ラベル帳票作製装置、この装置によるラベル帳票作製方法
【課題】ラベル帳票作製装置及びこの装置によるラベル帳票作製方法を提供する。
【解決手段】単位ラベルが多数連接された帯状のラベル用紙からラベル帳票を作製するラベル帳票作製装置であって、
前記ラベル用紙は、剥離紙の剥離面に粘着剤層を介して第一のラベル基紙が貼り合わされ、前記第一のラベル基紙上に剥離可能再貼付不可能な接着剤層を介して第二のラベル基紙が貼り合わされ、前記第二のラベル基紙面から前記剥離面に至る第一の切込みと、前記第二のラベル基紙面から前記第一のラベル基紙に至る第二の切込みが形成され、前記ラベル帳票作製装置は、少なくとも、ラベル用紙給紙部と、不要部分を前記第一の切込みで剥がして巻き取るための第一のかす上げ部と、不要部分を前記第二の切込みで剥がして巻き取るための第二のかす上げ部とを有し、前記第二のかす上げ部の直前に接着剤塗布部が設けられたラベル帳票作製装置を提供する。
【解決手段】単位ラベルが多数連接された帯状のラベル用紙からラベル帳票を作製するラベル帳票作製装置であって、
前記ラベル用紙は、剥離紙の剥離面に粘着剤層を介して第一のラベル基紙が貼り合わされ、前記第一のラベル基紙上に剥離可能再貼付不可能な接着剤層を介して第二のラベル基紙が貼り合わされ、前記第二のラベル基紙面から前記剥離面に至る第一の切込みと、前記第二のラベル基紙面から前記第一のラベル基紙に至る第二の切込みが形成され、前記ラベル帳票作製装置は、少なくとも、ラベル用紙給紙部と、不要部分を前記第一の切込みで剥がして巻き取るための第一のかす上げ部と、不要部分を前記第二の切込みで剥がして巻き取るための第二のかす上げ部とを有し、前記第二のかす上げ部の直前に接着剤塗布部が設けられたラベル帳票作製装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、剥離可能で再貼付不可能な接着層を有する積層構造のラベル用紙から、ラベル帳票を作製するラベル帳票作製装置及びこの装置によるラベル帳票作製方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、通信販売等で発注された商品を配送する際に、商品のパッケージに貼付する配送伝票にノンインパクトプリンタで配送情報をプリントしている。
そのために、このような分野で使用される配送伝票が１パート形態の配送伝票（以下、１パート配伝という）になった。
１パート配伝は、中継店控えや受領票などの伝票紙片が一枚の基紙上に貼付された形態になっていて、伝票紙片を剥がした後、伝票裏にも剥がした跡にも接着剤（粘着剤）等が残らないようになっている。
【０００３】
通常のラベル帳票は、剥離紙上にラベル紙片が粘着剤を介して貼付されている。そして、ラベル帳票を作製する際に、帯状のラベル用紙にラベル形状に切り込みを入れ、不要部分は剥離紙から剥がして巻き取っている。この不要部分を剥がして巻き取ることを「かす上げ」といっているが、かす上げ時にラベル基紙の裏側に形成された粘着剤が不要部分巻取る際の蛇行を防止する役割を担っている。
前述の１パート配伝もラベル帳票の一種であるが、ラベル基紙の裏側に粘着剤が形成されていないため、前述のかす上げ時にラベルの不要部分が蛇行したり、途中で切断したりするトラブルが発生する。
一方、ラベル用紙から不要部分を剥ぎ取る際に、必要部分の共上がり現象を効果的に防止する方法が提案されている（例えば、特許文献１参照）。しかし、かす上げ時の前述のようなトラブル対策については言及されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００６−２３９９４１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
そこで本発明は、ラベル基紙の裏面に粘着剤層が形成されていないラベル用紙を使用してラベル帳票を作製する際に、ラベルの不要部分が蛇行しないように接着剤を塗布して貸す上げするラベル帳票作製装置及びこの装置によるラベル帳票作製方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
