ユニファイドメッセージングアーキテクチャ
【課題】電話通信コンポーネントを、データサーバコンポーネントと統合する。
【解決手段】このシステムは、電話によるメッセージングサーバなどのサーバにある豊富な情報へのアクセスを容易にする。この豊富な情報は、電子メールコンテンツ、カレンダコンテンツ、連絡先情報等を含む。さらに、アプリケーションプログラミングインターフェースにアクセスすることにより、本発明は、電子メール通信を発信し、また会議を受諾あるいはキャンセルする機能を付加することができる。さらに、本発明は、異種のフォーマットのメッセージを同調させることができる。例えば、ユーザは1箇所から1回の操作で「外出中」状態を電子メールシステムとボイスメールシステムの両方に設定できる。別の態様において、本発明に従って、メッセージあるいはデータコンポーネントを解析、変換、マッチングおよび/または1つのシステムから他のシステムへ通信することができる。
【解決手段】このシステムは、電話によるメッセージングサーバなどのサーバにある豊富な情報へのアクセスを容易にする。この豊富な情報は、電子メールコンテンツ、カレンダコンテンツ、連絡先情報等を含む。さらに、アプリケーションプログラミングインターフェースにアクセスすることにより、本発明は、電子メール通信を発信し、また会議を受諾あるいはキャンセルする機能を付加することができる。さらに、本発明は、異種のフォーマットのメッセージを同調させることができる。例えば、ユーザは1箇所から1回の操作で「外出中」状態を電子メールシステムとボイスメールシステムの両方に設定できる。別の態様において、本発明に従って、メッセージあるいはデータコンポーネントを解析、変換、マッチングおよび/または1つのシステムから他のシステムへ通信することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッセージングシステムに関するものであり、より具体的には、サーバに保存される豊富なデータ情報への電話によるアクセスを容易にし、機能性と効率的操作性を向上させるユニファイドメッセージングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばスマートフォンのような、電話通信装置の技術的進歩と共に、次々に出現するこれらの技術の便益を、豊富なデータベースの通信(data−based communication)および組織化されたシステム(organization system)と統合することにより、最大限引き出す要求が絶えず増加している。特に、既存のアプリケーションおよびシステム(例えば、電子メール、カレンダオーガナイザ、FAXサーバ)について、これらの電話通信装置の柔軟性と機能を活用したいという要求がある。さらに、音声認識および音声変換技術を採用して、これらの通信システムを統合および/または統一するユニファイドシステムおよび/または方法の開発の要求がある。
【0003】
今日、携帯通信装置による情報の交換の人気および機能性は急速に高まっている。例えば、携帯通信装置を介したテキストメッセージング(例えば、インスタントメッセージング)および無線インターネットアクセスは、一般的に行われている。事実上、現代社会のあらゆる分野はこれらの通信手段に依存している。
【0004】
双方向通信に関しては、電話システムおよびその機能は、事実上コンピュータプログラムおよびサーバから隔離されている。例えば、ボイスメールアカウントは電子メールアカウントとシームレスに交信できないし、その逆も同様である。特定のシナリオにおいて、会社の従業員は、長時間会社を離れるような場合、発呼者に不在を知らせるため、従業員の外向用の音声メッセージサービスに「外出中(OOF:out−of−office)」メッセージを録音することが多い。ところが、互換性と同調機能(synchronization functionality)がないので、従業員は、別のOOF電子メールメッセージを作成して、その従業員と連絡を取ろうとする人々に対し、不在について電子メールによって知らせることが多い。
【0005】
従来、ユーザが1つのシステムと他のシステムを介して機能的に交信できるような、ユニファイドメッセージングシステムおよび/または方法は存在しなかった。したがって、電話システムを豊富なデータシステム(例えば、電子メールアプリケーション)に結合、統一および/または統合して、柔軟性、機能性および汎用性を向上させる必要性が増大している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
テキスト通信機能を電話タイプの装置に結合する試みが行われて来たが、これらのシステムの機能を統一し、それによりユーザが豊富なデータ情報に遠くからアクセスし、管理し、生成することができるシステムが、強く求められている。さらに、これらの通信システムを統一および/または同調させるため、ボイス変換機構ならびにテキストスピーチ変換(TTS:text−to−speech)技術を採用するシステムおよび/または方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のいくつかの態様を基本的に理解するために、以下に本発明の簡単な概要を記述する。この概要は、本発明の広範にわたる概説ではない。これは、本発明の主要/重要なコンポーネントを特定し、または本発明の範囲に線引きすることを意図するものではない。これは、後で述べる詳細な説明の導入部として、本発明のいくつかの概念を簡単な形で提示することのみを目的としている。
【0008】
本発明の1つの態様において、ユーザは電話通信コンポーネントを介してサーバ(例えば、メッセージングサーバ)に接続することができ、これによってそこにある豊富な情報にアクセスすることができる。本発明は、電話通信コンポーネントおよび/またはシステムをメッセージングサーバコンポーネントおよび/またはシステムと統一するシステムおよび/または方法を備える。例えば、アプリケーションプログラミングインターフェースにアクセスすることによって、本発明は、電話による電子メール通信の生成および検索を可能にする機能を付加することができる。さらに、本発明により電話通信装置を介してカレンダアイテム(例えば、会議の招集や予約)の受諾あるいはキャンセルが可能になる。
【0009】
他の態様では、電話のクライアントと電子メールのクライアントは、同じバックエンド情報を使用することがあるので、このシステムは、両方のシステムに対して「外出中(OOF:Out Of Office)」の挨拶の状態を同調させることができる。例えば今日、ユーザはOOF状態を電子メールシステムと電話のボイスメールシステムの両方に設定することが多い。長時間不在を通知する自動応答電子メールのコンテンツと長時間不在を通知するOOFの挨拶のボイスメールのコンテンツは、同じ情報を含むことが多いので、本発明によりユーザは、1箇所から同時に電子メールとボイスメールをOOF状態に設定することができる。
【0010】
さらに他の態様では、メッセージおよび/または文書のプレビューシステムを対象にしている。例えば、ボイスメールは、スピーチテキスト変換エンジンによって変換し、これによりそのコンテンツのテキストを生成する。このように、ユーザは元のボイスメールメッセージのコンテンツのテキストレンダリングを、視覚的に見ることができる。他の態様では、電子メール通信のコンテンツをスピーチに変換するテキストスピーチ変換(TTS)エンジンを使用し、これにより電話通信装置を介してレビューが可能となる。
【0011】
本発明の他の態様においては、メールボックス内のコンテンツを解析し、その後に最も重要なメッセージとそのメッセージのコンテンツを決定することができる。一例として、重要なメッセージに対して、アルゴリズムは、未読の電子メールを処理し、電子メールの重要度フラッグを考慮し、ユーザと対応する組織構造を識別し、キーワードとスレッドを問合せて、それによりメッセージの重要性順位を返すことができる。最も重要な文に対しては、繰り返される単語および/または語句についてパターンマッチングを行う、複雑なアルゴリズムが考えられる。
【0012】
本発明の他の様態では、カレンダ予約(calendar appointment)およびカレンダーエントリー(calendar entry)は、電話通信システムを介して維持し、管理することができる。今日、ユーザが電話からカレンダにアクセスするには限度があり、したがって現在の予約に関して限られた情報しか読取ることができない。本発明においては、ユーザは予約に基づいて行動し、電話通信コンポーネントから予約に関する通信を開始することができる。ユーザは、電話から予約の受諾、拒否、キャンセル、および予約要請をすることができる。さらに、ユーザのボイスメールシステムとの電話セッションは、自動的に会議場の電話、あるいは会議の参加者(例えば、招集者)に転送することができる。最後に、ユーザは、電話を介して会議の参加者に電子メールメッセージ(例えば、遅刻の通知)を開始することができる。
【0013】
本発明の他の態様は、セキュリティおよびデジタル権利管理を目的としている。例えば、ボイスメッセージは、制限(例えば、転送不可、印刷不可、保存不可)を付けてコード化することができる。これらの制限は、電子メールのクライアントにより検出され、その後そのコード化されたメッセージは、配信および/または変更される際に制限を受ける。
【0014】
さらに他の態様は、ユニファイドメッセージングシステムのセキュリティ機能に関する。スピーチパスワードによるボイスメール認証は、ユーザのメールボックスに格納される語句を、ユーザが予め録音することにより達成される。ユーザが電話システムを介してログオンする場合、この語句を繰り返し、次に録音されている語句と比較される。両方の語句が同じ人物からのものであるという信頼度が算出される。信頼度が所定の基準を満たせば、アクセスは許可される。
【0015】
前述の関連する目的の成果に対して、本発明のいくつかの具体的な態様を以下の記述および添付図面を参照して説明する。しかしながら、これらの態様は、説明のためのものであり、本発明の原理を採用できる様々な方法の一部に過ぎず、本発明はこのようなすべての態様およびそれと同等の態様を含むものである。本発明のその他の利点および新規の特徴は、図面と共に以下の本発明の詳細な説明を検討することにより明らかとなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザが1つのシステムと他のシステムを介して機能的に交信できるような、ユニファイドメッセージングシステムおよび/または方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の1つの態様にかかる通信を容易にする高レベルの例示的システムアーキテクチャを示す。
【図2】開示した態様にかかるユニファイドメッセージングシステムを使用した例示的システムアーキテクチャを示す。
【図3】開示した態様にかかるコンテンツの変換および解釈を容易にする呼制御コンポーネントを示す。
【図4】開示した態様にかかる例示的通信方法のフロー図である。
【図5】開示した態様にかかるルールベースの推論エンジンを使用した呼制御コンポーネントを示す。
【図6】ある態様にかかる人工知能コンポーネントを使用した呼制御コンポーネントを示す。
【図7】開示した態様にかかるユニファイドメッセージングシステムを呼び出す例示的フロー図である。
【図8】本発明にかかるボイスメールおよび電子メールにアクセスする例示的フロー図である。
【図9】本発明の態様にかかる電子カレンダにアクセスする例示的フロー図である。
【図10】開示した態様にかかる電子連絡先リストにアクセスする例示的フロー図である。
【図11】開示した態様にかかるメッセージの録音の例示的フロー図である。
【図12】開示したアーキテクチャを実行できるコンピュータの例示的ブロック図である。
【図13】本発明にかかる例示的コンピューティング環境の略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明をここに図面を参照しながら説明するが、その際に全体を通して同様の参照番号を同様のコンポーネントに使用する。以下の記述における説明のために、本発明を完全に理解できるように多数の具体的詳述を示す。しかしながら、本発明がこれらの具体的詳述がなくても実施できることは明らかである。他の例においては、本発明の説明を容易にするために公知の構造および装置がブロック図の中に示されている。
【0019】
本出願書で使用する用語「コンポーネント」および「システム」は、コンピュータ関連のエンティティを指しており、それはハードウエア、ハードウエアとソフトウエアの組合せ、ソフトウエア、あるいは実行中のソフトウエアのいずれであってもよい。例えば、コンポーネントはプロセッサ上で実行中のプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能プログラム、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであってよいが、これに限定されない。説明において、サーバ上で実行中のアプリケーションおよびそのサーバの両方がコンポーネントであってもよい。1つまたは複数のコンポーネントは、プロセスおよび/または実行スレッド内に常駐させてもよいし、コンポーネントは1つのコンピュータ上に配置および/または2つ以上のコンピュータ間に分散させてもよい。
【0020】
ここで使用しているように、用語「推論する(infer)」あるいは「推論(inference)」は、一般的にイベントおよび/またはデータを介して得た一連の観察から、システム、環境および/またはユーザの状態についての理由付け、あるいは推論するプロセスを意味する。推論は、特定のコンテキストあるいはアクションを識別するために使用することができ、または、例えば、状態全体の確率分布を生成することができる。推論は確率的なものでよく、つまりデータおよびイベントの検討に基づいて当該状態について確率分布の計算でもよい。推論は、一連のイベントおよび/またはデータから高レベルのイベントを構成するために使用する手法を意味する。このような推論については一組の観測したイベントおよび/または格納されているイベントデータから、結果として新しいイベント、あるいはアクションを構成するが、これらのイベントに時間的に密接な相関関係があるかどうか、またこれらのイベントおよびデータは、イベントソースおよびデータソースの1つあるいはいくつかに起因するかどうかという構成が得られる。
【0021】
ここで図1を参照すると、本発明の態様にかかるシステム100の高レベルのアーキテクチャ図を示している。一般的に、システム100はユニファイドメッセージング(UM)システムコンポーネント102,電話通信コンポーネント104およびコンピュータアプリケーション、ステートマシンおよび/またはサーバコンポーネント106を含んでよい。
【0022】
電話通信コンポーネント104は、ボイスおよび/または可聴音および信号と通信ができる任意の装置を含んでよい。例えば、電話通信コンポーネント104は、従来の有線電話ならびに無線(例えば、携帯)電話を含んでもよい。さらに、電話通信コンポーネント104は、携帯無線装置および/または音声インターネットプロトコル(VOIP)あるいはFAXインターネットプロトコル(FOIP)を使用するコンピュータを介して作動することもできる。
【0023】
サーバコンポーネント106は、任意の通信および/または組織アプリケーション(organization application)をホストするために使用することができる。例えば、サーバコンポーネント106は、ボイスメール、電子メール、テキストメッセージングアプリケーション等、本発明の態様に関連する通信アプリケーションをホストすることができるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
ある態様においては、UMシステム102は、電話通信システム104とサーバコンポーネント106(例えば、メールボックスサーバ)を一体化することができる。したがって、電話通信システム104は、サーバコンポーネント106に維持されている豊富な情報にアクセスすることができ、それによりシステムが統一される。図1には、1つの電話通信システム104および1つのサーバコンポーネント106が示されているが、本発明には拡張性があり、それにより複数の電話および/またはサーバシステムを一体化できることは当然に理解できる。
【0025】
図2には、本発明の態様にかかる例示的システムアーキテクチャ200が示されている。システム200は、一般的にUMシステム102、電話通信システム104およびサーバコンポーネント106を含む。ある態様においては、図示してあるように、電話通信システム104、サーバコンポーネント106および複数のクライアント202が、有線のローカルエリアネットワーク接続204(例えば、イーサネット(登録商標))を介してUMシステム102に接続できる。3つの特定のクライアント202(例えば、スマートフォン、デスクトップ、ラップトップ)が図示されているが、本発明の精神および/または範囲を逸脱することなしに、いかなる数のクライアント(例えば、電子メールクライアント)をも使用できることは明らかである。他の態様においては、図2の接続が有線、無線あるいはその組合せでも良いことは理解できる。
【0026】
さらに、クライアント202は、サーバコンポーネント106と通信するために異種の通信技術を使用できることは明らかである。例えば、スマートフォン、ポケットパーソナルコンピュータ(PC)またはその他のハンドヘルド装置は、メールボックスサーバ206またはアクティブディレクトリサーバ208に同調するように特別の通信ソフトウエアを使用することができる。他の例において、デスクトップ(例えば、クライアント202)は、有線(例えば、イーサネット(登録商標))接続を使用することによってサーバコンポーネント106にアクセスすることができる。さらに他の例においては、3つのクライアント202(例えば、ラップトップ)は、無線ネットワーク接続を使用してサーバコンポーネント106にアクセスすることができる。
