説明

モジュール装置

【課題】端末の制御部にモジュール装置の給電制御を行うための信号を生成する機能が備えられていなくとも、端末側でモジュール装置の給電制御を実施することができるモジュール装置を提供する。
【解決手段】拡張モジュール100は、端末1よりインターフェース部110に送信されるインターフェース信号の交流成分から、直流成分の電圧信号を生成する直流成分生成部130と、直流成分生成部130により生成される電圧信号の電圧値がスレシホールド電圧Vthを上回る場合に、トリガー信号を出力するトリガー信号出力部140とトリガー信号出力部140よりトリガー信号が入力された場合に、出力信号のレベルを反転させて出力するフリップフロップ回路部150と、フリップフロップ回路部150からトリガー信号の入力による反転された出力信号がゲートに入力されると、スタンバイ状態をオン状態に切換える切換えスイッチ160と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯端末等の端末で動作する端末用のモジュール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、携帯端末等の端末は、メイン機能(例えば、通話機能)以外の付加的な機能(例えば、ネットワーク接続機能)を、当該端末にインターフェースを介して接続可能な機能拡張用のモジュール装置で実行する場合がある。
このようなモジュール装置では、常時給電状態にあるのではなく、当該モジュール装置の担う付加的な機能の実行を端末側から要求された際に給電されるように構成することが、省電力化という観点から望ましい。
【0003】
ところで、上記のような給電制御を実施する手段として、制御部にて給電制御(電源ON/OFF)の信号を生成して、当該信号を給電制御用の回路に送信する形式が広く用いられている(例えば、特許文献1及び特許文献2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−207070号公報
【特許文献2】特開平10−190855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2記載の給電制御形式をモジュール装置に適用した場合、端末の制御部にモジュール装置の給電制御を行うための信号を生成する機能が備えられていない限り、端末側でモジュール装置の給電制御を実施することができないという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、端末の制御部にモジュール装置の給電制御を行うための信号を生成する機能が備えられていなくとも、端末側でモジュール装置の給電制御を実施することができるモジュール装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、端末とインターフェース部を介して接続されるモジュール装置において、前記端末よりインターフェース部に送信されるインターフェース信号の交流成分から、直流成分の電圧信号を生成する直流成分生成部と、前記直流成分生成部と接続され、前記直流成分生成部により生成される電圧信号の電圧値が所定値を上回る場合に、所定のトリガー信号を出力するトリガー信号出力部と、複数の論理回路を含み、一の論理回路の入力側が前記トリガー信号出力部と接続され、前記トリガー信号出力部よりトリガー信号が入力された場合に、出力信号のレベルを反転させて出力するフリップフロップ回路と、ゲートが前記フリップフロップ回路の出力側と接続され、ドレインが制御部と接続された電界効果トランジスタで構成され、前記フリップフロップ回路から前記トリガー信号の入力による反転された出力信号が前記ゲートに入力されると、前記制御部への給電停止状態を給電状態に切換える切換えスイッチと、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモジュール装置において、前記制御部は、前記フリップフロップ回路の前記一の論理回路と異なる論理回路の入力側と接続され、前記切換えスイッチにより給電状態に切換えられた後、当該モジュール装置の動作が終了する際に、動作終了信号を前記入力側に出力する動作終了信号出力手段を有し、前記フリップフロップ回路は、前記動作終了信号出力手段より動作終了信号が入力された場合に、前記トリガー信号の入力による反転された出力信号のレベルを再度反転させて出力し、前記切換えスイッチは、前記フリップフロップ回路から前記動作終了信号の入力による再度反転された出力信号が前記ゲートに入力されると、前記制御部への給電状態を給電停止状態に切換えることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