説明

ラベリング装置

【課題】電池の電圧測定と充電及び管理情報を機器内部で印刷し電池の電極部を覆うようにラベル貼り付けする装置を提供する。
【解決手段】電池を電池トレイにのせ、電池搬送ガイドに挟んで搬送し、電圧測定・放電用電極6a、6bの位置で電圧測定し、電圧や内部抵抗から一次電池か二次電池かを識別し、次に充電電極7a、7bの位置で充電する。次に電池測定結果にもとずく電池管理情報をレベルシール用紙に印刷し、ラベルシール用紙を印刷と同期してスライドするフレキシブル用紙ガイド24及びラベル貼り付けローラ8で電池の円筒部側面まで案内し、電池搬送ガイドとラベル貼り付けローラを相対的に動かし、ラベルシールを電池に貼り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電池の電圧を測定し、充電、ラベル印刷及びラベル貼り付けをする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術としては電池側面に使用開始日を管理ラベルとして貼り付けるものや電池の使用実態に応じ多層のシールを剥がして識別するものなどがあり、いずれも用意された識別マークを、人間の手で取り扱うものであった。プリンタとしては機器自身の電池電圧を測定し印刷する装置や図2の様にラベルプリンタにてユーザが電池の情報を入力指示し、印刷したシールを貼り付ける特開2002−50344があるがラベル貼り付けの機構に関しては具体的な記述はない。また、ラベルを剥離した状態で繰り出すプリンタは古くからあるが、電池の電圧測定と識別処理と充電そして電池への電極をシールするラベル貼り付けを自動で行う方法や装置の機構は知られていない。
【特許文献1】特開2002−50344号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、以上の技術によれば、電池の表示と再使用への取り組みは有るものの、一次電池と二次電池との自動識別、二次電池への充電そして、二次電池の場合は充電日や充電前の情報及び一次電池の場合は電池の残存電圧や内部抵抗など再使用のための情報を得ることが出来ず、また、機器の内部で一連の工程でラベル貼り付けを行っていないため、対象電池とラベルの貼り付けを間違えたり、貼り忘れが発生するという課題があった。また、電池へ印刷済みのラベルを貼る場合は、少なくとも片方の電極を覆うことが安全上求められ、単三電池の様に円筒形の場合円筒部分から端面の電極部分を経て他方の円筒部分に貼るという複雑な工程になるという課題もあった。
そこで、この発明は、電池の電圧測定と充電及び管理情報を印刷し機器の内部でラベルを貼り付ける装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決するため、電池に外部抵抗負荷を与え、1回または2回以上電池の端子電極間の電圧を測定し、予め設定された電池の電圧範囲及び外部抵抗負荷を加えて計測した電圧から割り出された内部抵抗から、一次電池か二次電池かの種類を識別し、測定結果から関連付けられる情報を印刷或いはマークを選択し、電池の電極の少なくとも一方を覆う部材として出力する、本発明の請求項1の電池ラベル印刷、マーク選択ラベリング装置は、電池の開放電圧だけではなく、数種類の外部の抵抗負荷を加えて電圧を測定し、規準電圧や内部抵抗の違いから乾電池か充電池の違いの識別を行い、内部抵抗値と負荷を加えた状態での電圧値およびその時間変化量から再使用に向いている機器の印刷表示や予め用意されているマーク部材を選択し、電池に貼り付け可能なラベルとして出力することを特徴とする
【0005】
また、電池情報を電流を流した場合の電圧により測定し、電池情報を記憶手段にメモリし、二次電池の場合は電極から電流を流し充電を行い、充電完了後に充電に関する時間情報、前記記憶手段にメモリした充電前の電池の電圧や内部抵抗情報、電池の使用或いは廃棄に関する案内情報の全て或いはいずれかを印刷する、請求項2は電池へ充電方向への電流印加での電圧の時間変化または放電方向への負荷印加による電圧変化を測定し、充電池の場合、電池の識別に用いた電圧値を記憶装置にメモリし、充電後に充電日や充電に掛かった時間などの情報とともにラベルに印刷することを特徴とする。
