説明

ユニット機器の背面側連結構造

【課題】機器本体とユニットとを連結した際にコネクタに接触不良が生じることのないようにしたユニット機器の背面側連結構造の提供。
【解決手段】機器本体12とユニット32と、背面側にて横一連に連続する溝部20,溝部40とに配置される連結金具52と、隣り合う溝部40に配置される連結金具62とで構成され、溝部20,40を仕切る一方の段差部21,41は、連結金具52,62が入る掛止用突片24,44を備え、他方の段差部22,42の背面部には、溝部20または溝部40の側へと突出させる先端部27a,47aが連結金具52,62が入る空隙を確保して位置移動できる進退操作片27,47が配設され、これら連結金具52,62を介して機器本体12と各ユニット32とを連結させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある機能が付与された機器本体に対し、機能を異にして用意される1以上のユニットを横列方向に連結して組み合わされるユニット機器の背面側連結構造に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
例えばデータロガーなどにおいては、ある機能が付与された機器本体に対し、機能を異にして用途別に用意される1以上のユニットを横列方向に向けて連結することで、その全体を所望仕様に対応させた1つのユニット機器として使用できるようにしたものがある。
【0003】
この場合、機器本体と個々のユニットの集合体であるユニット機器は、現場での連結・組合せ作業の簡易・迅速性が要請されるばかりでなく、相互を連結した後の電気的な接続状態の安定的な維持を図る上から簡単には分離しないように確実に相互を連結させておく必要がある。
【0004】
機器本体と1以上のユニットを連結させる際の上記要請に応えるための技術としては、例えば下記特許文献1に開示されているユニット機器相互の連結構造がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−267424号公報
【0006】
上記特許文献1に示されているユニット機器相互の連結構造は、各ユニット機器相互をそれぞれの天板部と底板部とに相互に連通する配置関係のもとで凹陥部を設け、それぞれの凹陥部内に回動自在に軸支させ連結金具を配置することで、該連結金具の回動位置により連結とその解除とを簡単に行うことができるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1に開示されているユニット機器相互の連結構造による場合には、ユニット機器相互が上面と下面とを介してのみ連結金具で連結されていることから、一方のユニット機器と他方のユニット機器とが背面側で開き加減になりやすいなど、背面側での相互の連結状態が不安定になりやすい問題があった。
【0008】
特に、各ユニット機器が背面近傍に位置する側面に相互を電気的に接続するコネクタを備えている場合には、一方の背面側と他方の背面側とが面一とならずに開いてしまうと、コネクタ側に接触不良が生じて相互の電気的な接続状態を安定的に確保することができなくなる不都合があった。
【0009】
本発明は、従来技術の上記課題に鑑み、機器本体に対し、1以上のユニットを横列方向に連結して組み合わせたユニット機器として用いる際に、背面側が開いて電気的に接続しているコネクタに接触不良が生じることのないように、背面側相互が面一状態を維持して確実に連結できるようにしたユニット機器の背面側連結構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成すべくなされたものであり、1つの機器本体と、該機器本体の左右いずれかの対向面を対面させて横並びに連結される1つのユニットと、各背面側に同幅となって横一連に連続する前記機器本体の溝部と前記ユニットの溝部とに配置されて両者をユニット機器として一体的に連結する1つの連結金具とで構成され、機器本体の前記溝部を上下で仕切っている各段差部と、ユニットの前記溝部を上下で仕切っている各段差部とのうち、上下いずれか一方の側に位置する前記段差部のそれぞれには、前記連結金具の板厚をやや上回る空隙を各溝