説明

モータハウジング

【課題】ゴム製(金属製以外を含む)ホースの長さを短くし、ブレーキ液の温度上昇を防ぐモータハウジングを提供する。
【解決手段】モータハウジング11は、車輪のホイール17内に配置された駆動用モータ13のモータハウジングで、車輪15を制動する油圧ブレーキ装置22のブレーキ液配管構造34が配設され、ブレーキ液配管構造34の一部をなす流路部52を備えている。流路部の近傍に冷却手段を備えている。流路部52の流路の長さに相当する長さのゴム製のホースを金属製の流路に変えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪のホイール内に油圧ブレーキ装置の作動器とともに配置された駆動用モータのモータハウジングに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両には、電動モータで走行するものがある。例えば、インホイールモータで走行し、インホイールモータの近傍に配置した油圧ブレーキ装置で車輪を制動させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、車両の油圧ブレーキ装置に用いる油圧配管構造が示されている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、ブレーキ液の温度上昇を抑制する油圧回路の技術がある(例えば、特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開2005−337355公報(第12頁、図3)
【特許文献2】実開平5−75589号公報(第3頁、図1)
【特許文献3】特開2003−2178公報(第5頁、図1)
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図10は、従来の技術(特許文献1)の基本構成を説明する図であり、従来の車両用ホイール駆動装置201は、ホイール202内のインホイールモータ203で車輪204を駆動し、ディスクブレーキ205で車輪204を制動する。
【0004】
しかし、特許文献1の車両用ホイール駆動装置201では、ディスクブレーキ205のキャリパ206に接続したゴム製のホース207は長くなりがちである。ゴム製のホース207は、金属製の管に比べ、弾性が大きく、ブレーキペダルの踏み代を増加させる傾向にあり、ゴム製のホース207を短くした構造が望まれていた。
また、ディスクブレーキ205のブレーキ液の温度をより下げることができる構造が望まれていた。
【0005】
特許文献2のブレーキホース用中間金具は、金属管を湾曲させ、金属管の両端にゴム製のブレーキホースをそれぞれ接続し、金属管に固定した取付け部材で金属管を支持する。
【0006】
しかし、特許文献2では、金属管や金属管を固定するための取付け部材が必要で、部品の数が多くなり、重量が増加するとともに、組付けに手間がかかる。
【0007】
図11は、従来の技術(特許文献3)の基本構成を説明する図であり、ブレーキ液冷却装置は、シリンダ221と液圧発生装置222を第1流路223で接続し、シリンダ221と第1流路223を第2流路224で接続し、第2流路224間にポンプ225及び開閉バルブ226を配置したので、ポンプ225を作動させ、開閉バルブ226を開作動させて、第1・第2流路223,224にブレーキ液を流して循環させると、ブレーキ液は冷却される。
【0008】
しかし、特許文献3では、第2流路224が必要で、ホースや鋼管を用いて配管した回路の長さは、例えば2倍に長くなり、重量が増加するという問題がある。
また、ポンプ225や開閉バルブ226やこれらを制御するための部品も必要となり、部品の数が多く、重量が増加するとともに、構造が複雑になり、且つ組付けに手間がかかるという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ゴム製(金属製以外を含む)ホースの長さを短くし、ブレーキペダルの踏み代を小さくしてブレーキペダル操作時のペダルフィーリングを向上させ、ブレーキ液の温度上昇を防ぐモータハウジングを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明では、車輪のホイール内に油圧ブレーキ装置の作動器とともに配置された駆動用モータのモータハウジングにおいて、モータハウジングは、作動器に接続されたブレーキ液配管構造の一部をなす流路部を備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明では、モータハウジングは、流路部の近傍に冷却手段を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、車輪のホイール内に油圧ブレーキ装置の作動器とともに配置された駆動用モータのモータハウジングにおいて、モータハウジングは、作動器に接続されたブレーキ液配管構造の一部をなす流路部を備えているので、流路部の流路を介して作動器にブレーキ液を送ることができる。