説明

ユビキタス環境における個人化サービス提供方法及びこのための知能型ガジェット

【課題】ユビキタス環境において個人化サービスを提供するため、ガジェットによって動的に変化するガジェットネットワークを構成し、ガジェット間の相互作用によって個人化サービスを行う、ユビキタス環境における個人化サービス提供方法及びこのための知能型ガジェットを提供すること。
【解決手段】ユビキタス環境における個人化サービス提供のための知能型ガジェットにおいて、個人化サービスを提供するため、データを収集及び処理するガジェットサービス手段と、ガジェット間においてガジェットネットワークを形成し、前記ガジェットサービス手段によって収集及び処理されたデータを用いて相互協力するサービスを提供するガジェットインタフェース手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユビキタス環境における個人化サービス提供方法及びこのための知能型ガジェットに関し、より詳細には、ユビキタス環境において個人化サービスを提供するため、ガジェットによって動的に変化するガジェットネットワークを構成し、ガジェット間の相互作用によって個人化サービスを行う、ユビキタス環境における個人化サービス提供方法及びこのための知能型ガジェットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理技術及び情報処理機器は、多大な発展を遂げている。このような情報処理技術及び情報処理機器を基盤とする情報処理基盤サービスは、日常生活の様々な分野に活用されている。
【0003】
このような情報処理基盤サービスは、極極的にシームレスなサービスを提供するためのユビキタス環境の実現を目指しており、人々にカスタマイズサービスを提供するため、多くの研究が行われている。
【0004】
前述した従来の研究では、ネットワーク上における各装置を記述子として表現し、当該記述子を活用して、ユーザから要求されるサービスの再創出に関する研究が行われている。このような研究は、静的ネットワーク環境においてユーザの介入による装置記述子を活用したサービスの再構築に限られるという限界がある。
【0005】
また、従来の研究では、個人ネットワーク領域の装置が企業ネットワークとのハンドオフを決定する手順に関する研究が行われている。このとき、従来の研究において、個人ネットワーク領域の装置は、ハンドオフ時に企業ネットワークの一部に従属する。このように、従来の研究は、個人ネットワーク領域の装置が企業ネットワークの一部に従属することにより、セキュリティ維持の面で困難であるという短所がある。
【0006】
更に、従来の研究では、個人ネットワーク領域における携帯装置間のデータ交換のための両装置の設定手順に関する研究や、個人領域ネットワークにおける装置に対し、個人領域ネットワークに属させたり接続を切る手順に関する研究などがある。
【0007】
前述のように、従来の研究は、個人領域ネットワークと外部ネットワークとの連動、及び動的ネットワークの変化に伴うサービスの創出及び実施に関し、更に多くの研究が今後も引き続き行われる必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、ユビキタス環境において個人化サービスを提供するため、ガジェットによって動的に変化するガジェットネットワークを構成し、ガジェット間の相互作用によって個人化サービスを行う、ユビキタス環境における個人化サービス提供方法及びこのための知能型ガジェットを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明により理解することができ、本発明の実施形態により更に明確になるはずである。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示す手段及びその組み合わせにより実現可能であることが容易にわかるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明は、ユビキタス環境における個人化サービス提供のための知能型ガジェットにおいて、個人化サービスを提供するため、データを収集及び処理するガジェットサービス手段と、ガジェット間においてガジェットネットワークを形成し、前記ガジェットサービス手段によって収集及び処理されたデータを用いて相互協力するサービスを提供するガジェットインタフェース手段とを備える。
【0011】
また、本発明の前記ガジェットインタフェース手段は、ガジェットネットワークメンバーとのガジェットネットワークを形成するガジェットネットワークインタフェース手段と、前記ガジェットネットワークメンバーを、ガジェット識別子及びガジェットネットワーク識別子により、ガジェットネットワークの構成を判断するガジェットネットワーク判断手段と、該ガジェットネットワーク判断手段によって判断されたガジェットネットワークのメンバー間で、前記ガジェットサービス手段によって処理されたデータを用いてガジェットネットワーク基盤サービスを創出するガジェット制御手段とを備える。
【0012】
