ラミネート型電池およびラミネート型電池からなる組電池
【課題】膨張を抑制しつつ、低い内圧で外装体が開裂する、ラミネート型電池およびラミネート型電池からなる組電池の構成を提供する。
【解決手段】ラミネート型電池は、ラミネート外装体と、拘束部材とを備える。ラミネート外装体は、平面視略矩形で、その周辺の3辺または4辺に溶着部を有する。拘束部材は、一組の板状部を有する。板状部は、ラミネート外装体の厚さ方向の両側から、ラミネート外装体を挟持する。溶着部の一つは、板状部の端辺から距離dだけ突出しており、距離dは、板状部のそれぞれの厚さをT、間隔をtとして下記の式を満たす。
【解決手段】ラミネート型電池は、ラミネート外装体と、拘束部材とを備える。ラミネート外装体は、平面視略矩形で、その周辺の3辺または4辺に溶着部を有する。拘束部材は、一組の板状部を有する。板状部は、ラミネート外装体の厚さ方向の両側から、ラミネート外装体を挟持する。溶着部の一つは、板状部の端辺から距離dだけ突出しており、距離dは、板状部のそれぞれの厚さをT、間隔をtとして下記の式を満たす。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラミネート型電池およびラミネート型電池からなる組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータ等の普及により、大容量・高密度な電池が強く望まれている。電動アシスト自転車やハイブリッド型自動車も普及し始め、全て電気で駆動する電気自動車も徐々に見受けられるようになってきた。このような電池には、大容量・高密度であることに加えて、高出力であることが要求される。このような特性を併せ持つ電池として、可撓性のあるフィルム状の外装体を持つラミネート型電池がクローズアップされている。
【0003】
ラミネート型電池では、意図しない過剰な充電がされたり、高温環境下に曝された場合に、電解液が分解して内部ガスが発生する場合がある。内部ガスが発生すると、ラミネート型電池は、外装体の可撓性・柔軟性のために、膨張するおそれがある。膨張が生じると、電池内では、セパレータを挟んで隣合う正極と負極との距離が大きくなり、充放電特性が悪化する。また、膨張の程度によっては、当該電池が格納された装置やケースを変形・破壊してしまうおそれもある。
【0004】
特開2003−203615号公報(特許文献1)には、モジュールの上下カバーを撓ませて発生させた外力を外力伝達柱を介してセル押さえ板に伝達し、この伝達された外力を受けたセル押さえ板で偏平型二次電池を押さえる、偏平二次電池モジュールが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−203615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ラミネート型電池は密封されているため、内部ガスが発生すると、内圧が高まる。過度に内圧が高まると危険であるため、一定の圧力で外装体の一部に開裂が生じ、内圧が解放されることが好ましい。より安全な電池とするためには、できるだけ低い圧力で、外装体の一部に開裂が生じることが好ましい。
【0007】
図1Aおよび図1Bは、ラミネート型電池の開裂に関し、本発明者らが行った実験を示す模式図である。
【0008】
図1Aに示すように、ラミネート型電池9は、平面視矩形のラミネート外装体91と、ラミネート外装体91の一辺から引き出された正極タブ92および負極タブ93とを備えている。ラミネート外装体91は、内部に発電要素である電極積層体と、電解液とを収容している。
【0009】
ラミネート外装体91は、その周辺のうちの3辺に溶着部91aを有している。ラミネート外装体91は、1枚のフィルム状の外装材を折り曲げて重ね合わせて形成されている。ラミネート外装体91は、溶着部91aにおいて内部に形成された樹脂層を溶着させることで、密封されている。
【0010】
図1Bは、ラミネート型電池9を、図1A中の矢印D1の方向から見た図である。図1Bに示すように、ラミネート型電池9は、その厚さ方向の両側から、一組の板98により挟持されている。板98は、ラミネート型電池9の主面よりも大きな面積を持つ。一組の板98はクランプ99により、その間隔が広がらないように固定されている。板98は十分に硬く、この実験において撓み等の変形は無視できるものとする。
【0011】
この条件のもと、ラミネート型電池9の内部に圧力を印加した。その結果、ラミネート型電池9は、内圧が12atm〜17atmになった時点で開裂した。
【0012】
一方、同じ条件で作製した別のラミネート型電池9を、一組の板98で挟持せずに、ラミネート型電池9の内部に圧力を印加した。この場合、ラミネート型電池9は、3atm〜5atmになった時点で開裂した。
【0013】
図1Bに示すように、ラミネート型電池9では、電極積層体等が収容された中央部が、溶着部91aよりも厚い。そのため、溶着部91aは、板98に直接挟まれていない。それにもかかわらず、ラミネート型電池9を板98で挟持した場合の方が、開裂させるのに高い圧力を必要とした。
【0014】
これは、次のように説明できる。図2に示すように、溶着部90aで溶着された2枚のラミネート片90を引き剥がす際、この2枚のラミネート片90のなす角φが小さい場合(図2(a))に比べ、なす角φが大きい場合(図2(b))の方が、弱い力で引き剥がすことができる。
【0015】
すなわち、ラミネート型電池9を板98で挟持した場合、2枚のラミネート片のなす角φが開くのが抑制される。その結果、開裂させるのに大きな圧力が必要となる。
【0016】
したがって、特許文献1に記載の偏平二次電池モジュールのように、セル押さえ板で偏平型二次電池を押さえると、外装体を開裂させるのに必要となる圧力が増加するという問題があった。一方、電池を押さえない場合は、低い圧力で開裂するが、電池の膨張を抑制できない。
【0017】
本発明の目的は、膨張を抑制しつつ、低い内圧で外装体が開裂する、ラミネート型電池およびラミネート型電池からなる組電池の構成を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
ここに開示するラミネート型電池は、ラミネート外装体と、拘束部材とを備える。ラミネート外装体は、平面視略矩形で、その周辺の3辺または4辺に溶着部を有する。拘束部材は、板状部を有する。板状部は、ラミネート外装体の厚さ方向の両側から、ラミネート外装体を挟持する。溶着部の一つは、板状部の端辺から距離dだけ突出しており、距離dは、板状部のそれぞれの厚さをT、間隔をtとして下記の式を満たす。
【数1】
【0019】
また、ここに開示する組電池は、複数のラミネート型電池と、拘束部材とを備える。ラミネート型電池は、平面視略矩形で、その周辺の3辺または4辺に溶着部を有するラミネート外装体を備え、ラミネート外装体の厚さ方向に積層されている。拘束部材は、板状部を有する。板状部は、複数のラミネート型電池の積層方向の両側から、複数のラミネート型電池を挟持する。複数のラミネート型電池の、溶着部の一つは、板状部の端辺から距離dだけ突出しており、距離dは、板状部のそれぞれの厚さをT、ラミネート型電池の厚さをtとして下記の式を満たす。
【数2】
