説明

モード間の関心領域ビデオオブジェクトセグメンテーション

開示は、ビデオシーケンスからの関心領域(ROI)ビデオオブジェクトの自動セグメンテーションのための技術に関する。ROIオブジェクトセグメンテーションは、ビューアにとって関心あるものであり得るビデオシーケンスの選択された前景オブジェクト、すなわち「前傾」オブジェクトが、ビデオシーケンスの非ROIオブジェクト、すなわち「背景」範囲から抽出されることを可能にする。ROIオブジェクトの例は、人の顔または頭、および人体の肩の範囲である。開示された技術は、ROI特徴検出と、領域セグメンテーションと、背景減算とを組み合わせる混成技術を含む。ROI検出は、移動前景領域とビデオシーケンス内のこれまでのビデオフレームの前景領域とに対応するフレームの組み合わされた前景領域を使用する。このようにして、開示された技術は、正確な前景オブジェクト生成と、ビデオシーケンスからの前景オブジェクトの低複雑性の抽出とを提供することができる。ROIオブジェクトセグメンテーションシステムは、本明細書で説明される技術を実施することができる。加えて、ROIオブジェクトセグメンテーションは、ビデオ電話アプリケーションおよびビデオ監視アプリケーションなど、ビデオシーケンスを利用する幅広いマルチメディアアプリケーションで有用であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ビデオオブジェクト(video object)セグメンテーションに関し、より詳細には、マルチメディアアプリケーションのためのビデオシーケンスからの関心領域(ROI)ビデオオブジェクトの自動セグメンテーションのための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自動関心領域(ROI)ビデオオブジェクトセグメンテーションは、ビデオシーケンスを利用する幅広いマルチメディアアプリケーションにとって有用であり得る。ROIオブジェクトは、ビデオフレーム内の「前景」オブジェクトと呼ばれる場合があり、非ROI範囲は、ビデオフレーム内の「背景」範囲と呼ばれる場合がある。ROIオブジェクトセグメンテーションは、ビューアにとって関心あるものであり得るビデオシーケンスの選択された前景オブジェクトがビデオシーケンスの背景から抽出されることを可能にする。マルチメディアアプリケーションは、その場合、ビデオシーケンスからセグメンテーションされたROIオブジェクトを優先的に利用することができる。ROIオブジェクトの典型的な例は、人の顔または頭、および人体の肩の範囲である。
【0003】
例えば、ビデオ監視アプリケーションでは、捕捉されたビデオシーケンスからセグメンテーションされたROIオブジェクトは、顔のデータベースシステム内へのインプットであり得る。顔のデータベースシステムは、データベース内に記憶された目標顔オブジェクトに正確に整合させるために、セグメンテーションされたROIオブジェクト(例えば、人の顔)を使用することができる。警察は、監視ビデオシーケンスから容疑者を識別するために、ROIオブジェクトセグメンテーションのこの応用例を利用することができる。
【0004】
もう1つの例として、ビデオ電話(VT)アプリケーションでは、捕捉されたビデオシーケンスからセグメンテーションされたROIオブジェクトは、ビデオシーケンス符号器内へのインプットであり得る。ビデオシーケンス符号器は、受信者への伝送のために、より高い品質を用いてROIを符号化する目的で、より多くのリソースをセグメンテーションされたROIオブジェクトに割り当てることが可能である。VTアプリケーションは、テレビ会議などのアプリケーションをサポートするために、ユーザがビデオおよび音声の情報を共有することを可能にする。VTシステムでは、ユーザはビデオ情報を送ることおよび受信すること、単にビデオ情報を受信すること、または単にビデオ情報を送ることが可能である。受信者は、一般に、送信者から送信された形式で受信されたビデオ情報を閲覧する。セグメンテーションされたROIオブジェクトの優先的な符号化により、受信者は、ビデオシーケンスの非ROI範囲よりも、より明確にROIオブジェクトを閲覧することが可能である。
【0005】
その他の例は、人物が、生放送もしくは事前記録されたニュース放送または娯楽放送など、情報ビデオを提示するビデオ放送アプリケーションを含む。かかるアプリケーションでは、取材記者またはトークショーの司会者など、司会者の顔に対応するROIオブジェクトを優先的に符号化することが所望される可能性がある。
【0006】
自動ROIオブジェクトセグメンテーションは、一般に、動作(motion)分析、動作セグメンテーション、および領域セグメンテーションに重点を置く。1つの事例では、統計的なモデルベースのオブジェクトセグメンテーションアルゴリズムは、ROIオブジェクトをブラブベースの統計的な領域モデルと形状モデルとに切り離す(abstracts)。したがって、ROIオブジェクトセグメンテーション問題は、モデル検出およびトラッキング問題に変換され得る。もう1つの事例では、前景オブジェクトは、ステレオカメラセットアップからの2つのビューの間の不整合推定に基づいて、ビデオフレームから抽出されることが可能である。別の事例は、領域ベースのセグメンテーション手法および特徴ベースのセグメンテーション手法の両方を含むROIオブジェクトセグメンテーションアルゴリズムを提案する。アルゴリズムは、動作、色、およびテクスチャの特徴に関して同種のオブジェクト領域を表すために領域記述子を使用して、ビデオシーケンスの全域でそれらの領域記述子を追跡する。
【発明の開示】
【発明の概要】
【0007】
本開示は、ビデオシーケンスからの関心領域(ROI)ビデオオブジェクトの自動セグメンテーションのための技術に関する。ROIオブジェクトセグメンテーションは、ビデオシーケンスの非ROI、すなわち「背景」範囲から、ビデオシーケンスの選択されたROI、すなわち「前景」オブジェクトが抽出されることを可能にする。ROIオブジェクトの例は、人の顔または頭、および人体の肩の範囲である。開示された技術は、ROI特徴検出と、領域セグメンテーションと、背景減算とを組み合わせる混成技術を含む。このようにして、開示された技術は、正確な前景オブジェクトの生成と、ビデオシーケンスからの前景オブジェクトの低複雑性の抽出とを提供することができる。
【0008】
開示された技術はまた、対称位置特性および形状特性など、顔の特徴の固有の属性に基づいて、ビデオシーケンスのビデオフレーム内で検出された顔の特徴の検証のための技術も含む。加えて、開示された技術は、ビデオシーケンスのビデオフレーム内の複数の個々の顔に関して検出された顔の特徴の分離のための技術を含む。本明細書で説明されるように、複数の顔の分離技術は、計算処理上の複雑性を指数関数的なものから多項式的なものに低減する最大整合方式問題(maximum matching scheme problem)にマップされ得る。このようにして、これらの技術は、ビデオシーケンスのフレーム内の各顔に関して正確な特徴検出を提供する。
【0009】
ROIオブジェクトセグメンテーションシステムは、例えば、本明細書で説明される技術を実施することができる。ROIオブジェクトセグメンテーションシステムは、モード内セグメンテーションとモード間セグメンテーションとをサポートする。モード内セグメンテーションは、ROIオブジェクト動作情報を使用せずに、ビデオシーケンス内のその他のフレームから独立してビデオシーケンスのフレームを処理する。モード間セグメンテーションは、現在のフレームとビデオシーケンスのこれまでのフレームまたは後続のフレームとの間の動作を表示するROIオブジェクトに関する動作情報に基づいて、ビデオ気シーケンスのフレームを処理する。ROIオブジェクトセグメンテーションシステムは、1つまたは複数のセグメンテーションモード決定係数に基づいて、受信されたフレームに対して、モード内セグメンテーションを実行するか、またはモード間セグメンテーションを実行するかを決定することができる。
【0010】
開示された技術は、フレーム全体内の候補領域のセットから、ROIオブジェクト形状内に配置されたビデオフレームの定義された領域を自動的に選択することによって、モード内セグメンテーションの間の前景オブジェクトの生成のための技術をさらに含む。開示された技術はまた、背景モデル形成と減算とに基づいて、モード間セグメンテーションの間、前景オブジェクト内の移動領域を検出するための技術も含む。移動前景領域を首尾よく検出することは、モード間セグメンテーションの間、ROI特徴検出の性能速度を改善する可能性がある。
【0011】
一実施形態では、開示は、ビデオシーケンスのビデオフレームを受信することと、ビデオシーケンス内の異なるビデオフレームに対する移動を表す、ビデオフレームの移動前景領域を識別することと、移動前景領域と異なるビデオフレームの前景領域とに対応する、ビデオフレームの組み合わされた前景領域内の関心領域(ROI)特徴を検出することと、検出されたROI特徴に基づいて、ビデオフレーム内のROIオブジェクトの形状を概算することとを備える方法を提供する。
【0012】
もう1つの実施形態では、開示は、プログラム可能プロセッサに、ビデオシーケンスのビデオフレームを受信させ、ビデオシーケンス内の異なるビデオフレームに対する移動を表す、ビデオフレームの移動前景領域を識別させ、移動前景領域と異なるビデオフレームの前景領域とに対応する、ビデオフレームの組み合わされた前景領域内の関心領域(ROI)特徴を検出させ、検出されたROI特徴に基づいて、ビデオフレーム内のROIオブジェクトの形状を概算させる命令を備えるコンピュータ可読媒体を提供する。
【0013】
追加の実施形態では、開示は、ビデオシーケンス内のビデオフレームを受信し、ビデオシーケンス内の異なるビデオフレームに対する移動を表す、ビデオフレームの移動前景領域を識別し、移動前景領域と異なるビデオフレームの前景領域とに対応する、ビデオフレームの組み合わされた前景領域内の関心領域(ROI)特徴を検出し、検出されたROI特徴に基づいて、ビデオフレーム内のROIオブジェクトの形状を概算するようにプログラムされたプロセッサを備えるシステムを提供する。
【0014】
本明細書で説明される技術は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実施され得る。ソフトウェアで実施される場合、技術は、単一のプロセッサまたはプロセッサの任意の組合せを含めて、プログラム可能プロセッサによって実行された場合、本明細書で開示される方法の1つまたは複数を実行する命令を含むプログラムコードを備えるコンピュータ可読媒体によって一部実施され得る。
【0015】
1つまたは複数の実施形態の詳細は、添付の図面および下の説明で記載される。その他の特徴機能、オブジェクト、および利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【詳細な説明】
【0016】
図1は、ビデオシーケンスからのROIビデオオブジェクトの自動セグメンテーションのための技術を実施する関心領域(ROI)オブジェクトセグメンテーションシステム14を例示するブロック図である。ROIオブジェクトセグメンテーションは、ビデオ電話(VT)アプリケーションおよびビデオ監視アプリケーションなど、ビデオシーケンスを利用する幅広いマルチメディアアプリケーションで有用であり得る。
【0017】
例えば、ビデオ監視アプリケーションでは、捕捉されたビデオシーケンスからセグメンテーションされたROIオブジェクトは、顔のデータベースシステム内へのインプットであり得る。顔のデータベースシステムは、データベース内に記憶された目標顔オブジェクトに正確に整合させるために、セグメンテーションされたROIオブジェクト(例えば、人の顔)を使用することができる。
【0018】
もう1つの例として、VTアプリケーションでは、捕捉されたビデオシーケンスからセグメンテーションされたROIオブジェクトは、ビデオシーケンス符号器内へのインプットであり得る。ビデオシーケンス符号器は、受信者への伝送のために、より高い品質を用いてROIを符号化する目的で、セグメンテーションされたROIオブジェクトにより多くのリソースを割り当てることが可能である。
【0019】
その他の例は、人物が、生放送もしくは事前記録されたニュース放送または娯楽放送など、情報ビデオを提示するビデオ放送アプリケーションを含む。かかるアプリケーションでは、取材記者またはトークショーの司会者など、司会者の顔に対応するROIオブジェクトを優先的に符号化することが所望される可能性がある。
【0020】