つまり、流路部を採用することによって、流路部に相当する配管用の管を省き、例えば、車輪を支持する懸架装置や車体など周囲のものと干渉することなく配策することができるとともに、管を支持するクランプなどの支持部材を用いることなく配策することができるという利点がある。
【0013】
また、モータハウジングは、作動器に接続されたブレーキ液配管構造の一部をなす流路部を備えているので、流路部の流路を介して作動器にブレーキ液を送ると、流路部の流路の長さに相当する長さのゴム製のホースを金属製の流路に変えることができ、ブレーキ液配管構造に用いるゴム製(金属製以外を含む)ホースの長さを短くすることができる。その結果、ゴム製ホースの膨脹によるブレーキペダルの踏み代の増加を防止することができ、ブレーキペダル操作時のペダルフィーリングを向上させことができるという利点がある。
【0014】
請求項2に係る発明では、モータハウジングは、流路部の近傍に冷却手段を備えているので、冷却手段によって、流路部の流路内のブレーキ液を冷却することができ、ブレーキ液の温度上昇を防ぐことができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明のモータハウジング(第1実施の形態)及び駆動用モータを配置した車輪の斜視図である。
モータハウジング(第1実施の形態)11は、車両12を駆動する駆動用モータ13の部品で、駆動用モータ13のロータやステータを包むとともに、後懸架装置14に車輪15を接続している。具体的には後述する。
【0016】
車輪15は、タイヤ16と、タイヤ16を支持するホイール17とからなる。
ホイール17は、例えば、アルミホイールで、駆動用モータ13に取付けたハブ(図に示していない)を介して駆動力が伝達される。
【0017】
車両12は、例えば、4ドアセダンであり、車体21と、車体21に接続された後懸架装置14と、後懸架装置14に接続された車輪(後輪)15,15と、車輪15,15及び前輪(車輪15と同じ)を制動する油圧ブレーキ装置22と、油圧ブレーキ装置22や車輪(駆動輪)15の駆動用モータ13を制御する制御装置24と、を備える。21aは車体21のサイドボデー21bが備えるリヤホイールハウスである。
【0018】
後懸架装置14は、駆動用モータ13の車体側(矢印a1の方向)に一端が連結され、他端が車体21に連結されるダンパ25と、上ロッド26,26と、下ロッド27,27,28と、を備える。
油圧ブレーキ装置22は、主に、ブレーキペダル31と、ブレーキペダル31に連結されたマスタシリンダ33と、マスタシリンダ33に一端が接続されたブレーキ液配管構造34と、ブレーキ液配管構造34の他端が接続された後輪ブレーキ機構35及び前輪ブレーキ機構(図に示していない)と、これらの後輪ブレーキ機構35並びに前輪ブレーキ機構を個別に制御するロック防止装置36と、を備える。
【0019】
図2は、図1の2部詳細図であり、モータハウジング11、ブレーキ液配管構造34、ブレーキ液配管構造34に含まれる流路部52を主に示している。図1を併用して説明する。
【0020】
後輪ブレーキ機構35は、ディスクブレーキであり、駆動用モータ13のモータハウジング11に固定された作動器であるところのキャリパ38を備え、ブレーキ液配管構造34が接続されている。
【0021】
ブレーキ液配管構造34は、マスタシリンダ33(図1参照)から後輪ブレーキ機構35のキャリパ38までブレーキ液を送る管であり、車体21に配設された車体側配管構造41(図1参照)と、車体側配管構造41に含まれる金属製のブレーキパイプ42に接続された懸架側配管構造(第1実施の形態)43と、からなる。
【0022】
懸架側配管構造43は、車体側配管構造41のブレーキパイプ42が接続される第1継手45を含んだブラケット46と、第1継手45に一端が接続されたゴム製の第1ホース47と、第1ホース47の他端が接続された第1ポート51(図3の右参照)を有する流路部であるところのハウジング流路部(第1実施の形態)52と、ハウジング流路部52が有する第2ポート53(図3参照)に一端が接続され他端がキャリパ38に接続されたゴム製の第2ホース54と、からなる。
