説明

ラミネート接着剤、それを含むラミネート、及びラミネートの製造方法

a)(メタ)アクリレート官能性、ポリイソシアネートプレポリマー、及びポリイソシアネート単量体、少なくとも10重量%の官能基を含む第1部、及びポリオールを含む第2部、第1部及び第2部の少なくとも1は光開始剤を含むものを一緒にすることを包含する接着剤組成物を調製し、b)第1柔軟性基質を該接着剤組成物で被覆し、c)該接着剤組成物を照射線に露出して該接着剤組成物を部分的に硬化させ、及び該接着剤組成物を第2柔軟性基質と接触させることを包含するラミネートの製造方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
背景
本発明は、二重硬化ラミネート接着剤及びそれを含むラミネートに関する。
【0002】
柔軟性包装材料は食品包装を含む各種の領域で広く用いられている。柔軟性(flexible)包装は、ラミネート接着剤の層が第1フィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド又はセロファンフィルム)及び第2フィルムの間にラミネート接着剤層を配置したフィルムラミネートから作られることが多い。ラミネートは、所望のフィルム特性が単一の層又はタイプのフィルムでは達成できないので、食品包装に用いられることが多い。ラミネートの形態で異なる特性を有するフィルムを組合せることによって、所望の特性又は特性の組合せが達成できる。
【0003】
ラミネートは、典型的には、ラミネートのモジュラスの変化から生じる脱ラミネート化(delaminating)応力だけではなく熱、冷却及び湿潤への暴露を含むラミネートの使用時に課される付加荷重に対しても抵抗性である強い硬化結合を有するように構成される。食品ラミネートに用いられる基質は、強力な結合を形成することが困難である、金属化表面を含むこと及び/又は低表面張力を有することが多い。
【0004】
ラミネートの製造に用いるために、溶媒ベース、水ベース、2成分無溶媒接着剤、及び照射線(radiation)硬化性接着剤を含む各種の接着剤が開発されてきた。メチルエチルケトン、酢酸エチル、及びアルコールのような若干のラミネート接着剤に用いられる有機溶媒は、可燃性であり易く環境問題を生じ得る。従って、無溶媒ラミネート接着剤を用いるのが好ましい。ポリウレタンの水性分散液及び他の成分を含むことが多い水ベースのラミネート接着剤は、水を除くために熱の費用を必要とする。
【0005】
従来の2成分ラミネート接着剤は、処理及び更なる処理が可能になる十分な強度を示すまでに長い期間貯蔵が必要なことが多いので、ラミネート接着剤の硬化速度を低下するために各種の努力がなされてきた。最近の努力が集中する領域には、電子ビーム及び紫外線(UV)硬化性接着剤組成物が含まれる。照射硬化は硬化速度を増大できるが、そのような技術を用いる方法は適当な特性の接着剤及び/又はラミネートを常には製造しない。電子ビーム照射は、例えば、一定のフィルムの熱シール特性を望ましくなく劣化する。
【0006】
概要
一面では、本発明は、ラミネートを製造する方法を特徴とする。この方法は、(a)接着剤組成物を製造し、この製造は、(メタ)アクリレート官能性、ポリイソシアネートプレポリマー、及びポリイソシアネート単量体を含む第1部、第1部は少なくとも10重量%のイソシアネート官能性基を含み、ポリオールを含む第2部、及び場合により第3部、第1部、第2部及び任意の第3部の少なくとも一は光開始剤を含むものを一緒にすることを含み、(b)第1屈曲基質を接着剤組成物で被覆し、(c)接着剤組成物を照射線に露出して接着剤組成物を部分的に硬化し、及び(d)接着剤組成物を第2柔軟性基質と接触させることを包含する。
【0007】
1の態様では、第1部は、少なくとも15重量%のポリイソシアネート単量体を含む。他の態様では、第1部は少なくとも30重量%のポリイソシアネート単量体を含む。他の態様では、露出は、接着剤組成物を第2柔軟性基質と接触させる前に起こる。若干の態様では、露出は、接着剤組成物と第2柔軟性基質との接触後に起こる。
【0008】
他の態様では、接着剤組成物は、65°F〜170°Fの温度において250センチポイズ〜500センチポイズの粘度を示す。
【0009】
若干の態様では、被覆は、0.5ポンド/300スクエアフィート〜4ポンド/3000スクエアフィートの被覆重量で被覆組成物を被覆することを含む。
【0010】
他の態様では、接着剤組成物は、照射後に少なくとも25g/inのラップシア(lap shear)強度を示す。1の態様では、接着剤組成物は照射に露出後に少なくとも100g/inのラップシア強度を示す。
【0011】
他の態様では、接着剤組成物は5重量%〜70重量%の(メタ)アクリレート官能性、ポリイソシアネートプレポリマー、少なくとも7重量%ポリイソシアネート単量体、30重量%〜95重量%のポリオール及び0.2重量%〜10重量%の光開始剤を含む。他の態様では、接着剤組成物の第1部は40重量%〜90重量%の(メタ)アクリレート官能性、ポリイソシアネートプレポリマー、及び10重量%〜60重量%のポリイソシアネート単量体を含む。若干の態様では、接着剤組成物の第1部は10重量%〜約20重量%のイソシアネート官能性基を含む。他の態様では、第1部は約0.5重量%〜約20重量%の照射重合性基を含む。他の態様では、第1部は約1重量%〜約10重量%の照射重合性基を含む。
【0012】
他の態様では、第1部及び第2部はイソシアネート(NCO)対水酸基(OH)の化学量論比(NCO:OH)が約1:1〜約2:1であるような量で一緒にする。
【0013】
若干の態様では、(メタ)アクリレートポリイソシアネートプレポリマーは、a)イソシアネートポリウレタンプレポリマー、i)ポリオール及びii)イソシアネートの反応性生物を含み、及びb)ヒドロキシ官能性(メタ)アクリレートの反応組成物を含む。1の態様では、ヒドロキシ官能性アクリレートはポリオキシアルキル(メタ)アクリレートを含む。他の態様では、ヒドロキシ官能性アクリレートはヒドロキシエチルアクリレートを含む。
【0014】
他の態様では、ポリオールは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、又はそれらの混合物を含む。一の態様では、ポリオールは少なくとも2の官能性を有する。他の態様では、ポリオールは3より大きくない官能性を有する。
【0015】
若干の態様では、接着剤組成物は20重量%〜95重量%のポリオールを含む。他の態様では、接着剤組成物は30重量%〜70重量%のポリオールを含む。
【0016】
他の態様では、接着剤組成物は30重量%〜70重量%の(メタ)アクリレート官能性、ポリイソシアネートプレポリマーを含む。若干の態様では、接着剤組成物は、20重量%〜60重量%の(メタ)アクリレート官能性、ポリイソシアネートプレポリマーを含む。
【0017】
一の態様では、光開始剤はジアルコキシアセトフェノン、ヒドロキシアルキルフェニルケトン、ベンゾインエーテル、ベンゾインアセタール、アシルフォスフィンオキサイド、及びそれらの組合せからなる群から選ばれる。他の態様では、光開始剤はヒドロキシ官能性光開始剤を含む。
【0018】
一の態様では、第1及び第2柔軟性基質の少なくとも一は重合体フィルムである。若干の態様では、第1及び第2柔軟性基質の少なくとも一は金属箔である。
【0019】
他の態様では、第1柔軟性基質及び第2柔軟性基質の少なくとも一は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、金属化ポリプロピレン、金属化ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、及び金属箔を含む。
【0020】
一の態様では、ラミネートを製造する方法は、(a)(メタ)アクリレート官能性、ポリイソシアネートプレポリマー、少なくとも7重量%のポリイソシアネート単量体、ポリオール、及び光開始剤を含む接着剤組成物で第1柔軟性基質を被覆し、(b)該接着剤組成物を照射線に曝して接着剤組成物を部分的に硬化させ、及び(c)該接着剤組成物を第2柔軟性基質と接触させることを包含する。
【0021】
他の態様では、ラミネートを作る方法は、(a)接着剤組成物を製造することを包含し、該製造は、(メタ)アクリレート官能性、ポリイソシアネートプレポリマー、及び少なくとも15重量%のポリイソシアネート単量体を含む第1部、及びポリオールを含む第2部、第1部及び第2部の少なくとも1は光開始剤を含むものを一緒にすることを包含し、(b)第1柔軟性基質を該接着剤組成物で被覆し、(c)該組成物を照射線に曝して該組成物を部分的に硬化し、及び(d)該接着剤組成物を第2柔軟性基質で被覆することを包含する。
【0022】
