説明

リチウム電池用包装材料およびその製造方法

【課題】リチウム電池包装に用いる材料として、リチウム電池本体の保護物性とともに、生産性の良いリチウム電池用包装材料およびその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも基材層、接着層、アルミニウム、化成処理層、ヒートシール層からなり、ヒートシール層がポリエチレン系樹脂であることを特徴とするリチウム電池用包装材料であって、ヒートシール層が密度0.935以上、MFR1〜15g/10秒の中密度ポリエチレンを少なくとも一層含むポリエチレン樹脂層であり、また、その製造方法は、ヒートシール層を形成する樹脂を押出し法により形成して積層体とする際に、該押出樹脂の溶融膜のラミネート面をオゾン処理しながら積層することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防湿性、耐内容物性を有する、液体または固体有機電解質(高分子ポリマー電解質)を持つリチウム電池用包装材料に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム電池とは、リチウム2次電池ともいわれ、高分子ポリマー電解質を持ち、リチウムの移動で電流を発生する電池であって、正極・負極活物質が高分子ポリマーからなるものを含むものである。リチウム2次電池の構成は、正極集電材(アルミニウム、ニッケル)/正極活性物質層(金属酸化物、カーボンブラック、金属硫化物、電解液、ポリアクリロニトリル等の高分子正極材料)/電解質層(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、炭酸ジメチル、エチレンメチルカーボネート等のカーボネート系電解液、リチウム塩からなる無機固体電解質、ゲル電解質)/負極活性物質(リチウム金属、合金、カーボン、電解液、ポリアクリロニトリルなどの高分子負極材料)/負極集電材(銅、ニッケル、ステンレス)及びそれらを包装する外装体からなる。リチウム電池の用途としては、パソコン、携帯端末装置(携帯電話、PDA等)、ビデオカメラ、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星等に用いられる。前記リチウム電池の外装体としては、金属をプレス加工して円筒状または直方体状に容器化した金属製缶、あるいは、基材層、アルミニウム、シーラント層から構成される積層体を袋状にしたものが用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、リチウム電池の外装体として、次のような問題があった。金属製缶においては、容器外壁がリジッドであるため、電池自体の形状が決められてしまう。そのため、ハード側を電池にあわせる設計をするため、該電池を用いるハードの寸法が電池により決定されてしまい形状の自由度が少なくなる。そこで、積層体を袋状にしてリチウム電池本体を収納するパウチタイプまたは、前記積層体をプレス成形して凹部を形成し、該凹部にリチウム電池本体を収納するエンボスタイプが開発されている。エンボスタイプは、パウチタイプと比較して、よりコンパクトな包装体が得られる。いずれのタイプの外装体であっても、リチウム電池としての防湿性あるいは耐突き刺し性等の強度、絶縁性等は、リチウム電池の外装体として欠かせないものである。そして、リチウム電池用包装材料としては、一般的に、少なくとも、基材層、バリア層、ヒートシール層からなる積層体とする。そして、前記各層の層間の接着強度が、リチウム電池の外装体として必要な性質に影響をあたえることが確認されている。例えば、バリア層とヒートシール層との接着強度が不十分であると、外部から水分の浸入の原因となり、リチウム電池を形成する成分の中の電解質と前記水分との反応により生成するフッ化水素酸により前記アルミニウム面が腐食して、バリア層とヒートシール層との間にデラミネーションが発生する。また、前記エンボスタイプの外装体とする際に、前記積層体をプレス成形して凹部を形成するが、この成形の際に基材層とバリア層との間にデラミネーションが発生することがある。そこで、本発明者らは、アルミニウム面に対して、酸変性ポリプロピレンのエマルジョンを塗布、焼付けして皮膜を形成し、酸変性ポリプロピレン樹脂からなる接着樹脂層とポリプロピレン樹脂からなるヒートシール層とを共押出しして積層体を形成すれば、積層体としての接着強度は改善されることを確認したが、前記酸変性ポリプロピレンのエマルジョンコート後の焼付けに時間がかかり生産効率が良くなかった。また、前記デラミネーションを防止するために、アルミニウム面と積層する樹脂として酸変性ポリオレフィンや金属架橋ポリエチレンなどの、加工性、経済性に問題のある樹脂を用いることがあった。ヒートシール層に、低密度ポリエチレンあるいは線状低密度ポリエチレンを用いると、ダイセットタイプの抜き型による抜き工程のある場合において、積層体の切れが悪く、抜き部にバリが発生したり、また、抜きが不可能となることがあった。本発明の目的は、リチウム電池包装に用いる材料として、リチウム電池本体の保護物性とともに、生産性の良いリチウム電池用包装材料およびその製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下の本発明により解決することができる。即ち、請求項1に記載した発明は、少なくとも基材層、接着層、アルミニウム、化成処理層、ヒートシール層からなり、ヒートシール層がポリエチレン系樹脂であることを特徴とするリチウム電池用包装材料であること、請求項2に記載した発明は、ヒートシール層が密度0.935以上、MFR1〜15g/10秒の中密度ポリエチレンを少なくとも一層含むポリエチレン樹脂層であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム電池用包装材料であること、請求項3に記載した発明は、前記化成処理がリン酸クロメート処理であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム電池用包装材料を示す。請求項4に記載した発明は、請求項1〜請求項3に記載したリチウム電池用包装材料の製造方法にかかるものであり、ヒートシール層を形成する樹脂を押出し法により形成して積層体とする際に、該押出樹脂の溶融膜のラミネート面をオゾン処理しながら積層することを特徴とする方法である。
【0005】請求項5に記載した発明は、少なくとも、基材層、接着層、アルミニウム、化成処理層、接着樹脂層、ヒートシール層からなり、接着性樹脂層とヒートシール層がポリエチレン系樹脂であることを特徴とするリチウム電池用包装材料であって、請求項6に記載の発明は、請求項5の発明において、ヒートシール層が、密度0.92以上、MFR1〜15g/10秒の中密度ポリエチレンを少なくとも1層含むポリエチレン樹脂層であることを示し、請求項7に記載した発明は、同じく、化成処理がリン酸クロメート処理であることを特徴とするものである。
【0006】請求項8に記載の発明は、請求項5〜請求項7のいずれかに記載のリチウム電池用包装材料の製造方法であり、アルミニウムの片面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施さない面とをドライラミネートした後、前記化成処理を施した面に接着樹脂層とヒートシール層とを共押出しして溶融膜とした接着樹脂層のアルミニウム面側のラミネート面をオゾン処理しながら積層することを特徴とする方法であり、請求項9に記載の発明は、同じく、請求項5〜請求項7のいずれかに記載のリチウム電池用包装材料の製造方法であり、アルミニウムの片面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施さない面とをドライラミネートした後、前記化成処理を施した面に接着樹脂層を押出して、ヒートシール層となるフィルムをサンドイッチラミネートする際に、接着樹脂の溶融膜のアルミニウム面側のラミネート面をオゾン処理しながら積層することを特徴とする方法である。