第一の発明のラベル帳票作製装置は、単位ラベルが多数連接された帯状のラベル用紙からラベル帳票を作製するラベル帳票作製装置であって、前記ラベル用紙は、剥離紙の剥離面に粘着剤層を介して第一のラベル基紙が貼り合わされ、前記第一のラベル基紙上に剥離可能再貼付不可能な接着剤層を介して第二のラベル基紙が貼り合わされ、前記ラベル用紙には、ラベルの不要部分を除去するために前記第二のラベル基紙面から第二のラベル基紙及び第一のラベル基紙を貫通し前記剥離面に至る第一の切込みと、前記第二のラベル基紙面から第二のラベル基紙を貫通し前記第一のラベル基紙に至る第二の切込みが形成され、 前記ラベル帳票作製装置は、少なくとも、ラベル用紙給紙部と、ラベルの不要部分を前記第一の切込みで剥がして前記第一のラベル基紙と前記第二のラベル基紙を巻き取るための第一のかす上げ部と、ラベルの不要部分を前記第二の切込みで剥がして前記第二のラベル基紙を巻き取るための第二のかす上げ部とを有し、前記第二のかす上げ部の直前に接着剤塗布部が設けられたことを特徴とするものである。
【０００７】
また、第二の発明は、第一の発明のラベル帳票作製装置には、さらに、第一の切込みで剥がされたラベルの不要部分を第一のかす上げ部で巻き取られる前にラベル用紙から剥がすための第一のブレードが設けられ、第二の切込みで剥がされたラベルの不要部分を第二のかす上げ部で巻き取られる前にラベル用紙から剥がすための第二のブレードが設けられていることを特徴とするものである。
【０００８】
また、第三の発明は、第一または第二の発明のラベル帳票作製装置によるラベル帳票の作製方法であって、第二の切込みで剥がされたラベルの不要部分は、第二のかす上げ部で巻き取られる前に接着剤塗布部によってラベルの不要部分の何れかの面に接着剤が塗布され、第二のかす上げ部で巻き取られることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【０００９】
本発明のラベル帳票作製装置ように、ラベル帳票作製装置の第二のかす上げ部直前に接着剤塗布部を設けたことによって第二のかす上げ部で不要なラベル部分を蛇行することなく巻き上げることができ、安定してラベル帳票を作製することができ、高品質で安価なラベル帳票を供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明のラベル帳票作製装置の一実施形態について説明するためのラベル帳票作製装置の概念図である。
【図２】図１の第二かす上げ部について説明するための図である。
【図３】ラベル帳票作製装置で処理されるラベル帳票について説明するための図である。
【図４】図３のＸ−Ｘ線断面について説明するための図である。
【図５】ラベルの不要部分（かす）について説明するための図である。
【図６】不要部分と、ラベル帳票について説明するための図である。
【図７】本実施形態のラベル帳票の使用方法の一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
図１を参照して、本発明のラベル帳票作製装置の一実施形態について説明する。
図１は、ラベル帳票作製装置の概念図である。ラベル帳票作製装置１は、帯状のラベル用紙２を給紙するためのラベル用紙供給部１２、ラベル用紙２を搬送する搬送部１７、ラベルの不要部分を巻き取る第一かす上げ部１３、ラベルの不要部分を巻き取る第二かす上げ部１４、第二かす上げ部１４の直前に設けられた接着剤塗布部１１、ガイドロール１８で構成されている。
【００１２】
また、切込部分からラベルの不要部分の引き剥がす際に、ラベル用紙に残さなければならないラベルを一緒に引き剥がしてしまわないように、補助部材としてラベル用紙に対して鋭角な第一ブレード１５、第二ブレード１６を設けることもできる。
第一ブレード１５、第二ブレード１６は、回転するコロでも、薄板でも、エア吹き付け装置等でもよい。
【００１３】
ラベルの不要部分が引き剥がされたラベル用紙２は、ラベル帳票作製装置の「Ｎ」で示した次工程部１９に進み、配送情報等の印字のために折り畳まれ、または、ロール状に巻き取られる。
