説明

ラベル装着システム

【課題】 ラベル装着済みの被装着部材の生産性を高く維持することができるラベル装着システムを提供すること。
【解決手段】 複数の被装着部材Bをラベル供給位置αへと順次搬送する被装着部材搬送手段1と、ラベル供給位置αへと順次搬送されてきた被装着部材BごとにラベルLを供給するラベル供給手段2と、を備えたラベル装着システムAである。ラベル装着システムAは、特定の被装着部材B(n)に供給されるべきラベルLが不良ラベルLxであることを検出する不良ラベル検出手段3と、特定の被装着部材B(n)より一つ前の搬送順となる被装着部材B(n−1)にラベルLが供給されてから、特定の被装着部材B(n)がラベル供給位置αに搬送されるまでの間に、不良ラベルLxをそのままラベル供給手段2に供給させ、当該不良ラベルLxを未装着ラベルとして排出させるラベル供給制御手段5と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトルなどの複数の容器にラベルを装着するためのラベル装着システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来のラベル装着システムの一例を示している(たとえば特許文献1参照)。同図に示されたラベル装着システムXは、容器搬送手段91、ラベル供給手段92、および不良容器検出手段93を備えている。容器搬送手段91は、ラベル装着前の複数の容器Bを所定の間隔に並べて搬送経路910上のラベル供給位置αへと順次搬送する。容器搬送手段91は、ラベル供給位置αを通過してラベルLの装着済みとなった複数の容器Pを搬送経路910に沿って次の工程へと順次搬送する。ラベル供給手段92は、ラベル供給位置αに配置されている。ラベル供給手段92は、折り畳まれたフィルム製のラベル基材Lsを所定の長さに切断することにより1つずつラベルLを生成する。ラベル供給手段92は、1つずつ生成したラベルLをマンドレル920に外嵌させることにより、ラベルLを筒状に開いた状態とする。ラベル供給手段92は、ラベル供給位置αへと順次搬送されてくる容器Bごとに筒状に開いたラベルLを供給する。これにより、容器Bには、筒状のラベルLがある程度の隙間を有して装着される。
【0003】
ラベル基材Lsの長手方向における所定箇所には、フィルムどうしを重ねて貼り合わせた継目が存在する。また、ラベル基材Lsの一部には、印刷不良なども存在する。この種の継目や印刷不良などを含むラベルLは、不良ラベルLxとなる。不良ラベルLxは、そのままラベル供給手段92によって容器Bに供給される。この種の不良ラベルLxは、不良容器検出手段93によって検出される。不良容器検出手段93は、搬送経路910上のラベル供給位置αより下流側に配置されている。不良容器検出手段93は、不良ラベルLxが装着済みとなった容器Bを不良品として検出する。不良品として検出されたラベル装着済みの容器Bは、図示しない容器除去手段を介して搬送経路910上から除去される。
【0004】
しかしながら、従来のラベル装着システムXでは、単体では良品の容器Bであっても不良ラベルLxが装着される。そのため、不良ラベルLxが装着された容器Bは、不良品として取り扱わることとなり、良品としての容器Bが無駄になるという難点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−119234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、搬送する複数の被装着部材を無駄にすることなくラベルを効率よく装着することができるラベル装着システムを提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明により提供されるラベル装着システムは、複数の被装着部材をラベル供給位置へと順次搬送する被装着部材搬送手段と、上記被装着部材搬送手段により上記ラベル供給位置へと順次搬送されてきた上記被装着部材ごとにラベルを供給するラベル供給手段と、を備えたラベル装着システムであって、上記複数の被装着部材のうち特定の被装着部材に対して上記ラベル供給手段により供給されるべき上記ラベルが不良ラベルであることをその供給前に検出する不良ラベル検出手段と、上記特定の被装着部材より一つ前の搬送順となる上記被装着部材に上記ラベルが供給されてから、上記特定の被装着部材が上記ラベル供給位置に搬送されるまでの間に、上記不良ラベルをそのまま上記ラベル供給手段に供給させ、当該不良ラベルを未装着ラベルとして排出させるラベル供給制御手段と、を備えていることを特徴としている。