説明

モナティンの立体異性体及びそれらの前駆体の製造のためのポリペプチド及び生合成経路

モナティン及び、例えば、R,R体モナティンやS,R体モナティンなどのモナティンの特定の立体異性体、並びにその塩を、ポリペプチド及び生合成経路を使用して製造する。これらのポリペプチド及び生合成経路は、また、いくつかの生合成経路を含めた特定のモナティン合成経路において形成される中間体である、R-2-ヒドロキシ-2-(インドリル-3-イルメチル)-4-ケト・グルタル酸の製造においても有用である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のステップ:L-トリプトファンからインドール-3-ピルビン酸を製造し、上記インドール-3-ピルビン酸から少なくともR体モナティン前駆体(「R-MP」)を含むモナティン前駆体(「MP」)を製造し、そして、上記モナティン前駆体からモナティンを製造する、を含む経路を経てモナティン又はその塩を製造する段階を含む方法であって、ここで、上記モナティンが少なくともR,R体モナティンを含み、且つ、ここで、L-トリプトファンからのインドール-3-ピルビン酸の製造が、上記モナティン前駆体、モナティン、又はその両方に比べて、L-トリプトファンに対してより高い活性、より高い特異性、又はその両方を有する1種類以上の酵素によって促進される前記方法。
【請求項2】
前記1種類以上の酵素が、L-トリプトファン・アミノ基転移酵素、L-芳香族アミノ基転移酵素、L-アスパラギン酸アミノ基転移酵素、L-アミノ酸酸化酵素、及びその組み合わせ物の中から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1種類以上の酵素が、シノリゾビウム・メリロティTatA、HEXAspCP9T/R122G、及びその組み合わせ物の中から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1種類以上の酵素が、前記モナティン前駆体、モナティン、又はその両方に対して制限された活性、制限された特異性、又はその両方を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記R体モナティン前駆体からのR,R体モナティンの製造が、D-アミノ基転移酵素及びD-アミノ酸脱水素酵素の中から選択される1種類以上の酵素によって促進される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記D-アミノ基転移酵素が、バチルス・ハロデュランスD-アミノ基転移酵素、ハイブリッドD-アミノ基転移酵素、ゲオバチルス・ステアロサーモフィラスD-アミノ基転移酵素、バチルス・リケニホルミスD-アミノ基転移酵素、ATCC 4978のD-アミノ基転移酵素、ATCC 7063のD-アミノ基転移酵素、D-アミノ基転移酵素活性を有するバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、及びその相同体の中から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記バチルス・ハロデュランスD-アミノ基転移酵素が、受入番号NP-243677で掲載されているアミノ酸配列又はその相同体を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記のD-アミノ基転移酵素活性を有するバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素が、E.コリF37Yに対応する突然変異を持ったバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、E.コリY96Fに対応する突然変異をもったバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、E.コリY165Lに対応する突然変異を持ったバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、E.コリL127Kに対応する突然変異を持ったバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、E.コリR98Yに対応する突然変異を持ったバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、E.コリL108Rに対応する突然変異を持ったバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、E.コリL110Hに対応する突然変異を持ったバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、E.コリL127Yに対応する突然変異を持ったバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、E.コリR41Kに対応する突然変異を持ったバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、及びその相同体の中から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記ハイブリッドD-アミノ基転移酵素が、配列番号99又はその相同体である、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記ATCC 4978のD-アミノ基転移酵素が、配列番号86又はその相同体である、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記ATCC 7063のD-アミノ基転移酵素が、配列番号87又はその相同体である、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記D-アミノ基転移酵素が、ピリドキサール-5’-リン酸の存在下で精製される、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記D-アミノ酸脱水素酵素が、D-AADH-101、D-AADH-102、D-AADH-103、D-AADH-105、D-AADH-106、D-AADH-107、D-AADH-108、及びその相同体の中から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記製造されたR,R体モナティンが、製造された総モナティンの少なくとも約60重量%である、請求項4に記載の方法。
【請求項15】