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、膨張を抑制しつつ、低い内圧で外装体が開裂する、ラミネート型電池およびラミネート型電池からなる組電池の構成が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】図1Aは、ラミネート型電池の開裂に関し、本発明者らが行った実験を模式的に示す分解斜視図である。
【図1B】図1Bは、図1Aのラミネート型電池を、図1A中の矢印D1の方向から見た図である。
【図2】図2は、溶着された2枚のラミネート片を引き剥がす際の応力について説明するための図である。
【図3A】図3Aは、一組の板に挟持されたラミネート型電池の模式図である。
【図3B】図3Bは、図3Aをモデル化した図である。
【図4】図4は、挟持する板の幅を変えた場合の、ラミネート型電池の定性的な振る舞いを説明するための図である。
【図5】図5は、溶着部を板の端辺から突出させる距離dと、膨張の大きさ等との関係を計算するための図である。
【図6A】図6Aは、距離dと、膨張の大きさ等との関係を計算するための図である。
【図6B】図6Bは、距離dと、膨張の大きさ等との関係を計算するための図である。
【図7A】図7Aは、距離dと、図5中の湾曲部の半径rおよび円弧DEの長さrθとの関係を示すグラフである。
【図7B】図7Bは、距離dと、図6A中の角度θおよび図6B中の角度2Mとの関係を示すグラフである。
【図8】図8は、本発明の第1の実施形態にかかるラミネート型電池の(a)正面図、および(b)左側面図である。
【図9】図9は、本発明の第2の実施形態にかかるラミネート型電池の(a)正面図、および(b)左側面図である。
【図10】図10は、本発明の第3の実施形態にかかるラミネート型電池の概略構成を示す分解斜視図である。
【図11】図11は、本発明の第4の実施形態にかかる組電池の概略構成を示す斜視図である。
【図12】図12は、本発明の第5の実施形態にかかる組電池の概略構成を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0023】
本発明者らは、本発明の課題を解決するために、以下の考察を行った。
【0024】
図3Aは、ラミネート型電池9を、図1A中の矢印D1の方向から見た図である。ラミネート型電池9は、一組の板98により挟持されている。図3Aでは、図1Bで示したようなクランプは図示していないが、一組の板98は任意の手段で固定されており、その間隔は変化しないものとする。
【0025】
ここで、ラミネート型電池9を、図3Bのようにモデル化したラミネート型電池9’に置き換えて、ラミネート型電池9’の振る舞いを考える。ラミネート型電池9’は、ラミネート外装体91’を備える。ラミネート型電池9と同様に、ラミネート型電池9’のラミネート外装体91’も平面視矩形であって、その周辺のうちの3辺に、溶着部91a’を有している。
【0026】
考察にあたり、次の(1)〜(6)の仮定および近似を用いる。(1)図3Bに示すように、ラミネート型電池9’内部の収容物(電極積層体、電解液等)は、その厚さ方向(図3Bの上下方向)において、溶着部91a’を中心に対称に膨らんで収容されている。(2)溶着部91a’付近のラミネート外装体91’が湾曲している箇所では、その湾曲を半円形とする。(3)この半円上の点から引いた2本の接線のなす角度を、溶着された2枚のラミネート同士を引き剥がす際の角度とする。(4)ラミネートはその面内方向で伸び縮みしないものとする。(5)ラミネートの厚さは無視する。(6)板98は剛性が高く、全く変形しないものとする。
【0027】
まず、図4を用いて、板98の面積をラミネート型電池9’の幅方向(図4の左右方向)に狭めていった場合の、定性的な振る舞いを考察する。
【0028】
図4(a)では、ラミネート型電池9’は、一組の板98Aで挟持されている。板98Aは、ラミネート型電池9’を完全に覆っている。ラミネート型電池9’の内圧が上昇しても、板98Aで両側から挟持されているため、ラミネート外装体91’は膨張しない。
【0029】
図4(b)では、ラミネート型電池9’は、一組の板98Bで挟持されている。板98Bの幅は、ラミネート外装体91’の、溶着部91a’を除いた幅よりも小さく形成されている。そのため、ラミネート外装体91’は、板98Bで覆われていない部分において膨張することができる。ラミネート型電池9’の内圧が上昇すると、図4(b)に破線で示すラミネート外装体91’は、ラミネート外装体911’のように変形する。ラミネート外装体911’は膨張した分だけ内側に引っ張られるので、ラミネート型電池9’の幅は小さくなる。
【0030】
図4(c)では、ラミネート型電池9’は、一組の板98Cで挟持されている。板98Cの幅は、板98Bの幅よりもさらに小さい。ラミネート型電池9’の内圧が上昇すると、図4(c)に破線で示すラミネート外装体91’は、ラミネート外装体912’のように変形する。ラミネート外装体912’の膨張(図4(c)の上下方向の変形量)は、図4(b)の場合よりも大きい。また、ラミネート型電池9’の幅は、図4(b)の場合よりもさらに小さくなる。
【0031】
次に、図5を用いて、これらの変化量を式で表すことを考える。図5では、簡単のために、ラミネート型電池9’の片側半分のみを図示している。もう片方については、対称に振る舞うものとして取り扱う。
【0032】
図5(a)では、ラミネート型電池9’は、一組の板98Dに挟持されている。板98Dの端辺は、溶着部91a’の始点から、距離dだけ内側にある。換言すれば、溶着部91a’は、板98Dの端辺から距離dだけ突出している。
【0033】
板98Dの間隔tは、ラミネート型電池9’の厚さと等しくなるように調整され、固定されている。このとき、溶着部91a’付近の湾曲部は、直径tの半円に近似することができる。
【0034】
ここで、図5(a)中の線分ABCの長さR1は、
R1=πt/4+L−t/2 (3)
となる。ここで、Lは、ラミネート型電池9’の中心から、溶着部91a’までの長さである。なお、点Aはラミネート型電池9’の幅方向の中心線上の点である。
【0035】
次に、図5(b)に示すように、ラミネート型電池9’の内圧が上昇し、ラミネート外装体91’が、ラミネート外装体913’のように変形した場合を考える。
【0036】
図5(b)中の線分ADEFの長さR2を求める。図5(b)に示すように、ラミネート外装体913’の、溶着部91a’付近の湾曲部を、直径2rの円の一部で近似する。さらに、図6Aに示すように、∠DOE=θ[rad]とおくと、円弧DEの長さはrθとなる。よって、
R2=πr/2+rθ+L−d (4)
となる。なお、図6Aより、θ=cos−1(t/2r)である。
【0037】
ラミネートはその面内方向で伸び縮みしないと仮定したので、R1=R2である。よって、式(3)および式(4)より、
d=(π/2+θ)r+(1/2−π/4)t (5)
となり、dはrの関数であることがわかる。
【0038】
次に、図6Bを用いて、ラミネート外装体913’の湾曲部上の点から引いた2本の接線のなす角を求める。まず、この湾曲部上で、点Fから原点よりに距離eだけ進んだ点H,Iにおける接線を求める。点H,Iの座標は、円の式x2+y2=r2より、Hx=e−r,Hy={r2−(e−r)2}1/2,Ix=e−r,Iy=−{r2−(e−r)2}1/2となる。ここでHxは点Hのx座標、Hyは点Hのy座標、Ixは点Iのx座標、Iyは点Iのy座標である。
