説明

リアモアユニットのバケット支持機構

【課題】リアモアユニットを車体の腹部に格納装着した状態のままで、リアモアバケットを、車体の側方から簡単に脱着可能とする為の構成を提供する。
【解決手段】車体の腹部に配置するリアモアユニット1Cの前部に脱着自在とするリアモアバケット105の支持機構において、前記リアモアユニット1Cの側の取出側と逆の側の端部から、該リアモアユニット1Cの左右の略中央位置近くまで、斜め前方方向に牽引杆89に沿って、バケット挿入案内杆87を突出し、前記リアモアバケット105の取出側と逆の側の端部に係止金具120を設け、該係止金具120を前記バケット挿入案内杆87に引っ掛けて係止可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアモアユニットを車体の腹部に装着した乗用リールモアの、リアモアユニットの前部に装着するリアモアバケットを、車体の腹部から容易に脱着可能とする機構に関する。
【背景技術】
【0002】
前部に、複数のフロントモアユニットを配置し、後部である車体の腹部に、該複数のフロントモアユニットが刈り残した芝生を刈取る為に、リアモアユニットを配置した場合において、該リアモアユニットの前部に付設したリアモアバケットの中に、刈り芝が満杯となった場合に、この刈り芝を排出する為に、リアモアバケットをリアモアユニットから頻繁に取り外す必要がある。
この場合において、該リアモアバケットをリアモアユニットに対して、締結具により固定している場合には、簡単にリアモアバケットを外すことが不可能となるのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−235320号公報
【特許文献2】特開2000−245224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明においては、該リアモアユニットを車体の腹部に格納装着した状態のままで、リアモアバケットを、車体の側方から簡単に脱着可能とする為の構成を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題を解決するために、本発明は、以下の手段をとる。
【0006】
請求項1においては、車体の腹部に配置するリアモアユニット(1C)の前部に脱着自在とするリアモアバケット(105)の支持機構において、前記リアモアユニット(1C)の側の取出側と逆の側の端部から、該リアモアユニット(1C)の左右の略中央位置近くまで、斜め前方方向に牽引杆(89)に沿って、バケット挿入案内杆(87)を突出し、前記リアモアバケット(105)の取出側と逆の側の端部に係止金具(120)を設け、該係止金具(120)を前記バケット挿入案内杆(87)に引っ掛けて係止可能としたものである。
【0007】
請求項2においては、請求項1記載のリアモアユニットのバケット支持機構において、前記リアモアバケット(105)の取出側の端部に取出側係止体(119)を設け、該取出側係止体(119)を前記リアモアユニット(1C)の側に設けた係止機構(88)と係合して、吊り下げ状態で支持すべく構成したものである。
【0008】
請求項3においては、請求項1記載のリアモアユニットのバケット支持機構において、前記バケット挿入案内杆(87)は、前記リアモアユニット(1C)の水平回動枢支ピン(91)よりも前方へ傾斜して配置したものである。
【0009】
請求項4においては、請求項1記載のリアモアユニットのバケット支持機構において、前記リアモアバケット(105)は、上部の前記係止金具(120)と前記取出側係止体(119)により、前記リアモアユニット(1C)の前部に係止し、該リアモアバケット(105)の下部は、前記リアモアユニット(1C)の前部に接当させることにより、係止固定可能としたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0011】
請求項1に記載の如く、車体の腹部に配置するリアモアユニット(1C)の前部に脱着自在とするリアモアバケット(105)の支持機構において、該リアモアユニット(1C)の側の取出側と逆の側の端部から、斜め前方方向に牽引杆(89)に沿って、バケット挿入案内杆(87)を突出し、該バケット挿入案内杆(87)は、該リアモアユニット(1C)の左右の略中央位置近くまで突出し、該リアモアバケット(105)の取出側と逆の側の端部には、係止金具(120)を設け、該係止金具(120)を、前記バケット挿入案内杆(87)に引っ掛けて係止可能としたので、該リアモアユニット(1C)を車体の側方に取り出してから、リアモアバケット(105)を外すという面倒な手順をとる必要がなく、まず係止機構(88)は取出側係止体(119)の係止をレバーにより外し、次に、リアモアバケット(105)を、係止金具(120)とバケット挿入案内杆(87)との間で摺動させながら、引っ張り出すことが出来るので、該リアモアユニット(1C)位置はそのままで、リアモアバケット(105)のみを取り出すことが容易に出来るようになったのである。
