説明

ラチスブーム

【課題】ラチスブームの重量の大幅な増大及び横幅の増大を避けつつ、クレーン作業時に当該ラチスブームに生じる横方向への撓みを低減する。
【解決手段】ラチスブーム1の下部ブーム2は、その右側面上において、右側前主パイプ20aの先端部に繋がり、右側フット部12a側へ向かうにつれて右側前主パイプ20aと右側後主パイプ20bとの間の中間位置へ徐々に接近するように延びる右側前斜材32と、右側後主パイプ20bの先端部に繋がり、右側フット部12a側へ向かうにつれて右側前主パイプ20aと右側後主パイプ20bとの間の中間位置へ徐々に接近するように延びる右側後斜材34と、右側前斜材32の基端部及び右側後斜材34の基端部と右側フット部12aとを連結する右側連結材36と、左側面上において右側前斜材32、右側後斜材34及び右側連結材36と同様に構成された左側前斜材42、左側後斜材44及び左側連結材46とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンに設けられるラチスブームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、クレーンに起伏自在に設けられ、ラチス構造を有するラチスブームが知られている。下記の特許文献1には、ラチスブームを備えたクレーンが開示されており、このクレーンに設けられたラチスブームは、その長手方向に垂直な断面において四角形の各頂点に相当する位置に配置された主パイプと、隣り合う主パイプ同士をラチス構造を構成するように繋ぐ複数の斜材とを有している。また、このクレーンは、垂直軸回りに旋回可能な上部旋回体を備えており、この上部旋回体にラチスブームが設けられる。そして、このクレーンでは、ラチスブームの先端から吊荷が吊り下げられた状態でそのラチスブームが起伏されたり、上部旋回体が旋回したりすること等によってクレーン作業が行われる。また、ラチスブームのうち上部旋回体の旋回方向に面する一方の側面上とその反対側面上とには、2本の前記主パイプがそれぞれ配置されている。各側面上に位置する2本の主パイプは、それらの間に配置された複数の斜材によってジグザグに連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−255283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなクレーンにおいてクレーン作業が行われる際には、ラチスブームの先端から吊り下げられた吊荷が横風を受けたときやクレーンの車体の左右方向において地面が傾斜しているような場合、その他、上部旋回体の旋回が加速又は減速するときに、ラチスブームに横方向への曲げ荷重が作用する。このような横方向への曲げ荷重が掛かるとラチスブームには横方向への撓みが生じるが、このラチスブームの横方向への撓みについては、例えば、吊り荷重の2%に相当する荷重を水平方向で横向きに与えた場合にラチスブームの横方向への撓み量がラチスブームの長さの2%未満となることといった規格による制限がある。このような理由から、ラチスブームの横方向への撓みの低減は、重要な課題である。
【0005】
クレーン作業時にラチスブームに生じる横方向への撓みを抑制するためには、様々な方法が検討されているが、いずれも種々の問題を抱える。
【0006】
例えば、断面積の大きい主パイプでラチスブームを構成することによりラチスブームの横方向の曲げ剛性を高めてその横方向への撓みを抑制する方法では、ラチスブームの自重が大幅に増加し、そのことに起因してクレーンの吊り能力が低下するという問題が生じる。具体的には、ラチスブームの重心位置はクレーンの本体から遠い位置にあるため、ラチスブームの自重が大きくなるとクレーンが転倒しやすくなる。このため、ラチスブームの自重が大きくなる程、クレーンの転倒を安全に回避できる範囲で吊ることが可能な吊荷の最大重量が低下する。このような理由から、ラチスブームの横方向への撓みを抑制しようとする場合でも、ブームの自重の大幅な増大は回避すべきである。
【0007】
また、ラチスブームの横幅を大きくすることによりクレーン作業時にラチスブームに生じる横方向への撓みを抑制するという技術も考えられるが、ラチスブームの輸送性を考慮すると、ラチスブームの幅の増大は実質的には困難である。具体的には、ラチスブームの幅が輸送用のトレーラの幅に収まる範囲を超えると、その輸送時に申請書の提出が必要となったり、輸送ルートが制限されたりするため、公道を使った作業現場へのクレーンの移動が煩雑又は困難となる。従って、ラチスブームの横方向への撓みを抑制しようとする場合でも、ラチスブームの幅の増大は避ける必要がある。
【0008】
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ラチスブームの重量の大幅な増大及び横幅の増大を避けつつ、クレーン作業時に当該ラチスブームに生じる横方向への撓みを低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明によるラチスブームは、旋回可能に設けられたクレーンの上部旋回体に起伏自在に取り付けられ、その先端部から吊荷が吊り下げられるラチスブームであって、前記上部旋回体に取り付けられる下部ブームと、その下部ブームの先端側に接続される上部ブームとを備え、前記下部ブームは、前記上部旋回体に取り付けられるブームフットと、そのブームフットから当該下部ブームの先端側へ延び、当該下部ブームの長手方向に垂直な断面において四角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ配置され、前記ブームフットに結合された複数本の主パイプとを有する下部ブーム本体と、前記主パイプのうち隣り合う主パイプ同士の間に配置される複数本の副材とを有し、前記複数本の主パイプには、前記下部ブームのうち前記上部旋回体の旋回方向に面する第1側面上で互いに離間して配置された第1主パイプ及び第2主パイプと、前記下部ブームのうち前記第1側面の反対側面である第2側面上で互いに離間して配置された第3主パイプ及び第4主パイプとが含まれ、前記複数本の副材には、前記第1側面上において、前記第1主パイプの先端部に繋がり、前記ブームフット側へ向かうにつれて前記第1主パイプと前記第2主パイプとの間の中間位置へ徐々に接近するように延びる第1斜材と、前記第1側面上において、前記第2主パイプの先端部に繋がり、前記ブームフット側へ向かうにつれて前記第1主パイプと前記第2主パイプとの間の中間位置へ徐々に接近するように延びる第2斜材と、前記第1側面上において、前記第1斜材の基端部及び前記第2斜材の基端部と前記下部ブーム本体のうち前記第1斜材の基端部及び前記第2斜材の基端部よりも前記ブームフット寄りに位置する部位とを連結する第1連結材と、前記第2側面上において、前記第3主パイプの先端部に繋がり、前記ブームフット側へ向かうにつれて前記第3主パイプと前記第4主パイプとの間の中間位置へ徐々に接近するように延びる第3斜材と、前記第2側面上において、前記第4主パイプの先端部に繋がり、前記ブームフット側へ向かうにつれて前記第3主パイプと前記第4主パイプとの間の中間位置へ徐々に接近するように延びる第4斜材と、前記第2側面上において、前記第3斜材の基端部及び前記第4斜材の基端部と前記下部ブーム本体のうち前記第3斜材の基端部及び前記第4斜材の基端部よりも前記ブームフット寄りに位置する部位とを連結する第2連結材とが含まれる。
