説明

モバイル・クーポンの方法及びモバイル・クーポンを使用するための携帯消費者デバイス

本発明の実施例は、モバイル・クーポンに関わるシステム及び方法に関する。一実施例では、支払処理ネットワークを介した前の購入トランザクションの指示が、その後のトランザクションのためのモバイル・クーポンを作り出し且つ配布するためのトリガとして働く。その第1のトランザクションから限られた期間内にクーポンを作り出し且つ広めることにより、受信者は、自身の現在の買い物の状況及びことによると地理的位置にも基づいて受容的になる傾向がある。別の実施例によれば、モバイル・クーポンの情報を、消費者が操作する携帯デバイスのアンテナを利用して非接触式にその消費者から加盟店に提供することができる。クーポン情報は、支払情報とともに、又は支払情報を加盟店に送信する前に、若しくはその後に加盟店に通信することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本非仮特許出願は、2006年12月26日に出願され、その全体が全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる米国仮特許出願第60/871,898号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
クーポンは、ブランド忠実度を高め、新製品を導入するための便利なマーケティング手段である。オファーの有効期間及び価値をカスタマイズできるようにすることにより、クーポンは、消費者が特定の製品や製品系列を購入するための柔軟な動機を提供する。
【0003】
従来、クーポンは、新聞などのソースから印刷された形で入手可能とされている。しかし、ワールド・ワイド・ウェブなどの電子的情報ソースの導入が増えたことにより、電子クーポンが普及してきた。
【0004】
さらに、今では大部分の消費者が携帯電話や他の携帯電子デバイスを所有し、操作する。これにより、そのような消費者が、自らの買い物をする際に電子クーポンの配信にアクセスできるようになり、且つさらに、その配信された電子クーポンが店の現場で直接引き換えられることが可能になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、モバイル電子デバイスによる電子クーポンの配信及び使用を可能にする方法及びシステムが当技術分野で必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例は、モバイル・クーポンに関わるシステム及び方法に関する。一実施例では、支払処理ネットワークを介した前の購入トランザクションの指示が、その後のトランザクションのためのモバイル・クーポンを作り出し且つ配布するためのトリガとして働くことができる。その第1のトランザクションから限られた期間内にクーポンを作り出し且つ広めることにより、受信者は、自身の現在の買い物の状況及びことによると地理的位置にも基づいて受容的になる傾向がある。別の実施例によれば、モバイル・クーポンの情報を、消費者が操作する携帯デバイスのアンテナを利用して非接触式に加盟店に提供することができる。このモバイル・クーポン情報は、支払情報とともに非接触式に加盟店に通信することができ、又は支払情報を加盟店に送信する前に、若しくはその後に通信することができる。
【0007】
本発明のこれらの及び他の実施例を以下にさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】支払処理システムの簡略化したブロック図である。
【図1A】図1の支払処理システムとともに使用する携帯消費者デバイスのブロック図である。
【図2】本発明の一実施例によるモバイル・クーポン・プログラムを実施するためのシステムの一実施例の簡略化したブロック図である。
【図3】本発明の一実施例によるモバイル・クーポン・プログラムに登録するためのプロセスの簡略化した流れ図である。
【図4】POS端末のスクリーンを示す図である。
【図5A】電話上のクーポンを含むスクリーンショットを示す図である。
【図5B】電話上のクーポンを含むスクリーンショットを示す図である。
【図5C】電話上のクーポンを含むスクリーンショットを示す図である。
【図6】本発明の実施例により使用するコンピュータ・システムの略図である。
【図6A】図6のコンピュータ・システムの基本的なサブシステムの説明図である。
【図7】本発明による電子クーポンの一実施例を利用するプロセスの簡略化した流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
I.支払処理システム
本発明の実施例は、携帯消費者デバイスの使用、並びに携帯消費者デバイスを使用する方法及びシステムに関する。好ましい携帯消費者デバイスは、携帯電話である。携帯電話は、図1に示すような支払処理システムで使用することができる。
【0010】
図1は、本発明の一実施例で使用することができるシステム20を示す。システム20は、加盟店22、及び加盟店22に関連するアクワイアラ24を含む。典型的な支払トランザクションでは、消費者30は、携帯消費者デバイス32を使用して加盟店22で商品やサービスを購入することができる。アクワイアラ24は、支払処理システム26を介してイシュア28と通信できる。
【0011】
アクワイアラ24は、典型的にはマーチャント・アカウントを有する銀行である。イシュア28も銀行とすることができるが、小売店などの企業体とすることもできる。一部の事業体はアクワイアラ及びイシュアの両方であり、本発明の実施例はそのような事業体を含む。イシュア28は、イシュア28が行う機能を実行するためのコードを含むコンピュータ可読媒体を有し得るサーバ・コンピュータ21を運転することができる。会員番号情報や他の情報を含むデータベース23を、サーバ・コンピュータ21に動作可能に結合することができる。
【0012】
消費者30は、商品やサービスを購入する能力がある個人又は会社などの組織とすることができる。
【0013】