【0007】請求項10〜請求項13に記載の発明は、いずれも前記請求項8及び請求項9に記載のリチウム電池用包装材料の製造方法であって、接着樹脂層として中密度ポリエチレンを用いることを特徴とする方法(請求項10)、接着樹脂層として線状低密度ポリエチレンを用いることを特徴とする方法(請求項11)、得られた積層体を後加熱により、前記接着樹脂の軟化点以上になる条件に加熱することを特徴とする方法(請求項12)、溶融膜が対面するアルミニウムの面をそれぞれの溶融膜の軟化点以上になる条件に加熱してラミネートすることを特徴とする方法である(請求項13)である。
【0008】請求項14に記載の発明は、少なくとも基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、ヒートシール層からなり、ヒートシール層がポリエチレン系樹脂であることを特徴とするリチウム電池用包装材料であって、請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の発明において、ヒートシール層が密度0.935以上、MFR1〜15g/10秒である中密度ポリエチレンであることを示し、請求項16に記載の発明も、同じく、請求項14に記載の発明において、前記化成処理がリン酸クロメート処理であることを示す。
【0009】請求項17に記載の発明は、請求項14〜請求項16に記載のリチウム電池用包装材料の製造方法に関する発明であり、アルミニウムの両面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネートした後、前記化成処理を施した他の面にヒートシール層を形成する樹脂を押出し法により形成して積層体とする際に、該押出樹脂の溶融膜のラミネート面をオゾン処理しながら積層することを特徴とする方法である。
【0010】請求項18に記載の発明は、少なくとも基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、ヒートシール層からなり、接着性樹脂層ヒートシール層が密度0.92以上、MFR1〜15g/10秒の中密度ポリエチレンを少なくとも1層含むポリエチレン樹脂層であることを特徴とするリチウム電池用包装材料であり、請求項19に記載の発明は、請求項18に記載の発明における化成処理がリン酸クロメート処理であることを示す。
【0011】請求項20に記載の発明は、請求項18および請求項19に記載の包装材料の製造方法に関する発明であり、基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、接着樹脂層、ヒートシール層からなり、ヒートシール層が密度0.92以上、MFR1〜15g/10秒の中密度ポリエチレンを少なくとも1層含むポリエチレン樹脂層であるリチウム電池用包装材料の形成において、アルミニウムの両面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネートした後、前記化成処理を施した他の面に接着樹脂層とヒートシール層とを共押出しして溶融膜とした接着樹脂層のアルミニウム面側のラミネート面をオゾン処理しながら積層することを特徴とするリチウム電池用包装材料の製造方法である。
【0012】また、請求項21に記載の発明も、同じく請求項18および請求項19に記載の包装材料の製造方法に関する発明であり、基材層、接着層、化成処理層1アルミニウム、化成処理層2、接着樹脂層、ヒートシール層からなり、ヒートシール層が密度0.92以上、MFR1〜15g/10秒の中密度ポリエチレンを少なくとも1層含むポリエチレン樹脂層であるリチウム電池用包装材料の形成において、アルミニウムの両面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネートした後、前記化成処理を施した他の面に接着樹脂層を押出して、ヒートシール層となるフィルムをサンドイッチラミネートする際に、接着樹脂の溶融膜のアルミニウム面側のラミネート面をオゾン処理しながら積層することを特徴とする方法である。請求項22に記載の発明は、請求項20または請求項21のいずれかに記載のリチウム電池用包装材料の製造方法において、接着樹脂層として中密度ポリエチレンを用いることを特徴とし、請求項23に記載の発明も同じく請求項20または請求項21のいずれかに記載のリチウム電池用包装材料の製造方法において、接着樹脂層として線状低密度ポリエチレンを用いることを特徴とするものである。
【0013】請求項24に記載の発明は、請求項20〜請求項23に記載のリチウム電池用包装材料の製造方法において、得られた積層体を後加熱により、前記接着樹脂の軟化点以上になる条件に加熱することを特徴とするものであり、請求項25に記載の発明も同じく請求項20〜請求項23に記載のリチウム電池用包装材料の製造方法において、前記溶融膜が対面するアルミニウムの面をそれぞれの溶融膜の軟化点以上に加熱してラミネートすることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、防湿性、耐内容物性、及び、生産性が良く、ヒートシール層にクラックが発生しにくいリチウム電池用包装材料である。その積層体の層構成および製造方法について、図等を利用してさらに詳細に説明する。図1は、本発明のリチウム電池用包装材料における積層体の構成を説明する断面図であり、(a)は、押出しラミネート法により積層体とした場合、(b)は、サンドイッチラミネート法により積層体とした場合、(c)は、共押出ラミネート法により積層体とした場合の各実施例であり、(d)は、Y1部、(e)は、Y2部、(f)は、Y3部の各拡大図である。図2は、リチウム電池のパウチタイプの外装体を説明する斜視図である。図3は、リチウム電池のエンボスタイプの外装体を説明する斜視図である。図4は、エンボスタイプにおける成形を説明する、(a)斜視図、(b)エンボス成形された外装体本体、(c)X2−X2部断面図、(d)Y4部拡大図である。図5は、リチウム電池用包装材料を製造するサンドイッチラミネート法を説明する概念図である。図6は、リチウム電池用包装材料を製造する共押出しラミネート法を説明する概念図である。図7は、リチウム電池用包装材料とタブとの接着における接着性フィルムの装着方法を説明する斜視図である。
【0015】リチウム電池用包装材料が、例えばナイロン/接着層/アルミニウム/接着層/ヒートシール層、該ヒートシール層がサンドイッチラミネート法、ドライラミネート法、共押出しラミネート法、熱ラミネート法等により形成されていると、リチウム電池の外装体がエンボスタイプの場合、プレス成形において、側壁部においてアルミニウムと基材層との間が剥離するデラミネーションがおこることが多く、また、リチウム電池本体を外装体に収納してその周縁をヒートシールする部分においてもデラミネーションの発生があった。また、電池の構成要素である電解質と水分との反応により生成するフッ化水素により、アルミニウムの内面側表面が侵され、デラミネーションを起こすことがあった。
