説明

ユーザーインターフェース、ユーザーインターフェースの制御方法、およびユーザーインターフェースの制御プログラム

【課題】ダブルタップの操作性を向上することのできるユーザーインターフェース、ユーザーインターフェースの制御方法、およびユーザーインターフェースの制御プログラムを提供する。
【解決手段】ユーザーインターフェースとしての操作パネル130は、画面を表示する表示部133を備えており、表示部133へのタップを検知するタッチパネル134と、タッチパネル134が1度目のタップを検知してからダブルタップとなる2度目のタップを検知するまでの間に、表示部133にメッセージを表示させる事態を検知する異常検出装置190とをさらに備える。操作パネル130は、タッチパネル134が2度目のタップを検知した後で、異常検出装置190が検知した事態に関する警告メッセージを表示部133に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はユーザーインターフェース、ユーザーインターフェースの制御方法、およびユーザーインターフェースの制御プログラムに関し、より特定的には、ダブルタップを検知するユーザーインターフェース、ユーザーインターフェースの制御方法、およびユーザーインターフェースの制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multifunction Peripheral)などの一般的な画像形成装置には、ユーザーインターフェースとして操作パネルが設けられている。操作パネルは、ソフトウェアキーや各種情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示部と、表示部の前面に重ねて配置され、ユーザーの操作指などによる操作を受け付けるタッチパネルと、表示部の周囲に設けられたハードウェアキーとを備えている。タッチパネルは、表示部に表示されたソフトウェアキーに対して、タッチパネルに触れて離す動作であるタップがなされると、そのキーに割り当てられた指示情報などを出力する。
【0003】
ソフトウェアキーとは、タッチパネル上に表示されるキー群である。ユーザーは、タッチパネルディスプレイの所定の領域に触れることによりソフトウェアキーの操作を行う。タッチパネルディスプレイ上には、所定の機能が割り付けられたソフトウェアキーが様々な形状で表示され、不要になれば画面上から消去される。ハードウェアキーとは、物理的な実体性を備えたボタン状のキー群である。ユーザーは、ハードウェアキーを押下することによりハードウェアキーの操作を行う。
【0004】
操作パネルは、画像形成装置にトラブルが発生した場合(用紙切れ、ジャム、またはネットワーク接続不可など)、画像形成装置の指示に従って、そのトラブルをユーザーに知らせるためのメッセージをタッチパネルに自動的に表示させる。このメッセージは、たとえばポップアップ形式で表示される。
【0005】
タッチパネルに関する技術は、たとえば下記特許文献1および2に開示されている。下記特許文献1には、ユーザーがタッチパネル上の選択用アイコンに触れた場合に、タッチパネルからの座標情報に基づいてタッチされた選択用アイコンを特定し、選択用アイコンに対応する決定用アイコンを、選択用アイコンの隣接領域に重畳表示する技術が開示されている。ユーザーが決定用アイコンに触れた場合には、選択用アイコンの選択が確定される。
【0006】
下記特許文献2には、以下の技術が開示されている。表示制御部は、操作目標となるキー画像などを表示部に表示する。領域記憶部は、表示されるキー画像に対応する受付領域(領域情報)を記憶する。検出部は、ユーザーによるタッチ操作を検知し、そのタッチ位置を検出する。判定部は、検出されたタッチ位置が、領域記憶部に記憶されている受付領域の範囲内かなどを判定する。計時部は、タッチ操作後の経過時間を計時する。そして、領域制御部は、タッチ操作が検出されるとタッチ位置の受付領域を所定の範囲まで拡大し、計時部により所定時間が計時されると、拡大した受付領域を元の大きさまで縮小する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−048245号公報
【特許文献2】特開2009−003851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ユーザーが行うタッチパネルでの操作の一つに、ダブルタップがある。ダブルタップとは、タッチパネルに触れて離す動作であるタップを2回連続して行う操作である。ダブルタップによれば、1度目のタップで任意のソフトウェアキーを選択し、2度目のタップで選択したソフトウェアキーに関する機能を実行することができ、ユーザーの操作性を高めることができる。
【0009】
図18は、従来の技術において、タッチパネルがダブルタップを検知した場合に、表示部に表示される画面の推移を模式的に示す図である。
【0010】
図18(a)を参照して、操作パネルはボックス選択画面を表示部に表示している。操作パネルは、画像形成装置のボックスに格納された文書ボックスをアイコンとして表示している。ユーザーが、ボックスナンバーが「00000009」の「デザインアイデアレポート」というボックスのアイコンC101を2回タップした場合、タッチパネルはダブルタップを検知する。タッチパネルがダブルタップを検知すると、操作パネルは、図18(b)に示すように、「デザインアイデアレポート」というボックスに格納されているファイルの一覧を表示部に表示する。
【0011】
しかしながら、従来の技術にはダブルタップの操作性が悪いという問題があった。
【0012】
図19は、従来の技術において、画像形成装置の異常事態などを警告するメッセージを表示する場合に、表示部に表示される画面の推移を模式的に示す図である。
【0013】
図19を参照して、従来においては、図19(a)に示すように、ダブルタップにおける1度目のタップをタッチパネルが検知してから、2度目のタップを検知するまでの間に、操作パネルが、図19(b)に示すように、画像形成装置の異常事態などを警告する警告メッセージM101をポップアップ形式で表示部に表示することがあった。これにより、ダブルタップの合間にポップアップの警告メッセージM101が割り込んで表示され、2度目のタップが警告メッセージM101により妨げられて検知されないことがあった。
【0014】
上記問題は、画像形成装置のユーザーインターフェースに限られるものではなく、ユーザーインターフェース全般において生じ得る問題であった。
【0015】
