説明

モータ装置、駆動制御装置、回転子の駆動方法及びロボット装置

【課題】高いトルクを発生可能なモータ装置、駆動制御装置、回転子の駆動方法及びロボット装置を提供すること。
【解決手段】回転子と、当該回転子の周面の少なくとも一部に掛けられる伝達部と、当該伝達部のうち少なくとも第一部分及び第二部分を移動させる駆動部と、前記第一部分を前記第二部分より後に前記回転子の周面に掛けられた状態にすることによって伝達部と回転子との間を回転力伝達状態とする準備動作、伝達部と回転子との間を回転力伝達状態としたまま伝達部を一定距離移動させる回転動作、及び、回転力伝達状態を解消させて伝達部を所定の位置に戻す復帰動作、を駆動部に行わせる制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ装置、駆動制御装置、回転子の駆動方法及びロボット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば旋回系機械などを駆動させるアクチュエータとして、モータ装置が用いられている。このようなモータ装置として、例えば電動モータや超音波モータなど、高トルクを発生させることが可能なモータ装置が広く知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
近年では、ヒューマノイドロボットの精密な部分(例、関節部分)などを駆動させるモータ装置が求められている。また、電動モータや超音波モータなどの既存のモータ装置は、小型化、トルクの制御性等、細密で高精度な駆動を行うことができる構成が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2−311237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、電動モータや超音波モータにおいては、高トルクを発生させるためには減速機を取り付ける必要があるため、小型化や軽量化には限界がある。また、超音波モータにおいては、トルクの制御が困難である。
【0006】
本発明に係る態様は、高トルクを発生させることができるモータ装置、駆動制御装置、回転子の駆動方法及びロボット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様に従えば、回転子と、当該回転子の周面の少なくとも一部に掛けられる伝達部と、当該伝達部のうち少なくとも第一部分及び第二部分を移動させる駆動部と、前記第一部分を前記第二部分より後に前記回転子の周面に掛けられた状態にすることによって前記伝達部と前記回転子との間を回転力伝達状態とする準備動作、前記伝達部と前記回転子との間を前記回転力伝達状態としたまま前記伝達部を一定距離移動させる回転動作、及び、前記回転力伝達状態を解消させて前記伝達部を所定の位置に戻す復帰動作、を前記駆動部に行わせる制御部とを備えるモータ装置が提供される。
【0008】
また、本発明の第二の態様に従えば、回転子と、前記回転子の周面の少なくとも一部に掛けられる伝達部と、前記伝達部のうち少なくとも第一部分及び第二部分を移動させる駆動部と、前記伝達部と前記回転子との間を回転力伝達状態とする準備動作、前記伝達部と前記回転子との間を前記回転力伝達状態としたまま前記伝達部を一定距離移動させる回転動作、及び、前記第一部分を前記第二部分より後に前記回転子の周面に掛けられていない状態にすることによって前記伝達部と前記回転子との間の前記回転力伝達状態を解消させて前記伝達部を所定の位置に戻す復帰動作、を前記駆動部に行わせる制御部とを備えるモータ装置が提供される。
【0009】
本発明の第三の態様に従えば、回転子と、前記回転子の周面の少なくとも一部に掛けられる伝達部と、前記伝達部のうち少なくとも第一部分及び第二部分を移動させる駆動部とを備えるモータ装置を駆動する駆動制御装置であって、前記第一部分を前記第二部分より後に前記回転子の周面に掛けられた状態にすることによって前記伝達部と前記回転子との間を回転力伝達状態とする準備動作、前記伝達部と前記回転子との間を前記回転力伝達状態としたまま前記伝達部を一定距離移動させる回転動作、及び、前記回転力伝達状態を解消させて前記伝達部を所定の位置に戻す復帰動作、を前記駆動部に行わせる制御部を備える駆動制御装置が提供される。
【0010】
また、本発明の第四の態様に従えば、回転子と、前記回転子の周面の少なくとも一部に掛けられる伝達部と、前記伝達部のうち少なくとも第一部分及び第二部分を移動させる駆動部とを備えるモータ装置を駆動する駆動制御装置であって、前記伝達部と前記回転子との間を回転力伝達状態とする準備動作、前記伝達部と前記回転子との間を前記回転力伝達状態としたまま前記伝達部を一定距離移動させる回転動作、及び、前記第一部分を前記第二部分より後に前記回転子の周面に掛けられていない状態にすることによって前記伝達部と前記回転子との間の前記回転力伝達状態を解消させて前記伝達部を所定の位置に戻す復帰動作、を前記駆動部に行わせる制御部を備える駆動制御装置が提供される。
【0011】
本発明の第五の態様に従えば、回転子の周面の少なくとも一部に対して伝達部のうち少なくとも第一部分及び第二部分が掛けられる回転子の駆動方法であって、前記第一部分を前記第二部分より後に前記回転子の周面に掛けられた状態にすることによって前記伝達部と前記回転子との間を回転力伝達状態とする準備ステップと、前記伝達部と前記回転子との間を前記回転力伝達状態としたまま前記伝達部を一定距離移動させる回転ステップと、前記回転力伝達状態を解消させて前記伝達部を所定の位置に戻す復帰ステップと、を有する回転子の駆動方法が提供される。
【0012】
また、本発明の第六の態様に従えば、回転子の周面の少なくとも一部に対して伝達部のうち少なくとも第一部分及び第二部分が掛けられる回転子の駆動方法であって、前記伝達部と前記回転子との間を回転力伝達状態とする準備ステップと、前記伝達部と前記回転子との間を前記回転力伝達状態としたまま前記伝達部を一定距離移動させる回転ステップと、前記第一部分を前記第二部分より後に前記回転子の周面に掛けられていない状態にすることによって前記回転力伝達状態を解消させて前記伝達部を所定の位置に戻す復帰ステップと、を有する回転子の駆動方法が提供される。
【0013】
本発明の第七の態様に従えば、本発明の第三の態様又は第四の態様の駆動制御装置を備えるロボット装置が提供される。
【0014】
また、本発明の第八の態様に従えば、回転軸部材と、前記回転軸部材を回転させるモータ装置とを備え、前記モータ装置として、本発明の第一の態様又は第二の態様のモータ装置が用いられているロボット装置が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、高トルクを発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第一実施形態に係るモータ装置の構成を模式的に示す斜視図。
【図2】本実施形態に係るモータ装置の特性を示すグラフ。
【図3】本実施形態に係るモータ装置の駆動のタイミングを示すグラフ。
【図4】本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。
【図5】本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。
【図6】本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。
【図7】本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。
【図8】本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。
