説明

ユーザ端末、及び通信方法

【課題】アプリケーションによる通信の頻度を低減すること。
【解決手段】ネットワークとの間で定期的に通信を行うアプリケーションが複数インストールされるユーザ端末は、各アプリケーションにより要求される定期通信の時間間隔に基づいて、ネットワークへ接続する時間間隔を設定する接続時間間隔設定部と、該設定された時間間隔に従って、各アプリケーションからの定期通信の要求に応じて、ネットワークとの間で定期通信を行う制御を行う定期通信制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等のユーザ端末では、ユーザの操作がない場合でも、自動的に通信が行われることがある。具体的には、ユーザ端末にインストールされたアプリケーションにより、自律的にバージョンアップ等の新着情報の有無が確認されることや、定期報告等が行われることがある。これらの通信は、バックグラウンドで行われることもあるため、ユーザ端末が通信を行っているにも拘わらず、ユーザにとっては、待ち受け状態にしか見えないこともある。
【0003】
通信端末に関して、複数のアプリケーションの中から選択されたアプリケーションが外部機器と通信を行うものである場合に、該アプリケーションを実行し、外部機器との通信を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、通信端末装置に搭載されるアプリケーションを起動すべき時間的条件を管理し、現在が該時間的条件を満足するか否かを判定し、現在が該時期的条件を満足すると判定したときに、アプリケーションに起動をかける技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−126736号公報
【特許文献2】特開2002−190847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ユーザ端末では、ユーザの操作がない場合でも自動的に通信が行われることにより、電力が消費される。電力が消費される結果、知らない間に、電池持ち時間が短くなることがある。
【0007】
ユーザ端末に複数のアプリケーションがインストールされている場合には、各アプリケーションにより同時に通信が発生するとは限らない。つまり、各アプリケーションにより異なる時間に自動的に通信が行われることがある。
【0008】
バージョンアップ等の新着情報の有無が確認される際に送信されるデータ量や、定期報告等の際の送信されるデータ量は少ない。しかし、少ないデータ量であっても、ユーザデータを送受信するU−Plane(User−Plane)を確立するために、C−Plane(Control−Plane)で、ユーザ端末とネットワーク(NW: Network)との間で制御信号のやり取りが必要となる。ユーザ端末とネットワークとの間で制御信号のやり取りが必要となるため、各アプリケーションにより異なる時間に自動的に通信が行われる場合には、ネットワークの通信リソースの面でも無駄が生じる。
【0009】
図1は、ユーザ端末にインストールされた複数のアプリケーションにより実行される定期通信の例を示す。
【0010】
図1において、横軸は時間である。縦軸は、ユーザ端末がアクティブ状態であるか、アイドル状態であるかを示す。つまり、ユーザ端末が、通信中であるか、待ち受け中であるかを示す。
【0011】
ユーザ端末には、アプリケーションA、B、及びCがインストールされている。アプリケーションA、B、及びCにより定期通信が行われる時間間隔は、それぞれ異なる。従って、アプリケーションAにより定期通信が行われる時間と、アプリケーションBにより定期通信が行われる時間と、アプリケーションCにより定期通信が行われる時間は、異なることが多い。
【0012】
図1によれば、アイドル状態のユーザ端末は、アプリケーションAの定期通信のタイミングとなったことにより、アクティブ状態に遷移する(1)。
【0013】
アクティブ状態に遷移したユーザ端末は、ネットワークとの間で制御信号をやり取りし、アプリケーションAに対応するユーザデータの送受信を行う。ユーザ端末は、アプリケーションAに対応するユーザデータの送受信が終わった後も、しばらくの間は無線ベアラを確保することによりアクティブ状態を維持する。その後、ユーザ端末は、アイドル状態に遷移する。
【0014】
アイドル状態のユーザ端末は、アプリケーションCの定期通信のタイミングとなったことにより、アクティブ状態に遷移する(2)。
【0015】
アクティブ状態に遷移したユーザ端末は、ネットワークとの間で制御信号をやり取りし、アプリケーションCに対応するユーザデータの送受信を行う。ユーザ端末は、アプリケーションCに対応するユーザデータの送受信が終わった後も、しばらくの間は無線ベアラを確保することによりアクティブ状態を維持する。その後、ユーザ端末は、アイドル状態に遷移する。
【0016】
アイドル状態のユーザ端末は、アプリケーションAの定期通信のタイミングとなったことにより、アクティブ状態に遷移する(3)。
【0017】
アクティブ状態に遷移したユーザ端末は、ネットワークとの間で制御信号をやり取りし、アプリケーションAに対応するユーザデータの送受信を行う。ユーザ端末は、アプリケーションAに対応するユーザデータの送受信が終わった後も、しばらくの間は無線ベアラを確保することによりアクティブ状態を維持する。その後、ユーザ端末は、アイドル状態に遷移する。
【0018】
アイドル状態のユーザ端末は、アプリケーションBの定期通信のタイミングとなったことにより、アクティブ状態に遷移する(4)。
【0019】
アクティブ状態に遷移したユーザ端末は、ネットワークとの間で制御信号をやり取りし、アプリケーションBに対応するユーザデータの送受信を行う。ユーザ端末は、アプリケーションBに対応するユーザデータの送受信が終わった後も、しばらくの間は無線ベアラを確保することによりアクティブ状態を維持する。その後、ユーザ端末は、アイドル状態に遷移する。
【0020】
アイドル状態のユーザ端末は、アプリケーションCの定期通信のタイミングとなったことにより、アクティブ状態に遷移する(5)。
【0021】
