説明

ラベル発行装置

【課題】本発明の課題は、法令順守を行いつつ装置が本来有している秤機能を有効に活用することができるラベル発行装置を提供することにある。
【解決手段】本発明に係るラベル発行装置100では、計量部102における商品の計量値の情報が情報表示部3に表示される。そして、情報記憶部11において商品が定額ラベル5の発行対象に設定されている場合において、計量部における商品の計量値が閾値以上となったときに情報表示制御部7が情報表示部における商品の計量値の情報を非表示にする。そして、情報表示部における計量値の情報を情報表示制御部が非表示にした以降に、ラベル発行制御部がラベル発行部4に対して定額ラベルの発行を開始させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル発行装置、特に定額ラベル発行機能を有するラベル発行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従前から、商品販売において、商品の計量値にかかわらずその価格を一定にしてその商品を販売する形態が存在する。このような商品販売形態において、ラベル発行装置により定額ラベルを発行するとき、情報表示画面にその商品の実際の重量や、零点、風袋引き量などを表示することが計量法によって禁じられている。このような規制に起因して、例えば、特開昭62−184317号公報には「電子秤において、定額ラベル発行設定がなされている場合、計量値およびその計量値の説明表示をともに非表示にする」との技術が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特開昭62−184317号公報に記載の技術では、定額ラベル発行設定がなされている場合、電子秤の秤機能を利用することができない。このため、この電子秤では、定額ラベル発行設定がなされている場合、適切な内容量の商品を製造するためには別の秤などを用意する必要があり、電子秤本来の機能が有効に活用されていなかった。
本発明の課題は、法令順守を行いつつ装置が本来有している秤機能を有効に活用することができるラベル発行装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1発明に係るラベル発行装置は、商品に関する所定の情報が印字されたラベルを発行するラベル発行装置であって、計量部、情報表示部、ラベル発行部、情報記憶部、情報表示制御部およびラベル発行制御部を備える。計量部は、商品を計量する。情報表示部は、計量部における商品の計量値の情報を表示する。ラベル発行部は、ラベルを発行する。情報記憶部には、計量値に対して設定される閾値の情報、および商品が定額ラベルの発行対象か否かの設定の情報が記憶される。情報表示制御部は、情報記憶部において商品が定額ラベルの発行対象に設定されている場合、計量部における商品の計量値が閾値未満であるときに情報表示部に計量値の情報を表示し、計量部における商品の計量値が閾値以上となったときに、情報表示部における商品の計量値の情報を非表示にする。なお、「計量部における商品の計量値が閾値以上となったとき」との概念には、「計量値が第1閾値以上第2閾値以下、つまり計量値が所定の重量範囲に入ったとき」との概念が含まれる。また、ここにいう「情報を非表示にする」とは、計量値の情報を表示しない(ブランクにする)ことや、計量値の情報が表示されないように計量値の情報の代わりに識別性のない他の情報を表示すること等を意味する。ラベル発行制御部は、情報表示部における計量値の情報を情報表示制御部が非表示にした以降に、ラベル発行部に対して定額ラベルの発行を開始させる。なお、ここでは「非表示にした以降」との表現が用いられているが、この表現は「非表示にしたと同時に」と解することも可能であるし、「非表示にした後」と解釈することも可能である。
【0005】
このため、このラベル発行装置では、定額ラベル発行設定がなされている場合であっても計量部の計量機能を利用することができる。したがって、このラベル発行装置では、法令順守を行いつつ装置が本来有している秤機能を有効に活用することができる。
【0006】
第2発明に係るラベル発行装置は、第1発明に係るラベル発行装置であって、ラベル排出部およびラベル検出部をさらに備える。ラベル排出部は、ラベル発行部において発行されるラベルを排出する。ラベル検出部は、ラベル排出部においてラベルを検出する。そして、情報表示制御部は、ラベル検出部によりラベルが検出されなくなると、情報表示部に計量値の情報を表示する。
【0007】