【図9】本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。
【図10】本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。
【図11】本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。
【図12】本発明の第二実施形態に係るモータ装置の構成を模式的に示す斜視図。
【図13】本実施形態に係るモータ装置の駆動のタイミングを示すグラフ。
【図14】本発明の第三実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。
【図15】本発明の第三実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。
【図16】本発明の第三実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。
【図17】本発明の第三実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。
【図18】本発明の第三実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。
【図19】本発明の第三実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。
【図20】本発明の第四実施形態に係るロボット装置の構成を示す図。
【図21】本発明の変形例に係るモータ装置の駆動のタイミングを示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。
図1(a)は、本実施形態に係るモータ装置MTRの一例を示す概略構成図である。図1(b)は、図1(a)におけるA−A´断面に沿った構成を示す図である。
【0018】
図1(a)及び図1(b)に示すように、モータ装置MTRは、ベース部BSと、回転子SFと、駆動部ACと、伝達部BTと、制御部CONTとを備えている。当該モータ装置MTRは、制御部CONTの制御によって駆動部AC及び伝達部BTを用いて回転子SFを回転させると共に、当該回転子SFの回転状態(例、回転方向、回転速度、など)を調整できる構成である。
【0019】
以下、各図の説明においてはXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。回転子SFの円筒軸方向をZ軸方向とし、当該Z軸方向に垂直な平面上の直交方向をそれぞれX軸方向及びY軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸周りの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
【0020】
ベース部BSは、例えばステンレス等の材料を用いて板状に形成された部分であり、回転子SF、駆動部ACと、伝達部BTと、制御部(駆動制御装置)CONTを支持している。本実施形態におけるベース部BSは、板状に形成されているが、例えば筐体など、他の形状(例、ベース部BSと伝達部BTとが一体的に構成された形状)であっても構わない。
【0021】
回転子SFは、例えば円柱状に形成されており、例えば不図示のベアリング装置などによって回転可能に支持されている。当該ベアリング装置は、例えばベース部BSなどに支持されている。回転子SFは、中心軸Cを回転軸としてθZ方向に回転するようになっている。
【0022】
駆動部ACは、例えばベース部BSに取り付けられている。駆動部ACは、駆動素子31及び32を有している。駆動素子31及び32としては、例えばピエゾ素子などの電気機械変換素子が用いられている。駆動素子31及び駆動素子32は、電気機械変換素子に電圧が印加されることにより、X方向に伸縮する構成である。制御部CONTは駆動部ACに接続されており、当該駆動部ACに対して制御信号を供給可能になっている。なお、例えば駆動素子31及び32は、ピエゾ素子などの電歪素子、磁歪素子、電磁石、及び/又はVCM(ボイスコイルモータ)などを用いる。
【0023】
駆動素子31及び32は、ベース部BSによって+X側の位置が固定されている。このため、駆動素子31及び32は、X方向に伸縮した場合、当該伸縮に伴って−X側の端部のX方向における位置が変化することになる。
【0024】
伝達部BTは、第一端部21、第二端部22及びベルト部23を有している。第一端部21は、駆動素子31の−X側の端部に接続されている。第二端部22は、駆動素子32の−X側の端部に接続されている。第一端部21及び第二端部22は、回転子SFの外周上の基準位置F(図1(b)参照)を挟んで配置されている。本実施形態では、回転子SFの+X側端部を基準位置Fとした場合を例に挙げて説明する。第一端部21及び第二端部22は、基準位置Fについて対称な位置に配置されている。
【0025】
ベルト部23は、例えば帯状に形成され、回転子SFの曲面状の周面(例、内周面や外周面、等)の少なくとも一部に掛けられる部分である。ベルト部23は、例えば第一端部21及び第二端部22に接続されており、例えば回転子SFの−X側に掛け回されている。
【0026】
上記の駆動素子31及び32が縮むと、第一端部21及び第二端部22が+X方向に移動する。このため、ベルト部23が回転子SFに巻きつき、当該ベルト部23に張力が加わる。駆動素子31及び32が伸びると、第一端部21及び第二端部22が−X方向に移動する。このため、ベルト部23が回転子SFから離れて弛緩する。このように、ベルト部23は、駆動素子31及び32の駆動(例、変位、変形や伸縮など)に連動して緊張したり弛緩したりする。
【0027】
ここで、本実施形態に係るモータ装置MTRにおいて、回転子SFにトルクを作用させる原理を説明する。
回転子SFを駆動させる際には、回転子SFに巻き掛けられた伝達部BTに有効張力を生じさせ、当該有効張力によって回転子SFにトルクを伝達する。
【0028】
オイラーの摩擦ベルト理論により、回転子SFに巻き掛けられた伝達部BTの第一端部21側の張力(T1)及び第二端部22側の張力(T2)が下記[数1]を満たすとき、伝達部BTと回転子SFとの間で摩擦力が生じ、伝達部BTが回転子SFに対して滑りを生じることの無い状態(回転力伝達状態)で回転子SFと共に移動する。この移動により、回転子SFにトルクが伝達される。ただし、[数1]において、μは伝達部BTと回転子SFとの間の見かけ上の摩擦係数であり、θは伝達部BTの有効巻き付き角である。
【0029】
【数1】

【0030】
このとき、トルクの伝達に寄与する有効張力は、(T1−T2)によって表される。上記[数1]に基づいて有効張力(T1−T2)を求めると、[数2]のようになる。[数2]は、T1を用いて有効張力を表す式である。
【0031】
【数2】

【0032】
上記[数2]より、回転子SFに伝達されるトルクは駆動素子31の張力T1によって一意に決定されることがわかる。[数2]の右辺のT1の係数部分は、伝達部BTと回転子SFとの間の摩擦係数μ及び伝達部BTの有効巻き付き角θにそれぞれ依存する。
図2は、摩擦係数μを変化させたときの有効巻き付き角θと係数部分の値との関係を示すグラフである。グラフの横軸は有効巻き付き角θを示しており、グラフの縦軸は係数部分の値を示している。
【0033】
図2に示すように、例えば摩擦係数μが0.3の場合には、有効巻き付き角θが300°以上のときに係数部分の値が0.8以上となっている。このことから、摩擦係数μが0.3の場合には、有効巻き付き角θを300°以上とすることにより、駆動素子31による張力T1の80%以上の力が回転子SFのトルクに寄与することがわかる。この巻き付き角の他、図2のグラフから、例えば伝達部BTと回転子SFとの間の摩擦係数を大きくするほど、係数部分の値が大きくなることが推定される。