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、ダブルタップの操作性を向上することのできるユーザーインターフェース、ユーザーインターフェースの制御方法、およびユーザーインターフェースの制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一の局面に従うユーザーインターフェースは、画面を表示する表示部を備えたユーザーインターフェースであって、表示部へのタップを検知するタップ検知手段と、タップ検知手段にて1度目のタップを検知してからダブルタップとなる2度目のタップを検知するまでの間に、表示部にメッセージを表示させる事態を検知する事態発生検知手段と、タップ検知手段にて2度目のタップを検知した後で、事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージを表示部に表示する第1のメッセージ表示手段とをさらに備える。
【0017】
上記ユーザーインターフェースにおいて好ましくは、タップ検知手段にて1度目のタップを検知してから所定時間の間、タップ検知手段にて2度目のタップを検知しない場合、事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージを表示部に表示する第2のメッセージ表示手段をさらに備える。
【0018】
上記ユーザーインターフェースにおいて好ましくは、タップ検知手段にて2度目のタップを検知した場合に、表示部の画面をダブルタップの処理に伴う画面に遷移する画面遷移手段をさらに備え、第1のメッセージ表示手段は、画面遷移手段にて表示部の画面を遷移した後で、事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージを表示部に表示する。
【0019】
上記ユーザーインターフェースにおいて好ましくは、画面遷移手段にて表示部の画面を遷移することと、第1のメッセージ表示手段にてメッセージを表示部に表示することとのいずれを優先するかの設定を受け付ける優先設定受付手段をさらに備える。
【0020】
上記ユーザーインターフェースにおいて好ましくは、第1のメッセージ表示手段にてメッセージを表示する前に、事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージの表示が不要になった場合には、第1のメッセージ表示手段によるメッセージの表示をキャンセルするメッセージキャンセル手段をさらに備える。
【0021】
上記ユーザーインターフェースにおいて好ましくは、第1のメッセージ表示手段は、事態発生検知手段にて検知した事態によってダブルタップの処理が実行不可である場合に、表示部の画面をダブルタップの処理に伴う画面に遷移するよりも優先して、事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージを表示部に表示する優先表示手段を含む。
【0022】
上記ユーザーインターフェースにおいて好ましくは、優先表示手段は、事態発生検知手段にて検知した事態と、事態発生検知手段にて検知した事態の発生により実行不可となるダブルタップの処理との関係を記憶する記憶手段と、タップ検知手段にて検知した2度目のタップに基づくダブルタップの処理が実行不可であるか否かを、記憶手段にて記憶した関係に基づいて判別する判別手段とを含む。
【0023】
上記ユーザーインターフェースにおいて好ましくは、タップ検知手段にて検知した2度目のタップに基づくダブルタップの処理の実行不可が解消されずに、優先表示手段にて表示したメッセージが表示部から消去された場合、ダブルタップの処理をキャンセルするダブルタップキャンセル手段をさらに備える。
【0024】
上記ユーザーインターフェースにおいて好ましくは、第1のメッセージ表示手段は、タップ検知手段にて2度目のタップを受け付けた位置とは異なる位置に、事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージを消去するキーをさらに表示する。
【0025】
上記ユーザーインターフェースにおいて好ましくは、第1のメッセージ表示手段は、事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージを表示したタイミングよりも遅延したタイミングで、事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージを消去するキーをさらに表示する。
【0026】
上記ユーザーインターフェースにおいて好ましくは、第1のメッセージ表示手段は、タップ検知手段にて2度目のタップを受け付けた位置とは異なる位置に表示する方法と、事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージを表示したタイミングよりも遅延したタイミングで表示する方法とのうちいずれの方法で、事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージを消去するキーを表示するかの設定を受け付けるキー表示設定受付手段を含む。
【0027】
本発明の他の局面に従うユーザーインターフェースの制御方法は、画面を表示する表示部を備えたユーザーインターフェースの制御方法であって、表示部へのタップを検知するタップ検知ステップと、タップ検知ステップにて1度目のタップを検知してからダブルタップとなる2度目のタップを検知するまでの間に、表示部にメッセージを表示させる事態を検知する事態発生検知ステップと、タップ検知ステップにて2度目のタップを検知した後で、事態発生検知ステップにて検知した事態に関するメッセージを表示部に表示する第1のメッセージ表示ステップとを備える。
【0028】
本発明のさらに他の局面に従うユーザーインターフェースの制御プログラムは、画面を表示する表示部を備えたユーザーインターフェースの制御プログラムであって、表示部へのタップを検知するタップ検知ステップと、タップ検知ステップにて1度目のタップを検知してからダブルタップとなる2度目のタップを検知するまでの間に、表示部にメッセージを表示させる事態を検知する事態発生検知ステップと、タップ検知ステップにて2度目のタップを検知した後で、事態発生検知ステップにて検知した事態に関するメッセージを表示部に表示する第1のメッセージ表示ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ダブルタップの操作性を向上することのできるユーザーインターフェース、ユーザーインターフェースの制御方法、およびユーザーインターフェースの制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施の形態における画像形成装置の外観を模式的に示す図である。
【図2】画像形成装置1の内部構成を示すブロック図である。
【図3】タッチパネル134でダブルタップのうち1度目のタップを検知した場合に、操作パネル130が表示部133に表示する画面を模式的に示す図である。
【図4】タッチパネル134が1度目のタップを検知した場合の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。
【図5】異常検出装置190が異常事態の発生を検知した場合の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。
