説明

モノアミン神経伝達物質再取り込み阻害剤としての新規アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン誘導体及びその使用

本発明は、モノアミン神経伝達物質再取り込み阻害剤として有用な、式(I)の新規のアザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン誘導体に関する。別の態様においては、本発明は、治療方法におけるこれらの化合物の使用、及び本発明の化合物を含む薬剤組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノアミン神経伝達物質再取り込み阻害剤として有用な新規アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン誘導体に関する。
【0002】
別の態様においては、本発明は、治療方法におけるこれらの化合物の使用及び本発明の化合物を含む薬剤組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
セロトニン選択的再取り込み阻害剤(SSRIs)は、現在、うつ病及びパニック障害を含めたいくつかのCNS疾患の治療に有効性を提供している。SSRIsは、一般的に精神科医及び一次診療医によって、有効で、耐容性良好且つ投与が容易であると認められている。しかしながら、それらは、多くの望ましくない特徴と関係がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、セロトニン再取り込みに対してのノルアドレナリン及びドーパミン再取り込み活性の比などの、モノアミン神経伝達物質セロトニン、ドーパミン及びノルアドレナリンの再取り込みへの活性に関しての最適化された薬理学的プロフィールを有する化合物の強い必要性が依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
その第1の態様においては、本発明は、式Iの化合物、
【化1】


その異性体のいずれか又はその異性体のいずれかの混合物、或いは薬学的に許容されるその塩を提供し、ここで、R、R及びRは下記に定義されるとおりである。
【0006】
その第2の態様においては、本発明は、本発明の化合物、その異性体のいずれか又はその異性体のいずれかの混合物、或いは薬学的に許容されるその塩の治療有効量を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と一緒に含む薬剤組成物を提供する。
【0007】
さらなる一態様においては、本発明は、ヒトを含めた哺乳類の疾患又は障害又は状態の治療、予防又は緩和用の薬剤組成物の製造用の、本発明の化合物、その異性体のいずれか又はその異性体のいずれかの混合物、或いは薬学的に許容されるその塩の使用を提供し、ここで、この疾患、障害又は状態は、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に反応性である。
【0008】
さらなる一態様においては、本発明は、ヒトを含めた、動物の生体の疾患又は障害又は状態の治療、予防又は緩和の方法に関し、ここで、この障害、疾患又は状態は、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に反応性であり、ここで、この方法は、それを必要とする、そのような動物の生体に、本発明の化合物、その異性体のいずれか又はその異性体のいずれかの混合物、或いは薬学的に許容されるその塩の治療有効量を投与するステップを含む。
【0009】
本発明の他の目的は、下記の詳細な説明及び実施例より当業者には明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン誘導体
その第1の態様においては、本発明は、式Iの化合物、
【化2】


その異性体のいずれか又はその異性体のいずれかの混合物、或いは薬学的に許容されるその塩を提供する
[式中、
Rは、水素又はアルキルを表し、
ここで、このアルキルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から独立に選択される、1種又は複数の置換基で場合によって置換されており、
は、アルキルを表し、
は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルコキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、−NR’R”、−(C=O)NR’R”又は−NR’(C=O)R”を表し、
ここで、R’及びR”は、互いに独立に、水素又はアルキルである]。
【0011】
一実施形態においては、Rは、水素又はアルキルを表す。特定の一実施形態においては、Rは、水素を表す。さらなる一実施形態においては、Rは、メチルなどのアルキルを表す。
【0012】
さらなる一実施形態においては、Rは、メチル又はエチルを表す。
【0013】
さらなる一実施形態においては、Rは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル又はアルコキシを表す。
【0014】
特定の一実施形態においては、Rは、ハロ又はアルキルを表す。さらなる一実施形態においては、Rは、臭素、塩素又はフッ素などのハロを表す。さらなる一実施形態においては、Rは、メチルなどのアルキルを表す。
【0015】
さらなる一実施形態においては、本発明は、式IIの化合物、
【化3】


その異性体のいずれか又はその異性体のいずれかの混合物、或いは薬学的に許容されるその塩を提供する
[式中、
Rは、上記に定義されたとおりであり、
、R及びRの1つは、Rを表し、
、R及びRの残りの2つのうちの1つは、Rを表し、
、R及びRの残りの1つは、水素を表し、
ここで、R及びRは、上記に定義されたとおりである]。
【0016】
特定の一実施形態においては、Rは水素を表し、RはRを表し、RはRを表す。さらなる一実施形態においては、Rは水素を表し、RはRを表し、RはRを表す。さらなる一実施形態においては、Rは水素を表し、RはRを表し、RはRを表す。さらなる一実施形態においては、Rは水素を表し、RはRを表し、RはRを表す。
【0017】
特定の一実施形態においては、本発明の化合物は、
(±)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(3,4−ジメチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(2,3−ジメチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(4−クロロ−3−エチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(−)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(+)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(−)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(+)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(−)−3−(4−クロロ−3−エチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