ブラケット46は、車体21のリヤホイールハウス21a(図1参照)に溶接で固定されたものである。ブラケット46の形状は任意であり、また溶接以外を用いてもよい。
【0023】
駆動用モータ13は、ホイール17内に配置されたインホイールモータで、図に示していないロータ及びステータと、モータハウジング11とを備える。
モータハウジング11は、具体的には、駆動用モータ13のロータが回転自在に支持され、ステータが固定されたハウジング本体57が形成され、ハウジング本体57の外方(矢印a2の方向)でもある車体21の外方(矢印a2の方向)に外蓋(図に示していない)が取付けられ、ハウジング本体57の内方(矢印a1の方向)でもある車体21側(矢印a1の方向)に内蓋61が取付けられたものである。
図中、62は内蓋61に用いたシール材、63は内蓋61に取付けられてダンパ25が連結されるダンパ用ブラケット、64は内蓋61に取付けられて上ロッド26が連結されるロッド用ブラケット、である。
【0024】
内蓋61は、円盤状に形成され、ハウジング本体57にボルト66・・・(・・・は複数を示す。以下同様。)で取付けられ、上部にロッド用ブラケット63が取付けられるロッド取付け部67が形成され、前部にダンパ用ブラケット63が取付けられるダンパ取付け部71が形成され、中央に中央開口部72が開けられ、中央開口部72に中央蓋73が取付けられ、下部にハウジング流路部(第1実施の形態)52が一体に形成されたものである。t(図3も参照)は内蓋61の板厚であるが、部位によって板厚は異なる。
【0025】
ハウジング流路部(第1実施の形態)52は、内蓋61の表面75にボス部76が形成され、ボス部76の位置する内蓋61に流路77が開けられた、ブレーキ液配管構造34の一部をなす流路部であり、狭義には懸架側配管構造43の一部をなす流路部である。
【0026】
図3は、図2の3−3線断面図であり、ブレーキ液配管構造34の一部をなす流路部52を示している。図2を併用して説明する。
ボス部76は、車両12の前後方向(矢印a3の方向)に、略水平に長さLで形成され、一端(後端)に第1ポート51が開けられる第1端部81が形成され、他端(前端)に第2端部82が形成され、第2端部82と第1端部81間に中央部83が形成された部位である。
長さLは、詳しくは、第1ポート51から第2ポート53までの距離であり、流路77の長さである。
【0027】
中央部83は、幅W及び高さHが第1ホース47の外径若しくは第2ホース54の外径とほぼ同じに形成されている。
第1端部81は、第1ホース47の接続口金85に対応させ幅Wp(図7も参照、Wp>W)で形成され、接続口金85のおねじに対応する第1ポート51並びにめねじ部86が形成され、接続面87の縁に掛止凹部88が形成されている。掛止凹部88は流路77に平行に、角度をもたずに接続口金85を掛止する。
接続口金85は、第1ポート51に対して第1ホース47を90°の角度をなして接続するL形の継手である。
【0028】
第1端部81では、掛止凹部88が中央部83に平行に接続口金85を掛止するように後方に向けて形成されているので、ブラケット46(第1継手45を含む)に接続する第1ホース47を所望のアールで曲げることができ、第1ホース47の耐久性を向上させることができる。
また、掛止凹部88に接続口金85を嵌めて掛止することで、接続口金85の回動(図右に示すA軸方向)を防止することができる。
【0029】
第2端部82は、第1端部81と同様であるが、キャリパ38(図2参照)のポート部89へ向けて掛止凹部91が流路77及び中央部83に対して角度θだけ変位し、掛止凹部91に第2ホース54の接続口金92が嵌る。掛止凹部91は流路77に対して接続口金92が角度θをなして接続されるように接続口金92が掛止される。
接続口金92は、接続口金85と同様であり、L形の継手である。
【0030】
第2端部82では、キャリパ38のポート部89へ向けて掛止凹部91が角度θだけ変位し、流路77に対して角度θをなして接続口金92が接続されているので、キャリパ38のポート部89に接続する第2ホース54を所望のアールで曲げることができ、第2ホース54の耐久性を向上させることができる。
また、掛止凹部91に第2ホース54の接続口金92を嵌めて掛止することで、第2ホース54の接続口金92の回動(A軸方向)を防止することができる。
【0031】
流路77は、深穴であり、直径dで、内蓋61の外周部93から開けられて、第1ポート51と第2ポート53を連通し、穴の入口に止めプラグ94がねじ込まれている。また、流路77の中心Chと中央部83の幅Wの中心Cb(図7参照)が一致している。
【0032】