図1で示されるように、システム14は、ビデオ源12からビデオシーケンスを受信する。ビデオ源12は、カメラなど、ビデオシーケンスを取得するビデオ捕捉装置、または事前記録されたビデオシーケンスを記憶するビデオアーカイブ(archive)であり得る。システム14は、受信されたビデオシーケンスからROIオブジェクトを自動的にセグメンテーションする。ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ROIオブジェクトセグメンテーション処理の間に、ビデオ源12から取得されたビデオシーケンスのビデオフレームをビデオメモリ16内に記憶する。ビデオシーケンスの各フレームが処理された後、システム14は、セグメンテーションされたビデオフレームの出力画像をマルチメディアアプリケーション18に送る。
【0021】
例えば、ROIオブジェクトは、人の顔または頭、および人体の肩の範囲を備え得る。ROIオブジェクトは、ビデオフレーム内の「前景」オブジェクトと呼ばれる場合があり、非ROI範囲は、ビデオフレーム内の「背景」範囲と呼ばれる場合がある。ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、マルチメディアアプリケーション18のユーザにとって関心あるものであり得るビデオシーケンス内のフレームの1つまたは複数の選択された前景オブジェクトをビデオシーケンスの背景範囲から抽出する。マルチメディアアプリケーション18は、ビデオシーケンスからセグメンテーションされたROIオブジェクトを優先的に利用することができる。一実施形態では、マルチメディアアプリケーション18は、顔のデータベースシステムを組み込んだビデオ監視アプリケーションを備え得る。もう1つの実施形態では、マルチメディアアプリケーション18は、ROI動作可能にされたビデオ符号器・復号器(CODEC)を組み込んだ、ビデオ電話(VT)アプリケーションを備え得る。
【0022】
マルチメディアアプリケーション18が、ビデオ監視アプリケーションを備える実施形態では、捕捉されたビデオシーケンスからセグメンテーションされたROIオブジェクトは、顔のデータベースシステム内へのインプットであり得る。この場合、ビデオ源12は、監視カメラからの事前記録されたビデオシーケンスを記憶するビデオアーカイブであり得る。顔のデータベースシステムは、データベース内に記憶された目標顔オブジェクトに正確に整合させるために、セグメンテーションされたROIオブジェクト(例えば、人の顔)を使用することができる。警察は、監視ビデオシーケンスから容疑者を識別するために、顔のデータベースシステムを有するROIオブジェクトセグメンテーションシステム14を利用することができる。
【0023】
マルチメディアアプリケーション18がVTアプリケーションを備える実施形態では、捕捉されたビデオシーケンスからセグメンテーションされたROIオブジェクトは、ROI動作可能にされたビデオ符号器内へのインプットであり得る。VTアプリケーションは、テレビ会議などのアプリケーションをサポートするために、ユーザがビデオおよび音声の情報を共有することを可能にする。VTシステムでは、ユーザはビデオ情報を送ることおよび受信すること、単にビデオ情報を受信すること、または単にビデオ情報を送ることが可能である。この場合、ビデオ源12は、カメラなど、ビデオシーケンスを取得するビデオ捕捉装置であり得る。例えば、ビデオ源12は、もう1つの通信装置とビデオ電話に参加することが可能な通信装置内に含まれたビデオカメラを備え得る。
【0024】
ROI動作可能にされたビデオ符号器は、有線または無線の通信をサポートするために適切な送信電子工学、受信電信工学、モデム電信工学、および処理電子工学をさらに含む通信装置内に常駐し得る。例えば、ROI動作可能にされたビデオ符号器は、その他の端末と通信するために装備された無線移動体端末内または有線端末内に常駐し得る。無線移動体端末の例は、移動体無線電話、移動体パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、移動体コンピュータ、または無線通信能力とビデオ符号化能力および/または復号化能力とを備えたその他の移動体装置を含む。例えば、ROI動作可能にされたビデオ符号器は、VTアプリケーションで使用される、いわゆる、カメラ電話内またはビデオ電話内に常駐し得る。有線端末の例は、デスクトップコンピュータ、ビデオ電話、ネットワーク装置、セットトップボックス、インタラクティブテレビなどを含む。
【0025】
ROI動作可能にされたビデオ符号器は、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14から受信された出力画像内に含まれた、セグメンテーションされたROIオブジェクトを優先的に符号化することができる。例えば、ROI動作可能にされたビデオ符号器は、追加のコーディングビットをビデオフレームのROIオブジェクトに割り当て、減じられた数のコーディングビットをビデオフレームの非ROI領域に割り当てることができる。移動体アプリケーションでは、特に、ビデオフレームを符号化するために利用可能な符号化ビットの量は、少なく、かつ無線チャネル条件に従って変化する可能性がある。したがって、ROIオブジェクトへのコーディングビットの優先的な割当ては、適用可能なビットレート要件に効率的に準拠すると同時に、ROIオブジェクトの視覚的品質を改善するのに役立つ可能性がある。したがって、ROIオブジェクトの優先的な符号化により、受信者は、ビデオシーケンスの非ROI領域よりも、より明確にROIオブジェクトを閲覧することが可能である。符号化されたビデオフレームは、次いで、有線または無線の通信チャネル上でもう1つの通信装置に送信されることが可能である。
【0026】
上で説明されたように、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ビデオシーケンスからのROIビデオオブジェクトの自動セグメンテーションのための技術を実施することが可能である。開示された技術は、ビデオシーケンスのビデオフレーム内のROI特徴(すなわち、顔面および顔の特徴)を検出することと、ビデオフレームを複数の候補領域にセグメンテーションすることと、ビデオフレームおよびビデオシーケンスのこれまでのビデオフレームに基づいて、背景(非ROI)減算を実行することとを組み合わせる混成技術を含む。このようにして、開示された技術は、正確な前景(ROI)オブジェクトの生成と、ビデオシーケンス内のフレームからの前景オブジェクトの低複雑性の抽出とを提供することができる。
【0027】
開示された技術はまた、対称位置特性および形状特性など、顔の特徴の固有の属性に基づいて、ビデオシーケンスのビデオフレーム内で検出された顔の特徴の検証のための技術も含む。加えて、開示された技術は、ビデオシーケンスのビデオフレーム内の複数の個々の顔に関して検出された顔の特徴の分離のための技術を含む。本明細書で説明されるように、複数の顔の分離技術は、計算処理上の複雑性を指数関数的なものから多項式的なものに低減する最大整合方式問題にマップされ得る。このようにして、これらの技術は、低減された処理要件により、ビデオシーケンスのフレーム内の各顔に関して正確な特徴検出を提供する。
【0028】
ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、セグメンテーションの複数の(例えば、2つの)モード、すなわち、モード内とモード間とをサポートする。モード内セグメンテーションは、ビデオシーケンス内のその他のフレームから独立してビデオシーケンスのフレームを処理する。この場合、ROIオブジェクト動作情報は使用されない。モード内セグメンテーションは、第1の、高複雑性のセグメンテーションモードである。モード間セグメンテーションは、これまでのフレーム情報または後続のフレーム情報に基づいて、ビデオシーケンスのフレームを処理し、一般に、より低い複雑性のセグメンテーションモードである、第2の、低複雑性のセグメンテーションモードである。モード間セグメンテーションは、現在のフレームとビデオシーケンスの1つまたは複数のこれまでのフレームまたは後続のフレームの間のROIオブジェクトに関する動作情報を使用する。したがって、モード間セグメンテーションは、比較的低複雑性のセグメンテーションモードである。
【0029】
ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、1つまたは複数のセグメンテーションモード決定係数に基づいて、受信されたフレームに対して、モード内セグメンテーションを実行するか、またはモード間セグメンテーションを実行するかについて決定することができる。ビデオフレームに関する動作情報の参照を伴わないビデオフレームからのROIオブジェクトのセグメンテーション、すなわち、モード内セグメンテーションは、高複雑性のセグメンテーションモードが選択された場合に応用される。ビデオフレームおよびビデオシーケンスの異なるビデオフレームに関する動作情報に基づくビデオフレームからのROIオブジェクトのセグメンテーションは、低複雑性のセグメンテーションモードが選択された場合に応用される。
【0030】
開示された技術は、フレーム全体の候補領域のセットから、ROIオブジェクト形状内に配置されたビデオフレームの定義された領域を自動的に選択することによって、モード内セグメンテーションの間の前景オブジェクトの生成のための技術をさらに含む。開示された技術はまた、背景モデル形成と減算とに基づいて、モード間セグメンテーションの間、前景オブジェクト内の移動領域を検出するための技術も含む。移動前景領域を首尾よく検出することは、モード間セグメンテーションの間、ROI特徴検出の性能速度を改善する可能性がある。背景モデル形成および減算技術は、雑音と移動背景領域とに関して頑強である。技術はまた、計算処理上集中的な動作推定演算(computationally intensive motion estimation operations)を用いる移動オブジェクトセグメンテーション手法よりも、実質的により効率的である。
【0031】
モード内セグメンテーションの場合、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、まず、ビデオフレーム内の顔面を検出し、次いで、人の目および口など、顔面内の顔の特徴を検出する。システム14は、次いで、擬似の顔の特徴検出を除去するために、人の顔の特徴の幾何学的属性と形状特性とに基づいて特徴検証を実行する。その後、システム14は、フレームが2つ以上の人の顔を含むかどうかを判断して、検出された顔の特徴を個々の顔に関するグループに分離する。顔の特徴の幾何学的位置およびROI幾何モデルに基づいて、ROIオブジェクトが概算される。例えば、ROI幾何モデルは、人の頭および肩の幾何学モデルを備え得る。
【0032】
システム14は、候補領域のセットを生成するためにビデオフレームに対して領域増大(region growing)を実行する。システム14は、次いで、フレーム全体向けの候補領域のセットから、結果として生じるROIオブジェクト形状内に配置された領域を選択することによって前景オブジェクトを生成する。システム14は、次いで、2個以上の前景オブジェクトが存在するかどうかを判断して、出力画像向けの組み合わされた前景オブジェクトを形成するために、複数の前景オブジェクトを一緒に併合する。複数の前景オブジェクトを併合すると、適用可能である場合、システム14は、例えば、監視アプリケーションでの個人識別検出またはVTアプリケーションでの優先的な符号化のために、セグメンテーションされたフレームの出力画像をマルチメディアアプリケーション18に送る。
【0033】
モード間セグメンテーションの場合、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ビデオシーケンスの連続するビデオフレームの時間的相関性を活かすために、背景モデル形成および減算技術を使用する。このようにして、本明細書で説明される技術は、拡張された効率を提供する。システム14は、現在のフレームとこれまでのフレームの間のROIオブジェクト内の移動画素を前景画素として分類する。システム14は、次いで、前景画素に基づいて、移動前景領域を生成する。システム14は、次いで、移動前景領域内のROI特徴と、これまでのフレーム内の顔面および顔の特徴位置とを検出することができる。このようにして、システム14は、ビデオシーケンスの各フレームのための領域セグメンテーションを実行することの計算処理上の複雑性を低減する。システム14は、次いで、出力画像に移動前景領域をこれまでのフレームの前景オブジェクトと併合し、セグメンテーションされたフレームの出力画像をマルチメディアアプリケーション18に送る。
【0034】
ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実施され得る。例えば、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14の様々な態様は、1つまたは複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロプロセッサ、特定アプリケーション向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラム可能な論理アレイ(FPGA)、または任意のその他の等価の集積論理回路または離散的論理回路、ならびにかかる成分の任意の組合せの範囲内で実施され得る。用語「プロセッサ」は、一般に、単独でまたはその他の論理回路との組合せで、前述の論理回路のいずれかを指す場合があり、かかるプロセッサの1つまたは複数を指す場合がある。ソフトウェアで実施された場合、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14に帰される機能性は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気的に消去可能でプログラム可能な読取り専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory)(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気媒体、光媒体など、コンピュータ可読媒体上の命令として実施され得る。命令は、本開示で説明される機能性の1つまたは複数の態様をサポートするために実行される。
【0035】
図2Aおよび2Bは、ビデオシーケンスのビデオフレーム22内のROIオブジェクト24および非ROI領域25の定義を例示するブロック図である。図2Bの例では、ROIオブジェクトは頭および肩のROIオブジェクト24として示される。その他の実施形態では、ROIオブジェクトは、長方形のROIオブジェクトまたは曲線的なもしくは不規則な形状を有する可能性がある非長方形のROIオブジェクトを備え得る。ROIオブジェクト24は、ビデオフレーム22内に提示された人物の顔26を含む。非ROI領域25、すなわち、背景は、図2Bで影によって強調表示される。
【0036】
ROIオブジェクト24は、図1からのROIオブジェクトセグメンテーションシステム14によってビデオシーケンスから自動的にセグメンテーションされることが可能である。VTアプリケーションの場合、通信装置は、ROI動作可能にされた符号器を用いてROIオブジェクト24を優先的に符号化することができる。その場合、ROIオブジェクト24は、テレビ会議の参加者の顔26を含む、ビデオフレーム22の部分を包括し得る。その他の例は、ストリーミングビデオ(例えば、情報ビデオまたはニュース放送もしくは娯楽放送)内の情報を提示する人物の顔を優先的に符号化することを含む。ROIオブジェクト24のサイズ、形状、および位置は、固定され得、または調整可能であり得、様々な方法で定義、説明または調整され得る。
【0037】
ROIオブジェクト24は、ビデオの送信者が、人物の顔26など、送信されたビデオフレーム22内の個々のオブジェクトを強調することを可能にする。逆に、ROIオブジェクト24は、ビデオの受信者が、受信されたビデオフレーム22内の所望されるオブジェクトをより明確に閲覧することを可能にする。いずれの場合も、ROIオブジェクト24内の顔26は、ビデオフレーム22の背景領域など、非ROI領域25に対してより高い画像品質で符号化される。このようにして、ユーザは顔の表情、唇の動き、目の動きなどをより明確に閲覧することができる。いくつかの実施形態では、ROIオブジェクトはまた、追加のコーディングビットだけでなく、拡張された擬似検出および耐障害性(resiliency)も用いて符号化されることも可能である。
【0038】
図3は、ビデオシーケンスのROIオブジェクト内に提示されたオブジェクトに関するオブジェクト移動/回転と、形状変形の変化を例示する。特に、図3のフレーム0および1内に描写された人物の頭は、その位置をかなり変える。図3の例では、人物の頭は、フレーム0に対してフレーム1内で傾いている。図4は、ビデオシーケンスのROIオブジェクト内の人物に関する顔の表情の変化を例示する。特に、フレーム0および1内に描写された人物の口は、かなり閉じた位置から大きく開いた位置に変化する。したがって、図3および4は、ビデオシーケンスのROIオブジェクトの大量の移動の事例を表す。
【0039】
図5Aは、図1からのROIオブジェクトセグメンテーションシステム14の例示的な動作を示す流れ図である。ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ビデオシーケンスからのROIオブジェクトの自動的セグメンテーションのための技術を実施する。上で説明されたように、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ビデオシーケンスを処理するために、モード内セグメンテーションおよびモード間セグメンテーションの両方をサポートする。
【0040】
ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ビデオ源12からビデオシーケンスの第1のフレームを受信する(30)。ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、受信されたフレームに対してモード内セグメンテーションを実行する(32)。モード内セグメンテーションは、ビデオシーケンス内のその他のフレームから独立してビデオシーケンスの現在のフレームを処理する。モード内セグメンテーションの場合、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ROIオブジェクト移動情報を使用しない。モード内セグメンテーションを実行する間、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ビデオシーケンスの受信されたフレームをビデオメモリ16内に記憶する。ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、次いで、セグメンテーションされたフレームの出力画像をマルチメディアアプリケーション18に送る(34)。
【0041】
ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ビデオ源12からビデオシーケンスの次のフレームを受信する(36)。システム14は、次いで、受信されたフレームに対して、モード内セグメンテーションを実行するか、またはモード間セグメンテーションを実行するかを判断するために、モード決定を行う(37)。モード決定は、1つまたは複数のセグメンテーションモード決定係数に基づくことが可能である。例えば、システム14は、受信されたフレームの計算処理上の複雑性、受信されたフレームのためのセグメンテーションの所望される品質、受信されたフレームとこれまでのフレームの間の類似性の量、受信されたフレームとこれまでのフレームの間の移動活動の量、これまでのフレームのために使用されたセグメンテーションモード、および最後のモード内処理以来、セグメンテーションされたフレームの数など、セグメンテーションモード決定係数に基づいて、どのセグメンテーションモードが受信されたフレームに対して実行されるかを決定することができる。その他の実施形態では、セグメンテーションモード決定は、追加のセグメンテーションモード決定計係数に基づくことが可能である。
【0042】
システム14がモード内セグメンテーションを実行しないことを決定する場合(37の「いいえ」ブランチ)、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、これまでのフレームに基づいて、受信されたフレームに対してモード間セグメンテーションを実行する(38)。この場合、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ビデオシーケンスのこれまでのフレームから(例えば、ビデオメモリ16から)動作情報を取り出して、動作情報を現在のフレームとこれまでのフレームの間のROIオブジェクトのために使用する。モード間セグメンテーションを実行する間、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ビデオシーケンスの受信されたフレームをビデオメモリ16内に記憶する。ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、次いで、セグメンテーションされたフレームの出力画像をマルチメディアアプリケーション18に送る(40)。
【0043】
ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、引き続きビデオ源12からビデオシーケンスのフレームを受信する。システム14がモード間セグメンテーションを実行することを決定した場合(37の「はい」ブランチ)、ROIセグメンテーションシステム14は、受信されたフレームに対してモード内セグメンテーションを再び実行する(32)。したがって、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ビデオ源12から受信されたビデオシーケンスのフレームのいくつかに対してモード内セグメンテーションを実行して、ビデオシーケンスのその他のフレームに対してモード間セグメンテーションを実行する。
【0044】
図5Bは、図5Aからのセグメンテーションモード決定(ステップ37)をより詳細に例示する流れ図である。ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、1つまたは複数のセグメンテーションモード決定係数に基づいてセグメンテーションモード決定を行うことができる。システム14は、受信されたフレームに対して実行するためのセグメンテーションのモードを決定するために、図5で例示されたステップの1つまたは複数を実行することができる。いくつかの実施形態では、システム14は、ステップを個々に実行すること、または任意の順序でステップの1つまたは複数を組み合わせることが可能である。その他の実施形態では、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、受信されたフレームに対してモード内セグメンテーションを実行するか、またはモード間セグメンテーションを実行するかを決定する場合、追加のセグメンテーションモード決定係数を考慮することができる。
【0045】
システム14は、受信されたフレームの計算処理上の複雑性を決定することができる(46)。例えば、システム14は、受信されたフレーム内に含まれたROI特徴候補の数を決定するために受信されたフレームを調査することができる。フレームが大量のROI特徴を含む場合、受信されたフレームは、モード間セグメンテーション処理がフレームからROIオブジェクトを正確にセグメンテーションするにはあまりにも複雑すぎる可能性がある。したがって、システム14は、高複雑性のビデオフレームを処理するために計算処理上の複雑性が所定のレベルより高い場合、モード内セグメンテーションを実行することを決定することができる。システム14はまた、最終利用者からセグメンテーションの所望される品質を決定することもできる(48)。例えば、ROIセグメンテーションシステム14を実施するビデオ通信装置の最終利用者が、受信されたビデオフレームに関して所定のレベルより高い品質のセグメンテーションを要求する場合、システム14は、受信されたフレームに対してモード内セグメンテーションを実行することができる。逆に、最終利用者が受信されたビデオフレームに関して所定のレベル未満の品質のセグメンテーションを要求する場合、システム14は、受信されたフレームに対してモード間セグメンテーションを実行することができる。
【0046】
加えて、システム14は、受信されたフレームとこれまでのフレームの間の類似性の量を決定することが可能である(50)。例えば、システム14は、2個のフレームのカラーヒストグラム間の類似性の量が所定のレベルより高いかどうかを判断するために、受信されたフレームをこれまでのフレームと比較することができる。2個のフレーム間の大きな色変化は、シーンの変化を表示する可能性がある。この場合、システム14は、受信されたフレーム内の潜在的な新しいROIオブジェクトをセグメンテーションするために、モード内セグメンテーションを実行することができる。カラーヒストグラムが2個のフレーム間で依然として実質的に類似する場合、システム14はモード間セグメンテーションを実行することができる。
【0047】
システム14は、受信されたフレームとこれまでのフレームの間の動作活動の量を決定することが可能である(52)。例えば、システム14は、フレーム内のROIオブジェクトの位置の間の移動量が所定のレベルより高いかどうかを判断するために、受信されたフレームをこれまでのフレームと比較することができる。ROIオブジェクトが、2個のフレーム内の実質的に異なる領域または位置を占有する場合、システム14は、モード内セグメンテーションを実行することができる。ROIオブジェクトが、2個のフレーム内の実質的に同じ領域または位置を占有する場合、システム14はモード間セグメンテーションを実行することができる。
