説明

ラメ状加飾多層ブロー成形ボトル

【課題】ラメ状の加飾効果もつラメ状加飾多層ブロー成形ボトルを提供する。
【解決手段】最外層に、熱可塑性樹脂中に最大径が0.01〜1.0mmの薄い光沢片を分散させたの加飾樹脂層を設ける。又は、最外層に、熱可塑性樹脂中に最大径が0.01〜1.0mmの薄い光沢片を分散させた加飾樹脂層を設け、この加飾樹脂層の内側次層に、熱可塑性樹脂中に着色顔料を分散させた着色樹脂層を設ける。又は、最外層に透明な熱可塑性樹脂からなる透明樹脂層を設け、この透明樹脂層の内側次層に、熱可塑性樹脂中に最大径が0.01〜1.0mmの薄い光沢片を分散させた加飾樹脂層を設ける。又は、最外層に透明な熱可塑性樹脂からなる透明樹脂層を設け、該透明樹脂層の内側次層に、熱可塑性樹脂中に最大径が0.01〜1.0mmの薄い光沢片を分散させた加飾樹脂層を設け、該加飾樹脂層の内側次層に、熱可塑性樹脂中に着色顔料を分散させた着色樹脂層を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトルの外観にラメ状の加飾効果を必要とする商品に使用するラメ状加飾多層ブロー成形ボトルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、多層ブロー成形ボトルは、商品が要求する特性、例えば、内容物の保護性などを得るために、異なる特性を有する樹脂層を重ね合わせたものである。また、ボトルの加飾効果を得るために、内容物への影響を考慮して、外層側の樹脂層に加飾顔料を分散させたものがあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の外層側の樹脂層に加飾顔料を分散させたものとしては、パール顔料を樹脂層中に分散させてパール状の加飾効果を得たものはあったが、ラメ状の加飾効果が得られるものはなかった。
【0004】
本発明は、上述の従来の加飾多層ブロー成形ボトルの問題点を解決したものであり、ラメ状の加飾効果もつ商品価値が高いラメ状加飾多層ブロー成形ボトルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明の第1の発明は、多層構成樹脂層の最外層に、熱可塑性樹脂中に最大径が0.01〜1.0mmの薄い光沢片を分散させたのラメ状加飾樹脂層を設けたことを特徴とするラメ状加飾多層ブロー成形ボトルである。
【0006】
次に、本発明の第2の発明は、多層構成樹脂層の最外層に、熱可塑性樹脂中に最大径が0.01〜1.0mmの薄い光沢片を分散させたラメ状加飾樹脂層を設け、このラメ状加飾樹脂層の内側次層に、熱可塑性樹脂中に着色顔料を分散させた明度10以下の着色樹脂層を設けたことを特徴とするラメ状加飾多層ブロー成形ボトルである。
【0007】
次に、本発明の第3の発明は、多層構成樹脂層の最外層に、透明な熱可塑性樹脂からなる透明樹脂層を設け、この透明樹脂層の内側次層に、熱可塑性樹脂中に最大径が0.01〜1.0mmの薄い光沢片を分散させたラメ状加飾樹脂層を設けたことを特徴とするラメ状加飾多層ブロー成形ボトルである。
【0008】
次に、本発明の第4の発明は、多層構成樹脂層の最外層に、透明な熱可塑性樹脂からなる透明樹脂層を設け、この透明樹脂層の内側次層に、熱可塑性樹脂中に最大径が0.01〜1.0mmの薄い光沢片を分散させたラメ状加飾樹脂層を設け、このラメ状加飾樹脂層の内側次層に、熱可塑性樹脂中に着色顔料を分散させた明度10以下の着色樹脂層を設けたことを特徴とするラメ状加飾多層ブロー成形ボトルである。
【0009】
そして、本発明の第5の発明は、前記薄い光沢片が、金属コートされたガラスフレークであることを特徴とする第1乃至第4の発明に記載のラメ状加飾多層ブロー成形ボトルである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のラメ状加飾多層ブロー成形ボトルは、多層構成樹脂層の最外層又は透明な熱可
塑性樹脂からなる最外層の透明樹脂層の内側次層に、熱可塑性樹脂中に最大径が0.01〜1.0mmの薄い光沢片を分散させたラメ状加飾樹脂層が設けられているため、ラメ状加飾樹脂層に分散する薄い光沢片の作用効果によって、ボトルの外観がラメ状に加飾されて見え、商品価値が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明のラメ状加飾多層ブロー成形ボトルの実施の形態について、図を用いて詳細に説明する。
【0012】
まず、実施形態1のラメ状加飾多層ブロー成形ボトル(100)は、図1(a)に示すように、多層構成樹脂層の最外層に、熱可塑性樹脂中に最大径が0.01〜1.0mmの薄い光沢片(111)を分散させたのラメ状加飾樹脂層(110)を設けたものである。
【0013】
上述のラメ状加飾多層ブロー成形ボトルは、多層ブロー成形機により成形するものであり、ラメ状加飾樹脂層に用いる熱可塑性樹脂は、ブロー成形グレードの高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどの成形材料を、ボトルの使用目的に合わせて用いるものである。なお、成形材料は、透明着色したものでもよい。薄い光沢片は、チタン、銀などで金属コートされたガラスフレークなどの輝度の高いグリッターを使用するものである。
【0014】
次に、実施形態2のラメ状加飾多層ブロー成形ボトル(100)は、図1(b)に示すように、多層構成樹脂層の最外層に、熱可塑性樹脂中に最大径が0.01〜1.0mmの薄い光沢片(111)を分散させたラメ状加飾樹脂層(110)を設け、このラメ状加飾樹脂層(110)の内側次層に、熱可塑性樹脂中に着色顔料を分散させた明度10以下の着色樹脂層(120)を設けるものである。
【0015】