【0010】
このラチスブームでは、当該ラチスブームに横方向の曲げ荷重が作用したときにいずれかの側面に発生する圧縮荷重が剛性の高い上部旋回体へスムーズに伝達されるため、クレーン作業時に当該ラチスブームに生じる横方向への撓みが低減される。例えば、当該曲げ荷重に起因して下部ブームの第1側面上に位置する第1主パイプ及び第2主パイプに長手方向についての圧縮荷重が作用するとともに第2側面上に位置する第3主パイプ及び第4主パイプに長手方向についての引張り荷重が作用する場合には、第1主パイプ及び第2主パイプに作用する圧縮荷重が上部旋回体にスムーズに伝達される。より具体的には、前記横方向への曲げ荷重がラチスブームに掛かったときに、第1主パイプに作用する圧縮荷重は第1斜材及び第1連結材を介して下部ブーム本体のうち第1側面上でブームフット寄りに位置する部位に伝達され、第2主パイプに作用する圧縮荷重は第2斜材及び第1連結材を介して下部ブーム本体のうち第1側面上でブームフット寄りに位置する部位に伝達される。すなわち、このラチスブームでは、従来のように下部ブームの側面上で隣り合う主パイプ同士が複数の斜材でジグザグに連結されている構造に比べて、前記両主パイプに作用する圧縮荷重を前記各斜材及び前記第1連結材を介して下部ブーム本体のうちブームフット寄りの部位に直接的に伝達することができ、その結果、前記両主パイプに作用する圧縮荷重を上部旋回体側へスムーズに伝達することができる。同様に、ラチスブームに掛かる横方向への曲げ荷重に起因して下部ブームの第2側面上に位置する第3主パイプ及び第4主パイプに長手方向についての圧縮荷重が作用するとともに第1側面上に位置する第1主パイプ及び第2主パイプに長手方向についての引張り荷重が作用する場合には、第3斜材、第4斜材及び第2連結材が前記第1斜材、第2斜材及び第1連結材と同様に機能して、第3主パイプ及び第4主パイプに作用する圧縮荷重が上部旋回体側へスムーズに伝達される。以上のことから、このラチスブームでは、横方向への曲げ荷重が掛かったときに下部ブームの第1側面上又は第2側面上に位置する主パイプに作用する圧縮荷重がその主パイプと斜材及び連結材とによって上部旋回体側へスムーズに伝達されて下部ブームの横方向への曲げ変形が抑制され、その結果、クレーン作業時に生じる当該ラチスブームの横方向への撓みが低減される。
【0011】
また、このように副材の配置の工夫によってラチスブームの横方向への撓みを低減することができるので、当該撓みの抑制のために主パイプの肉厚や径を増加する必要をなくすことができるか、もしくは、その必要を低減できる。その結果、ラチスブームの大幅な重量の増大を避けつつ、当該ラチスブームの横方向への撓みを抑制することができる。
【0012】
また、同様の理由により、ラチスブームの横幅を著しく増大させることなく、当該ラチスブームの横方向への撓みを低減することができる。
【0013】
上記ラチスブームにおいて、前記ブームフットは、前記第1側面上に位置し、前記第1主パイプの基端部及び前記第2主パイプの基端部と結合された第1フット部と、前記第2側面上に位置し、前記第3主パイプの基端部及び前記第4主パイプの基端部と結合された第2フット部とを有し、前記第1連結材は、前記第1斜材の基端部及び前記第2斜材の基端部に結合する第1結合部と、前記第1主パイプと前記第2主パイプとの間の中心線に沿って延び、前記第1結合部と前記第1フット部とを連結する第1中心連結材とを含み、前記第2連結材は、前記第3斜材の基端部及び前記第4斜材の基端部に結合する第2結合部と、前記第3主パイプと前記第4主パイプとの間の中心線に沿って延び、前記第2結合部と前記第2フット部とを連結する第2中心連結材とを含んでいてもよい。
【0014】
この構成によれば、ラチスブームに横方向への曲げ荷重が掛かって第1主パイプ及び第2主パイプに圧縮荷重が作用した場合には、第1主パイプから第1斜材に伝達される圧縮荷重と第2主パイプから第2斜材に伝達される圧縮荷重が第1結合部及び第1中心連結材を通じて第1フット部へ直接伝達される一方、第3主パイプ及び第4主パイプに圧縮荷重が作用した場合には、第3主パイプから第3斜材に伝達される圧縮荷重と第4主パイプから第4斜材に伝達される圧縮荷重が第2結合部及び第2中心連結材を通じて第2フット部へ直接伝達される。このため、前記横方向への曲げ荷重に起因して各主パイプに作用する圧縮荷重を上部旋回体側へよりスムーズに伝達することができる。
【0015】
上記ラチスブームにおいて、前記第1連結材は、前記第1斜材の基端部及び前記第2斜材の基端部に結合する第1結合部と、前記第1結合部から前記ブームフット側へ向かうにつれて前記第1主パイプに徐々に接近するように延び、前記第1結合部と前記第1主パイプのうち前記第1結合部よりも前記ブームフット寄りに位置する部位とを連結する第1斜め連結材と、前記第1結合部から前記ブームフット側へ向かうにつれて前記第2主パイプに徐々に接近するように延び、前記第1結合部と前記第2主パイプのうち前記第1結合部よりも前記ブームフット寄りに位置する部位とを連結する第2斜め連結材とを含み、前記第2連結材は、前記第3斜材の基端部及び前記第4斜材の基端部に結合する第2結合部と、前記第2結合部から前記ブームフット側へ向かうにつれて前記第3主パイプに徐々に接近するように延び、前記第2結合部と前記第3主パイプのうち前記第2結合部よりも前記ブームフット寄りに位置する部位とを連結する第3斜め連結材と、前記第2結合部から前記ブームフット側へ向かうにつれて前記第4主パイプに徐々に接近するように延び、前記第2結合部と前記第4主パイプのうち前記第2結合部よりも前記ブームフット寄りに位置する部位とを連結する第4斜め連結材とを含んでいてもよい。
【0016】
この構成によれば、第1主パイプと第2主パイプが第1斜材、第1結合部及び第2斜め連結材を介して互いに連結されているとともに第2斜材、第1結合部及び第1斜め連結材を介して互いに連結されているため、第1主パイプ及び第2主パイプに長手方向についての圧縮荷重が作用した場合に第1主パイプと第2主パイプが互いに離反する方向へ変形するのを防ぐことができる。また、この構成では、第3主パイプと第4主パイプが第3斜材、第2結合部及び第4斜め連結材を介して互いに連結されているとともに第4斜材、第2結合部及び第3斜め連結材を介して互いに連結されているため、第3主パイプ及び第4主パイプに長手方向についての圧縮荷重が作用した場合に第3主パイプと第4主パイプが互いに離反する方向へ変形するのを防ぐことができる。従って、この構成では、ラチスブームに生じる横方向への撓みを低減しつつ、下部ブームの横方向の両側面上に位置する主パイプの形状保持を図ることができる。
【0017】
