説明

リモコン装置

【課題】本発明は別部品を設けることなく、使用頻度の高いボタンを他のボタンと区別するリモコン装置の提供を目的とする。
【解決手段】本発明のリモコン装置は、装置本体の操作面に配設した複数のスイッチ4a,4bと、スイッチ4a,4bを覆うように前記操作面上に配設され前記操作面の外面を形成するシート2とを備え、スイッチ4a,4bの直上領域に位置するシート2のボタン部3a,3bのうちの一部のみが、エンボス加工が施されたエンボス加工部として形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ受像機などに使用するリモコン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ受像機などの電化製品が多機能になるにつれ、これらの電化製品を操作するリモコン装置は多数のボタンを備えるようになった。そのため、リモコン装置には様々な操作を行うことが可能であると共に、容易に操作することが可能であることが求められる。
【0003】
リモコン装置に設けられるボタンの中には、一般なユーザーが高い頻度で使用するボタンもあれば、特定のユーザーしか使用せず、一般的には使用頻度が低いボタンもある。そのため、使用頻度が異なるこれらのボタンをリモコン装置上に同じ形態で設けると、一般のユーザーにとっては頻繁に用いるボタンがどこにあるのかが分かりにくく、複雑なリモコン装置であるとの印象を与える場合がある。また、ユーザーが誤操作する可能性が高くなり、混乱を招く場合もある。
【0004】
そのため、例えば特許文献1では、日常頻繁に使用する操作ボタンだけを露出させ、それ以外のボタンを操作できないように覆う蓋カバーをリモコンに設けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第3103263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1のように蓋カバーという別部品を設けると、リモコンの厚みが増してしまい、リモコン装置の小型化にとって弊害となる。
【0007】
そこで、本発明は別部品を設けることなく、使用頻度の高いボタンを他のボタンと区別するリモコン装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のリモコン装置は、装置本体の操作面に配設した複数のスイッチと、前記スイッチを覆うように前記操作面上に配設され前記操作面の外面を形成するシートとを備え、前記スイッチの直上領域に位置する前記シートのボタン部のうちの一部のみが、エンボス加工が施されたエンボス加工部として形成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明のリモコン装置では、シートのボタン部のうちの一部のみが、エンボス加工が施されたエンボス加工部として形成されるので、高い頻度で使用するスイッチに対応するボタン部に限ってエンボス加工を施せば、ユーザーは高い頻度で使用するボタン部を見分け易くなり、操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1に係るリモコン装置の構成を示す斜視図である。
【図2】実施の形態2に係るリモコン装置の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の前提技術に係るリモコン装置の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の前提技術に係るリモコン装置の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(前提技術)
図3,4は、本発明の前提技術に係るシートタイプのリモコン装置の構成を示す斜視図である。ここでは、装置本体の操作面に形成されたスイッチを覆うように樹脂シートなどのシートが設けられた形態のリモコン装置をシートタイプと定義する。
【0012】
図3に示すリモコン装置10において、シート20のうち、スイッチの直上に位置する部分をボタン部30とする。ボタン部30にはエンボス加工が施されて凸部が形成されており、ユーザーはボタン部30の凸部を押すことによりボタン部30の直下のスイッチを操作する。
【0013】
しかしながら、リモコン装置10では全てのボタン部30に対して同様にエンボス加工