アクティブ状態に遷移したユーザ端末は、ネットワークとの間で制御信号をやり取りし、アプリケーションCに対応するユーザデータの送受信を行う。ユーザ端末は、アプリケーションCに対応するユーザデータの送受信が終わった後も、しばらくの間は無線ベアラを確保することによりアクティブ状態を維持する。その後、ユーザ端末は、アイドル状態に遷移する。
【0022】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、アプリケーションによる通信の頻度を低減することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記の課題を解決するために、本発明のユーザ端末は、
ネットワークとの間で定期的に通信を行うアプリケーションが複数インストールされるユーザ端末であって、
各アプリケーションにより要求される定期通信の時間間隔に基づいて、ネットワークへ接続する時間間隔を設定する接続時間間隔設定部と、
該接続時間間隔設定部により設定された時間間隔に従って、前記各アプリケーションからの定期通信の要求に応じて、ネットワークとの間で定期通信を行う制御を行う定期通信制御部と
を有する、ユーザ端末として達成される。
【0024】
アプリケーションからネットワークへ送信されるべき定期通信データを格納する定期通信データ格納部
を有し、
前記定期通信制御部は、前記ネットワークへ接続するタイミングでないときにアプリケーションからの定期通信の要求があった場合に、前記定期通信データ格納部に、該定期通信の要求に対応する定期通信データを格納し、
前記ネットワークへ接続するタイミングに、前記定期通信データ格納部に格納された定期通信データを送信する制御を行う、ように構成してもよい。
【0025】
前記定期通信制御部は、当該ユーザ端末が通信状態に遷移する際に、前記定期通信データ格納部に格納された定期通信データを送信する制御を行う、ように構成してもよい。
【0026】
前記定期通信制御部は、当該ユーザ端末の所定の機能が動作しているかどうかに応じて、当該ユーザ端末が通信状態に遷移するかどうかを判定する、ように構成してもよい。
【0027】
前記ネットワークへ接続するタイミングでないときに、アプリケーションから新たな定期通信の要求があった場合に、前記定期通信データ格納部に、該定期通信の要求に対応する定期通信データと同様のデータが格納されているかどうかを判定する定期通信データ判定部
を有し、
前記定期通信制御部は、前記定期通信データ判定部により前記定期通信データ格納部に、前記新たな定期通信の要求に対応する定期通信データと同様のデータが格納されていると判定された場合、該新たな定期通信の要求に対応する定期通信データを破棄する、ように構成してもよい。
【0028】
前記接続時間間隔設定部は、各アプリケーションにより要求される定期通信の時間間隔に所定の演算処理を行うことにより、ネットワークへ接続する時間間隔を設定する、ように構成してもよい。
【0029】
前記接続時間間隔設定部は、所定のアプリケーションにより要求される定期通信の時間間隔に、ネットワークへ接続する時間間隔を設定する、ように構成してもよい。
【0030】
前記接続時間間隔設定部は、当該ユーザ端末の間欠受信の周期に従って、ネットワークへ接続する時間間隔を設定する、ように構成してもよい。
【0031】
前記定期通信制御部は、ユーザによる要求に従って、前記定期通信データ格納部に、前記定期通信の要求に対応する定期通信データを格納する、ように構成してもよい。
【0032】
前記定期通信制御部は、当該ユーザ端末のバッテリの残量に基づいて、前記接続時間間隔設定部により設定された時間間隔に従って、前記各アプリケーションからの定期通信の要求に応じて、ネットワークとの間で定期通信を行う制御を行う機能を動作させるかどうかを設定する、ように構成してもよい。
【0033】
前記定期通信制御部は、エラーが発生した際に、前記定期通信データ格納部に、該エラーが発生したアプリケーションに対応する定期通信データが格納されている場合、該エラーが発生したアプリケーションに対応する定期通信を行う制御を行う、ように構成してもよい。
【0034】
前記定期通信制御部は、前記ネットワークへ接続するタイミングでないときに、予め指定されるアプリケーションからの定期通信の要求がある場合には、該定期通信の要求に応じて、ネットワークとの間で定期通信を行う制御を行う、ように構成してもよい。
【0035】
また、上記ユーザ端末が実行する通信方法、上記ユーザ端末が実行するプログラムとして構成することもできる。
【発明の効果】
【0036】
開示された実施例によれば、アプリケーションによる通信の頻度を低減することができる技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】複数のアプリケーションにより実行される定期通信の一例を示す図である。
【図2】ユーザ端末の一実施例を示す図である。
【図3】複数のアプリケーションにより実行される定期通信の一実施例を示す図である。
【図4】ユーザ端末の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図5】ユーザ端末の動作の一実施例を示すフローチャート(その1)である。
【図6】ユーザ端末の動作の一実施例を示すフローチャート(その2)である。
【図7】ユーザ端末の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図8】ユーザ端末の動作の一実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面に基づいて、実施例を説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0039】
<実施例>
<ユーザ端末100>
図2は、ユーザ端末100の一実施例を示す。図2には、主にハードウェア構成が示される。
【0040】
ユーザ端末100は、入力部102と、出力部104と、通信制御部106と、無線部108と、記憶部110と、マイクロプロセッサ(MPU: Micro−Processing Unit)112とを有する。各機能ブロックは、バス150により接続される。
【0041】