【0006】
請求項5は、一次電池への充電するか否かの設定手段及び判断手段を有し、一次電池へ充電する場合は一次電池に対応する充電条件で充電を行い、充電しない設定の場合は充電を行わずに電池の測定結果に基づく電圧情報、廃棄対象電池などの管理情報を印刷する請求項2のラベリング装置であり、一次電池への充電するか否かの設定をし、一次電池へ充電する場合は一次電池に対応する充電条件で充電を行い一次電池に充電した事を示す印刷を行い、充電しない設定の場合は充電を行わずに電池の測定結果に基づく電圧情報、廃棄対象電池などの管理情報を印刷することを特徴とする。
【0007】
粘着剤付きのラベルシールへ印刷し、ラベルシールは粘着面が外側になるようにカールされて印刷ヘッドに供給され、剥離紙を分離後のラベルシールの印刷面側の先端または先端部近傍は、電池への粘着材圧接用のローラまたは該ローラと印刷ヘッドとの間のラベル先端部ガイド部材に接触し、該ローラとラベル先端部ガイド部材は用紙の印刷に同期して同一方向に移動する請求項1または請求項2のラベリング装置である、請求項3では、印刷されたラベルを電池の側面に貼り付ける手段を示し、ラベルシールは印刷面が内側になるようにロール状に巻き、印刷後の巻き癖がラベル圧接用ゴムローラ方向にカールし、印刷ヘッドとラベル圧接用ゴムローラの間に伸縮可能な用紙ガイドを設け、印刷される速度に対応して伸縮可能な用紙ガイドも移動することを特徴とするものである。
【0008】
次に、請求項3において、電池を保持し電池の電極面をスライド方向に送る搬送部材と、ラベルシールの圧接用ローラを設け、該ローラは鼓形状に形成された弾性体であり、電池保持搬送部材とローラは相互に位置制御されて、直交して移動するラベリング装置である、請求項4はラベル貼り付けローラを電池の円筒部の半径と同一に近いの曲率を持つゴムにて鼓形状にし、電池の搬送方向と直交した方向に移動可能にすることを特徴とするラベル貼り付け機構である。
【0009】
また、請求項6は電池の電圧から極性を識別し、極性に対応した電圧印刷または充電を行う請求項1のラベリング装置であり、電池の極性を測定値から判断し、印刷表示に絶対値をもちいたり、充電や放電の場合正しい極性で行うことを特徴とする。
【0010】
請求項7は、第一の電極対と第二の電極対を設け、二次電池であり放電が必要と識別された場合、第一の電極対で放電を行い、その後電池を移送し第二の電極対で充電を行うことを特徴とする請求項2のラベリング装置であり、電池のメモリー効果による使用時間の短縮を防止するため、充電する前に放電をするものであり、放電中の時間に平行して他の電池の充電を行うことも出来る様に電極を2対設けることを特徴にする。
【0011】
請求項8は、粘着剤付きのラベルシールへ印刷し、印刷ユニットは、ラベルシールの印刷面側の先端部がラベル貼り付けローラとラベル先端ガイド部材方向に、印刷またはラベルシール送りとともに進む様に、傾けて取り付けられ、剥離紙を分離後のラベルシールの印刷面側の先端部は、電池へのラベル圧接用のローラまたは該ローラと印刷ヘッドとの間のラベル先端部ガイド部材に接触し、該ローラとラベル先端部ガイド部材は用紙の印刷に同期して同一方向に移動する請求項1または請求項2のラベリング装置であり、印刷ユニットの用紙出口部を僅かに傾けて取り付け、印刷済みの用紙が不要なものに貼り付かずに、電池とラベル貼り付けローラの間に入り込むようにすることを特徴とする。
【0012】
請求項9は、鼓形状のラベルシール圧接用ローラを用いずに、ローラを円筒形状のローラとし、ゴム硬度が40度以下のゴム部材または弾性多孔体をもちいることを特徴とした請求項4のラベリング装置であり、ラベル貼り付けローラを円筒形の形状にフィットするように変型しやすい材料で形成したことを特徴にしたラベリング装置である。
【0013】