携帯消費者デバイス32は、任意の適当な形態とすることができる。例えば、適当な携帯消費者デバイスは、それらが消費者の財布及び/又はポケットに入るように、手持ち式及び小型(例えばポケット・サイズ)でよい。携帯消費者デバイスには、スマート・カード、(磁気ストリップを有し、マイクロプロセッサを有さない)通常のクレジットカードやデビットカード、キーチェーン・デバイス(Exxon−Mobil Corp.から商業的に入手できるSpeedpass(商標)など)、等が含まれてよい。携帯消費者デバイスの他の例には、携帯電話、PDA(携帯情報端末)、ポケベル、ペイメント・カード、セキュリティ・カード、アクセス・カード、スマート・メディア、トランスポンダ、等が含まれる。この携帯消費者デバイスは、デビット・デバイス(例えばデビットカード)、クレジット・デバイス(例えばクレジットカード)又はストアドバリュー・デバイス(例えばストアドバリュー・カード)でもよい。
【0014】
携帯消費者デバイス32は、コンピュータ可読媒体32(a)と本体32(b)とを備えることができる。コンピュータ可読媒体32(a)は、本体32(b)上にあってよい。本体32(b)はプラスチック基板、ハウジング又は他の構造体の形をとることができる。コンピュータ可読媒体32(a)は、データを記憶する記憶域とすることができ、任意の適当な形をとることができる。例示的なコンピュータ可読媒体32(a)は、磁気ストライプ、メモリ・チップ、等を含む任意の適当な形をとることができる。携帯消費者デバイス32がカードの形をとる場合、その携帯消費者デバイスは、PAN(主会員番号:primary account number)でエンボス加工されたエンボス領域32(a)を有することができる。
【0015】
図1Aは、携帯(モバイル)デバイスの拡大図を示す。デバイス32は、非接触要素36をさらに含み、非接触要素36は、典型的には、アンテナなどの関連する無線データ転送(例えばデータ伝送)要素36(b)を有する半導体チップ36(a)(又は他のデータ記憶要素)の形で実装される。非接触要素36は、モバイル・デバイス32に関連し(例えばその内部に組み込まれ)、セルラ・ネットワークを介して伝送されるクーポンなどのデータ又は制御命令は、非接触要素インタフェース38により非接触要素36に適用することができる。非接触要素インタフェース38は、モバイル・デバイスの回路39(及びしたがってセルラ・ネットワーク)と非接触要素36との間でのデータ及び/又は制御命令の交換を可能にするように機能する。
【0016】
モバイル・デバイス32は、このデバイスの動作時に利用される動作パラメータ及び/又は他のデータを記憶するためにこのデバイスが使用できる、セキュア・データ空間41も含むことができる。セキュア・データ空間41は、非接触要素36内のチップとは別個の且つ離れたチップの形をとることができ、或いは非接触要素36の一部を形成するチップ内のメモリの1セクションとすることができる。非接触要素36内のチップは、例えば読取り、書込み、及び消去機能の実行を可能にするためにインタフェース38を介してアクセスすることができるメモリの形をとる、データ記憶機能を含み得ることに留意されたい。
【0017】
さらに別の実施例によれば、このモバイル・デバイスは、プロセッサ45と、コードを記憶するための、且つプロセッサに様々なタスクを実行するよう命令するように構成されたコンピュータ可読記憶媒体46と、をさらに含むことができる。例えば、このコンピュータ可読記憶媒体は、磁気ディスク・ドライブ又はフラッシュ・メモリ・チップを含むことができる。
【0018】
以下に論じるように、このコンピュータ可読記憶媒体は、携帯消費者デバイスのプロセッサに、そのモバイル・デバイスに送られるクーポン及びコードを含むメッセージを受け取らせ、認識させるように構成されたコードを含むことができる。このコンピュータ可読記憶媒体は、モバイル・デバイスによって受け取られる、コードを含む暗号化されたメッセージを復号化するように構成されたコードも含むことができる。
【0019】
非接触要素36は、典型的には標準化されたプロトコル又はデータ転送メカニズム(ISO 14443/NFCとして図中に示す)に準拠する近距離無線通信機能(又は近距離無線通信媒体)を使用してデータを送受信することができる。近距離無線通信機能は、モバイル・デバイス32と、例えば加盟店の売場に、又はクーポンが引き換えられることが予想される他の場所にあるローカル機器との間でデータを交換するために使用することができるRFID、Bluetooth(商標)、赤外、他のデータ転送機能などの短距離通信機能である。したがって、モバイル・デバイス32は、セルラ・ネットワーク及び近距離無線通信機能の両方を介して、データ及び/又は制御命令を通信し且つ転送することができる。
【0020】
特定の実施例によれば、このモバイル・デバイスは、GPS(全世界測位システム)要素47をさらに含む。GPS要素47は、ユーザの位置を随時測定できるように構成される。具体的には、GPS要素47は、ユーザの位置を測定できるようにするために、複数の周回軌道衛星からの信号を使用する。次いで、GPS要素47から得られた位置情報をアンテナを介して通信して、そのユーザの場所をモニタリングできるようにすることができる。
【0021】
図1に戻ると、支払処理ネットワーク26は、承認サービス、除外ファイル・サービス及び精算/決済サービスをサポートし且つ提供するために使用される、データ処理サブシステム、ネットワーク及び操作を含むことができる。例示的な支払処理ネットワークには、VisaNet(商標)が含まれ得る。VisaNet(商標)などの支払処理ネットワークは、クレジットカード・トランザクション、デビットカード・トランザクション及び他のタイプの商業トランザクションを処理することができる。VisaNet(商標)は、具体的には承認要求を処理するVIPシステム(Visa Integrated Paymentsシステム)及び精算/決済サービスを行うBaseIIシステムを含む。
【0022】
支払処理ネットワーク26は、サーバ・コンピュータを含むことができる。サーバ・コンピュータは、典型的には高性能のコンピュータ又はコンピュータ・クラスタである。例えば、サーバ・コンピュータは、大型メインフレーム、ミニコンピュータ・クラスタ、又は1つのユニットとして機能するサーバ群とすることができる。一実施例では、このサーバ・コンピュータは、ウェブ・サーバに結合されたデータベース・サーバとすることができる。支払処理ネットワーク26は、インターネットを含む任意の適切な有線ネットワーク又は無線ネットワークを使用することができる。
【0023】
