説明

ラベル印字装置、ラベルの使用方法およびラベル

【課題】資源の浪費を抑制しつつ作業効率化を図ることが可能なラベル印字装置、ラベルの使用方法およびラベルを提供する。
【解決手段】ラベル100は、一方の面に商品情報としての商品名称11および通常価格情報15等を有し、他方の面に第1接着層40が配された第1領域部10と、一方の面に商品情報としての販売促進メッセージ21を有し、他方の面に第1接着層40より接着力が弱い第2接着層50が配された第2領域部20と、第1領域部10と第2領域部20とを分割するための切り取り部30と、を含む。この切り取り部30により第1領域部10と第2領域部20とが分割された後、当該第1領域部10が商品情報として用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客に商品を提供する商品販売店舗において、使用するラベル印字装置、当該ラベルを印字するラベル印字装置および商品に貼り付けるラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に店頭で販売される食品等は、樹脂製のトレイ上に載せられ包装フィルム等で包まれた状態で置かれている。通常、包装フィルムには、食品名や売価、包装フィルムの材質等が印字されたラベルが接着層を介して貼り付けられている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載のラベルには、当該ラベルの品名欄またはデータ欄の空白部に値引き情報が印字される。このように、通常用いられるラベルに値引情報を印字することによって、通常価格が印字されたラベルと値引情報が印字されたラベルとの2枚のラベルを貼り付けることや、通常価格と値引情報との両方を印字するための大きなラベルを用意する必要がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−119573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のように、従来においては、値引情報が印字されたラベルを貼り付ける前に、通常価格が印字されたラベルを貼り付ける必要がある。そのため、通常価格が印字されたラベルと値引情報が印字されたラベルとの2枚のラベルが必要となり、資源の浪費を抑制することが困難となる。
また、通常価格が印字されたラベルから値引情報が印字されたラベルに貼り替える手間がかかってしまい、店舗従業員の作業効率化を図ることが困難である。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑み、資源の浪費を抑制しつつ作業効率化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)
第1の発明に係るラベル印字装置は、少なくとも一方の面に商品情報としての第1情報を有し、他方の面に第1接着層が配された第1領域部と、少なくとも一方の面に商品情報としての第2情報を有し、他方の面に第1接着層より接着力が弱い第2接着層が配された第2領域部と、第1領域部と第2領域部とを分割するための切り取り部と、を含み、切り取り部により第1領域部と第2領域部とが分割された後、当該第1領域部が商品情報として用いられるラベルに対して商品情報を印字する印字部と、ラベルを搬送する搬送部と、を含むものである。
【0008】
第1の発明に係るラベル印字装置により印字されるラベルは、第1情報および第1接着層を有する第1領域部と、第1接着層より接着力が弱い第2接着層および第2情報を有する第2領域部と、第1領域部と第2領域部とを分割するための切り取り部とを含む。このようなラベルは切り取り部により第1領域部と第2領域部とが分割された後、当該第1領域部が商品情報として用いられる。すなわち、容易に商品情報を、第2領域部から第1領域部に移すことができる。
【0009】
この場合、1枚のラベルにおいて第1情報および第2情報を商品情報として設けることによって、これらの商品情報を複数のラベルに分けて設ける必要がない。それにより、地球環境にやさしく、資源の浪費を抑制することが可能となる。また、消費者は第1情報および第2情報を比較することにより購買意欲を掻き立てられる。
【0010】
また、第1情報および第2情報を別個独立のラベルに設ける場合には、作業員はラベルを貼り付けたり剥がしたりする必要があったが、第2領域部が不要になった際には切り取り部によって当該第2領域部を切り取るのみで済むので、作業効率化を図ることが可能となる。さらに、第2領域部の第2接着層の接着力は第1接着層よりも弱いので、作業員は第2領域部を分割する際に当該第2領域部を剥がし易くなる。