上記第1連結材が第1結合部を含むとともに第2連結材が第2結合部を含む構成において、前記第1結合部は、前記第1主パイプ及び前記第2主パイプに接続されており、前記第2結合部は、前記第3主パイプ及び前記第4主パイプに接続されていることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、第1結合部により第1主パイプと第2主パイプとを繋ぎとめることができるため、第1主パイプと第2主パイプの形状安定性を向上することができる。また、第2結合部により3主パイプと第4主パイプとを繋ぎとめることができるため、第3主パイプと第4主パイプの形状安定性を向上することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、ラチスブームの重量の大幅な増大及び横幅の増大を避けつつ、クレーン作業時に当該ラチスブームに生じる横方向への撓みを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態によるラチスブームが適用されるクローラクレーンの概略的な側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態によるラチスブームの下部ブームを模式的に示した斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態によるラチスブームの下部ブーム近傍を模式的に示した右側面図である。
【図4】図3に示した下部ブームのうち主パイプの先端部と斜材の先端部との接合部近傍を部分的に示す図である。
【図5】図3に示した下部ブームのうち斜材と結合部と中心連結材との接合部近傍を部分的に示す図である。
【図6】第1の比較例によるラチスブームの下部ブーム近傍を模式的に示した右側面図である。
【図7】第2の比較例によるラチスブームの下部ブーム近傍を模式的に示した右側面図である。
【図8】本発明の第2実施形態によるラチスブームの下部ブーム近傍を模式的に示した右側面図である。
【図9】本発明の第3実施形態によるラチスブームの下部ブーム近傍を模式的に示した右側面図である。
【図10】本発明の第4実施形態の変形例によるラチスブームの下部ブーム近傍を模式的に示した右側面図である。
【図11】各実施形態のラチスブームを設けたクレーンの吊り上げ能力のシミュレーション結果を示す図である。
【図12】本発明の第1実施形態の変形例によるラチスブームの右側面のうち右側補強ラチス部材が設けられた範囲を部分的に示す図である。
【図13】本発明の各実施形態の変形例による主パイプの先端部と斜材の先端部との接合部近傍を部分的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0022】
(第1実施形態)
まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態によるラチスブームの構成について説明する。
【0023】
この第1実施形態によるラチスブーム1は、例えば、図1に示すようなクローラクレーンに設けられる。このクレーンは、下部走行体102と、その下部走行体102上に垂直軸回りに旋回可能に搭載された上部旋回体104とを有している。ラチスブーム1は、上部旋回体104に起伏自在に設けられる。ラチスブーム1のうちその基端部が上部旋回体104に取り付けられ、当該ラチスブーム1は、その基端部を支点として起伏する。ラチスブーム1の先端部からはロープ106を介してフック108が吊り上げられ、このフック108によって吊荷がラチスブーム1の先端部から吊り下げられる。ラチスブーム1は、4つの側面を有するラチス構造を有している。具体的には、ラチスブーム1は、図1のように上部旋回体104に取り付けられて起立した状態で、クレーンの右方に向かう右側面と、クレーンの左方に向かう左側面と、クレーンの前方へ向かう前側面と、クレーンの後方へ向かう後側面とを有するラチス構造を有している。ラチスブーム1の左右両側面は、上部旋回体104の旋回方向に面する。
【0024】
ラチスブーム1は、上部旋回体104に取り付けられる下部ブーム2と、その下部ブーム2の先端側に接続される上部ブーム4とを備えている。
【0025】
下部ブーム2は、図2に示すように、ブームフット12及び4本の主パイプ14を有する下部ブーム本体16と、複数本の副材18とを備えている。当該下部ブーム2の右側面は、本発明の第1側面の概念に含まれるものであり、当該下部ブーム2の左側面は、本発明の第2側面の概念に含まれるものである。なお、図2では、各材を判り易くするために、主パイプ14が太い実線で、副材18のうち後述する右側前斜材32、右側後斜材34、右側連結材36、右側主パイプ間先端側連結材37、右側主パイプ間基端側連結材38、左側前斜材42、左側後斜材44、左側連結材46、左側主パイプ間先端側連結材47及び左側主パイプ間基端側連結材48が主パイプ14よりも細い実線で、副材18のうち後述する前側斜材52及び後側斜材54が破線で描かれている。
【0026】
下部ブーム本体16のブームフット12は、上部旋回体104に対して取り付けられる部分であり、下部ブーム2のうち最も基端に配置されている。このブームフット12は、下部ブーム2の右側面上に位置する右側フット部12aと、下部ブーム2の左側面上に位置する左側フット部12bとからなる。この右側フット部12aは、本発明の第1フット部の概念に含まれるものであり、左側フット部12bは、本発明の第2フット部の概念に含まれるものである。右側フット部12a及び左側フット部12bは、共に所定の厚みを有する板体である。これら両フット部12a,12bには、厚み方向に貫通する貫通穴が対応する箇所にそれぞれ設けられている。そして、両フット部12a,12bの間に配置された上部旋回体104の図略の取付部の貫通穴とこれら両フット部12a,12bの貫通穴に図略のフットピンが挿嵌されることにより、両フット部12a,12bが上部旋回体104に取り付けられる。
【0027】
4本の主パイプ14は、ブームフット12から下部ブーム2の先端側へ延びている。これら4本の主パイプ14は、下部ブーム2の長手方向(ラチスブーム1の軸方向)に垂直な断面において四角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ配置されている。そして、これら4本の主パイプ14は、下部ブーム2の右側面上に位置する右側前主パイプ20a及び右側後主パイプ20bと、下部ブーム2の左側面上に位置する左側前主パイプ22a及び左側後主パイプ22bとからなる。なお、右側前主パイプ20aは、本発明の第1主パイプの概念に含まれるものであり、右側後主パイプ20bは、本発明の第2主パイプの概念に含まれるものである。また、左側前主パイプ22aは、本発明の第3主パイプの概念に含まれるものであり、左側後主パイプ22bは、本発明の第4主パイプの概念に含まれるものである。
【0028】
右側前主パイプ20aと右側後主パイプ20bとは、図3に示すように、下部ブーム2の右側面上で下部ブーム2の軸方向に直交する前後方向に互いに離間して配置されている。また、左側前主パイプ22aと左側後主パイプ22bとは、下部ブーム2の左側面上で下部ブーム2の軸方向に直交する前後方向に互いに離間して配置されている。
【0029】