流路77の直径dは、ボス部76の中央部83に設定した幅Wに対して、40%前後に設定する。逆に言うと、流路77の直径dの約2.5倍にボス部76の幅W並びに高さHを設定する。その結果、内蓋61の板厚tを厚くすることなく、流路77を所望の直径dで形成することができる。また、内蓋61の板厚tに対して流路77を直径dで形成しても、内蓋61の軽量化を図りつつ、内蓋61の強度を確保することができる。
【0033】
ここで、懸架側配管構造43のブレーキ液の流れを簡単に説明する。図1及び図2を併用して説明する。
ブレーキペダル31を踏むと、所定圧力、所定流量のブレーキ液は車体側配管構造41に導かれて、第1ホース47から第1ポート51を通って流路77を流れ、第2ポート53を通って第2ホース54を流れ、作動器(キャリパ)38に流入してキャリパ38を作動させる。ブレーキペダル31から足を離すと、キャリパ38内のブレーキ液は戻る。
【0034】
このように、モータハウジング11、具体的には車体21側(矢印a3の方向)に取付けられる内蓋61は、流路部(ハウジング流路部(第1実施の形態))52を備え、流路部52には、流路77と流路77に連通している第1ポート51並びに第2ポート53が形成され、第1・第2ポート51,53にそれぞれめねじ部86,86が形成されているので、流路77の長さLに相当する長さのゴム製のホースを金属製の流路に変えることができ、懸架側配管構造43に用いるゴム製(金属製以外を含む)ホースの長さを短くすることができる。
【0035】
また、モータハウジング11では、流路部(第1実施の形態)52によって、金属製の管を省くことができ、金属製の管や管を支持するブラケットを必要としない。その結果、懸架側配管構造43の部品の数は少なくなり、懸架側配管構造43の重量の増加を抑制することができる。
さらに、懸架側配管構造43の部品の数は少なくなり、構造は簡単になる。
【0036】
その上、モータハウジング11では、流路部52によって、金属製の管を省くことができ、金属製の管や管を支持するブラケットを必要としない。その結果、懸架側配管構造43の配管作業に手間がかからない。
【0037】
くわえて、モータハウジング11では、金属製の管に比べ、弾性の大きいゴム製(金属製以外を含む)ホースの長さを短くしたので、ゴム製ホースの膨脹によるブレーキペダルの踏み代の増加を防止することができ、ブレーキペダル31を操作したときのペダルフィーリングを向上させることができる。
【0038】
次に、本発明のモータハウジングの「別の実施の形態」について説明する。
図4は、第2実施の形態の斜視図であり、図2に対応する図である。上記図1〜図3に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
図5は、図4の5−5線断面図である。
【0039】
第2実施の形態のモータハウジング11Bは、流路部52Bを有し、流路部52Bは、第1端部81Bと、第2端部82Bと、を備えていることを特徴とする。
第1端部81Bは、第1ポート51B並びにめねじ部86Bが第1ホース47Bの接続口金85Bに対応するように形成されている。
接続口金85Bは、管路の方向を変えずに接続する継手である。
【0040】
第2端部82Bは、第1端部81Bと同様で、第2ポート53B並びにめねじ部86Bが第2ホース54Bの接続口金92Bに対応するように形成されている。
接続口金92Bは、接続口金85Bと同様である。
【0041】
なお、第2実施の形態のブレーキ液配管構造34Bは、車体側配管構造41に金属製のブレーキパイプ42を介して接続された懸架側配管構造(第2実施の形態)43Bを有する。懸架側配管構造43Bは、第1ホース47Bと、流路部52Bと、第2ホース54Bと、からなる。
【0042】
第2実施の形態のモータハウジング11Bでは、第1実施の形態のモータハウジング11と同様の効果を発揮することができる。
【0043】
図6は、第3実施の形態の斜視図であり、図2に対応する図である。上記図1〜図3に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
図7は、図6の7−7線断面図である。
【0044】
第3実施の形態のモータハウジング11Cは、流路部52Cを有し、流路部52Cは、ボス部76の中央部83にフイン101が形成されていることを特徴とする。
フイン101は、冷却手段であり、第1ポート51から第2ポート53の間に長さLfで形成され、フイン101の中心Cfと中央部83の幅Wの中心Cbとが一致している。
なお、フイン101の形状は任意である。例えば、フイン101の隣にフイン101と同様のフインを列べてフインを2枚にすることも可能であり、長さLfを分割することも可能である。