更に、本発明は、ユビキタス環境においてガジェットによる個人化サービス提供方法において、周辺のガジェットのガジェット識別子及びネットワーク識別子を用いてガジェットネットワークが構成されると、自体のガジェットサービスを開始し、前記周辺のガジェットとガジェットサービス制御情報を交換してガジェットネットワーク基盤サービスをロードする第1ステップと、前記周辺のガジェットと交換したガジェットサービス制御情報に従って新たなガジェットネットワーク基盤サービスを生成する第2ステップと、該生成されたガジェットネットワーク基盤サービスが生成されると、前記ガジェットネットワーク基盤サービスの実施に参加するガジェットのみで構成される論理的ガジェットネットワークを構成する第3ステップと、該論理的ガジェットネットワークを基盤とするガジェットの相互作用によってガジェットネットワーク基盤サービスを行う第4ステップとを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
上述した目的、特徴及び長所は、添付された図面に関する以下の詳細な説明により更に明確になるはずであり、それにより、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の技術思想を容易に実施することができる。また、本発明の説明において、本発明に係る公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不透明にする可能性があると判断された場合、その詳細な説明を省略する。以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明を適用した知能型ガジェットネットワーク(intelligent gadget network)の構成図である。
【0015】
同図に示すように、本発明を適用した知能型ガジェットネットワーク(以下、「ガジェットネットワーク」とする)は、プライベートガジェット100、101のみによって形成されるプライベートガジェットネットワークと、当該プライベートガジェットネットワークに属していないパブリックガジェット110を含んで形成されるパブリックガジェットネットワークとに区分される。特に、特定のプライベートガジェット101は、プライベートガジェットネットワーク及びパブリックガジェットネットワークに同時に重なって含まれることが可能である。
【0016】
ここで、前記プライベートガジェット100、101は、自体の属するガジェットネットワークが予め指定されているが、前記パブリックガジェット110は、自体の属するガジェットネットワークが指定されておらず、どのガジェットネットワークにも属し得る。
【0017】
前記ガジェットネットワークは、外部ネットワークと連動する。このとき、前記ガジェットネットワークは、外部ネットワークに露出していないことから、セキュリティ維持の面で容易である。
【0018】
まず、プライベートガジェットネットワークにある特定のプライベートガジェット100は、外部ネットワークにある通信アクセスポイント120と連動し得る通信媒体を有している場合、プライベートガジェットネットワーク内にある他のプライベートガジェットに外部ネットワークとの連動機能を提供するゲートウェイガジェットになる。これにより、プライベートガジェットネットワークは、外部ネットワークと連動する。また、プライベートガジェットネットワークにある特定のプライベートガジェット101は、外部ネットワークと連動し得る通信媒体を有していない場合、ゲートウェイ機能を提供するパブリックガジェット110を介して外部ネットワークと連動する。
【0019】
このように、ガジェットネットワークは、プライベートガジェットネットワークと、パブリックガジェットネットワークとに区分されて管理される。前記プライベートガジェットネットワークは、内部のゲートウェイの役割を果たすガジェットを介して外部ネットワークと連動するか、パブリックガジェットを介して外部と連動することから、ネットワークの拡張性の面で容易である。
【0020】
更に付け加えると、前記プライベートガジェットは、個人が所有して移動し、前記パブリックガジェットは、周辺に固定される。前記プライベートガジェット及び前記パブリックガジェットは、共通の通信インタフェースとの通信プロトコルを提供するロジックを有し、相互を認識して動的に変化する周辺の状況、すなわち、周辺のガジェットの構成情報に従って動的ガジェットネットワークを構成する。これにより、前記プライベートガジェット及び前記パブリックガジェットは、前記のように交換されるガジェットサービス制御情報に従って相互連動し、個人化サービスをユーザに提供する。また、前記プライベートガジェット及び前記パブリックガジェットは、自体の置かれている周辺の状況に応じて適切なサービスをユーザに幅広く提供することができる。
【0021】
このような過程により、前記プライベートガジェット及び前記パブリックガジェットは、特定のサービスを提供する主体にもなり、被動的に特定のサービスを受ける客体にもなる。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態に係る、ユビキタス環境における個人化サービス提供のための知能型ガジェットの構成図である。