なお、本明細書において、ラチスブーム1にかかる「右側」及び「右方」という用語は、ラチスブーム1が図1のようにクレーンの前部に配置された状態におけるクレーンの右側及び右方を意味し、ラチスブーム1にかかる「左側」及び「左方」という用語は、同状態におけるクレーンの左側及び左方のことを意味する。また、ラチスブーム1にかかる「前側」という用語は、ラチスブーム1が図1に示すようにクレーンの前部で起立された状態においてクレーンの前方へ向かう当該ラチスブーム1の前面側のことを意味し、ラチスブーム1にかかる「後側」という用語は、同状態においてクレーンの後方へ向かう当該ラチスブーム1の後面側のことを意味する。
【0030】
各副材18は、主パイプ14よりも小径の丸パイプからなり、下部ブーム2の右側面上、左側面上、前側面上及び後側面上にそれぞれ複数配置されている。
【0031】
下部ブーム2の右側面上に配置される副材18には、右側前斜材32と、右側後斜材34と、右側連結材36と、右側主パイプ間先端側連結材37と、右側主パイプ間基端側連結材38とが含まれる。なお、右側前斜材32は、本発明の第1斜材の概念に含まれるものであり、右側後斜材34は、本発明の第2斜材の概念に含まれるものであり、右側連結材36は、本発明の第1連結材の概念に含まれるものである。
【0032】
右側前斜材32は、下部ブーム2の右側面上において、右側前主パイプ20aの先端部に繋がり、右側フット部12a側へ向かうにつれて右側前主パイプ20aと右側後主パイプ20bとの間の中間位置へ徐々に接近するように直線的に延びている。
【0033】
右側後斜材34は、下部ブーム2の右側面上において、右側後主パイプ20bの先端部に繋がり、右側フット部12a側へ向かうにつれて右側前主パイプ20aと右側後主パイプ20bとの間の中間位置へ徐々に接近するように直線的に延びている。この右側後斜材34は、下部ブーム2の右側面の幅方向の中心に対して右側前斜材32と対称的に配置されている。右側後斜材34の先端部は、右側後主パイプ20bの先端部に対して図4に示すように接合されている。具体的には、右側後斜材34の先端部の接合面が右側後主パイプ20bの外面の曲面形状に対応した形状に形成され、その先端部の接合面が右側後主パイプ20bの外面のうち下部ブーム2の右側面の幅方向内側に面する箇所にあてがわれた状態で当該右側後斜材34の先端部の外縁が右側後主パイプ20bの外面に溶接されている。なお、前記右側前斜材32の先端部は、この右側後主パイプ20bの先端部に対する右側後斜材34の先端部の接合と同様にして右側前主パイプ20aの先端部に対して接合されている。
【0034】
右側連結材36は、下部ブーム2の右側面上において、右側前斜材32の基端部及び右側後斜材34の基端部と右側フット部12aとを連結している。この右側連結材36は、右側結合部36aと、右側中心連結材36bとを有する。なお、右側結合部36aは、本発明の第1結合部の概念に含まれるものであり、右側中心連結材36bは、本発明の第1中心連結材の概念に含まれるものである。
【0035】
右側結合部36aは、右側前斜材32の基端部及び右側後斜材34の基端部と結合されている。この右側結合部36aは、下部ブーム2の右側面の幅方向に直線的に延びる丸パイプからなる。右側前斜材32の基端部及び右側後斜材34の基端部は、この右側結合部36aの長手方向の中央部に接合されている。具体的には、右側前斜材32の基端部の接合面及び右側後斜材34の基端部の接合面は、共に右側結合部36aの外面の曲面形状に対応した形状に形成され、右側結合部36aの長手方向の中央部の外面のうち下部ブーム2の先端側に面する箇所にあてがわれた後、それら両斜材32,34の基端部の外縁が右側結合部36aの外面に溶接されている(図5参照)。
【0036】
また、右側結合部36aの前側の端部は、右側前主パイプ20aの外面のうち下部ブーム2の右側面の幅方向内側に面する箇所に溶接され、右側結合部36aの後側の端部は、右側後主パイプ20bの外面のうち下部ブーム2の右側面の幅方向内側に面する箇所に溶接されている。
【0037】
右側中心連結材36bは、右側前主パイプ20aと右側後主パイプ20bとの間の中心線に沿って延びる丸パイプからなり、右側結合部36aと右側フット部12aとを連結している。具体的には、右側中心連結材36bの先端部が、右側結合部36aの長手方向の中央部に接合されており、右側中心連結材36bの基端部が右側フット部12aに結合されている。右側中心連結材36bの先端部の接合面は、右側結合部36aの外面の曲面形状に対応した形状に形成され、その先端部の接合面が右側結合部36aの長手方向の中央部の外面のうち前記右側前斜材32の基端部及び前記右側後斜材34の基端部が接合された箇所の裏側に位置する箇所に対してあてがわれた状態で当該右側中心連結材36bの先端部の外縁が右側結合部36aの外面に溶接されている(図5参照)。
【0038】
右側主パイプ間先端側連結材37(図3参照)は、下部ブーム2の右側面上において右側前主パイプ20aの先端部と右側後主パイプ20bの先端部とをそれらの間で互いに連結している。この右側主パイプ間先端側連結材37は、下部ブーム2の右側面の幅方向に直線的に延びる丸パイプからなる。この右側主パイプ間先端側連結材37のうち前端部が右側前主パイプ20aの外面のうち下部ブーム2の右側面の幅方向内側に面する箇所に溶接されており、右側主パイプ間先端側連結材37のうち後端部が右側後主パイプ20bの外面のうち下部ブーム2の右側面の幅方向内側に面する箇所に溶接されている。
【0039】
右側主パイプ間基端側連結材38(図3参照)は、下部ブーム2の右側面上において右側前主パイプ20aと右側後主パイプ20bとをそれらの間で連結している。詳しくは、右側主パイプ間基端側連結材38は、右側前主パイプ連結材38aと右側後主パイプ連結材38bを有しており、それら両連結材38a,38b間に右側中心連結材36bが介在した状態で右側前主パイプ20aと右側後主パイプ20bとを連結している。より具体的には、右側前主パイプ連結材38a及び右側後主パイプ連結材38bは、下部ブーム2の右側面の長手方向において右側結合部36aと右側フット部12aとの間の位置に配設されており、下部ブーム2の右側面の幅方向に延びる一直線上に配置されている。右側前主パイプ連結材38aは、右側前主パイプ20aと右側中心連結材36bとを連結しており、右側後主パイプ連結材38bは、右側後主パイプ20bと右側中心連結材36bとを連結している。
【0040】
下部ブーム2の左側面上に配置される副材18には、図2に示すように、左側前斜材42と、左側後斜材44と、左側連結材46と、左側主パイプ間先端側連結材47と、左側主パイプ間基端側連結材48とが含まれる。これら左側前斜材42、左側後斜材44、左側連結材46、左側主パイプ間先端側連結材47及び左側主パイプ間基端側連結材48は、右側前斜材32、右側後斜材34、右側連結材36、右側主パイプ間先端側連結材37及び右側主パイプ間基端側連結材38と同様に構成されている。なお、左側前斜材42は、本発明の第3斜材の概念に含まれるものであり、左側後斜材44は、本発明の第4斜材の概念に含まれるものである。また、左側連結材46は、本発明の第2連結材の概念に含まれるものである。
