説明

ラベル発行装置、ラベル発行方法およびプログラム

【課題】 ラベルを容易且つ適切に再発行することができるラベル発行装置、ラベル発行方法およびプログラムを提供すること。
【解決手段】 1以上のラベルデータを記憶する記憶部12と、ラベルデータに基づいて通常ラベルL1を発行する通常ラベル発行部24と、通常ラベルL1の発行に伴い、通常ラベルL1のラベルデータを特定するためのコード画像Cを生成(コード画像生成部26)し、コード画像Cおよび通常ラベルL1のラベルイメージ31を含む見本ラベルL2を発行する見本ラベル発行部27と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベルを再発行可能なラベル発行装置、ラベル発行方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、入力された商品番号から商品の品名や価格などの商品データを呼び出し、呼び出した商品データを印字したラベルを発行するラベルプリンタにおいて、所定の商品データが紐付けられたプリセットキーを設定する技術が知られている(特許文献1参照)。当該ラベルプリンタは、上記のプリセットキーが押下されると、紐付けられた所定の商品データを印字したラベルを発行する。この構成によれば、ユーザーが商品番号を入力する手間が省けると共に、商品番号の誤入力を防ぎ、容易且つ適切にラベルを発行することができる。よって、頻繁に再発行するラベルについて利便性がよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−173246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の構成は、所定のラベル専用のキーを設ける必要があるため、装置にキーの物理的な設置場所を確保しなければならない。また、各キーに所定の商品データを紐付けたキーテーブルを作成し、装置に記憶させなければならない。そこで、すでに作成したラベルを容易に再発行する方法として、ラベルの一部として印刷された商品バーコードを読み取ることにより、当該ラベルを特定し、発行する方法が考えられる。この商品バーコードは、商品の商品コードや価格などを含み、商品の会計処理や検品処理に用いられるものである。このようにラベルの一部である商品バーコードを利用すれば、装置に専用キーを設けたりキーテーブルを記憶させたりする必要なく、容易に適切なラベルを再発行することができる。
【0005】
しかし、上記の方法は、商品バーコードを含まないラベルには適用できず、商品バーコードを含まないラベルを再発行するためには、上記のようにラベル専用のキーを設けるか、商品番号の入力や既に作成したラベルデータの選択が必要となり、いずれも煩わしい操作を強いられる。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑み、コード画像(商品バーコード)を含まないラベルであっても、容易且つ適切に再発行することができるラベル発行装置、ラベル発行方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のラベル発行装置は、1以上のラベルデータを記憶する記憶部と、ラベルデータに基づいて通常ラベルを発行する通常ラベル発行部と、通常ラベルの発行に伴い、通常ラベルのラベルデータを特定するためのコード画像を生成し、コード画像および通常ラベルのラベルイメージを含む見本ラベルを発行する見本ラベル発行部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明のラベル発行方法は、1以上のラベルデータを記憶する記憶ステップと、ラベルデータに基づいて通常ラベルを発行する通常ラベル発行ステップと、通常ラベルの発行に伴い、通常ラベルのラベルデータを特定するためのコード画像を生成し、コード画像および通常ラベルのラベルイメージを含む見本ラベルを発行する見本ラベル発行ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明のプログラムは、コンピューターに、上記のラベル発行方法の各ステップを実行させることを特徴とする。
【0010】
これらの構成によれば、コード画像を含まない通常ラベルのラベルデータであっても、当該ラベルデータを特定するコード画像を生成して見本ラベルに印刷するため、当該コード画像を読み取ることによって、ラベルデータに基づく通常ラベルを容易且つ適切に再発行することができる。また、見本ラベルに、通常ラベルのラベルイメージを印刷することによって、どの通常ラベルを再発行させるための見本ラベルであるかを提示することができる。