【0011】
(2)
搬送部は、ラベルの第1領域部を搬送方向の下流側にし、第2領域部を搬送方向の上流側にして当該ラベルを搬送することが好ましい。
【0012】
このような効果を奏するラベルを得るために、本発明に係るラベル印字装置においては、搬送部によってラベルの第1領域を搬送方向の下流側にし、第2領域を搬送方向の上流側にして当該ラベルが搬送される。すなわち、接着力の強い方の第1領域部から印字部に向けて搬送されるので、接着力が比較的弱く第2領域部が下地から剥がれそうになっている場合でも、当該第2領域部をスムーズに搬送することが可能となる。
【0013】
(3)
ラベル印字装置は、印字部の上流側の搬送部の途中に設けられ、ラベルの第2領域部に搬送方向と平行な方向に上方凸状の癖付けを行う癖付け部をさらに備えてもよい。
【0014】
このような効果を奏するラベルを得るために、本発明に係るラベル印字装置においては、印字部に搬送される前に、ラベルの第2領域部に搬送方向と平行な方向に上方凸状の癖付けが癖付け部によって行われる。それにより、接着力が比較的弱い第2領域部が下地から剥がれそうになっている場合でも、癖付けによって剥がれを抑制でき、当該第2領域部をスムーズに搬送することが可能となる。
【0015】
(4)
第2の発明に係るラベルの使用方法は、商品に関する情報である商品情報を備えたラベルの使用方法であって、ラベルは、少なくとも一方の面に商品情報としての第1情報を有し、他方の面に第1接着層が配された第1領域部と、少なくとも一方の面に商品情報としての第2情報を有する第2領域部と、第1領域部と第2領域部とを分割するための切り取り部と、を含み、第1領域部と第2領域部とを切り取り部によって分割することなく用いる非分割ステップと、第1領域部と第2領域部とを切り取り部によって分割し、第2領域部を用いずに第1領域部を用いる分割ステップと、を含むものである。
【0016】
第2の発明に係るラベルの使用方法においては、第1情報および第1接着層を有する第1領域部と第2情報を有する第2領域部とを含むラベルが、非分割ステップで第1領域部と第2領域部とが切り取り部によって分割されることなく用いられ、分割ステップで第1領域部と第2領域部とが切り取り部によって分割された後、第2領域部が用いられずに第1領域部が用いられる。すなわち、容易に商品情報を、第2領域部から第1領域部に移すことができる。
【0017】
この場合、1枚のラベルにおいて第1情報および第2情報を商品情報として設けることによって、これらの商品情報を複数のラベルに分けて設ける必要がない。それにより、地球環境にやさしく、資源の浪費を抑制することが可能となる。また、消費者は第1情報および第2情報を比較することにより購買意欲を掻き立てられる。
【0018】
また、第1情報および第2情報を別個独立のラベルに設ける場合には、作業員はラベルを貼り付けたり剥がしたりする必要があったが、本発明に係るラベルの使用方法によれば、第2領域部が不要になった際には切り取り部によって当該第2領域部を切り取るのみで済むので、作業効率化を図ることが可能となる。
【0019】
さらに、第2領域部の他方の面には接着層は配されていなくてもよく、配されていない場合、作業員は当該第2領域部を切り取り部によって容易に分割することができる。それにより、第2領域部を分割する際において包装フィルムを破る危険性を抑制することができる。
【0020】
例えば、第1情報は、商品の名称および当該商品の価格である価格情報を含み、第2情報は、商品の値引き後の価格情報を含んでもよい。この場合、第1情報としての価格情報と第2情報としての値引き後の価格情報とをそれぞれ第1領域部と第2領域部とに分けて設けることによって、値引き後の価格で商品を販売する所定期間が終了すれば、作業員は第2領域部を分割するだけで包装フィルムに商品の通常価格情報を残すことが可能となる。
【0021】
分割ステップは、第1情報および第2情報の印字を変更せずに、第2領域部を切り取り部によって切り取ることにより第1情報および第2情報による商品情報を、第1情報のみによる商品情報へと変更してもよい。この場合、第1情報のみによる商品情報による販売期間に移行する際における作業効率化が図られるとともに、消費者は第1情報および第2情報を比較することによって購買意欲を掻き立てられる。
【0022】
(5)
第2領域部は、他方の面に第1接着層よりも接着力が弱い第2接着層が配されてもよい。
【0023】