【0023】
同図に示すように、本発明に係る、ユビキタス環境における個人化サービス提供のための知能型ガジェット(以下、「ガジェット」とする)200は、ユビキタス環境を構築し、構築されたユビキタス環境を通じてシームレスな個人化サービスを容易に提供する。
【0024】
このため、前記ガジェット200は、固有の個人化サービス機能(以下、「ガジェットサービス」とする)を提供するガジェットサービス部210と、ガジェット間においてガジェットネットワークを形成し、相互に協力して提供するサービス(以下、「ガジェットネットワーク基盤サービス」とする)を提供するガジェットインタフェース部220とを備える。特に、前記ガジェットインタフェース部220は、ガジェット間の通信機能、ガジェットネットワーク基盤サービス管理機能、及びガジェットネットワーク基盤サービス機能のための通信プロトコルのロジックを含む。
【0025】
一方、ガジェットサービス部210は、データ収集部211と、データ処理部212とを備える。具体的には、前記データ収集部211は、1つ以上で構成され、センサ、アクチュエータ、カメラ、GPSなどを用いて、特定のデータを収集する。前記データ処理部212は、データ収集部211と連動して所定の形態でデータを加工して処理する。
【0026】
このように、前記ガジェットサービス部210は、1つ以上のガジェットサービスをユーザに提供することができる。
【0027】
また、ガジェットインタフェース部220は、ガジェットネットワークインタフェース部213と、ガジェットネットワーク判断部214と、ガジェット制御部215とを備える。
【0028】
具体的には、ガジェットネットワークインタフェース部213は、ガジェットネットワークを形成するための通信機能を提供する。例えば、前記ガジェットネットワークインタフェース部213は、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)により、周辺のガジェットメンバーを相互認識する。このとき、前記ガジェットネットワークインタフェース部213は、ガジェットネットワークのメンバーとの最適な通信環境を判断する通常の機能を行う。
【0029】
ガジェットネットワーク判断部214は、動的に変化する周辺のガジェットメンバーにより、ガジェットネットワークの構成を判断して制御する。すなわち、前記ガジェットネットワーク判断部214は、自体のガジェット識別子(ID)及びガジェットネットワークのネットワーク識別子(例えば、WPAN IDなど)などを管理する。
【0030】
ここで、前記ガジェットネットワーク判断部214は、周辺のガジェットメンバーのネットワーク識別子を用いて、プライベートガジェットなのか又はパブリックガジェットなのかを区別することができる。前記ネットワーク識別子により、属するガジェットネットワークが指定された場合は、プライベートガジェットと判断し、前記ネットワーク識別子により、属するガジェットネットワークが指定されていない場合は、パブリックガジェットと判断する。
【0031】
また、前記ガジェットネットワーク判断部214は、周辺のガジェットメンバーのガジェット識別子を用いて、既定の認証手順に従って認証されたプライベートガジェットをメンバーとするプライベートガジェットネットワークを構成する。ここで、前記ガジェットネットワーク判断部214は、パブリックガジェットネットワークを上記のように構成するため、詳細な説明は省略する。
【0032】
ガジェット制御部215は、ガジェットネットワーク判断部214によって判断されたガジェットネットワークのメンバー間で、ガジェットサービス情報及びガジェットサービス制御情報、すなわち、ガジェットサービス制御インタフェース(Application Programming Interface)情報などの交換及び処理を行う。すなわち、前記ガジェット制御部215は、ガジェットネットワークの構成が終わると、ガジェットネットワークのメンバー間で、自体の提供するガジェットサービス情報及びガジェットサービスを他のガジェットネットワークメンバーが制御できるように、ガジェットサービス制御情報の公開、質疑及び応答を行う。つまり、前記ガジェット制御部215は、他のガジェットネットワークメンバーが提供するガジェットサービスを制御し、創出されたガジェットネットワーク基盤サービスをユーザに提供することができる。
【0033】
一方、前記ガジェット制御部215は、ガジェットメンバーのガジェットサービス情報及びガジェットサービス制御情報を用いて、周辺のガジェットネットワークメンバーによって提供されるガジェットサービスを制御することができる。すなわち、前記ガジェット制御部215は、1つ以上のガジェットネットワークメンバーのガジェットサービス制御情報を用いて、ガジェットネットワークメンバーとの相互作用によって創出されたガジェットネットワーク基盤サービスをユーザに提供する。