【0012】
請求項2に記載の如く、請求項1記載のリアモアユニットのバケット支持機構において、前記リアモアバケット(105)の取出側の端部には、取出側係止体(119)を設け、リアモアバケット(105)の側に設けた係止機構(88)と係合して、吊り下げ状態で支持すべく構成したので、ボルトやナットにより、リアモアバケット(105)を、リアモアユニット(1C)に固定する必要がなく、吊り下げ部を外すという簡単な操作で、車体の側方の開口から、リアモアバケット(105)を取り出すことが可能となったのである。
【0013】
請求項3に記載の如く、請求項1記載のリアモアユニットのバケット支持機構において、前記バケット挿入案内杆(87)は、該リアモアユニット(1C)の水平回動枢支ピン(91)よりも、前方へ傾斜して配置したので、バケット挿入案内杆(87)が、リアモアユニット(1C)の水平回動枢支ピン(91)と、干渉することが無くなったのである。
また、係止金具(120)をバケット挿入案内杆(87)に係合する場合においても、水平回動枢支ピン(91)が干渉しないように構成することが出来たものである。又、リアモアバケット(105)を装着するときに、水平回動枢支ピン(91)の前方にバケット挿入案内杆(87)が見えるので、リアモアバケット(105)の係止金具(120)をバケット挿入案内杆(87)に容易に係合させることが出来る。
【0014】
請求項4に記載の如く、請求項1記載のリアモアユニットのバケット支持機構において、前記リアモアバケット(105)は、上部の係止金具(120)と取出側係止体(119)により、リアモアバケット(105)の前部に係止し、該リアモアバケット(105)の下部は、リアモアユニット(1C)の前部に接当させることにより、係止固定可能としたので、リアモアバケット(105)は刈り芝が投入されると、刈り芝の重みが発生して、リアモアバケット(105)の下部と、リアモアユニット(1C)の下部との接当状態が強くなり、両者の間で振動を発生することなく、車体の振動により、リアモアバケット(105)がリアモアユニット(1C)から外れることも無く、脱着が容易でありながら、確実に支持されるのである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の乗用リールモアの進行方向左側の前方からの全体斜視図。
【図2】本発明の乗用リールモアの進行方向左側の後方からの全体斜視図。
【図3】本発明の乗用リールモアの全体平面図。
【図4】本発明のリアモアユニット(1C)の支持機構を示す平面図。
【図5】同じくリアモアユニット(1C)の支持機構を示す後面図。
【図6】同じくリアモアユニット(1C)の支持機構を示す側面図。
【図7】格納操作ハンドル(79)と車体の関係位置を示す斜視図。
【図8】格納操作ハンドル(79)とロック解除レバー(78)を示す斜視図。
【図9】リアモアユニット(1C)を車体の腹部の格納状態から取り出した状態の平面斜視図。
【図10】リアモアユニット(1C)を回動して取り出した状態でそれ以上の回動を阻止する回動停止アーム(82)の係止状態の平面斜視図。
【図11】リアモアユニット(1C)を吊り上げた状態で左右への揺動を阻止する上下揺動ストッパー(100)の斜視図。
【図12】本発明の要部を構成する取出回動支持軸(85)の部分の前面図。
【図13】同じく取出回動支持軸(85)の部分の平面図。
【図14】同じく取出回動支持軸(85)の部分の前面断面図。
【図15】同じく取出回動支持軸(85)と角度調整板(84)とリアモアユニット支持アーム(80)と鉛直支持筒(83)の部品の斜視図。
【図16】リアモアユニット(1C)の前部に刈り芝を収納するリアモアバケット(105)を付設する機構の平面図。
【図17】リアモアバケット(105)の斜視図。
【図18】リアモアバケット(105)の他側からの斜視図。
【図19】リアモアユニット(1C)に対して、リアモアバケット(105)を装着する状態の斜視図。