この場合、第2領域部の第2接着層の接着力は第1接着層よりも弱いので、作業員は第1領域部および第2領域部を分割する際に当該第2領域部を剥がし易くなる。したがって、第2領域部が不要になった際には切り取り部によって当該第2領域部をさらに容易に切り取るのみで済むので、作業効率化を図ることが可能となる。
【0024】
(6)
第3の発明に係るラベルは、少なくとも一方の面に商品に関する情報である商品情報を備え、他方の面に接着層を有するラベルであって、少なくとも一方の面に商品情報としての第1情報を有し、他方の面に第1接着層が配された第1領域部と、少なくとも一方の面に商品情報としての第2情報を有する第2領域部と、第1領域部と第2領域部とを分割するための切り取り部と、を含み、切り取り部により第1領域部と第2領域部とが分割された後、当該第1領域部が商品情報として用いられるものである。
【0025】
第3の発明に係るラベルにおいては、第1情報および第1接着層を有する第1領域部と、第2情報を有する第2領域部と、第1領域部と第2領域部とを分割するための切り取り部とが設けられる。このようなラベルは、切り取り部により第1領域部と第2領域部とが分割された後、当該第1領域部が商品情報として用いられる。すなわち、容易に商品情報を、第2領域部から第1領域部に移すことができる。
【0026】
この場合、1枚のラベルにおいて第1情報および第2情報を商品情報として設けることによって、これらの商品情報を複数のラベルに分けて設ける必要がない。それにより、地球環境にやさしく、資源の浪費を抑制することが可能となる。また、消費者は第1情報および第2情報を比較することにより購買意欲を掻き立てられる。
【0027】
また、第1情報および第2情報を別個独立のラベルに設ける場合には、作業員はラベルを貼り付けたり剥がしたりする必要があったが、本発明に係るラベルによれば、第2領域部が不要になった際には切り取り部によって当該第2領域部を切り取るのみで済むので、作業効率化を図ることが可能となる。
【0028】
さらに、第2領域部の他方の面には接着層は配されなくてもよく、配されない場合、作業員は当該第2領域部を切り取り部によって容易に分割することができる。それにより、第2領域部を分割する際に包装フィルムを破る危険性を抑制することができる。
【0029】
また、商品のリパックを行ってラベルを交換する場合もあり、この場合、多種多様の商品が存在するため、作業者のラベル張り間違いのおそれがあった。しかしながら、本発明を用いた場合、ラベルの第2領域部を分割するのみで対応できるため、商品に対するラベルの貼り間違いの心配がない。その結果、顧客に安心を与え、食の安全を図ることができる。
【0030】
(7)
第2領域部は、他方の面に第1接着層より接着力が弱い第2接着層が配されてもよい。
【0031】
この場合、第2領域部の第2接着層の接着力は第1接着層よりも弱いので、作業員は第1領域部および第2領域部を分割する際に当該第2領域部を剥がし易くなる。したがって、第2領域部が不要になった際には切り取り部によって当該第2領域部をさらに容易に切り取るのみで済むので、作業効率化を図ることが可能となる。
【0032】
(8)
第2情報は、商品の値引き後の価格情報を含んでもよい。
【0033】
この場合、消費者は商品の値引き後の価格情報を視認することにより購買意欲を掻き立てられる。
【0034】
(9)
第3の発明に係るラベルは、第2領域部における一方の面上に、商品情報としての第3情報を有する第3領域部を剥離可能に備え、第3情報は、販売促進メッセージ、商品の値引き後の価格情報、商品の値引き率を示す値引き率情報、および商品の値引き期間を示す値引き期間情報からなる群より選択される1または複数を含んでもよい。
【0035】
この場合、上記のような第3情報を有する第3領域部が第2領域部における一方の面上に剥離可能に設けられる。このような構成により、第2情報を表示する前段階において第3領域部により別の商品情報を設定することが可能となる。また、第3情報が不要になった場合には、作業員は第3領域部を剥離により容易に取り除くことができる。
【0036】
(10)
第1情報は、商品の名称および当該商品の価格である価格情報を含み、第2情報は、販売促進メッセージを含んでもよい。
【0037】
この場合、所定期間において販売促進キャンペーン等を行う際に、第2情報としての販売促進メッセージにより消費者の購買意欲を掻き立てることができる。また、販売促進キャンペーンが終了すれば、作業員は販売促進メッセージが配された第2領域部を切り取り部によって容易に切り取って取り除くことが可能となる。