他の態様では、ラミネートを製造する方法は、(a)接着剤組成物を調製し、該調製は(メタ)アクリレート官能性、ポリイソシアネートプレポリマー、ポリイソシアネート単量体、該プレポリマー及び該単量体の組合せはプレポリマー及びポリイソシアネート単量体を組合せた重量の少なくとも10重量%を含み、ポリオール、及び光開始剤を含み、(b)第1柔軟性基質を該接着剤組成物で被覆し、(c)該接着剤組成物を照射線に曝して該接着剤組成物を部分的に硬化させ、及び(d)該接着剤組成物を第2柔軟性基質と接触させることを包含する。
【0023】
他の観点では、本発明は、(メタ)アクリレート官能性ポリイソシアネートプレポリマー、ポリイソシアネート単量体、プレポリマーと単量体との組合せは該プレポリマー及び該ポリイソシアネート単量体の組合せ重量に基づいて少なくとも10重量%を含み、ポリオール、及び光開始剤を包含する接着剤組成物、第1柔軟性基質、及び第2柔軟性基質、第1柔軟性基質は柔軟性基質に接着剤組成物を介して結合しているものを含むラミネートを特徴とする。
【0024】
一の態様では、ラミネートは、(メタ)アクリレート官能性、ポリイソシアネートプレポリマー、ポリイソシアネート単量体、ポリオール、及び光開始剤の反応生成物を含む接着剤組成物、第1柔軟性基質、及び第2柔軟性基質を含み、第1柔軟性基質は接着剤組成物を介して第2柔軟性基質に結合し、接着剤組成物は第1及び第2基質の少なくとも一方が破壊的剥がれを示す。
【0025】
他の観点では、本発明は、a)食料品、及びb)食料品を少なくとも部分的に包囲した、ここに記載したラミネートを包含する包装品を特徴とする。
【0026】
本発明の特徴は、ラミネートの接着剤が完全に硬化する前に取扱い及び処理を許容するに十分なグリーン強度を示すラミネートを製造する方法である。本発明は、ラミネートの接着剤が既存の2成分食品ラミネート接着剤に対してより速い硬化速度を示す食品ラミネートを製造する方法をも特徴とする。結果的に、ラミネートを使用することができる前に必要とされる貯蔵期間は、存在する食品ラミネート接着剤を用いる製造方法に対して減少する。更に、ラミネートは調製された後かなり早期に更なる処理を受けるので、ラミネートに伴う貯蔵要件は、現存する2成分食品ラミネート接着剤に対する要件に対して減少する。接着剤のかなり速い硬化速度も減少し、かつフィルム層のピンホールから漏れる接着剤及びラミネートの1以上のフィルム層に存在するインクの汚れを防ぐことができる。接着剤組成物も被覆温度でラミネートに用いられる各種基質に良好な湿りを提供する粘度を有する。
【0027】
接着剤組成物も、例えば金属化基質及び低表面張力、即ち34ダイン/cm未満の表面張力を示す基質を含む基質に接着することが困難な良好な接着を示す。
【0028】
他の特徴及び利点は次の好ましい態様の説明及び請求の範囲から明らかになろう。
【0029】
用語
本発明の説明において、これらの用語は次の意味を有する。
【0030】
「(メタ)アクリレート」の語は、アクリレート、メタクリレート、及びそれらの混合物を意味する。
【0031】
「二重硬化(dual cure)」の語は、2つの異なる機構、例えば照射線及びイソシアネート官能基と水酸基との間の反応で硬化する組成物を意味する。
【0032】
詳細な説明
ラミネートを製造する方法は、100%固体2部二重硬化組成物を含む接着剤組成物で第1柔軟性フィルム基質を被覆し、被覆組成物を照射線に曝し、かつ第2柔軟性フィルム基質を接着剤組成物と接触させることを包含する。接着剤組成物を照射線に曝すことは、第2柔軟性フィルム基質と接着剤との接触の前、間、又は後、及びそれらの組合せで起こり得る。接着剤組成物は、照射線に直接曝すか、基質が紫外線照射に十分透明である場合には、基質の少なくとも1を介して照射線に曝すことができる。接着剤組成物を照射線に曝すと、組成物に存在する照射線硬化性官能基のフリーラジカル重合を開始し、ラミネートに初期接着特性、例えばグリーン強度を与える。組成物に存在するイソシアネート基及び水酸基が関与するかなり遅い反応も時間をかけて起こり、かつ接着剤組成物の最終成果特性及び製造されたラミネートを提供する。理論に拘束されることは望まないが、本発明者は不飽和の存在、及びフリーラジカル硬化の開始がイソシアネート基及び水酸基の間に起こる硬化速度を促進すると信じる。
【0033】
接着剤組成物は、二重硬化組成物であり、第1部、A部、照射重合性ポリイソシアネートプレポリマー及びポリイソシアネート単量体を含み、及び第2部、B部、ポリオールを含む。接着剤組成物は、光開始剤をも含み、光開始剤はA部、B部又はそれらの組合せにも存在し得る。或いは、光開始剤は、A部及びB部から別個に組成物に提供できる。組成物のA部及びB部は、イソシアネート(NCO)対水酸基(OH)の化学量論的割合(NCO:OH)を約1:1〜約2:1、1.2:1〜1.6:1、又は約1.4:1すら達成するように一緒にするのが好ましい。A部及びB部は、硬化前に、組成物が少なくとも約5重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、約80重量%より多くない、又は約70重量%より多くない照射重合性ポリイソシアネートプレポリマー、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、約50重量%より多くない、約40重量%より多くない、又は30重量%より多くないポリイソシアネート単量体、少なくとも約20重量%、少なくとも約30重量%、90重量%より多くない、又は約70重量%より多くないポリオール、及び0.2重量%〜約10重量%又は0.5重量%〜1重量%の光開始剤を含むような量で一緒にするのが好ましい。
【0034】
組成物のA部及びB部は被覆の前に一緒にする。A部とB部を一緒にする場合は、組成物は65°F〜170°Fの温度で250センチポイズ〜5000センチポイズの粘度を有することが好ましい。二重硬化組成物の2つの部が次いで互いに反応して時間と共に交差結合を形成する。この反応が生じる速度は二重硬化組成物のポットライフ即ち、組成物が被覆でき及び所定の目的に用い得る時間に影響する。二重硬化組成物は少なくとも30分間、又は少なくとも45分間ものポットライフを示すことが好ましい。上記したように、接着剤組成物は時間を超えてA部のプレポリマーのイソシアネート基とB部のポリオールの水酸基との反応を介して硬化し続ける。
【0035】
接着剤組成物は、照射線に曝すと、ラミネートの処理及びその後の処理を許容するに適したグリーン強度を示すことが好ましい。グリーン強度を有用な方法の一はラップシアである。接着剤組成物は紫外線照射後に少なくとも25グラム/平方インチ(g/in)、少なくとも100g/in、少なくとも500g/in、少なくとも約600g/in、又は少なくとも約800g/inさえのラップシア(lap shear)、及び少なくとも20g/in、少なくとも約25g/in、又は少なくとも約30g/inさえのプロブタック(probe tack)を示すことが好ましい。硬化した接着剤組成物は少なくとも25g/線状インチ、又は結合した基質に破壊的結合さえ示すことが好ましい。
【0036】
A部
二重硬化組成物の第1部、A部は、照射重合性ポリイソシアネートプレポリマー(好ましくは(メタ)アクリレート官能性、ポリイソシアネートプレポリマー)及びポリイソシアネート単量体を含む。A部は、少なくとも40重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、90重量%より多くない、又は約80重量%より多くない照射重合性ポリイソシアネートプレポリマー、及び少なくとも約10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、少なくとも40重量%、60重量%より多くない、又は50重量%より多くないポリイソシアネート単量体を含むことが好ましい。
【0037】
照射重合性ポリイソシアネートプレポリマー
照射重合性ポリイソシアネートプレポリマーは、照射硬化性官能基及びイソシアネート官能基を含む。官能基はプレポリマーに下垂、末端又はそれらの組合せで位置する。官能基はプレポリマーの末端に位置する、即ちプレポリマーが官能基で末端キャップさえることが好ましい。照射重合性、ポリイソシアネートプレポリマーは、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、約20重量%より多くない、又は18重量%より多くないイソシアネート官能基を含み、及び照射に曝したときに、次の処理に適したグリーン強度を示す組成物を提供するに十分な量の照射重合性官能基を含むことが好ましい。
【0038】
A部における照射重合性官能基とイソシアネート基との当量の割合は、0.1:1〜約5:1、0.5:1〜約4:1、0.6:1〜約3:1又は約1:1でさえあることが好ましい。照射重合性ポリイソシアネートプレポリマーの平均官能性は少なくとも約1.8、約2、8より大きくない,又は約4よりさえ大きくなく、及び照射重合性ポリイソシアネートプレポリマーの数平均分子量は約200〜約10,000、約400〜約50,000又は約600〜約2,000であることさえ好ましい。
【0039】
