説明

モジュール式給電装置および特にポリシリコン製造のための反応炉用モジュール式給電装置

【課題】制御手段によって調整および制御される、中央制御ユニットおよび基本給電ユニットを有する、ポリシリコンを製造するための給電装置の提供。
【解決手段】基本給電ユニットは給電モジュールに電力を供給し、電力幹線からの電気エネルギが基本給電ユニットを介して供給される負荷に接続するための入力部および出力部に接続され、負荷に供給されるべき前記エネルギを調整するように構成される制御可能なスイッチとを有し、前記制御ユニットには電気エネルギが供給され、給電装置は通信バスを含み、制御モジュールおよび基本給電モジュールを前記通信バスに接続可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電装置、特に、制御装置および少なくとも1つの基本給電ユニットを有する、ポリシリコンを製造するための反応炉のための給電装置に関し、制御ユニットは、少なくとも1つの、基本給電ユニットを調整および/または制御するための制御・調整手段を有し、基本給電ユニットは、電気エネルギを供給するための電力幹線と接続するための、少なくとも1つの入力部と、電力幹線からの電気エネルギが、基本給電ユニットを介して供給される負荷群と接続するための少なくとも1つの出力部と、少なくとも間接的に前記入力部と、および少なくとも間接的に前記出力部と接続され、出力部を介して負荷に供給されるべきエネルギを調整するように構成される制御可能なスイッチ、好ましくはサイリスタとを有し、ここで該スイッチは制御ユニットによって制御可能である。
【背景技術】
【0002】
このタイプの給電装置は、たとえば、独国実用新案第202004014812号明細書から知られる。該文献には、基本給電ユニットを備える給電装置が開示され、該基本給電ユニットによって、給電装置に直列に接続された負荷に電力を供給することが可能である。該負荷の一部は、中間電圧供給ユニットから中間電圧を並列に供給されることが可能である。制御ユニットについては、該文献には詳細に説明されていない。特に、制御ユニットが、基本給電ユニットの制御可能なスイッチ、または中間電圧供給ユニットにどのように作用するかについては開示されていない。
【0003】
さらにまた、独国実用新案第202009003325号明細書には、基本給電ユニットと中間電圧供給ユニットとを有する給電装置が記載されているが、そこには基本給電ユニットが詳細に説明されていない。制御ユニットについて該文献では言及されているけれども、詳細には記載されていない。
【0004】
このタイプの給電装置および他の給電装置のさらなる欠点は、これらは、それぞれ別個に、その要求に合わせて構成されるということである。過去の解決手段についての経験に頼ることができるけれども、それぞれの給電装置は、特定の給電の問題についてのそれぞれの解決手段である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、制御ユニットと基本給電ユニットとを備える簡易な給電装置から出発して、特定の解決手段のために新たな設計を必要とすることなく、柔軟に対応することができる、冒頭のタイプの給電装置に改良を行うことである。
【0006】
この目的は、制御ユニットが制御モジュールであり、基本給電ユニットが基本給電モジュールであり、制御モジュールが、制御モジュールに電気エネルギを供給するための電力幹線への接続のための入力部を有し、給電装置が通信バスを有し、制御モジュールも基本給電モジュールも、制御モジュールおよび基本給電モジュールを通信バスに接続するように構成されるインタフェースを有する、本発明によって達成される。
【0007】
本発明に従うモジュール式給電装置は、制御モジュールと基本給電モジュールとを備える装置から柔軟に拡張することが可能である。これらの拡張としては、たとえば、場合によっては後から給電装置に付加されてもよい、さらなる基本給電モジュールがある。付加されるべきモジュールは、インタフェースおよび通信バスを介して制御モジュールに接続されて、制御モジュールによって制御または調整を可能にする。さらに、これらのモジュールは、電力幹線への接続のための専用の入力部を有する。したがって、本発明の給電装置は、容易に拡張可能である。したがって、本発明に従う給電装置は、たとえば、基本給電モジュールの数を電力が供給されるべきシリコン細棒の数に一致させることによって、シーメンス法でポリシリコンを製造する実際の用途に適用可能である。場合によっては、プロセス制御を改良するために、シーメンス法に従って動作するポリシリコン反応炉に電力を供給する給電装置にモジュールを後付けしてもよい。それによって、給電装置の製造業者またはポリシリコン製造業者は、条件の変化、たとえば、原材料、エネルギ、ポリシリコンの価格、または需要の変化に、シーメンス反応炉を有する設備を自由に適合させることができる。