が施されているので、何が通常使用するボタンであるのかが判りにくい。また、一般的には使用頻度の低いボタンも他のボタンと同様に目立つように形成されているので、一般のユーザーにとってはボタンの数が多く見え、多機能で難しいリモコン装置であるかのように感じる。
【0014】
一方、図4に示すリモコン装置10では、シート20のボタン部31にエンボス加工を施さずフラットに形成している。ボタン部31には、エンボス加工の代わりにボタン部31を明示する枠が描かれ、ユーザーは枠を目印にボタン部31を押すことによって、ボタン部30の直下のスイッチを操作する。
【0015】
しかしながら、リモコン装置10では全てのボタン部31がフラットに形成されているため、リモコン装置10と同様に、何が通常使用するボタンであるかが判りにくく、ボタン部31の機能表示を読んでボタンを押す必要がある。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るシートタイプのリモコン装置の構成を示す斜視図である。
【0017】
図1に示す本実施の形態のリモコン装置1では、装置本体の操作面にスイッチ4a,4bが設けられ、スイッチ4a,4bを覆うように操作面上にシート2が設けられる。シート2は操作面の外面を形成しており、スイッチ4a,4bの真上に位置する部分をそれぞれボタン部3a,3bとする。ユーザーはボタン部3aを押すことでスイッチ4aを操作する。ボタン部3bについても同様である。
【0018】
さらに、ボタン部3a,3bあるいはその近傍には、直下のスイッチ4a,4bが担当する機能を表示する機能表示文字が示される。例えばスイッチ4aが電源スイッチであれば、スイッチ4aの直上のボタン部3aの近傍に機能表示文字5aとして“Power”などの文字を表示する。ユーザーはこれにより、ボタン部3aを押すことで電源の操作が可能であることを認識する。また、スイッチ4bが録画スイッチであれば、スイッチ4bの直上のボタン部3bに機能表示文字5bとして“REC”などの文字を表示する。ユーザーはこれにより、ボタン部3bを押すことで録画の操作が可能であることを認識する。
【0019】
ここで、一般的なユーザーにとって、電源ボタンは使用頻度が高く、録画ボタンは使用頻度が少ないボタンであるとする。使用頻度の少ないボタンを使用頻度の高いボタンと同じ形態で設けると、ユーザーは使用頻度の高いボタンを見つけにくく、操作が難しいとの印象を持ちかねない。
【0020】
そこで、電源スイッチ4aに対応するボタン部3aではシート2にエンボス加工を施して凸部を形成する一方、録画スイッチ4bに対応するボタン部3bではシート2にエンボス加工を施さず平坦な状態にする。このように、ボタン部のうちの一部のみ、特に、高い頻度で使用するスイッチに対応するボタン部に限ってシート2にエンボス加工を施すことにより、ユーザーは高い頻度で使用するボタン部を見分け易くなり、操作性が向上する。
【0021】
ボタン部をゴムで構成する形態のリモコン装置では、ボタン部をフラットにすると押しにくくなるところ、本実施の形態のリモコン装置はシートタイプであるため、ボタン部に対してエンボス加工を施す部分と施さない部分とを作り分けることが可能である。
【0022】
また、エンボス加工部に示された機能表示文字は、他の機能表示文字とは濃さを変えて表示しても良い。例えば図1では、機能表示文字5b“REC”はエンボス加工部の機能表示文字5a“Power”よりも薄く表示される。このように、使用頻度の低いスイッチに対応した機能表示文字は、使用頻度の高いスイッチに対応した機能表示文字よりも薄く表示することにより、一般のユーザーは通常使用するボタンとそれ以外のボタンを容易に区別することができるので、リモコン装置の操作性が向上する。なお、機能表示文字の濃さを調整する他、スイッチの使用頻度に応じて色やサイズを調整することによっても、同様の効果を奏する。
【0023】
<効果>
本実施の形態のリモコン装置1は、装置本体の操作面に配設した複数のスイッチ4a,4bと、スイッチ4a,4bを覆うように前記操作面上に配設され前記操作面の外面を形成するシート2とを備え、スイッチ4a,4bの直上領域に位置するシート2のボタン部3a,3bのうちの一部のみが、エンボス加工が施されたエンボス加工部として形成される。使用頻度の高いボタン部にのみエンボス加工を施すことにより、使用頻度の高いボタンが分かり易く、操作性の良いリモコン装置となる。
【0024】