このため、このラベル発行装置では、ラベル排出部からラベルが完全に排出されると自動的に情報表示部に計量値の情報が表示される。したがって、このラベル発行装置では、ラベル発行後、情報表示部に計量値を表示させる手間を省くことができ、効率よく商品の計量およびラベルの発行を行うことができる。
【0008】
第3発明に係るラベル発行装置は、第1発明または第2発明に係るラベル発行装置であって、操作ボタン表示部をさらに備える。操作ボタン表示部は、情報表示制御部が情報表示部における計量値の情報を非表示にした以降に、情報表示部に操作ボタンを表示する。そして、ラベル発行制御部は、操作ボタンが押されると、ラベル発行部に対して定額ラベルの発行を開始させる。
このため、このラベル発行装置では、ユーザが定額ラベルを所望のタイミングで発行することができる。
【0009】
第4発明に係るラベル発行装置は、第1発明から第3発明のいずれかに係るラベル発行装置であって、情報表示部は、計量値情報表示画面および計量値情報非表示画面を択一的に表示可能である。なお、ここにいう「計量値情報表示画面」とは計量値の情報を表示する画面であり、ここにいう「計量値情報非表示画面」とは計量値の情報を非表示にする画面である。そして、情報表示制御部は、情報記憶部において商品が定額ラベルの発行対象に設定されており、かつ、計量部における計量値が閾値以上となった場合に、計量値情報表示画面を非表示とし、計量値情報非表示画面を表示する。
【0010】
このため、このラベル発行装置では、計量値情報表示画面には計量に適した情報を表示し、計量値情報非表示画面には定額ラベルに適した情報を表示することができる。したがって、このラベル発行装置では、ユーザの計量作業および定額ラベル発行作業の効率の向上を期待することができる。
【0011】
第5発明に係るラベル発行装置は、第1発明から第4発明のいずれかに係るラベル発行装置であって、計量部は、情報表示部へ計量値の情報を送信している。また、情報表示制御部は、情報記憶部において商品が定額ラベルの発行対象に設定されており、かつ、計量部における計量値が閾値以上となった場合に、計量部から情報表示部への計量値の情報の送信を遮断する。なお、「計量部から情報表示部への計量値の情報の送信」は間接的であってもよいし直接的であってもよい。
このため、このラベル発行装置では、簡易に本発明の課題を解決することができる。
【0012】
第6発明に係るラベル発行装置は、第1発明から第5発明のいずれかに係るラベル発行装置であって、零点調整機能および零点調整完了信号送信部をさらに備える。零点調整機能では、計量部の零点が調整される。零点調整完了信号送信部は、零点調整機能により計量部の零点の調整が完了した場合に、情報表示制御部へ零点調整完了信号を送信する。なお、「情報表示制御部への零点調整完了信号の送信」は、間接的であってもよいし、直接的であってもよい。そして、情報表示制御部は、情報記憶部において商品が定額ラベルの発行対象に設定されており、かつ、計量部における計量値が閾値以上となり、かつ、零点調整完了信号が受信された場合に、情報表示部における計量値の情報を非表示にする。
【0013】
このため、このラベル発行装置では、情報記憶部において商品が定額ラベルの発行対象に設定されている場合において、計量部における計量値が閾値以上となっているときであっても、零点調整が完了していないと、定額ラベルを発行することができない。つまり、このラベル発行装置では、定額ラベルを発行するためには、商品の計量毎に零点調整を行う必要がある。したがって、このラベル発行装置では、正確な秤量を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るラベル発行装置の全体斜視図である。
【図2】本発明に係るラベル発行装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るラベル発行装置の情報表示部に表示される初期画面の図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るラベル発行装置の情報表示部に表示される定額商品内容量チェック画面において風袋引きが完了したときの状態を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るラベル発行装置の情報表示部に表示される定額商品内容量チェック画面において計量がなされているときの状態を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るラベル発行装置の情報表示部に表示される定額商品内容量チェック画面において重量情報および単位情報が非表示にされている状態を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係るラベル発行装置の情報表示部に表示される定額商品内容量チェック画面において風袋引きが完了したときの状態を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るラベル発行装置の情報表示部に表示される定額商品内容量チェック画面において計量がなされているときの状態を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るラベル発行装置の情報表示部に表示される定額商品画面の図である。
