知すると共にVOの同意を以て検定試験が開始される。
【0080】
検定試験:
上記システムは、地上水および地下水を保護すべく又は下水道システムに対する放出のために州および地方自治体により確立された典型的な放出基準を満足すべく廃水を処理する様に設計される。この検定試験は、3つの異なる種類の国家防衛的事件に起因する廃水に対して該システムにより達成される流出液品質を確立するものである。
【0081】
この単一のVTPおよび実験設計態様の下で、実際に3通りの検定試験が実施される。上記システムは、本明細書で以下において記述される如く3種類の異なる合成廃水を用いて試験される。全ての3通りの検定においては、基本合成廃水における各成分濃度を減少する上記システムの有効性が試験される。これは、流入廃水と、種々の処理段階からの処理済み流出水と、上記処理システムからの最終流出液とからサンプルを収集して分析することにより達成される。概略的パラメータに加え、試験される3種類の合成廃水の各々に対しては固有パラメータが監視される。
【0082】
目的:
この検定試験に対する実験的設計態様の目的は次の如くである:
・TSS、BOD5、COD、O&G、TKN、アンモニアおよびTPを含む重要な目標成分を除去する当該システムの処理性能を決定すること。
・塩素が一次的な非活性化/消毒化学物質であるという生物学的攻撃に起因する重要な目標成分を除去する当該システムの処理性能を決定すること。残存塩素および自由塩素の総量が、監視される重要成分である。
・ルイサイトが一次的作用物質であると共に洗浄は目標化合物の化学的酸化に基づくことから表面の残留ヒ素汚染に帰着するという化学的攻撃から帰着する如き無機汚染物質を除去する当該システムの処理性能を決定すること。ヒ素総量が、監視される重要成分である。
・神経作用物質が一次的作用物質であると共に洗浄は攻撃作用物質の化学的酸化に基づく化学的攻撃であって、洗流操作もしくは作業員保護機器(PPE)の汚染除去の間に上記作用物質の一部が未酸化のまま残ることで廃水へと移行されるという化学的攻撃に起因する重要な目標成分を除去する当該システムの処理性能を決定すること。メチル・パラチオンは、代用物として使用されると共に、監視される重要成分である。
・各種類の廃水に対する当該システムのO&M要件を評価して完全に文書化すること。
・当該システムにより生成された固体残渣に関する情報を監視して記録すること。
・当該システム全体に関する作業時間、化学物質使用量、電力消費量、および、他の関連データを監視して記録すること。
【0083】
検定試験期間:
各検定試験は、上記システムの10日間の作動を伴う。故に、検定毎に10日であり、3種類の検定廃水として、30日間の作動を伴う。試験ユニットは約26gpmで作動することから、10,000ガロンの流入水のバッチは処理に約6.5時間を要する。10日間に亙り毎日作動させると、処理された100,000ガロンの廃水を表す各検定試験に対する10組の性能データが在る。此処に開示される発明の如き物理的/化学的システムは順応期間を必要としないので、10日間のデータは上記ユニットの予想性能を適切に評価するに十分な長期運転を提供する。
【0084】
流れ監視:
上記システムは、一日当たり約6〜7時間作動させて、検定試験の間にバッチ・モードで作動された。流入液保持タンクは二次的流出液により充填され、種々の原液が添加されて合成廃水が作成される。該合成廃水は流入液保持タンクからシステム・ユニット内へと圧送される。引き続き、廃水は遠心分離器および中間保持タンクへと圧送される。廃水は次に、砂濾過および炭素吸着システムを通して、別の中間タンクへと再び圧送される。高速ポンプは、廃水を限外濾過システムへと移動させる。最後に、処理済み水は高圧にてROユニットへともう一度圧送されてから、放出箇所へと流れる。
【0085】
一次的な流れ監視は、各圧送ライン上に配置された流量計を読み取ることで行われる。上記システム内には2つの流量計が配置され、ひとつは流入液を測定すべく砂/炭素フィルタの前であり、ひとつは処理済み流出液を測定すべく限外濾過の後である。流速は、種々の処理段階からの流入液または流出液ライン上の流れ制御弁を調節することで、単位プロセスの各々または一群のプロセスに対して設定される。各流量計に対する流速は一日を通して動作経過記録に記入されるが、添付の付録Aを参照されたい。
【0086】
各操作日の流速の第2チェックは、流入液保持タンクからの処理済み水の体積、流出液保持タンク内に蓄積された体積、および、総実行時間を記録することにより実施される。これらのデータは、各日に処理された総体積と、その日に対する平均流速との直接的測定値を提供する。
【0087】
全ての流れデータは、最終報告書において提供される。流入液の流れおよび各単位プロセスに対する流れを測定すると、上記システムの冗長的な流れ測定が提供される。これに加え、流入液保持タンクからの処理済みの総体積と流出液保持タンクにおいて受容された流出液総量とを監視すると、流速データをチェックするための基礎が提供される。
【0088】
サンプリングおよび分析:
上記検定試験に対しては、2つの一次的サンプリング箇所が使用される。上記一次的箇所は、未処理の廃水流入液、および、システム全体からの処理済み流出液である。サンプリング手順、維持および保存、分析過程の管理および分析方法に関する付加的詳細は、セクション6.0に記述される。
