説明

ユーザ位置情報セキュリティに優れた画像配信装置及びその制御方法、画像送信装置及びその制御方法、並びにプログラム

【課題】画像をネットワーク上で共有する場合に、画像の撮影者が特定の場所にいないことを第三者に知られるのを防ぐ。
【解決手段】画像配信装置では、携帯電話110において、画像を撮影し(S401)、画像撮影時の位置情報を取得し(S402)、取得した位置情報を画像に付加し(S403)、位置情報が付加された画像をブログサーバ120に送信し(S405)、ブログサーバ120において、携帯電話110から位置情報が付加された画像を受信し(S701)、受信した画像に付加された位置情報が予め定められたエリア内か否かを判定し(S704)、エリア内と判定された場合に画像を配信可能な状態とし(S705)、エリア内でないと判定された場合に画像の配信を延期する(S706)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル画像を管理し、配信するための画像管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワークを利用して、撮像装置や携帯電話で撮影した画像がサーバ装置に送信(アップロード)され、WEBページに掲載されて他の機器に配信されている。このとき、画像と共に、画像に付加された撮影位置を示す情報(例えば、GPS情報等)や撮影日時をWEBページに掲載する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−339214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、撮影者が旅行中等に撮影した画像がリアルタイムに配信されると、画像に関連付けて記憶されている撮影日時や撮影位置を示す情報から、撮影者の自宅が留守であることを第三者に知られてしまうという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、画像に関連付けて記憶されている撮影日時や撮影位置を示す情報を元に、撮影者が特定の場所にいないことを第三者に知られるのを防ぐことができる画像配信装置及びその制御方法、画像送信装置及びその制御方法並びにプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像配信装置は、画像配信装置であって、画像を画像送信装置から受信する画像受信手段と、前記画像を記憶する記憶手段と、前記画像に付加されている当該画像の撮影処理中に前記画像送信装置が存在した位置を示す位置情報の示す位置が所定の範囲内に存在するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定の結果、前記位置が所定の範囲内に存在すれば、ネットワークを介して前記画像を配信することを許可し、前記位置が所定の範囲内に存在しなければ、前記ネットワークを介して前記画像を配信することを禁止する配信制御手段とを有することを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するために、請求項7記載の画像送信装置は、画像送信装置であって、撮影処理により得られた画像であって当該画像の撮影処理中に前記画像送信装置が存在した位置を示す位置情報が付加されている画像を記憶する記憶手段と、前記位置情報の示す位置が所定の範囲内に存在するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定の結果、前記位置が所定の範囲内に存在すれば、前記画像を画像配信装置へネットワークを介して送信し、前記位置が所定の範囲内に存在しなければ、前記画像を前記画像配信装置へ送信しないよう制御する送信制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するために、請求項9記載の画像配信装置の制御方法は、画像配信装置の制御方法であって、画像を画像送信装置から受信する画像受信ステップと、前記画像を記憶する記録ステップと、前記画像に付加されている当該画像の撮影処理中に前記画像送信装置が存在した位置を示す位置情報の示す位置が所定の範囲内に存在するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによる判定の結果、前記位置が所定の範囲内に存在すれば、ネットワークを介して前記画像を配信することを許可し、前記位置が所定の範囲内に存在しなければ、前記ネットワークを介して前記画像を配信することを禁止する配信制御ステップとを有することを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項10記載の画像送信装置の制御方法は、画像送信装置の制御方法であって、撮影処理により得られた画像であって当該画像の撮影処理中に前記画像送信装置が存在した位置を示す位置情報が付加されている画像を記憶する記憶ステップと、前記位置情報の示す位置が所定の範囲内に存在するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによる判定の結果、前記位置が所定の範囲内に存在すれば、前記画像を画像配信装置へネットワークを介して送信し、前記位置が所定の範囲内に存在しなければ、前記画像を前記画像配信装置へ送信しないよう制御する送信制御ステップとを有することを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項11記載のプログラムは、コンピュータに、画像を画像送信装置から受信する画像受信ステップと、前記画像を記憶する記憶ステップと、前記画像に付加されている当該画像の撮影処理中に前記画像送信装置が存在した位置を示す位置情報の示す位置が所定の範囲内に存在するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによる判定の結果、前記位置が所定の範囲内に存在すれば、ネットワークを介して前記画像を配信することを許可し、前記位置が所定の範囲内に存在しなければ、前記ネットワークを介して前記画像を配信することを禁止する配信制御ステップとを実行させることを特徴とすることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するために、請求項12記載のプログラムは、コンピュータに、撮影処理により得られた画像であって当該画像の撮影処理中に前記画像送信装置が存在した位置を示す位置情報が付加されている画像を記憶する記憶ステップと、前記位置情報の示す位置が所定の範囲内に存在するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによる判定の結果、前記位置が所定の範囲内に存在すれば、前記画像を画像配信装置へネットワークを介して送信し、前記位置が所定の範囲内に存在しなければ、前記画像を前記画像配信装置へ送信しないよう制御する送信制御ステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、例えば、撮影者が自宅等の特定の場所から遠く離れた場所で撮影すれば、画像は直ちに配信されることがない。これにより、画像に関連付けて記憶されている撮影日時や撮影位置を示す情報を元に、撮影者が特定の場所にいないことを第三者に知られるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像配信装置及び画像送信装置を含む画像管理システムの模式図である。