(4−ブロモ−3−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(3−ブロモ−4−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(3,4−ジメチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(2,3−ジメチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(4−クロロ−3−エチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(−)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(4−ブロモ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(3−ブロモ−4−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(−)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(+)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(+)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(+)−3−(4−クロロ−3−エチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
又は薬学的に許容されるそれらの塩である。
【0018】
上記に記載された諸実施形態の2つ以上の任意の組合せは、本発明の範囲に含まれると考えられる。
【0019】
置換基の定義
本発明に関連して、ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを表す。
【0020】
本発明に関連して、アルキル基は、一価の飽和直鎖又は分枝炭化水素鎖を意味する。この炭化水素鎖は、好ましくは、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第3ペンチル、ヘキシル及びイソヘキシルを含めた、1から6個までの炭素原子(C1〜6アルキル)を含む。好ましい一実施形態においては、アルキルは、ブチル、イソブチル、第2ブチル、及び第3ブチルを含めた、C1〜4アルキル基を表す。本発明の別の好ましい実施形態においては、アルキルは、特に、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルであってよい、C1〜3アルキル基を表す。
【0021】
本発明に関連して、アルケニル基は、ジエン、トリエン及びポリエンを含めた、1個又は複数の二重結合を含む炭素鎖を意味する。好ましい一実施形態においては、本発明のアルケニル基は、少なくとも1個の二重結合を含む、2から6個までの炭素原子(C2〜6アルケニル)を含む。最も好ましい一実施形態においては、本発明のアルケニル基は、エテニル、1−若しくは2−プロペニル、1−、2−若しくは3−ブテニル、又は1,3−ブタジエニル、1−、2−、3−、4−若しくは5−ヘキセニル、又は1,3−ヘキサジエニル、又は1,3,5−ヘキサトリエニルである。
【0022】
本発明に関連して、アルキニル基は、ジイン、トリイン及びポリインを含めた、1個又は複数の三重結合を含む炭素鎖を意味する。好ましい一実施形態においては、本発明のアルキニル基は、少なくとも1個の三重結合を含む、2から6個までの炭素原子(C2〜6アルキニル)を含む。その最も好ましい実施形態においては、本発明のアルキニル基は、エチニル、1−若しくは2−プロピニル、1−、2−、若しくは3−ブチニル、又は1,3−ブタジイニル、1−、2−、3−、4−ペンチニル、又は1,3−ペンタジイニル、1−、2−、3−、4−、若しくは5−ヘキシニル、又は1,3−ヘキサジイニル又は1,3,5−ヘキサトリイニルである。
【0023】
本発明に関連して、シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを含めた、好ましくは3から7個までの炭素原子(C3〜7シクロアルキル)を含む環式アルキル基を意味する。
【0024】
アルコキシは、O−アルキルであり、ここで、アルキルは上記に定義されたとおりである。
【0025】
シクロアルコキシは、O−シクロアルキルを意味し、ここで、シクロアルキルは上記に定義されたとおりである。
【0026】
シクロアルキルアルキルは、上記のシクロアルキル及び上記のアルキルを意味し、例えば、シクロプロピルメチルを意味する。
【0027】
薬学的に許容される塩
本発明の化合物は、目的の投与に適した任意の形態で提供することができる。適切な形態には、本発明の化合物の、薬学的に(すなわち生理学的に)許容される塩、及びプレドラッグ又はプロドラッグ形態が含まれる。
【0028】
薬学的に許容される付加塩の例には、非限定的に、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコン酸塩(aconate)、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、エンボン酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホネート、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン−p−スルホネート及び同様のものなどの無毒の無機及び有機酸付加塩が含まれる。このような塩は、当技術分野において周知の記載された手順によって形成することができる。
【0029】
薬学的に許容されると認めることができない、シュウ酸などの他の酸は、本発明の化合物及びその薬学的に許容される酸付加塩の獲得における中間体として有用な塩の調製において有用でありうる。
【0030】
本発明の化合物の薬学的に許容されるカチオン塩の例には、非制限的に、アニオン基を含む本発明の化合物の、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム、コリン、リシニウム、及びアンモニウム塩などが含まれる。このようなカチオン塩は、当技術分野で周知の記載された手順によって形成することができる。
【0031】
本発明に関連して、N含有化合物の「オニウム塩」も、薬学的に許容される塩として考えられる。好ましい「オニウム塩」には、アルキルオニウム塩、シクロアルキルオニウム塩、及びシクロアルキルアルキルオニウム塩が含まれる。
【0032】
本発明の化合物のプレドラッグ又はプロドラッグ形態の例には、親化合物の1つ又は複数の反応基又は誘導体化可能な基において修飾された化合物を含む、本発明による物質の適切なプロドラッグの例が含まれる。特に興味深いのは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、又はアミノ基において修飾された化合物である。適切な誘導体の例は、エステル又はアミドである。
【0033】
本発明の化合物は、水、エタノール、及び同様のものなどの薬学的に許容される溶媒と一緒に溶解できる又は溶解できない形態で提供することができる。溶解できる形態は、一水和物、二水和物、半水和物、三水和物、四水和物及び同様のものなどの水和した形態も含むことができる。一般的には、溶解できる形態は、本発明の目的に関して、溶解できない形態と同等であると見なされる。