【0027】
ここでUMシステムコンポーネント102に目を向けると、呼制御コンポーネント210、テキストスピーチ変換(TTS)エンジン212、スピーチ認識エンジン214、ボイスメディア処理コンポーネント216、FAXメディア処理コンポーネント218およびUMアプリケーションコンポーネント220を備えることができる。これらのコンポーネントのそれぞれは、以下のシナリオの例を参照することによりよく理解できる。
【0028】
電話通信コンポーネント104は、公衆交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Networks)224を介して接続される一般の電話222、構内交換機(PBX:Private Branch eXchange)228または私設交換機を介して接続される構内(例えば、社内)電話226、およびVOIPまたはFOIPを使用するコンピュータシステム230を含んでもよい。これらのコンポーネントは例であって、電話通信コンポーネント104を網羅した表にする意図がないことは明らかである。言い換えれば、電話通信コンポーネント104は、可聴(例えば、ボイス、FAX)信号を生成および/または送信することができる任意の機構(例えば、有線、無線、携帯電話)を含んでもよい。呼制御コンポーネント210は、ボイスメディア制御コンポーネント(例えば、216)と連携して作動し、音声通信を処理するタスクを分担する。呼制御コンポーネント210は、呼のシグナリングの設定と呼に対する応答を容易にする。ボイスメディア処理コンポーネント216は、システムを通って流れる音声を実際に処理する。
【0029】
図3は、UMアプリケーションコンポーネント220の実施例を示している。より具体的には、UMアプリケーションコンポーネント220は、電子メール統合コンポーネント302、カレンダ統合コンポーネント304、連絡先統合コンポーネント306、およびセキュリティコンポーネント308を含むことができる。これらのコンポーネント(302,304,306,308)は、以下の例示的なシナリオを議論することでさらによく理解できる。図3のUMアプリケーションコンポーネント220は、4つの例示的機能コンポーネントを示しているが、以下のシナリオに記載するこれらのコンポーネントの機能は、異種のコンポーネントに組込む(あるいは分離する)ことができることは明らかである。同様に、ここに記載したコンポーネントは、本発明の範囲から逸脱することなく同じ位置に配置しても、離して配置してもよい。
【0030】
本発明のコンテキストを示すために、以下に例示的なシナリオを示す。以下のシナリオは、単に本発明のコンテキストを説明するために記載するものである。またここで特に開示しない他の構成も存在することも明らかである。このために、以下のシナリオは本発明の範囲および/または機能を制限することを意図するものではない。
【0031】
第1の例示的シナリオは、電子メール統合コンポーネント302について論じることを意図している。より具体的には、このシナリオは「外出中(OOF)」のボイスメールの挨拶および電子メールの統合に関するものである。再度図2を参照すると、従来OOF状態の設定は、ユーザ固有の電子メールアカウント(例えば、クライアント202を介して)またはボイスメールアカウント(例えば、電話222、226を介して)の両方に個別にすることができる。これからわかるように、サーバコンポーネントを介して生成される長時間不在を通知する電子メールのOOF自動応答ならびに長時間不在を通知するボイスメールの(例えば、OOF)挨拶は、同様の情報を含むことが多い。本発明は、電子メールとボイスメールの両方のOOF状態を1箇所から1回の操作で同時に設定することを容易にする。
【0032】
引き続き図2を参照すると、ユーザが電子メールアプリケーション(例えば、クライアント202)からOOF状態を設定すると、ユニファイドメッセージングシステム102は、このOOFメッセージを電話通信コンポーネント104に統合(例えば、同調)することができる。したがって、電話通信システム104を介したユーザへの呼は、可聴バージョンのOOF長時間不在の挨拶を含む。TTSエンジン212のテキストスピーチ変換技術を使用することによって、この挨拶は電子メールのOOF自動応答に含まれるテキストを聞き取れるようにレンダリングすることができる。
【0033】
同様に、ユーザがOOFを電話通信コンポーネント104(例えば、電話222)から設定するイベントにおいて、スピーチ認識エンジン214のボイス認識技術を使用することによって、ユニファイドメッセージングシステム102は、自動的にメールボックスサーバ206内に電子メールのOOFメッセージを設定することができる。そのあとに、このユーザに電子メールを送信した者は、電話通信機構を介して作られたOOF自動応答のテキストバージョンを受信することになる。
【0034】
第2のシナリオは、カレンダ統合コンポーネント304に関し、特にカレンダあるいは予定表へのアクセスと管理に関するものである。現在、ユーザが電話システム(例えば、222、226,230)から自分のカレンダにアクセスするには限界があり、サーバコンポーネント106内に維持されている予約(appointment)に対応する情報を読取ることしかできない。本発明の態様に従って、ユーザは電話通信コンポーネント104(例えば、222,226、230)を介して予約を管理し、予約に関する通信を開始することができる。予定表機能すべての使用が、ユニファイドメッセージングシステム102のスピーチ認識コンポーネント214を介して容易にできるということは明らかである。例えば、電話通信コンポーネント104を介して、ユーザは、サーバコンポーネント106内に含まれる予約に関して受諾(accept)、拒否(decline)、修正、キャンセルおよび通信することができる。
【0035】
ある態様において、ユニファイドメッセージングシステム102による電話セッションは、自動的に会議場の電話に転送される。言い換えると、ユーザは、電話通信コンポーネント104を介して統合メッセージングシステム102に接続することができ、それによってサーバコンポーネント106内におけるカレンダ(例えば、予約)記入(entry)に基づいて呼に対する適切な転送ターゲット位置が決定される。最後に、任意の電話通信装置104を介してユニファイドメッセージングシステム102に連絡することにより、ユーザは会議参加者に対して、相手を絞ったまたは同報電子メッセージ(例えば、電子メール)の発信を開始することができる。例えば、ユーザは会議の参加者に、会議に遅刻することを知らせることができる。
【0036】
さらに他の態様は、連絡先リスト統合コンポーネント306を介した連絡先リスト記入(contact list entry)の遠隔アクセスに関するものである。現在のシステムに接続しても、ユーザは、電子メールシステム(例えば、サーバ106)に格納されていることの多い個人的な連絡先リストに電話でアクセスすることはできない。本発明の態様に従うと、電話通信コンポーネント104(例えば、電話222、226、230)を介して、ユーザはサーバ106内に維持されている連絡先リストにある連絡先を検索することができる。必要があれば、ユーザは直ちに連絡先に接続し、あるいはメッセージ(例えば、音声、テキスト、電子メール)を残すことができる。連絡先が電子メールアドレスのみを伴う外部の連絡先の場合、本発明によりユーザは、音声ファイル(例えば、WAV)添付の電子メールを作成することにより、可聴メッセージを通信することができ、それにより意図する目標に通信を送ることができる。
【0037】
ここで議論をUMアプリケーションコンポーネント220のセキュリティコンポーネント308の機能に向けると、本発明は、電子メールまたはその他のアプリケーションを介して個人識別番号(PIN:personal identification number)をリセットするのに使用することができる。例えば、ユーザが電話ボイスメールのPIN(例えば、パスワード)を忘れた場合、それをリセットするためにしばしば情報技術(IT:information technology)ヘルプデスクあるいはシステム管理者に連絡しなければならない。UMシステム102にしたがうと、本発明によりユーザは、ドメイン証明書を使用してサーバコンポーネント106上の自分の電子メールにログインし、自分の電話ボイスメールPIN(例えば、パスワード)をリセット/変更することができる。
【0038】
セキュリティコンポーネント308を含むさらに他のシナリオは、ボイスメールのデジタル権利管理に関する。今日、ボイスメールを電話に残す場合、送信者はそのメッセージへのアクセスの制限および/または管理を行う方法を持たない。本発明によれば、アクセス制限付きのボイスメッセージを送信することができる。例えば、受信者がそのボイスメールを聞くことはできるが、転送や保存を制限したボイスメールを送信することができる。
【0039】
電子メール統合コンポーネント302を再び参照すると、音声ファイルを聞くことが適切でない状況(例えば、会議中)においては、従来ユーザはそのボイスメールのコンテンツを知ることができない。本発明のUMシステム102(例えば、電子メール統合コンポーネント302)を使用すると、ボイスメールのテキストプレビューができる(その逆も可能である)。UMシステム102に従い、電子メールクライアント202を介してユーザは、自分のコンピュータ、ラップトップまたはその他の適切な装置(例えば、スマートフォン)にあるボイスメールにテキスト形式でアクセスできる。ボイス認識技術(例えば、スピーチ認識エンジン214)により、本発明はボイスメールを変換し、それによりテキストに書換えることができる。したがって、ユーザは音声ファイルを再生することなくボイスメッセージのコンテンツをレビューすることができる。同様に、TTSエンジン212は、電話通信装置を介して電子メール通信を変換し配信するのに使用することができる。
【0040】
さらに、本発明により電子メッセージアタッチメント(例えば、ワープロ文書)は、可聴ファイル(例えば、音声)に変換するのを容易にする。これはTTSコンポーネント212を介して達成することができる。これによって本発明は、電子通信の可聴コンテンツをレンダリングすることに加えて、テキスト添付のコンテンツを含む可聴ファイルをレンダリングすることができる。TTS変換技術およびここに述べるナビゲーション概念がファイルシステムディレクトリ等に適用できることは理解できる。言い換えれば、スピーチ認識エンジン214はファイルシステムディレクトリ内のナビゲーションを実施するのに使用することができる。したがって、TTSエンジン212は、ターゲット文書を音声に変換し、それによって電話通信システム104を介してユーザに可聴ファイル(例えば、音声)をレンダリングするのに使用することができる。
【0041】
別の態様は、電子メール統合コンポーネント302を電子メール通信メッセージのコンテンツを解析するのを容易にするため使用することに関するものである。例えば、電子メールメッセージは、電話通信装置104(例えば、電話)を介して聞こえるようにレンダリングされる場合、メッセージが長過ぎて理解が困難な場合がしばしばある。本発明の新たな特徴は、ロジックおよび/または推論技術を使用して、通信に含まれる最も重要なメッセージおよび/またはテキストを識別することである。これらの論理および/または推論機構は、ルールベースおよび/または人工知能(AI:artificial intelligence)機構を使用し、コンテンツのフィルタリングおよび/またはソーティングを行なうことができる。ひとたび識別されると、コンテンツの簡略化または要約版は、ユーザに対して聞こえるようにレンダリングできる。
【0042】
前述のように、ユニファイドメッセージングシステム102は、音声再生する電子メールメッセージをそこに含まれる最も重要なメッセージおよび/またはテキストの論理のみを含むように制限することができる。コンテンツは、所望のアルゴリズム(例えば、ルールベース、AI)に従ってフィルタリングおよび/またはソーティングを行うことができるので、ユーザに読めるメッセージの量および長さは、減少させることができるのは明らかである。同様に、重要なボイスメールメッセージも同様の方法で処理(例えば、フィルタリング、ソーティング)することができる。勿論、電話で多数の電子メールを受信する場合、ユーザにとって重要な特定のメッセージに導くことが困難な可能性がある。本発明によれば、重要なボイスメールはUMシステム102によって識別することができ、ユーザが最初に読むことができる。また、ユーザがボイスメールの一部分だけを読めるように、ボイスメッセージをフィルタリングすることもできる。
【0043】
本発明の他の新しい特徴は、ファクシミリの送信に関するものである。例えば、ある組織において、着信ファクシミリはすべて、そこでルータがそのファクシミリを見て方向付けする1つのメールボックスに送られ、電子的手段を介して組織内の適切な人物に送られる。ファクシミリのメッセージが機密情報を含む場合、ファクシミリをリダイレクトしている者が機密扱いの情報にアクセスできる。本発明の態様に従い、UMシステム102はFAXメディア処理コンポーネント218を使用してファクシミリ送信の表紙を他のページから分離することができる。したがって、メッセージをリダイレクトするルータは、ファクシミリの表紙にだけアクセスすることができ、機密のコンテンツにはアクセスできない。
【0044】
他のシナリオにおいて、誰かがユーザに発呼し、ボイスメールシステムに転送されたがメッセージを残さなかった場合、被発呼者は、必ずしも誰かが電話してきたことを知ることができない。本発明の様態に従えば、ユニファイドメッセージングシステム102は、電子メールメッセージを被発呼者宛に生成して転送し、それにより誰かが電話してきたがボイスメールメッセージを残さなかったことを通知することができる。
【0045】
本発明のさらに他の新しい態様は、電子メールシステムとポリシーおよびコンプライアンスの統合に関するものである。従来ボイスメッセージは、サーバ(例えば、サーバコンポーネント106)上に格納され、任意または事前にプログラムされたポリシーに従って保存および/または保存される。例えば、そのようなポリシーの1つにより、特定の日数経過後に(例えば、21日後)メッセージを消去できる。本発明によれば(例えば、電子メールシステムとの統合)、ユーザは、電話通信コンポーネント104からどのメッセージを削除し、または保存するかを管理できる。また、論理および/または推論機構を適用して、メッセージの保存および/または削除を自動的に管理することができる。
【0046】
本発明の他の態様は、ユーザがキー操作体系を選択できるシステムおよび/または方法に関するものである。当然のことながら、ボイスメールシステムが異なると電話ユーザインターフェースをナヴィゲートおよび制御するキーが異なることがある。ユーザがあるシステムから別のシステムに変更すると、新しいシステムを使用するために新しいキーを覚えなければならないことはよくあることである。本発明によれば、最も一般に使用されているシステムに対するボタンプロファイルを使用することができる。したがって、ユーザは自分が慣れている所定のプロファイルを選択できる。また、ボタンは、特定のユーザが希望するようにプログラムすることができる。このようにして、ユーザは新しいシステムにアクセスするために、必ずしも新しいキー操作体系を覚える必要がない。
【0047】
セキュリティコンポーネント308の他の新しい特徴は、ボイスメールの認証にボイス認識技術を使用することに関する。今日、ユーザが電話から自分のメールボックスにアクセスする場合、自分のPINをパスワードとしてキー入力するのが一般的である。多くの場合、これはあまり安全ではなく、ユーザにとって不便である(例えば、車の運転中のアクセス)。本発明によれば、ユーザは、声を出してフレーズまたは希望のPINを話して自分のメールボックスにアクセスすることができる。この方がより便利であり、また音声フレーズはユーザが予め録音しておいた語句と一致する必要があり、より安全である。また、このシステムは、ユーザの特質(例えば、声の音質)を学習するようにプログラムすることができる。
【0048】
さらに他の例示的態様は、メニューおよびプロンプトのエンドユーザ設定に関する。エンドユーザが電話を介して自分のメールボックスにアクセスする場合、ユーザはボタンまたは挨拶の間に再生される情報を変更することができない。本発明によれば、ユーザは挨拶位置を指定でき、したがってユーザの職務に従って追加の情報を含むより詳細な挨拶を使用することができる。例えば、IT管理者は自分のメインメールボックスの挨拶の中にクリティカルエスカレーションケース(escalation case)の数を置くことも選択できる。別の態様においては、ユーザごとにプロンプト(例えば、音声)をカスタマイズできるのは当然である。また、状態マシン(state machine)の順序もユーザがカスタマイズできる。
【0049】
要約すると、本発明の態様は、少なくともUMシステム102に関連して使用される以下の新規のコンポーネントに関する。
【0050】
OOFボイスメール挨拶と電子メールアプリケーションとの統合−電子メールとボイスメールシステムのOOF状態のコンテンツを一致させ、それによってユーザが1箇所からOOF状態を設定することを可能にする態様。例えば、TTS機構を使用してユーザが自動応答電子メールの本文を電話挨拶として読むことができる。
【0051】
カレンダアクセス−新しい方法で、電話から起動しカレンダ予約と交信することできる機能。例えば、ユーザは、(予約の)受諾、拒否、キャンセル、会議場の電話への転送、会議参加者への電子メール発信ができる。
【0052】
連絡先リストアクセス−会社のディレクトリだけでなく、個人の連絡先リストへアクセスする能力。電話を経由して電子メールアカウントへ電子メールおよび音声ファイルアタッチメントを送る機能。
【0053】