【0048】
上のステップで、ビデオシーケンスのROIセグメンテーション処理は、任意の順序でビデオシーケンスのビデオフレームに対して実行される任意の数のモード内セグメンテーションと任意の数のモード間セグメンテーションとを含み得る。例えば、モード内セグメンテーションは0として表されることが可能であり、モード間セグメンテーションは1として表されることが可能である。例示的なビデオシーケンスセグメンテーションにおいて、フレームのセットのモード内セグメンテーション(0)およびモード間セグメンテーション状態(1)は、0011011110として表されることが可能である。この場合、セグメンテーションモード決定は、受信されたフレームの属性、または受信されたフレームとこれまでのフレームの間の属性に単に基づく。
【0049】
システム14はまた、これまでのフレームをセグメンテーションするために使用されたセグメンテーションモードに基づいて、受信されたフレームに対してどのセグメンテーションモードが実行されるかを判断することも可能である。システム14は、これまでのフレームがモード内処理によってセグメンテーションされたかどうかを判断することができる(54)。これまでのフレームがモード内処理によってセグメンテーションされた場合、システム14は、受信されたフレームをモード間処理によってセグメンテーションすることを決定することができる。このステップでは、ビデオシーケンスのROIセグメンテーション処理は、モード間セグメンテーションが常にモード内セグメンテーションに続くように、ビデオシーケンスのビデオフレームに対して実行される任意の数のモード内セグメンテーションと任意の数のモード間セグメンテーションとを含み得る。例示的なビデオシーケンスセグメンテーションにおいて、フレームのセットのモード内(0)およびモード間状態(1)は、0110111101として表されることが可能である。この場合、セグメンテーションモード決定は、これまでのフレームのセグメンテーションモードに単に基づく。
【0050】
さらに、システム14は、最後のモード内セグメンテーションされたフレーム以来、セグメンテーションされたフレームの数を決定することが可能である(56)。例えば、システム14は、N個のフレームごとになど、周期ベースでモード内セグメンテーションを実行することを決定することができる。場合によっては、第N番目のフレームは、第10番目のフレームを備える可能性がある。その他の実施形態では、Nは10個のフレーム以上または以下であり得る。このステップでは、ビデオシーケンスのROIセグメンテーション処理は、モード内セグメンテーションが周期的に実行されるように、ビデオシーケンスのビデオフレームに対して実行される任意の数のモード内セグメンテーションと任意の数のモード間セグメンテーションとを含み得る。例示的なビデオシーケンスセグメンテーションにおいて、フレームのセットのモード内(0)およびモード間状態(1)は、0111011101として表されることが可能である。この場合、セグメンテーションモード決定は、第4番目のフレームごとにモード内セグメンテーションを実行することに基づく。
【0051】
図6は、ビデオ源12から受信されたビデオシーケンスのフレームに対してモード内セグメンテーションを実行する場合のROIオブジェクトセグメンテーションシステム14を例示するブロック図である。この場合、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ビデオシーケンスのその他のフレームから独立して、かつ動作情報なしに、ビデオシーケンスのフレームを処理する。図7〜13は、モード内セグメンテーションの間、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14によって実施される技術の例示的な結果を示すスクリーンショットである。
【0052】
図6内に例示された実施形態では、ビデオシーケンス12は、クロミナンス(chrominance)ブルーチャネル(Cb)60と、クロミナンスレッドチャネル(Cr)61と、輝度(luminance)チャネル(Y)62とを含む。ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ビデオ源12から受信されたビデオシーケンスのビデオフレームから、人の頭および肩の範囲など、ROIオブジェクトを自動的にセグメンテーションするための技術を実施する。開示された技術は、モード内セグメンテーションの間、特徴ベースおよびモデルベースの検出を領域セグメンテーションと組み合わせる混成技術を含む。
【0053】
ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ビデオ源12のクロミナンスブルーチャネル60とクロミナンスレッドチャネル61とから受信されたブルーチャネルとレッドチャネルのクロミナンス値に基づいて、ビデオフレーム内の皮膚色領域を検出する顔面検出器64を含む。顔面検出器64は、次いで、検出された皮膚色領域の画素を顔の画素として分類する。このようにして、顔面検出器64は、受信されたフレーム内の顔の画素でない画素を除去することによって顔面を取得することができる。顔面が取得された後で、顔面検出器64は、目および口の領域など、顔の特徴による顔面内の雑音およびホール(holes)を除外するために膨張および侵食の数学的な形態的演算(morphological operations)を使用する。図7は、標準「母と娘」ビデオテストシーケンスのフレームに関する迅速な顔面検出の例を示す。
【0054】
一般に、顔面検出器64は、YCbCr色空間内に狭くかつ一貫して分布されたクロミナンス値のある種のセットの存在によって、ビデオフレーム内の皮膚色領域を識別することが可能な皮膚色マップを使用する。皮膚色マップは、異なる種類の皮膚色に対して頑強である。人類の皮膚色は、主に皮膚の黒さと白さによって異なって認識される。すなわち、皮膚色は、CrまたはCbではなく、Yによって支配される色の明るさの違いによって特徴づけられる。したがって、効果のある皮膚色マップは、受信されたフレームのCrおよびCbの成分だけに基づいて実現され得る。顔面検出器64は、受信されたビデオフレーム内の皮膚色領域を検出するために、Cr∈[133,173]およびCb∈[77,127]の範囲の有するCbCr皮膚色マップを利用することが可能である。Cr範囲およびCb範囲は、限定的なものと考えるべきではなく、顔面検出器64は、異なるCr範囲およびCb範囲を有する皮膚色マップを利用することが可能である。
【0055】
場合によっては、顔面検出器64は、人の顔を排他的に取得することができない可能性がある。図7で例示されたように、フレーム内の母と娘の衣類の領域は、皮膚の色調マップによって定義されるものに類似した色調を有するようである。したがって、顔面検出器64は、衣類の領域を誤って顔面の一部として選択する可能性がある。本明細書で説明される迅速な顔面検出ステップは、フレーム内の顔でない一部の領域を除外するが、正確な顔の領域を取得および検証するためにさらなる処理が必要とされる可能性がある。
【0056】
システム14は、顔面内の顔の特徴候補を検出する目検出器66および口検出器67と、目および口の候補から顔の特徴を選択する特徴検証モジュール68とを含む。顔フィルタは、一般に、顔の領域の楕円形状、および顔の特徴の中の全体的な空間的関係制約など、人の顔およびそれらの特徴の一般知識に基づいて構築される。したがって、これらの顔の特徴の位置を突き止めることは、ビデオフレーム内のおよその顔の位置を導出する際に有用である。
【0057】
目検出器66は、顔面検出器64によって取得された顔面内の目の特徴候補を検出する。目検出器66は、2つの考察に基づいて目の特徴候補を検出する。第1に、目の周りのクロミナンス成分は、通常、高いCb値と低いCr値とを含む。したがって、目検出器66は、下で提示される方程式(1)に基づいてフレームのクロミナンス目マップを構築することができる。
【数1】

【0058】
クロミナンス目マップが取得されると、目検出器66は、目の候補に関して目マップ内の最も明るい領域の位置を突き止めるために、しきい値を目マップ内の各画素のクロミナンス(C)目マップ値に応用することができる。目検出器66は、次いで、実質的に近接した最も明るい領域を単一の目の候補に併合するために、形態的演算を応用する。図8Aは「母と娘」ビデオテストシーケンスのフレームのクロミナンス目マップ内の目の検出の例を示す。
【0059】
第2に、目は、通常、輝度成分内に黒い画素および明るい画素の両方を含む。したがって、目の領域の回りの輝度成分内のより明るい画素とより暗い画素とを強調するために、グレースケール形態的演算が使用され得る。目検出器66は、下で提示される方程式(2)に基づいてフレームの輝度目マップを構築することができる。
【数2】

【0060】
輝度目マップが取得されると、目検出器66は、目の候補に関して目マップ内の最も明るい領域の位置を突き止めるために、しきい値を目マップ内の各画素の輝度(L)目マップ値に応用することができる。目検出器66は、次いで、実質的に近接した最も明るい領域を単一の目の候補に併合するために、形態的演算を応用する。図8Bは、「母と娘」ビデオテストシーケンスのフレームの輝度目マップ内の目の検出の例を示す。
【0061】
目検出器66は、顔面内の最終的な目の候補を見つけるために、(図8Aで示された)クロミナンス目マップ内で検出された目の候補を、(図8Bで示された)輝度目マップ内で検出された目の候補と組み合わせる。しかし、場合によっては、最終的な目の候補は、依然として不正確な目の候補を含む場合がある。これらの異質の目の候補は、後に特徴検証処理の間に除外され得る。
【0062】
口検出器67は、顔面検出器64によって取得された顔面内の口の特徴候補を検出する。一般に、口領域の色は、その他の顔の領域よりも、より強い赤色成分と、より弱い青色成分とを含む。したがって、口領域では、クロミナンス成分Crはクロミナンス成分Cbよりも多いはずである。しかし、口領域は、Cr/Cb特徴内で比較的低い反応を有するが、Cr特徴内で比較的高い反応を有する。口検出器67は、下で提示される方程式(3)および(4)に基づいてフレームの口マップを構築することができる。
【数3】

【数4】

【0063】
口マップが取得されると、口検出器67は、口の候補に関して口マップ内の最も明るい領域の位置を突き止めるために、しきい値を口マップ内の各画素の口(M)値に応用することができる。口検出器67は、次いで、実質的に近接した最も明るい領域を単一の口の候補に併合するために、形態的演算を応用する。図9は、「母と娘」ビデオテストシーケンスのフレームの口マップ内の口の検出の例を示す。
【0064】
特徴検証モジュール68は、目および口の候補から正確な顔の特徴を選択するために、目検出器66と口検出器67とによって顔面内で検出された顔の特徴候補を検証する。特徴検出モジュール68は、頑強なROI特徴検出処理を確実にする。上で説明された目および口のマップ処理は、目および口の領域を分類する際に効果があるが、いくつかの誤った分類は、依然として、擬似の顔の特徴検出という結果をもたらす可能性がある。特徴検証モジュール68は、顔面内で顔の特徴候補を検証して、任意の擬似の顔の特徴検出を除去するために、3つの検証ステップを実行する。
【0065】
第1に、顔の形態学の点から、顔の特徴は、一般に、領域内の高輝度コントラストによって特徴づけられる「くぼみ」領域、すなわち、陥凹領域内に配置されることが観察される。したがって、特徴検出モジュール68は、グレースケール近接・膨張(grayscale-close and dilation)形態的演算を実行することによって、くぼみ領域を識別する。特徴検証モジュール68は、次いで、フレーム内の顔の特徴候補の位置をフレーム内のくぼみ領域の位置と比較する。顔の特徴候補が、検出されたくぼみ領域の範囲に少なくとも一部重複しない場合、特徴検証モジュール68は、その顔の特徴候補を考慮から除外することになる。したがって、顔の特徴候補を保持するために、特徴検証モジュール68は、特徴と識別されたくぼみ領域のうちの1つとの相関性を要求する。図10Aは、「母と娘」ビデオシーケンスのフレーム内で識別されたくぼみ領域を例示する。
【0066】
第2に、特徴検証モジュール68は、フレーム内の対称位置および形状特徴など、目の対の固有の属性に基づいて目の特徴候補を検証する。図10Bは、それぞれの重心OおよびOを有する目の対の固有の属性を例示する。例えば、2つの目は、|AO|=|AO|であるように、顔の主軸Aに関して対称であり、両目は類似範囲を有し、両目は、軸OAに対して投影することによって比較され得る類似の形状を有する。2つの目はまた、それぞれのPCA(主成分分析)軸、すなわち、PCAおよびPCAに関しても対称である。加えて、眉は、通常、2つの目の上に検出され得る。
