【課題】 相異なる実装の著作権管理部を備えたユーザ機器間において，ライセンスを好適に返却制御することが可能なライセンス処理装置を提供すること。
【解決手段】
ライセンスを返却する返却コンポーネント２５を備え；返却コンポーネント２５は，第２の保存コンポーネント１２から，第２の記憶手段４０に保存されている貸出用ライセンス３０８を受信し，貸出用ライセンス３０８を評価して，貸出用ライセンス３０８の返却を許可／禁止し，貸出用ライセンス３０８の返却が許可された場合に，第１の保存コンポーネント１１から，第１の記憶手段１１１に保存されている，貸出用ライセンス３０８に対応する貸出元ライセンス３０７を受信し，貸出元ライセンス３０７に記述された貸出ステータスを更新し，更新された貸出元ライセンス３０７を，第１の保存コンポーネント１１に送信することを特徴とする，ライセンス処理装置が提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項１】
コンテンツの利用条件が記述されたライセンスを記憶手段に保存する保存コンポーネント間で，貸し出されていた前記ライセンスを返却する返却コンポーネントを備え，
前記返却コンポーネントは，
前記ライセンスを第２の記憶手段に保存する第２の保存コンポーネントから，前記第２の記憶手段に保存されている貸出用ライセンスを受信し，
前記貸出用ライセンスを評価して，前記貸出用ライセンスの返却を許可／禁止し，
前記貸出用ライセンスの返却が許可された場合に，前記ライセンスを第１の記憶手段に保存する第１の保存コンポーネントから，前記第１の記憶手段に保存されている，前記貸出用ライセンスに対応する貸出元ライセンスを受信し，
前記貸出元ライセンスに記述され，前記貸出元ライセンスに関する貸出状態を示す貸出ステータスを更新し，
前記貸出ステータスが更新された前記貸出元ライセンスを，前記第１の保存コンポーネントに送信することを特徴とする，ライセンス処理装置。
【請求項２】
前記返却コンポーネントは，
前記第２の保存コンポーネントから，前記貸出用ライセンスと，前記第２の保存コンポーネントと前記返却コンポーネントとの間における前記貸出用ライセンスの伝送タイプを表す第２の伝送タイプ識別情報と，前記第２の保存コンポーネントの属性を表す第２のコンポーネント属性情報とを含む第２のメッセージを受信し，前記第１の保存コンポーネントから，前記貸出元ライセンスと，前記第１の保存コンポーネントと前記返却コンポーネントとの間における前記貸出元ライセンスの伝送タイプを表す第１の伝送タイプ識別情報と，前記第１の保存コンポーネントの属性を表す第１のコンポーネント属性情報とを含む第１のメッセージを受信する，メッセージ受信部と；
前記第２のメッセージに含まれる前記第２の伝送タイプ識別情報および前記第２のコンポーネント属性情報に基づいて，前記貸出用ライセンスの処理を許可／禁止し，前記第１のメッセージに含まれる前記第１の伝送タイプ識別情報および前記第１のコンポーネント属性情報に基づいて，前記貸出元ライセンスの処理を許可／禁止するメッセージ検査部と；
前記貸出用ライセンスの処理が許可された場合に，前記貸出用ライセンスを評価して，前記貸出用ライセンスの返却を許可／禁止するライセンス評価部と；
前記貸出用ライセンスの返却が許可された場合に，前記貸出元ライセンスに記述された，前記貸出元ライセンスに関する貸出状態を示す貸出ステータスを更新するライセンス更新部と；
前記貸出ステータスが更新された前記貸出元ライセンスと，前記返却コンポーネントと前記第１の保存コンポーネントとの間における前記貸出ステータスが更新された前記貸出元ライセンスの伝送タイプを表す第３の伝送タイプ識別情報と，前記返却コンポーネントの属性を表す第３のコンポーネント属性情報とを含む第３のメッセージを作成するメッセージ作成部と；
前記第３のメッセージを，前記第１の保存コンポーネントに送信するメッセージ送信部と；
を備えることを特徴とする，請求項１に記載のライセンス処理装置。
【請求項３】
前記伝送タイプは，前記ライセンスの原本の伝送である転送，前記ライセンスの写本の伝送である提示，または，前記ライセンスの更新のための伝送である更新を含むことを特徴とする，請求項２に記載のライセンス処理装置。
【請求項４】
前記メッセージ検査部は，
前記第２の伝送タイプ識別情報が前記転送を表す場合に，前記貸出用ライセンスの処理を許可し，
前記第２の伝送タイプ識別情報が前記提示または前記更新を表す場合に，前記貸出用ライセンスの処理を禁止することを特徴とする，請求項３に記載のライセンス処理装置。
【請求項５】