【0034】
立体異性体
本発明の化合物は、鏡像異性体、ジアステレオマー及びシス−トランス異性体を含めた、様々な立体異性体で存在しうることは、当業者によって理解されるであろう。
【0035】
本発明は、全てのこのような異性体及びラセミ混合物を含めたそれらの任意の混合物を含む。
【0036】
ラセミ体は、周知の方法及び技術によって光学対掌体に分割することができる。(鏡像異性体中間体を含む)鏡像体化合物の分離の一方法は、化合物がキラル酸である場合、光学活性アミンの使用、及び酸での処理によりジアステレオ異性の、分割された塩を遊離させることによる。ラセミ化合物を光学対掌体に分割する別の方法は、光学活性なマトリックス上のクロマトグラフィーに基づく。本発明のラセミ化合物は、したがって、例えば、D−又はL−(酒石酸、マンデル酸、又はカンファースルホン酸(camphorsulfonate))塩の例えば分別結晶によって、それらの光学対掌体に分割することができる。
【0037】
本発明の化合物は、本発明の化合物と(+)又は(−)フェニルアラニン、(+)又は(−)フェニルグリシン、(+)又は(−)カンファン酸から誘導されるものなどの光学活性な活性カルボン酸との反応によるジアステレオマーアミドの形成によって、或いは本発明の化合物と光学活性クロロホルメートなどとの反応によるジアステレオマーカルバメートの形成によって分割することもできる。
【0038】
光学異性体を分割するためのさらなる方法は、当技術分野で周知である。このような方法には、「鏡像異性体、ラセミ体、及び分割(Enantiomers,Racemates,and Resolutions)」、John Wiley and Sons、New York(1981)においてJaques J、Collet A、及びWilen Sによって記載されたものが含まれる。
【0039】
光学活性化合物は、光学活性な出発原料又は中間体から調製することもできる。
【0040】
標識化合物
本発明の化合物は、その標識又は非標識形態で使用することができる。本発明に関連して、標識化合物は、自然に通常見出される原子量又は質量数と異なる原子量又は質量数を有する原子で置換された1個又は複数の原子を有する。標識化は、前記化合物の容易な定量的検出を可能にする。
【0041】
本発明の標識化合物は、種々の診断法における診断ツール、放射性トレーサ、又はモニター剤として、及びインビボ受容体画像用に有用でありうる。
【0042】
本発明の標識異性体は、好ましくは、少なくとも1つの放射性核種を標識として含む。陽電子放出放射性核種は、使用のための全ての候補である。本発明に関連して、放射性核種は、好ましくは、H(重水素)、H(三重水素)、13C、14C、131I、125I、123I、及び18Fから選択される。
【0043】
本発明の標識異性体を検出するための物理的方法は、陽電子放出断層撮影(PET)、単光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)、磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS)、磁気共鳴映像法(MRI)、及びコンピュータ化軸方向X線断層撮影(Computed Axial X−ray Tomography)(CAT)、又はそれらの組合せから選択することができる。
【0044】
調製方法
本発明の化合物は、化学合成用の従来の方法、例えば、実施例に記載のものによって調製することができる。本出願に記載の方法のための出発原料は、周知であるか、市販の化学物質から従来の方法で容易に調製することができる。
【0045】
同様に、本発明の一化合物は、従来の方法を用いて、本発明の別の化合物に変換することができる。
【0046】
本明細書に記載の反応の最終生成物は、従来の技術によって、例えば、抽出、結晶化、蒸留、クロマトグラフィーなどによって単離することができる。
【0047】
生物活性
本発明の化合物は、例えば、国際公開WO 97/30997号に記載のように、シナプトソームにおけるモノアミンドーパミン、ノルアドレナリン及びセロトニンの再取り込みを阻害するそれらの能力について試験することができる。これらの試験で観測されたバランスのとれた活性に基づいて、本発明の化合物は、ヒトを含めた哺乳類の疾患又は障害又は状態の治療、予防又は緩和に有用であると考えられ、ここで、これらの疾患又は障害又は状態は、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に反応性である。
【0048】
特定の一実施形態においては、本発明の化合物は、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛に続発するうつ病、大うつ病性障害、気分変調性障害、双極性障害、双極I型障害、双極II型障害、気分循環性障害、一般病状による気分障害、薬物誘発性気分障害、偽認知症、ガンゼル症候群、強迫性障害、パニック障害、広場恐怖症を伴わないパニック障害、広場恐怖症を伴うパニック障害、パニック障害の病歴のない広場恐怖症、パニック発作、記憶障害、記憶喪失、注意欠陥過活動性障害、肥満、不安、全般性不安障害、摂食障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、認知症、老化による認知症、老年性認知症、アルツハイマー病、後天性免疫不全症候群認知症複合、老化による記憶機能障害、特定恐怖症、社会恐怖症、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、薬物嗜癖、薬物乱用、コカイン乱用、ニコチン乱用、たばこ乱用、アルコール嗜癖、アルコール依存症、窃盗癖、疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、片頭痛、緊張型頭痛、慢性緊張型頭痛、うつ病に伴う疼痛、線維筋痛、関節炎、変形性関節炎、関節リウマチ、背痛、癌疼痛、過敏性腸の疼痛、過敏性腸症候群、術後疼痛、乳房切除後疼痛症候群(PMPS)、脳卒中後の疼痛、薬物性神経障害、糖尿病性神経障害、交感神経依存性疼痛、三叉神経痛、歯痛、顔面筋疼痛、幻想肢痛、過食症、月経前症候群、月経前不快気分障害、黄体形成後期症候群(late luteal phase syndrome)、外傷後症候群、慢性疲労症候群、尿失禁、緊張性尿失禁、急迫性尿失禁、夜尿、性機能不全、早漏、勃起困難、勃起障害、早発性女性オルガスム(premature female orgasm)、下肢静止不能症候群、周期性四肢運動障害、摂食障害、拒食症、睡眠障害、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガー症候群、レット障害、小児期崩壊性障害、学習障害、運動能力障害、無言症、抜毛癖、発作性睡眠、脳卒中後のうつ病、脳卒中による脳損傷、脳卒中による神経損傷、ジルドラトゥレット病、耳鳴、チック障害、身体醜形障害、反抗的行為障害又は脳卒中後の身体障害の治療、予防又は緩和に有用であると考えられる。好ましい一実施形態においては、該化合物は、うつ病の治療、予防又は緩和に有用であると考えられる。
【0049】
活性薬剤成分(API)の適切な投与量は、1日当たり約0.1から約1000mgAPIまでの範囲、1日当たり約10から約500mgAPIまでのより好ましい範囲、1日当たり約30から約100mgAPIまでの最も好ましい範囲内であるが、的確な投与方法、それが投与される形態、考えられる適応症、対象及び特に対象の体重、並びに担当の医師又は獣医の優先傾向及び経験によって決まることが現在のところ考えられる。