PINリセット−ユーザは、電子メールクライアントを介してパスワード(例えば、ボイスメールパスワード)をリセットすることができる。オペレーティングシステムのセキュリティ証明により、安全を維持できることは理解できる。
【0054】
ボイスメールに対するデジタル権利管理−ボイスメールに対するデジタル権利は新しく新規な概念である。言い換えれば、本発明をボイスメールへのアクセスの管理および/または制限に使用することができる。例えば、受信者はボイスメールを聞くことはできるが、そのメッセージの転送または保存の制限を受ける。
【0055】
ボイスメールのテキストプレビュー−スピーチテキスト変換技術を使用して、本発明は録音されたボイスメールをテキストメッセージに変換できる。このメッセージは、次に電子メールアプリケーションを介して受信者に送信することができる。また、このシステムはテキストメッセージについて音声変換することも考えられる。さらに、このシステムは、ボイスメッセージの音声ファイル(例えば、wavフォーマット)を生成し、電子メールに添付することも考えられる。このようにして電子メールおよび添付ファイルを受信者に送信することが可能である。
【0056】
安全なファクシミリの取り扱い−本発明は、受信したファクシミリ送信から表紙(例えば、1頁目)を抽出し、これによってその送信の残りのページの機密性を保持することができる。
【0057】
最重要テキスト−所定の論理および/または推論技術に基づいて、本発明により、通信(例えば、電子メールおよび/またはボイスメール)の重要性について判定および順位付けを行うことができる。例えば、順位付けは所定の電子メールスレッドおよびそれに含まれるキーワードに関して生じる。テキストおよび/またはキーワードの順位付けは、一般的に電子メールを全体に目を通さなくても全体の要約を提供することは明らかである。さらに、いくつかの態様は、電話を介してこの技術をテキストの電子メールを読むのに使用することに関するものであり、これは本発明の新規な概念でもある。
【0058】
重要なメッセージ−ユーザが任意にフィルタリングの基準(例えば、ルールベース、AI)を適用できることは、電子メールメッセージに関して特に新しい点である。本発明は電子メールスレッドを解析し、それに従って順位付けをすることができる。例えば、システムはメッセージの発信者を決定し、ポリシー、論理および/または推論を適用して、それによってメッセージの重要性を順位付けおよび/または分類を行うことができる。ある態様においては、電話を通してユーザに対するメッセージを読む順番の決定に、システムはこの技術を使うことができる。また、この技術は、電話を介してユーザに電子メールを提示する前にフィルタリングするのに使用することもできる。
【0059】
不在着信の通知−このコンポーネントは、ユニファイドメッセージングシステムに統合することができ、これによってトラフィックをモニタして第三者呼制御を提供できる。ある態様では、システムは、モニタしてクライアントに着信呼を知らせることができる。例えば、システムは、所定の呼び出し回数(例えば、3回)後の不在着信の通知を通信することができる。
【0060】
ポリシーおよびコンプライアンスの電子メールシステムとの統合−新規のルールベースおよび/またはAIによるポリシーをボイスメールおよび/または電子メールに適用し、それによってコンテンツの管理と保存を行うことができる。
【0061】
ボタンプロファイル−本発明は、新規のボタンプロファイル定義機構を統合する機能を提供する。
【0062】
スピーチパスワードによるボイスメール認証−本発明は、電話を介してボイスメールおよび/または電子メールへのアクセスに安全なスピーチパスワードを使用することができる。この音声による認証は、認証技術の新規な使用法である。
【0063】
メニューおよびプロンプトのエンドユーザ設定−本発明は、エンドユーザメニューおよびプロンプトをカスタマイズする能力を提供する。
【0064】
図4は、OOFのボイスメッセージを使用して、電子メールにOOFの通知を設定するためのアクションの例示的フローチャートである。説明を簡略化する目的で、例えば、フローチャートまたは図の形でここに示す1つまたは複数の方法が、一連のアクションとして示されまた説明されているが、アクションによっては本発明に従ってここに示し説明している他のアクションと異なる順序および/または同時に生じてもよく、本発明がこのアクションの順序に限定されないことは明らかに理解できる。例えば、当業者は、状態図におけるような互いに関係のある一連の状態あるいはイベントとして表すことができる、別の方法があることを当然に理解するであろう。さらに、本発明にかかる方法を実施するために、図示したすべてのアクションが必要とされるとは限らない。
【0065】
402において、可聴OOFメッセージが録音される。システムは、404において対応する電子メールアカウントを識別することができる。識別されると、変換が開始される。406において、可聴OOFメッセージを、テキストメッセージに変換することができる。したがって、408において、テキストOOFメッセージは識別した電子メールアカウントに適用できる。このように、フォーマットが異なる(例えば、ボイスメールと電子メール)にも拘わらず、OOFのコンテンツは異種のシステムに複製することができる。図4の方法は、ボイスメールのOOFを電子メールのOOFに変換するプロセスを示しているが、本発明の別の新規態様を、電子メールのOOFをボイスメールシステムのOOFに変換するために使用できることは明らかである。
【0066】
上述のように、本発明による前記の新規の態様は、ルールベースの論理および/またはAI推論を使用して、アクションを起こし、予測および/または推論することができる。より具体的には、(例えば、コンテンツ解析、コンテンツ保存ポリシー、同調、ボイス認識と関連して)本発明が、その様々な態様を実施するために各種のルールベースおよび/またはAIベースのスキームを用いることができることを理解されたい。
【0067】
上述したシナリオに続いて図5を参照すると、代替のUMアプリケーションコンポーネント220のブロック概略図が示されている。図示するように、UMアプリケーションコンポーネント220は、ルールベースの論理エンジン502を含むことができる。図6を参照して後述するように、任意の人工知能コンポーネント(図示せず)をルールベースの論理エンジン502と共にまたはその代わりに使用して、上記のUMアプリケーションコンポーネント220(およびUMシステム102)の機能に関連して用いられるアクションあるいは1組のアクションを自動的に推論(infer)することができる。
【0068】
図5の例示的態様において、ルールベースの論理エンジン502は、所定の選考(例えば、ルール)に従ってプログラムまたは設定できる。例えば、ルール(例えば、論理)は既定の階層に基づいて自動的に電子メールの優先順位を付けるように設定できる。それに従って電子メールを変換し、優先順位に従ってユーザが読むことができる。より具体的には、電子メールに優先順位を付け、処理するために、主題、送信者の識別子、受信者の識別子などを考慮してルールを規定することができる。他の態様においては、ポリシーを予め決定または定義するためにルールを規定でき、それによって電子メールおよび/またはボイスメールをそのポリシーに従って管理(例えば、保存、転送、削除)することができる。
【0069】
本発明の他の代替態様を図6に示す。図6に示す代替態様のUMアプリケーションコンポーネント220は、アクションを自動的に推論および/または予測する任意のAIコンポーネント602を使用している。この代替態様は、UMアプリケーションコンポーネント220の自動的な制御および/または操作を容易にする推論モジュール(不図示)を任意に含んでもよい。
【0070】
この態様に従って、任意のAIコンポーネント602は、ここに記述した本発明の様々な機能(例えば、コンテンツの解析および優先順位付け、コンテンツ保存ポリシー、同調、ボイス認識)を自動的に実施することを容易にすることができる。AIコンポーネント602は、任意に推論コンポーネント(不図示)を含んでもよいが、この推論コンポーネントは、所定の時間および/または状態で実施すべく意図されたアクションの推定を容易にする推論ベースのスキームを部分的に利用して、AIコンポーネントの自動化した態様をさらに向上することができる。本発明のAIベースの態様は、適切な機械学習ベースの技術および/または統計ベース技術および/または確率ベースの技術によって行うことができる。
【0071】
さらに図6に説明する代替の態様において、本発明(例えば、コンテンツ解析、コンテンツ保存ポリシー、同調、ボイス認識に関連して)は、その様々な態様を自動的に実行する様々な人工知能ベースのスキームを任意に使用することができる。特に、AIコンポーネント602は、AI処理(例えば、確信度、推論)に基づいて本発明の態様を実施するために任意に備えることができる。例えば、ユーザの優先度または送信者識別に基づく電子メールのコンテンツの優先順位を判定する処理は、自動分類システムおよび処理を介して容易に行なうことができる。さらに任意のAIコンポーネント602は、予測および/または推論による優先度に基づいて優先順位の付いたコンテンツをユーザにレンダリングする自動化処理を容易にするために使用することができる。
【0072】
分類器(classifier)は、入力属性ベクトル x = (x1, x2, x3, x4, xn)を、その入力が、あるクラスに属する信頼度にマッピングする関数f(x) = confidence (class )である。このような分類は、(例えば、解析ユーティリティと費用を考慮に入れる)確率および/または統計ベースの解析を使用して、ユーザが自動的に実行されることを望むアクションを予知または推論することができる。
【0073】
使用することができる分類器の例として、サポートベクトルマシン(SVM:Support Vector Machine)がある。SVMは、入力が可能な空間において超曲面を探し出すことにより動作するが、この超曲面は、非トリガのイベントからトリガ判定基準を分離するように働く。直感的に、これにより分類は、訓練データに近いが同一ではない試験データを修正する。その他の方向性を持つおよび方向性を持たないモデル分類アプローチは、例えば、ナイーブベイズ、ベイジアンネットワーク、デシジョンツリーを含み、独立性の異なるパターンをもたらす確率的分類モデルを使用することができる。ここで使用する分類には、優先モデルを開発するのに利用される統計的回帰も含む。
【0074】
主題の明細書から容易に理解できるように、本発明は明示的に訓練された(例えば、ジェネリックな訓練データを介した)分類器ばかりでなく、暗黙のうちに訓練された(例えば、ユーザの挙動の観察、付随的な情報の受信を介した)分類器を使用することができる。例えば、SVMは分類器の製造者の内部で学習または訓練段階を経て構成され、選択モジュールを特徴とすることができる。言い換えれば、エキスパートシステム、ファジイロジック、サポートベクトルマシン、グリーディサーチアルゴリズム、ルールベースのシステム、ベイジアンモデル(例えば、ベイジアンネットワーク)、ニューラルネットワーク、その他の線形訓練法、データフュージョン、ユーティリティベースの解析システム、ベイジアンモデルを用いたシステム等が挙げられ、ここに添付する請求項の範囲内に入ることを意味する。
【0075】
本発明の態様にかかるUMシステムのユーザインターフェース(UI:user interface)の例示的なフロー図を図7〜図11に示す。上述のように、このUMシステムは、サーバのメールボックス内に格納されているボイスメール、電子メールおよびFAXの管理を行うことができる。本発明は、電話UIからこの情報にアクセスし、管理することを容易にする。このUIに従って、ユーザは、デスクトップコンピュータまたはハンドヘルド装置にアクセスする代わりに、電話から自分のボイスメールおよびその他の有用な情報にアクセスできる。
【0076】
以下に、本発明が対応できる例示的シナリオを示す。最初のシナリオにおいては、ユーザが遠い場所での会議に向かっていて、会議が建物のどの部屋で行われるかが判らないとしよう。ユーザは、会議に向かって車を走らせる間にこの情報を素早く得たいと思うはずである。本発明によれば、電話でこの情報を容易に検索できる。
【0077】
他のシナリオにおいて、ユーザが実際に会議に遅刻し、到達する前に会議室に発呼して電話で会議に参加したいと望んでいるとしよう。この場合ユーザは、電話で会議場の情報にアクセスし、その次に会議場に転送することが可能である。
【0078】
第3のシナリオでは、朝ユーザが車で出勤中に、電子メールまたはボイスメールで保留になっている事項について、一足早く取りかかりたいと思っているとしよう。ユーザは、電話UIからこの様々な事項を素早く点検し、必要があれば返答し、その事項に関係する者とフォローアップすることができる。
【0079】
最後のシナリオでは、ユーザは、ホテルの部屋にいてプリンタが使えず、資料とその日の予定を点検できるように、電子メールや翌日のカレンダの予約をホテルのFAXに送りたいと思っているとしよう。本発明のある態様によれば、電話接続を介したこの機能を容易なものにすることができる。これらやその他の態様の手順は、以下の図7〜図11を点検することにより、さらによく理解できる。
【0080】
図7を参照すると、UMの着呼があった際の例示的プロセスタスクのフロー図が示されている。このプロセスは、外部の発呼者702と内部の発呼者704の発呼にかかる手順の流れを示す。図示するように、この例示的態様のプロセスの流れは、発呼者のタイプ(例えば、外部702あるいは内部704)ならびに706でダイヤルされた連絡番号に依存する。外部の発呼者は708の会社情報によりプロンプトされるが、内部の発呼者は710の内部情報によりプロンプトされる。
【0081】
各シナリオにおいて、発呼者は、名前をエントリして712のディレクトリ検索を使用するか、または内線番号を入力して内線(714)に直接接続することにより、システム上のユーザに連絡することができる。716でユーザの返答がない場合、発呼者のタイプに応じてシステムが適切な挨拶(例えば、外部、内部、OOF)を再生することができる。適宜、ボイスメールメッセージは718で録音することができる。予め指定してあるキー(例えば、「*」)を押すと、システムは720で被発呼者のメールボックスに入ることができる。
【0082】
被発呼者は、会社および/または内部の挨拶メニュー(708、710)から予め指定してあるキー(例えば、「#」)を選択することによって720から直接メールボックスにアクセスできる。この直接アクセスは、722において被発呼者に必要な情報をプロンプトする。いずれの場合も、ひとたび720で適切なセキュリティ資格証明情報が入力されると、724でUMにアクセスすることができる。図8は、アクセスが許可されたあとの継続する手順のフロー図を示す。
【0083】
図8を参照すると、724でUMへのアクセスが許可されると、ユーザは802でメインメニューの入力を促される。例えば、ユーザはボイスメールに対しては「1」を、カレンダオプションに対しては「2」を、連絡先に対しては「3」を、電子メールに対しては「4」を押す等と、促される。オプション番号「2」および「3」つまりカレンダオプションと連絡先については、図9と図10を参照しながらさらに詳しく丁寧に説明する。さらなる例として、「5」を選択してメッセージ(例えば、ボイスメール、電子メール)を送信し、または「7」を選択してOOFを設定することができる。それ以外の例示的なメニュー選択をブロック802に示す。
【0084】
図に示すように、ボイスメールまたは電子メールを選択すると、システムは804に進み、その際、ユーザにコンテンツが提示される。言い換えると、ユーザは、ボイスメール、電子メールおよび/または会議要求(meeting request)のコンテンツの提示を受けることができる。上述のコンテンツを管理、編成、フィルタリングおよび/または分類するために、論理および推論機構を使用できることは明らかである。図示のように、コンテンツが提示されると、ユーザには「メッセージ後」のメニューが示され、それによりさらなるオプションの提示が可能になる。例えば、「4」を押すとユーザは、所望のメッセージをFAXで送信することができる。言い換えると、ユーザは、ボイスメールおよび/またはTTSで変換された電子メールを聞いた後に、そのメッセージをFAXで所望の場所に送信するよう選択できる。同様に、「3」を押すとユーザは、メッセージに、あるいは会議の予約要請を受諾することができる。オプション「2」を選択すると、ユーザは806において特定のメッセージの発信者に発呼することができる。この「発呼」のオプションについては、図10を参照してさらに詳しく説明する。図8のUIプロセスの流れに示すオプションは例示的なものであり、ユーザが利用できるオプションを網羅したリストを意味するものではない。
【0085】
808において、メッセージの再生中に提示される再生命令(play command)の例示的なリストを示す。このリストについても、ここで説明する機能について網羅することを意図するものではない。図に示すように、システムは808に示すオプションに従って、ポーズ、アンデリート(undelete)、リピートなどのタスクを行うことができる。
【0086】
図9には、カレンダへのアクセスのフロー図の例を示す。902において、システムは未決定の会議の数を再生できる。また、902に示すように、ユーザは会議予約および/または要請を、様々なオプションの中から任意に選択することによって管理することができる。例えば、ユーザは、オプション「2」を選択して会議場に、「2,2」を選択して会議の招集者に発呼し、または「3」を選択して対象の会議に遅刻する旨を示すことができる。同様に、図示したように、その他のガイドオプションをユーザに提示することもできる。
【0087】