のモジュール装置において、前記フリップフロップ回路は、CMOS素子で形成されることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、端末とインターフェース部を介して接続されるモジュール装置において、前記端末よりインターフェース部に送信されるインターフェース信号の交流成分から、直流成分の電圧信号を生成する直流成分生成部と、前記直流成分生成部と接続され、前記直流成分生成部により生成される電圧信号の電圧値が所定値を上回る場合に、所定のトリガー信号を出力するトリガー信号出力部と、複数の論理回路を含み、一の論理回路の入力側が前記トリガー信号出力部と接続され、前記トリガー信号出力部よりトリガー信号が入力された場合に、出力信号のレベルを反転させて出力するフリップフロップ回路と、ゲートが前記フリップフロップ回路の出力側と接続され、ドレインが制御部と接続された電界効果トランジスタで構成され、前記フリップフロップ回路から前記トリガー信号の入力による反転された出力信号が前記ゲートに入力されると、前記制御部への給電停止状態を給電状態に切換える切換えスイッチと、を備え、前記制御部は、前記フリップフロップ回路の前記一の論理回路と異なる論理回路の入力側と接続され、前記切換えスイッチにより給電状態に切換えられた後当該モジュール装置の動作が終了する際に、動作終了信号を前記入力側に出力する動作終了信号出力手段を有し、前記フリップフロップ回路は、前記動作終了信号出力手段より動作終了信号が入力された場合に、前記トリガー信号の入力による反転された出力信号のレベルを再度反転させて出力し、前記切換えスイッチは、前記フリップフロップ回路から前記動作終了信号の入力による再度反転された出力信号が前記ゲートに入力されると、前記制御部への給電状態を給電停止状態に切換えることを特徴とするモジュール装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、端末より送信されるインターフェース信号に基づいて、フリップフロップ回路の出力を反転させるトリガー信号が生成され、当該反転した出力が電界効果トランジスタ(切換えスイッチ)のゲートへ入力されることで、制御部を給電状態に切換るように構成されている。つまり、本発明では、端末よりインターフェース信号が送信されることで、モジュール装置が給電状態となるので、端末側でモジュール装置の給電制御を行うための信号を別途生成する必要がない。
よって、本発明は、端末の制御部にモジュール装置の給電制御を行うための信号を生成する機能が備えられていなくとも、端末側でモジュール装置の給電制御を実施することができるモジュール装置であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る拡張モジュールの概略構成図である。
【図2】本発明に係る拡張モジュールのスタンバイ状態からオン状態への遷移タイミングを説明するための図である。
【図3】本発明に係る拡張モジュールのオン状態からスタンバイ状態への遷移タイミングを説明するための図である。
【図4】本発明に係る拡張モジュールの手動スイッチによるスタンバイ状態からオン状態への遷移タイミングを説明するための図である。
【図5】本発明に係る拡張モジュールの電圧源起動時におけるスタンバイ状態の形成を説明するための図である。
【図6】本発明に係るフリップフロップ回路部のNAND回路の入出力状態を説明するための図である。
【図7】本発明に係る拡張モジュールによるオン状態/スタンバイ状態の切換え処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図1〜図6を参照しながら説明する。なお、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0014】
本実施形態の拡張モジュール100(モジュール装置)は、例えば、図1に示すように、端末1とインターフェース部110を介して接続され、端末1の担うメイン機能(例えば、通話機能)以外の付加的な機能(例えば、ネットワーク接続機能)を実行する機能拡張用のモジュール装置である。
【0015】
端末1は、例えば、図1に示すように、インターフェース部10を含み、拡張モジュール100を着脱自在に構成された携帯端末である。つまり、端末1のユーザは、主にメイン機能を実行させる場合、拡張モジュール100を取り外した状態で端末1を使用し、高速なネットワーク通信等の端末1のみでは実現出来ない機能を必要とする場合、適宜拡張モジュール100を装着することにより、高度で多彩な機能を実行させることが出来る。
【0016】