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記被装着部材搬送手段は、上記ラベル供給手段により上記不良ラベルが供給されるか否かに関係なく、上記複数の被装着部材を定常速度で搬送している。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記被装着部材搬送手段は、上記複数の被装着部材を定常速度で搬送している一方、上記不良ラベルが供給される際、上記複数の被装着部材を搬送する速度を一時的に減速させる。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記被装着部材搬送手段は、上記複数の被装着部材を並べて上記ラベル供給位置へと順次搬送するとともに、上記ラベル供給位置を通過して上記ラベルの装着済みとなった上記複数の被装着部材を次の工程へと順次搬送する搬送経路を有し、上記搬送経路上の上記ラベル供給位置、または上記搬送経路上の上記ラベル供給位置より下流側の途中位置には、上記ラベル供給手段によって排出された上記不良ラベルを上記搬送経路上から除去するための不良ラベル除去手段が配置されている。
【0011】
本発明によるラベル装着システムでは、ラベル供給位置を被装着部材が通過していないときに不良ラベルが排出され、搬送中のいずれの被装着部材に対しても不良ラベルが装着されない。したがって、本発明によれば、搬送する複数の被装着部材を無駄にすることなくラベルを効率よく装着することができる。
【0012】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るラベル装着システムの一実施形態を示す全体図である。
【図2】ラベル装着システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】ラベル装着システムの制御動作を示すフローチャートである。
【図4】ラベル装着システムの制御動作を説明するための全体図である。
【図5】ラベル装着システムの制御動作を説明するための全体図である。
【図6】ラベル装着システムの制御動作を説明するための全体図である。
【図7】ラベル装着システムの制御動作を説明するための全体図である。
【図8】ラベル装着システムの制御動作を説明するための全体図である。
【図9】本発明に係るラベル装着システムの他の実施形態による制御動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係るラベル装着システムの他の実施形態を示す全体図である。
【図11】従来のラベル装着システムの全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0015】
図1および図2は、本発明に係るラベル装着システムの一実施形態を示している。図1に示すように、ラベル装着システムAは、たとえば被装着部材として順次搬送される複数のボトルBにフィルム製筒状のラベルLを装着するためのものである。ラベル装着システムAは、ボトル搬送手段1、ラベル供給手段2、不良ラベル検出器3、不良ラベル除去装置4、およびプログラマブルコントローラ(以下、「PLC」と称する)5を備える。
【0016】
図1および図2に示すように、ボトル搬送手段1は、搬送経路10、一対の搬送スクリュー11(図1において一方のみを図示)、搬送スクリュー駆動モータ12、ベルトコンベア13、ベルトコンベア駆動モータ14、およびボトル検出器15を有する。
【0017】
搬送経路10は、複数のボトルBを起立させた姿勢で所定の搬送方向に並べることが可能な長尺板状の部材からなる。搬送経路10上には、ラベル供給位置αが設定されている。搬送経路10の上流側には、一対の搬送スクリュー11が設置されている一方、その下流側には、ベルトコンベア13が設置されている。ラベル供給位置αは、ベルトコンベア13の搬入側所定位置に設定されている。
【0018】