【0034】
ここで、前記ガジェット制御部215は、ユーザからの要請があった場合、既に構成されたガジェットネットワークメンバーのガジェットサービス制御情報を用いて、ガジェットネットワークメンバーとの相互作用によって創出されたガジェットネットワーク基盤サービスをユーザに提供する。また、前記ガジェット制御部215は、自体に特定の状況認識(現在提供されているガジェットサービス制御情報、実施中のサービス、要求されるガジェットサービス制御情報、ユーザの嗜好など)の機能が搭載されている場合、ガジェットネットワークのメンバー間で交換されたガジェットサービス制御情報に基づき、特定の状況に応じたガジェットネットワーク基盤サービスを創出及び実施する。更に、前記ガジェット制御部215は、既に構成されたガジェットネットワークに参加するが、ガジェットネットワークメンバーからガジェットサービス制御情報が要請されていない場合、自体の固有の機能であるガジェットサービスを行う。
【0035】
一方、ガジェットインタフェース部220は、ガジェットネットワークメンバーと、ガジェットサービス制御情報を交換してガジェットネットワーク基盤サービスを行う過程で、ガジェットサービス制御情報に従って判断される特定のガジェットネットワーク基盤サービスに参加しているガジェットと、後述する論理的ガジェットネットワークを構成する。
【0036】
図3は、本発明を適用した知能型ガジェットネットワークを示す図である。
【0037】
同図に示すように、本発明を適用した知能型ガジェットネットワークは、心拍センサガジェット301、ユーザインタフェースガジェット302、及びGPS(Global Positioning System)ガジェット303を含むプライベートガジェットで形成され、ガジェットネットワーク基盤サービスを行うプライベートガジェットネットワークと、外部連動ガジェット311及び映画サービスガジェット312を含むパブリックガジェットと動的に連動し、ガジェットネットワーク基盤サービスを行うパブリックガジェットネットワークとがある。
【0038】
例えば、ユーザには、プライベートガジェット301、302、303で形成されたプライベートガジェットネットワークを介して、プライベートサービス「老人ケアサービス」が提供される。この老人ケアサービスは、お年寄りの心拍情報に基づく医療管理サービス、GPS情報に基づく道案内サービス、ユーザ情報に基づく個人生活記録(life log)などがある。
【0039】
ユーザは、プライベートガジェット301、302、303を所有して移動する。このとき、前記プライベートガジェット301、302、303は、通常の通信プロトコルによりプライベートガジェットネットワークを形成するが、前記プライベートガジェット301、302、303に搭載された老人ケアサービスアプリケーションによって相互協力し、ガジェットネットワーク基盤サービスを行う。このとき、前記プライベートガジェット301、302、303は、外部(すなわち、ユーザ)から収集された情報を状況認識情報として加工し、自体の判断によって特定のガジェットネットワーク基盤サービスを行うか、当該サービスに関するパブリックガジェット311、312と連動し、特定のガジェットネットワーク基盤サービスを行う。
【0040】
具体的には、心拍センサガジェット301は、外部連動ガジェット311とパブリックガジェットネットワークを形成し、外部ネットワークと連動することにより、当該ガジェットサービスサーバ(図示せず)によって提供される心拍情報に基づく医療管理サービスをユーザに提供できるようにする。また、GPSガジェット303は、外部連動ガジェット311とパブリックガジェットネットワークを形成し、外部ネットワークと連動することにより、当該ガジェットサービスサーバ(図示せず)によって提供されるGPS情報に基づく道案内サービスをユーザに提供できるようにする。更に、ユーザインタフェースガジェット302は、プライベートガジェットネットワークを構成する1つ以上のガジェット間の相互協力によって個人生活記録を行うことにより、ユーザに個人生活記録を提供する記憶力向上のためのサービスを提供する。
【0041】
以下、ユーザが、映画サービスガジェット312の近くに移動した場合を説明する。
【0042】
心拍センサガジェット301、ユーザインタフェースガジェット302、及びGPSガジェット303を含むプライベートガジェットは、既に構成されたガジェットネットワークを維持又は再構成する。このとき、前記ユーザインタフェースガジェット302は、前記映画サービスガジェット312と連動することにより、前記映画サービスガジェット312によって提供される映画館サービス(すなわち、映画鑑賞サービス)をユーザに提供する。
【0043】
図4は、本発明を適用した知能型ガジェットネットワークにおいて形成された論理的ガジェットネットワークの概念図である。
【0044】
同図に示すように、本発明を適用したガジェットネットワークは、第1プライベートガジェットネットワーク及び第2プライベートガジェットネットワーク、並びに、第1パブリックガジェットネットワーク及び第2パブリックガジェットネットワークを構成する。