【0016】そこで、本発明者らは、エンボス成形時、ヒートシール時において、デラミネーションの発生のない積層体であって、また、耐内容物性のあるリチウム電池用の外装体として満足できる包装材料について鋭意研究の結果、アルミニウムの両面に化成処理を施し、基材とアルミニウムの内容物側の前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネートした後、前記化成処理した他の面、化成処理層(2)の面に、ポリエチレンからなる樹脂またはフィルムを押出しラミネート法、サンドイッチラミネート法または共押出しラミネート法によりラミネートする際に、ヒートシール層または接着樹脂層となる溶融樹脂膜の化成処理面側の面にオゾン処理を施しながら積層して得られる積層体を相応の加熱をすることにより接着強度を向上でき、本発明によると、接着樹脂層、ヒートシール層ともにポリエチレン系樹脂からなるリチウム電池用包装材料として、加工性に優れ、かつ、比較的安価な材料を用いて満足すべき性能を付与し得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0017】本発明のリチウム電池用包装材料の層構成は、図1(a)に示すように、少なくとも基材層11、接着層16、化成処理層15(1)、アルミニウム12、化成処理層15(2)、ヒートシール層14、からなる積層体、または、図1(b)に示すように、基材層11、接着層16、化成処理層15(1)、アルミニウム12、化成処理層15(2)、接着樹脂層13、ヒートシール層14からなる積層体である。
【0018】本発明のリチウム電池用包装材料の製造方法における第1の方法は、図1(a)に示すように、バリア層12の両面に、後述するような化成処理層15(1)、15(2)を設けること、ヒートシール層14を内容物側の化成処理面15(b)の面に直接押出し製膜する方法であり、該押出されたヒートシール層となる溶融樹脂膜のラミネート面側をオゾン処理するものであり、得られた積層体を前記ヒートシール層となる樹脂の軟化点以上の温度になるように加熱する方法である。該押出樹脂としては中密度ポリエチレンを用いることができる。
【0019】本発明のリチウム電池用包装材料の製造方法における第2の方法は、図1(b)に示すように、バリア層12の両面に、後述するような化成処理層15(1)、15(2)を設けること、フィルムとして予め製膜したヒートシール層14を、内容物側の化成処理面に、接着樹脂層13を押出してサンドイッチラミネートする方法において、前記接着樹脂の溶融樹脂膜のラミネート面側をオゾン処理するものであり、得られた積層体を前記接着樹脂の軟化点以上の温度になるように加熱する方法である。この場合、接着樹脂としては中密度ポリエチレンあるいは線状低密度ポリエチレンを用いることができる。また、ヒートシール層は中密度ポリエチレンを用いることができる。
【0020】本発明のリチウム電池用包装材料の製造方法における第3の方法は、図1(c)に示すように、バリア層12の両面に、後述するような化成処理層15(1)、15(2)を設けること、フィルムとして予め製膜したヒートシール層14を、内容物側の化成処理面に、接着樹脂とヒートシール層を形成する樹脂とを共押出しして積層体を形成する際に、前記接着樹脂の溶融樹脂膜のラミネート面側をオゾン処理しながら積層するものであり、得られた積層体を前記接着樹脂の軟化点以上の温度になるように加熱する方法である。この場合、接着樹脂としては中密度ポリエチレンあるいは線状低密度ポリエチレンを用いることができる。また、ヒートシール層は中密度ポリエチレンを用いることができる。
【0021】前記加熱は、ラミネート工程において行ってもよい。すなわち、本発明のリチウム電池用包装材料の製造方法における第1の方法の場合には、図1(a)に示すように、バリア層12の両面に、後述するような化成処理層15(1)、15(2)を設けること、ヒートシール層14を内容物側の化成処理面15(2)の面をヒートシール層となる樹脂の軟化点以上の温度になるように加熱して、該加熱面にヒートシール層となる樹脂を直接押出し製膜する方法であり、該押出されたヒートシール層となる溶融樹脂膜のラミネート面側をオゾン処理するものである。該押出樹脂としては中密度ポリエチレンを用いることができる。
【0022】また、リチウム電池用包装材料の製造方法における第2の方法の場合には、図1(b)に示すように、バリア層12の両面に、後述するような化成処理層15(1)、15(2)を設けること、内容物側の化成処理面を接着樹脂の軟化点以上の温度になるように加熱して、接着樹脂13を押出してフィルムとして予め製膜したヒートシール層14をサンドイッチラミネートする際に、前記接着樹脂の溶融樹脂膜のラミネート面側をオゾン処理するものである。この場合、接着樹脂としては中密度ポリエチレンあるいは線状低密度ポリエチレンを用いることができる。また、ヒートシール層は中密度ポリエチレンを用いることができる。
【0023】また、リチウム電池用包装材料の製造方法における第3の方法の場合には、図1(c)に示すように、バリア層12の両面に、後述するような化成処理層15(1)、15(2)を設けること、内容物側の化成処理面を接着樹脂の軟化点以上の温度になるように加熱して、接着樹脂とヒートシール層とを共押出しして積層体を形成する際に、前記接着樹脂の溶融樹脂膜のラミネート面側をオゾン処理しながら積層するものである。この場合、接着樹脂としては中密度ポリエチレンあるいは線状低密度ポリエチレンを用いることができる。また、ヒートシール層は中密度ポリエチレンを用いることができる。
【0024】本発明におけるオゾン処理法は、オゾン生成装置により発生させたオゾンを前述の各処理すべき溶融膜面に吹き付けて行うもので、該オゾン処理により、押出し樹脂のアルミニウム面側が極性化され、アルミニウムの化成処理面と、前記ヒートシール層または接着樹脂層との接着強度が向上する。また、アルミニウムを加熱しながら溶融樹脂膜を形成あるいはアルミニウムに溶融樹脂膜を形成後、加熱することで、この化成処理面と極性化された押出し層が強固に接着する。オゾンの発生装置としては、オゾンの発生量が0.6〜10g/m3、流量2〜20L/minの範囲のものを使用し、オゾン濃度としては、400g/m3以下の雰囲気においてオゾンの吹き付けを行う。
【0025】本発明における積層体の後加熱の条件は、積層体を形成後、前記化成処理面に押出される樹脂の軟化点以上の温度になる条件に加熱するものである。
【0026】また、本発明における積層体の前加熱の条件は、溶融樹脂膜を積層する際、溶融樹脂と対面する化成処理層の表面を溶融樹脂の軟化点以上の温度になる条件に加熱するものである。
【0027】リチウム電池用包装材料はリチウム電池本体を包装する外装体を形成するものであって、その外装体の形式によって、図2に示すようなパウチタイプと、図3(a)、図3(b)または図3(c)に示すようなエンボスタイプとがある。前記パウチタイプには、三方シール、四方シール等およびピロータイプ等の袋形式があるが、図2は、ピロータイプとして例示している。また、前記エンボスタイプとしては、図3(a)に示すように、片面に凹部を形成しても良いし、図3(b)に示すように、両面に凹部を形成してリチウム電池本体を収納して周縁の四方をヒートシールして密封しても良い。また、図3(c)に示すような折り部をはさんで両側に凹部形成して、リチウム電池を収納して3辺をヒートシールする形式もある。