底との間に形成する係止用突片が突設され、他方の側に位置する前記段差部に連なる背面部のそれぞれには、機器本体の前記溝部またはユニットの前記溝部の側へと突出させる先端部が前記溝底との間に前記連結金具の板厚をやや上回る空隙を形成して段階的な位置移動が可能な進退操作片が配設され、前記連結金具は、機器本体の前記溝部内にて前記係止用突片と前記進退操作片とに係止される一側板部と、ユニットの前記溝部内で前記進退操作片により係止される他側板部とを備え、これら一側板部と他側板部とを対応部位に位置固定して前記機器本体と前記ユニットとを一体的に連結させたことを最も主要な特徴とする。
【0011】
この場合、前記連結金具は、前記一側板部が機器本体の前記溝部をほぼ覆う面サイズを備え、前記他側板部がユニットの前記溝部の上下いずれか一方の略半分の領域を覆う面サイズを備えるものを好適に用いることができる。
【0012】
また、前記機器本体に連結された前記ユニットの開放された他側面方向には、該ユニットと同一の外観構造を備える1以上のユニットがそれぞれの前記溝部相互を横一連に連続させてさらに配置され、隣り合う前記ユニット相互を1単位とし、各単位毎に連続する前記溝部を介して各別に配置される各連結金具は、一方のユニットの前記溝部が備える前記係止用突片に係止される一側板片部と、他方のユニットの前記溝部内で前記進退操作片により係止される他側板片部とを備え、これら一側板片部と他側板片部とを対応部位に位置固定して前記ユニット相互を一体的に連結させることもできる。
【0013】
この場合、前記ユニット相互を一体的に連結する各連結金具は、一側板片部が一方のユニットの前記溝部の上下いずれか一方の略半分の領域を覆う面サイズを備え、他側板片部が他方のユニットの前記溝部の他方の略半分の領域を覆う面サイズを備えてそれぞれが同一面形状を呈して形成されたものを好適に用いることができる。
【0014】
さらに、機器本体の前記溝部とユニットの前記溝部とに配置される前記連結金具は、前記機器本体の開放された一側面側に掛止させる一側用フック部を前記一側板部の開放縦辺側に、前記ユニットの前記他側面側に掛止させる他側用部分フック部を前記他側板部の開放縦辺側にそれぞれ折曲形成し、
前記ユニット同士の連続する前記溝部に配置される前記連結金具は、前記一側板片部の一側開放縦辺側に一方の前記ユニットの一側面側に掛止させる一側用部分フック部を、前記一側板片部の他側開放縦辺側に前記ユニットの他側面に掛止させる他側用部分フック部を、前記他側板片部の一側開放縦辺側に隣に位置する他方の前記ユニットの一側面側に掛止させる一側用部分フック部を、前記他側板片部の他側開放縦辺側に同ユニットの他側面側に掛止させる他側用部分フック部をそれぞれ折曲形成しておくのが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、機器本体とユニットとは、それぞれの背面側に横一連に連続するように設けた各溝部を介して連結金具を配置した上で、対応する係止用突片と移動可能な進退操作片とを介して位置固定させれば、背面側が開いて電気的に接続しているコネクタに接触不良が生じることのないように、背面側相互を面一状態を維持して確実に連結させることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、連結金具は、機器本体の溝部をほぼ覆う面サイズが付与された一側板部と、ユニットの溝部の上下いずれか一方の略半分の領域を覆う面サイズが付与された他側板部とで構成されているので、ユニットの溝部における他方の溝部を余白面として残しておくことで、該ユニットと次のユニットとを連結する連結金具の配置スペースを確保させることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、機器本体と連結させたユニットに対し、さらに1つ以上のユニットを連結金具を介して継ぎ足すように連結することができるので、所望に応じた各種の機能を備えるユニット機器として多様なユーザニーズに応えることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、ユニット相互を一体的に連結する各連結金具は