照射重合性ポリイソシアネートプレポリマーは、活性水素及び照射重合性官能基を有する化合物とポリイソシアネートプレポリマーとを、好ましくは過剰のイソシアネートの存在下で反応させて調製することが好ましい。好ましくは、活性水素と照射重合性官能基を含む化合物をイソシアネート官能性プレポリマーと、イソシアネート官能性プレポリマーのイソシアネート基の約10%〜約80%、約20%〜約70%、又は約30%〜約60%を活性水素及び照射重合性官能基を含む化合物で置換える。
【0040】
「活性水素」の語は水酸基、アミン及びメルカプト官能基の活性水素をいう。
【0041】
照射重合性官能基の例は、アクリレート、メタクリレート、アルケニル基(例えばビニル、アリル、及びヘキセニル)、ビニルエーテル、ビニルエステル、ビニルアミド、マレートエステル、フマレートエステル、及びスチレン官能基及びそれらの組合せを含む。
【0042】
活性水素及び照射重合性官能基を含む適当な化合物の例に含まれるものには、例えば、ヒドロキシアルキルアクリレート及びメタクリレート(例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)及び2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、1,3-ジヒドロキシプロピルアクリレート及び2,3-ジヒドロキシプロピルアクリレート及びメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリルアミド及びメタクリルアミド、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェニロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロキシフォスフェート、4-ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオール モノ(メタ)アクリレート、ネオペンチル グリコール モノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート;N-アルキル-N-ヒドロキシエチルアクリルアミド及びメタクリルアミド、ヒドロキシエチル-ベータカルボキシエチルアクリレート、ヒドロキシヘキシルアクリレート、及びヒドロキシオクチルメタクリレート及びそれらの混合物が含まれる。
【0043】
有用なヒドロキシエチルアクリレート及びヒドロキシプロピルアクリレートはダウケミカル(ミッドランドミシガン)及び大阪有機化学工業社(大阪、日本)から市場で入手できる。有用なヒドロキシブチルアクリレートは大阪有機化学工業社から入手できる。有用なヒドロキシブチルポリエステルアクリレートは、ダウケミカル社からTONE MONOMER M-100の商品名で及び大阪有機化学工業社からVISCOAT2308として市場で入手できる。有用なヒドロキシポリエーテルアクリレートはARCOL R-2731の商品名でバイエルケミカル(ピッツバーグ、ペンシルバニア)から市場で入手できる。
【0044】
ポリイソシアネートプレポリマーは、ポリイソシアネートと少なくとも500g/モル、少なくとも1000g/モル、4000g/モルより大きくない、又は2000g/モルより大きくさえない分子量を有するポリオールとの反応生成物である。反応混合物におけるポリイソシアネートとポリオールの量は、イソシアネートと水酸基との割合が少なくとも2:1である。生成ポリイソシアネートプレポリマーは水酸基を含まず、かつ少なくとも500g/モル、少なくとも1000g/モル、又は6000g/モルより大きくさえない分子量を有する。
【0045】
ポリイソシアネートプレポリマーの調製に有用なポリイソシアネートは、少なくとも2のイソシアネート基を有し、例えば脂肪族、脂環式、アルアリファティック、アリルアルキル、アルキルアリル、及び芳香族イソシアネート、及びそれらの混合物、ジイソシアネート、トリイソシアネート、テトライソシアネート及びそれらの混合物を含む。
【0046】
有用な芳香族ポリイソシアネートに含まれるものは、例えば、異性体を含んでジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性MDI、ジフェニルメタン4,4'-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,2'-ジイソシアネート、ジフェニルメタン2,4'-ジイソシアネート、次の式を有するオリゴメリックメチレンイソシアネート
【化1】

【0047】
[式中、nは2〜5の整数である]
及びそれらの混合物;異性体を含むトルエンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネートの異性体、トリフェニルメタントリイソシアネートの異性体、及びそれらの混合物である。
【0048】
他の適当なジイソシアネートに含まれるのは、例えば、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、水素化MDI(即ち、ジシクロヘシルメタンジイソシアネート、H12−MDI)、メチル2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、4,4'-ジフェニルジイソシアナート、4,4'-トルイジンジイソシアナート、ジアニリジンジイソシアナート、4,4'-ジフェニルエーテルジイソシアナート、1,3-ジイソシアナート-O-キシレン、1,3-ジイソシアナート-p-キシレン及び1,3-ジイソシアナート-m-キシレンを含む1,3-キシリレンジイソシアナート、1,4-キシレンジイソシアナート、オメガ、オメガ'-ジイソシアナート-1,4-ジエチルベンゼン、テトラメチルキシリレンジイソシアナートの異性体、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアナート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアナート、4,4'-ジベンジルジイソシアナート、1,3-フェニレンジイソシアナート、1,4-フェニレンジイソシアナート及びそれらの混合物である。
【0049】
付加的に適当なジイソシアナートの例に含まれるのは、1,2-ジイソシアナートエタン、1,3-ジソシアナートプロパン、1,2-ジイソシアナートプロパン、1,4-ジイソシアナートプロパン、1,5-ジイソシアナート-2,2-ジメチルペンタン、1,6-ジイソシアナートヘキサン、ビス(3-イソシアナートプロピル)エーテル、ビス(3-イソイシアナートプロピル)スルフィド、1,7-ジイソシアナートヘプタン、1,5-ジイソシアナートペンタン、1,6-ジイソシアナートヘキサン、ビス(3-イソシアナートプロピル)エーテル、ビス(3-イソシアナートプロピル)スルフィド、1,7-ジイソシアナートペンタン、1,5-ジイソシアナート-2,2'-ジメチルペンタン、1,6-ジイソシアナート-3-メトキシヘキサン、1,8-ジイソシアナートオクタン、1,5-ジイソシアナート-2,2,4-トリメチルペンタン、1,9-ジイソシアナートノナン、1,4-ブチレングリコールの1,10-ジイソシアナートプロピルエーテル、1,11-ジイソシアナートウンデカン、1,12-ジイソシアナートドデカン、ビス(イソシアナートヘキシル)スルフィド、2,4-ジイソシアナート-1-クロロベンゼン、2,4-ジイソシアナート-1-ニトロベンゼン、2,5-ジソシアナート-1-ニトロベンゼン、m-フェニレンジイソシアナート、1-メトキシ-2,4-フェニレンジイソシアナート、3,3'-ジメチル-4,4'-ジフェニルメタンジイソシアナート、1-メチル-2,4-ジイソシアナートシクロヘキサン、1,6-ジイソシアナート-2,2,4-トリメチルヘキサン、1,6-ジイソシアナート-2,4,4-トリメチルヘキサン、1-イソシアナートメチル-3-イソシアナート-1,5,5-トリメチルシクロヘキサン(IPDI)、塩素化及び臭素化ジイソシアナート、燐含有ジイソシアナート、4,4'-ジイソシアナートフェニルパーフルオロエタン、テトラメトキシブタン-1,4-ジイソシアナート、ビスイソシアナートエチルフタレート、反応性水素原子含有ポリイソシアネート(例えば1-クロロメチルフェニル-2,4-ジイソシアネート、1-ブロモエチルフェニル-2,6-ジイソシアネート、及び3,3-ビスクロロメチルエーテル-4,4'-ジフェニルジソシアネート、及び3,3-ビスクロロメチルエーテ
ル-4,4'-ジフェニルジイソシアネート);硫黄含有ポリイソシアネート;二量体脂肪酸ジイソシアネート、及びそれらの組合せである。特に好ましいジイソシアネートには、2,4'-メチレンジフェニルジイソシアネート及び4,4-メチレンジフェニルジイソシアネートが含まれる。
【0050】