【0050】
本発明の好ましい化合物は、マイクロモル以下からマイクロモルの範囲、すなわち1未満から約100μMまでの生物活性を示す。
【0051】
薬剤組成物
別の態様においては、本発明は、本発明の化合物の治療有効量を含む新規の薬剤組成物を提供する。
【0052】
治療における使用のための本発明の化合物は、未加工の化合物の形態で投与することができるが、活性成分を、場合によっては生理学的に許容される塩の形態で、1つ又は複数のアジュバント、賦形剤、担体、緩衝剤、希釈剤、及び/又は他の慣例の製薬助剤と一緒に薬剤組成物に導入することが好ましい。
【0053】
好ましい一実施形態においては、本発明は、本発明の化合物、又は薬学的に許容されるその塩若しくは誘導体を、1つ又は複数の薬学的に許容される担体、並びに、場合によっては、当技術分野で周知であり使用される他の治療的及び/又は予防的成分と一緒に含む薬剤組成物を提供する。担体は、製剤の他の成分と相溶性がありそのレシピエントに有害でないという意味において「許容される」必要がある。
【0054】
本発明の薬剤組成物は、経口、直腸、気管支、経鼻、肺、局所(頬側及び舌下を含む)、経皮性、膣又は非経口投与(皮膚、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、動脈内、脳内、眼内注射若しくは輸液を含む)に適したもの、或いは粉末及び液体エアロゾル投与を含めた、吸入又は吹送法による、又は持続放出系による投与に適した形態のものであってよい。持続放出系の適切な例には、本発明の化合物を含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが含まれ、ここで、このマトリックスは、成形品、例えばフィルム又はマイクロカプセルの形態であってよい。
【0055】
本発明の化合物は、従来のアジュバント、担体、又は希釈剤と一緒に、したがって、薬剤組成物の形態及びその単位剤形にすることができる。このような形態には、固体、具体的には錠剤、充てんカプセル、粉末及びペレット状形態、並びに液体、具体的には水性又は非水性溶液、懸濁液、乳濁液、エリキシル剤、及びそれらを充てんしたカプセル、経口使用の全てのもの、直腸投与用坐薬、並びに非経口使用のための無菌注射剤が含まれる。このような薬剤組成物及びその単位剤形は、さらなる活性化合物又は成分とともに又はなしに、従来の割合で従来の成分を含むことができ、このような単位剤形は、使用すべき目的の1日投与量の範囲と釣り合った、活性成分の適切な有効量を含むことができる。
【0056】
本発明の化合物は、さまざまな経口及び非経口剤形で投与することができる。下記の剤形は、本発明の化合物又は本発明の化合物の薬学的に許容される塩のいずれかを、活性成分として含むことができることは、当業者には明らかであろう。
【0057】
本発明の化合物から薬剤組成物を調製するためには、薬学的に許容される担体は、固体又は液体のいずれかであってよい。固体形態製剤には、粉末、錠剤、丸剤、カプセル、カシェ剤、坐薬、及び分散性顆粒が含まれる。固体担体は、希釈剤、着香料、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、又は封入材料としても作用しうる1つ又は複数の物質であってよい。
【0058】
粉末においては、担体は、微粉化した活性成分との混合物である微粉化した固体である。
【0059】
錠剤においては、活性成分は、適切な割合で必要な結合能力を有する担体と混合され、所望の形状及びサイズに成形される。
【0060】
粉末及び錠剤は、好ましくは、5又は10から約70パーセントまでの活性化合物を含む。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバター及び同様のものである。「製剤」という用語は、活性化合物と、カプセルを提供する担体としての封入材料との製剤を含むことを目的としており、ここで、このカプセル中に、担体を含む又は含まない活性成分が、担体によって囲まれており、したがってそれと組み合わされている。同様に、カシェ剤及びロゼンジが含まれる。錠剤、粉末、カプセル、丸剤、カシェ剤、及びロゼンジは、経口投与に適した固体形態として使用することができる。
【0061】
坐薬を調製するためには、脂肪酸グリセリドの混合物又はココアバターなどの低融点ワックスを、最初に溶かし、活性成分を、撹拌などによりその中に均一に分散させる。溶けた均一な混合物を、次いで、好都合なサイズの型に注ぎ、冷却させ、それにより固化させる。
【0062】
膣内投与に適した組成物は、活性成分に加えて、適切であることが当技術分野で周知である担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡沫又はスプレーとして提供することができる。
【0063】
液体製剤には、溶液、懸濁液、及び乳濁液、例えば、水又は水−プロピレングリコール溶液が含まれる。例えば、非経口注射用液体製剤は、水性ポリエチレングリコール溶液中の溶液として製剤化することができる。
【0064】
本発明の化合物は、したがって、(例えば、ボーラス注入法又は持続注入などの注入による)非経口投与用に製剤化することができ、追加保存剤を含むアンプル、事前充填注射器、少量輸液又は多数回用量容器の単位剤形で提供することができる。組成物は、油性又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、又は乳濁液などの形態を取ることができ、懸濁化剤、安定化剤及び/又は分散剤などの製剤化剤(formulation agent)を含むことができる。別法として、活性成分は、使用前の、適切なビヒクル、例えば、無菌の発熱物質を含まない水との構成用の、無菌固体の無菌単離により又は溶液からの凍結乾燥により得られる粉末形態であってよい。
【0065】
経口使用に適した水性溶液は、活性成分を水に溶解し、所望通りに適切な着色剤、香料、安定化剤及び粘稠化剤を添加することによって調製することができる。
【0066】
経口使用に適した水性懸濁液は、微粉化した活性成分を、天然若しくは合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、又は他の周知の懸濁化剤などの粘稠材料とともに水中に分散させることにより作製することができる。
【0067】
同様に含まれるのは、経口投与用の液体形態製剤への、使用直前の変換を対象とした固体形態製剤である。このような液体形態には、溶液、懸濁液、及び乳濁液が含まれる。活性成分に加えて、このような製剤は、着色剤、香料、安定剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤、並びに同様のものを含むことができる。
【0068】
表皮への局所投与には、本発明の化合物は、軟膏、クリーム若しくはローションとして、又は経皮貼布として製剤化することができる。軟膏及びクリームは、例えば、水性若しくは油性ベースとともに、適切な粘稠化剤及び/又はゲル化剤を添加して製剤化することができる。ローションは、水性又は油性ベースとともに製剤化することができ、一般的に、1種又は複数の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、粘稠化剤、又は着色剤も含む。
【0069】