インターフェース部10は、例えば、インターフェース信号としてのシリアル信号を拡張モジュール100との間で送受信するためのシリアルインターフェースで構成される。なお、上記インターフェース信号は交流成分の電圧信号を含む。
【0017】
拡張モジュール100は、例えば、インターフェース部110と、直流成分生成部130と、トリガー信号出力部140と、フリップフロップ回路部150(フリップフロップ回路)と、切換えスイッチ160と、手動スイッチ部170と、装置電源部180と、制御部500(動作終了信号出力手段)と、を含んで構成される。
【0018】
インターフェース部110は、例えば、インターフェース信号(シリアル信号)を端末1との間で送受信するためのシリアルインターフェースで構成される。そして、拡張モジュール100が端末1に装着された際に、当該インターフェース信号がインターフェース部10からインターフェース部110へと送信される。
【0019】
直流成分生成部130は、例えば、端末1のインターフェース部10と、拡張モジュール100のインターフェース部110と、の間に設けられ、2つのコンデンサ130aと、2つのダイオード130bを含んで構成される。
つまり、拡張モジュール100が端末1に装着された際、インターフェース部10よりインターフェース部110へと送信されるインターフェース信号が、例えば、図2(A)に示すようなパルス波形で直流成分生成部130に入力されると、ダイオードの整電流特性及びコンデンサの充放電特性が作用し、図2(B)に示すような直流成分の電圧信号が生成される。
【0020】
トリガー信号出力部140は、例えば、インピーダンス140aと、ゲートが直流成分生成部130の出力側と接続され、ソースが拡張モジュール100の筐体部分(外箱)に接続され、ドレインがフリップフロップ回路部150と接続されたN型の電界効果トランジスタ140bと、を含んで構成され、N型の電界効果トランジスタ140bの、ゲートの電圧値が所定値(スレシホールド電圧Vth)を上回るまでは、ソースとドレイン間には電流が流れないように構成されている。
したがって、図2(C)に示すように、図2(B)に示す電圧信号の電圧値がVthを上回った場合に、はじめてトリガー信号出力部140のソースドレイン間に電流が流れて、電圧値が低下する。この電圧値の低下したローレベルの出力信号をトリガー信号とする。
【0021】
フリップフロップ回路部150は、例えば、図1に示すように、論理回路として、3入力のNAND回路A(入力:AIN1,AIN2,AIN3,出力:AOUT)と、NAND回路B(入力:BIN1,BIN2,BIN3,出力:BOUT)と、が組み合わされている。そして、NAND回路Aの入力AIN1がトリガー信号出力部140(N型の電界効果トランジスタ140bのドレイン)と、入力AIN2が手動スイッチ部170と接続され、NAND回路Bの入力BIN2が装置電源部180と、入力BIN3が制御部500と接続され、NAND回路Aの出力AOUTがNAND回路Bの入力BIN1、NAND回路Bの出力BOUTがNAND回路Aの入力AIN3、となるように構成されている。
そのため、例えば、図6の1段目に示すように、拡張モジュール100のスタンバイ状態(制御部500への給電停止状態)が、入力AIN1,AIN2,AIN3:全てハイレベル(図6の「H」)の入力信号、入力BIN1(=AOUT):ローレベル(図6の「L」)の入力信号、入力BIN2,BIN3:ハイレベルの入力信号で、出力BOUT:ハイレベルの出力信号によって形成されているとすると、この状態で、図2(C)に示すトリガー信号(ローレベルの入力信号)が入力AIN1に入力されることで、図2(D)及び図6の2段目に示すように、出力BOUTがローレベルの出力信号に反転される。
なお、図6の3段目に示すように、上記出力信号が反転した後は、トリガー信号が入力AIN1に入力されなくなっても(つまり、入力AIN1にハイレベルの入力信号が入力されても)、出力BOUTがローレベルの出力信号を出力する状態は維持される。
【0022】
切換えスイッチ160は、ゲートがフリップフロップ回路150の出力側(出力BOUT)と接続され、ドレインが制御部500と接続されたP型の電界効果トランジスタで構成される。そして、図2(D)に示す反転されたローレベルの出力信号がP型の電界効果トランジスタのゲートに入力されると、ソースドレイン間に電流が流れ、切換えスイッチ160は、図2(E)に示すようにスタンバイ状態(制御部500への給電停止状態)をオン状態(制御部500への給電状態)に切換える。
また、当該P型の電界効果トランジスタはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)素子で形成されており、フリップフロップ回路部150からの出力信号のレベルが反転する際にしか電流が流れないので、オン状態とスタンバイ状態の各々の状態保持に電力を要しない。