既に、ラベル用紙に配送情報等の印字が成されている場合は、図示しないが、次工程部１９で送り孔（図３に示す送り孔２１）部分が切り落とされ、単位ラベル紙片（以下、ラベル帳票という）に切断される。
【００１４】
ここで、図３、図４、図６を参照してラベル用紙及びラベル帳票について説明する。
図３は、図１で説明したラベル帳票作製装置１で処理されるラベル用紙２を、ラベル形成面から見た正面図である。また、図４は図３のＸ−Ｘ線断面図である。
また、図６は図４のラベル用紙から不要部分を剥ぎ取った際の不要部分とラベル帳票を示した図である
図４に示すように、ラベル用紙２は、剥離紙２０３の剥離面に粘着剤層７を介して第一のラベル基紙２０２が貼り合わされ、前記第一のラベル基紙２０２上に剥離可能再貼付不可能な接着剤層６を介して第二のラベル基紙２０１が貼り合わされた構成になっている。
【００１５】
図３に示すようにラベル用紙２にはラベル帳票単位に切り離す、単位ラベル帳票境界部２３が印刷、または、ミシン目状の切込みによって形成され、この単位ラベル帳票境界部で単位ラベル帳票に切り離される。
単位ラベル帳票は、「ラベルａ（又はｃ）３１＋ラベルｂ（又はｄ）３２」が単位ラベル帳票として、単位ラベル帳票境界部２３で切り離され、剥離紙が剥ぎ取られて第一のラベル基紙２０２の裏面に形成された粘着剤によって貼付対象物に貼付される。
【００１６】
また、ラベル用紙２にはラベルの不要部分を除去するために、図４に示す第二のラベル基紙面２０１から剥離紙２０３に至る第一の切込み２２ａが押し切り刃などによって形成されている。
また、第二のラベル基紙２０１面から第一のラベル基紙２０２に至る第二の切込み２２ｂが押し切り刃などによって形成されている。
本実施の形態では、第一の切込み２２ａは、直線状に形成され、第二の切込み２２ｂは、ラベル３１、３２の形状に形成されている。
【００１７】
単位ラベル帳票が配送伝票などの場合、第二のラベル基紙２０１の表出面に配送情報などの印字情報４がプリンタなどによって印字されている。「配送ラベルａ」及び「配送ラベルｃ」には発送情報が、「配送ラベルｂ」及び「配送ラベルｄ」には貼付情報が印字されている。
配送伝票の場合は、前述の「配送ラベルｂ（又はｄ）」は貼付票３２と受領票３２’に分断されていて、配送物が受取人に手渡されると、前記受領票３２’に捺印してもらって持ち帰る。
また、第一のラベル基紙２０２の表面には、印刷情報５が印刷され、剥がし取られた第二のラベル基紙２０１の部分に表出される。この印刷情報は、配送会社の営業所の住所や電話番号、配送会社の広告などである。
【００１８】
剥離紙２０３と第一のラベル基紙２０２の間に形成される粘着剤層７は、粘着力が大きい強粘着タイプの粘着剤で、剥離紙２０３の粘着剤形成面には剥離効果が高い剥離剤が形成されている。
一方、第一のラベル基紙２０２と第二のラベル基紙２０１の間には、剥離可能再貼付不可能な接着剤層６が形成されている。
この接着層は、図６に示すように、接着層の間で層間剥離する接着構造の場合や、図示しないが、第一のラベル基紙２０２と第二のラベル基紙２０１にそれぞれフィルムが貼り合わされフィルム同士を擬似接着させる構造などが使用される。いずれの場合も、透明な接着剤や、透明なフィルムが使用され、第二のラベル基紙２０１が剥がされた後には印刷層がきれいに目視できるために、前述のように運送会社の連絡場所情報や、宣伝のための広告が印刷される。
【００１９】
図２、及び、図５を参照してラベルの不要部分及び、この不要部分を巻き取るラベル帳票作製装置のかす上げ部について説明する。
図２は、第二かす上げ部１４及び接着剤塗布部１１の周辺を図示したものである。
図１の第二ブレード１６でラベル用紙２から剥ぎ取られた第二のラベル基紙２０１の不要部分１４０は、剥離可能再貼付不可能な接着剤層が第二のラベル基紙２０１の外側（第二ブレード１６に接触しない側）に形成されており、ラベル用紙２から剥がされた時点で接着性が失われている。
また、第二のラベル基紙２０１の不要部分１４０（図５で示す斜線部分）は、ラベルが打ち抜かれた跡が「コ」の字状の開口部となってており、図２に示す位置合わせガイド１０２も機能し難いために、第二かす上げ部１４のリールの内側で左右に蛇行しやすい。