【0089】
流入液サンプルは、遠心分離器の前において(流れは生じ乍ら)中間保持タンクから収集される。流出液サンプルは、処理済み流出液の放出箇所から収集される。
【0090】
分析パラメータ−全ての試験:
サンプリングおよび分析プログラムは所定数の基礎パラメータに対してサンプルを収集および分析する段階から成り、実施されつつある特定の試験事象に基づいて特定の分析パラメータが付加される。温度、pH、濁度、アルカリ度およびTSSのサンプルは、一日当たり一回収集される。分析はT&E設備において実施され、データが利用可能とされたときに結果はプロジェクト・チームに報告される。
【0091】
有機(COD)および炭化水素(O&G)サンプルは、一日当たり一回収集される。分析は、現場から離れた分析室で実施される。結果は、サンプルが分析室に対して提出されてから2〜3週間後にTOへと報告される。
【0092】
この研究に対して界面活性剤(MBAS)、BOD5および栄養分(TKN、アンモニア、リン)は一次的性能パラメータではない(すなわち二次的パラメータである)。これらのパラメータに対しては、毎週3日、複合サンプルが収集される。BOD5およびMBAS分析は、各サンプリング日に収集された複合サンプルに対して行われる。一週間の間に収集された日々の栄養分サンプルは、週末に上記分析室に提出される一週間分の複合サンプルとして分析される。日々の部分的複合標本は、別体的なボトル内に収集され、維持され、且つ、複合サンプル全体が収集されるまで4℃で保存される。図3は、3通りの試験の各々に対する基本的なサンプル収集および分析プログラムを要約している。
【0093】
生物学的事件−高塩素の廃水:
生物学的攻撃に起因する清浄化の検定は、塩素が消毒/非活性化に対して使用される主要化学物質であるという仮定に基づいている。この流入廃水を用いる10日間の検定試験のためのVTPに対しては、残存塩素および自由塩素の総量が付加される。
【0094】
無機化学物質による事件−ヒ素化合物:
無機化学物質の残留に帰着するという化学的攻撃に起因する清浄化の検定は、ルイサイト汚染の汚染除去により代表される。上記合成廃水に対してはヒ素が添加される。この流入廃水を用いる10日間の検定試験のためのVTPに対しては、ヒ素総量に対するサンプリングおよび分析が付加される。図3は、サンプル収集および分析プログラムの要約を示している。
【0095】
有機化学物質による事件−神経作用物質または同様の化合物:
一定の種類の神経作用物質または同様の化合物による化学的攻撃に起因する清浄化の検定は、清浄化プロセスは上記作用物質を中和すべく酸化剤を使用するが、処理を必要とする攻撃化学物質の低レベルの残渣が残存するという仮定に基づいている。神経作用物質に対する代用物としては、有機リン殺虫剤が選択された。この事件のこの検定は、上記廃水に対する1mg/Lのメチル・パラチオンなどの有機リン殺虫剤の添加を含む。この流入廃水を用いる10日間の検定試験のためのVTPに対しては、上記殺虫剤に対するサンプリングおよび分析が付加される。図3は、サンプル収集および分析プログラムの要約を示している。
【0096】
残渣:
上記遠心分離器からは連続的に固形物が除去され、55ガロンの廃棄ドラム内へと圧送される。上記遠心分離器からの固形物濃度および固形物の流れの総体積は、上記試験の間において日々監視される。固形物は遠心分離器から、固形物保持/濃縮タンクへと流れる。該タンクによれば固形物は分離が許容されることで、更に濃縮されたスラッジが提供される。上記タンクからの溢流は、上記流入液保持タンクへと流れ、上記システムにおいて再処理される。試験が完了したときには、認可された運送会社によりスラッジを除去すべく手配が為される。各ドラムは現場で保存され、処分の手配の決定は保留される。
【0097】
操作および保守:
上記システムは、供給されたO&Mマニュアルに従い始動かつ操作される。試験期間の間においては、熟練作業員が上記システムを操作、保守および監視する。TOは、動作条件と実施された保守とを示す記録を維持する。
【0098】
各ユニットは、不正確な実施または異常状態に関する一切の徴侯に対して目視検査される。操作者用のチェックリストは、検定試験の間において維持されると共に、最終検定報告書に対する運転記録の一部となる。
【0099】
上記O&Mマニュアルは、各単位操作に関する情報および問題解決欄も提供する。操作に関するこれらの詳細なチェックリストおよび説明は、システムの操作および保守の吟味に対する基礎の役割を果たす。TOにより維持される現場経過記録日誌は、各日の操作に対する書面記録を提供する。この経過記録日誌はまた、上記ユニットの操作に関する永続的記録の一部にもなる。
【0100】
実施される一切の保守は、現場の保守経過記録に記入される。TOは、保守経過記録に日付を記載して開始する。もし特別の保守が必要とされるなら、作業員はTOに伝え、実施された保守を文書化する。現場で維持される運転記録に加え、PLCは各単位プロセスの動作に対する幾つかの重要パラメータを監視する。PLCは、上記システムの動作に関するポンプ・サイクル、流れ、電気的構成要素、ならびに、フロートおよびセンサの動作を監視する。これらの状態は記録されると共に、必要なら調節され得る。流速、処理された水の体積、供給タンクから圧送された化学物質溶液の量、電力消費量、逆洗の流速、および、関連する動作データは、TOの操作者により動作経過記録に記入される。残留体積および重量の測定値は、一切のスラッジ圧送作業の後で記録される。