図10は、連絡先メニューから発呼するプロセスの流れを例示的に示す。発呼は、会議要請および/または予約、あるいは受信した通信に従って行うこともできることは明らかである。図10を再び参照すると、712におけるディレクトリ検索を介して連絡先を見つけると、システムは1002でユーザに情報を提示できる。1002で提示される情報は、任意のタスクを行うことができる。例えば、ユーザは「2」あるいは「3」を押して、連絡先に対してそれぞれ発呼またはメッセージを発信することができる。ユーザが発呼を選択した場合、プロセスは図示のように発呼を続ける。
【0088】
図11は、メッセージを録音するプロセスのフロー図を示す。メッセージは、1102で録音される。1104において、ユーザに録音を管理する様々なオプションが提示される。例えば、ユーザは「1,1」を押して高優先度のメッセージに印をつける、あるいは「5」を押してアクセスを制限することができる。これが終了すると、ユーザは1106でシステムを終了させることができる。
【0089】
次に参照する図12は、開示したアーキテクチャを実行できるコンピュータのブロック図である。本発明の様々な態様について、さらにコンテキストを提供するために、図12および以下の記述は、本発明の様々な態様を実施することができ適切なコンピューティング環境1200の簡単で一般的な説明を行う。本発明について、1つまたは複数のコンピュータ上作動できるコンピュータ実行可能命令を一般的なコンテキストで上述したが、当業者には、本発明が他のプログラムモジュールとの組み合わせおよび/またはハードウエアとソフトウエアとの組合せとして実施できることは理解されよう。
【0090】
一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行、または特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造等を含む。さらに、当分野の技術者は、本発明の方法が、他のコンピュータシステム構成によって実施でき、そのコンピュータシステム構成には、シングルプロセッサまたはマルチプロセッサのコンピューティングシステム、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ならびにパーソナルコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティング装置、マイクロプロセッサベースまたはプログラム可能な家電製品等が含まれ、それぞれが1つまたは複数の関連装置に動作可能に接続され得ることは理解できよう。
【0091】
説明した本発明の態様は、通信ネットワークに結合にされているリモート処理装置によって特定のタスクが実行される分散コンピューティング環境において実施してもよい。分散コンピューティング環境において、プログラムモジュールは、ローカルおよびリモートのメモリストレージデバイスの両方に置くことができる。
【0092】
コンピュータは、一般的に様々なコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータがアクセスできる利用可能な任意の媒体でよく、揮発性および不揮発性媒体、リムーバブルおよび非リムーバブル媒体の両方を含んでよい。例えば、コンピュータ可読媒体は、コンピュータストレージ媒体および通信媒体を含めることができるが、これに限定されない。コンピュータストレージ媒体には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールあるいはその他のデータ等の情報の記憶のための任意の方法または技術によって実現される揮発性および不揮発性、リムーバブルおよび非リムーバブル媒体を含んでもよい。コンピュータストレージ媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、またはその他のメモリ技術、CD−ROM、デジタルビデオディスク(DVD)またはその他の光学ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ媒体、またはその他の磁気ストレージ装置、または所望の情報を格納するのに使用でき、かつコンピュータがアクセスできるその他の媒体を含むが、これに限定されない。
【0093】
通信媒体は一般的に、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波あるいは他のトランスポート機構等の変調データ信号に含まれるその他のデータを具現化するもので、任意の情報配信媒体を含む。「変調データ信号」という用語は、1つまたは複数の特徴を有する信号、あるいは信号中の情報をコード化するように変更された信号を意味する。例えば、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線媒体等の有線媒体、および音響、RF、赤外線等の無線媒体を含むが、これに限定されない。上述の任意の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれる。
【0094】
再び図12を参照すると、本発明の様々な特徴を実施するコンピュータ1202を含む例示的な環境1200が示されており、このコンピュータ1202は、処理ユニット1204、システムメモリ1206およびシステムバス1208を含む。システムバス1208は、システムメモリ1206を含むシステムコンポーネントを処理ユニット1204に結合するが、これに限定されない。処理ユニット1204は、市販の任意のプロセッサでもよい。処理ユニット1204として、デュアルマイクロプロセッサおよびその他のマルチプロセッサアーキテクチャを使用してもよい。
【0095】
システムバス1208は、いくつかあるバス構造の型の任意のものでよく、さらに(メモリコントローラ付き、または無しの)メモリバス、周辺バス、およびローカルバスに、市販の任意の様々なバス構造を使用して相互結合する。システムメモリ1206は、リードオンリーメモリ(ROM)1210およびランダムアクセスメモリ(RAM)1212を含む。基本入力出力システム(BIOS)は、ROM、EPROM、EEPROM等の不揮発性メモリ1210内に格納され、このBIOSは、起動時などに、情報をコンピュータ1202内のエレメント間に転送する助けとなる基本的なルーチンを含む。RAM1212は、またデータをキャッシュするためにスタティックRAMのような高速RAMを含んでもよい。
【0096】
コンピュータ1202は、さらに(例えば、EIDE、SATA)内蔵ハードディスクドライブ(HDD)1214、(例えば、リムーバブルディスケット1218に読み書きする)磁気フロッピー(登録商標)ディスク(FDD)1216および(例えば、CD−ROMディスク1222からの読取り、あるいはDVDのような大容量光学媒体への読み書きする)光学ディスクドライブ1220を含むが、このハードディスクドライブ1214は、(図示しない)適切なケースに入れて外付けで使用するように構成することもできる。ハードディスクドライブ1214、磁気ディスクドライブ1216および光学ディスクドライブ1220は、システムバス1208にそれぞれハードディスクドライブインターフェース1224,磁気ディスクドライブインターフェース1226、および光学ドライブインターフェース1228によって接続できる。外部ドライブ実装用のインターフェース1224は、ユニバーサルシリアルバス(USB)およびIEEE1394インターフェース技術のうち少なくとも1つ、または両方を含む。
【0097】
ドライブおよびそれに関連するコンピュータ可読媒体は、データ、データ構造、コンピュータ実行可能命令等の不揮発性ストレージを提供する。コンピュータ1202に対して、ドライブおよび媒体は、適切なデジタルフォーマットによる任意のデータのストレージを提供する。上述のコンピュータ可読媒体の説明は、HDD、リムーバブル磁気ディスケット、およびCDまたはDVD等のリムーバブル光学媒体に言及しているが、当業者は、ZIPドライブ、磁気カセット、フラッシュメモリカード、カートリッジ等のコンピュータによって読取りが可能なその他の媒体も、この例示的な動作環境で使用しても、さらにこのような任意の媒体が本発明の方法を実施するためのコンピュータ実行可能命令を含んでもよいことは理解できる。
【0098】
ドライブおよびRAM1212には、オペレーティングシステム1230、1つまたは複数のアプリケーションプログラム1232、その他のプログラムモジュール1234およびプログラムデータ1236を含む多数のプログラムモジュールを格納することができる。オペレーティングシステム、アプリケーション、モジュールおよび/またはデータのすべてあるいは一部分も、RAM1212にキャッシュすることができる。本発明が様々な市販のオペレーティングシステムあるいはオペレーティングシステムの組合せを使用して実施できることは明らかである。
【0099】
ユーザは、1つまたは複数の有線/無線入力装置、例えば、キーボード1238およびマウス1240等のポインティングデバイスによって、コンピュータ1202に命令および情報を記入できる。(図示しない)その他の入力装置は、マイクロフォン、赤外線リモートコントロール、ジョイスティック、ゲームパッド、スタイラスペン、タッチスクリーン等を含んでもよい。これらおよびその他の入力装置は、システムバス1208に結合される入力装置インターフェース1242を介して処理ユニット1204に接続されることが多いが、パラレルポート、IEEE1394シリアルポート、ゲームポート、USBポート、赤外線インターフェース等のその他のインターフェースによって接続してもよい。
【0100】
モニタ1244またはその他のタイプのディスプレイ装置も、ビデオアダプタ1246等のインターフェースを介してシステムバス1208に接続される。モニタ1244に加えて、コンピュータは、一般的にスピーカ、プリンタ等、(図示しない)その他の周辺出力装置を含む。
【0101】
コンピュータ1202は、有線および/または無線の通信を介した1つまたは複数のリモートコンピュータ1248等のリモートコンピュータへの論理的接続を使用して、ネットワーク環境で動作することができる。リモートコンピュータ1248(単数または複数)は、ワークステーション、サーバコンピュータ、ルータ、パーソナルコンピュータ、携帯型コンピュータ、マイクロプロセッサベースのエンターテインメント機器、ピア装置あるいはその他の共通ネットワークノードなどでもよく、コンピュータ1202に関連して説明した多くの、あるいはすべてのコンポーネントを一般的に含むが、説明を簡潔にするためメモリ記憶装置1250のみを図示している。論理的接続と表現したものには、ローカルエリアネットワーク(LAN)1252、およびさらに大きいネットワーク、例えば、ワイドエリアネットワーク(WAN1254)への有線/無線接続を含む。このようなLANおよびWANネットワーク環境は、オフィスや会社では一般的であり、イントラネットのような企業内コンピュータネットワークを容易にするが、そのすべてを、例えばインターネット等のグローバル通信ネットワークに接続してもよい。
【0102】
LANネットワーク環境で使用する場合、コンピュータ1202は、ローカルネットワーク1252に有線および/または無線通信ネットワークインターフェース、あるいはアダプタ1256を介して接続される。アダプタ1256は、LAN1252との有線または無線通信を容易にするが、その上に無線アダプタ1256との通信のために配置された無線アクセスポイントも含む。WANネットワーキング環境で使用する場合、コンピュータ1202はモデム1258を含むか、あるいはWAN1254上の通信サーバに接続されるか、あるいは、例えば、インターネットによる方法等、WAN1254上で通信を確立するその他の手段を有する。モデム1258は、内部あるいは外部モデムでも、また有線装置でも無線装置でもよく、シリアルポートインターフェース1242を介してシステムバス1208に接続される。ネットワーク環境において、コンピュータ1202に関して述べたプログラムモジュール、あるいはその一部は、リモートメモリ/ストレージデバイス1250に格納させることができる。示したネットワーク接続は例示す的なものであり、コンピュータ間の通信リンクを確立する他の手段も使用できることは明らかである。
【0103】
コンピュータ1202は、無線装置あるいは無線通信内に動作するように配置されたエンティティ、例えば、プリンタ、スキャナ、デスクトップおよび/または携帯型コンピュータ、携帯用データ端末、通信衛星、無線で検出できるタグを接続した設備または場所(例えば、売店、新聞売り場、化粧室)および電話と通信することができる。これには、少なくともWi−FiおよびBluetooth(商標)無線技術が含まれる。このように、この通信は従来のネットワークと同様に事前定義された構造であってもよく、あるいは単に少なくとも2つの装置間のアドホック通信であってもよい。
【0104】
Wi−Fi、またはWireless Fidelityは、家庭のソファ、ホテルのベッド、あるいは会社の会議室からの無線による接続を可能にする。Wi−Fiは、携帯電話のような無線技術であり、例えば、コンピュータのような装置が、基地局の範囲内であればどこでも、室内でも屋外でもデータの送受信を可能にする。Wi−Fiネットワークは、IEEE802.11(a,b,gなど)と呼ばれる無線技術を使用して、安全で確実かつ高速の無線接続を提供する。Wi−Fiネットワークは、コンピュータを相互に接続する場合や、インターネット、有線ネットワーク(IEEE802.3あるいはイーサネット(登録商標)を使用)に接続する場合に使用できる。Wi−Fiネットワークは例えば、2.4GHzおよび5GHzの無認可の無線帯域で11Mbps(802.11a)あるいは54Mbps(802.11b)のデータ速度、あるいは両方の無線帯域(デュアルバンド)を含む製品で動作するので、このネットワークは、多くのオフィスで使用されている10BaseT有線イーサネット(登録商標)ネットワークと同様の、現実のようなパフォーマンスを提供できる。
【0105】
図13に、本発明にかかる例示的なコンピューティング環境1300の概略ブロック図を示す。このシステム1300は、1つまたは複数のクライアント1302を含む。クライアント1302(単数または複数)は、ハードウエアおよび/またはソフトウエア(例えば、スレッド、プロセス、コンピューティングデバイス)でもよい。クライアント1302(単数または複数)は、例えば、本発明を用いることによってクッキー(単数または複数)および/または関連するコンテキスト情報を収納できる。システム1300は、1つまたは複数のサーバ1304も含むことができる。サーバ1304(単数または複数)は、ハードウエアおよび/またはソフトウエア(例えば、スレッド、プロセス、コンピューティングデバイス)であってもよい。サーバ1304は、例えば、本発明を用いることによって変換を実行するスレッドを収納できる。クライアント1302とサーバ1304との間で可能な通信の1つは、2つまたはそれ以上のコンピュータプロセスの間を伝送するのに適したデータパケットの形でもよい。データパケットは、例えば、クッキーおよび/または関連するコンテキスト情報を含んでもよい。システム1300は、クライアント1302(単数または複数)とサーバ1304(単数または複数)との間の通信を容易にするために使用することができる通信フレームワーク1306(例えば、インターネット等のグローバル通信ネットワーク)を含む。
【0106】
通信は、有線(光ファイバを含む)および/または無線の技術を介して促進することができる。クライアント1302(単数または複数)は、クライアント1302のローカルにある情報(例えば、クッキー(単数または複数)および/または関連するコンテキスト情報)を格納するのに使用できる1つまたは複数のクライアントデータストア1308(単数または複数)に動作可能に接続され。同様に、サーバ1304(単数または複数)は、サーバ1304のローカルにある情報を格納するのに用いることができる、1つまたは複数のサーバデータストア1310(単数または複数)に接続される。
【0107】
上述の説明は、本発明の実施例を含む。もちろん、本発明を説明するためにコンポーネントあるいは方法の考え得る全ての組合せを記述することは不可能であるが、当分野の技術者には、本発明のさらに多くの組合せおよび置換が可能であるは理解できる。したがって、本発明は、添付請求項の精神と範囲に入るすべてのこのような変更、修正およびバリエーションを包含するものである。さらに、詳細説明あるいは請求項で「含む」という用語が使用われている限りにおいて、このような用語は「備えている」という用語が請求項において暫定的な用語として用いられるときに解釈されるのと同様に、包括的な意味で使用されることを意図している。
【符号の説明】
【0108】
104 電話通信コンポーネント
102 ユニファイドメッセージングシステム
106 サーバコンポーネント
206 メールボックスサーバ
208 アクティブディレクトリ
210 呼制御コンポーネント
212 テキストスピーチ(TTS)エンジン
214 スピーチ認識エンジン
216 ボイスメディア処理コンポーネント
218 FAXメディア処理コンポーネント
220 UMアプリケーションコンポーネント
222,226 電話
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッセージングシステムに関するものであり、より具体的には、サーバに保存される豊富なデータ情報への電話によるアクセスを容易にし、機能性と効率的操作性を向上させるユニファイドメッセージングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばスマートフォンのような、電話通信装置の技術的進歩と共に、次々に出現するこれらの技術の便益を、豊富なデータベースの通信(data−based communication)および組織化されたシステム(organization system)と統合することにより、最大限引き出す要求が絶えず増加している。特に、既存のアプリケーションおよびシステム(例えば、電子メール、カレンダオーガナイザ、FAXサーバ)について、これらの電話通信装置の柔軟性と機能を活用したいという要求がある。さらに、音声認識および音声変換技術を採用して、これらの通信システムを統合および/または統一するユニファイドシステムおよび/または方法の開発の要求がある。