一対の搬送スクリュー11は、複数のボトルBを起立させた姿勢で順次搬送するものである。一対の搬送スクリュー11は、搬送方向に回転軸を一致させた姿勢で搬送経路10の路肩両側に配置されている。搬送スクリュー11のそれぞれには、複数のボトルBの側部に当接可能な螺旋溝111が形成されている。一対の搬送スクリュー11は、互いに連動して回転する。一対の搬送スクリュー11は、これらの螺旋溝111との間に複数のボトルBを挟みながら回転する。これにより、一対の搬送スクリュー11は、徐々に搬送ピッチを大きくしながら複数のボトルBを搬送する。これらの搬送スクリュー11は、搬送スクリュー駆動モータ12によって回転させられる。
【0019】
ベルトコンベア13は、搬送スクリュー11から複数のボトルBを順次受け取り、これらのボトルBを搬送経路10上のラベル供給位置αからさらに下流側へと順次搬送するものである。ベルトコンベア13は、一対の無端ベルト130と、複数のベルトプーリ131とを有する。一対の無端ベルト130は、複数のボトルBの下端寄り部分に当接し、これらのボトルBを搬送経路10の路肩両側から挟持している。無端ベルト130のそれぞれは、駆動プーリを含む複数のベルトプーリ131に巻き掛けられている。駆動プーリが回転すると、一対の無端ベルト130がベルトプーリ131の間を循環移動する。これにより、一対の無端ベルト130に挟持された複数のボトルBが搬送経路10に沿って連続的に搬送される。駆動プーリに該当するベルトプーリ131は、ベルトコンベア駆動モータ14によって回転させられる。このようなベルトコンベア13は、複数のボトルBを概ね所定の間隔Tに保ちながら定常速度で搬送する。
【0020】
ボトル検出器15は、搬送経路10上におけるボトルBをたとえば光学的に検出するセンサからなる。ボトル検出器15は、搬送スクリュー11がベルトコンベア13へとボトルBを送り出す上流位置βに設置されている。ボトル検出器15は、ボトルBを検出するごとにボトル検出信号をPLC5に送信する。
【0021】
ラベル供給手段2は、ラベル基材ロール20、ラベル基材繰り出し部21、ラベル基材切断部22、ラベル開口移送部23、およびラベル開口供給部24を有する。ラベル基材繰り出し部21は、一対のラベル基材繰り出しローラ210およびラベル基材繰り出しモータ211を含む。ラベル基材切断部22は、回転刃ローラ220、固定刃221、および回転刃モータ222を含む。ラベル開口移送部23は、ベルト搬送機構230、複数の吸引装置231、およびラベル移送モータ232を含む。ラベル開口供給部24は、ベルト搬送機構240、マンドレル241、およびラベル供給モータ242を含む。
【0022】
ラベル基材ロール20には、折り畳まれた長尺のラベル基材Lsが巻き付けられている。ラベル基材Lsは、フィルム製であり、あらかじめ印刷が施されている。ラベル基材Lsの長手方向における所定箇所には、フィルムどうしを重ねて貼り合わせた部分となる継目が存在する。また、ラベル基材Lsには、印刷不良なども存在する。ラベル基材Lsは、ラベル基材ロール20からローラ200を経てラベル基材繰り出し部21へと引き込まれる。
【0023】
ラベル基材繰り出し部21は、ラベル基材ロール20からラベル基材Lsを引き出しながら繰り出すためのものである。一対のラベル基材繰り出しローラ210は、ラベル基材Lsの両面を圧迫しながらラベル基材Lsを下方へと送り出す。一対のラベル基材繰り出しローラ210は、互いに連動して回転する。ラベル基材繰り出しローラ210は、ラベル基材繰り出しモータ211によって回転させられる。
【0024】
ラベル基材切断部22は、ラベル基材Lsを切断するためのものである。ラベル基材切断部22は、ラベル基材繰り出し部21の下方に配置されている。ラベル基材切断部22の回転刃ローラ220は、回転することによって固定刃221との間にラベル基材Lsを引き込む。回転刃220は、回転刃モータ222によって回転させられる。回転刃ローラ220には、1回転するごとに固定刃221と対峙する回転刃が設けられている。回転刃ローラ220が1回転すると、回転刃と固定刃221との間に挟み込まれたラベル基材Lsが所定長さに切断される。これにより、ラベル基材切断部22では、未だ折り畳まれた状態で所定長さのラベルLが生成され、このラベルLが下方に送り出される。
【0025】
