説明

モルタルライニング管の製造方法

【課題】モルタルライニング層の骨材の浮き上がりを防止する。
【解決手段】管体1内に未硬化のモルタルmを供給し、その管体1を回転手段10により回転させながら遠心力により前記モルタルmをセメントペースト層2aとセメントモルタル層2bとに分離させ、その後、その回転とともに前記管体1に加振手段20による振動を付与して前記モルタルmを締め固める。このようにすれば、管体に要求される緻密な締め固めを確保しつつ、且つ表面への骨材の浮き上がりを防止することができることが確認できた。また、前記未硬化のモルタルmを供給した後、前記加振手段20による振動を付与する前において、前記回転手段10として、ゴムタイヤからなる駆動ローラ11とその駆動ローラ11を回転させる駆動装置12と、前記駆動ローラ11上に載置された前記管体1の外周面に当接するウレタンゴム製の押えローラ13を用いれば、骨材の浮き上がりがさらに確実に防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、上下水道などに用いられているダクタイル鋳鉄管、鋼管などに内面防食用としてセメントモルタル(以下、単に「モルタル」という)をライニングしたモルタルライニング管の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、上下水道管等として用いられているダクタイル鋳鉄管、鋼管等からなる管体は、その内面に防食性を向上させる目的でモルタルライニングを施している。
【0003】
モルタルライニングは、例えば、図6(a)に示すように、駆動装置5の動力によって回転する駆動ローラ3と、その駆動ローラ3に併設した回転ローラ3’上に前記管体1を載せて、その駆動ローラ3の回転を管体1に伝達することにより、管体1を管軸周りに回転させる。
【0004】
回転している管体1内にモルタル注入用のランス4を挿入し、そのランス4と管体1とを管軸方向へ相対移動させながら、管体1の内面全体にモルタルmを供給していく。
ランス4から供給されるモルタルmは、一般的には、セメント、細骨材、水などを混合してスラリー状としたものが用いられる。
【0005】
管体1内にモルタルmが供給された後、管体1は、図6(b)に示す回転手段10上に移送される。回転手段10によって管体1が回転することにより、モルタルmが、遠心力の作用によって管体1の内面に沿って均一に締め固められてモルタルライニング層2を形成していく。
なお、図6(b)では、回転手段10として、駆動装置12の動力によって回転する駆動ローラ11と、その駆動ローラ11に併設した回転ローラ11’を用いている。それらのローラ11,11’上に前記管体1を載せて、前記駆動ローラ11の回転を管体1に伝達することにより、その管体1を管軸周りに回転させている。
【0006】
モルタルライニング層2は、水和反応により硬化乾燥していく過程において、水分の蒸発も含めて収縮を伴う。また、比重の違いによって生じる遠心力の効果の差により、図5(a)に示すように、細骨材をあまり含まない内側(管体1の管軸に近い側)のセメントペースト層2aと、細骨材を相対的に多く含む外側(管体1の内面に近い側)のセメントモルタル層2bとに分離した状態となっている。
【0007】
ここで、通常、セメントとしては、ポルトランドセメント、フライアッシュセメントなどが用いられ、細骨材としては、例えば、日本水道協会規格JWWAA113「水道用ダクタイル鋳鉄管モルタルライニング」に規定されているような粒度を有する砂が用いられる。モルタルの配合については、用途に応じて適宜に設定されるが、例えば、セメントと細骨材の質量混合比は1:1.5〜1:3.5が好ましい。また、セメントと水の質量混合比は成形方法、細骨材の大きさなどにより異なるが、例えば、1:0.3〜1:1が好ましい。
【0008】
モルタルライニング層2の形成が終わった管体1は、所定の乾燥、養生が施される。養生は、自然養生、蒸気養生などの手法が挙げられる。
その養生後、モルタルライニング層2の内面にシールコートが施されるのが通例である。特に、水道用に用いられる管体1の場合は、水道水のpH上昇の観点からシールコートを用いることが好ましい場合もある(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