さらに加盟店22は、携帯消費者デバイス32と対話可能なアクセス・デバイス34を有することができ、又はそのアクセス・デバイス34から情報を受け取ることができる。図1のシステムの実施例では、アクセス・デバイス34は加盟店22にある。しかし、本発明の他の実施例では、アクセス・デバイス34は他の任意の適当な場所にあってよい。
【0024】
本発明の実施例によるアクセス・デバイスは、任意の適当な形をとることができる。アクセス・デバイスの例には、POS(売場専用)デバイス、携帯電話、PDA、PC(パーソナル・コンピュータ)、タブレット型PC、手持専用読取機、セットトップ・ボックス、ECR(電子式レジ)、ATM(現金自動預払機)、VCR(仮想レジ)、キオスク、セキュリティ・システム、アクセス・システム、等が含まれる。
【0025】
アクセス・デバイス34が売場専用端末である場合、任意の適当な売場専用端末は、読取機34(a)、プロセッサ34(b)、及びコンピュータ可読媒体34(c)を含むことができる。読取機34(b)は、任意の適当な接触動作モード又は非接触動作モードを含むことができる。例えば、例示的なカード読取機は、携帯消費者デバイス32と対話するためのRF(無線周波)アンテナ、磁気ストライプ読取機、等を含むことができる。
【0026】
典型的な購入トランザクションでは、消費者30は、クレジットカードなどの携帯消費者デバイス32を使用して加盟店22で商品やサービスを購入する。その消費者の携帯消費者デバイス32は、加盟店22にあるPOS(売場専用)端末などのアクセス・デバイス34と対話することができる。例えば、消費者30は、クレジットカード手に取ることができ、それをPOS端末の適当なスロットに通すことができる。
【0027】
或いは、そのPOS端末は非接触読取機とすることができ、携帯消費者デバイス32は、非接触カードなどの非接触デバイスとすることができる。特定の実施例では、この携帯消費者デバイスは、添付の図1Aに示すようなモバイル・デバイスとすることができる。以下に詳しく説明するように、このモバイル・デバイスのアンテナは、支払情報をPOSに通信するためだけでなく、モバイル・クーポンの情報(コードなど)をPOSデバイスに通信するために利用することができる。
【0028】
次いで、承認要求メッセージがアクワイアラ24に転送される。この承認要求メッセージを受信した後、この承認要求メッセージは支払処理ネットワーク26に送信される。次いで、支払処理ネットワーク26が、この承認要求メッセージを携帯消費者デバイス32のイシュア28に転送する。
【0029】
イシュア28が承認要求メッセージを受信した後、イシュア28は、承認応答メッセージを支払処理ネットワーク26に送り返して現行トランザクションが承認される(又は承認されない)かどうかを指示する。次いで、トランザクション処理ネットワーク26が、この承認応答メッセージをアクワイアラ24に送り返す。次いで、アクワイアラ24が、この応答メッセージを加盟店22に送り返す。
【0030】
加盟店22が承認応答メッセージを受信した後、加盟店22にあるアクセス・デバイス34が、その承認応答メッセージを消費者30に対して提供することができる。その応答メッセージは、アクセス・デバイス34によって表示することができ、又はレシートに印刷することもできる。
【0031】
1日の終わりに、トランザクション処理ネットワーク26が規定の精算/決済プロセスを行うことができる。精算プロセスは、アクワイアラとイシュアとの間で金融細目を交換して、消費者のアカウントへの転記及びその消費者の決算場所の照合調整を容易にするプロセスである。
【0032】
以下に説明する実施例の一部は、上述のものと同様の支払処理システムを、又はその支払処理システム内の構成要素を任意の適切な組合せで使用することができる。
【0033】
II.モバイル・クーポンの方法及びシステム
本発明による特定の実施例は、モバイル・パーソナル・デバイスにおける電子クーポンの配信及び/又は引き換えを可能にする方法及び機器に関する。そのようなシステムの様々な実施例を、添付の図面に示す。
【0034】
図2は、モバイル・クーポン・プログラムを管理するための本発明によるシステムの一実施例の全体図を示す。第1の事業体200(すなわちVisa)が、支払処理ネットワークを運営する役割を果たす。事業体200の管理下にあるのが、いくつかの異なる運営要素である。
【0035】
例えば、モバイル・キャンペーン・サーバ202は、事業体200と、ここではインターネット「クラウド」204により表される外部との間のインタフェースとして機能する。モバイル・キャンペーン・サーバ202は、少なくとも3つの構成要素を含むことができる。
【0036】
具体的には、モバイル登録サーバ206は、潜在的なユーザが、登録ウェブページ208を使用してモバイル・クーポン・プログラムに登録するためのブラウザ・インタフェースを提供する。モバイル登録サーバ206は、潜在的なユーザから、それらのユーザがプログラムに参加することを可能にする特定の情報の断片を受け取るように構成される。例えば、サーバ206に電子的に提供される登録フォーム内で、参加予定者は、自身の携帯デバイスの電話番号、セキュリティ・パスワード、自らが受信したいモバイル・クーポンのタイプに関する好みなどの情報を提供することができる。
【0037】
図3は、モバイル・クーポン・プログラムに登録するためのステップの簡略化した流れ図を示す。登録の流れ300のステップ302で、消費者が、自身のブラウザを利用して登録サーバのウェブサイトに移動する。
【0038】
次のステップ304で、その消費者が、識別情報及び確認情報を入力することにより、モバイル・クーポン・アカウントを作成する。この識別情報の例には、ユーザの名前、ユーザのモバイル電子デバイスの電話番号、金融口座番号、及びオプションのエイリアスが含まれる。この段階で、その消費者はさらに、該当する免責条項を読んだことを確認し、そのモバイル・クーポン・プログラムに参加しようとすることを肯定的に表明する。
【0039】
登録の流れ300のステップ306で、その消費者が入力した情報が確認される。この確認の例には、その識別された消費者が実際にその携帯デバイスを所持しているか、その携帯デバイスがその消費者の所有物であるか、及び識別された任意の口座がその消費者のものであるか、を確認することが含まれる。
【0040】
