説明

リジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法

【課題】剥離部が残留せず高精細な配線パターンが形成されるリジッドフレキシブルプリント配線板を得る。
【解決手段】フレキ部とリジッド部との境界部分に重なる枠状の補強用金属パターンを形成した内層フレキシブル配線板に樹脂の薄剥離フィルムを重ね、該薄剥離フィルムの表面から前記枠状の補強用金属パターンに達する加工用レーザー光を照射することで前記枠状の補強用金属パターンに添った枠状の第1の溝を形成し、前記枠状の第1の溝の外側の前記薄剥離フィルムを剥離して除去した前記内層フレキシブル配線板の上にビルドアップ層を積層し、前記ビルドアップ層の表面から前記枠状の補強用金属パターンに達する加工用レーザー光を照射することで前記フレキ部と前記リジッド部との境界部分の前記枠状の補強用金属パターン上に第2の溝を形成し、前記第2の溝で囲まれる前記ビルドアップ層及び前記薄剥離フィルムを除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル配線板とリジッド配線板とからなるリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、折りたたみ式の携帯電話等の携帯用電子機器には、リジッドフレキシブルプリント配線板が使用されている。このようなプリント配線板として特許文献1や特許文献2の技術が知られている。特に、特許文献2では、柔軟性のない硬質のリジッド部を柔軟性のあるフレキ部を介して連結するとともに、リジッド部においては、フレキシブル配線板の配線パターンとリジッド配線板の配線パターンを、ビアフィルめっきによる金属柱を介して電気的に接続する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−141693号公報
【特許文献2】国際公開WO2008/050399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、硬化性樹脂にシリコン系離型剤、フッ素系離型剤などの離型剤の混入された樹脂組成物がコートされて仕上げられたもの、表面が離型性のある接着テープあるいは、プリプレグの樹脂成分と相溶しない樹脂成分が塗布されて形成された剥離部をリジッドフレキシブルプリント配線板上に有する。それにより、その剥離部の上に形成した樹脂層を剥離部から剥離することでフレキ部を形成するので、剥離部がフレキ部に残留する問題があった。すなわち、この剥離部がリジッドフレキシブルプリント配線板上に残留しているので、その剥離部の材料によるフレキ部の表面の絶縁性の低下やその他の基板の電気特性に好ましく無い影響を与える可能性が高い問題があった。
【0005】
一方、特許文献2のリジッドフレキシブルプリント配線板では、配線パターンを形成した多層フレキシブル配線板の両側に厚さが同じリジッド部のコア基板を並置し、そのコア基板と多層フレキシブル配線板の一部の両側に、樹脂フローがほとんど発生しないローフロー樹脂のシートの絶縁層を積層し、そのコア基板と多層フレキシブル配線板の全面に銅膜を形成した内層フレキシブル配線板を製造していた。そして、その内層フレキシブル配線板の両面に絶縁層と配線パターンとブラインドバイアホールからなるビルドアップ層を積層し、加工用レーザー光を、ビルドアップ層の表面から多層フレキシブル配線板の一部の両側の絶縁層の端部の位置の銅膜に達するまで照射して溝を形成した。そうして、その溝の位置からから多層フレキシブル配線板の両側のビルドアップ層を剥離することでフレキ部を形成したリジッドフレキシブルプリント配線板を製造していた。
【0006】
しかし、特許文献2の技術では、多層フレキシブル配線板の一部の両側に形成する絶縁層が、樹脂フローがほとんど発生しないローフロー樹脂のシートを、予め所望の部分を所望の形状が抜き取られた状態で使用するため、以下の問題が発生する。
【0007】
(問題点1)フレキシブル配線板が露出する所望の部分が凹んだ形状になるため、積層プレスにおける加熱加圧成型時に、圧力が均一にかかり、且つフレキシブル配線板が露出部にボンディング樹脂が流れ込まないように十分な追従性を有し、且つ離形成を有するクッション材を使用する必要がある。
【0008】
(問題点2)上記のクッション材を用いても、ギャップが150μm程度が限界であり、多層フレキシブル配線板の上に形成できるビルドアップ層は2層までのビルドアップが限界である問題があった。
【0009】
(問題点3)ビルド層の絶縁樹脂にローフロー樹脂のシートを使用するため、内層の配線パターン間への樹脂の追従性が悪く、積層ボイドが発生しやすい。また内層の配線パターンの凹凸が積層板表面に影響するため、ビルドアップ層に高精細なパターン(例えばL/S=75/75未満)の形成が困難である問題がある。
【0010】
(問題点4)また、形成した樹脂層の下に露出させる多層フレキシブル配線板の表面に配線パターンが形成できない。そのため、その多層フレキシブル配線板の上に形成したビルドアップ層から多層フレキシブル配線板の配線パターンに達するブラインドバイアホールの高さが高くなり、そのブラインドバイアホールを微細に形成することができず、配線パターンの高密度化のために障害となる問題があった。
【0011】
本発明の課題は、上記の問題を解決して、剥離部がリジッドフレキシブルプリント配線板上に残留せず、リジッドフレキシブルプリント配線板の電気特性が剥離部の材質に影響されないようにし、また、内層の凹凸が積層板表面に影響せず、ビルドアップ層に高精細なパターンを形成できるようにするリジッドフレキシブルプリント配線の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明は、硬質のリジッド部を柔軟性のあるフレキ部を介して連結したリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法であって、前記フレキ部とリジッド部との境界部分に重なる枠状の補強用金属パターンを形成した内層フレキシブル配線板に樹脂の薄剥離フィルムを重ね、該薄剥離フィルムの表面から前記枠状の補強用金属パターンに達する加工用レーザー光を照射することで前記枠状の補強用金属パターンに添った枠状の第1の溝を形成する工程と、前記枠状の第1の溝の外側の前記薄剥離フィルムを剥離して除去した前記内層フレキシブル配線板の上にビルドアップ層を積層する工程と、前記ビルドアップ層の表面から前記枠状の補強用金属パターンに達する加工用レーザー光を照射することで前記フレキ部と前記リジッド部との境界部分の前記枠状の補強用金属パターン上に第2の溝を形成する工程と、前記第2の溝で囲まれる前記ビルドアップ層及び前記薄剥離フィルムを除去するフレキ部露出工程を有することを特徴とするリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法である。
【0013】
また、本発明は、上記のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法であって、前記内層フレキシブル配線板を製造する工程において、前記内層フレキシブル配線板に位置合せマークのパターンを形成し、前記枠状の第1の溝を形成する工程と前記第2の溝を形成する工程において、前記位置合せマークに位置を合わせて前記枠状の第1の溝と前記第2の溝とを形成することを特徴とするリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法である。
【0014】
また、本発明は、上記のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法であって、前記第2の溝を形成する工程の後に、前記フレキ部露出工程以前に、個々のリジッドフレキシブルプリント配線板を切り出す外形加工を行う工程を有することを特徴とするリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法である。
