説明

ラミネート装置

【課題】
ラミネート加工を行うことで発生する廃棄材料を少なくすることと、ラミネート加工中にラミネートフィルムが搬送用ローラーの表面に貼りついて巻き込んでしまったりすることを防ぐことを課題とする。
【解決手段】
メディアの幅に応じて自由に左右の帯状テープのセット位置を変更できるように構成したラミネート装置で、メディアからはみ出した部分を帯状テープで覆うようにすることで巻き込んでしまうことを防止し、廃棄材料の低減も行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポスターや広告などの印刷物、コンピュータの出力メディアなど(以下メディア(M)と称する)の表面に、片面に粘着剤を塗布した透明または半透明なラミネートフィルムを貼り付けて、印刷物の表面を保護することにより、メディアの耐水性、耐候性を向上させる積層体の形成に使用するラミネート装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ラミネート・フィルム原反より引き出されたラミネート・フィルムの長さを検出する検尺手段と、セットしたラミネート・フィルム原反の長さを入力する手段と、入力されたラミネート・フィルム原反の長さより上記検尺手段で検出した長さを減算する減算手段と、減算された値を表示する表示手段と、上記減算された値が一定値以下に達したときに警報を発する警報手段とを具備することを特徴とするラミネート装置が知られている。(特許文献1参照)
【0003】
ラミネートフィルムには、材質的特性や厚みや幅が種々にわたっており、例えば、UVグロスやUVマット、UV無しグロス、UV無しマット等、材質的特性が異なるものや、厚みが80ミクロン、100ミクロン等、厚みが異なるものや、幅1350mm、1270mm、1070mm、980mm等、原反の幅が異なるものがある。挿入してから、再び巻芯支持部材とブレーキトルク調整機構をラミネートフィルム原反軸に取り付けるという構成のものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3901464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図6を用いて、従来のラミネート装置において、一般にコールドラミネートフィルムと称されているラミネートフィルムから離型紙を剥がしながら、コンピュータの出力物などの印刷物(以下ではメディア(M)と称する)の表面にラミネートフィルムを貼り付けて積層体を形成する方法を説明する。
【0006】
図6(a)は積層体を形成する過程でのメディアやフィルム類の搬送される経路を示した、ラミネート装置の断面図であり、図6(b)は図6(a)を上から見た図であり、図6(c)は形成された積層体の断面図である。
【0007】
図6(a)のラミネートフィルム原反を装着する巻芯の保持機構(14)のブレーキトルク調整機構付きの巻芯支持部(14a)に装着されたラミネートフィルムから剥がされた離型紙(B)は離型紙巻取軸(3)に装着された離型紙巻取紙管に巻き取られ蓄積されていく。
【0008】
離型紙(B)を剥がされたラミネートフィルム(L)は、その表面が加圧ローラー(7)の前方(図6(a)では左側)に接触して、加圧ローラー(7)と搬送用ローラー(6)の隙間を通りラミネート装置(1)の後方(図6(a)では右側)に搬送される。また、メディア(M)を乗せて搬送する為の搬送材(C)(一般にアンダーフィルムと称される)を、搬送用フィルム軸(5)に装着し、この搬送材(C)は入口テーブル(11)の上を滑らせて加圧ローラー(7)と搬送用ローラー(6)の隙間を通りラミネート装置(1)の後方(図6(a)では右側)に搬送される。
【0009】
加圧ローラー(7)と搬送用ローラー(6)の隙間を通過する際に、搬送材(C)(一般にアンダーフィルムと称されるもの)とメディア(M)ラミネートフィルム(L)の3つから成る積層体が形成されて、ラミネート装置の後方(図6では右側)に排出される。
【0010】