ラベル開口移送部23は、未だ折り畳まれた状態のラベルLを予備的に開口させながらラベル開口供給部24へと移送させるためのものである。ラベル開口移送部23は、ラベル基材切断部22の下方に配置されている。ラベル開口移送部23のベルト搬送機構230は、一対の無端ベルト230Aと、複数のベルトプーリ230Bとを有する。一対の無端ベルト230Aは、上方側において互いに当接させられた部分を有し、この上方側の部分で折り畳まれた状態のラベルLを挟み込む。一対の無端ベルト230Aは、下方側において下方になるほど互いに隙間が大きくなる部分を有し、この下方側の部分でラベルLを徐々に開口させる。無端ベルト230Aのそれぞれには、図示しない吸気孔が設けられている。無端ベルト230Aは、駆動プーリを含む複数のベルトプーリ230Bに巻き掛けられている。駆動プーリに該当するベルトプーリ230Bは、ラベル移送モータ232によって回転させられる。複数の吸引装置231は、無端ベルト230Aの内側に配置されている。吸引装置231は、無端ベルト230Aの吸気孔を通じてラベルLの表面に負圧を作用させる。駆動プーリが回転すると、一対の無端ベルト230Aが複数のベルトプーリ230Bの間を循環移動する。その際、吸引装置231が作動させられることにより、無端ベルト230Aの表面にラベルLが吸着保持される。これにより、ラベルLは、下端が開口しながら下方へと送り出される。
【0026】
ラベル開口供給部24は、ラベル開口移送部23から送られてきたラベルLを完全な筒状に開口し、そのラベルLを搬送経路10上のボトルBに対して供給するためのものである。ラベル開口供給部24は、ラベル開口移送部23の下方に配置されるとともに、ラベル供給位置αの上方に設置されている。ラベル開口供給部24のベルト搬送機構240は、一対の無端ベルト240Aと、複数のベルトプーリ240Bとを有する。マンドレル241は、上部がくさび状をなし、下部が円筒状の部材である。マンドレル241の上部の一部分は、ラベル開口移送部23における一対の無端ベルト230Aの間に位置する。マンドレル241の下部には、一対の無端ベルト240Aが左右両側において摺接する。一対の無端ベルト240Aは、駆動プーリを含む複数のベルトプーリ240Bに巻き掛けられている。一対の無端ベルト240Aは、駆動プーリが回転すると、マンドレル241との間にフィルム1枚分の厚さに相当するラベルLの一部分を挟み込みながらベルトプーリ240Bの間を循環移動する。駆動プーリに該当するベルトプーリ240Bは、ラベル供給モータ242によって回転させられる。これにより、ラベル開口供給部24は、筒状に開いたラベルLをマンドレル241の下部から下方に放出する。通常、ラベル供給位置αをボトルBが通過する瞬間にラベル開口供給部24がラベルLを供給すると、そのボトルBには、筒状に開いたラベルLがある程度の隙間をあけて装着される。
【0027】
不良ラベル検出器3は、ラベル基材Lsの継目や印刷不良などといった不良箇所を光学的に検出するセンサからなる。不良ラベル検出器3は、たとえばローラ200の上方に設置されている。不良ラベル検出器3は、不良箇所を検出するごとに不良ラベル検出信号をPLC5に送信する。
【0028】
不良ラベル除去装置4は、搬送経路10上から不良箇所を含む不良ラベルを除去するためのものである。不良ラベル除去装置4は、たとえば圧縮空気を噴出することによって不良ラベルを吹き飛ばす。不良ラベル除去装置4は、ラベル供給位置αに設置されている。不良ラベル除去装置4は、搬送経路10の路肩外方に配置されており、たとえば空気噴出方向が搬送方向に対して交差する方向(一例として図1では紙面の裏側から表側に向かう方向)に設定されている。たとえば不良ラベル除去装置4と対向する位置にあって搬送経路10の路肩外には、不良ラベルを回収するための回収ボックス(図示略)が配置されている。
【0029】
PLC5は、ボトル搬送手段1、ラベル供給手段2、および不良ラベル除去装置4の動作を制御し、これらの同期をとるためのものである。PLC5には、搬送スクリュー駆動モータ12、ベルトコンベア駆動モータ14、ボトル検出器15、ラベル基材繰り出しモータ211、回転刃モータ222、吸引装置231、ラベル移送モータ232、ラベル供給モータ242、不良ラベル検出器3、および不良ラベル除去装置4が接続されている。PLC5は、後述のラベル装着処理を実行する。
【0030】