、一方のユニットの溝部の上下いずれか一方の略半分の領域を覆う面サイズが付与された一側板片部と、他方のユニットの溝部の他方の略半分の領域を覆う面サイズが付与された他側板片部とで構成され、かつ、それぞれが同一面形状を呈して形成されているので、3つ以上のユニットを連結する際に共用することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、機器本体とユニットとを連結する連結金具とユニット同士を連結する連結金具とのそれぞれには、機器本体やユニットを2台を1単位として対応側面側に掛止させるフック構造を付与して形成されているので、相互の連結構造を確実でより強固なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一例につき機器本体と2つのユニットとを最終的に相互連結させた状態で示す背面図。
【図2】図1におけるA−A線矢視方向での縦断面図。
【図3】図1におけるB−B線矢視方向での縦断面図。
【図4】図1におけるC−C線矢視方向での縦断面図。
【図5】図1におけるD−D線矢視方向での縦断面図。
【図6】進退操作片を引き下げた際の機器本体の一例を示す説明図であり、そのうちの(a)は背面図を、(b)は(a)におけるA−A線矢視方向での縦断面図をそれぞれ示す。
【図7】進退操作片を押し上げた際の機器本体の一例を示す説明図であり、そのうちの(a)は背面図を、(b)は(a)におけるA−A線矢視方向での縦断面図を、(c)は(a)におけるB−B線矢視方向での縦断面図をそれぞれ示す。
【図8】進退操作片を引き下げた際のユニットの一例を示す説明図であり、そのうちの(a)は背面図を、(b)は(a)におけるA−A線矢視方向での縦断面図をそれぞれ示す。
【図9】進退操作片を押し上げた際のユニットの一例を示す説明図であり、そのうちの(a)は背面図を、(b)は(a)におけるA−A線矢視方向での縦断面図を、(c)は(a)におけるB−B線矢視方向での縦断面図をそれぞれ示す。
【図10】機器本体とユニットとを連結する連結金具の一例を示す説明図であり、そのうちの(a)は表側の全体斜視図を、(b)は裏側の全体斜視図をそれぞれ示す。
【図11】ユニット同士を連結する連結金具の一例を示す説明図であり、そのうちの(a)は表側の全体斜視図を、(b)は裏側の全体斜視図をそれぞれ示す。
【図12】本発明の一例につき機器本体と2つのユニットとを進退操作片を引き下げた仮連結の状態で示す背面図。
【図13】図12におけるA−A線矢視方向での縦断面図。
【図14】図12におけるB−B線矢視方向での縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の一例につき相互を連結させた状態で示す背面図であり、図2は、図1におけるA−A線矢視方向での縦断面図を、図3は、図1におけるB−B線矢視方向での縦断面図を、図4は、図1におけるC−C線矢視方向での縦断面図を、図5は、図1におけるD−D線矢視方向での縦断面図をそれぞれ示す。
【0022】
これらの図によれば、ユニット機器11は、適宜の主たる機能が付与された機器本体12と、該機器本体12に対し背面側からみて横列右方向に順に配置されてそれぞれが異なる用途のもとで、あるいは同種の用途のもとで副次機能を発揮する1以上のユニット32と、機器本体12の背面側に設けた溝部20と隣りのユニット32の背面側に設けた溝部40とを介して配置される連結金具52と、隣接するユニット32,32相互の背面側に横一連に連なる溝部40,40相互を介して配置される連結金具62とでその全体が構成されている。
【0023】
しかも、機器本体12と各ユニット32とは、それぞれの背面側に対応配置されている各進退操作片27,47を例えば図1に示すように上方に押し上げることで、相互が背面側で一体的に連結されたユニット機器11として用いられることになる。
【0024】
機器本体12は、進退操作片27が引き下げられた状態で示す図6や、進退操作片27が押し上げられた状態で示す図7からも明らかなように、前板部14と背板部15とが縦長の略長方形で、一側板部16と他側板部17とが略方形となって、天板部18と底板部19とを合わせたその全体で略直方体形状を呈するケーシング13と、該ケーシング13内に収容される図示しない必要部材とで構成されている。なお、機器本体12は、ユニット32側と向き合う他側板部17における背板部15近傍位置に雌型の一側コネクタ部73を備えている。