口中の局所投与に適した組成物には、活性薬剤を味付けベース、通常はショ糖及びアカシア又はトラガカント中に含むロゼンジ;活性成分をゼラチン及びグリセリン又はショ糖及びアカシアなどの不活性なベース中に含むパステル剤;並びに活性成分を適切な液体担体中に含む洗口剤が含まれる。
【0070】
溶液又は懸濁液は、例えばスポイト、ピペット又はスプレーを用いた従来の方法によって、鼻腔に直接的に適用される。組成物は、単一又は多数回用量剤形で提供することができる。
【0071】
気道への投与も、エアロゾル製剤を用いて達成することができ、ここで、この製剤には、活性成分が、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、若しくはジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、又は他の適切なガスなどの適切な噴霧剤を含む加圧容器で提供される。エアロゾルは、好都合に、レシチンなどの界面活性剤も含むことができる。薬物の用量は、定量バルブの提供により制御することができる。
【0072】
別法として、活性成分は、乾燥粉末の形態、例えば、乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのデンプン誘導体及びポリビニルピロリドン(PVP)などの適切な粉末ベース中の化合物の混合粉末で提供することができる。好都合には、粉末担体は、鼻腔中でゲルを形成する。粉末組成物は、単位剤形で、例えば、ゼラチンなどのカプセル若しくはカートリッジ、又はブリスターパックで提供することができ、これから、粉末を吸入器によって投与することができる。
【0073】
経鼻投与用組成物を含めた、気道への投与を対象とした組成物においては、化合物は、一般的に、例えば5ミクロン以下程度の小さな粒径を有する。このような粒径は、当技術分野で周知の手段によって、例えば微粉化によって得ることができる。
【0074】
所望に応じて、活性成分の持続放出を与えるよう適合させた組成物を用いることができる。
【0075】
薬剤製剤は、好ましくは単位剤形である。このような形態においては、製剤は、活性成分の適切な量を含む単位用量に再分割される。単位剤形は、バイアル又はアンプル中の包装された錠剤、カプセル、及び粉末などの、製剤の個別の量を包装に含む包装製剤であってよい。同様に、単位剤形は、そのカプセル、錠剤、カシェ剤、又はロゼンジであってよく、或いは包装した形態のこれらのいずれかの適切な数量であってよい。
【0076】
経口投与用の錠剤又はカプセル並びに静脈投与及び持続注入用の液体は、好ましい組成物である。
【0077】
製剤及び投与の技術のさらなる詳細は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Maack Publishing Co.、Easton、PA)の最新版に見出すことができる。
【0078】
治療有効量は、症状又は状態を寛解させる活性成分の量を意味する。治療有効性及び毒性、例えばED50及びLD50は、細胞培養又は実験動物における標準の薬理学的手順によって判定することができる。治療効果及び毒性効果の間の用量比は、治療指数であり、比LD50/ED50で表すことができる。より大きな治療指数を示す薬剤組成物が好ましい。
【0079】
投与される用量は、当然、治療する個人の年齢、体重及び状態、並びに投与の経路、剤形及び投薬計画、並びに所望の結果に対して注意深く調節する必要があり、正確な投与量は、当然、医師によって決定されるべきである。
【0080】
実際の投与量は、治療する疾患の性質及び重篤性次第であり、医師の判断力に含まれ、所望の治療効果を生じる、本発明の特定の状況に対する投与量の滴定によって改めることができる。しかしながら、個々の用量当たり約0.1から約500mgまでの、好ましくは約1から約100mgまでの、最も好ましくは、約1から約10mgまでの活性成分を含む薬剤組成物は、治療上の処置に適していると現在考えられる。
【0081】
活性成分は、1日当たり1回又は数回の用量で投与することができる。満足な結果が、場合によっては、0.1μg/kg i.v.及び1μg/kg p.o.のように低い投与量において得ることができる。投与量範囲の上限は、約10mg/kg i.v.及び100mg/kg p.o.であると現在考えられる。好ましい範囲は、約0.1μg/kgから約10mg/kg/日i.v.まで、及び約1μg/kgから約100mg/kg/日p.o.までである。
【0082】
治療方法
別の態様においては、本発明は、ヒトを含めた、動物の生体の疾患又は障害又は状態の治療、予防又は緩和のための方法を提供し、これらの疾患、障害又は状態は、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に反応性であり、ここで、この方法は、それを必要とするヒトを含めた動物の生体に、本発明の化合物の有効量を投与することを含む。
【0083】
適切な投与量範囲は、通常通り、的確な投与方法、それが投与される形態、投与が向けられる適応症、関係する対象及び関係する対象の体重、並びにさらに担当の医師又は獣医の優先傾向及び経験によって決まり、1日当たり0.1から1000mg、1日当たり10〜500mg、及び特に1日当たり30〜100mgであることが現在のところ考えられる。
【実施例】
【0084】
本発明を、以下の実施例を参照にしてさらに明らかにするが、これらの実施例は、請求の範囲に記載されている発明の範囲を限定することを何ら目的としていない。
【0085】
概要:空気に敏感な試薬又は中間体を必要とする全ての反応は、窒素下及び無水溶媒中で実施した。硫酸マグネシウムを、検査手順で乾燥剤として使用し、溶媒は、減圧下で蒸発した。
【0086】
方法A
(±)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
(±)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン(5.0g、20.2mmol)、2,2,2−トリクロロエチルクロロホルメート(12.8g、60.5mmol)及びトルエン(50ml)の混合物を、15時間撹拌還流した。この混合物を、室温に冷却した。この有機相を、水(2×50ml)で洗浄した。得られた油を、酢酸(25ml)及び水(25ml)と合わせた。亜鉛粉(6.60g、100.9mmol)を、この混合物にゆっくりと添加し、続いて15時間撹拌した。この混合物を、アンモニア水の添加によってアルカリ性にし、続いてジエチルエーテル(2×50ml)で抽出した。油、遊離塩基としての収量3.8g(81%)。塩酸塩を沈殿させた。融点215〜217℃。
【0087】
(±)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
方法Aにしたがって調製した。融点188〜191℃。
【0088】
(±)−3−(3,4−ジメチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
方法Aにしたがって調製した。融点152〜156℃。
【0089】
(±)−3−(2,3−ジメチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
方法Aにしたがって調製した。融点250℃。
【0090】
(±)−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