図6(b)に積層体として形成される搬送材(C)とメディア(M)とラミネートフィルム(L)の平面的な大きさの大小関係を示す。一般に、搬送材(C)の幅>ラミネートフィルム(L)の幅>メディア(M)の幅という条件で使用される。その理由は、仮に、搬送材(C)の幅<ラミネートフィルム(L)の幅で加工すると、 離型紙(B)が剥がされたラミネートフィルム(L)の搬送材(C)からはみ出した左右端部が搬送用ローラー(6)の表面に貼り付いて、ローラーにフィルムが巻き付いてしまいラミネート加工ができないからである。
【0011】
この様にして形成された積層体は、図6(b)に示す様にラミネートフィルム(L)と搬送材(C)とによってメディア(M)を袋状に包み込んだ状態になりラミネート装置の後方へ排出される。
【0012】
積層体はカッターナイフなどでラミネート装置(1)から切り離して机上におかれ、メディア(M)の縁(周囲4面)を切り抜かれて、表面にラミネートフィルム(L)が貼り付けられたメディア(M)として完成する。
【0013】
この時、解反され搬送された搬送材(C)(一般にアンダーフィルムと称される)は余白部分と共に切断され、またメディアの裏面に貼り付いたものも剥がされて全て(全面積)廃棄される。1370mm幅のアンダーフィルムを使って長さ10mラミネート加工を施したとすると1.37m×10m=13.7m の面積のアンダーフィルムが廃棄されることとなる。
【0014】
また、ラミネートフィルム(L)から剥がされて離型紙巻取紙管(17)に巻き取られて蓄積された離型紙(B)も廃棄材となる。1310mm幅のラミネートフィルムを使って長さ10mラミネート加工を施したとすると1.31m×10m=13.1 m の面積の離型紙(B)が廃棄されることとなる。
【0015】
上記のような廃棄材料を少なくすることが望まれており、廃棄材となる搬送材(C)(一般にアンダーフィルムと称される)は極力幅の狭いものが望まれる。しかし、ラミネートフィルム(L)の幅に対して余裕のない幅の搬送材(C)を使った場合、最初に(初期準備で)セットした時に少しの位置ずれがあったり、また、ラミネート加工時に、ラミネートフィルム(L)に対する搬送材(C)の位置が横方向にずれて、ラミネートフィルム(L)の端が搬送材(C)よりも外側へはみ出す場合がある。また、搬送材(C)よりも外側へはみ出した部分が搬送用ローラーの表面に貼りついて巻き込んでしまう場合がある。また、巻き込まれずに排出された場合でも、排出された積層体同士が貼り付いてしまう場合もある。本発明は以上の課題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために本発明の請求項1は、ポスターや広告などの印刷物、コンピュータの出力メディアなどの表面に、ラミネートフィルムを貼り付けて積層体を形成するラミネート装置において、ラミネートフィルムを貼り付けする位置よりも上流においてラミネートフィルムから離型紙を剥がして巻き取る手段と、印刷物又はメディアの左右端部をそれぞれ載置するための帯状テープを任意の所定間隔に位置決めできるように保持する手段とを有し、加圧ローラーと搬送ローラーとでラミネートフィルムと印刷物又はメディアを挟んでラミネート加工する際に、印刷物又はメディアの左右に配置した帯状テープ上に印刷物又はメディア、そしてその上方にラミネートフィルムと配置し、印刷物又はメディアの左右端部及びラミネートフィルムの左右端部が、それぞれ左右に配置した帯状テープ上に載置された状態でラミネート加工することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項2は、上記帯状テープの下方、または上記帯状テープと上記印刷物又は上記メディアとの間に搬送材を積層することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項3は、ラミネート加工が完了した積層体を巻き取る巻取装置を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、搬送材専用として販売されているフィルム材を使用することなくラミネート加工をすることができるので、廃棄するフィルムとしては帯状テープを使用した分と、ラミネートフィルムから剥がした離型紙となり、廃棄材料の量を軽減することができる。