【0008】
給電装置は、いくつかの二次側タップを有する変圧器を含んでもよく、変圧器の各タップは、1つの入力部に関連付けられてもよい。制御可能なスイッチ群は、このタップを介して、電力幹線から取り出されるべき電気エネルギを調整するための基本給電モジュールの各入力部に関連付けられてもよい。制御可能なスイッチは、たとえばサイリスタであってもよい。制御可能なスイッチ群は、有利には、さらなるスイッチの相互接続なしで、一方でタップと、他方で基本給電モジュールの出力部と接続されてもよい。有利には、上述の制御可能なスイッチ群の他に、タップと出力部との間の電流経路に、さらなるスイッチ、特に安全な切断のための機械的な高電流スイッチは設けられていない。
【0009】
しかしながら、制御可能なスイッチ群と前記出力部との間にノードが設けられてもよい。ノードはさらなる制御可能なスイッチを介して基準電位に接続されてもよい。このようにして、基本給電モジュールの出力部は接地され、グランドを介して短絡されてもよい。これは、基本給電モジュールの出力部に接続される負荷に他の方法で電気エネルギが供給された場合に望ましい。好ましくは、本発明に従う基本給電モジュールは、制御可能なスイッチ群のうちの1つの制御可能なスイッチまたはさらなる制御可能なスイッチのいずれかが基準電位への接続のために閉じられることを確保するインターロックを有する。このようにして、基本給電モジュールからの、および他の給電源からの基本給電モジュールに接続された負荷への同時給電を防止することができる。
【0010】
基本給電モジュールの出力部において、負荷に、0Vから3000Vまで、好ましくは2500VまでのAC電圧および0Aから5000Aまで、好ましくは4000Aまで、特に3000AまでのAC電流が供給されてもよい。たとえば6000V〜33,000Vの中間電圧範囲の3相AC電圧が変圧器の入力部に印加されてもよい。0V〜3000V、好ましくは2500Vの単相AC電圧が、基本給電モジュールの入力部に存在していてもよい。
基本給電モジュールは、接地不良を識別するための手段を含んでもよい。
【0011】
本発明に従うモジュール式給電装置は、複数の同一または類似の基本給電モジュールを含んでもよい。
【0012】
本発明のモジュール式給電装置は、異なるタイプのモジュールとして、電気エネルギを供給するための電力幹線または変圧器への接続ための少なくとも1つの入力部と、電力幹線から電気エネルギが供給されるように構成される負荷群のうちの1つの対応する負荷への接続のための複数の出力部と、モジュール式給電装置を前記通信バスに接続することができるインタフェースとを有する中間電圧供給モジュールを含んでもよい。
【0013】
基本給電モジュールは、電力を接続された負荷に供給するように構成される給電装置の出力部において、0Vから2000Vまで、好ましくは最大2500Vまで供給することが好ましいけれども、さらにより高い電圧が中間電圧供給モジュールで供給されてもよい。たとえば、中間電圧供給モジュールにおいて、0Vから12,000Vまで、特に8000VまでのAC電圧および0Aから50Aまで、好ましくは20AまでのAC電流が供給されてもよい。
【0014】
本発明に従う給電装置の中間電圧供給モジュールには、その入力部において、電力幹線または変圧器のタップから400Vの3相AC電圧が供給され得る。中間電圧供給モジュールは、入力部に供給される電圧を増加させるための少なくとも1つの変換器を含んでいてもよい。対応する変換器は、中間電圧供給モジュールの各出力部に関連付けられてもよい。
【0015】