【0101】
化学物質注入のための合成または化学物質溶液に対する原液が調製される毎に、使用される化学物質の質量、使用される水の体積、および、他の注釈が上記動作経過記録に留められる。
【0102】
電力消費量は、日々監視される。現場には、標準的な電力計(ワット計)が設置される。メータの読取値は試験の全体に亙り少なくとも毎日採用され、経過記録日誌に記録される。上記試験の終了時に、メータは較正チェックに送られる。
【0103】
個々の単位プロセスに対する固有動作条件も記録される。その例は以下の如くである:
・遠心分離器の回転速度および他の関連データが記録される。
・砂フィルタの逆洗の頻度および速度、該フィルタに対する圧力低下、および、他の観測量が記録される。
・これは、活性炭システムに対しても当てはまる。
・濾過液の流速、システムに関する圧力、および、ROに対しては拒絶流速に関し、限外濾過およびROユニットが監視される。拒絶流は、残留固形物と同一様式で対処される。
【0104】
上記動作経過記録には、消耗供給品の量または関連機器費用の必要性が記録される。これらには、砂もしくは炭素システムの媒体付加もしくは交換、限外濾過もしくはROユニットにおけるメンブレン交換、または、UVシステムに対するランプ交換が含まれる。これらの交換は頻繁ではないが運転記録の一部とされる必要があると予想される、と言うのも、それらはシステムの操業コストおよび稼働時間に大きく影響し得るからである。これらのO&M作業を完了する人員時間もまた、TOにより経過記録日誌に記録される。
【0105】
全体としての上記ユニットまたは上記試験システムの動作条件に関する他の一切の観察内容は、TOにより経過記録日誌に記録される。色変化、オイル光沢、明らかな沈降負荷などの目視観察に基づく流出液品質の変化に対する観察内容もまた、TOにより経過記録日誌に記録される。
【0106】
動作および保守経過記録日誌は、検定報告書を作成する間に使用される重要な記録である。これらの経過記録は、試験期間の間における流れおよび動作条件を有効化する情報を提供する。それらは更に、上記ユニットの操作性および必要とされた保守のレベル/程度に関して定量的な性能決定を行う基礎の役割を果たす。これらの経過記録は、始動および試験期間の間においてTOにより維持される。
【0107】
全ての試験が完了したなら、上記システムは清浄化されて現場からの積送の準備ができる。上記システムを汚染除去かつ清浄化し、それを積送に対して準備する時間が記録される。不動化の容易さまたは困難さも観察かつ記録される、と言うのも、これらの要因はこの種類の用途に使用される移動式処理システムにおいて重要だからである。
【0108】
サンプリング箇所および分析計画−手順:
システムには、2つの一次的サンプリング箇所が在る。この2つの一次的箇所は、上記システムにおける処理プロセスの直上流の流入液サンプリング箇所、および、限外濾過、ROもしくはUVユニット放出のいずれが最後の単位プロセスであれ、その直下流に配置された最終処理済み流出液サンプリング箇所である。両方のサンプリング箇所は、グラブ・サンプルまたは流れにより加重された複合サンプルが収集され得る様に設定される。
【0109】
グラブ・サンプルは、サンプル・ボトル内へと直接的に収集される(中間容器はない)。流れにより加重された複合体の収集は単純である、と言うのも、全ての試験条件は設定された期間に対して定常的な流速を要求するからである。故に、累積流に基づいて設定サンプル容積(たとえば500mL)が収集され得ると共に、流れにより加重された複合体が獲得される。全ての複合サンプルは、体積スループットに基づき(たとえば2,000ガロン毎に)等しい体積のサンプルの収集に基づいて流れ加重される。個々のグラブ・サンプルを収集するために、(分析リストに依存して)清浄なプラスチックまたはガラス容器が用いられる。サンプル・ボトルは、分析室により防腐剤を以て準備される。
【0110】
流入液および流出液のサンプルに加え、試験期間の間において遠心分離器から取出された固形物および現場から除去された一切のスラッジのサンプルも収集される。これらの遠心分離器からの固形物サンプルは、固形スラッジ保持タンクから収集された手動グラブ・サンプルである。上記タンクの50%がスラッジで充填されたとき、スラッジは保持タンクから該スラッジをタンクローリー・トラックに圧送することで取出される。スラッジ・サンプルは、上記保持タンクにおける2つの箇所および2つの深度にてスラッジの個々の部分標本(4つの部分標本)を収集することで獲得される。これらの部分標本は、ひとつの容器内へと組み合わされる。上記スラッジ・サンプル容器は、冷却されると共に分析のために分析室へと送られる。現場の操作者は、スラッジが上記システムから取出される毎に、上記タンクから圧送されたスラッジの体積を記録する。
【0111】
サンプリング頻度:
サンプリングの形式、頻度および分析リストは、“実験的設計態様−サンプリングおよび分析”という項目において示される。各検定試験段階に対する全てのサンプリングを示す要約表は、表5−2〜表5−6に与えられる。一次的箇所に対する各検定試験条件を10日間として、30日間のサンプリング日数である。基本のサンプリング形式および分析は、3通りの検定試験に亙りこれらの一次的サンプリング箇所(システムの流入液および流出液)に対して一貫している。3種類の事件形式および条件(1種類の生物学的事件および2種類の化学物質事件)に固有なものとして、付加的なサンプリングおよび分析が実施される。
【0112】
サンプル維持および保存
上記複合サンプルは良好に混合されて、適切な防腐剤を含む個々のサンプル容器内に注入される。分析室は、種々の分析に必要なサンプル・ボトルを提供する。これらのボトルは、ボトル内の防腐剤を伴うと共に、分析形式によりラベル表示される。
【0113】
各サンプルは、現場記入帳に経過記録され(上記ラベルと同一情報および採取者名)、温度を維持すべく氷を有する冷却器内に載置され、且つ、同日に分析室へと送られる。代替的に、検査分析室において冷蔵庫空間が利用可能であれば、サンプルは、各日にサンプリングが完了するまで冷蔵庫内に保存される。
【0114】
分析方法:
検定試験の間に使用される全ての分析方法は、EPAが承認した方法、または、“水および廃水の検証のための標準方法(Standard Methods for the Examination of Water and
Wastewater)”、第20版からの方法である。図4は、検定試験のための分析方法、および、これらの方法により達成される典型的な検出限界値を示している。
【0115】
pH、温度および濁度を含む幾つかのパラメータは、現場スタッフにより分析室において測定される。現場から離れた契約分析室は、他の全ての分析を行う。現場および分析室は両者ともに、全ての関連QCデータと共に全ての結果を報告する。結果としては、サンプルに対する全ての体積および重量の測定値、現場のブランク結果、方法ブランク、スパイクおよびスパイク複製結果、標準チェックサンプルおよび特別QCサンプルの結果、および、適切な較正結果が挙げられる。全ての作業は、品質保証プロジェクト計画(第7節)に記述された如く且つ分析SOPに概説された如く、確立されたQA/QCプロトコル内で実施される。標準試験手順からの一切の逸脱および分析の間に遭遇した困難さは、文書化されてデータと共に報告される。
【0116】
流量計の較正:
本明細書中に記述される如く、上記システムにより処理される流速および総体積に対しては冗長的測定が行われる。上記流量計は、流入液タンクにおける経時的な水位低下を測定することにより較正される。上記システム内には、数個の流量計が在る。各流量計は各検定試験の開始時に較正され、全ての流速データは単位プロセス毎に記録される。各日に処理された廃水の総体積は、流入液保持タンクの水位低下に基づき記録されると共に、流出液保持タンクに蓄積された体積に対してチェックされる。これらの冗長的測定によれば、各日に処理された総体積と使用される流速との両方が良好に測定されれる。
【0117】
品質保証および品質管理−プロジェクト計画:
VTPの間に使用される品質保証/品質管理プログラムの目的は、データおよび手順が測定可能な品質であることを確実にすると共に、この検定試験に対する品質目標および試験計画目標を支援することである。上記計画は、品質保証プロジェクト計画に対する米国のEPAの指針およびデータ品質目標プロセスに対するEPAの指針からの手引きを以て開発された。上記QA/QC計画は、この用途における上記システムの検定に対する特定の試験計画および要件に対して適合調整される。上記QA/QC計画は、検定試験計画の一部として記載されると共に、参考としてのVTPと共に参照かつ使用される。VTPはQA/QC計画の種々の要件の記述を含み、それらは幾つかの箇所にて援用される。
【0118】
検定試験データ−データ品質指標(DQI):
データの品質を評価すると共に検定プロセスを支援する上で、幾つかのデータ品質指標(DQI)が重要要因として認められた。これらの指標は、以下のものである:
・精度
・正確度
・代表性
・比較可能性
・完全性
【0119】
各DQIは以下に記述されると共に、各DQIの目標が特定される。精度および正確度に関する定量的なDQIに対しては、データの統計的分析を用いて性能測定値が検定される。試験の間においていずれかのQA目的が満足されなければ、原因の調査が開始される。困難性を解決すべく、必要ならば対策が講じられる。QA目的のいずれかを満足しないデータは検定報告書において目印を付され、そのQA目的に影響する問題の十分な検討が為される。
【0120】
精度:
精度とは、個々の測定値が相互に一致する度合いを指しており、確率的誤差の評価を提供する。分析精度は、個々の測定値が反復測定値の平均からどれだけ逸脱し得るかの尺度である。精度は、現場および分析室の複製物およびスパイクされた複製物の分析から評価される。サンプル分析から記録された標準偏差(SD)、相対標準偏差(RSD)および/または相対百分率差(RPD)は、精度を定量化する方法である。相対百分率差は、以下の式により計算される:
【0121】
【数1】