【図2】図1の画像管理システムの構成要素の地理的位置関係を示す模式図である。
【図3】第1の実施の形態において、配信許可エリアを設定するためのメニュー画面の一例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態において、記事作成者がカメラ付き携帯電話を用いて記事を作成し、ブログサーバに記事を送信する記事送信処理のフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態において、カメラ付き携帯電話が定期的にカメラ付き携帯電話の位置情報をブログサーバに送信する位置情報送信処理のフローチャートである。
【図6】ブログサーバが記事を管理するために用いるテーブルの構成を示す図である。
【図7】第1の実施の形態においてブログサーバが記事を受信する記事受信処理のフローチャートである。
【図8】第1の実施の形態においてブログサーバが記事作成者のカメラ付き携帯電話から送信された位置情報を受信する位置情報受信処理のフローチャートである。
【図9】図8の位置情報受信処理のステップで実行されるブログ公開処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】図1の画像管理システムにおいて記事閲覧者がブログを閲覧しようとしたときのブログサーバによる記事送信処理のフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態に係る画像配信装置及び画像送信装置を含む画像管理システムにおいてデジタルカメラが画像を撮影したときの画像撮影送信/記録処理のフローチャートである。
【図12】図11の画像管理システムにおいてデジタルカメラが定期的にデジタルカメラの位置情報をオンラインアルバムサーバに送信する位置情報&画像送信処理のフローチャートである。
【図13】図12の位置情報&画像送信処理のステップで実行される画像送信処理の詳細を示すフローチャートである。
【図14】第3の実施の形態に係る画像配信装置及び画像送信装置を含む画像管理システムにおいてオンラインアルバムサーバが受信した画像に関する情報を記憶するテーブルの構成を示す図である。
【図15】図14の画像管理システムのデジタルカメラが画像を撮影したときのデジタルカメラによる位置情報画像送信処理フローチャートである。
【図16】図14の画像管理システムのオンラインアルバムサーバがデジタルカメラから画像等を受信したときの置情報画像受信処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳述する。
【0015】
第1の実施の形態では、所謂、“ブログ”を例に説明する。ここでは、ブログを作成するユーザ(以下「記事作成者」と記す)は、画像送信装置の一例であるカメラ付き携帯電話を用いて入力した文章にその携帯電話で撮影した画像を添付して、画像管理装置であるブログサーバに電子メールとして送信するものとする。以下、カメラ付き携帯電話を用いてユーザが入力した文章とこの文章に添付された画像とを含むデータを“記事”と記すこととする。ブログの閲覧者(以下「記事閲覧者」と記す)は、パーソナルコンピュータ(PC)や携帯電話を用いてブログを閲覧することができる。記事閲覧者が使用するPCや携帯電話は、記事閲覧者の指示によってブログサーバにアクセスし、記事をブログサーバから受信して、ウェブブラウザ等を用いて表示する。
【0016】
なお、現実には、記事を作成してブログサーバに送信する操作は、携帯電話に限られずPCでも可能であるが、第1の実施の形態では、カメラ付き携帯電話で記事を作成する場合を説明することとする。また、文章だけで画像の無い記事や複数の画像を含む記事がブログにアップされることが現実に行われているが、第1の実施の形態では、ブログサーバ120に送信される1つの記事は、少なくとも1枚の画像を含むものとする。
【0017】
図1は、第1の実施の形態に係る画像配信装置及び画像送信装置を含む画像管理システムの模式図である。画像管理システムは、記事作成者が使用するカメラ付き携帯電話110と、記事を記録、管理及び配信等するブログサーバ120とが、インターネット100を通して通信可能に接続されることにより、構成されている。記事閲覧者は、PC130又は携帯電話140を用いて、インターネット100を通してブログサーバ120にアクセスすることができる。
【0018】
カメラ付き携帯電話110の全体的な動作制御は、CPU111によって行われる。CPU111によって実行されるプログラムはROM112に記憶されており、CPU111は、ROM112から読み出したプログラムをRAM113の作業領域に展開して実行することにより、カメラ付き携帯電話110の各種機能が実現される。すなわち、カメラ付き携帯電話110で実行される各種の処理は、CPU111がROM112に格納されたプログラムをRAM113に展開し、実行することにより、実現される。
【0019】
RAM113には、プログラム実行時のパラメータ等を一時的に記憶され、また、撮影された画像データが保存される。カメラ付き携帯電話110の操作画面、撮影中の画像及び撮影された画像は表示部114に表示される。表示部114は、具体的には、LCD等である。通信部115は、撮影された画像をブログサーバ120に送信する送信手段として機能する等、基地局を経由してインターネットに無線接続し、情報の送受信を行う。
【0020】
カメラ付き携帯電話110の操作は、記事作成者による操作部116の操作により行われる。操作部116は、具体的には、数字キー、文字キー、メニューキー等のキー(ボタン)であり、各キー単体で所定の情報を入力することができ、また、表示部114に表示されるメニューの中の所望の操作をキーにより選択することで実行することができる。なお、操作部116は、表示部114に設けられるタッチキーを備えるタッチパネルであってもよい。
【0021】
画像撮影を行うモジュールである撮影部117は、不図示のレンズや撮像素子等で構成されている。位置情報取得部118は、GPS衛星からの信号を受信し、カメラ付き携帯電話110の現在位置を位置情報として取得する。以上に説明した各部は、バス119を通して情報(信号)の送受信を行う。なお、カメラ付き携帯電話110は、通話のためのマイクとスピーカを備えるが、第1の実施の形態では使用しないため、図示を省略している。
【0022】
ブログサーバ120は、CPU121と、RAM122と、ROM123を備え、ROM123には、ブログサーバ120の基本的な制御プログラムが記録されている。制御プログラムは、ブログサーバ120の起動時にRAM122に読み込まれ、CPU121によって実行される。すなわち、ブログサーバ120で実行される各種の処理は、ブログサーバ120のCPU121がROM123に格納されたプログラムをRAM122に展開し、実行することにより、実現される。
【0023】
二次記憶装置124は、例えば、ハードディスク(HDD)等の大容量記憶装置であり、ブログサーバ120の高レベル制御プログラム(例えば、OS(オペレーティングシステム))、ブログ用のサーバアプリ、各種管理ツール等を記憶する。この高レベル制御プログラムは、適時、RAM122に読み込まれ、CPU121によって実行される。ネットワークI/F125は、カメラ付き携帯電話110から送信された画像を受信する受信手段として機能する等、ブログサーバ120をインターネットに接続するためのインタフェースである。
【0024】