【0039】
点(a,b)における接線の式はax+by=r2であるから、点H,Iにおける接線は、
(e−r)x±{r2−(e−r)2}1/2y=r2 (6)
となる。
【0040】
この両接線がx軸となす角Mは、
M=tan−1(OJ/OG)=tan−1(OK/OG) (7)
となる。OJ,OKは両接線のy切片から、OGは両接線のx切片から求まる。式(6)より、OJ=OK=r2/{r2−(e−r)2}1/2,OG=r2/(r−e)である。したがって、
【数3】
となる。
【0041】
溶着部91a’を除いたラミネート外装体91’の半幅Lを100mm、板98Dの間隔tを10mm、接線を求める際の点Fからのシフト量eを1mmとして、膨張の大きさ等を計算した。図7Aは、距離dと、湾曲部の半径rおよび円弧DEの長さrθとの関係を示すグラフである。図7Bは、距離dと、図6A中の角度θおよび図6B中の角度2Mとの関係を示すグラフである。
【0042】
dはLよりも大きくなることはないので、dは0mm〜100mmの値をとる。また、rは変形する前のラミネート外装体91’の厚さの半値以下にはならない。したがってrの最小値はt/2、すなわち5mmである。
【0043】
図7Aに示すように、距離dが大きくなるほど、rが大きくなる。すなわち、ラミネート外装体913’の膨張が大きくなる。
【0044】
図7Bに示すように、突出距離dが大きくなるほど、角度2Mが大きくなる。角度2Mは、溶着された2枚のラミネート片同士がなす角の近似値である。既述のように、この角度が大きいほど、溶着部91a’を弱い力で引き剥がすことができる。したがって、距離dが大きいほど、低い内圧でラミネート型電池9’を開裂させることができる。
【0045】
以上の考察から、本発明者らは、好ましいdの範囲を次のように求めた。
【0046】
上述のように、距離dが大きいほど、ラミネート型電池9’の膨張量が大きくなり、ラミネート型電池9’を弱い圧力で開裂させることができる。反対に、dがt/2よりも小さい場合、ラミネート型電池9’は全く変形することができない。したがって、距離dの好ましい下限値はt/2である。
t/2≦d (9)
【0047】
一方、膨張が大きくなりすぎると、正負の電極間の距離が大きくなって充放電特性が悪化したり、当該電池が格納されたケースを破損する等の問題が生じる。そこで、膨張したラミネート外装体913’の厚さ2rが、ラミネート型電池9’と板98Dとを合わせた全体の厚さt+2Tを超えないことが好ましい。すなわち、
2r≦t+2T (10)
式(10)および式(5)から、距離dについて整理すると、距離dの好ましい上限値に関する式、
【数4】
が得られる。
【0048】
式(9)および式(11)から、式(1)が得られる。
【0049】
[第1の実施形態]
図8は、本発明の第1の実施形態にかかるラミネート型電池1の(a)平面図、および(b)左側面図である。ラミネート型電池1は、電池本体10と、拘束部材18とを備えている。
【0050】
電池本体10は、平面視略矩形のラミネート外装体11と、ラミネート外装体11の一辺から引き出された正極タブ12および負極タブ13とを備えている。ラミネート外装体11は、内部に発電要素である電極積層体と、電解液とを収容している。
【0051】
ラミネート外装体11は、その周辺のうちの3辺に溶着部11aを有している。ラミネート外装体11は、1枚のフィルム状の外装材を折り曲げて重ね合わせて形成されている。ラミネート外装体11は、溶着部11aにおいて内部に形成された樹脂層を溶着させることで、密封されている。
【0052】
拘束部材18は、一組の板状部18a,18bを、連結部18cにより連結し、断面コの字型に形成したものである。拘束部材18は、板状部18a,18bおよび連結部18cがそれぞれ別個の部品として組み上げられたものであっても良いし、一体的に成型されたものであっても良い。
【0053】
拘束部材18は、剛性の高い材料で形成されていることが好ましい。また、拘束部材18は、電池本体10の放熱を良くする観点から、熱伝導率の高い材料で形成されていることが好ましい。拘束部材18の材料は、例えば金属である。
【0054】
板状部18aと18bとの間隔tは、電池本体10の厚さと等しい。板状部18a、18bの厚さはそれぞれTである。したがって、ラミネート型電池1全体の厚さはt+2Tである。
【0055】
板状部18aおよび18bは、ラミネート外装体11の表裏の主面の一部を覆っている。図8(a)に示すように、板状部18aと、3辺の溶着部11aとはそれぞれ距離dだけ隔てられている。同様に、裏面においても、板状部18bと、3辺の溶着部11aとはそれぞれ距離dだけ隔てられている。換言すれば、ラミネート外装体11の溶着部11aは、板状部18a,18bの端辺から距離dだけ突出している。
【0056】
そして、距離dは式(1)を満たすように調整されている。これにより、電池本体10の膨張を抑制しつつ、弱い圧力でラミネート外装体11を開裂させることができる。
【0057】
本実施形態では、3つの辺からそれぞれ距離dだけ離れるように板状部18a,18bを形成した。しかしながら、溶着部11aの少なくとも一辺が、板状部18a,18bの端辺から距離dだけ突出していれば良い。電池本体10の内圧が上昇した場合、その突出した溶着部11aにおいて開裂が生じるからである。
【0058】
また、複数の溶着部11aを突出させる場合、これらを等距離にする必要はない。距離dは式(1)を満たす限り任意の値で良い。
【0059】
[第2の実施形態]
図9は、本発明の第2の実施形態にかかるラミネート型電池2の(a)平面図、および(b)左側面図である。ラミネート型電池2は、電池本体20と、拘束部材28とを備えている。
【0060】
電池本体20は、平面視略矩形のラミネート外装体21と、ラミネート外装体21の一辺から引き出された正極タブ22および負極タブ23とを備えている。ラミネート外装体21は、内部に発電要素である電極積層体と、電解液とを収容している。
【0061】
ラミネート外装体21は、その周辺の4辺に溶着部21aを有している。ラミネート外装体21は、2枚のフィルム状の外装材を、重ね合わせて形成されている。ラミネート外装体21は、溶着部21aにおいて内部に形成された樹脂層を溶着させることで、密封されている。
【0062】
拘束部材28は、一組の板状部28a,28bを、左右の側面に設けられた連結部28cにより連結し、環状に形成したものである。拘束部材28は、板状部28a,28bおよび連結部28cがそれぞれ別個の部品として組み上げられたものであっても良いし、一体的に成型されたものであっても良い。拘束部材28の材料は、例えば金属である。
【0063】
板状部28aと28bとの間隔tは、電池本体20の厚さと等しい。板状部28a、28bの厚さはそれぞれTである。したがって、ラミネート型電池2全体の厚さはt+2Tである。
【0064】
図9に示すように、拘束部材28は、ラミネート外装体21の表裏の主面と、平面視左右の側面とを通って環状に形成されている。板状部28aおよび28bは、平面視上下の2辺の溶着部21aから、それぞれ距離dだけ離れて形成されている。換言すれば、平面視上下の2辺の溶着部21aは、板状部28a,28bの端辺から距離dだけ突出している。