【0023】
制御部500は、例えば、CPU510と、RAM520と、記憶部530と、を含んで構成され、拡張モジュール100に備えられる各構成を統括制御する。また、制御部500は切換えスイッチ160がオン状態になると給電されて起動する。そして、オン状態に切換えられた後、制御部500による各種制御処理が実行されて、拡張モジュール100の動作が終了する際に、制御部500は、図3(A)に示すように、ローレベルの出力信号(動作終了信号)をNAND回路Bの入力BIN3に出力する。その結果、図3(B)及び図6の4段目に示されるように、出力BOUTがハイレベルの出力信号に反転され(トリガー信号の入力により反転された出力信号のレベルが再度反転され)、P型の電界効果トランジスタ(切換えスイッチ160)のソースドレイン間に電流が流れなくなり、図3(C)に示すように、切換えスイッチ160はスタンバイ状態に切換える。
なお、図6の5段目に示すように、上記出力信号が反転した後は、動作終了信号が入力BIN3に入力されなくなっても(つまり、BIN3にハイレベルの入力信号が入力されても)、出力BOUTがハイレベルの出力信号を出力する状態は維持される(つまり、図6の1段目の状態に戻る)。
【0024】
CPU510は、出力装置1の各部から入力される入力信号に応じて、記憶部530に格納された各種プログラムを実行するとともに、実行にかかるプログラムに基づいて各部に出力信号を出力することにより、拡張モジュール100の動作全般を統括制御する。
RAM520は、例えば、CPU510により実行される処理プログラム等を展開するためのプログラム格納領域や、入力データや処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等を格納するデータ格納領域などを備える。
記憶部530は、CPU510が実行するプログラムを格納したエリアや当該プログラムの実行に必要な各種データを格納するエリアを備えて構成される。
【0025】
手動スイッチ部170は、例えば、インピーダンス170aと、スイッチのオン/オフを手動で切換えることができる手動スイッチ170bと、を含み、手動スイッチ170bの一端が外箱に接続され、手動スイッチ170bの他端とインピーダンス170aとの中間点がNAND回路Aの入力AIN2と接続される。
つまり、図4(A)に示すように、ユーザが手動スイッチ170bをオンにすると、外箱との接続により入力AIN2への出力信号の電圧値が低下する。この電圧値の低下したローレベルの出力信号が入力AIN2に入力されると、図4(B)及び図6の6段目に示すように出力BOUTがローレベルの出力信号に反転されて、図4(C)に示すように切換えスイッチ160はオン状態に切換わる。
なお、図6の7段目に示すように、上記出力信号が反転した後は、ローレベルの出力信号が入力AIN2に入力されなくなっても(つまり、ハイレベルの出力信号が入力AIN2に入力されても)、出力BOUTがローレベルの出力信号を出力する状態は維持される(図6の3段目の状態と同様になる)。
【0026】
装置電源部180は、例えば、拡張モジュール100の電圧源180aと、リセットIC180bと、を含んで構成され、電圧源180aの一端がNAND回路Bの入力BIN2と接続される。リセットIC180bは、図5(A)(B)に示すように、電圧源180aが起動後規定の電圧値に到達するまで、入力BIN2への出力信号をローレベルに保つことができる。そのため、当該ローレベルの出力信号が入力BIN2に入力されると、図5(C)及び図6の0段目に示すように出力BOUTはハイレベルの出力信号となり、図5(D)に示すように切換えスイッチ160がスタンバイ状態となる。そして、図5(A)(B)に示すように、電圧源180aが規定の電圧値を上回り、リセットIC180bよりハイレベルの出力信号が入力BIN2に入力されようになっても、図5(C)及び図6の1段目に示すように出力BOUTはハイレベルの出力信号を維持するので、図5(D)に示すように切換えスイッチ160のスタンバイ状態が継続される。
【0027】
(オン状態/スタンバイ状態の切換え処理)
次に、本実施形態に係る拡張モジュール100により実施されるオン状態/スタンバイ状態の切換え処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。
【0028】
まず、装置電源部180の電圧源180aが起動されると(ステップS1)、リセットICにより切換えスイッチ160はスタンバイ状態となる(ステップS2)。
【0029】