【0003】
今日、携帯通信装置による情報の交換の人気および機能性は急速に高まっている。例えば、携帯通信装置を介したテキストメッセージング(例えば、インスタントメッセージング)および無線インターネットアクセスは、一般的に行われている。事実上、現代社会のあらゆる分野はこれらの通信手段に依存している。
【0004】
双方向通信に関しては、電話システムおよびその機能は、事実上コンピュータプログラムおよびサーバから隔離されている。例えば、ボイスメールアカウントは電子メールアカウントとシームレスに交信できないし、その逆も同様である。特定のシナリオにおいて、会社の従業員は、長時間会社を離れるような場合、発呼者に不在を知らせるため、従業員の外向用の音声メッセージサービスに「外出中(OOF:out−of−office)」メッセージを録音することが多い。ところが、互換性と同調機能(synchronization functionality)がないので、従業員は、別のOOF電子メールメッセージを作成して、その従業員と連絡を取ろうとする人々に対し、不在について電子メールによって知らせることが多い。
【0005】
従来、ユーザが1つのシステムと他のシステムを介して機能的に交信できるような、ユニファイドメッセージングシステムおよび/または方法は存在しなかった。したがって、電話システムを豊富なデータシステム(例えば、電子メールアプリケーション)に結合、統一および/または統合して、柔軟性、機能性および汎用性を向上させる必要性が増大している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
テキスト通信機能を電話タイプの装置に結合する試みが行われて来たが、これらのシステムの機能を統一し、それによりユーザが豊富なデータ情報に遠くからアクセスし、管理し、生成することができるシステムが、強く求められている。さらに、これらの通信システムを統一および/または同調させるため、ボイス変換機構ならびにテキストスピーチ変換(TTS:text−to−speech)技術を採用するシステムおよび/または方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のいくつかの態様を基本的に理解するために、以下に本発明の簡単な概要を記述する。この概要は、本発明の広範にわたる概説ではない。これは、本発明の主要/重要なコンポーネントを特定し、または本発明の範囲に線引きすることを意図するものではない。これは、後で述べる詳細な説明の導入部として、本発明のいくつかの概念を簡単な形で提示することのみを目的としている。
【0008】
本発明の1つの態様において、ユーザは電話通信コンポーネントを介してサーバ(例えば、メッセージングサーバ)に接続することができ、これによってそこにある豊富な情報にアクセスすることができる。本発明は、電話通信コンポーネントおよび/またはシステムをメッセージングサーバコンポーネントおよび/またはシステムと統一するシステムおよび/または方法を備える。例えば、アプリケーションプログラミングインターフェースにアクセスすることによって、本発明は、電話による電子メール通信の生成および検索を可能にする機能を付加することができる。さらに、本発明により電話通信装置を介してカレンダアイテム(例えば、会議の招集や予約)の受諾あるいはキャンセルが可能になる。
【0009】
他の態様では、電話のクライアントと電子メールのクライアントは、同じバックエンド情報を使用することがあるので、このシステムは、両方のシステムに対して「外出中(OOF:Out Of Office)」の挨拶の状態を同調させることができる。例えば今日、ユーザはOOF状態を電子メールシステムと電話のボイスメールシステムの両方に設定することが多い。長時間不在を通知する自動応答電子メールのコンテンツと長時間不在を通知するOOFの挨拶のボイスメールのコンテンツは、同じ情報を含むことが多いので、本発明によりユーザは、1箇所から同時に電子メールとボイスメールをOOF状態に設定することができる。
【0010】
さらに他の態様では、メッセージおよび/または文書のプレビューシステムを対象にしている。例えば、ボイスメールは、スピーチテキスト変換エンジンによって変換し、これによりそのコンテンツのテキストを生成する。このように、ユーザは元のボイスメールメッセージのコンテンツのテキストレンダリングを、視覚的に見ることができる。他の態様では、電子メール通信のコンテンツをスピーチに変換するテキストスピーチ変換(TTS)エンジンを使用し、これにより電話通信装置を介してレビューが可能となる。
【0011】
本発明の他の態様においては、メールボックス内のコンテンツを解析し、その後に最も重要なメッセージとそのメッセージのコンテンツを決定することができる。一例として、重要なメッセージに対して、アルゴリズムは、未読の電子メールを処理し、電子メールの重要度フラッグを考慮し、ユーザと対応する組織構造を識別し、キーワードとスレッドを問合せて、それによりメッセージの重要性順位を返すことができる。最も重要な文に対しては、繰り返される単語および/または語句についてパターンマッチングを行う、複雑なアルゴリズムが考えられる。
【0012】
本発明の他の様態では、カレンダ予約(calendar appointment)およびカレンダーエントリー(calendar entry)は、電話通信システムを介して維持し、管理することができる。今日、ユーザが電話からカレンダにアクセスするには限度があり、したがって現在の予約に関して限られた情報しか読取ることができない。本発明においては、ユーザは予約に基づいて行動し、電話通信コンポーネントから予約に関する通信を開始することができる。ユーザは、電話から予約の受諾、拒否、キャンセル、および予約要請をすることができる。さらに、ユーザのボイスメールシステムとの電話セッションは、自動的に会議場の電話、あるいは会議の参加者(例えば、招集者)に転送することができる。最後に、ユーザは、電話を介して会議の参加者に電子メールメッセージ(例えば、遅刻の通知)を開始することができる。
【0013】
本発明の他の態様は、セキュリティおよびデジタル権利管理を目的としている。例えば、ボイスメッセージは、制限(例えば、転送不可、印刷不可、保存不可)を付けてコード化することができる。これらの制限は、電子メールのクライアントにより検出され、その後そのコード化されたメッセージは、配信および/または変更される際に制限を受ける。
【0014】
さらに他の態様は、ユニファイドメッセージングシステムのセキュリティ機能に関する。スピーチパスワードによるボイスメール認証は、ユーザのメールボックスに格納される語句を、ユーザが予め録音することにより達成される。ユーザが電話システムを介してログオンする場合、この語句を繰り返し、次に録音されている語句と比較される。両方の語句が同じ人物からのものであるという信頼度が算出される。信頼度が所定の基準を満たせば、アクセスは許可される。
【0015】
前述の関連する目的の成果に対して、本発明のいくつかの具体的な態様を以下の記述および添付図面を参照して説明する。しかしながら、これらの態様は、説明のためのものであり、本発明の原理を採用できる様々な方法の一部に過ぎず、本発明はこのようなすべての態様およびそれと同等の態様を含むものである。本発明のその他の利点および新規の特徴は、図面と共に以下の本発明の詳細な説明を検討することにより明らかとなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザが1つのシステムと他のシステムを介して機能的に交信できるような、ユニファイドメッセージングシステムおよび/または方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の1つの態様にかかる通信を容易にする高レベルの例示的システムアーキテクチャを示す。
【図2】開示した態様にかかるユニファイドメッセージングシステムを使用した例示的システムアーキテクチャを示す。
【図3】開示した態様にかかるコンテンツの変換および解釈を容易にする呼制御コンポーネントを示す。
【図4】開示した態様にかかる例示的通信方法のフロー図である。
【図5】開示した態様にかかるルールベースの推論エンジンを使用した呼制御コンポーネントを示す。
【図6】ある態様にかかる人工知能コンポーネントを使用した呼制御コンポーネントを示す。
【図7】開示した態様にかかるユニファイドメッセージングシステムを呼び出す例示的フロー図である。
【図8】本発明にかかるボイスメールおよび電子メールにアクセスする例示的フロー図である。
【図9】本発明の態様にかかる電子カレンダにアクセスする例示的フロー図である。
【図10】開示した態様にかかる電子連絡先リストにアクセスする例示的フロー図である。
【図11】開示した態様にかかるメッセージの録音の例示的フロー図である。
【図12】開示したアーキテクチャを実行できるコンピュータの例示的ブロック図である。
【図13】本発明にかかる例示的コンピューティング環境の略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明をここに図面を参照しながら説明するが、その際に全体を通して同様の参照番号を同様のコンポーネントに使用する。以下の記述における説明のために、本発明を完全に理解できるように多数の具体的詳述を示す。しかしながら、本発明がこれらの具体的詳述がなくても実施できることは明らかである。他の例においては、本発明の説明を容易にするために公知の構造および装置がブロック図の中に示されている。
【0019】
本出願書で使用する用語「コンポーネント」および「システム」は、コンピュータ関連のエンティティを指しており、それはハードウエア、ハードウエアとソフトウエアの組合せ、ソフトウエア、あるいは実行中のソフトウエアのいずれであってもよい。例えば、コンポーネントはプロセッサ上で実行中のプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能プログラム、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであってよいが、これに限定されない。説明において、サーバ上で実行中のアプリケーションおよびそのサーバの両方がコンポーネントであってもよい。1つまたは複数のコンポーネントは、プロセスおよび/または実行スレッド内に常駐させてもよいし、コンポーネントは1つのコンピュータ上に配置および/または2つ以上のコンピュータ間に分散させてもよい。
【0020】
ここで使用しているように、用語「推論する(infer)」あるいは「推論(inference)」は、一般的にイベントおよび/またはデータを介して得た一連の観察から、システム、環境および/またはユーザの状態についての理由付け、あるいは推論するプロセスを意味する。推論は、特定のコンテキストあるいはアクションを識別するために使用することができ、または、例えば、状態全体の確率分布を生成することができる。推論は確率的なものでよく、つまりデータおよびイベントの検討に基づいて当該状態について確率分布の計算でもよい。推論は、一連のイベントおよび/またはデータから高レベルのイベントを構成するために使用する手法を意味する。このような推論については一組の観測したイベントおよび/または格納されているイベントデータから、結果として新しいイベント、あるいはアクションを構成するが、これらのイベントに時間的に密接な相関関係があるかどうか、またこれらのイベントおよびデータは、イベントソースおよびデータソースの1つあるいはいくつかに起因するかどうかという構成が得られる。
【0021】
ここで図1を参照すると、本発明の態様にかかるシステム100の高レベルのアーキテクチャ図を示している。一般的に、システム100はユニファイドメッセージング(UM)システムコンポーネント102,電話通信コンポーネント104およびコンピュータアプリケーション、ステートマシンおよび/またはサーバコンポーネント106を含んでよい。
【0022】
電話通信コンポーネント104は、ボイスおよび/または可聴音および信号と通信ができる任意の装置を含んでよい。例えば、電話通信コンポーネント104は、従来の有線電話ならびに無線(例えば、携帯)電話を含んでもよい。さらに、電話通信コンポーネント104は、携帯無線装置および/または音声インターネットプロトコル(VOIP)あるいはFAXインターネットプロトコル(FOIP)を使用するコンピュータを介して作動することもできる。
【0023】
サーバコンポーネント106は、任意の通信および/または組織アプリケーション(organization application)をホストするために使用することができる。例えば、サーバコンポーネント106は、ボイスメール、電子メール、テキストメッセージングアプリケーション等、本発明の態様に関連する通信アプリケーションをホストすることができるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
ある態様においては、UMシステム102は、電話通信システム104とサーバコンポーネント106(例えば、メールボックスサーバ)を一体化することができる。したがって、電話通信システム104は、サーバコンポーネント106に維持されている豊富な情報にアクセスすることができ、それによりシステムが統一される。図1には、1つの電話通信システム104および1つのサーバコンポーネント106が示されているが、本発明には拡張性があり、それにより複数の電話および/またはサーバシステムを一体化できることは当然に理解できる。
【0025】
図2には、本発明の態様にかかる例示的システムアーキテクチャ200が示されている。システム200は、一般的にUMシステム102、電話通信システム104およびサーバコンポーネント106を含む。ある態様においては、図示してあるように、電話通信システム104、サーバコンポーネント106および複数のクライアント202が、有線のローカルエリアネットワーク接続204(例えば、イーサネット(登録商標))を介してUMシステム102に接続できる。3つの特定のクライアント202(例えば、スマートフォン、デスクトップ、ラップトップ)が図示されているが、本発明の精神および/または範囲を逸脱することなしに、いかなる数のクライアント(例えば、電子メールクライアント)をも使用できることは明らかである。他の態様においては、図2の接続が有線、無線あるいはその組合せでも良いことは理解できる。
【0026】
さらに、クライアント202は、サーバコンポーネント106と通信するために異種の通信技術を使用できることは明らかである。例えば、スマートフォン、ポケットパーソナルコンピュータ(PC)またはその他のハンドヘルド装置は、メールボックスサーバ206またはアクティブディレクトリサーバ208に同調するように特別の通信ソフトウエアを使用することができる。他の例において、デスクトップ(例えば、クライアント202)は、有線(例えば、イーサネット(登録商標))接続を使用することによってサーバコンポーネント106にアクセスすることができる。さらに他の例においては、3つのクライアント202(例えば、ラップトップ)は、無線ネットワーク接続を使用してサーバコンポーネント106にアクセスすることができる。
【0027】
ここでUMシステムコンポーネント102に目を向けると、呼制御コンポーネント210、テキストスピーチ変換(TTS)エンジン212、スピーチ認識エンジン214、ボイスメディア処理コンポーネント216、FAXメディア処理コンポーネント218およびUMアプリケーションコンポーネント220を備えることができる。これらのコンポーネントのそれぞれは、以下のシナリオの例を参照することによりよく理解できる。
【0028】
電話通信コンポーネント104は、公衆交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Networks)224を介して接続される一般の電話222、構内交換機(PBX:Private Branch eXchange)228または私設交換機を介して接続される構内(例えば、社内)電話226、およびVOIPまたはFOIPを使用するコンピュータシステム230を含んでもよい。これらのコンポーネントは例であって、電話通信コンポーネント104を網羅した表にする意図がないことは明らかである。言い換えれば、電話通信コンポーネント104は、可聴(例えば、ボイス、FAX)信号を生成および/または送信することができる任意の機構(例えば、有線、無線、携帯電話)を含んでもよい。呼制御コンポーネント210は、ボイスメディア制御コンポーネント(例えば、216)と連携して作動し、音声通信を処理するタスクを分担する。呼制御コンポーネント210は、呼のシグナリングの設定と呼に対する応答を容易にする。ボイスメディア処理コンポーネント216は、システムを通って流れる音声を実際に処理する。
【0029】
図3は、UMアプリケーションコンポーネント220の実施例を示している。より具体的には、UMアプリケーションコンポーネント220は、電子メール統合コンポーネント302、カレンダ統合コンポーネント304、連絡先統合コンポーネント306、およびセキュリティコンポーネント308を含むことができる。これらのコンポーネント(302,304,306,308)は、以下の例示的なシナリオを議論することでさらによく理解できる。図3のUMアプリケーションコンポーネント220は、4つの例示的機能コンポーネントを示しているが、以下のシナリオに記載するこれらのコンポーネントの機能は、異種のコンポーネントに組込む(あるいは分離する)ことができることは明らかである。同様に、ここに記載したコンポーネントは、本発明の範囲から逸脱することなく同じ位置に配置しても、離して配置してもよい。
【0030】