【0041】
左側連結材46は、左側結合部46a及び左側中心連結材46bを有しており、これら左側結合部46a及び左側中心連結材46bは、前記右側結合部36a及び右側中心連結材36bと同様に構成されている。なお、左側結合部46aは、本発明の第2結合部の概念に含まれるものであり、左側中心連結材46bは、本発明の第2中心連結材の概念に含まれるものである。
【0042】
また、左側主パイプ間基端側連結材48は、左側前主パイプ連結材48aと左側後主パイプ連結材48bとからなり、これら左側前主パイプ連結材48a及び左側後主パイプ連結材48bは、前記右側前主パイプ連結材38aと右側後主パイプ連結材38bと同様に構成されている。
【0043】
下部ブーム2の前側面上に配置される副材18には、右側前主パイプ20aと左側前主パイプ22aとの間に配置された複数本の前側斜材52が含まれる。これらの前側斜材52は、右側前主パイプ20aと左側前主パイプ22aとをジグザグに連結している。
【0044】
下部ブーム2の後側面上に配置される副材18には、右側後主パイプ20bと左側後主パイプ22bとの間に配置された複数本の後側斜材54が含まれる。これらの後側斜材54は、右側後主パイプ20bと左側後主パイプ22bとをジグザグに連結している。
【0045】
上部ブーム4は、下部ブーム2の4本の主パイプ14と同様、当該上部ブーム4の長手方向(ラチスブーム1の軸方向)に垂直な断面において四角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ配置された4本の上部主パイプ62と、上部ブーム4の右側面上、左側面上、前側面上及び後側面上のそれぞれにおいて隣り合う上部主パイプ62同士を連結する多数の上部副材64とを有する。
【0046】
4本の主パイプ14は、ブームフット12から下部ブーム2の先端側へ延びている。これら4本の主パイプ14は、下部ブーム2の長手方向(軸方向)に垂直な断面において四角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ配置されている。各上部主パイプ62の基端部は、下部ブーム2の対応する主パイプ14の先端部に接続されている。これにより、ラチスブーム1に横方向への曲げ荷重が掛かったときには、ラチスブーム1の先端側から各上部主パイプ62を介して下部ブーム2の対応する各主パイプ14へ圧縮荷重又は引張荷重が伝達される。
【0047】
以上説明した当該第1実施形態によるラチスブーム1では、ラチスブーム1に横方向への曲げ荷重が掛かったときには、左右両側面のうちいずれかの側面に発生する圧縮荷重が剛性の高い上部旋回体104へスムーズに伝達されるため、クレーン作業時に当該ラチスブーム1に生じる横方向への撓みが低減される。
【0048】
例えば、ラチスブーム1に掛かる横方向への曲げ荷重に起因して下部ブーム2の右側前主パイプ20a及び右側後主パイプ20bに長手方向についての圧縮荷重が作用するとともに左側前主パイプ22a及び左側後主パイプ22bに長手方向についての引張り荷重が作用した場合には、右側前主パイプ20a及び右側後主パイプ20bに作用する圧縮荷重が上部旋回体104へスムーズに伝達される。より具体的には、横方向への曲げ荷重がラチスブーム1に掛かったときに、右側前主パイプ20aに作用する圧縮荷重は右側前斜材32及び右側連結材36を介して右側フット部12aに伝達され、右側後主パイプ20bに作用する圧縮荷重は右側後斜材34及び右側連結材36を介して右側フット部12aに伝達される。すなわち、この第1実施形態では、図6に示す第1の比較例のように下部ブーム112の側面上で隣り合う主パイプ114a,114b同士が複数の斜材116でジグザグに連結されている構造に比べて、前記両主パイプ20a,20bに作用する圧縮荷重を前記各斜材32,34及び前記右側連結材36を介して右側フット部12aに直接に伝達することができ、その結果、前記両主パイプ20a,20bに作用する圧縮荷重を上部旋回体104側へスムーズに伝達することができる。同様に、ラチスブーム1に掛かる横方向への曲げ荷重に起因して下部ブーム2の左側前主パイプ22a及び左側後主パイプ22bに長手方向についての圧縮荷重が作用するとともに右側前主パイプ20a及び右側後主パイプ20bに長手方向についての引張り荷重が作用する場合には、左側前斜材42、左側後斜材44及び左側連結材46が右側前斜材32、右側後斜材34及び右側連結材36と同様に機能して、左側前主パイプ22a及び左側後主パイプ22bに作用する圧縮荷重が上部旋回体104側へスムーズに伝達される。以上のことから、この第1実施形態では、ラチスブーム1に横方向への曲げ荷重が掛かったときに下部ブーム2の右側面上又は左側面上に位置する主パイプ14に作用する圧縮荷重が上部旋回体104側へスムーズに伝達されて下部ブーム2の横方向への曲げ変形が抑制され、その結果、クレーン作業時に生じる当該ラチスブーム1の横方向への撓みが低減される。
【0049】
また、このように副材18(斜材32,34,42,44及び連結材36,46)の配置の工夫によってラチスブーム1の横方向への撓みを低減することができるので、当該撓みの抑制のために主パイプ14の肉厚や径を増加する必要をなくすことができるか、もしくは、その必要を低減できる。その結果、ラチスブーム1の大幅な重量の増大を避けつつ、当該ラチスブーム1の横方向への撓みを抑制することができる。
【0050】
また、同様の理由により、ラチスブーム1の横幅を著しく増大させることなく、当該ラチスブーム1の横方向への撓みを低減することができる。
【0051】
ところで、図7に示す第2の比較例のように、従来の下部ブーム112の左右両側面上で隣り合う主パイプ114a,114b同士が複数の斜材116でジグザグに連結された構造においてその左右両側面に補強板118を溶接することによって下部ブーム112の横方向への撓みを抑制し、ラチスブームの横方向への撓みを低減することも考えられるが、この構造では、補強板118によりラチスブームの重量が大幅に増大する。これに対して、第1実施形態では、上記理由により、補強板118を追加しなくてもラチスブーム1の横方向への撓みを低減することができ、その結果、補強板118による大幅な重量の増大を避けつつ、ラチスブーム1の横方向への撓みを低減することができる。
【0052】
また、この第1実施形態では、下部ブーム2の右側前主パイプ20aと右側後主パイプ20bとが右側結合部36aにより繋ぎとめられているとともに右側主パイプ間基端側連結材38及び右側中心連結材36bにより繋ぎとめられているため、右側前主パイプ20aと右側後主パイプ20bに長手方向についての圧縮荷重が作用したときに右側前主パイプ20aと右側後主パイプ20bが互いに離反する方向へ変形するのを防ぐことができる。同様に、下部ブーム2の左側前主パイプ22aと左側後主パイプ22bとが左側結合部46aにより繋ぎとめられているとともに左側主パイプ間基端側連結材48及び左側中心連結材46bにより繋ぎとめられているため、左側前主パイプ22aと左側後主パイプ22bに長手方向についての圧縮荷重が作用したときに左側前主パイプ22aと左側後主パイプ22bが互いに離反する方向へ変形するのを防ぐことができる。以上のことから、各主パイプ20a,20b,22a,22bの形状安定性を向上することができる。