【0067】
特徴検証モジュール68は、顔面内の目の特徴候補を検証するために、重みづけされた得点システム(score system)を利用することができる。この場合、特徴検出モジュール68は、目の対の属性に基づいていくつかの基準をチェックして、基準の各々に関して得点を提供する。例えば、特徴検証モジュール68は、目の重心位置がくぼみ領域内部にあるかどうかを判断する。次に、特徴検証モジュール68は、目の重心の位置と検出された虹彩とが実質的に近接しているかどうかを判断する。虹彩の位置は、目の中の輝度値を横軸と縦軸とに投影して、累算された最低総輝度値に対応するポイントを識別することによって発見され得る。特徴検証モジュール68は、次いで、眉が目の上に発見されるかどうかを判断する。次に、特徴検証モジュール68は、目のPCA軸が合理的な方向の範囲内にあるかどうかを判断するが、これは典型的な人の目の対の経験的な特徴から判断され得る。特徴検証モジュール68は、次いで、目が合理的な距離内に目の対を有するかどうかを判断するが、これも経験的な特徴から判断され得る。次に、特徴検証モジュール68は、軸OAに従って、目の対が対称的なPCA軸を有するかどうかを判断する。特徴検証モジュール68は、次いで、軸OAに従って、目の対が対称的形状を有するかどうかを判断する。
【0068】
特徴検証モジュール68は、候補から正確な顔の特徴を選択して、ビデオフレームの顔の特徴マップを構築するために、上で説明された各基準からの得点を累算する。様々な個々の基準に関して決定された得点は、等しく重みづけされることが可能であり、またはその他の基準に対して1つまたは複数の基準を強調するために、異なって重みづけされることも可能である。特徴検証モジュール68は、事前設定されたしきい値未満の累積得点を有するそれらの顔の特徴候補として擬似検出を識別する。特徴検証モジュール68は、次いで、それらの誤って検出された顔の特徴候補を除外する。
【0069】
第3に、特徴検証モジュール68は、顔の特徴マップ内の2つの目の候補および1つの口の候補のあらゆる可能な組合せから目と口の三角形を検証する。特徴検証モジュール68は、まず、目と口の三角形の幾何学的形状と方向性とを精査して、合理的でない目と口の三角形をさらなる考察から除外する。合理的でないと見なされる目と口の三角形は、典型的な人に関して経験的に決定された目と口の三角形形状の範囲に実質的に整合しないそれらのものである。図10Cは、「母と娘」ビデオシーケンスのフレームの顔の特徴マップ内の2つの可能な目と口の三角形(破線)を例示する。特徴検証モジュール68は、次いで、目と口の三角形範囲の傾斜特性を検証するためにテンプレートを使用する。人の顔は3次元(3D)オブジェクトであるため、顔の領域の全体にわたる輝度は不均等になりがちである。正規の目と口の三角形範囲は、顎など、その他の顔の範囲よりも傾斜情報をより複雑にする鼻を含むべきである。目と口の三角形範囲から利用可能なより識別可能な傾斜情報を使用して、特徴検証モジュール68は、ビデオフレーム内の顔に関して正確な目および口の候補を選択することができる。
【0070】
システム14はまた、特徴検証モジュール68によって選択された顔の特徴をフレーム内の個々の顔に関するグループに分離する複数の顔分離モジュール70も含む。ビデオフレーム内に2つ以上の顔を含む母と娘シーケンスなどのビデオシーケンスでは、複数の顔分離モジュール70は、目および口の候補のセットを異なる顔に対応するグループに分離する。このタスクの困難は三重である。第1に、ビデオフレーム内に含まれる顔の総数は知られていない。第2に、いくつかの顔の特徴は、ビデオフレーム内で検出されていない可能性がある。第3に、すべての潜在的な顔の特徴グループの組合せの網羅的なチェックは、指数関数的な計算処理上の複雑性を有する。問題を、目を口と対にするタスクに簡素化することによって、元の問題は多項式的な計算処理上の複雑性を有するグラフ理論問題にマップされ得る。結果として生じる、計算処理上の複雑性の抑圧は、限定された電力および処理リソースを有する移動体アプリケーション、ならびに高速の、場合によっては、リアルタイムの結果を要求するその他のアプリケーションを含めて、多くのアプリケーションにとって非常に望ましい可能性がある。
【0071】
グラフ理論を応用して、複数の顔分離モジュール70は、頂点セットV={口}+{目の対}と輪郭線セットE={(v,v)}とを有する偶グラフ(bipartite graph)G=(V,E)を考慮し、vおよびvは異なるセットに属し、ノードvおよびvの間の距離は合理的な範囲内である。整合するSが、S内の2つの輪郭線が同じ頂点に付随するものまたは直接的に連結された頂点でないように、Eのサブセットとして定義された場合、問題は最大整合方式問題になる。このように、元の最大整合方式問題定義では、整合に対する制約は、S内の2つの輪郭線が同じ頂点に付随しないことだけを要求するため、複数の顔分離処理は元の最大整合方式問題の可変要素である。
【0072】
複数の顔分離問題を元の最大整合方式問題に変換する可能性を観察することは重要である。(v,v)∈E,(v,v)∈Eであるが
【数5】

【0073】
であるようにvが存在する、輪郭線セットE’={(v,v)}が輪郭線セットをEからE∪E’に拡張した後で定義された場合、結果として生じる整合がE∪E’の代わりにEのサブセットでなければならないように、追加の制約が含まれなければならない点を除いて、問題は元の最大整合方式問題になる。したがって、複数の顔分離モジュール70は、多項式時間の複雑性における複数の顔分離問題を解決することができる。
【0074】
システム14は、ROIオブジェクト幾何モデルに基づいて、ビデオフレーム内の各顔に関してROIオブジェクト形状を概算するオブジェクト形状概算モジュール72を含む。例えば、ROIオブジェクト形状は、人の頭および肩の幾何モデルに基づいて、フレーム内で概算され得る。特徴検証モジュール68が顔に関して正確な目と口の三角形を取得した後で、オブジェクト形状概算モジュール72は、目と口の三角形のノード間の幾何学的関係に基づいて、ROIオブジェクト形状(例えば、頭および肩のモデル)を構築することができる。
【0075】
モード内セグメンテーションの間の性能を加速するために、オブジェクト形状概算モジュール72は、人の頭および肩のオブジェクト形状など、ROIオブジェクト形状を概算するために簡単な長方形モデルを使用することが可能である。ビデオフレーム内に2つ以上の顔を含むビデオシーケンスの場合、複数の顔分離モジュール70が目および口の候補を異なる顔に関するグループに分離した後、オブジェクト形状概算モジュール72は、個別の目と口の三角形に基づいて顔の各々に関してROIオブジェクト形状を概算する。例えば、オブジェクト形状概算モジュール72は、ビデオフレーム内に含まれた各顔に関して頭および肩のオブジェクト形状を概算することができる。図11は、「母と娘」ビデオテストシーケンスのフレーム内で各顔に関して定義された頭および肩のオブジェクト形状を例示する。
【0076】
ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14はまた、フレーム全体に対してスプリット・併合(split-and-merge)領域増大を実行する領域セグメンテーションモジュール74も含む。領域セグメンテーションモジュール74は、元のフレームを複数の同種の候補領域に分割する。スプリット・併合領域増大を実行する場合、領域セグメンテーションモジュール74は、ビデオフレーム内の隣り合う画素間の関係を、類似するクラスと異なるクラスとに分類する。領域類似性は、領域内の平均画素輝度値に基づいて決定され得る。領域セグメンテーションモジュール74は、次いで、連結された類似する画素を小さな領域にクラスタ化して、最低数の候補領域を形成するために、それらの領域を併合し続ける。図12は、ビデオフレームが当初1195個の領域に分割され、次いで、22個の候補領域が生成されるまで領域が併合される領域増大処理を例示する。
【0077】
システム14は、フレーム全体内の候補領域から、概算されたROIオブジェクト形状内に配置されたフレームの領域を自動的に選択するオブジェクト生成モジュール76をさらに含む。選択された領域は前景領域と見なされることが可能であり、選択されなかった領域は、背景領域と見なされることが可能である。オブジェクト生成モジュール76は、次いで、前景領域に基づいて前景オブジェクトを生成する。
【0078】
オブジェクト生成モジュール76は、オブジェクト形状概算モジュール72によって概算されたROIオブジェクト形状内に配置された、領域セグメンテーションモジュール74によって生成された候補領域のセットだけから領域を選択する。上で説明されたように、ROIオブジェクト形状は、ROIオブジェクト(例えば、顔)を含む長方形範囲を備えることが可能であり、ROIオブジェクト形状のサイズは、顔に関して選択された目と口の三角形に基づいて推定され得る。このようにして、さらなる処理は、ビデオフレーム全体内での代わりにROIオブジェクト形状内で行われ得る。
【0079】
オブジェクト生成モジュール76は、領域セグメンテーションモジュール74によって生成されたビデオフレーム内の候補領域の各々を調査して、領域がROIオブジェクト形状内に配置されるかどうかを判断する。オブジェクト生成モジュール76は、ROIオブジェクト形状内の総画素の事前定義された割合(例えば、60%)を超える総画素を有する領域を前景領域と見なすことができる。オブジェクト生成モジュール76は、次いで、ROIオブジェクト形状内の総画素の事前定義された割合未満の総画素を有するビデオフレーム内の残りの領域を背景領域と見なすことができる。このようにして、オブジェクト生成モジュール76は、ビデオフレーム内の前景領域から前景オブジェクトを生成する。
【0080】
最後に、システム14は、フレーム内の複数の前景オブジェクトを最終的な出力画像に併合するオブジェクトフュージング(fusing)モジュール78を含む。2個以上の前景オブジェクトを含むビデオシーケンスの場合、オブジェクトフュージングモジュール78は、出力画像を形成するために前景オブジェクトを併合する。図13は、ビデオフレーム内の顔の各々に関する前景オブジェクトの生成と、2個の前景オブジェクトを併合することによる出力画像の生成とを例示する。ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、次いで、セグメンテーションされたフレームの出力画像をマルチメディアアプリケーション18に送る。
【0081】
図14は、モード内セグメンテーションを実行するROIオブジェクトセグメンテーションシステム14の動作を例示する流れ図である。動作は、本明細書で、図7で例示されたROIオブジェクトセグメンテーションシステム14を参照して説明される。ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ビデオ源12からビデオシーケンスのフレームを受信する(80)。モード内セグメンテーションの場合、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ビデオシーケンスのその他のフレームから独立して、かつ動作情報なしに、ビデオシーケンスの受信されたフレームを処理する。
【0082】
顔面検出器64は、ビデオフレーム内で識別された皮膚色領域に基づいて、受信されたフレーム内の顔面を検出する(82)。顔面検出器64は、次いで、識別された皮膚色領域の画素を顔の画素として分類する。このようにして、顔面検出器64は、受信されたフレーム内の顔の画素ではない画素を除去することによって顔面を取得することができる。
【0083】
目検出器66および口検出器67は、次いで、顔面内の顔の特徴候補を検出する(84)。目検出器66は、顔面内の画素のクロミナンス値と輝度値とに基づいて、目の特徴候補を検出することができる。装着検出器67は、顔面内の画素のクロミナンス値に基づいて、口の特徴候補を検出することができる。特徴検証モジュール68は、正確な顔の特徴を選択するために、目検出器66と口検出器67とによって検出された顔の特徴候補の検証を実行する。
【0084】
ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、次いで、受信されたビデオフレームが2つ以上の顔を含むか否かを判断する(87)。ビデオフレームが2つ以上の顔を含む場合、複数の顔分離モジュール70は、特徴検証モジュール68によって選択された顔の特徴をフレーム内に含まれた個々の顔に関するグループに分離する(88)。オブジェクト形状概算モジュール72は、次いで、特徴検証モジュール68によって選択された顔の特徴によって定義されたROIオブジェクト幾何モデルに基づいて、ビデオフレーム内の各顔に関してROIオブジェクト形状を概算する(90)。例えば、頭および肩のオブジェクト形状は、正確な目と口の三角形の位置に基づいて、フレーム内の各顔に関して概算され得る。