次に、ラベル装着システムの制御動作について、図3のフローチャートおよび図4〜図8の全体図を参照して説明する。
【0031】
PLC5は、ラベル装着処理を実行することにより、搬送スクリュー駆動モータ12およびベルトコンベア駆動モータ14を所定の回転速度として連動させる。これにより、搬送経路10上における複数のボトルBは、搬送方向に沿って定常速度で搬送される。ボトルBの搬送中、PLC5は、ボトル検出器15からボトル検出信号を受信する。ボトルBの搬送速度とボトル検出信号の受信タイミングに基づき、PLC5は、上流位置βを通過したボトルBがラベル供給位置αを通過するタイミングとその搬送順とを認識している。
【0032】
また、PLC5は、ラベル装着処理を実行することにより、ラベル基材繰り出しモータ211、回転刃モータ222、吸引装置231、ラベル移送モータ232、およびラベル供給モータ242を所定の回転速度として連動させる。これにより、ラベル基材Lsは、ラベル基材繰り出し部21を通って所定長さ繰り出されるごとにラベル基材切断部22で切断され、その切断ごとにラベルLがラベル開口移送部23へと送り込まれる。これに連動して、ラベル開口移送部23にあったラベルLは、ラベル開口供給部24へと送り出され、ラベル開口供給部24にあったラベルLは、マンドレル241の下端から下方に送り出される。たとえば図4に示すように、ラベル開口供給部24から1つのラベルLがちょうど供給された時点では、次に供給されるべきラベルLがラベル開口供給部24に位置し、さらにその次に供給されるべきラベルLがラベル開口移送部23に位置している。PLC5は、通常、ボトルBがラベル供給位置αをちょうど通過する際にラベルLが供給されるようにラベル供給モータ242などを制御する。
【0033】
図3に示すように、上記ラベル装着処理の実行中、PLC5は、不良ラベル検出器3から送信される不良ラベル検出信号を監視している(S1)。
【0034】
不良ラベル検出器3から不良ラベル検出信号を受信しない場合(S1:NO)、PLC5は、上記したように複数のボトルBの搬送順を認識しながらこれらのボトルBを定常速度で搬送させる(S2)。
【0035】
その際、ラベル開口供給部24は、ボトルBがラベル供給位置αを通過するタイミングに合わせてラベルLを供給する(S3)。これにより、ラベル供給位置αを通過するボトルBごとに不良のない正常なラベルLが装着される。
【0036】
PLC5は、本システムの稼動を停止する操作がなされた場合(S4:YES)、ラベル装着処理の実行を終了する。
【0037】
S4において、本システムの稼動を停止する操作がなされない場合(S4:NO)、PLC5は、S1のステップに戻ってラベル装着処理の実行を継続する。
【0038】
S1において、不良ラベル検出器3から不良ラベル検出信号を受信した場合(S1:YES)、PLC5は、その時点においてラベル基材繰り出し部21を通過中にあるラベル基材Lsの所定長さ部分を不良ラベルLxとして認識する。PLC5は、不良ラベル検出信号とボトル検出信号とに基づき、通常のラベル供給タイミングでは不良ラベルLxが供給されるであろう特定のボトルBの搬送順nを認識する。その後、PLC5は、そのまま複数のボトルBを定常速度で搬送させる(S5)。
【0039】
本実施形態では、一例として図4に示すように、搬送順n−3のボトルB(n−3)に対してちょうどラベルLが装着される際、搬送順n−1のボトルB(n−1)が上流位置βにて検出される。このとき、PLC5は、ラベル基材繰り出し部21を通過中にあるラベル基材Lsの所定長さ部分を不良ラベルLxとして認識したとする。この場合、PLC5は、搬送順がn番目となる特定のボトルB(n)に対して不良ラベルLxが供給されることを認識する。
【0040】
その後、PLC5は、搬送順n−1のボトルB(n−1)がラベル供給位置αを通過するまでラベル開口供給部24を通常のラベル供給タイミングに基づいて制御する。これにより、ラベル開口供給部24は、特定のボトルB(n)の一つ前に搬送されるボトルB(n−1)がラベル供給位置αを通過するまで、通常のラベル供給タイミングに基づいて正常なラベルLを供給する(S6)。本実施形態では、一例として図5および図6に示すように、搬送順n−2のボトルB(n−2)に対してラベルLが装着された後、同様のラベル供給タイミングにより搬送順n−1のボトルB(n−1)にラベルLが装着される。