【0045】
ここで、前記第1プライベートガジェットネットワーク及び前記第2プライベートガジェットネットワークは、ガジェットネットワークに属し得るネットワーク識別子が既設定のプライベートガジェット411〜413、421〜423のみで構成される。また、前記第1パブリックガジェットネットワーク及び前記第2パブリックガジェットネットワークは、ガジェットネットワークに属し得るネットワーク識別子が設定されていないパブリックガジェット430を含む。
【0046】
同図において、前記第1プライベートガジェットネットワーク及び前記第2プライベートガジェットネットワークは、互いに近接した状態で、物理的通信チャネルとネットワーク識別子とが同一の場合を仮定して説明する。ここで、前記第1プライベートガジェットネットワーク内にあるプライベートガジェット411、412、413は、ガジェットネットワークを既に形成した状態であり、前記第2プライベートガジェットネットワークにあるプライベートガジェット421、422、423は、ガジェットネットワークを既に形成した状態である。また、プライベートガジェット400は、前記第1プライベートガジェットネットワークのユーザが所有するガジェットである。
【0047】
一方、前記プライベートガジェット400は、初期動作状態で開始する場合、検索された周辺の2つのプライベートガジェットネットワーク(すなわち、前記第1プライベートガジェットネットワーク及び前記第2プライベートガジェットネットワーク)に指定されたネットワーク識別子が自体のネットワーク識別子と同一であることを判断する。
【0048】
その後、前記プライベートガジェット400は、通信状況を判断し、最適な通信環境を示すガジェットネットワークとの接続を試みる。前記プライベートガジェット400は、前記第1プライベートガジェットネットワーク及び前記第2プライベートガジェットネットワークとの通信状況を判断するため、信号強度、リンク品質、及びPER(Packet Error Rate)を用いる。
【0049】
仮に、第2プライベートガジェットネットワークが最適な通信環境を示すガジェットネットワークと判断すると、前記プライベートガジェット400は、前記第2プライベートガジェットネットワークとの接続を試みる。
【0050】
このとき、前記プライベートガジェット400は、第2プライベートガジェットネットワークとユーザ認証手順を行う。ここで、前記プライベートガジェット400は、前記のようなユーザ認証手順により、第2プライベートガジェットネットワークのユーザとは異なるユーザと判断すると、前記第2プライベートガジェットネットワークへの接続は失敗する。
【0051】
その後、前記プライベートガジェット400は、前記第2プライベートガジェットネットワークへの接続が失敗すると、次に、ネットワーク識別子が同一の第1プライベートガジェットネットワークへの接続を行う。すなわち、前記プライベートガジェット400は、前述したネットワークへの接続の手順に従って、前記第1プライベートガジェットネットワークに接続する。
【0052】
一方、第1パブリックガジェットネットワーク及び第2パブリックガジェットネットワークは、第1プライベートガジェットネットワーク及び第2プライベートガジェットネットワークが構成された後、その周辺にパブリックガジェット430が存在すれば、前記パブリックガジェット430を含んで、前記第1プライベートガジェットネットワーク及び第2プライベートガジェットネットワークと重なって構成される。
【0053】
前記第1パブリックガジェットネットワーク及び前記第2パブリックガジェットネットワーク内にあるガジェット(すなわち、プライベートガジェット及びパブリックガジェット)は、ガジェットネットワーク基盤サービスを行う過程で、ガジェット間のガジェットサービス制御情報を相互交換する。前記ガジェット(すなわち、プライベートガジェット及びパブリックガジェット)は、相互交換されたガジェットサービス制御情報に従って特定のガジェットネットワーク基盤サービスに参加するガジェットのみを判断し、論理的ガジェットネットワークを構成する。前記ガジェットネットワーク基盤サービスは、上記のように構成された論理的ガジェットネットワークを基盤として行われる。
【0054】
図4に示すように、第1プライベートガジェットネットワークを含んで構成された第1パブリックガジェットネットワークにおける第1論理的ガジェットネットワークは、3つのプライベートガジェット400、411、413で構成される。
【0055】
また、第2プライベートガジェットネットワークを含んで構成された第2パブリックガジェットネットワークにおける第2論理的ガジェットネットワークは、3つのプライベートガジェット421、422、423及び1つのパブリックガジェット430で構成される。
【0056】
図5は、本発明を適用した知能型ガジェットネットワークにおいて、ユーザ、ガジェット、及びガジェットサービスの相関関係を示す概念図である。
【0057】
