説明

ヤーンガイド及び緯糸供給装置

【課題】給糸体から解除される緯糸によって形成されるバルーンがヤーンガイドのガイド穴縁部に接触する接触圧にばらつきが生じることを抑制する。
【解決手段】ヤーンガイドは、第一給糸体及び第二給糸体を保持可能な給糸体ホルダと緯糸測長貯留装置との間の定位置に配置される。ヤーンガイドは、互いに傾斜する第一平面及び第二平面を有するプレート本体と、第一平面に形成されて第一給糸体からの緯糸を挿通するための第一ガイド穴と、第二平面に形成されて第二給糸体からの緯糸を挿通するための第二ガイド穴と、第一ガイド穴と第二ガイド穴とを接続するようにプレート本体に形成された接続通路と、を備え、第一平面は第一給糸体の軸方向と直交し、第二平面は第二給糸体の軸方向と直交するように、プレート本体における第一平面と第二平面とがなす傾斜角度が調節される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヤーンガイド及び緯糸供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
経(たて)糸に緯(よこ)糸を織成する織機への緯糸供給は、ボビンに緯糸を巻回した給糸体(パッケージと呼ばれることもある)を繰り出すことで行われる。織機に緯糸を供給する緯糸供給装置として、複数の給糸体を保持する給糸体ホルダを備えるものが公知である。
【0003】
例えば、特許文献1には、一対の給糸体をセットするための二台のクリールを備えた装置が開示されている。この種の緯糸供給装置では、先行して解舒する一方の給糸体の終端を他方の給糸体の始端に結んでおき、先行する給糸体の緯糸が無くなると他方の給糸体から解舒し始めることで、緯入れを継続する方法が一般に採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−67064号公報
【特許文献2】特開平9−157999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図6は、従来の緯糸供給装置100を説明する説明図である。給糸体ホルダ101には、コーン形状やチーズ形状に形成された二つの給糸体102が保持されている。そして、二つの給糸体102の中心軸線は、給糸体ホルダ101の前方にて交差するように互いに傾斜している。また、給糸体ホルダ101と緯糸測長貯留装置103との間の定位置にはヤーンガイド104が配置されている。
【0006】
緯糸測長貯留装置103は、例えば、特許文献2の図1に開示されている緯糸測長貯留装置のように、給糸体102から解舒された緯糸105を測長しつつ一時的に貯留する所謂ドラム式の機構が広く採用されている。この種の緯糸測長貯留装置では、ドラムの周面に向かって前進又は後退自在に設けられ、かつドラム周面に巻回されている緯糸を係止する係止ピンを備えている。給糸体102から緯糸105を解舒する場合には、上記係止ピンによってドラム上の緯糸を係止した状態で緯糸を引っ張ることで、給糸体102に巻回されている緯糸をヤーンガイド104に向かって飛走させることが行われる。
【0007】
このようにして、給糸体102から解舒された緯糸105は次回の緯入れタイミングまで緯糸測長貯留装置103に一時的に貯留される。そして、緯入れタイミングが到来すると、係止ピンによる緯糸の係止が解かれた状態で緯入れノズル106が噴射する圧縮空気などの作動流体の作用によって飛走し、織機107に供給される。
【0008】
ヤーンガイド104は、給糸体102から解舒された緯糸105を挿通するガイド穴104Aを有する。このガイド穴104Aは、緯糸105を緯糸測長貯留装置103に案内(ガイド)する部材である。また、ヤーンガイド104は、給糸体102から緯糸105が飛走する際、給糸体102との間に安定したバルーンを形成するために寄与する部材でもある。給糸体102から緯糸105が解舒される際、緯糸105は、遠心力の作用によって給糸体102の軸方向から外側に膨らみつつ螺旋状に旋回しながらヤーンガイド104に向かって飛走することで、給糸体102とヤーンガイド104の間にバルーン(図中
、符号Bにて示す)が形成される。
【0009】
しかしながら、複数の給糸体102を装填する給糸体ホルダ101に従来のヤーンガイド104を組み合わせて適用すると、少なくとも何れかの給糸体102から飛走する緯糸105が形成するバルーンBの螺旋軸(以下、「バルーン軸」という)が、ヤーンガイド104と直交する関係とはならず、バルーンBを形成する緯糸105がヤーンガイド104のガイド穴104Aを形成する縁部(以下、「ガイド穴縁部」という)に対して強く接触する箇所と、弱く接触する箇所とが生じる結果となる。
【0010】
これに伴い、ガイド穴縁部に接触する緯糸105の接触圧が経時的(例えば、周期的)に変動するようになり、ヤーンガイド104と緯糸測長貯留装置103との間において緯糸105に作用する張力(テンション)の変動を誘起する。その結果、給糸体102からの緯糸105の解舒時にヤーンガイド104〜緯糸測長貯留装置103間において、緯糸105に発生する軸方向の引張応力(以下、「軸応力」という)の経時的変動が起こる。
【0011】
緯糸測長貯留装置103に導かれた緯糸102はドラム周面にて拘束されるため、緯糸105に発生している軸応力は、この拘束状態が解除される次の緯入れタイミングまで保持される。緯入れタイミングが到来すると、緯糸105の拘束状態が解除されるところ、緯糸105の長さ方向(以下、「糸長方向」と称する)における軸応力分布は不均等になっているため、これに起因して緯糸105の飛走姿勢が安定せず、不安定な挙動を示し易くなる。そうすると、織機107への緯糸の到達タイミングにばらつきが起こり、一回の緯入れで供給される緯糸の長さに過不足が生じてしまう虞がある。また、緯入れ時における緯糸の飛走状態が不安定になると例えばオサの溝から緯糸が飛び出してしまい経糸と絡まるなどの不具合を招き易くなる。そして、これらに起因して、織物の品質低下や生産効率の低下を招く虞がある。
【0012】
また、上記したような事態を回避するために、緯入れノズルに噴射させる流体の噴射量を増加させて緯糸の安定した飛走を得ようとすれば、電力などのエネルギー消費量の増加に繋がり、コストアップが不可避的になるという背反がある。また、緯入れノズルによる流体噴射量の増加は緯糸へのダメージの増加に繋がる場合があり、織物製品に毛羽立ちなどの欠陥、損傷などが発生し易くなることも懸念される。
