説明

ユーザ通過検出システム

【課題】ユーザに負担をかけることなくユーザの行動を容易に把握することができるユーザ検出システムを提供すること。
【解決手段】ユーザに着用される左右一対のスリッパ51は右用スリッパ52と左用スリッパ53とにより構成されている。右用スリッパ52には、右用ID情報が記憶されている右用ICチップ55が設けられており、左用スリッパ53には、左用ID情報が記憶されている左用ICチップ56が設けられている。建物において、洗面室出入口、トイレ出入口、主寝室出入口、廊下には検出位置42があらかじめ定められており、その検出位置42には検出センサ41が設けられている。検出センサ41は、右センサ部45と左センサ部46とを有しており、それらセンサ部45,46は、右用ICチップ55の右用ID情報又は左用ICチップ56の左用ID情報の検出が可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物等におけるユーザの通過方向を検出するためのユーザ通過検出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線通信が可能な携帯端末をユーザに所持させることで、ユーザの現在位置を特定するシステムが提案されている。例えば、特許文献1では、ユーザ個人に対して割り当てられるユーザIDとユーザの個人情報とが携帯端末としての携帯電話に記憶されており、携帯電話との無線通信が可能な基地局が複数設けられている。そして、各基地局での情報に基づいてユーザの現在位置が特定され、ユーザの現在位置周辺に対して局所的な空調制御が行われるようになっている。この場合、ユーザが携帯電話を意識的に所持することでユーザの現在位置が特定されるようになっている。
【特許文献1】特開2004−101048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ユーザIDや個人情報が携帯電話に記憶されていると、携帯電話を通話等の目的で使用しない場合でも、ユーザの現在位置が特定されるにはユーザが携帯電話を意識的に所持する必要がある。この場合、ユーザには携帯電話を意識的に所持することで負担がかかることになり、携帯電話を所持し忘れるとユーザの現在位置が特定されないことになる。したがって、無線通信が可能な携帯端末をユーザに所持させることでユーザの現在位置を特定するシステムには、改善の余地があると考えられる。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、ユーザに負担をかけることなくユーザの行動を容易に把握することができるユーザ通過検出システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。なお以下では、理解を容易にするため、発明の実施形態において対応する構成例を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0006】
第1の手段では、ユーザに着用される左右一対の履物(スリッパ51)のそれぞれに設けられ、各々異なる識別情報(ID情報)を記憶する情報記憶部(ICチップ54)と、
ユーザが通過する通過位置(検出位置42)に設けられ、前記左右一対の履物が接近又は接触した場合に、それら各履物における情報記憶部の識別情報を個別に検出する情報検出装置(検出センサ41)と、
前記情報検出装置にて識別情報を検出した場合に、前記通過位置における前記左右一対の履物の相対位置を判定する位置判定手段(コントローラ61)と、
前記情報検出装置にて検出した識別情報と、前記位置判定手段により判定した前記通過位置における履物の相対位置とに基づいて、前記通過位置におけるユーザの通過方向を判定する通過方向判定手段(コントローラ61)と
を備えることを特徴としている。
【0007】
上記構成によれば、建物内等の通過位置をユーザが通過する際、左右一対の履物が情報検出装置に接近又は接触すると、その情報検出装置においてそれら各履物における情報記憶部の識別情報が個別に検出される。また、情報検出装置にて識別情報が検出された場合に、前記通過位置における左右一対の履物の相対位置が判定される。そして、情報検出装置にて検出した識別情報と、通過位置における履物の相対位置とに基づいて、前記通過位置におけるユーザの通過方向が判定される。
【0008】
要するに、通過位置においてユーザの通過方向が相違すると、同通過位置での左右の履物の相対位置が逆になるため、この左右の履物の相対位置からユーザの通過方向を判定できる。つまり、左右何れの履物が、通過位置のどの部位を通過したかによってユーザの通過方向を判定できる。したがって、単にユーザが通過位置を通過することで、ユーザの行き先を把握することが可能となる。
【0009】
また、情報記憶部が履物に設けられているため、ユーザにとっては単に履物を着用することが情報記憶部を身に付けることになる。したがって、情報記憶部を有する携帯装置を持ち歩くといった煩わしさを生じさせることなく、ユーザの行き先を把握することが可能となる。
【0010】
以上の結果、ユーザに負担をかけることなくユーザの行動を容易に把握することができる。
【0011】
第2の手段では、前記情報検出装置は、前記通過位置においてユーザ通行方向に直交する方向に複数の検出エリアが設定されてなる検出部(右センサ部45、左センサ部46)を有しており、前記位置判定手段は、前記検出部のどの検出エリアで各履物の識別情報が検出されたかによって前記左右一対の履物の相対位置を判定する。
【0012】