【0025】
この場合、背板部15には、その略中央部位の横方向に一方の、図示例では上側の段差部21と他方の、図示例では下側の段差部22とで仕切られた溝部20が平坦な溝底23を有して凹設されている。また、該溝部20の一方を仕切る段差部21には、その長さ方向での2箇所に係止用突片24が、同厚な連結金具52および連結金具62の板厚をやや上回る空隙aを溝底23との間に確保して突設されている。
【0026】
また、溝部20の他方を仕切る段差部22が連なる背面部、図示例では段差部22の下方に位置する背板部15には、段差部22側から溝部20の側へと突出させた先端部27aが溝底23との間に連結金具52,62の板厚をやや上回る空隙aを形成してその位置固定と位置移動、図示例では昇降方向での位置移動を可能とした進退操作片27が配設されている。
【0027】
すなわち、該進退操作片27は、背板部15の縦方向での略中央部位にてその下方に位置する側縁部15a側から溝部20の他方を仕切る段差部22側へと至って溝部20側と連通するガイド溝25に案内されての昇降移動が可能に配置されている。
【0028】
しかも、進退操作片27は、その先端部27aを溝部20内に突出させた際にもガイド溝25内に位置する縦辺方向に2条の適宜長さの縦スリット28を備えているほか、これらの縦スリット28と隣り合う各側縁側から突設させることで可撓性が付与された弧状突起29を備えている。なお、進退操作片27がその基端側に備える透孔30は、進退操作片27を位置移動(昇降移動)させる際に工具を掛止させるために設けられている。
【0029】
また、ガイド溝25を仕切る一側縁25aと他側縁25bとには、弧状突起29と嵌合する弧状凹部26が上下方向での各3箇所に設けられているので、進退操作片27を3段階で切り替えて段階的な位置移動(昇降移動)と位置固定とができるようになっている。
【0030】
一方、機器本体12と略同高で、その横幅よりも狭幅となって形成されている各ユニット32は、例えば進退操作片47が引き下げられた状態で示す図8や、進退操作片47が押し上げられた状態で示す図9からも明らかなように、前板部34と背板部35とが縦長の略長方形で、一側板部36と他側板部37とが略方形となって、天板部38と底板部39とを合わせたその全体で略直方体形状を呈するケーシング33と、該ケーシング33内に収容される図示しない必要部材とで構成されている。なお、各ユニット32は、機器本体12の一側コネクタ部73と向き合う位置関係にある一側板部36には雄型の他側コネクタ部74を、その反対側に位置する他側板部37には雌型の一側コネクタ部73をそれぞれ備えている。
【0031】
この場合、背板部35には、その略中央部位の横方向に一方の、図示例では上側の段差部41と他方の、図示例では下側の段差部42とで仕切られた溝部40が平坦な溝底43を有して凹設されている。また、溝部40の一方を仕切る段差部41には、その長さ方向での2箇所に係止用突片44が、連結金具52,62の板厚をやや上回る空隙aを溝底43との間に確保して突設されている。
【0032】
また、溝部40の他方を仕切る段差部42と連なる背面部、つまり、段差部42の下方に位置する背板部35には、段差部42側から短溝部40の側へと突出させた先端部47aが溝底43との間に連結片52,連結片62の板厚をやや上回る空隙aを形成してその位置固定と位置移動、図示例では昇降移動を可能とした進退操作片47が配設されている。
【0033】
すなわち、該進退操作片47は、背板部35の縦方向での略中央部位にてその下方に位置する側縁部35a側から、溝部40の他方を仕切る段差部42側へと至って溝部40側と連通するガイド溝45に案内されての昇降移動が可能に配置されている。
【0034】
