説明

リフロー装置

【課題】冷却に使用された結果暖められた媒体を炉内に供給して電力消費を少なくし、さらに、所望のプロファイルを設定できるようにする。
【解決手段】リフロー炉は、被加熱物の搬送経路に沿って複数の炉体が連続して配置され、断熱材で少なくとも一部が覆われている。搬送経路の入口側から出口側に向かって順にプリヒート部と、リフロー部と、冷却部とが構成される。冷却に使用された媒体例えば窒素ガスをリフロー部に含まれる炉体に対して供給する。リフロー部と隣接するプリヒート部のゾーンに対して配管が設けられ、配管内に媒体が供給されることによって、該ゾーンが冷却される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば複数の炉体が連続して配列されているリフロー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品またはプリント配線基板に対して、予めはんだ組成物(例えばクリームはんだ)を供給しておき、リフロー炉の中に配線基板を搬送コンベヤで搬送するリフロー装置が使用されている。はんだ組成物は、粉末はんだ、溶剤、フラックスを含む。リフロー装置は、基板を搬送する搬送コンベヤと、この搬送コンベヤによって被加熱物としての基板が供給されるリフロー炉とを備えている。
【0003】
リフロー炉は、例えば、搬入口(入口)から搬出口(出口)に至る搬送経路に沿って、複数の炉体が直線的に配列された構成されている。複数の炉体は、その機能によって、プリヒート部、リフロー部、冷却部に分けられる。プリヒート部は、基板を予熱する部分であり、リフロー部がはんだを溶融させる加熱部である。
【0004】
プリヒート部およびリフロー部に含まれる炉体の一例は、上部炉体および下部炉体を有する。例えば上部炉体から基板に対して熱風が吹きつけられ、下部炉体から基板に対して熱風が吹きつけられることによって、はんだ組成物内のはんだを溶融させて基板の電極と電子部品とがはんだ付けされる。
【0005】
リフロー装置各部における消費電力の割合の一例は、ヒーターの電力が75.2%、送風機および搬送コンベアにおける電力が13.3%、窒素ガスの加熱のための電力が7.4%、水のタンクを強制的に冷却する送風機(チラー)における電力が4.0%である。窒素ガスは、炉内の雰囲気を低酸素濃度としてはんだ接合性を良好とするのに使用される。窒素ガスは、常温であるために、炉内に供給された窒素ガスを加熱するための電力が必要となる。リフロー装置の省電力化のためには、炉体を断熱材で覆って外部への放熱を抑え、ヒーターの電力および窒素ガスの加熱に要する電力を減少させることが有効である。
【0006】
例えば下記の特許文献1には、断熱材で炉体を覆った場合に、所望の温度制御ができなくなる問題が記載されている。特許文献1では、断熱材を設けずに炉体の周りに通風通路を設け、ファンによって通風通路に冷却風を流すことで冷却を行い、さらに、ファンを停止して冷却風を流さないで、放熱を抑制するように制御している。その結果、所望の温度制御を行うようにしている。
【0007】
特許文献2には、断熱層と内部の隔壁の間にエアー層を設け、エアー層に冷却用空気を供給すると共に、加熱部に冷却用ガスを供給してリフロー炉の温度制御を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3535988号公報
【0009】
【特許文献2】特開2003−140885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、リフロー装置においては、基板に対して予め設定した温度条件で加熱することが必要とされる。この温度条件のことをプロファイルと称する。断熱材で炉体を覆って放熱を抑えると、温度の変化が比較的大きい箇所で、設定した温度変化が生じない問題があった。プリヒート部の終わりに位置する炉体と、リフロー部の最初に位置する炉体の間で、例えば80℃の温度差が設定されている場合、リフロー部と隣接するゾーンの温度が高くなりすぎ、40℃の温度差しか生じないことが起きる。その結果、所望の温度変化の傾きを有するプロファイルを設定することができない問題が生じる。
【0011】