【0053】
(第2実施形態)
次に、図8を参照して、本発明の第2実施形態によるラチスブーム1の構成について説明する。
【0054】
この第2実施形態によるラチスブーム1は、上記第1実施形態によるラチスブーム1に比べて、右側前斜材32の基端部及び右側後斜材34の基端部がブームフット12により近い位置で右側連結材36に接合されているとともに、左側前斜材42の基端部及び左側後斜材44の基端部がブームフット12により近い位置で左側連結材46に接合されている。
【0055】
具体的には、右側前斜材32及び右側後斜材34は、上記第1実施形態の場合に比べて右側フット部12aにより近い位置まで延びており、それら両斜材32,34の基端部に対応する位置に配設された右側結合部36aに接合されている。図8には示されていないが、左側前斜材42及び左側後斜材44は、右側前斜材32及び右側後斜材34と同様に構成されており、上記第1実施形態の場合に比べて左側フット部12b側により近い位置まで延びている。そして、その左側の両斜材42,44の基端部は、それらの基端部に対応する位置に配設された左側結合部46aに接合されている。
【0056】
また、この第2実施形態では、下部ブーム2が、右側前斜材32及び右側後斜材34を右側前主パイプ20a及び右側後主パイプ20bに連結するとともにそれら両斜材32,34同士を連結する右側斜材連結材72と、左側前斜材42及び左側後斜材44を左側前主パイプ22a及び左側後主パイプ22bに連結するとともにそれら両斜材42,44同士を連結する左側斜材連結材(図示せず)とを有する。
【0057】
具体的には、右側斜材連結材72は、下部ブーム2の右側面上においてその幅方向に延びるとともに一直線上に配置される右側前斜材連結材72a、右側後斜材連結材72b及び右側斜材間連結材72cを有する。
【0058】
右側前斜材連結材72aは、右側前斜材32の長手方向の中間部と右側前主パイプ20aとの間でそれら右側前斜材32の中間部と右側前主パイプ20aとを連結している。右側後斜材連結材72bは、右側後斜材34の長手方向の中間部と右側後主パイプ20bとの間でそれら右側後斜材34の中間部と右側後主パイプ20bとを連結している。右側斜材間連結材72cは、右側前斜材32の長手方向の中間部と右側後斜材34の長手方向の中間部との間でそれら両斜材32,34同士を連結している。
【0059】
左側斜材連結材は、下部ブーム2の左側面上において前記右側斜材連結材72と同様に構成されており、前記右側前斜材連結材72a、右側後斜材連結材72b及び右側斜材間連結材72cに対応する左側前斜材連結材、左側後斜材連結材及び左側斜材間連結材(いずれも図示せず)を有している。
【0060】
この第2実施形態によるラチスブーム1の上記以外の構造は、上記第1実施形態によるラチスブーム1の構造と同様である。
【0061】
この第2実施形態によるラチスブーム1でも、上記第1実施形態によるラチスブーム1と同様の効果が得られる。
【0062】
(第3実施形態)
次に、図9を参照して、本発明の第3実施形態によるラチスブーム1の構成について説明する。
【0063】
この第3実施形態によるラチスブーム1では、右側連結材36が右側前斜め連結材76a及び右側後斜め連結材76bを有しており、その右側前斜め連結材76aによって右側結合部36aと右側前主パイプ20aとが連結されているとともに右側後斜め連結材76bによって右側結合部36aと右側後主パイプ20bとが連結されている。なお、右側前斜め連結材76aは、本発明の第1斜め連結材の概念に含まれるものであり、右側後斜め連結材76bは、本発明の第2斜め連結材の概念に含まれるものである。
【0064】
右側前斜め連結材76aは、右側結合部36aの長手方向の中央部から右側フット部12a側へ向かうにつれて右側前主パイプ20aに徐々に接近するように直線的に延びる丸パイプからなる。この右側前斜め連結材76aの先端部は、右側結合部36aの長手方向の中央部に接合されている。当該右側前斜め連結材76aの先端部の接合面は、右側結合部36aの外面の曲面形状に対応した形状に形成され、その先端部の接合面が右側結合部36aの長手方向の中央部の外面のうち右側前斜材32の基端部が接合された箇所の裏側に位置する箇所に対してあてがわれた状態で当該右側前斜め連結材76aの先端部の外縁が右側結合部36aの外面に溶接されている。また、この右側前斜め連結材76aの基端部は、右側前主パイプ20aのうち右側結合部36aが接合された部位よりも右側フット部12a寄りに位置する部位であって右側主パイプ間基端側連結材38が接合される部位の近傍の部位に対して接合されている。この右側前斜め連結材76aの基端部の接合面は、右側前主パイプ20aの外面の曲面形状に対応した形状に形成され、その基端部の接合面が右側前主パイプ20aの外面のうち下部ブーム2の右側面の幅方向内側に面する箇所にあてがわれた状態で当該右側前斜め連結材76aの基端部の外縁が右側前主パイプ20aの外面に溶接されている。
【0065】
また、右側後斜め連結材76bは、下部ブーム2の右側面の幅方向の中心に対して前記右側前斜め連結材76aと対称的に配置されており、その右側前斜め連結材76aに対応する構造を有している。
【0066】
また、図9には示されていないが、この第3実施形態では、左側連結材46が、下部ブーム2の左側面上において前記右側前斜め連結材76a及び右側後斜め連結材76bと同様に構成された左側前斜め連結材及び左側後斜め連結材を有している。この左側前斜め連結材によって左側結合部46aと左側前主パイプ22aとが連結されているとともに左側後斜め連結材によって左側結合部46aと左側後主パイプ22bとが連結されている。なお、左側前斜め連結材は、本発明の第3斜め連結材の概念に含まれるものであり、左側後斜め連結材は、本発明の第4斜め連結材の概念に含まれるものである。
【0067】
また、この第3実施形態では、右側主パイプ間基端側連結材38が、下部ブーム2の右側面の幅方向に延びる1本の丸パイプからなり、右側前主パイプ20aと右側後主パイプ20bとを直接連結している。同様に、左側主パイプ間基端側連結材48が、下部ブーム2の左側面の幅方向に延びる1本の丸パイプからなり、左側前主パイプ22aと左側後主パイプ22bとを直接連結している。
【0068】
この第3実施形態によるラチスブーム1の上記以外の構成は、上記第1実施形態によるラチスブーム1の構成と同様である。
【0069】
この第3実施形態では、右側前主パイプ20aと右側後主パイプ20bが右側前斜材32、右側結合部36a及び右側後斜め連結材76bを介して互いに連結されているとともに右側後斜材34、右側結合部36a及び右側前斜め連結材76aを介して互いに連結されているため、右側前主パイプ20a及び右側後主パイプ20bに長手方向についての圧縮荷重が作用した場合にそれら両主パイプ20a,20bが互いに離反する方向へ変形するのをより有効に防ぐことができる。同様に、左側前主パイプ22aと左側後主パイプ22bが左側前斜材42、左側結合部46a及び左側後斜め連結材を介して互いに連結されているとともに左側後斜材44、左側結合部46a及び左側前斜め連結材を介して互いに連結されているため、左側前主パイプ22a及び左側後主パイプ22bに長手方向についての圧縮荷重が作用した場合にそれら両主パイプ22a,22bが互いに離反する方向へ変形するのをより有効に防ぐことができる。従って、この第3実施形態では、ラチスブーム1に生じる横方向への撓みを低減しつつ、下部ブーム2の左右両側面上に位置する主パイプ14の形状保持をより有効に図ることができる。