しかも、進退操作片47は、その先端部47aを溝部40内に突出させた際にもガイド溝45内に位置する縦辺方向に2条の適宜長さの縦スリット48を備えているほか、これらの縦スリット48と隣り合う各側縁側から突設させることで可撓性が付与された弧状突起49を備えている。なお、進退操作片47がその基端部に備える透孔50は、進退操作片47を位置移動(昇降移動)させる際に工具を掛止させるために設けられている。
【0035】
また、ガイド溝45を仕切る一側縁45aと他側縁45bとには、弧状突起49と嵌合する弧状凹部46が上下方向での各3箇所に設けられているので、進退操作片47を3段階で切り替えて段階的な位置移動(昇降移動)と位置固定とができるようになっている。
【0036】
機器本体12とユニット32とを背面側で連結する連結金具52は、図10(a)に示す表面側全体斜視図と図10(b)に示す背面側全体斜視図とに示す下側縁57が、溝部20,40の各段差部22,42に沿うように配置され、かつ、一方の溝部20側をほぼ覆う一側板部53と、他方の溝部40の例えば斜め下方の略半分の領域を覆う他側板部54とを備えて形成されている。
【0037】
また、連結金具52は、一側板部53の開放縦辺側には機器本体12の開放された一側面である一側板部16側に掛止させる一側用フック部55を、他側板部54の開放縦辺側にはユニット32の他側面である他側板部37側に掛止させる他側用部分フック部56を備えて形成されている。なお、図10中の符号58は、ねじ固定する際に用いられる螺孔を示す。
【0038】
このため、連結金具52は、これら一側板部53と他側板部54とを対応部位に位置固定することにより、隣り合う機器本体12とユニット32とを背面側にて一体的に連結させることができることになる。
【0039】
隣接するユニット32,32相互を1単位とし、各単位毎に連続する溝部40を介して背面側にて連結する各連結金具62は、図11などに示されているように、その上側縁63aが一方の溝部40の段差部41に、下側縁64aが他方の溝部40の段差部42にそれぞれ沿うように配置され、かつ、一方の溝部40の例えば斜め上方の略半分の領域を覆う一側板片部63と、これに連続させて他方の溝部40の斜め下方の略半分の領域を覆う他側板片部64とを備えた同一面形状を呈して形成されている。
【0040】
また、各連結金具62は、図11(a),(b)および図11にからも明らかなように、一側板片部63の一側開放縦辺側に一方のユニット32の開放された一側面である一側板部36側に掛止させる一側用部分フック部65が、一側板片部63の他側開放縦辺側に同ユニット32の他側面である他側板部37に掛止させる他側用部分フック部66が、他側板片部64の一側開放縦辺側に隣に位置する他方のユニット32の一側面である一側板部36側に掛止させる一側用部分フック部67が、他側板片部64の他側開放縦辺側に同ユニット32の他側面である他側板部37側に掛止させる他側用部分フック部68がそれぞれ折曲形成されている。なお、図11中の符号69は、ねじ固定する際に用いられる螺孔を示す。
【0041】
このため、各連結金具62は、これら一側板片部63と他側板片部64とを対応部位に位置固定することにより、隣り合うユニット32,32相互を背面側にて一体的に連結させることができることになる。
【0042】
次に、機器本体12と各ユニット32との連結手順に併せて、本発明の作用効果を説明すれば、まず、図6および図7に示す機器本体12と、図8および図9に示す1以上のユニット32とを連結することで、例えば図1に示すようなユニット機器11として組み合わせることができる。
【0043】
すなわち、図6に示すように進退操作片27を引き下げた状態にある機器本体12と、図8に示すように進退操作片47を引き下げた状態にあるユニット32とは、機器本体12の他側板部17側に設けられている一側コネクタ部73に、ユニット32の一側板部36側に設けられている他側コネクタ部74を差し込むことで相互が電気的に接続されたコネクタ72が形成される。
【0044】
さらに、機器本体12との間にコネクタ72を形成したユニット32に対しては、該ユニット32の他側板部37側に設けられている一側コネクタ部73に、隣り合う他方のユニット32が他側板部37側に備えている他側コネクタ部74を差し込むことで相互が電気的に接続されたコネクタ72が形成される。
【0045】