【0034】
このように、トルクの大きさは駆動素子31の張力T1によって一意に決定されることになり、例えば伝達部BTの移動距離などには無関係であることがわかる。したがって、例えば駆動素子31及び駆動素子32に用いられるピエゾ素子などは、数ミリ程度の小型素子であっても、数百ニュートン以上の力を出すことができるので非常に大きな回転力を付与することができる。このように、ベルト部23と、駆動素子31及び32とは、協働して回転子SFにトルクを伝達する。モータ装置MTRは、駆動素子31と駆動素子32とが協働的に(又は相互作用的に)駆動することによって、駆動素子31によって伝達部BTに加えられる力(例、張力や押圧力)と駆動素子32によって伝達部BTに加えられる力(例、張力や押圧力)とに基づいて回転子SFに対するベルト部23の接触状態を調整可能なため、ベルト部23を介して回転子SFにトルクを伝達する。また、モータ装置MTRは、駆動素子31と駆動素子32とが協働的に(又は相互作用的に)駆動することによって、ベルト部23の回転子SFに対する巻き付き角θに基づく回転子SFに対するベルト部23の接触状態を調整可能なため、ベルト部23を介して回転子SFにトルクを伝達する。このように、本実施形態におけるモータ装置MTRは、駆動部ACによって回転子SFの径方向に力が伝達部BTの少なくとも一部に加えられた状態(回転力伝達状態)で、伝達部BTを介して回転子SFにトルクが伝達される。
【0035】
以下、図3〜図11を参照して、本実施形態におけるモータ装置MTRの動作を説明する。図3は、モータ装置MTRの動作時において駆動素子31及び32に印加される電圧の時間変化を示すグラフである。図3の縦軸は電圧の値(単位V:ボルト)を示している。図3の横軸は、時刻を示している。また、図4〜図11は、動作時のモータ装置MTRの様子を示す図である。ここで、図4〜図11において、回転子SFの回転状態として回転子SFを回転させる方向(回転子SFの回転方向)をθZ方向とした場合、ベルト部23の第一端部21側を駆動側(負荷端側)とし、ベルト部23の第二端部22側を反駆動側(制御端側)とする。上記の駆動側とは、回転子SFにトルクを伝達する側のこと、又は、回転子SFとベルト部23との間の摩擦力が大きい側のこと、を含む。また、回転子SFの回転方向は、モータ装置MTRに設けられるエンコーダのような回転方向検出器(回転方向検出部)を用いて検出される。例えば、回転方向検出器がエンコーダである場合、回転方向検出器は回転位置を検出することも可能である。
【0036】
図3に示すように、モータ装置MTRの動作には、エンゲージ動作(準備動作)、ドライブ動作(回転動作)及びリリース動作(復帰動作)が含まれる。エンゲージ動作は、ベルト部23と回転子SFとの間を回転力伝達状態とする動作である。ドライブ動作は、ベルト部23と回転子SFとの間を回転力伝達状態を維持しつつベルト部23を一定距離移動させる動作である。復帰動作は、回転力伝達状態を解消させてベルト部23を所定の位置に戻す動作である。モータ装置MTRは、エンゲージ動作、ドライブ動作及びリリース動作を繰り返し行うことにより、回転子SFに対して継続的に回転力(トルク)を付与する。また、回転力伝達状態は、一例として、伝達部BTが回転子SFに対して滑りを生じることの無い状態、ドライブ動作における回転子SFとベルト部23との間の滑りを低減させた状態、を含む。
【0037】
まず、エンゲージ動作について説明する。
図3に示すように、エンゲージ動作は、時刻t1から時刻t3の間に行われる。
制御部CONTは、図3に示すように、基準時刻(時刻0)において、エンゲージ動作の前動作として駆動素子31及び32に供給される電圧をそれぞれ0V(電圧を印加しない状態)とする。この前動作により、図4に示すように、第一端部21及び第二端部22は、X方向について共に基準位置X0に配置された状態となる。伝達部BTのベルト部23は、回転子SFの周りに弛んだ状態となると共に、ベルト部23の全面が回転子SFの外周面に掛けられていない状態となる。
【0038】
この状態でエンゲージ動作を開始する場合(時刻t1)、制御部CONTは、図3に示すように、回転子SFを回転させる方向θZに基づいて反駆動側の駆動素子32に対して電圧の供給を開始する。駆動素子32に電圧が供給されることにより、駆動素子32はX方向に収縮する。駆動素子32はベース部BSに固定されているため、図5に示すように、駆動素子32の収縮によりベルト部23の第二端部22が+X側に移動を開始する。
【0039】
制御部CONTは、時刻t1から時刻t2までの期間、駆動素子32の電圧が例えば100Vに到達するまで徐々に高くしていく。この結果、図5に示すように、第二端部22は時刻t2の時点でX方向についての位置X2(基準位置X0からの距離が2dの位置)に到達する。第二端部22が位置X2に到達することにより、ベルト部23のうち第二端部22側(反駆動側)の部分(第二部分)23bが回転子SFの周面に掛けられた状態となる。
【0040】
第二部分23bが回転子SFの周面に掛けられた後、制御部CONTは、時刻t2から時刻t3までの期間、駆動素子32の電圧を保持させたまま、駆動側の駆動素子31の電圧を徐々に高くする。この場合、制御部CONTは、時刻t3の時点で駆動素子31の電圧が例えば駆動素子32の電圧(100V)の半分の50Vとなるように調整する。この動作により、図6に示すように、駆動素子31の収縮量が徐々に大きくなっていき、第一端部21が+X方向に移動する。
【0041】
時刻t3における駆動素子31の電圧(50V)は駆動素子32の電圧(100V)の半分であるため、駆動素子31の収縮量は駆動素子32の収縮量の半分となる。したがって、第一端部21の+X方向への移動量は、第二端部22の+X方向への移動量の半分となる。このため、第一端部21は、基準位置X0と位置X2との中間の位置である位置X1に到達する。
【0042】
第一端部21が位置X1に到達することにより、ベルト部23の第一端部21側(駆動側)の部分(第一部分)23aが回転子SFの周面に掛けられると共に、第一部分23aに張力T1が発生し、第二部分23bに張力T2が発生する。したがって、モータ装置MTRは、ベルト部23に有効張力(T1−T2)が発生し、ベルト部23と回転子SFとの間が回転力伝達状態となる。
【0043】
このように、本実施形態におけるエンゲージ動作では、最初に、制御部CONTは、第一部分23aが回転子SFに掛けられていない状態で、回転子SFの回転方向θZに基づき設定される反駆動側に配置される第二部分23bを回転子SFに掛けられた状態とする。次に、制御部CONTは、回転子SFの回転方向θZに基づき設定される駆動側に配置される第一部分23aを回転子SFに掛けられた状態とすることにより、ベルト部23と回転子SFとの間を回転力伝達状態とする。したがって、本実施形態におけるエンゲージ動作では、制御部CONTは、第一部分23aを第二部分23bより後に回転子SFに掛けられた状態にすること(第二部分23bを第一部分23aより先に回転子SFに掛けられた状態にすること)によって、ベルト部23と回転子SFとの間を回転力伝達状態とする。
【0044】
次に、ドライブ動作について説明する。
図3に示すように、ドライブ動作は、時刻t3から時刻t4の間に行われる。
制御部CONTは、図3に示すように、時刻t3から時刻t4にかけて、駆動素子31に供給される電圧を50Vから100Vに上昇させる。また、同時に、制御部CONTは、時刻t3から時刻t4にかけて、駆動素子32に供給される電圧を100Vから50Vに低下させる。