【0011】
この場合、見本ラベルに含まれたコード画像を読み取るコード画像読み取り部と、読み取ったコード画像により通常ラベルのラベルデータを特定するラベルデータ特定部と、をさらに備えていることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、1台の装置において、見本ラベルの発行および通常ラベルの再発行を行うことができる。
【0013】
これらの場合、通常ラベル発行部は、ユーザーの認証情報を取得した場合に、通常ラベルを発行し、見本ラベル発行部は、認証情報および通常ラベルのラベルデータを特定するラベル特定情報を含んだコード画像を生成することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、コード画像を読み取ることにより、通常ラベルの発行に必要なユーザーの認証情報を入力することができる。
【0015】
この場合、認証情報を入力するための認証情報入力画面と、認証情報の認証に伴い、通常ラベルの発行対象となるラベルデータを表示するラベルデータ表示画面と、を表示する表示部と、表示部の表示制御を行う表示制御部と、をさらに備え、表示制御部は、コード画像読み取り部によりコード画像を読み取った場合、認証情報入力画面の表示を省略し、ラベルデータ表示画面にラベルデータ特定部により特定したラベルデータを表示することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、コード画像を読み取ることによって、表示部に所望のラベルデータを一発表示させることができる。よって、ユーザーは、認証情報の入力やラベルデータの選択などの操作を行わずに、容易に所望の通常ラベルを再発行することができる。
【0017】
上記のラベル発行装置において、ラベルデータ特定部により特定されたラベルデータに関連する関連ラベルデータを抽出する関連ラベルデータ抽出部をさらに備え、表示制御部は、コード画像読み取り部によりコード画像を読み取った場合、ラベルデータ表示画面に関連ラベルデータをさらに表示することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、特定したラベルデータに関連するラベルデータを表示させることができる。また、表示された関連ラベルデータの中から所望のラベルデータを選択することにより、手持ちの見本ラベルに対応する通常ラベルに関連したラベルを容易に再発行することができる。なお、関連ラベルデータ抽出部は、特定したラベルデータの発行者(ユーザー)、発行日およびラベルデータの内容のうち、少なくとも1つに基づいて、関連ラベルデータを抽出することが好ましい。
【0019】
上記のラベル発行装置において、ラベルデータ表示画面に表示されたラベルデータについて、見本ラベルの発行を指示するための発行指示部をさらに備えていることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、通常ラベルの発行対象となっているラベルデータについて見本ラベルを発行するか否かを選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係るラベル発行装置の模式外観図である。
【図2】ラベル発行装置の制御ブロック図である。
【図3】記憶部の記憶内容を示す図である。
【図4】ラベル発行装置の機能ブロック図である。
【図5】(a)は通常ラベルの一例を示す図であり、(b)は見本ラベルの一例を示す図である。
【図6】ラベル発行時の画面遷移図である。
【図7】見本ラベルの発行処理を示すフローチャートである。
【図8】通常ラベルの簡易発行処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照し、本発明の一実施形態にかかるラベル発行装置、ラベル発行方法およびプログラムについて説明する。以下に説明するラベル発行装置1は、商品に貼付する商品ラベル(以下、通常ラベルL1という)と、通常ラベルL1を発行させるために用いる見本ラベルL2と、の2種類のラベルを発行する。通常ラベルL1には、当該ラベルを貼付する商品に関する情報が印刷される。一方、見本ラベルL2には、発行する通常ラベルL1を特定するためのコード画像Cが印刷される(いずれも図5参照)。ラベル発行装置1は、利用者の画面操作にしたがって通常ラベルL1を発行する「標準発行」と、見本ラベルL2のコード画像Cを読み取ることによって通常ラベルL1を発行する「簡単発行」と、を行うことができる。