【0122】
流入液および流出液サンプルの両方の現場複製物が収集される。現場複製物は、収集された流入液および流出液の10個のサンプル毎に1個の頻度で収集される。分析室は、分析室QAプログラムの一部として、複製サンプルの試験を行う。複製物は、分析された10個毎のサンプルに対して1個の頻度で分析される。精度に対するデータ品質目標は、実施される分析の種類に基づく。表7−2は、各分析方法に対して確立された分析室精度を示している。データ品質目標は、±10%の相対百分率差から±30%まで変化する。
【0123】
正確度:
正確度は、水質分析に対し、測定値もしくは計算サンプル値と、サンプルの真の値との間の差として定義される。既知量の成分によりサンプル・マトリクスをスパイクし、且つ、分析において得られた回収率を測定することは、正確度を決定する方法である。特定のマトリクスにおける既知濃度を有する分析室性能サンプルを用いても、所定マトリクス内の成分を測定する分析方法の正確度が監視され得る。正確度は通常は、サンプルからの所定化合物の回収百分率として表現される。以下の式は、回収百分率を計算すべく使用される:
回収百分率=[(AT−Ai)/As]×100%
式中、
AT=スパイク済みサンプル中で測定された総量、
Ai=スパイクされないサンプル中で測定された量、
As=サンプルに対して加えられたスパイク量
VTPの間に分析室は、分析される10個のサンプル毎に1個のスパイク済みサンプルの頻度にて、マトリクスのスパイク済みサンプルの試験を行う。分析室はまた、分析室用比較対照サンプルとして、既知濃度の液体および固体サンプルも分析する。パラメータもしくは方法による正確度目標は、表7−2に示される。
【0124】
比較可能性:
比較可能性は、一貫した標準的なサンプリング/分析方法を用いることで達成される。全ての分析は、分析項目(表6−2)において列挙された如く米国のEPAまたは他者が公表した方法を用いて実施される。これらの方法からの一切の逸脱は、十分に記述され、データに対するQA報告書の一部として報告される。比較可能性はまた、体積および重量に対するトレース可能な測定デバイスの使用を含む国立標準技術研究所(NIST)のトレース可能基準を用いることでも達成される。分析試験において使用される全ての基準は、検証可能な基準の目的、全ての希釈に対する基準経過記録日誌の維持、および、作業標準の作成により、検証された基準に対してトレース可能である。比較可能性は、使用された試験手順のQA/QC調査および吟味と分析室において使用された全ての基準材料のトレーサビリティとを通して監視される。
【0125】
代表性:
代表性は、サンプリング箇所における母数、プロセス条件または環境条件の特性をデータが正確かつ精密に表す度合いの尺度を指している。試験計画の設計態様によれば、流入液および流出液のグラブ・サンプルおよび複合サンプルが収集されてから、個別に、または、流れにより加重された複合体として分析されることが必要とされる。各サンプルに対するサンプリング箇所は、容易なアクセスに対して設計されると共に、廃水を運ぶパイプに対して直接的に取付けられる。この設計態様によれば、流れの代表的サンプルがグラブまたは複合サンプル・ボトルの各々において確実に得られることが助力される。
【0126】
サンプル取り扱い手順は、個々の容器内にサンプルを注入する前に複合体用容器を完全に攪拌する段階を含む。分析室は、各サンプルが均一であると共にサンプル全体を代表することを確実とするために、副標本採取の前に一切のサンプルの完全な混合に対し(良好な分析室の手法に依る)設定手順に従う。上記システムは供給されたO&Mマニュアルに一致した様式で動作されることから、動作条件はこの機器に対する通常の設置および動作を表している。
【0127】
代表性は、サンプルを取り扱い且つ保存する分析室の手順の吟味と、サンプル収集の吟味および考察と、試験場所に維持された動作経過記録の吟味とを含むQA/QC調査(現場および分析室の両方)を通して監視される。検定機関またはその代理人は、少なくとも2回の現場および分析室の調査を実施する。
【0128】
完全性:
完全性は、試験期間の間に得られた有効なサンプルおよび測定値の個数の尺度である。完全性は、試験計画において指定された要件に対し、有効なデータ結果の個数を追尾することで測定される。完全性は、以下の式で計算される:
完全性百分率=(V/T)×100%
式中、
V=有効な測定値の個数、
T=試験において計画された測定値の合計数である。
データ品質目標の目的は、試験計画において予定されたサンプルに対して最小限で80%の完全性を達成することである。
【0129】
分析方法:
検定試験の間に使用される全ての分析方法は、米国EPAが承認した方法、または、“水および廃水の検証のための標準方法”、第20版からの方法である。図4は、検定試験のための分析方法、および、これらの方法により達成される典型的な検出限界値を示している。
【0130】
分析品質管理:
ブランク、スパイク、複製物、機器の較正、基準、参照チェック・サンプル、および、他の品質管理尺度は、EPA方法、SOPおよびShawの品質保証および品質管理マニュアルに従う。図5は、種々の品質管理チェックの分析の頻度を示している。図6は、これらの分析に対し、正確度および精度のためにDQIに従うことを確実にすべく分析室により使用される品質管理限界値を示している。現場および分析室の複製物は、収集された10個のサンプル毎に1個の複製の頻度で作成される。またサンプルは正確度の決定のために、分析室により分析された10個のサンプル毎に1個のサンプルの頻度でスパイクされる。正確度および精度は、本項において先に示された各式を用いて全てのデータに対して計算される。
【0131】
全ての分析室分析に対しては、既知品質である分析室のブランク水が用いられる。もしブランク水内に汚染が検出されたなら、分析は中止されて問題が解決される。分析室ブランク、方法ブランクおよび他の一切のブランク水のデータは、全ての分析結果と共に報告される。
【0132】
該当する場合、方法が適切に機能していることを検証するために分析室の比較対照サンプルが用いられる。比較対照サンプルは、証明済みの原料物質から得られた標準品からの成分によりスパイクされたブランク水である。天秤は、NISTのトレース可能な錘により毎日較正される。較正の経過記録日誌は天秤が正確であることを例証すべく維持される。