適当なトリイソシアネートの例には、4,4',4''-トリフェニルメタントリイソシアネート及び2,4,6-トルエントリイソシアネートが含まれる。テトライソシアネートの一例は4,4'-ジメチル-2,2'-5,5'-ジフェニルメタンテトライソシアネートである。他の適当なイソシアネートはポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートである。
【0051】
他の有用なイソシアネートは、例えば米国特許第6,387,449号、第6,355,317号、第6,221,978号、第4,820,368号、第4,808,255号、第4,775,719号、及び第4,352,858号に開示されており、引用してここに挿入する。
【0052】
有用な市場で入手できる芳香族イソシアネートに含まれるものには、例えばバイエル化学(ピッツバーグ、ペンシルバニア)からの商品名MONDUR ML、ダウケミカル社(ミッドランド、ミシガン)からのISONATE50OP及びISONATE 125M及びBASF(ドイツ)からのLUPRNATE MIとして入手可能な芳香族イソシアネートがある。
【0053】
ポリイソシアネートプレポリマーの形成に用いられるポリオールは、少なくとも2個の水酸基(OH)及び少なくとも500g/モル、少なくとも1000g/モル、4000g/モルより大きくない、約2000g/モルより大きくない、500g/モル〜約2000g/モル、又は500g/モル〜約1000g/モルでさえの数平均分子量を有する。このようなポリオールには、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネート及びポリアセタールが含まれる。
【0054】
ポリエステルポリオールは、酸及び/又は無水物と少なくとも1のアルコールとのポリ縮合、例えば、ポリカルボン酸又は無水物とポリオールとのポリ縮合で調製できる。ポリエステルポリオールを調製するのに用いる適当なポリカルボン酸に含まれるのは、例えば、脂肪族、脂環族、アルアリファティック、芳香族及び複素環式ポリカルボン酸及び無水物である。そのようなポリカルボン酸及び無水物の例に含まれるのは、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジ酸、グルタール酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロ−フタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、グルタル酸無水物、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、二量体脂肪酸、三量体脂肪酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、及びそれらの組合せである。
【0055】
ポリエステルポリオールを調製するために有用なポリオールに含まれるのは、脂肪族ポリオール(例えば、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,4-ブテンジオール、1,4-ブチンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ヘキセンジオール、ヘキシンジオール、1,7-ヘプタンジオール、ヘプテンジオール、ヘプチンジオール、1,8-オクタンジオール、オクテンジオール及びオクチンジオール)、シクロヘキサンジメタノール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、及びグルコース及びそれらの混合物である。
【0056】
ポリエステルポリオールを調製するのに有用なポリオールに含まれるのは、脂肪族ポリオール(例えば、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4-ブテンジオール、1,4-ブチンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ヘキセンジオール、1,7-ヘプタンジオール、ヘプテンジオール、ヘプチンジオール、1,8-オクタンジオール、オクテンジオール、及びオクチンジオール)、シクロヘキサンジメタノール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、及びグルコース、及びそれらの混合物である。
【0057】
有用なポリエーテルポリオールに含まれるのは、ポリオールとポリアルキレンオキサイドとの反応生成物である。ポリエーテルポリオールを製造するのに有用なポリオールに含まれるのは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、及びペンタエリスリトール、及びそれらの混合物である。ポリエーテルポリオールを調製するのに有用なアルキレンオキサイドに含まれるのは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、及びブチレンオキサイド及びそれらの混合物である。
【0058】
ポリイソシアネート単量体
A部も過剰のイソシアネート単量体を含む。過剰のポリイソシアネート単量体は、接着剤組成物において剥離接着試験法に従って試験する場合に破壊剥離を示す接着剤組成物を達成するのに十分な量で接着剤組成物に存在することが好ましい。適当なポリイソシアネートは上記のポリイソシアネートを含み、ここに挿入する。
【0059】
B部
二重硬化組成物の第2部、B部は、ポリオール、及び好ましくは光開始剤を含む。B部は、約70重量%〜約100重量%、約80重量%〜約100重量%、又は約90重量%〜約100重量%さえのポリオール、及び0重量%〜約10重量%、0.2重量%〜約5重量%、又は0.5重量%〜1重量%さえの光開始剤を含むことが好ましい。
【0060】
ポリオール
上記のポリイソシアネートプレポリマーの調製に用いるためのと同様にB部に適当なポリオールは、例えばジオール、トリオール及びそれらの混合物を含む。好ましいポリオールに含まれるのは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンジオール、ポリジエンブロックポリオール、及びそれらの組合せである。好ましいポリオールは、少なくとも約1.5、少なくとも約2、少なくとも約3、4.0より大きくない、3.5より大きくない官能性を有する。好ましいポリオールは、10℃より小さい、又は0℃よりすら小さいTg、及び少なくとも約500g/モル〜約5000g/モル、又は約750g/モル〜約2000g/モルすらの数平均分子量を有する。
【0061】
ポリオールの有用なクラスに含まれるのは、例えば、ラクトンポリオール及びそのアルキレンオキサイド付加物を含むポリエステルポリオール、及びダイマー酸ベースのポリエステルポリオール、例えばポリブタジエンポリオールを含む特性ポリオール、水素化ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ビスフェノールAのヒドロキシアルキル誘導体(例えば、ビス(2−ヒドロキシエチル)ビスフェノールA)、例えばポリチオエーテルポリオールを含むポリエーテルポリオール、及び弗素化ポリエーテルポリオール、アクリリックポリオール、ポリフェノールのアルキレンオキサイド付加物、ポリテトラメチレングリコール、官能性グリセリド(例えばひまし油)及びポリヒドロキシスルフィド重合体である。
【0062】
有用なポリエステルポリオールは、ポリカルボン酸、その無水物、そのエステル又はハライドと、化学量論的過剰の多価アルコールとの反応生成物から調製される。適当なカルボン酸に含まれるのは、ジカルボン酸、及びトリカルボン酸を含み、例えば芳香族ジカルボン酸、無水物及びそのエステル(例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、フタル酸、無水フタル酸、メチル-ヘキサヒドロフタル酸、メチル-ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチル-テトラヒドロフタル酸、メチル-テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、及びテトラヒドロフタル酸)、脂肪族ジカルボン酸及びその無水物(マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、無水コハク酸、グルタール酸、無水グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、クロレンヂック酸、1,2,4-ブタン-トリカルボン酸、デカンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、ダイマー酸、二量体脂肪酸、三量体脂肪酸、及びフマル酸)、及び脂環式ジカルボン酸(例えば、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸及び1,4-シクロヘキサンジカルボン酸)がある。
【0063】