請求項10は、ラベル貼り付けゴムローラの電池円筒部への圧接開始位置を、ラベル先端部から5mm以上離れた位置とすることを特徴とした請求項4のラベリング装置であり、円筒部へのラベル貼り付けで、皺や歪みが発生しない様にラベルシールの先端部分からではなく、先端部分から5mm以上離れた部分から貼り付けローラを圧接して貼り付けをすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
先ず、本発明を使用した機器の使用効果について記述する。近年、デジタルカメラなどの高エネルギー消費の情報家電などが普及し、家庭や職場内にはマンガン電池やアルカリ電池などの一次電池やニカドやニッケル水素電池などの二次電池が同一場所に保管されることが度々ある様になってきた。特に単三サイズの電池は使用量が多いため、デジタルカメラなどの交換用に複数セットの二次電池を用意する場合や、多数の一次電池をまとめ買いし一部使用して、包装から取り出したため、未使用と使用済みとの区別が付かなくなるなどの問題が発生する。使用済みの廃電池として廃棄物回収に出された電池の中には、一時的な高負荷で使用されたり、余裕をもって交換されたりして、未だ使用可能な一次電池や、正しい充電をすれば使用可能な二次電池も含まれているといった調査結果もある。更に、高齢者など電池の知識や管理意識が少ない場合、機器の動作への障害や使用可能な電池の廃棄などの問題も発生する可能性もある。特に未使用の一次電池や二次電池の場合は、ネックレスなどの導電体と一緒に保管すると電極がショートし発熱や発煙及び発火の危険性もある。また、自治体では電池を廃棄する場合は、電極に絶縁シールを貼るように指導しているがあまり守られていないのが現状である。本発明による方法もしくは装置を一般家庭やリサイクルショップ、コンビニエンスストア及び会社などの職場にて使用することによって、乾電池や充電池の種類を意識せず充電が可能になり、自動的にラベルが貼り付けられる為、電池の使用の目的に応じて選択しやすくなる効果がある。更に、保管や廃棄をする場合もシールが電極を覆う為安全性が高まるなどの効果もある。
【0015】
本発明によれば、単三電池サイズであれば、乾電池や充電式電池や投入の方向を意識せずに装置のトレイに数個から十数個など任意の数量を置き、極性や充電可否の判定、電池の使用目的の参考となる電圧値や推奨機器の条件などを印刷したラベルを電極部に貼った状態で提供出来る効果がある。通常、機器の中でラベルを自動的に貼り付ける場合は、粘着剤が不要な部分に貼り付いて機器の信頼性を損なうなどの課題があるが、本発明によれば印刷後に剥離紙を除去し粘着剤が大気中に開放された状態で、ラベルを電池側面まで搬送し、圧接ローラで電池側面の円筒部分に貼り付けが可能になる装置を実現出来る。電池にその電池に関連する情報をラベルとして貼り付け一体として提供出来るため、管理が良くなる或いはエネルギー残存のある電池を再利用出来、環境にやさしいといった効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係るラベルプリンタの一実施形態を図1に示し、図1から図13を参照して説明する。
【0017】
電池は単三型の一次電池と二次電池を対象とし、図1に電池搬送、印刷及び貼り付け機構部をしめす。電池は図3の傾斜した電池トレイ47から供給され、電池搬送ブロック41によりスライドし、電池の電極と装置の電極を摺動し図1の電圧測定電極6aと6bの間に搬送され、電池制御部5にて電池の極性、開放電圧、100オームの負荷を加えた電圧、10オームの負荷を加えた電圧及び3オーム負荷を加えた電圧から基準電圧と内部抵抗を演算し、所定の基準電圧範囲且つ、所定の内部抵抗以下である場合は二次電池、所定の電圧以上で所定の内部抵抗の場合は再使用可能な一次電池、所定の電圧以下で内部抵抗も所定以上の場合は使用不可能であり廃棄可能電池と識別する。
【0018】