【0013】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、織機に供給するための緯糸が巻き取られて形成された複数の給糸体を保持可能な給糸体ホルダと、各給糸体からの緯糸を測長しつつ一時的に貯留する緯糸測長貯留装置との間の定位置に配置されるヤーンガイドにおいて、給糸体から解除される緯糸によって形成されるバルーンがヤーンガイドのガイド穴縁部に接触する接触圧にばらつきが生じることを抑制可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明では、上述した課題を解決するために以下の手段を採用する。すなわち、本発明に係るヤーンガイドは、織機に供給するための緯糸が巻き取られて形成された第一給糸体及び第二給糸体を保持可能な給糸体ホルダと、各給糸体からの緯糸を測長しつつ貯留する緯糸測長貯留装置との間の定位置に配置されるヤーンガイドであって、互いに傾斜する第一平面及び第二平面を有するプレート本体と、前記第一平面に形成されて前記第一給糸体から解舒される緯糸を挿通するための第一ガイド穴と、前記第二平面に形成されて前記第二給糸体から解舒される緯糸を挿通するための第二ガイド穴と、前記第一ガイド穴と前記第二ガイド穴とを接続するように前記プレート本体に形成された接続通路と、を備え、前記第一平面は前記第一給糸体の軸方向と直交し、前記第二平面は前記第二給糸体の軸方向と直交するように、前記プレート本体における前記第一平面と前記第二平面とがなす傾斜
角度が調節されている。
【0015】
本発明に係るヤーンガイドは、上記のように複数の給糸体を同時に装填可能な給糸体ホルダと緯糸測長貯留装置を備える緯糸供給装置に適用される。第一給糸体と第二給糸体のうち、先行して解舒されている方の尻糸を他方の給糸体の口糸に繋いでおくことで、一方の給糸体に巻き取られている緯糸が無くなった時点で他方の給糸体から緯糸が解舒されるように、解舒対象となる給糸体を交互に切り替えることが行われる。
【0016】
すなわち、現在の解舒対象が第一給糸体である場合には、第一給糸体から延びている緯糸がヤーンガイドにおけるプレート本体の第一平面に形成された第一ガイド穴を通じて、プレート本体の裏面側(緯糸測長装置側)から引っ張られることにより、第一給糸体から緯糸が繰り出されて飛走すると共に、第一給糸体と第一平面との間にバルーン(以下、「第一バルーン」という)を形成する。
【0017】
その際、プレート本体の第一平面は、第一給糸体の軸(軸中心線)方向と直交している。すなわち、第一給糸体と第一平面が互いに正対した関係となっている。ここで、第一バルーンの螺旋軸(以下、「第一バルーン軸」という)は第一給糸体の軸方向と一致するため、第一バルーン軸と直交するようにヤーンガイドの第一平面を設置することで、第一給糸体から解舒された緯糸が第一ガイド穴の周囲に形成される縁部(以下、「第一ガイド穴縁部」という)に対して第一バルーンを形成する緯糸が接触する接触圧を、第一ガイド穴(第一ガイド穴縁部)の周方向にわたり均等(等圧)にすることができる。
【0018】
ここで、第一ガイド穴縁部に対する第一ガイド穴に挿通される緯糸の接触位置は、緯糸の旋回運動に伴い経時的に変化する。従って、本発明に係るヤーンガイドによれば、第一バルーンを形成する緯糸と第一ガイド穴縁部との接触圧が周期的に変動することを抑制することができる。
【0019】
一方、現在の解舒対象が第二給糸体である場合、第二給糸体から延びている緯糸がヤーンガイドにおけるプレート本体の第二平面に形成された第二ガイド穴を通じて、プレート本体の裏面側から引っ張られる。その結果、第二給糸体から緯糸が繰り出されて飛走すると共に、第二給糸体と第二平面との間にバルーン(以下、「第二バルーン」という)を形成する。
【0020】
第一平面と第二平面とは互いに傾斜しており、第二平面が第二給糸体の軸(軸中心線)方向と直交するように、双方の平面のなす傾斜角度が調整されている。そのため、ヤーンガイドの第一平面を第一給糸体に正対させた状態を維持しつつ、第二平面を第二給糸体と正対して配置することができる。
【0021】
第二バルーンの螺旋軸(以下、「第二バルーン軸」という)は第二給糸体の軸方向と一致するため、第二ガイド穴の周囲に形成される縁部(以下、「第二ガイド穴縁部」という)に対して第二バルーンを形成する第二給糸体から解舒された緯糸が接触する接触圧を、第二ガイド穴(第二ガイド穴縁部)の周方向にわたって均等なものとすることができる。
【0022】
そして、上記第一給糸体側の場合と同様、第二ガイド穴縁部に対する第二ガイド穴に挿通される緯糸の接触位置は、緯糸の旋回運動に伴い経時的に変化する。従って、第二バルーンを形成する緯糸と第二ガイド穴縁部との接触圧が周期的に変動することを抑制することができる。
【0023】
従って、給糸体ホルダに複数の給糸体が装填される場合においても、各給糸体から解舒されたバルーンを形成する緯糸がヤーンガイドにおけるガイド穴の周囲に形成される縁部
と接触する際の接触圧に、経時的なばらつきが生じることを抑止可能となる。これにより、緯糸の糸長方向における軸応力分布が不均等になることを回避でき、緯糸測長貯留装置に貯留しておいた緯糸を緯入れ時に織機に供給する際、その緯糸を安定して飛走させることが可能となる。
【0024】
その結果、緯入れ時において織機への緯糸の到達タイミングにばらつきが生じることがなく、一回の緯入れ当たりに織機へと供給する緯糸の長さを常に所望の長さとすることができる。そして、例えば緯入れ時において緯入れノズルから噴射する流体の噴射量を低減しつつ緯糸の飛走状態を安定させることができるため、織物の品質低下や生産効率の低下の回避と、コストの低減とを好適に両立することができる。
【0025】
なお、本発明に係るヤーンガイドにおいて、解舒対象が第一給糸体から第二給糸体に切り替わる際には、第一ガイド穴に挿通されている緯糸は接続通路を介して自動的に第二ガイド穴へと移動する。一方、解舒対象が第二給糸体から第一給糸体に切り替わる際、第二ガイド穴に挿通されている緯糸は接続通路を介して自動的に第一ガイド穴へと移動する。これは、解舒対象となる給糸体が切り替わることで、それまで挿通していた方のガイド穴から他方のガイド穴の方向に緯糸が引っ張られるような力が作用することによる。
【0026】
ここで、前記第一ガイド穴の中心は前記第一給糸体の軸線上に配置され、前記第二ガイド穴の中心は前記第二給糸体の軸線上に配置されても良い。この構成によれば、第一バルーン軸が第一ガイド穴の中心を通り、第二バルーン軸が第二ガイド穴の中心を通ることになる。従って、第一給糸体から緯糸を解舒する際には第一ガイド穴縁部に接触する緯糸の接触圧をより好適に均等なものとすることが可能であり、第二給糸体から緯糸を解舒する際には第二ガイド穴縁部に接触する緯糸の接触圧をより好適に均等なものとすることが可能である。
【0027】
ここで、上述した第一バルーン軸を中心とした第一バルーン(緯糸)が旋回する旋回方向(螺旋回転方向)を「第一旋回方向」と定義し、第二バルーン軸を中心とした第二バルーン(緯糸)が旋回する旋回方向(螺旋回転方向)を「第二旋回方向」として定義する。具体的には、第一旋回方向(第二旋回方向)は、時計廻り又は反時計回りの何れかの方向として特定される。
【0028】