なお、ブログサーバ120は、キーボードやマウス等で構成される操作部126と、画像やグラフィカルユーザインタフェース(GUI)画面を表示する表示部127(具体的には、LCD(liquid crystal display)等)を備えるが、これらは、第1の実施の形態では実質的に用いない。以上に説明した各部はバス128を通して情報(信号)の送受信を行う。
【0025】
記事閲覧者が使用するPC130の構成(本発明に関連して使用される部分)は、ブログサーバ120の構成と同じであるので、図示と説明を省略する。また、記事閲覧者が使用するカメラ付き携帯電話140の構成は、記事作成者のカメラ付き携帯電話110の構成と同じであるので、図示と説明を省略する。
【0026】
第1の実施の形態において、記事を構成する画像の画像ファイルは、画像データ本体に加えて、画像に関するメタデータが格納されるヘッダを有している。メタデータは、Exif等の規格で定められており、例えば、撮影日時や撮影時のカメラパラメータ(フォーカス距離、ズーム倍率等)である。ヘッダには、画像のデコードに必要な情報も格納される。例えば、JPEG画像の場合、量子化テーブルやハフマンテーブル等が格納される。
【0027】
Exifでは、メタデータとして更に、位置情報取得部118で取得したGPSによる位置情報を記録するタグが用意されている。カメラ付き携帯電話110では、画像撮影時の位置情報を位置情報取得部118が取得する。そして、カメラ付き携帯電話110のCPU111が位置情報付加手段として機能することで、位置情報取得部118が取得した位置情報をその位置情報を取得した時に撮影された画像にメタデータとして付加する。
【0028】
GPSによる位置情報以外の位置情報(以下「GPS以外の位置情報」と記す)を画像に付加することもできる。GPS以外の位置情報の例としては、画像撮影時にカメラ付き携帯電話110が接続していた基地局を識別する情報や、カメラ付き携帯電話110が無線LAN等のネットワークやPCに接続したときに、そのネットワークやPCの存在位置が挙げられる。また、GPS以外の位置情報として、ユーザが入力した地名や住所を用いることもできる。
【0029】
なお、Exifには、“メーカーノート”と呼ばれる、カメラメーカ(カメラ付き携帯電話110の製造メーカ)が自由に使用できるタグが用意されている。よって、GPS以外の位置情報をメーカーノートに記録することができる。なお、Exif以外のメタデータ体系を用いてもよい。
【0030】
記事を作成し、作成した電子メールを利用してブログサーバ120へ送信しようとする際の操作画面として、カメラ付き携帯電話110の表示部114に、メールアドレスやサブジェクト、添付ファイル、本文等を入力するための画面が表示される。記事作成者は、記事を送信する場合は、ブログサーバ120のアドレス、電子メールの題名、記事を構成する画像に係る画像ファイルのファイルパス、ブログの本文を入力する必要がある。これらの情報の入力が完了した後に、操作部116の操作により送信処理が実行されると、通信部115からブログサーバ120へ、入力された情報が記事として電子メールの形式で送信される。
【0031】
ここで、記事作成者が、ある場所で画像を撮影し、その撮影場所またはその近傍で記事を作成して、作成した記事をカメラ付き携帯電話110からブログサーバ120に送信したとする。すると、従来技術では、記事閲覧者はPC130又は携帯電話140を用いて、ブログサーバ120にアクセスして記事を受信して表示する。そして、記事の画像に含まれる位置情報と撮影時間を取得することが可能になる。こうして取得した撮影位置が記事作成者の自宅住所から離れている場合、画像の撮影時間と現在の時間とから、記事作成者が自宅に不在であることが容易に推測されてしまう。
【0032】
この問題を解決するために,第1の実施の形態は以下に説明する構成を備える。図2は、第1の実施の形態に係る画像配信装置及び画像送信装置を含む画像管理システムの構成要素を地理的位置関係により模式的に示す図である。
【0033】
ブログサーバ120には、ブログサーバ120に送信された記事の配信を許可するか延期するかの基準となる地理的情報として、配信許可エリア202が設定されている。第1の実施の形態では、記事作成者の自宅201は配信許可エリア202の内部(範囲内)にあるものとする。
【0034】
配信許可エリア202の指定方法について図3を参照して具体的に説明する。図3は配信許可エリアを設定するメニュー画面300の例である。このメニュー画面300は、記事作成者のカメラ付き携帯電話110がブログサーバ120の特定のアドレスにアクセスしたときに、ブログサーバ120からカメラ付き携帯電話110へと送信され、カメラ付き携帯電話110の表示部114に表示される。
【0035】
図3のメニュー画面300において、ユーザは、2つのエリア指定方法の一方を選択することができる。第1の方法は、メニュー画面300の上欄301に示されるように、カメラ付き携帯電話110の現在位置をGPSで取得し、取得した現在位置を中心とした指定半径の円内を配信許可エリア202とするものである。
【0036】
この第1の方法を用いる場合には、第1の実施の形態においては、記事作成者は、記事作成者の自宅が配信許可エリア202に入る場所でカメラ付き携帯電話110を操作するものとする。典型例としては、記事作成者が記事作成者の自宅においてカメラ付き携帯電話110を操作することにより、記事作成者の自宅を中心とする指定半径の円内が配信許可エリア202に設定される。
【0037】
第2の方法は、メニュー画面300の下欄302に示されるように、ユーザが郵便番号を入力することにより、入力された郵便番号に対応した地域内を配信許可エリア202とするものである。第1の実施の形態においてこの第2の方法を用いる場合、カメラ付き携帯電話110の操作場所に制限はないが、記事作成者は、記事作成者の自宅が配信許可エリア202に入るように、郵便番号を指定するものとする。
【0038】
なお、配信許可エリア202の指定方法はこれらに限定されるものではなく、その他にも、例えば、自宅を中心として東西方向及び南北方向の距離が任意の矩形エリア、自宅を含む市町村等で設定されてもよい。
【0039】
このようにして記事作成者が配信許可エリア202を指定し、送信ボタン303を押下すると、設定された情報がブログサーバ120に送信され、ブログサーバ120は記事作成者に関連付けて二次記憶装置124に記憶する。ブログサーバ120のCPU121は、カメラ付き携帯電話110から記事を受信すると、記事に含まれる画像から位置情報を取得する。続いてCPU121は、取得した位置情報の示す位置が配信許可エリア202の内側か否かを判定する。
【0040】
CPU121は、位置情報の示す位置が配信許可エリア202の内側であるとの判定結果を得た場合、記事は配信可能な状態と判断し、記事閲覧者のPC130又は携帯電話140からの配信要求を受信すると、直ちに、記事をPC130又は携帯電話140へ配信する。一方、CPU121は、位置情報の示す位置が配信許可エリア202の外側であるとの判定結果を得た場合、記事は配信延期と判断する(配信制御)。そして、CPU121は、記事閲覧者のPC130又は携帯電話140からの配信要求を要求受信手段で受信しても、所定の条件を満たすまで、記事をPC130又は携帯電話140へ配信しない。所定の条件は、例えば、記事作成者のカメラ付き携帯電話110が配信許可エリア202内に入ったときや、画像に付加された撮影日時から一定期間(所定時間)が経過したときである。このような処理について、フローチャートを参照して以下に詳細に説明する。