【0041】
搬送順n−1のボトルB(n−1)にラベルLが装着された後、PLC5は、ラベル開口供給部24によるラベル供給タイミングを変化させる。具体的に、PLC5は、ラベル供給タイミングを通常の概ね1/2周期となるように速める。その際、ラベル開口移送部23、ラベル基材切断部22、およびラベル基材繰り出し部21の動作も、通常より速められる。一方、搬送スクリュー11およびベルトコンベア13による搬送速度は、変化させられずにそのまま定常速度に維持される。これにより、搬送経路10上のラベル供給位置αを搬送ピッチの半分程度移動した搬送順n−1のボトルB(n−1)と、その次の搬送順nとなる特定のボトルB(n)との間には、ラベル開口供給部24から不良ラベルLxがそのまま供給される。すなわち、ラベル開口供給部24は、ボトルB(n−1)と特定のボトルB(n)との間の区間がラベル供給位置αを通過する瞬間に不良ラベルLxを搬送経路10上に排出する(S7)。一例として図7に示すように、搬送経路10上に排出された不良ラベルLxは、ボトルB(n−1),B(n)に装着されることなく、これらのボトルB(n−1),B(n)の間に一時的に入り込んだ状態となる。
【0042】
不良ラベルLxの排出時、PLC5は、不良ラベル除去装置4を作動させる。これにより、ボトルBどうしの間に入り込んだ不良ラベルLxが圧縮空気によって吹き飛ばされ、搬送経路10上から不良ラベルLxが除去される(S8)。搬送経路10上のラベル供給位置αに排出された不良ラベルは、図示しない不良ラベル回収ボックスに投入される。その後、PLC5は、たとえばS4:NO、S1:NOを経てラベル装着処理の実行を継続する。これにより、図8に示すように、搬送順nのボトルB(n)からは、再び通常のラベル供給タイミングによって1つずつ正常なラベルLが装着される。
【0043】
したがって、ラベル装着システムAでは、ラベル供給位置αをボトルBが通過していないときに不良ラベルLxが排出されるので、搬送中のいずれのボトルBに対しても不良ラベルLxが装着されない。これにより、ラベル装着システムAによれば、搬送する複数のボトルBを無駄にすることなく正常なラベルLを効率よく装着することができる。
【0044】
ラベル装着システムAによれば、ボトルBの搬送速度を変更することなくラベル供給タイミングを一時的に変更するだけでよいので、ラベル装着済みのボトルBの生産性を高めることができる。
【0045】
図9は、他の実施形態によるラベル装着処理を示している。なお、図9に示すラベル装着処理も、ラベル装着システムAに適用される。図9に示すS11〜16,S19のステップは、先述した図3に示すS1〜6,S8のステップと同一である。図9に示すS17,18のステップは、図3のラベル装着処理によるものとは異なる。先述した実施形態によるものと同様の構成および動作については、同一符号などを付して説明を省略する。
【0046】
図9に示すように、PLC5は、S16のステップを実行後、その搬送順n−1のボトルB(n−1)がラベル供給位置αを通過してさらに下流側に搬送ピッチの概ね半分の距離を搬送された時点で搬送動作を一時的に停止させる(S17)。これにより、ラベル供給位置αには、搬送順n−1のボトルB(n−1)と搬送順nの特定のボトルB(n)との間の区間が静的に位置する。
【0047】
その後、PLC5は、ラベル開口供給部24を制御することにより、ボトルB(n−1)と特定のボトルB(n)との間に不良ラベルLxを排出させる(S18)。
【0048】
不良ラベルLxの排出後、PLC5は、不良ラベル除去装置4を作動させることにより、搬送経路10上から不良ラベルLxを除去させる(S19)。その後、PLC5は、S4のステップに戻り、先述した実施形態によるものと同様にボトル搬送動作およびラベル供給動作を制御する。
【0049】
このようなラベル装着処理は、ボトルBの搬送速度に対してラベル供給タイミングの周期をそれほど短くすることができない場合に有効である。このラベル装着処理によっても、搬送経路10に沿って搬送される全てのボトルBに対して不良箇所がない正常なラベルLのみを装着させることができる。
【0050】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るラベル装着システムの具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0051】