前記接続通路は、前記第一ガイド穴と前記第二ガイド穴の間に挟まれた直線状の通路であっても良い。この場合、前記接続通路が前記第一ガイド穴と接続される第一接続部は、前記第一ガイド穴及び前記第二ガイド穴の中心同士を結ぶ中心線と該第一ガイド穴が交わる第一交点から、該第一交点を始点として該第一ガイド穴の縁部(既述した第一ガイド穴縁部に対応する)上を前記第一給糸体から解舒された緯糸が旋回する第一旋回方向に90°進んだ地点(以下、「第一進角地点」という)までの何れかの部位に形成されても良い。そして、前記接続通路が前記第二ガイド穴と接続される第二接続部は、前記中心線と該第二ガイド穴が交わる第二交点から、該第二交点を始点として該第二ガイド穴の縁部上を第二給糸体から解舒された緯糸が旋回する第二旋回方向に90°進んだ地点(以下、「第二進角地点」という)までの何れかの部位に形成されても良い。
【0029】
上述した第一接続部について説明する。第一接続部は、第一交点と第一進角地点との間の何れかの部位に形成される。すなわち、第一交点と第一進角地点はそれぞれ、第一ガイド穴縁部上における第一接続部の配置位置を決定する上での臨界的意義を有する。ここで、第一交点は、第一給糸体からの緯糸の解舒時に第一ガイド穴縁部に接触しつつ第一旋回方向に旋回(回転)運動する緯糸が、第一接続部から接続通路内部に入り込むことを抑止できる限界点としての意義を有する。
【0030】
従って、仮に、第一交点よりも手前側の部位(第一交点から第一旋回方向の反対方向に進んだ部位)に第一接続部を形成すると、第一ガイド穴を第一旋回方向に回転する緯糸が第一接続部近傍に差し掛かった際に、第一接続部から接続通路に緯糸が入り込む可能性が高い。この場合、反対側の第二接続部に向けて接続通路の途中まで進行した緯糸は第一接続部を経て第一ガイド穴内に再び引き戻されるか、接続通路の形状(例えば、長さ)によっては第二接続部を経て第二ガイド穴に至ることも想定される。このように、第一ガイド穴に挿通される緯糸が第一接続部に差し掛かる度に接続通路内に進入してしまうと、安定した第一バルーンの形成が阻害されたり、緯糸が傷むことが懸念される。ここでいう緯糸の傷みは、接続通路壁面に緯糸が強く押しつけられたり該壁面への引っ掛かり等によって過大な負荷(張力)が緯糸に作用して、緯糸が毛羽立ったり、切断されたりすることが例示できる。
【0031】
これに対して、本構成のように、第一ガイド穴縁部における第一交点又はこの第一交点から第一旋回方向に進行した部位に第一接続部を形成することで、第一旋回方向に回転する緯糸の慣性力を利用し、緯糸が第一接続部から接続通路に進入することを回避できる。
【0032】
次に、上述の第一進角地点の有する技術的意義について説明する。第一進角地点は、第一ガイド穴縁部上に第一接続部を形成する上で、第一ガイド穴と第二ガイド穴の間に直線状に接続通路を形成することの可能な限界点としての意義を有する。仮に、第一進角地点から更に第一旋回方向に進んだ部位に第一接続部を形成してしまうと、接続通路の途中に屈曲部を形成せざるを得なくなり、このような形状の複雑化はヤーンガイドの製造コストの増大に繋がり易い。
【0033】
次に、接続通路における第二接続部について説明する。第二接続部は、第二交点と第二進角地点との間の何れかの部位に形成される。すなわち、第二交点と第二進角地点はそれぞれ、第二ガイド穴縁部上における第二接続部の配置位置を決定する上での臨界的意義を有する。第二交点は、第一交点に対応するものでありその技術的意義も第一交点と同趣旨であるため簡単に説明するが、第二給糸体からの緯糸の解舒時に第二ガイド穴縁部に接触しつつ第二旋回方向に回転運動する緯糸が第二接続部から接続通路内部に入り込むことを抑止できる限界点としての意義を有する。
【0034】
また、第二進角地点は、上述した第一進角地点と同趣旨の技術的意義を有する。すなわち、第二進角地点は、第二ガイド穴縁部上に第二接続部を形成する上で、第一ガイド穴と第二ガイド穴の間に直線状に接続通路を形成することの可能な限界点としての意義を有する。従って、第二進角地点から更に第二旋回方向に進んだ部位に第二接続部を形成してしまうと、接続通路の途中に屈曲部が形成されることになる。
【0035】
そこで本構成のように、接続通路の第一接続部を第一交点と第一進角地点の間の何れかの部位に形成し、かつ、第二接続部を第二交点と第二進角地点の間の何れかの部位に形成することにより、解舒対象となる給糸体が切り替わるときを除いて、徒に緯糸が接続通路内に進入することを抑制することが可能となり、以って安定したバルーンの形成が容易となる。その上、接続通路の形状を単純な直線形状となすことが可能となることで、接続通路の形状が複雑化する場合に比べて、ヤーンガイドの製造コストの低減、製造効率の向上という利益も享受することが可能である。また、第一給糸体と第二給糸体の間で解舒対象が切り替わる際には、上記のように接続通路を単純な形状、特に直線形状とすることで、接続通路を移動する緯糸が通路壁面に引っ掛かったり、また、過剰な摩擦を受けたりすることがなく、好適である。但し、本発明のヤーンガイドにおける接続通路は直線形状に限定されるものではなく、曲線形状、S字形状など適宜の形状を採用することができる。
【0036】
なお、前記接続通路は、前記第一進角地点と前記第二進角地点を接続する直線状の通路
であると、好適である。すなわち、この場合には、接続通路の第一接続部が第一進角地点に一致し、第二接続部が第二進角地点に一致するように構成される。このように接続通路を構成すると、第一ガイド穴及び第二ガイド穴の各々に対して接続通路が接続される角度を、各ガイド穴の接線方向により近づけることができる。すなわち、第一ガイド穴(第二ガイド穴)の接線方向と接続通路とのなす角度をより少なくすることができるため、第一ガイド穴(第二ガイド穴)を第一旋回方向(第二旋回方向)に回転運動する緯糸を接続通路内により進入させ難くすることができる。
【0037】
また、本発明は、織機に緯糸を供給するための緯糸供給装置としても捉えることができる。すなわち、本発明は、織機に供給するための緯糸が巻き取られて形成された第一給糸体及び第二給糸体を保持する給糸体ホルダと、各給糸体からの緯糸を測長しつつ貯留する緯糸測長貯留装置と、前記給糸体ホルダと前記緯糸測長貯留装置との間の定位置に配置されるヤーンガイドと、を備え、前記ヤーンガイドは、互いに傾斜する第一平面及び第二平面を有するプレート本体と、前記第一平面に形成されて前記第一給糸体から解舒される緯糸を挿通するための第一ガイド穴と、前記第二平面に形成されて前記第二給糸体から解舒される緯糸を挿通するための第二ガイド穴と、前記第一ガイド穴と前記第二ガイド穴とを接続するように前記プレート本体に形成された接続通路と、を有し、前記第一平面は前記第一給糸体の軸方向と直交し、前記第二平面は前記第二給糸体の軸方向と直交するように、前記プレート本体における前記第一平面と前記第二平面とがなす傾斜角度が調節されている、緯糸供給装置である。
【0038】