例えば1310mm幅のラミネートフィルムと同じ幅の搬送材専用フィルムを使用してラミネート加工を行った場合と帯状テープ45mm幅を使用してラミネート加工を行った場合を比較すると、100mのラミネート加工で使用する搬送材専用フィルムは1310mm×100m=131m、帯状テープは45mm×100m×2=9mとなり、1/10以下に抑えることができるのである。また帯状テープの方が安価でもありコストも低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のラミネート装置の全体図である。(a)はメディア導入側から見た正面図で、(b)は(a)の右側面図で、(c)は(a)の平面図を図示している。
【図2】本発明のラミネート装置の帯状テープ巻芯保持機構を説明する図である。
【図3】搬送材を使用せずにラミネート加工を行う方法を説明する図である。
【図4】ラミネートフィルム(L)の幅と同じ幅の搬送材(C)を使用してラミネート加工を施す方法を説明する図である。
【図5】ラミネートフィルム(L)の幅と同じ幅の搬送材(C)を使用してラミネート加工を施す方法を説明する図である。
【図6】従来のラミネート装置でラミネートフィルムを貼り付けて積層体を形成する方法を説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1に示す様に、本発明のラミネート装置は主に、ローラーを軸支する左右のフレーム(2),(2)と、離型紙を巻き取る離型紙巻取軸(3)(チェーン等でモーター(13)の駆動力が伝達される)、ラミネート加工を施したメディアを巻取るメディア巻取軸(4)(チェーン等でモーター(13)の駆動力が伝達される)、搬送用フィルム(アンダーフィルム)原反の巻芯を保持する搬送用フィルム軸(5)、搬送用ローラー(6)(上下でメディアを挟むピンチローラーの下側のローラーで、チェーン等でモーター(13)の駆動力が伝達される)、加圧ローラー(7)(上下でメディアを挟むピンチローラーの上側のローラーで、従動回転する)、加圧ローラーの回転によりパルス信号を発生するラミネートフィルム検尺部(8)、離型紙の剥離を安定させる為の剥離ガイドローラー(9)、加圧ローラー(7)を上下させる加圧ローラー上下レバー(10)、入口テーブル(11)、ラミネート装置を操作する為の表示部操作部(12)、上記複数のローラーを駆動するモーター(13)、操作を行うためのフットスイッチ(図示せず)、そして、本発明のラミネートフィルム原反の巻芯の保持機構(14)等から構成されている。
【0022】
図2(a)は本発明のラミネート装置(1)の帯状テープ巻芯保持機構(19)の斜視図である。帯状テープ巻芯支持部保持アーム取付ステー(19a)に帯状テープ巻芯支持部保持アーム(19b)を摺動可能に取り付けてメディアの幅に応じて自由に左右の帯状テープのセット位置を変更できるように構成している。
【0023】
また、帯状テープ巻芯支持部保持アーム(19b)には帯状テープ巻芯支持部(19c)が取り付けられてている。帯状テープ(Y)は帯状テープ巻芯支持サイド板(19d)と帯状テープ巻芯支持部保持アーム(19b)に挟まれ回転可能に保持されている。また、帯状テープ(Y)は両面とも粘着材は塗布されていないナイロン材質の薄い帯状の幅約50mmのテープで帯状テープ巻芯(Ya)に1000m程度巻かれたものである。
【0024】
搬送材(C)を全く使わないでラミネート加工を行う方法を、図3(a)、図3(b)、図3(c)を用いて説明する。この場合のラミネート加工の条件としては、インクジェットプリンタで印刷する場合はメディア(メディア(M))の左右端ギリギリまでは印刷しないで、左右端とも約4cm程余白を残しておくことと、印刷する図柄を変える場合でも、メディア(メディア(M))を途中で切断しないで、複数の図柄を連ねて数メートルの長尺ものとしておくことが前提条件となる方法である。