図2に戻ると、モバイル登録サーバ206は、さらにはユーザ・データベース210と電子通信する。データベース210は、登録中に提供される具体的情報を含む、モバイル・クーポン・システムのユーザに関係するデータを含む。データベース210のコンテンツへのアクセスは、ゲートウェイ・サーバ212と共有される。
【0041】
ゲートウェイ・サーバ212は、モバイル・クーポン・プログラムを実施する役割を果たす外部の事業体とのインタフェースとして機能する。例えば、電気通信会社(「電気通信」)214は、消費者がどこにいようとも、その消費者のモバイル・デバイスにクーポンを伝えるために必要なインフラを提供する。この電気通信事業体は、受信者に送信される十分に大量のクーポン・メッセージを処理するための十分な容量を提供する必要がある。
【0042】
そのようなメッセージ量が、(例えばモバイル・クーポン・プログラムの開始時に)少ないと予想される場合、アグリゲータと呼ばれる別のタイプの会社が、電気通信会社からの予想されるメッセージ全てのための十分な帯域幅を確保し、次いで別のソースからのメッセージを集約する。
【0043】
例示的実施例では、クーポンはユーザの電話又は他の携帯デバイスに送られる。クーポンは、いくつかの異なる形式のうちのいずれか1つの形式で送ることができ、その形式にはSMS(ショート・メッセージング・サービス)メッセージ、SMSリンク、MMS(マルチメディア・メッセージング・サービス)メッセージ、又は電子メール・メッセージが含まれるが、それだけに限定されない。
【0044】
クーポンは、いくつかのタイプの通信システムのうちのいずれか1つを利用して伝えることができる。例えば、クーポンはSMSを利用して携帯電話に伝えることができる。そのような実施例は、SMSがほぼ全ての携帯電話で利用可能であることによる幅広いアクセスを含む、いくつかの可能な利点を提供する。SMSを利用したモバイル・クーポン配信の可能な不利点は、指定の受信者がクーポンを受信したことを確認するためのメカニズムが弱く、さらに典型的には送信されるSMSメッセージごとに費用がかかるので、トランザクション費用が高いことである。
【0045】
代替実施例によれば、モバイル・クーポンをGSM(グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ)システムによって配信することができる。このGSM通信は、安価且つ安全であり、指定のユーザがクーポンを受信したことの確認をサポートすることになる。
【0046】
さらに代替的に、クーポンをNFC(近距離無線通信)システムを利用して配信することができる。この実施例は、携帯消費者デバイスがNFCチップを備え、ソフトウェア・アプリケーションでプログラムされることを必要とする。電子クーポンを提供する近距離信号のソースは、例えばショッピング・モールにあるようなローカル・キオスクとすることができる。この近距離無線通信を利用して入手可能な電子クーポンの代替ソースは、POS自体である。他のソースも可能である。
【0047】
クーポンは、暗号化された形式で携帯消費者デバイスに伝えることができる。この暗号化は、対象とする受信者以外の者によるクーポンの傍受及び不正使用を防ぐことになる。携帯消費者デバイス内にあるプロセッサであれば、メッセージをその受信時に復号化することができる。
【0048】
図4は、POS端末のスクリーン400を示す。スクリーン400は、電子クーポンを利用した既定の割引を開始するためにレジ係が選択することができるボタン402を示す。例えば、ボタン402aは、レジ係が従業員などに対して30%の割引を行えるようにする。ボタン402bは、レジ係がユーザの携帯電子デバイス上に表示された電子クーポンのNLU(数字索引:numeric look−up)の数字を手入力できるようにする。
【0049】
図5Aから図5Cは、様々な形式のグラフィック・クーポンを示す3つのスクリーンショットの例である。これらのスクリーンショットは、携帯電話、PDA(携帯情報端末)、又は他のモバイル・デバイスの小さなスクリーン上に表示できるように構成される。
【0050】
図5Aは、(機械可読コードの例である)バーコード502と7桁の数字504との両方を含むスクリーンショット500を示す。バーコード502は、スキャナでスキャンすることができる。携帯電話のスクリーン上のバーコードを読み取るために使用することができるスキャナの1つのタイプは、CCD(電荷結合素子)スキャナである。ただし、レーザ・タイプのスキャナは、スクリーンからの反射のため、表示されたバーコードを読み取れない恐れがある。
【0051】
図5Aに示す電子クーポンを処理するために、ユーザは、このクーポンにアクセスし、自身の携帯デバイスのスクリーン上に表示させる。次いで、レジ係が図4に示す割引スクリーンにアクセスし、バーコードを直接スキャナから取り込むか、又は数字キーパッドを利用して7桁の数字を入力する。
【0052】
図5Bは、画像表示522及び個人向けメッセージ523を含む、本発明によるモバイル電子クーポンの別の実施例を示すスクリーンショット520を示す。この画像表示は、例えば花の購入を表すなど、そのクーポンの内容に関係することができる。或いは、例えば一般的にギフトを表す花を表示するなど、この表示は単にそのクーポンの内容を示すだけでもよい。
【0053】
バーコードの代わりに、6桁の数字「024248」が、電子クーポン520により示されている。レジ係がクーポン520を処理する際、この6桁の数字をPOS端末に入力して、その消費者に購入に関する割引を提供することができる。一実施例によれば、この数字は、レジ係にコードの個々の数字を数字キーパッド上で打ち込ませることにより、入力することができる。代替実施例によれば、この数字は、レジ係に、クーポン及び割引を認識できるようにする所定のキー又はその組合せをアクティブにさせることにより、入力することができる。
【0054】
図5Bの実施例は、図5Aに示すようなバーコードを使用するクーポンに優る確かな利点を提供することができる。1つの利点は、電話のスクリーンからコードを光学的に認識/読取りする必要がないことによる、運営の容易さである。別の可能な利点は、バーコード・スキャナ・デバイスを加盟店が購入し又は貸借する必要がないことによる、実施費用の低さである。さらに、この代替実施例では、電子スキャニングに関係するソフトウェア及びハードウェアのアップグレードは必要ないことになる。
【0055】
最後に、図5Cは、「30%引き」のクーポンを示すスクリーンショット550を示す。この電子クーポンは、画像表示552を含むが、バーコード又は識別番号のどちらもない。