【図6】タッチパネル134でダブルタップを検知した場合に、操作パネル130が表示部133に表示する画面の推移を模式的に示す図である。
【図7】タッチパネル134でダブルタップを検知した場合の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。
【図8】ダブルタップ判定用タイマーによる計時時間が満了した場合の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。
【図9】固定記憶装置110が記憶する優先警告判定テーブルを模式的に示す図である。
【図10】優先警告を行う場合に操作パネル130が表示部133に表示する画面の推移を模式的に示す図である。
【図11】優先警告を行う場合の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。
【図12】OKキーが押下された場合の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。
【図13】ダブルタップ指定をユーザーから受け付ける場合に、操作パネル130が表示部133に表示する画面を模式的に示す図である。
【図14】OKキーを含む警告メッセージを表示する場合に、操作パネル130が表示部133に表示する画面の推移の第1の例を模式的に示す図である。
【図15】OKキーを含む警告メッセージを表示する場合に、操作パネル130が表示部133に表示する画面の推移の第2の例を模式的に示す図である。
【図16】警告時押しボタン表示設定をユーザーから受け付ける場合に、操作パネル130が表示部133に表示する画面を模式的に示す図である。
【図17】操作パネル130が実行するOKキーの表示処理を示すフローチャートである。
【図18】従来の技術において、タッチパネルがダブルタップを検知した場合に、表示部に表示される画面の推移を模式的に示す図である。
【図19】従来の技術において、画像形成装置の異常事態などを警告するメッセージを表示する場合に、表示部に表示される画面の推移を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0032】
本実施の形態においては、ユーザーインターフェースが、画像形成装置の操作パネルである場合について説明する。画像形成装置は、たとえば電子写真方式や静電記録方式などによって画像形成を行うものであり、スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバー機能を備えたMFPや、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなどであってもよい。画像形成装置はインクジェット方式により画像形成を行うものであってもよい。ユーザーインターフェースは、画面を表示する表示部へのタップを検知するものであればよく、画像形成装置の操作パネルの他、たとえばタッチパネルを有する携帯通信端末などであってもよい。
【0033】
[画像形成装置の構成]
始めに、本実施の形態における画像形成装置の構成について説明する。
【0034】
図1は、本発明の一実施の形態における画像形成装置の外観を模式的に示す図である。図1では、画像形成装置の操作パネルが拡大して示されている。
【0035】
画像形成装置1は、その前面に操作パネル130を備えている。操作パネル130は、画像形成装置1に関する各種情報を表示し、かつ画像形成装置1のオペレーション操作を受け付ける。
【0036】
図2は、画像形成装置1の内部構成を示すブロック図である。
【0037】
図2を参照して、画像形成装置1は、CPU101と、ROM(Read Only Memory)102と、SRAM(Static Random Access Memory)103と、NVRAM(Non Volatile Random Access Memory、不揮発性メモリ)104と、時計IC(Integrated Circuit)105と、固定記憶装置110と、画像読取装置120と、操作パネル130と、画像出力装置140と、プリンタコントローラー150と、ネットワークI/F160と、近接判定装置170と、無線I/F180と、異常検出装置190とを含んでいる。
【0038】
CPU101には、ROM102、SRAM103、NVRAM104、および時計IC105の各々がバスを介して接続されている。CPU101、ROM102、SRAM103、NVRAM104、および時計IC105によって制御部100が構成されている。ROM102は、画像形成装置1の動作を制御する制御プログラムを格納する。SRAM103はCPU101の作業用のメモリである。NVRAM104はバッテリバックアップにより、画像形成に関わる各種の設定を記憶している。
【0039】
制御部100には、固定記憶装置110、画像読取装置120、操作パネル130、画像出力装置140、プリンタコントローラー150、ネットワークI/F160、近接判定装置170、無線I/F180、および異常検出装置190の各々がバスを介して接続されている。固定記憶装置110は、たとえばHDD(Hard Disk Drive)であり、操作パネル130に表示する画面の画面データや、各種ファイルを格納するボックスなどを記憶している。画像読取装置120は、原稿画像を読み取る。操作パネル130は、数字の入力を行うテンキー131や、各種ジョブの実行指示を受け付けるスタートキー132や、各種情報の画面を表示するLCDなどの表示部133や、表示部133の前面に配置されたタッチパネル134などを含んでいる。タッチパネル134は、表示部133へのタップなどの指示入力を受け付ける。画像出力装置140は、複写画像を用紙上に形成する。プリンタコントローラー150は、ネットワークI/F160により受信したプリントデータから複写画像を生成する。ネットワークI/F160は、ネットワークケーブル4cを介して画像形成装置1をネットワーク4に接続する。ネットワークI/F160は、外部機器との間で、各種の情報を送受信する。近接判定装置170は、画像形成装置1への人体の接近を検知する。無線I/F180は、たとえばBluetooth(登録商標)やIrDA(登録商標)などであり、外部機器との通信に用いられる。異常検出装置190は、用紙切れやネットワークエラーなど、表示部133にメッセージを表示させる異常事態の発生を検知する。異常検出装置190は、表示部133に何らかのメッセージを表示させる事態を検知するものであればよい。
【0040】
本実施の形態では、タッチパネル134でダブルタップのうち1度目のタップを検知してからダブルタップのうち2度目のタップを検知するまでの間に、異常検出装置190が異常事態の発生を検知した場合、操作パネル130は、2度目のタップを検知した後で、異常事態に関するメッセージを表示部133に表示する。また、操作パネル130は、タッチパネル134で1度目のタップを検知してから所定時間の間、2度目のタップを検知しない場合、異常事態に関する警告メッセージを表示部133に表示する。