特許文献1に記載のリフロー装置は、炉壁と断熱壁との間に通風通路を設けて、ファンによって通風通路に冷却風を流すようにしている。かかる特許文献1の構成では、断熱材を設けず、また、電力消費を伴うファンを追加するので、省電力化が不十分となる問題があった。さらに、特許文献2に記載のものは、被加熱物の種類を変更する時に、急速に冷却するものである。これらの特許文献1および特許文献2の何れも断熱材で炉体を覆った時に所望のプロファイルを設定できない問題を解決することができない。
【0012】
したがって、この発明の目的は、炉体を断熱材で覆って省電力化を行う場合に、予め設定されたプロファイルの温度制御ができなくなる問題を解決することができるリフロー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために、この発明は、被加熱物の搬送経路に沿って複数の炉体が連続して配置され、断熱材で少なくとも一部が覆われているリフロー炉と、
リフロー炉において、搬送経路の入口側から出口側に向かって順に構成されるプリヒート部と、リフロー部と、冷却部と、
冷却に使用された媒体をリフロー部に含まれる炉体に対して導入する媒体供給経路と
を有するリフロー装置である。
【0014】
好ましくは、リフロー部に隣接するプリヒート部の炉体の冷却に媒体が使用される。
好ましくは、リフロー部に隣接するプリヒート部の炉体の隔壁と接するように、熱伝導率の比較的良い材料からなる管を配し、管の内部に媒体を流通させ、プリヒート部の炉体を冷却する。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、冷却に使用されることによって暖められた媒体が供給されるので、常温の媒体を供給するのに比してリフロー炉のヒーターの負荷が減少し、消費電力を抑えることができる。さらに、リフロー部に隣接するプリヒート部の炉体の冷却に媒体が使用されるので、断熱材によって炉体を覆ってもプリヒート部からリフロー部に移行する箇所の温度差として予め設定した値を確保することができ、設定通りのリフローを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明を適用できるリフロー装置の一例を示す断面図である。
【図2】この発明を適用できるリフロー装置の一例を示す略線図である。
【図3】リフロー装置のプロファイルの一例を示す略線図である。
【図4】窒素ガスを炉内に供給するリフロー装置の一例の略線図である。
【図5】この発明の説明に用いる略線図である。
【図6】配管の配置の説明に用いる略線図である。
【図7】具体的な構成の一例を示す断面図および平面図である。
【図8】配管の具体的例を示す断面図である。
【図9】具体的な構成の他の例を示す側面図である。
【図10】設定変更時に適用されるリフロー装置の概略を示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する一実施の形態は、この発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、この発明の範囲は、以下の説明において、特にこの発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施の形態に限定されないものとする。
【0018】
「リフロー装置の一例」
この発明の一実施の形態の説明に先立って、この発明を適用できるリフロー装置について説明する。図1は、搬送方向に対して直交する面で炉体(プリヒート部およびリフロー部)を切断した場合の断面を示す。但し、図1では、加熱室1の内部の構成の図示については、省略されている。加熱室1内の上部炉体および下部炉体の対向間隙内で、プリント配線基板の両面に表面実装用電子部品が搭載された被加熱物が搬送コンベヤ上に置かれて搬送される。加熱室1内は、雰囲気ガスである例えば窒素(N2 )ガスで充満されている。
【0019】
例えばターボファンの構成の送風機2および20によって、熱風が被加熱物としてのプリント配線基板に対して吹きつけられる。加熱室1は、隔壁3によって上下および左右の面が覆われている。隔壁3は、炉の断熱材4の内面に被着されている。断熱材4の外側には、断熱材5が設けられている。断熱材としては、ロックウール、フェルト等の耐熱性を有するものが使用される。
【0020】