上記構成によれば、ユーザが通過位置を通過する際、左右の履物がそれぞれ異なる検出エリアを通過する。そして、検出部のどの検出エリアで識別情報が検出されたかによって左右一対の履物の相対位置が判定される。故に、通過位置における左右の履物の相対位置を容易に判定することができる。
【0013】
第3の手段では、前記検出部は、前記通過位置の床に設けられ、該通過位置における床面をユーザ通行方向に直交する方向に分割して前記複数の検出エリアが設定されている。また、第4の手段では、前記検出部は、前記通過位置の両側の各壁部(壁81)にそれぞれ設けられ、前記通過位置の床近傍空間をユーザ通行方向に直交する方向に分割して前記複数の検出エリアが設定されている。
【0014】
上記のように、2つの検出部を床面に設ける場合、又は壁部に設ける場合のいずれであっても、通過位置における左右の履物の相対位置を容易に判定することができる。
【0015】
第5の手段では、複数の部屋に通じる細長い通路空間部(廊下12)を有する建物に適用され、前記通路空間部の一部に前記通過位置が設定されている。
【0016】
上記構成によれば、複数の部屋をユーザが行き来したりする場合に、そのユーザの行き来(移動)を把握できる。これにより、ユーザが向かっている部屋を推定することも可能となる。
【0017】
第6の手段では、建物の出入口、及び該建物に形成された部屋の出入口(玄関出入口11a、洗面室出入口17a、トイレ出入口18a,25a、主寝室出入口22a、)の少なくとも一方に前記通過位置が設定されている。
【0018】
上記構成によれば、ユーザ通過方向の判定結果(通過方向判定手段の判定結果)から、ユーザが建物から外出したこと又は建物に帰着(帰宅)したことを把握できる。或いは、同じくユーザ通過方向の判定結果(通過方向判定手段の判定結果)から、ユーザが部屋に入ったこと又は部屋から出たことを把握できる。
【0019】
なお、上記のように建物や部屋の出入りを把握できることから、建物又は部屋内の人の有無、人数等を把握することも可能となる。
【0020】
第7の手段では、第6の手段において、前記通過方向判定手段により前記ユーザの通過方向を判定してからの経過時間を計測する計時手段(コントローラ61)を備え、前記計時手段による計測時間に基づいてユーザの行動を推定する。
【0021】
上記構成によれば、ユーザが建物や部屋の出入り口を通過してからの経過時間(すなわち建物や部屋に入ってからの経過時間や建物や部屋から出てからの経過時間)が計測される。このとき、ユーザの行動によっては、建物や部屋から出た後、次に入るまでの時間(又は、建物や部屋に入った後、次に出るまでの時間)が相違する。したがって、計時手段による計測時間に基づいてユーザの行動を適正に推定することができる。
【0022】
第8の手段では、建物の出入口に前記通過位置が設定されており、
前記通過方向判定手段によるユーザ通過方向の判定結果と、前記計時手段による計測時間とに基づいて、ユーザが外出したか又は帰着したか判定し、その判定結果に応じて前記建物内の設備を制御する。
【0023】
例えば、建物内の設備の制御として、ユーザが外出したと判定した場合に待機モードに切り替える。これにより、省エネルギ効果を得ることが可能となる。
【0024】
第9の手段では、前記建物に設けられたトイレ(トイレ18,25)又は浴室(浴室19)の出入口に前記通過位置が設定されており、
前記通過方向判定手段によるユーザ通過方向の判定結果と、前記計時手段による計測時間とに基づいて、前記トイレ又は浴室内でのユーザの異常の有無を判定する。
【0025】
例えば、高齢者等のユーザがトイレや浴室に入室してから所定期間以上経過しても退室しない場合、トイレや浴室内で異常が発生した可能性があると考えられる。第9の手段によれば、こうした異常を把握できる。したがって、他のユーザに異常の発生をいち早く報知することもできる。
【0026】
第10の手段では、前記建物に設けられた寝室の出入口に前記通過位置が設定されており、
前記通過方向判定手段によるユーザ通過方向の判定結果と、前記計時手段による計測時間とに基づいて、ユーザが就寝したか否か判定し、その判定結果に応じて前記寝室内の設備を制御する。
【0027】
例えば、ユーザが寝室で就寝した場合に寝室の設備(照明器具、エアコン等)を就寝モードに切り替えることで、ユーザに対して快適な環境を提供しつつ省エネルギ効果を得ることが可能となる。
【0028】
第11の手段では、ユーザによる入力操作が可能な入力操作手段(操作部63)と、
前記入力操作手段による入力データを基に、前記履物を着用しているユーザを特定する手段(コントローラ61)とを備える。
【0029】
上記構成によれば、入力操作手段に対する所定の入力操作が行われることで、例えば履物ごとに着用者が登録される。この場合、履物を着用しているユーザ個人が特定されることで、そのユーザ個人を対象として行動を容易に把握することができる。
【0030】
第12の手段では、前記履物と着用者とがあらかじめ対応付けられ、かつ前記情報記憶部には、着用者を特定するための個人情報が記憶されており、前記情報検知装置は、前記左右一対の履物が接近又は接触した場合に同履物の個人情報を検出する通過検出システムであり、
前記情報検知装置にて検出した個人情報に基づいて、前記履物を着用しているユーザを特定する手段を備える。
【0031】
上記構成によれば、ユーザが通路部の通過位置を通過する際、履物の識別情報に加えて、着用者を特定するための個人情報が検出される。そして、その個人情報に基づいて、履物を着用しているユーザが特定される。このため、ユーザ個人を特定しつつ、そのユーザ個人の行動を把握することができる。