【0041】
[1度目のタップを検知した場合の画像形成装置の動作]
次に、タッチパネル134でダブルタップのうち1度目のタップを検知した場合の画像形成装置1の動作について説明する。
【0042】
図3は、タッチパネル134でダブルタップのうち1度目のタップを検知した場合に、操作パネル130が表示部133に表示する画面を模式的に示す図である。
【0043】
図3を参照して、操作パネル130は、固定記憶装置110に格納されたボックスの一覧であるボックス選択画面をアイコン表示している。たとえばユーザーが、ボックスナンバーが「00000009」の「デザインアイデアレポート」というボックスのアイコンC1を1回タップした場合、タッチパネル134はアイコンC1の1度目のタップを検知する。
【0044】
操作パネル130は、タッチパネル134でアイコンC1の1度目のタップを検知すると、アイコンC1に対応するボックスが選択されたことを示すために、アイコンC1を他のアイコンとは異なる色で表示する。また、操作パネル130は、ユーザーがアイコンC1(画面)をタップしたタイミングで、ダブルタップ判定用タイマー(時計IC105)による計時を開始する。ダブルタップ判定用タイマーとは、次のタップがダブルタップになるかどうかを判定するタイマーである。ダブルタップ判定中に異常検出装置190が異常事態の発生を検知した場合には、操作パネル130は、ダブルタップ判定完了まで、異常事態に関する警告メッセージの表示を保留する。
【0045】
図4は、タッチパネル134が1度目のタップを検知した場合の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。なお、図4、ならびに以降の図5、図7、図8、図11、図12、および図17に示すフローチャートは、たとえばROM102に記憶された制御プログラムに基づいてCPU101が実行するものである。
【0046】
図4を参照して、CPU101は、操作パネル130の画面がタップ(押下)されたか否かを判別する(S1)。ステップS1において、画面がタップされたと判別した場合(S1でYes)、CPU101は、ダブルタップ判定用タイマーによる計時を開始し(S3)、処理を終了する。一方、ステップS1において、画面がタップされないと判別した場合(S1でNo)、CPU101はステップS1の処理へ進み、操作パネル130の画面がタップされたか否かを再び判別する(S1)。
【0047】
図5は、異常検出装置190が異常事態の発生を検知した場合の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。
【0048】
図5を参照して、異常検出装置190が異常事態の発生(警告発生)を検知すると(S11)、CPU101は、ダブルタップ判定用タイマーによる計時中(ダブルタップ判定用タイマーの作動中)であるか否かを判別する(S13)。
【0049】
ステップS13において、計時中であると判別した場合(S13でYes)、CPU101は、異常事態に関する警告メッセージの表示を保留し(S15)、処理を終了する。一方、計時中でないと判別した場合(S13でNo)、CPU101は、異常事態に関する警告メッセージを表示部133へ表示し(S17)、処理を終了する。
【0050】
[ダブルタップを検知した場合の画像形成装置の動作]
次に、タッチパネル134でダブルタップを検知した場合の画像形成装置1の動作について説明する。
【0051】
タッチパネル134がダブルタップを検知した場合、操作パネル130は、異常検出装置190が検知した異常事態に関する警告メッセージを表示部133に表示するよりも優先して、表示部133の画面をダブルタップの処理に伴う画面へ遷移させてもよい。また、操作パネル130は、表示部133の画面をダブルタップの処理に伴う画面へ遷移させるよりも優先して、異常検出装置190が検知した異常事態に関する警告メッセージを表示部133に表示してもよい。
【0052】
始めに、タッチパネル134がダブルタップを検知した場合に、操作パネル130が、表示部133の画面をダブルタップの処理に伴う画面へ遷移させることを優先する場合について説明する。
【0053】
図6は、タッチパネル134でダブルタップを検知した場合に、操作パネル130が表示部133に表示する画面の推移を模式的に示す図である。
【0054】
図6(a)を参照して、操作パネル130はボックス選択画面を表示している。操作パネル130は、固定記憶装置110のボックスに格納された文書ボックスをアイコンとして表示している。たとえばユーザーが、ボックスナンバーが「00000009」の「デザインアイデアレポート」というボックスのアイコンC1を1回タップした場合、タッチパネル134はアイコンC1の1度目のタップを検知する。操作パネル130は、アイコンC1を他のアイコンとは異なる色で表示し、時計IC105は、ダブルタップ判定用タイマーによる計時を開始する。
【0055】
図6(b)を参照して、タッチパネル134で1度目のタップを検知してから2度目のタップを検知するまでの間に、異常検出装置190は異常事態の発生を検知する。操作パネル130は、ダブルタップ判定用タイマーによる計時中であるため、異常事態に関する警告メッセージの表示を保留し、ユーザーによる2度目のタップを待つ。
【0056】
図6(c)を参照して、ダブルタップ判定用タイマーによる計時を開始してから所定時間が経過する前に、ユーザーがアイコンC1を再びタップした場合、タッチパネル134はアイコンC1の2度目のタップ(ダブルタップ)を検知する。
【0057】
図6(d)を参照して、タッチパネル134がダブルタップを検知すると、操作パネル130は、ダブルタップの処理に伴う画面への遷移を警告メッセージの表示よりも優先して実行する。ダブルタップの処理とは、ダブルタップによりユーザーから実行指示を受け付けた処理であり、たとえば1度目のタップにより選択された項目に関する処理である。具体的には、操作パネル130がボックス選択画面を表示している状態で、1度目のタップによりボックスが選択され後で2度目のタップを受け付けた場合、画像形成装置1はボックスを開く処理を行い、表示部133が表示する画面を、ボックス内に格納されているファイルの一覧を表示する画面に遷移させる。
【0058】
図6(e)を参照して、操作パネル130は、表示部133の画面をダブルタップの処理に伴う画面に遷移させた後で、異常検出装置190が検知した異常事態に関する警告メッセージM1(警告ポップアップメッセージ)を表示部133に表示する。警告メッセージM1は、たとえばポップアップ形式で表示されることが好ましい。これにより、ユーザーは、ダブルタップの処理が実行された後で警告メッセージM1を確認することができる。
【0059】
なお、警告メッセージM1を表示する前に、異常検出装置190が検知した異常事態に関するメッセージの表示が不要になった場合(異常事態が解消した場合)には、操作パネル130は、警告メッセージM1の表示を行わなくてもよい(キャンセルしてもよい)。