【0045】
この動作により、図7に示すように、第一端部21が位置X1から位置X2へと+X方向に移動し、第二端部22が位置X2から位置X1へと−X方向に移動する。また、駆動素子31において上昇させる電圧と、駆動素子32において低下させる電圧とが等しいため、第一端部21の移動距離と第二端部22の移動距離とが等しくなる。この結果、ベルト部23に加えられる張力が変化せず、ベルト部23と回転子SFとの間が回転力伝達状態を維持しつつベルト部23がθZ方向(図7の反時計回り方向)に移動するため、当該ベルト部23の移動と共に回転子SFがθZ方向(回転方向)に回転する。
【0046】
このように、ドライブ動作では、ベルト部23と回転子SFとの間を回転力伝達状態としたままベルト部23を一定距離移動させることで、回転子SFをθZ方向に回転させる。この回転動作において、第一部分23aが回転子SFの周面を引っ張ることにより、回転子SFにトルクが伝達される。したがって、第一部分23aは、回転子SFにトルクを伝達する駆動側である。また、第二部分23bは、駆動側である第一部分23aに対応して設けられる反駆動側である。また、制御部CONTは、この回転動作において、第一部分23aの移動と第二部分23bの移動とを同期させている。
【0047】
次に、リリース動作について説明する。
図3に示すように、リリース動作は、時刻t4から時刻t6の間に行われる。
制御部CONTは、図3に示すように、時刻t4となった時点で、反駆動側の駆動素子32に供給する電圧を低下させ始める。この動作により、駆動素子32の収縮が徐々に解消される。駆動素子32はベース部BSに固定されているため、図8に示すように、駆動素子32の収縮の解消により第二端部22が−X側に移動する。
【0048】
制御部CONTは、時刻t4から時刻t5までの期間、駆動素子32の電圧が0Vに到達するまで徐々に低下させていく。この結果、第二端部22は、時刻t5の時点で、図8に示すように基準位置X0に到達する。第二端部22が基準位置X0に到達することにより、ベルト部23の第二部分23bが回転子SFの周面から外れた状態となる。
【0049】
第二部分23bが回転子SFの周面から外れた後(時刻t5となった時点で)、制御部CONTは、駆動素子32の電圧を0Vに維持したまま駆動側の駆動素子31に供給する電圧を低下させ始める。この動作により、駆動素子31の収縮が徐々に解消され、図9に示すように、第一端部21が−X側に移動する。
【0050】
制御部CONTは、時刻t5から時刻t6までの期間、駆動素子31の電圧が0Vに到達するまで徐々に低下させていく。この結果、第一端部21は、時刻t6の時点で、図9に示すように基準位置X0に到達する。第一端部21が基準位置X0に到達することにより、ベルト部23の第一部分23aが回転子SFの周面から外れた状態となる。したがって、ベルト部23に発生していた有効張力(T1−T2)が消滅し、ベルト部23と回転子SFとの間の回転力伝達状態が解消される。
【0051】
このように、本実施形態におけるリリース動作では、制御部CONTは、ベルト部23が回転子SFに掛けられている状態で、回転子SFの回転方向θZに基づき設定される反駆動側に配置される第二部分23bを回転子SFから外れた状態(非接触状態)とする。次に、制御部CONTは、回転子SFの回転方向θZに基づき設定される駆動側に配置される第一部分23aを回転子SFから外れた状態とすることにより、ベルト部23と回転子SFとの間の回転力伝達状態を解消する。したがって、本実施形態におけるリリース動作では、制御部CONTは、第一部分23aを第二部分23bより後に回転子SFに掛けられていない状態にすること(第二部分23bを第一部分23aより先に回転子SFに掛けられていない状態にすること)によって、ベルト部23と回転子SFとの間の回転力伝達状態を解消する。
【0052】
リリース動作において、第一部分23a及び第二部分23bが回転子SFの周面から外れる場合、図8及び図9に示すように第一部分23a及び第二部分23bは−X方向に移動する。このため、第一部分23aが回転子SFの周面から外れる場合には、回転方向(θZ方向)とは反対の方向(−θZ方向)の摩擦力が回転子SFに作用する。また、第二部分23bが回転子SFの周面から外れる場合には、回転方向と同一の方向の摩擦力が回転子SFに作用する。
【0053】
ここで、第二部分23bが回転子SFの周面に掛けられた状態で第一部分23aを回転子SFの周面から外す場合、回転子SFに対するベルト部23の有効巻き付き角θは少なくとも第一部分23a及び第二部分23bに基づくため、第一部分23aの移動による−θZ方向の摩擦力に加え、回転子SFと第二部分23bとの接触による−θZ方向の摩擦力が回転子SFに作用する。この上記2つの摩擦力により、回転子SFの回転が弱められる。これによって、回転子SFのトルク発生が少なくなってしまう場合がある。
【0054】
これに対して、本実施形態のように、回転子SFの回転方向に基づいて反駆動側の第二部分23bを駆動側の第一部分23aより先に回転子SFの周面から外す場合、第一部分23aを回転子SFの周面から外すときには回転子SFに対するベルト部23の有効巻き付き角θは第一部分23aに基づくために回転子SFとベルト部23との間に発生する摩擦力が相対的に小さくなる。このため、第二部分23bを先に回転子SFの周面から外す場合には、第一部分23aを先に回転子SFの周面から外す場合に比べ、回転子SFに対して−θZ方向の摩擦力が低減される。この結果、本実施形態のモータ装置MTRは、回転子SFの回転の抑制が緩和されて回転子SFの回転効率が高められ、高トルクを発生させることができる。
【0055】
また、リリース動作の後、制御部CONTは、θZ方向に回転している状態の回転子SFに対してエンゲージ動作、ドライブ動作及びリリース動作を繰り返し行わせる。この場合、制御部CONTは、図3に示すグラフと同じ挙動となるように駆動素子31及び32に電圧を印加する。
【0056】
例えば、θZ方向に回転している状態の回転子SFに対してエンゲージ動作を行う場合、制御部CONTは、上記同様、まず第一部分23aが回転子SFに掛けられていない状態で、反駆動側の駆動素子32に電圧を印加して、第二端部22を位置X2に到達させる。第二端部22が位置X2に到達することにより、図10に示すように、ベルト部23の第二部分23bが、回転している回転子SFの周面に掛けられる。その後、制御部CONTは、駆動側の駆動素子31に電圧を印加して、第一端部21を位置X2に到達させる。第一端部21が位置X2に到達することにより、図11に示すように、第一部分23aが回転子SFに掛けられる。
【0057】
このように、本実施形態の制御部CONTは、θZ方向に回転している状態の回転子SFに対してエンゲージ動作を行う場合においても、回転子SFの回転状態に基づき、第一部分23aが回転子SFに掛けられていない状態で、回転子SFの回転方向θZに基づき設定される反駆動側に配置される第二部分23bを回転子SFに掛けられた状態とする。その後、本実施形態の制御部CONTは、回転子SFの回転方向θZに基づき設定される駆動側に配置される第一部分23aを回転子SFに掛けられた状態とすることにより、ベルト部23と回転子SFとの間を回転力伝達状態とする。
【0058】
ここで、θZ方向に回転させるエンゲージ動作の場合、例えば上記説明とは異なり駆動側の第一部分23aが回転子SFの周面に掛けられた後、反駆動側の第二部分23bが回転子SFの周面に掛けられる場合、第一部分23a及び第二部分23bによる有効巻き付き角θに基づいて発生する摩擦力が回転子SFに作用する。このため、回転子SFの回転が抑制される。