【0038】
(11)
第2情報は、商品の値引き率を示す値引き率情報を含んでもよい。
【0039】
この場合、消費者は商品の値引き率情報を視認することにより購買意欲を掻き立てられる。
【0040】
(12)
第2情報は、商品の値引き期間を示す値引き期間情報を含んでもよい。
【0041】
この場合、消費者は商品の値引き期間情報を視認することにより購買意欲を掻き立てられる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第1実施形態に係るラベルの構成を示す模式図
【図2】ラベルの使用方法を示すフローチャート
【図3】第2実施形態に係るラベルの構成を示す模式図
【図4】第3実施形態に係るラベルの構成を示す模式図
【図5】第4実施形態に係るラベルの構成を示す模式図
【図6】ラベル印字装置の構成を示す図
【図7】ラベル印字装置の断面および癖付け部の説明図
【図8】ラベル印字装置によって作成されるラベルの状態を示す模式図
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
本発明に係るラベルは、少なくとも一方の面に、商品に関する情報である商品情報としての第1情報を有し、他方の面に第1接着層が配された第1領域部と、少なくとも上記一方の面に商品情報としての第2情報を有し、上記他方の面に第1接着層よりも接着力が弱い第2接着層が配された第2領域部と、第1領域部と第2領域部とを分割するための切り取り部と、により構成される。
【0044】
以下、本発明の一実施形態に係るラベルおよびラベル印字装置について詳細に説明する。
【0045】
(第1の実施の形態)
図1は第1実施形態に係るラベル100の構成を示す模式図である。
【0046】
図1(a)はラベル100の一方の面(以下、表面と呼ぶ)の態様を示し、図1(b)はラベル100の他方の面(以下、裏面と呼ぶ)の態様を示している。
【0047】
図1(a)に示すように、ラベル100は、例えば食品の商品名称11、商品の原産地名称12、消費期限情報13、加工日情報14、および商品の通常価格情報15等により構成される第1領域部10と、販売促進メッセージ(例えば、「広告の品」や「特価」等)21により構成される第2領域部20と、第1領域部10と第2領域部20とを分割するための切り取り部30と、を含む。以下、第1領域部10における情報等を第1情報と呼び、第2領域部20における情報等を第2情報と呼ぶ。
【0048】
ここで、図1(b)に示すように、ラベル100の裏面において、上記の第1領域部10に相当する位置に、所定の接着力を有する第1接着層40が設けられ、第2領域部20に相当する位置に第1接着層40の接着力よりも弱い接着力を有する第2接着層50が設けられている。なお、第2接着層50として、弱粘糊または再剥離糊等が用いられる。
【0049】
このようなラベル100の使用方法は例えば次の通りである。図2はラベル100の使用方法を示すフローチャートである。
【0050】
図2に示すように、まず、商品を取り扱う店舗の作業員は、第1領域部10と第2領域部20とが分割されていない状態のラベル100を、商品の包装フィルムに貼り付ける(非分割ステップ;ステップS1)。
【0051】
上述したように、ラベル100の第2領域部20には、「広告の品」等の販売促進メッセージ21が設けられるので、当該ラベル100は、期間限定の販売促進を図ることができる。したがって、消費者は購買意欲を掻き立てられる。
【0052】
次に、所定期間(キャンペーン期間、割引期間等)が経過した場合、作業員は、接着力が弱い第2領域部20を包装フィルムから剥がした後、第1領域部10と第2領域部20とを切り取り部30によって分割する。すなわち、作業員は、第1領域部10のみを包装フィルムに貼り付けられた状態にしておき、第2領域部20を破棄等して取り除く(分割ステップ;ステップS2)。
【0053】
すなわち、分割ステップでは、第1情報および第2情報の印字を変更せずに、第2領域部20を切り取り部30により切り取ることによって、第1情報および第2情報による商品情報を、第1情報のみによる商品情報へと変更している。
【0054】
このようにラベル100を使用することによって、所定期間において消費者の購買意欲を掻き立てることができるとともに、第2領域部20を切り取ることのみで期間限定の商品の運用を容易に行うことができる。
【0055】