【0070】
この第3実施形態の上記以外の効果は、上記第1実施形態による効果と同様である。
【0071】
(第4実施形態)
次に、図10を参照して、本発明の第4実施形態によるラチスブーム1の構成について説明する。
【0072】
この第4実施形態によるラチスブーム1は、下部ブーム2の右側面上に位置する副材18及び左側面上に位置する副材18が上記第1実施形態による構造と上記第3実施形態による構造とを組み合わせた構造を有している。
【0073】
具体的には、下部ブーム2の右側面上に位置する副材18のうち右側連結材36が、右側結合部36a、右側中心連結材36b、右側前斜め連結材76a及び右側後斜め連結材76bを有する。また、下部ブーム2の左側面上に位置する副材18のうち左側連結材46が、左側結合部46a、左側中心連結材46b、左側前斜め連結材及び左側後斜め連結材を有する。
【0074】
この第4実施形態によるラチスブーム1の上記以外の構成は、上記第1実施形態によるラチスブーム1の構成と同様である。
【0075】
この第4実施形態によれば、上記第1実施形態と上記第3実施形態の両方による効果と同様の効果を得ることができる。
【0076】
(上記各実施形態によるラチスブームの吊り能力のシミュレーション)
次に、上記各実施形態によるラチスブームの構造とその構造によって得られる横方向への撓みの低減効果との関係を調べたシミュレーションの結果について説明する。このシミュレーションでは、上記各実施形態のラチスブームについてそれぞれ吊上能力を調べることによって横方向への撓みの低減効果を調べた。その結果が、図11に示されている。なお、当該シミュレーションにおける吊上能力は、ラチスブームに対する吊り荷重で表され、その吊り荷重の2%に相当する横方向への荷重をラチスブームの先端に掛けた場合にラチスブームの横方向への撓み量(ラチスブームの先端の横方向への変位量)がラチスブームの全長の2%以内に収まるような吊り荷重に相当する。また、図11の縦軸には、下部ブームの左右両側面上において隣り合う主パイプ同士が複数の斜材でジグザグに連結されている従来のラチスブームの吊上能力を100%として、その吊上能力に対する上記各実施形態の構造のラチスブームの吊上能力の割合が表されている。また、上記実施形態の比較例として、前記従来の構造のラチスブーム(従来例)と、前記従来の構造のラチスブームにおいてその長手方向全体の主パイプの肉厚を1.6倍にしたものと、従来のラチスブームの下部ブームの左右両側面に補強板が溶接されたもの(前記第2の比較例)とについても図11にそれらの吊上げ能力が示されている。
【0077】
この図11から、上記第1実施形態及び第3実施形態のラチスブームは、従来の構造のラチスブームにおいて長手方向全体の主パイプの肉厚を1.6倍にしたものとほぼ同等の吊上能力を示し、上記第2実施形態及び上記第4実施形態のラチスブームの吊上能力は、それよりも高く、従来例の構造のラチスブームの下部ブームの左右両側面に補強板が溶接されたものと同等以上の吊上能力となることが分かった。すなわち、この結果から、上記第1実施形態及び第3実施形態のラチスブームでは、従来のラチスブームにおいて主パイプの肉厚を1.6倍にした場合に被る大幅な重量の増大を避けつつ、そのような主パイプの肉厚の増加と同等の横方向への撓みの低減効果が得られ、上記第2実施形態及び第4実施形態のラチスブームでは、従来のラチスブームにおいて下部ブームの左右両側面に補強板を取り付ける場合に被る大幅な重量の増大を避けつつ、そのような補強板の取り付けと同等以上の横方向への撓みの低減効果が得られることが判明した。
【0078】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0079】
例えば、図12に示すように、下部ブーム2の右側面上において、右側前斜材32の先端部及び右側後斜材34の先端部が右側上部板材78を介して右側前主パイプ20aの先端部及び右側後主パイプ20bの先端部に接続されているとともに、右側中心連結材36bの基端部が右側下部板材79を介して右側フット部12a、右側前主パイプ20a及び右側後主パイプ20bに接続されていてもよい。
【0080】
この場合、右側上部板材78は、矩形状の平板からなり、右側前主パイプ20aの先端部と右側後主パイプ20bの先端部との間に嵌め込まれた状態でその両主パイプ20a,20bの先端部の外面のうち下部ブーム2の右側面の幅方向内側に面する箇所及び右側主パイプ間先端側連結材37の外面のうち右側フット部12a側に面する箇所に対応する端縁が溶接される。そして、この右側上部板材78のうち右側フット部12a側の端面に右側前斜材32の先端部及び右側後斜材34の先端部が溶接される。また、右側下部板材79は、平板からなり、右側前主パイプ20aの基端部と右側後主パイプ20bの基端部との間に嵌め込まれた状態でその両主パイプ20a,20bの基端部の外面のうち下部ブーム2の右側面の幅方向内側に面する箇所及び右側フット部12aの先端面に対応する端縁が溶接される。そして、この右側下部板材79の先端面に右側中心連結材36bの基端部が溶接される。
【0081】
また、同様に、下部ブーム2の左側面上において、左側前斜材42の先端部及び左側後斜材44の先端部が左側上部板材を介して左側前主パイプ22aの先端部及び左側後主パイプ22bの先端部に接続されているとともに、左側中心連結材46bの基端部が左側下部板材を介して左側フット部12b、左側前主パイプ22a及び左側後主パイプ22bに接続されていてもよい。
【0082】
また、図13に示すように、右側後斜材34の先端部と右側後主パイプ20bの先端部とがブラケット84a,84bを介して接続されていてもよい。具体的には、一方のブラケット84aは、矩形状の平板からなり、右側後主パイプ20bの先端部の外面のうち下部ブーム2の右側面の幅方向内側に面する箇所と右側主パイプ間先端側連結材37の後端部の外面のうち右側フット部12a側に面する箇所とによって形成されるコーナー部に溶接されている。他方のブラケット84bは、矩形状の平板からなり、右側後斜材34の先端部に溶接されている。そして、前記一方のブラケット84aと前記他方のブラケット84bとが互いに重ね合わされた状態で溶接されている。
【0083】
また、同様に、右側前斜材32の先端部と右側前主パイプ20aの先端部との接続、左側後斜材44の先端部と左側後主パイプ22bの先端部との接続及び左側前斜材42の先端部と左側前主パイプ22aの先端部との接続が、それぞれ、ブラケットを介した接続であってもよい。
【0084】