【0041】
図4は、記事作成者がカメラ付き携帯電話110を用いて記事を作成し、ブログサーバ120に記事を送信する撮影送信処理のフローチャートである。最初に、記事作成者の操作に応答して、カメラ付き携帯電話110の撮影部117が撮影を行う(ステップS401)。これにより、カメラ付き携帯電話110のCPU111は撮影された画像を画像ファイルとしてRAM113に記憶し、このとき、画像ファイルに撮影日時に関する情報を付加する。
【0042】
続いて、位置情報取得部118により、カメラ付き携帯電話110が存在している位置を示す位置情報が取得される(ステップS402)。ここでは、位置情報としてGPSを用いて緯度と経度とが取得されるものとする。次に、CPU111はステップS401で記憶された画像ファイルにステップS402で取得された位置情報を付加して記憶する(ステップS403)。記事作成者による操作部116の操作に応答して、CPU111は記事を構成する文章を入力する(ステップS404)。そして、撮影日時情報と位置情報とを含む画像ファイルと入力された文章とからなる記事を通信部115によりブログサーバ120に送信する(ステップS405)。
【0043】
図5は、カメラ付き携帯電話110が定期的にカメラ付き携帯電話110の位置情報をブログサーバ120に送信する位置情報送信処理のフローチャートである。カメラ付き携帯電話110のCPU111は、予め定められた一定時間(例えば、5分)が経過したかを判定する(ステップS501)。この一定時間は、記事作成者が、カメラ付き携帯電話110を操作することで、任意に設定することができる。
【0044】
この一定時間が経過するまで(S501で“NO”)、待ち状態となる。一定時間が経過すると(S501で“YES”)、位置情報取得部118によりカメラ付き携帯電話110の位置情報が再取得され(ステップS502)、再取得された位置情報は通信部115によりブログサーバ120に送信される(ステップS503)。その後、処理はステップS501に戻る。
【0045】
画像管理システムにおける一連の動作について説明する。図6は、ブログサーバ120が記事を管理するために用いるテーブルの構成を示す図である。第1の実施の形態では、ブログサーバ120は記事作成者毎にテーブル600を持っているものとする。テーブル600の1つの行が1つの記事に対応している。
【0046】
ブログサーバ120のCPU121は、カメラ付き携帯電話110から記事を受信すると、記事を文章ファイルと画像ファイルに分割して二次記憶装置124に記憶する。そして、文章ファイルのアドレスをパス601に、画像ファイルのアドレスをパス602にそれぞれ格納する。また、CPU121は、画像ファイルに付加されている位置情報を画像ファイルから取得し、画像位置情報(緯度および経度)603に格納する。テーブル600において、記事毎に記事の配信可能/配信延期を示すフラグ604が設けられている。
【0047】
ブログサーバ120では、記事作成者毎に配信許可エリア202が記憶され、管理されている。CPU121は、配信許可エリア202の情報に基づいて、画像位置情報603の示す位置が配信許可エリア202内か否かを判定する。画像位置情報603の示す位置が配信許可エリア202内の場合、配信可能を示すように、フラグ604は“Yes”となる。しかし、画像位置情報603の示す位置が配信許可エリア202外の場合、配信延期を示すように、フラグ604は“No”となる。フラグ604が配信可能の時は、その時点で記事の配信が許可されることとなり、フラグ604が配信延期の時は、その時点で記事の配信が禁止されることとなる(配信制御)。
【0048】
画像位置情報603の示す位置が配信許可エリア202内か否かは、例えば、以下のようにして判定される。例えば、図3を参照して説明した第1の方法により、記事作成者の自宅を中心とする指定半径の円内が配信許可エリア202に設定されている場合、配信許可エリア202の中心と画像位置情報603の示す位置の各緯度・経度から、これらの間の距離が求められる。こうして求められた距離が指定半径以下であれば、画像位置情報603の示す位置は配信許可エリア202内であると判定され、求められた距離が指定半径より大きければ、画像位置情報603の示す位置は配信許可エリア202外であると判定される。
【0049】
また、図3を参照して説明した第2の方法により、郵便番号で配信許可エリア202が指定されている場合、例えば、ブログサーバ120に郵便番号と実際の地図の形状とを対応させた情報を持たせればよい。またはブログサーバ120に、郵便番号と実際の地図の形状とを対応させた情報を持つ別の機器(地図情報管理機器)にアクセスさせる機能を持たせてもよい。
【0050】
ブログサーバ120や地図情報管理機器は、地図の形状を様々な大きさの複数の三角形や四角形を用いて近似的に表現している。そこで、画像位置情報603の緯度・経度の示す位置が、それらの三角形や四角形に含まれるか否かが順番に判定される。その結果、画像位置情報603の示す位置がいずれかの三角形または四角形に含まれれば、画像位置情報603の位置情報は配信許可エリア202内であると判定される。一方、画像位置情報603の示す位置がいずれかの三角形または四角形に含まれなければ、画像位置情報603の示す位置は配信許可エリア202外であると判定される。
【0051】
図7は、ブログサーバ120が記事を受信した際の記事受信処理のフローチャートである。ブログサーバ120がネットワークI/F125により文章と画像とで構成される記事を受信すると、当該記事を記憶し(ステップS701)、ブログサーバ120のCPU121は、受信した記事に含まれる画像の位置情報を取得する(ステップS702)。そして、テーブル600に受信した記事に対応する行を追加する(ステップS703)。続いて、CPU121は、ステップS702で取得した位置情報の示す位置が設定されている配信許可エリア202内か否かを判定する(ステップ704)。その後、CPU121は、配信許可エリア202内である場合(S704で“YES”)、記事を配信可能とする(ステップS705)。具体的には、ステップS705では、テーブル600における該当記事のフラグ604を“Yes”にする。そして、CPU121は、記事閲覧者のPC130又は携帯電話140から記事の配信要求を受信すると、当該記事をPC130又は携帯電話140へ配信する。一方、配信許可エリア202外である場合(S704で“NO”)、記事を配信延期とし(ステップS706)、具体的には、テーブル600における該当記事のフラグ604を“No”にする。そして、CPU121は、記事閲覧者のPC130又は携帯電話140から記事の配信要求を受信しても、当該記事をPC130又は携帯電話140へ配信しない。
【0052】
図8は、ブログサーバ120が記事作成者のカメラ付き携帯電話110から送信された位置情報を受信する位置情報受信処理のフローチャートである。ブログサーバ120がカメラ付き携帯電話110の位置情報を受信すると(ステップS801)、カメラ付き携帯電話110のUIM (user identity module) の製造番号等から、カメラ付き携帯電話110のユーザが特定される(ステップS802)。このステップS802の処理のために、ブログサーバ120は、記事作成者毎に、使用されるカメラ付き携帯電話110のUIMの製造番号等を記憶している。
【0053】