少なくとも、前記中間電圧供給モジュールの出力部に接続される負荷に電力が供給される間、前記出力部間の結合電圧は0Vであってもよい。2つの対応する端子が中間電圧供給モジュールの出力部に関連付けられてもよく、2つの外部端子を除いて、すべての他の内部端子が2つの出力部に関連付けられる。中間電圧供給モジュールの外部端子は、基本給電モジュールの出力部の各端子にそれぞれ接続される。次いで、中間電圧供給モジュールから基本給電モジュールの出力部への電流の流れを可能にすることなく、複数の負荷が基本給電モジュールの出力部に直列に接続されてもよい。
【0016】
モジュール式給電装置は、複数の同一のまたは類似の中間電圧供給モジュールを含んでもよい。
【0017】
本明細書との関連においても同様に、中間電圧モジュールは異なっていてもよいが、少なくとも通信バスへのインタフェースは同一であり、各中間電圧供給モジュールは送電系統への専用の接続部を有していることを意味する。
【0018】
好ましくは、中間電圧供給モジュールの数は、基本給電モジュールの数に対応する。中間電圧供給モジュールおよび基本給電モジュールは、それぞれ、対応する負荷群に対で関連付けられてもよい。
【0019】
本発明のモジュール式給電装置は、電気エネルギを供給するための電力幹線または変圧器との接続のための少なくとも1つの入力部と、電力幹線からの電気エネルギが供給されるべき負荷群のうちの対応する負荷への接続のための複数の出力部とを含み、モジュール式給電装置を通信バスに接続するインタフェースを含む中間周波数供給モジュールを含んでもよい。
【0020】
2kHz〜250kHz、好ましくは20kHz〜150kHzの周波数で、0V〜100V、好ましくは50VのAC電圧、および0A〜1500AのAC電流が、中間周波数供給モジュールの出力部に供給されてもよい。
【0021】
モジュール式給電装置の中間周波数供給モジュールは、電力幹線からの、入力部に供給される電圧の周波数を変化させる、特に増加させるための1または複数の周波数変換器を含んでもよい。
【0022】
中間周波数供給モジュールの対応する出力部が、周波数変換器の各出力部に関連付けられてもよい。少なくとも、中間周波数供給モジュールの出力部に接続される負荷に電力が供給されるとき、中間周波数供給モジュールの出力部対間の結合電圧は0Vであってもよい。
【0023】
2つの端子のそれぞれが、中間周波数供給モジュールの各出力部に関連付けられ、各出力部対は2つの外部端子と1つの内部端子とを有し、外部端子は、出力部対の2つの出力部のうちの対応する1つの出力部に関連付けられ、内部端子は出力部対の2つの出力部に関連付けられてもよい。
【0024】
200V〜690V、好ましくは400Vの3相AC電圧が、電力幹線からまたは変圧器から、2つの外部端子間で、中間周波数供給モジュールの入力部に供給されてもよい。
【0025】
モジュール式給電装置は、複数の同一または類似の中間周波数供給モジュールを含んでもよい。通信バスへの接続のために、類似の中間周波数供給モジュールが、少なくとも、他の中間周波数供給モジュールと同一のインタフェースと、幹線接続部とを有する。中間周波数モジュールの数は、基本給電モジュールの数に対応してもよい。
【0026】
有利には、本発明に従うモジュール式給電装置において、制御モジュール、基本給電モジュール、および場合によっては各中間周波数供給モジュールは、対応する制御キャビネットにそれぞれ配置される。各中間電圧供給モジュールは、基本給電モジュールとともに制御キャビネットに配置されてもよい。有利には、各制御キャビネットは幹線接続部を含む。各モジュールは、補助給電装置への接続部を有してもよい。各制御キャビネットは、表示ユニット、特に表示画面を含んでもよい。
【0027】
制御モジュールを除いて、各モジュールは、該モジュール内で、たとえば測定変数のための記録器、制御可能なスイッチング素子、たとえばサイリスタの制御端子などに接続される、分散制御ユニットを有してもよい。分散制御ユニットはモジュールのインタフェースを介して通信バスに接続されてもよい。分散制御ユニットは制御モジュールの下流側に配置されてもよい。
【0028】
本発明に従う給電装置は、好ましくは、エネルギを偶数の負荷に供給するのに適して構成され、したがって偶数の出力部を有する。
【0029】
以下、図面を参照して、本発明に従うモジュール式給電装置の例示の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1a】本発明に従うモジュール式給電装置を示す概略回路図である。