なお、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、織機に供給するための緯糸が巻き取られて形成された複数の給糸体を保持可能な給糸体ホルダと、各給糸体からの緯糸を測長しつつ一時的に貯留する緯糸測長貯留装置との間の定位置に配置されるヤーンガイドにおいて、給糸体から解除される緯糸によって形成されるバルーンがヤーンガイドのガイド穴縁部に接触する接触圧がばらつくことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】実施形態に係る緯糸供給装置の概略構成を示す図である。
【図2】実施形態に係る給糸体の斜視図である。
【図3】実施形態に係るヤーンガイド及びその周辺部材を説明するための説明図である。
【図4】実施形態に係るヤーンガイドの詳細構成を示す図である。
【図5】実施形態に係る接続通路の第一接続部及び第二接続部の配置位置に関するバリエーションを示す図である。
【図6】従来の緯糸供給装置を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下に図面を参照して、この発明に係るヤーンガイドおよび緯糸供給装置を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。尚、本実施の形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0042】
図1は、本実施形態に係る緯糸供給装置1の概略構成を示す図である。図2は、本実施形態に係る給糸体(パッケージ)の斜視図である。図3は、本実施形態に係るヤーンガイド及びその周辺部材を説明するための説明図である。
【0043】
図1に示す緯糸供給装置1は、織機2に緯(よこ)糸を供給するための装置である。織機2に供給するための緯糸3は、図2に示されるような給糸体(パッケージ)4に巻き取られている。給糸体4は、例えばコーン(円錐)形のボビン5の周面上に緯糸3を巻き取ることで形成されている。ボビン5は、緯糸3を巻き取るための筒状に形成された用具である。ボビン5に対しては、その軸方向の一定範囲で緯糸3が略等しい厚みで巻き付けられており、これによって給糸体4の外周形状もコーン形を有している。但し、ボビン5及びこれに緯糸3を巻き取って形成される給糸体4の形状は、その他の種々の形状を適宜採用できる。また、給糸体4は、不図示の精紡機によって予め製造、用意しておくことができる。
【0044】
緯糸測長貯留装置6は、給糸体4から解舒されて繰り出されてくる緯糸3を、製織2の1サイクル毎に織物幅(例えば、1800mm程度)に合わせて測長しつつ、一時的に貯留する。その後、所定の緯入れタイミングにおいては、後記する緯入れノズル11による空気噴射により加速され、経糸20の開口21内に配置されるオサ(図示せず)の溝内を飛走することで緯入れ動作が行われる。緯入れされた緯糸3は、オサで糸と織物の境界まで押し込み、経糸と交差させる緯打ち動作が行われる。
【0045】
図1及び図3に示されるように、緯糸供給装置1は、上記緯糸測頂貯留装置6の他、給糸体4を保持するための給糸体ホルダ7、給糸体ホルダ7と緯糸測長貯留装置6との間の定位置に配置されるヤーンガイド8、サブガイド9、テンサー10を備える。本実施形態に係る給糸体ホルダ7は、複数の給糸体4を充填可能であり、図示の例では左右に2個装填することが可能である。ヤーンガイド8、サブヤーンガイド9、テンサー10は、給糸体4から解舒された緯糸3を緯糸測長貯留装置6に案内するための部材であり、図3に示されるように、給糸体ホルダ7側からこれらの順に配置されている。
【0046】
図3に示されるように、給糸体ホルダ7は、スタンド部材70、及びこのスタンド部材70に取り付けられる第一アーム71及び第二アーム72を有する。スタンド部材70は、例えば床面に対して直立して配置される軸状の床上式スタンドである。第一アーム71及び第二アーム72は、スタンド部材70から水平方向に延びるアーム部材であり、それぞれの先端には給糸体4を装填するためのクリール71A,72Aが形成されている。ここで、第一アーム71に形成される方のクリールを「第一クリール」と称し、第二アーム72に形成される方のクリールを「第二クリール」と称する。第一クリール71A及び第二クリール72Aは、それぞれスタンド部材70の軸に対して対称位置に配置されている。以下、第一アーム71の第一クリール71Aに装填される給糸体を「第一給糸体4A」と称し、第二アーム72の第二クリール72Aに装填される給糸体を「第二給糸体4B」と称する。
【0047】
本実施形態において、第一クリール71A及び第一給糸体4Aの中心軸(以下、「第一中心軸ax1」と称す)は一致している。また、第二クリール72A及び第二給糸体4Bの中心軸(以下、「第二中心軸ax2」と称す)は一致している。そして、第一中心軸ax1及び第二中心軸ax2は、互いに斜めに傾斜して且つ給糸体ホルダ7の前方にて交差(交叉)するように設定されている。なお、図3には、スタンド部材70及びヤーンガイド8などを鉛直方向かつ上方から眺めた状態が表されている。
【0048】
第一給糸体4A及び第二給糸体4Bは、これらの一方からの緯糸3の解舒が終わり次第、他方からの緯糸3の解舒が開始される。これは、第一給糸体4A及び第二給糸体4Bのうち、解舒対象となっている方の終端(尻糸)と、他方(次に、解舒対象となる方の)の始端(口糸)を結んでおく(繋いでおく)ことで実現される。例えば、現在、第一給糸体4Aから緯糸3が解舒されているとするならば、第一給糸体4Aの尻糸と第二給糸体4B
の口糸とを第一給糸体4Aの緯糸3が空になる前に予め結んでおく。そうすることで、第一給糸体4Aから全ての緯糸3が解舒された際、緯糸3が途切れることなく、第二給糸体4Bから緯糸3が繰り出される。そして、今度は、第二給糸体4Bにおける緯糸3が全て繰り出される前に第一アーム71に新たな給糸体を装填すると共に、その口糸を第二給糸体4Bの尻糸に結んでおく。このような工程を繰り返すことで実質的に無限長の緯糸を織機2に継続して供給することが可能である。
【0049】
サブヤーンガイド9は、平板形状に形成されたプレートの中央部に単一かつ円形のサブガイド穴90が形成された部材である。サブヤーンガイド9は、第一中心軸ax1及び第二中心軸ax2が交差する交点(交差点)がサブガイド穴90の中心に位置するように配置されている。
【0050】