【図10】本発明の第1実施形態の変形例(I)に係るラベル発行装置の情報表示部に表示される定額商品内容量チェック画面において風袋引きが完了したときの状態を示す図である。
【図11】本発明の第1実施形態の変形例(I)に係るラベル発行装置の情報表示部に表示される定額商品内容量チェック画面において計量がなされているときの状態を示す図である。
【図12】本発明の第1実施形態の変形例(I)に係るラベル発行装置の情報表示部に表示される定額商品内容量チェック画面において重量情報および単位情報が非表示にされている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
−第1実施形態−
【0016】
本発明の第1実施形態に係るラベル発行装置100は、図1に示されるように、主に、ラベル作成装置101および計量装置102から構成されている。以下に、ラベル作成装置101および計量装置102の構成についてそれぞれ詳述する。
<ラベル作成装置の構成>
【0017】
ラベル作成装置101は、図1に示されるように、主に、本体1、操作部2および情報表示部3から構成されている。以下に、ラベル作成装置101の各構成について詳述する。
(1)本体
【0018】
本体1は、図1および図2に示されるように、主に、印字機構部4、計時部6および制御部7から構成されている。そして、この本体1は、図2に示されるように、操作部2、情報表示部3および計量装置102に通信接続されている。
【0019】
印字機構部4は、制御部7のROM11(後述)に格納されている印字処理プログラムに従って、ラベル基材に対して商品に関する所定の情報を印字してラベル5(図1参照)を作成する。また、この印字機構部4には、ラベル排出部(図示せず)およびラベル検出部(図示せず)が組み込まれている。ラベル検出部は、ラベル排出部の出口付近に配置されており、ラベル5が印字機構部4から完全に排出されたか否かを検出する。なお、ラベル検出部は例えば赤外線センサなどである。
計時部6は、例えば、デジタル時計であり、情報表示部3に日付情報や時刻情報を出力する。
【0020】
制御部7は、図2に示されるように、主に、CPU10、ROM11およびRAM12から構成されている。CPU10は、ROM11やRAM12などを制御すると共に、ROM11に格納されているプログラムに従って動作することにより各種データの演算を行う。例えば、このCPU10は、操作部2や情報表示部3から入力されるデータ、計量装置102から入力される計測値データなどの各種データを処理したり、印字機構部4の印字動作を制御したり、種々の画面や情報を情報表示部3に出力したり、各種ファイルの内容の設定を行ったり、印字データを作成したりする。また、ROM11には、入力処理プログラムや、印字処理プログラム、表示処理プログラム、設定処理プログラム、印字データ作成処理プログラムなどの各種プログラムが格納されると共に、商品に固有の商品識別情報である呼出番号情報、商品コード情報、商品名情報、販売形態情報、単価情報、風袋重量情報、消費限界日数情報(加工日から消費すべき日までの日数および時間の情報)、食べ頃日数情報(加工日からその商品が食べ頃となるまでの日数および時間の情報)、産地名情報、原材料情報、商品分類情報、商品が定額商品か否かの設定情報などの情報が関連付けられて記憶されている。また、RAM12は、ROM11よりも読み出し速度が高速な記憶媒体であって、ROM11に格納されるプログラムやデータなどを一時的に記憶してCPU10に提供する。
(2)操作部
【0021】
操作部2は、複数のキーやスイッチなどから構成されている。操作者は、このキーやスイッチなどを操作することにより本体1に対して各種情報を入力し、本体各部の設定や制御を行うことができる。
(3)情報表示部
【0022】
情報表示部3は、タッチ操作可能なディスプレイであって、制御部7からの命令に従って各種画面、各種情報を表示する。操作者は、この情報表示部3に表示される画面の所定位置に触れることによって所定の情報を本体1に入力することができる。