ポリエステルポリオールを誘導できる適当なポリオールの例に含まれるのは、脂肪族ポリオール、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール(例えば、1,2-プロパンジオール及び1,3-プロパンジオール)、ブタンジオール(例えば、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、及び1,7-ブタンジオール)、1,3-ブテンジオール、1,4-ブテンジオール、1,4-ブチンジオール、ペンタンジオール(例えば、1,5-ペンタンジオール)、ペンテンジオール、ペンチンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(例えば、ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコール)、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジオール、ダイマージオール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールF、グリセロール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,9-ノナンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、及びトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、グルコース、及びそれらの組合せがある。
【0064】
有用なポリエステルポリオールの例に含まれるのは、ポリグリコールアジペート、ポリエチレンテレフタレートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール及びポリカプロラクトントリオールである。
【0065】
市場で入手できる適当なポリオールに含まれるものは、例えば、バイエル化学(ピッツバーグ、PA)からの例えばDESMOPHEN XF-7395-200、DESMOPHENS-1011-P-210、DESMOPHEN S-1011-110及びDESMOPHEN S-1011-55を含む商品名DEMOPHENシリーズで入手できるポリエステルポリオール、UNIQEMA(ニューキャスル、デラウエア)から例えばPRIPLAST3187、3190、3196及び3197を含む商品名PRIPLASTシリーズで入手できるダイマー酸ベースのポリエステルポリオール、アトフィナケミカル社(エクストン、ペンシルバニア)から商品名POLYBD R-20LM、R-45HT、及びR-45Mで入手可能なポリブタジエンポリオール及びミツビシケミカル社(日本)からの商品名POLYTAILで入手可能なハロゲン化ポリブタジエンポリオールがある。
【0066】
適当なポリエーテルポリオールに含まれるものには、環状オキサイド、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、及びテトラヒドロフランの重合によって得られる生成物、又は1以上のこれらのオキサイドの2以上の活性水素を有する多官能性開始剤、例えば、水、多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びビスフェノールA)、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリエタノールアミン、及び1,2-プロパンジチオールへの付加で得られる生成物がある。特に有用なポリエーテルポリオールには、例えば、ポリオキシプロピレンジオール及びトリオール、適当な開始剤へのエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの同時または継続的付加で得られるポリ(オキシエチレン-オキシプロピレン)ジオール及びテトラヒドロフランの重合で得られるポリテトラメチレンエーテルグリコールが含まれる。
【0067】
光開始剤
組成物は光開始剤をも含む。光開始剤は、別個の成分及びそれらの組合せとして添加された例えばA部、B部及びC部を含む組成物の任意の部分に存在し得る。好ましい光開始剤は、適当な波長及び強度の照射に曝されることによってエチレン性不飽和部分の遊離基重合、交差結合、又は両者を促進することができる。光開始剤は、単独で、又は適当なドナー化合物又は適当な共開始剤と組合せて用いることができる。光開始剤及びその量は、硬化する組成物の厚み及び所望の初期処理強度(即ち、グリーン強度)を達成するために十分な高度の全変換の関数として、均一な反応変換を達成するために選択することが好ましい。
【0068】
有用な光開始剤に含まれるのは、例えば、「アルファ開裂型」光開始剤、例えば、ベンゾイン、ベンゾインアセタール(例えばベンジルジメチルケタール)、ベンゾインエーテル(例えばベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、及びベンゾインイソブチルエーテル)、ヒドロキシアルキルフェニルケトン(例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシル フェニル ケトン、 2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、及び1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン)、ベンゾイルシクロヘキサノール、ジアルコキシアセトフェノン誘導体(例えば、2,2-ジエトキシアセトフェノン)、アシルフォスフィンオキサイド(例えば、ビス(2,4,6-トリメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベノイル)-(2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、及び2,4,4-トリメチルベンゾイル ジフェニルフォスフィンオキサイド)、メチル チオ フェニル モルフォリノ ケトン、(例えば、2-メチル-1-4(メチルチオ)及びフェニル-2-モルフォリノ-1-プロパン)、及びモルフォリノ フェニル アミノケトン;水素吸着性光開始剤、これは光開始剤及びベンゾフェノン、チオキサントン、ベンジル、カンファーキノン、及びケトクマリンをベースとする共開始剤を含む;及びそれらの組合せである。好ましい光開始剤に含まれるのは、例えば、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチル)フォスフィンオキサイド及び2,4,4-トリメチルベンゾイル ジフェニルフォスフィンオキサイドを含むアシルフォスフィンオキサイドである。
【0069】
他の適当な光開始剤に含まれるのは、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物、キノン、ニトロソ化合物、アシルハライド、ヒドラゾン、メルカプト化合物、ピリリウム化合物、トリアクリルイミダゾール、ビスイミダゾール、クロロアルキルトリアジン、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール、チオキサントン、及びアセトフェノン誘導体、及びそれらの混合物がある。
【0070】
有用な市場で入手できる光開始剤には、次のものが入手できる。商品名IRGACURE369モルフォリノフェニルアミノケトン、IRGACURE 819ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、IRGACURE CGI403ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-(2,4,4-トリメチルペンチル)フォスフィンオキサイド、INGACURE 651ベンジルジメチルケタル、INGACURE 184 1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、及びINGACURE 2959 4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(-2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)ケトン、DAROCUR 1173 2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、これはヒドロキシメチルフェニルプロパノンとしても知られる、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン及び2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドの50:50ブレンドであるDAROCUR4265、及びCGI1700ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィン及び2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オンの25:75ブレンドであり、これらは全てチバガイギ特殊化学品(アルドレイ、ニューヨーク)から入手できる。
