説明

リチウムイオン二次電池正極活物質の製造方法

【課題】本発明は、リチウムイオン二次電池の正極活物質の製造方法に関する。
【解決手段】本発明のリチウムイオン二次電池の正極活物質の製造方法は、リン酸化合物及びリチウム化合物を分散剤に混合して第一混合物を形成する第一ステップと、前記第一混合物に鉄の粉末を添加して、第二混合物を形成する第二ステップと、前記第二混合物を乾燥させて、予備体を得る第三ステップと、前記予備体を保護ガスの雰囲気で、500℃〜850℃程度で2〜4時間加熱して、LiFePOを形成する第四ステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池正極活物質の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、ノートパソコン、携帯用ビデオカメラ等の電子機器が開発され、各種電子機器が携帯可能な程度に小型化されている。それに伴って、内蔵される電池としても、高エネルギー密度を有し、且つ軽量なものが採用されている。そのような要求を満たす典型的な電池は、リチウム二次電池である。
【0003】
通常、リチウム二次電池は、リチウムイオンの可逆的な挿入/脱離が可能な物質からなる正極と負極とを含む。前記リチウム二次電池を充電する時、リチウムイオンが正極から脱離されて、負極に挿入される。逆に、前記リチウム二次電池を放電する時、リチウムイオンが負極から脱離されて、正極に挿入される。従って、リチウム二次電池の性能、特性は負極と緊密に関連する。前記正極は、正極集電体と正極活物質とを備え、前記正極活物質はリチウムイオンの可逆的な挿入/脱離が可能な物質であるので、前記リチウム二次電池の正極活物質は、前記リチウム二次電池の性能を左右する重要な材料の1つである。
【0004】
現在、LiMn、LiCoO、LiFePOなどが従来のリチウム二次電池の正極活物質として最も広く用いられている。LiFePOは、体積密度が3.6g/cmより大きく、3.4Vの高電位を発生し、理論容量も170mAh/gより大きい。更に、LiFePOの構成物である鉄材料は、豊富、安価であるので、LiFePOはそれほど値段の高い材料ではない。従って、LiFePOに対して、固体物理合成方法、水熱合成方法、共沈合成方法及び微波合成方法などの製造方法は提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のLiFePOの製造方法は、全て産業的に大量に生産できない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、前記課題を解決するために、本発明は製造方法が簡単、低コスト、及び大量に生産できるリチウムイオン二次電池正極活物質の製造方法を提供する。
【0007】
本発明のリチウムイオン二次電池の正極活物質の製造方法は、リン酸化合物及びリチウム化合物を分散剤に混合して第一混合物を形成する第一ステップと、前記第一混合物に鉄の粉末を添加して、第二混合物を形成する第二ステップと、前記第二混合物を乾燥させて、予備体を得る第三ステップと、前記予備体を保護ガスの雰囲気で、500℃〜850℃程度で2〜4時間加熱して、LiFePOを形成する第四ステップと、を含む。
【0008】
本発明のリチウムイオン二次電池の正極活物質の製造方法は、リン酸化合物及びリチウム化合物を分散剤に混合して第一混合物を形成する第一ステップと、前記第一混合物に鉄の粉末を添加して、第二混合物を形成する第二ステップと、前記第二混合物を乾燥させて、予備体を得る第三ステップと、前記予備体を炭素化合物の溶液に入れて、混合溶液を形成する第四ステップと、前記混合溶液の溶媒を除去して、前記予備体を炭素化合物フィルムで被覆する第五ステップと、前記炭素化合物フィルムが被覆された予備体を、保護ガスの雰囲気で、500℃〜850℃程度で2〜4時間加熱して、表面が炭素で被覆されたLiFePOを形成する第六ステップと、を含む。
【0009】