方法Aにしたがって調製した。融点199〜202℃。
【0091】
(±)−3−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
方法Aにしたがって調製した。融点182〜184℃。
【0092】
(±)−3−(4−クロロ−3−エチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
方法Aにしたがって調製した。融点218〜220℃。
【0093】
(−)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エンL−酒石酸塩
方法Aにしたがって、(+)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エンから調製した。融点156.3〜161.5℃。
【0094】
(+)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エンD−酒石酸塩
方法Aにしたがって、(−)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エンから調製した。融点165〜179℃。
【0095】
(−)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エンL−酒石酸塩
方法Aにしたがって、(+)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エンから調製した。融点158〜188℃。
【0096】
(+)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エンD−酒石酸塩
方法Aにしたがって、(−)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エンから調製した。融点164〜177℃。
【0097】
(−)−3−(4−クロロ−3−エチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エンL−酒石酸塩
方法Aにしたがって、(+)−3−(4−クロロ−3−エチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エンから調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、248.1199Da.計算値248.120602Da、偏差−2.8ppmを示す。
【0098】
(±)−3−(4−ブロモ−3−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
方法Aにしたがって、(±)−3−(4−ブロモ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エンから調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、278.0537Da.計算値278.054437Da、偏差−2.7ppmを示す。
【0099】
(±)−3−(3−ブロモ−4−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
方法Aにしたがって、(±)−3−(3−ブロモ−4−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エンから調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、278.0542Da.計算値278.054437Da、偏差−0.9ppmを示す。
【0100】
方法B
(±)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
ジエチルエーテル(100ml)中の5−ブロモ−2−クロロトルエン(10.0g、48.7mmol)の混合物を、−70℃に冷却し、続いて−70℃においてブチルリチウム(21.4ml、2.5M)を添加した。この混合物を、室温で1時間撹拌し、続いて−70℃においてTHFに溶解したトロピノン(6.77g、48.7mmol)を添加した。この混合物を、−70℃で1時間撹拌した。この混合物を、室温に温めた。この混合物を、塩酸水溶液(1M)の添加によって酸性にした。この酸性水相をジエチルエーテル(50ml)で洗浄した。この混合物を、水酸化ナトリウム水溶液の添加によってアルカリ性にし、続いてジエチルエーテル(3×50ml)で抽出した。中間体の(±)−3−(4−クロロ−3−メチル−フェニル)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オ−ル11.6g(90%)の収量。(+/−)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−オ−ル(7.5g、28.2mmol)及び塩酸水溶液(37%)の混合物を、1時間撹拌還流した。この混合物を、室温に冷却し、濃アンモニア水の添加によってアルカリ性にした。収量6.0g(86%)。塩酸塩を沈殿させた。融点177〜179℃。
【0101】
(±)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
方法Bにしたがって調製した。融点172〜176℃。
【0102】
(±)−3−(3,4−ジメチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
方法Bにしたがって調製した。融点145〜149℃。
【0103】
(±)−3−(2,3−ジメチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
方法Bにしたがって調製した。融点218〜220℃。
【0104】
(±)−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
方法Bにしたがって調製した。融点50〜53℃。
【0105】
(±)−3−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン遊離塩基
方法Bにしたがって調製した。油として単離した。
【0106】
(±)−3−(4−クロロ−3−エチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
方法Bにしたがって調製した。融点193〜196℃。
【0107】
(±)−3−(4−ブロモ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
方法Bにしたがって調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、292.0703Da.計算値292.070087Da、偏差0.7ppmを示す。
【0108】
(±)−3−(3−ブロモ−4−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
方法Bにしたがって調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、292.0705Da.計算値292.070087Da、偏差1.4ppmを示す。
【0109】
方法C
(−)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