そして、直流成分生成部130にインターフェース信号が入力された、又は、ユーザが手動スイッチ部170の手動スイッチ170bをオンにした場合(ステップS3;Yes)、フリップフロップ回路部150の出力BOUTがローレベルの出力信号に反転され、切換えスイッチ160はスタンバイ状態からオン状態に切換わる(ステップS4)。
一方で、インターフェース信号の入力が無い、及び、ユーザによって手動スイッチ170bがオンにされていない場合(ステップS3;No)、切換えスイッチ160がスタンバイ状態を継続する。
【0030】
次いで、制御部500は、切換えスイッチ160によりオン状態に切換えられた後、拡張モジュール100の動作が終了したか否かを判断し(ステップS5)、動作が終了していないと判断した場合は終了するまで待機する。
一方で、制御部500は、ステップS5にて動作が終了したと判断した場合、動作終了信号をフリップフロップ回路部150に出力して出力信号のレベルを再度反転させ、切換えスイッチ160はスタンバイ状態に切換わる(ステップS6)。
【0031】
以上により、本実施形態における拡張モジュール100は、端末1よりインターフェース部110に送信されるインターフェース信号の交流成分から、直流成分の電圧信号を生成する直流成分生成部130と、直流成分生成部130と接続され、直流成分生成部130により生成される電圧信号の電圧値がスレシホールド電圧Vthを上回る場合に、トリガー信号を出力するトリガー信号出力部140と、NAND回路A,NAND回路Bを有し、NAND回路Aの入力AIN1がトリガー信号出力部140と接続され、トリガー信号出力部140よりトリガー信号が入力された場合に、出力信号のレベルを反転させて出力するフリップフロップ回路部150と、ゲートがフリップフロップ回路部150の出力側と接続され、ドレインが制御部500と接続された電界効果トランジスタで構成され、フリップフロップ回路部150からトリガー信号の入力による反転された出力信号がゲートに入力されると、スタンバイ状態をオン状態に切換える切換えスイッチ160と、を備える。
【0032】
したがって、拡張モジュール100によれば、端末1より送信されるインターフェース信号に基づいて、フリップフロップ回路部150の出力を反転させるトリガー信号が生成され、当該反転した出力が電界効果トランジスタ(切換えスイッチ160)のゲートに入力されることで、制御部500をオン状態に切換ることができる。つまり、本発明では、端末1よりインターフェース信号が送信されることで、拡張モジュール100が給電状態となるので、端末1側で拡張モジュール100の給電制御を行うための信号を別途生成する必要がない。
よって、本発明は、端末の制御部にモジュール装置の給電制御を行うための信号を生成する機能が備えられていなくとも、端末側でモジュール装置の給電制御を実施することができるモジュール装置であるといえる。
【0033】
また、制御部500は、フリップフロップ回路部150のNAND回路Bの入力BIN3と接続され、切換えスイッチ160によりオン状態に切換えられた後当該拡張モジュール100の動作が終了する際に、動作終了信号を入力BIN3に出力し、フリップフロップ回路部150は、上記動作終了信号が入力された場合に、トリガー信号の入力による反転された出力信号のレベルを再度反転させて出力し、切換えスイッチ160は、フリップフロップ回路部150から動作終了信号の入力による再度反転された出力信号がゲートに入力されると、オン状態をスタンバイ状態に切換えることができる。
【0034】
つまり、拡張モジュール100は、ユーザが拡張モジュール100の付加的な機能(例えば、ネットワーク接続機能)を実行させた後、制御部500からの動作終了信号に基づいて、自動的に切換えスイッチ160をスタンバイ状態に切換えることができるので、ユーザにとっての利便性が高く、かつ、省電力性を高めたモジュール装置であるといえる。
【0035】
また、切換えスイッチ160のP型の電界効果トランジスタはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)素子で形成されている。
【0036】
つまり、切換えスイッチ160には、フリップフロップ回路部150からの出力信号のレベルが反転する際にしか電流が流れないので、オン状態とスタンバイ状態の各々の状態保持に電力を要しないので省電力性を一層向上させることが出来る。
【0037】