【0045】
第3実施の形態のモータハウジング11Cでは、第1実施の形態のモータハウジング11と同様の効果を発揮することができる。
【0046】
また、第3実施の形態のモータハウジング11Cでは、モータハウジング11Cに形成された流路部52Cのフイン101によって、流路部52Cの放熱面積が増加するので、流路部52Cの降温速度は速くなり、流路部52Cの流路77内のブレーキ液を冷却することができる。従って、ブレーキ液の温度上昇を防ぐことができる。
【0047】
図8は、第4実施の形態の斜視図であり、図2に対応する図である。上記図1〜図3に示す実施の形態と同様の構成については、同一符号を付し説明を省略する。
図9は、図8の9−9線断面図である。
【0048】
第4実施の形態のモータハウジング11Dは、流路部52の近傍に冷却手段105を備えていることを特徴とする。
冷却手段105は、内蓋61に冷却液流路106が形成され、冷却液流路106に連通する流入口107及び流出口108が形成されていて、駆動用モータ13を冷却すると同時に、流路77内のブレーキ液を冷却する。
【0049】
なお、冷却手段105は、駆動用モータ13を冷却すると同時に、流路77内のブレーキ液を冷却する構成であればよく、流入口107及び流出口108を配置する位置や、流入口107及び流出口108の構造や、冷却液流路106の形状は任意である。例えば、冷却液流路106は、内蓋61を所定深さに彫込んだ冷却液室と、冷却液室を閉じる蓋を有するものでもよく、また、内蓋61に深穴が複数開けられた構成でもよい。
【0050】
第4実施の形態のモータハウジング11Dでは、第1実施の形態のモータハウジング11と同様の効果を発揮することができる。
また、第4実施の形態のモータハウジング11Dでは、流路部52の近傍に配置された冷却手段105の冷却液によって、流路77内のブレーキ液を冷却することができる。従って、ブレーキ液の温度上昇を防ぐことができる。
【0051】
尚、本発明のモータハウジングは、実施の形態ではブレーキ液を搬送する配管構造の一部をなしたが、ブレーキ液以外の流体の配管構造の一部とすることも可能である。
本発明のモータハウジングは、インホイールモータ以外のモータハウジングとしても採用可能なものである。
第1実施の形態から第4実施の形態までを適宜組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明のモータハウジングは、インホイールモータのモータハウジングに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明のモータハウジング(第1実施の形態)及び駆動用モータを配置した車輪の斜視図
【図2】図1の2部詳細図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】第2実施の形態の斜視図
【図5】図4の5−5線断面図
【図6】第3実施の形態の斜視図
【図7】図6の7−7線断面図
【図8】第4実施の形態の斜視図
【図9】図8の9−9線断面図
【図10】従来の技術(特許文献1)の基本構成を説明する図
【図11】従来の技術(特許文献3)の基本構成を説明する図
【符号の説明】
【0054】
11…モータハウジング、13…駆動用モータ、15…車輪、17…ホイール、22…油圧ブレーキ装置、34…ブレーキ液配管構造、38…作動器(キャリパ)、41…車体側配管構造、43…懸架側配管構造、52…流路部、101…冷却手段(フイン)、105…冷却手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪のホイール内に油圧ブレーキ装置の作動器とともに配置された駆動用モータのモータハウジングにおいて、
前記モータハウジングは、作動器に接続されたブレーキ液配管構造の一部をなす流路部を備えていることを特徴とするモータハウジング。
【請求項2】
前記モータハウジングは、前記流路部の近傍に冷却手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のモータハウジング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−238020(P2007−238020A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−66073(P2006−66073)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】