【0032】
第13の手段では、ユーザごとにスケジュール情報が記憶されている記憶手段(コントローラ61)と、
前記通過方向判定手段によるユーザ通過方向の判定結果と、前記記憶手段に記憶されているスケジュール情報の内容とを照合し、それらに不整合がある場合に警告処理を実行する警告手段(コントローラ61)とを備える。
【0033】
上記構成によれば、ユーザがスケジュール通りに行動しているか又はしていないかを把握できる。そして、スケジュール通りでない場合には、ユーザ当人(又は他のユーザ)に対して警告が行われることで、スケジュール通りでないことをいち早く気付かせることができる。ここで、ユーザは、単に履物を着用して行動することで、スケジュール情報を把握することが可能となる。
【0034】
第14の手段では、ユーザの通路経路に沿って設けられる複数の人検知手段(人感センサ85)と、
前記複数の人検知手段による検知結果を基に、前記通過方向判定手段によるユーザ通過方向の判定結果を有効又は無効とする手段(コントローラ61)と
を備える。
【0035】
上記のように左右一対の履物ごとに個別の識別情報が付与され、その識別情報に基づいてユーザの通過方向を検出する場合、履物が左右逆に着用されると、ユーザの通過方向が逆向きに誤検出されることが懸念される。この点、上記のように複数の人検知手段による検知結果を基にユーザ通過方向の判定結果を有効又は無効とする構成によれば、仮に履物が左右逆に着用されていても、それが適宜把握できる。したがって、ユーザ通過方向の検出精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、二階建て住宅について具体化しており、その住宅についての詳細を以下に説明する。図1は、二階建て住宅における各階の間取り例を示す図である。
【0037】
図1に示すように、住宅としての建物10は、一階部分10aと二階部分10bとを有しており、一階部分10aには、主な屋内スペースとして、玄関11、廊下12、和室13、リビング14、ダイニング15、キッチン16、洗面室17、トイレ18及び浴室19が設けられている。また、二階部分10bには、主な屋内スペースとして、階段ホール21、主寝室22、子供部屋23,24、トイレ25が設けられている。
【0038】
玄関11には玄関出入口11aが形成されており、ユーザは玄関出入口11aを通じて玄関11と屋外との出入りを行うことができる。玄関11の奥側には廊下12が隣接しており、ユーザが外出又は帰宅する際に玄関出入口11aを通過するとともに廊下12を通過することになる。また、和室13やリビング14などの各部屋にはそれぞれ部屋出入口が設けられている。部屋出入口は各部屋の通路部であって、ユーザは部屋出入口を通行することで各部屋に対して出入りすることが可能となっている。
【0039】
例えば、洗面室17には洗面室出入口17aが設けられている。洗面室17の奥側には浴室が隣接しており、洗面室17と浴室19とは出入りが可能な構成となっている。したがって、洗面室出入口17aを通じて洗面室17や浴室19に対するユーザの出入りが可能となっている。同様に、一階のトイレ18にはトイレ出入口18aが設けられており、二階のトイレ25にはトイレ出入口25aが設けられている。また、主寝室22には主寝室出入口22aが設けられている。
【0040】
本実施形態では、建物10において、ユーザの行動を把握するためにユーザの通過方向を検出するユーザ通過検出システムが構築されている。通過検出システムは、左右一対のスリッパ51のそれぞれに設けられたICチップ54と、各ICチップ54に記憶されているID情報を個別に検出する検出センサ41とを備えている。
【0041】
まず、ICチップ54について、図2を参照しつつ説明する。図2は、検出センサ41及びスリッパ51の構成を示す図である。
【0042】
図2(b)に示すように、ICチップ54はスリッパ51に設けられており、スリッパ51は、「右用」などの目印が設けられている右用スリッパ52と、「左用」などの目印が設けられている左用スリッパ53とにより構成されている。右用スリッパ52はユーザの右足に着用されるものであり、左用スリッパ53はユーザの左足に着用されるものである。
【0043】
ICチップ54は、右用スリッパ52に設けられている右用ICチップ55と、左用スリッパ53に設けられている左用ICチップ56とにより構成されている。右用ICチップ55には、右用ID情報が記憶されており、左用ICチップ56には、右用ID情報とは異なる左用ID情報が記憶されている。なお、右用ICチップ55及び左用ICチップ56は、右用スリッパ52及び左用スリッパ53のそれぞれの底部に取り付けられており、各ICチップ55,56と床面との間にユーザの足(足の甲)が存在しないようになっている。
【0044】
次に、検出センサ41について説明する。
【0045】
図1に示すように、洗面室出入口17a、トイレ出入口18a,25a、主寝室出入口22a等の部屋出入口には、スリッパ51のID情報を検出する検出位置42がユーザの通過位置としてあらかじめ定められている。検出位置42は、廊下12における玄関11寄りの位置にも定められている。また、図2(a)に示すように、検出位置42には検出センサ41が設けられており、検出センサ41は、横並びに配置されている右センサ部45と左センサ部46とを有している。部屋出入口では、ユーザが室外から室内を見て右側に右センサ部45が配置され、左側に左センサ部46が配置されている。同様に、廊下12では、ユーザが玄関11(屋外側)から廊下12(屋内側)を見て右側に右センサ部45が配置され、左側に左センサ部46が配置されている。