【0085】
領域セグメンテーションモジュール74は、フレーム全体に対してスプリット・併合領域増大を実行する(92)。領域セグメンテーションモジュール74は、元のフレームを複数の同種の候補領域に分割する。オブジェクト生成モジュール76は、次いで、フレーム全体内の候補領域から、概算されたROIオブジェクト形状内に配置されたフレームの領域を選択する。選択された領域は前景領域と見なされることが可能であり、選択されなかった領域は背景領域と見なされることが可能である。オブジェクト生成モジュール76は、次いで、前景領域に基づいて前景オブジェクトを生成する(94)。
【0086】
ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ビデオフレームが2個以上の前景オブジェクトを含むかどうかを判断する(95)。ビデオフレームが2個以上の前景オブジェクトを含む場合、オブジェクトフュージングモジュール78は、フレーム内の前景オブジェクトを最終的な出力画像に併合する(96)。ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、次いで、セグメンテーションされたフレームの出力画像をマルチメディアアプリケーション18に送る(98)。
【0087】
図15は、ビデオ源12から受信されたビデオシーケンスのフレームに対してモード間セグメンテーションを実行する場合のROIオブジェクトセグメンテーションシステム14を例示するブロック図である。この場合、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、現在のフレームとビデオメモリ16内に記憶されたこれまでのフレームまたは後続のフレームの間のROIオブジェクトに関する動作情報に基づいてビデオシーケンスのフレームを処理する。図16および17は、モード間セグメンテーションの間、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14によって実施された技術の例示的な結果を示すスクリーンショットである。いくつかの実施形態では、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ビデオシーケンスのフレームのいくつかに対して、図6〜14で説明されたように、モード内セグメンテーションを実行し、1つまたは複数のセグメンテーションモード決定係数に基づいて、ビデオシーケンスのその他のフレームに対して、下で説明されるように、モード間セグメンテーションを実行することができる。
【0088】
上で説明されたように、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ビデオ源12から受信されたビデオシーケンスのビデオフレームから、人の頭および肩の範囲など、ROIオブジェクトを自動的にセグメンテーションするための技術を実施する。ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ROIオブジェクトに関する動作情報に基づいて、モード間セグメンテーションを実行する。開示された技術は、背景モデル形成と減算とに基づいて、前景オブジェクト内の移動領域を検出するための技術を含む。移動前景領域を首尾よく検出することは、モード間セグメンテーションの間、ROI特徴検出の性能速度を改善する可能性がある。
【0089】
図15で例示された実施形態では、ビデオ源12は、この場合も、クロミナンスブルーチャネル(Cb)100と、クロミナンスレッドチャネル(Cr)101と、輝度チャネル(Y)102とを含む。ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、図15で例示されたように、モード間セグメンテーションを実行する場合、背景減算モジュール112をさらに含む。この場合、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14はまた、図6で例示されたモード内セグメンテーションを実行する場合に使用される成分も含む。例えば、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、図6からの顔面検出器64と、目検出器68と、口検出器67とを備える、ROI特徴検出器104を含む。加えて、ROIオブジェクトセグメンテーションモジュール14は、図6で対応する成分に類似した方法で動作することが可能な、特徴検証モジュール106、複数の顔分離モジュール108、オブジェクト形状概算モジュール110、領域セグメンテーションモジュール114、オブジェクト生成モジュール116、およびオブジェクトフュージングモジュール118も含む。
【0090】
背景減算モジュール112は、モード間セグメンテーションをサポートするために、ROI特徴検出器104および領域セグメンテーションモジュール114と相互作用する。背景減算モジュール112を用いて、システム14は、ビデオシーケンス内の異なるビデオフレームに対する移動を表す、ビデオフレームの移動前景領域を識別する。特に、移動前景領域を識別するために、背景減算モジュール112は、ビデオフレームのROIオブジェクト内の画素の第1の位置を異なるビデオフレーム(例えば、ビデオシーケンス内のこれまでのフレーム)内の画素の第2の位置と比較する。
【0091】
背景減算モジュール112は、次いで、第2の位置から移動していない画素を背景画素として分類して、第2の位置から移動した画素を前景画素として分類する。移動前景領域は、識別された前景画素に基づいて識別される。システム14は、次いで、移動前景領域と異なる(例えば、これまでの)ビデオフレーム内でこれまで識別された前景領域とに対応するビデオフレームの組み合わされた前景領域内のROI特徴を検出する。検出されたROI特徴に基づいて、形状概算モジュール110は、ビデオフレーム内のROIオブジェクトの形状を概算する。
【0092】
背景減算モジュール112は、ビデオシーケンスの連続するビデオフレームの時間的相関性を活かす。背景減算モジュール112は、ビデオ源12から受信されたビデオシーケンスのROIオブジェクト内の画素の画素単位の分類処理を行う。このようにして、背景減算モジュール112は、現在のフレームとビデオメモリ16から取り出されたビデオシーケンスのこれまでのフレームまたは後続のフレームの間の動作情報に基づいて、現在のフレームのどの画素が背景画素であるかを判断する。すなわち、背景減算モジュール112は、前景オブジェクトの移動領域を迅速かつ効率的に発見するために、モード間動作で利用可能な追加の情報を使用する。この場合も、背景減算モジュール112は、それらのこれまでの位置から移動していない、現在のフレームのそれらの画素を背景画素として分類する。背景減算モジュール112は、次いで、それらのこれまでの位置から移動したそれらの画素を前景画素として分類する。このように、背景減算モジュール112は、より効率的であり、かつより低い複雑性を有する。
【0093】
背景減算モジュール112は、1つまたは複数の利点を提供することが可能である。例えば、顔面の探索空間は、画像全体から、移動前景領域に加えて組み合わされた前景領域と見なされ得る、これまでのフレームからの顔面領域に低減され得る。加えて、顔の特徴は、移動前景領域内にあるかまたはこれまでのフレームと同じ位置内にあることになる。もう1つの可能な利点として、連結された移動前景領域は、同種の領域として処理されることが可能である。
【0094】
図16は、「母と娘」ビデオシーケンスのフレーム間の画素動作に基づく、前景画素分類の例を示す。図16で、フレーム8から10までの前景オブジェクトの移動はやや小さいため、背景減算モジュール112は、頭の画素の部分だけを前景画素として分類し、一方、体の画素は初めの10個のフレームの間、静的である。
【0095】
画素単位の分類処理を実行するために、背景減算モジュール112は背景モデルを応用する。特に、背景減算モジュール112は、画素輝度(例えば、K=5)をモデル形成するために、Kガウス分布の混合を適合させ、各ガウスは、それにより観察された背景を説明する周波数に従って重みづけされる。したがって、前景領域内の一定の画素が時間tの時点で輝度Xを有する確率は、
【数6】

【0096】
として推定され、wi,tは、正規化された重みμであり、σは第i番目の分布の平均値かつ標準偏移である。
【0097】
各画素変化の混合モデルのパラメータとして、背景減算モジュール112は、混合のどのガウスが背景処理によって生み出される可能性が最も高いかを判断する。発見的情報に基づいて、背景減算モジュール112は、最もサポートする証拠と最小の分散とを有するガウス分布を選択する。K分布がw/σの値に基づいて順序づけられるのはこの理由からである。モデルのこの順序づけは、効果的に順序づけられたリストであり、最も可能性のある背景分布は上にとどまり、可能性の低い過渡背景分布は下に引き付けられる。背景減算モジュール112は、下に提示された方程式(6)に基づいて、最も可能性のある分布モデルを発見することができる。
【数7】

【0098】
しきい値Tは、背景に与えられたわずかな総重みである。
【0099】
次いで、背景減算モジュール112は、整合が発見されるまで、既存のKガウス分布に対して新しい画素をチェックする。背景減算モジュール112は、分布の平均値と新しい画素値の間の距離が、分布の2.5平均偏移内である場合、整合を発見する。K分布のいずれも現在の画素値と整合しない場合、w/σの最も小さい値を有する、可能性が最も低い分布は、平均値として現在の新しい画素値と、当初の高い分散と、低い先行重みとを有する新しい分布と取り替えられる。一般に、新しい画素値は、Kガウス分布の混合モデルの主な成分のうちの1つによって常に表されることが可能である。この整合された分布がB背景分布のうちの1つである場合、新しい画素は背景として印される。そうでない場合、画素は前景として印される。
【0100】
混合モデルをアダプティブに維持するために、背景減算モジュール112は、新しい画素値を用いてモデルパラメータを連続的に更新する。整合されたガウス分布の場合、背景減算モジュール112は、この新しい画素値Xを用いて時間tですべてのパラメータを更新する。加えて、背景減算モジュール112は、先行重みを、
【数8】

【0101】
として更新し、平均値と分散とは、
【数9】

【数10】

【0102】
として更新され、αは学習レート制御適合速度であり、1/αは変化を決定する時間定数を定義し、ρは、学習レートαによって基準化された現在の画素に関連する確率性である。したがって、ρは、
【数11】

【0103】
によって表されることが可能である。整合されない分布の場合、平均値μと分散σとは、依然として変化せず、一方、背景減算モジュール112は先行重みを、
【数12】

【0104】
として更新する。
【0105】
この更新方法の1つの利点は、背景減算モジュール112が、オブジェクトが背景の一部になることを可能にする場合、元の背景モデルが破棄されないことである。すなわち、元の背景分布は、可能性が最も低い分散になり、新しい色が観察されるまで混合の形で残る。したがって、この静的オブジェクトが偶然再び移動する場合、背景減算モジュール112は、これまでの背景分布をモデルに迅速に再度組み込むことになる。
【0106】
背景減算モジュール112が移動画素を前景画素として分類すると、領域セグメンテーションモジュール114は、ビデオフレームの移動前景領域を生み出すために、前景画素に対してスプリット・併合領域増大を実行することが可能である。このようにして、分類された前景画素は、領域増大手法から取得された領域を併合するために、かつそれにより前景領域を形成するために使用される。特に、スプリット・併合増大技術を用いた背景減算の結果として生じた移動前景領域をフュージングすることによって、前景オブジェクトの移動領域が取得され得る。
【0107】
前景画素を検出して、移動前景領域を生み出すことは、モード間セグメンテーション処理の頑強さを高めて、ROI特徴検出の性能を加速する可能性がある。ROI特徴に関する探索は、移動前景領域とこれまでのフレームの顔面によって形成された前景領域とを含めて、組み合わされた前景領域に限定され得る。図17は、「母と娘」ビデオシーケンスのビデオフレームの背景範囲から抽出された移動前景領域を例示する。
【0108】
ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、次いで、モード間セグメンテーション処理を完了するために、上で説明されたモード内セグメンテーションを実行するために使用されたのと実質的に類似の技術を使用することが可能である。例えば、ROI特徴検出器100は、移動前景領域によって形成された組み合わされた前景領域内の顔面および顔の特徴と、これまでのフレーム内の顔面および顔の特徴の位置とを検出する。このようにして、背景減算モジュール112は、ビデオフレーム全体内でROI特徴検出を実行することの計算処理上の複雑性を低減する。オブジェクトフュージングモジュール118は、次いで、出力画像を形成するために前景オブジェクトを併合する。ROIオブジェクトセグメンテーションモジュール14は、セグメンテーションされたフレームの出力画像をマルチメディアアプリケーション18に送る。
【0109】
例示された実施形態では、新しい顔または新しい顔の特徴はビデオシーケンスの間に導入されない。したがって、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ROI特徴検出器104とオブジェクト形状概算モジュール110の間で拡張する破線によって表示されるように、モード間セグメンテーションを実行する場合、特徴検証モジュール108と、複数の顔分離モジュール108とを省略することができる。特に、これまでのフレーム内のオブジェクトがかなりの移動を提示しないことを意味する、検出された顔の特徴がこれまでのフレーム内の特徴に近接して配置される場合、現在のフレームのオブジェクトは、特徴検証モジュール106および複数の顔分離モジュール108の機能を応用する必要なしに、オブジェクト形状概算モジュール110とオブジェクト生成モジュール116とを使用して迅速に生成され得る。
【0110】
その他の点では、新しい顔または新しい顔の特徴が導入される場合、処理全体が応用される。すなわち、特徴検証モジュール106と、複数の顔分離モジュール108と、オブジェクト形状概算モジュール110と、オブジェクト生成モジュール116とが応用される。オブジェクト生成モジュール116では、連結された移動前景領域は同種の領域として処理される。オブジェクトフュージングモジュール118は、出力画像を形成するために、前景オブジェクトを併合する。ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、セグメンテーションされたフレームのビデオをマルチメディアアプリケーション18に送る。
【0111】
顔面および顔の特徴検出器100は、モード間セグメンテーションの間、ビデオフレーム内の追加のROI特徴を検出することが可能である。この場合、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、新たに検出された顔の特徴を検証するために、特徴検証モジュール106を使用することができる。加えて、システム14は、ビデオフレーム内に含まれた新しい顔に関して、複数の顔分離モジュール108と、その後に続く、オブジェクト形状概算モジュール110と、オブジェクト生成モジュール116とを使用することができる。
【0112】
図18は、モード間セグメンテーションを実行するROIオブジェクトセグメンテーションシステム14の動作を例示する流れ図である。動作は、本明細書で、図15で例示されたROIオブジェクトセグメンテーションシステム14を参照して説明され、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、ビデオ源12からビデオシーケンスのフレームを受信して、ビデオメモリ16からビデオシーケンスのこれまでのフレームを取り出す(120)。モード間セグメンテーションの場合、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、現在のフレームとビデオシーケンスのこれまでのフレームの間のROIオブジェクトに関する動作情報に基づいてビデオシーケンスのフレームを処理する。いくつかの実施形態では、ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、あるいはまたは加えて、後続のビデオフレームに関するROIオブジェクト動作を表示する動作情報を使用する。
【0113】
背景減算モジュール112は、これまでのフレームと現在のフレームの間のROIオブジェクト内の移動画素を前景画素として分類するために、受信されたビデオフレームに対して背景減算を実行する(122)。背景減算モジュール112は、現在のフレームのどの画素がこれまでのフレーム内のそれらのこれまでの位置から移動したかを決定するために、画素単位の分類処理を行う。背景減算モジュール112が移動画素を前景画素として分類すると、領域セグメンテーションモジュール114は、ビデオフレームの移動前景領域を生み出すために、前景画素に対してスプリット・併合領域増大を実行することができる(124)。
【0114】
ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、次いで、モード間セグメンテーション処理を完了するために、上で説明されたモード内セグメンテーションを実行するために使用されたのと実質的に類似の技術を使用することが可能である。ROI特徴検出器104は、移動前景領域およびこれまでのフレームからの顔面位置の両方を含む領域内、すなわち、組み合わされた前景領域内の顔面を検出する(126)。さらに、ROI特徴検出器104は、移動前景領域を含めて、組み合わされた前景領域内の顔の特徴(例えば、目および口の候補)を検出し、これまでのフレーム内で顔の特徴位置を検出する(128)。
【0115】
ROI特徴検出器104によって検出された顔の特徴がこれまでのフレーム内で検出された顔の特徴に近接して配置される(130)場合、これまでのフレーム内のオブジェクトはかなりの移動を提示しない。この場合、現在のフレームのオブジェクトは、特徴検証モジュール106(132)および複数の顔分離モジュール108(134)の機能を省略すると同時に、オブジェクト形状概算モジュール110(136)とオブジェクト生成モジュール116(138)とを使用することによって迅速に生成され得る。
【0116】
その他の点では、ROI特徴検出器104によって検出された顔の特徴が、これまでのフレーム内で検出された顔の特徴に近接して配置されない場合、これまでのフレーム内のオブジェクトはかなり移動した。この場合、処理全体が応用される。特に、特徴検証モジュール106は検出された特徴を検証して(132)、複数の顔分離モジュール108は顔の分離を実行する(134)。次いで、オブジェクト形状概算モジュール110(136)と、その後に続くオブジェクト生成モジュール116(138)とが応用される。オブジェクト生成モジュール116で、連結された移動前景領域は、オブジェクトを生成する(138)ために同種の領域として処理される。オブジェクトフュージングモジュール118は、次いで、出力画像を形成するために前景オブジェクトを併合する(140)。ROIオブジェクトセグメンテーションシステム14は、セグメンテーションされたフレームの出力画像をマルチメディアアプリケーション18に送る(142)。
【0117】
本明細書で説明された技術は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実施され得る。ソフトウェアで実施される場合、技術は、実行された場合、上で説明された方法の1つまたは複数を実行する命令を含むプログラムコードを備えるコンピュータ可読媒体によって一部実施され得る。この場合、コンピュータ可読媒体は、同時ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、読出し専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気的に消去可能でプログラム可能な読取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気データ記憶媒体または光データ記憶媒体など、ランダムアクセスメモリ(RAM)を備え得る。
【0118】
プログラムコードは、1つまたは複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定アプリケーション向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラム可能論理アレイ(FPGA)、または等価の集積論理回路または離散的論理回路のその他の組合せによって実施され得るプログラム可能プロセッサによって実施されることが可能である。いくつかの実施形態では、本明細書で説明される機能性は、自動オブジェクトセグメンテーションのために構成された専用のソフトウェアモジュール内もしくはハードウェア装置内で提供されること、または自動オブジェクトセグメンテーションシステム内に組み込まれることが可能である。
【0119】
この開示では、ビデオシーケンスからのROIオブジェクトの自動セグメンテーションのための様々な技術が説明された。ROIオブジェクトセグメンテーションシステムは、VTアプリケーション、ビデオストリーミングアプリケーション、またはビデオ監視用となど、マルチメディアアプリケーションでの使用のために正確にセグメンテーションされたROIオブジェクトを提供する目的で、開示された技術のうちの1つまたは複数を個々にまたは組み合わせて実施することが可能である。
【0120】
開示された技術は、ROI特徴検出と、領域セグメンテーションと、背景減算とを含む混成技術を含む。開示された技術は、モード内およびモード間のオブジェクトセグメンテーションを含み得る。モード間セグメンテーションは、ROIオブジェクトセグメンテーションシステムの実行を加速するために、通常の計算処理上集中的な動作推定演算の代わりに、背景モデル形成と減算とを使用することによって、ビデオシーケンスの連続するビデオフレームの時間的相関性を活かす。開示された技術はまた、ROIオブジェクトセグメンテーションシステムによるモード内セグメンテーションの性能を加速するために、顔の特徴検証、複数の顔分離、およびROIオブジェクトセグメンテーションも含む。これらのおよびその他の実施形態は、特許請求の範囲の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】ビデオシーケンスからのROIビデオオブジェクトの自動セグメンテーションのための技術を実施する関心領域(ROI)オブジェクトセグメンテーションシステムを例示するブロック図。
【図2A】ビデオシーケンスのビデオフレーム内のROIオブジェクトおよび非ROIオブジェクトの定義を例示するブロック図。
【図2B】ビデオシーケンスのビデオフレーム内のROIオブジェクトおよび非ROIオブジェクトの定義を例示するブロック図。
【図3】ビデオシーケンスのROIオブジェクト内に提示されるオブジェクトに関してオブジェクト移動/回転、および形状変形の変化を例示する図。
【図4】ビデオシーケンスのROIオブジェクト内の人物に関して顔の表情の変更を例示する図。
【図5A】図1からのROIオブジェクトセグメンテーションシステムの例示的な動作を示す流れ図。
【図5B】図5Aからのセグメンテーションモード決定をより詳細に例示する流れ図。
【図6】ビデオ源から受信されたビデオシーケンスのフレームに関してモード内セグメンテーションを実行する場合のROIオブジェクトセグメンテーションシステムを例示するブロック図。
【図7】モード内セグメンテーションの間、ROIオブジェクトセグメンテーションシステムによって実施される技術の例示的な結果を示すスクリーンショット。
【図8A】モード内セグメンテーションの間、ROIオブジェクトセグメンテーションシステムによって実施される技術の例示的な結果を示すスクリーンショット。
【図8B】モード内セグメンテーションの間、ROIオブジェクトセグメンテーションシステムによって実施される技術の例示的な結果を示すスクリーンショット。
【図9】モード内セグメンテーションの間、ROIオブジェクトセグメンテーションシステムによって実施される技術の例示的な結果を示すスクリーンショット。
【図10A】モード内セグメンテーションの間、ROIオブジェクトセグメンテーションシステムによって実施される技術の例示的な結果を示すスクリーンショット。
【図10B】モード内セグメンテーションの間、ROIオブジェクトセグメンテーションシステムによって実施される技術の例示的な結果を示すスクリーンショット。
【図10C】モード内セグメンテーションの間、ROIオブジェクトセグメンテーションシステムによって実施される技術の例示的な結果を示すスクリーンショット。
【図11】モード内セグメンテーションの間、ROIオブジェクトセグメンテーションシステムによって実施される技術の例示的な結果を示すスクリーンショット。
【図12】モード内セグメンテーションの間、ROIオブジェクトセグメンテーションシステムによって実施される技術の例示的な結果を示すスクリーンショット。
【図13】モード内セグメンテーションの間、ROIオブジェクトセグメンテーションシステムによって実施される技術の例示的な結果を示すスクリーンショット。