たとえば、不良ラベル除去装置は、搬送経路上のラベル供給位置よりも下流側の途中位置に配置されていてもよい。その場合、搬送経路上に排出されてボトルどうしの間に入り込んだ状態の不良ラベルをそのまま搬送させ、その不良ラベルが不良ラベル除去装置と対向する位置を通過する時点で不良ラベル除去装置を作動させればよい。
【0052】
図9に示すラベル装着処理では、S17のステップにおいてボトルの搬送動作を一時的に停止させたが、これに代わる制御として次のような手法を採用してもよい。たとえば、搬送順n−1のボトルがラベル供給位置を通過してから次の搬送順nとなる特定のボトルがラベル供給位置を通過するまでの間、ボトルの搬送速度をより低速となるように制御してもよい。
【0053】
たとえば、図10に示すように、ボトル搬送手段1は、搬送経路10上における搬送スクリュー11の設置箇所から下流側まで延びるベルトコンベア13’を含んでいてもよい。このベルトコンベア13’は、無端ベルト130’と、一対のベルトプーリ131’とを有する。無端ベルト130’は、水平軸周りに回転するベルトプーリ131’に巻き掛けられている。駆動プーリに該当するベルトプーリ131’は、ベルトコンベア駆動モータによって回転させられる。これにより、無端ベルト130’は、その上側の部分に複数のボトルBを載せた状態でベルトプーリ131の間を循環移動する。搬送経路10は、無端ベルト130’の上側の部分によって形成される。このようなベルトコンベア13’によっても、複数のボトルBを搬送経路10に沿って連続的に搬送することができる。
【符号の説明】
【0054】
A ラベル装着システム
B ボトル(被装着部材)
α ラベル供給位置
Ls ラベル基材
L ラベル
Lx 不良ラベル
1 ボトル搬送手段(被装着部材搬送手段)
2 ラベル供給手段
3 不良ラベル検出器(不良ラベル検出手段)
4 不良ラベル除去装置(不良ラベル除去手段)
5 プログラマブルコントローラ(ラベル供給制御手段)
10 搬送経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被装着部材をラベル供給位置へと順次搬送する被装着部材搬送手段と、
上記被装着部材搬送手段により上記ラベル供給位置へと順次搬送されてきた上記被装着部材ごとにラベルを供給するラベル供給手段と、を備えたラベル装着システムであって、
上記複数の被装着部材のうち特定の被装着部材に対して上記ラベル供給手段により供給されるべき上記ラベルが不良ラベルであることをその供給前に検出する不良ラベル検出手段と、
上記特定の被装着部材より一つ前の搬送順となる上記被装着部材に上記ラベルが供給されてから、上記特定の被装着部材が上記ラベル供給位置に搬送されるまでの間に、上記不良ラベルをそのまま上記ラベル供給手段に供給させ、当該不良ラベルを未装着ラベルとして排出させるラベル供給制御手段と、
を備えていることを特徴とする、ラベル装着システム。
【請求項2】
上記被装着部材搬送手段は、上記複数の被装着部材を定常速度で搬送している一方、上記不良ラベルが供給される際、上記複数の被装着部材を搬送する速度を一時的に減速させる、請求項1に記載のラベル装着システム。
【請求項3】
上記被装着部材搬送手段は、上記複数の被装着部材を並べて上記ラベル供給位置へと順次搬送するとともに、上記ラベル供給位置を通過して上記ラベルの装着済みとなった上記複数の被装着部材を次の工程へと順次搬送するための搬送経路を有し、上記搬送経路上の上記ラベル供給位置、または上記搬送経路上の上記ラベル供給位置より下流側の途中位置には、上記ラベル供給手段によって排出された上記不良ラベルを上記搬送経路上から除去するための不良ラベル除去手段が配置されている、請求項1または2に記載のラベル装着システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−131537(P2012−131537A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285693(P2010−285693)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】