【0023】
図1は、ラベル発行装置1の外観を模式的に示した図である。図示のように、ラベル発行装置1は、タッチパネルディスプレイ2、ラベル排出口3、およびバーコードスキャナ4を備え、内部には、プリント機構5および制御装置6(いずれも図2参照)を備えている。タッチパネルディスプレイ2は、ラベルを発行するための各種画面を表示する表示部として、また、各種操作を行うための操作部として、機能する(図6参照)。ラベル排出口3は、タッチパネルディスプレイ2の操作に応じて印刷された通常ラベルL1および見本ラベルL2を排出する。バーコードスキャナ4は、見本ラベルL2に印刷されたコード画像Cを読み取るために用いられる。
【0024】
図2は、ラベル発行装置1の制御構成を示すブロック図である。図示のように、ラベル発行装置1は、プリント機構5、タッチパネルディスプレイ2、バーコードスキャナ4および制御装置6を備えている。プリント機構5は、印刷ヘッド、用紙搬送機構、用紙カット機構など、用紙に印刷を行いラベルを発行するための各構成を備えている(いずれも図示省略)。制御装置6は、プリント機構5の各構成を駆動させるドライバー群11、通常ラベルL1の印刷データを記憶する記憶部12、およびこれらを統括制御する制御部13を備えている。制御部13は、ドライバー群11を介したプリント機構5の駆動制御や、タッチパネルディスプレイ2の表示制御(表示制御部)を行う。また、制御部13は、バーコードスキャナ4により読み取ったコード画像Cを解析し、発行する通常ラベルL1の印刷データを特定する(後に詳述する)。
【0025】
図3は、ラベル発行装置1の記憶部12の記憶内容を示している。図示のように、記憶部12は、各通常ラベルL1の印刷データを記憶し、さらに各印刷データに関連付けて、通常ラベルL1のラベルID、ラベル名、発行者名および利用者IDを記憶している。印刷データには、通常ラベルL1に印刷される画像データやテキストデータ、また通常ラベルL1の印刷サイズなど(いずれも図示省略)が含まれている。通常ラベルL1は、この印刷データに基づいて発行される。なお、「ラベルデータ」とは、この印刷データをさす。一方、ラベルIDおよび利用者IDは、印刷データ(通常ラベルL1)を特定するラベル特定情報であり、ラベル名および発行者名は、見本ラベルL2を発行する際に用いられる。
【0026】
図4は、ラベル発行装置1の機能構成を示したブロック図である。図示のように、ラベル発行装置1は、認証情報入力部21、利用者認証部22、通常ラベル選択部23、通常ラベル発行部24、見本ラベル発行指示部25、コード画像生成部26、見本ラベル発行部27、コード画像読み取り部28、および通常ラベル特定部29を備えている。
【0027】
認証情報入力部21は、ラベル発行装置1の利用を認証するための認証情報を入力する。本実施形態において、認証情報とは、ラベル発行装置1の各利用者(ユーザー)に割り当てられた利用者IDおよび暗証番号をさす。すなわち、本ラベル発行装置1は、利用者IDおよび暗証番号が割り当てられた利用者にのみ当該装置の利用を許可する。この認証情報入力部21は、主にタッチパネルディスプレイ2に表示されるログイン画面D1(図6参照)により実現される。
【0028】
利用者認証部22は、認証情報入力部21により入力された利用者IDおよび暗証番号に基づいて、利用者認証を行う。また、利用者認証部22は、後述のコード画像Cに含まれた利用者IDに基づいても、利用者認証を行う。
【0029】
通常ラベル選択部23は、利用者認証部22の利用者認証後、利用者の画面操作にしたがって、記憶部12に記憶されている印刷データの中から発行する通常ラベルL1の印刷データを選択する。この通常ラベル選択部23は、主にタッチパネルディスプレイ2に表示される選択候補表示画面D3(図6参照)により実現される。
【0030】
通常ラベル発行部24は、通常ラベル選択部23により選択された印刷データに基づいて、通常ラベルL1を発行する。また、通常ラベル発行部24は、後述の通常ラベル特定部29により特定された印刷データに基づいても、通常ラベルL1を発行する。なお、通常ラベル発行部24は、主に制御部13およびプリント機構5によって実現される。
【0031】