【図1b】本発明に従うモジュール式給電装置を示す概略回路図である。
【図2】3つの基本給電モジュールを有するモジュール式給電装置を示す概略回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明に従うモジュール式給電装置であって、変圧器40、基本給電モジュールB、中間電圧供給モジュールMVおよび中間周波数供給モジュールMFの配線接続を示す。制御モジュールおよび通信バスは図示されていない。また、基本給電モジュールB、中間電圧供給モジュールMVおよび中間周波数供給モジュールMF内に配置される制御ライン、測定値記録器および測定値ライン、ならびに通信バスに対する各モジュールB,MV,MFのインタフェースおよびインタフェースドライバ回路も図示されていない。同様に、任意の制御ユニット、および/または制御モジュールの下流側に任意に配置されかつ基本給電モジュールB、中間電圧供給モジュールMVおよび中間周波数供給モジュールMFに設けられるドライバまたはトリガ回路もまた図示されていない。
【0032】
図1に従うモジュール式給電装置の基本給電モジュールBは、変圧器40の一次側に接続される幹線接続部を含む。変圧器40の二次側は、複数の第1タップ401〜406を含む。各第1タップ401〜406は、基本給電モジュールBにおいて、2つの逆並列接続されたサイリスタ11またはトライアックを介してノード12と接続される。一方、ノード12は、基本給電モジュールBの出力部の第1の端子131に接続される。ノード12は、制御可能なスイッチ141を介して接地されてもよい。変圧器40の二次側の第2タップ407は、基本給電モジュールBの出力部の端子132に接続され、制御可能なスイッチ142を介して接地されてもよい。
【0033】
可能性のある最も大きな電圧降下が、変圧器40の二次側の第1タップ401と第2タップ407との間で生じる。他の第1タップ402〜406はこれら2つのタップ401,407間に配置されるので、これらの第1タップ402〜406の1つと第2タップ407との間の電圧降下は、可能性のある最も大きな電圧降下よりも小さい。どのサイリスタ分岐111〜116が導通しているかによって、スイッチ141が開いている場合に、より高いまたはより低い電圧がノード12、したがって端子131に供給される。第1タップ401および第2タップ407間の可能性のある最も大きい電圧と、第1タップ406および第2タップ407間の最も小さい電圧との間の電圧が、サイリスタの点弧角、または位相角を調整することによって連続的に調整可能である。
【0034】
基本給電モジュールBは、調整されたまたは基本負荷電力を、端子131,132間に基本給電モジュールBに直列に接続されるシリコン棒またはシリコン細棒R1〜R4に供給することを確保する。
【0035】
シーメンス反応炉の出力電力は、中間電圧供給モジュールMVおよび中間周波数供給モジュールMFによって改善することができる。したがって、中間電圧供給モジュールMVおよび中間周波数供給モジュールMFは、モジュール式スイッチング装置に付加的に設けられてもよい。
【0036】
基本給電モジュールBからの電流が供給されるシリコン棒またはシリコン細棒R1〜R4は、低温において、すなわち室温においても、絶縁体である。シリコン棒またはシリコン細棒R1〜R4は、加熱によってだけ導通状態になる。中間電圧供給モジュールMVは、蒸着プロセスの初めにシリコン棒またはシリコン細棒R1〜R4を加熱して導通状態にするために使用することができ、基本給電モジュールBから電流を供給することができる(誘電体加熱)。この目的のために、中間電圧供給モジュールBの出力部は、基本給電モジュールBよりも高い電圧を供給する。各シリコン棒またはシリコン細棒R1,R2,R3,R4は、各出力部に接続される。好ましくは、出力部に供給される中間電圧は、幹線周波数よりも高い周波数、たとえば5kHzを有する。
【0037】
図1に示される中間電圧供給モジュールMVは、3相幹線電圧からより高い周波数の電圧を生成するために使用することができる合計3つの変換器20を有する。この電圧は、その後、変圧器21によって、たとえば最大12kVまでのより高い電圧に上方変換される。幹線電圧よりも高い周波数を有するこの中間電圧は、その後、中間電圧供給モジュールMVの出力部に供給される。各シリコン棒またはシリコン細棒R1,R2,R3,R4は、各出力部に接続される。