インドール-3-ピルビン酸からの前記モナティン前駆体の製造が、R体に特異的なアルドラーゼ活性を有する1種類以上の酵素によって促進される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記のR体に特異的なアルドラーゼ活性を有する1種類以上の酵素が、シノリゾビウム・メリロティHMGアルドラーゼ、配列番号22のアルドラーゼ、及びその相同体の中から選択されるアルドラーゼである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記R,R体モナティンを総有機化合物の少なくとも約60重量%の純度まで精製する、少なくとも1つの精製ステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記のD-アミノ基転移酵素及びD-アミノ酸脱水素酵素の中から選択される1種類以上の酵素が、S-α-ケト酸モナティン又はインドール-3-ピルビン酸と比べて、R体モナティン前駆体に対してより高い活性、より高い特異性、又はその両方を有する、請求項5に記載の方法。
【請求項19】
前記のD-アミノ基転移酵素及びD-アミノ酸脱水素酵素の中から選択される1種類以上の酵素が、S-α-ケト酸モナティン又はインドール-3-ピルビン酸に対して制限された活性、制限された特異性、又はその両方を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記のL-トリプトファン・アミノ基転移酵素、L-芳香族アミノ基転移酵素、L-アスパラギン酸アミノ基転移酵素、及びL-アミノ酸酸化酵素の中から選択される1種類以上の酵素が、モナティン前駆体、モナティン、又はその両方に対して制限された活性、制限された特異性、又はその両方を有し、且つ、前記のD-アミノ基転移酵素及びD-アミノ酸脱水素酵素の中から選択される1種類以上の酵素が、S-α-ケト酸モナティンに対して制限された活性、制限された特異性、又はその両方を有する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
以下のステップ:L-トリプトファンからD-トリプトファンを製造し、D-トリプトファンからインドール-3-ピルビン酸を製造し、インドール-3-ピルビン酸からR体モナティン前駆体を製造し、そして、R体モナティン前駆体からR,R体モナティンを製造する、を含む経路を経てR,R体モナティン又はその塩を製造する段階を含む方法であって;ここで、上記のL-トリプトファンからD-トリプトファンの製造が、トリプトファン・ラセマーゼ、トリプトファン・ラセマーゼの活性を有するラセマーゼ、及びその組み合わせ物の中から選択される1種類以上の酵素によって促進される前記方法。
【請求項22】
前記のトリプトファン・ラセマーゼ活性を有するラセマーゼが、アラニン・ラセマーゼ、グルタミン酸ラセマーゼ、又はアスパラギン酸ラセマーゼに由来する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記のトリプトファン・ラセマーゼ活性を有するラセマーゼが、配列番号43のアラニン・ラセマーゼ、M35C突然変異を持った配列番号41に相当するアラニン・ラセマーゼ、F66E突然変異を持った配列番号41に相当するアラニン・ラセマーゼ、Y354A突然変異を持った配列番号41に相当するアラニン・ラセマーゼ、P197L突然変異を持った配列番号41に相当するアラニン・ラセマーゼ、及びその相同体の中から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記のD-トリプトファンからのインドール-3-ピルビン酸の製造が1種類以上の酵素によって促進され、そして、前記のR体モナティン前駆体からのR,R体モナティンの製造が、前記のR体モナティン前駆体からR,R体モナティンの製造を促進する同じ1種類以上の酵素によって促進される、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
α-ケト酸基質が対応するD-アミノ酸に変換される、前記L-トリプトファンと共役した反応が更に含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記α-ケト酸基質が、それぞれ、L-グルタミン酸、L-アスパラギン酸、L-アラニンの中から選択される1種類以上の対応する生成物に変換されるα-ケトグルタル酸、オキサロ酢酸、及びピルビン酸の中から選択される1種類以上の基質であり;ここで、上記対応する生成物が、D-アミノ酸への変換を促進するラセマーゼを利用して、それぞれ、D-グルタミン酸、D-アスパラギン酸、及びD-アラニンの中から選択される対応するD-アミノ酸に変換される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ラセマーゼが、アラニン・ラセマーゼ、グルタミン酸ラセマーゼ、及びアスパラギン酸ラセマーゼの中から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記アラニン・ラセマーゼが、バチルス・ステアロサーモフィラスからのアラニン・ラセマーゼ及びゲオバチルス・ステアロサーモフィラスからのアラニン・ラセマーゼの熱安定性相同体の中から選択され、且つ、前記グルタミン酸ラセマーゼが、L.ブレビス・グルタミン酸ラセマーゼ及びP.ペントサセウス・グルタミン酸ラセマーゼの中から選択され、そして、前記アスパラギン酸ラセマーゼが、BioCatalytics製のASPR-101である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記のR体モナティン前駆体からのR,R体モナティンの製造が、立体反転アミノ基転移酵素によって促進される、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
以下のステップ:L-トリプトファンが反応してインドール-3-ピルビン酸を形成する時に、α-ケトグルタル酸からL-グルタミン酸を製造し、そして、グルタミン酸デカルボキシラーゼを使用してL-グルタミン酸から4-アミノブタン酸を製造する、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
以下のステップ:L-トリプトファンが反応してインドール-3-ピルビン酸を形成する時に、オキサロ酢酸からL-アスパラギン酸を製造し、そして、アスパラギン酸デカルボキシラーゼを使用してL-アスパラギン酸からβ-アラニンを製造する、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
以下のステップ:L-トリプトファンが反応してインドール-3-ピルビン酸を形成する時に、オキサロ酢酸からL-アスパラギン酸を製造し、アスパラギン酸4-デカルボキシラーゼを使用してL-アスパラギン酸からL-アラニンを製造し、そして、アラニン・ラセマーゼを使用してL-アラニンからD-アラニンを製造する、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記R,R体モナティンを、D-アラニンとR体モナティン前駆体の反応によってR体モナティン前駆体から形成する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