【0133】
現場ブランクは、試験場所において作成され、2つのサンプリング事象に対してサンプルと共に分析室に送られる。
【0134】
データの整理、取り扱いおよび報告:
式:
データ分析は、除去効率および種々の統計資料の計算を伴う。データ分析において使用される式は以下に提供される。
(百分率としての)除去効率=(流入液mg/L−流出液mg/L)/100(流入液内のmg/L)
サンプル平均(平均)=ybar=Σv/n
式中、
ybar=サンプル平均
Σv=サンプル値の合計
n=サンプルの個数
標準偏差=s=(Σ(y-ybar)2/n)1/2
式中、
S=サンプル標準偏差
y=個々のサンプル値
ybar=サンプル平均
95%信頼区間=ybar±tα/2(s/n1/2)
式中、
ybar=サンプル平均
s=サンプル標準偏差
n=サンプルの個数
tα/2は、自由度がn-1でありα/2=0.025としたスチューデントのt分布であり、且つ、
n=25に対してtα/2=2.068である。
ヒ素濾過試験の間、供試水は5ppmの濃度を達成すべく三酸化ヒ素またはヒ酸ナトリウムと混合された。これに加え、供試水はオイル/グリース、界面活性剤、および、適切な量の珪藻土と混合された。
【0135】
濾過プロセスの間、内部貯蔵タンク内に水を圧送する前に水の流れに対しては凝集剤が添加された。内部貯蔵タンク内の浮遊オイル吸収パッドは水中に存在するオイルおよびグリースを吸収した。水は遠心分離器を通されてから、媒体フィルタを通された。最初に水は砂および炭素を通されてからE-33媒体フィルタを通された。E-33吐出口からの水は、5ppb未満のヒ素を含んでいた。更なる濾過レベルを達成するために、水は約15LPMの拒絶量を有する限外濾過を通された。付録Aにおける10日間のヒ素試行の間に記録されたデータ・ログシートを参照されたい。図7はヒ素濾過試験の概要を概説すると共に、図8A〜図8Dはヒ素濾過の分析室結果を要約している。
【0136】
メチル・パラチオン濾過試験データ:
メチル・パラチオン濾過試験の間、供試水はメチル・パラチオンと混合されて5ppm濃度を得た。これに加え、供試水はオイル/グリース、界面活性剤、および、適切な量の珪藻土と混合された。
【0137】
濾過プロセスの間、内部貯蔵タンク内に水を圧送する前に水の流れに対しては凝集剤(硫酸アルミニウム)が添加された。内部貯蔵タンク内の浮遊オイル吸収パッドは水中に存在するオイルおよびグリースを吸収した。
【0138】
水は遠心分離器を通されてから、媒体フィルタを通された。プロセスの全体に亙り、供試水は砂および炭素のみを通され、E-33媒体フィルタはバイパスされた。メチル・パラチオンは炭素媒体フィルタにより、検出不能なレベルまで除去された。更なる濾過レベルを達成するために、水は約15LPMの拒絶量を有する限外濾過を通された。
【0139】
メチル・パラチオン試行の間に記録された以下のデータ・ログシートを参照されたい。付録Bにおける10日間のメチル・パラチオン試行の間に記録されたデータ・ログシートを参照されたい。図9はメチル・パラチオン濾過試験を概説すると共に、図10A〜図10Dはメチル・パラチオン濾過の分析室結果を要約している。
【0140】
脱塩素試験データ:
脱塩素試験の間、供試水は10%濃度の漂白剤溶液と混合され、2500ppm以上の濃度の塩素を得た。これに加え、供試水はオイル/グリース、界面活性剤、および、適切な量の珪藻土と混合された。
【0141】
濾過プロセスの間、供試水は脱塩素ユニットを通され、其処では反応容器を通過する前に水の流れ内に捕獲剤が注入された。
【0142】
第3反応容器の開始時に、pHを7より高く維持すべく苛性剤(50%濃度の水酸化ナトリウム)が注入された。脱塩素ユニット上に設置された苛性剤投入ポンプに加え、pH調整のために濾過設備の内側に設置された他の投入ポンプが用いられた。
【0143】
捕獲剤および苛性剤を添加した後、内部貯蔵タンク内の水は乳白色に変化したことを銘記されたい。この白色の沈殿は遠心分離器において微粉末の形態で取出されたが、限外濾過の後でさえも水は白色のままであった。水がROを通されたとき、水の回収率は15〜20%であった。
【0144】
内部貯蔵タンク内の浮遊オイル吸収パッドは、水中に存在するオイルおよびグリースを吸収した。付録Cにおける11日間の脱塩素試行の間に記録されたデータ・ログシートを参照されたい。図11は脱塩素試験の要約を概説すると共に、図12A〜図12Dは脱塩素の分析室結果を要約している。
【0145】
図13は、EPA試験の間に使用された化学物質および消耗品を示している。一方、図14は、関与コストを示している。
【0146】
本明細書において言及された全ての特許および公報は、本発明が関連する当業者の水準を示している。本明細書中における全ての特許および公報は、言及したことにより個々の公報が詳細かつ個別に援用されることが示されたのと同一の程度を以て、言及したことにより本明細書中に援用される。
【0147】
発明の一定形態が示されたが、本発明は本明細書中において記述かつ図示された特定の形態または配置構成に限定されないことは理解される。当業者であれば、本発明の有効範囲から逸脱せずに種々の変更が為され得ると共に、本発明は明細書およびそれに含まれる一切の図面に示されかつ記述された処に限定されると解釈されるべきでないことは明らかであろう。
【0148】
当業者であれば、本発明は目的を良好に達成すると共に、言及された成果および利点ならびに上記目的において特有である成果および利点を実現することを容易に理解し得よう。本明細書中に記述された実施例、方法、手順および技術は、現在における好適実施例を表し、例示的であることが意図され、且つ、有効範囲に対する限定は意図されない。当業者であれば、発明の精神内に包含されると共に添付の各請求項の有効範囲により定義されるというそれらの変更および他の用法が想起されよう。本発明は特定の好適実施例に関して記述されたが、権利請求された発明は斯かる特定実施例に対して不当に限定されるべきでないことを理解すべきである。実際、発明を実施する記述モードの種々の改変であって当業者には自明である改変は、添付の各請求項の有効範囲内であることが企図される。
【0149】
【表2−1】