本発明のコンテキストを示すために、以下に例示的なシナリオを示す。以下のシナリオは、単に本発明のコンテキストを説明するために記載するものである。またここで特に開示しない他の構成も存在することも明らかである。このために、以下のシナリオは本発明の範囲および/または機能を制限することを意図するものではない。
【0031】
第1の例示的シナリオは、電子メール統合コンポーネント302について論じることを意図している。より具体的には、このシナリオは「外出中(OOF)」のボイスメールの挨拶および電子メールの統合に関するものである。再度図2を参照すると、従来OOF状態の設定は、ユーザ固有の電子メールアカウント(例えば、クライアント202を介して)またはボイスメールアカウント(例えば、電話222、226を介して)の両方に個別にすることができる。これからわかるように、サーバコンポーネントを介して生成される長時間不在を通知する電子メールのOOF自動応答ならびに長時間不在を通知するボイスメールの(例えば、OOF)挨拶は、同様の情報を含むことが多い。本発明は、電子メールとボイスメールの両方のOOF状態を1箇所から1回の操作で同時に設定することを容易にする。
【0032】
引き続き図2を参照すると、ユーザが電子メールアプリケーション(例えば、クライアント202)からOOF状態を設定すると、ユニファイドメッセージングシステム102は、このOOFメッセージを電話通信コンポーネント104に統合(例えば、同調)することができる。したがって、電話通信システム104を介したユーザへの呼は、可聴バージョンのOOF長時間不在の挨拶を含む。TTSエンジン212のテキストスピーチ変換技術を使用することによって、この挨拶は電子メールのOOF自動応答に含まれるテキストを聞き取れるようにレンダリングすることができる。
【0033】
同様に、ユーザがOOFを電話通信コンポーネント104(例えば、電話222)から設定するイベントにおいて、スピーチ認識エンジン214のボイス認識技術を使用することによって、ユニファイドメッセージングシステム102は、自動的にメールボックスサーバ206内に電子メールのOOFメッセージを設定することができる。そのあとに、このユーザに電子メールを送信した者は、電話通信機構を介して作られたOOF自動応答のテキストバージョンを受信することになる。
【0034】
第2のシナリオは、カレンダ統合コンポーネント304に関し、特にカレンダあるいは予定表へのアクセスと管理に関するものである。現在、ユーザが電話システム(例えば、222、226,230)から自分のカレンダにアクセスするには限界があり、サーバコンポーネント106内に維持されている予約(appointment)に対応する情報を読取ることしかできない。本発明の態様に従って、ユーザは電話通信コンポーネント104(例えば、222,226、230)を介して予約を管理し、予約に関する通信を開始することができる。予定表機能すべての使用が、ユニファイドメッセージングシステム102のスピーチ認識コンポーネント214を介して容易にできるということは明らかである。例えば、電話通信コンポーネント104を介して、ユーザは、サーバコンポーネント106内に含まれる予約に関して受諾(accept)、拒否(decline)、修正、キャンセルおよび通信することができる。
【0035】
ある態様において、ユニファイドメッセージングシステム102による電話セッションは、自動的に会議場の電話に転送される。言い換えると、ユーザは、電話通信コンポーネント104を介して統合メッセージングシステム102に接続することができ、それによってサーバコンポーネント106内におけるカレンダ(例えば、予約)記入(entry)に基づいて呼に対する適切な転送ターゲット位置が決定される。最後に、任意の電話通信装置104を介してユニファイドメッセージングシステム102に連絡することにより、ユーザは会議参加者に対して、相手を絞ったまたは同報電子メッセージ(例えば、電子メール)の発信を開始することができる。例えば、ユーザは会議の参加者に、会議に遅刻することを知らせることができる。
【0036】
さらに他の態様は、連絡先リスト統合コンポーネント306を介した連絡先リスト記入(contact list entry)の遠隔アクセスに関するものである。現在のシステムに接続しても、ユーザは、電子メールシステム(例えば、サーバ106)に格納されていることの多い個人的な連絡先リストに電話でアクセスすることはできない。本発明の態様に従うと、電話通信コンポーネント104(例えば、電話222、226、230)を介して、ユーザはサーバ106内に維持されている連絡先リストにある連絡先を検索することができる。必要があれば、ユーザは直ちに連絡先に接続し、あるいはメッセージ(例えば、音声、テキスト、電子メール)を残すことができる。連絡先が電子メールアドレスのみを伴う外部の連絡先の場合、本発明によりユーザは、音声ファイル(例えば、WAV)添付の電子メールを作成することにより、可聴メッセージを通信することができ、それにより意図する目標に通信を送ることができる。
【0037】
ここで議論をUMアプリケーションコンポーネント220のセキュリティコンポーネント308の機能に向けると、本発明は、電子メールまたはその他のアプリケーションを介して個人識別番号(PIN:personal identification number)をリセットするのに使用することができる。例えば、ユーザが電話ボイスメールのPIN(例えば、パスワード)を忘れた場合、それをリセットするためにしばしば情報技術(IT:information technology)ヘルプデスクあるいはシステム管理者に連絡しなければならない。UMシステム102にしたがうと、本発明によりユーザは、ドメイン証明書を使用してサーバコンポーネント106上の自分の電子メールにログインし、自分の電話ボイスメールPIN(例えば、パスワード)をリセット/変更することができる。
【0038】
セキュリティコンポーネント308を含むさらに他のシナリオは、ボイスメールのデジタル権利管理に関する。今日、ボイスメールを電話に残す場合、送信者はそのメッセージへのアクセスの制限および/または管理を行う方法を持たない。本発明によれば、アクセス制限付きのボイスメッセージを送信することができる。例えば、受信者がそのボイスメールを聞くことはできるが、転送や保存を制限したボイスメールを送信することができる。
【0039】
電子メール統合コンポーネント302を再び参照すると、音声ファイルを聞くことが適切でない状況(例えば、会議中)においては、従来ユーザはそのボイスメールのコンテンツを知ることができない。本発明のUMシステム102(例えば、電子メール統合コンポーネント302)を使用すると、ボイスメールのテキストプレビューができる(その逆も可能である)。UMシステム102に従い、電子メールクライアント202を介してユーザは、自分のコンピュータ、ラップトップまたはその他の適切な装置(例えば、スマートフォン)にあるボイスメールにテキスト形式でアクセスできる。ボイス認識技術(例えば、スピーチ認識エンジン214)により、本発明はボイスメールを変換し、それによりテキストに書換えることができる。したがって、ユーザは音声ファイルを再生することなくボイスメッセージのコンテンツをレビューすることができる。同様に、TTSエンジン212は、電話通信装置を介して電子メール通信を変換し配信するのに使用することができる。
【0040】
さらに、本発明により電子メッセージアタッチメント(例えば、ワープロ文書)は、可聴ファイル(例えば、音声)に変換するのを容易にする。これはTTSコンポーネント212を介して達成することができる。これによって本発明は、電子通信の可聴コンテンツをレンダリングすることに加えて、テキスト添付のコンテンツを含む可聴ファイルをレンダリングすることができる。TTS変換技術およびここに述べるナビゲーション概念がファイルシステムディレクトリ等に適用できることは理解できる。言い換えれば、スピーチ認識エンジン214はファイルシステムディレクトリ内のナビゲーションを実施するのに使用することができる。したがって、TTSエンジン212は、ターゲット文書を音声に変換し、それによって電話通信システム104を介してユーザに可聴ファイル(例えば、音声)をレンダリングするのに使用することができる。
【0041】
別の態様は、電子メール統合コンポーネント302を電子メール通信メッセージのコンテンツを解析するのを容易にするため使用することに関するものである。例えば、電子メールメッセージは、電話通信装置104(例えば、電話)を介して聞こえるようにレンダリングされる場合、メッセージが長過ぎて理解が困難な場合がしばしばある。本発明の新たな特徴は、ロジックおよび/または推論技術を使用して、通信に含まれる最も重要なメッセージおよび/またはテキストを識別することである。これらの論理および/または推論機構は、ルールベースおよび/または人工知能(AI:artificial intelligence)機構を使用し、コンテンツのフィルタリングおよび/またはソーティングを行なうことができる。ひとたび識別されると、コンテンツの簡略化または要約版は、ユーザに対して聞こえるようにレンダリングできる。
【0042】
前述のように、ユニファイドメッセージングシステム102は、音声再生する電子メールメッセージをそこに含まれる最も重要なメッセージおよび/またはテキストの論理のみを含むように制限することができる。コンテンツは、所望のアルゴリズム(例えば、ルールベース、AI)に従ってフィルタリングおよび/またはソーティングを行うことができるので、ユーザに読めるメッセージの量および長さは、減少させることができるのは明らかである。同様に、重要なボイスメールメッセージも同様の方法で処理(例えば、フィルタリング、ソーティング)することができる。勿論、電話で多数の電子メールを受信する場合、ユーザにとって重要な特定のメッセージに導くことが困難な可能性がある。本発明によれば、重要なボイスメールはUMシステム102によって識別することができ、ユーザが最初に読むことができる。また、ユーザがボイスメールの一部分だけを読めるように、ボイスメッセージをフィルタリングすることもできる。
【0043】
本発明の他の新しい特徴は、ファクシミリの送信に関するものである。例えば、ある組織において、着信ファクシミリはすべて、そこでルータがそのファクシミリを見て方向付けする1つのメールボックスに送られ、電子的手段を介して組織内の適切な人物に送られる。ファクシミリのメッセージが機密情報を含む場合、ファクシミリをリダイレクトしている者が機密扱いの情報にアクセスできる。本発明の態様に従い、UMシステム102はFAXメディア処理コンポーネント218を使用してファクシミリ送信の表紙を他のページから分離することができる。したがって、メッセージをリダイレクトするルータは、ファクシミリの表紙にだけアクセスすることができ、機密のコンテンツにはアクセスできない。
【0044】
他のシナリオにおいて、誰かがユーザに発呼し、ボイスメールシステムに転送されたがメッセージを残さなかった場合、被発呼者は、必ずしも誰かが電話してきたことを知ることができない。本発明の様態に従えば、ユニファイドメッセージングシステム102は、電子メールメッセージを被発呼者宛に生成して転送し、それにより誰かが電話してきたがボイスメールメッセージを残さなかったことを通知することができる。
【0045】
本発明のさらに他の新しい態様は、電子メールシステムとポリシーおよびコンプライアンスの統合に関するものである。従来ボイスメッセージは、サーバ(例えば、サーバコンポーネント106)上に格納され、任意または事前にプログラムされたポリシーに従って保存および/または保存される。例えば、そのようなポリシーの1つにより、特定の日数経過後に(例えば、21日後)メッセージを消去できる。本発明によれば(例えば、電子メールシステムとの統合)、ユーザは、電話通信コンポーネント104からどのメッセージを削除し、または保存するかを管理できる。また、論理および/または推論機構を適用して、メッセージの保存および/または削除を自動的に管理することができる。
【0046】
本発明の他の態様は、ユーザがキー操作体系を選択できるシステムおよび/または方法に関するものである。当然のことながら、ボイスメールシステムが異なると電話ユーザインターフェースをナヴィゲートおよび制御するキーが異なることがある。ユーザがあるシステムから別のシステムに変更すると、新しいシステムを使用するために新しいキーを覚えなければならないことはよくあることである。本発明によれば、最も一般に使用されているシステムに対するボタンプロファイルを使用することができる。したがって、ユーザは自分が慣れている所定のプロファイルを選択できる。また、ボタンは、特定のユーザが希望するようにプログラムすることができる。このようにして、ユーザは新しいシステムにアクセスするために、必ずしも新しいキー操作体系を覚える必要がない。
【0047】
セキュリティコンポーネント308の他の新しい特徴は、ボイスメールの認証にボイス認識技術を使用することに関する。今日、ユーザが電話から自分のメールボックスにアクセスする場合、自分のPINをパスワードとしてキー入力するのが一般的である。多くの場合、これはあまり安全ではなく、ユーザにとって不便である(例えば、車の運転中のアクセス)。本発明によれば、ユーザは、声を出してフレーズまたは希望のPINを話して自分のメールボックスにアクセスすることができる。この方がより便利であり、また音声フレーズはユーザが予め録音しておいた語句と一致する必要があり、より安全である。また、このシステムは、ユーザの特質(例えば、声の音質)を学習するようにプログラムすることができる。
【0048】
さらに他の例示的態様は、メニューおよびプロンプトのエンドユーザ設定に関する。エンドユーザが電話を介して自分のメールボックスにアクセスする場合、ユーザはボタンまたは挨拶の間に再生される情報を変更することができない。本発明によれば、ユーザは挨拶位置を指定でき、したがってユーザの職務に従って追加の情報を含むより詳細な挨拶を使用することができる。例えば、IT管理者は自分のメインメールボックスの挨拶の中にクリティカルエスカレーションケース(escalation case)の数を置くことも選択できる。別の態様においては、ユーザごとにプロンプト(例えば、音声)をカスタマイズできるのは当然である。また、状態マシン(state machine)の順序もユーザがカスタマイズできる。
【0049】
要約すると、本発明の態様は、少なくともUMシステム102に関連して使用される以下の新規のコンポーネントに関する。
【0050】
OOFボイスメール挨拶と電子メールアプリケーションとの統合−電子メールとボイスメールシステムのOOF状態のコンテンツを一致させ、それによってユーザが1箇所からOOF状態を設定することを可能にする態様。例えば、TTS機構を使用してユーザが自動応答電子メールの本文を電話挨拶として読むことができる。
【0051】
カレンダアクセス−新しい方法で、電話から起動しカレンダ予約と交信することできる機能。例えば、ユーザは、(予約の)受諾、拒否、キャンセル、会議場の電話への転送、会議参加者への電子メール発信ができる。
【0052】
連絡先リストアクセス−会社のディレクトリだけでなく、個人の連絡先リストへアクセスする能力。電話を経由して電子メールアカウントへ電子メールおよび音声ファイルアタッチメントを送る機能。
【0053】
PINリセット−ユーザは、電子メールクライアントを介してパスワード(例えば、ボイスメールパスワード)をリセットすることができる。オペレーティングシステムのセキュリティ証明により、安全を維持できることは理解できる。
【0054】
ボイスメールに対するデジタル権利管理−ボイスメールに対するデジタル権利は新しく新規な概念である。言い換えれば、本発明をボイスメールへのアクセスの管理および/または制限に使用することができる。例えば、受信者はボイスメールを聞くことはできるが、そのメッセージの転送または保存の制限を受ける。
【0055】
ボイスメールのテキストプレビュー−スピーチテキスト変換技術を使用して、本発明は録音されたボイスメールをテキストメッセージに変換できる。このメッセージは、次に電子メールアプリケーションを介して受信者に送信することができる。また、このシステムはテキストメッセージについて音声変換することも考えられる。さらに、このシステムは、ボイスメッセージの音声ファイル(例えば、wavフォーマット)を生成し、電子メールに添付することも考えられる。このようにして電子メールおよび添付ファイルを受信者に送信することが可能である。
【0056】
安全なファクシミリの取り扱い−本発明は、受信したファクシミリ送信から表紙(例えば、1頁目)を抽出し、これによってその送信の残りのページの機密性を保持することができる。
【0057】
最重要テキスト−所定の論理および/または推論技術に基づいて、本発明により、通信(例えば、電子メールおよび/またはボイスメール)の重要性について判定および順位付けを行うことができる。例えば、順位付けは所定の電子メールスレッドおよびそれに含まれるキーワードに関して生じる。テキストおよび/またはキーワードの順位付けは、一般的に電子メールを全体に目を通さなくても全体の要約を提供することは明らかである。さらに、いくつかの態様は、電話を介してこの技術をテキストの電子メールを読むのに使用することに関するものであり、これは本発明の新規な概念でもある。
【0058】
重要なメッセージ−ユーザが任意にフィルタリングの基準(例えば、ルールベース、AI)を適用できることは、電子メールメッセージに関して特に新しい点である。本発明は電子メールスレッドを解析し、それに従って順位付けをすることができる。例えば、システムはメッセージの発信者を決定し、ポリシー、論理および/または推論を適用して、それによってメッセージの重要性を順位付けおよび/または分類を行うことができる。ある態様においては、電話を通してユーザに対するメッセージを読む順番の決定に、システムはこの技術を使うことができる。また、この技術は、電話を介してユーザに電子メールを提示する前にフィルタリングするのに使用することもできる。
【0059】