対象電池の識別後は、一次電池の場合は充電を行わず10オーム負荷の電圧値及び内部抵抗値と負荷を加えた場合の電圧から所定識別基準から割り出した高負荷用、中負荷用、軽負荷用などの推奨用途、廃棄対象表示及び測定日などの印刷を行う。印刷表示のモードはパネルのスイッチやディップスイッチで設定することも可能である。また、充電時間が12時間程度と長時間である上に、液漏れの危険性が有るため、推奨は出来ないが一次電池の充電もパネルのスイッチやディップスイッチで設定可能である。充電した一次電池の場合は、充電済み一次電池については図13の如く充電済み一次電池である事を示す印刷をする。
【0019】
二次電池の場合は、電池搬送ブロックで電池をスライドし、電池の電極と装置の電極を摺動しながら充電用電極7a及び7bの位置に送られ、電池制御部5により急速充電を行い、ΔTまたはタイマー方式などの満充電検出を行い充電停止する。充電中は図12に示す電池の下部に配置したサーミスタ温度センサ67で電池の温度を測定する。
【0020】
また、二次電池の場合において、内部抵抗が低く電圧値も高い場合、そのまま充電するとメモリー効果のため、十分な充電が出来ない場合があり、パネルスイッチ設定またはディップスイッチによる初期設定により設定された場合は、電池制御部5により放電を行う。この場合、先行して測定した電池が電極7を使って充電作業されている場合、電池の電圧測定により2次電池であり、且つ放電をする設定の場合は、放電は電極6を使って放電を行い充電と放電の同時進行を行い時間を節約する。
【0021】
二次電池の充電完了後、充電日、充電開始と完了時間、充電時間、放電時間、放電エネルギー量、投入エネルギー量、充電開始前の所定の負荷印可時の電圧値、充電後の所定負荷印可時の電圧値及び、充電完了時の電池温度、周囲温度などの印刷を行う。印刷表示のモードはパネルのスイッチやディップスイッチで設定することも可能である。
【0022】
次に、ラベル印刷ユニットについて図1で説明する。ラベル印刷は感熱記録可能な用紙の裏面に粘着剤が塗布され剥離紙が貼り付けられており、印刷面が内側に向く様にロール状に巻かれているロール紙17から引き出されたラベルシール18がサーマルヘッド10とゴムローラ12の間で密着され、所望の印刷指令によって、発熱体10に通電され、同期してステッピングモータ15の回転がウオームギア15及びギア13で減速され、ゴムローラ12に伝達され用紙18はAの方向に送られ印刷が行われる。
【0023】
用紙18の剥離紙18cは仕切り板21の端部に接触し、モータ15又は他の駆動源から回転を得、高負荷の場合スリップする摩擦接触部(図示せず)を介した巻き取りローラ20のB方向への回転で巻き取られる。剥離の引っ張りテンションはプリントヘッド10とゴムローラ12に挟まれた用紙18の保持力よりも小さくて印刷に影響を与えず、用紙18の粘着材18bと剥離紙18cの剥離力よりも大きい状態になるように、円盤状に打ち抜いたフェルト材と摩擦部材とがバネや錘などの圧力印加部材で圧接されている。
【0024】
4図から8図は印刷とラベル貼り付けの一連の工程を示す図であり順に説明をする。4図は印刷の初期状態であり、プリント面を有する用紙18aは用紙カッタの固定歯22aと可動歯22bで切断され、粘着面18bを大気に開放した状態で待機している。剥離紙は不要なエリアにはみ出さない様、剥離紙ガイド21と剥離補助ガイド60の間を通り、前述のテンションで巻き取りローラ20に巻きとられる。剥離補助ガイド60はフッ素化合物コーティングなどを施した非粘着の表面材が好ましい。カッタの可動歯22bは固定歯22aに対し、ラベル貼り付け対象物側すなわち用紙18の切り離し側にあり、粘着面18bがカッタの歯に付着しても、以降の工程で述べるラベル貼り付け工程において引き剥がされ、工程の繰り返しに障害がない様に構成されている。
【0025】