【００２０】
かす上げ部には、前述のように蛇行を防止するための接着剤塗布部１１が設けられていて、接着剤塗布部１１の吐出部から第二のラベル基紙２０１（不要部分１４０の剥離可能再貼付不可能な接着剤層面）上に接着剤１１０が連続又は間欠的に吐出され形成される。
また、吐出部から接着剤がエアによって噴射されてもよい。
このようにして、第二のラベル基紙２０１の不要部分１４０を固定してしまうことによって、第二かす上げ部１４での蛇行を防止する。
なお、前記接着剤１１０の塗布は、第二のラベル基紙２０１の不要部分１４０がガイドロール１８を通過した後、剥離可能再貼付不可能な接着剤層が形成されていない面に行なわれてもよい。
【００２１】
図示しないが、図５の黒く塗りつぶされたラベルの不要部分（送り孔を含む、第一の切込み２２ａで引き剥がされる第二のラベル基紙面２０１と第一のラベル基紙面２０２）は、粘着剤層を伴って、図１に示す第一かす上げ部１３に巻き取られる。このときに、粘着財形成面で固定されるために第一かす上げ部１３で左右に蛇行することはない。
【００２２】
図７を参照して、本実施形態のラベル帳票の使用方法の一例について説明する。
図７では、ラベル帳票が配送伝票として使用される例で説明する。
まず、図６によって作製され、すでに配送情報が印字されているラベル帳票から、剥離紙２０３を剥がす（Ａ図参照）。
次に、二層構造のラベル基紙（ラベル帳票）を配送物８に貼付する（Ｂ図参照）。
取次店で、控え伝票３１を剥ぎ取る（Ｃ図参照）。
荷受人に配送物８を渡し、貼付票の半分の受領票３２’に受領印をもらい、捺印された受領票３２’を受け取る（Ｄ図参照）。
【産業上の利用可能性】
【００２３】
本発明のラベル帳票作成装置を使用することにより、粘着剤が形成されていない不要部分をかす上げする際に蛇行することなく巻き上げることができ、安定してラベル帳票を作製することができる。
その結果、高品質で安価なラベル帳票を供給することが可能となる。
【符号の説明】
【００２４】
１ ラベル帳票作成装置
２ ラベル用紙
４ 印字情報
５ 印刷情報
６ 剥離可能再貼付不可能な接着剤層
７ 粘着剤層
８ 配送物
１１ 接着剤塗付部
１２ ラベル用紙供給部
１３ 第一かす上げ部
１４ 第二かす上げ部
１５ 第一ブレード
１６ 第二ブレード
１７ 搬送部
１８ ガイドロール
１９ 次工程部
２１ 送り孔
２２ａ 第一の切込み
２２ｂ 第二の切込み
２３ 単位ラベル帳票境界部
３１、３２、３２’ 配送ラベル
１０１ リール
１０２ 位置合わせガイド
１１０ 接着剤
１３０、１４０ ラベルの不要部分
２０１ 第二のラベル基紙
２０２ 第一のラベル基紙
２０３ 剥離紙
【技術分野】
【０００１】
本発明は、剥離可能で再貼付不可能な接着層を有する積層構造のラベル用紙から、ラベル帳票を作製するラベル帳票作製装置及びこの装置によるラベル帳票作製方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、通信販売等で発注された商品を配送する際に、商品のパッケージに貼付する配送伝票にノンインパクトプリンタで配送情報をプリントしている。
そのために、このような分野で使用される配送伝票が１パート形態の配送伝票（以下、１パート配伝という）になった。
１パート配伝は、中継店控えや受領票などの伝票紙片が一枚の基紙上に貼付された形態になっていて、伝票紙片を剥がした後、伝票裏にも剥がした跡にも接着剤（粘着剤）等が残らないようになっている。
【０００３】
通常のラベル帳票は、剥離紙上にラベル紙片が粘着剤を介して貼付されている。そして、ラベル帳票を作製する際に、帯状のラベル用紙にラベル形状に切り込みを入れ、不要部分は剥離紙から剥がして巻き取っている。この不要部分を剥がして巻き取ることを「かす上げ」といっているが、かす上げ時にラベル基紙の裏側に形成された粘着剤が不要部分巻取る際の蛇行を防止する役割を担っている。
前述の１パート配伝もラベル帳票の一種であるが、ラベル基紙の裏側に粘着剤が形成されていないため、前述のかす上げ時にラベルの不要部分が蛇行したり、途中で切断したりするトラブルが発生する。