このようにして機器本体12と一方のユニット32と、該ユニット32と他方のユニット32との間のそれぞれに電気的に接続されたコネクタ72を形成して横並びに配置した後は、機器本体12の溝部20とその隣のユニット32の溝部40との連続部位に連結金具52が、該ユニット32の溝部40とその隣のユニット32の溝部40との連続部位に連結金具62が、図12に示す位置関係のもとでそれぞれ配置される。
【0046】
すなわち、一方の連結金具52は、その一側板板部53が機器本体12の溝部20をほぼ全面的に覆い、他側板部54が隣のユニット32の溝部40の例えば斜め下方の略略半分の領域を覆うようにして配置される。
【0047】
このとき、連結金具52は、一側板部53の上側縁53aが機器本体12の溝部20における一方の段差部21が備える係止用突片24に図13に示すように保持され、その下側縁57が溝部20の段差部22と溝部40の段差部42とに図13および図14に示すように下支えされるとともに、その一側用フック片部55が機器本体12の一側板部16側に、他側用フック片部56が隣のユニット32の他側板部37側にそれぞれ掛止された状態となって配置されることになる。
【0048】
また、他方の連結金具52は、その一側板片部63が一方のユニット32の溝部40の例えば斜め上方の略半分の領域を覆い、他側板片部64が隣のユニット32の溝部40の例えば斜め下方の略半分の領域を覆うようにして配置される。
【0049】
このとき、連結金具52は、一側板片部63の上側縁63aが一方のユニット32の溝部40における段差部41が備える係止用突片44に図14に示すように保持され、他側板片部64の下側縁64aが他方のユニット32の溝部40の段差部42に下支えされる。また、その一側用部分フック部65は、一方のユニット32の一側板部36側に、他側用部分フック部66は、同ユニット32の他側板部37側に、一側用部分フック部67は、他方のユニット32の一側板部36側に、他側用部分フック部68は、同ユニット32の他側板部37側にそれぞれ掛止された状態となって配置されることになる。図12は、その際の背面側からみた状態を示す。
【0050】
機器本体12とこれに隣り合うユニット32とには連結金具52を、ユニット32同士には連結金具62を図12に示すようにしてそれぞれ配置した後は、それぞれの進退操作片27,47を例えばそれぞれの透孔30,50に工具を掛止させるなどして図6や図8に示す状態から図7や図9に示す状態となるように一段引き上げることにより、それぞれの進退操作片27,47を図1に示すような状態とすることができる。
【0051】
このとき、各進退操作片27,47は、それぞれのガイド溝25,45が備える弧状凹部26,46のうち、最下段に位置する弧状凹部26,46からその上段に位置する弧状凹部26,46へとそれぞれの弧状突起29,49を乗り越え移動させてそれぞれの先端部27a,47aを対応する溝部20,40内へとそれぞれ入り込ませることができる。
【0052】
つまり、連結金具52,62は、各上側縁53a,63a側が各係止用突片24,44に保持され、かつ、その下側縁57,64a側がそれぞれの溝底23,43と各進退操作片27,47の先端部27a,47aとの間で挟持された状態のもとで、機器本体12の溝部20とユニット32の溝部40とに確実に位置固定させることができる。なお、各連結金具52,62は、それぞれの螺孔58,69を介してねじ固定することで、より確実に位置固定させるようにしてもよい。
【0053】
このため、機器本体12と各ユニット32とは、連結金具52,62を介して一体的に連結することで、背面側が開いて電気的に接続しているコネクタ72に接触不良が生じるという不具合の発生を確実に阻止することができる。
【0054】
しかも、連結して組み合わされた後のユニット機器11は、その背面側から突出部位を一掃して略面一状態のフラットな状態とすることができるので、省スペース化を図ってコンパクトに設置することができる。
【0055】
また、機器本体12と各ユニット32とは、各進退操作片27,47を図12に示すように単に引き下げることで、連結金具52,62を簡単に取り外すことができるので、連結状態の解除も極く容易に短時間で行うことができる。