不在着信の通知−このコンポーネントは、ユニファイドメッセージングシステムに統合することができ、これによってトラフィックをモニタして第三者呼制御を提供できる。ある態様では、システムは、モニタしてクライアントに着信呼を知らせることができる。例えば、システムは、所定の呼び出し回数(例えば、3回)後の不在着信の通知を通信することができる。
【0060】
ポリシーおよびコンプライアンスの電子メールシステムとの統合−新規のルールベースおよび/またはAIによるポリシーをボイスメールおよび/または電子メールに適用し、それによってコンテンツの管理と保存を行うことができる。
【0061】
ボタンプロファイル−本発明は、新規のボタンプロファイル定義機構を統合する機能を提供する。
【0062】
スピーチパスワードによるボイスメール認証−本発明は、電話を介してボイスメールおよび/または電子メールへのアクセスに安全なスピーチパスワードを使用することができる。この音声による認証は、認証技術の新規な使用法である。
【0063】
メニューおよびプロンプトのエンドユーザ設定−本発明は、エンドユーザメニューおよびプロンプトをカスタマイズする能力を提供する。
【0064】
図4は、OOFのボイスメッセージを使用して、電子メールにOOFの通知を設定するためのアクションの例示的フローチャートである。説明を簡略化する目的で、例えば、フローチャートまたは図の形でここに示す1つまたは複数の方法が、一連のアクションとして示されまた説明されているが、アクションによっては本発明に従ってここに示し説明している他のアクションと異なる順序および/または同時に生じてもよく、本発明がこのアクションの順序に限定されないことは明らかに理解できる。例えば、当業者は、状態図におけるような互いに関係のある一連の状態あるいはイベントとして表すことができる、別の方法があることを当然に理解するであろう。さらに、本発明にかかる方法を実施するために、図示したすべてのアクションが必要とされるとは限らない。
【0065】
402において、可聴OOFメッセージが録音される。システムは、404において対応する電子メールアカウントを識別することができる。識別されると、変換が開始される。406において、可聴OOFメッセージを、テキストメッセージに変換することができる。したがって、408において、テキストOOFメッセージは識別した電子メールアカウントに適用できる。このように、フォーマットが異なる(例えば、ボイスメールと電子メール)にも拘わらず、OOFのコンテンツは異種のシステムに複製することができる。図4の方法は、ボイスメールのOOFを電子メールのOOFに変換するプロセスを示しているが、本発明の別の新規態様を、電子メールのOOFをボイスメールシステムのOOFに変換するために使用できることは明らかである。
【0066】
上述のように、本発明による前記の新規の態様は、ルールベースの論理および/またはAI推論を使用して、アクションを起こし、予測および/または推論することができる。より具体的には、(例えば、コンテンツ解析、コンテンツ保存ポリシー、同調、ボイス認識と関連して)本発明が、その様々な態様を実施するために各種のルールベースおよび/またはAIベースのスキームを用いることができることを理解されたい。
【0067】
上述したシナリオに続いて図5を参照すると、代替のUMアプリケーションコンポーネント220のブロック概略図が示されている。図示するように、UMアプリケーションコンポーネント220は、ルールベースの論理エンジン502を含むことができる。図6を参照して後述するように、任意の人工知能コンポーネント(図示せず)をルールベースの論理エンジン502と共にまたはその代わりに使用して、上記のUMアプリケーションコンポーネント220(およびUMシステム102)の機能に関連して用いられるアクションあるいは1組のアクションを自動的に推論(infer)することができる。
【0068】
図5の例示的態様において、ルールベースの論理エンジン502は、所定の選考(例えば、ルール)に従ってプログラムまたは設定できる。例えば、ルール(例えば、論理)は既定の階層に基づいて自動的に電子メールの優先順位を付けるように設定できる。それに従って電子メールを変換し、優先順位に従ってユーザが読むことができる。より具体的には、電子メールに優先順位を付け、処理するために、主題、送信者の識別子、受信者の識別子などを考慮してルールを規定することができる。他の態様においては、ポリシーを予め決定または定義するためにルールを規定でき、それによって電子メールおよび/またはボイスメールをそのポリシーに従って管理(例えば、保存、転送、削除)することができる。
【0069】
本発明の他の代替態様を図6に示す。図6に示す代替態様のUMアプリケーションコンポーネント220は、アクションを自動的に推論および/または予測する任意のAIコンポーネント602を使用している。この代替態様は、UMアプリケーションコンポーネント220の自動的な制御および/または操作を容易にする推論モジュール(不図示)を任意に含んでもよい。
【0070】
この態様に従って、任意のAIコンポーネント602は、ここに記述した本発明の様々な機能(例えば、コンテンツの解析および優先順位付け、コンテンツ保存ポリシー、同調、ボイス認識)を自動的に実施することを容易にすることができる。AIコンポーネント602は、任意に推論コンポーネント(不図示)を含んでもよいが、この推論コンポーネントは、所定の時間および/または状態で実施すべく意図されたアクションの推定を容易にする推論ベースのスキームを部分的に利用して、AIコンポーネントの自動化した態様をさらに向上することができる。本発明のAIベースの態様は、適切な機械学習ベースの技術および/または統計ベース技術および/または確率ベースの技術によって行うことができる。
【0071】
さらに図6に説明する代替の態様において、本発明(例えば、コンテンツ解析、コンテンツ保存ポリシー、同調、ボイス認識に関連して)は、その様々な態様を自動的に実行する様々な人工知能ベースのスキームを任意に使用することができる。特に、AIコンポーネント602は、AI処理(例えば、確信度、推論)に基づいて本発明の態様を実施するために任意に備えることができる。例えば、ユーザの優先度または送信者識別に基づく電子メールのコンテンツの優先順位を判定する処理は、自動分類システムおよび処理を介して容易に行なうことができる。さらに任意のAIコンポーネント602は、予測および/または推論による優先度に基づいて優先順位の付いたコンテンツをユーザにレンダリングする自動化処理を容易にするために使用することができる。
【0072】
分類器(classifier)は、入力属性ベクトル x = (x1, x2, x3, x4, xn)を、その入力が、あるクラスに属する信頼度にマッピングする関数f(x) = confidence (class )である。このような分類は、(例えば、解析ユーティリティと費用を考慮に入れる)確率および/または統計ベースの解析を使用して、ユーザが自動的に実行されることを望むアクションを予知または推論することができる。
【0073】
使用することができる分類器の例として、サポートベクトルマシン(SVM:Support Vector Machine)がある。SVMは、入力が可能な空間において超曲面を探し出すことにより動作するが、この超曲面は、非トリガのイベントからトリガ判定基準を分離するように働く。直感的に、これにより分類は、訓練データに近いが同一ではない試験データを修正する。その他の方向性を持つおよび方向性を持たないモデル分類アプローチは、例えば、ナイーブベイズ、ベイジアンネットワーク、デシジョンツリーを含み、独立性の異なるパターンをもたらす確率的分類モデルを使用することができる。ここで使用する分類には、優先モデルを開発するのに利用される統計的回帰も含む。
【0074】
主題の明細書から容易に理解できるように、本発明は明示的に訓練された(例えば、ジェネリックな訓練データを介した)分類器ばかりでなく、暗黙のうちに訓練された(例えば、ユーザの挙動の観察、付随的な情報の受信を介した)分類器を使用することができる。例えば、SVMは分類器の製造者の内部で学習または訓練段階を経て構成され、選択モジュールを特徴とすることができる。言い換えれば、エキスパートシステム、ファジイロジック、サポートベクトルマシン、グリーディサーチアルゴリズム、ルールベースのシステム、ベイジアンモデル(例えば、ベイジアンネットワーク)、ニューラルネットワーク、その他の線形訓練法、データフュージョン、ユーティリティベースの解析システム、ベイジアンモデルを用いたシステム等が挙げられ、ここに添付する請求項の範囲内に入ることを意味する。
【0075】
本発明の態様にかかるUMシステムのユーザインターフェース(UI:user interface)の例示的なフロー図を図7〜図11に示す。上述のように、このUMシステムは、サーバのメールボックス内に格納されているボイスメール、電子メールおよびFAXの管理を行うことができる。本発明は、電話UIからこの情報にアクセスし、管理することを容易にする。このUIに従って、ユーザは、デスクトップコンピュータまたはハンドヘルド装置にアクセスする代わりに、電話から自分のボイスメールおよびその他の有用な情報にアクセスできる。
【0076】
以下に、本発明が対応できる例示的シナリオを示す。最初のシナリオにおいては、ユーザが遠い場所での会議に向かっていて、会議が建物のどの部屋で行われるかが判らないとしよう。ユーザは、会議に向かって車を走らせる間にこの情報を素早く得たいと思うはずである。本発明によれば、電話でこの情報を容易に検索できる。
【0077】
他のシナリオにおいて、ユーザが実際に会議に遅刻し、到達する前に会議室に発呼して電話で会議に参加したいと望んでいるとしよう。この場合ユーザは、電話で会議場の情報にアクセスし、その次に会議場に転送することが可能である。
【0078】
第3のシナリオでは、朝ユーザが車で出勤中に、電子メールまたはボイスメールで保留になっている事項について、一足早く取りかかりたいと思っているとしよう。ユーザは、電話UIからこの様々な事項を素早く点検し、必要があれば返答し、その事項に関係する者とフォローアップすることができる。
【0079】
最後のシナリオでは、ユーザは、ホテルの部屋にいてプリンタが使えず、資料とその日の予定を点検できるように、電子メールや翌日のカレンダの予約をホテルのFAXに送りたいと思っているとしよう。本発明のある態様によれば、電話接続を介したこの機能を容易なものにすることができる。これらやその他の態様の手順は、以下の図7〜図11を点検することにより、さらによく理解できる。
【0080】
図7を参照すると、UMの着呼があった際の例示的プロセスタスクのフロー図が示されている。このプロセスは、外部の発呼者702と内部の発呼者704の発呼にかかる手順の流れを示す。図示するように、この例示的態様のプロセスの流れは、発呼者のタイプ(例えば、外部702あるいは内部704)ならびに706でダイヤルされた連絡番号に依存する。外部の発呼者は708の会社情報によりプロンプトされるが、内部の発呼者は710の内部情報によりプロンプトされる。
【0081】
各シナリオにおいて、発呼者は、名前をエントリして712のディレクトリ検索を使用するか、または内線番号を入力して内線(714)に直接接続することにより、システム上のユーザに連絡することができる。716でユーザの返答がない場合、発呼者のタイプに応じてシステムが適切な挨拶(例えば、外部、内部、OOF)を再生することができる。適宜、ボイスメールメッセージは718で録音することができる。予め指定してあるキー(例えば、「*」)を押すと、システムは720で被発呼者のメールボックスに入ることができる。
【0082】
被発呼者は、会社および/または内部の挨拶メニュー(708、710)から予め指定してあるキー(例えば、「#」)を選択することによって720から直接メールボックスにアクセスできる。この直接アクセスは、722において被発呼者に必要な情報をプロンプトする。いずれの場合も、ひとたび720で適切なセキュリティ資格証明情報が入力されると、724でUMにアクセスすることができる。図8は、アクセスが許可されたあとの継続する手順のフロー図を示す。
【0083】
図8を参照すると、724でUMへのアクセスが許可されると、ユーザは802でメインメニューの入力を促される。例えば、ユーザはボイスメールに対しては「1」を、カレンダオプションに対しては「2」を、連絡先に対しては「3」を、電子メールに対しては「4」を押す等と、促される。オプション番号「2」および「3」つまりカレンダオプションと連絡先については、図9と図10を参照しながらさらに詳しく丁寧に説明する。さらなる例として、「5」を選択してメッセージ(例えば、ボイスメール、電子メール)を送信し、または「7」を選択してOOFを設定することができる。それ以外の例示的なメニュー選択をブロック802に示す。
【0084】
図に示すように、ボイスメールまたは電子メールを選択すると、システムは804に進み、その際、ユーザにコンテンツが提示される。言い換えると、ユーザは、ボイスメール、電子メールおよび/または会議要求(meeting request)のコンテンツの提示を受けることができる。上述のコンテンツを管理、編成、フィルタリングおよび/または分類するために、論理および推論機構を使用できることは明らかである。図示のように、コンテンツが提示されると、ユーザには「メッセージ後」のメニューが示され、それによりさらなるオプションの提示が可能になる。例えば、「4」を押すとユーザは、所望のメッセージをFAXで送信することができる。言い換えると、ユーザは、ボイスメールおよび/またはTTSで変換された電子メールを聞いた後に、そのメッセージをFAXで所望の場所に送信するよう選択できる。同様に、「3」を押すとユーザは、メッセージに、あるいは会議の予約要請を受諾することができる。オプション「2」を選択すると、ユーザは806において特定のメッセージの発信者に発呼することができる。この「発呼」のオプションについては、図10を参照してさらに詳しく説明する。図8のUIプロセスの流れに示すオプションは例示的なものであり、ユーザが利用できるオプションを網羅したリストを意味するものではない。
【0085】
808において、メッセージの再生中に提示される再生命令(play command)の例示的なリストを示す。このリストについても、ここで説明する機能について網羅することを意図するものではない。図に示すように、システムは808に示すオプションに従って、ポーズ、アンデリート(undelete)、リピートなどのタスクを行うことができる。
【0086】
図9には、カレンダへのアクセスのフロー図の例を示す。902において、システムは未決定の会議の数を再生できる。また、902に示すように、ユーザは会議予約および/または要請を、様々なオプションの中から任意に選択することによって管理することができる。例えば、ユーザは、オプション「2」を選択して会議場に、「2,2」を選択して会議の招集者に発呼し、または「3」を選択して対象の会議に遅刻する旨を示すことができる。同様に、図示したように、その他のガイドオプションをユーザに提示することもできる。
【0087】
図10は、連絡先メニューから発呼するプロセスの流れを例示的に示す。発呼は、会議要請および/または予約、あるいは受信した通信に従って行うこともできることは明らかである。図10を再び参照すると、712におけるディレクトリ検索を介して連絡先を見つけると、システムは1002でユーザに情報を提示できる。1002で提示される情報は、任意のタスクを行うことができる。例えば、ユーザは「2」あるいは「3」を押して、連絡先に対してそれぞれ発呼またはメッセージを発信することができる。ユーザが発呼を選択した場合、プロセスは図示のように発呼を続ける。
【0088】
図11は、メッセージを録音するプロセスのフロー図を示す。メッセージは、1102で録音される。1104において、ユーザに録音を管理する様々なオプションが提示される。例えば、ユーザは「1,1」を押して高優先度のメッセージに印をつける、あるいは「5」を押してアクセスを制限することができる。これが終了すると、ユーザは1106でシステムを終了させることができる。
【0089】
次に参照する図12は、開示したアーキテクチャを実行できるコンピュータのブロック図である。本発明の様々な態様について、さらにコンテキストを提供するために、図12および以下の記述は、本発明の様々な態様を実施することができ適切なコンピューティング環境1200の簡単で一般的な説明を行う。本発明について、1つまたは複数のコンピュータ上作動できるコンピュータ実行可能命令を一般的なコンテキストで上述したが、当業者には、本発明が他のプログラムモジュールとの組み合わせおよび/またはハードウエアとソフトウエアとの組合せとして実施できることは理解されよう。
【0090】
一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行、または特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造等を含む。さらに、当分野の技術者は、本発明の方法が、他のコンピュータシステム構成によって実施でき、そのコンピュータシステム構成には、シングルプロセッサまたはマルチプロセッサのコンピューティングシステム、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ならびにパーソナルコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティング装置、マイクロプロセッサベースまたはプログラム可能な家電製品等が含まれ、それぞれが1つまたは複数の関連装置に動作可能に接続され得ることは理解できよう。
【0091】
説明した本発明の態様は、通信ネットワークに結合にされているリモート処理装置によって特定のタスクが実行される分散コンピューティング環境において実施してもよい。分散コンピューティング環境において、プログラムモジュールは、ローカルおよびリモートのメモリストレージデバイスの両方に置くことができる。