なお、モルタルライニング層2をより緻密に締め固めるために、管体1を高速で回転させるとともに適度な微振動を与える技術が開示されている。(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献1】特開2005−315413号公報
【特許文献2】特開昭60−22971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記モルタルライニング管の製造方法によれば、モルタルm供給後の管体1の高速回転により、モルタルライニング層2は、細骨材をあまり含まない内側(管体1の管軸に近い側)のセメントペースト層2aと、細骨材を相対的に多く含む外側(管体1の内面に近い側)のセメントモルタル層2bとに分離する。
【0012】
このとき、モルタルライニング層2をより緻密に締め固めるために、管体1に振動を与えると、その振動により、一部の骨材がセメントペースト層2aの表面(内面)に浮き出る場合がある(図5(b)参照)。
【0013】
この浮き上がり現象の原因は不明であるが、ごく一部の骨材が浮き上がりやすい位置にあるためではないか、と考えられる。この骨材の浮き上がりやすさの差異は、例えば、管体1の公差内における微小な管軸方向への湾曲や、同じく公差内における断面の歪み(楕円)などの要素が考えられる。
セメントペースト層2aの表面に骨材が浮き上がると、美観が劣るので好ましくない。
【0014】
特に、養生後にシールコートを施す場合は、その骨材の浮き上がり箇所においてシールコートの塗装状態が一様にならず、凹凸が生じて美観を損ねるという問題がある。
シールコートの塗装状態はできるかぎり一様であることが望ましい。
【0015】
そこで、この発明は、モルタルライニング層をより緻密に締め固めするとともに、骨材の浮き上がりを防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために、この発明は、管体内にモルタルを供給した後におけるモルタルライニング施工を二段階に分けて行い、第一段階では管体に振動を与えずに遠心力によるセメントペースト層とセメントモルタル層との分離を優先し、第二段階では管体に振動を与えてセメントモルタル層の締め固めを行うようにしたものである。
【0017】
このようにすれば、図5(a)に示すように、管体に要求される緻密な締め固めを確保しつつ、且つ表面への骨材の浮き上がりを防止することができることが確認できた。
すなわち、振動によるモルタルの締め固めは、ある程度モルタルの固化が進んだ状態(第一段階が終了した後の状態)から開始しても、その効果が期待できることが確認できた。
また、管体内に未硬化のモルタルを供給する際に、管体に対して僅かな振動を付与して管内面全体にモルタルを行き渡らせるようにすることは差し支えない。
【0018】
また、この構成によれば、前記管体への振動の付与は第二段階でのみ行えばよいので、従来と比較して管体に振動を与えるトータルの時間が相対的に減少させることができる。
この減少により、その管外面へのローラの接触による損傷や、あるいは振動を伴った施工時における騒音発生時間を低減できるようになる。
【発明の効果】
【0019】
この発明は、モルタルライニング層をより緻密に締め固めするとともに、骨材の浮き上がりを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
この発明の具体的な実施形態として、管体内に未硬化のモルタルを供給し、その管体を回転手段により管軸周りに回転させながらその回転に伴う遠心力により前記モルタルを前記管体の管軸に近い側のセメントペースト層と管軸から遠い側のセメントモルタル層とに分離させるとともに、前記管体に、前記回転手段による回転に加えて加振手段による振動を付与することにより前記モルタルを締め固めるモルタルライニング管の製造方法において、前記未硬化のモルタルを供給した後における前記加振手段による振動は、前記セメントペースト層と前記セメントモルタル層とが分離された後にのみ付与されることを特徴とするモルタルライニング管の製造方法を採用し得る。
【0021】
この構成において、前記未硬化のモルタルを供給した後、前記加振手段による振動を付与する前において、前記回転手段として、駆動ローラとその駆動ローラを回転させる駆動装置と、前記駆動ローラ上に載置された前記管体の外周面に当接する押えローラとが用いられ、前記押えローラはその外周に樹脂層又はゴム層が設けられており、前記樹脂層又はゴム層が前記管体の外周面に当接する構成を採用し得る。
【0022】