【0028】本発明のリチウム電池外装体の加工工程に、ダイセットタイプの抜き型による抜き工程のある場合、外装体のヒートシール層が、低密度ポリエチレン、あるいは、線状低密度ポリエチレンの場合には、抜き部にバリが発生して不良品となり、さらには、その一部が抜き切れずに生産性を阻害することがあった。そこで、本発明者らは、前記抜き工程においても安定した生産性をあげる外装体の材質について、研究の結果、ヒートシール層として、密度0.935以上、MFR1〜15g/10秒の中、中密度ポリエチレンを用いることにより、前記ダイセット方式の抜きが安定することを見出した。
【0029】次に、本発明におけるリチウム電池用包装材料を形成する積層体の各層を構成する材料およびラミネートについて説明する。
【0030】本発明における前記基材層11は、延伸ポリエステルまたはナイロンフィルムからなるが、この時、ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。またナイロンとしては、ポリアミド樹脂、すなわち、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、ナイロン6,10、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等が挙げられる。
【0031】前記基材層11は、リチウム電池として用いられる場合、ハードと直接接触する部位であるため、基本的に絶縁性を有する樹脂層がよい。フィルム単体でのピンホールの存在、および加工時のピンホールの発生等を考慮すると、基材層は6μm以上の厚さが必要であり、好ましい厚さとしては12〜25μmである。
【0032】本発明においては、基材層11は耐ピンホール性および電池の外装体とした時の絶縁性を向上させるために、積層化することも可能である。基材層を積層体化する場合、基材層が2層以上の樹脂層を少なくとも一つを含み、各層の厚みが6μm以上、好ましくは、12〜25μmである。基材層を積層化する例としては、図示はしないが次の1)〜7)が挙げられる。
1)延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン2)延伸ナイロン/延伸延伸ポリエチレンテレフタレートまた、包装材料の機械適性(包装機械、加工機械の中での搬送の安定性)、表面保護性(耐熱性、耐電解質性)、2次加工とてリチウム電池用の外装体をエンボスタイプとする際に、エンボス時の金型と基材層との摩擦抵抗を小さくする目的あるいは電解液が付着した場合に基材層を保護するために、基材層を多層化、基材層表面にフッ素系樹脂層、アクリル系樹脂層、シリコーン系樹脂層、ポリエステル系樹脂層等を設けることが好ましい。例えば、3)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート(フッ素系樹脂は、フィルム状物、または液状コーティング後乾燥で形成)
4)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート(シリコーン系樹脂は、フィルム状物、または液状コーティング後乾燥で形成)
5)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン6)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン7)アクリル系樹脂/延伸ナイロン(アクリル系樹脂はフィルム状、または液状コーティング後乾燥で硬化)
【0033】前記バリア層12は、外部からリチウム電池の内部に特に水蒸気が浸入することを防止するための層で、バリア層単体のピンホール、及び加工適性(パウチ化、エンボス成形性)を安定化し、かつ耐ピンホールをもたせるために厚さ15μm以上のアルミニウム、ニッケルなどの金属、又は、無機化合物、例えば、酸化珪素、アルミナ等を蒸着したフィルムなども挙げられるが、バリア層として好ましくは厚さが20〜80μmのアルミニウムとする。ピンホールの発生をさらに改善し、リチウム電池の外装体のタイプをエンボスタイプとする場合、エンボス成形におけるクラックなどの発生のないものとするために、本発明者らは、バリア層として用いるアルミニウムの材質が、鉄含有量が0.3〜9.0重量%、好ましくは0.7〜2.0重量%とすることによって、鉄を含有していないアルミニウムと比較して、アルミニウムの展延性がよく、積層体として折り曲げによるピンホールの発生が少なくなり、かつ前記エンボスタイプの外装体を成形する時に側壁の形成も容易にできることを見出した。前記鉄含有量が、0.3重量%未満の場合は、ピンホールの発生の防止、エンボス成形性の改善等の効果が認められず、前記アルミニウムの鉄含有量が9.0重量%を超える場合は、アルミニウムとしての柔軟性が阻害され、積層体として製袋性が悪くなる。
【0034】また、冷間圧延で製造されるアルミニウムは焼きなまし(いわゆる焼鈍処理)条件でその柔軟性・腰の強さ・硬さが変化するが、本発明において用いるアルミニウムは焼きなましをしていない硬質処理品より、多少または完全に焼きなまし処理をした軟質傾向にあるアルミニウムがよい。前記、アルミニウムの柔軟性・腰の強さ・硬さの度合い、すなわち焼きなましの条件は、加工適性(パウチ化、エンボス成形)に合わせ適宜選定すればよい。たとえば、エンボス成形時のしわやピンホールを防止するためには、成形の程度に応じた焼きなましされた軟質アルミニウムを用いることができる。
【0035】本発明の課題に対して、本発明者らは、鋭意研究の結果、リチウム電池用包装材料のバリア層12であるアルミニウム表、裏面に化成処理を施すことによって、前記包装材料として満足できる積層体とすることができた。前記化成処理とは、具体的にはリン酸塩、クロム酸塩、フッ化物、トリアジンチオール化合物等の耐酸性皮膜を形成することによってエンボス成形時のアルミニウムと基材層との間のデラミネーション防止と、リチウム電池の電解質と水分とによる反応で生成するフッ化水素により、アルミニウム表面の溶解、腐食、特にアルミニウムの表面に存在する酸化アルミが溶解、腐食することを防止し、かつ、アルミニウム表面の接着性(濡れ性)を向上させ、エンボス成形時、ヒートシール時の基材層とアルミニウムとのデラミネーション防止、電解質と水分との反応により生成するフッ化水素によるアルミニウム内面側でのデラミネーション防止効果が得られた。各種の物質を用いて、アルミニウム面に化成処理を施し、その効果について研究した結果、前記耐酸性皮膜形成物質のなかでも、フェノール樹脂、フッ化クロム(3)化合物、リン酸の3成分から構成されたものを用いるリン酸クロメート処理が良好であった。
【0036】前記化成処理層15の形成は、リチウム電池の外装体がパウチタイプの場合には、アルミニウムの最内層側の片面だけでよい。リチウム電池の外装体がエンボスタイプの場合には、アルミニウムの両面に化成処理層15(1)、15(2)を設けることによって、エンボス成形時のアルミニウムと基材層との間のデラミネーションを防止することができる。アルミニウムの両面に化成処理した積層体をパウチタイプに用いてもよい。
【0037】前述のように、本発明のリチウム電池用包装材料の製造方法を用いることによって、ヒートシール層またはヒートシール層を積層するための接着樹脂層として、ポリエチレン系樹脂を用いることができる。前記化成処理面に、ポリエチレン樹脂または酸変性ポリエチレンを接着樹脂として押出してポリエチレンフィルムをサンドイッチラミネートすると、化成処理面へのポリエチレン樹脂は接着が悪く、押出酸変性ポリエチレン樹脂であっても接着性が十分でなく、その対策として、本発明者らは、前記化成処理面に、酸変性ポリエチレンのエマルジョン液をロールコート法等により塗布し、乾燥後、170〜200℃の温度で焼付けを行った後、前述の酸変性ポリエチレンを接着樹脂としてサンドイッチラミネートすると、その接着強度はよくなるが、前記焼付けの加工速度は極めて遅く、接着樹脂層生産性の悪いものであった。