【0060】
図6(b)において、ダブルタップ判定用タイマーによる計時を開始してから所定時間の間、ユーザーによる2度目のタップをタッチパネル134が検知しない場合(つまり、ユーザーが2回目のタップを行わずに、ダブルタップ判定用タイマーによる計時時間が満了した場合)、操作パネル130は、図6(e)に示すように、異常検出装置190が検知した異常事態に関する警告メッセージM1を表示部133に表示してもよい。
【0061】
図7は、タッチパネル134でダブルタップを検知した場合の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。
【0062】
図7を参照して、CPU101は、タッチパネル134でダブルタップの発生を検知すると(S21)、ダブルタップの処理(ダブルタップ動作)を発生させる(S23)。次にCPU101は、異常事態に関する警告メッセージの表示を保留しているか否かを判別する(S25)。
【0063】
ステップS25において、警告メッセージの表示を保留していると判別した場合(S25でYes)、CPU101は、警告メッセージを表示部133に表示することにより、警告をユーザーに通知し(S27)、処理を終了する。一方、ステップS25において、警告メッセージの表示を保留していないと判別した場合(S25でNo)、CPU101は処理を終了する。
【0064】
図8は、ダブルタップ判定用タイマーによる計時時間が満了した場合の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。
【0065】
図8を参照して、ダブルタップ判定用タイマーによる計時時間が満了すると(S31)、CPU101は、異常事態に関する警告メッセージの表示を保留しているか否かを判別する(S33)。
【0066】
ステップS33において、警告メッセージの表示を保留していると判別した場合(S33でYes)、CPU101は、警告メッセージを表示部133に表示することにより、警告をユーザーに通知し(S35)、処理を終了する。一方、ステップS33において、警告メッセージの表示を保留していないと判別した場合(S33でNo)、CPU101は処理を終了する。
【0067】
続いて、タッチパネル134がダブルタップを検知した場合に、操作パネル130が、異常検出装置190が検知した異常事態に関する警告メッセージを表示することを優先する場合について説明する。
【0068】
以降、表示部133の画面をダブルタップの処理に伴う画面へ遷移させるよりも優先して、異常検出装置190が検知した異常事態に関する警告メッセージを表示部133に表示する動作を、優先警告と呼ぶことがある。
【0069】
たとえば、異常検出装置190が検知した異常事態によってダブルタップの処理を実行不可である場合(発生した警告がダブルタップの処理に影響を及ぼす警告であった場合)、操作パネル130は優先警告を行う。なお、操作パネル30は、これ以外の場合に優先警告を行ってもよい。
【0070】
図9は、固定記憶装置110が記憶する優先警告判定テーブルを模式的に示す図である。
【0071】
図9を参照して、優先警告判定テーブルには、異常事態(警告)と、その異常事態の発生により実行不可となるダブルタップの処理(影響処理)との関係が記載されている。この優先警告判定テーブルによれば、異常事態としてネットワークエラーが発生している場合には、ダブルタップの処理としてLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)、SMB(Server Message Block)、およびFTP(File Transfer Protocol)が実行不可になる。これらの処理はいずれも、ネットワークを利用するものであり、ネットワークエラーが発生している状態では実行することができないためである。異常事態としてトナーエンプティまたは用紙切れ(用紙無し)が発生している場合には、ダブルタップの処理としてプリントが実行不可になる。プリントにはトナーおよび用紙を使用するため、トナーエンプティまたは用紙切れの状態ではプリントを実行することができないためである。異常事態としてHDDフル(固定記憶装置110の空き容量がゼロの状態)が発生している場合には、ダブルタップの処理としてスキャンが実行不可になる。HDDフルの状態ではスキャン後のデータを保存することができないためである。
【0072】
画像形成装置1は、タッチパネル134が検知したダブルタップの処理が実行不可であるか否かを、この優先警告判定テーブルに基づいて判別する。その結果、ダブルタップの処理が実行不可である場合、操作パネル130は、ダブルタップの処理を実行するよりも優先して、異常検出装置190が検知した異常事態に関する警告メッセージを表示部133に表示する(優先警告を行う)。
【0073】
図10は、優先警告を行う場合に操作パネル130が表示部133に表示する画面の推移を模式的に示す図である。なお図10では、優先警告の一例として、操作パネル30が、LDAPを用いたファクシミリ送信を行う際の宛先追加の処理を実行するよりも優先して、ネットワークエラーに関する警告メッセージを表示する場合について説明する。
【0074】
図10(a)を参照して、操作パネル130は、ネットワーク経由で外部機器へファクシミリ送信を行う際の宛先(アドレス)の一覧をリスト表示している。たとえばユーザーが、リストの最上段の宛先を1回タップした場合、タッチパネル134はその宛先の選択を検知する。操作パネル130は選択された宛先を他の宛先とは異なる色で表示し、ダブルタップ判定用タイマーによる計時を開始する。
【0075】
図10(b)を参照して、タッチパネル134で1度目のタップを検知してから2度目のタップを検知するまでの間に、異常検出装置190はネットワークエラーの発生を検知する。操作パネル130は、ダブルタップ判定用タイマーによる計時中であるため、ネットワークエラーに関する警告メッセージの表示を保留し、ユーザーによる2度目のタップを待つ。
【0076】
図10(c)を参照して、ダブルタップ判定用タイマーによる計時を開始してから所定時間が経過する前に、選択した宛先をユーザーが再びタップした場合、タッチパネル134は選択した宛先をファクシミリの送信先に追加する指示を検知する。この場合、仮にネットワークエラーの警告メッセージの表示を抑制して、ファクシミリの送信先に追加する処理を実行したとしても、画像形成装置1は、ネットワークエラーに阻まれてファクシミリの送信を行うことができない。
【0077】
そこで、図10(d)に示すように、異常検出装置190がネットワークエラーを検知した場合において、タッチパネル134がダブルタップによる宛先追加の指示を検知した場合、操作パネル130は優先警告を行う。画像形成装置1は、宛先追加の処理に伴う画面への遷移を保留して、ネットワークエラーに関する警告メッセージM2を表示部133に表示する。警告メッセージM2は、警告メッセージM2を画面から消去するためのOKキー(OKボタン)K1を含んでいてもよい。これにより、画像形成装置1は、異常状態の修復をユーザーに求めることができ、ユーザーは、警告メッセージM2の表示中に異常状態の修復を行うことができる。