【図14】モード内セグメンテーションを実行するROIオブジェクトセグメンテーションシステムの動作を例示する流れ図。
【図15】ビデオ源から受信されたビデオシーケンスのフレームに対してモード間セグメンテーションを実行する場合のROIオブジェクトセグメンテーションシステムを例示するブロック図。
【図16】モード間セグメンテーションの間、ROIオブジェクトセグメンテーションシステムによって実施される技術の例示的な結果を示すスクリーンショット。
【図17】モード間セグメンテーションの間、ROIオブジェクトセグメンテーションシステムによって実施される技術の例示的な結果を示すスクリーンショット。
【図18】モード間セグメンテーションを実行するROIオブジェクトセグメンテーションシステムの動作を例示する流れ図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオシーケンスのビデオフレームを受信することと、
前記ビデオシーケンス内の異なるビデオフレームに対する移動を表す、前記ビデオフレームの移動前景領域を識別することと、
前記移動前景領域と前記異なるビデオフレームの前景領域とに対応する前記ビデオフレームの組み合わされた前景領域内の関心領域(ROI)特徴を検出することと、
前記検出されたROI特徴に基づいて、前記ビデオフレーム内のROIオブジェクトの形状を概算することと
を備える方法。
【請求項2】
前記ビデオフレーム内の前記検出されたROI特徴が、前記異なるビデオフレーム内で検出されたその他のROI特徴の位置に実質的に対応しない場合、前記ROIオブジェクトに関して正確なROI特徴を選択するために、前記検出されたROI特徴を検証することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ROIオブジェクトを識別する出力画像を生成することと、前記ビデオフレームの非ROI領域に対して前記ROIオブジェクトを優先的に符号化することとをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記異なるビデオフレームが前記ビデオシーケンス内のこれまでのビデオフレームである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
移動前景領域を識別することが、
前記ビデオフレームの前記ROIオブジェクト内の画素の第1の位置を前記異なるビデオフレーム内の前記画素の第2の位置と比較することと、
前記第2の位置から移動していない画素を背景画素として分類することと、
前記第2の位置から移動した画素を前景画素として分類することと、
前記前景画素に基づいて前記移動前景領域を識別することと
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
移動前景領域を識別することが、前記ビデオシーケンスの前記ビデオフレームと前記異なるビデオフレームの間の動作情報に基づいて、どの領域が背景領域であるかを決定するために、前記ビデオフレーム内の背景減算処理を実行することを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ROI特徴を検出することが、
前記ビデオフレーム内の皮膚色領域のクロミナンス値に基づいて、前記組み合わされた前景領域内の顔面を検出することと、
前記検出された顔面内の画素のクロミナンス値および輝度値の両方に基づいて、前記組み合わされた前景領域内の目の特徴を検出することと、
前記検出された顔面内の画素のクロミナンス値に基づいて、前記組み合わされた前景領域内の口の特徴を検出することと
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記検出されたROI特徴が、前記組み合わされた前景領域内で検出された顔の特徴候補を備え、前記方法が、前記ROIオブジェクトに関して正確な顔の特徴を選択して、顔の特徴候補の前記セットから擬似の顔の特徴を除去するために、前記検出された顔の特徴候補を検証することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記組み合わされた前景領域が2個以上のROIオブジェクトを含み、前記方法が、前記ビデオフレーム内の前記検出されたROI特徴が、前記異なるビデオフレーム内で検出されたその他のROI特徴の位置に実質的に対応しない場合、前記検出されたROI特徴を前記個々のROIオブジェクトに関するグループに分離することと、最大整合方式問題を前記移動前景領域内の前記検出されたROI特徴に応用することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
プログラム可能プロセッサに、
ビデオシーケンスのビデオフレームを受信させ、
前記ビデオシーケンス内の異なるビデオフレームに対する移動を表す、前記ビデオフレームの移動前景領域を識別させ、
前記移動前景領域と前記異なるビデオフレーム内の前景領域とに対応する前記ビデオフレームの組み合わされた前景領域内の関心領域(ROI)特徴を検出させ、
前記検出されたROI特徴に基づいて、前記ビデオフレーム内のROIオブジェクトの形状を概算させる
命令を備えるコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記ビデオフレーム内の前記検出されたROI特徴の位置が、前記異なるビデオフレーム内で検出されたその他のROI特徴の位置に実質的に対応しない場合、前記プログラム可能プロセッサに、前記ROIオブジェクトに関して正確なROI特徴を選択するために、前記検出されたROI特徴を検証させる命令をさらに備える、請求項10に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記命令が、前記プロセッサに前記ROIオブジェクトを識別する出力画像を生成させ、前記ビデオフレームの非ROI領域に対して前記ROIオブジェクトを優先的に符号化する、請求項10に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記異なるビデオフレームが前記ビデオシーケンス内のこれまでのビデオフレームである、請求項10に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記命令がプロセッサに、
前記ビデオフレームの前記ROIオブジェクト内の画素の第1の位置を前記異なるビデオフレーム内の前記画素の第2の位置と比較させ、
前記第2の位置から移動していない画素を背景画素として分類させ、
前記第2の位置から移動した画素を前景画素として分類させ、
前記前景画素に基づいて、前記移動前景領域を識別させる
請求項10に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記命令が、前記ビデオフレームと前記ビデオシーケンスの前記異なるビデオフレームの間の動作情報に基づいて、どの領域が背景領域であるかを決定し、背景減算処理に基づいて前記移動前景領域を識別するために、プロセッサに前記ビデオフレーム内で前記背景減算処理を実行させる、請求項10に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
ROI特徴の検出のために、前記命令がプロセッサに、
前記ビデオフレーム内の皮膚色領域のクロミナンス値に基づいて、前記組み合わされた前景領域内の顔面を検出させ、
前記検出された顔面内の画素のクロミナンス値および輝度値に基づいて、前記組み合わされた前景領域内の目の特徴を検出させ、
前記検出された顔面の画素のクロミナンス値に基づいて、前記組み合わされた前景領域内の口の特徴を検出させる
請求項10に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記検出されたROI特徴が、前記組み合わされた前景領域内で検出された顔の特徴候補を備え、前記命令が、前記ROIオブジェクトに関して正確な顔の特徴を選択して、顔の特徴候補の前記セットから擬似の顔の特徴を除去するために、プロセッサに前記検出された顔の特徴候補を検証させる、請求項10に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記組み合わされた前景領域が2個以上のROIオブジェクトを含み、前記方法が、前記ビデオフレーム内の前記検出されたROI特徴の位置が前記異なるビデオフレーム内で検出されたその他のROI特徴の位置に実質的に対応しない場合、前記検出されたROI特徴を前記個々のROIオブジェクトに関するグループに分離することと、最大整合方式問題を前記移動前景領域内の前記検出されたROI特徴に応用することとをさらに備える、請求項10に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
ビデオシーケンス内のビデオフレームを受信し、
前記ビデオシーケンス内の異なるビデオフレームに対する移動を表す、前記ビデオフレームの移動前景領域を識別し、
前記移動前景領域と前記異なるビデオフレームの前景領域とに対応する前記ビデオフレームの組み合わされた前景領域内の関心領域(ROI)特徴を検出し、
前記検出されたROI特徴に基づいて、前記ビデオフレーム内のROIオブジェクトの形状を概算する
ようにプログラムされたプロセッサを備えるシステム。
【請求項20】
前記プロセッサが、前記ビデオフレーム内の前記検出されたROI特徴の位置が、前記異なるビデオフレーム内で検出されたその他のROI特徴の位置に実質的に対応しない場合、前記ROIオブジェクトに関して正確なROI特徴を選択するために、前記検出されたROI特徴を検証する、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記プロセッサが、前記ROIオブジェクトを識別する出力画像を生成して、前記ビデオフレームの非ROI領域に対して前記ROIオブジェクトを優先的に符号化する、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記異なるビデオフレームが前記ビデオシーケンス内のこれまでのビデオフレームである、請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
前記プロセッサが、
前記ビデオフレームの前記ROIオブジェクト内の画素の第1の位置を前記異なるビデオフレーム内の前記画素の第2の位置と比較し、
前記第2の位置から移動していない画素を背景画素として分類し、
前記第2の位置から移動した画素を前景画素として分類し、
前記前景画素に基づいて、前記移動前景領域を識別する
請求項19に記載のシステム。
【請求項24】
前記プロセッサが、前記ビデオフレームと前記ビデオシーケンス内の前記異なるビデオフレームの間の動作情報に基づいて、どの領域が背景領域かを決定して、背景減算処理に基づいて、前記移動前景領域を識別するために、前記ビデオフレーム内で背景減算処理を実行する、請求項19に記載のシステム。
【請求項25】
ROI特徴の検出のために、プロセッサが、
前記ビデオフレーム内の皮膚色領域のクロミナンス値に基づいて、前記組み合わされた前景領域内の顔面を検出し、
前記検出された顔面内の画素のクロミナンス値および輝度値の両方に基づいて、前記組み合わされた前景領域内の目の特徴を検出し、
前記検出された顔面内の画素のクロミナンス値に基づいて、前記組み合わされた前景領域内の口の特徴を検出する
請求項19に記載のシステム。
【請求項26】
前記検出されたROI特徴が、前記組み合わされた前景領域内で検出された顔の特徴候補を備え、前記プロセッサが、前記ROIオブジェクトに関して正確な顔の特徴を選択して、顔の特徴候補の前記セットから擬似の顔の特徴を除去するために、前記検出された顔の特徴候補を検証する、請求項19に記載のシステム。
【請求項27】
前記組み合わされた前景領域が2個以上のROIオブジェクトを含み、前記プロセッサが、前記ビデオフレーム内の前記検出されたROI特徴が前記異なるビデオフレーム内で検出されたその他のROI特徴の位置に実質的に対応しない場合、前記検出されたROI特徴を前記個々のROIオブジェクトに関するグループに分離して、最大整合方式問題を前記移動前景領域内の前記検出されたROI特徴に応用する、請求項19に記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2009−526292(P2009−526292A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553552(P2008−553552)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/061802
【国際公開番号】WO2007/092904
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】