【0038】そこで、本発明者らは、酸変性ポリエチレンの塗布、焼付けが無くとも、安定した接着強度を示す積層方法について鋭意研究の結果、基材層と両面に化成処理したバリア層の片面とをドライラミネートし、前記前記溶融膜へのオゾン処理と得られた積層体の後加熱あるいは、前記溶融膜を形成する際、アルミニウムを加熱しながらオゾン処理することで、所定の接着強度を有する積層体とすることができた。
【0039】前記加熱の具体的な方法としては、熱ロール接触式、熱風式、近または遠赤外線等の方法があるが、本発明においてはいずれの加熱方法でもよく、前述のように、接着樹脂がその軟化点温度以上に加熱できればよい。
【0040】リチウム電池用包装材料のヒートシール層を形成する樹脂としては、酸変性ポリプロピレン、酸変性ポリエチレン等が用いられるが、本発明のリチウム電池用包装材料の製造方法を用いることにより、内容物保護性、加工性、ヒートシール性等に優れているポリエチレン系樹脂を用いることができる。ここで用いられるポリエチレン系樹脂としては、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等が挙げられるが、前記第1の製造方法におけるヒートシール層としては、中密度ポリエチレンまたは線状低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。また、前記第2または第3の製造方法における接着樹脂としては中密度ポリエチレンまたは線状低密度ポリエチレン、ヒートシール層としては、中密度ポリエチレンを用いることができる。
【0041】前記線状低密度ポリエチレンとしては、・軟化点 70℃以上・融点 112℃以上・密度 0.91以上前記中密度ポリエチレンとしては、・軟化点 80℃以上・融点 120℃以上・密度 0.92以上・MFR 1〜15g/10秒ヒートシール層または、接着樹脂層とヒートシール層としての好ましい樹脂あるいはその組み合わせとしては、単層押出しの場合:ヒートシール層として中密度ポリエチレン接着樹脂層によりヒートシール層を形成する場合:(1)接着樹脂層として中密度ポリエチレン/ヒートシール層として中密度ポリエチレン(2)接着樹脂層として線状低密度ポリエチレン/ヒートシール層として中密度ポリエチレンとすることが好ましい。
前記線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンには、低結晶性のエチレンーブテン共重合体、低結晶性のプロピレンーブテン共重合体、エチレンとブテンとプロピレンの3成分共重合体からなるターポリマー、シリカ、ゼオライト、アクリル樹脂ビーズ等のアンチブロッキング剤(AB剤)、脂肪酸アマイド系の滑材等を添加してもよい。
【0042】本発明のリチウム電池用包装材料の積層体として、前記、基材層、バリア層接着樹脂層、ヒートシール層(PE)の他に、バリア層とヒートシール性フィルム層との間に、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等の2軸延伸フィルムからなる中間層を設けてもよい。中間層は、リチウム電池用包装材料としての強度向上、バリア性の改善安定化、リチウム電池外装体のヒートシール時のタブとバリア層との接触による短絡を防止するなどのために積層されることがある。
【0043】本発明の積層体における前記の各層には、適宜、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性を向上、安定化する目的のために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理等の表面活性化処理をしてもよい。また,成形性を向上させるために、ヒートシール層あるいは接着樹脂層に流動パラフィンを2〜6g/m2コーティングまたは含浸させてもよい。
【0044】ただし、ポリエチレンは金属に対するヒートシール性がないため、リチウム電池におけるタブ部のヒートシールの際には、図7(a)、図7(b)、図7(c)に示すように、タブと積層体のヒートシール層との間に、金属とPEとの双方に対してヒートシール性を有する接着性フィルムを介在させることにより、タブ部での密封性も確実となる。前記接着性フィルムは、図7(d)、図7(e)、図7(f)に示すように、タブの所定の位置に巻き付けても良い。前記接着性フィルムとしては、前記不飽和カルボングラフトポリオレフィン、金属架橋ポリエチレン、エチレンまたはプロピレンとアクリル酸、またはメタクリル酸との共重合物からなるフィルムを用いることができる。
【0045】本発明のリチウム電池用包装材料における基材11とバリア層12の化成処理面とは、ドライラミネート法によって貼り合わせることが望ましい。前記、基材11とアルミニウムのリン酸クロメート処理面とのドライラミネートに用いる接着剤としては、ポリエステル系、ポリエチレンイミン系、ポリエーテル系、シアノアクリレート系、ウレタン系、有機チタン系、ポリエーテルウレタン系、エポキシ系、ポリエステルウレタン系、イミド系、イソシアネート系、ポリオレフィン系、シリコーン系の各種接着剤を用いることができる。
【0046】
【実施例】本発明のリチウム電池用包装材料について、実施例によりさらに具体的に説明する。化成処理は、いずれも、処理液として、フェノール樹脂、フッ化クロム(3)化合物、リン酸からなる水溶液を、ロールコート法により、塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件において焼き付けた。クロムの塗布量は、10mg/m2(乾燥重量)である。以下の各実施例、および比較例において用いた線状低密度ポリエチレン(以下、LLDPE)、軟化点98℃、融点は115℃のものを用いた。また、MDPEは中密度ポリエチレンを示す。また、オゾン処理方法は、スリットタイプノズルを用い、溶融押出し膜の全巾に吹き付けるが、実施例および比較例のうちオゾン処理したものについては、次の(A)(B)の2条件において処理した。
(A)条件流量:20L/mmin発生量:10g/m3オゾン処理時のオゾン濃度:400g/m3(B)条件流量:2L/mmin発生量:0.6g/m3オゾン処理時のオゾン濃度:5g/m3実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例3、比較例7〜比較例9及び比較例13は、パウチタイプの外装体で、いずれも、50mm巾、80mm長さのピロータイプのパウチを製袋し、リチウム電池本体を収納して密封した。なお、実施例4〜実施例5、比較例4〜比較例6、比較例10〜比較例12及び比較例14は、いずれもエンボスタイプとし、成形型の凹部(キャビティ)の形状を30×50mm、深さ3.5mmとしてプレス成形して成形性の評価をした。なお、各例とも、リチウム電池のタブのシール部には、接着性フィルムとして、厚さ50μmの不飽和カルボン酸グラフト線状低密度ポリエチレンからなるフィルムをタブのシール部に巻き付けてヒートシールした。
[実施例1](パウチタイプ)
アルミニウム20μmの片面に化成処理を施し、化成処理していない面に延伸ポリエステルフィルム(厚さ16μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの面(化成処理層)に、ヒートシール層を形成する際に、MDPE(密度0.935、MFR6.0g/10秒、軟化点114℃、融点125℃)をヒートシール層として30μmの厚さの溶融樹脂膜として押出して、該溶融樹脂膜のラミネート面をオゾン処理しながら押出ラミネートして積層体とした後、該積層体を、MDPEの軟化点以上に加熱して、検体実施例1を得た。