【0078】
図10(e)を参照して、OKキーK1が押下されると、操作パネル130は、警告メッセージM2を画面から消去し、ネットワークエラーが解消されたか否かを判別する。ネットワークエラーが解消されている場合には、画像形成装置1は宛先追加の処理を実行する。一方、ネットワークエラーが解消されていない場合には、画像形成装置1は宛先追加の処理をキャンセルする。
【0079】
なお、操作パネル130は、警告メッセージM2を画面から消去した場合に、図10(e)に示す判別を行わず、宛先追加の処理を常にキャンセルしてもよい。
【0080】
図11は、優先警告を行う場合の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。
【0081】
図11を参照して、CPU101は、タッチパネル134でダブルタップの発生を検知すると(S41)、そのダブルタップの処理が実行不可であるか否か(優先警告が発生したか否か)を、優先警告判定テーブルに基づいて判別する(S43)。
【0082】
ステップS43において、そのダブルタップの処理が実行不可であると判別した場合(S43でYes)、CPU101は、警告メッセージを表示部133に表示することにより、警告をユーザーに通知し(S45)、ダブルタップの処理を保留する(S47)。その後、CPU101は処理を終了する。
【0083】
ステップS43において、そのダブルタップの処理が実行可能であると判別した場合(S43でNo)、CPU101は、ダブルタップの処理(ダブルタップ動作)を発生させ、表示部133の画面をダブルタップの処理に伴う画面へ遷移させる(S49)。次にCPU101は、異常事態に関する警告メッセージの表示を保留しているか否かを判別する(S51)。
【0084】
ステップS51において、警告メッセージの表示を保留していると判別した場合(S51でYes)、CPU101は、異常事態が未だ発生しているか否か(警告が未だ発生しているか否か)を判別する(S53)。
【0085】
ステップS53において、異常事態が未だ発生していると判別した場合(S53でYes)、CPU101は、警告メッセージを表示部133に表示することにより、警告をユーザーに通知し(S55)、処理を終了する。
【0086】
ステップS51において、警告メッセージの表示を保留していないと判別した場合(S51でNo)、またはステップS53において、異常事態が既に解消していると判別した場合(S53でNo)、異常事態に関するメッセージの表示はもはや不要である。この場合CPU101は、警告メッセージを表示せずに処理を終了する。
【0087】
図12は、OKキーが押下された場合の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。
【0088】
図12を参照して、警告メッセージM2に含まれるOKキーK1が押下された場合、CPU101は、警告メッセージM2を画面から消去(クローズ)し(S61)、警告メッセージに関する異常事態(問題)が解消されたか否かを判別する(S63)。
【0089】
ステップS63において、異常事態が解消されないと判別した場合(S63でNo)、CPU101は、ダブルタップの処理をキャンセルし(S65)、処理を終了する。一方、ステップS63において、異常事態が解消されたと判別した場合(S63でYes)、CPU101は、ダブルタップの処理(ダブルタップ動作)を発生させ(S67)、処理を終了する。
【0090】
なお、操作パネル130は、表示部133の画面をダブルタップの処理に伴う画面へ遷移させることと、異常検出装置190が検知した異常事態に関する警告メッセージを表示部133に表示することのいずれを優先するかに関する設定(以下、ダブルタップ指定と呼ぶことがある)を、ユーザーから受け付けてもよい。この設定は、画像形成装置1の初期設定として固定記憶装置110などに記憶されてもよい。
【0091】
図13は、ダブルタップ指定をユーザーから受け付ける場合に、操作パネル130が表示部133に表示する画面を模式的に示す図である。
【0092】
図13を参照して、ダブルタップ指定をユーザーから受け付ける場合、操作パネル130は、ダブルタップ優先キーK11と、通知優先キーK12と、OKキーK13と、キャンセルキーK14とを表示する。ユーザーによるダブルタップ優先キーK11の選択およびOKキーK13の押下を受け付けた場合、操作パネル130は、表示部133の画面をダブルタップの処理に伴う画面へ遷移させることを優先する。ユーザーによる通知優先キーK12の選択およびOKキーK13の押下を受け付けた場合、操作パネル130は、異常検出装置190が検知した異常事態に関する警告メッセージを表示部133に表示することを優先する(優先表示を行う)。ユーザーによるキャンセルキーK14の押下を受け付けた場合、操作パネル130は、キーの選択を解除する。
【0093】
[OKキーの表示方法]
続いて、OKキーの表示予定位置がダブルタップを検知した位置と重複する場合のOKキーの表示方法について説明する。
【0094】
警告メッセージに含まれるOKキーの位置がダブルタップを行った位置と重複する場合、操作パネル130は、警告メッセージに含まれるキーの位置をダブルタップの位置とは異なる場所に移動したり、OKキーの表示タイミングを警告メッセージの表示タイミングよりも遅延させたりしてもよい。これにより、ユーザーが誤ってOKキーを押下することを抑止することができる。
【0095】
図14は、OKキーを含む警告メッセージを表示する場合に、操作パネル130が表示部133に表示する画面の推移の第1の例を模式的に示す図である。
【0096】
図14(a)を参照して、タッチパネル134は、ユーザーによる位置PO1でのダブルタップを検知する。
【0097】
図14(b)を参照して、タッチパネル134がダブルタップを検知した後で、操作パネル130は、異常検出装置190が検知した異常事態に関する警告メッセージM3であって、警告メッセージM3を消去するためのOKキーK2を含む警告メッセージM3を表示部133に表示する。
【0098】
OKキーK2の表示予定位置が、位置PO1と重複する場合、操作パネル130は、ダブルタップを受け付けた位置PO1とは異なる位置PO2にOKキーK2を表示する。操作パネル130は、警告メッセージM3を表示するのと同時にOKキーK2を表示してもよいし、任意のタイミングでOKキーK2を表示してもよい。
【0099】
図15は、OKキーを含む警告メッセージを表示する場合に、操作パネル130が表示部133に表示する画面の推移の第2の例を模式的に示す図である。
【0100】
図15(a)を参照して、タッチパネル134は、ユーザーによる位置PO1でのダブルタップを検知する。