次に、所望の用紙送りもしくは印刷動作によって、用紙18はラベル貼り付け対象物側に繰り出され、用紙先端部がフレキシブル用紙ガイド24のガイド用ポスト19とラベル貼り付けゴムローラ8の間もしくは近傍に達した場合、図5に示す様にフレキシブル用紙ガイド24の固定柱23とラベル貼り付けゴムローラ8は印刷の用紙繰り出し速度にほぼ同期して用紙繰り出し方向側にスライドする。フレキシブル用紙ガイド24はフィルム状のプラスチック材などで形成され、一端はスライド板に固定された固定柱23へ、他方はフレームに固定された軸71に接触して屈曲し、バネを介してフレーム(図示せず)に固定される。ラベル貼り付けゴムローラ8の回転軸8aと固定柱23は図1に示すC方向とD方向に往復可能なレール状のスライド板26に固定され、スライド板26はステッピングモータ30からギア29及びピニオンギア28、スライド板26に取り付けられたラック27によって駆動される。
【0026】
ラベル用紙は、電池2にラベルを貼るための所望の印刷もしくは用紙送りを完了後、図5に示す電池2のラベルを貼るべき側面とラベル貼り付けローラ8との間に用紙18a、粘着面18bが挟まれる状態で待機する。
【0027】
次に、電池の移送に関して図1、図5及び図9で説明する。ステッピングモータ52を回転させ、ギア51、52で減速し、ブロック搬送ローラ44を駆動し、タイミングベルト43に伝達し、電池搬送ブロック41を移動せしめ、電池2の側面にラベルの先端部もしくは先端部近傍を貼り付ける。図9は電池搬送部を示し、ブロック搬送ローラ44はF方向に回転駆動し、タイミングベルト43を駆動し、電池搬送ブロック41及び中間搬送ブロックはタイミングベルト43に中央部を固定ピン70により契合し、電池を移動せしめる。電池搬送ブロック41はラベル貼り付けのローラの圧接応力によって傾かない様に電池2を保持する為のガイド9aと9bが配置され、中間搬送ブロック42と交互に各々7個接続され、フレーム46に設けられたガイド部50a及び51b(図示せず)により側面方向の位置決めされ平行移動をする。
【0028】
次に電池をトレイから搬送ブロックへの移送に関して図9から図12で説明する。電池搬送ブロック41と中間搬送ブロック42は軸を軸受け64とバネ63で受けられた従動ローラ45、フレーム46及び駆動用のブロック搬送ローラ44の上に配置され電池2を搬送する。電池トレイ47に置かれた電池は、トレイ47と壁面64の間の隙間から、電池搬送ブロックの電池保持体9aと9bの間に落下する。図9に於いて、電池搬送ブロックをF方向に移送したのが図10であり、中間搬送ブロックの電池高さとほぼ同程度の高さに形成されたガイド部42aによって不要な電池が搬送されるのを防止する。電池トレイ47の重力方向に対する傾きは水平に対して約20度であり、電池が自身の重さで回転して電池搬送ブロックに落下し、待機中の次の電池が電池搬送ブロックの電池ガイド部や中間搬送ブロックの隙間に一部入り込んでも軽い動作力でG方向に動き、他の待機中の電池はH方向に移動し電池搬送ブロックの移動の妨げにはならない。
【0029】
前記図5の状態で充電または待機した電池は、ラベル貼り付け開始位置図6の位置に送られる。電池とラベルを密着させる為、ラベル貼り付けゴムローラ8は電池の円筒面とほぼ同一の曲率の鼓型形状とし、所望の圧力以上で圧接させる様ステッピングモータ52の送り量を設定し、スライド板26に回転自在に取り付けられたラベル貼り付けローラ8をD方向に移動し先ずラベルエッジ部から5mm部分を貼り付け、次にD方向に更に移動しエッジ部分まで貼り付け、その後C方向に移動して円筒部である側面への貼り付けを完了する。尚、ラベル貼り付けローラ8の電池側面への圧接圧力を安定化するために、スライド板26に取り付けられた板バネ取り付け部66に取り付けられた板バネ65によってラベル貼り付けローラ8の回転中心軸を保持する。この板バネ65によりラベル貼り付けゴムローラ8はステッピングモータ52の駆動によるトルクにより、H方向に1mmないし2mm程度変位し、ステッピングモータを位置制御可能なトルク範囲で使用可能な状態となる。
【0030】