すなわち、従来であれば、商品の名称や通常価格等が印字されたラベルと販売促進メッセージが印字されたラベルとを別個独立に用意する必要があるとともに、期間限定の商品の運用を行う際には、作業員は販売促進メッセージのラベルを貼り付けたり剥がしたりする必要があったが、本実施形態では上述のようにそのような必要がないので、資源の浪費を抑制しつつ作業員の作業効率化を図ることが可能となる。
【0056】
また、弱粘糊または再剥離糊からなる第2接着層50を用いることで、第2領域部20を包装フィルムから剥がす際に当該包装フィルムを破る危険性を抑制することができる。したがって、第2領域部20を切り取った後の包装フィルムは、通常のラベルが貼り付けられた状態と外観的に遜色なく、消費者にとって違和感がないことが期待される。
【0057】
(第2の実施形態)
第2実施形態に係るラベル101の構成が第1実施形態に係るラベル100の構成と異なる点は、販売促進メッセージ21の代わりに、商品の値引き後の価格情報(以下、値引き後価格情報と呼ぶ)22を第2領域部20に設ける点である。
【0058】
図3は第2実施形態に係るラベル101の構成を示す模式図である。図3に示すように、ラベル101は第2領域部20に値引き後価格情報22を有する。このようなラベル101の運用方法は次の通りである。
【0059】
まず、商品を取り扱う店舗の作業員は、第1領域部10と第2領域部20とが分割されていない状態のラベル101を、商品の包装フィルムに貼り付ける(非分割ステップ)。
【0060】
ラベル101の第2領域部20には、値引き後価格情報22が設けられるので、当該ラベル101は、期間限定の販売促進を図ることができる。したがって、消費者は購買意欲を掻き立てられる。
【0061】
次に、所定期間が経過すれば、作業員は、接着力が弱い方の第2領域部20を包装フィルムから剥がした後、第1領域部10と第2領域部20とを切り取り部30によって分割する。すなわち、作業員は、第1領域部10のみを包装フィルムに貼り付けられた状態にしておき、第2領域部20を破棄等して取り除く(図2のステップ2参照。分割ステップ)。
【0062】
このようにラベル101を使用することによって、所定期間において消費者の購買意欲を掻き立てることができるとともに、第2領域部20を切り取ることのみで期間限定の商品の運用を容易に行うことができる。
【0063】
また、ラベル101を使用することによって、期間限定で通常価格よりも低額で商品を販売することができ、所定期間が経過すれば作業員が第2領域部20を切り取ることによって、通常価格での商品の販売を実施することができる。これにより、商品の名称や通常価格等が印字されたラベルと値引き後価格情報が印字されたラベルとを別個独立に用意する必要はないし、期間限定の商品の運用を行う際において作業員が値引き後価格情報のラベルを貼り付けたり剥がしたりする必要はない。したがって、資源の浪費を抑制しつつ作業員の作業効率化を図ることが可能となる。
【0064】
さらに、本実施形態では、商品の値引き後価格情報22を有する第2領域部20を切り取った後は、第1領域部10の通常価格情報15が残ることとなる。したがって、これとは逆に、第2領域部20を切り取った後に値引き後価格情報22が残るようにした場合における、消費者による価格改ざん目的での切り取りが行われることがない。よって、本実施形態のラベル101は、消費者による価格情報の改ざんを防止する上で有用である。
【0065】
(第3の実施形態)
第3実施形態に係るラベル102の構成が第1実施形態に係るラベル100の構成と異なる点は、販売促進メッセージ21の代わりに、商品の値引き率を示す値引き率情報23を第2領域部20に設ける点である。
【0066】
図4は第3実施形態に係るラベル102の構成を示す模式図である。図4に示すように、ラベル102は第2領域部20に値引き率情報23を有する。このようなラベル102の運用方法は次の通りである。
【0067】
まず、商品を取り扱う店舗の作業員は、第1領域部10と第2領域部20とが分割されていない状態のラベル102を、商品の包装フィルムに貼り付ける(図2のステップ1参照。非分割ステップ)。
【0068】
ラベル102の第2領域部20には、値引き率情報23が設けられるので、当該ラベル102は、期間限定の販売促進を図ることができる。したがって、消費者は購買意欲を掻き立てられる。
【0069】
次に、所定期間が経過すれば、作業員は、接着力が弱い方の第2領域部20を包装フィルムから剥がした後、第1領域部10と第2領域部20とを切り取り部30によって分割する。すなわち、作業員は、第1領域部10のみを包装フィルムに貼り付けられた状態にしておき、第2領域部20を破棄等して取り除く(図2のステップ2参照。分割ステップ)。