見本ラベル発行指示部25は、通常ラベル選択部23により選択された通常ラベルL1(印刷データ)について見本ラベルL2の発行指示を行う。この見本ラベル発行指示部25は、主にタッチパネルディスプレイ2に表示される印刷指示画面D5(図6参照)により実現される。
【0032】
コード画像生成部26は、見本ラベルL2に印刷するコード画像Cを生成する。コード画像Cは、利用者認証のために用いられる利用者IDおよび発行する通常ラベルL1の印刷データを特定するためのラベルIDが含まれる。なお、利用者IDは、通常ラベルL1を発行しようとする利用者に対応するものである。
【0033】
見本ラベル発行部27は、通常ラベルL1の発行に伴い、見本ラベル発行指示部25の発行指示にしたがって、見本ラベルL2を発行する。見本ラベル発行部27は、上記のコード画像C、通常ラベルL1の印刷データに関連付けられたラベル名および発行者名、通常ラベルL1のラベルイメージを用いて見本ラベルデータを生成し、生成した見本ラベルデータに基づいて、見本ラベルL2を発行する。なお、通常ラベル発行部24は、主に制御部13およびプリント機構5によって実現される。また、「見本ラベル発行部」とは、コード画像生成部26および見本ラベル発行部27をさす。
【0034】
コード画像読み取り部28は、バーコードスキャナ4により実現され、見本ラベルL2に印刷されたコード画像Cを読み取る。
【0035】
通常ラベル特定部29(ラベルデータ特定部)は、読み取ったコード画像Cを解析し、コード画像Cに含まれるラベルIDおよび利用者IDから発行する通常ラベルL1の印刷データを特定する。
【0036】
ここで、図5を参照し、ラベル発行装置1が発行する通常ラベルL1および見本ラベルL2について説明する。同図(a)は、通常ラベルL1の一例である。図示のように、本実施形態の通常ラベルL1は、商品に貼付する商品ラベルであり、当該商品の商品名、イメージ図およびキャッチコピーが印刷されている。なお、通常ラベルL1は、商品の価格、賞味期限、原材料など、その他の情報が印刷されてもよい。
【0037】
図5(b)に示すのは、見本ラベルL2の一例である。見本ラベルL2は、同図(a)に示した通常ラベルL1を「簡単発行」させるために用いられるラベルである。図示のように、見本ラベルL2は、対応する通常ラベルL1のラベルイメージ31、ラベル名32、発行者名33、コード画像Cが印刷される。コード画像Cには、前述したとおり、利用者IDおよび通常ラベルL1のラベルIDが含まれている。なお、コード画像Cは、ラベル発行装置1のバーコードスキャナ4が読み取り可能なサイズで印刷される。また、見本ラベルL2は、通常ラベルL1の発行に伴い発行され、通常ラベルL1と同様の用紙に同一のサイズで印刷される。よって、必然的に見本ラベルL2に印刷される通常ラベルL1のラベルイメージ31は、通常ラベルL1よりも縮小されて印刷される。なお、通常ラベルL1のサイズが小さく、対応する見本ラベルL2に、バーコードスキャナ4が読み取り可能なサイズのコード画像Cを印刷することができない場合、見本ラベルL2は、コード画像Cとそれ以外の部分(ラベルイメージ31、ラベル名および発行者名)を分けて印刷することが好ましい。これによれば、コード画像Cが印刷できない小さいサイズの通常ラベルL1であっても、用紙を交換することなく、読み取り可能なサイズのコード画像Cを含んだ見本ラベルL2を発行することができる。一方、コード画像Cが印刷できない小さいサイズの通常ラベルL1において、利用者に用紙交換を促し、見本ラベルL2を1枚のラベルとして印刷する構成としてもよい。
【0038】
次に、図6を参照し、タッチパネルディスプレイ2に表示される各種画面について説明する。同図は、通常ラベルL1の発行に伴う、タッチパネルディスプレイ2の画面遷移図である。先ず、通常ラベルL1の「標準発行」における画面遷移について説明する。最初に、タッチパネルディスプレイ2には、ログイン画面D1が表示される。ログイン画面D1には、利用者IDおよび暗証番号を入力するためのテキストボックスおよびテンキーと、ログインボタンと、が表示される。利用者IDおよび暗証番号が入力され、ログインボタンが押下されると、画面は、メインメニュー画面D2に移行する。
【0039】