なお、主パイプの先端部に取り付けられたブラケットと斜材の先端部に取り付けられたブラケットとは、溶接される代わりにボルト・ナットで締結されてもよい。
【0085】
また、右側連結材36は、下部ブーム2の右側面上において右側前斜材32の基端部及び右側後斜材34の基端部をそれら基端部よりも右側フット部12a寄りの位置で下部ブーム本体16のいずれかの箇所に接続すればどのように構成されていてもよい。また、左側連結材46は、下部ブーム2の左側面上において左側前斜材42の基端部及び左側後斜材44の基端部をそれら基端部よりも左側フット部12b寄りの位置で下部ブーム本体16のいずれかの箇所に接続すればどのように構成されていてもよい。
【0086】
また、本発明は、クローラクレーン以外の各種クレーンに設けられるラチスブームに適用されてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1 ラチスブーム
2 下部ブーム
4 上部ブーム
12 ブームフット
12a 右側フット部(第1フット部)
12b 左側フット部(第2フット部)
14 主パイプ
16 下部ブーム本体
18 副材
20a 右側前主パイプ(第1主パイプ)
20b 右側後主パイプ(第2主パイプ)
22a 左側前主パイプ(第3主パイプ)
22b 左側後主パイプ(第4主パイプ)
32 右側前斜材(第1斜材)
34 右側後斜材(第2斜材)
36 右側連結材(第1連結材)
36a 右側結合部(第1結合部)
36b 右側中心連結材(第1中心連結材)
42 左側前斜材(第3斜材)
44 左側後斜材(第4斜材)
46 左側連結材(第2連結材)
46a 左側結合部(第2結合部)
46b 左側中心連結材(第2中心連結材)
76a 右側前斜め連結材(第1斜め連結材)
76b 右側後斜め連結材(第2斜め連結材)
104 上部旋回体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回可能に設けられたクレーンの上部旋回体に起伏自在に取り付けられ、その先端部から吊荷が吊り下げられるラチスブームであって、
前記上部旋回体に取り付けられる下部ブームと、その下部ブームの先端側に接続される上部ブームとを備え、
前記下部ブームは、前記上部旋回体に取り付けられるブームフットと、そのブームフットから当該下部ブームの先端側へ延び、当該下部ブームの長手方向に垂直な断面において四角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ配置され、前記ブームフットに結合された複数本の主パイプとを有する下部ブーム本体と、前記主パイプのうち隣り合う主パイプ同士の間に配置される複数本の副材とを有し、
前記複数本の主パイプには、前記下部ブームのうち前記上部旋回体の旋回方向に面する第1側面上で互いに離間して配置された第1主パイプ及び第2主パイプと、前記下部ブームのうち前記第1側面の反対側面である第2側面上で互いに離間して配置された第3主パイプ及び第4主パイプとが含まれ、
前記複数本の副材には、前記第1側面上において、前記第1主パイプの先端部に繋がり、前記ブームフット側へ向かうにつれて前記第1主パイプと前記第2主パイプとの間の中間位置へ徐々に接近するように延びる第1斜材と、前記第1側面上において、前記第2主パイプの先端部に繋がり、前記ブームフット側へ向かうにつれて前記第1主パイプと前記第2主パイプとの間の中間位置へ徐々に接近するように延びる第2斜材と、前記第1側面上において、前記第1斜材の基端部及び前記第2斜材の基端部と前記下部ブーム本体のうち前記第1斜材の基端部及び前記第2斜材の基端部よりも前記ブームフット寄りに位置する部位とを連結する第1連結材と、前記第2側面上において、前記第3主パイプの先端部に繋がり、前記ブームフット側へ向かうにつれて前記第3主パイプと前記第4主パイプとの間の中間位置へ徐々に接近するように延びる第3斜材と、前記第2側面上において、前記第4主パイプの先端部に繋がり、前記ブームフット側へ向かうにつれて前記第3主パイプと前記第4主パイプとの間の中間位置へ徐々に接近するように延びる第4斜材と、前記第2側面上において、前記第3斜材の基端部及び前記第4斜材の基端部と前記下部ブーム本体のうち前記第3斜材の基端部及び前記第4斜材の基端部よりも前記ブームフット寄りに位置する部位とを連結する第2連結材とが含まれる、ラチスブーム。
【請求項2】
前記ブームフットは、前記第1側面上に位置し、前記第1主パイプの基端部及び前記第2主パイプの基端部と結合された第1フット部と、前記第2側面上に位置し、前記第3主パイプの基端部及び前記第4主パイプの基端部と結合された第2フット部とを有し、
前記第1連結材は、前記第1斜材の基端部及び前記第2斜材の基端部に結合する第1結合部と、前記第1主パイプと前記第2主パイプとの間の中心線に沿って延び、前記第1結合部と前記第1フット部とを連結する第1中心連結材とを含み、
前記第2連結材は、前記第3斜材の基端部及び前記第4斜材の基端部に結合する第2結合部と、前記第3主パイプと前記第4主パイプとの間の中心線に沿って延び、前記第2結合部と前記第2フット部とを連結する第2中心連結材とを含む、請求項1に記載のラチスブーム。
【請求項3】
前記第1連結材は、前記第1斜材の基端部及び前記第2斜材の基端部に結合する第1結合部と、前記第1結合部から前記ブームフット側へ向かうにつれて前記第1主パイプに徐々に接近するように延び、前記第1結合部と前記第1主パイプのうち前記第1結合部よりも前記ブームフット寄りに位置する部位とを連結する第1斜め連結材と、前記第1結合部から前記ブームフット側へ向かうにつれて前記第2主パイプに徐々に接近するように延び、前記第1結合部と前記第2主パイプのうち前記第1結合部よりも前記ブームフット寄りに位置する部位とを連結する第2斜め連結材とを含み、
前記第2連結材は、前記第3斜材の基端部及び前記第4斜材の基端部に結合する第2結合部と、前記第2結合部から前記ブームフット側へ向かうにつれて前記第3主パイプに徐々に接近するように延び、前記第2結合部と前記第3主パイプのうち前記第2結合部よりも前記ブームフット寄りに位置する部位とを連結する第3斜め連結材と、前記第2結合部から前記ブームフット側へ向かうにつれて前記第4主パイプに徐々に接近するように延び、前記第2結合部と前記第4主パイプのうち前記第2結合部よりも前記ブームフット寄りに位置する部位とを連結する第4斜め連結材とを含む、請求項1に記載のラチスブーム。
【請求項4】
前記第1結合部は、前記第1主パイプ及び前記第2主パイプに接続されており、前記第2結合部は、前記第3主パイプ及び前記第4主パイプに接続されている、請求項2又は3に記載のラチスブーム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−17181(P2012−17181A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155813(P2010−155813)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(304020362)コベルコクレーン株式会社 (296)
【Fターム(参考)】