同図に示すように、プライベートガジェットA1513、プライベートガジェットA2514、及びプライベートガジェットA3515は、ユーザA510に属している。また、プライベートガジェットB1523、プライベートガジェットB2524、及びプライベートガジェットB3525は、ユーザB520に属している。パブリックガジェット530は、サービスの提供において、特定のユーザに属していない。
【0058】
ユーザA510に提供されるガジェットネットワーク基盤サービス、すなわち、ガジェットネットワーク基盤サービスA1511及びガジェットネットワーク基盤サービスA2512は、1つ以上のガジェットの相互作用によって行われる。具体的には、前記ガジェットネットワーク基盤サービスA1511は、プライベートガジェットA1513及びプライベートガジェットA2514の相互作用によって行われ、前記ガジェットネットワーク基盤サービスA2512は、プライベートガジェットA2514、プライベートガジェットA3515、及びパブリックガジェット530の相互作用によって行われる。
【0059】
また、ユーザB520に提供されるガジェットネットワーク基盤サービス、すなわち、ガジェットネットワーク基盤サービスB1521及びガジェットネットワーク基盤サービスB2522は、1つ以上のガジェットの相互作用によって行われる。具体的には、前記ガジェットネットワーク基盤サービスB1521は、パブリックガジェット530及びプライベートガジェットB1513の相互作用によって行われ、前記ガジェットネットワーク基盤サービスB2522は、プライベートガジェットB1523、プライベートガジェットA2524、及びプライベートガジェットA3525の相互作用によって行われる。
【0060】
特に、特定のガジェット、すなわち、プライベートガジェットA2514、パブリックガジェット530、及びプライベートガジェットB1523は、1つ以上のガジェットネットワーク基盤サービスを提供するため、同時に動作可能である。また、特定のサービス、すなわち、ガジェットネットワーク基盤サービスA2512及びガジェットネットワーク基盤サービスB1521は、プライベートガジェット514、515、523とパブリックガジェット530との連動によって行われる。
【0061】
図6は、本発明の一実施形態に係る、ユビキタス環境における個人化サービス提供方法を示すフローチャートである。
【0062】
同図に示すように、第1プライベートガジェット620は、周辺のガジェット、すなわち、パブリックガジェット610及び第2プライベートガジェット621のガジェットタイプ(プライベート又はパブリック)、ネットワーク識別子などの情報を確認し、ユーザを認証する(S651、S652)。
【0063】
まず、前記第1プライベートガジェット620は、第2プライベートガジェット621とプライベートガジェットネットワークを構成する(S653)。その後、前記第1プライベートガジェット620及び前記第2プライベートガジェット621は、前記のようにプライベートガジェットネットワークを構成した後、パブリックガジェット610が含まれ、プライベートガジェットネットワークと重なるパブリックガジェットネットワークを構成する(S654)。
【0064】
一方、前記第1プライベートガジェット620は、自体の固有の機能であるガジェットサービスを開始し、既設定のガジェットネットワーク基盤サービスをロードする(S655)。このとき、前記第1プライベートガジェット620は、ガジェットネットワーク内のガジェット間でガジェットサービス制御情報を交換するため、ガジェットサービス制御情報の公開、質疑及び応答を行う(S656)。
【0065】
その後、前記第1プライベートガジェット620は、ガジェット間で交換されたガジェットサービス制御情報に従って新たなガジェットネットワーク基盤サービスを生成及びロードするか(S657)、ガジェットネットワーク基盤サービスの実施に参加するガジェットのみで構成される論理的ガジェットネットワークを構成する(S658)。このとき、前記第1プライベートガジェット620は、ガジェット間で交換されたガジェットサービス制御情報に従って新たなガジェットネットワーク基盤サービスを生成する際に、自体の状況認識情報に基づいてサービスを創出したり、ユーザの要請に基づいてサービスを創出することができる(S659)。
【0066】
例えば、前記第1プライベートガジェット620は、ユーザインタフェース機能が提供されていないが、ディスプレイ機能を提供するパブリックガジェット610が検出された場合、次のとおりに実行される。
【0067】
前記第1プライベートガジェット620は、パブリックガジェット610から提供されるディスプレイ機能を利用するようにするガジェットネットワーク基盤サービスが動的に生成される。このとき、前記ガジェットネットワーク基盤サービスは、論理的ガジェットネットワークを基盤とするガジェットの相互作用によって行われる。
【0068】
本発明は、ユビキタス環境を構築し、構築されたユビキタス環境においてシームレスな個人化サービスを提供することができる効果がある。
【0069】