【0101】
図15(b)を参照して、OKキーK2の表示予定位置が、位置PO1と重複する場合、操作パネル130は、タッチパネル134がダブルタップを検知した後で、異常検出装置190が検知した異常事態に関する警告メッセージM3を表示部133に表示する。警告メッセージM3を表示するタイミングでは、OKキーK2は未だ表示されない。
【0102】
図15(c)を参照して、操作パネル130は、警告メッセージM3を表示したタイミングよりも遅延したタイミングで(警告メッセージM3を表示して一定時間経過後に)、警告メッセージM3を消去するためのOKキーK2を表示する。操作パネル130は、位置PO1にOKキーK2を表示してもよいし、任意の位置にOKキーK2を表示してもよい。
【0103】
図14や図15などに示す方法でOKキーK2を表示することにより、ユーザーがダブルタップを行った際にOKキーを誤って押下することを防止することができる。
【0104】
なお、操作パネル130は、OKキーK2の表示方法として、図14に示す方法と図15に示す方法とのいずれを採用するかに関する設定(以下、警告時押しボタン表示設定と呼ぶことがある)を、ユーザーから受け付けてもよい。この設定は、画像形成装置1の初期設定として固定記憶装置110などに記憶されてもよい。
【0105】
図16は、警告時押しボタン表示設定をユーザーから受け付ける場合に、操作パネル130が表示部133に表示する画面を模式的に示す図である。
【0106】
図16を参照して、警告時押しボタン表示設定をユーザーから受け付ける場合、操作パネル130は、ボタン位置変更キーK21と、ボタン表示遅延キーK22と、OKキーK13と、キャンセルキーK14とを表示する。ユーザーによるボタン位置変更キーK21の選択およびOKキーK13の押下を受け付けた場合、操作パネル130は、OKキーK2の表示方法を、OKキーK2の配置座標を変更する方法(図14に示す方法)に設定する。ユーザーによるボタン表示遅延キーK22の選択およびOKキーK13の押下を受け付けた場合、操作パネル130は、OKキーK2の表示方法を、OKキーK2の表示を遅延させる方法(図15に示す方法)に設定する。ユーザーによるキャンセルキーK14の押下を受け付けた場合、操作パネル130は、キーの選択を解除する。
【0107】
図17は、操作パネル130が実行するOKキーの表示処理を示すフローチャートである。
【0108】
図17を参照して、CPU101は、警告メッセージを消去するOKキー(ボタン)が警告メッセージに含まれているか否かを判別する(S71)。ステップS71において、OKキーが含まれていると判別した場合(S71でYes)、CPU101は、ダブルタップを検知した位置の座標を取得し(S75)、ステップS77の処理へ進む。一方、ステップS71において、キーが含まれていないと判別した場合(S71でNo)、CPU101は処理を終了する。
【0109】
ステップS77において、CPU101は、ダブルタップを検知した座標にOKキーの表示予定位置があるか否かを判別する(S77)。ステップS77において、OKキーの表示予定位置があると判別した場合(S77でYes)、CPU101は、OKキーの表示方法が、OKキーの表示を遅延させる方法に設定されているか否かを判別する(S79)。
【0110】
ステップS79において、OKキーの表示を遅延させる方法に設定されていると判別した場合(S79でYes)、CPU101は、キーの表示を遅延させ(S81)、警告メッセージを表示する処理を実行する(S83)。その後、CPU101は処理を終了する。一方、ステップS79において、OKキーの配置座標を変更する方法に設定されていないと判別した場合(S79でNo)、CPU101は、OKキーの配置座標を変更し(S85)、警告メッセージを表示する処理を実行する(S83)。その後、CPU101は処理を終了する。
【0111】
ステップS77において、OKキーの表示予定位置が無いと判別した場合(S77でNo)、CPU101は、表示方法を変更せずに、警告メッセージを表示する処理を実行し(S83)、処理を終了する。
【0112】
[実施の形態の効果]
上述の実施の形態によれば、ユーザーがタッチパネル(操作パネル)をタッチしてから、次のタッチをダブルタップと認識する時間は、操作パネルは、ポップアップメッセージを表示部に表示することを抑止する。操作パネルは、ユーザーがダブルタップの操作を完了してからポップアップメッセージを表示部に表示する。これにより、2度目のタップの際に、ユーザーがポップアップメッセージを誤って押下することが無くなり、ダブルタップの操作性を改善することができる。
【0113】
また、図10に示すように、異常検出装置が検知した異常事態によって、タッチパネルが検知したダブルタップの処理が実行不可である場合に、ダブルタップの処理を実行するよりも優先して、異常事態に関する警告メッセージを表示するので、ダブルタップの処理が実行不可であることを迅速にユーザーに知らせることができる。
【0114】
また、図11に示すように、警告メッセージを表示する前に、異常検出装置が検知した事態に関する警告メッセージの表示が不要になった場合には、警告メッセージの表示をキャンセルするので、不要な警告メッセージを表示することを回避することができる。
【0115】
[その他]
上述の実施の形態は適宜組み合わせることができる。たとえば、図10に示す方法で優先警告を行った場合に、図14または図15に示す方法で、OKボタンの表示を行ってもよい。また、警告メッセージに含まれるOKキーの位置がダブルタップを行った位置と重複しない場合にも、図14や図15に示すOKボタンの表示方法を採用してもよい。
【0116】
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行なっても、ハードウェア回路を用いて行なってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザーに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピュータにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0117】
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0118】
1 画像形成装置
4 ネットワーク
4c ネットワークケーブル
100 制御部
101 CPU
102 ROM
103 SRAM
104 NVRAM
105 時計IC
110 固定記憶装置
120 画像読取装置
130 操作パネル
131 テンキー
132 スタートキー
133 表示部
134 タッチパネル
140 画像出力装置
150 プリンタコントローラー
160 ネットワークI/F
170 近接判定装置
180 無線I/F
190 異常検出装置
C1,C101 アイコン
K1,K2,K13 OKキー
K11 ダブルタップ優先キー
K12 通知優先キー