【0015】
また、本発明は、上記のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法であって、前記第2の溝を形成する工程において、前記第2の溝を、枠状の補強用金属パターンのうち
、前記フレキ部と前記リジッド部との境界部分に重なる部分にのみ形成することを特徴とするリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、内層フレキシブル配線板30の面に、フレキ部102とリジッド部101との境界部分に重なる枠状の補強用金属パターン25が形成され、その内層フレキシブル配線板30に樹脂の薄剥離フィルム31重ね、その薄剥離フィルム31の表面からレーザー加工で、枠状の補強用金属パターン25に達して、その枠状の補強用金属パターン25に添った枠状の第1の溝32を形成する。そして、その枠状の第1の溝32の外側の薄剥離フィルム31を除去した内層フレキシブル配線板30の上にビルドアップ層を積層した後に、そのビルドアップ層の表面から枠状の補強用金属パターンに達する加工用レーザー光を照射することでフレキ部102とリジッド部101との境界部分に第2の溝27を形成する。そして、その第2の溝27で囲まれるビルドアップ層及び薄薄利フィルム31を除去してフレキ部102を露出させてリジッドフレキシブルプリント配線板10を製造する。
【0017】
この本発明のリジッドフレキシブルプリント配線板10の製造方法によると、フレキ部102の上に形成した、薄剥離フィルム31がフレキ部102から完全に除去されてフレキ部102上に残留しないので、フレキ部102の表面の電気特性が薄剥離フィルム31の材質に影響されない効果がある。
【0018】
また、本発明は、内層フレキシブル配線板30の表面の薄剥離フィルム31による凹凸が小さいので、完成品であるリジッドフレキシブルプリント配線板10の表面に及ぼす凹凸が無いため、リジッドフレキシブルプリント配線板10の表面に高精細な配線パターンを形成できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)本発明の第1の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板の平面図である。(b)は、図1(a)の側断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法を説明する断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法を説明する断面図である。
【図4】(g)本発明の第1の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法を説明する断面図である。(h)は、図4(g)の平面図である。
【図5】(i)本発明の第1の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法を説明する平面図である。(j)(k)は、図5(i)に関する製造工程順の断面図である。
【図6】(l)(m)は、本発明の第1の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法を説明する断面図である。(n)は、図6(m)の平面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法を説明する断面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法を説明する断面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法を説明する断面図である。
【図10】(v)本発明の第1の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法を説明する平面図である。(w)は、図10(v)の断面図である。
【図11】(x)本発明の第1の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法を説明する平面図である。(y)図11(x)の断面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法を説明する断面図である。
【図13】本発明の第2の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法を説明する断面図である。
【図14】(a)本発明の第2の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板の平面図である。(b)本発明の第2の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板の側断面図である。
【図15】本発明の第3の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法を説明する断面図である。
【図16】本発明の第3の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法を説明する断面図である。
【図17】本発明の第3の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1の実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1(a)に、本発明の第1の実施形態の、リジッド部101とフレキ部102を併せ持つ10層のリジッドフレキシブルプリント配線板10の平面図を示し、図1(b)に、その側面の断面図を示す。図2〜図11は、第1の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板10の製造方法を説明する側断面図及び平面図である。
【0021】
図1(b)に示すように、第1の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板10は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂などの有機樹脂からなる厚さが10μm以上で100μm以下で可撓性のあるフィルム状の支持フィルム1を中心に持つ。支持フィルム1の表裏面には銅箔2aをエッチングして配線パターン2が形成されている。
【0022】
図2(c)のように、配線パターン2が形成された可撓性のある絶縁樹脂から成る支持フィルム1の両面を、銅箔付きカバーレイフィルム20で覆う。銅箔付きカバーレイフィルム20は、片面に厚さ12μm程度の銅箔20aが張り合わされ、その銅箔20aの下層に厚さ8μm〜13μmのポリイミドフィルムなどの絶縁樹脂フィルム21を有する。その絶縁樹脂フィルム21の層に接着剤層22が20μm程度の厚さに形成されている。銅箔付きカバーレイフィルム20は、全体の厚さが40μm〜50μmのフィルムである。この銅箔付きカバーレイフィルム20を支持フィルム1の両面に接着して内層フレキシブル配線板30を形成する。
【0023】
この内層フレキシブル配線板30には、図3(e)のように、フレキシブル配線板1aの下面の金属柱中間ランド3に、内層フレキシブル配線板30の上側の面から、銅箔付きカバーレイフィルム20の層と支持フィルム1の層を貫通して金属柱中間ランド3に至る2階高バイアホール用穴3aを形成し、内層フレキシブル配線板30の下側の面から、銅箔付きカバーレイフィルム20の層を貫通して金属柱中間ランド3に至る金属柱バイアホール用穴23aが形成される。また、フレキシブル配線板1aの上面の金属柱中間ランド4に、内層フレキシブル配線板30の下側の面から、銅箔付きカバーレイフィルム20の層と支持フィルム1の層を貫通して金属柱中間ランド4に至る2階高バイアホール用穴4aを形成し、内層フレキシブル配線板30の上側の面から、銅箔付きカバーレイフィルム20の層を貫通して金属柱中間ランド4に至る金属柱バイアホール用穴23aが形成される。