なお、断熱材としては、4層構成に限らず、より少ない層の構成、またはより多い層の構成が可能である。さらに、断熱材を部分的に設けても良い。このように、炉体を断熱材4、5、6、7によって覆うことによって、ヒーターの負荷が減少し、さらに、炉内に導入された窒素ガスを加熱する電力が減少し、消費電力を抑えることができる。
【0021】
図2に示すように、上述した構成の炉体が例えば12個連続して直線上に配列されてリフロー炉が構成される。搬入口11から搬出口12に至る搬送経路に沿って、順に各炉体に対して1〜12のゾーン番号が付されている。出口側の2個のゾーンcool1およびcool2が冷却ゾーンである。被加熱物13が搬送コンベヤの上に置かれ、搬入口11から炉体内に搬入される。搬送コンベヤが所定速度で矢印方向(図2に向かって左から右方向)へ被加熱物13を搬送し、被加熱物13が搬出口12から取り出される。
【0022】
上述した複数のゾーン1〜12および冷却ゾーンcool1、cool2がリフロー時の温度プロファイルにしたがって被加熱物13の温度を制御する。図3に温度プロファイルの一例を示す。横軸が炉体内部に被加熱物13が入ってからの経過時間であり、縦軸が被加熱物13例えば電子部品が実装されたプリント配線基板の表面温度である。
【0023】
最初のゾーン1が加熱によって温度が上昇する昇温部であり、次の区間(ゾーン2〜ゾーン9)が温度がほぼ一定のプリヒート(予熱)部であり、次の区間(ゾーン10〜ゾーン12)がリフロー部(本加熱部)であり、最後の区間(cool1,cool2)が冷却部である。
【0024】
昇温部は、常温からプリヒート部(例えば150℃〜170℃)まで基板を加熱する期間である。プリヒート部は、等温加熱を行い、フラックスを活性化し、電極、はんだ粉の表面の酸化膜を除去し、また、プリント配線基板の加熱ムラをなくすための期間である。リフロー部(例えばピーク温度で220℃〜240℃)は、はんだが溶融し、接合が完成する期間である。リフロー部では、はんだの溶融温度を超える温度まで昇温が必要とされる。リフロー部は、プリヒート部を経過していても、温度上昇のムラが存在するので、はんだの溶融温度を超える温度までの加熱が必要とされる。最後の冷却部は、急速にプリント配線基板を冷却し、はんだ組成を形成する期間である。
【0025】
「断熱材を設けた構成の問題点」
上述したように、断熱材によって炉体を覆うことによって、炉体からの放熱が抑制され、熱が中に閉じ込められる。その結果、ゾーン間の温度差(温度上昇の傾き)が所望の値に達せず、所望の温度プロファイルを設定できない問題が生じる。図2において、破線で示すように、ゾーン2の温度が高くなりすぎ、ゾーン1からゾーン2に至る間の温度上昇の傾きが高くなりすぎる。さらに、プリヒート部の終端のゾーン9の設定温度が170℃とされ、リフロー部の開始位置のゾーン10の設定温度が250℃とされる。しかしながら、破線で示すように、ゾーン9の温度が設定温度に比して高くなり、プリヒート部で加えられる加熱量が設定値より多くなる問題が生じる。この発明は、このように所望のプロファイルを設定できない問題を解決するものである。
【0026】
「窒素ガスの導入」
リフロー装置において、炉内に不活性ガス(具体的には窒素ガス)を導入して酸素濃度を低くし、良好なはんだ付けを行うようになされる。例えば図4に示すように、ゾーン1〜ゾーン8と、冷却ゾーンcool1およびcool2を有するリフロー装置においては、ゾーン1が昇温部を構成し、ゾーン2〜ゾーン5がプリヒート部を構成し、ゾーン6〜ゾーン8がリフロー部を構成する。窒素ガスは、リフロー部の例えばゾーン7に対して供給される。窒素ガスは、常温で供給されるので、ゾーン7においては、供給される窒素ガスを再加熱するための加熱エネルギーを他のゾーンに比してより多く必要とする。その結果、消費電力が増加する。
【0027】
「この発明によるリフロー装置」
上述したように、断熱材を設けることによって、プリヒート部で加えられる加熱量が設定値より多くなる問題を解決するために、リフロー部に隣接するプリヒート部の炉体の隔壁を媒体によって冷却することによって、炉内雰囲気を冷却する。そして、冷却に使用された媒体がリフロー部に供給される。媒体は、炉内雰囲気ガスと同じ種類のガスを使用することが好ましく、特に窒素ガスの場合は、炉を開放することなく、温度を低下させる場合に有効である。図4に示されるリフロー装置の例では、図5に示すように、ゾーン5がリフロー部に隣接する炉体であるので、ゾーン5の隔壁が窒素ガスによって冷却され、その冷却に使用した窒素ガスがリフロー部のゾーン7に供給される。