ヤーンガイド8の詳細については後述するが、ヤーンガイド8は図3に示されるように、サブヤーンガイド9と給糸体ホルダ7との間に配置されている。そして、ヤーンガイド8は、互いに傾斜する第一平面80Aと第二平面80Bからなるプレート本体80を有する。プレート本体80の第一平面80Aには、第一平面80Aを板厚方向に貫通する第一ガイド穴81Aが設けられており、第二平面80Bには、第二平面80Bを板厚方向に貫通する第二ガイド穴81Bが設けられている。以下、第一ガイド穴81A及び第二ガイド穴81Bを総称する場合には、単に「ガイド穴81」と記載する。第一ガイド穴81A及び第二ガイド穴81Bは共に同径の円形状に形成されている。第一ガイド穴81Aには、第一給糸体4Aから解舒された緯糸3が挿通され、第二ガイド穴81Bには、第二給糸体4Bから解舒された緯糸3が挿通されるようになっている。このように構成されるガイド穴81は、給糸体4からの緯糸3をサブヤーンガイド9に導くと共に、給糸体4との間で安定したバルーンを形成する役割がある。
【0051】
テンサー10は、互いに圧接される一対の板バネより構成されている。給糸体4から伸びる緯糸3は、ヤーンガイド8のガイド穴81、サブヤーンガイド9のサブガイド穴90、テンサー10における一対の板バネの間を通過後、緯糸測長貯留装置6に導入される。
【0052】
緯糸測長貯留装置6は、給糸体3から繰り出されてくる緯糸3を巻き付けるための円筒ドラム61、巻き取りリング部材62、巻き取りリング部材62を駆動する駆動モータ63、緯糸3を係止するための係止ピン64、係止ピン64を操作するソレノイド65、解舒検知センサ66などを備える。また、緯糸測長貯留装置6と織機2との間には、緯入れノズル11が配置されている。この緯入れノズル11は、空気(エア)噴射を行うこと緯糸3を飛走させて織機2に供給する。なお、緯入れノズル11は、空気の代わりに水などを噴射するウォータジェットノズルであっても良く、また、流体を噴射するノズルに代えて周知のレピア式、シャトル式などの糸送り機構を適宜採用することもできる。
【0053】
緯糸測長貯留装置6において、円筒ドラム61の近傍には、ソレノイド65及びこれに受け入れられる係止ピン64が配置されている。ソレノイド65を通電によって作動させると、ソレノイド65の内部に配置されたスプリングなどの付勢部材(図示せず)の付勢力に抗して係止ピン64が円筒ドラム61の周面に向けて前進し、例えば円筒ドラム61の端部近傍の周面に設けられた係止穴に進入する。一方、ソレノイド65への通電を停止すると、付勢部材の付勢力によって係止ピン64が円筒ドラム61の周面から後退する。
【0054】
給糸体4に巻回された緯糸3の解舒動作(以下、「給糸体解舒動作」ともいう)に際しては、給糸体4から予め定められた一定量の緯糸3が解舒される。この場合、ソレノイド65に通電すると共に、駆動モータ63により巻き取りリング部材62を駆動する。ソレノイド65への通電によって係止ピン64が円筒ドラム61の周面に向けて前進すると、既に円筒ドラム61の周面に巻回されている緯糸3が係止ピン64に係止される。また、
巻き取りリング部材62を形成する環状のリング部にはテンサー10を通過した後の緯糸3が挿通されている。巻き取りリング部材62が駆動されると円筒ドラム61の周面に沿って該円筒ドラム61の中心軸周りに回転する。
【0055】
上記動作に伴い、円筒ドラム61に緯糸3が巻き取られてゆくと共に、緯糸3がその糸長方向前方(ここで、前方とは給糸体4を基準に緯糸測長貯留装置6側に向かう方向をいう)に引っ張られるため、給糸体4に巻き付けられている緯糸3が前方、即ちこの場合には給糸体4からヤーンガイド8に向かう方向に飛走する。このようにして、給糸体4から順次繰り出された緯糸3が上述のように緯糸測長貯留装置6の円筒ドラム61に巻き取られることで一時的に貯留される。
【0056】
給糸体4の解舒長さは、円筒ドラム61の周長と巻き取り数(巻き取りリング部材62の周回数)の積に等しい。例えば、円筒ドラム61の周面4巻き分の長さが織物幅に一致するとすれば、給糸体解舒動作においては巻き取りリング部材62が円筒ドラム61の軸回りを4周するように駆動モータ63が制御される。そして、巻き取りリング部材62の周回数が所定数(上記例では4)となった時点で巻き取りリング部材62の駆動が停止され、緯入れタイミングまで緯糸3が貯留される。
【0057】
緯入れタイミングが到来すると、係止ピン64を後退させて緯糸3の係止を解除すると共に緯入れノズル11による空気噴射を行う。緯入れタイミングとは、緯糸測長貯留装置6に貯留しておいた緯糸3を織機2に供給する緯入れ要求が出されるタイミングを意味するものであり、例えば織機2の主軸(図示せず)の回転角度に対応付けて定められている。また、給糸体解舒動作を開始するタイミングについても同様に、織機2の主軸の回転角度に対応付けて設定しておくことができる。
【0058】
円筒ドラム61上の緯糸3に対する係止が解除された状態で緯入れノズル11による空気噴射が開始されると、円筒ドラム61上の緯糸3が円筒ドラム61の軸方向前方すなわち緯入れノズル11側に向かって引っ張られて飛走する。そして、この緯糸3は緯入れノズル11から噴射された空気と共に織機2に供給され、経糸20の開口21に緯入れされる。
【0059】
緯入れ一回当たりに円筒ドラム61から解舒する緯糸3の解舒量は、織物幅に合わせて調整される。解舒検知センサ66は、円筒ドラム61の周面近傍に配置されており、緯入れに際して円筒ドラム61から飛走する緯糸3を検出する。解舒検知センサ66によって緯糸3が検出される度に、円筒ドラム61の一周分の緯糸3が解舒されたことを把握することができる。緯糸測長貯留装置6は、緯糸測長貯留装置6全体の制御を行う中央処理部(図示せず)を備えており、中央処理部は解舒検知センサ66の検出信号に基づいて緯糸3のリアルタイムの解舒量を取得する。そして、緯糸3の解舒量が目標解舒量(織物幅に相当する長さ)に到達すると、ソレノイド65への通電が再開される。その結果、再び係止ピン64によって緯糸3が係止されることで、織機2への緯糸3の供給が停止される。
【0060】
ところで、図6に示されるような従来の緯糸供給装置においては、緯糸の糸長方向への軸応力分布が不均等になり易いという課題があるのは既述の通りである。そこで、本実施形態に係る緯糸供給装置1では、ヤーンガイド8に関して独自の構成を採用することで上記課題を解決するようにしている。
【0061】
図4は、本実施形態に係るヤーンガイド8の詳細構成を示す図である。(a)はヤーンガイドの上面図であり、(b)はヤーンガイドの正面図である。ヤーンガイド8の正面とは、給糸体ホルダ7と向き合っている方の面を指す。図4に示す例では、概ね矩形のプレートの長辺中央部近傍を折り曲げ加工することでプレート本体80を形成している。
【0062】
プレート本体80には、上述した第一ガイド穴81A及び第二ガイド穴81Bの他、第一ガイド穴81A及び第二ガイド穴81Bを接続するように、これらの間に形成される細長形状の通路である接続通路82が形成されている。接続通路82は解舒対象が切り替わる前後において緯糸3が各ガイド穴81間を行き来するために利用される。
【0063】