【0046】
右センサ部45及び左センサ部46は、ICチップ54との無線通信を行うことが可能であり、ICチップ54と接近又は接触した場合にID情報を検出することが可能になっている。右センサ部45及び左センサ部46は、それぞれ個別に検出エリアを有しており、左右の各スリッパ52,53のICチップ54がそれぞれ検出エリアに進入することがICチップ54と接近又は接触したことになる。右センサ部45が有する検出エリアと左センサ部46が有する検出エリアとは、検出位置42における床面をユーザ通行方向に対して直交する方向に並んでおり、その床面を左右に2分割している。
【0047】
右センサ部45及び左センサ部46は、部屋出入口や廊下12の床面に埋め込まれており、その床面上に突出しないようになっている。したがって、ユーザが部屋出入口や廊下12を通行する際にその支障とならないようになっている。また、各センサ部45,46は、ユーザの通行方向への長さが歩幅よりも大きくなっており、ユーザは、検出位置42を通行する際に各センサ部45,46を右足又は左足で踏むようになっている。
【0048】
したがって、部屋出入口の検出位置42において、右センサ部45が右足で踏まれるとともに左センサ部46が左足で踏まれた場合、すなわち右センサ部45が右用スリッパ52で踏まれて左センサ部46が左用スリッパ53で踏まれた場合、ユーザが入室したことになる。同様に、右センサ部45が左用スリッパ53で踏まれるとともに左センサ部46が右用スリッパ52で踏まれた場合、ユーザが退室したことになる。また、廊下12の検出位置42において、玄関11から廊下12に進むことを帰宅とし、廊下12から玄関11に進むことを外出とすれば、右センサ部45が右用スリッパ52で踏まれるとともに左センサ部46が左用スリッパ53で踏まれた場合、ユーザが帰宅したことになり、右センサ部45が左用スリッパ53で踏まれるとともに左センサ部46が右用スリッパ52で踏まれた場合、ユーザが外出したことになる。
【0049】
ここで、例えば、右用スリッパ52で右センサ部45が踏まれた場合、右用ID情報が右センサ部45により検出され、同じく右用スリッパ52で左センサ部46が踏まれた場合、右用ID情報が左センサ部46により検出される。また、左用スリッパ53で右センサ部45が踏まれた場合、左用ID情報が右センサ部45により検出され、同じく左用スリッパ53で左センサ部46が踏まれた場合、左用ID情報は左センサ部46により検出される。したがって、右センサ部45及び右センサ部45のいずれにより、右用ID情報及び左用ID情報のいずれが検出されたかによって、通過方向を特定することが可能となる。
【0050】
次に、ユーザ検出システムの電気的な構成について、図3を参照しつつ説明する。
【0051】
図3に示すように、検出センサ41にはコントローラ61が接続されている。コントローラ61は、CPUや各種メモリ等からなるマイクロコンピュータ62(以下、マイコン62という)と、ユーザによる操作が可能な操作部63と、ユーザ検出システムに関する情報が表示される表示部64とを有している。操作部63に対して操作が行われることで、ユーザ検出システムの内容を設定したり、表示部64の表示内容を変更したりすることができる。
【0052】
コントローラ61に対しては、検出センサ41から各種信号が出力されるようになっている。例えば、右センサ部45及び左センサ部46の一方により右用ICチップ55の右用ID情報が検出された場合、検出センサ41から右用ID検出信号が出力される。そして、右用ID情報を検出したセンサ部が右センサ部45である場合、右用ID検出信号と同時に右センサ信号が出力される。また、右用ID情報を検出したセンサ部が左センサ部46である場合、右用ID検出信号と同時に左センサ信号が出力される。
【0053】
これに対して、右センサ部45及び左センサ部46の一方により左用ICチップ56の左用ID情報が検出された場合、検出センサ41から左用ID検出信号が出力される。そして、左用ID情報を検出したセンサ部が右センサ部45である場合、左用ID検出信号と同時に右センサ信号が出力される。これに対して、左用ID情報を検出したセンサ部が左センサ部46である場合、左用ID検出信号と同時に左センサ信号が出力される。要は、左右いずれのスリッパで踏まれたかを示すID検出信号と、左右いずれのセンサ部でID情報を検出したかを示す検出位置信号とが同時に出力される。
【0054】
ここで、検出センサ41からコントローラ61に対して、右用ID検出信号と右センサ信号とが同時に出力されるとともに、左用ID検出信号と左センサ信号とが同時に出力された場合は、右用スリッパ52で右センサ部45が踏まれるとともに左用スリッパ53で左センサ部46が踏まれた場合である。したがって、部屋出入口の検出位置42であればユーザが入室したことになり、廊下12の検出位置42であればユーザが帰宅したことになる。また、右用ID検出信号と左センサ信号とが同時に出力されるとともに、左用ID検出信号と右センサ信号とが同時に出力された場合は、右用スリッパ52で左センサ部46が踏まれるとともに左用スリッパ53で右センサ部45が踏まれた場合である。したがって、部屋出入口の検出位置42であればユーザが退室したことになり、廊下12の検出位置42であればユーザが外出したことになる。
【0055】
コントローラ61には、建物設備71が接続されており、建物設備71には、リビング設備72、トイレ設備73、浴室設備74、寝室設備75等が含まれている。そして、コントローラ61から建物設備71に対して制御信号が出力されることで、各設備72〜75の動作制御が行われるようになっている。