上述のラメ状加飾多層ブロー成形ボトルは、実施形態1と同様に、多層ブロー成形機により成形するものであり、ラメ状加飾樹脂層に用いる熱可塑性樹脂は、ブロー成形グレードの高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどの成形材料を用い、薄い光沢片は、チタン、銀などで金属コートされたガラスフレークなどの輝度の高いグリッターを使用するものである。なお、成形材料は、透明着色したものでもよい。そして、着色樹脂層に用いる熱可塑性樹脂は、ブロー成形グレードの高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどの成形材料を用い、着色顔料としては、カーボンなどの黒色顔料を用いるとラメ状加飾樹脂層の加飾効果がより良好となる。
【0016】
次に、実施形態3のラメ状加飾多層ブロー成形ボトル(100)は、図1(c)に示すように、多層構成樹脂層の最外層に、透明な熱可塑性樹脂からなる透明樹脂層(130)を設け、この透明樹脂層(130)の内側次層に、熱可塑性樹脂中に最大径が0.01〜1.0mmの薄い光沢片を分散させたラメ状加飾樹脂層(110)を設けるものである。
【0017】
透明樹脂層及びラメ状加飾樹脂層に用いる熱可塑性樹脂は、ブロー成形グレードの高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどの成形材料を用いるものである。なお、ラメ状加飾樹脂層の成形材料は、透明着色したものでもよい。薄い光沢片は、チタン、銀などで金属コートされたガラスフレークなどの輝度の高いグリッターを使用するものである。
【0018】
次に、実施形態4のラメ状加飾多層ブロー成形ボトル(100)は、図1(d)に示すように、多層構成樹脂層の最外層に、透明な熱可塑性樹脂からなる透明樹脂層(130)を設け、この透明樹脂層(130)の内側次層に、熱可塑性樹脂中に最大径が0.01〜
1.0mmの薄い光沢片(111)を分散させたラメ状加飾樹脂層(110)を設け、このラメ状加飾樹脂層(110)の内側次層に、熱可塑性樹脂中に着色顔料を分散させた明度10以下の着色樹脂層(120)を設けるものである。
【0019】
透明樹脂層、ラメ状加飾樹脂層及び着色樹脂層に用いる熱可塑性樹脂は、ブロー成形グレードの高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどの成形材料を用いるものである。なお、ラメ状加飾樹脂層の成形材料は、透明着色したものでもよい。薄い光沢片は、チタン、銀などで金属コートされたガラスフレークなどの輝度の高いグリッターを使用するものである。着色顔料としては、カーボンなどの黒色顔料を用いるとラメ状加飾樹脂層の加飾効果がより良好となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)は、実施形態1のラメ状加飾多層ブロー成形ボトルで、多層構成樹脂層の最外層に、ラメ状加飾樹脂層を設けたことを示す説明図である。
【0021】
(b)は、実施形態2のラメ状加飾多層ブロー成形ボトルで、多層構成樹脂層の最外層に、ラメ状加飾樹脂層を設け、この内側次層に、着色樹脂層を設けたことを示す説明図である。
【0022】
(c)は、実施形態3のラメ状加飾多層ブロー成形ボトルで、多層構成樹脂層の最外層に、透明樹脂層を設け、この内側次層に、ラメ状加飾樹脂層を設けことを示す説明図である。
【0023】
(d)は、実施形態4のラメ状加飾多層ブロー成形ボトルで、多層構成樹脂層の最外層に、透明樹脂層を設け、この内側次層に、ラメ状加飾樹脂層を設け、この内側次層に、着色樹脂層を設けたことを示す説明図である。
【符号の説明】
【0024】
100……ラメ状加飾多層ブロー成形ボトル
110……ラメ状加飾樹脂層
111……薄い光沢片
120……着色樹脂層
130……透明樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層構成樹脂層の最外層に、熱可塑性樹脂中に最大径が0.01〜1.0mmの薄い光沢片を分散させたのラメ状加飾樹脂層を設けたことを特徴とするラメ状加飾多層ブロー成形ボトル。
【請求項2】
多層構成樹脂層の最外層に、熱可塑性樹脂中に最大径が0.01〜1.0mmの薄い光沢片を分散させたラメ状加飾樹脂層を設け、該ラメ状加飾樹脂層の内側次層に、熱可塑性樹脂中に着色顔料を分散させた明度10以下の着色樹脂層を設けたことを特徴とするラメ状加飾多層ブロー成形ボトル。
【請求項3】
多層構成樹脂層の最外層に、透明な熱可塑性樹脂からなる透明樹脂層を設け、該透明樹脂層の内側次層に、熱可塑性樹脂中に最大径が0.01〜1.0mmの薄い光沢片を分散させたラメ状加飾樹脂層を設けたことを特徴とするラメ状加飾多層ブロー成形ボトル。
【請求項4】
多層構成樹脂層の最外層に、透明な熱可塑性樹脂からなる透明樹脂層を設け、該透明樹脂層の内側次層に、熱可塑性樹脂中に最大径が0.01〜1.0mmの薄い光沢片を分散させたラメ状加飾樹脂層を設け、該ラメ状加飾樹脂層の内側次層に、熱可塑性樹脂中に着色顔料を分散させた明度10以下の着色樹脂層を設けたことを特徴とするラメ状加飾多層ブロー成形ボトル。
【請求項5】
前記薄い光沢片が、金属コートされたガラスフレークであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のラメ状加飾多層ブロー成形ボトル。

【図1】
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【公開番号】特開2009−62059(P2009−62059A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−229928(P2007−229928)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】