続いて、ステップS801で受信した位置情報がステップS802で特定したユーザ(すなわち、記事作成者)が指定している配信許可エリア202内か否かが判定される(ステップS803)。配信許可エリア202外の場合(S803で“NO”)、処理は終了となる。
【0054】
配信許可エリア202内の場合(S803で“YES”)、そのユーザ(記事作成者)に関するテーブル600がRAM122にロードされる(ステップS804)。そして、ブログサーバ120のCPU121は、テーブル600を参照して、フラグ604が“No”となって配信が延期されていた記事について、フラグ604を“Yes”に変更して、配信可能な状態とする(ステップS805)。その後、CPU121は、記事閲覧者のPC130又は携帯電話140から記事の配信要求を受信すると、当該記事をPC130又は携帯電話140へ配信する。
【0055】
なお、配信延期から配信可能な状態に移行するための条件が所定時間の経過、すなわち、撮影時間からの経過時間である場合、ブログサーバ120のCPU121は、一定時間毎にテーブル600でフラグ604が“No”の行の画像ファイルパス602を取得し、画像ファイルを読み出す。そして、CPU121は、読み出された画像ファイルに付加された撮影日時情報から一定時間が経過しているか否かを判定する。撮影日時情報から一定時間が経過している場合、配信可能を示すように、フラグ604を“Yes”に変更する。なお、撮影日時からではなく、ステップS701で記事を受信した日時から一定時間が経過すると、フラグ604を“Yes”に変更するようにしてもよい。
【0056】
ステップS805の処理について詳述する。図9は、図8に示される位置情報受信処理のステップS805で実行されるブログ公開処理の詳細を示すフローチャートである。先ず、ステップS804で用意されたテーブル600から1行(このステップの最初の実行時は最初の1行)が取得され(ステップS901)、その行のフラグ604が“Yes”であるか否かが判定される(ステップS902)。フラグ604が“Yes”の場合(S902で“YES”)、処理はステップS904に進められる。
【0057】
フラグ604が“No”の場合(S902で“NO”)、その行のフラグ604が“No”から“Yes”に変更され、これにより、その行に対応する記事の配信が許可された状態となる(ステップS903)。ステップS903の後、処理はステップS904に進められる。ステップS904では、テーブル600の最後の行まで、フラグ604を調べたかが判定される。全ての行を調べ終えている場合(S904で“YES”)、処理は終了となり、調べていない行が残っている場合(S904で“NO”)、処理はステップS901に戻される。
【0058】
図10は、記事閲覧者がブログを閲覧しようとして、PC130又は携帯電話140を用いてブログサーバ120にアクセスしたときのブログサーバ120による記事送信処理のフローチャートである。ブログサーバ120のCPU121は、記事のアドレスが指定された配信要求を閲覧者のPC130又は携帯電話140から受信すると(ステップS1001)、アドレスからその記事に対応するテーブル600と行を特定する(ステップS1002)。続いて、CPU121は、ステップS1002で特定されたフラグ604が“Yes”か否かを判定する(ステップS1003)。
【0059】
フラグ604が“Yes”の場合(S1003“YES”で)、その記事の配信は許可されているので、CPU121は、その記事を記事閲覧者のPC130又は携帯電話140で表示可能な形式(例えば、HTML形式の文書)に変換する(ステップS1004)。こうして、CPU121は、形式変化された記事をネットワークI/F125により、記事閲覧者のPC130又は携帯電話140に送信し(ステップS1005)、その後、処理は終了となる(送信制御)。一方、フラグ604が“No”の場合(S1003“NO”)、CPU121は、その記事が存在しないことを示すエラーメッセージ又はHTML文書を、記事閲覧者のPC130又は携帯電話140に送信し(ステップS1006)(送信制御)、その後、処理は終了となる。
【0060】
第1の実施の形態では、記事作成者のカメラ付き携帯電話110が移動し、配信許可エリア202内に入った後にカメラ付き携帯電話110の位置情報をブログサーバ120が受信したときに、配信延期から配信可能な状態に変更した(図8参照)。変形例として、以下の方法により、配信延期中の記事を配信可能としてもよい。
【0061】
例えば、記事作成者のカメラ付き携帯電話110が移動し、配信許可エリア202内に入ってきたときに、カメラ付き携帯電話110がブログサーバ120の特定のアドレスにアクセスし、配信延期の記事を配信可能に変更するよう指示することができるようにしてもよい。また、カメラ付き携帯電話110自体が配信許可エリア202内に入ったことを検出し、ブログサーバ120に位置情報または特定の信号を送信し、配信延期中の記事を配信可能に変更するよう指示する構成としてもよい。
【0062】
また、第1の実施の形態では、記事閲覧者は配信延期中の記事を閲覧することができないが、記事作成者の家族や友人等の特定の記事閲覧者に限って、配信延期中の記事を閲覧することができるようにしてもよい。そのためには、例えば、先ず、記事作成者が用意した記事閲覧用のパスワードを特定の記事閲覧者に通知しておくと共に、ブログサーバ120にパスワードを登録できるようにする。そして、ブログサーバ120は、配信延期中の記事を閲覧したい記事閲覧者にパスワードの入力を要求し、適切なパスワードが入力された記事閲覧者には配信延期中の記事が配信されるようにすればよい。
【0063】
更に、第1の実施の形態では、配信許可エリア202外で撮影された画像を含む記事をブログサーバ120において配信延期するようにしていたが、画像についてのみ配信を延期し、文章のみを配信可能としてもよい。また、日付についてのみ配信を延期するようにしてもよい。
【0064】
第1の実施の形態ではまた、画像の撮影時に画像ファイルに付加された位置情報を用いて、記事の配信を許可するか延期するかを決定した。しかし、記事作成者のカメラ付き携帯電話110がGPS機能を備えていない場合や、GPS衛星からの電波を受信できなかった場合等、画像ファイルに位置情報を付与するこができない事態が考えられる。この場合には、記事をブログサーバ120に送信する際に、カメラ付き携帯電話110の現在位置に最も近い基地局の位置を画像ファイルに付して、記事の配信を許可するか延期するかの判断に用いるようにしてもよい。
【0065】
第1の実施の形態では、また、カメラ付き携帯電話110で画像を撮影し、文章を入力して作成された記事をブログサーバ120に送信するようにしたが、それ以外の方法を用いることもできる。例えば、記事作成者がGPS機能付きのデジタルカメラで画像を撮影し、撮影された画像をPC(モバイルPC)にコピーし、そのPCで文章を入力して、そのPCから記事をブログサーバ120に送信するようにしてもよい。第1の実施の形態では、記事の配信許可と配信延期について、ブログを取り上げて説明したが、これに限られず、オンラインアルバムやメーリングリスト、SNS等のシステムでの画像配信にも適用が可能である。
【0066】
第1の実施の形態によれば、記事作成者が自宅等の特定の場所から離れた旅行先等で画像を撮影し、記事にしてブログサーバ120に送信した場合に、その記事の配信が延期される。よって、記事閲覧者には記事作成者が自宅には留守であることを推測することができないという効果が得られる。