【0056】
以上は、本発明を図示例に基づいて説明したものであり、その具体的な内容はこれに限定されるものではない。例えば、図示例とは逆に、一方の段差部21,41に進退操作片27,47を、他方の段差部22,42に係止用突片24,44を設けるようにしてもよい。また、連結金具52における他側板部54は、ユニット32の溝部40の上下いずれかの方向での略半分の領域を覆う面サイズを付与して形成することができる。この場合、他側板部54は、斜め下方や斜め上方での略半分の領域を覆う形状を付与して形成しておくのが望ましい。
【0057】
また、連結金具62は、一側板片部63が一方のユニット32の溝部40の上下いずれかの方向での略半分の領域を覆う面サイズを付与して、他側板片部64が他方のユニット32の溝部40の一方のユニット32とは逆に位置する側の略半分の領域を覆う面サイズを付与して、それぞれ形成することができる。この場合、各連結金具62は、一側板片部63が一方のユニット32の溝部40の例えば斜め上方での略半分の領域を覆い、他側板片部64が他方のユニット32の溝部40の例えば斜め下方での略半分を覆うことができる同一の面形状を付与して形成するならば、3つ以上のユニット32を連結する際に共用することができる。
【0058】
さらに、ユニット32は、図示例では機器本体12と略同高で、その横幅よりも狭幅に形成されたものが示されているが、機器本体12よりも広幅であったり、同一幅であってもよい。また、各ユニット32は、必ずしも同一幅である必要はない。したがって、連結金具52,62は、機器本体12とユニット32との具体的な横幅に対応させて形成されたものを適宜用いることができる。
【0059】
また、例えばユニット機器11の全体は、図示例では3台連結させた状態が示されているが、機器本体12と1台のユニット32との組み合わせや、機器本体12に対し3台以上のユニット32を連結金具62を介して連結させることもできる。また、連結金具52,62とは、掛止構造を付与することなく、フラットに形成し、螺孔58,69を介して単にねじ止めするようにしてもよい。さらに、進退操作片27,47は、中央位置に各1条の縦スリット28,48を設けることにより、弧状突起29,49に対し可撓性を付与するようにしてもよい。さらに、進退操作片27,47の段切り換えは、2段切り換えとしてもよい。また、溝部20の垂下突片24と溝部40の垂下突片44とは、図示例のように左右一対とすることなく、例えば1個や3個とするなど、必要に応じて適宜選択することができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
機器本体と各ユニットとを背面側で強固に連結する必要のあるユニット機器でさえあれば、データロガーなどの計測器に限らず、電気的な接続状態を維持させる必要があるその他の機器類にも好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0061】
11 ユニット機器
12 機器本体
13 ケーシング
14 前板部
15 背板部
15a 下側縁部
16 一側板部
17 他側板部
18 天板部
19 底板部
20 溝部
21 段差部
22 段差部
23 溝底
24 係止用突片
25 ガイド溝
25a 一側縁
25b 他側縁
26 弧状凹部
27 進退操作片
27a 先端部
28 縦スリット
29 弧状突起
30 透孔
32 ユニット
33 ケーシング
34 前板部
35 背板部
35a 下側縁部
36 一側板部
37 他側板部
38 天板部
39 底板部
40 溝部
41 段差部
42 段差部
43 溝底
44 係止用突片
45 ガイド溝
45a 一側縁
45b 他側縁
46 弧状凹部
47 進退操作片
47a 先端部
48 縦スリット
49 弧状突起
50 透孔
52 連結金具
53 一側板部
53a 上側縁
54 他側板部
55 一側用フック部
56 他側用部分フック部
57 下側縁
58 螺孔
62 連結金具
63 一側板片部
63a 上側縁
64 他側板片部
64a 下側縁
65 一側用部分フック部
66 他側用部分フック部
67 一側用部分フック部
68 他側用部分フック部