【0024】
そして、図3(f)のように、その2階高バイアホール用穴3a、4aと、金属柱バイアホール用穴23aに電解銅めっきの層を埋め込んで、2階高バイアホール(スキップビア)3b、4bと、ブラインドバイアホール23を形成することで、内層フレキシブル配線板30の上面から下面まで、2階高バイアホール3b、金属柱中間ランド3、ブラインドバイアホール23を接続した第1の金属めっき柱を形成し、内層フレキシブル配線板30の下面から上面まで、2階高バイアホール4b、金属柱中間ランド4、ブラインドバイアホール23を接続した第2の金属めっき柱を形成する。
【0025】
そして、この内層フレキシブル配線板30の一部の、第1の金属めっき柱又は第2の金属めっき柱を含む領域の表側の面及び裏側の面にリジッド部101を積層し、リジッド部101以外の内層フレキシブル配線板30の部分をフレキ部102としたリジッドフレキシブルプリント配線板10を製造する。
【0026】
このリジッドフレキシブルプリント配線板10は、特に、内層フレキシブル配線板30に形成した2階高バイアホール3bを含む第1の金属めっき柱と、2階高バイアホール4bを含む第2の金属めっき柱が、その上層のビルドアップ層40d及び下層のビルドアップ層40dのブラインドバイアホール41に充填された柱状の金属めっきと連結することで、強固な多層金属めっき柱が形成されている。
【0027】
その多層金属めっき柱はリジッド部101に食い込んで強固に保持されるとともに、2階高バイアホール3bの上下に形成された金属柱用ランド3cと金属柱中間ランド3とが、内層フレキシブル配線板30の上層のカバーレイフィルム20の層と支持フィルム1の層とを上下から挟んで保持する。また、2階高バイアホール4bの上下に形成された金属柱中間ランド4と金属柱用ランド4cとが、内層フレキシブル配線板30の上層の支持フィルム1の層とカバーレイフィルム20の層とを上下から挟んで保持する。それにより、カバーレイフィルム20が支持フィルム1の樹脂層に強固に結合され、カバーレイフィルム20と支持フィルム1との接合の信頼性を向上させる効果がある。
【0028】
(製造方法)
以下で、図2から図11を参照して、本発明の実施形態の、10層のリジッドフレキシブルプリント配線板10の製造方法を説明する。
(内層フレキシブル配線板の製造方法)
先ず、リジッドフレキシブルプリント配線板10を構成する内層フレキシブル配線板30の製造方法を説明する。
【0029】
(工程1)
図2(a)のように、フレキ部102を形成する素材として、通常のフレキシブル配線板1aを準備する。そのフレキシブル配線板1aは、両面に銅箔2aを有し、銅箔2aを保持する支持フィルム1の基材がポリイミドなどの可撓性のある耐熱性樹脂から構成されるフレキシブル配線板1aである。ここで用いるフレキシブル配線板1aは、それを構成する銅箔2aと支持フィルム1の間には、屈曲性・折り曲げ性を高めるために、接着剤層は存在しない方が好ましいが、その間に接着剤層が存在するフレキシブル配線板1aを用いることも可能である。
【0030】
(工程2)
次に、図2(b)のように、フレキシブル配線板1aの銅箔2aをエッチングすることで、フレキシブル配線板1aの両面に配線パターン2を形成し、下面に金属柱中間ランド
3を形成し、上面に金属柱中間ランド4を形成し、また、後に形成するブラインドバイアホール24の位置にランド2bを形成する。
【0031】
(工程3)
図2(c)のように、銅箔20aとポリイミドフィルムなどの絶縁樹脂フィルム21と熱硬化性の接着剤層22とから成る銅箔付きカバーレイフィルム20を、フレキシブル配線板1aの両面に積層し、図3(d)のような内層フレキシブル配線板30を製造する。
【0032】
(工程4)
次に、その内層フレキシブル配線板30の銅箔付きカバーレイフィルム20の銅箔20aを、内層の金属柱中間ランド3と4の表側と裏側の部分と、ランド2bの外層側の部分をエッチングして除去して、下地の絶縁樹脂フィルム21を露出させる。
【0033】
(工程5)
そして、図3(e)のように、炭酸ガスレーザーやYAGレーザなどのレーザー穴あけ装置を用いて、工程4により基板の表裏に露出した下地の絶縁樹脂フィルム21の面に穴あけ加工用レ−ザー光を照射することで、2階高バイアホール用穴3aを形成し、金属柱バイアホール用穴23aを形成する。すなわち、穴あけ用レーザー光を内層フレキシブル配線板30の上側の面から照射することで、銅箔付きカバーレイフィルム20の層と支持フィルム1の層を貫通して金属柱中間ランド3に至る2階高バイアホール用穴3aを形成する。また、穴あけ用レーザー光を内層フレキシブル配線板30の下側の面から照射することで、銅箔付きカバーレイフィルム20の層を貫通して金属柱中間ランド3に至る金属柱バイアホール用穴23aを形成する。
【0034】
また、フレキシブル配線板1aの上面の金属柱中間ランド4に、内層フレキシブル配線板30の下側の面から、銅箔付きカバーレイフィルム20の層と支持フィルム1の層を貫通して金属柱中間ランド4に至る2階高バイアホール用穴4aを形成し、内層フレキシブル配線板30の上側の面から、銅箔付きカバーレイフィルム20の層を貫通して金属柱中間ランド4に至る金属柱バイアホール用穴23aを形成される。また、ランド2bの外層側の部分から、ランド2bに達するブラインドバイアホール用の穴24aを形成する。
【0035】
その金属柱バイアホール用穴23a及びブラインドバイアホール用の穴24aの形状は、穴あけ用レーザー光を入射する側の基板の表面の直径が50〜150μmの穴をあける。金属柱バイアホール用穴23aの、金属柱中間ランド3及び4の位置での直径は、基板の表面での直径より約30μm程度小さい直径50μmの円錐台状の金属柱バイアホール用穴23aを形成する。
【0036】
(工程6)
次に、その基板をデスミア液に浸漬することで、2階高バイアホール用穴3aと4a、金属柱バイアホール用穴23a、及び、ブラインドバイアホール用の穴24aのデスミア処理を行った上で、無電解銅めっき液に基板を浸漬することで、その2階高バイアホール用穴3aと4a、金属柱バイアホール用穴23a、及び、ブラインドバイアホール用の穴24aの壁面に無電解銅めっき皮膜を形成する。
【0037】
(工程7)
次に、図3(f)のように、その基板の下地の銅箔20aに電解銅めっき装置の陰極を接続して、基板を、平滑剤を添加した電解銅めっき浴に浸漬し、めっき浴をよく攪拌して、内層フレキシブル配線板30の両面における銅めっき浴の流動速度を速くして、基板の全面に電解銅めっきするパネルめっき処理を行う。
【0038】
それにより、平滑剤は、内層フレキシブル配線板30の両面への銅めっき層の成長を抑制する一方、2階高バイアホール用穴3aと4a、金属柱バイアホール用穴23a、及び、ブラインドバイアホール用の穴24aを埋める電解銅めっきの層の成長が抑制されない。そのため、2階高バイアホール用穴3aと4a、金属柱バイアホール用穴23a、及び、ブラインドバイアホール用の穴24aを電解銅めっきで充填した2階高バイアホール3bと4b、及び、ブラインドバイアホー23と24が形成される一方、内層フレキシブル配線板30の両面に形成される銅めっき層の厚さを、2階高バイアホール3bと4bの半径よりも薄く形成することができる。以上の処理により、内層フレキシブル配線板30の両面に、2階高バイアホール用穴3aと4aの半径の4割の厚さの約16μmの厚さの銅めっき層を形成する。
【0039】