【0056】
このクーポンを使用するには、ユーザはこの表示をレジ係に見せ、レジ係がPOS端末ディスプレイ(図4参照)上のボタンを選択して、その割引をその消費者に提供する。本発明のさらに進んだ実施例によれば、コードなどのクーポン情報を、独自仕様の形式で携帯デバイスに伝えることができる。
【0057】
図7は、本発明の一実施例によるモバイル・クーポンを利用するプロセスの簡略化した流れを示す。プロセスの流れ700の最初のステップ702で、購入者がレジ係に商品を差し出す。ステップ704で、レジ係が購入キーを押し、その商品を入力する。ステップ706で、クーポンが、その購入者にクーポンを使用するつもりかどうかを聞く。ステップ708で、その購入者がクーポンを使用したいと答える。
【0058】
プロセスの流れ700のステップ710で、レジ係が、レジにクーポンの使用を知らせるクーポン・キーを押す。ステップ712で、レジ係がVISA端末の裏のクーポン承認ボタンを押す。
【0059】
ステップ714で、VISA端末が、その購入者にクーポンを入力するために電話を振ることを要求するメッセージを表示する。ステップ716で、その購入者が電話を振り、端末がスキャンされたコードを受け取る。ステップ718で、その端末と通信するプロセッサが、スキャンされたコードを調べる。ステップ720で、そのプロセッサが、顧客情報及びブランド情報を端末に返す。ステップ722で、その端末が、その特定の購入者向けにカスタマイズされたブランド・メッセージを表示する。最後に、ステップ724で、その端末がそのバーコードを表す数字索引をレジに送る。
【0060】
本発明の実施例による改変例は、クーポン又はその中のコードのレジへの近距離無線通信を利用することができる。この改変例では、複数桁の数字コード(すなわち6個の数字)を、アンテナを含む図1Aのモバイル・デバイスなどの非接触デバイスを使用して、読取機を介してPOS端末に送ることができる。クーポンは、NFC(近距離無線通信)機能などの短距離通信方法を使用するような非接触式に送ることができる。このNFC技術の例には、ISO標準14443、RFID、Bluetooth(商標)、及び赤外通信方法が含まれる。そのような実施例によれば、6桁のコードは、電話のディスプレイ上に表示されてもされなくてもよい。本発明による実施例は、クーポンのコード情報を伝えることだけに限定されない。代替実施例によれば、モバイル・デバイスからPOS端末に伝えられるクーポン情報は、例えばそのモバイル・クーポンの適用範囲を特定の製品に限定する製品コードや、そのモバイル・クーポンの失効日/時間など、他の情報を含むことができる。
【0061】
特定の実施例では、支払情報(クレジットカード番号、デビットカード番号、カード保有者の自宅の郵便番号、3桁のカード確認値コードなど)を、モバイル・デバイスからPOS端末に非接触式に伝えることができる。そのような実施例では、モバイル・デバイスのクーポン情報もPOS端末に非接触式に伝えることができる。一部の実施例では、そのようなモバイル・クーポン情報の通信は、POS端末に支払情報を伝えるのと同じメッセージの一部として行うことができる。或いは、クーポン情報を、POS端末に支払情報を非接触通信する前に、又はその後に伝えることもできる。
【0062】
消費者は、自身がクーポンを受け取ったことを知らせるテキスト・メッセージ、電話、又は電子メールを受け取ることができる。次いで、その消費者は、自らの電話を使用して、そのクーポンに対応するコードをPOS端末に結合された非接触読取機に送ることができる。近距離無線通信は、例えば赤外通信モードやBluetoothなどのRF通信モードを利用することができる。図1に示すシステムは、そのような実施例と組み合わせて使用することができる。
【0063】
図2に戻ると、モバイル・キャンペーン・サーバとは別に、いくつかの他の要素も事業体200の管理下にある。通知モジュール250は、特定のイベントのプログラム参加者に、例えば期間限定の販売促進や、不正なトランザクションの可能性すらも通知する役割を果たす。
【0064】
モバイル・ターゲティング・モジュール260は、ユーザに目標を定めたクーポンを作り出す役割を果たす。特定の実施例によれば、そのクーポンは、支払処理ネットワークを介して検出されるような消費者による前の購入活動を利用するLBS(位置情報サービス)手法に基づいて目標を定めることができる。
【0065】
具体的には、支払トランザクションが支払処理ネットワークを介して行われる場合、モバイル・クーポンの目標を定めるために使用できる特定の情報が伝えられる。目標を定めるために潜在的に有用な1つの情報は、前の支払トランザクションの時期である。
【0066】
具体的には、前の購入トランザクションの存在そのものが、その消費者が他の活動(すなわち睡眠や仕事)よりもむしろ買い物に積極的に携わることを明らかにする。この時期情報に基づいて、その消費者が、その後のトランザクションのためのモバイル・クーポンに対して受容的になり得ることが分かる。したがって、本発明の実施例は、支払処理ネットワークから、前の支払トランザクションが発生したとの指示を受け取ってからの所定の限られた期間内に消費者にモバイル・クーポンを作り出し且つ配布することができる。モバイル・クーポンを配布するための期間の例には、前の購入活動が支払処理ネットワークから検出されたときから、1分以下、5分、10分、15分、30分、45分、1時間、1時間半、2時間、3時間、4時間、及び5時間以上が含まれるが、これだけに限定されない。このような手法は、適時の、押しつけがましくないモバイル・クーポンを消費者に配布することを可能にする。
【0067】
特定の実施例では、そのようなモバイル・クーポンの有効性の持続期間が時間によって限定されてもよい。そのような実施例は、受信者がモバイル・クーポンの受信に備えて自身の携帯デバイスをモニタし、そのクーポンが有効である限られた期間内にそのクーポンを使用する動機を提供することになる。さらに、特定の実施例では、モバイル・クーポンを、失効時にその消費者の携帯デバイスから自動的に消えるように構成することができる。これは、消費者が自身の携帯デバイスから失効したクーポンの未処理分を削除する義務を負わなくてよいため、モバイル・クーポンの押しつけがましさを低減させることになる。
【0068】