【0067】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、所謂、“オンラインアルバム”を例に説明する。オンラインアルバムのユーザ(以下「アルバムユーザ」という)が、デジタルカメラで写真を撮影すると、デジタルカメラは撮影した画像を自動的にオンラインアルバムサーバに送信する。オンラインアルバムサーバは、受信した画像を記録、管理し、オンラインアルバムの他のユーザ(以下「アルバム閲覧者」という)のPCや携帯電話から閲覧要求があったときに、閲覧要求された画像を配信する。
【0068】
第2の実施の形態において、アルバムユーザが使用するデジタルカメラのハードウェア構成は、図1に示したカメラ付き携帯電話110のハードウェア構成と同様である。また、オンラインアルバムサーバのハードウェア構成は図1に示したブログサーバ120のハードウェア構成と同様である。アルバム閲覧者のPC又は携帯電話の構成はそれぞれ、図1に示した記事閲覧者のPC130又は携帯電話140と同様である。そのため、アルバムユーザが使用するデジタルカメラ(カメラ付き携帯電話110に対応)、オンラインアルバムサーバ(ブログサーバ120に対応)、アルバム閲覧者のPC(PC130に対応)又は携帯電話(携帯電話140に対応)の構成の対応する構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0069】
第2の実施の形態において、アルバムユーザのデジタルカメラ110は、画像を撮影した際に、GPS衛星からの電波を受信して位置情報を取得する。撮影時のデジタルカメラの位置が予め定められた送信許可エリア(第1の実施の形態で説明した配信許可エリア202に相当する)内の場合、デジタルカメラ110は、撮影した画像を無線通信によってオンラインアルバムサーバに送信する。この送信許可エリアの設定方法やデジタルカメラの位置が送信許可エリア内か否かの判定方法は、第1の実施の形態に準ずるので、ここでの説明を省略する。
【0070】
撮影時のデジタルカメラ110の位置が送信許可エリア外(つまり、送信許可エリア内ではない)の場合、デジタルカメラ110は撮影した画像を送信せずに、その画像ファイルと画像ファイルパスをデジタルカメラ110内のメモリに記憶する。その後、デジタルカメラ110が移動して送信許可エリア内に入ると、デジタルカメラは記憶している画像ファイルパスにしたがって画像を読み出し、オンラインアルバムサーバに送信する。
【0071】
図11は、デジタルカメラが画像を撮影したときの画像撮影送信/記録処理のフローチャートである。アルバムユーザがデジタルカメラ110の不図示のシャッターボタンを押すと、デジタルカメラ110の撮影部117は被写体を撮影し、画像を生成し、記憶媒体に記憶する(ステップS1101)。また、デジタルカメラ110のCPU111は、撮影時にGPS衛星からの電波を受信して、デジタルカメラ110が存在する位置を示す位置情報(緯度・経度)を取得し(ステップS1102)、取得した位置情報をステップS1101で撮影した画像に付加する(ステップS1103)。
【0072】
次に、デジタルカメラのCPU111は、ステップS1102で取得したデジタルカメラ110の位置情報(緯度・経度)が示す位置が送信許可エリア内か否かを判定する(ステップS1104)。前述の通り、送信許可エリアは、アルバムユーザによって予め設定されている。位置情報が示す位置が送信許可エリア内であると判定された場合(S1104で“YES”)、デジタルカメラ110のCPU111は通信部115により、ステップS1103において位置情報が付加された画像をオンラインアルバムサーバに送信する(ステップS1105)。その後、処理は終了となる。一方、送信許可エリア外であると判定された場合(S1104で“NO”)、デジタルカメラ110のCPU111は、画像をオンラインアルバムサーバへ送信せずに、その画像ファイルをメモリに記録し(ステップS1106)、画像ファイルの画像ファイルパスもメモリに記憶する(ステップS1107)。その後、処理は終了となる。
【0073】
なお、デジタルカメラは、第1の実施の形態のブログサーバ120と同様に、画像ファイルパスを記憶するテーブル(図6参照)を備えており、ステップS1107では、このテーブルに、画像ファイル名と画像ファイルパスとが記憶される。
【0074】
図12は、デジタルカメラ110が定期的にデジタルカメラ110の位置情報を検知し、デジタルカメラ110が移動して送信許可エリアに入ると、オンラインアルバムサーバに未送信画像を送信する位置情報&画像送信処理のフローチャートである。デジタルカメラ110において、予め定められた一定時間(例えば、5分)が経過したかが判定される(ステップS1201)。この一定時間は、アルバムユーザがデジタルカメラを操作することで、任意に設定することができる。
【0075】
デジタルカメラ110のCPU111はこの一定時間が経過するまで(S1101で“NO”)、待ち状態となる。そして、一定時間が経過すると(S1101で“YES”)、デジタルカメラはGPS衛星からの電波を受信して位置情報を再取得し(ステップS1202)、再取得した位置情報が送信許可エリア内か否かを判定する(ステップS1203)。
【0076】
送信許可エリア内の場合(S1203で“YES”)、デジタルカメラ110のCPU111はデジタルカメラ110のメモリに記憶されている未送信の画像をオンラインアルバムサーバに送信し(ステップS1204)、その後、処理は終了となる。送信許可エリア外の場合(S1203で“NO”)、処理は終了となる。
【0077】
図13は、図12の位置情報&画像送信処理のステップS1204の画像送信処理の詳細を示すフローチャートである。先ず、メモリから画像ファイル名及び画像ファイルパスが記憶されたテーブルが読み出され、テーブルから最初の行(つまり、このステップの最初の実行時はテーブルの最初の画像ファイル名とその画像ファイルパス)が取得される(ステップS1301)。続いて、取得された画像ファイルパスに対応する画像ファイルが読み出され、オンラインアルバムサーバに送信される(ステップS1302)。
【0078】
送信された画像ファイル名と画像ファイルパスが記憶されている行はテーブルから削除され(ステップS1303)、その後、テーブルの最後まで調べられたか否かが判定される(ステップS1304)。最後まで調べられていない場合(S1304で“NO”)、処理はステップS1301に戻され、最後まで調べられると(S1304で“YES”)、処理は終了となる。
【0079】
なお、第2の実施の形態におけるオンラインアルバムサーバの動作は、通常のオンラインサーバの動作と同じであり、先にブログサーバについて説明済みである。
【0080】
第2の実施の形態では、送信許可エリア外で撮影された画像は、アルバムユーザのデジタルカメラが送信許可エリア内に入ったときに、デジタルカメラからオンラインアルバムサーバに送信され、これによりアルバム閲覧者による閲覧が可能になる。これに限られず、以下のような構成とすることもできる。
【0081】
例えば、アルバムユーザが、送信許可エリア内においてデジタルカメラに設けられている「帰宅ボタン」等の所定のボタンを押下すると、デジタルカメラがオンラインアルバムサーバに送信許可エリア外で撮影された画像ファイルを送信する構成とすることができる。これにより、オンラインアルバムサーバに画像がアップされると、アルバム閲覧者による閲覧が可能になる。
【0082】