【図20】リアモアユニット(1C)に対してリアモアバケット(105)を装着した後の状態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の乗用リールモアの進行方向左側の前方からの全体斜視図であり、図2は、本発明の乗用リールモアの進行方向左側の後方からの全体斜視図であり、図3は、本発明の乗用リールモアの全体平面図である。
【0018】
図1と図2と図3において、乗用リールモアは、左右の前輪(11L・11R)と、操向輪である1輪の後輪(15)により機体フレーム(6)を支持し、該機体フレーム(6)上にエンジンを搭載し、該エンジンをボンネット(14)で被覆している。
該ボンネット(14)の前方に、オペレータが座る座席シート(13)を配置し、該座席シート(13)の前部にフロントコラム(17)をステップ(18)から立設し、該フロントコラム(17)より上方へ、ステアリングハンドル(12)を突設している。
【0019】
該フロントコラム(17)の左側のステップ(18)の上に、ブレーキペダル(20)を配置し、該フロントコラム(17)の右側のステップ(18)上に、前進走行変速ペダル(21)と、後進走行変速ペダル(22)を配置している。
また、座席シート(13)の左側の機体フレーム(6)上に、バッテリー(16)を搭載し、座席シート(13)の右側の機体フレーム(6)の上に、燃料タンク(19)を搭載している。
【0020】
以上のように構成した乗用リールモアの車体に対して、機体の前部に、右フロントモアユニット(1R)と左フロントモアユニット(1L)を、左右に並べて配置し、車体の中央の下方に、前記右フロントモアユニット(1R)と左フロントモアユニット(1L)の間の部分の刈り残しを、刈り取る為のリアモアユニット(1C)を配置している。
該左フロントモアユニット(1L)と右フロントモアユニット(1R)は、左リフトアーム(9L)と右リフトアーム(9R)により吊り下げ支持しており、昇降操作可能としている。
該左フロントモアユニット(1L)と右フロントモアユニット(1R)の、上方への回動時に、揺動するのを阻止する為の揺動ストッパ(5L・5R)が、機体フレーム(6)から突設され、フロントモアユニット(1L・1R)が上昇した状態で接当し、揺動を固定するように構成している。
【0021】
該左リフトアーム(9L)と右リフトアーム(9R)の先端に、左右のスイングアーム(7L・7R)が水平方向の軸心回りで回動可能に枢支されており、左フロントモアユニット(1L)と右フロントモアユニット(1R)を支持している。
また、リアモアユニット(1C)は、車体の中央下方の位置から、車体の側方へ水平回動して取り出し、メンテナンスを可能としている。
左フロントモアユニット(1L)には、モア駆動モータ(23L)が外側の側面に付設されており、また、前方へはバケット(24L)が脱着可能に付設されている。
【0022】
図4は、本発明のリアモアユニット(1C)の支持機構を示す平面図、図5は、同じくリアモアユニット(1C)の支持機構を示す後面図、図6は、同じくリアモアユニット(1C)の支持機構を示す側面図である。
【0023】
本発明のリアモアユニット(1C)は、その構造を詳細に図示していないが、前ローラとサッチングローラと、リール回転刃と、受刃と、後ローラ等により構成されている。
該前ローラと後ローラにより前後を支持した状態で、その間に配置した平行状態のリール回転刃を、油圧式のリール回転刃により駆動して、受刃との間で芝生を切断する構成となっている。
【0024】
車体を構成する機体フレーム(6)の後部に、リアモアユニット(1C)を格納と取出状態に回動可能とする取出回動支持軸(85)による枢支部が構成されている。
該回動可能枢支部は、取出回動支持軸(85)とリアモアユニット支持アーム(80)の鉛直支持筒(83)と、該取出回動支持軸(85)に下方から嵌装する角度調整板(84)とから構成されている。
該取出回動支持軸(85)の角度の調整機構は、後述する。
【0025】
該取出回動支持軸(85)を挿入する機体フレーム(6)の嵌装孔(74)は、機体フレーム(6)の機体左右中心線(X)に対して、進行方向の左側に、ややずれた位置に配置されている。
そして、該取出回動支持軸(85)により鉛直支持筒(83)を枢支し、該鉛直支持筒(83)にリアモアユニット支持アーム(80)が固設されており、該リアモアユニット支持アーム(80)の先端にリアモアユニット(1C)が、吊り下げ支持されている。
【0026】