【0071】
光開始剤は、所望の光重合速度を提供するのに十分な量存在することが望ましい。この量は、一部は、光源、照射エネルギーに曝す層の厚み及び該波長における光開始剤の消滅係数に依存する。典型的には、光開始剤成分は、少なくとも約0.01重量%、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.2重量%、約10重量%より多くない、又は約5重量%より多くない量存在する。
【0072】
C部
組成物は、場合によって官能基がC部のUV又は電子ビーム照射によって重合性である少なくとも2の照射重合性官能基を含む化合物を含む。C部の成分は、モノ-、ジ-、トリ-、テトラ-、及び高級官能性の任意のレベルの照射重合性官能性を含み得る。マルチプル照射重合性官能基を有する適当な例に含まれるものには、例えばアクリル酸及び/又はメタクリル酸及び脂肪族アルコール、芳香族ポリオール、脂肪族ポリオール、脂環式ポリオール、及びそれらの組合せのエステルを含むアクリル酸及びメタクリル酸のエステルを含む(メタ)アクリレートエステル、ポリエーテルアルコールの(メタ)アクリレートエステル、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、及びそれらの組合せがある。
【0073】
脂肪族アルコールの有用なアクリレートエステルに含まれるものには、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、2-エトキシエトキシ エチル(メタ)アクリレート、及びそれらの組合せがある。脂肪族ジオールの有用なアクリレートエステルに含まれるものは、例えば、ネオペンチルグリコール ジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオール ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール テトラ(メタ)アクリレート、及びソルビトール及び他のシュガーアルコールの(メタ)アクリレートエステルがある。脂肪族及び環式脂肪族ジオールのこれらの(メタ)アクリレートエステルは脂肪族エステル又はアルキレンオキサイドで変性できる。脂肪族エステルで変性されたアクリレートに含まれるものには、例えば、ネオペンチルグリコール ヒドロキシピバレート ジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン-変性ネオペンチルグリコール ヒドロキシピバレート ジ(メタ)アクリレート、及びそれらの組合せがある。アルキレンオキサイド変性アクリレート化合物に含まれるもには、例えば、エチレンオキサイド変性ネオペンチルグリコール ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコール ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性 1,6-ヘキサンジオール ジ(メタ)アクリレート又はプロピレンオキサイド変性1,6-ヘキサンジオール ジ(メタ)アクリレート、及びそれらの組合せがある。
【0074】
ポリエーテルポリエーテルから誘導される適当なアクリレート単量体に含まれるものには、例えば、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパン ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール ジ(メタ)アクリレート等がある。三官能性及びより高級の多官能性アクリレート単量体に含まれるものには、例えば、トリメチロールプロパン トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール ヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン-変性ジペンタエリスリトール ヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール テトラ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート又はトリメチロールプロパン テトラ(メタ)アクリレート、及びそれらの混合物がある。
【0075】
適当な多官能性(メタ)アクリレート単量体に含まれるものには、例えば、トリプロピレングリコール ジアクリレート、ネオペンチルグリコール プロポキシレイト ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン トリ(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトール トリアクリレート、及びそれらの混合物がある。
【0076】
他の添加剤
組成物は更に他の添加剤を含むことができ、例えば、抗酸化剤、可塑剤、タッキファイング剤、接着促進剤、非反応性樹脂、紫外線安定剤、触媒、レオロジー変性剤、殺生物剤、腐食禁止剤、デハイドレータ、有機溶媒、着色剤(例えば、顔料及び染料)、充填剤、界面活性剤、炎遅延剤、ワックス、及びそれらの混合物である。これらの成分は、存在する場合には、材料を通過する光の量を最大にし、かつ光重合法を開始する光開始剤に利用できるような制限されたUV吸収を有するように選定されることが好ましい。
【0077】
適当な可塑剤に含まれるものには、例えば、フタレート、ベンゾエート、スルホンアミド、及びそれらの混合物、及びエポキシ化大豆油がある。ジオクチル及びジイソデシルフタレートの有用な源に含まれるものには、エクソンケミカルから商品名JAYFLEX DOP及びJAYFLEX DIDPとして入手可能なものがある。有用なジベンゾエートで利用可能なものには、ベルシコールケミカルコーポレーションからの商品名BENZOFLEX9-88、BENZOFLEX50及びBENZOFLEX400がある。大豆油は、例えば、FLEXOL EPOの商品名でユニオンカーバイドコーポレーションから市場で入手可能である。
【0078】
可塑剤は、存在する場合には、組成物に約0.25重量%〜約10重量%、約5重量%より多くない、約3重量%より多くない、又は約0.5重量%〜2重量%すらの量が存在することが好ましい。
【0079】
適当な充填剤に含まれるものは、例えば、ヒュームドシリカ、沈殿シリカ、タルク、炭酸カルシウム、カーボンブラック、アルミナシリケート、クレイ、ゼオライト、セラミックス、マイカ、二酸化チタン、及びそれらの組合せである。存在する場合には、少なくとも0.5重量%、約1重量%〜約50重量%、又は約5重量%〜約10重量%さえの量で組成物に含まれることが好ましい。
【0080】
組成物は、場合によって熱可塑性重合体を含むことができ、例えばエチレンビニル アセテート、エチレン−アクリル酸、エチレンメタクリル酸及びエチレン-アクリル酸n-ブチル共重合体、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリエチルオキサゾリン、澱粉、セルロースエステル、及びそれらの組合せが含まれる。
【0081】
製造方法
組成物は、ラミネートの製造によく適している。ラミネートを製造する任意の方法を用いることができる。一の有用な方法に含まれるのは、液体状態の接着剤を結合すべきフィルムに適用してラミネートを形成する方法である。接着剤は、例えば、エアナイフ、トライリングブレード、噴霧、ブラッシング、浸漬、ドクターブレード、ロール被覆、グラビア被覆、オフセットグラビア被覆、ロートグラビア被覆、及びそれらの組合せを含む任意の被覆方法を用いて適用できる。有用な被覆温度は65°〜170°Fに亘る。接着剤の被覆重量はラミネートに所望の特性に応じて広範囲に変り得る。有用な接着剤被覆重量は例えば0.5ポンド(lb)/3000平方フィート(ft2)(即ち、リーム(ream))から約4lbs/リーム、又は約0.5〜1.5lbs/リームすらを含む。
【0082】
被覆フィルムは、次いで重合反応、即ち、個々の成分の交差結合が、接着剤組成物を紫外線照射(即ち、約200nm〜約400nmの範囲の照射)に曝して開始する。本発明の接着剤は、例えば、照射及び接着剤に存在する個別成分の関連交差結合によって接触接着、好ましくは感圧接着を開発する。組成物を硬化又は部分硬化させるに必要な照射量は、例えば照射に対する露出の角度、被覆の厚み、被覆組成物の重合性基の量、及び光開始剤のタイプ及び量を含む各種の因子に依存する。典型的には、約200nm〜400nmの波長のUV光源コンベヤーシステム上を移送される、組成物の照射吸収プロファイルに適したUV源を通過した通過速度を明らかにする接着剤被覆に向けられる。UV光の有用な源には、例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低強度蛍光ランプ、金属ハライドランプ、マイクロウエーブ強力ランプ、キセノンランプ、例えばエキサイマーレーザー及びアルゴンイオンレーザーを含むレーザービーム源、及びそれらの組合せがある。