メインメニュー画面D2には、印刷メニューボタン、編集メニューボタン、新規作成ボタン、削除メニューボタン、印刷履歴ボタン、暗証番号変更ボタンが表示される。印刷メニューボタンは、記憶部12に記憶されている任意の印刷データに基づいた通常ラベルL1を発行する画面に移行するためのボタンである。編集メニューボタンは、記憶部12に記憶されている任意の印刷データを編集する画面に移行するためのボタンである。新規作成ボタンは、利用者が印刷データを新規作成する画面に移行するためのボタンである。削除メニューボタンは、記憶されている任意の印刷データを削除する画面に移行するためのボタンである。印刷履歴ボタンは、ラベルの印刷履歴を表示するためのボタンであり、暗証番号変更ボタンは、暗証番号を変更するためのボタンである。これらのボタンのうち、印刷メニューボタンが押下されると、画面は、選択候補表示画面D3に移行する。
【0040】
選択候補表示画面D3は、記憶されている印刷データを選択候補41として表示する。図6に示すように、選択候補表示画面D3は、画面左側に6つの選択候補41を、画面右側に選択候補41の表示順を選択するための表示順指定ボタン群を表示する。利用者は、選択候補41の表示順を「最近印刷した順」および「印刷枚数順」のいずれかから選択することができる。また、図示のように、記憶されている印刷データが6つ以上である場合は、選択候補41の下方にページ切り替えボタンが表示される。利用者は、表示される選択候補41の中から所望の通常ラベルL1(選択候補41)を選択する。選択候補41として表示された通常ラベルL1のうち、任意の通常ラベルL1が選択されると、画面は、印刷ラベル表示画面D4に移行する。
【0041】
印刷ラベル表示画面D4は、選択された印刷データのラベルイメージ31と、印刷枚数を入力するためのテキストボックス、テンキーおよびOKボタンが表示される。印刷枚数が入力され、OKボタンが押下されると、画面は、印刷指示画面D5に移行する。
【0042】
印刷指示画面D5は、印刷する通常ラベルL1のラベルイメージ31と、入力した印刷枚数と、印刷する通常ラベルL1と共に当該通常ラベルL1の見本ラベルL2を印刷するか否かを選択するチェックボックス42と、印刷ボタンと、を表示する。そして、印刷ボタンが押下されると、選択された印刷データに基づく通常ラベルL1が、設定した枚数印刷される。なお、チェックボックス42にチェックがされた状態で印刷ボタンが押下された場合は(見本ラベル発行指示部)、通常ラベルL1が設定した枚数分印刷された後、続けて見本ラベルL2が1枚発行される。見本ラベルL2は、通常ラベルL1の印刷枚数にかかわらず、1枚のみ印刷される。一方、チェックボックス42にチェックがされていない場合は、見本ラベルL2は発行されず、通常ラベルL1のみ発行される。このように、チェックボックス42のチェックの有無によって、発行する通常ラベルL1を次回以降に「簡単発行」させるための見本ラベルL2を発行するか否かを選択することができる。なお、見本ラベルL2を1枚発行した後、続けて通常ラベルL1を設定した枚数分印刷しても良い。
【0043】
続いて、通常ラベルL1の「簡単発行」における画面遷移について説明する。図6に示すように、バーコードスキャナ4により、見本ラベルL2に印刷されたコード画像Cを読み取った場合、タッチパネルディスプレイ2には、暗証番号入力画面D0が表示される。暗証番号入力画面D0には、暗証番号を入力するためのテキストボックスおよびテンキーと、ログインボタンと、が表示される。暗証番号が入力され、ログインボタンが押下されると、画面は、コード画像Cに含まれたラベルIDに対応する印刷データ(通常ラベルL1)が選択された印刷ラベル表示画面D4に移行する。そして、印刷ボタンが押下されると、上記の「標準発行」と同様に、選択された印刷データに基づく通常ラベルL1が、設定した枚数印刷される。また、チェックボックス42にチェックがされた状態で印刷ボタンが押下された場合は、通常ラベルL1と共に、見本ラベルL2が1枚印刷される。すなわち、この「簡単発行」においては、コード画像Cから利用者IDが読み取られるため、ログイン画面D1ではなく暗証番号入力画面D0が表示される。また、コード画像Cに含まれたラベルIDから発行対象となる印刷データを特定するため、メインメニュー画面D2および選択候補表示画面D3の表示が省略される。これにより、利用者は、利用者IDの入力や印刷データの選択を行わずに、見本ラベルL2を用いて容易に所望の通常ラベルL1を発行することができる。
【0044】
なお、ログイン状態において、バーコードスキャナ4により、見本ラベルL2に印刷されたコード画像Cを読み取った場合、暗証番号入力画面D0の表示を省略してもよい。また、ログイン条件として暗証番号が必要でない場合は、バーコードスキャナ4により、見本ラベルL2に印刷されたコード画像Cを読み取った後、暗証番号入力画面D0は表示されず、印刷ラベル表示画面D4が表示される。