第2の実施の形態によれば、アルバムユーザが自宅等の特定の場所から離れた旅行先等で画像を撮影すると、その画像のオンラインアルバムサーバへの送信が延期される。よって、アルバム閲覧者にはアルバムユーザが自宅には留守であるということを知られずに済むという効果が得られる。
【0083】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、所謂、“オンラインアルバム”を例に説明する。オンラインアルバムのユーザ(アルバムユーザ)が、デジタルカメラで写真を撮影すると、デジタルカメラは画像を自動的にオンラインアルバムサーバに送信する。オンラインアルバムサーバは、受信した画像を記録・管理し、オンラインアルバムの閲覧者(アルバム閲覧者)のPCや携帯電話から閲覧要求があると、要求された画像を配信する。
【0084】
第3の実施の形態でも、アルバムユーザが使用するデジタルカメラのハードウェア構成は、図1に示したカメラ付き携帯電話110のハードウェア構成と同様である。また、オンラインアルバムサーバのハードウェア構成は図1に示したブログサーバ120のハードウェア構成と同様である。アルバム閲覧者のPC又は携帯電話の構成はそれぞれ、図1に示した記事閲覧者のPC130又は携帯電話140と同様である。そのため、アルバムユーザが使用するデジタルカメラ(カメラ付き携帯電話110に対応)、オンラインアルバムサーバ(ブログサーバ120に対応)、アルバム閲覧者のPC(PC130に対応)又は携帯電話(携帯電話140に対応)の構成の対応する構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0085】
第3の実施の形態では、アルバムユーザのデジタルカメラ110は、画像を撮影した際に、GPS衛星からの電波を受信して位置情報を取得し、画像に付加する。そして、画像撮影時のデジタルカメラ110の位置が予め設定された配信許可エリア(第1の実施の形態において説明した配信許可エリア202と同じ)内か否かが判定される。デジタルカメラ110は、オンラインアルバムサーバ120に対して、画像撮影時のデジタルカメラ110の位置が配信許可エリア内か否かを示す情報(以下「カメラエリア情報」)と、撮影した画像とを送信する。
【0086】
オンラインアルバムサーバ120は、画像とカメラエリア情報とを受信し(エリア情報受信)、画像を画像ファイルとして記憶すると共に、受信した画像に関する情報をテーブルに記憶する。図14は、オンラインアルバムサーバ120が受信した画像に関する情報を記憶するテーブルの構成を示す図である。テーブル1400は、画像のアドレスである画像ファイルのパス1401と、その画像に係るカメラエリア情報1402と、その画像の配信を許可するか延期するかを示すフラグ1403とを有している。
【0087】
図15は、アルバムユーザのデジタルカメラ110が画像を撮影したときの位置情報画像送信処理のフローチャートである。アルバムユーザがデジタルカメラ110の不図示のシャッターボタンを押下すると、デジタルカメラの撮影部117は画像を撮影し(ステップS1501)、デジタルカメラ110のCPU111は、GPS衛星からの電波を受信して位置情報を取得する(ステップS1502)。そして、CPU111は、取得した位置情報を画像に付加する(ステップS1503)。続いて、デジタルカメラ110のCPU111は、ステップS1502で取得した位置情報の示す位置が配信許可エリア内か否かを判定する(ステップS1504)。なお、配信許可エリアは、アルバムユーザによって予めデジタルカメラ110に設定されている。
【0088】
配信許可エリア内と判定された場合(S1504で“YES”)、デジタルカメラ110は通信部115により、その画像が配信許可エリア内で撮影されたことを示すカメラエリア情報をオンラインアルバムサーバ120に送信する(ステップS1505)。一方、配信許可エリア外と判定された場合(S1504で“NO”)、その画像が配信許可エリア内で撮影されていないことを示すカメラエリア情報をオンラインアルバムサーバ120に送信する(ステップS1507)。ステップS1505,1507の後には、各カメラエリア情報に係る画像がオンラインアルバムサーバ120に送信され(ステップS1506)、その後、処理は終了となる。
【0089】
図16は、オンラインアルバムサーバ120がデジタルカメラから画像等を受信したときの位置情報画像受信処理のフローチャートである。オンラインアルバムサーバ120はネットワークI/Fにより、図15のステップS1505,1507に対応して、画像が配信許可エリア内で撮影されたか否かを示す情報であるカメラエリア情報を受信する(ステップS1601)。続いて、オンラインアルバムサーバ120はネットワークI/F125により、図15のステップS1506に対応して、ステップS1601で受信したカメラエリア情報に係る画像を受信する(ステップS1602)。
【0090】
オンラインアルバムサーバ120は、次に、テーブル1400に受信した画像に対応する行を追加する(ステップS1603)。そして、受信したカメラエリア情報を検査して、デジタルカメラ110の撮影位置(画像が撮影された位置)が配信許可エリア内か否かが判定される(ステップS1604)。
【0091】
配信許可エリア内の場合(S1604で“YES”)、オンラインアルバムサーバ120のCPU121はテーブル1400において該当画像に対応する行のフラグ1403を“Yes”に設定する(ステップS1605)。これにより、その行の画像ファイルのパス1401に基づいて画像が配信可能な状態になる。一方、配信許可エリア外の場合(S1604で“NO”)、オンラインアルバムサーバ120のCPU121はテーブル1400において該当画像に対応する行のフラグ1403を“No”に設定し、該当画像の配信を延期する(ステップS1606)。ステップS1605,1606の後、処理は終了となる。
【0092】
なお、アルバムユーザのデジタルカメラ110は、図5のカメラ付き携帯電話110の動作と同様に定期的にデジタルカメラ110の位置情報を取得し、オンラインアルバムサーバ120に送信する。また、図8,9のブログサーバ120の動作と同様に、デジタルカメラ110の位置情報が配信許可エリア内に入ると、オンラインアルバムサーバ120のCPU121は、フラグ1403を“No”から“Yes”に書き換えて、配信延期中の画像を配信可能な状態にする。
【0093】
アルバム閲覧者のPC130又は携帯電話140がオンラインアルバムサーバ120に対して画像の配信要求をすると、オンラインアルバムサーバ120は、その画像に関する情報をテーブル1400から検索し、フラグ1403を参照する。フラグ1403が配信中(配信許可)を示す“Yes”の場合、オンラインアルバムサーバ120はその画像をアルバム閲覧者のPC130又は携帯電話140に送信する。一方、フラグ1403が配信延期を示す“No”の場合、その画像が存在しないことを示すエラーメッセージ等をアルバム閲覧者のPC又は携帯電話に送信する。この処理は、第1の実施の形態において図10を参照して説明した処理と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0094】
第3の実施の形態では、アルバムユーザのデジタルカメラ110は、画像が配信許可エリア内で撮影されたか否かを示すカメラエリア情報を画像とは別にオンラインアルバムサーバ120に送信するとした。これに限らず、例えば、画像ファイルのヘッダにカメラエリア情報、又は、カメラエリア情報から判定されるフラグの内容を埋め込んで、その画像ファイルをオンラインアルバムサーバ120に送信するようにしてもよい。