該リアモアユニット支持アーム(80)は、図4に示す如く、平面視において、機体フレーム(6)の前後方向の部分の下方まで、左方向に突出された後に、該機体フレーム(6)の前後方向の部材の下方を、前方に突設されている。
図5の前面視と、図6の側面視において図示する如く、機体フレーム(6)の後隅部が角を取ったように後退した構成とされており、該リアモアユニット支持アーム(80)は該部分を左方向に出た後に、前後方向の機体フレーム(6)の下方に曲がり落ちて、前方方向の機体フレーム(6)の下方にまで延出されている。該前方へ曲がり落ちて水平方向に延出された前端に、平行支持フレーム(106・106)に嵌入して固定されているのである。
【0027】
該平行支持フレーム(106・106)は、頑丈に構成されており、該平行支持フレーム(106・106)の間に、上下位置係止杆(103)が前後方向に架設されている。該上下位置係止杆(103)は、リアモアユニット(1C)を作業位置に格納した状態で、リアモアユニット支持アーム(80)のみによる上下支持状態では、リアモアユニット支持アーム(80)のストロークが大きくなり、揺動を回避した固定状態が得られないので、機体フレーム(6)の下面に、図9の如く突設した上下位置係止凹部体(108)の凹部(104)に嵌入して、上下位置を維持すべく構成している。
【0028】
図5の前面図において図示する如く、上下位置係止凹部体108の該凹部(104)は、上下位置係止杆(103)が側方から嵌入される際のガイド溝となるように、入口側が広く、作業姿勢とした格納位置の最深位置で狭くなり、上下の揺動幅が狭くなるように、段々狭まる凹部(104)に構成している。
【0029】
該リアモアユニット(1C)が作業姿勢である格納位置へ、車体の腹部に回動された姿勢でロックするロック機構が構成されている。該ロック機構は、ロック解除レバー(78)により解除可能である。該格納姿勢にする場合には、前記した凹部(104)に上下位置係止杆(103)が完全に嵌装された位置で、自動的にロック状態となるように、ロック鉤板(110)と、ロック係止杆(102)が設けられている。
該ロック係止杆(102)は、前記機体フレーム(6)の側に付設されて突出されている。また、該ロック鉤板(110)は、平行支持フレーム(106・106)の上面に固設したロック鉤板(110)の支持板(109)上に枢支されている。
【0030】
前記支持板(109)の上に、枢支したロック鉤板(110)には、格納操作ハンドル(79)の部分に設けたロック解除レバー(78)からの操作ワイヤー(111)が連結されており、ロック解除レバー(78)を握ることにより、ロック鉤板(110)がロック係止杆(102)から外れて、リアモアユニット(1C)を側方のメンテナンス位置に取出回動可能に構成している。
該ロック鉤板(110)は、常時は、付勢バネによりロック係止杆(102)を係止する側に押圧されており、作業格納姿勢にリアモアユニット(1C)を回動して行くと、上下位置係止杆(103)が凹部(104)に嵌入すると同時に、自動的にロック鉤板(110)がロック係止杆(102)に係合して、該格納状態をロックするように構成している。
【0031】
図6に示す如く、該平行支持フレーム(106・106)から、前方向へ、格納操作ハンドル(79)の基部が突設されている。該格納操作ハンドル(79)は最初は、平行支持フレーム(106・106)から前方に突設され、途中から上方へ延設されて、上端部にロック解除レバー(78)が併設されている。該格納操作ハンドル(79)と並行して、操作ワイヤー(111)が延設されている。
該平行支持フレーム(106・106)から下方へ、リアモアユニット(1C)の上面に接当して、該リアモアユニット(1C)の振動を阻止する振動阻止弾性体(114)を支持する振動体支持アーム(113)が突設されている。
【0032】
また、図6に示す如く、平行支持フレーム(106・106)から前方へ、リアモアユニット(1C)の上下回動枢支軸(107)が突設されている。該上下回動枢支軸(107)に、リフトアーム(93)の基部が外嵌枢支されている。該リフトアーム(93)に延設して、昇降補助付勢バネ(99)が介装されている。
また、該リフトアーム(93)の昇降補助付勢バネ(99)とは反対の後面側に、昇降油圧シリンダ(98)が配置されている。
【0033】