このようにすれば、管体の外面に樹脂層又はゴム層が当接するので、より良好に管体の振動を排除し骨材の浮き上がりを防止し得るとともに、金属製のローラが管体に直接触れる場合と比較して、管体への傷の発生や塗膜の損傷を抑えることができる。なお、樹脂層の素材としては軟質の樹脂が、ゴム層の素材としてはウレタンゴムが好ましい。
【0023】
前記加振手段により振動を付与する際において、前記回転手段として、駆動ローラとその駆動ローラを回転させる駆動装置とが用いられ、前記加振手段は、前記駆動ローラ上に載置された前記管体の外周面に当接する加振ローラを備え、その加振ローラを介して前記管体に振動が付与される構成を採用し得る。
【0024】
また、前記加振手段により振動を付与する際において用いられる前記駆動ローラ及び前記駆動装置は、前記未硬化のモルタルを供給した後、前記加振手段による振動を付与する前において用いられる前記駆動ローラ及び前記駆動装置と同一のものとなる構成を採用し得る。
【0025】
このようにすれば、遠心力によりセメントペースト層とセメントモルタル層とを分離させる工程においては、駆動ローラに加えて押えローラを用いて管体の回転を行い、その後の加振手段による振動を付与する工程では、押えローラに代えて又は加えて加振ローラを管体に当接させることにより管体に振動を付与することができる。
このため、回転手段は、前記両工程で共通のものを用いることができるので、その工程間で管体の移動を伴わないようにできる。
【実施例】
【0026】
この発明の実施例を図面に基づいて説明する。この実施例のモルタルライニング管の製造方法は、図1(a)(b)(c)に示す順序で、ダクタイル鋳鉄管の管体1内にモルタルライニング施工を行うものである。
【0027】
図1(a)は、管体1内にモルタルmを供給する工程を示す(図4に示す工程A参照)。
この工程Aでは、駆動力によって回転する駆動ローラ3と、その駆動ローラ3に駆動力を供給する駆動装置5、及び前記駆動ローラ3に併設された回転ローラ3’とで回転手段を構成している。
【0028】
図2は、工程Aで用いる装置の詳細図で、一定の距離を隔てて並列する前記対のローラ3,3’間に管体1が載置できるようになっている。対のローラ3,3’は、管体1の軸方向両端にそれぞれ配置されている。管体1を対のローラ3,3’上に載せて、その駆動ローラ3から伝わる回転力により管体1を管軸周りに回転させることができる。
【0029】
なお、図中に示すように、前記対のローラ3,3’の一方にのみ駆動装置5の動力が伝達されるようにしてもよいし、前記対のローラ3,3’の両方に駆動装置5の動力が伝達されるようにしてもよい。また、この実施例では、対のローラ3,3’として鉄製のローラを使用しているが、他の素材のローラ3,3’を用いることは差し支えない。
【0030】
工程Aでは、図2に矢印aで示すように駆動ローラ3を回転させることにより、管体1を矢印bで示すように、その管軸周りに比較的低速で回転させる。
【0031】
管体1を回転させながら、モルタル注入台車6を矢印c方向に移動させることにより、管体1内にモルタル注入用のランス4を挿入する。ランス4と管体1とを管軸方向へ相対移動させながら、管体1の内面全体にモルタルmを供給していく。
【0032】
管体1の内面全体にモルタルmが行き渡ったら、つぎに、管体1を別の回転手段10上に移動させる。ここでは、管体1をその管軸周りに比較的高速で回転させ、その遠心力により、モルタルmをセメントペースト層2aとセメントモルタル層2bとに分離させるものである(図4に示す工程B参照)。
この工程Bでは、駆動力によって回転する駆動ローラ11と、その駆動ローラ11に駆動力を供給する駆動装置12、及び前記駆動ローラ11に併設された回転ローラ11’とで回転手段10を構成している。
【0033】
図3は、工程Bで用いる装置の詳細図で、一定の距離を隔てて並列する対のローラ11,11’間に管体1が載置できるようになっている。対のローラ11,11’は、管体1の軸方向両端にそれぞれ配置されている。
【0034】
なお、前記対のローラ11,11’の両方に駆動装置12の動力が伝達されるようにしてもよい点は、工程Aの場合と同様である。また、この実施例では、対のローラ11,11’としてその外周にゴムタイヤを嵌めたものを使用している。
【0035】