それにより、図3(f)のように、その2階高バイアホール用穴3a、4aと、金属柱バイアホール用穴23aに電解銅めっきの層を埋め込んで、2階高バイアホール3b、4bと、ブラインドバイアホール23を形成することで、内層フレキシブル配線板30の上面から下面まで、2階高バイアホール3b、金属柱中間ランド3、ブラインドバイアホール23を接続した第1の金属めっき柱を形成し、内層フレキシブル配線板30の下面から上面まで、2階高バイアホール4b、金属柱中間ランド4、ブラインドバイアホール23を接続した第2の金属めっき柱を形成する。また、ブラインドバイアホール用の穴24aを銅めっきで充填してブラインドバイアホール24を形成する。
【0040】
(工程8)
次に、エッチングレジストパターンで基板の表面の銅めっき層を保護してエッチングして銅の金属導体パターンを形成した後にエッチングレジストを剥離して図4(g)の側断面図と図4(h)の平面図で示すような、表面に銅の金属導体パターンを形成した基板を製造する。
【0041】
すなわち、図4(g)の側断面図と図4(h)の平面図のように、
(1)リジッド部101に、内層フレキシブル配線板30の上面から下面まで、金属柱用ランド3c、2階高バイアホール3b、金属柱中間ランド3、ブラインドバイアホール23、ランド23bを接続した第1の金属めっき柱を形成する。
(2)更に、リジッド部101に、内層フレキシブル配線板30の下面から上面まで、金属柱用ランド4c、2階高バイアホール4b、金属柱中間ランド4、ブラインドバイアホール23、ランド23bを接続した第2の金属めっき柱を形成する。
(3)また、リジッド部101の絶縁樹脂フィルム21の表面に、ブラインドバイアホール24に接続するランド24bを形成する。
【0042】
(4)そして、リジッド部101とフレキ部102を合わせた全領域中の所定位置に、位置合せマーク26のパターンとその他の配線パターンを形成する。
(5)そして、特に、リジッド部101とフレキ部102の境界部分に重なる枠状の補強用金属パターン25を形成する。
【0043】
特に、枠状の補強用金属パターン25は、リジッド部101とフレキ部102の境界部分に重ねるように形成する。この枠状の補強用金属パターン25は、加工用レーザー光Lを照射して樹脂に第1の溝および第2の溝を形成する際に、加工用レーザー光Lをその位置より先には照射しないように光を反射させるストッパ層として用いる。
【0044】
工程8では、多層配線したフレキシブル配線板1a上に積層した薄いカバーレイフィルム20の層に埋め込んで形成したブラインドバイアホール23と24を、ビルドアップ層の配線をフレキシブル配線板1aの配線パターンに接続するブラインドバイアホールとして形成し、そのブラインドバイアホールの高さを低くしたので、そのブラインドバイアホ
ール23と24を、そのランド23bと24bの径を小さくして微細に形成できる。そのため、カバーレイの絶縁樹脂フィルム21上に配線パターンを高密度に形成できる効果がある。
【0045】
また、2階高バイアホール3bの上下に形成された金属柱用ランド3cと金属柱中間ランド3とが、内層フレキシブル配線板30の上層のカバーレイフィルム20の層と支持フィルム1の層とを上下から挟んで保持する。また、2階高バイアホール4bの上下に形成された金属柱中間ランド4と金属柱用ランド4cとが、内層フレキシブル配線板30の上層の支持フィルム1の層とカバーレイフィルム20の層とを上下から挟んで保持する。それにより、カバーレイフィルム20が支持フィルム1の樹脂層に強固に結合され、カバーレイフィルム20と支持フィルム1との接合の信頼性を向上させる効果がある。
【0046】
また、ブラインドバイアホール24に内層側で接続するランド2b、ブラインドバイアホール23に内層側で接続する金属柱中間ランド3又は4と、ブラインドバイアホール23と24に外層側で連結するランド23bと24bとが、上下から、その間の絶縁樹脂フィルム21と接着剤層22を挟み込んで保持し、絶縁樹脂フィルム21と接着剤層22とを直接に強固に保持することができる効果がある。
【0047】
特に、カバーレイの絶縁樹脂フィルム21に接する層の銅箔20aから金属柱用ランド3c、4c、ランド23b、24bを形成したので、ランド23b、24bの層とその内層の金属柱中間ランド3又は4又はランド2bの層との上下の間隔を小さくすることができる。それにより、それらの層のランドの間に挟み込む絶縁樹脂フィルム21と接着剤層22とを上下のランドで挟み込んで強く保持することができる効果がある。
【0048】
また、図4(g)の左右の個々のリジッド部101内に第1の金属めっき柱と第2の金属めっき柱とを混在させることが望ましい。そのように、第1の金属めっき柱と第2の金属めっき柱を1つのリジッド部内に混在させると、リジッド部に加わる機械的ストレスが上下のブラインドバイアホール23をつなぐ金属柱中間ランド3又は4に集中する際に、そのストレスが、フレキシブル配線板1aの下面の金属柱中間ランド3と、上面の金属柱中間ランド4とに、フレキシブル配線板1aの下面と上面に分散される。それにより、リジッド部に加わる機械的ストレスがフレキシブル配線板1aの下面と上面に分散され、リジッド部を機械的ストレスに対して強くできる効果があり、リジッドフレキシブルプリント配線板10の信頼性を高くできる効果がある。
【0049】
(工程9)
次に、図5(i)の平面図と図5(j)の側断面図のように、薄剥離フィルム31のシートを基板の全面に設置する。薄剥離フィルム31には、炭酸ガスレーザーやYAGレーザなどの加工用レーザー光Lを照射することで枠状の第1の溝32が形成され、かつ、フレキ部102のカバーレイフィルム20の表面から剥離し易い樹脂である、フッ素系樹脂フィルム、PBTフィルム、PP延伸フィルム、PETフィルム、ポリオレフィンフィルム等を用いる。
【0050】
その薄剥離フィルム31のシートの厚さは、表面の一部に薄剥離フィルム31の矩形領域を設置した内層フレキシブル配線板30に、後の工程10で表裏に積層するプリプレグ40aの厚さに対して、そのプリプレグ40aの厚さの3分の2以下の厚さの十分薄い厚さのシートを用いる。工程10で積層するプリプレグ40aの厚さが20μmから100μmの場合は、厚さが14μm以下から70μm以下の薄剥離フィルム31のシートを用いる。特に、厚さが25μm以下の薄剥離フィルム31のシートを用いることが望ましい。
【0051】
次に、図5(k)の側断面図のように、加工用レーザー光Lを、枠状の補強用金属パターン25の上の薄剥離フィルム31の表面に照射することで、薄剥離フィルム31の表面から枠状の補強用金属パターン25に達する枠状の第1の溝32を形成する。その枠状の第1の溝32は、枠状の補強用金属パターン25の枠に沿って矩形の四辺を成す枠状の第1の溝32を形成する。すなわち、その枠状の第1の溝32によって、薄剥離フィルム31を、枠状の第1の溝32の内側の領域と外側の枠状の領域に分割する。
【0052】
加工用レーザー光Lは、位置合わせマーク26を基準にして、枠状の補強用金属パターン25上に、プラスマイナス20μmの精度で正確に位置を合わせて照射する。これにより、枠状の第1の溝32によって分割されて枠状の第1の溝32の内側に形成された矩形の薄剥離フィルム31の端が正確な位置に形成される効果がある。また、加工用レーザー光Lによって枠状の第1の溝32を形成することにより、枠状の第1の溝32より内側の領域の矩形の薄剥離フィルム31は、その枠状の第1の溝32の近傍の端部が加工用レーザー光Lによって溶融されて枠状の補強用金属パターン25の表面に接着される効果がある。
【0053】