本発明の実施例は、支払処理ネットワークを介した前の購入トランザクションから得られた時間的情報に基づいてモバイル・クーポンを作り出し且つ広めることに限定されない。代替実施例によれば、モバイル・クーポンは、支払処理ネットワークから特定されるようなユーザの地理的位置に基づいて目標を定めることができる。
【0069】
一実施例によれば、消費者の位置は、LBS(位置情報サービス)手法に基づき、そのユーザの購入活動から特定することができる。例えば、そのユーザがPOSにカードを通すと、MID(加盟店識別番号)を含む承認メッセージが支払ネットワークから返される。このMIDの番号から、その販売時のユーザの位置を特定することができる。
【0070】
他の実施例によれば、支払処理ネットワークを介して行われた前の購入の内容に関する情報を参照して、クーポンを作り出すことができる。したがって、1つの製品(例えば掃除機)を前に購入したことが、2つ目の製品(その掃除機用の袋)を引き起こすことにつながる可能性がある。このクーポンの作成は、前の購入トランザクションの時間又は物理的位置とは関係なくてもよい。より一層代替的には、LBS手法は、2つ目の製品の販売者が、購入された前の製品の販売者と有縁性の同意を有することに基づくことができる。
【0071】
さらに、モバイル・クーポンは、支払処理ネットワークを介して行われた前の購入トランザクションから得られた2つ以上の情報に基づいて作り出すことができる。具体的には、前の購入トランザクションの時間、地理的位置、及び/又は内容を組み合わせて、目標が定められたクーポンを作り出すことができる。
【0072】
さらに別の実施例によれば、支払処理ネットワークから入手できる前の購入トランザクションの情報を、他の情報と組み合わせて、目標が定められたクーポンを作り出すことができる。例えば、消費者の位置に関する情報を、支払処理ネットワーク以外のソースから特定することができる。
【0073】
1つの手法によれば、消費者の位置を、携帯ユーザ・デバイスが情報を送受信している現在の基地局の位置を分析することにより特定することができる。この現在の基地局の情報は、その消費者が加入する電気通信プロバイダから入手することができ、他の応用例では、医療緊急時にユーザが最も近い医療機関と連絡を取れるようにするために利用される。したがって、特定の実施例では、このソースからの地理的情報を、支払処理ネットワークから入手可能な情報(前の購入の時間、内容)と組み合わせて、目標が定められたクーポンを作り出すことができる。
【0074】
別の手法によれば、消費者の位置を、GPS(全世界測位システム)技術を使用することにより特定することができる。この手法では、消費者の携帯デバイスの位置が複数の周回軌道衛星を利用してモニタされる。したがって、他の実施例では、このソースからの地理的情報を、支払処理ネットワークから入手可能な情報(前の購入の時間、内容)と組み合わせて、目標が定められたクーポンを作り出すことができる。
【0075】
これらの手法のいずれか又は他の手法を単独で又は組み合わせて利用して、モバイル・ターゲティング・モジュール260は、目標が定められたクーポンを消費者に送信することができる。例えば、モバイル電子クーポンは、会社の従業員やクラブの会員などの特定のグループに所属する受信者に全体的に又は部分的に基づいて、目標を定めることができる。
【0076】
報酬モジュール270(「Visa Extras」など)は、支払ネットワークの使用に結び付けられた特典又は報酬プログラムを調整し且つ管理する役割を果たす。したがって、特典プログラムの一環として、目標が定められたモバイル・クーポンを作り出し、その後、携帯消費者デバイスに電子的に配信することができる。例えば、Visaカードを利用した購入が特定量発生すると、そのプログラム参加者を、そのモバイル・クーポン・プログラムの他の参加者は一般には得られない、特段に価値の高いタイプの電子クーポンを得る資格があるようにすることができる。次いで、この目標が定められた電子クーポンが、引き換えのためにその消費者のモバイル・デバイスに伝えられる。
【0077】
図2の事業体200の管理下に示される他の要素は、購入トランザクション及び支払トランザクションを実行するための、支払ネットワークの機能に関係することができる。パートナ及び銀行280は、事業体200の管理の範囲外だが、支払トランザクションの処理の一部として事業体200と対話する。
【0078】
上述のような本発明は、モジュール的に又は統合的にコンピュータ・ソフトウェアを使用する制御論理の形で実施できることを理解すべきである。本明細書で提供した開示及び教示に基づいて、ハードウェア並びにハードウェア及びソフトウェアの組合せを使用した、本発明を実施するための他の方法及び/又は手法を当業者なら知り且つ理解するであろう。
【0079】
上述のモバイル・クーポン・システムの様々な構成要素を、様々な機能を有するコンピュータ・システムを使用して実装することができる。図6は、ディスプレイ・デバイス620、ディスプレイ・スクリーン630、外装ケース640、キーボード650、及びマウス670を備える汎用コンピュータ・システム610の例を示す。マウス670及びキーボード650は、代表的な「ユーザ入力デバイス」である。マウス670は、グラフィカル・ユーザ・インタフェース・デバイス上のボタンを選択するためのボタン680を含む。ユーザ入力デバイスの他の例は、タッチ・スクリーン、ライトペン、トラックボール、データ・グローブ、マイクロフォン、等である。図6は、本発明を実施するための代表的だが1つのタイプのシステムである。多くのシステム・タイプ及び構成が本発明と組み合わせて使用することに適していることが、当業者には容易に明らかになるであろう。好ましい実施例では、コンピュータ・システム610は、Microsoft社のWindows(登録商標) NTオペレーティング・システムを実行するPentium(登録商標)クラス・ベースのコンピュータを含む。しかし、この機器は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者により他のオペレーティング・システム及びアーキテクチャに容易に適合される。
【0080】