次の工程を図7で説明する。ラベル貼り付けゴムローラ8をC方向に移動し、円筒部端部までラベル貼り付けたら、ハサミの様な構造の用紙カッタの可動歯22bをモータ(図示せず)で駆動し切断する。その後、ステッピングモータ52を回転し電池搬送ブロックを電池の電極部までF方向に移動しラベルを圧接する。ラベル貼り付けゴムローラ8の反対側の電極部には、フレーム46(図示せず)に取り付けられた回転自在なローラ62で受け、電池搬送ブロックの移動負荷を低減する。また、電極部への圧接を強くする為図7の状態でラベル貼り付けゴムローラ8を1mm程度D方向に移動しても良い。
【0031】
次のラベル終端の貼り付けを図8に示し、図1、図8で説明する。電池搬送ブロック41を更にラベル貼り付けゴムローラ8が用紙18a、粘着面18bが電池2の電極面と円筒面の交点に達するまでF方向に移動し、その後モータ30を駆動しラベル貼り付けローラ8をD方向にスライドし電池の円筒部分に圧接しラベル貼り付けを完了する。ラベル貼り付け時の電池へのラベル貼り付けローラ8の圧接圧を高めラベルの貼り付けを安定化させる為、ラベル貼り付けローラ8が電池の円筒部に接触する前に板バネ65が応力によりK方向にたわむ様、ステッピングモータ52の制御により僅かに電池搬送ブロックの移動量を少なくすることや貼り付け動作中にステッピングモータ52の逆回転せしめ、電池搬送ブロックをF方向と逆に移送することも行うと効果的である。
【0032】
電池へのラベル貼り付けを完了後、ラベル貼り付けローラ8をC方向に移動し待機位置にし、ステッピングモータ52を回転し、電池搬送ブロックがブロック搬送ローラで上下反転方向の回転により、ラベル貼り付け済みの電池はトレイ4に落下する。
【0033】
下部の電池ストッカである電池トレイ4は、上部の電池供給側のトレイ47の収容本数より多数の電池本数を収容出来るサイズであり、上部の電池トレイに電池が有る分だけ連続して測定、放電、充電及び自動ラベル貼り付けが出来、電池が有るはずの位置で電池制御部5にて開放電圧状態が検知された場合または電池トレイ47に設けられた電池の有無のスイッチ(図示せず)により電池がトレイになくなった場合に停止する。
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、ロール状に巻かれた記録紙に電池の管理情報が印刷出来、印刷され粘着材の剥離紙を引き剥がしされた記録紙の先端部は、ロール紙の巻き癖のカールする内側がラベル貼り付けローラ8もしくはフレキシブル用紙ガイド24に接触し、粘着面が不要な部位に誤って貼り付くことがなく電池の円筒部の側面まで搬送されて安定したラベル貼り付けを出来る。また、電池の電極と電圧測定もしくは充電用の電極は圧接しながら摺動し、電極に付着した異物や錆を削り落とし、電気的接触を安定化出来る効果がある。電池搬送ブロックは無限軌道状になるように連結され、電池供給、電圧測定、放電、充電、ラベル貼り付け及び電池の排出などの一連の工程を順送りで行う事が出来る。
【0034】
「他の実施形態」
本実施形態では、ラベル印刷は感熱記録紙を用いているが、他の実施形態では、インクリボンを用いた熱転写方式或いはインクジェット記録など他の印刷方式でも良い。
【0035】
本実施形態では、印刷ユニットの向きは、ヘッドに対向するプラテンローラとヘッドの発熱部の接線方向と平行にフレキシブル用紙ガイドをスライドしているが、図14に一例を示す他の実施形態の様に、印刷ヘッドとプラテンローラの接線とフレキシブル用紙ガイドのスライド方向の角度を変え、印刷済みのラベルがフレキシブル用紙ガイドの方向に向かって繰り出され、万一用紙がカールし粘着面が不要な部分に貼り付いたりしない様にも構成で出来る。
【0036】
本実施形態では、液晶ディスプレーなどの表示装置はないが、他の実施形態では電圧測定値や充電状態などの情報や設定及び操作に関するガイド情報を表示し利便性を向上することもでき、ユーザの指示や手動動作で電圧測定後や充電中又は充電完了後ラベル貼り付け前の途中工程の電池を取り出すレバーなどを付けても良い。
【0037】
また、図13に示す様に本実施形態では文字情報の印刷であるが、絵文字などのマークやバーコードなどを印刷をしても良い。
【0038】