【0045】
なお、「ラベルデータ表示画面」とは、選択候補表示画面D3および印刷ラベル表示画面D4をさす。
【0046】
次に、図7のフローチャートを参照して、見本ラベルL2の発行処理について説明する。なお、説明を容易にするため見本ラベルL2の発行処理についてのみ説明するが、見本ラベルL2の発行処理は、実際には通常ラベルL1の発行処理に伴って実行される。先ず、ラベル発行装置1は、印刷指示画面D5のチェックボックス42にチェックがされた状態で印刷ボタンが押下されると、見本ラベルL2の発行指示信号を受信し(S01)、利用者の利用者IDおよび選択された印刷データ(通常ラベルL1)のラベルIDを含むコード画像Cを生成する(S02)。そして、生成したコード画像C、選択された印刷データに関連付けて記憶されているラベル名および発行者名、および通常ラベルL1のラベルイメージ31から見本ラベルデータを生成する(S03)。なお、通常ラベルL1のラベルイメージ31は、通常ラベルL1の発行処理に伴って生成したものであり、見本ラベルデータ生成時において縮小処理をする。そして、生成した見本ラベルデータに基づいて、見本ラベルL2を発行する(S04)。
【0047】
次に、図8のフローチャートを参照して、通常ラベルL1の「簡単発行」における処理について説明する。先ず、ラベル発行装置1(通常ラベル発行部24)は、バーコードスキャナ4により見本ラベルL2に印刷されたコード画像Cを読み取ると(S11)、読み取ったコード画像Cを解析し、コード画像Cに含まれる利用者IDと、暗証番号入力画面D0により入力された暗証番号と、に基づいて利用者認証を行う(S12)。そして、コード画像Cに含まれるラベルIDから印刷データを特定する(S13)。そして、特定した印刷データの印刷ラベル表示画面D4を表示する(S14)。そして、印刷指示画面D5における印刷ボタンが押下されると、通常ラベルL1の発行指示信号を受信し(S15)、特定した印刷データに基づいて通常ラベルL1を発行する(S16)。
【0048】
これまで説明してきた、ラベル発行装置1によれば、利用者の認証情報(利用者ID)と、通常ラベルL1の印刷データを特定するラベルIDが含まれたコード画像Cを印刷した見本ラベルL2を発行することにより、当該通常ラベルL1の次回以降の発行において、上記コード画像Cを読み取ることで、利用者が、認証情報の入力や印刷データの選択を行うことなく容易に所望の通常ラベルL1を発行させることができる。
【0049】
なお、ラベル発行装置1は、コード画像Cを読み取った場合、特定した印刷データと同じカテゴリーに属する通常ラベルL1の印刷データを選択候補41として表示しても良い。すなわち、コード画像Cを読み取った場合、コード画像Cにより特定した印刷データに関連する印刷データを抽出した選択候補表示画面D3を表示する構成としてもよい(関連ラベルデータ抽出部)。この場合、ラベル発行装置1は、各印刷データに関連付けて、当該印刷データが属するカテゴリーを示す情報を記憶しておく必要がある。なお、このカテゴリーは、通常ラベルL1を貼付する商品の種類や、通常ラベルL1の印刷日、発行者などによって分類することが好ましい。例えば、ラベル発行装置1が、カテゴリーとして商品の種類を記憶している場合、コード画像Cにより特定した印刷データが、「たまねぎ」に貼付する通常ラベルL1の印刷データであれば、選択候補表示画面D3には、「たまねぎ」に貼付する他の通常ラベルL1が選択候補として表示される。
【0050】
この構成によれば、コード画像Cの読み取り後に表示された選択候補41の中から所望の印刷データを選択することにより、手持ちの見本ラベルL2に対応する通常ラベルL1に関連した通常ラベルL1を容易に発行することができる。
【0051】
また、上記の実施形態において、ラベルを発行するプリント機構5および制御装置6が一体となったラベル発行装置1を例示したが、プリント機構5および制御装置6は、別体の装置であってもよい。この場合、タッチパネルディスプレイ2およびバーコードスキャナ4は、制御装置6に接続されて構成される。
【0052】
また、上記の実施形態において、見本ラベルL2に印刷されるコード画像Cをバーコードとして例示したが、2次元コードであってもよい。
【0053】