述べたように、マウス670は、ボタン680などの1個又は複数個のボタンを有することができる。外装ケース640は、ディスク・ドライブ、プロセッサ、記憶デバイスなどのよく知られたコンピュータ構成要素を収容する。記憶デバイスには、ディスク・ドライブ、磁気テープ、固体メモリ、バブル・メモリ、等が含まれるが、これだけに限定されない。外装ケース640は、コンピュータ・システム610を、外部デバイス、外部記憶装置、他のコンピュータ、又は以下に説明する追加の周辺装置に接続するための入出力(I/O)インタフェース・カードなど、追加のハードウェアを含むことができる。
【0081】
図6Aは、図6のコンピュータ・システム610内の基本的なサブシステムの説明図である。この図は単に説明図であり、本明細書の特許請求の範囲を限定すべきでない。他の改変、修正、及び代替を当業者は理解されよう。特定の実施例では、各サブシステムは、システム・バス675を介して相互接続される。プリンタ674、キーボード678、固定ディスク679、ディスプレイ・アダプタ682に結合されたモニタ676などの追加のサブシステム等を示す。入出力コントローラ671に結合する周辺装置及び入出力(I/O)デバイスは、シリアル・ポート677など、当技術分野で知られる任意の数の手段によりこのコンピュータ・システムに接続することができる。例えば、シリアル・ポート677を使用して、このコンピュータ・システムを、インターネットなどの広域ネットワークにさらに接続するモデム681、マウス入力デバイス又はスキャナに接続することができる。システム・バスを介した相互接続は、中央プロセッサ673が、各サブシステムと通信し、システム・メモリ672又は固定ディスク679からの命令の実行並びにサブシステム間での情報の交換を制御できるようにする。サブシステム及び相互接続の他の配置も当業者なら容易に実現することができる。システム・メモリ及び固定ディスクは、コンピュータ・プログラムを記憶するための有形媒体の例であり、他のタイプの有形媒体には、フロッピー(登録商標)・ディスク、取り外し式ハード・ディスク、CD−ROMやバーコードなどの光記憶媒体、及びフラッシュ・メモリ、ROM(読出し専用メモリ)、バッテリ・バックアップ付きメモリなどの半導体メモリが含まれる。
【0082】
本出願に記載したソフトウェア・コンポーネント又は機能のうちの任意のものを、例えば従来技術又はオブジェクト指向技術を使用する、例えばJava(登録商標)、C++、Perlなどの任意の適切なコンピュータ言語を使用して、プロセッサが実行するソフトウェア・コードとして実装することができる。そのソフトウェア・コードは、一連の命令又はコマンドとして、RAM(読み書き可能メモリ)、ROM(読出し専用メモリ)、ハード・ドライブやフロッピー(登録商標)・ディスクなどの磁気媒体、CD−ROMなどの光媒体、等のコンピュータ可読媒体上に記憶することができる。そのようなコンピュータ可読媒体はいずれも、単一の計算機器上に又はその内部にあってよく、システム又はネットワーク内の様々な計算機器上に又はその内部にあってもよい。
【0083】
上記の説明は例示的なものであり、限定的なものではない。本開示を検討することにより、本発明の多くの改変が当業者に明らかになるであろう。したがって、本発明の範囲は上記の説明に関して決定されるべきではなく、むしろ係属中の特許請求の範囲とその十分な範囲又は等価物とに関して決定されるべきである。
【0084】
本発明の範囲から逸脱することなく、任意の実施例の1つ又は複数の特徴を、他の任意の実施例の1つ又は複数の特徴と組み合わせることができる。
【0085】
「ある」、「この」、「その」の記述は、逆の意味であることが特に示されていない限り「1つ又は複数の」を意味することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者による購入トランザクションの指示を支払処理ネットワークを介して受信するステップと、
前記購入トランザクションの情報に基づいてモバイル・クーポンを作り出すステップと、
前記モバイル・クーポンを前記消費者に配布するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記モバイル・クーポンが前記購入トランザクションの時間に基づいて作り出され、前記モバイル・クーポンが前記購入トランザクションの前記時間からの所定の期間内に前記消費者に配布される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モバイル・クーポンが、第1の時間からの限られた期間につき有効である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記クーポンが、前記消費者の地理的位置に基づいて作り出される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記消費者の前記地理的位置が、前記購入トランザクションから特定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記消費者の前記地理的位置が、携帯デバイスの位置から特定される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記消費者の前記地理的位置が、前記携帯デバイスのGPS(全世界測位システム)要素から特定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記情報が、前記購入トランザクションの時間、前記購入トランザクションの地理的位置、又は前記購入トランザクションで購入された製品のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
消費者が操作する、アンテナを備える携帯消費者デバイスにおいて、コードを含むクーポンを受信するステップと、
前記アンテナを使用して購入トランザクションのための支払情報を加盟店に提供するステップと、
前記アンテナを使用して前記コードも前記加盟店に提供するステップと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記アンテナがRFアンテナであり、前記携帯消費者デバイスが携帯電話である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記支払情報が、クレジットカード番号、デビットカード番号、前記消費者の自宅の郵便番号、又は3桁のカード確認値コードを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記コードがNFC(近距離無線通信)チャネルを利用して前記加盟店に提供される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記携帯消費者デバイスがGPS(全世界測位システム)を含み、前記方法は、前記携帯消費者デバイスが自らの地理的位置を示す信号を遠隔地に送信するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