図3も参照して説明すると、ヤーンガイド8は、第一平面80Aが第一給糸体4Aの軸線(第一中心軸ax1)方向と直交(θ1=90°)し、かつ、第二平面80Bが第二給糸体4Bの軸線(第二中心軸ax2)方向と直交(θ2=90°)するように、第一平面80Aと第二平面80Bがなす傾斜角度θ3が調節されている。具体例としては、例えば図3に示した給糸体ホルダ7は、第一中心軸ax1と第二中心軸ax2とがなす角度θ4が70°に設定されている。そこで、ヤーンガイド8における第一平面80Aと第二平面80Bがなす傾斜角度θ3は110°に設定している。更に、ヤーンガイド8は、第一中心軸ax1が第一ガイド穴81Aの中心(Ce1)を通り、かつ、第二中心軸ax2が第二ガイド穴81Bの中心(Ce2)を通るように、第一ガイド穴81A及び第二ガイド穴81Bの中心間距離や、給糸体ホルダ7との相対距離などが調整されている。勿論、上記θ1とθ2の組み合わせは例示であり、第一平面80Aが第一中心軸ax1と直交し、かつ、第二平面80Bが第二中心軸ax2方向と直交するようなものであれば、角度θ4に応じて他の角度の組み合わせを適宜採用しても良い。
【0064】
上記給糸体解舒動作に際して給糸体4から解舒される緯糸3は、遠心力の作用によって各給糸体4の軸線方向から外側に膨らみつつ螺旋状にヤーンガイド8に向かって飛走するため、給糸体4とヤーンガイド8との間にバルーンが形成される。ここで、第一給糸体4Aから緯糸3が解舒される際に形成されるバルーンを「第一バルーンB1」と称し、第二給糸体4Bから緯糸3が解舒される際に形成されるバルーンを「第二バルーンB2」と称する。
【0065】
ここで、第一給糸体4Aから解舒された緯糸3はヤーンガイド8の第一ガイド穴81Aに挿通され、第二給糸体4Bから解舒された緯糸3はヤーンガイド8の第二ガイド穴81Bに挿通されるようになっているため、図3に示されるように、第一バルーンB1は第一給糸体4Aと第一ガイド穴81Aとの間に形成され、第二バルーンB2は第二給糸体4Bと第二ガイド穴81Bとの間に形成される。
【0066】
本実施形態に係るヤーンガイド8では、上記のように第一平面80Aと第二平面80Bがなす傾斜角度θ1を調節することで、第一平面80Aを第一給糸体4Aに正対させつつ、第二平面80Bを第二給糸体4Bに正対させることができる。そして、第一中心軸ax1が第一ガイド穴81Aの中心(Ce1)を通り、かつ、第二中心軸ax2が第二ガイド穴81Bの中心(Ce2)を通るように構成されている。そして、第一バルーンB1及び第二バルーンB2の螺旋軸(以下、それぞれ「第一バルーン軸」、「第二バルーン軸」という)を考えた場合、第一バルーン軸は第一中心軸ax1に一致し、第二バルーン軸は第二中心軸ax2に一致する。
【0067】
従って、第一ガイド穴81Aの周囲に形成される縁部(以下、「第一ガイド穴縁部83A」という)の周方向に関して、第一バルーンB1を形成する緯糸3が接触する接触圧が均等となり、同様に、第二ガイド穴81Bの周囲に形成される縁部(以下、「第二ガイド穴縁部83B」という)の周方向に関して、第二バルーンB2を形成する緯糸3が接触する接触圧が均等となる。第一ガイド穴縁部83Aに対する緯糸3の接触位置や、第二ガイド穴縁部83Bに対する緯糸3の接触位置は、緯糸3の旋回運動に伴い経時的に変化するため、この構成によれば、第一バルーン(第二バルーン)を形成する緯糸3が第一ガイド穴縁部83A(第二ガイド穴縁部83B)と接触する接触圧が経時的にばらつくことを回
避できる。
【0068】
その結果、給糸体解舒動作に際して、緯糸3に生じる軸応力が糸長方向に均等に分布することになる。従って、緯糸測長貯留装置6の円筒ドラム61上に巻き取られて貯留状態にあるときにも、糸長方向に軸応力が均等に分布した状態に保持される。よって、緯糸3の緯入れに際しては、織機2内を飛走する緯糸3の飛走姿勢を安定させることが可能となる。それ故に、緯入れ時に織機2への緯糸3の到達タイミングにばらつきが生じることもなく、一度の緯入れ当たりに織機3へ供給する緯糸3の緯入れ長さが織物幅に対して過不足が無いものとなる。
【0069】
更には、上記のように緯入れ時には緯糸3の安定飛走が実現されるので、開口21内に配置されるオサの溝(図示せず)から緯糸3が飛び出すことで緯糸3と経糸20が互いに絡まるといった不具合が起こる心配がない。従って、これに起因する織物の品質低下や生産効率の低下を好適に抑止することが可能である。更には、緯糸3の安定飛走が実現されるので、これを強制的に実現しようと緯入れノズル11から噴射する空気の噴射量を増やす必要もない。言い換えると、緯入れノズル11による空気噴射量を少なく維持しつつ、緯入れ時における緯糸3の飛走状態を安定させることができる。そのため、上記した織物の品質低下や生産効率の低下の回避と、イニシャルコスト及びランニングコストの低減とを好適に両立することが可能となる。
【0070】
次に、ヤーンガイド8の接続通路82に関する特徴点を説明する。図4に示されるように、接続通路82は、第一ガイド穴81Aと第二ガイド穴81Bの間に挟まれた直線状の通路として形成されている。図中の符号Lcは、第一ガイド穴81Aの中心(Ce1)と第二ガイド穴81Bの中心(Ce2)を結ぶ中心線を表す。また、符号84A及び84Bは、接続通路82が第一ガイド穴81Aに接続(連通)される「第一接続部」と第二ガイド穴81Bと接続(連通)される「第二接続部」をそれぞれ表す。
【0071】
また、図中の矢印に付与された符号ar1,ar2は、「第一旋回方向」及び「第二旋回方向」を表す。第一旋回方向ar1は、第一バルーン軸(第一中心軸ax1と一致)を中心とした第一バルーンB1の旋回方向(螺旋回転方向)として定義され、第二旋回方向ar2は、第二バルーン軸(第二中心軸ax2と一致)を中心とした第二バルーンB2の旋回方向(螺旋回転方向)として定義される。ここで、第一旋回方向ar1及び第二旋回方向ar2は、例えば第一給糸体4Aと第二給糸体4Bを製造する際のボビン5への緯糸3の巻き方などや、緯糸供給装置1の仕様等によって決まっている。図示の例では、第一旋回方向ar1及び第二旋回方向ar2が共に反時計回りに設定されていることがわかる。通常、給糸体ホルダ7における第一アーム71及び第二アーム72には同種の給糸体が装填されることが多く、第一旋回方向ar1及び第二旋回方向ar2が同じ方向となるケースが多いと想定されるが、これに限定されるものではない。
【0072】
また、第一ガイド穴81A(第一ガイド穴縁部83A)と中心線Lcとの交点を「第一交点Pa1」とし、第二ガイド穴81B(第二ガイド穴縁部83B)と中心線Lcとの交点を「第二交点Pa2」とする。そして、第一ガイド穴縁部83A上を、第一交点Pa1から第一旋回方向ar1に90°進んだ地点を「第一進角地点Pb1」とし、第一交点Pa1から第一旋回方向ar1とは反対の方向に90°戻った地点を「第一遅角地点Pc1」とする。同様に、第二ガイド穴縁部83B上を、第二交点Pb1から第二旋回方向ar2に90°進んだ地点を「第二進角地点Pb2」とし、第一交点Pa1から第一旋回方向ar1とは反対の方向に90°戻った地点を「第二遅角地点Pc2」とする。