一方、ラベル用紙から不要部分を剥ぎ取る際に、必要部分の共上がり現象を効果的に防止する方法が提案されている（例えば、特許文献１参照）。しかし、かす上げ時の前述のようなトラブル対策については言及されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００６−２３９９４１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
そこで本発明は、ラベル基紙の裏面に粘着剤層が形成されていないラベル用紙を使用してラベル帳票を作製する際に、ラベルの不要部分が蛇行しないように接着剤を塗布して貸す上げするラベル帳票作製装置及びこの装置によるラベル帳票作製方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
第一の発明のラベル帳票作製装置は、単位ラベルが多数連接された帯状のラベル用紙からラベル帳票を作製するラベル帳票作製装置であって、前記ラベル用紙は、剥離紙の剥離面に粘着剤層を介して第一のラベル基紙が貼り合わされ、前記第一のラベル基紙上に剥離可能再貼付不可能な接着剤層を介して第二のラベル基紙が貼り合わされ、前記ラベル用紙には、ラベルの不要部分を除去するために前記第二のラベル基紙面から第二のラベル基紙及び第一のラベル基紙を貫通し前記剥離面に至る第一の切込みと、前記第二のラベル基紙面から第二のラベル基紙を貫通し前記第一のラベル基紙に至る第二の切込みが形成され、 前記ラベル帳票作製装置は、少なくとも、ラベル用紙給紙部と、ラベルの不要部分を前記第一の切込みで剥がして前記第一のラベル基紙と前記第二のラベル基紙を巻き取るための第一のかす上げ部と、ラベルの不要部分を前記第二の切込みで剥がして前記第二のラベル基紙を巻き取るための第二のかす上げ部とを有し、前記第二のかす上げ部の直前に接着剤塗布部が設けられたことを特徴とするものである。
【０００７】
また、第二の発明は、第一の発明のラベル帳票作製装置には、さらに、第一の切込みで剥がされたラベルの不要部分を第一のかす上げ部で巻き取られる前にラベル用紙から剥がすための第一のブレードが設けられ、第二の切込みで剥がされたラベルの不要部分を第二のかす上げ部で巻き取られる前にラベル用紙から剥がすための第二のブレードが設けられていることを特徴とするものである。
【０００８】
また、第三の発明は、第一または第二の発明のラベル帳票作製装置によるラベル帳票の作製方法であって、第二の切込みで剥がされたラベルの不要部分は、第二のかす上げ部で巻き取られる前に接着剤塗布部によってラベルの不要部分の何れかの面に接着剤が塗布され、第二のかす上げ部で巻き取られることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【０００９】
本発明のラベル帳票作製装置ように、ラベル帳票作製装置の第二のかす上げ部直前に接着剤塗布部を設けたことによって第二のかす上げ部で不要なラベル部分を蛇行することなく巻き上げることができ、安定してラベル帳票を作製することができ、高品質で安価なラベル帳票を供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明のラベル帳票作製装置の一実施形態について説明するためのラベル帳票作製装置の概念図である。
【図２】図１の第二かす上げ部について説明するための図である。
【図３】ラベル帳票作製装置で処理されるラベル帳票について説明するための図である。
【図４】図３のＸ−Ｘ線断面について説明するための図である。
【図５】ラベルの不要部分（かす）について説明するための図である。
【図６】不要部分と、ラベル帳票について説明するための図である。
【図７】本実施形態のラベル帳票の使用方法の一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【００１１】
図１を参照して、本発明のラベル帳票作製装置の一実施形態について説明する。