【0056】
例えば、リビング設備72には、リビング14に設けられている空調設備や電話装置等が含まれており、制御信号に応じて、それら空調設備や電話装置が待機モード又は動作モードに切り替えられるようになっている。なお、待機モードは省エネ効果を得ることができるモードである。また、トイレ設備73には、トイレ18,25に設けられている照明装置や便座に取り付けられているヒータ等が含まれており、制御信号に応じて、照明装置やヒータがON又はOFFに切り替えられるようになっている。さらに、浴室設備74には、浴室19に設けられたシャワー設備等が含まれており、制御信号に応じて、シャワーの放出強度や湯の温度が調節されるようになっている。そして、寝室設備75には、主寝室22に設けられている照明設備等が含まれており、制御信号に応じて、照明の明るさの調節や照明装置のON又はOFFの切り替えることで活動モード又は就寝モードに切り替えられるようになっている。なお、就寝モードは、ユーザの就寝を妨げることがないモードであるとともに省エネ効果を得ることができるモードである。
【0057】
次いで、コントローラ61において実行されるユーザ検出処理について、図4のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0058】
図4において、ステップS101では、検出センサ41からの各種信号が入力されたか否かを判定する。各種信号が入力された場合、ステップS102に進み、入力された信号に基づいて、ユーザが入室又は帰宅したか否かを判定する。ここでは、右用ID検出信号と右センサ信号とが同時に入力され、且つ左用ID検出信号と左センサ信号とが同時に入力された場合に、ユーザが入室又は帰宅したと判定する。この場合、ステップS103に進み、ユーザの入室時刻又は帰宅時刻を記憶する等の入室又は帰宅処理を行う。
【0059】
例えば、トイレ出入口18a,25aの検出位置42においてユーザが入室したと判定した場合、入室処理として、トイレ設備73に対して制御信号を出力し、トイレ18,25の照明装置やヒータをONに切り替える。また、洗面室出入口17aにおいてユーザが入室したと判定した場合、ユーザが浴室19に入室したことを想定して浴室設備74に対して制御信号を出力し、シャワーの放出強度や湯の温度を適正に調節する。さらに、廊下12の検出位置42においてユーザが帰宅したと判定した場合、ユーザが帰宅したことを想定して例えばリビング設備72に対して制御信号を出力し、リビング14の空調設備や電話装置を動作モードに切り替える。
【0060】
続くステップS104では、待機モードに移行し、入室時刻又は帰宅時刻に基づいて入室後又は帰宅後の経過期間を計測する。
【0061】
一方、ユーザが入室又は帰宅していないと判定された場合(ステップS102がNO判定)、ステップS105に進み、ユーザが退室又は外出したか否かを判定する。ここでは、右用ID検出信号と左センサ信号とが同時に入力され、且つ左用ID検出信号と右センサ信号とが同時に入力された場合に、ユーザが退室又は外出したと判定する。この場合、ステップS106に進み、ユーザの退室時刻又は外出時刻を記憶する等の退室又は外出処理を行う。例えば、トイレ出入口18a,25aの検出位置においてユーザが退室したと判定した場合、退室処理として、トイレ設備73に対して制御信号を出力し、トイレ18,25の照明装置やヒータをOFFに切り替える。
【0062】
続くステップS104では、待機モードに移行し、退室時刻又は外出時刻に基づいて退室後又は外出後の経過期間を計測する。
【0063】
また、検出センサ41からの各種信号が入力されていない場合(ステップS101がNO判定)、ステップS104にて待機モードに移行し、入室後又は帰宅後の経過期間や退室後又は外出後の経過期間の計測を継続して行う。そして、その経過期間が所定期間に達した場合は、経過処理を行う。
【0064】
例えば、トイレ出入口18a,25aや洗面室出入口17aの検出位置42において入室後の経過期間が所定期間に達した場合は、その旨を示す情報を表示部64に表示させることで報知する。この場合、例えばトイレ18,25や浴室19でユーザに異常が発生した可能性があることを他のユーザに報知することが可能となる。また、主寝室出入口22aの検出位置において入室後の経過期間が所定期間に達した場合は、ユーザが就寝したことを想定して寝室設備75に制御信号を出力し、寝室設備75を就寝モードに切り替える。これにより、就寝に適した環境をユーザに提供しつつ、省エネルギ効果を得ることが可能となる。さらに、廊下12の検出位置42において外出後の経過期間が所定期間に達した場合は、ユーザが外出したことを想定して例えばリビング設備72に対して制御信号を出力し、リビング14の空調設備や電話装置を待機モードに切り替える。これにより、省エネルギ効果を得ることが可能となる。
【0065】
次いで、検出センサ41から各種信号が入力されていて(ステップS101がNO判定)、且つユーザが入退室や外出帰宅していないと判定された場合(ステップS102及びS105がNO判定)、ステップS107に進み、エラー処理を行う。例えば、右用ID検出信号と右センサ信号とが同時に入力され、且つ左用ID検出信号と右センサ信号とが同時に入力された場合は、右用スリッパ52及び左用スリッパ53の両方で右センサ部45が踏まれたことになるため、ユーザの入退室や帰宅外出を特定することができない。この場合、エラー処理として、ユーザの入退室や帰宅外出を特定することができない旨の情報を表示部64に表示させる。