バーコードや日付など印刷後、用紙18を所望のテンションでちぎれる様にカッタの位置制御を行い部分カットして電池に貼り付け、バーコードや初回使用の日付部分を電池に付着状態で電池を使える様にカッタ動作とラベル貼り付け動作をしても良い。
【0039】
本実施形態では、画像読み取り機能は記載してないが、バーコードや電池の外観での識別及び電池への記載内容を文字認識するスキャナやカメラ及び電池の回転機構を設けても良い。
【0040】
電池搬送ブロックの電池接触部に液体吸収パッドを設け、バッド内部または近傍に電極を設け、特に一次電池へ充電を行った場合の電池の内部圧力が高まり液漏れ発生の検知と該液体吸収パッドを交換可能に構成しても良い。
【0041】
本実施形態では、単三型電池を対象に記述しているが、単一電池、単二電池及び単四電池などの円筒型電池について実施しても良い。
【0042】
本実施形態では、単三電池への自動測定とラベル貼り付け例を記載しているが、電圧測定電極6を外部にも設け、単一電池、単二電池、単四電池及び006P型電池などを測定し、ラベルを自動貼り付けしないで、外部に排出されるように構成し、ユーザが手で貼り付け出来るように構成することも出来る。
【0043】
また、電池のトレイ4を大きくし、電池サイズや一次電池か二次電池及び電圧値に応じた仕切りを設け、電池ストッカとして構成しても良い。
【0044】
設定することなどにより、電池の充電を行わず、測定とラベル貼り付けのみを行うモードにし、測定結果の電圧値、内部抵抗、外部負荷印加での時間変化量から、電池の強さを対戦力、防護力、持続力などの特徴や性格に対応させ、ラベルに記載し比較することも出来る。
【0045】
電池制御部5に外部通信手段を設け、サーバ機能や特定ホームページに接続機能により、電池の在庫や交換の可能性に関して情報交換出来るようにすることも出来る。
【0046】
充電電極7を一対のみではなく二対や四対など複数対設け、2本或いは4本など多数同時に充電出来る様にしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の一実施形態に係る印刷及びラベル搬送及び電池搬送に関する説明図である。
【図2】従来技術を示す斜視図である。
【図3】本発明の電池測定、印刷、貼り付け装置及び自動ラベル貼り付けされた電池の斜視図である。
【図4】電圧測定及び印刷の開始工程を示す説明図である。
【図5】ラベルに印刷され、電池が充電もしくは印刷の待機状態の工程にを示す説明図である。
【図6】測定もしくは充電された電池にラベルを貼り付ける工程を示す説明図である。
【図7】用紙がカッタで切断されレベルが電池に貼り付けられている工程を示す説明図である。
【図8】ラベル貼り付けの最終工程を示す説明図である。
【図9】電池の供給と搬送を示す説明図である。
【図10】正常な位置以外に電池が供給出来ない事を示す説明図である。
【図11】電池搬送部分の斜視図である。
【図12】電池搬送ブロックと中間搬送ブロックの結合を示す説明図である。
【図13】ラベルの印刷例及び貼り付け位置を示す図である。
【図14】プリンタから用紙の繰り出し方向に角度を付けたことを示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1 電池ラベル印刷貼り付け装置
2 電池
3 印刷ユニット
4 ラベル貼り付け済み電池トレイ
5 電池制御部
6 電圧測定・放電用電極
7 充電電極
8 ラベル貼り付けゴムローラ
9 電池ガイド
10 プリントヘッド
11 発熱体
12 プラテン
13 ギア
14 ウオームギア
15 ステッピングモータ
16 ヘッド固定部材
17 粘着材付き感熱記録ロール紙
18 ラベルシール用紙
19 ガイド用ポスト
20 剥離紙巻き取りローラ
21 剥離紙ガイド板
22 用紙カッタ
23 フレキシブル用紙ガイド固定柱
24 フレキシブル用紙ガイド
25 バネ
26 スライド板
27 ラック
28 ギア
29 ギア
30 ステッピングモータ
41 電池搬送ブロック
42 中間搬送ブロック
43 タイミングベルト
44 ブロック搬送ローラ