該昇降油圧シリンダ(98)のピストンの先端に、摺動ガイド(94)が連結されており、該摺動ガイド(94)はU字杆により構成されて溝部を構成し、該溝部の内部にガイドピン(115)が嵌装されている。該ガイドピン(115)は、リフトアーム(93)から突設されており、刈取り作業の為にリアモアユニット(1C)が芝生面に接地している状態で、リアモアユニット(1C)が上下揺動して、自由に芝生に追随する為のフローティングを可能としている。即ち、昇降油圧シリンダ(98)が伸長している状態でも、該摺動ガイド(94)の溝の内部でガイドピン(115)が自由に移動可能とすることにより、リアモアユニット(1C)のフローティングが可能となっているのである。
【0034】
該摺動ガイド(94)の先端に連結リンク(95)が連結されており、該連結リンク(95)にチエーン昇降アーム(112)が連結されている。該チエーン昇降アーム(112)は、リフトアーム(93)から前後方向に突設した枢支軸(96)に遊嵌枢支されている。また、該チエーン昇降アーム(112)に、前後揺動阻止チエーン(97)が連結されている。該前後揺動阻止チエーン(97)により、リアモアユニット(1C)の後部を吊り下げ支持することにより、昇降油圧シリンダ(98)が縮小して、リアモアユニット(1C)を上昇した場合に、リアモアユニット(1C)の後部が垂れ下がり、リフトストロークを低くするのを阻止しているのである。
【0035】
前記リフトアーム(93)の先端が、車体の左右の中央位置にまで延出した位置に、左右回動枢支筒(92)が固設されており、該左右回動枢支筒(92)の内部に左右回動軸(90)が内嵌枢支されている。該左右回動枢支筒(92)と左右回動軸(90)の間に左右端上下回動ストッパー(116)が構成されている。また、該左右回動軸(90)の先端に水平回動枢支ピン(91)が立設されており、リアモアユニット(1C)の牽引杆(89)の前端部分を左右回動自在に枢支している。
【0036】
そして、該牽引杆(89)の奥側の位置から、該リアモアバケット(105)を脱着する際に容易にする為のバケット挿入案内杆(87)が突設されている。また、牽引杆(89)の左側の端部には、リアモアバケット(105)の他端を係止する係止機構(88)が設けられている。 また、図5に示す如く、リアモアユニット(1C)を上昇させた状態で移動走行する際に、リアモアユニット(1C)の上下への振動を回避する為の上下揺動ストッパー(100)が下方に向けて突設されている。該上下揺動ストッパー(100)は、機体フレーム(6)の下面からストッパー支持杆(101)により突設支持されている。該上下揺動ストッパー(100)の構成は図11において図示されており、ストッパー支持杆(101)と上下揺動ストッパー(100)との間で、長孔とボルトにより高さ調整を自在としている。
【0037】
図7は、格納操作ハンドル(79)と車体の関係位置を示す斜視図、図8は、格納操作ハンドル(79)とロック解除レバー(78)を示す斜視図、図9は、リアモアユニット(1C)を車体の腹部の格納状態から取り出した状態の平面斜視図、図10は、リアモアユニット(1C)を回動して取り出した状態でそれ以上の回動を阻止する回動停止アーム(82)の係止状態の平面斜視図、図11は、リアモアユニット(1C)を吊り上げた状態で左右への揺動を阻止する上下揺動ストッパー(100)の斜視図である。
【0038】
図4と図10に図示する如く、機体フレーム(6)の下面と、リアモアユニット(1C)の後面との間に、リアモアユニット(1C)の解除と固定との状態を維持する為に、回動停止アーム(81・82)が介装されている。該回動停止アーム(81)の方は、機体フレーム(6)の下面に枢支されており、他の回動停止アーム(82)は、リアモアユニット(1C)の側にブラケット(122)の部分に枢支されている。該ブラケット(122)に係止突起(121)が突設されており、該係止突起(121)に、回動停止アーム(82)の端部が接当することにより、リアモアユニット(1C)が解除状態に外側に回動された場合に、それ以上の外側への回動を阻止すべく構成している。
【0039】
ロック解除レバー(78)と連動した操作ワイヤー(111)とロック鉤板(110)と支持板(109)の構成は、図9の斜視図において、図示されている。また、ロック係止杆(102)と上下位置係止凹部体(108)についても、図9の斜視図において図示している。
【0040】
図12は、取出回動支持軸(85)の部分の前面図、図13は、同じく取出回動支持軸(85)の部分の平面図、図14は、同じく取出回動支持軸(85)の部分の前面断面図、図15は、同じく取出回動支持軸(85)と角度調整板(84)とリアモアユニット支持アーム(80)と鉛直支持筒(83)の部分の部品斜視図である。
【0041】