<計量装置の構成>
【0023】
計量装置102は、ロードセルのような重量検出器103を備えており、商品が風袋と共に秤量皿上に置かれると、風袋込みの商品の重量を計量する。なお、計量装置102により商品の重量が計量されると、その計量値がインターフィース(図示せず)などを介して本体1へ送信される。また、この計量装置102は零点調整されるのが好ましいが、計量装置102の零点調整は必ずしも必要ではない。
以上、本発明の第1実施形態に係るラベル発行装置100の構成について説明した。次に、このラベル発行装置100の機能について説明する。
<ラベル発行装置の機能>
【0024】
このラベル発行装置100は、通常ラベル発行機能および定額ラベル発行機能などを備えている。通常ラベル発行機能は、情報表示部3が表示する画面上において商品名や、その計量値、単価、値段などの情報を表示しつつ印字機構部4によりこれらの情報をラベル基材に印字してラベル5を発行する機能である。一方、定額ラベル発行機能は、計量装置102により商品の重量を計量した後に、情報表示部3が表示する画面上において商品の計量値など、計量法で禁じられている情報を非表示にしつつ印字機構部4により商品名やその値段などの情報をラベル基材に印字してラベル5を発行する機能である。
以下、本ラベル発行装置100の定額ラベル発行機能について詳述する。
(定額ラベル発行機能)
ラベル発行装置100が起動されると、まず、図3に示されるような初期画面3aが情報表示部3に表示される。
【0025】
初期画面3aは、図3に示されるように、主に、日時情報表示領域30や、呼出番号情報表示領域31、メイン情報表示領域32、風袋重量情報表示領域33、重量情報表示領域34、100g当たり単価情報表示領域35、値段情報表示領域36、加工日時情報表示領域37、消費期限日時情報表示領域38、食べ頃日時情報表示領域39、ラベルマスタ表示領域40などから構成されている。なお、日時情報表示領域30には、現在の日時の情報が表示される。呼出番号情報表示領域31には、呼出番号の情報が表示される。なお、この呼出番号情報表示領域31は、操作者に触れられることによって、呼出番号の入力を受け付ける入力受付状態となる。メイン情報表示領域32には、メッセージ情報や、呼出番号に対応する商品名の情報などが表示される。風袋重量情報表示領域33には、呼出番号に対応する商品に用いられる風袋の重量の情報が表示される。重量情報表示領域34には、重量検出器103から送信される計量値の情報が表示される。なお、この重量情報表示領域34では、零点がある一定範囲内に入ると、重量の表示の左横に「ゼロ」という文字情報が表示される。100g当たり単価情報表示領域35には、呼出番号に対応する商品の100g当たり単価の情報が表示される。値段情報表示領域36には、呼出番号に対応する商品の値段の情報が表示される。なお、呼出番号に対応する商品が定額商品に設定される場合、この値段情報表示領域36には、定金額、つまり重量に依存しない一定の額の情報が表示される。加工日時情報表示領域37には、商品の加工日時の情報が表示される。消費期限日時情報表示領域38には、呼出番号に対応する商品の消費期限日時の情報が表示される。食べ頃日時情報表示領域39には、呼出番号に対応する商品の食べ頃日時の情報が表示される。なお、本ラベル発行装置100において、消費期限日時や食べ頃日時は加工日時を起算点として自動計算される。つまり、このラベル発行装置100では、呼出番号が入力されると、その呼出番号に関連付けられた消費限界日数情報や食べ頃日数情報がROM11から読み出され、加工日時に消費限界日数や食べ頃日数が加算され、消費期限日時や食べ頃日時が自動的に算出される仕組みとなっている。なお、この仕組みは通常ラベル発行機能においても実行される。ラベルマスタ表示領域40には、ラベルマスタの情報が表示される。
【0026】
次いで、操作者がこの初期画面3aにおいて計量対象となる商品に対応する呼出番号を呼出番号情報表示領域31に入力する。この際、その呼出番号に対応する商品が定額商品として設定されていると、図4に示されるような定額商品内容量チェック画面3bが情報表示部3に自動的に表示される。なお、呼出番号に対応する商品が定額商品に設定されていない場合、情報表示部3に定額商品内容量チェック画面3bは表示されず、通常ラベル作成画面(図示せず)が表示される。
【0027】