ユーザ端末100は、ユーザが通信することができる適切な如何なる端末でもよく、例えば、携帯電話、情報端末、パーソナルディジタルアシスタント、携帯用パーソナルコンピュータ、スマートフォン等が含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
MPU112は、入力部102、出力部104、通信制御部106、無線部108、及び記憶部110の制御を行う。MPU112は、記憶部110に記憶されたプログラムに従って機能し、所定の処理を行う。
【0043】
記憶部110は、アプリケーションと、オペレーティングシステム(OS: Operating System)とを有する。アプリケーションは、ユーザがユーザ端末100上で実行する作業を実施する機能を有するソフトウェアである。オペレーティングシステムは、ユーザ端末100において、ハードウェアを抽象化したインターフェースをアプリケーションソフトウェアに提供するソフトウェアである。
【0044】
入力部102は、例えば、キーボードやマウスにより構成され、当該ユーザ端末100への指示や、データの入力を行うための装置である。また、タッチパネルにより構成されてもよい。タッチパネルにより構成される場合、入力部102と、出力部104は1つの装置で構成されてもよい。また、入力部102は、例えば、マイクにより構成され、ユーザにより発せられた音声を入力する。該音声には、当該ユーザ端末100への指示が含まれてもよい。該指示には、オペレーティングシステムに対するものや、アプリケーションに対するものが含まれる。
【0045】
出力部104は、例えば、ディスプレイにより構成され、当該ユーザ端末100による処理状態や処理結果を表示する。また、出力部104は、例えば、スピーカにより構成され、ユーザに対して、音を出力するようにしてもよい。該処理状態や処理結果には、オペレーティングシステムやアプリケーションによるものが含まれる。ディスプレイには、液晶ディスプレイ(LCD: Liquid Crystal Display)、CRT(Cathod Ray Tube)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP: Plasma Display Panel)、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどが含まれる。
【0046】
通信制御部106は、当該ユーザ端末100に接続されたネットワークへの上りリンクの信号を生成する。また、通信制御部106は、当該ユーザ端末100と接続された基地局(図示なし)からの下りリンクの信号を解析する。
【0047】
無線部108は、MPU112による制御により、無線基地局との間で、所定の無線通信方式により無線通信を行う。該無線通信方式には、GSM(Global System for Mobile Communications)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、LTE(Long Term Evolution)が含まれる。また、LTE以降の無線アクセス方式が含まれてもよい。つまり、携帯電話で利用可能な通信方式が含まれる。例えば、通信制御部106により生成された制御情報を無線信号に変換して送信する。また、基地局からの無線信号をベースバンド信号に変換する。
【0048】
<ユーザ端末100の機能>
ユーザ端末100には、複数のアプリケーションがインストールされている。該複数のアプリケーションには、当該ユーザ端末100のMPU112に、定期的に、ネットワークと通信を行わせることにより、バージョンアップ等の新着情報の有無を確認させたり、定期報告等を行わせたりするように機能させるものが含まれる。以下、バージョンアップ等の新着情報の有無を確認させたり、定期報告等を行わせたりするために、定期的に、ネットワークと通信を行うことを「定期通信」という。また、定期通信の際に、ネットワークとの間でやり取りされるデータを「定期通信データ」という。
【0049】
ユーザ端末100は、定期通信を行うアプリケーションが複数インストールされ、且つ定期通信の時間間隔が異なるように設定されている場合に、定期通信のタイミングを合わせるように制御する。
【0050】
図3は、ユーザ端末100にインストールされた複数のアプリケーションにより実行される定期通信の一実施例を示す。図3は、図1に本実施例を適用したものである。
【0051】
図3において、横軸は時間である。縦軸は、ユーザ端末100がアクティブ状態であるか、アイドル状態であるかを示す。つまり、ユーザ端末100は、通信中であるか、待ち受け中であるかを示す。
【0052】
ユーザ端末100には、アプリケーションA、B、及びCがインストールされている。アプリケーションA、B、及びCにより定期通信が行われる時間間隔は、それぞれ異なる。ユーザ端末100にインストールされるアプリケーションの数は、2であってもよいし、4以上であってもよい。
【0053】
ユーザ端末100は、定期通信のタイミングを合わせるように制御する。ユーザ端末100は、アプリケーションA、B、及びCにより定期通信が行われる時間間隔に基づいて、ネットワークに接続する時間間隔(以下、「ネットワーク接続時間間隔」という)を設定する。
【0054】
<ネットワーク接続時間間隔の設定例(その1)>
ユーザ端末100は、インストールされているアプリケーションのいずれかの定期通信のタイミングに、定期通信のタイミングを設定する。このように設定することにより、インストールされているアプリケーションのいずれかの定期通信のタイミングに合わせて、他のアプリケーションの定期通信も実施するように制御される。
【0055】
<ネットワーク接続時間間隔の設定例(その2)>
ユーザ端末100は、定期通信の時間間隔が最短であるアプリケーションの定期通信のタイミングに、定期通信のタイミングを設定する。このように設定することにより、定期通信の時間間隔が最短であるアプリケーションの定期通信のタイミングに合わせて、他のアプリケーションの定期通信も実施するように制御される。
【0056】
<ネットワーク接続時間間隔の設定例(その3)>