【0070】
このようにラベル102を使用することによって、所定期間において消費者の購買意欲を掻き立てることができるとともに、第2領域部20を切り取ることのみで期間限定の商品の運用を容易に行うことができる。
【0071】
また、ラベル102を使用することによって、期間限定で通常価格よりも低額で商品を販売することができ、所定期間が経過すれば作業員が第2領域部20を切り取ることによって、通常価格での商品の販売を実施することができる。これにより、商品の名称や通常価格等が印字されたラベルと値引き率情報が印字されたラベルとを別個独立に用意する必要はないし、期間限定の商品の運用を行う際において作業員が値引き率情報のラベルを貼り付けたり剥がしたりする必要がない。したがって、資源の浪費を抑制しつつ作業員の作業効率化を図ることが可能となる。
【0072】
(第4の実施形態)
第4実施形態に係るラベル103の構成が第1実施形態に係るラベル100の構成と異なる点は、販売促進メッセージ21の代わりに、第2実施形態における値引き後価格情報22、および商品の値引き期間を示す値引き期間情報24を第2領域部20に設ける点である。
【0073】
図5は第4実施形態に係るラベル103の構成を示す模式図である。図5に示すように、ラベル103は第2領域部20に値引き後価格情報22および値引き期間情報24を有する。このようなラベル103の運用方法は次の通りである。
【0074】
まず、商品を取り扱う店舗の作業員は、第1領域部10と第2領域部20とが分割されていない状態のラベル103を、商品の包装フィルムに貼り付ける(図2のステップ1参照。非分割ステップ)。
【0075】
ラベル103の第2領域部20には、値引き後価格情報22および値引き期間情報24が設けられるので、当該ラベル103は、期間限定の販売促進を図ることができる。したがって、消費者は所定期間における商品の値引き後価格を意識し、購買意欲を掻き立てられる。
【0076】
次に、所定期間が経過すれば、作業員は、接着力が弱い方の第2領域部20を包装フィルムから剥がした後、第1領域部10と第2領域部20とを切り取り部30によって分割する。すなわち、作業員は、第1領域部10のみを包装フィルムに貼り付けられた状態にしておき、第2領域部20を破棄等して取り除く(図2のステップ2参照。分割ステップ)。
【0077】
このようにラベル103を使用することによって、所定期間において消費者の購買意欲を掻き立てることができるとともに、第2領域部20を切り取ることのみで期間限定の商品の運用を容易に行うことができる。
【0078】
また、ラベル103を使用することによって、期間限定で通常価格よりも低額で商品を販売することができ、所定期間が経過すれば作業員が第2領域部20を切り取ることによって、通常価格での商品の販売を実施することができる。これにより、商品の名称や通常価格等が印字されたラベルと値引き期間情報等が印字されたラベルとを別個独立に用意する必要はないし、期間限定の商品の運用を行う際において作業員が値引き期間情報のラベルを貼り付けたり剥がしたりする必要がない。したがって、資源の浪費を抑制しつつ作業員の作業効率化を図ることが可能となる。
【0079】
さらに、本実施形態では、商品を値引き後価格で販売する期間と通常価格で販売する期間との期間別で商品の販売価格を変更できる点で、クーポンラベルのような値引き後価格のみを示すラベルに比べ有用である。
【0080】
なお、上記の各実施形態において、商品名称11、原産地名称12、消費期限情報13、加工日情報14、および通常価格情報15が第1情報に相当し、販売促進メッセージ21、値引き後価格情報22、値引き率情報23、および値引き期間情報24が第2情報に相当する。
【0081】
(ラベル印字装置)
次に、上述したラベル100、101、102、103を作成するためのラベル印字装置の構成について説明する。なお、以下では、ラベル100を作成する場合を例に挙げて説明を行う。
【0082】
図6はラベル印字装置200の構成を示す図である。図6(a)はラベル印字装置200の構成を示す斜視図であり、図6(b)はラベル印字装置200の簡単な構成を示すブロック図である。
【0083】
また、図7はラベル印字装置200の断面および癖付け部230の説明図であり、図7(a)はラベル印字装置200の断面を示し、図7(b)は、癖付け部230の斜視図である。さらに、図8はラベル印字装置200によって作成されるラベル100の状態を示す模式図である。
【0084】