非接触要素と、
前記非接触要素と関連する無線データ転送要素と、
プロセッサと、
コードを含むクーポンを記憶するように構成されたコンピュータ可読記憶媒体と、
を備える、携帯消費者デバイスであって、
前記非接触要素が、ユーザからコマンドを受け取ったときに前記コードを加盟店に送信するように構成される、携帯消費者デバイス。
【請求項15】
前記コンピュータ可読記憶媒体は、前記無線データ転送要素によって受信される暗号化されたクーポン・メッセージを前記プロセッサが復号化するための命令を記憶するように構成される、請求項14に記載の携帯消費者デバイス。
【請求項16】
前記コンピュータ可読記憶媒体は、前記クーポン及び前記コードを含む受信メッセージを前記プロセッサが受け取り且つ認識するための命令を記憶するように構成される、請求項14に記載の携帯消費者デバイス。
【請求項17】
前記クーポンがSMS(ショート・メッセージング・サービス)メッセージ、NFC(近距離無線通信)メッセージ、又はGSM(グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ)メッセージとして受信される、請求項16に記載の携帯消費者デバイス。
【請求項18】
GPS(全世界測位システム)要素をさらに備える、請求項14に記載の携帯消費者デバイス。
【請求項19】
前記コンピュータ可読記憶媒体は、前記GPS要素によって生成される地理的位置を前記プロセッサが前記クーポンを作り出す事業体に通信するための命令を記憶するように構成される、請求項18に記載の携帯消費者デバイス。
【請求項20】
スクリーンをさらに備える請求項14に記載の携帯消費者デバイスであって、前記コンピュータ可読記憶媒体は、前記プロセッサが前記スクリーン上に前記クーポンの少なくとも一部を表示するための命令を記憶するように構成される、携帯消費者デバイス。
【請求項21】
前記無線データ転送要素がIR(赤外)送信機又はRF(無線周波)送信機を備える、請求項14に記載の携帯消費者デバイス。
【請求項22】
消費者が操作する携帯電話においてコードを含むクーポンを受信するステップと、
前記携帯電話のスクリーン上に前記コードを表示するステップと、
前記コードを含む前記スクリーンを加盟店に見せるステップであって、それにより前記加盟店がその後前記消費者に割引を提供できるようにする、ステップと、
を含む、方法。
【請求項23】
前記コードを表示するステップが、数字コードを表示するステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記スクリーン上に前記コードとともに画像表示を提供するステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記クーポンを受信するステップが、SMS(ショート・メッセージング・サービス)メッセージ、NFC(近距離無線通信)メッセージ、又はGSM(グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ)メッセージを受信するステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記クーポンを含む前記受信メッセージを復号化するステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記クーポンが、LBS(位置情報サービス)手法又はGPS(全世界測位システム)手法に基づく前記消費者に基づいて作り出される、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
消費者が操作する、アンテナを備える携帯消費者デバイスにおいて、コードを含むクーポンを受信するステップと、
前記コードを、アンテナを使用して加盟店に提供するステップと、
を含む、方法。
【請求項29】
前記アンテナがRFアンテナであり、前記携帯消費者デバイスが携帯電話である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記携帯消費者デバイスが、前記アンテナを使用して前記クーポンを受信する、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記コードがNFC(近距離無線通信)チャネルを利用して前記加盟店に提供される、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記携帯消費者デバイスがGPS(全世界測位システム)を含み、前記方法は、前記携帯消費者デバイスが自らの地理的位置を示す信号を遠隔地に送信するステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記クーポンが、前記携帯消費者デバイスの前記地理的位置に最も近い加盟店に適用できる、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
前記クーポンが、LBS(位置情報サービス)手法又はGPS(全世界測位システム)手法に基づく前記消費者の位置に基づいて作り出される、請求項33に記載の方法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−515959(P2010−515959A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544232(P2009−544232)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/088659
【国際公開番号】WO2008/083105
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(508168790)ビザ ユー.エス.エー.インコーポレイテッド (21)
【Fターム(参考)】