【0083】
照射手順の後、照射された接着剤組成物で被覆された第1フィルムは、圧力と共に又はなしで、第2フィルムに接触してラミネートを形成する。第2基質は、第1基質と同一又は異なる組成物であり得る。第2基質は、フィルムラミネート装置に一般に用いられる圧力及び温度の適用で接着剤に適用できる。
【0084】
この手順は、照射に鈍感な2フィルムの相互接着剤結合に特に有利である。
【0085】
記載した結合及びラミネート手順は、何回も繰返すことができ、2以上の結合層からなるラミネートを製造することを可能にする。
【0086】
他のラミネートを作る適当な方法は、接着剤組成物を第1基質に被覆し、被覆した接着剤組成物を第2基質と接触させ、及び接着剤組成物又は構成物を全体として照射に曝すことである。接着剤組成物は、接着剤組成物を第2基質と接触させる前、間、後又はその組合せで、照射に露出できる。
【0087】
有用な基質には柔軟性フィルムが含まれ、例えば、金属箔(アルミニウム箔)、重合体フィルム及び重合体から調製した金属化重合体フィルム、この重合体に含まれるのは、例えばポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、及び配向ポリプロピレン;ポリオレフィン及び他の共単量体との共重合体)、金属化ポリオレフィン(例えば、金属化ポリプロピレン)、金属化ポリエーテルテレフタレート、エチレン−酢酸ビニル、エチレン−メタクリル酸アイオノマー、エチレン−ビニルアルコール、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアミド、例えば、ナイロン-6及びナイロン-6,6、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セルローシック、及びポリスチレン、及び回転可能性包装ラミネート材料である。フィルムの厚みは変化できるが、柔軟性フィルムであり、典型的にはフィルムの厚みは約0.25ミリメータ未満、例えば約10〜約150マイクロメータ、より典型的には約8〜約100マイクロメータである。基質の表面は、例えば、コロナ処理、化学処理及び炎処理を含む適当な方法を用いて接着性を向上させる処理をした表面であり得る。
【0088】
他の適当な基質に含まれるのは、例えば、織られた織物、不織ウエブ、紙、ペーパーボード、及び気泡性柔軟性シート材料(例えば、ポリエチレンフォーム、ポリウレタンフォーム及びスポンジ及びフォームラバー)である。織られた及び不織ウエブは、例えば、木綿、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、及びポリイミド繊維を含む繊維を含み得る。
【0089】
基質は、多くの有用な特性を示すように構成できる。基質は、柔軟性包装及びレトルト包装に有用な特性を示すことが好ましい。このような特性に含まれるのは、例えば、高抗張力、蒸気遮蔽特性、柔軟性(屈曲性)、堅さ、熱劣化に対する抵抗性及びそれらの組合せである。本発明は、次の例に基づいて説明する。
【実施例】
【0090】
試験手順
例の用いられる試験手順は次のものを含む。
【0091】
%NCO
接着剤組成物に存在するイソシアネート百分率(即ち、%NCO)は、先ずプレポリマーをトルエンに溶解し、予め定めた容量のプレポリマー/トルエン溶液を予め定めた容量のジブチルアミン溶液と反応させる。アミンはイソシアネート基と反応する。過剰のアミンは次いで塩化水素の予め定めた溶液で滴定する。次いで、塩化水素溶液の容量を組成物に存在する%NCOを計算するために用いる。
【0092】
粘度
接着剤組成物の粘度は、ナンバー27のスピンドルでブルックフィールドサーモセル粘度計を用いて室温で測定する。
【0093】
剥離試験法
剥離力(peel force)は、ここに挿入する「接着剤の剥離抵抗標準試験法」の表題のASTM D1876−01に従って測定する。接着剤を1.5ミル厚みの金属化ポリエチレンテレフタレートフィルム基質上に1lbs〜7lbs/リーム(ream)の被覆重量で被覆した。被覆した接着剤組成物を次いで100フィート/分のコンベヤー速度で300ワット/インチの力を有する中圧水銀ランプからの照射に曝した。部分的に硬化した組成物を次いで第2基質にラミネートする。ピール速度は12インチ/分である。この結果はg/線状インチで報告する。
【0094】
ラップシア試験法
ラップシア(lap shear)は、ASTM D3163に従って測定する。これでは、試験試料は2ミル厚みのポリエチレンテレフタレート基質上の1ミル厚みの接着剤被覆に第2の2ミル厚みのポリエチレンテレフタレート基質を1インチ×1インチ基質をオーバーラップさせてラミネートした。被覆した組成物は、先ずコンベヤー速度が100フィート/分で300ワット/インチのパワーを有する中圧水銀ランプからの照射線に曝す。部分的に硬化した組成物を次いで第2基質、1.5ミル厚みのポリエチレンフィルムにラミネートする。最大荷重を測定し、結果をg/inの単位で報告する。
【0095】
プローブタック試験法
プローブタック(probe tack)試験の測定は、8ミリメータ(mm)直径の球状プローブを1秒間インストロンモデル5542ユニバーサルテスターを用いて100グラムの力で試料上に下げて測定する。試料は2ミル厚みのPETフィルム基質上の1ミル厚みの接着剤の被覆である。次いでプローブは1000mm/秒の速度で下げる。プローブから接着剤を引剥がす力を「プルオフ(Pull Off)」力と称する。最大プルオフ力を測定し、g/inの単位で報告する。
【0096】
例1〜8
A部を調製するために、DESMOPHEN S-1011-210ポリエステルポリオール(バイエル社、ピッツバーグ、ペンシルバニア)を反応器に仕込み、130°Fに加熱する。窒素パージを始め、方法の間続ける。LUPRANATE MI単量体状2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(BASF社、シアンドット、ミシガン)を次いで2/1(NCO/OH)〜2.5/1(NCO/OH)の化学量論的NCO/OH割合で達成するに十分な量を反応器に加える。混合物を撹拌し、温度を160°F〜170°Fに上げる。反応は1〜2時間で完了する。%NCO定期的にチェックし反応が完了しているかどうか、即ちターゲット%NCOが得られているかどうかを定める。撹拌を次いで停止し、2-ヒドロキシエチル アクリレート(HEA)(ダウケミカル社、ミッドランド、ミシガン)を反応器に添加し、温度を160°F〜170°Fに保ちながら反応させる。第2反応は1〜2時間で完了する。%NCOを反応が完了しているかを定めるためにチェックする。次いで撹拌を停止し、追加のLUPRANATE MI単量体状MDIを反応器に添加する。次いで撹拌を再開し、混合物が均質になるまで継続する。A部に用いたポリエステルポリオール、MDI、及びHEAの量は表1に示してある。
【0097】
B部は97.5%のヒドロキシル数約200のDESMOPHEN XF-7395-200ポリエステルポリオールと2.5%のDAROCUR 1173光開始剤を一緒にして調製する。
【0098】
A部をB部と混合して化学量論的量をNCO:OHの1.4:1.0とする。
【0099】
次いで接着剤組成物を1.5ミル厚みの金属化ポリエチレンテレフタレートフィルム基質に1lb/リームの被覆重量で被覆する。次いで被覆した接着剤組成物は100フィート/分のコンベヤー速度で300ワット/インチのパワーを有する中圧水銀ランプからの照射線に曝す。部分的に硬化した組成物は次いで第2基質、1.5ミル厚みのポリエチレンフィルムでラミネートする。
【0100】
例1〜8の接着剤組成物の予想される70°Fでの粘度、及び0分時、24時間、及び48時間のピール強度を次の表1に挙げる。
【表1】

【0101】
例1の接着剤組成物をラップシア及びプローブタック試験法に従って試験する。予期される結果を表2に報告する。
【表2】

【0102】
比較例1
A部を次のように調製する。RUCOFLEX 1011-210のポリエステルポリオール46.5gの量を反応器に仕込み、130°Fに加熱する。窒素パージを開始し、方法の間中続ける。LUPRANATE MI単量体状2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(BASF社、シアンドット、ミシガン)を46.5gの量で反応器に添加する。混合物を撹拌し、温度を160°F〜170°Fに上げる。第2反応は1〜2時間で完了する。%NCOを定期的にチェックし、反応が完了したかを定める。次いで撹拌を停止し、温度を140°Fに下げ、7gの2-ヒドロキシエチルアクリレート(ダウケミカル社、ミッドランド、ミシガン)を反応器に添加し、温度を160°F〜170°Fに維持しながら反応させる。第2反応は1〜2時間で完了する。%NCOをチェックして反応が完了したかどうかを定める。次いで撹拌を停止する。生成組成物は、140°Fで11,470センチポイズの粘度を有すると期待される。