定額商品内容量チェック画面3bは、図4に示されるように、主に、日時情報表示領域30や、呼出番号情報表示領域31、メイン情報表示領域32、風袋重量情報表示領域33、重量情報表示領域34、100g当たり単価情報表示領域35、値段情報表示領域36、加工日時情報表示領域37、消費期限日時表示領域38、食べ頃日時情報表示領域39、ラベルマスタ表示領域40、下限重量情報表示領域41、上限重量情報表示領域42、定重量情報表示領域43などから構成されている。下限重量情報表示領域41には、呼出番号に対応する商品の下限重量の情報が表示される。上限重量情報表示領域42には、呼出番号に対応する商品の上限重量の情報が表示される。定重量情報表示領域43には、ラベル基材に印字する定重量値の情報が表示される。なお、この定額商品内容量チェック画面3bでは、呼出番号に対応する商品の商品名の情報がメイン情報表示領域32に表示される。また、この定額商品内容量チェック作成画面3bでは、呼出番号情報が入力されると、その呼出番号情報に対応する風袋重量情報が風袋重量情報表示領域33に表示され、負の符号が付けられた風袋重量の情報が重量情報表示領域34に表示される。
【0028】
そして、操作者が、重量情報表示領域34の「ゼロ」表示により計量装置102がゼロ点にあることを確認した後、容器(風袋)などを計量装置102の秤量皿(図示せず)に乗せ、重量情報表示領域34に表示される重量が下限重量以上、上限重量以下となるように容器などに商品を詰めていく(図5参照)。
【0029】
そして、その重量が下限重量以上、上限重量以下となってから所定時間(たとえば3秒など)を経過すると、定額商品内容量チェック画面3bにおいてその重量情報および100g当たり単価情報が単位情報と共に非表示となる(図6参照)。
【0030】
そして、定額商品内容量チェック画面3bにおいて、その重量情報、100g当たり単価情報および単位情報が非表示とされてから所定時間(たとえば、1秒)を経過すると、印字機構部4が動作し、ラベル5を自動発行する。
【0031】
なお、操作者によってラベル5が引き抜かれると、ラベル検知部がラベルの不存在を検知し、その検知信号を制御部7に送信する。そして、制御部7がその検知信号を受信すると、制御部7は、情報表示部3に対して重量情報表示領域34、100g当たり単価情報表示領域35に重量情報、100g当たり単価情報および単位情報を表示させる。
<ラベル発行装置の特徴>
(1)
【0032】
本発明の第1実施形態に係るラベル発行装置100では、計量装置102における計量値が下限重量以上、上限重量以下になってから所定時間経過後に定額商品内容量チェック画面3bにおいてその重量情報および100g当たり単価情報が単位情報と共に非表示となる。そして、定額商品内容量チェック画面3bにおいて、その重量情報、100g当たり単価情報および単位情報が非表示とされてから所定時間を経過すると、印字機構部4が動作し、ラベル5を自動発行する。このため、このラベル発行装置100では、定額ラベル発行設定がなされている場合であっても計量装置102の計量機能を利用することができる。したがって、このラベル発行装置100では、法令順守を行いつつ装置が本来有している秤機能を有効に活用することができる。
(2)
【0033】
本発明の第1実施形態に係るラベル発行装置100では、操作者によってラベル5が引き抜かれると、ラベル検知部がラベルの不存在を検知し、その検知信号を制御部7に送信する。そして、制御部7がその検知信号を受信すると、制御部7は、情報表示部3に対して重量情報表示領域34、100g当たり単価情報表示領域35に重量情報、100g当たり単価情報および単位情報を表示させる。このため、このラベル発行装置100では、ラベル発行後、情報表示部3に計量値を表示させる手間を省くことができ、効率よく商品の計量およびラベル5の発行を行うことができる。
<変形例>
(A)
【0034】
先の実施形態に係るラベル発行装置100ではラベル検知部から送信される検知信号を制御部7が受信すると、制御部7が情報表示部3に対して重量情報表示領域34、100g当たり単価情報表示領域35に重量情報、100g当たり単価情報および単位情報を表示させたが、計量装置102の計量値が風袋重量と同一になった場合に、制御部7が情報表示部3に対して重量情報表示領域34、100g当たり単価情報表示領域35に重量情報、100g当たり単価情報および単位情報を表示させるようにしてもよい。
(B)
【0035】
先の実施形態に係るラベル発行装置100では定額商品内容量チェック画面3bにおいて重量情報、100g当たり単価情報および単位情報が非表示とされてから所定時間経過後に印字機構部4が動作しラベル5が自動発行されたが、定額商品内容量チェック画面3bにおいて重量情報、100g当たり単価情報および単位情報が非表示されると同時に印字機構部4が動作しラベル5が自動発行されるようにしてもよい。
