説明

ライフルスコープ

【課題】
射撃に使用するライフルスコープは、観察する像を拡大縮小するためのズーミング装置や、レチクルを調整するための調整装置等、射撃の衝撃により狂いが生じやすく、正確な射撃をもたらすために様々な機構が考えられてきたが、充分満足できるものは無かった。
また、弾丸の種類によりその飛行軌跡は異なり、射撃主の勘と経験に依存するところが多かった。
【解決手段】
対物レンズ1によって生じた像を焦点面に設けたCCD撮像素子2により信号化し、レチ
クルパターンと共にモニター4に表示させる。弾丸のデータ、標的までの距離等により飛
行曲線を計算し、モニター上のレチクルパターンを移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銃に用いるライフルスコ−プに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のライフルスコープは、対物レンズ、正立レンズ及び接眼レンズを使用し、第1焦
点面又は第2焦点面にあるレチクルと目標物の像を、接眼レンズを通して観測してきた。
銃弾の飛行軌跡は放物線を描く為、目標物までの距離を推測し調整装置によりレチクルを
上下左右に調整し、射撃を行ってきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、目標物までの距離が正確に推測できたとしても、銃弾の飛行奇跡が放物線
を描く為、その弾道補正は射撃手の勘と経験に依存することとなる。この弾道補正を補助
するために弾道補正装置、調整ダイヤルなど、いくつかの方法を採られて来たが、個々の
銃の特性、弾丸の特性をカバーすることは出来なかった。
また、目標物までの距離によっては、レチクルと焦点像の間にズレが発生し、接眼レンズ
より観測する時、見る位置により照準位置にずれが発生する。このことがライフルスコー
プの精度を左右してきた。
また、正立像をもたらす為の正立レンズ、像を拡大するためのズーム構造、弾道補正のた
めの調整装置などが、射撃の強い衝撃の為に僅かな狂いが生じ、確実に標的を捕らえるこ
とを困難とさせていた。
そこでこの発明は、衝撃による狂い、標的まで距離、銃の特性、弾丸の種類に左右されず
弾道補正の出来るライフルスコープを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するために、第一発明は、全ての可動部分を無くすことを特徴とする
ライフルスコープである。
また、第二発明は、弾道補正の作業をモニター上で行うことを特徴とするライフルスコ
ープである。
【発明の効果】
【0005】
第一発明によれば、スコープ自身は可動部分の無い単純な構造である為、衝撃に対して
の狂いはまったく生じない。また、第二発明により銃の種類、弾丸の種類に関係無く的確
な弾道補正が出来る。
この実施形態によれば、ライフルスコープ本体は全く可動部が無いため、衝撃による狂
いは生じない。ズーミングもCCD画像のデジタルズームを行う為、ズーミングによる像
のずれは生じない。従来のライフルスコープでは、像をズーミングするのに銃より片手を
離さなければならなかったが、リモートコントロール装置を設けることで射撃姿勢のまま
像をズーミングすることが出来る。日暮れにおいても電気的な増幅により十分な明るさを
得ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この発明の一実施形態を、図1に示す。
ライフルスコープの本体部Aは対物レンズ1とCCD撮像素子2および電源、主回路部
3から構成され、完全水密である。モニター4を含む接眼部Bもまた完全水密であり、本
体部Aとは接続コード7を介して繋がっている。
接眼部Bは本体部Aより取り外しが可能で、接続コード7の範囲内で射撃手の見やすい位
置に装着できる。
基準データ操作、標的までの距離、風速等の変動データ及びモニター像のズーミングは、銃から手を離さずに操作できるリモートコントロール装置7のボタンにて行う。
【実施例】
【0007】
図1の実施形態では、本体部Aに電源、主回路を設定しているが、他の実施形態では、
電源、主回路を本体と分離し、本体を小型軽量化する方法でも良い。また、主回路に画像
の記憶メディアを取り付けることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の一実施形態を示す垂直断面図である。
【符号の説明】
【0009】
1. 対物レンズ
2. CCD撮像素子
3. 電源及び主回路
4. LCDモニター
5. 接眼レンズ
6. スコープマウント
7. 主回路−モニター接続コード
8. リモートコントロール装置
A. 本体部
B. 接眼部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CCD撮像素子を対物レンズ焦点面に使用し、モニターにて照準を合わせることを特徴とするライフルスコープ。
【請求項2】
照準を合わせるためのレチクルは、プログラムにてモニターに表示することを特徴とする請求項1記載のライフルスコープ。
【請求項3】
弾道補正については、記憶された弾丸のデータ、または3つの距離の実射データを入力することにより、弾道の放物曲線を計算し、目標物までの距離を入力することにより、モニター上のレチクルを移動することを特徴とする請求項2記載のライフルスコープ。

【図1】
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