前記リアモアユニット支持アーム(80)の後端に鉛直支持筒(83)が固設されており、該鉛直支持筒(83)の内部に上方から、取出回動支持軸(85)を挿入して、機体フレーム(6)にリアモアユニット支持アーム(80)を枢支すべく構成している。
該取出回動支持軸(85)が、角度が出し難く、また、リアモアユニット(1C)の重みにより、リアモアユニット(1C)の部分がたれて、取出回動支持軸(85)から最も遠い部分か、地面と接触する方向に垂れてしまうのである。
【0042】
このような、リアモアユニット(1C)の他端が下がる状態を回避する為に、取出回動支持軸(85)の姿勢を調整可能とする機構を、角度調整板(84)に設けている。
取出回動支持軸(85)は、上方から挿入して、固定するように図14と図15に示すように、上端に係止アーム(86)が水平方向に突設されており、挿入した状態で、ボルト孔にボルトを螺装して、機体フレーム(6)の上面に固定すべく構成している。
【0043】
該取出回動支持軸(85)を挿入する機体フレーム(6)の上下板(117・118)には、上板(117)の挿入孔(74b)と、下板(118)の挿入孔(74a)が穿設されている。そして、上板(117)の挿入孔(74b)と、下板(118)の挿入孔(74a)の間に、鉛直支持筒(83)を嵌入させて、取出回動支持軸(85)を挿入する構成としている。そして、下板(118)の下側に、角度調整板(84)を当てて、該角度調整板(84)を、下板(118)の上からボルトをボルト孔(84a)に挿入することにより、角度調整板(84)を固定すべく構成している。
【0044】
該構成において、上板(117)の挿入孔(74b)は、取出回動支持軸(85)の径に近い小径(b)に構成し、下板(118)の挿入孔(74a)は、角度を調整可能な、大径(a)の孔に構成したものである。
即ち、上板(117)の上方から鉛直支持筒(83)を貫通した状態に、取出回動支持軸(85)を挿入し、該取出回動支持軸(85)の下端に、下板(118)の下面から嵌装する角度調整板(84)は、左右に移動して、角度を調整可能としているのである。
その為に、角度調整板(84)のボルト孔(84a)、又は、下板(118)のボンネット孔を、長孔に構成して、角度調整板(84)の固定位置を調整可能としたものである。
【0045】
図16は、本発明の要部を構成するリアモアユニット(1C)の前部に刈り芝を収納するリアモアバケット(105)を付設する機構の平面図、図17は、リアモアバケット(105)の斜視図、図18は、リアモアバケット(105)の他側からの斜視図、図19は、リアモアユニット(1C)に対して、リアモアバケット(105)を装着する状態の斜視図、図20は、リアモアユニット(1C)に対してリアモアバケット(105)を装着した後の状態の斜視図である。
【0046】
図19においては、リアモアユニット(1C)を車体の腹部から、回動して取り出した状態で、リアモアバケット(105)を脱着交換する状態が図示されているが、このように、リアモアユニット(1C)を取り出してから、リアモアバケット(105)を脱着するのは稀である。
通常は、リアモアユニット(1C)を、車体の腹部に刈取り作業を続行する状態で、格納固定したままで、リアモアバケット(105)を取り外し、内部の刈り芝を排出し、再度、リアモアバケット(105)をリアモアユニット(1C)に装着するというのが、通常の作業体系である。
【0047】
このような、リアモアユニット(1C)を車体の腹部に格納固定したままで、リアモアバケット(105)を脱着する場合に、オペレータが、車体の下に潜って、スパナを使って、リアモアバケット(105)を脱着するという作業は至難の技である。
本発明においては、リアモアバケット(105)を車体の側方から、摺動させながら、取出しと取付けを可能とするものである。
その為に、ボルトや定着具により固定が必要の無いように、リアモアユニット(1C)の牽引杆(89)の部分よりバケット挿入案内杆(87)を突設しているのである。
【0048】
該バケット挿入案内杆(87)は、牽引杆(89)の、取出方向とは逆の奥側の牽引杆(89)に固設されており、リアモアバケット(105)を挿入する際において、水平回動枢支ピン(91)が干渉して、邪魔となるのを回避する為に、水平回動枢支ピン(91)に近い方を前方へ傾斜した構成としているのである。
このように、取出側が前となるように傾斜したことにより、取出側の側方からリアモアバケット(105)を挿入する際に、バケット挿入案内杆(87)にリアモアバケット(105)側の係止金具(120)の係止を容易としているのである。