(C)
【0036】
先の実施形態に係るラベル発行装置100では計量装置102における計量値が下限重量以上、上限重量以下になってから所定時間経過後に定額商品内容量チェック画面3bにおいてその重量情報および100g当たり単価情報が単位情報と共に非表示とされたが、計量装置102における計量値が下限重量以上、上限重量以下になってから所定時間経過後に計量装置102から送信される計量信号を制御部7が遮断することにより、定額商品内容量チェック画面3bにおける重量情報を非表示とするようにしてもよい。なお、かかる場合、100g当たり単価情報はあらかじめ非表示にしておけばよい。このようにすれば、定額商品内容量チェック画面3bにおける重量情報を簡易に非表示とすることができる。
(D)
【0037】
先の実施形態に係るラベル発行装置100では計量装置102における計量値が下限重量以上、上限重量以下になってから所定時間経過後に定額商品内容量チェック画面3bにおいてその重量情報および100g当たり単価情報が単位情報と共に非表示とされたが、計量装置102における計量値が下限重量以上、上限重量以下になってから所定時間経過後に重量情報が表示されないように重量情報の代わりに識別性のない他の情報を表示するようにしてもかまわない。
(E)
【0038】
先の実施形態に係るラベル発行装置100では定額商品内容量チェック画面3bにおいて重量情報、100g当たり単価情報および単位情報が非表示とされてから所定時間経過後に印字機構部4が動作しラベル5が自動発行されたが、定額商品内容量チェック画面3bにおいて重量情報、100g当たり単価情報および単位情報が非表示とされてから所定時間経過後に定額商品内容量チェック画面3bに印字開始ボタン(図示せず)が表示され、その印字開始ボタンが操作者により押されると、印字機構部4が動作しラベル5が発行されるようにしてもよい。このようにすれば、操作者は、ラベル5を所望のタイミングで発行することができる。
(F)
【0039】
先の実施形態では特に言及しなかったが、計量装置102の零点調整が完了していない場合、計量装置102における計量値が下限重量以上、上限重量以下になったとしても定額商品内容量チェック画面3bに重量情報などを表示したままにするようにしてもよい。このようにすれば、定額商品の計量毎に定額商品を正確に計量することができる。なお、具体的には、次のようにラベル発行装置100を構成すればよい。先ず、計量装置102に零点調整完了信号送信部を設ける。次に、零点調整機能により計量装置102の零点の調整が完了した場合に零点調整完了信号送信部が制御部7へ零点調整完了信号を送信するようにする。続いて、制御部7がその零点調整完了信号を受信すると、情報表示部3の非表示処理を許可するように設定しておく。
(G)
【0040】
先の実施形態に係るラベル発行装置100では定額商品内容量チェック画面3bに下限重量情報表示領域41および上限重量情報表示領域42が設けられ、そこに下限重量情報および上限重量情報が表示されたが、定額商品内容量チェック画面3bから下限重量情報表示領域41および上限重量情報表示領域42を排除し、操作者が手動コマンド重量チェックキーを押すと下限重量情報および上限重量情報が一時的に情報表示部3に表示されるようにしてもかまわない。なお、このような構成は、定額商品内容量チェック画面3bに他の多数の情報を表示しなければならない事情がある場合に有用である。
(H)
【0041】
先の実施形態に係るラベル発行装置100ではROM11に食べ頃日数情報が記憶されていたが、商品が果物などの場合、生産者によって作成された継承ラベルなどに記載されている収穫日時の情報および食べ頃日数の情報を入力できるようにラベル発行装置100を構成しておき、起算日時を収穫日時として食べ頃日時を算出するようにしてもかまわない。なお、かかる場合、収穫日時の情報および食べ頃日数の情報は、手入力されてもよいしバーコード入力されてもよい。
【0042】
また、かかる場合、加工日時と収穫日時との差を算出し、食べ頃日数からその差を差し引いた日数の情報を食べ頃日時の情報としてROM11に記憶させるようにしてもかまわない。このようにすれば、仮に継承ラベルを紛失したとしても食べ頃日時を算出することができる。
(I)
【0043】