また、本発明は、プライベートガジェットネットワークと、パブリックガジェットネットワークとに区分して管理することにより、ネットワークの拡張性が容易であるという効果がある。
【0070】
更に、本発明は、プライベートガジェットネットワーク内でガジェットが外部ネットワークに露出しないことにより、セキュリティの維持が容易であるという効果がある。
【0071】
なお、本発明は、ガジェットネットワークのメンバー間における自体のガジェットサービスを他のガジェットで活用することができる効果がある。
【0072】
上述した本発明の方法は、プログラムで実現され、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(CD−ROM、RAM、ROM、フロッピーディスク、ハードディスク、光磁気ディスクなど)に格納され得る。このような過程は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるため、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0073】
以上で説明した本発明は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能なため、上述した実施形態及び添付された図面により限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明を適用した知能型ガジェットネットワークの構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る、ユビキタス環境における個人化サービス提供のための知能型ガジェットの構成図である。
【図3】本発明を適用した知能型ガジェットネットワークを示す図である。
【図4】本発明を適用した知能型ガジェットネットワークにおいて形成された論理的ガジェットネットワークの概念図である。
【図5】本発明を適用した知能型ガジェットネットワークにおいて、ユーザ、ガジェット、及びガジェットサービスの相関関係を示す概念図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る、ユビキタス環境における個人化サービス提供方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
200 知能型ガジェット
210 ガジェットサービス部
211 データ収集部
212 データ処理部
220 ガジェットインタフェース部
213 ガジェットネットワークインタフェース部
214 ガジェットネットワーク判断部
215 ガジェット制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユビキタス環境における個人化サービス提供のための知能型ガジェットにおいて、
個人化サービスを提供するため、データを収集及び処理するガジェットサービス手段と、
ガジェット間においてガジェットネットワークを形成し、前記ガジェットサービス手段によって収集及び処理されたデータを用いて相互協力するサービスを提供するガジェットインタフェース手段と
を備えることを特徴とする、ユビキタス環境における個人化サービス提供のための知能型ガジェット。
【請求項2】
前記ガジェットサービス手段が、
外部ネットワークと連動する個人化サービスを提供することを特徴とする請求項1に記載の、ユビキタス環境における個人化サービス提供のための知能型ガジェット。
【請求項3】
前記ガジェットインタフェース手段が、
ガジェットネットワークメンバーとのガジェットネットワークを形成するガジェットネットワークインタフェース手段と、
前記ガジェットネットワークメンバーを、ガジェット識別子及びガジェットネットワーク識別子により、ガジェットネットワークの構成を判断するガジェットネットワーク判断手段と、
該ガジェットネットワーク判断手段によって判断されたガジェットネットワークのメンバー間で、前記ガジェットサービス手段によって処理されたデータを用いてガジェットネットワーク基盤サービスを創出するガジェット制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の、ユビキタス環境における個人化サービス提供のための知能型ガジェット。
【請求項4】
前記ガジェットネットワーク判断手段が、
周辺のガジェットのネットワーク識別子により、属するガジェットネットワークが指定されたプライベートガジェットなのか、属するガジェットネットワークが指定されていないパブリックガジェットなのかを判断することを特徴とする請求項3に記載の、ユビキタス環境における個人化サービス提供のための知能型ガジェット。
【請求項5】
前記ガジェットネットワーク判断手段が、
ガジェット識別子を用いて認証したプライベートガジェットをメンバーとしてネットワークを形成することを特徴とする請求項4に記載の、ユビキタス環境における個人化サービス提供のための知能型ガジェット。
【請求項6】
前記ガジェットネットワーク判断手段が、