【0059】
一方、本実施形態では、反駆動側の第二部分23bが回転子SFの周面に掛けられる場合、第二部分23bのみによる有効巻き付き角θに基づいて発生する摩擦力が回転子SFに作用する。このため、本実施形態のように、第二部分23bを先に回転子SFの周面に掛けた後に第一部分23aを回転子SFの周面に掛ける場合には、第一部分23aを先に回転子SFの周面に掛ける場合に比べ、回転子SFに対して−θZ方向の摩擦力が低減される。この結果、回転子SFの回転の抑制が緩和され、回転子SFの回転効率が高められる。
【0060】
以上のように、本実施形態によれば、第一部分23aが回転子SFの周面に掛けられていない状態で第二部分23bを移動させて少なくとも第二部分23bを回転子SFの周面に掛けられた状態にすることと第二部分23bの移動の後に第一部分23aを移動させて少なくとも第一部分23aを回転子SFの周面に掛けられた状態にすることとによってベルト部23と回転子SFとの間を回転力伝達状態とするエンゲージ動作、ベルト部23と回転子SFとの間を回転力伝達状態としたままベルト部23を一定距離移動させるドライブ動作、及び、回転力伝達状態を解消させてベルト部23を所定の位置に戻すリリース動作、を駆動素子31及び32に行わせることとしたので、ベルト部23と回転子SFとの間に生じる摩擦力が相対的に小さい状態で反駆動側の第二部分23bを移動させることができる。これにより、本実施形態のモータ装置MTRは、回転子SFへの外乱を低減できることによって回転子SFの回転効率を高められ、高トルクを発生させることができる。また、本実施形態におけるモータ装置MTRは、上述の動作によって駆動部ACの変位を効率的に使用することができ、高トルクを発生させることができる。
【0061】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
本実施形態では、1つの回転子SFに対して駆動部及び伝達部が複数組設けられた構成を例に挙げて説明する。
図12は、本実施形態に係るモータ装置MTR2の構成を示す斜視図である。
図12に示すように、モータ装置MTR2は、回転子SF、ベース部BS、駆動部AC、第二駆動部AC2、伝達部BT、第二伝達部BT2及び制御部CONTを有している。第二駆動部AC2は、駆動素子131及び駆動素子132を有している。第二伝達部BT2は、第一端部121、第二端部122及びベルト部123を有している。ベルト部123は、第一端部121側の第一部分123aと、第二端部122側の第二部分123bとを有している。第二駆動部AC2の構成は、駆動部ACの構成と同一であり、第二伝達部BT2の構成は伝達部BTの構成と同一である。また、他の構成については、第一実施形態と同一の構成となっている。
【0062】
モータ装置MTR2は、駆動部AC及び伝達部BTと、第二駆動部AC2及び第二伝達部BT2とを用いて回転子SFを回転させる。図13は、モータ装置MTR2を作動させるときの駆動部AC(駆動素子31及び32)の電圧の変化と、第二駆動部AC2(駆動素子131及び132)の電圧の変化とを示すグラフである。図13の縦軸は、それぞれ電圧の値(単位V:ボルト)を示している。図13の横軸は、それぞれ時刻を示している。なお、図13では、駆動部ACと第二駆動部AC2とを対比しやすくするため、横軸(時刻)を合わせた状態で示している。
【0063】
図13に示すように、モータ装置MTR2の動作において、制御部CONTは、駆動部AC及び伝達部BTと、第二駆動部AC2及び第二伝達部BT2とに、それぞれエンゲージ動作(準備動作)、ドライブ動作(回転動作)及びリリース動作(復帰動作)を行わせる。モータ装置MTR2は、駆動部AC及び伝達部BTと、第二駆動部AC2及び第二伝達部BT2とが、エンゲージ動作、ドライブ動作及びリリース動作を交互に繰り返し行うことにより、回転子SFに対して継続的に回転力を付与する。なお、回転子SFは、第一実施形態と同様、+Z側から見て反時計回りの方向に回転する。
【0064】
駆動部AC及び伝達部BTの動作について説明する。制御部CONTは、図13に示すように、時刻t11からt13の間、駆動部AC及び伝達部BTにエンゲージ動作を行わせる。その後、制御部CONTは、時刻t13から時刻t16までの間、駆動部AC及び伝達部BTにドライブ動作を行わせる。その後、制御部CONTは、時刻t16から時刻t18までの間、駆動部AC及び伝達部BTにリリース動作を行わせる。制御部CONTは、エンゲージ動作、ドライブ動作及びリリース動作として、上記第一実施形態と同一の制御を行う。
【0065】
次に、第二駆動部AC2及び第二伝達部BT2の動作について説明する。制御部CONTは、図13に示すように、時刻t14からt16の間、第二駆動部AC2及び第二伝達部BT2にエンゲージ動作を行わせる。その後、制御部CONTは、時刻t16から時刻t21までの間、第二駆動部AC2及び第二伝達部BT2にドライブ動作を行わせる。その後、制御部CONTは、時刻t21から時刻t23までの間、第二駆動部AC2及び第二伝達部BT2にリリース動作を行わせる。制御部CONTは、第二駆動部AC2及び第二伝達部BT2によるエンゲージ動作、ドライブ動作及びリリース動作として、駆動部AC及び伝達部BTによる各動作と同一の制御を行う。
【0066】
このような動作により、駆動部AC及び伝達部BTによるドライブ動作の間に、第二駆動部AC2及び第二伝達部BT2によるエンゲージ動作が行われる。駆動部AC及び伝達部BTによるドライブ動作の終了後、第二駆動部AC2及び第二伝達部BT2によるドライブ動作が行われる。このため、駆動部AC及び伝達部BTから第二駆動部AC2及び第二伝達部BT2へと、回転子SFに対するドライブ動作が連続的に行われる。
【0067】
また、制御部CONTは、第二駆動部AC2及び第二伝達部BT2によるドライブ動作の間(t19〜t21)に、駆動部AC及び伝達部BTによるエンゲージ動作を行わせる。制御部CONTは、第二駆動部AC2及び第二伝達部BT2によるドライブ動作の終了後(t21〜)、駆動部AC及び伝達部BTによるドライブ動作を行わせる。このため、第二駆動部AC2及び第二伝達部BT2から駆動部AC及び伝達部BTへと、回転子SFに対するドライブ動作が連続して行われる。このように、モータ装置MTR2は、駆動部AC及び伝達部BTと、第二駆動部AC2及び第二伝達部BT2との間で、連続的にドライブ動作が行われる。
【0068】
なお、駆動部AC及び伝達部BTによるエンゲージ動作において、本実施形態の制御部CONTは、第一実施形態と同様に、最初に、駆動側の第一部分23aが回転子SFに掛けられていない状態で、回転子SFの回転方向θZに基づき設定される反駆動側に配置される第二部分23bを回転子SFに掛けられた状態とする。その後、本実施形態の制御部CONTは、回転子SFの回転方向θZに基づき設定される駆動側に配置される第一部分23aを回転子SFに掛けられた状態とすることにより、ベルト部23と回転子SFとの間を回転力伝達状態とする。
【0069】
第二駆動部AC2及び第二伝達部BT2によるエンゲージ動作においても同様に、本実施形態の制御部CONTは、第一部分123aが回転子SFに掛けられていない状態で、回転子SFの回転方向θZに基づき設定される反駆動側に配置される第二部分123bを回転子SFに掛けられた状態とする。その後、本実施形態の制御部CONTは、回転子SFの回転方向θZに基づき設定される駆動側に配置される第一部分123aを回転子SFに掛けられた状態とすることにより、ベルト部123と回転子SFとの間を回転力伝達状態とする。
【0070】