【0025】
ラミネート加工の事前準備として、帯状テープ(Y)の原反を帯状テープ巻芯支持部(19c)に装着して帯状テープ巻芯支持サイド板(19d)で保持し、左右の帯状テープを加工するメディアの幅に対応する間隔に調整し、帯状テープ(Y)の先端をほどき入口テーブル(11)の上を滑らせて、加圧ローラー(7)と搬送用ローラー(6)の隙間を通して、メディア巻き取り軸(4)に装着されているメディア巻取紙管(20)に1回巻き付けて、テープ等で貼り付けておく(左右とも同じことをする)。
【0026】
搬送フィルムセット軸(5)には搬送材(C)は装着しない。インクジェットプリンタで印刷したあとの数メートルの長尺もののメディア(M)を軽く巻いてメディア巻きセット軸(18)に装着する。
【0027】
ラミネート加工を行っている時に、メディア(M)が左にずれてラミネートフィルム(L)の右端がメディア(M)よりも外側へずれた場合の、メディア(M)とラミネートフィルム(L)の重なりの位置関係を図4(b)に示す。また、形成される積層体の断面を図3(c)に示す。
【0028】
図3(c)に示す様に、ラミネートフィルム(L)のメディア(M)からはみ出した部分(図3(b)では右側)には、右側に装着されている帯状テープ(Y)が、加圧ローラー(7)と搬送用ローラー(6)の隙間を通過する時に、ラミネートフィルム(L)の粘着面に貼り付き粘着面を覆うので、搬送用ローラー(6)に貼り付くことは無く、また、メディア巻取紙管(20)に蓄積されていく過程で積層体同士が貼り付いてしまうことはない。一方、左側の帯状テープ(Y)はラミネートフィルム(L)には接着されないままメディア巻取紙管(20)の回転により引っ張られて巻き付けられて蓄積される。
【0029】
次に図4(a)、図4(b)、図4(c)を用いて、本発明のラミネート装置(1)においてラミネートフィルム(L)の幅と同じ幅の搬送材(C)を使用してラミネート加工を施す方法を説明する。この方法は、使用するメディア(メディア(M))の幅を種々設定変更可能ではあるが、異なる複数種類の幅のものを使い分けるのではなく特に1種類の幅に固定して全ての印刷物を製作し、ラミネートフィルム(L)の幅も1種類だけ使うという限定された条件のラミネート加工方法ではあるが、廃棄材となるアンダーフィルムを購入しなくてすむというメリットがある方法である。
【0030】
図4(a)はフィルム類の搬送経路を示した本発明のラミネート装置(1)の断面図であり、 図4(b)は図4(a)を上から見た図であり、図4(c)は形成された積層体の断面図である。
【0031】
前回のラミネート加工で使ったラミネートフィルム(L)の幅は1310mmであり、今回使うラミネートフィルム(L)の幅も1310mmであるとする。今回のラミネート加工で使うラミネートフィルム(L)の原反は図4(a)の、ラミネートフィルム原反を装着する巻芯の保持機構(14)のブレーキトルク調整機構付きの巻芯支持部(14a)に装着されている。
【0032】
また、今回のラミネート加工で使う搬送材(C)を搬送用フィルム軸(5)に装着している。これは前回までのラミネート加工で、ラミネートフィルム(L)から剥がして離型紙巻取紙管(17)に巻き取とった離型紙(B)を搬送材(C)として使用するものであり、これを離型紙巻取紙管(17)ごと搬送用フィルム軸(5)に装着して、今回のラミネート加工の搬送材(C)として使用する。ラミネートフィルム(L)の幅も搬送材(C)の幅も等しく1310mmという条件の加工である。
【0033】
ラミネート加工の事前準備として、まず最初にラミネートフィルム(L)の経路に沿って帯状テープ(Y)をセットする必要がある。図4(b)に示す様に、帯状テープ(Y)の幅方向の中心にラミネートフィルム(L)の端が位置する様に、帯状テープ(Y)をラミネートフィルム(L)をセットする前にセットしておく。帯状テープ(Y)は搬送材(C)よりも下方にセットする。
【0034】