【0028】
図6に示すように、ゾーン5の炉体の加熱室1を覆う隔壁3の外面の一部と接触して窒素ガスの配管31を設ける。配管31は、熱伝導率の比較的良い金属(銅、アルミニウム等)からなり、配管31内を媒体が流れる。配管31には、窒素ガス発生装置(図示しない)からの常温の窒素ガスが供給される。したがって、配管31を介して熱交換がなされ、加熱室1の内部の熱が奪われる。一方、窒素ガスの温度が上昇する。
【0029】
なお、炉体は、上部炉体と下部炉体とからなる。上部炉体は、例えばターボファンの構成の送風機2と、ヒータ線を複数回折り返して構成したヒータ21と、熱風が通過する多数の小孔を有するパネル(蓄熱部材)(図示しない)とを有し、パネルの小孔を通過した熱風が被加熱物13に対して上側から吹きつけられる。図6において、矢印は、加熱室1内の空気の流れを示している。
【0030】
下部炉体も上述した上部炉体と同様の構成を有する。すなわち、送風機20と、ヒータ22と、熱風が通過する多数の小孔を有するパネル(蓄熱部材)(図示しない)とを有する。パネルの小孔を通過した熱風が被加熱物13に対して下側から吹きつけられる。被加熱物13が搬送コンベア25によって搬送される。
【0031】
上述したように、リフロー部と隣接するプリヒート部のゾーンの炉体の隔壁3に対して配管31を設けるので、このゾーンの熱が奪われ、炉内の温度が低下する。したがって、リフロー部と隣接するプリヒート部のゾーンの温度が高くなりすぎ、所望のプロファイルを設定できない問題を解決することができる。さらに、冷却に使用した結果、暖められた窒素ガスがリフロー部に供給されるので、常温の窒素ガスが供給されるのと比較して、窒素ガスを暖めるのに必要な熱量が少なくて済み、電力消費を減少させることができる。
【0032】
さらに、入口側の最初のゾーン1と隣接するゾーン2の炉体に対して窒素ガスの配管を設け、ゾーン2の温度が高くなりすぎることを抑えるようにしても良い。ゾーン2の冷却に使用した窒素ガスがリフロー部のゾーン7に供給される。このように、ゾーン2とゾーン5とのそれぞれの炉体の隔壁に対して窒素ガスの配管を設けることによって、所望のプロファイルを設定することができ、さらに、窒素ガスを暖めるためのエネルギーを少なくすることができる。
【0033】
図7を参照して、より具体的な構成を説明する。図7Aに示すように、リフロー部と隣接するプリヒート部のゾーンの炉体は、隔壁3で覆われ、隔壁3の外面に断熱材4が被着され、断熱材4の外面に対して断熱材5が被着されている。断熱材4の層の中に隔壁3と外面が接するように、配管31が設けられる。断熱材4としては、ロックウール、フェルト等が使用されるので、断熱材4の層内に配管31を設けることが可能である。一例として、配管31が隔壁3の両側面と上面とに設けられている。なお、熱風が通過する多数の小孔を有するパネル23がヒーター21と被加熱物13との間に配され、パネル24がヒーター22と被加熱物13との間に配されている。
【0034】
炉体の上面には、図7Bに示すように、配管31が設けられる。配管31は、折り曲げられることによって、大きな面積でもって隔壁3と接触するようになされる。隔壁3と配管31の接触面積は、当該ゾーンが適切な温度低下するように設定される。
【0035】
配管31は、図8Aに示すような偏平な矩形断面を有し、隔壁3との接触面積が大きいことが望ましい。図8Bに示すような断面がかまぼこ型でも良い。さらに、楕円の断面等も可能である。隔壁3の温度は、高温であり、例えば1m程度の配管31によって、窒素ガスの温度を+30℃〜+60℃程度、高くすることができる。配管31内の窒素ガスの流速は、冷却効果を考慮して適宜設定される。
【0036】
隔壁3に対して配管31を直接接触させる構成以外に、図9に示すように、板状の冷却ブロック32を使用しても良い。冷却ブロック32は、例えばアルミニウムを押出成形により加工したものである。冷却ブロック32には、配管31が通る円筒状の中空部が形成されている。図のように、中空部に配管31が配置され、配管31内に窒素ガスが流通される。その結果、冷却ブロック32の全体が冷却される。