本発明のリチウムイオン二次電池の正極活物質の製造方法は、リン酸化合物及びリチウム化合物を分散剤に混合して第一混合物を形成する第一ステップと、前記第一混合物に鉄の粉末を添加して、第二混合物を形成する第二ステップと、前記第二混合物を乾燥させて、予備体を得る第三ステップと、前記予備体を保護ガスの雰囲気で、500℃〜850℃程度で2〜4時間加熱して、LiFePOを形成する第四ステップと、前記LiFePOを、炭素化合物の溶液に入れて、混合溶液を形成する第五ステップと、前記混合溶液の溶媒を除去して、前記LiFePOを炭素化合物フィルムで被覆する第六ステップと、前記炭素化合物フィルムが被覆されたLiFePOを、保護ガスの雰囲気で、350℃〜350℃の高温で焼成して、表面が炭素で被覆されたLiFePOを形成する第七ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
従来の技術と比べて、本発明のリチウムイオン二次電池正極活物質の製造方法は、安価であり、入手し易い鉄の粉末を利用するので、本発明のリチウムイオン二次電池正極活物質の製造方法は低コストである。且つ、本発明のリチウムイオン二次電池正極活物質の製造方法の合成方法は簡単であり、大量生産に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の正極活物質の製造方法の製造方法の実施形態1のフローチャートである。
【図2】本発明の実施形態1の正極活物質のX線回折スペクトル図である。
【図3】本発明の正極活物質の製造方法の製造方法の実施形態2のフローチャートである。
【図4】本発明の正極活物質の製造方法の製造方法の実施形態3のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0013】
(実施形態1)
図1を参照すると、本実施形態は、鉄リン酸リチウム(LiFePO)を含む正極活物質の製造方法を提供する。前記正極活物質の製造方法は、リン酸化合物及びリチウム化合物を分散剤に混合して第一混合物を形成するステップS11と、前記第一混合物に鉄の粉末を添加して、第二混合物を形成するステップS12と、前記第二混合物を乾燥させて、予備体を得るステップS13と、前記予備体を保護ガスの雰囲気で、600℃〜800℃の程度で2時間加熱して、LiFePOを形成するステップS14と、を含む。
【0014】
前記ステップS11において、前記リン酸化合物は、リン酸(HPO)及びリン酸塩のいずれか一種を含む。前記リン酸塩は、無水リン酸アンモニウム(NHPO)又はリチウム二水素リン酸塩(LiHPO)である。前記リチウム化合物は、水酸化リチウム(LiOH)及びリチウム塩のいずれか一種を含む。前記リチウム塩は、炭酸リチウム(LiCO)又はリチウム二水素リン酸塩(LiHPO)である。前記分散剤は、塩酸(HCl)溶液、希硫酸(HSO)溶液、水、蒸留水及び無水エタノールのいずれか一種又は数種からなる。前記リン酸化合物、リチウム化合物及び分散剤を任意的に組み合わせて第一混合物を形成することができるが、該第一混合物に、水素イオンを含ませることが必要である。即ち、前記リン酸化合物、リチウム化合物及び分散剤を混合させて形成した第一混合物は、酸性又は弱酸性を有することが必要である。前記第一混合物に含まれた水素イオンは、前記リン酸化合物、リチウム化合物及び分散剤のいずれか一つから電離して生じたものである。
【0015】
前記ステップS12において、鉄の粉末は、単体鉄の粉末である。前記鉄の粉末を前記第一混合物に添加した後、前記第一混合物の水素イオンは、前記鉄の粉末と反応し、前記鉄の粉末を酸化させて、2価鉄イオン(Fe2+)を形成させる。前記鉄の粉末を前記第一混合物に添加して形成した第二混合物において、P元素、Li元素及びFe元素のモル比は、1:1:1〜1:1:1.2であり、1:1:1であることが好ましい。
【0016】
前記ステップS12は、更に、前記鉄の粉末を前記第一混合物に添加して第二混合物を形成した後、前記第二混合物を、80℃〜100℃の温度で10時間以上撹拌するステップS120を含む。好ましくは、前記第二混合物を、95℃の温度で24時間撹拌する。機械撹拌機、電磁撹拌機又は超音波の撹拌機を利用して、前記第二混合物を撹拌することができる。前記第二混合物を撹拌することにより、前記第二混合物における全ての物質を十分に反応させる。
【0017】
前記ステップS13において、前記第二混合物を乾燥する場合、蒸発方法、スプレー方法又は濾過方法を採用することができる。前記第二混合物を乾燥して得た予備体は、無定形のLiFePOである。
【0018】