69 螺孔
72 コネクタ
73 一側コネクタ部
74 他側コネクタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの機器本体と、該機器本体の左右いずれかの対向面を対面させて横並びに連結される1つのユニットと、各背面側に同幅となって横一連に連続する前記機器本体の溝部と前記ユニットの溝部とに配置されて両者をユニット機器として一体的に連結する1つの連結金具とで構成され、
機器本体の前記溝部を上下で仕切っている各段差部と、ユニットの前記溝部を上下で仕切っている各段差部とのうち、上下いずれか一方の側に位置する前記段差部のそれぞれには、前記連結金具の板厚をやや上回る空隙を各溝底との間に形成する係止用突片が突設され、
他方の側に位置する前記段差部に連なる背面部のそれぞれには、機器本体の前記溝部またはユニットの前記溝部の側へと突出させる先端部が前記溝底との間に前記連結金具の板厚をやや上回る空隙を形成して段階的な位置移動が可能な進退操作片が配設され、
前記連結金具は、機器本体の前記溝部内にて前記係止用突片と前記進退操作片とに係止される一側板部と、ユニットの前記溝部内で前記進退操作片により係止される他側板部とを備え、これら一側板部と他側板部とを対応部位に位置固定して前記機器本体と前記ユニットとを一体的に連結させたことを特徴とするユニット機器の背面側連結構造。
【請求項2】
前記連結金具は、前記一側板部が機器本体の前記溝部をほぼ覆う面サイズを備え、前記他側板部がユニットの前記溝部の上下いずれか一方の略半分の領域を覆う面サイズを備える請求項1に記載のユニット機器の背面側連結構造。
【請求項3】
前記機器本体に連結された前記ユニットの開放された他側面方向には、該ユニットと同一の外観構造を備える1以上のユニットがそれぞれの前記溝部相互を横一連に連続させてさらに配置され、
隣り合う前記ユニット相互を1単位とし、各単位毎に連続する前記溝部を介して各別に配置される各連結金具は、一方のユニットの前記溝部が備える前記係止用突片に係止される一側板片部と、他方のユニットの前記溝部内で前記進退操作片により係止される他側板片部とを備え、これら一側板片部と他側板片部とを対応部位に位置固定して前記ユニット相互を一体的に連結させた請求項1または2に記載のユニット機器の背面側連結構造。
【請求項4】
前記ユニット相互を一体的に連結する各連結金具は、一側板片部が一方のユニットの前記溝部の上下いずれか一方の略半分の領域を覆う面サイズを備え、他側板片部が他方のユニットの前記溝部の他方の略半分の領域を覆う面サイズを備えてそれぞれが同一面形状を呈して形成された請求項3に記載のユニット機器の背面側連結構造。
【請求項5】
機器本体の前記溝部とユニットの前記溝部とに配置される前記連結金具は、前記機器本体の開放された一側面側に掛止させる一側用フック部を前記一側板部の開放縦辺側に、前記ユニットの前記他側面側に掛止させる他側用部分フック部を前記他側板部の開放縦辺側にそれぞれ折曲形成し、
前記ユニット同士の連続する前記溝部に配置される前記連結金具は、前記一側板片部の一側開放縦辺側に一方の前記ユニットの一側面側に掛止させる一側用部分フック部を、前記一側板片部の他側開放縦辺側に前記ユニットの他側面に掛止させる他側用部分フック部を、前記他側板片部の一側開放縦辺側に隣に位置する他方の前記ユニットの一側面側に掛止させる一側用部分フック部を、前記他側板片部の他側開放縦辺側に同ユニットの他側面側に掛止させる他側用部分フック部をそれぞれ折曲形成した請求項1ないし4のいずれかに記載のユニット機器における背面相互の連結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−66029(P2011−66029A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−212665(P2009−212665)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(000227180)日置電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】