そして、図6(l)の側面図のように、薄剥離ィルム31を、その周縁部分を掴んで基板から引き剥がすことで、枠状の第1の溝32の外側の領域の薄剥離フィルム31を内層フレキシブル配線板30から剥離して除去する。それにより、図6(m)の側面図と図6(n)の平面図のように、枠状の第1の溝32よりも内側の領域の矩形の薄剥離フィルム31を枠状の補強用金属パターン25の上に残し、枠状の補強用金属パターン25で囲まれる内層フレキシブル配線板30の絶縁樹脂フィルム21の表面を矩形の薄剥離フィルム31で覆う。
【0054】
こうして、内層フレキシブル配線板30の枠状の補強用金属パターン25で囲まれた領域に、矩形の薄剥離フィルム31を残す。そして、矩形の薄剥離フィルム31の端部は、枠状の補強用金属パターン25に接着する。また、枠状の第1の溝32よりも内側のリジッドフレキシブルプリント配線板10の領域は、次工程以降の加工の結果、フレキ部102になり、枠状の第1の溝32よりも外側の領域は、リジッド部101になる。
【0055】
元の薄剥離フィルム31から枠状の第1の溝32によって切り出した矩形の薄剥離フィルム31で覆われたフレキ部102は、リジッドフレキシブルプリント配線板10を完成させる際に露出させる。
【0056】
(ビルドアップ層の形成方法)
次に、この内層フレキシブル配線板上にビルドアップ層を形成する製造方法を説明する。
(工程10)
次に、図7(o)のように、内層フレキシブル配線板30の両面に、内層の配線パターン間への埋め込み性、及び積層後の表面平滑性に優れた溶融粘度が1000pois(10000Pa・s)以下のプリプレグ40aと薄銅箔40bを組み合わせ、加熱加圧成型することにより、図7(p)のようにビルドアップ層40dを形成する。プリプレグ40aの厚さは20μmから100μmを用いる。
【0057】
ここで、内層フレキシブル配線板30の表面のフレキ部102の領域に設置した薄剥離フィルム31は、プリプレグ40aの厚さの半分以下の厚さ、望ましくは、厚さが25μm以下の薄剥離フィルム31のシートを用いるので、プリプレグ40aを設置して加熱・加圧して積層する際に、プリプレグ40aの樹脂は薄剥離フィルム31による凸部の周囲の凹部に容易に充填され、薄剥離フィルム31による凹凸は積層板の表面にはあらわれない。そのため、従来の製造方法ではプリプレグのフレキ部102の領域を抜き取る加工を
行っていたが、本実施形態では、プリプレグ40aのシートの加工の必要が無くなり、従来の製造方法でプリプレグの加工にかけていたコストを低減できる効果がある。
【0058】
また、内層フレキシブル配線板30の表面の薄剥離フィルム31による凹凸が小さいので、完成品であるリジッドフレキシブルプリント配線板10の表面に及ぼす凹凸が無い効果がある。そのため、リジッドフレキシブルプリント配線板10の表面に高精細な配線パターンを形成できる効果がある。
【0059】
(工程11)
次に、図8(q)のように、炭酸ガスレーザー加工装置を使用して、位置合せマーク26を基準にして穴あけ用レーザー光の照射位置を合わせたレーザー穴あけにより、薄銅箔40bの上からブラインドバイアホール41及び42用の穴41a及び42aを形成する。穴41a及び42aは、70〜150μm程度の直径を持ち、2階高バイアホール3b、4b、ブラインドバイアホール23、24に達する穴を形成する。
【0060】
(工程12)
次に、図8(r)のように、基板の全面に銅めっきするパネルめっき処理を行うことで、基板のブラインドバイアホール41及び42用の穴41a及び42aに銅めっきを充填しブラインドバイアホール41及び42を形成する。
【0061】
(工程13)
次に、図8(s)のように、基板の表面の銅めっき層をエッチングすることで、2階高バイアホール3b、4b、ブラインドバイアホール23、24に連結するブラインドバイアホール41と42のパターンを含む配線パターンを形成する。
【0062】
これにより、ブラインドバイアホール24が表側のビルドアップ層40dのブラインドバイアホール42に連結し、ブラインドバイアホール42と24から成る柱状の銅めっきが、ビルドアップ層40dに埋め込まれて支えられることで、より強固に支えられる効果がある。
【0063】
(工程14)
次に、工程10から工程13まの処理と同様な処理を繰り返すことで、図9(t)のように、基板の両面の内層側から外層側に、ビルドアップ層50dと60dを順次に形成する。そのビルドアップ層50dには、ブラインドバイアホール41に連結するブラインドバイアホール51を形成し、ビルドアップ層60dには、そのブラインドバイアホール51に連結するブラインドバイアホール61を形成する。
(工程15)
次に、図9(u)のように、リジッド部101にソルダーレジスト70を印刷する。
【0064】
(工程16)
次に、図10(v)の平面図と図10(w)の側断面図のように、炭酸ガスレーザーやYAGレーザーなどの加工用レーザー光Lを、表層のビルドアップ層60dから、薄剥離フィルム31の層を貫いて枠状の補強用金属パターン25に達するまで照射することで、フレキ部102とリジッド部101との境界部分に重なる枠状の補強用金属パターン25の上に第2の溝27を形成する。
【0065】
この第2の溝27は、枠状の補強用金属パターン25のうち、フレキ部102とリジッド部101との境界部分に重なる部分にのみ形成するだけでも十分である。それ以外の枠状の補強用金属パターン25の部分については、後の工程17の外形ルータ加工によって除去することができるからである。すなわち、枠状の補強用金属パターン25における、
フレキ部102とリジッド部101との境界部分に重ならない部分の枠状の補強用金属パターン25に接着した薄剥離フィルム31の層は、後の工程17の外形ルータ加工によって除去することができる。
【0066】
この工程において、加工用レーザー光Lは、位置合せマーク26を基準にして、薄剥離フィルム31の枠状の補強用金属パターン25との接着部分に、プラスマイナス20μmの精度で正確に位置を合わせて照射することで、第2の溝27を正確な位置に形成する。その第2の溝27により、薄剥離フィルム31と枠状の補強用金属パターン25の接着部分を正確に除去できるので、薄剥離フィルム31を内層フレキシブル配線板30から切り離すことができる。その第2の溝27で囲まれる領域の内側がフレキ部102になり、外側の領域がリジッド部101になる。
【0067】
この加工は、カバーレイフィルム20の外層側の面に、位置合せマーク26が形成され、その位置合せマーク26を基準にして、枠状の補強用金属パターン25と薄剥離フィルム31の接着部分を除去する第2の溝27を形成することで、第2の溝27を正確な位置に形成することができ、正確な位置に形成された第2の溝27により、枠状の補強用金属パターン25と薄剥離フィルム31の接着部分を完全に除去できる。これにより、薄剥離フィルム31とその上のビルドアップ層を、その下の内層フレキシブル配線板30から完全に分離できる効果がある。そのため、リジッドフレキシブルプリント配線板10の外形加工の後に、薄剥離フィルム31を、フレキ部102の領域上のビルドアップ層とともに、リジッドフレキシブルプリント配線板10の上から完全に除去して残留させないように除去できる効果がある。
【0068】
(工程17)
機械的な外形ルーター加工により、図11(x)の平面図のように、リジッドフレキシブルプリント配線板10のフレキ部102の上面及び下面の樹脂層を引き剥がす以前の基板から、個々のリジッドフレキシブルプリント配線板10を切り出す外形加工を行い、リジッドフレキシブルプリント配線板10の外形を作成する。
【0069】
この外形加工は、フレキ部102の条件及び下面の樹脂層が未だフレキ部102から剥離されない状態の基板に対して行う。その基板は、フレキ部102もリジッド部101と同じ厚さであり、全体が硬いリジッドな状態であるので、フレキ部102の外形をルータで加工しても、フレキ部102の外形加工によるバリが発生しない効果がある。そのため、ルーター加工により、フレキ部102の外形を高い品質で形成できる効果がある。
【0070】