また、ボタン部3a,3b又はその近傍には、ボタン部3a,3bの直下に位置するスイッチ4a,4bが担当する機能を表示する機能表示文字が示され、前記エンボス加工部に示された機能表示文字は、他の前記機能表示文字とは濃さ、色、またはサイズが異なるので、エンボス加工された使用頻度の高いボタン部の機能表示文字を他よりも目立つように表示すれば、ユーザーは使用頻度の高いボタン部を容易に見つけることができ、操作性が向上する。
【0025】
(実施の形態2)
<構成>
図2は、実施の形態2に係るシートタイプのリモコン装置1の構成図である。図2において、図1で示す構成要素と同一又は対応する構成要素には同一の参照符号を付している。本実施の形態のリモコン装置1では、エンボス加工を施すボタン部において、対応するスイッチが担当する機能に関連した形状にエンボス加工を施す。
【0026】
例えば、再生スイッチに対応するボタン部3cでは、三角形状にエンボス加工を施すと共に、機能表示文字5c“PLAY”を表示する。また、ボタン部3dでは、“2”の形状にエンボス加工を施す。このように、ボタン部のエンボス加工を施す部分(エンボス加工部)では、直下のスイッチが担当する機能と関連した形状にエンボス加工を施すことにより、ユーザーは機能表示文字を読まなくともボタン部の形状そのものから直下のスイッチの機能を認識することができ、操作性が向上する。
【0027】
また、ボタン部3eでは、エンボス加工を施すと共に、エンボス加工部の表面に凹部を設けている。使用頻度の高いボタン部では、他のボタン部に比べてエンボス加工の寸法を大きくすることがあるが、このような場合にボタン部の直下に位置するスイッチはボタン部に比べてサイズが小さく、ボタン部を押してもスイッチを操作できない可能性がある。そこで、ボタン部3bの中でスイッチを操作できる位置に凹部を設けることにより、ボタン部3eを押そうとするユーザーの指は凹部に誘導されるため、確実にスイッチを操作することができる。
【0028】
<効果>
本実施の形態のリモコン装置において、エンボス加工部は、直下のスイッチが担当する機能と関連した形状にエンボス加工が施されるので、ユーザーはボタン部の形状そのものから直下に位置するスイッチの機能を認識することができ、操作性が向上する。
【0029】
また、エンボス加工部は表面に凹部を設けてエンボス加工が施されたエンボス加工部を含むので、エンボス加工の範囲が大きい場合でも、ユーザーの指は凹部に誘導されるので、確実にスイッチを操作することができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、例えばBDレコーダー等の多機能リモコンに適用できる。
【符号の説明】
【0031】
1,10 リモコン装置、2,20 シート、3a,3b,3c,3d,3e,30,31 ボタン部、4a,4b スイッチ、5a,5b,5c 機能表示文字、6 凹部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の操作面に配設した複数のスイッチと、
前記スイッチを覆うように前記操作面上に配設され前記操作面の外面を形成するシートとを備え、
前記スイッチの直上領域に位置する前記シートのボタン部のうちの一部のみが、エンボス加工が施されたエンボス加工部として形成される、
リモコン装置。
【請求項2】
前記ボタン部又はその近傍には、前記ボタン部の直下に位置する前記スイッチが担当する機能を表示する機能表示文字が示され、
前記エンボス加工部に示された前記機能表示文字は、他の前記機能表示文字とは濃さ、色、またはサイズが異なる、
請求項1に記載のリモコン装置。
【請求項3】
前記エンボス加工部は、直下の前記スイッチが担当する機能と関連した形状にエンボス加工が施される、
請求項1又は2に記載のリモコン装置。
【請求項4】
前記エンボス加工部は表面に凹部を設けてエンボス加工が施されたエンボス加工部を含む、
請求項1〜3のいずれかに記載のリモコン装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図1】
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【公開番号】特開2012−147302(P2012−147302A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4774(P2011−4774)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】