【0065】
そして、距離dは式(1)を満たすように調整されている。これにより、電池本体20の膨張を抑制しつつ、弱い圧力でラミネート外装体21を開裂させることができる。
【0066】
[第3の実施形態]
図10は、本発明の第3の実施形態にかかるラミネート型電池3の概略構成を示す分解斜視図である。ラミネート型電池3は、電池本体20と、拘束部材38とを備える。電池本体20は、第2の実施形態で説明した電池本体20と同じものであり、厚さはtである。
【0067】
拘束部材38は、一組の板状部38a,38bと、外装部38cとを備えている。図10では、説明のために板状部38bに模様を付して示している。板状部38bと外装部38cとは、別個の部品として組み上げて良いし、一体的に形成されたものでも良い。板状部38aと外装部38cとについても同様である。板状部38aおよび38bの厚さはそれぞれTである。拘束部材38の材料は、例えば金属である。
【0068】
外装部38cは、電池本体20を内部に収容できるように箱型に形成されている。板状部38a,38bは、外装部38cに電池本体20を収容したとき、電池本体20を厚さ方向両側から挟持するように形成されている。
【0069】
このとき、板状部38aおよび38bは、電池本体20のラミネート外装体21の2辺の溶着部21aから、距離dだけ離れるように形成されている。
【0070】
そして、距離dは式(1)を満たすように調整されている。これにより、電池本体20の膨張を抑制しつつ、弱い圧力でラミネート外装体21を開裂させることができる。
【0071】
また、本実施形態では、拘束部材38が、電池本体20を収容する外装ケースを兼ねる。これにより、部品点数を削減できる。
【0072】
[第4の実施形態]
図11は、本発明の第4の実施形態にかかる組電池4の概略構成を示す斜視図である。組電池4は、5つの電池本体20と、拘束部材48とを備える。電池本体20は、第2の実施形態で説明した電池本体20と同じものである。5つの電池本体20が、その厚さ方向に積層している。電池本体20の一枚あたりの厚さはtである。
【0073】
拘束部材48は、一組の板状部48a,48bを、左右の側面に設けられた連結部48cにより連結し、環状に形成したものである。拘束部材48は、板状部48a,48bおよび連結部48cがそれぞれ別個の部品として組み上げられたものであっても良いし、一体的に成型されたものであっても良い。拘束部材48の材料は、例えば金属である。
【0074】
板状部48aと48bとの間隔は、5つ電池本体20が積み重なった厚さ5×tに等しい。拘束部材48は、5つの電池本体20を束ねる、結束部材としての役割を兼ねている。板状部48a,48bの厚さはそれぞれTである。
【0075】
図11に示すように、電池本体20の2辺の溶着部は、拘束部材48の端辺から距離dだけ突出している。
【0076】
そして、距離dは式(1)を満たすように調整されている。これにより、電池本体20の膨張を抑制しつつ、弱い圧力でラミネート外装体を開裂させることができる。
【0077】
また、本実施形態では、拘束部材48が、5つの電池本体20を束ねる、結束部材としての役割を兼ねている。これにより、部品点数を削減できる。
【0078】
本実施形態では5つの電池本体20を積層させたが、積層させる数は任意である。
【0079】
[第5の実施形態]
図12は、本発明の第5の実施形態にかかる組電池5の概略構成を示す分解斜視図である。組電池5は、5つの電池本体20と、拘束部材58とを備える。電池本体20は、第2の実施形態で説明した電池本体20と同じものである。5つの電池本体20が、その厚さ方向に積層している。電池本体20の一枚あたりの厚さはtである。
【0080】
拘束部材58は、一組の板状部58a,58bと、外装部58cとを備えている。図12では、説明のために板状部58bに模様を付して示している。板状部58bと外装部58cとは、別個の部品として組み上げて良いし、一体的に形成されたものでも良い。板状部58aと外装部58cとについても同様である。板状部58aおよび58bの厚さはそれぞれTである。拘束部材58の材料は、例えば金属である。
【0081】
外装部58cは、5つの電池本体20を内部に収容できるように箱型に形成されている。板状部58a,58bは、外装部58cに5つの電池本体20を収容したとき、5つの電池本体20を、その積層方向両側から挟持するように形成されている。
【0082】
このとき、板状部58aおよび58bは、電池本体20のラミネート外装体の2辺の溶着部から、距離dだけ離れるように形成されている。
【0083】
そして、距離dは式(1)を満たすように調整されている。これにより、電池本体20の膨張を抑制しつつ、弱い圧力でラミネート外装体を開裂させることができる。
【0084】
また、本実施形態では、拘束部材58が、5つの電池本体20を収容する外装ケースを兼ねる。これにより、部品点数を削減できる。
【0085】
[その他の実施形態]
以上、本発明についての実施形態を説明したが、本発明は上述の各実施形態にのみ限定されず、発明の範囲内で種々の変更が可能である。また、上述した各実施形態は、適宜組み合わせて実施が可能である。
【0086】
例えば、第1〜第3の実施形態では、ラミネート型電池1〜3を単体のラミネート型電池として説明した。しかし、これらの電池を積層させて、組電池として使用しても良い。
【0087】
また、第2〜第5の実施形態では、ラミネート型電池として、4つの周辺に溶着部を有する電池本体20について説明した。しかし、3つの周辺に溶着部を有する電池本体10についても、同様の応用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、ラミネート型電池およびラミネート型電池からなる組電池として産業上の利用が可能である。
【符号の説明】
【0089】
1〜3 ラミネート型電池、4,5 組電池 10,20 電池本体 11,21 ラミネート外装体 11a,21a 溶着部 12,22 正極タブ 13,23 負極タブ、18,28,38,48,58 拘束部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラミネート型電池およびラミネート型電池からなる組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータ等の普及により、大容量・高密度な電池が強く望まれている。電動アシスト自転車やハイブリッド型自動車も普及し始め、全て電気で駆動する電気自動車も徐々に見受けられるようになってきた。このような電池には、大容量・高密度であることに加えて、高出力であることが要求される。このような特性を併せ持つ電池として、可撓性のあるフィルム状の外装体を持つラミネート型電池がクローズアップされている。
【0003】
ラミネート型電池では、意図しない過剰な充電がされたり、高温環境下に曝された場合に、電解液が分解して内部ガスが発生する場合がある。内部ガスが発生すると、ラミネート型電池は、外装体の可撓性・柔軟性のために、膨張するおそれがある。膨張が生じると、電池内では、セパレータを挟んで隣合う正極と負極との距離が大きくなり、充放電特性が悪化する。また、膨張の程度によっては、当該電池が格納された装置やケースを変形・破壊してしまうおそれもある。
【0004】