【0150】
【表2−2】

【0151】
【表2−3】

【0152】
【表2−4】

【0153】
【表3−1】

【0154】
【表3−2】

【0155】
【表3−3】

【0156】
【表3−4】

【0157】
【表4−1】

【0158】
【表4−2】

【0159】
【表4−3】

【0160】
【表4−4】

【0161】
【表5−1】

【0162】
【表5−2】

【0163】
【表5−3】

【0164】
【表5−4】

【0165】
【表6−1】

【0166】
【表6−2】

【0167】
【表6−3】

【0168】
【表6−4】

【0169】
【表7−1】

【0170】
【表7−2】

【0171】
【表7−3】

【0172】
【表7−4】

【0173】
【表8−1】

【0174】
【表8−2】

【0175】
【表8−3】

【0176】
【表8−4】

【0177】
【表9−1】

【0178】
【表9−2】

【0179】
【表9−3】

【0180】
【表9−4】

【0181】
【表10−1】

【0182】
【表10−2】

【0183】
【表10−3】

【0184】
【表10−4】

【0185】
【表11−1】

【0186】
【表11−2】

【0187】
【表11−3】

【0188】
【表11−4】

【0189】
【表12−1】

【0190】
【表12−2】

【0191】
【表12−3】

【0192】
【表12−4】

【0193】
【表13−1】

【0194】
【表13−2】

【0195】
【表13−3】

【0196】
【表13−4】

【0197】
【表13−5】

【0198】
【表14−1】

【0199】
【表14−2】

【0200】
【表14−3】

【0201】
【表14−4】

【0202】
【表15−1】

【0203】
【表15−2】

【0204】
【表15−3】

【0205】
【表15−4】

【0206】
【表16−1】

【0207】
【表16−2】

【0208】
【表16−3】

【0209】
【表16−4】

【0210】
【表17−1】

【0211】
【表17−2】

【0212】
【表17−3】

【0213】
【表17−4】

【0214】
【表18−1】

【0215】
【表18−2】

【0216】
【表18−3】

【0217】
【表18−4】

【0218】
【表19−1】

【0219】
【表19−2】

【0220】
【表19−3】

【0221】
【表19−4】

【0222】
【表20−1】

【0223】
【表20−2】

【0224】
【表20−3】

【0225】
【表20−4】

【0226】
【表21−1】

【0227】
【表21−2】

【0228】
【表21−3】

【0229】
【表21−4】

【0230】
【表22−1】

【0231】
【表22−2】

【0232】
【表22−3】

【0233】
【表22−4】

【0234】
【表22−5】

【0235】
【表22−6】

【0236】
【表23−1】

【0237】
【表23−2】

【0238】
【表23−3】

【0239】
【表23−4】

【0240】
【表24−1】

【0241】
【表24−2】

【0242】
【表24−3】

【0243】
【表24−4】

【0244】
【表25−1】

【0245】
【表25−2】

【0246】
【表25−3】

【0247】
【表25−4】

【0248】
【表26−1】

【0249】
【表26−2】

【0250】
【表26−3】

【0251】
【表26−4】

【0252】
【表27−1】

【0253】
【表27−2】

【0254】
【表27−3】

【0255】
【表27−4】

【0256】
【表28−1】

【0257】
【表28−2】

【0258】
【表28−3】

【0259】
【表28−4】

【0260】
【表29−1】

【0261】
【表29−2】

【0262】
【表29−3】

【0263】
【表29−4】

【0264】
【表30−1】

【0265】
【表30−2】

【0266】
【表30−3】

【0267】
【表30−4】

【0268】
【表31−1】

【0269】
【表31−2】

【0270】
【表31−3】

【0271】
【表31−4】

【0272】
【表32−1】

【0273】
【表32−2】

【0274】
【表32−3】

【0275】
【表32−4】

【図面の簡単な説明】
【0276】
【図1】濾過設備の流れ図である。
【図2】ミルクリーク社製汚水処理設備からの二次的流出液の特性を示す図である。
【図3】サンプル収集および分析プログラムの概要を示す図である。
【図4】検定試験に対する分析方法および該方法により達成される典型的な検出限界値を示す図である。
【図5】種々の品質管理チェックの頻度を示す図である。
【図6】種々の分析パラメータ(pH、温度、濁度など)に対する分析の正確度および精度の限界値の概要を示す図である。