先の実施形態に係るラベル発行装置100では定額商品内容量チェック画面として図4〜図6に示される定額商品内容量チェック画面3bが採用されたが、図10〜図12に示される定額商品内容量チェック画面3eが採用されてもかまわない。定額商品内容量チェック画面3eが定額商品内容量チェック画面3bと異なる点は、100g当たり単価情報表示領域が設けられていない点、重量情報表示領域34、下限重量情報表示領域41、上限重量情報表示領域42および値段情報表示領域36の配置が異なる点、下限重量情報表示領域41および上限重量情報表示領域42が広い点、重量情報表示領域34、下限重量情報表示領域41および上限重量情報表示領域42の識別文字欄が赤色で表示されている点などである。
−第2実施形態−
【0044】
本発明の第2実施形態に係るラベル発行装置は定額ラベル発行機能を除いて全て第1実施形態に係るラベル発行装置100と同様である。よって、以下、本発明の第2実施形態に係るラベル発行装置の定額ラベル発行機能のみについて詳述する。なお、本実施形態において第1実施形態で用いられていた参照符号と同一の参照符号が使用されている場合、その参照符号が示すものは、第1実施形態で用いられていた参照符号が示すものと同一である。
(定額ラベル発行機能)
【0045】
ラベル発行装置が起動されると、まず、図3に示されるような初期画面3aが情報表示部3に表示される。なお、初期画面3aについては、第1実施形態において説明した通りである。
【0046】
次いで、操作者がこの初期画面3aにおいて計量対象となる商品に対応する呼出番号を呼出番号情報表示領域31に入力する。この際、その呼出番号に対応する商品が定額商品として設定されていると、図7に示されるような定額商品内容量チェック画面3cが情報表示部3に自動的に表示される。なお、呼出番号に対応する商品が定額商品に設定されていない場合、情報表示部3に定額商品内容量チェック画面3cは表示されず、通常ラベル作成画面(図示せず)が表示される。
【0047】
この定額商品内容量チェック画面3cは、値段情報表示領域36に商品の値段情報が表示されないことを除いて第1実施形態に係るラベル発行装置100の定額商品内容量チェック画面3bと同一である。
【0048】
そして、操作者が、重量情報表示領域34の「ゼロ」表示により計量装置102がゼロ点にあることを確認した後、容器(風袋)などを計量装置102の秤量皿(図示せず)に乗せ、重量情報表示領域34に表示される重量が下限重量以上、上限重量以下となるように容器などに商品を詰めていく(図8参照)。
【0049】
そして、その重量が下限重量以上、上限重量以下となってから所定時間(たとえば3秒など)を経過すると、定額商品内容量チェック画面3cが非表示とされると共に図9に示されるような定額商品画面3dが情報表示部3に表示される。
【0050】
定額商品画面3dは、図9に示されるように、主に、日時情報表示領域30や、呼出番号情報表示領域31、メイン情報表示領域32、風袋重量情報表示領域33、定重量情報表示領域43、値段情報表示領域36、加工日時情報表示領域37、消費期限日時表示領域38、食べ頃日時情報表示領域39、ラベルマスタ表示領域40、下限重量情報表示領域41、上限重量情報表示領域42などから構成されている。なお、定額商品画面3dが第1実施形態に係るラベル発行装置100の定額商品内容量チェック画面3bと異なる点は、重量情報表示領域34および100g当たり単価情報表示領域35が存在しない点である。
そして、定額商品画面3dが情報表示部3に表示されてから所定時間(たとえば、1秒)を経過すると、印字機構部4が動作し、ラベル5を自動発行する。
【0051】
なお、操作者によってラベル5が引き抜かれると、ラベル検知部がラベルの不存在を検知し、その検知信号を制御部7に送信する。そして、制御部7がその検知信号を受信すると、制御部7は、情報表示部3に対して定額商品画面3dを非表示とさせると共に定額商品内容量チェック画面3cを表示させる。
<ラベル発行装置の特徴>
【0052】
本発明の第2実施形態に係るラベル発行装置では、計量装置102における計量値が下限重量以上、上限重量以下になってから所定時間経過後に定額商品内容量チェック画面3cが非表示とされると共に定額商品画面3dが情報表示部3に表示される。そして、定額商品画面3dが表示されてから所定時間を経過すると、印字機構部4が動作し、ラベル5を自動発行する。このため、このラベル発行装置では、定額ラベル発行設定がなされている場合であっても計量装置102の計量機能を利用することができる。したがって、このラベル発行装置では、法令順守を行いつつ装置が本来有している秤機能を有効に活用することができる。また、このラベル発行装置では、定額商品内容量チェック画面3cに計量に適した情報を表示し、定額商品画面3dに定額ラベルに適した情報を表示することができる。したがって、このラベル発行装置では、操作者の計量作業および定額ラベル発行作業の効率の向上を期待することができる。