前記メッセージ検査部は，
前記第１の伝送タイプ識別情報が前記更新を表す場合に，前記貸出元ライセンスの処理を許可し，
前記第１の伝送タイプ識別情報が前記転送または前記提示を表す場合に，前記貸出元ライセンスの処理を禁止することを特徴とする，請求項３に記載のライセンス処理装置。
【請求項６】
前記第３の伝送タイプ識別情報は，前記更新を表すことを特徴とする，請求項３に記載のライセンス処理装置。
【請求項７】
前記メッセージ検査部は，
前記メッセージ受信部によって受信されたメッセージに含まれるコンポーネント属性情報が，前記ライセンス処理コンポーネントのうち前記ライセンスを利用する利用コンポーネントの属性を表す場合に，当該メッセージに含まれる前記ライセンスの処理を禁止することを特徴とする，請求項２に記載のライセンス処理装置。
【請求項８】
前記貸出用ライセンスは，
前記貸出元ライセンスに記述されたコンテンツ識別情報，
前記貸出元ライセンスに記述された再生条件，
前記貸出元ライセンスに記述された保存条件，及び／又は
前記貸出用ライセンスを返却するための返却条件
を含むことを特徴とする，請求項１に記載のライセンス処理装置。
【請求項９】
前記貸出元ライセンスと，前記貸出元ライセンスに基づき貸し出された前記貸出用ライセンスには，前記貸出用ライセンスの貸出時に同一の貸出ＩＤが記述されており，
前記返却コンポーネントは，前記貸出元ライセンスに記述された前記貸出ＩＤと，前記貸出用ライセンスに記述された前記貸出ＩＤとに基づいて，前記貸出元ライセンスと前記貸出用ライセンスとを照合することを特徴とする，請求項１に記載のライセンス処理装置。
【請求項１０】
前記ライセンスには，前記ライセンスを処理する処理単位に応じて部品化されたライセンス処理コンポーネントごとに前記コンテンツの利用条件が区分されて記述されており，
前記返却コンポーネントは，前記貸出用ライセンスのうち前記返却コンポーネントに対応する区分に記述された返却条件を評価して，前記貸出用ライセンスの返却を許可／禁止することを特徴とする，請求項１に記載のライセンス処理装置。
【請求項１１】
前記返却コンポーネントは，前記第２の保存コンポーネントから，前記第２の記憶手段に保存されている前記貸出用ライセンスの原本を受信することを特徴とする，請求項１に記載のライセンス処理装置。
【請求項１２】
前記第２の保存コンポーネントは，前記第２の記憶手段に保存されている前記貸出用ライセンスを読み出して前記返却コンポーネントに送信した後に，前記第２の記憶手段に保存されている前記貸出用ライセンスを無効化することを特徴とする，請求項１に記載のライセンス処理装置。
【請求項１３】
前記第１の保存コンポーネントは，前記返却コンポーネントから，前記貸出ステータスが更新された前記貸出元ライセンスを受信し，前記第１の記憶手段に保存されている前記貸出元ライセンスを，前記貸出ステータスが更新された前記貸出元ライセンスに書き換えることを特徴とする，請求項１に記載のライセンス処理装置。
【請求項１４】
前記第１の保存コンポーネントは，
前記貸出ステータスが更新された前記貸出元ライセンスに記述された保存条件を評価して，前記第１の記憶手段に対する前記貸出ステータスが更新された前記貸出元ライセンスの保存を制御することを特徴とする，請求項１３に記載のライセンス処理装置。
【請求項１５】
前記第１の保存コンポーネント及び／又は第２の保存コンポーネントは，前記返却コンポーネントを備えた前記ライセンス処理装置に設けられることを特徴とする，請求項１に記載のライセンス処理装置。
【請求項１６】
前記第１の保存コンポーネント及び／又は第２の保存コンポーネントは，前記返却コンポーネントを備えた前記ライセンス処理装置に対して接続された他のライセンス処理装置に設けられることを特徴とする，請求項１に記載のライセンス処理装置。
【請求項１７】
コンピュータを：
コンテンツの利用条件が記述されたライセンスを第２の記憶手段に保存する第２の保存コンポーネントから，前記第２の記憶手段に保存されている貸出用ライセンスを受信し，
前記貸出用ライセンスを評価して，前記貸出用ライセンスの返却を許可／禁止し，
前記貸出用ライセンスの返却が許可された場合に，前記ライセンスを第１の記憶手段に保存する第１の保存コンポーネントから，前記第１の記憶手段に保存されている，前記貸出用ライセンスに対応する貸出元ライセンスを受信し，
前記貸出元ライセンスに記述され，前記貸出元ライセンスに関する貸出状態を示す貸出ステータスを更新し，
前記貸出ステータスが更新された前記貸出元ライセンスを，前記第１の保存コンポーネントに送信する返却コンポーネント；