【0066】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0067】
ユーザが検出位置42を通過した場合、検出センサ41からコントローラ61に対して、左右いずれのスリッパで踏まれたかを示すID検出信号と、左右いずれのセンサ部でID情報を検出したかを示す検出位置信号とが同時に出力される。この場合、スリッパ51により踏まれた位置と、踏んだスリッパ51に対応したID情報とが、右用スリッパ52及び左用スリッパ53のそれぞれに対して個別に検出されることになる。ユーザの通過方向を判定することができ、さらにはその通過方向に基づいてユーザの行き先を把握することができる。
【0068】
また、ID情報を記憶しているICチップ54がスリッパ51に設けられているため、ユーザにとっては単にスリッパ51を着用することがICチップ54を身に付けることになる。したがって、意識的にICチップ54を持ち歩くといった煩わしさを生じさせることなく、ユーザの行き先を把握することが可能となる。
【0069】
以上の結果、ユーザに負担をかけることなくユーザの行動を容易に把握することができる。
【0070】
右センサ部45が有する検出エリアと左センサ部46が有する検出エリアとは、検出位置42における床面をユーザ通行方向に対して直交する方向に並んでおり、その床面を左右に2分割している。このため、単にユーザが検出位置42を通過することで、検出センサ41を両足で踏むことになり、右センサ部45及び左センサ部46により、右用ICチップ55及び左用ICチップ56からそれぞれ個別に右用ID情報及び左用ID情報とを検出することができる。
【0071】
洗面室出入口17a、トイレ出入口18a,25a、主寝室出入口22aが検出位置42として定められているため、ユーザの通過方向を判定することでユーザの入退室を把握することができる。また、廊下12における玄関11寄りに検出位置42が定められているため、ユーザの通過方向を判定することでユーザの外出及び帰宅を把握することができる。
【0072】
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
【0073】
・上記実施形態では、右センサ部45及び左センサ部46は、検出位置42の床面に埋め込まれているが、検出位置42に形成されている壁の床面近くに設けられていてもよい。例えば、図5(a)に示すように、一部に検出位置42が定められている廊下12において、右センサ部45と左センサ部46とが対向するようにそれぞれ壁81に設けられている構成とする。この場合、右センサ部45と左センサ部46とは、右センサ部45の検出エリアS1と左センサ部46の検出エリアS2とがそれぞれ床近傍空間をユーザ通行方向(廊下12が延びている方向)に2分割するように配置されている。したがって、右センサ部45及び左センサ部46が壁に設けられている構成でも、ユーザに負担をかけることなくユーザの行動を容易に把握することができる。
【0074】
・左右一対のスリッパ51の着用状態が検出される構成としてもよい。例えば、図5(b)に示すように、複数の人感センサ85が廊下12の長手方向に沿って設けられている構成とする。各人感センサ85は、コントローラ61と電気的に接続されており、ユーザを検知した場合にコントローラ61に対して検知信号を出力するようになっている。そして、コントローラ61では、各人感センサ85から検知信号が入力された順序に基づいて、廊下12でのユーザの通過方向が判定される。
【0075】
また、コントローラ61では、検出センサ41の検出結果に基づいて判定されたユーザの通過方向と、人感センサ85の検出結果に基づいて判定されたユーザの通過方向とが同方向になるか否かの判定が行われる。判定の結果、各通過方向が同方向となった場合、検出センサ41の検出結果に基づいたユーザの通過方向は有効とされ、各通過方向が異方向(逆方向)となった場合、検出センサ41の検出結果に基づいたユーザの通過方向は無効とされる。これは、各通過方向が同方向にならなければ、ユーザが右用スリッパ52及び左用スリッパ53を左右反対に着用していることになるためである。これにより、ユーザ通過方向の検出精度を高めることができる。
【0076】
・上記実施形態では、検出センサ41が2つのセンサ部45,46を有しているが、3つ以上のセンサ部を有していてもよい。例えば、図6(a)に示すように、検出センサ41が4つのセンサ部として、第1センサ部91、第2センサ部92、第3センサ部93及び第4センサ部94を有する構成とする。各センサ部91〜94は、それぞれ検出位置42に設置されており、廊下12が延びている方向に直交して並んでいる。各センサ部91〜94は、それぞれが有する検出エリアにより廊下12の床面をユーザ通行方向に直交する方向に4分割している。この場合、各センサ部91〜94は相互の位置関係が常に一定であるため、ユーザが検出位置42を通過する際にセンサ部91〜94のうち2つが踏まれると、それら踏まれたセンサ部の左右の位置関係に基づいてユーザの通過方向が判定される。したがって、隣り合う2つのセンサ部が左右の足でそれぞれ踏まれた場合だけでなく、離間する2つのセンサ部が左右の足でそれぞれ踏まれた場合でも、ユーザの通過方向を特定することができる。
【0077】