【0073】
接続通路82を第一ガイド穴81Aと第二ガイド穴81Bの間に挟みかつ直線状に形成する観点からは、第一接続部84Aを、第一遅角地点Pc1〜第一進角地点Pb1の範囲
の何れかの部位に形成し、かつ、第二接続部84Bを第二遅角地点Pc2〜第二進角地点Pb2の範囲の何れかの部位に形成する必要がある。なお、本明細書において、例えばA〜Bの範囲(もしくは、AからBまでの範囲、AとBの間など)と記載する場合には、対象としているガイド穴81における緯糸3の旋回方向を基準として(即ち、当該方向に沿って)当該Aを始点とし、当該Bを終点とした範囲を指す。従って、上記第一遅角地点Pc1〜第一進角地点Pb1の範囲の範囲には第一交点Pa1が含まれ、第二接続部84Bを第二遅角地点Pc2〜第二進角地点Pb2の範囲には第二交点Pb1が含まれる。
【0074】
第一給糸体4A(第二給糸体4B)からの通常解舒時に、第一ガイド穴81A(第二ガイド穴81B)を旋回しながら糸長方向前方に牽引されてゆく緯糸3が接続通路82に進入するのを許容してしまうと、安定したバルーニングが阻害されたり緯糸3に過度な負荷が掛かることで緯糸3が傷み易い。そのため本実施形態に係るヤーンガイド8は、上記観点に加えて、通常解舒時における緯糸3の接続通路82への進入も抑制する観点からも接続通路82の接続位置を配慮するようにした。通常解舒時とは、第一給糸体4A又は第二給糸体4Bから緯糸3を解舒する時期のうち、解舒対象が切り替わる給糸体切替時に該当しない時期をいう。
【0075】
まず、第一ガイド穴81Aにおいては、第一遅角地点Pc1と第一交点Pa1の間の範囲に第一接続部84Aを形成すると、第一給糸体4Aに係る通常解舒時に第一ガイド穴81A内を旋回する緯糸3に作用する遠心力(慣性力)によって、第一ガイド穴81Aから接続通路82への緯糸3の進入が助長されてしまう。同様に、第二ガイド穴81Bにおいては、第二遅角地点Pc2と第二交点Pb1の間の範囲に第二接続部84Bを形成すると、第二給糸体4Bに係る通常解舒時に第二ガイド穴81Bを旋回する緯糸3に作用する遠心力(慣性力)によって、第二ガイド穴81Bから接続通路82への緯糸3の進入が助長されてしまう。
【0076】
従って、第一交点Pa1(第二交点Pb1)は、第一給糸体4A(第二給糸体4B)による通常解舒時に第一ガイド穴縁部83A(第二ガイド穴縁部83B)に接触しつつ旋回する緯糸3が、第一接続部84A(第二接続部84B)から接続通路82内部に進入することを抑止できる限界点(端点)としての意義を有する。また、第一進角地点Pb1(第二進角地点Pb2)は、接続通路82を第一ガイド穴81Aと第二ガイド穴81Bの間に直線状に形成するための限界点(端点)としての意義を有する。
【0077】
上記二つの観点から、接続通路82の第一接続部84Aは、(第一旋回方向ar1を基準として)第一交点Pa1から第一進角地点Pb1までの範囲における何れかの部位に形成し、かつ、第二接続部84Bは、(第二旋回方向ar2を基準として)第二交点Pa2から第二進角地点Pb2までの範囲における何れかの部位に形成するようにした。図4に示す例では、接続通路82の第一接続部84Aを第一進角地点Pb1に形成し、第二接続部84Bを第二進角地点Pb2に形成した状態を示している。即ち、接続通路82が第一ガイド穴縁部83Aにおける第一進角地点Pb1及び第二ガイド穴縁部83Bにおける第二進角地点Pb2を結ぶ直線状の細長通路として形成されている。
【0078】
このように接続通路82を形成することで、第一給糸体4A(第二給糸体4B)からの通常解舒時に、第一ガイド穴81A(第二ガイド穴81B)を旋回する緯糸3に対してこれを第一接続部84A(第二接続部84B)から離反させる方向に慣性力が作用するようになり、緯糸3が接続通路82に進入することが抑制される。これにより、通常解舒時に、第一ガイド穴81A(第二ガイド穴81B)における緯糸3の円滑な旋回動作が実現され、安定した第一バルーンB1(第二バルーンB2)が形成される。このことは、緯糸3の糸長方向における軸応力分布の均等化に有用であり、織物の品質及び生産効率の向上、コストの低減にも寄与する。
【0079】
また、本実施形態のように、接続通路82の形状を単純な直線形状となすことで、その形状が複雑化する場合に比べて、ヤーンガイド8の製造コストの低減、製造効率の向上という副次的な利益も享受することが可能である。また、第一給糸体4Aと第二給糸体4Bの間における解舒対象の切り替えに際しては、接続通路82を単純な形状、特に図示のような直線形状とすることで、接続通路82を他方のガイド穴側に向かって移動する緯糸が通路壁面に引っ掛かったり、過剰な摩擦を受けたりすることがない。但し、本実施形態のヤーンガイド8における接続通路82は、図示のような直線形状に限定されるものではなく、適宜の形状を採用することが可能である。例えば、緯糸の引っ掛かりや過剰な摩擦を回避できる範囲で、曲線形状、S字形状、及びその他の形状として構成しても良い。
【0080】
次に、接続通路82に係る第一接続部84Aと第二接続部84Bの配置位置に関して、より好ましい位置について言及する。図5は、接続通路82に係る第一接続部84A及び第二接続部84Bの配置位置に関するバリエーションを示す図である。(a)、(b)の各図において、便宜上、第一旋回方向ar1及び第二旋回方向ar2が共に反時計回りに設定されている。また、何れの図もヤーンガイド8の正面図である。(a)は、接続通路82における第一接続部84Aを第一交点Pa1に形成し、かつ第二接続部84Bを第二交点Pa2に形成した配置例を示している。(b)は、接続通路82における第一接続部84Aを第一進角地点Pb1に形成し、かつ第二接続部84Bを第二進角地点Pb2に形成した配置例を示している。即ち、(b)は、図4に示した正面図と同様な配置例となっている。
【0081】
図5の(a)及び(b)を比較すると判るように、(a)に比べて(b)の方が、第一ガイド穴縁部83A上の第一接続部84Aを始点として緯糸3が旋回する方向に向かう有向線分ST1と、第一接続部84Aを始点として第二接続部84Bに向かう有向線分ST2とがなす角度をより大きな角度となっている。同様に、(a)に比べて(b)の方が、第二ガイド穴縁部83B上の第二接続部84Bを始点として緯糸3が旋回する方向に向かう有向線分ST1’と、第二接続部84Bを始点として第一接続部84Aに向かう有向線分ST2’とがなす角度をより大きな角度となっている。このように、有向線分ST1と有向線分ST2がなす角度、有向線分ST1’と有向線分ST2’がなす角度を大きくすることにより、ガイド穴を旋回する緯糸3が接続通路82内部に一層進入させ難くすることができる。なお、有向線分ST1、ST2’、ST1’、ST2’は、図中、破線矢印で表している。
【0082】