図6(a)および(b)に示すように、ラベル印字装置200は、印字部210、搬送部220および癖付け部230を含む。搬送部220は、ラベル100を印字部210に向けて搬送する。印字部210は、上述した第1情報および第2情報をラベル100に印字する。
【0085】
また、図7(a)に示すように、ラベル印字装置200の搬送部220によりラベル台紙150に貼着されたラベル100が搬送される。搬送部220は、例えば、テンションローラ等からなり、ラベル100およびラベル台紙150にテンションを掛けつつ搬送を行う。また、搬送部220は、図8に示すように、ラベル100の第1領域部10を搬送方向HHの下流側にし、第2領域部20を搬送方向HHの上流側にしてラベル100を搬送する。このような構成により、接着力の強い方の第1領域部10から印字部210に向けて搬送されるので、接着力が比較的弱く第2領域部20が下地から剥がれそうになっている場合でも、当該第2領域部20をスムーズに搬送することが可能となる。それにより、上述した格別の効果を奏するラベル100を良好な状態で得ることが可能となる。
【0086】
続いて、図7(a)に示すように、ラベル印字装置200の癖付け部230が設けられる。癖付け部230は、図7(b)に示すように、湾曲した搬送面を持つ一対のテンションローラ231,232からなる。この湾曲した搬送面を持つテンションローラ231,232の間をラベル100およびラベル台紙150が通過することにより、図8に示すように、ラベル100の第2領域部20に搬送方向HHと平行な方向に上方凸状の癖付けKUが行われる。
【0087】
このような構成により、接着力が比較的弱い第2領域部20が下地から剥がれそうになっている場合でも、癖付けKUによって剥がれを抑制し当該第2領域部20をスムーズに搬送することが可能となる。すなわち、搬送方向と交差する方向にラベル100の張りを形成することで、ラベル100の第2領域部20の浮き上がり、またはめくれあがりを防止することができる。その結果、上述した格別の効果を奏するラベル100を良好な状態で得ることが可能となる。
【0088】
(他の実施形態)
上記第1〜第4実施形態においては、ラベル100、101、102、103の表面に第1情報および第2情報を設けることとしたが、これらの裏面にもこれらの情報を設けてもよい。
【0089】
また、第2領域部20の裏面に第2接着層50を設けなくてもよい。この場合、作業員は第2領域部20を包装フィルムから剥がす必要がないので、当該第2領域部20を容易に切り取ることが可能となる。
【0090】
また、第2領域部20の表面上に、販売促進メッセージ21、値引き後価格情報22、値引き率情報23、および値引き期間情報24からなる群より選択される1または複数を含む第3情報を有する第3領域部を剥離可能に設けて運用してもよい。この場合、第2情報の前段階において第3領域部により別の商品情報を設定することが可能となる。また、第3情報が不要になった場合には、作業員は第3領域部を剥離により容易に取り除くことができる。したがって、商品情報の変更を迅速かつ容易に実施することが可能となる。
【0091】
さらに、上記各実施形態では、第2領域部20における第2情報を単一とした例について説明したが、これに限定されるものではなく、各第2情報を複数組み合わせて用いてもよい。
【0092】
その他、ラベル100、101、102、103における第1情報および第2情報の内容等は、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが可能であり、この場合にも上記特有かつ格別の効果が奏される。
【0093】
また、本実施の形態においては、ラベル100を手張りする場合について説明したが、これに限定されず、計量およびラッピングを行い、ラッピング後の商品に自動的にラベルを貼り付ける装置であってもよい。
【0094】
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
本発明は、食品業界以外の衣料業界等の他の業界における商品等にも有効に適用することが可能である。例えば、靴下等のセット販売の際に、第2領域部20に「本日のみ3足よりどり1000円」という販売促進メッセージ21を設けることができる。
【符号の説明】
【0095】
10 第1領域部
11 商品名称
12 原産地名称
13 消費期限情報
14 加工日情報
15 通常価格情報
20 第2領域部
21 販売促進メッセージ
22 値引き後価格情報
23 値引き率情報
24 値引き期間情報
30 切り取り部
40 第1接着層
50 第2接着層
100、101、102、103 ラベル