前記ステップS13は、さらに、前記第二混合物を乾燥させて得た予備体を、蒸留水で洗淨してエタノールで洗淨した後、乾燥するテップS130を含むことができる。前記予備体を蒸留水で洗淨することにより、原料である鉄の粉末、リン酸化合物及びリチウム化合物と反応しない不純物を除去することができる。前記予備体をエタノールで洗淨することにより、前記予備体を容易に乾燥させることができる。洗淨された前記予備体を、200℃以下の温度で乾燥させる。本実施形態において、洗淨された前記予備体を、オーブンの中に置いて、60℃で乾燥させる。
【0019】
前記ステップS14において、前記保護ガスは、窒素又は不活性ガスのいずれか一種である。前記予備体をチューブ状の加熱炉に置いて焼成することができる。前記チューブ状加熱炉は、ガス入口とガス出口を含む。前記チューブ状加熱炉のガス入口から、前記保護ガスを前記予備体に導入する。前記予備体を焼成した後、結晶態のLiFePOを形成する。X線回折によって、生成物が結晶性の正極活物質LiFePOであることが示される(図2を参照する)。更に、前記予備体を保護ガスの雰囲気で、500℃〜850℃程度で2〜4時間加熱することができる。
【0020】
一つの例として、前記正極活物質の製造方法は、10mMolのHPO及び10mMolのLiOHを、50mlの蒸留水において第一混合物を形成するステップS111と、前記第一混合物に10mMolの鉄粉末を添加して、第二混合物を形成するステップS121と、超音波の撹拌機を採用して、95℃で前記第二混合物を24時間撹拌するステップS131と、前記第二混合物を濾紙によって濾過して、前記予備体を得るステップS141と、前記予備体を、蒸留水で洗淨してエタノールで洗淨した後、前記予備体をオーブンの中に置いて、60℃で乾燥させるステップS151と、前記ステップS151で得られた前記予備体をチューブ状加熱炉の中に置いた後、チューブ状加熱炉にアルゴン気体を導入して、前記チューブ状加熱炉を700℃まで2時間加熱して、LiFePOを形成するステップS161と、を含む。
【0021】
(実施形態2)
図3を参照すると、本実施形態は、正極活物質の製造方法を提供する。前記正極活物質の製造方法は、リン酸化合物及びリチウム化合物を分散剤に混合して、第一混合物を形成するステップS21と、前記第一混合物に鉄の粉末及び遷移金属塩を添加して、第二混合物を形成するステップS22と、前記第二混合物を乾燥させて、予備体を得るステップS23と、前記予備体を保護ガスの雰囲気で、600℃〜800℃程度で2時間加熱して、LiFePOを形成するステップS24と、を含む。
【0022】
本実施形態の正極活物質の製造方法と実施形態1の正極活物質の製造方法と比べて、次の異なる点がある。ステップS22では、前記第一混合物に鉄の粉末の以外に、更に遷移金属塩を添加して、第二混合物を形成する。
【0023】
ドーパント元素を含んでいる遷移金属塩は、亜鉛硝酸塩、クロミウム硝酸塩、硝酸銅、硝酸カルシウム、マンガン硝酸塩、硝酸鉛、ニッケル硝酸塩及びコバルト硝酸塩のいずれか一種又は数種からなる。ドーパント元素とFe元素との合計のモル量をZとして定義する。この場合、前記ステップS22で、前記第二混合物において、P元素、Li元素及びZのモル比は、1:1:1〜1:1:1.2である。前記Zにおけるドーパント元素のモルのパーセンテージは、0%(0%は含まず)〜20%である。好ましくは、前記ドーパント元素とFe元素のモル比は、5:95、1:9又は2:8である。この場合、ステップS22で前記第二混合物を形成した後、前記ステップS24によって、結晶態のドープされた鉄リン酸リチウムを形成することができる。即ち、前記ステップS23を省略することができる。ドープされた鉄リン酸リチウムの化学式は、LiFe1−xPOである。ここで、Mは、ドーパント元素を表示し、Xは、1モルのLiFe1−xPOでのFe元素のモル数を表示し、1−Xは、1モルのLiFe1−xPOでのドーパント元素のモル数を表示する。前記LiFe1−xPOはLiFePOよりよい導電性を有する。
【0024】
(実施形態3)
図4を参照すると、本実施形態は、正極活物質の製造方法を提供する。前記正極活物質の製造方法は、リン酸化合物及びリチウム化合物を分散剤に混合して、第一混合物を形成するステップS31と、前記第一混合物に鉄の粉末を添加して、第二混合物を形成するステップS32と、前記第二混合物を乾燥させて、予備体を得るステップS33と、前記予備体を、炭素化合物の溶液に入れて、混合溶液を形成するステップS34と、前記混合溶液の溶媒を除去して、前記予備体を、炭素化合物フィルムで被覆するステップS35と、前記炭素化合物フィルムが被覆された予備体を、保護ガスの雰囲気で、600℃〜800℃程度で2時間加熱して、表面が炭素で被覆されたLiFePOを形成するステップS36と、を含む。