特開2003−203615号公報(特許文献1)には、モジュールの上下カバーを撓ませて発生させた外力を外力伝達柱を介してセル押さえ板に伝達し、この伝達された外力を受けたセル押さえ板で偏平型二次電池を押さえる、偏平二次電池モジュールが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−203615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ラミネート型電池は密封されているため、内部ガスが発生すると、内圧が高まる。過度に内圧が高まると危険であるため、一定の圧力で外装体の一部に開裂が生じ、内圧が解放されることが好ましい。より安全な電池とするためには、できるだけ低い圧力で、外装体の一部に開裂が生じることが好ましい。
【0007】
図1Aおよび図1Bは、ラミネート型電池の開裂に関し、本発明者らが行った実験を示す模式図である。
【0008】
図1Aに示すように、ラミネート型電池9は、平面視矩形のラミネート外装体91と、ラミネート外装体91の一辺から引き出された正極タブ92および負極タブ93とを備えている。ラミネート外装体91は、内部に発電要素である電極積層体と、電解液とを収容している。
【0009】
ラミネート外装体91は、その周辺のうちの3辺に溶着部91aを有している。ラミネート外装体91は、1枚のフィルム状の外装材を折り曲げて重ね合わせて形成されている。ラミネート外装体91は、溶着部91aにおいて内部に形成された樹脂層を溶着させることで、密封されている。
【0010】
図1Bは、ラミネート型電池9を、図1A中の矢印D1の方向から見た図である。図1Bに示すように、ラミネート型電池9は、その厚さ方向の両側から、一組の板98により挟持されている。板98は、ラミネート型電池9の主面よりも大きな面積を持つ。一組の板98はクランプ99により、その間隔が広がらないように固定されている。板98は十分に硬く、この実験において撓み等の変形は無視できるものとする。
【0011】
この条件のもと、ラミネート型電池9の内部に圧力を印加した。その結果、ラミネート型電池9は、内圧が12atm〜17atmになった時点で開裂した。
【0012】
一方、同じ条件で作製した別のラミネート型電池9を、一組の板98で挟持せずに、ラミネート型電池9の内部に圧力を印加した。この場合、ラミネート型電池9は、3atm〜5atmになった時点で開裂した。
【0013】
図1Bに示すように、ラミネート型電池9では、電極積層体等が収容された中央部が、溶着部91aよりも厚い。そのため、溶着部91aは、板98に直接挟まれていない。それにもかかわらず、ラミネート型電池9を板98で挟持した場合の方が、開裂させるのに高い圧力を必要とした。
【0014】
これは、次のように説明できる。図2に示すように、溶着部90aで溶着された2枚のラミネート片90を引き剥がす際、この2枚のラミネート片90のなす角φが小さい場合(図2(a))に比べ、なす角φが大きい場合(図2(b))の方が、弱い力で引き剥がすことができる。
【0015】
すなわち、ラミネート型電池9を板98で挟持した場合、2枚のラミネート片のなす角φが開くのが抑制される。その結果、開裂させるのに大きな圧力が必要となる。
【0016】
したがって、特許文献1に記載の偏平二次電池モジュールのように、セル押さえ板で偏平型二次電池を押さえると、外装体を開裂させるのに必要となる圧力が増加するという問題があった。一方、電池を押さえない場合は、低い圧力で開裂するが、電池の膨張を抑制できない。
【0017】
本発明の目的は、膨張を抑制しつつ、低い内圧で外装体が開裂する、ラミネート型電池およびラミネート型電池からなる組電池の構成を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
ここに開示するラミネート型電池は、ラミネート外装体と、拘束部材とを備える。ラミネート外装体は、平面視略矩形で、その周辺の3辺または4辺に溶着部を有する。拘束部材は、板状部を有する。板状部は、ラミネート外装体の厚さ方向の両側から、ラミネート外装体を挟持する。溶着部の一つは、板状部の端辺から距離dだけ突出しており、距離dは、板状部のそれぞれの厚さをT、間隔をtとして下記の式を満たす。
【数1】
【0019】
また、ここに開示する組電池は、複数のラミネート型電池と、拘束部材とを備える。ラミネート型電池は、平面視略矩形で、その周辺の3辺または4辺に溶着部を有するラミネート外装体を備え、ラミネート外装体の厚さ方向に積層されている。拘束部材は、板状部を有する。板状部は、複数のラミネート型電池の積層方向の両側から、複数のラミネート型電池を挟持する。複数のラミネート型電池の、溶着部の一つは、板状部の端辺から距離dだけ突出しており、距離dは、板状部のそれぞれの厚さをT、ラミネート型電池の厚さをtとして下記の式を満たす。
【数2】
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、膨張を抑制しつつ、低い内圧で外装体が開裂する、ラミネート型電池およびラミネート型電池からなる組電池の構成が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】図1Aは、ラミネート型電池の開裂に関し、本発明者らが行った実験を模式的に示す分解斜視図である。
【図1B】図1Bは、図1Aのラミネート型電池を、図1A中の矢印D1の方向から見た図である。
【図2】図2は、溶着された2枚のラミネート片を引き剥がす際の応力について説明するための図である。
【図3A】図3Aは、一組の板に挟持されたラミネート型電池の模式図である。
【図3B】図3Bは、図3Aをモデル化した図である。
【図4】図4は、挟持する板の幅を変えた場合の、ラミネート型電池の定性的な振る舞いを説明するための図である。
【図5】図5は、溶着部を板の端辺から突出させる距離dと、膨張の大きさ等との関係を計算するための図である。
【図6A】図6Aは、距離dと、膨張の大きさ等との関係を計算するための図である。
【図6B】図6Bは、距離dと、膨張の大きさ等との関係を計算するための図である。
【図7A】図7Aは、距離dと、図5中の湾曲部の半径rおよび円弧DEの長さrθとの関係を示すグラフである。
【図7B】図7Bは、距離dと、図6A中の角度θおよび図6B中の角度2Mとの関係を示すグラフである。
【図8】図8は、本発明の第1の実施形態にかかるラミネート型電池の(a)正面図、および(b)左側面図である。
【図9】図9は、本発明の第2の実施形態にかかるラミネート型電池の(a)正面図、および(b)左側面図である。
【図10】図10は、本発明の第3の実施形態にかかるラミネート型電池の概略構成を示す分解斜視図である。
【図11】図11は、本発明の第4の実施形態にかかる組電池の概略構成を示す斜視図である。
【図12】図12は、本発明の第5の実施形態にかかる組電池の概略構成を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0023】
本発明者らは、本発明の課題を解決するために、以下の考察を行った。
【0024】
図3Aは、ラミネート型電池9を、図1A中の矢印D1の方向から見た図である。ラミネート型電池9は、一組の板98により挟持されている。図3Aでは、図1Bで示したようなクランプは図示していないが、一組の板98は任意の手段で固定されており、その間隔は変化しないものとする。