本発明では、帯状テープ巻芯支持部保持アーム取付ステー(19a)に貼られている目盛り(15)の、ラミネートフィルム(L)の幅に対応するライン(1310の目盛り)に帯状テープ巻芯支持部保持アーム(19b)の▼状の突起が合う位置で、帯状テープ巻芯支持部保持アーム(19b)を固定すれば、ラミネートフィルム(L)の端部が、帯状テープ(Y)の幅方向の中心に位置する様に定めている。(帯状テープの幅寸法をどの幅のテープとするかを選定すれば事前に中心位置は設計で定めることができる。また、選定したテープの幅以外の幅のテープを使用したとしても、選定したテープ幅の1/2の幅は民ネートフィルムの外側に位置することとなり、帯状テープ巻芯支持部保持アーム(19b)の位置を調整してラミネートフィルムの端部が帯状テープの中央付近にくるようにしてもかまわないのである。)
【0035】
続いて、帯状テープ(Y)の原反を帯状テープ巻芯支持部(19c)に装着して帯状テープ巻芯支持サイド板(19d)で保持する。そして、帯状テープ(Y)の先端をほどいて入口テーブル(11)の上を滑らせて、加圧ローラー(7)と搬送用ローラー(6)の隙間を通して、メディア巻き取り軸(4)に装着されているメディア巻取紙管(20)に1回巻き付けてテープ等で貼り付けて固定する。帯状テープ(Y)は左側に1本、右側に1本装着する。
【0036】
続いて、搬送材(C)も同様に、入口テーブル(11)の上を滑らせて、加圧ローラー(7)と搬送用ローラー(6)の隙間を通して、メディア巻き取り軸(4)に装着されているメディア巻取紙管(20)に1回巻き付けてテープ等で貼り付ける。搬送材(C)の左端が左側の帯状テープ(Y)の上に、搬送材(C)の右端が右側の帯状テープ(Y)の上に重なる。
【0037】
続いて、ラミネートフィルム(L)から離型紙(B)を剥がして、その先端を離型紙巻取紙管(17)に貼り付ける。以上で準備が終わったので、メディア(M)を搬送材(C)の上に載せて、運転スイッチ(図示せず)を押してラミネート加工を開始する。ラミネート加工を行っている時、搬送用ローラー(6)と離型紙巻取軸(3)とメディア巻き取り軸(4)にモーターの駆動力が伝達され回転し、加圧ローラー(7)とラミネートフィルム(L)を装着している巻芯の保持機構(14)のブレーキトルク調整機構付きの巻芯支持部(14a)と剥離ガイドローラ(9)と搬送フィルム用軸(5)は、搬送されるメディア(M)やラミネートフィルム(L)が搬送されることによって従動回転し、必要に応じて適切なテンションを調節できる様になっている。
【0038】
ラミネート加工を行っている時に、搬送材(C)が左にずれてラミネートフィルム(L)の右端が搬送材(C)よりも外側へずれた場合の、搬送材(C)とメディア(M)とラミネートフィルム(L)の重なりの位置関係を図4(b)に示す。また、形成される積層体の断面を図4(c)に示す。
【0039】
図4(c)に示す様に、ラミネートフィルム(L)の搬送材(C)からはみ出した部分(図4(b)では右側)には、右側に装着されている帯状テープ(Y)が、加圧ローラー(7)と搬送用ローラー(6)の隙間を通過する時に、ラミネートフィルム(L)の粘着面に貼り付き粘着面を覆うので、ラミネートフィルム(L)のはみ出した部分が搬送用ローラー(6)に貼り付いてしまうことはない。また、メディア巻取紙管(20)に巻き付けられて蓄積されていく過程で積層体同士が貼り付いてしまうことはない。
【0040】
一方、左側の帯状テープ(Y)はラミネートフィルム(L)には接着されないままメディア巻取紙管(20)の回転により引っ張られて、搬送材(C)と共にメディア巻取紙管(20)に巻き付けられ積層体の一部として蓄積される。
【0041】
この時形成される積層体を図4(c)に示す。一番上層がラミネートフィルム(L)でその下がメディア(M)でその下が搬送材(C)で一番下層が帯状テープ(Y)となっている。
【0042】
また、図5(a)に示す様に、帯状テープ(Y)と搬送材(C)の場所を入れ替えてセットすれば、図5(b)、図5(c)に示す様に、一番上層がラミネートフィルム(L)でその下がメディア(M)でその下が帯状テープ(Y)一番下層が搬送材(C)の積層体を形成することができる。どちらの方法にするかは適宜決めれば良い。