<変形例>
第2実施形態に係るラベル発行装置には、第1実施形態に記載される全ての変形例が適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
3 情報表示部
4 印字機構部(ラベル発行部)
5 ラベル(定額ラベル)
7 制御部(情報表示制御部,ラベル発行制御部)
11 ROM(情報記憶部)
100 ラベル発行装置
102 計量部(計量装置)
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明に係るラベル発行装置は,法令順守を行いつつ装置が本来有している秤機能を有効に活用することができるという特徴を有しており、定額ラベルの発行を行う装置として特に有用である。また、本発明に係るラベル発行装置は、ストレッチ包装機にも適用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【特許文献1】特開昭62−184317号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に関する所定の情報が印字されたラベルを発行するラベル発行装置であって、
前記商品を計量する計量部と、
前記計量部における前記商品の計量値の情報を表示する情報表示部と、
前記ラベルを発行するラベル発行部と、
前記計量値に対して設定される閾値の情報、および前記商品が定額ラベルの発行対象か否かの設定の情報を記憶する情報記憶部と、
前記情報記憶部において前記商品が前記定額ラベルの発行対象に設定されており、かつ、前記計量部における前記商品の前記計量値が前記閾値以上となった場合に、前記情報表示部における前記計量値の情報を非表示にする情報表示制御部と、
前記情報表示制御部が前記情報表示部における前記計量値の情報を非表示にした以降に、前記ラベル発行部に対して前記定額ラベルの発行を開始させるラベル発行制御部と
を備えるラベル発行装置。
【請求項2】
前記ラベル発行部において発行される前記ラベルを排出するラベル排出部と、
前記ラベル排出部において前記ラベルを検出するラベル検出部と
をさらに備え、
前記情報表示制御部は、前記ラベル検出部により前記ラベルが検出されなくなると、前記情報表示部に前記計量値の情報を表示する
請求項1に記載のラベル発行装置。
【請求項3】
前記情報表示制御部が前記情報表示部における前記計量値の情報を非表示にした以降に、前記情報表示部に操作ボタンを表示する操作ボタン表示部をさらに備え、
前記ラベル発行制御部は、前記操作ボタンが押されると、前記ラベル発行部に対して前記定額ラベルの発行を開始させる
請求項1または2に記載のラベル発行装置。
【請求項4】
前記情報表示部は、前記計量値の情報を表示する計量値情報表示画面と、前記計量値の情報を非表示にする計量値情報非表示画面とを択一的に表示可能であり、
前記情報表示制御部は、前記情報記憶部において前記商品が前記定額ラベルの発行対象に設定されており、かつ、前記計量部における前記計量値が前記閾値以上となった場合に、前記計量値情報表示画面を非表示とし、前記計量値情報非表示画面を表示する
請求項1から3のいずれかに記載のラベル発行装置。
【請求項5】
前記計量部は、前記情報表示部へ前記計量値の情報を送信しており、
前記情報表示制御部は、前記情報記憶部において前記商品が前記定額ラベルの発行対象に設定されており、かつ、前記計量部における前記計量値が前記閾値以上となった場合に、前記計量部から前記情報表示部への前記計量値の情報の送信を遮断する
請求項1から4のいずれかに記載のラベル発行装置。
【請求項6】
前記計量部の零点を調整する零点調整機能と、
前記零点調整機能により前記計量部の零点の調整が完了した場合に、前記情報表示制御部へ零点調整完了信号を送信する零点調整完了信号送信部と
をさらに備え、
前記情報表示制御部は、前記情報記憶部において前記商品が前記定額ラベルの発行対象に設定されており、かつ、前記計量部における前記計量値が前記閾値以上となり、かつ、前記零点調整完了信号が受信された場合に、前記情報表示部における前記計量値の情報を非表示にする
請求項1から5のいずれかに記載のラベル発行装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−260608(P2010−260608A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112417(P2009−112417)
【出願日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】