また、駆動部AC及び伝達部BTによるリリース動作において、本実施形態の制御部CONTは、第一実施形態と同様、最初に、ベルト部23が回転子SFに掛けられている状態で、回転子SFの回転方向θZに基づき設定される反駆動側に配置される第二部分23bを回転子SFから外れた状態とする。その後、本実施形態の制御部CONTは、回転子SFの回転方向θZに基づき設定される駆動側に配置される第一部分23aを回転子SFから外れた状態とすることにより、ベルト部23と回転子SFとの間の回転力伝達状態を解消する。
【0071】
また、第二駆動部AC2及び第二伝達部BT2によるリリース動作においても同様に、本実施形態の制御部CONTは、最初に、ベルト部123が回転子SFに掛けられている状態で、回転子SFの回転方向θZに基づき設定される反駆動側に配置される第二部分123bを回転子SFから外れた状態とする。その後、本実施形態の制御部CONTは、回転子SFの回転方向θZに基づき設定される駆動側に配置される第一部分123aを回転子SFから外れた状態とすることにより、ベルト部123と回転子SFとの間の回転力伝達状態を解消する。
【0072】
以上のように、本実施形態のモータ装置MTR2は、伝達部BTと駆動部ACとの組(ユニット)が複数設けられており、制御部CONTが、駆動部ACに回転動作を行わせた後、伝達部BTが回転子SFに対して回転力伝達状態となっている間に、第二駆動部AC2に対してエンゲージ動作を行わせるので、回転子SFに対して連続的に回転力を伝達することができる。
【0073】
また、本実施形態のモータ装置MTR2は、第二駆動部AC2に対してエンゲージ動作を行わせた後、駆動部ACに対してリリース動作を行わせ、駆動部ACに対してリリース動作を行わせた後、第二駆動部AC2に対してドライブ動作を行わせることとしたので、回転子SFに対して連続的に回転力を伝達することができる。
【0074】
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について説明する。
本実施形態においては、回転子SFに作用する駆動トルクに基づいて、エンゲージ動作及びリリース動作を行う場合を例に挙げて説明する。
【0075】
なお、駆動トルクは、回転子SFが回転する場合に発生するトルクである。例えば、駆動トルクは、加速トルク(加減速トルク)と負荷トルクとの和で表される。すなわち、
(駆動トルク)=(加速トルク)+(負荷トルク)
である。
【0076】
また、加速トルクは、回転子SFの慣性モーメントと角加速度との積で表される。すなわち、
(加速トルク)=(慣性モーメント)×(角加速度)
である。
負荷トルクは、回転子SFにかかる負荷である。
【0077】
図14〜図18は、本実施形態におけるモータ装置MTRの動作を模式的に示す図である。なお、モータ装置MTRの構成については、上記実施形態と同一の構成である。また、各図において、負荷トルクについては、回転子SFの一端から重量物をぶら下げた状態(回転子SFの一端から負荷を付与した状態)で模式的に示している。したがって、負荷トルクの向きは、回転子SFの一端において、重量物をぶら下げた方向とは反対方向(例、図14のX方向)である。
【0078】
まず、図14及び図15を参照して、加速トルクの向きと負荷トルクの向きとが等しい場合のモータ装置MTRの動作を説明する。
加速トルクの向きと負荷トルクの向きとが等しい場合、制御部CONTは、第一部分23aを駆動側とし、第二部分23bを反駆動側とする。
【0079】
エンゲージ動作を行わせる場合、制御部CONTは、図14(a)に示すように、まず駆動側である第一部分23aが回転子SFに掛けられていない状態で、反駆動側である第二部分23bを回転子SFに掛けられた状態とする。その後、図14(b)に示すように、第一部分23aを回転子SFに掛けられた状態とすることにより、ベルト部23と回転子SFとの間を回転力伝達状態とする。
【0080】
また、リリース動作を行わせる場合には、図15(a)に示すように、まずベルト部23が回転子SFに掛けられている状態で、反駆動側である第二部分23bを回転子SFから外れた状態とする。その後、図15(b)に示すように、駆動側である第一部分23aを回転子SFから外れた状態とすることにより、ベルト部23と回転子SFとの間の回転力伝達状態を解消する。
【0081】
次に、加速トルクの向きと負荷トルクの向きとが反対である場合のモータ装置MTRの動作を説明する。
加速トルクの向きと負荷トルクの向きとが反対である場合、回転子SFの角加速度(図中、θツードットで示す)と負荷による加速度(図中gで示す)との大小関係に応じてモータ装置MTRの動作が異なる。
【0082】
まず、図16及び図17を参照して、加速トルクの向きと負荷トルクの向きとが反対であって、回転子SFの角加速度(図中、θツードットで示す)が負荷による加速度(図中gで示す)以下の場合のモータ装置MTRの動作を説明する。
【0083】
加速トルクの向きと負荷トルクの向きとが反対であって、回転子SFの角加速度が負荷による加速度以下の場合、制御部CONTは、第一部分23aを駆動側とし、第二部分23bを反駆動側とする。
【0084】
この状態で、エンゲージ動作を行わせる場合、制御部CONTは、図16(a)に示すように、まず駆動側である第一部分23aが回転子SFに掛けられていない状態で、反駆動側である第二部分23bを回転子SFに掛けられた状態とする。その後、図16(b)に示すように、第一部分23aを回転子SFに掛けられた状態とすることにより、ベルト部23と回転子SFとの間を回転力伝達状態とする。
【0085】
また、リリース動作を行わせる場合には、図17(a)に示すように、まずベルト部23が回転子SFに掛けられている状態で、反駆動側である第二部分23bを回転子SFから外れた状態とする。その後、図17(b)に示すように、駆動側である第一部分23aを回転子SFから外れた状態とすることにより、ベルト部23と回転子SFとの間の回転力伝達状態を解消する。
【0086】
次に、図18及び図19を参照して、加速トルクの向きと負荷トルクの向きとが反対であって、回転子SFの角加速度(図中、θツードットで示す)が負荷による加速度(図中gで示す)より大きいの場合のモータ装置MTRの動作を説明する。
【0087】
加速トルクの向きと負荷トルクの向きとが反対であって、回転子SFの角加速度が負荷による加速度より大きい場合、制御部CONTは、第二部分23bを駆動側とし、第一部分23aを反駆動側とする。
【0088】
この状態で、エンゲージ動作を行わせる場合、制御部CONTは、図18(a)に示すように、まず駆動側である第二部分23bが回転子SFに掛けられていない状態で、反駆動側である第一部分23aを回転子SFに掛けられた状態とする。その後、図18(b)に示すように、第二部分23bを回転子SFに掛けられた状態とすることにより、ベルト部23と回転子SFとの間を回転力伝達状態とする。
【0089】
また、リリース動作を行わせる場合には、図19(a)に示すように、まずベルト部23が回転子SFに掛けられている状態で、反駆動側である第一部分23aを回転子SFから外れた状態とする。その後、図19(b)に示すように、駆動側である第二部分23bを回転子SFから外れた状態とすることにより、ベルト部23と回転子SFとの間の回転力伝達状態を解消する。
【0090】
以上のように、本実施形態のモータ装置MTRは、第一部分23a及び第二部分23bのうち駆動側と反駆動側とを駆動トルクを用いて決定し、エンゲージ動作及びリリース動作を行うこととしたので、回転子SFへの外乱を低減できることによって回転子SFの回転効率を高められ、高トルクを発生させることができる。また、本実施形態のモータ装置MTRは、回転子SFの回転動作をより滑らかにすることが可能となる。
【0091】