図１は、ラベル帳票作製装置の概念図である。ラベル帳票作製装置１は、帯状のラベル用紙２を給紙するためのラベル用紙供給部１２、ラベル用紙２を搬送する搬送部１７、ラベルの不要部分を巻き取る第一かす上げ部１３、ラベルの不要部分を巻き取る第二かす上げ部１４、第二かす上げ部１４の直前に設けられた接着剤塗布部１１、ガイドロール１８で構成されている。
【００１２】
また、切込部分からラベルの不要部分の引き剥がす際に、ラベル用紙に残さなければならないラベルを一緒に引き剥がしてしまわないように、補助部材としてラベル用紙に対して鋭角な第一ブレード１５、第二ブレード１６を設けることもできる。
第一ブレード１５、第二ブレード１６は、回転するコロでも、薄板でも、エア吹き付け装置等でもよい。
【００１３】
ラベルの不要部分が引き剥がされたラベル用紙２は、ラベル帳票作製装置の「Ｎ」で示した次工程部１９に進み、配送情報等の印字のために折り畳まれ、または、ロール状に巻き取られる。
既に、ラベル用紙に配送情報等の印字が成されている場合は、図示しないが、次工程部１９で送り孔（図３に示す送り孔２１）部分が切り落とされ、単位ラベル紙片（以下、ラベル帳票という）に切断される。
【００１４】
ここで、図３、図４、図６を参照してラベル用紙及びラベル帳票について説明する。
図３は、図１で説明したラベル帳票作製装置１で処理されるラベル用紙２を、ラベル形成面から見た正面図である。また、図４は図３のＸ−Ｘ線断面図である。
また、図６は図４のラベル用紙から不要部分を剥ぎ取った際の不要部分とラベル帳票を示した図である
図４に示すように、ラベル用紙２は、剥離紙２０３の剥離面に粘着剤層７を介して第一のラベル基紙２０２が貼り合わされ、前記第一のラベル基紙２０２上に剥離可能再貼付不可能な接着剤層６を介して第二のラベル基紙２０１が貼り合わされた構成になっている。
【００１５】
図３に示すようにラベル用紙２にはラベル帳票単位に切り離す、単位ラベル帳票境界部２３が印刷、または、ミシン目状の切込みによって形成され、この単位ラベル帳票境界部で単位ラベル帳票に切り離される。
単位ラベル帳票は、「ラベルａ（又はｃ）３１＋ラベルｂ（又はｄ）３２」が単位ラベル帳票として、単位ラベル帳票境界部２３で切り離され、剥離紙が剥ぎ取られて第一のラベル基紙２０２の裏面に形成された粘着剤によって貼付対象物に貼付される。
【００１６】
また、ラベル用紙２にはラベルの不要部分を除去するために、図４に示す第二のラベル基紙面２０１から剥離紙２０３に至る第一の切込み２２ａが押し切り刃などによって形成されている。
また、第二のラベル基紙２０１面から第一のラベル基紙２０２に至る第二の切込み２２ｂが押し切り刃などによって形成されている。
本実施の形態では、第一の切込み２２ａは、直線状に形成され、第二の切込み２２ｂは、ラベル３１、３２の形状に形成されている。
【００１７】
単位ラベル帳票が配送伝票などの場合、第二のラベル基紙２０１の表出面に配送情報などの印字情報４がプリンタなどによって印字されている。「配送ラベルａ」及び「配送ラベルｃ」には発送情報が、「配送ラベルｂ」及び「配送ラベルｄ」には貼付情報が印字されている。
配送伝票の場合は、前述の「配送ラベルｂ（又はｄ）」は貼付票３２と受領票３２’に分断されていて、配送物が受取人に手渡されると、前記受領票３２’に捺印してもらって持ち帰る。
また、第一のラベル基紙２０２の表面には、印刷情報５が印刷され、剥がし取られた第二のラベル基紙２０１の部分に表出される。この印刷情報は、配送会社の営業所の住所や電話番号、配送会社の広告などである。
【００１８】
剥離紙２０３と第一のラベル基紙２０２の間に形成される粘着剤層７は、粘着力が大きい強粘着タイプの粘着剤で、剥離紙２０３の粘着剤形成面には剥離効果が高い剥離剤が形成されている。
一方、第一のラベル基紙２０２と第二のラベル基紙２０１の間には、剥離可能再貼付不可能な接着剤層６が形成されている。
この接着層は、図６に示すように、接着層の間で層間剥離する接着構造の場合や、図示しないが、第一のラベル基紙２０２と第二のラベル基紙２０１にそれぞれフィルムが貼り合わされフィルム同士を擬似接着させる構造などが使用される。いずれの場合も、透明な接着剤や、透明なフィルムが使用され、第二のラベル基紙２０１が剥がされた後には印刷層がきれいに目視できるために、前述のように運送会社の連絡場所情報や、宣伝のための広告が印刷される。