【0025】
本実施形態の正極活物質の製造方法は実施形態1の正極活物質の製造方法と比べて、次の異なる点がある。前記ステップS33とステップS36の間に、更に、前記予備体を、炭素化合物の溶液に入れて、混合溶液を形成するステップS34と、前記混合溶液の溶媒を除去して、前記予備体を、炭素化合物フィルムで被覆するステップS35と、を含む。
【0026】
前記ステップS35において形成された炭素化合物フィルムが被覆された前記予備体は、LiFePOを、炭素化合物フィルムで被覆されている非晶態の複合構造体である。
【0027】
前記ステップS34において、前記炭素化合物は、炭素に分解することができるグルコース、ポリビニルアルコール、フェノール樹脂、ユリアホルムアルデヒド樹脂、果糖、ショ糖、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリフェニレン−アンモニウム及び乳糖のいずれか一種又は数種からなる。
【0028】
前記ステップS34において、前記混合溶液が形成された後、更に、前記混合溶液を撹拌することができる。前記ステップS35において、前記混合溶液を乾燥する場合、蒸発方法、スプレー方法又は濾過方法を利用することができる。
【0029】
(実施形態4)
本実施形態は、正極活物質の製造方法を提供する。前記正極活物質の製造方法は、リン酸化合物及びリチウム化合物を分散剤に混合して、第一混合物を形成するステップS41と、前記第一混合物に鉄の粉末を添加して、第二混合物を形成するステップS42と、前記第二混合物を乾燥させて、予備体を得るステップS43と、前記予備体を保護ガスの雰囲気で、600℃〜800℃程度で2時間加熱して、LiFePOを形成するステップS44と、前記LiFePOを、炭素化合物の溶液に入れて、混合溶液を形成するステップS45と、前記混合溶液の溶媒を除去して、前記LiFePOを、炭素化合物フィルムで被覆するステップS46と、前記炭素化合物フィルムが被覆されたLiFePOを保護ガスの雰囲気で、400℃の高温で焼成して、表面が炭素で被覆されたLiFePOを形成するステップS47と、を含む。
【0030】
本実施形態の正極活物質の製造方法は、実施形態1の正極活物質の製造方法と比べて、次の異なる点がある。ステップS44においてLiFePOを形成した後、更に、前記LiFePOを、炭素化合物の溶液に入れて、混合溶液を形成するステップS45と、前記混合溶液の溶媒を除去して、前記LiFePOを、炭素化合物フィルムで被覆するステップS46と、前記炭素化合物フィルムが被覆されたLiFePOを保護ガスの雰囲気で、400℃の高温で焼成して、表面が炭素で被覆されたLiFePOを形成するステップS47と、を含む。
【0031】
(実施形態5)
本実施形態は、正極活物質の製造方法を提供する。前記正極活物質の製造方法は、リン酸化合物及びリチウム化合物を分散剤に混合して、第一混合物を形成するステップS51と、前記第一混合物に鉄の粉末及び遷移金属塩を添加して、第二混合物を形成するステップS52と、前記第二混合物を乾燥させて、予備体を得るステップS53と、前記予備体を、炭素化合物の溶液に入れて、混合溶液を形成するステップS54と、前記混合溶液の溶媒を除去して、前記予備体を炭素化合物フィルムで被覆するステップS55と、前記炭素化合物フィルムが被覆された予備体を、保護ガスの雰囲気で、600℃〜800℃程度で2時間加熱して、表面が炭素で被覆されたLiFePOを形成するステップS56と、を含む。
【0032】
本実施形態の正極活物質の製造方法は実施形態2の正極活物質の製造方法と比べて、次の異なる点がある。前記ステップS53とステップS56の間に、更に、前記予備体を、炭素化合物の溶液に入れて、混合溶液を形成するステップS54と、前記混合溶液の溶媒を除去して、前記予備体を炭素化合物フィルムで被覆するステップS55と、を含む。
【0033】
(実施形態6)