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態について説明する。
図20は、上記実施形態のいずれかに記載のモータ装置MTRを備えるロボット装置RBTの一部(例、指部分の先端)の構成を示す図である。なお、上記実施形態に記載のモータ装置MTRは、ロボット装置RBTのアーム部を駆動する駆動部として用いてもよい。
【0092】
同図に示すように、ロボット装置RBTは、末節部101、中節部102及び関節部103を有しており、末節部101と中節部102とが関節部103を介して接続された構成になっている。関節部103には軸支持部103a及び軸部103bが設けられている。軸支持部103aは中節部102に固定されている。軸部103bは、軸支持部103aによって固定された状態で支持されている。
【0093】
末節部101は、接続部101a及び歯車101bを有している。接続部101aには、関節部103の軸部103bが貫通した状態になっており、当該軸部103bを回転軸として末節部101が回転可能になっている。この歯車101bは、接続部101aに固定されたベベルギアである。接続部101aは、歯車101bと一体的に回転するようになっている。
【0094】
中節部102は、筐体102a及び駆動装置ACTを有している。駆動装置ACTは、上記実施形態に記載のモータ装置MTR及びモータ装置MTR2を用いることができる。駆動装置ACTは、筐体102a内に設けられている。駆動装置ACTには、回転軸部材104aが取り付けられている。回転軸部材104aの先端には、歯車104bが設けられている。この歯車104bは、回転軸部材104aに固定されたベベルギアである。歯車104bは、上記の歯車101bとの間で噛み合った状態になっている。
【0095】
上記のように構成されたロボット装置RBTは、駆動装置ACTの駆動によって回転軸部材104aが回転し、当該回転軸部材104aと一体的に歯車104bが回転する。
歯車104bの回転は、当該歯車104bと噛み合った歯車101bに伝達され、歯車101bが回転する。当該歯車101bが回転することで接続部101aも回転し、これにより末節部101が軸部103bを中心に回転する。
【0096】
このように、本実施形態によれば、回転効率を高めることができる駆動装置ACTを搭載することにより、低速高トルクの回転を出力することができる。これにより、例えば減速器を用いることなく直接末節部101を回転させることができる。また、本実施形態の駆動装置ACTを非共振に駆動される構成にした場合、駆動装置ACTは樹脂など軽量な材料で大部分を構成することが可能になる。また、ロボット装置RBTとしては、産業用に用いられるアームロボットやハンドロボットであってもよく、サービスロボットに用いられるロボットでもよい。
【0097】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
上記実施形態では、モータ装置MTRのエンゲージ動作及びリリース動作において、第一端部21及び第二端部22のうち一方の移動が完了した後に他方の移動を開始する態様を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。
【0098】
図21は、モータ装置MTRの動作時において駆動素子31及び32に印加される電圧の時間変化を示すグラフである。図21の縦軸は電圧の値(単位V:ボルト)を示している。図21の横軸は、時刻を示している。
【0099】
図21に示すように、エンゲージ動作を行う際、時刻t1から時刻t3にかけて駆動素子32の電圧が増加する途中、例えば時刻t2において、駆動素子31の電圧の増加を開始させるようにしても構わない。また、リリース動作を行う際、時刻t4において駆動素子31の電圧及び駆動素子32の電圧の両方の電圧を低下させ始めるようにしても構わない。この場合、駆動素子31と駆動素子32との間で、単位時間当たりに低下させる電圧を等しくすることにより、時刻t4において50Vであった駆動素子32の電圧については時刻t5に0となり、時刻t4において100Vであった駆動素子31の電圧については時刻t6に0となる。
【0100】
このように、エンゲージ動作及びリリース動作において、「第二端部22の移動の後」は、「第二端部22の移動が開始された後」という意味を含んでいる。したがって、例えば、制御部CONTは、反駆動側の第二端部22の移動が開始された後であれば、どのタイミングで駆動側の第一端部21を移動させても構わない。
【0101】
また、上記実施形態においては、回転子SFの外周面にベルト部23を掛けた状態として回転子SFを回転させる構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、円筒状の回転軸の内周面にベルトを接触させた状態として回転軸を回転させる構成であっても構わない。また、上記実施形態における制御部CONTは、駆動素子31及び駆動素子32の伸長によって各動作(例、エンゲージ動作、ドライブ動作及びリリース動作)を行わせるようにしてもよい。従って、本実施形態における制御部CONTは、駆動素子31及び駆動素子32の伸縮によって各動作を行わせる。
【符号の説明】
【0102】
MTR、MTR2…モータ装置 BS…ベース部 SF…回転子 AC…駆動部 BT…伝達部 CONT…制御部 C…中心軸 RBT…ロボット装置 ACT…駆動装置 AC2…第二駆動部 BT2…第二伝達部 21、121…第一端部 22、122…第二端部 23、123…ベルト部 23a、123a…第一部分 23b、123b…第二部分 31、32、131、132…駆動素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転子と、
前記回転子の周面の少なくとも一部に掛けられる伝達部と、
前記伝達部のうち少なくとも第一部分及び第二部分を移動させる駆動部と、
前記第一部分を前記第二部分より後に前記回転子の周面に掛けられた状態にすることによって前記伝達部と前記回転子との間を回転力伝達状態とする準備動作、前記伝達部と前記回転子との間を前記回転力伝達状態としたまま前記伝達部を一定距離移動させる回転動作、及び、前記回転力伝達状態を解消させて前記伝達部を所定の位置に戻す復帰動作、を前記駆動部に行わせる制御部と
を備えるモータ装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記復帰動作を行わせる場合に、前記第一部分を前記第二部分より後に前記回転子の周面に掛けられていない状態にすることによって前記回転力伝達状態を解消させる
請求項1に記載のモータ装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記準備動作を行わせる場合に、前記第一部分が前記回転子の周面に掛けられていない状態で前記第二部分を移動させて少なくとも前記第二部分の一部を前記回転子の周面に掛けられた状態にすることと、少なくとも前記第二部分の一部の移動の後に前記第一部分を移動させて少なくとも前記第一部分の一部を前記回転子の周面に掛けられた状態にすることと、によって前記回転力伝達状態とする
請求項1又は請求項2に記載のモータ装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記復帰動作を行わせる場合に、前記第一部分が前記回転子の周面に掛けられた状態で前記第二部分を移動させて少なくとも前記第二部分の一部を前記回転子の周面に掛けられていない状態にすることと、少なくとも前記第二部分の一部の移動の後に前記第一部分を移動させて少なくとも前記第一部分の一部を前記回転子の周面に掛けられていない状態にすることと、によって前記回転力伝達状態を解消させる