【００１９】
図２、及び、図５を参照してラベルの不要部分及び、この不要部分を巻き取るラベル帳票作製装置のかす上げ部について説明する。
図２は、第二かす上げ部１４及び接着剤塗布部１１の周辺を図示したものである。
図１の第二ブレード１６でラベル用紙２から剥ぎ取られた第二のラベル基紙２０１の不要部分１４０は、剥離可能再貼付不可能な接着剤層が第二のラベル基紙２０１の外側（第二ブレード１６に接触しない側）に形成されており、ラベル用紙２から剥がされた時点で接着性が失われている。
また、第二のラベル基紙２０１の不要部分１４０（図５で示す斜線部分）は、ラベルが打ち抜かれた跡が「コ」の字状の開口部となってており、図２に示す位置合わせガイド１０２も機能し難いために、第二かす上げ部１４のリールの内側で左右に蛇行しやすい。
【００２０】
かす上げ部には、前述のように蛇行を防止するための接着剤塗布部１１が設けられていて、接着剤塗布部１１の吐出部から第二のラベル基紙２０１（不要部分１４０の剥離可能再貼付不可能な接着剤層面）上に接着剤１１０が連続又は間欠的に吐出され形成される。
また、吐出部から接着剤がエアによって噴射されてもよい。
このようにして、第二のラベル基紙２０１の不要部分１４０を固定してしまうことによって、第二かす上げ部１４での蛇行を防止する。
なお、前記接着剤１１０の塗布は、第二のラベル基紙２０１の不要部分１４０がガイドロール１８を通過した後、剥離可能再貼付不可能な接着剤層が形成されていない面に行なわれてもよい。
【００２１】
図示しないが、図５の黒く塗りつぶされたラベルの不要部分（送り孔を含む、第一の切込み２２ａで引き剥がされる第二のラベル基紙面２０１と第一のラベル基紙面２０２）は、粘着剤層を伴って、図１に示す第一かす上げ部１３に巻き取られる。このときに、粘着財形成面で固定されるために第一かす上げ部１３で左右に蛇行することはない。
【００２２】
図７を参照して、本実施形態のラベル帳票の使用方法の一例について説明する。
図７では、ラベル帳票が配送伝票として使用される例で説明する。
まず、図６によって作製され、すでに配送情報が印字されているラベル帳票から、剥離紙２０３を剥がす（Ａ図参照）。
次に、二層構造のラベル基紙（ラベル帳票）を配送物８に貼付する（Ｂ図参照）。
取次店で、控え伝票３１を剥ぎ取る（Ｃ図参照）。
荷受人に配送物８を渡し、貼付票の半分の受領票３２’に受領印をもらい、捺印された受領票３２’を受け取る（Ｄ図参照）。
【産業上の利用可能性】
【００２３】
本発明のラベル帳票作成装置を使用することにより、粘着剤が形成されていない不要部分をかす上げする際に蛇行することなく巻き上げることができ、安定してラベル帳票を作製することができる。
その結果、高品質で安価なラベル帳票を供給することが可能となる。
【符号の説明】
【００２４】
１ ラベル帳票作成装置
２ ラベル用紙
４ 印字情報
５ 印刷情報
６ 剥離可能再貼付不可能な接着剤層
７ 粘着剤層
８ 配送物
１１ 接着剤塗付部
１２ ラベル用紙供給部
１３ 第一かす上げ部
１４ 第二かす上げ部
１５ 第一ブレード
１６ 第二ブレード
１７ 搬送部
１８ ガイドロール
１９ 次工程部
２１ 送り孔
２２ａ 第一の切込み
２２ｂ 第二の切込み
２３ 単位ラベル帳票境界部
３１、３２、３２’ 配送ラベル
１０１ リール
１０２ 位置合わせガイド
１１０ 接着剤
１３０、１４０ ラベルの不要部分
２０１ 第二のラベル基紙
２０２ 第一のラベル基紙
２０３ 剥離紙
【特許請求の範囲】
【請求項１】
単位ラベルが多数連接された帯状のラベル用紙からラベル帳票を作製するラベル帳票作製装置であって、
前記ラベル用紙は、剥離紙の剥離面に粘着剤層を介して第一のラベル基紙が貼り合わされ、前記第一のラベル基紙上に剥離可能再貼付不可能な接着剤層を介して第二のラベル基紙が貼り合わされ、前記ラベル用紙には、ラベルの不要部分を除去するために前記第二のラベル基紙面から第二のラベル基紙及び第一のラベル基紙を貫通し前記剥離面に至る第一の切込みと、前記第二のラベル基紙面から第二のラベル基紙を貫通し前記第一のラベル基紙に至る第二の切込みが形成され、