【0095】
第3の実施の形態によれば、アルバムユーザが自宅等の特定の場所から離れた旅行先等で画像を撮影し、オンラインアルバムサーバ120に送信しても、オンラインアルバムサーバ120がそのような画像の配信を延期する。これにより、アルバム閲覧者にはアルバムユーザが自宅には留守であるということを知られずに済むという効果が得られる。
【符号の説明】
【0096】
100 インターネット
110 カメラ付き携帯電話
111 CPU
114 表示部
117 撮影部
118 位置情報取得部
120 ブログサーバ
130 PC
140 カメラ付き携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像配信装置であって、
画像を画像送信装置から受信する画像受信手段と、
前記画像を記憶する記憶手段と、
前記画像に付加されている当該画像の撮影処理中に前記画像送信装置が存在した位置を示す位置情報の示す位置が所定の範囲内に存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定の結果、前記位置が所定の範囲内に存在すれば、ネットワークを介して前記画像を配信することを許可し、前記位置が所定の範囲内に存在しなければ、前記ネットワークを介して前記画像を配信することを禁止する配信制御手段と
を有することを特徴とする画像配信装置。
【請求項2】
前記配信制御手段は、前記判定の結果、前記位置が所定の範囲内に存在しなくても、所定の期間が経過すると、前記画像の配信を許可することを特徴とする請求項1記載の画像配信装置。
【請求項3】
前記画像送信装置が前記所定の範囲内に移動したことを検出する検出手段をさらに備え、
前記配信制御手段は、前記判定手段による判定の結果、前記位置が所定の範囲内に存在しなくても、前記検出手段による検出の結果、前記画像送信装置が前記所定の範囲内に移動したことを検出すれば、前記画像の配信を許可することを特徴とする請求項1記載の画像配信装置。
【請求項4】
前記画像の閲覧要求を情報通信装置から受信する要求受信手段をさらに備え、
前記配信制御手段は、前記要求の対象の画像が配信を許可されていれば、前記画像を前記情報通信装置へ送信し、前記要求の対象の画像が配信を禁止されていれば、前記画像とは異なるメッセージを送信するよう制御することを特徴とする請求項1記載の画像配信装置。
【請求項5】
前記受信手段は、画像とともに文章を受信し、
前記配信制御手段は、前記判定の結果、前記位置が所定の範囲内に存在すれば、ネットワークを介して前記画像および前記文章を配信することを許可し、前記位置が所定の範囲内に存在しなければ、前記ネットワークを介して前記画像を配信することを禁止するが、前記文章を配信することを許可することを特徴とする請求項1の画像配信装置。
【請求項6】
前記位置情報の示す位置が所定の範囲内に存在するか否かを示すエリア情報を前記画像送信装置から受信するエリア情報受信手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記エリア情報に基づいて前記判定を行うことを特徴とする請求項1記載の画像配信装置。
【請求項7】
画像送信装置であって、
撮影処理により得られた画像であって当該画像の撮影処理中に前記画像送信装置が存在した位置を示す位置情報が付加されている画像を記憶する記憶手段と、
前記位置情報の示す位置が所定の範囲内に存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段による判定の結果、前記位置が所定の範囲内に存在すれば、前記画像を画像配信装置へネットワークを介して送信し、前記位置が所定の範囲内に存在しなければ、前記画像を前記画像配信装置へ送信しないよう制御する送信制御手段と
を有することを特徴とする画像送信装置。
【請求項8】
前記画像送信装置が前記所定の範囲内に移動したことを検出する検出手段をさらに備え、
前記送信制御手段は、前記判定の結果、前記位置が所定の範囲内に存在しなくても、前記検出の結果、前記画像送信装置が前記所定の範囲内に移動したことを検出すれば、前記画像を送信するように制御することを特徴とする請求項7記載の画像送信装置。
【請求項9】
画像配信装置の制御方法であって、
画像を画像送信装置から受信する画像受信ステップと、
前記画像を記憶する記録ステップと、
前記画像に付加されている当該画像の撮影処理中に前記画像送信装置が存在した位置を示す位置情報の示す位置が所定の範囲内に存在するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによる判定の結果、前記位置が所定の範囲内に存在すれば、ネットワークを介して前記画像を配信することを許可し、前記位置が所定の範囲内に存在しなければ、前記ネットワークを介して前記画像を配信することを禁止する配信制御ステップと
を有することを特徴とする画像配信装置の制御方法。
【請求項10】
画像送信装置の制御方法であって、
撮影処理により得られた画像であって当該画像の撮影処理中に前記画像送信装置が存在した位置を示す位置情報が付加されている画像を記憶する記憶ステップと、
前記位置情報の示す位置が所定の範囲内に存在するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによる判定の結果、前記位置が所定の範囲内に存在すれば、前記画像を画像配信装置へネットワークを介して送信し、前記位置が所定の範囲内に存在しなければ、前記画像を前記画像配信装置へ送信しないよう制御する送信制御ステップと
を有することを特徴とする画像送信装置の制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、
画像を画像送信装置から受信する画像受信ステップと、
前記画像を記憶する記憶ステップと、
前記画像に付加されている当該画像の撮影処理中に前記画像送信装置が存在した位置を示す位置情報の示す位置が所定の範囲内に存在するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによる判定の結果、前記位置が所定の範囲内に存在すれば、ネットワークを介して前記画像を配信することを許可し、前記位置が所定の範囲内に存在しなければ、前記ネットワークを介して前記画像を配信することを禁止する配信制御ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項12】
コンピュータに、
撮影処理により得られた画像であって当該画像の撮影処理中に前記画像送信装置が存在した位置を示す位置情報が付加されている画像を記憶する記憶ステップと、
前記位置情報の示す位置が所定の範囲内に存在するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップによる判定の結果、前記位置が所定の範囲内に存在すれば、前記画像を画像配信装置へネットワークを介して送信し、前記位置が所定の範囲内に存在しなければ、前記画像を前記画像配信装置へ送信しないよう制御する送信制御ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−34357(P2012−34357A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148112(P2011−148112)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】