例えば、図6(a)に示すように、第1センサ部91(例えばA1の部分)が右足で踏まれるとともに第2センサ部92(例えばA2の部分)が左足で踏まれた場合、図における左から右に向かう方向にユーザが通過したと特定することができる。また、図6(b)に示すように、第1センサ部91(例えばB1の部分)が右足で踏まれるとともに第3センサ部93(例えばB2の部分)が左足で踏まれた場合も、図における左から右に向かう方向にユーザが通過したと特定することができる。
【0078】
・検出位置42は階段に定められていてもよい。この場合、検出位置42におけるユーザの通過方向を判定することで、階段でのユーザの登り下りを特定することができる。したがって、ユーザの行き先を一階部分10a又は二階部分10bとして推定することができる。
【0079】
・上記実施形態において、検出位置42は、洗面室出入口17a、トイレ出入口18a,25a、主寝室出入口22a、廊下12に定められているが、他の部屋の部屋出入口に設けられていてもよい。また、玄関出入口11aに設けられていてもよい。検出位置42が玄関出入口11aに定められている場合、ユーザに着用されている左右一対の靴の左右に左用ICチップ56及び右用ICチップ55がそれぞれ取り付けられていれば、玄関出入口11aでのユーザの通過方向を判定することができる。これにより、ユーザの外出や帰宅をより確実に把握することができる。
【0080】
・上記実施形態では、廊下12における玄関11寄りの位置に検出位置42が定められているが、廊下12における複数の部屋の間に検出位置42が定められていてもよい。例えば、廊下12におけるリビング14やトイレ18の間に検出位置42が定められている構成とする。この場合、ユーザがリビング14やトイレ18を行き来したりする場合に、そのユーザの行き来を把握することができる。これにより、ユーザの行き先がリビング14又はトイレ18であると推定することが可能となる。
【0081】
・コントローラ61に、スリッパ51とユーザとがあらかじめ対応付けて登録されていてもよい。例えば、ユーザが操作部63を操作することで、ユーザとユーザが着用するスリッパ51のID情報とが対応付けてコントローラ61に登録され、スリッパ51ごとに着用者が特定される構成とする。これにより、スリッパ51を着用しているユーザ個人を特定することができ、さらには、そのユーザ個人を対象として行動を容易に把握することができる。
【0082】
・コントローラ61に、ユーザのスケジュール情報が記憶されていてもよい。例えば、ユーザが操作部63を操作することでユーザのスケジュール情報が記憶される構成とする。そして、検出センサ41の検出結果に基づいて取得されたユーザの行動と、スケジュール情報に含まれているユーザの行動予定とが異なる場合、警告手段によりユーザに対して警告が発せられる。この場合、表示部64を警告手段とし、表示部64に報知内容が表示されることでユーザに対して警告が発せられてもよく、振動可能な振動部を警告手段とするとともに振動部をスリッパ51に設け、振動部を振動させることでユーザに対して警告が発せられてもよい。これにより、ユーザは単にスリッパ51を着用して行動することで、スケジュール情報を把握することが可能となる。
【0083】
・上記実施形態では、スリッパ51(ICチップ54)の位置が、2つのセンサ部(右センサ部45及び左センサ部46)により検出される構成としたが、1つのセンサ部により検出される構成としてもよい。例えば、センサ部を超音波センサにより構成し、スリッパ51の位置を正確に検出するようにする。
【0084】
・上記実施形態では、右センサ部45と左センサ部46とが横並びで配置されているが、それらセンサ部45,46は前後にずれて配置されていてもよい。この場合でも、右センサ部45及び左センサ部46がユーザにより踏まれることでユーザの行動を把握することができる。
【0085】
・上記実施形態では、右センサ部45と左センサ部46とが床を左右に分割するように配置されているが、床の一部分に配置されていてもよい。この場合でも、右センサ部45及び左センサ部46がユーザにより踏まれることでユーザの行動を把握することができる。
【0086】
・上記実施形態では、スリッパ51にICチップ54が設けられている構成としたが、スリッパ51にRF−IDタグが設けられている構成としてもよい。また、スリッパ51に2次元バーコードが設けられている構成としてもよい。これらの場合、検出センサ41において、右センサ部45及び左センサ部46を、RF−IDタグや2次元バーコードが有する情報を検出することができる構成とすることで、上記実施形態と同様に、ユーザに負担をかけることなくユーザの行動を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本実施形態における二階建て住宅の各階の間取り例を示す図。
【図2】検出センサ及びスリッパの構成を示す図。
【図3】ユーザ検出システムの電気的な構成を示すブロック図。
【図4】コントローラにおいて実行されるユーザ検出処理を示すフローチャート。
【図5】別の廊下の構成を示す概略図。
【図6】別の廊下の構成を示す概略図。
【符号の説明】
【0088】
10…建物、12…廊下、17a…洗面室出入口、18…トイレ、18a…トイレ出入口、22…主寝室、22a…主寝室出入口、25…トイレ、25a…トイレ出入口、41…検出センサ、45…右センサ部、46…左センサ部、51…スリッパ、52…右用スリッパ、53…左用スリッパ、54…ICチップ、55…右用ICチップ、56…左用ICチップ、61…コントローラ、63…操作部、64…表示部、81…壁、85…人感センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに着用される左右一対の履物のそれぞれに設けられ、各々異なる識別情報を記憶する情報記憶部と、