以下のステップ:
(a) L-トリプトファン反応と共役されるα-ケトグルタル酸の反応によってL-グルタミン酸を製造し;
(b) L-アラニン・アミノ基転移酵素を使用した上記L-グルタミン酸とピルビン酸の反応によってL-アラニンを製造し;
(c) アラニン・ラセマーゼを使用して上記L-アラニンからD-アラニンを製造する、
を更に含み、ここで、前記R,R体モナティンを、上記D-アラニンを用いた前記R体モナティン前駆体のアミノ基転移反応によって前記R体モナティン前駆体から製造する、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記1種類以上の酵素を固体支持体に固定する、請求項2に記載の方法。
【請求項36】
D-トリプトファンと、バチルス・ハロデュランスD-アミノ基転移酵素、ハイブリッドD-アミノ基転移酵素、ゲオバチルス・ステアロサーモフィラスD-アミノ基転移酵素、バチルス・リケニホルミスD-アミノ基転移酵素、ATCC 4978のD-アミノ基転移酵素、ATCC 7063のDアミノ基転移酵素、及びその相同体の中から選択される1種類以上のD-アミノ基転移酵素を反応させるステップを含む、モナティン又はその塩の製造方法。
【請求項37】
製造されたモナティンの少なくとも約75%がR,R体モナティンである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
モナティン前駆体と、バチルス・ハロデュランスD-アミノ基転移酵素、ハイブリッドD-アミノ基転移酵素、ゲオバチルス・ステアロサーモフィラスD-アミノ基転移酵素、バチルス・リケニホルミスD-アミノ基転移酵素、ATCC 4978のD-アミノ基転移酵素、ATCC 7063のD-アミノ基転移酵素、D-アミノ基転移酵素活性を有するバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、及びその相同体の中から選択される1種類以上のD-アミノ基転移酵素を反応させるステップを含む、モナティン又はその塩の製造方法。
【請求項39】
ピリドキサール-5’-リン酸の存在下でD-アミノ基転移酵素を精製するステップを含む方法。
【請求項40】
前記D-アミノ基転移酵素が、バチルス・スファエリカスD-アラニン・アミノ基転移酵素である、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
R体モナティン前駆体、L-トリプトファン、D-アミノ酸、及びモナティン前駆体又はモナティンのいずれかと比べてL-トリプトファンに対してより高い活性、より高い特異性、又はその両方を有する1種類以上の酵素を含む組成物。
【請求項42】
前記1種類以上の酵素が、L-トリプトファン・アミノ基転移酵素、L-芳香族アミノ基転移酵素、L-アスパラギン酸アミノ基転移酵素、及びL-アミノ酸酸化酵素の中から選択される、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
前記1種類以上の酵素が、立体反転アミノ基転移酵素である、請求項41に記載の組成物。
【請求項44】
前記組成物が、D-アミノ基転移酵素及びD-アミノ酸脱水素酵素の中から選択される酵素を更に含む、請求項41に記載の組成物。
【請求項45】
前記組成物が、R体に特異的なアルドラーゼ活性を有する1種類以上の酵素を更に含む、請求項41に記載の組成物。
【請求項46】
前記組成物が、アラニン・ラセマーゼ、グルタミン酸ラセマーゼ、及びアスパラギン酸ラセマーゼの中から選択される1種類以上の酵素を更に含む、請求項41に記載の組成物。
【請求項47】
配列番号99を含むハイブリッドD-アミノ基転移酵素、又はその相同体。
【請求項48】
配列番号86を含むATCC 4978のD-アミノ基転移酵素、又はその相同体。
【請求項49】
配列番号87を含むATCC 7063のD-アミノ基転移酵素、又はその相同体。
【請求項50】
E.コリF37Yに対応する突然変異を持ったバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、E.コリY96Fに対応する突然変異をもったバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、E.コリY165Lに対応する突然変異を持ったバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、E.コリL127Kに対応する突然変異を持ったバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、E.コリR98Yに対応する突然変異を持ったバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、E.コリL108Rに対応する突然変異を持ったバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、E.コリL110Hに対応する突然変異を持ったバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、E.コリL127Yに対応する突然変異を持ったバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、E.コリR41Kに対応する突然変異を持ったバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素、及びその相同体から選択されるD-アミノ基転移酵素活性を有するバチルス・リケニホルミス分枝鎖アミノ基転移酵素。
【請求項51】
配列番号43を含むラセマーゼ、又はその相同体。
【請求項52】
ピリドキサール-5’-リン酸の存在下で精製されたD-アミノ基転移酵素であって、ピリドキサール-5’-リン酸の存在下で精製されなかった同じD-アミノ基転移酵素と比較して改善された活性を示すもの。

【公表番号】特表2008−538932(P2008−538932A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515698(P2008−515698)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/015930
【国際公開番号】WO2007/133184
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(505040062)カーギル,インコーポレイティド (23)
【Fターム(参考)】