そのために、先の工程16において、フレキ部102とリジッド部101との境界部分に重ならない部分の枠状の補強用金属パターン25の上の薄剥離フィルム31の層には、第2の溝27を形成しないでおくことが望ましい。そうすることで、その、第2の溝27を形成しない部分の枠状の補強用金属パターン25の上で、フレキ部102の上のビルドアップ層40d、50d、60dとリジッド101の上のビルドアップ層が連結して、フレキ部102の上のビルドアップ層40d、50d、60dの樹脂層が基板に強固に保持される。そのため、外形ルータによる加工でストレスが加わる際にも、フレキ部102の上のビルドアップ層が基板に支えられて剥がれることがない効果がある。
【0071】
(工程18:フレキ部露出工程)
そして、図11(y)の側断面図のように、リジッドフレキシブルプリント配線板10のフレキ部102の上面及び下面の、薄剥離フィルム31と、その上のビルドアップ層40d、50d、60dを引き剥がす。すなわち、基板の上面及び下面から、薄剥離フィルム31、及び、ビルドアップ層40d、50d、60dと薄剥離フィルム31を引き剥がしてフレキ部102の内層フレキシブル配線板30を露出させてリジッドフレキシブルプリント配線板10を仕上げる。
【0072】
ここで、薄剥離フィルム31がビルドアップ層40d、50d、60dと一緒に、リジッドフレキシブルプリント配線板10のフレキ部102から剥離されて除去され、薄剥離フィルム31が残留しないので、フレキ部の表面の電気特性が薄剥離フィルム31の材質に影響されない効果がある。
【0073】
また、加工用レーザー光Lで形成した第2の溝27に露出したビルドアップ層40d、50d、60dの断面がリジッド部101の端部を成す。本実施形態で製造したリジッドフレキシブルプリント配線板10は、そのリジッド部101の端部の位置を、位置合せマーク26の位置と比較する検査を行うことで、リジッド部101の端部の位置のズレ量を完成品で検査できる効果がある。
【0074】
本実施形態では、内層フレキシブル配線板30内に形成した2階高バイアホール3b、4b、ブラインドバイアホール23、24がブラインドバイアホール41及び42と連結し、そのブラインドバイアホール41及び42がリジッド部101に食い込んで強固に保持される。それとともに、ブラインドバイアホール23に狭い間隔を隔てて連結したランド23bと3又は4、バイアホール24に狭い間隔を隔てて連結したランド24bと2bが、カバーレイフィルム20の絶縁樹脂フィルム21と接着剤層22を、上下から保持する。その構造がカバーレイフィルム20を、支持フィルム1及びリジッド部101のビルドアップ層40dに強固に結合させるので、カバーレイフィルム20と上下の樹脂層との接合の信頼性を高くできる効果がある。
【0075】
特に、内層フレキシブル配線板30の外層側の平坦なカバーレイフィルム20を、その外層に直接形成された枠状の補強用金属パターン25により、上下からカバーレイフィルム20を押さえて保持することで、内層フレキシブル配線板30がリジッド部101とフレキ部102の境界部分で小さな曲率半径で急に曲がって大きなストレスがその部分に集中することが無いように補強する効果がある。
【0076】
また、リジッド部101とフレキ部102の境界部分は、枠状の補強用金属パターン25の上面に達する加工用レーザー光Lで形成した第2の溝27で分離されていて、しかも、フレキ部102の表面を覆う薄剥離フィルム31がビルドアップ層とともにフレキ部102から除去されるので、枠状の補強用金属パターン25の上面に樹脂が被さらない。そうして、リジッド部101側では、ビルドアップ層の端部が、加工用レーザー光Lで形成した第2の溝27の側面として枠状の補強用金属パターン25上に垂直に形成されて、枠状の補強用金属パターン25の上面に樹脂が被さらないため、リジッド部101とフレキ部102の境界部分に柔軟性があり、屈曲の繰り返しへの耐久力が高い効果がある。
【0077】
従来技術では、内層フレキシブル配線板30の上に、ローフロー樹脂のシートを積層することでリジッド部101のビルドアップ層を形成し、そのビルドアップ層を形成する都度、リジッド部101のパターン及びバイアホールを形成する銅めっき処理を行う技術が用いられることが多かった。その場合は、フレキ部102の表面に銅めっきが残留し、フレキ部102の曲げ性を阻害する問題が発生していた。
【0078】
それに対して、本実施形態では、内層フレキシブル配線板30の上にビルドアップ層40d、50d、60dを形成した後にフレキ部102の上のビルドアップ層40d、50d、60dを除去するので、リジッド部101のパターン及びバイアホールを形成する際の銅めっき処理によってフレキ部102の表面に余分な銅めっきが形成されることが無い。そのため、本実施形態には、フレキ部102の表面に銅めっきが残留した場合に発生するフレキ部102の曲げ性を阻害する問題が発生せず、屈曲性に優れたリジッドフレキシブルプリント配線板10が得られる効果がある。
【0079】
<第2の実施形態>
図12〜図14は、本発明の第2の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板10の製造方法を説明する側断面図である。図14(b)に、第2の実施形態の、リジッドフレキシブルプリント配線板10の側断面図を示す。第2の実施形態が、第1の実施形態と異なる点は、内層フレキシブル配線板30の支持フィルム1に、その支持フィルム1を貫通する貫通孔2cを形成し、その貫通孔2cを金属めっきで充填して内層金属めっき柱2dを形成し、支持フィルムの表裏面には内層金属めっき柱2dの半径より厚さが薄い金属めっき層を形成し、その金属めっき層を用いて配線パターン2を形成することである。
【0080】
(製造方法)
第2の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板10の製造方法は、工程1は、図12(a)のように、第1の実施形態の工程1と同じフレキシブル配線板1aを用いる。
(工程2)
工程2では、図12(b)のように、炭酸ガスレーザーやYAGレーザなどのレーザー穴あけ装置を用いて、穴あけ用レーザー光を照射することで貫通孔2cを穿孔する。形成する貫通孔2cの形状は、フレキシブル配線板1aの穴あけ用レーザー光を入射する側の表面に直径が80μmの開口をあけ、穴あけ用レーザー光がフレキシブル配線板1aを貫通して出射する側の表面の開口がそれより約30μm程度小さい直径50μmの円錐台状の貫通孔2cを形成する。
【0081】
(工程3)
次に、フレキシブル配線板1aの全面に触媒核を付与し、更に、無電解銅めっき浴に浸漬することで、厚さ0.1μmから数μmの無電解銅めっき皮膜を形成する。次に、図12(c)のように、平滑剤を添加した電解銅めっき液を用い、めっき浴をよく攪拌して、フレキシブル配線板1aの両面における銅めっき浴の流動速度を速くして電解銅めっきする。
【0082】
それにより、平滑剤は、フレキシブル配線板1aの両面への銅めっき層の成長を抑制する一方、貫通孔2cを埋める電解銅めっきの層の成長が抑制されない。そのため、貫通孔2cを電解銅めっきで充填した内層金属めっき柱2dが形成される一方、フレキシブル配線板1aの両面に形成される銅めっき層の厚さを、貫通孔2cの半径よりも薄く形成することができる。以上の処理により、貫通孔2cを埋め込む内層金属めっき柱2dを形成し、フレキシブル配線板1aの両面に貫通孔2cの半径の4割の厚さの約16μmの厚さの銅めっき層を形成する。
【0083】
(工程4)
次に、図12(d)のように、フレキシブル配線板1aの銅箔2aをエッチングすることで、内層金属めっき柱2dの表側のランド2eと、ブラインドバイアホール24の下層の位置のランド2bと配線パターン2を形成する。
【0084】
(工程5)