【0103】
例9
A部を次のように調製する。RUCOFLEX 1011-210ポリエステルポリオールの41.5gの量を反応器に仕込み、130°Fに加熱する。窒素パージを開始し、反応の間中継続する。LUPRANATE MI単量体状2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)(BASF社、シアンドット、ミシガン)の41.5gの量を反応器に添加する。混合物を撹拌し、温度を160°F〜170°Fに上げる。反応は1〜2時間で完了する。%NCOを定期的にチェックし、反応が完了したかどうかを定める。次いで撹拌を停止し、温度を140°Fに下げ、及び8gの2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)(ダウケミカル社、ミッドランド、ミシガン)を反応器に添加し、かつ温度を160°F〜170°Fに維持しながら反応させる。第2反応は1〜2時間で完了する。%NCOをチェックして反応が完了したかを定める。次いで撹拌を停止し、9gの追加のLUPRANATE MI単量体状MDIを反応器に添加する。次いで撹拌を再開し、混合物が均質になるまで継続する。
【0104】
組成物は、140°Fで6037センチポイズの粘度を有することが期待される。
【0105】
例9のA部及び比較例1のA部を、それぞれ例1〜8のB部と一緒にして化学量論的量がNCO:OHの1.4:1.0となるようにする。次いで接着剤は、1.5ミル厚さの金属化ポリエチレンテレフタレートフィルム基質に1lb/リームの被覆重量で被覆する。被覆した接着剤組成物は、次いで300ワット/インチのパワーを有する中圧水銀ランプから100フィート/分のコンベヤ速度で照射に曝す。部分的に硬化した組成物を次いで第2基質、1.5ミル厚みのポリエチレンフィルムにラミネートする。試料は剥離接着試験法に従って検査する。予測される結果を表3に報告する。
【表3】

【0106】
例10
多くのラミネート構造を、例8の接着剤組成物を用いて調製する。ラミネートは、例8の接着剤組成物を第1基質に被覆し、被覆した接着剤組成物を第2基質と接触させ、第2基質を第1基質に接着剤組成物を介して接合させ、及び一の基質を介して100フィート/分の速度で300ワット/インチのパワーでUV照射に被覆した接着剤組成物を曝す。剥離力は剥離接着試験法に従って測定する。基質及び期待される結果は表4に報告する。
【0107】
対照1
多くのラミネート構造を、例8の接着剤組成物を用いて調製する。ラミネートは、第基質上に例8の接着剤組成物を被覆し、被覆した接着剤組成物を第2基質と接触させ、及び第2基質を接着剤組成物を介して第1基質に接合して調製する。次いでラミネートは通常の条件で貯蔵する。剥離力は、剥離接着試験法に従って測定する。基質及び予期される結果を表4に報告する。
【表4】

【0108】
他の態様は請求の範囲内にある。
【0109】
ここに引用された特許及び出願出願は全て引用によって全体的に挿入する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラミネートの製造方法であって、該方法は
a)接着剤組成物を調製し、
(メタ)アクリレート官能性、ポリイソシアネートプレポリマー、及びポリイソシアネート単量体を包含する第1部、
該第1部は少なくとも10重量%のイソシアネート官能性基を包含し、
ポリオールを包含する第2部、及び
場合によって第3部を包含し、
該第1部、該第2部、及び任意の該第3部の少なくとも一は光開始剤を包含し、
該調製はこれらを一緒にすることで行い、
b)第1柔軟性基質を該接着剤組成物で被覆し、
c)接着剤組成物を照射線に露出して該接着剤組成物を部分的に硬化させ、及び
d)該接着剤組成物を第2の柔軟性基質と接触させることを包含する方法。
【請求項2】
該第1部が少なくとも15重量%の該ポリイソシアネート単量体を包含する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該露出が、該接着剤組成物と該第2柔軟性基質との接触前、該接着剤組成物と該第2柔軟性基質との接触後又はそれらの組合せにおいて行われる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該接着剤組成物が、
5重量%〜70重量%の該(メタ)アクリレート官能性ポリイソシアネートプレポリマー、
少なくとも7重量%の該ポリイソシアネート単量体、
30重量%〜95重量%の該ポリオール、及び
0.2重量%〜10重量%の該光開始剤を包含する請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該接着剤組成物の該第1部が
40重量%〜90重量%の該(メタ)アクリレート官能性ポリイソシアネートプレポリマー、及び
10重量%〜60重量%の該ポリイソシアネート単量体を包含する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
該接着剤組成物の第1部が少なくとも10重量%〜約20重量%のイソシアネート官能性基及び約0.5重量%〜約20重量%の照射線重合性基の少なくとも一を包含する請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第1部及び第2部はイソシアネート(NCO)対水酸基(OH)(NCO:OH)が約1:1〜約2:1の化学量論的比で組合せられる請求項1に記載の方法。
【請求項8】
該接着剤組成物が30重量%〜70重量%の該(メタ)アクリレート官能性、ポリイソシアネートプレポリマーを包含する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
該第1及び第2柔軟性基質の少なくとも一方が、重合体フィルム、金属化重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、金属化ポリプロピレン、金属化ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、金属箔、紙、又はそれらの組合せを包含する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
該第1部が少なくとも15重量%のポリイソシアネート単量体を包含する請求項1に記載の方法。
【請求項11】
(メタ)アクリレート官能性ポリイソシアネートプレポリマー、
ポリイソシアネート単量体、
該プレポリマー及び該ポリイソシアネート単量体の組合せ重量に基づいて少なくとも10重量%のイソシアネート官能基を包含する該プレポリマー及び該ポリイソシアネート単量体の組合せ、
ポリオール、及び
光開始剤、
第1柔軟性基質;及び
第2柔軟性基質、
該接着剤組成物によって該第2柔軟性基質に結合されている該第1柔軟性基質、
を包含するラミネート。
【請求項12】
(a)食物製品;及び
(b)該食物製品を少なくとも部分的に包囲する請求項11のラミネートを包含する包装。
【請求項13】
(メタ)アクリレート官能性、ポリイソシアネートプレポリマー、及び少なくとも7重量%のポリイソシアネート単量体を包含する第1部、
該第1部は少なくとも10重量%のイソシアネート官能基を包含し、
ポリオールを包含する第2部、
場合によって、第3部、
該第1部、該第2部及び該第3部の少なくとも一は光開始剤
の反応生成物を包含する接着剤組成物。
【請求項14】
(メタ)アクリレート官能性、ポリイソシアネートプレポリマー、及び少なくとも7重量%のポリイソシアネート単量体を包含する第1部、
該第1部は少なくとも10重量%のイソシアネート官能性基を包含し、
ポリオールを包含する第2部、及び
場合によって、第3部、
光開始剤を包含する該第1部、該第2部及び該第3部の少なくとも一
を組合せることを包含する接着剤組成物を製造する方法。

【公表番号】特表2008−512271(P2008−512271A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530476(P2007−530476)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/031708
【国際公開番号】WO2006/029151
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(591190771)エイチ・ビー・フラー・ライセンジング・アンド・ファイナンシング・インコーポレーテッド (13)
【Fターム(参考)】