【0092】
コンピュータは、一般的に様々なコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータがアクセスできる利用可能な任意の媒体でよく、揮発性および不揮発性媒体、リムーバブルおよび非リムーバブル媒体の両方を含んでよい。例えば、コンピュータ可読媒体は、コンピュータストレージ媒体および通信媒体を含めることができるが、これに限定されない。コンピュータストレージ媒体には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールあるいはその他のデータ等の情報の記憶のための任意の方法または技術によって実現される揮発性および不揮発性、リムーバブルおよび非リムーバブル媒体を含んでもよい。コンピュータストレージ媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、またはその他のメモリ技術、CD−ROM、デジタルビデオディスク(DVD)またはその他の光学ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ媒体、またはその他の磁気ストレージ装置、または所望の情報を格納するのに使用でき、かつコンピュータがアクセスできるその他の媒体を含むが、これに限定されない。
【0093】
通信媒体は一般的に、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波あるいは他のトランスポート機構等の変調データ信号に含まれるその他のデータを具現化するもので、任意の情報配信媒体を含む。「変調データ信号」という用語は、1つまたは複数の特徴を有する信号、あるいは信号中の情報をコード化するように変更された信号を意味する。例えば、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線媒体等の有線媒体、および音響、RF、赤外線等の無線媒体を含むが、これに限定されない。上述の任意の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれる。
【0094】
再び図12を参照すると、本発明の様々な特徴を実施するコンピュータ1202を含む例示的な環境1200が示されており、このコンピュータ1202は、処理ユニット1204、システムメモリ1206およびシステムバス1208を含む。システムバス1208は、システムメモリ1206を含むシステムコンポーネントを処理ユニット1204に結合するが、これに限定されない。処理ユニット1204は、市販の任意のプロセッサでもよい。処理ユニット1204として、デュアルマイクロプロセッサおよびその他のマルチプロセッサアーキテクチャを使用してもよい。
【0095】
システムバス1208は、いくつかあるバス構造の型の任意のものでよく、さらに(メモリコントローラ付き、または無しの)メモリバス、周辺バス、およびローカルバスに、市販の任意の様々なバス構造を使用して相互結合する。システムメモリ1206は、リードオンリーメモリ(ROM)1210およびランダムアクセスメモリ(RAM)1212を含む。基本入力出力システム(BIOS)は、ROM、EPROM、EEPROM等の不揮発性メモリ1210内に格納され、このBIOSは、起動時などに、情報をコンピュータ1202内のエレメント間に転送する助けとなる基本的なルーチンを含む。RAM1212は、またデータをキャッシュするためにスタティックRAMのような高速RAMを含んでもよい。
【0096】
コンピュータ1202は、さらに(例えば、EIDE、SATA)内蔵ハードディスクドライブ(HDD)1214、(例えば、リムーバブルディスケット1218に読み書きする)磁気フロッピー(登録商標)ディスク(FDD)1216および(例えば、CD−ROMディスク1222からの読取り、あるいはDVDのような大容量光学媒体への読み書きする)光学ディスクドライブ1220を含むが、このハードディスクドライブ1214は、(図示しない)適切なケースに入れて外付けで使用するように構成することもできる。ハードディスクドライブ1214、磁気ディスクドライブ1216および光学ディスクドライブ1220は、システムバス1208にそれぞれハードディスクドライブインターフェース1224,磁気ディスクドライブインターフェース1226、および光学ドライブインターフェース1228によって接続できる。外部ドライブ実装用のインターフェース1224は、ユニバーサルシリアルバス(USB)およびIEEE1394インターフェース技術のうち少なくとも1つ、または両方を含む。
【0097】
ドライブおよびそれに関連するコンピュータ可読媒体は、データ、データ構造、コンピュータ実行可能命令等の不揮発性ストレージを提供する。コンピュータ1202に対して、ドライブおよび媒体は、適切なデジタルフォーマットによる任意のデータのストレージを提供する。上述のコンピュータ可読媒体の説明は、HDD、リムーバブル磁気ディスケット、およびCDまたはDVD等のリムーバブル光学媒体に言及しているが、当業者は、ZIPドライブ、磁気カセット、フラッシュメモリカード、カートリッジ等のコンピュータによって読取りが可能なその他の媒体も、この例示的な動作環境で使用しても、さらにこのような任意の媒体が本発明の方法を実施するためのコンピュータ実行可能命令を含んでもよいことは理解できる。
【0098】
ドライブおよびRAM1212には、オペレーティングシステム1230、1つまたは複数のアプリケーションプログラム1232、その他のプログラムモジュール1234およびプログラムデータ1236を含む多数のプログラムモジュールを格納することができる。オペレーティングシステム、アプリケーション、モジュールおよび/またはデータのすべてあるいは一部分も、RAM1212にキャッシュすることができる。本発明が様々な市販のオペレーティングシステムあるいはオペレーティングシステムの組合せを使用して実施できることは明らかである。
【0099】
ユーザは、1つまたは複数の有線/無線入力装置、例えば、キーボード1238およびマウス1240等のポインティングデバイスによって、コンピュータ1202に命令および情報を記入できる。(図示しない)その他の入力装置は、マイクロフォン、赤外線リモートコントロール、ジョイスティック、ゲームパッド、スタイラスペン、タッチスクリーン等を含んでもよい。これらおよびその他の入力装置は、システムバス1208に結合される入力装置インターフェース1242を介して処理ユニット1204に接続されることが多いが、パラレルポート、IEEE1394シリアルポート、ゲームポート、USBポート、赤外線インターフェース等のその他のインターフェースによって接続してもよい。
【0100】
モニタ1244またはその他のタイプのディスプレイ装置も、ビデオアダプタ1246等のインターフェースを介してシステムバス1208に接続される。モニタ1244に加えて、コンピュータは、一般的にスピーカ、プリンタ等、(図示しない)その他の周辺出力装置を含む。
【0101】
コンピュータ1202は、有線および/または無線の通信を介した1つまたは複数のリモートコンピュータ1248等のリモートコンピュータへの論理的接続を使用して、ネットワーク環境で動作することができる。リモートコンピュータ1248(単数または複数)は、ワークステーション、サーバコンピュータ、ルータ、パーソナルコンピュータ、携帯型コンピュータ、マイクロプロセッサベースのエンターテインメント機器、ピア装置あるいはその他の共通ネットワークノードなどでもよく、コンピュータ1202に関連して説明した多くの、あるいはすべてのコンポーネントを一般的に含むが、説明を簡潔にするためメモリ記憶装置1250のみを図示している。論理的接続と表現したものには、ローカルエリアネットワーク(LAN)1252、およびさらに大きいネットワーク、例えば、ワイドエリアネットワーク(WAN1254)への有線/無線接続を含む。このようなLANおよびWANネットワーク環境は、オフィスや会社では一般的であり、イントラネットのような企業内コンピュータネットワークを容易にするが、そのすべてを、例えばインターネット等のグローバル通信ネットワークに接続してもよい。
【0102】
LANネットワーク環境で使用する場合、コンピュータ1202は、ローカルネットワーク1252に有線および/または無線通信ネットワークインターフェース、あるいはアダプタ1256を介して接続される。アダプタ1256は、LAN1252との有線または無線通信を容易にするが、その上に無線アダプタ1256との通信のために配置された無線アクセスポイントも含む。WANネットワーキング環境で使用する場合、コンピュータ1202はモデム1258を含むか、あるいはWAN1254上の通信サーバに接続されるか、あるいは、例えば、インターネットによる方法等、WAN1254上で通信を確立するその他の手段を有する。モデム1258は、内部あるいは外部モデムでも、また有線装置でも無線装置でもよく、シリアルポートインターフェース1242を介してシステムバス1208に接続される。ネットワーク環境において、コンピュータ1202に関して述べたプログラムモジュール、あるいはその一部は、リモートメモリ/ストレージデバイス1250に格納させることができる。示したネットワーク接続は例示す的なものであり、コンピュータ間の通信リンクを確立する他の手段も使用できることは明らかである。
【0103】
コンピュータ1202は、無線装置あるいは無線通信内に動作するように配置されたエンティティ、例えば、プリンタ、スキャナ、デスクトップおよび/または携帯型コンピュータ、携帯用データ端末、通信衛星、無線で検出できるタグを接続した設備または場所(例えば、売店、新聞売り場、化粧室)および電話と通信することができる。これには、少なくともWi−FiおよびBluetooth(商標)無線技術が含まれる。このように、この通信は従来のネットワークと同様に事前定義された構造であってもよく、あるいは単に少なくとも2つの装置間のアドホック通信であってもよい。
【0104】
Wi−Fi、またはWireless Fidelityは、家庭のソファ、ホテルのベッド、あるいは会社の会議室からの無線による接続を可能にする。Wi−Fiは、携帯電話のような無線技術であり、例えば、コンピュータのような装置が、基地局の範囲内であればどこでも、室内でも屋外でもデータの送受信を可能にする。Wi−Fiネットワークは、IEEE802.11(a,b,gなど)と呼ばれる無線技術を使用して、安全で確実かつ高速の無線接続を提供する。Wi−Fiネットワークは、コンピュータを相互に接続する場合や、インターネット、有線ネットワーク(IEEE802.3あるいはイーサネット(登録商標)を使用)に接続する場合に使用できる。Wi−Fiネットワークは例えば、2.4GHzおよび5GHzの無認可の無線帯域で11Mbps(802.11a)あるいは54Mbps(802.11b)のデータ速度、あるいは両方の無線帯域(デュアルバンド)を含む製品で動作するので、このネットワークは、多くのオフィスで使用されている10BaseT有線イーサネット(登録商標)ネットワークと同様の、現実のようなパフォーマンスを提供できる。
【0105】
図13に、本発明にかかる例示的なコンピューティング環境1300の概略ブロック図を示す。このシステム1300は、1つまたは複数のクライアント1302を含む。クライアント1302(単数または複数)は、ハードウエアおよび/またはソフトウエア(例えば、スレッド、プロセス、コンピューティングデバイス)でもよい。クライアント1302(単数または複数)は、例えば、本発明を用いることによってクッキー(単数または複数)および/または関連するコンテキスト情報を収納できる。システム1300は、1つまたは複数のサーバ1304も含むことができる。サーバ1304(単数または複数)は、ハードウエアおよび/またはソフトウエア(例えば、スレッド、プロセス、コンピューティングデバイス)であってもよい。サーバ1304は、例えば、本発明を用いることによって変換を実行するスレッドを収納できる。クライアント1302とサーバ1304との間で可能な通信の1つは、2つまたはそれ以上のコンピュータプロセスの間を伝送するのに適したデータパケットの形でもよい。データパケットは、例えば、クッキーおよび/または関連するコンテキスト情報を含んでもよい。システム1300は、クライアント1302(単数または複数)とサーバ1304(単数または複数)との間の通信を容易にするために使用することができる通信フレームワーク1306(例えば、インターネット等のグローバル通信ネットワーク)を含む。
【0106】
通信は、有線(光ファイバを含む)および/または無線の技術を介して促進することができる。クライアント1302(単数または複数)は、クライアント1302のローカルにある情報(例えば、クッキー(単数または複数)および/または関連するコンテキスト情報)を格納するのに使用できる1つまたは複数のクライアントデータストア1308(単数または複数)に動作可能に接続され。同様に、サーバ1304(単数または複数)は、サーバ1304のローカルにある情報を格納するのに用いることができる、1つまたは複数のサーバデータストア1310(単数または複数)に接続される。
【0107】
上述の説明は、本発明の実施例を含む。もちろん、本発明を説明するためにコンポーネントあるいは方法の考え得る全ての組合せを記述することは不可能であるが、当分野の技術者には、本発明のさらに多くの組合せおよび置換が可能であるは理解できる。したがって、本発明は、添付請求項の精神と範囲に入るすべてのこのような変更、修正およびバリエーションを包含するものである。さらに、詳細説明あるいは請求項で「含む」という用語が使用われている限りにおいて、このような用語は「備えている」という用語が請求項において暫定的な用語として用いられるときに解釈されるのと同様に、包括的な意味で使用されることを意図している。
【符号の説明】
【0108】
104 電話通信コンポーネント
102 ユニファイドメッセージングシステム
106 サーバコンポーネント
206 メールボックスサーバ
208 アクティブディレクトリ
210 呼制御コンポーネント
212 テキストスピーチ(TTS)エンジン
214 スピーチ認識エンジン
216 ボイスメディア処理コンポーネント
218 FAXメディア処理コンポーネント
220 UMアプリケーションコンポーネント
222,226 電話
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信を変換する方法であって、
第1のデバイスから第1のメディアフォーマットのメッセージを受信することと、
前記第1のメディアフォーマットのメッセージを解析し、前記メッセージのターゲットであるデバイスに対応する当該メッセージを伝達する第2のメディアフォーマットへの前記メッセージの変換を行うことと
を備え、
前記第1のメディアフォーマットの前記メッセージは、当該メッセージの転送を防止するアクセス制限を有し、前記変換は前記第2のメディアフォーマットでの前記メッセージの転送を防止するように前記アクセス制限を維持し、
前記第1のメディアフォーマットのメッセージを解析することは、前記メッセージの内の前記第2のメディアフォーマットで伝達すべき最も重要な部分を推論して、推論された部分のみを有する前記メッセージの短縮バージョンを前記第2のメディアフォーマットで作成し、前記第1のメディアフォーマットのメッセージの日時と前記第2のメディアローマットのメッセージの日時とを同期させることを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第2のメディアフォーマットは、ボイスメール通信または電子メール通信の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項1】
通信を変換する方法であって、
第1のデバイスから第1のメディアフォーマットのメッセージを受信することと、
前記第1のメディアフォーマットのメッセージを解析し、前記メッセージのターゲットであるデバイスに対応する当該メッセージを伝達する第2のメディアフォーマットへの前記メッセージの変換を行うことと
を備え、
前記第1のメディアフォーマットの前記メッセージは、当該メッセージの転送を防止するアクセス制限を有し、前記変換は前記第2のメディアフォーマットでの前記メッセージの転送を防止するように前記アクセス制限を維持し、
前記第1のメディアフォーマットのメッセージを解析することは、前記メッセージの内の前記第2のメディアフォーマットで伝達すべき最も重要な部分を推論して、推論された部分のみを有する前記メッセージの短縮バージョンを前記第2のメディアフォーマットで作成し、前記第1のメディアフォーマットのメッセージの日時と前記第2のメディアローマットのメッセージの日時とを同期させることを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第2のメディアフォーマットは、ボイスメール通信または電子メール通信の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−250475(P2011−250475A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179195(P2011−179195)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【分割の表示】特願2005−272278(P2005−272278)の分割
【原出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【分割の表示】特願2005−272278(P2005−272278)の分割
【原出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】
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