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項5】
前記伝達部と前記駆動部との組は、複数設けられている、
請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項6】
前記制御部は、第一組に係る前記駆動部が前記回転動作又は前記復帰動作を行っている間に、第二組に係る前記駆動部に対して前記準備動作を行わせる
請求項5に記載のモータ装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記回転子の回転状態に基づいて前記第一部分及び前記第二部分を設定する
請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項8】
前記第一部分は、前記回転子にトルクを伝達する駆動側であり、
前記第二部分は、前記駆動側に対応して設けられる反駆動側である
請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記回転子を回転させる回転方向に基づいて前記第一部分及び前記第二部分を設定する
請求項1から請求項8のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項10】
前記回転子の前記回転方向を検出する回転方向検出部を備え、
前記制御部は、前記回転方向検出部の検出結果に応じて前記駆動部を制御する
請求項9に記載のモータ装置。
【請求項11】
前記制御部は、回転時の前記回転子に発生する駆動トルクに応じて前記第一部分及び前記第二部分を設定する
請求項1から請求項10のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記回転動作を行わせる場合に、前記第一部分の移動と前記第二部分の移動とを同期させる
請求項1から請求項11のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項13】
前記駆動部は、少なくとも2つの駆動素子を備え、
前記制御部は、少なくとも前記回転動作において、前記少なくとも2つの駆動素子を協働的に駆動させることによって、前記伝達部を介して前記回転子を回転させる
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項14】
前記制御部は、少なくとも前記回転動作において、前記回転子に対する前記伝達部の接触状態を調整することによって、前記回転子を回転させる
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のモータ装置。
【請求項15】
回転子と、
前記回転子の周面の少なくとも一部に掛けられる伝達部と、
前記伝達部のうち少なくとも第一部分及び第二部分を移動させる駆動部と、
前記伝達部と前記回転子との間を回転力伝達状態とする準備動作、前記伝達部と前記回転子との間を前記回転力伝達状態としたまま前記伝達部を一定距離移動させる回転動作、及び、前記第一部分を前記第二部分より後に前記回転子の周面に掛けられていない状態にすることによって前記伝達部と前記回転子との間の前記回転力伝達状態を解消させて前記伝達部を所定の位置に戻す復帰動作、を前記駆動部に行わせる制御部と
を備えるモータ装置。
【請求項16】
回転子と、
前記回転子の周面の少なくとも一部に掛けられる伝達部と、
前記伝達部のうち少なくとも第一部分及び第二部分を移動させる駆動部と
を備えるモータ装置を駆動する駆動制御装置であって、
前記第一部分を前記第二部分より後に前記回転子の周面に掛けられた状態にすることによって前記伝達部と前記回転子との間を回転力伝達状態とする準備動作、前記伝達部と前記回転子との間を前記回転力伝達状態としたまま前記伝達部を一定距離移動させる回転動作、及び、前記回転力伝達状態を解消させて前記伝達部を所定の位置に戻す復帰動作、を前記駆動部に行わせる制御部を備える
駆動制御装置。
【請求項17】
回転子と、
前記回転子の周面の少なくとも一部に掛けられる伝達部と、
前記伝達部のうち少なくとも第一部分及び第二部分を移動させる駆動部と
を備えるモータ装置を駆動する駆動制御装置であって、
前記伝達部と前記回転子との間を回転力伝達状態とする準備動作、前記伝達部と前記回転子との間を前記回転力伝達状態としたまま前記伝達部を一定距離移動させる回転動作、及び、前記第一部分を前記第二部分より後に前記回転子の周面に掛けられていない状態にすることによって前記伝達部と前記回転子との間の前記回転力伝達状態を解消させて前記伝達部を所定の位置に戻す復帰動作、を前記駆動部に行わせる制御部を備える
駆動制御装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記回転子の回転状態に基づいて前記第一部分及び前記第二部分を設定する
請求項16又は請求項17に記載の駆動制御装置。
【請求項19】
前記第一部分は、前記回転子にトルクを伝達する駆動側であり、
前記第二部分は、前記駆動側に対応して設けられる反駆動側である
請求項16から請求項18のうちいずれか一項に記載の駆動制御装置。
【請求項20】
前記制御部は、回転時の前記回転子に発生する駆動トルクに応じて前記第一部分及び前記第二部分を設定する
請求項16から請求項19のうちいずれか一項に記載の駆動制御装置。
【請求項21】
回転子の周面の少なくとも一部に対して伝達部のうち少なくとも第一部分及び第二部分が掛けられる回転子の駆動方法であって、
前記第一部分を前記第二部分より後に前記回転子の周面に掛けられた状態にすることによって前記伝達部と前記回転子との間を回転力伝達状態とする準備ステップと、
前記伝達部と前記回転子との間を前記回転力伝達状態としたまま前記伝達部を一定距離移動させる回転ステップと、
前記回転力伝達状態を解消させて前記伝達部を所定の位置に戻す復帰ステップと
を有する回転子の駆動方法。
【請求項22】
回転子の周面の少なくとも一部に対して伝達部のうち少なくとも第一部分及び第二部分が掛けられる回転子の駆動方法であって、
前記伝達部と前記回転子との間を回転力伝達状態とする準備ステップと、
前記伝達部と前記回転子との間を前記回転力伝達状態としたまま前記伝達部を一定距離移動させる回転ステップと、
前記第一部分を前記第二部分より後に前記回転子の周面に掛けられていない状態にすることによって前記回転力伝達状態を解消させて前記伝達部を所定の位置に戻す復帰ステップと
を有する回転子の駆動方法。
【請求項23】
前記第一部分は、前記回転子にトルクを伝達する駆動側であり、
前記第二部分は、前記駆動側に対応して設けられる反駆動側である
請求項21又は請求項22に記載の回転子の駆動方法。
【請求項24】
前記回転ステップは、前記回転子に対する前記伝達部の接触状態を調整することによって前記回転子を回転させること、を含む
請求項21から請求項23のうちいずれか一項に記載の回転子の駆動方法。
【請求項25】
請求項16から請求項20のうちいずれか一項に記載の駆動制御装置を備える
ロボット装置。
【請求項26】
回転軸部材と、
前記回転軸部材を回転させるモータ装置と
を備え、
前記モータ装置として、請求項1から請求項15のうちいずれか一項に記載のモータ装置が用いられている
ロボット装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−70447(P2013−70447A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205053(P2011−205053)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】