【0025】
ここで、ラミネート型電池9を、図3Bのようにモデル化したラミネート型電池9’に置き換えて、ラミネート型電池9’の振る舞いを考える。ラミネート型電池9’は、ラミネート外装体91’を備える。ラミネート型電池9と同様に、ラミネート型電池9’のラミネート外装体91’も平面視矩形であって、その周辺のうちの3辺に、溶着部91a’を有している。
【0026】
考察にあたり、次の(1)〜(6)の仮定および近似を用いる。(1)図3Bに示すように、ラミネート型電池9’内部の収容物(電極積層体、電解液等)は、その厚さ方向(図3Bの上下方向)において、溶着部91a’を中心に対称に膨らんで収容されている。(2)溶着部91a’付近のラミネート外装体91’が湾曲している箇所では、その湾曲を半円形とする。(3)この半円上の点から引いた2本の接線のなす角度を、溶着された2枚のラミネート同士を引き剥がす際の角度とする。(4)ラミネートはその面内方向で伸び縮みしないものとする。(5)ラミネートの厚さは無視する。(6)板98は剛性が高く、全く変形しないものとする。
【0027】
まず、図4を用いて、板98の面積をラミネート型電池9’の幅方向(図4の左右方向)に狭めていった場合の、定性的な振る舞いを考察する。
【0028】
図4(a)では、ラミネート型電池9’は、一組の板98Aで挟持されている。板98Aは、ラミネート型電池9’を完全に覆っている。ラミネート型電池9’の内圧が上昇しても、板98Aで両側から挟持されているため、ラミネート外装体91’は膨張しない。
【0029】
図4(b)では、ラミネート型電池9’は、一組の板98Bで挟持されている。板98Bの幅は、ラミネート外装体91’の、溶着部91a’を除いた幅よりも小さく形成されている。そのため、ラミネート外装体91’は、板98Bで覆われていない部分において膨張することができる。ラミネート型電池9’の内圧が上昇すると、図4(b)に破線で示すラミネート外装体91’は、ラミネート外装体911’のように変形する。ラミネート外装体911’は膨張した分だけ内側に引っ張られるので、ラミネート型電池9’の幅は小さくなる。
【0030】
図4(c)では、ラミネート型電池9’は、一組の板98Cで挟持されている。板98Cの幅は、板98Bの幅よりもさらに小さい。ラミネート型電池9’の内圧が上昇すると、図4(c)に破線で示すラミネート外装体91’は、ラミネート外装体912’のように変形する。ラミネート外装体912’の膨張(図4(c)の上下方向の変形量)は、図4(b)の場合よりも大きい。また、ラミネート型電池9’の幅は、図4(b)の場合よりもさらに小さくなる。
【0031】
次に、図5を用いて、これらの変化量を式で表すことを考える。図5では、簡単のために、ラミネート型電池9’の片側半分のみを図示している。もう片方については、対称に振る舞うものとして取り扱う。
【0032】
図5(a)では、ラミネート型電池9’は、一組の板98Dに挟持されている。板98Dの端辺は、溶着部91a’の始点から、距離dだけ内側にある。換言すれば、溶着部91a’は、板98Dの端辺から距離dだけ突出している。
【0033】
板98Dの間隔tは、ラミネート型電池9’の厚さと等しくなるように調整され、固定されている。このとき、溶着部91a’付近の湾曲部は、直径tの半円に近似することができる。
【0034】
ここで、図5(a)中の線分ABCの長さR1は、
R1=πt/4+L−t/2 (3)
となる。ここで、Lは、ラミネート型電池9’の中心から、溶着部91a’までの長さである。なお、点Aはラミネート型電池9’の幅方向の中心線上の点である。
【0035】
次に、図5(b)に示すように、ラミネート型電池9’の内圧が上昇し、ラミネート外装体91’が、ラミネート外装体913’のように変形した場合を考える。
【0036】
図5(b)中の線分ADEFの長さR2を求める。図5(b)に示すように、ラミネート外装体913’の、溶着部91a’付近の湾曲部を、直径2rの円の一部で近似する。さらに、図6Aに示すように、∠DOE=θ[rad]とおくと、円弧DEの長さはrθとなる。よって、
R2=πr/2+rθ+L−d (4)
となる。なお、図6Aより、θ=cos−1(t/2r)である。
【0037】
ラミネートはその面内方向で伸び縮みしないと仮定したので、R1=R2である。よって、式(3)および式(4)より、
d=(π/2+θ)r+(1/2−π/4)t (5)
となり、dはrの関数であることがわかる。
【0038】
次に、図6Bを用いて、ラミネート外装体913’の湾曲部上の点から引いた2本の接線のなす角を求める。まず、この湾曲部上で、点Fから原点よりに距離eだけ進んだ点H,Iにおける接線を求める。点H,Iの座標は、円の式x2+y2=r2より、Hx=e−r,Hy={r2−(e−r)2}1/2,Ix=e−r,Iy=−{r2−(e−r)2}1/2となる。ここでHxは点Hのx座標、Hyは点Hのy座標、Ixは点Iのx座標、Iyは点Iのy座標である。
【0039】
点(a,b)における接線の式はax+by=r2であるから、点H,Iにおける接線は、
(e−r)x±{r2−(e−r)2}1/2y=r2 (6)
となる。
【0040】
この両接線がx軸となす角Mは、
M=tan−1(OJ/OG)=tan−1(OK/OG) (7)
となる。OJ,OKは両接線のy切片から、OGは両接線のx切片から求まる。式(6)より、OJ=OK=r2/{r2−(e−r)2}1/2,OG=r2/(r−e)である。したがって、
【数3】
となる。
【0041】
溶着部91a’を除いたラミネート外装体91’の半幅Lを100mm、板98Dの間隔tを10mm、接線を求める際の点Fからのシフト量eを1mmとして、膨張の大きさ等を計算した。図7Aは、距離dと、湾曲部の半径rおよび円弧DEの長さrθとの関係を示すグラフである。図7Bは、距離dと、図6A中の角度θおよび図6B中の角度2Mとの関係を示すグラフである。
【0042】
dはLよりも大きくなることはないので、dは0mm〜100mmの値をとる。また、rは変形する前のラミネート外装体91’の厚さの半値以下にはならない。したがってrの最小値はt/2、すなわち5mmである。
【0043】
図7Aに示すように、距離dが大きくなるほど、rが大きくなる。すなわち、ラミネート外装体913’の膨張が大きくなる。
【0044】
図7Bに示すように、突出距離dが大きくなるほど、角度2Mが大きくなる。角度2Mは、溶着された2枚のラミネート片同士がなす角の近似値である。既述のように、この角度が大きいほど、溶着部91a’を弱い力で引き剥がすことができる。したがって、距離dが大きいほど、低い内圧でラミネート型電池9’を開裂させることができる。
【0045】
以上の考察から、本発明者らは、好ましいdの範囲を次のように求めた。
【0046】
上述のように、距離dが大きいほど、ラミネート型電池9’の膨張量が大きくなり、ラミネート型電池9’を弱い圧力で開裂させることができる。反対に、dがt/2よりも小さい場合、ラミネート型電池9’は全く変形することができない。したがって、距離dの好ましい下限値はt/2である。
t/2≦d (9)
【0047】