【図7】10日間に亙るヒ素濾過試験の概要を示す図である。
【図8A】3日間に亙る種々の分析パラメータに関する流入液/流出液の結果に対するヒ素濾過結果を示す図である。
【図8B】3日間に亙る種々の分析パラメータに関する流入液/流出液の結果に対するヒ素濾過結果を示す図である。
【図8C】2日間に亙る種々の分析パラメータに関する流入液/流出液の結果に対するヒ素濾過結果を示す図である。
【図8D】2日間に亙る種々の分析パラメータに関する流入液/流出液の結果に対するヒ素濾過結果を示す図である。
【図9】10日間に亙るメチル・パラチオン分析室試験の概要を示す図である。
【図10A】3日間に亙る種々の分析パラメータに関する流入液/流出液の結果に対するメチル・パラチオンの分析室試験結果を示す図である。
【図10B】3日間に亙る種々の分析パラメータに関する流入液/流出液の結果に対するメチル・パラチオンの分析室試験結果を示す図である。
【図10C】3日間に亙る種々の分析パラメータに関する流入液/流出液の結果に対するメチル・パラチオンの分析室試験結果を示す図である。
【図10D】1日間に亙る種々の分析パラメータに関する流入液/流出液の結果に対するメチル・パラチオンの分析室試験結果を示す図である。
【図11】11日間に亙る脱塩素試験の結果の概要を示す図である。
【図12A】11日間に亙る種々の分析パラメータ(pH、TDSなど)に関する原水に対する脱塩素の分析室試験結果を示す図である。
【図12B】11日間に亙る種々の分析パラメータ(pH、TDSなど)に関する脱塩素水に対する分析室試験の結果を示す図である。
【図12C】11日間に亙る種々の分析パラメータ(pH、TDSなど)に関する濾過水に対する分析室試験の結果を示す図である。
【図12D】11日間に亙る種々の分析パラメータ(pH、TDSなど)に関する処理済み吐出水に対する分析室試験の結果を示す図である。
【図13A】ヒ素、メチル・パラチオン、脱塩素に対するEPA試験の間に使用される化学物質および消耗品を示す図である。
【図13B】ヒ素、メチル・パラチオン、脱塩素に対するEPA試験の間に使用される化学物質および消耗品を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体有害的なテロ事件の結果として生成された廃水を処理する方法であって、
(a)流入廃水内へと少なくとも100,000mg/Lのレベルにて少なくとも一種類の塩素含有作用物質を導入し、流入液内に含有された汚染物質を根絶するに有効な過塩素化流出液を生成する段階と、
(b)上記過塩素化流出液に対する有効量の脱塩素作用物質を以て該過塩素化流出液を中和することで、実質的に中和された最終流出液を提供する段階と、
(c)上記中和済み流出液を少なくとも一台の逆浸透ユニットに通すことで、該流出液内に含有された溶解固形分を低減させ、最終処理済み流出液を生成する段階とを備え、
上記最終処理済み流出液は放出される廃水処理方法。
【請求項2】
前記組み合わせ段階における前記最終流出液は、微粒子を除去するに有効な少なくとも一個の研磨砂フィルタと、溶解有機物を除去するに有効な少なくとも一個の炭素吸着ユニットと、前記廃水内に存在する微量金属を吸着するに有効な少なくとも一個のE33濾過媒体吸着ユニットとを備えた媒体濾過ユニットに対して流体接続される請求項1記載の廃水処理方法。
【請求項3】
前記最終流出液ユニットは、約0.003〜約0.02ミクロンの範囲の粒子を除去し得る限外濾過システムを通される請求項1記載の廃水処理方法。
【請求項4】
前記脱塩素作用物質はチオ硫酸カルシウムである請求項1記載の廃水処理方法。
【請求項5】
前記脱塩素作用物質はチオ硫酸カルシウムである請求項1記載の廃水処理方法。
【請求項6】
前記塩素含有作用物質は二酸化塩素である請求項1記載の廃水処理方法。
【請求項7】
前記塩素含有作用物質は次亜塩素酸ナトリウムである請求項1記載の廃水処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図13A】
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【図13B】
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【公表番号】特表2008−500152(P2008−500152A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502115(P2007−502115)
【出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/007683
【国際公開番号】WO2005/113103
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(506298770)アルトラストリップ システムズ、インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】