[実施例2](パウチタイプ)
アルミニウム20μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面、化成処理層(1)に延伸ポリエステルフィルム(厚さ12μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面、化成処理層(2)に、ヒートシール層を形成する際に、MDPEを接着樹脂層として30μmの厚さの溶融樹脂膜として押出して、該溶融樹脂膜のアルミニウムとのラミネート面をオゾン処理しながら、ヒートシール層としてMDPEフィルム(密度0.940、MFR2.0g/10秒、軟化点114℃、融点128℃、40μm)をサンドイッチラミネートして積層体とした後、該積層体を、MDPEの軟化点以上に加熱して、検体実施例2を得た。
[実施例3](パウチタイプ)
アルミニウム20μmの片面に化成処理を施し、化成処理していない面に延伸ポリエステルフィルム(厚さ16μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの面、化成処理層に、ヒートシール層を形成する際に、LLDPEを接着樹脂層として20μmの厚さに、MDPE(密度0.924、MFR7.0g/10秒、軟化点114℃、融点126℃、40μm)をヒートシール樹脂として30μmの厚さに共押出しダイから溶融樹脂膜として押出し、該溶融樹脂膜のアルミニウムとのラミネート面をオゾン処理しながら、共押出しラミネートして積層体とした後、該積層体を、LLDPEの軟化点以上に加熱して、検体実施例3を得た。
[実施例4](エンボスタイプ)
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面、化成処理層(1)の面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面、化成処理層(2)の面に、MDPE(密度0.940、MFR8.0g/10秒)をヒートシール層として30μmの厚さの溶融樹脂膜として押出して、該溶融樹脂膜のアルミニウムとのラミネート面をオゾン処理しながら、押出ラミネートして積層体とした後、該積層体を、MDPEの軟化点以上に加熱して、検体実施例4を得た。
[実施例5](エンボスタイプ)
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム25μmをドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面に、LLDPEを接着樹脂として20μmの厚さに溶融樹脂膜として押出して、該溶融樹脂膜のアルミニウムとのラミネート面をオゾン処理しながら、ヒートシール層となるMDPEフィルム(密度0.940、MFR12g/10秒、軟化点116℃、融点131℃、厚さ30μm)をサンドイッチラミネートし、得られた積層体をLLDPEの軟化点以上になるように加熱して検体実施例5を得た。
【0047】[比較例1](パウチタイプ)
アルミニウム20μmの片面に化成処理を施し、化成処理していない面に延伸ポリエステルフィルム(厚さ16μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの面(化成処理層)に、ヒートシール層を形成する際に、MDPEをヒートシール層として30μmの厚さの溶融樹脂膜として押出して積層体とした後、該積層体を、MDPEの軟化点以上に加熱して、検体比較例1を得た。
[比較例2](パウチタイプ)
アルミニウム20μmの両面に化成処理を施し、化成処理した一方の面、化成処理層(1)に延伸ポリエステルフィルム(厚さ12μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面、化成処理層(2)に、ヒートシール層を形成する際に、MDPEを接着樹脂層として30μmの厚さの溶融樹脂膜として押出して、ヒートシール層としてLLDPEフィルム(40μm)をサンドイッチラミネートして積層体とした後、該積層体を、MDPEの軟化点以上に加熱して、検体比較例2を得た。
[比較例3](パウチタイプ)
アルミニウム20μmの片面に化成処理を施し、化成処理していない面に延伸ポリエステルフィルム(厚さ16μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの面、化成処理層に、ヒートシール層を形成する際に、LLDPEを接着樹脂層として20μmの厚さに、LLDPEをヒートシール樹脂として30μmの厚さに共押出しダイから溶融樹脂膜として押出しラミネートして積層体とした後、該積層体を、MDPEの軟化点以上に加熱して、検体比較例3を得た。
[比較例4](エンボスタイプ)
アルミニウム40μmの片面に化成処理を施し、化成処理していない面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの面(化成処理層)の面に、MDPEをヒートシール層として30μmの厚さの溶融樹脂膜として押出ラミネートして積層体とした後、該積層体を、MDPEの軟化点以上に加熱して、検体比較例4を得た。
[比較例5](エンボスタイプ)
アルミニウム40μmの片面に化成処理を施し、化成処理していない面に延伸ナイロンフィルム25μmをドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理した面に、MDPEを接着樹脂として20μmの厚さに押出して、ヒートシール層となるLLDPEフィルム(厚さ30μm)をサンドイッチラミネートし、得られた積層体をMDPEの軟化点以上になるように加熱して検体比較例5を得た。
[比較例6](エンボスチタイプ)
アルミニウム40μmの片面に化成処理を施し、化成処理していない面延伸ナイロン25μmをドライラミネート法によって貼り合わせ、次に、化成処理した面(化成処理層)の面に、MDPEを接着樹脂として20μmの厚さに、LLDPEをヒートシール樹脂として30μmの厚さに共押出ダイから溶融樹脂膜として押出して積層し、得られた積層体をMDPEの軟化点以上になるように加熱して検体比較例6を得た。
[比較例7](パウチタイプ)
後加熱を行わないことを除いては実施例1と同一の条件で積層体として、検体比較例7を得た。
[比較例8](パウチタイプ)
後加熱を行わないことを除いては実施例2と同一の条件で積層体として、検体比較例8を得た。
[比較例9](パウチタイプ)
後加熱を行わないことを除いては実施例3と同一の条件で積層体として、検体比較例9を得た。
[比較例10](エンボスタイプ)
後加熱を行わないことを除いては実施例4と同一の条件で積層体として、検体比較例10を得た。
[比較例11](エンボスタイプ)
後加熱を行わないことを除いては実施例5と同一の条件で積層体として、検体比較例11を得た。
[比較例12](エンボスタイプ)
後加熱を行わないことを除いては実施例6と同一の条件で積層体として、検体比較例12を得た。
[比較例13](パウチタイプ、ダイセット抜きあり)