200 ラベル印字装置
210 印字部
220 搬送部
230 癖付け部
HH 搬送方向
KU 癖付け

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の面に商品情報としての第1情報を有し、他方の面に第1接着層が配された第1領域部と、
少なくとも前記一方の面に前記商品情報としての第2情報を有し、前記他方の面に前記第1接着層より接着力が弱い第2接着層が配された第2領域部と、
前記第1領域部と前記第2領域部とを分割するための切り取り部と、を含み、
前記切り取り部により前記第1領域部と前記第2領域部とが分割された後、当該第1領域部が前記商品情報として用いられるラベルに対して前記商品情報を印字する印字部と、
前記ラベルを搬送する搬送部と、を含むことを特徴とするラベル印字装置。
【請求項2】
前記搬送部は、前記ラベルの前記第1領域部を搬送方向の下流側にし、前記第2領域部を搬送方向の上流側にして当該ラベルを搬送することを特徴とする請求項1記載のラベル印字装置。
【請求項3】
前記印字部の上流側の前記搬送部の途中に設けられ、前記ラベルの前記第2領域部に搬送方向と平行な方向に上方凸状の癖付けを行う癖付け部をさらに備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のラベル印字装置。
【請求項4】
商品に関する情報である商品情報を備えたラベルの使用方法であって、
前記ラベルは、少なくとも一方の面に前記商品情報としての第1情報を有し、他方の面に第1接着層が配された第1領域部と、
前記少なくとも一方の面に商品情報としての第2情報を有する第2領域部と、
前記第1領域部と前記第2領域部とを分割するための切り取り部と、を含み、
前記第1領域部と前記第2領域部とを切り取り部によって分割することなく用いる非分割ステップと、
前記第1領域部と前記第2領域部とを切り取り部によって分割し、前記第2領域部を用いずに前記第1領域部を用いる分割ステップと、を含むことを特徴とするラベルの使用方法。
【請求項5】
前記第2領域部は、他方の面に前記第1接着層よりも接着力が弱い第2接着層が配されたことを特徴とする請求項4記載のラベルの使用方法。
【請求項6】
少なくとも一方の面に商品に関する情報である商品情報を備え、他方の面に接着層を有するラベルであって、
少なくとも前記一方の面に前記商品情報としての第1情報を有し、前記他方の面に第1接着層が配された第1領域部と、
少なくとも前記一方の面に前記商品情報としての第2情報を有する第2領域部と、
前記第1領域部と前記第2領域部とを分割するための切り取り部と、を含み、
前記切り取り部により前記第1領域部と前記第2領域部とが分割された後、当該第1領域部が前記商品情報として用いられることを特徴とするラベル。
【請求項7】
前記第2領域部は、少なくとも前記一方の面に前記商品情報としての第2情報を有し、前記他方の面に前記第1接着層より接着力が弱い第2接着層が配されたことを特徴とする請求項6記載のラベル。
【請求項8】
前記第2情報は、前記商品の値引き後の価格情報を含むことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のラベル。
【請求項9】
前記第2領域部における前記一方の面上に、前記商品情報としての第3情報を有する第3領域部を剥離可能に備え、
前記第3情報は、販売促進メッセージ、前記商品の値引き後の価格情報、前記商品の値引き率を示す値引き率情報、および前記商品の値引き期間を示す値引き期間情報からなる群より選択される1または複数を含むことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載のラベル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−56715(P2011−56715A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207319(P2009−207319)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【特許番号】特許第4461196号(P4461196)
【特許公報発行日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(399109713)株式会社いなげや (1)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】