ガジェット識別子を用いて認証したプライベートガジェットをメンバーとしてネットワークを形成し、前記パブリックガジェットを含んでネットワークを形成することを特徴とする請求項4又は5に記載の、ユビキタス環境における個人化サービス提供のための知能型ガジェット。
【請求項7】
前記ガジェット制御手段が、
自体の提供するガジェットサービスを、前記ガジェットネットワークメンバーによって提供できるように、ガジェットサービス制御情報の公開、質疑及び応答を行うことを特徴とする請求項3に記載の、ユビキタス環境における個人化サービス提供のための知能型ガジェット。
【請求項8】
前記ガジェット制御手段が、
ガジェットネットワークメンバーによって提供されたガジェットサービス情報及びガジェットサービス制御情報を用いて、前記ガジェットネットワークメンバーを制御することを特徴とする請求項3又は7に記載の、ユビキタス環境における個人化サービス提供のための知能型ガジェット。
【請求項9】
前記ガジェット制御手段が、
ガジェットネットワークメンバーによって相互交換されたガジェットサービス制御情報に従って特定のガジェットネットワーク基盤サービスに参加するガジェットのみを判断し、論理的ガジェットネットワークを形成することを特徴とする請求項8に記載の、ユビキタス環境における個人化サービス提供のための知能型ガジェット。
【請求項10】
ユビキタス環境においてガジェットによる個人化サービス提供方法において、
周辺のガジェットのガジェット識別子及びネットワーク識別子を用いてガジェットネットワークが構成されると、自体のガジェットサービスを開始し、前記周辺のガジェットとガジェットサービス制御情報を交換してガジェットネットワーク基盤サービスをロードする第1ステップと、
前記周辺のガジェットと交換したガジェットサービス制御情報に従って新たなガジェットネットワーク基盤サービスを生成する第2ステップと、
該生成されたガジェットネットワーク基盤サービスが生成されると、前記ガジェットネットワーク基盤サービスの実施に参加するガジェットのみで構成される論理的ガジェットネットワークを構成する第3ステップと、
該論理的ガジェットネットワークを基盤とするガジェットの相互作用によってガジェットネットワーク基盤サービスを行う第4ステップと
を含むことを特徴とする、ユビキタス環境における個人化サービス提供方法。
【請求項11】
前記第1ステップにおいて、
前記ネットワーク識別子によって指定されたガジェットでネットワークを構成するステップを更に含むことを特徴とする請求項10に記載の、ユビキタス環境における個人化サービス提供方法。
【請求項12】
前記第1ステップにおいて、
前記ネットワーク識別子によって指定されたガジェットでネットワークを構成した後、当該構成されたネットワークに指定されていないガジェットを含んでネットワークを構成するステップを更に含むことを特徴とする請求項10又は11に記載の、ユビキタス環境における個人化サービス提供方法。
【請求項13】
前記第3ステップにおいて、
第1ガジェットネットワーク及び第2ガジェットネットワークが重なると、前記第1ガジェットネットワーク及び前記第2ガジェットネットワークに指定されたネットワーク識別子が同一なのかを判断する第5ステップと、
前記判断結果からネットワーク識別子が同一であれば、前記第1ガジェットネットワーク又は前記第2ガジェットネットワークとの通信状況を判断し、接続を試みる第6ステップと、
前記最適な通信状況のガジェットネットワークが第1ガジェットネットワークと判断されると、前記第1ガジェットネットワークとの接続を試み、ユーザ認証手順を行う第7ステップと、
前記第1ガジェットネットワークが異なるユーザのネットワークと判断されると、前記第2ガジェットネットワークへの接続を試み、ユーザ認証手順を行う第8ステップと、
前記第2ガジェットネットワークがユーザのネットワークと判断されると、前記第2ガジェットネットワークに接続する第9ステップと
を更に含むことを特徴とする請求項10に記載の、ユビキタス環境における個人化サービス提供方法。
【請求項14】
前記第6ステップにおいて、
前記第1ガジェットネットワーク又は前記第2ガジェットネットワークとの通信状況を、信号強度、リンク品質、及びPER(Packet Error Rate)を用いて判断することを特徴とする請求項13に記載の、ユビキタス環境における個人化サービス提供方法。
【請求項15】
前記第1ステップにおいて、
前記ガジェットネットワークメンバーと、ガジェットサービス制御情報の公開、質疑及び応答を行って交換することを特徴とする請求項10に記載の、ユビキタス環境における個人化サービス提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−165766(P2008−165766A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−317500(P2007−317500)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【Fターム(参考)】