45 ブロック搬送ローラ(従動)
46 フレーム
47 電池トレイ
50 搬送ブロックガイド
51 電極取り付け板
52 電極取り付け板
60 剥離補助板
62 ローラ
63 バネ
64 軸受け
65 板バネ
66 板バネ取り付け板
67 サーミスタ
68 電池トレイ壁面
70 固定ピン
71 軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池に外部抵抗負荷を与え、1回または2回以上電池の端子電極間の電圧を測定し、予め設定された電池の電圧範囲及び外部抵抗負荷を加えて計測した電圧から割り出された内部抵抗から、一次電池か二次電池かの種類を識別し、測定結果から関連付けられる情報を印刷或いはマークを選択し、電池の電極の少なくとも一方を覆う部材として出力するラベリング装置。
【請求項2】
電池情報を電流を流した場合の電圧により測定し、電池情報を記憶手段にメモリし、二次電池の場合は電極から電流を流し充電を行い、充電完了後に充電に関する時間情報、前記記憶手段にメモリした充電前の電池の電圧や内部抵抗情報、電池の使用或いは廃棄に関する案内情報の全て或いはいずれかを印刷するラベリング装置。
【請求項3】
粘着剤付きのラベルシールへ印刷し、ラベルシールは粘着面が外側になるようにカールされて印刷ヘッドに供給され、剥離紙を分離後のラベルシールの印刷面側の先端または先端部近傍は、電池への粘着材圧接用のローラまたは該ローラと印刷ヘッドとの間のラベル先端部ガイド部材に接触し、該ローラとラベル先端部ガイド部材はラベルシールの印刷に同期して同一方向に移動する請求項1または請求項2のラベリング装置。
【請求項4】
前記ラベリング装置において、電池を保持し電池の電極面をスライド方向に送る搬送部材と、ラベルシールの圧接用ローラを設け、該ローラは鼓形状に形成された弾性体であり、電池保持搬送部材とローラは相互に位置制御されて、直交して移動するラベリング装置。
【請求項5】
一次電池への充電するか否かの設定手段及び判断手段を有し、一次電池へ充電する場合は一次電池に対応する充電条件で充電を行い、充電しない設定の場合は充電を行わずに電池の測定結果に基づく電圧情報、廃棄対象電池などの管理情報を印刷する請求項3のラベリング装置。
【請求項6】
電池の電圧から極性を識別し、極性に対応した電圧印刷または充電を行う請求項1のラベリング装置。
【請求項7】
第一の電極対と第二の電極対を設け、二次電池であり放電が必要と識別された場合、第一の電極対で放電を行い、その後電池を移送し第二の電極対で充電を行うことを特徴とする請求項3のラベリング装置
【請求項8】
粘着剤付きのラベルシールへ印刷し、印刷ユニットは、ラベルシール印刷面側の先端部がラベル貼り付けローラとラベル先端ガイド部材方向に、印刷またはラベルシール送りとともに進む様に、傾けて取り付けられ、剥離紙を分離後のラベルシールの印刷面側の先端部は、電池へのラベル圧接用のローラまたは該ローラと印刷ヘッドとの間のラベル先端部ガイド部材に接触し、該ローラとラベル先端部ガイド部材はラベルシールの印刷に同期して同一方向に移動する請求項1または請求項2のラベリング装置。
【請求項9】
鼓形状のラベルシール圧接用ローラを用いずに、ローラを円筒形状のローラとし、ゴム硬度が40度以下のゴム部材または弾性多孔体をもちいることを特徴とした請求項4のラベリング装置。
【請求項10】
ラベル貼り付けゴムローラの電池円筒部への圧接開始位置を、ラベル先端部から5mm以上離れた位置とすることを特徴とした請求項4のラベリング装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2006−331667(P2006−331667A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−149149(P2005−149149)
【出願日】平成17年5月23日(2005.5.23)
【出願人】(305021719)アイエスエス株式会社 (10)
【Fターム(参考)】