一方、膨張が大きくなりすぎると、正負の電極間の距離が大きくなって充放電特性が悪化したり、当該電池が格納されたケースを破損する等の問題が生じる。そこで、膨張したラミネート外装体913’の厚さ2rが、ラミネート型電池9’と板98Dとを合わせた全体の厚さt+2Tを超えないことが好ましい。すなわち、
2r≦t+2T (10)
式(10)および式(5)から、距離dについて整理すると、距離dの好ましい上限値に関する式、
【数4】
が得られる。
【0048】
式(9)および式(11)から、式(1)が得られる。
【0049】
[第1の実施形態]
図8は、本発明の第1の実施形態にかかるラミネート型電池1の(a)平面図、および(b)左側面図である。ラミネート型電池1は、電池本体10と、拘束部材18とを備えている。
【0050】
電池本体10は、平面視略矩形のラミネート外装体11と、ラミネート外装体11の一辺から引き出された正極タブ12および負極タブ13とを備えている。ラミネート外装体11は、内部に発電要素である電極積層体と、電解液とを収容している。
【0051】
ラミネート外装体11は、その周辺のうちの3辺に溶着部11aを有している。ラミネート外装体11は、1枚のフィルム状の外装材を折り曲げて重ね合わせて形成されている。ラミネート外装体11は、溶着部11aにおいて内部に形成された樹脂層を溶着させることで、密封されている。
【0052】
拘束部材18は、一組の板状部18a,18bを、連結部18cにより連結し、断面コの字型に形成したものである。拘束部材18は、板状部18a,18bおよび連結部18cがそれぞれ別個の部品として組み上げられたものであっても良いし、一体的に成型されたものであっても良い。
【0053】
拘束部材18は、剛性の高い材料で形成されていることが好ましい。また、拘束部材18は、電池本体10の放熱を良くする観点から、熱伝導率の高い材料で形成されていることが好ましい。拘束部材18の材料は、例えば金属である。
【0054】
板状部18aと18bとの間隔tは、電池本体10の厚さと等しい。板状部18a、18bの厚さはそれぞれTである。したがって、ラミネート型電池1全体の厚さはt+2Tである。
【0055】
板状部18aおよび18bは、ラミネート外装体11の表裏の主面の一部を覆っている。図8(a)に示すように、板状部18aと、3辺の溶着部11aとはそれぞれ距離dだけ隔てられている。同様に、裏面においても、板状部18bと、3辺の溶着部11aとはそれぞれ距離dだけ隔てられている。換言すれば、ラミネート外装体11の溶着部11aは、板状部18a,18bの端辺から距離dだけ突出している。
【0056】
そして、距離dは式(1)を満たすように調整されている。これにより、電池本体10の膨張を抑制しつつ、弱い圧力でラミネート外装体11を開裂させることができる。
【0057】
本実施形態では、3つの辺からそれぞれ距離dだけ離れるように板状部18a,18bを形成した。しかしながら、溶着部11aの少なくとも一辺が、板状部18a,18bの端辺から距離dだけ突出していれば良い。電池本体10の内圧が上昇した場合、その突出した溶着部11aにおいて開裂が生じるからである。
【0058】
また、複数の溶着部11aを突出させる場合、これらを等距離にする必要はない。距離dは式(1)を満たす限り任意の値で良い。
【0059】
[第2の実施形態]
図9は、本発明の第2の実施形態にかかるラミネート型電池2の(a)平面図、および(b)左側面図である。ラミネート型電池2は、電池本体20と、拘束部材28とを備えている。
【0060】
電池本体20は、平面視略矩形のラミネート外装体21と、ラミネート外装体21の一辺から引き出された正極タブ22および負極タブ23とを備えている。ラミネート外装体21は、内部に発電要素である電極積層体と、電解液とを収容している。
【0061】
ラミネート外装体21は、その周辺の4辺に溶着部21aを有している。ラミネート外装体21は、2枚のフィルム状の外装材を、重ね合わせて形成されている。ラミネート外装体21は、溶着部21aにおいて内部に形成された樹脂層を溶着させることで、密封されている。
【0062】
拘束部材28は、一組の板状部28a,28bを、左右の側面に設けられた連結部28cにより連結し、環状に形成したものである。拘束部材28は、板状部28a,28bおよび連結部28cがそれぞれ別個の部品として組み上げられたものであっても良いし、一体的に成型されたものであっても良い。拘束部材28の材料は、例えば金属である。
【0063】
板状部28aと28bとの間隔tは、電池本体20の厚さと等しい。板状部28a、28bの厚さはそれぞれTである。したがって、ラミネート型電池2全体の厚さはt+2Tである。
【0064】
図9に示すように、拘束部材28は、ラミネート外装体21の表裏の主面と、平面視左右の側面とを通って環状に形成されている。板状部28aおよび28bは、平面視上下の2辺の溶着部21aから、それぞれ距離dだけ離れて形成されている。換言すれば、平面視上下の2辺の溶着部21aは、板状部28a,28bの端辺から距離dだけ突出している。
【0065】
そして、距離dは式(1)を満たすように調整されている。これにより、電池本体20の膨張を抑制しつつ、弱い圧力でラミネート外装体21を開裂させることができる。
【0066】
[第3の実施形態]
図10は、本発明の第3の実施形態にかかるラミネート型電池3の概略構成を示す分解斜視図である。ラミネート型電池3は、電池本体20と、拘束部材38とを備える。電池本体20は、第2の実施形態で説明した電池本体20と同じものであり、厚さはtである。
【0067】
拘束部材38は、一組の板状部38a,38bと、外装部38cとを備えている。図10では、説明のために板状部38bに模様を付して示している。板状部38bと外装部38cとは、別個の部品として組み上げて良いし、一体的に形成されたものでも良い。板状部38aと外装部38cとについても同様である。板状部38aおよび38bの厚さはそれぞれTである。拘束部材38の材料は、例えば金属である。
【0068】
外装部38cは、電池本体20を内部に収容できるように箱型に形成されている。板状部38a,38bは、外装部38cに電池本体20を収容したとき、電池本体20を厚さ方向両側から挟持するように形成されている。
【0069】
このとき、板状部38aおよび38bは、電池本体20のラミネート外装体21の2辺の溶着部21aから、距離dだけ離れるように形成されている。
【0070】
そして、距離dは式(1)を満たすように調整されている。これにより、電池本体20の膨張を抑制しつつ、弱い圧力でラミネート外装体21を開裂させることができる。
【0071】
また、本実施形態では、拘束部材38が、電池本体20を収容する外装ケースを兼ねる。これにより、部品点数を削減できる。
【0072】
[第4の実施形態]
図11は、本発明の第4の実施形態にかかる組電池4の概略構成を示す斜視図である。組電池4は、5つの電池本体20と、拘束部材48とを備える。電池本体20は、第2の実施形態で説明した電池本体20と同じものである。5つの電池本体20が、その厚さ方向に積層している。電池本体20の一枚あたりの厚さはtである。
【0073】
拘束部材48は、一組の板状部48a,48bを、左右の側面に設けられた連結部48cにより連結し、環状に形成したものである。拘束部材48は、板状部48a,48bおよび連結部48cがそれぞれ別個の部品として組み上げられたものであっても良いし、一体的に成型されたものであっても良い。拘束部材48の材料は、例えば金属である。