ユーザ端末100は、定期通信の時間間隔が最長であるアプリケーションの定期通信のタイミングに、定期通信のタイミングを設定する。このように設定することにより、定期通信の時間間隔が最長であるアプリケーションの定期通信のタイミングに合わせて、他のアプリケーションの定期通信も実施するように制御される。
【0057】
<ネットワーク接続時間間隔の設定例(その4)>
ユーザ端末100は、各アプリケーションの定期通信の時間間隔に何らかの演算処理を行い、該演算処理により得られた結果に、定期通信のタイミングを設定する。このように設定することにより、該演算処理により得られた結果に合わせて、アプリケーションの定期通信を実施するように制御される。該演算処理には、平均化が含まれてもよい。
【0058】
<ネットワーク接続時間間隔の設定例(その5)>
ユーザ端末100は、各アプリケーションの定期通信の時間間隔に基づいて、各アプリケーションの定期通信の時間間隔に近い値や、各アプリケーションの定期通信の時間間隔の定数倍等の、各アプリケーションの定期通信の時間間隔に関連した値に、定期通信のタイミングを設定する。このように設定することにより、各アプリケーションの定期通信の時間間隔に関連した値に合わせて、アプリケーションの定期通信を実施するように制御される。
【0059】
<ネットワーク接続時間間隔の設定例(その6)>
ユーザ端末100は、各アプリケーションの定期通信の時間間隔に基づいて、利用頻度の高いアプリケーションの定期通信の時間間隔や、重要度の高いアプリケーションの定期通信の時間間隔に、定期通信のタイミングを設定する。利用頻度の高いアプリケーションには、メーラー等が含まれる。このように設定することにより、利用頻度の高いアプリケーションの定期通信の時間間隔や、重要度の高いアプリケーションの定期通信の時間間隔に合わせて、アプリケーションの定期通信を実施するように制御される。
【0060】
<ネットワーク接続時間間隔の設定例(その7)>
ユーザ端末100は、当該ユーザ端末100の間欠受信周期に基づいて、定期通信のタイミングを設定する。このように設定することにより、間欠受信周期に基づいて、当該ユーザ端末100が間欠受信を行う際に、アプリケーションの定期通信を実施するように制御される。
【0061】
図3に示される例では、定期通信の時間間隔が最短であるアプリケーションCの定期通信のタイミングに合わせて、他のアプリケーションの定期通信も実施される。
【0062】
図3によれば、アイドル状態のユーザ端末100は、アプリケーションCの定期通信のタイミングとなったことにより、アクティブ状態に遷移する(1)。
【0063】
アクティブ状態に遷移したユーザ端末100は、ネットワークとの間で制御信号をやり取りし、前回のアプリケーションCの定期通信のタイミングと今回のアプリケーションCの定期通信のタイミングとの間で、定期通信の要求を行ったアプリケーションについて定期通信を実施する。具体的には、アプリケーションAの定期通信の要求に対応する定期通信データの通信と、アプリケーションCの定期通信の要求に対応する定期通信データの通信とを行う。ユーザ端末100は、アプリケーションAの定期通信の要求に対応する定期通信データの通信と、アプリケーションCの定期通信の要求に対応する定期通信データの通信が終わった後も、しばらくの間は無線ベアラを確保することによりアクティブ状態を維持する。その後、ユーザ端末は、アイドル状態に遷移する。
【0064】
アイドル状態のユーザ端末は、次のアプリケーションCの定期通信のタイミングとなったことにより、アクティブ状態に遷移する(2)。
【0065】
アクティブ状態に遷移したユーザ端末100は、ネットワークとの間で制御信号をやり取りし、前回のアプリケーションCの定期通信のタイミングと今回のアプリケーションCの定期通信のタイミングとの間で、定期通信の要求を行ったアプリケーションについて定期通信を実施する。具体的には、アプリケーションAの定期通信の要求に対応する定期通信データの通信と、アプリケーションBの定期通信の要求に対応する定期通信データの通信と、アプリケーションCの定期通信の要求に対応する定期通信データの通信とを行う。ユーザ端末100は、アプリケーションAの定期通信の要求に対応する定期通信データの通信と、アプリケーションBの定期通信の要求に対応する定期通信データの通信と、アプリケーションCの定期通信の要求に対応する定期通信データの通信が終わった後も、しばらくの間は無線ベアラを確保することによりアクティブ状態を維持する。その後、ユーザ端末は、アイドル状態に遷移する。
【0066】
定期通信のタイミングを合わせるように制御することにより、各アプリケーションにより個別の定期通信のタイミングで通信が実施されないため、通信頻度を低減できる。通信頻度が低減されることにより、ユーザ端末100がアクティブ状態となる時間を短縮できるため、消費電力を低減できる。また、通信頻度が低減されることにより、定期通信の際の制御信号のオーバヘッドを減らすことができる。制御信号のオーバヘッドを減らすことができるため、ネットワークリソースの無駄を削減できる。
【0067】
図4は、ユーザ端末100の一実施例を示す機能ブロック図である。
【0068】
ユーザ端末100は、アプリケーション管理部1122と、ネットワーク接続時間間隔設定部1124と、定期通信制御部1126と、定期通信データ一時格納部1128とを有する。
【0069】
アプリケーション管理部1122は、記憶部110と接続される。アプリケーション管理部1122は、アプリケーションを管理する。具体的には、アプリケーション管理部1122は、記憶部110に格納されたアプリケーションの起動状態を管理する。アプリケーション管理部1122により起動状態が管理されるアプリケーションは、バックグラウンドで起動されるものも含んでいてもよい。
【0070】
アプリケーション管理部1122は、記憶部110に格納されたアプリケーションのうち、定期通信を行う機能を有するアプリケーションから、定期通信の時間間隔を表す情報を取得する。アプリケーション管理部1122は、ネットワーク接続時間間隔設定部1124に、定期通信を行う機能を有するアプリケーションから取得した定期通信の時間間隔を表す情報を入力する。
【0071】
また、アプリケーションからの定期通信の要求は、アプリケーション管理部1122に入力される。アプリケーション管理部1122は、定期通信制御部1126に、アプリケーションからの定期通信の要求を入力する。