なお、本発明の範囲は上記実施形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、本実施形態では、フリップフロップ回路に備えられる論理回路としてNAND回路を例示しているが、トリガー信号が入力された場合に、出力信号のレベルを反転させ、動作終了信号が入力された場合に上記レベルを再度反転可能で、当該反転状態を保持可能なものであれば、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 端末
100 拡張モジュール(モジュール装置)
110 インターフェース部
130 直流成分生成部
140 トリガー信号出力部
150 フリップフロップ回路部(フリップフロップ回路)
A NAND回路(論理回路)
B NAND回路(論理回路)
160 切換えスイッチ(電界効果トランジスタ)
500 制御部(動作終了信号出力手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末とインターフェース部を介して接続されるモジュール装置において、
前記端末よりインターフェース部に送信されるインターフェース信号の交流成分から、直流成分の電圧信号を生成する直流成分生成部と、
前記直流成分生成部と接続され、前記直流成分生成部により生成される電圧信号の電圧値が所定値を上回る場合に、所定のトリガー信号を出力するトリガー信号出力部と、
複数の論理回路を含み、一の論理回路の入力側が前記トリガー信号出力部と接続され、前記トリガー信号出力部よりトリガー信号が入力された場合に、出力信号のレベルを反転させて出力するフリップフロップ回路と、
ゲートが前記フリップフロップ回路の出力側と接続され、ドレインが制御部と接続された電界効果トランジスタで構成され、前記フリップフロップ回路から前記トリガー信号の入力による反転された出力信号が前記ゲートに入力されると、前記制御部への給電停止状態を給電状態に切換える切換えスイッチと、
を備えることを特徴とするモジュール装置。
【請求項2】
請求項1に記載のモジュール装置において、
前記制御部は、
前記フリップフロップ回路の前記一の論理回路と異なる論理回路の入力側と接続され、前記切換えスイッチにより給電状態に切換えられた後当該モジュール装置の動作が終了する際に、動作終了信号を前記入力側に出力する動作終了信号出力手段を有し、
前記フリップフロップ回路は、
前記動作終了信号出力手段より動作終了信号が入力された場合に、前記トリガー信号の入力による反転された出力信号のレベルを再度反転させて出力し、
前記切換えスイッチは、
前記フリップフロップ回路から前記動作終了信号の入力による再度反転された出力信号が前記ゲートに入力されると、前記制御部への給電状態を給電停止状態に切換えることを特徴とするモジュール装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のモジュール装置において、
前記フリップフロップ回路は、CMOS素子で形成されることを特徴とするモジュール装置。
【請求項4】
端末とインターフェース部を介して接続されるモジュール装置において、
前記端末よりインターフェース部に送信されるインターフェース信号の交流成分から、直流成分の電圧信号を生成する直流成分生成部と、
前記直流成分生成部と接続され、前記直流成分生成部により生成される電圧信号の電圧値が所定値を上回る場合に、所定のトリガー信号を出力するトリガー信号出力部と、
複数の論理回路を含み、一の論理回路の入力側が前記トリガー信号出力部と接続され、前記トリガー信号出力部よりトリガー信号が入力された場合に、出力信号のレベルを反転させて出力するフリップフロップ回路と、
ゲートが前記フリップフロップ回路の出力側と接続され、ドレインが制御部と接続された電界効果トランジスタで構成され、前記フリップフロップ回路から前記トリガー信号の入力による反転された出力信号が前記ゲートに入力されると、前記制御部への給電停止状態を給電状態に切換える切換えスイッチと、
を備え、
前記制御部は、
前記フリップフロップ回路の前記一の論理回路と異なる論理回路の入力側と接続され、前記切換えスイッチにより給電状態に切換えられた後当該モジュール装置の動作が終了する際に、動作終了信号を前記入力側に出力する動作終了信号出力手段を有し、
前記フリップフロップ回路は、
前記動作終了信号出力手段より動作終了信号が入力された場合に、前記トリガー信号の入力による反転された出力信号のレベルを再度反転させて出力し、
前記切換えスイッチは、
前記フリップフロップ回路から前記動作終了信号の入力による再度反転された出力信号が前記ゲートに入力されると、前記制御部への給電状態を給電停止状態に切換えることを特徴とするモジュール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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