なお、上記のラベル発行装置1の各構成要素をプログラムとして提供することも可能である。また、そのプログラムを記憶媒体(図示省略)に格納して提供することも可能である。記録媒体としては、CD−ROM、フラッシュROM、メモリカード、コンパクトディスク、光磁気ディスク、デジタルバーサタイルディスクおよびフレキシブルディスク等を利用することができる。
【0054】
また、上述した実施例によらず、ラベル発行装置1の装置構成や処理工程等について、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更も可能である。
【符号の説明】
【0055】
1:ラベル発行装置 2:タッチパネルディスプレイ 4:バーコードスキャナ 5:プリント機構 6:制御装置 12:記憶部 13:制御部 24:通常ラベル発行部 25:見本ラベル発行指示部 26:コード画像生成部 27:見本ラベル発行部 28:コード画像読み取り部 29:通常ラベル特定部 31:ラベルイメージ C:コード画像 D3:選択候補表示画面 D4:印刷ラベル表示画面 D5:印刷指示画面 L1:通常ラベル L2:見本ラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のラベルデータを記憶する記憶部と、
前記ラベルデータに基づいて通常ラベルを発行する通常ラベル発行部と、
前記通常ラベルの発行に伴い、前記通常ラベルのラベルデータを特定するためのコード画像を生成し、前記コード画像および前記通常ラベルのラベルイメージを含む見本ラベルを発行する見本ラベル発行部と、を備えたことを特徴とするラベル発行装置。
【請求項2】
前記見本ラベルに含まれたコード画像を読み取るコード画像読み取り部と、
読み取ったコード画像により前記通常ラベルのラベルデータを特定するラベルデータ特定部と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のラベル発行装置。
【請求項3】
前記通常ラベル発行部は、ユーザーの認証情報を取得した場合に、前記通常ラベルを発行し、
前記見本ラベル発行部は、前記認証情報および前記通常ラベルのラベルデータを特定するラベル特定情報を含んだコード画像を生成することを特徴とする請求項1または2に記載のラベル発行装置。
【請求項4】
前記認証情報を入力するための認証情報入力画面と、前記認証情報の認証に伴い、前記通常ラベルの発行対象となるラベルデータを表示するラベルデータ表示画面と、を表示する表示部と、
前記表示部の表示制御を行う表示制御部と、をさらに備え、
前記表示制御部は、前記コード画像読み取り部によりコード画像を読み取った場合、前記認証情報入力画面の表示を省略し、前記ラベルデータ表示画面に前記ラベルデータ特定部により特定したラベルデータを表示することを特徴とする請求項3に記載のラベル発行装置。
【請求項5】
前記ラベルデータ特定部により特定されたラベルデータに関連する関連ラベルデータを抽出する関連ラベルデータ抽出部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記コード画像読み取り部によりコード画像を読み取った場合、前記ラベルデータ表示画面に前記関連ラベルデータをさらに表示することを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載のラベル発行装置。
【請求項6】
前記ラベルデータ表示画面に表示されたラベルデータについて、前記見本ラベルの発行を指示するための発行指示部をさらに備えたことを特徴とする請求項4または5に記載のラベル発行装置。
【請求項7】
1以上のラベルデータを記憶する記憶ステップと、
前記ラベルデータに基づいて通常ラベルを発行する通常ラベル発行ステップと、
前記通常ラベルの発行に伴い、前記通常ラベルのラベルデータを特定するためのコード画像を生成し、前記コード画像および前記通常ラベルのラベルイメージを含む見本ラベルを発行する見本ラベル発行ステップと、を備えたことを特徴とするラベル発行方法。
【請求項8】
コンピューターに、請求項7に記載のラベル発行方法の各ステップを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−28091(P2013−28091A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166310(P2011−166310)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】