【0072】
ネットワーク接続時間間隔設定部1124は、アプリケーション管理部1122と接続される。ネットワーク接続時間間隔設定部1124は、アプリケーション管理部1122からの定期通信の時間間隔を表す情報に基づいて、ネットワーク接続時間間隔を設定する。具体的には、ネットワーク接続時間間隔設定部1124は、上述した<ネットワーク接続時間間隔の設定例(その1)>−<ネットワーク接続時間間隔の設定例(その7)>のいずれかに従って、ネットワーク接続時間間隔を設定する。例えば、ネットワーク接続時間間隔設定部1124は、<ネットワーク接続時間間隔の設定例(その2)>に従って、アプリケーション管理部1122からの定期通信の時間間隔のうち、該定期通信の時間間隔が最短であるアプリケーションの定期通信の時間間隔に、ネットワーク接続時間間隔を設定するようにしてもよい。ネットワーク接続時間間隔設定部1124は、定期通信制御部1126に、ネットワーク接続時間間隔を入力する。
【0073】
定期通信制御部1126は、入力部102と、通信制御部106と、アプリケーション管理部1122と、ネットワーク接続時間間隔設定部1124と接続される。
【0074】
定期通信制御部1126は、ネットワーク接続時間間隔設定部1124からのネットワーク接続時間間隔に従って、ネットワークへ接続するタイミングを制御する。具体的には、定期通信制御部1126は、ネットワーク接続時間間隔で満了するタイマー(以下、「接続時間間隔タイマー」という)を有していてもよい。
【0075】
定期通信制御部1126は、接続時間間隔タイマーをスタートさせる。
【0076】
定期通信制御部1126は、アプリケーション管理部1122から定期通信の要求が入力された際、接続時間間隔タイマーが満了したかどうかを判定する。接続時間間隔タイマーが満了していない場合、定期通信制御部1126は、定期通信データ一時格納部1128に、定期通信の要求に対応する定期通信データを一時的に格納する。一方、接続時間間隔タイマーが満了した場合、定期通信制御部1126は、該接続時間間隔タイマーが満了した際に入力された定期通信の要求に対応する定期通信データとともに、定期通信データ一時格納部1128に格納された定期通信の要求に対応する定期通信データの通信を行うように制御する。
【0077】
定期通信を行う際に、ユーザに定期通信を行うかどうかを問い合わせるようにしてもよい。定期通信を行うかどうかの問い合わせに対して、ユーザから定期通信を許可する回答が得られた場合に定期通信が行われる。また、定期通信を行うかどうかの問い合わせに対して、ユーザから定期通信を許可しない回答が得られた場合には、定期通信を行わず、定期通信データ一時格納部1128に、定期通信の要求に対応する定期通信データを一時的に格納する。
【0078】
また、定期通信制御部1126は、予め設定された特定のアプリケーションについては、接続時間間隔タイマーに拘わらず、定期通信の要求に従って、定期通信を行うようにしてもよい。
【0079】
また、定期通信制御部1126は、バッテリの残量に基づいて、定期通信のタイミングを合わせるように制御するかどうかを設定するようにしてもよい。定期通信制御部1126は、バッテリの残量が所定の量未満である場合に定期通信のタイミングを合わせるように制御し、バッテリの残量が所定の量以上である場合に定期通信のタイミングを合わせる制御は行わないようにしてもよい。バッテリの残量が所定の量以上である場合には、異なる時間間隔で定期通信が行われても問題が生じないと想定されるためである。
【0080】
また、定期通信制御部1126は、アプリケーション管理部1122から定期通信の要求が入力された際、バッテリの残量に基づいて、定期通信を行うかどうか判定するようにしてもよい。つまり、定期通信制御部1126は、アプリケーション管理部1122から定期通信の要求が入力された際に、接続時間間隔タイマーが満了していても、バッテリの残量が所定の量未満である場合には、定期通信を行わないようにしてもよい。この場合、定期通信制御部1126は、定期通信データ一時格納部1128に、定期通信の要求に対応する定期通信データを一時的に格納する。バッテリの残量に基づいて定期通信を行うかどうか判定することにより、消費電力を低減できる。一方、バッテリの残量が所定の量以上である場合には、定期通信を行うように制御するようにしてもよい。
【0081】
また、定期通信制御部1126は、アプリケーション管理部1122から定期通信の要求が入力された際、ユーザにより所定の操作が行われたかどうかを判定するようにしてもよい。具体的には、定期通信制御部1126は、定期通信の要求が入力された際に、入力部102から所定の操作信号が入力されたかどうかを判定するようにしてもよい。入力部102から所定の操作信号が入力された場合に、ユーザにより所定の操作が行われたと判定する。また、定期通信制御部1126は、当該ユーザ端末100に搭載された所定の機能が動作しているかどうかを判定するようにしてもよい。具体的には、定期通信制御部1126は、出力部104により所定の情報が出力されているかどうかを判定するようにしてもよい。例えば、ディスプレイのバックライトが点灯しているかどうかを判定するようにしてもよい。ディスプレイのバックライトが点灯している場合に、ユーザにより所定の操作が行われたと判定する。
【0082】
定期通信の要求が入力された際に、入力部102から所定の操作信号が入力された場合、定期通信制御部1126は、通信制御部106に、接続処理を行うように命令する。通信制御部106により接続処理が行われた後、定期通信制御部1126は、定期通信の要求に対応する定期通信を実施するように制御するようにしてもよい。この場合、定期通信データ一時格納部1128に格納された定期通信の要求に対応する定期通信データの通信を行うように制御するようにしてもよい。
【0083】
また、定期通信の要求が入力された際に、入力部102から所定の操作信号が入力されない場合、定期通信制御部1126は、通信制御部106により通信制御が行われているかどうかを判定するようにしてもよい。
【0084】