図12(e)のような、銅箔20aとポリイミドフィルムなどの絶縁樹脂フィルム21と熱硬化性の接着剤層22とから成る銅箔付きカバーレイフィルム20を、フレキシブル配線板1aの両面に積層し、図13(f)のような基板を製造する。
【0085】
(工程6)
次に、図13(g)のように、その基板の、内層金属めっき柱2dの表側にあたる部分
とランド2bの表側にあたる部分の銅箔付きカバーレイフィルム20の銅箔20aをエッチングして除去して、下地の絶縁樹脂フィルム21を露出させる。
【0086】
(工程7)
そして、その露出した絶縁樹脂フィルム21の面に、炭酸ガスレーザー穴あけ装置のレーザー光を照射して、内層金属めっき柱2dのランド2eに達するカバーレイ保持バイアホール用穴23aと、ランド2bに達するブラインドバイアホール用の穴24aを形成する。そのカバーレイ保持バイアホール用穴23a及びブラインドバイアホール用の穴24aの直径は、50〜150μm程度に形成する。
【0087】
(工程8)
次に、その基板をデスミア液に浸漬することで、カバーレイ保持バイアホール用穴23a及びブラインドバイアホール用の穴24aのデスミア処理を行った上で、無電解銅めっき液に基板を浸漬することで、そのカバーレイ保持バイアホール用穴23a及びブラインドバイアホール用の穴24aの壁面に無電解銅めっき皮膜を形成する。
【0088】
(工程9)
次に、図13(h)のように、その基板の下地の銅箔20aに電解銅めっき装置の陰極を接続して、基板を電解銅めっき浴に浸漬し基板の全面に電解銅めっきするパネルめっき処理を行う。それにより、基板のカバーレイ保持バイアホール用穴23aを銅めっきで柱状に充填してブラインドバイアホール23を形成し、ブラインドバイアホール用の穴24aを銅めっきで充填してブラインドバイアホール24を形成する。
【0089】
(工程10)
次に、図13(i)のように、エッチングレジストパターンで基板の表面の銅めっき層を保護してエッチングし、エッチング後にエッチングレジストを剥離する。
【0090】
これにより、図13(i)の側断面図のように、
(1)リジッド部101に、内層フレキシブル配線板30の上面から下面まで、ランド23b、ブラインドバイアホール23、ランド2e、内層金属めっき柱2d、ランド2e、ブラインドバイアホール23、ランド23bを接続した第1の金属めっき柱と、同じ形の第2の金属めっき柱を形成する。
(2)また、第1の実施形態と同様に、リジッド部101の絶縁樹脂フィルム21の表面に、ブラインドバイアホール24に接続するランド24bを形成する。
【0091】
(3)そして、リジッド部101とフレキ部102を合わせた全領域中の所定位置に、位置合せマーク26のパターンとその他の配線パターンを形成する。
(4)そして、特に、リジッド部101とフレキ部102の境界部分に重なる枠状の補強用金属パターン25を形成する。
【0092】
第2の実施形態では、カバーレイの絶縁樹脂フィルム21を、銅めっきの柱状のブラインドバイアホール23に接続するランド23bが上から支え、ブラインドバイアホール23の下に接続するランド2eが下から支える。すなわち、カバーレイの絶縁樹脂フィルム21を、柱状のブラインドバイアホール23に接続するランド23bとランド2eで上下から強固に支える。更に、ブラインドバイアホール23が、内層金属めっき柱2dに連結して支えられる。これにより、カバーレイの絶縁樹脂フィルム21が強固に保持される効果がある。
【0093】
これ以降の製造方法は、第1の実施形態の工程9以降の製造方法を実施することでリジッドフレキシブルプリント配線板10を製造する。
【0094】
<第3の実施形態>
図15〜図17は、本発明の第3の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板10の製造方法を説明する側断面図である。図17(h)に、第3の実施形態の、リジッドフレキシブルプリント配線板10の側断面図を示す。第3の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板10は、内層フレキシブル配線板30の上側の面からフレキシブル配線板1aの下面の金属柱中間ランド3に至る2階高バイアホール5cを有し、一方、内層フレキシブル配線板30の下側の面からは、銅箔付きカバーレイフィルム20の絶縁樹脂フィルム21と接着剤層22を貫通して金属柱中間ランド3に至るブラインドバイアホール23を有する。それにより、内層フレキシブル配線板30の上面から下面まで、2階高バイアホール5c、金属柱中間ランド3、ブラインドバイアホール23を接続した第1の金属めっき柱を有する。
【0095】
同様に、内層フレキシブル配線板30の下側の面からフレキシブル配線板1aの上面の金属柱中間ランド4に至る2階高バイアホール6cを有し、一方、内層フレキシブル配線板30の上側の面からは、銅箔付きカバーレイフィルム20の絶縁樹脂フィルム21と接着剤層22を貫通して金属柱中間ランド4に至るブラインドバイアホール23を有する。それにより、内層フレキシブル配線板30の下面から上面まで、2階高バイアホール6c、金属柱中間ランド4、ブラインドバイアホール23を接続した第2の金属めっき柱を有する。
【0096】
第3の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、2階高バイアホール5c及び2階高バイアホール6cが、その最外層部分に金属柱用ランド5d及び6dを有するとともに、2階高バイアホールの中間部分に、中心に空孔5a及び6aが形成された1階ランド5b及び6bを有し、その1階ランド5b及び6bの内層側の2階高バイアホール5c及び6cの直径が、前記1階ランド5b及び6bの空孔5a及び6aの直径である点である。そして、1階ランド5b及び6bの外層側に形成された2階高バイアホールの直径が、内層側の直径より大きい点である。
【0097】
第3の実施形態は、2階高バイアホールの中間部分に、中心に空孔5a及び6aが形成された1階ランド5b及び6bを有することで、2階高バイアホール5cの最外層部分に接続された金属柱用ランド5d及び6dと、2階高バイアホールの中間部分に接続された1階ランド5b及び6bとが、その間の絶縁樹脂フィルム21と接着剤層22を上下から挟み込んで保持し、絶縁樹脂フィルム21と接着剤層22とを直接に強固に保持することができる効果がある。それにより、カバーレイフィルム20の接着剤層22と支持フィルム1の樹脂層との接合の信頼性、及び、カバーレイフィルム20の絶縁樹脂フィルム21とビルドアップ層40dとの接合の信頼性を向上させる効果がある。
【0098】
(製造方法)
第3の実施形態のリジッドフレキシブルプリント配線板10の製造方法は、工程1は、図15(a)のように、第1の実施形態の工程1と同じフレキシブル配線板1aを用いる。
(工程2)
工程2では、図15(b)のように、フレキシブル配線板1aの銅箔2aをエッチングすることで、第1の実施形態と同様にフレキシブル配線板1aの両面に配線パターン2を形成し、下面に金属柱中間ランド3を形成し、上面に金属柱中間ランド4を形成し、後に形成するブラインドバイアホール24の位置にランド2bを形成する。第3の実施形態では、更に、フレキシブル配線板1aの上面に、下面の金属柱中間ランド3と対応する位置に、中心に空孔5aが形成された1階ランド5bを形成し、フレキシブル配線板1aの下面に、上面の金属柱中間ランド4と対応する位置に、中心に空孔6aが形成された1階ラ
ンド6bを形成する。
【0099】
第3の実施形態の工程3と工程4は、第1の実施形態と同様に、図15(c)、図16(d)の様に基板を形成する。
(工程5)