として機能させることを特徴とする，プログラム。
【請求項１８】
前記返却コンポーネントは，
前記第２の保存コンポーネントから，前記貸出用ライセンスと，前記第２の保存コンポーネントと前記返却コンポーネントとの間における前記貸出用ライセンスの伝送タイプを表す第２の伝送タイプ識別情報と，前記第２の保存コンポーネントの属性を表す第２のコンポーネント属性情報とを含む第２のメッセージを受信し，前記第１の保存コンポーネントから，前記貸出元ライセンスと，前記第１の保存コンポーネントと前記返却コンポーネントとの間における前記貸出元ライセンスの伝送タイプを表す第１の伝送タイプ識別情報と，前記第１の保存コンポーネントの属性を表す第１のコンポーネント属性情報とを含む第１のメッセージを受信する，メッセージ受信部と；
前記第２のメッセージに含まれる前記第２の伝送タイプ識別情報および前記第２のコンポーネント属性情報に基づいて，前記貸出用ライセンスの処理を許可／禁止し，前記第１のメッセージに含まれる前記第１の伝送タイプ識別情報および前記第１のコンポーネント属性情報に基づいて，前記貸出元ライセンスの処理を許可／禁止するメッセージ検査部と；
前記貸出用ライセンスの処理が許可された場合に，前記貸出用ライセンスを評価して，前記貸出用ライセンスの返却を許可／禁止するライセンス評価部と；
前記貸出用ライセンスの返却が許可された場合に，前記貸出元ライセンスに記述された，前記貸出元ライセンスに関する貸出状態を示す貸出ステータスを更新するライセンス更新部と；
前記貸出ステータスが更新された前記貸出元ライセンスと，前記返却コンポーネントと前記第１の保存コンポーネントとの間における前記貸出ステータスが更新された前記貸出元ライセンスの伝送タイプを表す第３の伝送タイプ識別情報と，前記返却コンポーネントの属性を表す第３のコンポーネント属性情報とを含む第３のメッセージを作成するメッセージ作成部と；
前記第３のメッセージを，前記第１の保存コンポーネントに送信するメッセージ送信部と；
を備えることを特徴とする，請求項１７に記載のプログラム。
【請求項１９】
前記伝送タイプは，前記ライセンスの原本の伝送である転送，前記ライセンスの写本の伝送である提示，または，前記ライセンスの更新のための伝送である更新を含むことを特徴とする，請求項１８に記載のプログラム。
【請求項２０】
前記メッセージ検査部は，
前記第２の伝送タイプ識別情報が前記転送を表す場合に，前記貸出用ライセンスの処理を許可し，
前記第２の伝送タイプ識別情報が前記提示または前記更新を表す場合に，前記貸出用ライセンスの処理を禁止することを特徴とする，請求項１９に記載のプログラム。
【請求項２１】
前記メッセージ検査部は，
前記第１の伝送タイプ識別情報が前記更新を表す場合に，前記貸出元ライセンスの処理を許可し，
前記第１の伝送タイプ識別情報が前記転送または前記提示を表す場合に，前記貸出元ライセンスの処理を禁止することを特徴とする，請求項１９に記載のプログラム。
【請求項２２】
前記第３の伝送タイプ識別情報は，前記更新を表すことを特徴とする，請求項１９に記載のプログラム。
【請求項２３】
前記メッセージ検査部は，
前記メッセージ受信部によって受信されたメッセージに含まれるコンポーネント属性情報が，前記ライセンス処理コンポーネントのうち前記ライセンスを利用する利用コンポーネントの属性を表す場合に，当該メッセージに含まれる前記ライセンスの処理を禁止することを特徴とする，請求項１８に記載のプログラム。
【請求項２４】
前記貸出用ライセンスは，
前記貸出元ライセンスに記述されたコンテンツ識別情報，
前記貸出元ライセンスに記述された再生条件，
前記貸出元ライセンスに記述された保存条件，及び／又は
前記貸出用ライセンスを返却するための返却条件
を含むことを特徴とする，請求項１７に記載のプログラム。
【請求項２５】
前記貸出元ライセンスと，前記貸出元ライセンスに基づき貸し出された前記貸出用ライセンスには，前記貸出用ライセンスの貸出時に同一の貸出ＩＤが記述されており，
前記返却コンポーネントは，前記貸出元ライセンスに記述された前記貸出ＩＤと，前記貸出用ライセンスに記述された前記貸出ＩＤとに基づいて，前記貸出元ライセンスと前記貸出用ライセンスとを照合することを特徴とする，請求項１７に記載のプログラム。
【請求項２６】
前記ライセンスには，前記ライセンスを処理する処理単位に応じて部品化されたライセンス処理コンポーネントごとに前記コンテンツの利用条件が区分されて記述されており，