アルミニウム20μmの片面に化成処理を施し、化成処理していない面にPET16μmをドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの面(化成処理層)に、ヒートシール層を形成する際に、LLDPEを接着樹脂層として15μmの厚さの熔融樹脂膜として、アルミニウムのラミネート面側にオゾン処理しながら押出し、ヒートシール層としてLLDPEフィルム(密度0.91、MFR5.0g/10秒、軟化温度100℃)をサンドイッチラミネート法により積層体とした後、該積層体をLLDPEの軟化点以上に加熱して検体比較例13を得た。
[比較例14](エンボスタイプ、ダイセット抜きあり)
アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処理した片面にON25μmをドライラミネートし、他の面の化成処理面にヒートシール層を形成する際に、LLDPEを接着樹脂層とし15μmの厚さの熔融樹脂膜としてアルミニウムのラミネート面側にオゾン処理しながら押出し、ヒートシール層としてLLDPEフィルム(密度0.91、MFR5.0g/10秒、軟化温度100℃)をサンドイッチラミネート法により積層体とした後、該積層体をLLDPEの軟化点以上に加熱して検体比較例14を得た。
【0048】<パウチ化、エンボス成形、包装>得られた各検体の実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例3及び比較例7〜比較例9及び比較例13はパウチとして製袋し、実施例4、実施例5、比較例4〜比較例6、比較例9〜比較例12及び比較例14はプレス成形し、それぞれリチウム電池本体を包装して下記の評価を行った。なお、評価は、前記条件毎に各100個ずつで行った。
【0049】<評価方法>1)耐内容物性保存条件として、各検体を、60℃、90%RHの恒温槽に、7日間保存した後に、アルミニウムとラミネートされているPEのデラミネーションの有無を確認した。
2)ヒートシール時のデラミネーション成形後またはパウチ化する場合、190℃、5秒、98N/cm2の条件でヒートシール後、90℃、24時間放置後に、アルミニウムと基材層とのデラミネーションの有無を確認した。
3)抜き適性ダイセットタイプの抜き型(オス型とメス型のクリアランス10μm、押し込み量1mm)により、バリなく抜きが可能か否かを判定する。
【0050】<結果>実施例1〜実施例6、比較例13、比較例14は、オゾン処理(A)条件、(B)条件とも、パウチ、エンボスのいずれのタイプにも、ヒートシール時のデラミネーションはなく、耐内容物に起因するデラミネーションも認められなかった。比較例1〜比較例3は、パウチ化においてはデラミネーションはなかったが、耐内容物性においては全数デラミネーションを起こした。比較例4〜比較例6は、ヒートシール時のデラミネーションは100個中80個に発生し、耐内容物性においては全数デラミネーションを起こした。比較例7〜比較例9は、オゾン処理(A)条件、(B)条件とも、パウチ化においてはデラミネーションはなかったが、耐内容物性においては全数デラミネーションを起こした。比較例10〜比較例12は、オゾン処理(A)条件、(B)条件とも、ヒートシール時での基材とアルミニウムとのデラミネーションは認められなかったが、耐内容物性においては全数デラミネーションを起こした。実施例1〜実施例5は、ダイセット抜きが問題なくできたが、比較例13および比較例14は、いずれもバリを発生し、抜き残りがあった。
【0051】
【発明の効果】本発明のリチウム電池用包装材料におけるアルミニウムの両面に施した化成処理によって、エンボス成形時、及びヒートシール時の基材層とアルミニウムとの間でのデラミネーションの発生を防止することができ、また、リチウム電池の電解質と水分との反応により発生するフッ化水素によるアルミニウム面の腐食を防止出来ることにより、アルミニウムと内容物側の層とのデラミネーションをも防止できる顕著な効果を示す。また、リチウム電池用包装材料のヒートシール層の形成を、押出ラミネート法、サンドイッチラミネート法または共押出しラミネート法を用いて行う場合、化成処理面にラミネートされる樹脂の溶融膜のラミネート面をオゾン処理しながらラミネートを行い、得られる積層体を前記樹脂の軟化点以上に加熱する手段をとることにより、接着樹脂、ヒートシール層を形成する樹脂がポリエチレン系であってもリチウム電池用包装材料として利用することができ、酸変性ポリオレフィン、金属架橋ポリエチレンなどの樹脂と比較して、加工性、経済性の面から有利である。また、ダイセットタイプの抜き工程を行う場合には、ヒートシール層に用いるポリエチレン樹脂を前記密度、MFRとすることによって抜き不良のない作業が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリチウム電池用包装材料における積層体の構成を説明する断面図であり、(a)は、押出しラミネート法により積層体とした場合、(b)は、サンドイッチラミネート法により積層体とした場合、(c)は、共押出ラミネート法により積層体とした場合の各実施例であり、(d)は、Y1部、(e)は、Y2部、(f)は、Y3部の各拡大図である。
【図2】リチウム電池のパウチタイプの外装体を説明する斜視図である。
【図3】リチウム電池のエンボスタイプの外装体を説明する斜視図である。
【図4】エンボスタイプにおける成形を説明する、(a)斜視図、(b)エンボス成形された外装体本体、(c)X2−X2部断面図、(d)Y4部拡大図である。
【図5】リチウム電池用包装材料を製造するサンドイッチラミネート法を説明する概念図である。
【図6】リチウム電池用包装材料を製造する共押出し法を説明する概念図である。
【図7】リチウム電池用包装材料とタブとの接着における接着性フィルムの装着方法を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 リチウム電池
2 リチウム電池本体
3 セル(蓄電部)
4 タブ(電極)
5 外装体
6 接着性フィルム(タブ部)
7 凹部
8 側壁部
9 シール部
10 積層体(リチウム電池用包装材料)
11 基材層
12 アルミニウム(バリア層)
13 接着樹脂層
14 ヒートシール性フィルム層(ポリエチレンフィルム)
15 化成処理層
16 接着層
17 オゾン処理面
20 プレス成形部
21 オス型
22 メス型
23 キャビティ
30 サンドイッチラミネート装置
31 押出機
32 ダイ
33 溶融樹脂膜
34 チルロール
35 圧着ロール
36 ヒートシール層フィルム
37 積層体
40 共押出しラミネート装置
41 押出機
42 ダイ
43 溶融樹脂膜
44 チルロール
45 圧着ロール
46 積層体
50 オゾン処理装置
51 オゾン吹き付け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】少なくとも基材層、接着層、アルミニウム、化成処理層、ヒートシール層からなり、ヒートシール層がポリエチレン系樹脂であることを特徴とするリチウム電池用包装材料。
【請求項2】ヒートシール層が密度0.935以上、MFR1〜15g/10秒の中密度ポリエチレンを少なくとも1層含むポリエチレン樹脂層であることを特徴とする請求項1記載のリチウム電池用包装材料。
【請求項3】前記化成処理がリン酸クロメート処理であることを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれかに記載のリチウム電池用包装材料。