工程5では、第1の実施形態の工程5と同様に、図16(e)のように、基板の表裏に露出した絶縁樹脂フィルム21の面から、炭酸ガスレーザーやYAGレーザなどのレーザー穴あけ装置を用いて、穴あけ用レーザー光を照射する。それにより、フレキシブル配線板1aの下面の金属柱中間ランド3に、内層フレキシブル配線板30の上側の面から、銅箔付きカバーレイフィルム20の層と支持フィルム1の層を貫通して金属柱中間ランド3に至る2階高バイアホール用穴3aを形成する。
【0100】
第3の実施形態では、穴あけ用レーザー光が1階ランド5bで遮られ、1階ランド5bの空孔5aを通った光のみが、金属柱中間ランド3に達する。それにより、2階高バイアホール用穴3aは、1階ランド5bの下層部分では1階ランド5bの中心の空孔5aの直径になり、その上層部分より直径が小さくなり、直径が階段状の段差を有する2階高バイアホール用穴3aが形成される。
【0101】
同様に、内層フレキシブル配線板30の下側の面から、銅箔付きカバーレイフィルム20の層と支持フィルム1の層を貫通して金属柱中間ランド4に至る2階高バイアホール用穴4aを形成する。2階高バイアホール用穴4aも2階高バイアホール用穴3aと同様に、穴あけ用レーザー光の周辺光が1階ランド6bで遮られ、1階ランド6bの空孔6aを通った光のみが、金属柱中間ランド4に達する。それにより、2階高バイアホール用穴4aは、1階ランド6bの上層部分では、1階ランド6bの中心の空孔6aの直径になり、その下層部分より直径の小さい、直径が階段状の段差を有する2階高バイアホール用穴4aを形成する。
【0102】
(工程6と工程7)
図16(f)のように、第1の実施形態の工程6と工程7と同様に、2階高バイアホール用穴3a及び4aに電解銅めっきを充填することで、2階高バイアホール5c及び6cと、その他のブラインドバイアホール23及び24を形成する。
【0103】
特に、2階高バイアホール5cは、1階ランド5bの上層部分では、その下層部分より直径が大きい直径が階段状の段差を有する電解銅めっきの金属柱に形成され、上層部分の直径が下層部分の直径より大きい分だけ2階高バイアホール5cが1階ランド5bと広い面積で接続し、2階高バイアホール5cと1階ランド5bの接続信頼性が高い効果がある。
【0104】
(工程8)
次に、エッチングにより配線パターンを形成し、図17(g)のように、リジッド部101に、内層フレキシブル配線板30の上面から下面まで、金属柱用ランド5d、2階高バイアホール5c、金属柱中間ランド3、ブラインドバイアホール23、ランド23bを接続した第1の金属めっき柱を形成し、内層フレキシブル配線板30の下面から上面まで、金属柱用ランド6d、2階高バイアホール6c、金属柱中間ランド4、ブラインドバイアホール23、ランド23bを接続した第2の金属めっき柱を形成する。
【0105】
(工程9から工程18まで)
第1の実施形態の工程8から工程18と同様の工程により、図17(h)のリジッドフレキシブルプリント配線板10を製造する。
【0106】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されず、カバーレイの絶縁樹脂フィルム21上に形成する位置合せマーク26の位置は、リジッド部101に限定されず、フレキ部102に位置合せマーク26を形成することもできる。フレキ部102に位置合せマーク26を形成すると、位置合せマーク26がフレキ部102に露出して、その位置の観察が容易になるので、位置合せマーク26に位置を合わせて形成されたリジッドフレキシブルプリント配線板10各部との位置ずれの測定が容易になる効果がある。例えば、枠状の補強用金属パターン25上に第2の溝27によって垂直に形成されたビルドアップ層40d、50d、60dの端部の側面の位置と位置合せマーク26との相対位置のずれ量の測定が容易になる効果がある。
【符号の説明】
【0107】
1・・・支持フィルム
1a・・・フレキシブル配線板
2・・・配線パターン
2a・・・銅箔
2b、23b、24b・・・ランド
2c・・・貫通孔
2d・・・内層金属めっき柱
2e・・・ランド
3、4・・・金属柱中間ランド
3a、4a・・・2階高バイアホール用穴
3b、4b、5c、6c・・・2階高バイアホール(スキップビア)
3c、4c、5d、6d・・・金属柱用ランド
5a、6a・・・空孔
5b、6b・・・1階ランド
10・・・リジッドフレキシブルプリント配線板
20・・・銅箔付きカバーレイフィルム
20a・・・銅箔
21・・・絶縁樹脂フィルム
22・・・接着剤層
23、24、41、42、51、61・・・・ブラインドバイアホール
23a・・・金属柱バイアホール用穴
24a・・・ブラインドバイアホール用の穴
25・・・枠状の補強用金属パターン
26・・・位置合せマーク
27・・・第2の溝
30・・・内層フレキシブル配線板
31・・・薄剥離フィルム
32・・・枠状の第1の溝
40a・・・プリプレグ
40b・・・薄銅箔
40d、50d、60d・・・ビルドアップ層
70・・・ソルダーレジスト
101・・・リジッド部
102・・・フレキ部
L・・・加工用レーザー光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質のリジッド部を柔軟性のあるフレキ部を介して連結したリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法であって、前記フレキ部とリジッド部との境界部分に重なる枠状の補強用金属パターンを形成した内層フレキシブル配線板に樹脂の薄剥離フィルムを重ね、該薄剥離フィルムの表面から前記枠状の補強用金属パターンに達する加工用レーザー光を照射することで前記枠状の補強用金属パターンに添った枠状の第1の溝を形成する工程と、前記枠状の第1の溝の外側の前記薄剥離フィルムを剥離して除去した前記内層フレキシブル配線板の上にビルドアップ層を積層する工程と、前記ビルドアップ層の表面から前記枠状の補強用金属パターンに達する加工用レーザー光を照射することで前記フレキ部と前記リジッド部との境界部分の前記枠状の補強用金属パターン上に第2の溝を形成する工程と、前記第2の溝で囲まれる前記ビルドアップ層及び前記薄剥離フィルムを除去するフレキ部露出工程を有することを特徴とするリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法であって、前記内層フレキシブル配線板を製造する工程において、前記内層フレキシブル配線板に位置合せマークのパターンを形成し、前記枠状の第1の溝を形成する工程と前記第2の溝を形成する工程において、前記位置合せマークに位置を合わせて前記枠状の第1の溝と前記第2の溝とを形成することを特徴とするリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法であって、前記第2の溝を形成する工程の後に、前記フレキ部露出工程以前に、個々のリジッドフレキシブルプリント配線板を切り出す外形加工を行う工程を有することを特徴とするリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法。
【請求項4】
請求項3記載のリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法であって、前記第2の溝を形成する工程において、前記第2の溝を、枠状の補強用金属パターンのうち、前記フレキ部と前記リジッド部との境界部分に重なる部分にのみ形成することを特徴とするリジッドフレキシブルプリント配線板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−51325(P2013−51325A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188922(P2011−188922)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000236931)株式会社トッパンNECサーキットソリューションズ (54)
【Fターム(参考)】