前記返却コンポーネントは，前記貸出用ライセンスのうち前記返却コンポーネントに対応する区分に記述された返却条件を評価して，前記貸出用ライセンスの返却を許可／禁止することを特徴とする，請求項１７に記載のプログラム。
【請求項２７】
前記返却コンポーネントは，前記第２の保存コンポーネントから，前記第２の記憶手段に保存されている前記貸出用ライセンスの原本を受信することを特徴とする，請求項１７に記載のプログラム。
【請求項２８】
前記第２の保存コンポーネントは，前記第２の記憶手段に保存されている前記貸出用ライセンスを読み出して前記返却コンポーネントに送信した後に，前記第２の記憶手段に保存されている前記貸出用ライセンスを無効化することを特徴とする，請求項１７に記載のプログラム。
【請求項２９】
前記第１の保存コンポーネントは，前記返却コンポーネントから，前記貸出ステータスが更新された前記貸出元ライセンスを受信し，前記第１の記憶手段に保存されている前記貸出元ライセンスを，前記貸出ステータスが更新された前記貸出元ライセンスに書き換えることを特徴とする，請求項１７に記載のプログラム。
【請求項３０】
前記第１の保存コンポーネントは，
前記貸出ステータスが更新された前記貸出元ライセンスに記述された保存条件を評価して，前記第１の記憶手段に対する前記貸出ステータスが更新された前記貸出元ライセンスの保存を制御することを特徴とする，請求項２９に記載のプログラム。
【請求項３１】
前記第１の保存コンポーネント及び／又は第２の保存コンポーネントは，前記返却コンポーネントを備えたライセンス処理装置に設けられることを特徴とする，請求項１７に記載のプログラム。
【請求項３２】
前記第１の保存コンポーネント及び／又は第２の保存コンポーネントは，前記返却コンポーネントを備えたライセンス処理装置に対して接続された他のライセンス処理装置に設けられることを特徴とする，請求項１７に記載のプログラム。
【請求項３３】
コンテンツの利用条件が記述されたライセンスを，第２の記憶手段から第１の記憶手段に返却するライセンス返却方法であって；
第２の保存コンポーネントによって，前記第２の記憶手段に保存されている貸出用ライセンスを読み出して，返却コンポーネントに送信するステップと；
前記返却コンポーネントによって，前記第２の保存コンポーネントから前記貸出用ライセンスを受信するステップと；
前記返却コンポーネントによって，前記貸出用ライセンスを評価して，前記貸出用ライセンスの返却を許可／禁止するステップと；
前記貸出用ライセンスの返却が許可された場合に，第１の保存コンポーネントによって，前記第１の記憶手段に保存されている，前記貸出用ライセンスに対応する貸出元ライセンスを読み出して，前記返却コンポーネントに送信するステップと；
前記返却コンポーネントによって，前記第１の保存コンポーネントから前記貸出元ライセンスを受信するステップと；
前記返却コンポーネントによって，前記貸出元ライセンスに記述され，前記貸出元ライセンスに関する貸出状態を示す貸出ステータスを更新するステップと；
前記返却コンポーネントによって，前記貸出ステータスが更新された前記貸出元ライセンスを，前記第１の保存コンポーネントに送信するステップと；
前記第１の保存コンポーネントによって，前記貸出ステータスが更新された前記貸出元ライセンスを受信するステップと；
前記第１の保存コンポーネントによって，前記第１の記憶手段に保存されている前記貸出元ライセンスを，前記貸出ステータスが更新された前記貸出元ライセンスに書き換えるステップと；
を含むことを特徴とする，ライセンス返却方法。

【図１】

【図２】

【図３】

【図４】

【図５】

【図６】

【図７】

【図８】

【図９】

【図１０】

【図１１】

【図１２】

【図１３】

【図１４】

【図１５】

【図１６】

【図１７】

【図１８】

【図１９】

【図２０】

【図２１】

【図２２】

【図２３】

【図２４】

【図２５】

【図２６】

【図２７】

【図２８】

【図２９】

【図３０】

【図３１】

【図３２Ａ】

【図３２Ｂ】

【図３３】

【図３４Ａ】

【図３４Ｂ】

【公開番号】特開２００６−８５４８４（Ｐ２００６−８５４８４Ａ）
【公開日】平成１８年３月３０日（２００６．３．３０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−２７０２９１（Ｐ２００４−２７０２９１）
【出願日】平成１６年９月１６日（２００４．９．１６）
【出願人】（０００００２１８５）ソニー株式会社 (34,172)
【Ｆターム（参考）】