本実施形態は、正極活物質の製造方法を提供する。前記正極活物質の製造方法は、リン酸化合物及びリチウム化合物を分散剤に混合して、第一混合物を形成するステップS61と、前記第一混合物に鉄の粉末及び遷移金属塩を添加して、第二混合物を形成するステップS62と、前記第二混合物を乾燥させて、予備体を得るステップS63と、前記予備体を保護ガスの雰囲気で、600℃〜800℃程度で2時間加熱して、LiFePOを形成するステップS64と、前記LiFePOを、炭素化合物の溶液に入れて、混合溶液を形成するステップS65と、前記混合溶液の溶媒を除去して、前記LiFePOを、炭素化合物フィルムで被覆するステップS66と、前記炭素化合物フィルムが被覆されたLiFePOを保護ガスの雰囲気で、400℃の高温で焼成して、表面が炭素で被覆されたLiFePOを形成するステップS67と、を含む。
【0034】
本実施形態の正極活物質の製造方法と実施形態2の正極活物質の製造方法と比べて、次の異なる点がある。ステップS64においてLiFePOを形成させた後、更に、前記LiFePOを、炭素化合物の溶液に入れて、混合溶液を形成するステップS65と、前記混合溶液の溶媒を除去して、前記LiFePOを、炭素化合物フィルムで被覆するステップS66と、前記炭素化合物フィルムが被覆されたLiFePOを保護ガスの雰囲気で、400℃の高温で焼成して、表面が炭素で被覆されたLiFePOを形成するステップS67と、を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン酸化合物及びリチウム化合物を分散剤に混合して第一混合物を形成する第一ステップと、
前記第一混合物に鉄の粉末を添加して、第二混合物を形成する第二ステップと、
前記第二混合物を乾燥させて、予備体を得る第三ステップと、
前記予備体を炭素化合物の溶液に入れて、混合溶液を形成する第四ステップと、
前記混合溶液の溶媒を除去して、前記予備体を炭素化合物フィルムで被覆する第五ステップと、
前記炭素化合物フィルムが被覆された予備体を、保護ガスの雰囲気で、500℃〜850℃で2〜4時間加熱して、表面が炭素で被覆されたLiFePOを形成する第六ステップと、
を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池の正極活物質の製造方法。
【請求項2】
リン酸化合物及びリチウム化合物を分散剤に混合して第一混合物を形成する第一ステップと、
前記第一混合物に鉄の粉末を添加して、第二混合物を形成する第二ステップと、
前記第二混合物を乾燥させて、予備体を得る第三ステップと、
前記予備体を保護ガスの雰囲気で、500℃〜850℃で2〜4時間加熱して、LiFePOを形成する第四ステップと、
前記LiFePOを、炭素化合物の溶液に入れて、混合溶液を形成する第五ステップと、
前記混合溶液の溶媒を除去して、前記LiFePOを炭素化合物フィルムで被覆する第六ステップと、
前記炭素化合物フィルムが被覆されたLiFePOを、保護ガスの雰囲気で、350℃〜350℃の高温で焼成して、表面が炭素で被覆されたLiFePOを形成する第七ステップと、
を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池の正極活物質の製造方法。
【請求項3】
リン酸化合物及びリチウム化合物を分散剤に混合して第一混合物を形成する第一ステップと、
前記第一混合物に鉄の粉末を添加して、第二混合物を形成する第二ステップと、
前記第二混合物を乾燥させて、予備体を得る第三ステップと、
前記予備体を保護ガスの雰囲気で、500℃〜850℃で2〜4時間加熱して、LiFePOを形成する第四ステップと、
を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池の正極活物質の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−77036(P2011−77036A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209458(P2010−209458)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(598098331)ツィンファ ユニバーシティ (534)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】