前記ラベル帳票作製装置は、少なくとも、ラベル用紙給紙部と、ラベルの不要部分を前記第一の切込みで剥がして前記第一のラベル基紙と前記第二のラベル基紙を巻き取るための第一のかす上げ部と、ラベルの不要部分を前記第二の切込みで剥がして前記第二のラベル基紙を巻き取るための第二のかす上げ部とを有し、
前記第二のかす上げ部の直前に接着剤塗布部が設けられたことを特徴とするラベル帳票作製装置。
【請求項２】
請求項１に記載のラベル帳票作製装置には、さらに、
第一の切込みで剥がされたラベルの不要部分を、第一のかす上げ部で巻き取られる前にラベル用紙から剥がすための第一のブレードが設けられ、第二の切込みで剥がされたラベルの不要部分を第二のかす上げ部で巻き取られる前にラベル用紙から剥がすための第二のブレードが設けられていることを特徴とするラベル帳票作製装置。
【請求項３】
請求項１または２に記載のラベル帳票作製装置によるラベル帳票の作製方法であって、
第二の切込みで剥がされたラベルの不要部分は、第二のかす上げ部で巻き取られる前に接着剤塗布部によってラベルの不要部分の何れかの面に接着剤が塗布され、第二のかす上げ部で巻き取られることを特徴とするラベル帳票の作製方法。
【請求項１】
単位ラベルが多数連接された帯状のラベル用紙からラベル帳票を作製するラベル帳票作製装置であって、
前記ラベル用紙は、剥離紙の剥離面に粘着剤層を介して第一のラベル基紙が貼り合わされ、前記第一のラベル基紙上に剥離可能再貼付不可能な接着剤層を介して第二のラベル基紙が貼り合わされ、前記ラベル用紙には、ラベルの不要部分を除去するために前記第二のラベル基紙面から第二のラベル基紙及び第一のラベル基紙を貫通し前記剥離面に至る第一の切込みと、前記第二のラベル基紙面から第二のラベル基紙を貫通し前記第一のラベル基紙に至る第二の切込みが形成され、
前記ラベル帳票作製装置は、少なくとも、ラベル用紙給紙部と、ラベルの不要部分を前記第一の切込みで剥がして前記第一のラベル基紙と前記第二のラベル基紙を巻き取るための第一のかす上げ部と、ラベルの不要部分を前記第二の切込みで剥がして前記第二のラベル基紙を巻き取るための第二のかす上げ部とを有し、
前記第二のかす上げ部の直前に接着剤塗布部が設けられたことを特徴とするラベル帳票作製装置。
【請求項２】
請求項１に記載のラベル帳票作製装置には、さらに、
第一の切込みで剥がされたラベルの不要部分を、第一のかす上げ部で巻き取られる前にラベル用紙から剥がすための第一のブレードが設けられ、第二の切込みで剥がされたラベルの不要部分を第二のかす上げ部で巻き取られる前にラベル用紙から剥がすための第二のブレードが設けられていることを特徴とするラベル帳票作製装置。
【請求項３】
請求項１または２に記載のラベル帳票作製装置によるラベル帳票の作製方法であって、
第二の切込みで剥がされたラベルの不要部分は、第二のかす上げ部で巻き取られる前に接着剤塗布部によってラベルの不要部分の何れかの面に接着剤が塗布され、第二のかす上げ部で巻き取られることを特徴とするラベル帳票の作製方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１２−１７１０９５（Ｐ２０１２−１７１０９５Ａ）
【公開日】平成２４年９月１０日（２０１２．９．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−３１６９９（Ｐ２０１１−３１６９９）
【出願日】平成２３年２月１７日（２０１１．２．１７）
【出願人】（０００００２８９７）大日本印刷株式会社 (14,506)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年９月１０日（２０１２．９．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年２月１７日（２０１１．２．１７）
【出願人】（０００００２８９７）大日本印刷株式会社 (14,506)
【Ｆターム（参考）】
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