【0074】
板状部48aと48bとの間隔は、5つ電池本体20が積み重なった厚さ5×tに等しい。拘束部材48は、5つの電池本体20を束ねる、結束部材としての役割を兼ねている。板状部48a,48bの厚さはそれぞれTである。
【0075】
図11に示すように、電池本体20の2辺の溶着部は、拘束部材48の端辺から距離dだけ突出している。
【0076】
そして、距離dは式(1)を満たすように調整されている。これにより、電池本体20の膨張を抑制しつつ、弱い圧力でラミネート外装体を開裂させることができる。
【0077】
また、本実施形態では、拘束部材48が、5つの電池本体20を束ねる、結束部材としての役割を兼ねている。これにより、部品点数を削減できる。
【0078】
本実施形態では5つの電池本体20を積層させたが、積層させる数は任意である。
【0079】
[第5の実施形態]
図12は、本発明の第5の実施形態にかかる組電池5の概略構成を示す分解斜視図である。組電池5は、5つの電池本体20と、拘束部材58とを備える。電池本体20は、第2の実施形態で説明した電池本体20と同じものである。5つの電池本体20が、その厚さ方向に積層している。電池本体20の一枚あたりの厚さはtである。
【0080】
拘束部材58は、一組の板状部58a,58bと、外装部58cとを備えている。図12では、説明のために板状部58bに模様を付して示している。板状部58bと外装部58cとは、別個の部品として組み上げて良いし、一体的に形成されたものでも良い。板状部58aと外装部58cとについても同様である。板状部58aおよび58bの厚さはそれぞれTである。拘束部材58の材料は、例えば金属である。
【0081】
外装部58cは、5つの電池本体20を内部に収容できるように箱型に形成されている。板状部58a,58bは、外装部58cに5つの電池本体20を収容したとき、5つの電池本体20を、その積層方向両側から挟持するように形成されている。
【0082】
このとき、板状部58aおよび58bは、電池本体20のラミネート外装体の2辺の溶着部から、距離dだけ離れるように形成されている。
【0083】
そして、距離dは式(1)を満たすように調整されている。これにより、電池本体20の膨張を抑制しつつ、弱い圧力でラミネート外装体を開裂させることができる。
【0084】
また、本実施形態では、拘束部材58が、5つの電池本体20を収容する外装ケースを兼ねる。これにより、部品点数を削減できる。
【0085】
[その他の実施形態]
以上、本発明についての実施形態を説明したが、本発明は上述の各実施形態にのみ限定されず、発明の範囲内で種々の変更が可能である。また、上述した各実施形態は、適宜組み合わせて実施が可能である。
【0086】
例えば、第1〜第3の実施形態では、ラミネート型電池1〜3を単体のラミネート型電池として説明した。しかし、これらの電池を積層させて、組電池として使用しても良い。
【0087】
また、第2〜第5の実施形態では、ラミネート型電池として、4つの周辺に溶着部を有する電池本体20について説明した。しかし、3つの周辺に溶着部を有する電池本体10についても、同様の応用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、ラミネート型電池およびラミネート型電池からなる組電池として産業上の利用が可能である。
【符号の説明】
【0089】
1〜3 ラミネート型電池、4,5 組電池 10,20 電池本体 11,21 ラミネート外装体 11a,21a 溶着部 12,22 正極タブ 13,23 負極タブ、18,28,38,48,58 拘束部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視略矩形で、その周辺の3辺または4辺に溶着部を有するラミネート外装体と、
前記ラミネート外装体の厚さ方向の両側から、前記ラミネート外装体を挟持する、一組の板状部を有する拘束部材とを備え、
前記溶着部の一つは、前記板状部の端辺から距離dだけ突出しており、
前記距離dは、前記板状部のそれぞれの厚さをT、間隔をtとして下記の式を満たす、ラミネート型電池。
【請求項2】
請求項1に記載のラミネート型電池であって、
前記拘束部材が、外装ケースを兼ねる、ラミネート型電池。
【請求項3】
請求項1に記載のラミネート型電池が、前記ラミネート外装体の厚さ方向に積層された、組電池。
【請求項4】
平面視略矩形で、その周辺の3辺または4辺に溶着部を有するラミネート外装体を備え、前記ラミネート外装体の厚さ方向に積層された複数のラミネート型電池と、
前記複数のラミネート型電池の積層方向の両側から、前記複数のラミネート型電池を挟持する、一組の板状部を有する拘束部材とを備え、
前記複数のラミネート型電池の、溶着部の一つは、前記板状部の端辺から距離dだけ突出しており、
前記距離dは、前記板状部のそれぞれの厚さをT、前記ラミネート型電池の厚さをtとして下記の式を満たす、組電池。
【請求項5】
前記拘束部材が、外装ケースを兼ねる、請求項4に記載の組電池。
【請求項1】
平面視略矩形で、その周辺の3辺または4辺に溶着部を有するラミネート外装体と、
前記ラミネート外装体の厚さ方向の両側から、前記ラミネート外装体を挟持する、一組の板状部を有する拘束部材とを備え、
前記溶着部の一つは、前記板状部の端辺から距離dだけ突出しており、
前記距離dは、前記板状部のそれぞれの厚さをT、間隔をtとして下記の式を満たす、ラミネート型電池。
【請求項2】
請求項1に記載のラミネート型電池であって、
前記拘束部材が、外装ケースを兼ねる、ラミネート型電池。
【請求項3】
請求項1に記載のラミネート型電池が、前記ラミネート外装体の厚さ方向に積層された、組電池。
【請求項4】
平面視略矩形で、その周辺の3辺または4辺に溶着部を有するラミネート外装体を備え、前記ラミネート外装体の厚さ方向に積層された複数のラミネート型電池と、
前記複数のラミネート型電池の積層方向の両側から、前記複数のラミネート型電池を挟持する、一組の板状部を有する拘束部材とを備え、
前記複数のラミネート型電池の、溶着部の一つは、前記板状部の端辺から距離dだけ突出しており、
前記距離dは、前記板状部のそれぞれの厚さをT、前記ラミネート型電池の厚さをtとして下記の式を満たす、組電池。
【請求項5】
前記拘束部材が、外装ケースを兼ねる、請求項4に記載の組電池。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−65526(P2013−65526A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204826(P2011−204826)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(511084555)日立マクセルエナジー株式会社 (212)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(511084555)日立マクセルエナジー株式会社 (212)
【Fターム(参考)】
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