通信制御部106により通信制御が行われている場合、定期通信制御部1126は、定期通信の要求に対応する定期通信を実施するように制御するようにしてもよい。この場合、定期通信データ一時格納部1128に格納された定期通信の要求に対応する定期通信データの通信を行うように制御するようにしてもよい。
【0085】
また、通信制御部106により通信制御が行われている際に、特定のアプリケーションで通信エラーが発生した場合、該特定のアプリケーションに対応する定期通信の要求に対応する定期通信データが定期通信データ一時格納部1128に格納されている場合には、定期通信制御部1126は、該定期通信の要求に対応する定期通信データの通信を行うように制御する。定期通信により新着情報が確認されなかったために、通信エラーが発生すると想定されるため、直ちに、新着情報を確認するのが好ましいためである。
【0086】
通信制御部106により通信制御が行われていない場合、定期通信制御部1126は、定期通信データ一時格納部1128に、定期通信の要求に対応する定期通信データを格納する。
【0087】
定期通信データ一時格納部1128は、定期通信制御部1126と接続される。定期通信データ一時格納部1128は、定期通信制御部1126からの定期通信の要求に対応する定期通信データを一時的格納する。
【0088】
<ユーザ端末100の動作(その1)>
図5は、ユーザ端末100の動作の一実施例を示す。
【0089】
ユーザ端末100に、定期通信の要求が発生する(ステップS502)。つまり、記憶部110に格納されたアプリケーションから定期通信の要求が発生する。該定期通信の要求は、アプリケーション管理部1122から定期通信制御部1126に入力される。
【0090】
ユーザ端末100は、定期通信の要求の際に、操作が行われたかどうかを判定する(ステップS504)。つまり、定期通信制御部1126は、アプリケーション管理部1122から定期通信の要求が入力された際に、ユーザにより入力部102に操作が行われたかどうかを判定する。定期通信制御部1126は、アプリケーション管理部1122から定期通信の要求が入力される直前に、ユーザにより入力部102に操作が行われたかどうかを判定するようにしてもよい。
【0091】
定期通信の要求の際に操作が行われたと判定された場合(ステップS504:YES)、ユーザ端末100は、接続処理を行う(ステップS506)。つまり、定期通信制御部1126は、通信制御部106に接続処理を行うように命令する。通信制御部106は、定期通信制御部1126による命令に従って、接続処理を行う。
【0092】
ユーザ端末100は、定期通信の要求に対応する定期通信を行う(ステップS508)。つまり、定期通信制御部1126は、通信制御部106により接続処理が行われた後、ネットワークに、定期通信要求に対応する定期通信データを送信する。
【0093】
ユーザ端末100は、接続時間間隔タイマーをリスタートする(ステップS510)。つまり、定期通信制御部1126は、定期通信タイマーをリスタートする。
【0094】
一方、ステップS504により、定期通信の要求の際に操作が行われないと判定された場合(ステップS504:NO)、ユーザ端末100は、通信中であるかどうかを判定する(ステップS512)。つまり、定期通信制御部1126は、通信制御部106により通信が行われているかどうかを判定する。
【0095】
通信中であると判定されない場合(ステップS512:NO)、ユーザ端末100は、定期通信の要求に対応する定期通信データを一時的に格納する(ステップS514)。つまり、定期通信制御部1126は、通信中でない場合には、定期通信データ一時格納部1128に、定期通信の要求に対応する定期通信データを格納する。
【0096】
ユーザ端末100は、接続時間間隔タイマーが満了したかどうかを判定する(ステップS516)。つまり、定期通信制御部1126は、接続時間間隔タイマーが満了したかどうかを判定する。
【0097】
接続時間間隔タイマーが満了したと判定されない場合(ステップS516:NO)、ステップS516に戻る。接続時間間隔タイマーが満了したと判定されるまで、継続される。
【0098】
接続時間間隔タイマーが満了したと判定された場合(ステップS516:YES)、ステップS506に遷移する。
【0099】
ステップS512により通信中であると判定された場合(ステップS512:YES)、ステップS508に遷移する。
【0100】
ステップS504−S510の処理は、ユーザ端末100の有するMPU112により実行される。
【0101】
MPU112をユーザ端末100として機能させるためのプログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供される。また、プログラムを、通信網を介してダウンロードするようにしてもよい。この記録媒体をコンピュータの補助記憶装置に挿入すると、記録媒体に記録されたプログラムが読み取られる。MPU112は、読み込んだプログラムをRAMあるいはHDDに書き込み、処理を実行する。プログラムは、コンピュータに、図5の各ステップS504−S510を実行させる。また、例えば、プログラムは、少なくとも一部のステップを実行されるようにしてもよい。
【0102】
<ユーザ端末100の動作(その2)>
図6は、ユーザ端末100の動作の一実施例を示す。
【0103】
図6に示されるユーザ端末100の動作において、ステップS602−S616は、図5を参照して説明したステップS502−S516と同様である。
【0104】
ステップS618では、ユーザ端末100は、通信中に遷移したかどうかを判定する。つまり、定期通信制御部1126は、通信制御部106により通信が開始されたかどうかを判定する。
【0105】
通信中に遷移しないと判定された場合(ステップS618:NO)、ステップS616に遷移する。
【0106】
通信中に遷移したと判定された場合(ステップS618:YES)、ステップS608に遷移する。
【0107】
本実施例によれば、アプリケーション間で、ネットワークへ接続する時間間隔を共有できる。このため、アプリケーションからの定期送信の要求によりネットワークへアクセスする頻度低減できる。ネットワークへアクセスする頻度を低減できるため、消費電力を低減できる。また、ネットワークへアクセスする頻度を低減できるため、制御信号のオーバヘッドを削減でき、ネットワークに接続する際の無線リソースを削減できる。