【0038】
中間電圧供給モジュールMVの出力部23は、相互に結合される。この理由のために、5つの端子231〜235だけが、図示された4つの出力部のために設けられる。これら5つの端子のうち、端子232,233,234が、出力部のチェーンの2つのそれぞれ連続する出力部のために使用され、端子231,235が、出力部のチェーンの始点および終点に設けられる1つの出力部のために使用される。
【0039】
中間電圧供給モジュールMVの出力部における電圧は、出力部のチェーン全体にわたる電圧降下が0Vとなるように設定される。したがって、中間電圧供給モジュールMVの動作中、端子231,235間の電圧降下がない。これらの端子231,235はシリコン棒またはシリコン細棒R1〜R4の直列接続の端部に設けられ、またこの直列接続が基本給電モジュールBの出力部に接続されるので、中間電圧供給モジュールMVの動作中、中間電圧供給モジュールMVによって生成される基本給電モジュールBの出力部に存在する電圧はない。
【0040】
中間電圧供給モジュールMVとは異なり、中間周波数供給モジュールMFは、基本給電モジュールBと同時に、シリコン棒またはシリコン細棒R1,R2,R3,R4に電流を供給するために使用される。中間周波数供給モジュールMFは、その出力部34において、幹線電圧または基本給電モジュールBの出力電圧よりも高い周波数を有する電圧を供給する。
【0041】
中間周波数供給モジュールMFは、2つの3相幹線接続部を有する。これらの幹線接続部のそれぞれは、中間周波数供給モジュールMF内で、対応する周波数変換器に接続される。各周波数変換器は2つのステージ31,32を有する。第1ステージ31は、幹線電圧を対応するDC電圧に変換する。該DC電圧は、周波数変換器の第2ステージ32において、より高周波のAC電圧に変換される。これらの高周波AC電圧は、対応する変圧器33の一次側に供給される。各変圧器33の磁束は、2つのコイル332を介して二次側を通過する。2つの変圧器33のそれぞれの二次コイル332は同一である。各二次コイル332は、中間周波数供給モジュールMFの出力部34と並列に接続される。各シリコン棒またはシリコン細棒R1,R2,R3,R4は、各出力部34に接続される。2つの出力部34のそれぞれは、相互に結合される。これらは同一の変圧器33から電圧を受ける出力部34であり、これは、二次コイル332の2つのタップが各端子341,343および344,346とそれぞれ接続されることを意味する。二次コイル332の他方の2つのタップは各ノード351,352とそれぞれ接続される。ノード351,352は、端子343,345に接続される。各変圧器32の二次コイル332は、変圧器の二次コイルの中央に正確に配置される中央タップを有する二次側コイルに置換されてもよい。
【0042】
各変圧器32の二次コイル332間の電圧降下の大きさは同一である。しかしながら、電圧は逆極性である。なぜなら、各変圧器32の2つの二次コイル332の巻きが逆方向であるからである。一方の変圧器32に関連付けられた出力部34を結合することによって、端子341,343および344,346間の電圧降下がそれぞれ0になる。端子341,344が、シリコン棒またはシリコン細棒R2,R3間の電気的導通接続を少なくとも介して、相互に接続されるので、中間周波数供給モジュールMFの出力部34の端子341,346間の電圧降下もない。したがって、端子341,346が基本給電モジュールBの端子131,132にそれぞれ接続されるけれども、基本給電モジュールBとの並列動作中、中間周波数供給モジュールMFから基本給電モジュールBへ電流が供給されない。
【0043】
しかしながら、電流は、基本給電モジュールBから中間周波数供給モジュールMF内に依然として供給され得る。これは、変圧器32の二次側のコイルと端子341,343,344,346との間に、基本給電モジュールによって供給される低周波電流を濾波する、すなわち遮断するコンデンサ36を配置することによって防止することができる。結果として、中間周波数供給モジュールMFは基本給電モジュールBから減結合される。
【0044】