また、この工程Bでは、図1(b)に示すように、押えローラ13を用いている。押えローラ13は、管体1の上部においてその外周面に当接する。前記押えローラ13は、その外周にウレタンゴムからなるゴム層14が設けられており、そのゴム層14が前記管体1の外周面に当接する。また、その押えローラ13の回転軸13aにシリンダ15のロッド15aが接続されており、そのロッド15aが下方に下がることにより、押えローラ13が所定の圧力で管体1に押し付けられるようになっている。
【0036】
管体1を対のローラ11,11’上に載せて、駆動ローラ11の回転により管体1を管軸周りに比較的高速で回転させる。
この回転により、管体1内に供給されたモルタルmを、セメントペースト層2aとセメントモルタル層2bとに分離させる。
【0037】
セメントペースト層2aは、図5(a)に示すように、細骨材をあまり含まない層で、モルタルライニング層2の内側(管体1の管軸に近い側)に位置する。また、セメントモルタル層2bは、細骨材を相対的に多く含む層で、モルタルライニング層2の外側(管体1の内面に近い側)に位置する。
【0038】
このとき、ゴムタイヤからなる駆動ローラ11及び回転ローラ11’、さらに、ウレタンゴムからなる押えローラ13の効果により、管体1に振動がほとんど発生せず、振動が発生しないので、図5(b)に示すような骨材の浮き上がりが生じない。
【0039】
セメントペースト層2aとセメントモルタル層2bとの分離が終了すると、つぎにそのセメントペースト層2aとセメントモルタル層2bとからなるモルタルライニング層2をより緻密に締め固めるために、図1(c)に示すように、管体1を高速で回転させるとともに適度な微振動を与える(図4に示す工程C参照)。
【0040】
この工程Cでは、駆動ローラ11、回転ローラ11’及び駆動装置12等からなる回転手段10は、工程Bと共通である。このため、工程Bと工程Cとの間で、管体1の移動を必要としない。
【0041】
また、工程Cでは、図3に示す工程Bで用いる押えローラ13に代えて、加振手段20として鉄製の加振ローラ21を用いている。加振ローラ21は、管体1の上部においてその外周面に当接する。
【0042】
管体1を対のローラ11,11’上に載せて、その駆動ローラ11の回転により管体1を管軸周りに比較的高速で回転させる。
この駆動ローラ11の回転により管体1が回転すると、その管体1の回転力が伝達されて加振ローラ21も回転する。加振ローラ21は、その上方に振動機22が接続されているので、加振ローラ21が継続して微振動することにより、その微振動が管体1に伝達される。振動機22の構成は、例えば、周知のバイブレータ等を採用することができる。
なお、鉄製の加振ローラ21を、回転中の管体に押し付けるだけで適度な振動が得られる場合には、加振ローラ21に前記振動機22を接続する必要はない。
【0043】
この微振動の伝達により、モルタルライニング層2が締め固められて、モルタルmの充填を促進するとともに、モルタルライニング層2内への空隙の発生が防止される。
【0044】
モルタルライニング層2の形成が終わった管体1は、その管体1内に残る表面水を排出するとともに(図4に示す工程D参照)、所定の乾燥工程、養生工程へ移送される。
養生は、自然養生、蒸気養生などの手法により、モルタルライニング層2が所定の強度を発揮するまで一定時間行われる。
また、その養生後、モルタルライニング層2の内面にシールコートが施される。
【0045】
[実験例]
実験例を下記に示す。この実験例では、セメントとしてフライアッシュセメント、細骨材として珪砂を用いている。モルタルの配合については、セメントと細骨材の質量混合比は1:1.5、セメントと水の質量混合比は1:0.42としている。
【0046】
対のローラ3,3’;11,11’の径、表面材質、押えローラ13、加振ローラ21の径、表面材質を、下記の表1に示す。
なお、押えローラ13、加振ローラ21の管体1への押し付け力は、2500Nとなっている。
【0047】
【表1】

【0048】
モルタルライニングの施工条件を表2に示す。これらの施工条件のもと、モルタルライニング層2の内面に骨材が浮き上がらない良好な結果を確認できた。
【0049】
【表2】

【0050】
なお、上記実施例、実験例では、押えローラ13として、外周にウレタンゴムからなるゴム層14を設けたものを採用したが、そのゴム層14に代えて軟質、あるいは硬質の樹脂で形成された樹脂層14を設けてもよい。硬質の樹脂よりは、軟質の樹脂がより好ましい。また、多少の振動は生じるが、セメントペースト層2aとセメントモルタル層2bの分離に支障が生じない範囲にその振動が抑えられるのであれば、全体が鉄などの金属で成形された押えローラ13として、その金属を管体1の外周面に当接させてもよい。