【0049】
該リアモアバケット(105)の側の係止金具(120)は、逆Uの字型に構成されており、該バケット挿入案内杆(87)に引っ掛けた状態で、取出側の側方開口から、摺動状態で挿入が可能としているのである。
そして、リアモアバケット(105)の取出側には、取出側係止体(119)が突設されており、リアモアユニット(1C)側の係止機構(88)にワンタッチで係止固定可能に構成しているのである。
該係止機構(88)と取出側係止体(119)との脱着形式は、レバーやアームを回動することにより、簡単にボルトやスパナが必要の無い状態で、脱着が可能な構成としている。
【0050】
該リアモアバケット(105)は、上部の係止金具(120)と取出側係止体(119)の部分を、リアモアユニット(1C)に係合することにより、下部が、リアモアユニット(1C)の前ローラ(34L・34R)より上方の前部に接当して、位置が固定されるように構成しているのである。
このようにして、リアモアユニットのバケット支持機構を簡潔に構成し、取出と再度取付けの作業が簡単に構成されている。
【符号の説明】
【0051】
1C リアモアユニット
78 ロック解除レバー
79 格納操作ハンドル
80 リアモアユニット支持アーム
83 鉛直支持筒
84 角度調整板
84a ボルト孔
85 取出回動支持軸
86 係止アーム
87 バケット挿入案内杆
88 係止機構
89 牽引杆
90 左右回動軸
91 水平回動枢支ピン
92 左右回動枢支筒
93 リフトアーム
94 摺動ガイド
95 連結リンク
96 枢支軸
97 前後揺動阻止チエーン
98 昇降油圧シリンダ
100 揺動阻止ストッパー
101 ストッパー支持杆
102 ロック係止杆
103 上下位置係止杆
104 凹部
105 リアモアバケット
106 平行支持フレーム
107 上下回動枢支軸
108 上下位置係止凹部体
109 支持板
110 ロック鉤板
111 操作ワイヤー
112 チエーン昇降アーム
113 振動体支持アーム
114 振動阻止弾性体
117 上板
118 下板
119 取出側係止体
120 係止金具
121 係止突起
120 ブラケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の腹部に配置するリアモアユニット(1C)の前部に脱着自在とするリアモアバケット(105)の支持機構において、
前記リアモアユニット(1C)の側の取出側と逆の側の端部から、該リアモアユニット(1C)の左右の略中央位置近くまで、斜め前方方向に牽引杆(89)に沿って、バケット挿入案内杆(87)を突出し、
前記リアモアバケット(105)の取出側と逆の側の端部に係止金具(120)を設け、
該係止金具(120)を前記バケット挿入案内杆(87)に引っ掛けて係止可能としたことを特徴とするリアモアユニットのバケット支持機構。
【請求項2】
請求項1記載のリアモアユニットのバケット支持機構において、
前記リアモアバケット(105)の取出側の端部に取出側係止体(119)を設け、
該取出側係止体(119)を前記リアモアユニット(1C)の側に設けた係止機構(88)と係合して、吊り下げ状態で支持すべく構成したことを特徴とするリアモアユニットのバケット支持機構。
【請求項3】
請求項1記載のリアモアユニットのバケット支持機構において、
前記バケット挿入案内杆(87)は、前記リアモアユニット(1C)の水平回動枢支ピン(91)よりも前方へ傾斜して配置したことを特徴とするリアモアユニットのバケット支持機構。
【請求項4】
請求項1記載のリアモアユニットのバケット支持機構において、
前記リアモアバケット(105)は、上部の前記係止金具(120)と前記取出側係止体(119)により、前記リアモアユニット(1C)の前部に係止し、該リアモアバケット(105)の下部は、前記リアモアユニット(1C)の前部に接当させることにより、係止固定可能としたことを特徴とするリアモアユニットのバケット支持機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−206029(P2011−206029A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−79903(P2010−79903)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000198330)株式会社IHIシバウラ (74)
【Fターム(参考)】