(−)−8−メチル−3−(4−トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン、(6.0g 22.1mmol)、1,2−ジメトキシエタン(60ml)、4−クロロ−3−メチルフェニルボロン酸(5.65g、33.2mmol)、炭酸カリウム(9.93g、71.9mmol)、塩化リチウム(1.12g、26.5mmol)及び水(30ml)の混合物に、10分間アルゴンを通気して泡立てた。Pd(PPh3)4(0.17g、0.15mmol)を添加し、続いて1時間還流した。この混合物を、室温に冷却した。水(100ml)を添加し、続いてジエチルエーテル(2×50ml)で抽出した。この有機相を水(2×50ml)で洗浄した。この有機相を、塩酸(30ml、4M)で抽出し、水(2×30ml)で抽出した。この酸性水相を、濃アンモニア水(50ml)の添加によってアルカリ性にした。この遊離塩基を沈殿させ、ろ過により単離した。
【数1】


収量3.4g(62%)。
塩酸塩を沈殿させた。融点91〜114℃。
【0110】
(−)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
方法Cにしたがって、(−)−8−メチル−3−(4−トリフロオロメチルスルホニルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エンから調製した。遊離塩基:
【数2】


塩酸塩を沈殿させた。融点193.7℃。
【0111】
(+)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
方法Cにしたがって、(+)−8−メチル−3−(4−トリフロオロメチルスルホニルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エンから調製した。遊離塩基:
【数3】


塩酸塩を非晶質固体として沈殿させた。
【0112】
(+)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
方法Cにしたがって、(+)−8−メチル−3−(4−トリフロオロメチルスルホニルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エンから調製した。遊離塩基:
【数4】


塩酸塩を沈殿させた。融点250℃。
【0113】
(+)−3−(4−クロロ−3−エチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン塩酸塩
方法Cにしたがって、(+)−8−メチル−3−(4−トリフロオロメチルスルホニルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エンから調製した。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、262.1358Da.計算値262.136252Da、偏差−1.7ppmを示す。
【0114】
方法D
(−)−8−メチル−3−(4−トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン
[S−(R,R)](−)−ビス−α−メチル−ベンジルアミン塩酸塩
【数5】


(86.5g、0.33mmol)及びテトラヒドロフラン(1000ml)の撹拌している混合物に、ブチルリチウム(264ml、2.5M)を<5℃で添加した。この混合物を、0℃で1時間撹拌した。この混合物を、−70℃に冷却し、テトラヒドロフラン(200ml)中に溶解したトロピノン(41.8g、0.3mmol)を90分間にわたって添加した。この混合物を、−70℃で3時間撹拌した。テトラヒドロフラン中に溶解したN−フェニルビス−トリフルオロメタンスルホンイミド(114.3g、0.32mmol)を、この混合物に<70℃で2時間にわたり添加した。この混合物を、一晩放置して室温にした。水(3L)を添加し、続いてジエチルエーテル(2×1L)で抽出した。この有機相を、水(2×1L)で洗浄した。標題生成物及びキラルアミンの粗混合物を、最初にキラルアミンを溶離するために酢酸エチルを用い、次いでメタノール及びジクロロメタン(2:8)の混合物をキラルトリフラート用に使用するシリカゲル(1kg)カラムクロマトグラフィーで分離した。78%(0.233mol)のキラルトリフラートを単離した。
【0115】
(+)−8−メチル−3−(4−トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン
方法Dにしたがって、他のキラルアミン[R−(R,R)](+)−ビス−α−メチル−ベンジルアミン塩酸塩
【数6】


を用いて調製した。
【0116】
試験例
インビトロ阻害活性
いくつかの化合物を、国際公開WO 97/16451号に記載されたように、シナプトソームにおけるモノアミン神経伝達物質ドーパミン(DA)ノルアドレナリン(NA)及びセロトニン(5−HT)の再取り込みを阻害する能力について試験した。
【0117】
試験数値は、IC50H−DA、H−NA、又はH−5−HTの特定の結合を50%阻害する試験物質の濃度(μM))として与えられる。
【0118】
本発明の選択した化合物の試験によって得られた試験結果が、下記の表に示されている。
【表1】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、
【化1】


その異性体のいずれか又はその異性体のいずれかの混合物、或いは薬学的に許容されるその塩
[式中、
Rは、水素又はアルキルを表し、
ここで、このアルキルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から独立に選択される、1種又は複数の置換基で場合によって置換されており、
は、アルキルを表し、
は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルコキシアルキル、シクロアルコキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、−NR’R”、−(C=O)NR’R”又は−NR’(C=O)R”を表し、
ここで、R’及びR”は、互いに独立に、水素又はアルキルである]。
【請求項2】
Rが、水素又はアルキルを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、メチル又はエチルを表す、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
が、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、アルキル又はアルコキシを表す、請求項1〜3までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が、ハロ又はアルキルを表す、請求項1〜3までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
式IIの化合物、
【化2】


その異性体のいずれか又はその異性体のいずれかの混合物、或いは薬学的に許容されるその塩である、請求項1〜5までのいずれか一項に記載の化合物
[式中、
Rは、請求項1において定義されたとおりであり、
、R及びRの1つは、Rを表し、
、R及びRの残りの2つのうちの1つは、Rを表し、
、R及びRの残りの1つは、水素を表し、
ここで、R及びRは、請求項1において定義されたとおりである]。