【0037】
冷却ブロック32が隔壁3の例えば側面と断熱材4との間に介在される。冷却ブロック32の面が隔壁3の側面と密着され、炉内の雰囲気が冷却される。なお、冷却ブロックとして箱状の構成を使用し、内部に配管31と断熱材とを配するようにしても良い。
【0038】
「プロファイルの変更時の問題の解決」
炉体を断熱材で覆う構成の場合、保温されるので、被加熱物の種類の変更に伴い、より低い温度の設定に変更するのに時間がかかる問題が生じる。この問題を解決するために、図10に示すように、プリヒート部およびリフロー部の全ゾーン(ゾーン1〜ゾーン8)に対して上述したのと同様の配管P1〜P8をそれぞれ設ける。配管P1〜P8が制御バルブV1〜V8を介して窒素ガス発生装置41と接続されている。
【0039】
制御バルブV1〜V8は、制御装置42からの制御信号SC1〜SC8によって別々に開閉が制御できる構成とされている。配管P1〜P8を通った窒素ガスは、図示しないが、上述したように、リフロー部のゾーンに対して供給される。制御信号SC1〜SC8は、各ゾーンの設定温度、または実際に検出された温度によって生成される。すなわち、新たに設定されるプロファイルの設定温度に対して最も大きな温度差を有するゾーンの配管に対して集中的に窒素ガスを流すように制御バルブV1〜V8が制御される。なお、全てのゾーンに対して配管を設けることは、必要ではない。予め、最も大きい温度差を生じるゾーンが分かっている場合には、そのゾーンに対して配管を設けるようにしても良い。このような制御によって、設定変更を短時間で行うことができる。
【0040】
「変形例」
この発明は、上述したこの発明の実施の形態に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、この発明では、窒素ガスを使用しているが、大気を炉内に供給するようにしても良い。さらに、ガスの代わりにチラーの冷却水を使用しても良い。さらに、上述した説明では、所定のゾーンに対して配管を設けて、所定のゾーンの温度を下げるようにしている。しかしながら、フラックスを回収するために冷却に使用された窒素ガスを炉内に供給する際に使用しても良い。
【符号の説明】
【0041】
1・・・加熱室
3・・・隔壁
4,5・・・断熱材
11・・・搬入口
12・・・搬出口
13・・・被加熱物
21,22・・・ヒータ
25・・・搬送コンベヤ
31・・・配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物の搬送経路に沿って複数の炉体が連続して配置され、断熱材で少なくとも一部が覆われているリフロー炉と、
上記リフロー炉において、上記搬送経路の入口側から出口側に向かって順に構成されるプリヒート部と、リフロー部と、冷却部と、
冷却に使用された媒体を上記リフロー部に含まれる上記炉体に対して導入する媒体供給経路と
を有するリフロー装置。
【請求項2】
上記リフロー部に隣接する上記プリヒート部の上記炉体の冷却に上記媒体が使用される請求項1に記載のリフロー装置。
【請求項3】
上記リフロー部に隣接する上記プリヒート部の上記炉体の隔壁と接するように、管を配し、上記管の内部に媒体を流通させ、上記プリヒート部の上記炉体を冷却する請求項1または2に記載のリフロー装置。
【請求項4】
上記管の断面が偏平とされた請求項1、2または3に記載のリフロー装置。
【請求項5】
上記プリヒート部の入り口側に近い上記炉体の冷却に上記媒体が使用される請求項1、2、3または4に記載のリフロー装置。
【請求項6】
上記媒体が窒素ガスである請求項1、2、3、4または5に記載のリフロー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−204765(P2012−204765A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70242(P2011−70242)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(390005223)株式会社タムラ製作所 (526)
【Fターム(参考)】