K14 キャンセルキー
K21 ボタン位置変更キー
K22 ボタン表示遅延キー
M1,M2,M3,M101 警告メッセージ
PO1,PO2 位置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面を表示する表示部を備えたユーザーインターフェースであって、
前記表示部へのタップを検知するタップ検知手段と、
前記タップ検知手段にて1度目のタップを検知してからダブルタップとなる2度目のタップを検知するまでの間に、前記表示部にメッセージを表示させる事態を検知する事態発生検知手段と、
前記タップ検知手段にて2度目のタップを検知した後で、前記事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージを前記表示部に表示する第1のメッセージ表示手段とをさらに備えた、ユーザーインターフェース。
【請求項2】
前記タップ検知手段にて1度目のタップを検知してから所定時間の間、前記タップ検知手段にて2度目のタップを検知しない場合、前記事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージを前記表示部に表示する第2のメッセージ表示手段をさらに備えた、請求項1に記載のユーザーインターフェース。
【請求項3】
前記タップ検知手段にて2度目のタップを検知した場合に、前記表示部の画面をダブルタップの処理に伴う画面に遷移する画面遷移手段をさらに備え、
前記第1のメッセージ表示手段は、前記画面遷移手段にて前記表示部の画面を遷移した後で、前記事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージを前記表示部に表示する、請求項1または2に記載のユーザーインターフェース。
【請求項4】
前記画面遷移手段にて前記表示部の画面を遷移することと、前記第1のメッセージ表示手段にてメッセージを前記表示部に表示することとのいずれを優先するかの設定を受け付ける優先設定受付手段をさらに備えた、請求項3に記載のユーザーインターフェース。
【請求項5】
前記第1のメッセージ表示手段にてメッセージを表示する前に、前記事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージの表示が不要になった場合には、前記第1のメッセージ表示手段によるメッセージの表示をキャンセルするメッセージキャンセル手段をさらに備えた、請求項1〜4のいずれかに記載のユーザーインターフェース。
【請求項6】
前記第1のメッセージ表示手段は、前記事態発生検知手段にて検知した事態によってダブルタップの処理が実行不可である場合に、前記表示部の画面をダブルタップの処理に伴う画面に遷移するよりも優先して、前記事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージを前記表示部に表示する優先表示手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のユーザーインターフェース。
【請求項7】
前記優先表示手段は、
前記事態発生検知手段にて検知した事態と、前記事態発生検知手段にて検知した事態の発生により実行不可となるダブルタップの処理との関係を記憶する記憶手段と、
前記タップ検知手段にて検知した2度目のタップに基づくダブルタップの処理が実行不可であるか否かを、前記記憶手段にて記憶した関係に基づいて判別する判別手段とを含む、請求項6に記載のユーザーインターフェース。
【請求項8】
前記タップ検知手段にて検知した2度目のタップに基づくダブルタップの処理の実行不可が解消されずに、前記優先表示手段にて表示したメッセージが前記表示部から消去された場合、ダブルタップの処理をキャンセルするダブルタップキャンセル手段をさらに備えた、請求項6または7に記載のユーザーインターフェース。
【請求項9】
前記第1のメッセージ表示手段は、前記タップ検知手段にて2度目のタップを受け付けた位置とは異なる位置に、前記事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージを消去するキーをさらに表示する、請求項1〜8のいずれかに記載のユーザーインターフェース。
【請求項10】
前記第1のメッセージ表示手段は、前記事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージを表示したタイミングよりも遅延したタイミングで、前記事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージを消去するキーをさらに表示する、請求項1〜9のいずれかに記載のユーザーインターフェース。
【請求項11】
前記第1のメッセージ表示手段は、前記タップ検知手段にて2度目のタップを受け付けた位置とは異なる位置に表示する方法と、前記事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージを表示したタイミングよりも遅延したタイミングで表示する方法とのうちいずれの方法で、前記事態発生検知手段にて検知した事態に関するメッセージを消去するキーを表示するかの設定を受け付けるキー表示設定受付手段を含む、請求項1〜10のいずれかに記載のユーザーインターフェース。
【請求項12】
画面を表示する表示部を備えたユーザーインターフェースの制御方法であって、
前記表示部へのタップを検知するタップ検知ステップと、
前記タップ検知ステップにて1度目のタップを検知してからダブルタップとなる2度目のタップを検知するまでの間に、前記表示部にメッセージを表示させる事態を検知する事態発生検知ステップと、
前記タップ検知ステップにて2度目のタップを検知した後で、前記事態発生検知ステップにて検知した事態に関するメッセージを前記表示部に表示する第1のメッセージ表示ステップとを備えた、ユーザーインターフェースの制御方法。
【請求項13】
画面を表示する表示部を備えたユーザーインターフェースの制御プログラムであって、
前記表示部へのタップを検知するタップ検知ステップと、
前記タップ検知ステップにて1度目のタップを検知してからダブルタップとなる2度目のタップを検知するまでの間に、前記表示部にメッセージを表示させる事態を検知する事態発生検知ステップと、
前記タップ検知ステップにて2度目のタップを検知した後で、前記事態発生検知ステップにて検知した事態に関するメッセージを前記表示部に表示する第1のメッセージ表示ステップとをコンピュータに実行させる、ユーザーインターフェースの制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−92947(P2013−92947A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235403(P2011−235403)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】