【請求項7】
(±)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(3,4−ジメチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(2,3−ジメチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(4−クロロ−3−エチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(−)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(+)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(−)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(+)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(−)−3−(4−クロロ−3−エチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(4−ブロモ−3−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(3−ブロモ−4−メチルフェニル)−8−H−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(3,4−ジメチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(2,3−ジメチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(4−クロロ−3−エチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(4−ブロモ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(±)−3−(3−ブロモ−4−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(−)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(−)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(+)−3−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(+)−3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
(+)−3−(4−クロロ−3−エチルフェニル)−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン;
又は薬学的に許容されるそれらの塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1〜7までのいずれか一項に記載の化合物、その異性体のいずれか又はその異性体のいずれかの混合物、或いは薬学的に許容されるその塩の治療有効量を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と一緒に含む薬剤組成物。
【請求項9】
請求項1〜7までのいずれか一項に記載の化合物、その異性体のいずれか又はその異性体のいずれかの混合物、或いは薬学的に許容されるその塩の、薬剤の製造のための使用。
【請求項10】
中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に反応性である、ヒトを含めた哺乳類の疾患又は障害又は状態の治療、予防又は緩和のための薬剤組成物の製造のための、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
前記疾患、障害又は状態が、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛に続発するうつ病、大うつ病性障害、気分変調性障害、双極性障害、双極I型障害、双極II型障害、気分循環性障害、一般病状による気分障害、薬物誘発性気分障害、偽認知症、ガンゼル症候群、強迫性障害、パニック障害、広場恐怖症を伴わないパニック障害、広場恐怖症を伴うパニック障害、パニック障害の病歴のない広場恐怖症、パニック発作、記憶障害、記憶喪失、注意欠陥過活動性障害、肥満、不安、全般性不安障害、摂食障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、認知症、老化による認知症、老年性認知症、アルツハイマー病、後天性免疫不全症候群認知症複合、老化による記憶機能障害、特定恐怖症、社会恐怖症、社会不安障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、薬物嗜癖、薬物乱用、コカイン乱用、ニコチン乱用、たばこ乱用、アルコール嗜癖、アルコール依存症、窃盗癖、疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、片頭痛、緊張型頭痛、慢性緊張型頭痛、うつ病に伴う疼痛、線維筋痛、関節炎、変形性関節炎、関節リウマチ、背痛、癌疼痛、過敏性腸の疼痛、過敏性腸症候群、術後疼痛、乳房切除後疼痛症候群(PMPS)、脳卒中後の疼痛、薬物性神経障害、糖尿病性神経障害、交感神経依存性疼痛、三叉神経痛、歯痛、顔面筋疼痛、幻想肢痛、過食症、月経前症候群、月経前不快気分障害、黄体形成後期症候群、外傷後症候群、慢性疲労症候群、尿失禁、緊張性尿失禁、急迫性尿失禁、夜尿、性機能不全、早漏、勃起困難、勃起障害、早発性女性オルガスム、下肢静止不能症候群、周期性四肢運動障害、摂食障害、拒食症、睡眠障害、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガー症候群、レット障害、小児期崩壊性障害、学習障害、運動能力障害、無言症、抜毛癖、発作性睡眠、脳卒中後のうつ病、脳卒中による脳損傷、脳卒中による神経損傷、ジルドラトゥレット病、耳鳴、チック障害、身体醜形障害、反抗的行為障害又は脳卒中後の身体障害である、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に反応性である、ヒトを含めた、動物の生体の疾患又は障害又は状態の治療、予防又は緩和のための方法であって、それを必要とする、そのような、動物の生体に、請求項1〜7までのいずれか一項に記載の化合物、その異性体のいずれか又はその異性体のいずれかの混合物、或いは薬学的に許容されるその塩の治療有効量を投与するステップを含む方法。

【公表番号】特表2009−507002(P2009−507002A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528510(P2008−528510)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【国際出願番号】PCT/EP2006/065804
【国際公開番号】WO2007/025978
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(505377201)ノイロサーチ アクティーゼルスカブ (135)
【Fターム(参考)】