以上のように、接続通路82の第一接続部84Aは、第一交点Pa1〜第一進角地点Pb1の範囲のうち、第一進角地点Pb1により近い部位に形成することにより、通常解舒時において緯糸3が接続通路82に進入することをより好適に抑止できる。同様に、接続通路82の第二接続部84Bは、第二交点Pa2〜第二進角地点Pb2の範囲のうち、第二進角地点Pb2により近い部位に形成することにより、通常解舒時において緯糸3が接続通路82に進入することをより好適に抑止できる。
【0083】
従って、第一接続部84Aは、第一交点Pa1〜第一進角地点Pb1までの範囲のうち好ましくは第一進角地点Pb1により近い部位に形成され、第一進角地点Pb1に形成されるとより好ましいことが判る。また、第二接続部84Bは、第二交点Pa2〜第二進角地点Pb2までの範囲のうち、好ましくは第二進角地点Pb2により近い部位に形成され、第二進角地点Pb2に形成されるとより好ましいことが判る。
【0084】
次に、第一給糸体4Aと第二給糸体4Bの間で解舒対象が切り替わる給糸体切替時には、解舒対象が切り替わることによって、第一ガイド穴81A及び第二ガイド穴81Bのうち、それまで解舒対象となっていた給糸体4に対応するガイド穴に挿通されていた緯糸3
が、他方のガイド穴の方向に引っ張られる。すなわち、解舒対象が第一給糸体4Aから第二給糸体4Bに切り替わった際には、第一ガイド穴81Aに挿通されていた緯糸3が第一接続部84Aを介して接続通路82に進入し、第二接続部84Bから第二ガイド穴81Bへと移動する。一方、解舒対象が第二給糸体4Bから第一給糸体4Aに切り替わった際には、第二ガイド穴81Bに挿通されていた緯糸3が第二接続部84Bを介して接続通路82に進入し、第一接続部84Aから第一ガイド穴81Aへと移動する。
【0085】
本実施形態に係るヤーンガイド8によれば、給糸体切替時には解舒対象の切り替わりを契機として緯糸3を自動的にガイド穴間を移動させることができ、かつ、通常解舒時においてはガイド穴を旋回する緯糸3が接続通路82に進入することを抑制することができる。
【0086】
なお、本実施形態におけるヤーンガイド8では、第一ガイド穴81A及び第二ガイド穴81Bの直径を例えば25mm、これらの中心間寸法を例えば55mmとしているが、これらの寸法は適宜変更できる。また、本実施形態では、第一ガイド穴81A及び第二ガイド穴81Bを水平方向に並べて配置しているが、これらの配列位置、方法については第一中心軸ax1、第二中心軸ax2、給糸体ホルダ7などとの関係によって適切な形態がきまるものであり、図示の例に限定される趣旨のものではない。
【0087】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、以上述べた実施の形態は本発明を説明するための一例であって、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において上記の実施形態には種々の変更を加え得る。
【符号の説明】
【0088】
1・・・緯糸供給装置
2・・・織機
3・・・緯糸
4,4A,4B・・・給糸体
5・・・ボビン
6・・・緯糸測長貯留装置
7・・・給糸体ホルダ
8・・・ヤーンガイド
11・・・緯入れノズル
61・・・ドラム
64・・・係止ピン
80・・・プレート本体
80A・・・第一平面
80B・・・第二平面
81A・・・第一ガイド穴
81B・・・第二ガイド穴
82・・・接続通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
織機に供給するための緯糸が巻き取られて形成された第一給糸体及び第二給糸体を保持可能な給糸体ホルダと、各給糸体からの緯糸を測長しつつ貯留する緯糸測長貯留装置との間の定位置に配置されるヤーンガイドであって、
互いに傾斜する第一平面及び第二平面を有するプレート本体と、
前記第一平面に形成されて前記第一給糸体から解舒される緯糸を挿通するための第一ガイド穴と、
前記第二平面に形成されて前記第二給糸体から解舒される緯糸を挿通するための第二ガイド穴と、
前記第一ガイド穴と前記第二ガイド穴とを接続するように前記プレート本体に形成された接続通路と、
を備え、
前記第一平面は前記第一給糸体の軸方向と直交し、前記第二平面は前記第二給糸体の軸方向と直交するように、前記プレート本体における前記第一平面と前記第二平面とがなす傾斜角度が調節されている、ヤーンガイド。
【請求項2】
前記第一ガイド穴の中心は前記第一給糸体の軸線上に配置され、前記第二ガイド穴の中心は前記第二給糸体の軸線上に配置される、
請求項1に記載のヤーンガイド。
【請求項3】
前記接続通路は、前記第一ガイド穴と前記第二ガイド穴の間に挟まれた直線状の通路であって、
前記接続通路が前記第一ガイド穴と接続される第一接続部は、前記第一ガイド穴及び前記第二ガイド穴の中心同士を結ぶ中心線と該第一ガイド穴が交わる第一交点から、該第一交点を始点として該第一ガイド穴の縁部上を前記第一給糸体から解舒された緯糸が旋回する第一旋回方向に90°進んだ第一進角地点までの何れかの部位に形成され、
前記接続通路が前記第二ガイド穴と接続される第二接続部は、前記中心線と該第二ガイド穴が交わる第二交点から、該第二交点を始点として該第二ガイド穴の縁部上を第二給糸体から解舒された緯糸が旋回する第二旋回方向に90°進んだ第二進角地点までの何れかの部位に形成される、
請求項1又は2に記載のヤーンガイド。
【請求項4】
前記接続通路は、前記第一進角地点と前記第二進角地点を接続する直線状の通路である、
請求項3に記載のヤーンガイド。
【請求項5】
織機に供給するための緯糸が巻き取られて形成された第一給糸体及び第二給糸体を保持する給糸体ホルダと、
各給糸体からの緯糸を測長しつつ貯留する緯糸測長貯留装置と、
前記給糸体ホルダと前記緯糸測長貯留装置との間の定位置に配置されるヤーンガイドと、を備え、
前記ヤーンガイドは、
互いに傾斜する第一平面及び第二平面を有するプレート本体と、
前記第一平面に形成されて前記第一給糸体から解舒される緯糸を挿通するための第一ガイド穴と、
前記第二平面に形成されて前記第二給糸体から解舒される緯糸を挿通するための第二ガイド穴と、
前記第一ガイド穴と前記第二ガイド穴とを接続するように前記プレート本体に形成された接続通路と、
を有し、
前記第一平面は前記第一給糸体の軸方向と直交し、前記第二平面は前記第二給糸体の軸方向と直交するように、前記プレート本体における前記第一平面と前記第二平面とがなす傾斜角度が調節されている、緯糸供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−26052(P2012−26052A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−165633(P2010−165633)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【出願人】(510201850)阪上織布株式会社 (1)
【Fターム(参考)】