【0108】
ステップS604−S618の処理は、ユーザ端末100の有するMPU112により実行される。
【0109】
MPU112をユーザ端末100として機能させるためのプログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供される。また、プログラムを、通信網を介してダウンロードするようにしてもよい。この記録媒体をコンピュータの補助記憶装置に挿入すると、記録媒体に記録されたプログラムが読み取られる。MPU112は、読み込んだプログラムをRAMあるいはHDDに書き込み、処理を実行する。プログラムは、コンピュータに、図6の各ステップS604−S618を実行させる。また、例えば、プログラムは、少なくとも一部のステップを実行されるようにしてもよい。
【0110】
<変形例>
<ユーザ端末100>
ユーザ端末100の一変形例は、図2を参照して説明したユーザ端末と略同一である。
【0111】
<ユーザ端末100の機能>
図7は、ユーザ端末100の一変形例を示す。
【0112】
ユーザ端末100の一変形例は、図4を参照して説明したユーザ端末と、定期通信データ判定部1130を有する点で異なる。
【0113】
定期通信データ判定部1130は、定期通信制御部1126と、定期通信データ一時格納部1128と接続される。定期通信データ判定部1130は、定期通信制御部1126から定期通信データ一時格納部1128に一時的に格納される新たな定期通信の要求に対応する定期通信データが、定期通信データ一時格納部1128に格納されている定期通信データに含まれるかどうかを判定する。定期通信データ判定部1130は、定期通信データ一時格納部1128に格納されている定期通信データに、新たな定期通信の要求に対応する定期通信データが含まれると判定した場合、該新たな定期通信の要求に対応する定期通信データを破棄する。ネットワークに、同じ定期通信データを送信する必要はないためである。
【0114】
<ユーザ端末100の動作>
図8は、ユーザ端末100の動作の一実施例を示す。
【0115】
図8に示されるユーザ端末100の動作において、ステップS802−S812は、図5を参照して説明したステップS502−S512と同様である。
【0116】
ステップS814では、ステップS812により通信中であると判定されない場合(ステップS812:NO)、ユーザ端末100は、ステップS802において発生した新たな定期通信の要求に対応する定期通信データと同様の定期通信データを格納しているかどうかを判定する。つまり。定期通信データ判定部1130は、定期通信制御部1126から定期通信データ一時格納部1128に、ステップS802により発生した新たな定期通信の要求に対応する定期通信データが格納される際に、該新たな定期通信の要求に対応する定期通信データが定期通信データ一時格納部1128に既に格納された定期通信データに含まれるかどうかを判定する。
【0117】
発生した新たな定期通信の要求に対応する定期通信データが格納されていると判定された場合(ステップS814:YES)、ユーザ端末100は、該新たな定期通信の要求に対応する定期通信データを破棄する(ステップS816)。つまり、定期通信データ判定部1130は、定期通信制御部1126から定期通信データ一時格納部1128に格納されようとしている新たな定期通信の要求に対応する定期通信データと同様の定期通信データが、定期通信データ一時格納部1128に含まれると判定した場合、該新たな定期通信の要求に対応する定期通信データを破棄する。
【0118】
発生した新たな定期通信の要求に対応する定期通信データと同様の定期通信データが格納されていないと判定された場合(ステップS814:NO)、ユーザ端末100は、新たな定期通信の要求に対応する定期通信データを一時的に格納する(ステップS818)。つまり、定期通信データ判定部1130により、定期通信制御部1126から定期通信データ一時格納部1128に格納されようとしている新たな定期通信の要求に対応する定期通信データと同様の定期通信データが、定期通信データ一時格納部1128に含まれないと判定された場合、定期通信制御部1126は、定期通信データ一時格納部1128に、該新たな定期通信の要求に対応する定期通信データを格納する。
【0119】
ユーザ端末100は、接続時間間隔タイマーが満了したかどうかを判定する(ステップS820)。つまり、定期通信制御部1126は、接続時間間隔タイマーが満了したかどうかを判定する。
【0120】
接続時間間隔タイマーが満了したと判定されない場合(ステップS820:NO)、ステップS820に戻る。接続時間間隔タイマーが満了したと判定されるまで、継続される。
【0121】
接続時間間隔タイマーが満了したと判定された場合(ステップS820:YES)、ステップS806に遷移する。
【0122】
ステップS812により通信中であると判定された場合(ステップS812:YES)、ステップS808に遷移する。
【0123】
ステップS804−S820の処理は、ユーザ端末100の有するMPU112により実行される。
【0124】
MPU112をユーザ端末100として機能させるためのプログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供される。また、プログラムを、通信網を介してダウンロードするようにしてもよい。この記録媒体をコンピュータの補助記憶装置に挿入すると、記録媒体に記録されたプログラムが読み取られる。MPU112は、読み込んだプログラムをRAMあるいはHDDに書き込み、処理を実行する。プログラムは、コンピュータに、図5の各ステップS804−S820を実行させる。また、例えば、プログラムは、少なくとも一部のステップを実行されるようにしてもよい。
【0125】
本変形例によれば、アプリケーション間で、ネットワークへ接続する時間間隔を共有できる。このため、アプリケーションからの定期送信の要求によりネットワークへアクセスする頻度低減できる。ネットワークへアクセスする頻度を低減できるため、消費電力を低減できる。また、ネットワークへアクセスする頻度を低減できるため、制御信号のオーバヘッドを削減でき、ネットワークに接続する際の無線リソースを削減できる。