3つの図示されたモジュールB,MV,MFは、相互に独立して動作可能であり、一方のモジュールが他方のモジュールに対して要求しないように構成される。すべてのモジュールは専用の幹線接続部を有する。
【0045】
図示された給電のための幹線接続部に加えて、補助電流供給部が相互に分離している。インタフェースおよび通信バス(図示せず)を介する図示しない制御モジュールへの接続部もまた、相互に独立している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリシリコン製造のための反応炉用給電装置であって、
給電装置が、中央制御ユニットと少なくとも1つの基本給電ユニットとを含み、
前記制御ユニットが、前記基本給電ユニットを制御および/または調整するための少なくとも1つの制御器を含み、
前記基本給電ユニットが、
前記基本給電モジュールに電気エネルギを供給するための少なくとも1つの入力部と、
電力幹線からの電気エネルギを、前記基本給電ユニットを介して供給可能な負荷群に接続するための少なくとも1つの出力部と、
複数の制御可能なスイッチであって、少なくとも間接的に入力部と、および少なくとも間接的に出力部と接続され、前記出力部を介して前記負荷に供給されるべき前記エネルギを調整するように構成される、複数の制御可能なスイッチとを含み、
前記スイッチは前記制御ユニットによって制御可能であり、
前記制御ユニットは制御モジュールであり、基本給電ユニットは基本給電モジュールであり、
前記制御モジュールは、制御モジュールに電気エネルギを供給するための電力幹線への接続のための入力部を含み、
給電装置は通信バスを含み、
前記制御モジュールも前記基本給電モジュールも、該制御モジュールと該基本給電モジュールとを前記通信バスに接続するように構成されたインタフェースを含むことを特徴とする給電装置。
【請求項2】
複数の二次側タップを有する変圧器を含むことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式給電装置。
【請求項3】
前記変圧器の各タップは、前記基本給電モジュールの対応する入力部に関連付けられ、制御可能なスイッチ群は、前記基本給電モジュールの入力部であって、この入力部を介して受けるべき前記電気エネルギを調整するための前記基本給電モジュールの入力部にそれぞれ関連付けられることを特徴とする請求項2に記載のモジュール式給電装置。
【請求項4】
前記制御可能なスイッチ群は、さらなるスイッチの相互接続なしで、前記基本給電モジュールの入力部および出力部に接続されることを特徴とする請求項3に記載のモジュール式給電装置。
【請求項5】
前記制御可能なスイッチ群と前記出力部との間にノードが設けられ、該ノードはさらなる制御可能なスイッチを介して基準電位に接続可能であることを特徴とする請求項4に記載のモジュール式給電装置。
【請求項6】
複数の同一または類似の基本給電モジュールを含むことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式給電装置。
【請求項7】
中間電圧供給モジュールであって、電気エネルギを供給する電力幹線への接続または変圧された入力部を接続するための少なくとも1つの入力部と、前記負荷群から、前記電力幹線から取り出される電気エネルギが前記変圧器を介して供給されてもよい1つの対応する負荷への接続のための複数の出力部と、前記モジュール式給電装置を前記通信バスに接続するインタフェースとを含む中間電圧供給モジュールを含むことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式給電装置。
【請求項8】
前記中間電圧供給モジュールは、前記入力部に印加されるべき電圧を増加させるための少なくとも1つ変換器を含むことを特徴とする請求項6に記載のモジュール式給電装置。
【請求項9】
対応する変換器が前記中間電圧供給モジュールの各出力に関連付けられることを特徴とする請求項7に記載のモジュール式給電装置。
【請求項10】
少なくとも、前記中間電圧供給モジュールの出力部に接続される負荷に電力が供給されるとき、前記出力部間の結合電圧は約0Vであることを特徴とする請求項6に記載のモジュール式給電装置。
【請求項11】