ユーザが通過する通過位置に設けられ、前記左右一対の履物が接近又は接触した場合に、それら各履物における情報記憶部の識別情報を個別に検出する情報検出装置と、
前記情報検出装置にて識別情報を検出した場合に、前記通過位置における前記左右一対の履物の相対位置を判定する位置判定手段と、
前記情報検出装置にて検出した識別情報と、前記位置判定手段により判定した前記通過位置における履物の相対位置とに基づいて、前記通過位置におけるユーザの通過方向を判定する通過方向判定手段と、
を備えることを特徴とするユーザ通過検出システム。
【請求項2】
前記情報検出装置は、前記通過位置においてユーザ通行方向に直交する方向に複数の検出エリアが設定されてなる検出部を有しており、
前記位置判定手段は、前記検出部のどの検出エリアで各履物の識別情報が検出されたかによって前記左右一対の履物の相対位置を判定することを特徴とする請求項1に記載のユーザ通過検出システム。
【請求項3】
前記検出部は、前記通過位置の床に設けられ、該通過位置における床面をユーザ通行方向に直交する方向に分割して前記複数の検出エリアが設定されていることを特徴とする請求項2に記載のユーザ通過検出システム。
【請求項4】
前記検出部は、前記通過位置の両側の各壁部にそれぞれ設けられ、該通過位置の床近傍空間をユーザ通行方向に直交する方向に分割して前記複数の検出エリアが設定されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のユーザ通過検出システム。
【請求項5】
複数の部屋に通じる細長い通路空間部を有する建物に適用され、
前記通路空間部の一部に前記通過位置が設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のユーザ通過検出システム。
【請求項6】
建物の出入口、及び該建物に形成された部屋の出入口の少なくとも一方に前記通過位置が設定されていることを特徴とする手段1乃至5のいずれか1項に記載のユーザ通過検出システム。
【請求項7】
前記通過方向判定手段により前記ユーザの通過方向を判定してからの経過時間を計測する計時手段を備え、
前記計時手段による計測時間に基づいてユーザの行動を推定することを特徴とする請求項6に記載のユーザ通過検出システム。
【請求項8】
建物の出入口に前記通過位置が設定されており、
前記通過方向判定手段によるユーザ通過方向の判定結果と、前記計時手段による計測時間とに基づいて、ユーザが外出したか又は帰着したか判定し、その判定結果に応じて前記建物内の設備を制御することを特徴とする請求項7に記載のユーザ通過検出システム。
【請求項9】
前記建物に設けられたトイレ又は浴室の出入口に前記通過位置が設定されており、
前記通過方向判定手段によるユーザ通過方向の判定結果と、前記計時手段による計測時間とに基づいて、前記トイレ又は浴室内でのユーザの異常の有無を判定することを特徴とする請求項7又は8に記載のユーザ通過検出システム。
【請求項10】
前記建物に設けられた寝室の出入口に前記通過位置が設定されており、
前記通過方向判定手段によるユーザ通過方向の判定結果と、前記計時手段による計測時間とに基づいて、ユーザが就寝したか否か判定し、その判定結果に応じて前記寝室内の設備を制御することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載のユーザ通過検出システム。
【請求項11】
ユーザによる入力操作が可能な入力操作手段と、
前記入力操作手段による入力データを基に、前記履物を着用しているユーザを特定する手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のユーザ通過検出システム。
【請求項12】
前記履物と着用者とがあらかじめ対応付けられ、かつ前記情報記憶部には、着用者を特定するための個人情報が記憶されており、前記情報検出装置は、前記左右一対の履物が接近又は接触した場合に同履物の個人情報を検出する通過検出システムであり、
前記情報検出装置にて検出した個人情報に基づいて、前記履物を着用しているユーザを特定する手段を備えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のユーザ通過検出システム。
【請求項13】
ユーザごとにスケジュール情報が記憶されている記憶手段と、
前記通過方向判定手段によるユーザ通過方向の判定結果と、前記記憶手段に記憶されているスケジュール情報の内容とを照合し、それらに不整合がある場合に警告処理を実行する警告手段と
を備えることを特徴とする請求項11又は12に記載のユーザ通過検出システム。
【請求項14】
ユーザの通路経路に沿って設けられる複数の人検知手段と、
前記複数の人検知手段による検知結果を基に、前記通過方向判定手段によるユーザ通過方向の判定結果を有効又は無効とする手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のユーザ通過検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−146295(P2009−146295A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−324891(P2007−324891)
【出願日】平成19年12月17日(2007.12.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】