【0043】
ラミネート加工が終われば、ラミネート装置(1)の後方へ排出された積層体を、メディア巻取紙管(20)の手前でカッターナイフなどで切り離して机上において、メディア巻取紙管(20)に巻き付けらた積層体をほどきながら、不要な部分を切断し、メディアの裏面に貼り付いている搬送材(C)を取り除いて、表面にラミネートフィルム(L)が貼り付けられたメディア(M)が完成する。
【0044】
以上で説明した方法は、アンダーフィルムを購入しないで、前回巻き取った離型紙(B)を搬送材(C)として使うので経費の節約ができたうえに、廃棄材も減らすことができる方法である。
【0045】
以上で説明した様に本発明のラミネート装置(1)は、ラミネートフィルム(L)の幅が搬送材(C)の幅やメディア(M)の幅に対して十分に広くないという条件でのラミネート加工において、搬送材(C)やメディア(M)が横方向にずれてラミネートフィルム(L)がはみ出した場合でも、はみ出した部分を帯状テープで覆うことにより、積層体がラミネート装置(1)の内部でつまったりしわになったりすることを防ぐようにするラミネート装置であり、廃棄材の低減に貢献できるラミネート装置である。
【符号の説明】
【0046】
1 ラミネート装置
2 フレーム
3 離型紙巻取軸
4 メディア巻取軸
5 搬送用フィルム軸
6 搬送用ローラー
7 加圧ローラー
8 ラミネートフィルム検尺部
9 剥離ガイドローラー
10 加圧ローラー上下レバー
11 入口テーブル
12 表示部操作部
13 モーター
14 巻芯の保持機構
14a ブレーキトルク調整機構付きの巻芯支持部
15 目盛り
16 固定用ネジ
17 離型紙巻取紙管
18 メディア巻きセット軸
19 帯状テープ巻芯保持機構
19a 帯状テープ巻芯支持部保持アーム取付ステー
19b 帯状テープ巻芯支持部保持アーム
19c 帯状テープ巻芯支持部
19d 帯状テープ巻芯支持サイド板
19e サイド板固定ネジ
20 メディア巻き取紙管
M メディア
L ラミネートフィルム
B 離型紙
C 搬送材(アンダーフィルム)
Y 帯状テープ
Ya 帯状テープの巻芯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポスターや広告などの印刷物、コンピュータの出力メディアなどの表面に、ラミネートフィルムを貼り付けて積層体を形成するラミネート装置において、
ラミネートフィルムを貼り付けする位置よりも上流においてラミネートフィルムから離型紙を剥がして巻き取る手段と、
印刷物又はメディアの左右端部をそれぞれ載置するための帯状テープを任意の所定間隔に位置決めできるように保持する手段とを有し、
加圧ローラーと搬送ローラーとでラミネートフィルムと印刷物又はメディアを挟んでラミネート加工する際に、
印刷物又はメディアの左右に配置した帯状テープ上に印刷物又はメディア、そしてその上方にラミネートフィルムと配置し、
印刷物又はメディアの左右端部及びラミネートフィルムの左右端部が、それぞれ左右に配置した帯状テープ上に載置された状態でラミネート加工する
ことを特徴とするラミネート装置。
【請求項2】
上記帯状テープの下方、または上記帯状テープと上記印刷物又は上記メディアとの間に搬送材を積層することを特徴とする請求項1記載のラミネート装置。
【請求項3】
ラミネート加工が完了した積層体を巻き取る巻取装置を具備したことを特徴とする請求項1または請求項2記載のラミネート装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−240633(P2011−240633A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115752(P2010−115752)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000163121)極東産機株式会社 (68)
【Fターム(参考)】