中間周波数供給モジュールであって、電気エネルギを供給するための電力幹線への接続のための少なくとも1つの入力部と、前記負荷群から、前記電力幹線から受ける電気エネルギが供給可能である1つの対応する負荷への接続のための複数の出力部と、前記モジュール式給電装置を前記通信バスに接続するインタフェースとを含む中間周波数供給モジュールを含むことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式給電装置。
【請求項12】
前記中間周波数供給モジュールは、前記入力部に印加される前記電力幹線の電圧の周波数を増加させるための1または複数の周波数変換器を含むことを特徴とする請求項10に記載のモジュール式給電装置。
【請求項13】
前記周波数変換器の1つの対応する出力部が、各出力部に関連付けられることを特徴とする請求項11に記載のモジュール式給電装置。
【請求項14】
少なくとも、前記中間周波数供給モジュールの出力部に接続される負荷に電気エネルギが供給されるとき、前記中間周波数供給モジュールの1対の出力部間の結合電圧は約0Vであることを特徴とする請求項10に記載のモジュール式給電装置。
【請求項15】
2つの対応する端子が前記中間周波数供給モジュールの各出力部に関連付けられ、各出力部対は2つの外部端子と1つの内部端子とを有し、前記外部端子は、前記1対の出力部の2つの出力部のうちの対応する1つの出力部に関連付けられ、前記内部端子は前記1対の出力部の2つの出力部に関連付けられることを特徴とする請求項10に記載のモジュール式給電装置。
【請求項16】
200V〜600Vの3相AC電圧が、たとえば変圧器から、前記中間周波数供給モジュールの入力部に供給されていることを特徴とする請求項10に記載のモジュール式給電装置。
【請求項17】
複数の同一または類似の中間周波数供給モジュールを含むことを特徴とする請求項10に記載のモジュール式給電装置。
【請求項18】
前記中間周波数供給モジュールの数は、基本給電モジュールの数に対応することを特徴とする請求項10に記載のモジュール式給電装置。
【請求項19】
複数の制御キャビネットを含み、前記制御モジュール、各基本給電モジュールおよび場合によっては各中間周波数供給モジュールは、対応する制御キャビネットに配置されることを特徴とする請求項1に記載のモジュール式給電装置。
【請求項20】
基本給電モジュールとともに各中間電圧供給モジュールは、制御キャビネットに配置されることを特徴とする請求項19に記載のモジュール式給電装置。
【請求項21】
各制御キャビネットは前記電力幹線への接続部を含むことを特徴とする請求項19に記載のモジュール式給電装置。
【請求項22】
各モジュールは、補助給電装置への接続部を有することを特徴とする請求項1に記載のモジュール式給電装置。
【請求項23】
各制御キャビネットは、表示ユニット、特に表示画面を有することを特徴とする請求項19に記載のモジュール式給電装置。
【請求項24】
前記さらなるスイッチが接触器などの機械的スイッチであることを特徴とする請求項4に記載のモジュール式給電装置。
【請求項25】
前記中間電圧供給モジュールは、前記入力部に印加されるべき電圧を増加させるための少なくとも1つの変換器を含むことを特徴とする請求項7に記載のモジュール式給電装置。
【請求項26】
前記3相AC電圧は、約400Vであることを特徴とする請求項16に記載のモジュール式給電装置。
【請求項27】
各制御キャビネットは、前記電力幹線への接続部を含むことを特徴とする請求項20に記載のモジュール式給電装置。
【請求項28】
前記制御可能なスイッチは、サイリスタであることを特徴とする請求項1に記載のモジュール式給電装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−172470(P2011−172470A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−5335(P2011−5335)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(511011861)
【氏名又は名称原語表記】AEG Power Solutions B.V.
【住所又は居所原語表記】Weerenweg 29 Zwanenburg The Netherlands
【Fターム(参考)】