また、上記実施例、実験例で用いたゴムタイヤ付きの駆動ローラ11に代えて、例えば、少なくとも外周面がウレタン樹脂で成形されて管体1にそのウレタン樹脂が当接するようにした駆動ローラ11や、あるいは、全体が鉄などの金属で成形された駆動ローラ11を用いてもよい。
【0051】
また、図4に示す工程Aの駆動ローラ3と、工程B,Cで用いる駆動ローラ11とを共通の駆動ローラとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】一実施例の説明図で、(a)モルタルを管体内に供給する工程、(b)はモルタルライニング層を2層に分離させる工程、(c)は管体を加振させてモルタルライニング層を締め固める工程を示す各断面図
【図2】回転手段の概要を示し、モルタルを管体内に供給している状態を示す斜視図
【図3】回転手段の概要を示し、管体を回転させてモルタルライニング層を2層に分離している状態を示す斜視図
【図4】同実施例の手順を示す流れ図
【図5】モルタルライニング層を示し、(a)は骨材の浮き上がりのない状態を示す断面図、(b)は、骨材の浮き上がりが生じた状態を示す断面図
【図6】従来例を示し、(a)モルタルを管体内に供給する工程、(b)はモルタルライニング層を締め固める工程を示す各断面図
【符号の説明】
【0053】
1 管体
2 モルタルライニング層
2a セメントペースト層
2b セメントモルタル層
3,11 駆動ローラ
4 ランス
5,12 駆動装置
6 モルタル注入台車
10 回転手段
13 押えローラ
14 樹脂層(ゴム層)
20 加振手段
21 加振ローラ
22 振動機
m モルタル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管体1内に未硬化のモルタルmを供給し、その管体1を回転手段10により管軸周りに回転させながらその回転に伴う遠心力により前記モルタルmを前記管体1の管軸に近い側のセメントペースト層2aと管軸から遠い側のセメントモルタル層2bとに分離させるとともに、前記管体1に、前記回転手段10による回転に加えて加振手段20による振動を付与することにより前記モルタルmを締め固めるモルタルライニング管の製造方法において、
前記未硬化のモルタルmを供給した後における前記加振手段20による振動は、前記セメントペースト層2aと前記セメントモルタル層2bとが分離された後にのみ付与されることを特徴とするモルタルライニング管の製造方法。
【請求項2】
前記未硬化のモルタルmを供給した後、前記加振手段20による振動を付与する前において、前記回転手段10として、駆動ローラ11とその駆動ローラ11を回転させる駆動装置12と、前記駆動ローラ11上に載置された前記管体1の外周面に当接する押えローラ13とが用いられ、前記押えローラ13はその外周に樹脂層14又はゴム層14が設けられており、前記樹脂層14又はゴム層14が前記管体1の外周面に当接することを特徴とする請求項1に記載のモルタルライニングの製造方法。
【請求項3】
前記加振手段20により振動を付与する際において、前記回転手段10として、駆動ローラ11とその駆動ローラ11を回転させる駆動装置12とが用いられ、前記加振手段20は、前記駆動ローラ11上に載置された前記管体1の外周面に当接する加振ローラ21を備え、その加振ローラ21を介して前記管体1に振動が付与されることを特徴とする請求項2に記載のモルタルライニング管の製造方法。
【請求項4】
前記加振手段20により振動を付与する際において用いられる前記駆動ローラ11及び前記駆動装置12は、前記未硬化のモルタルmを供給した後、前記加振手段20による振動を付与する前において用いられる前記駆動ローラ11及び前記駆動装置12と同一のものであることを特徴とする請求項3に記載のモルタルライニング管の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−85414(P2009−85414A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−259749(P2007−259749)
【出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【出願人】(000142595)株式会社栗本鐵工所 (566)
【Fターム(参考)】