【請求項4】基材層、接着層、アルミニウム、化成処理層、ヒートシール層からなるリチウム電池用包装材料の形成において、アルミニウムの片面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施さない面とをドライラミネートした後、前記化成処理を施した面にヒートシール層を形成する樹脂を押出し法により形成して積層体とする際に、該押出樹脂の溶融膜のラミネート面をオゾン処理しながら積層することを特徴とするリチウム電池用包装材料の製造方法。
【請求項5】少なくとも、基材層、接着層、アルミニウム、化成処理層、接着性樹脂層、ヒートシール層からなり、接着性樹脂層とヒートシール層がポリエチレン系樹脂であることを特徴とするリチウム電池用包装材料。
【請求項6】ヒートシール層が、密度0.92以上、MFR1〜15g/10秒の中密度ポリエチレンを少なくとも1層含むポリエチレン樹脂層であることを特徴とする請求項5記載のリチウム電池用包装材料。
【請求項7】化成処理がリン酸クロメート処理であることを特徴とする請求項5又は請求項6記載のリチウム電池用包装材料。
【請求項8】基材層、接着層、アルミニウム、化成処理層、接着樹脂層、ヒートシール層からなるリチウム電池用包装材料の形成において、アルミニウムの片面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施さない面とをドライラミネートした後、前記化成処理を施した面に接着樹脂層とヒートシール層とを共押出しして溶融膜とした接着樹脂層のアルミニウム面側のラミネート面をオゾン処理しながら積層することを特徴とするリチウム電池用包装材料の製造方法。
【請求項9】基材層、接着層、アルミニウム、化成処理層、接着樹脂層、ヒートシール層からなるリチウム電池用包装材料の形成において、アルミニウムの片面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施さない面とをドライラミネートした後、前記化成処理を施した面に接着樹脂層を押出して、ヒートシール層となるフィルムをサンドイッチラミネートする際に、接着樹脂層の溶融膜のアルミニウム面側のラミネート面をオゾン処理しながら積層することを特徴とするリチウム電池用包装材料の製造方法。
【請求項10】接着樹脂層として中密度ポリエチレンを用いることを特徴とする請求項6または請求項8または請求項9に記載のリチウム電池用包装材料の製造方法。
【請求項11】接着樹脂層として線状低密度ポリエチレンを用いることを特徴とする請求項8または請求項9に記載のリチウム電池用包装材料の製造方法。
【請求項12】得られた積層体を後加熱により、前記接着樹脂の軟化点以上になる条件に加熱することを特徴とする請求項4、請求項8〜請求項11のいずれかに記載のリチウム電池用包装材料の製造方法。
【請求項13】前記溶融膜が対面するアルミニウムの面をそれぞれの溶融膜の軟化点以上になる条件に加熱してラミネートすることを特徴とする請求項4、請求項8〜請求項11のいずれかに記載のリチウム電池用包装材料の製造方法。
【請求項14】少なくとも基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、ヒートシール層からなり、ヒートシール層がポリエチレン系樹脂であることを特徴とするリチウム電池用包装材料。
【請求項15】ヒートシール層が密度0.935以上、MFR1〜15g/10秒である中密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項14に記載のリチウム電池用包装材料。
【請求項16】前記化成処理がリン酸クロメート処理であることを特徴とする請求項14または請求項15のいずれかに記載のリチウム電池用包装材料。
【請求項17】基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、ヒートシール層からなるリチウム電池用包装材料の形成において、アルミニウムの両面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネートした後、前記化成処理を施した他の面にヒートシール層を形成する樹脂を押出し法により形成して積層体とする際に、該押出樹脂の溶融膜のラミネート面をオゾン処理しながら積層することを特徴とするリチウム電池用包装材料の製造方法。
【請求項18】少なくとも基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、接着樹脂層、ヒートシール層からなり、接着性樹脂層とヒートシール層がポリエチレン系樹脂であることを特徴とするリチウム電池用包装材料。
【請求項19】ヒートシール層が、密度0.92以上、MFR1〜15g/10秒の中密度ポリエチレンを少なくとも1層含むポリエチレン樹脂層であることを特徴とする請求項18記載のリチウム電池用包装材料。
【請求項20】化成処理がリン酸クロメート処理であることを特徴とする請求項18又は請求項19記載のリチウム電池用包装材料。
【請求項21】基材層、接着層、化成処理層1、アルミニウム、化成処理層2、接着樹脂層、ヒートシール層からなり、ヒートシール層が密度0.92以上、MFR1〜15g/10秒の中密度ポリエチレンを少なくとも1層含むポリエチレン樹脂層であるリチウム電池用包装材料の形成において、アルミニウムの両面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネートした後、前記化成処理を施した他の面に接着樹脂層とヒートシール層とを共押出しして溶融膜とした接着樹脂層のアルミニウム面側のラミネート面をオゾン処理しながら積層することを特徴とするリチウム電池用包装材料の製造方法。
【請求項22】基材層、接着層、化成処理層1アルミニウム、化成処理層2、接着樹脂層、ヒートシール層からなり、ヒートシール層が密度0.92以上、MFR1〜15g/10秒の中密度ポリエチレンを少なくとも1層含むポリエチレン樹脂層であるリチウム電池用包装材料の形成において、アルミニウムの両面に化成処理を施し、基材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネートした後、前記化成処理を施した他の面に接着樹脂層を押出して、ヒートシール層となるフィルムをサンドイッチラミネートする際に、接着樹脂の溶融膜のアルミニウム面側のラミネート面をオゾン処理しながら積層することを特徴とするリチウム電池用包装材料の製造方法。
【請求項23】接着樹脂層として中密度ポリエチレンを用いることを特徴とする請求項21または請求項22に記載のリチウム電池用包装材料の製造方法。
【請求項24】接着樹脂層として線状低密度ポリエチレンを用いることを特徴とする請求項21または請求項22に記載のリチウム電池用包装材料の製造方法。
【請求項25】得られた積層体を後加熱により、前記接着樹脂の軟化点以上になる条件に加熱することを特徴とする請求項21〜請求項24のいずれかに記載のリチウム電池用包装材料の製造方法。
【請求項26】前記溶融膜が対面するアルミニウムの面をそれぞれの溶融膜の軟化点以上に加熱してラミネートすることを特徴とする請求項21〜請求項24のいずれかに記載の記載のリチウム電池用包装材料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2001−332228(P2001−332228A)
【公開日】平成13年11月30日(2001.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−283651(P2000−283651)
【出願日】平成12年9月19日(2000.9.19)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】