【0126】
さらに、発生した新たな定期通信の要求に対応する定期通信データが定期通信データ一時格納部に格納されている定期通信データに含まれる場合には、該発生した新たな定期通信の要求に対応する定期通信データが破棄される。このため、定期通信データ一時格納部の容量を削減できる。
【0127】
説明の便宜上、発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明されるが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
【0128】
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
【符号の説明】
【0129】
100 ユーザ端末
102 入力部
104 出力部
106 通信制御部
108 無線部
110 記憶部
112 MPU
1122 アプリケーション管理部
1124 ネットワーク接続時間間隔設定部
1126 定期通信制御部
1128 定期通信データ一時格納部
1130 定期通信データ判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークとの間で定期的に通信を行うアプリケーションが複数インストールされるユーザ端末であって、
各アプリケーションにより要求される定期通信の時間間隔に基づいて、ネットワークへ接続する時間間隔を設定する接続時間間隔設定部と、
該接続時間間隔設定部により設定された時間間隔に従って、前記各アプリケーションからの定期通信の要求に応じて、ネットワークとの間で定期通信を行う制御を行う定期通信制御部と
を有する、ユーザ端末。
【請求項2】
請求項1に記載のユーザ端末において、
アプリケーションからネットワークへ送信されるべき定期通信データを格納する定期通信データ格納部
を有し、
前記定期通信制御部は、前記ネットワークへ接続するタイミングでないときにアプリケーションからの定期通信の要求があった場合に、前記定期通信データ格納部に、該定期通信の要求に対応する定期通信データを格納し、
前記ネットワークへ接続するタイミングに、前記定期通信データ格納部に格納された定期通信データを送信する制御を行う、ユーザ端末。
【請求項3】
請求項2に記載のユーザ端末において、
前記定期通信制御部は、当該ユーザ端末が通信状態に遷移する際に、前記定期通信データ格納部に格納された定期通信データを送信する制御を行う、ユーザ端末。
【請求項4】
請求項3に記載のユーザ端末において、
前記定期通信制御部は、当該ユーザ端末の所定の機能が動作しているかどうかに応じて、当該ユーザ端末が通信状態に遷移するかどうかを判定する、ユーザ端末。
【請求項5】
請求項2に記載のユーザ端末において、
前記ネットワークへ接続するタイミングでないときに、アプリケーションから新たな定期通信の要求があった場合に、前記定期通信データ格納部に、該定期通信の要求に対応する定期通信データと同様のデータが格納されているかどうかを判定する定期通信データ判定部
を有し、
前記定期通信制御部は、前記定期通信データ判定部により前記定期通信データ格納部に、前記新たな定期通信の要求に対応する定期通信データと同様のデータが格納されていると判定された場合、該新たな定期通信の要求に対応する定期通信データを破棄する、ユーザ端末。
【請求項6】
請求項1に記載のユーザ端末において、
前記接続時間間隔設定部は、各アプリケーションにより要求される定期通信の時間間隔に所定の演算処理を行うことにより、ネットワークへ接続する時間間隔を設定する、ユーザ端末。
【請求項7】
請求項1に記載のユーザ端末において、
前記接続時間間隔設定部は、所定のアプリケーションにより要求される定期通信の時間間隔に、ネットワークへ接続する時間間隔を設定する、ユーザ端末。
【請求項8】
請求項1に記載のユーザ端末において、
前記接続時間間隔設定部は、当該ユーザ端末の間欠受信の周期に従って、ネットワークへ接続する時間間隔を設定する、ユーザ端末。
【請求項9】
請求項2に記載のユーザ端末において、
前記定期通信制御部は、ユーザによる要求に従って、前記定期通信データ格納部に、前記定期通信の要求に対応する定期通信データを格納する、ユーザ端末。
【請求項10】
請求項1に記載のユーザ端末において、
前記定期通信制御部は、当該ユーザ端末のバッテリの残量に基づいて、前記接続時間間隔設定部により設定された時間間隔に従って、前記各アプリケーションからの定期通信の要求に応じて、ネットワークとの間で定期通信を行う制御を行う機能を動作させるかどうかを設定する、ユーザ端末。
【請求項11】
請求項2に記載のユーザ端末において、
前記定期通信制御部は、エラーが発生した際に、前記定期通信データ格納部に、該エラーが発生したアプリケーションに対応する定期通信データが格納されている場合、該エラーが発生したアプリケーションに対応する定期通信を行う制御を行う、ユーザ端末。
【請求項12】
請求項2に記載のユーザ端末において、
前記定期通信制御部は、前記ネットワークへ接続するタイミングでないときに、予め指定されるアプリケーションからの定期通信の要求がある場合には、該定期通信の要求に応じて、ネットワークとの間で定期通信を行う制御を行う、ユーザ端末。
【請求項13】
ネットワークとの間で定期的に通信を行うアプリケーションが複数インストールされるユーザ端末における通信方法であって、
各アプリケーションにより要求される定期通信の時間間隔に基づいて、ネットワークへ接続する時間間隔を設定する接続時間間隔設定ステップと、
該接続時間間隔設定ステップにより設定された時間間隔に従って、前記各アプリケーションからの定期通信の要求に応じて、ネットワークとの間で定期通信を行う制御を行う定期通信制御ステップと
を有する、通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−51478(P2013−51478A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187073(P2011−187073)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】