リンク作動装置
【課題】 リンク機構の数が二組で構成でき、外径寸法が小さいコンパクトな構成でありながら剛性が高いリンク作動装置を提供する。
【解決手段】 リンク作動装置1は、入出力側にそれぞれ配されたリンクハブ2,3と、二組のリンク機構4A,4Bとを有する。リンク機構4A,4Bは、四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構であり、リンクハブ2,3に対して回転可能に端部リンク5,6を連結し、端部リンク5,6を中央リンク7に対して回転可能に連結してなる。二組のリンク機構4A,4Bの少なくとも一組に、入力側の端部リンク5と出力側の端部リンク6とを互いに連動して回転変位させる連動手段9を設ける。二組のリンク機構4A,4Bのそれぞれに、互いに異なる二つのリンク機構構成部材、例えばリンクハブ2および端部リンク5に両端が直接または間接的にそれぞれ連結された伸縮作動可能な直動アクチュエータ25を設ける。
【解決手段】 リンク作動装置1は、入出力側にそれぞれ配されたリンクハブ2,3と、二組のリンク機構4A,4Bとを有する。リンク機構4A,4Bは、四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構であり、リンクハブ2,3に対して回転可能に端部リンク5,6を連結し、端部リンク5,6を中央リンク7に対して回転可能に連結してなる。二組のリンク機構4A,4Bの少なくとも一組に、入力側の端部リンク5と出力側の端部リンク6とを互いに連動して回転変位させる連動手段9を設ける。二組のリンク機構4A,4Bのそれぞれに、互いに異なる二つのリンク機構構成部材、例えばリンクハブ2および端部リンク5に両端が直接または間接的にそれぞれ連結された伸縮作動可能な直動アクチュエータ25を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ロボットの関節部、産業機械等における三次元空間での物品の取り回しや複雑な加工等の作業を広範囲な領域で、高速かつ精密に実行するために用いられるリンク作動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記リンク作動装置として、入力側のリンクハブと出力側のリンクハブを、四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構で連結し、入力側のリンクハブに対して出力側のリンクハブを姿勢変更可能とした構成が提案されている(例えば特許文献1,2)。四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構は、入力側および出力側の各リンクハブにそれぞれ回転可能に連結された入力側および出力側の端部リンクと、これら入力側および出力側の端部リンクに回転可能に連結された中央リンクとでなる。特許文献1には、リンク機構を直線で表現した幾何学モデルにおいて、中央リンクの中央部に対する入力側部分と出力側部分とが鏡像対称を成す形状である例と、点対称を成す形状である例とが開示されている。また、特許文献2には、前記入力側部分と出力側部分とが点対称を成す形状である例が開示されている。
【0003】
上記特許文献1,2を含めて、従来のリンク作動装置は、リンク機構の数が三組であった。これは、リンク機構をリンクだけで構成する場合に、入力側のリンクハブに対する出力側のリンクハブの姿勢を規定するために必要な最低限のリンク機構の数は三組であることによる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4476603号公報
【特許文献1】特開2004−009276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
リンク作動装置のリンク機構の数が三組であると、例えば図17に示すように、各リンク機構104(104A,104B,104C)がほぼ120°の間隔で配置されることとなる。この場合、各リンク機構104の相互間距離が狭く、一つのリンク機構104Aにおけるリンクハブ103(102)と端部リンク106(105)の回転対偶部112(111)と、他のリンク機構104Bにおける端部リンク106(105)と中央リンク107の回転対偶部114(113)とが接近した状態となる。そこで、両回転対偶部112(111),114(113)が互いに干渉するのを避けるために、回転対偶部114(113)を外径側に逃がした形状としている。その結果、リンク作動装置101全体の外径が大きいという課題があった。リンクハブ102,103を中空形状とし、その内部にエアチューブや電気配線等を通す場合には、外径がさらに大きくなる。
【0006】
また、リンク機構104の数が三組であると、各リンク機構104の各回転対偶部111,112,113,114の回転中心軸の相互角度を適正に保ちながら組立することが難しい。さらに、リンク機構104の数が多いと、その分だけコスト高となる。
【0007】
リンク機構の数が三組であると、用途によっては上記のように不都合が生じる。そこで、本件出願人は、リンク機構の数が二組であっても、入力側のリンクハブに対する出力側のリンクハブの姿勢を規定することが可能なリンク作動装置の開発を試みた。しかし、リンク機構の数をただ単に二組にするだけでは、三組である場合に比べて全体の剛性が低下する。
【0008】
この発明の目的は、リンク機構の数が二組で構成でき、外径寸法が小さいコンパクトな構成でありながら剛性が高いリンク作動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のリンク作動装置は、入出力側にそれぞれ配されたリンクハブに対して回転可能に端部リンクを連結し、入力側および出力側の端部リンクを中央リンクに対して回転可能に連結することにより、前記入力側の端部リンク、中央リンク、および出力側の端部リンクで構成される、四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構を有する。この発明は、上記リンク作動装置において、前記四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構を二組有し、これら二組のリンク機構は、入力側および出力側のいずれについても、それぞれの前記リンクハブと前記端部リンクの各回転対偶軸が同一平面上にあって、かつ互いに交差する位置関係であり、二組のリンク機構のうちの少なくとも一組に、前記入力側の端部リンクと前記出力側の端部リンクとを互いに連動して回転変位させる連動手段を設け、かつ二組のリンク機構のそれぞれに、前記リンクまたはリンクハブである二つのリンク機構構成部材に両端が直接または間接的にそれぞれ連結された伸縮作動可能な直動アクチュエータを設けたことを特徴とする。なお、この明細書で「回転対偶軸」とは、回転対偶の回転中心軸を言う。
【0010】
この構造において、リンクハブとそれに連結される端部リンクの入力側と出力側それぞれは、球面リンク機構を構成しており、それぞれの球面リンク機構は、入力側と出力側の端部リンクが中央リンクを介して連結されている。ここで各リンク機構の二つの中央リンクは、それぞれの球面リンク機構が重なる円の円周上の並進運動に限定された1自由度となる。入力側および出力側の球面リンク機構は、節の曲率半径を無限大とすれば平面上の四節リンク機構であり、入力側、出力側のそれぞれが独立して1自由度を有している。入力側と出力側の端部リンク間に連動手段が無い場合は、二つの中央リンクの1自由度と入力側と出力側の球面リンク機構の各1自由度とで3自由度となる。ここで、このリンク作動装置では、入力側と出力側の端部リンク間に連動手段を設けたため、それぞれの球面リンク機構は連動し、両球面リンク機構で1自由度となる。以上のように、このリンク作動装置は、中央リンクの1自由度と前記球面リンク機構の1自由度を合わせた2自由度の機構となる。なお、中央リンクの位置変位は、入力側と出力側のリンクハブ間においては角度変化となり、以上から入力側と出力側のリンクハブ間は、2方向の角度変化が可能な構造となる。
【0011】
この2自由度機構は、入力側のリンクハブに対する出力側のリンクハブの可動範囲を広くとれる。例えば、入力側のリンクハブの中心軸と出力側のリンクハブの中心軸の最大折れ角を90°以上とすることが可能であり、入力側のリンクハブに対する出力側のリンクハブの旋回角を0°〜360°の範囲に設定できる。上記中心軸は、入力側と出力側のリンクハブが互いに平行である状態での、それぞれのリンクハブ内における二つの端部リンクとの回転対偶軸の交点であるリンクハブ中心を結ぶ軸を指す。
【0012】
この構成は、上記のように連動手段を設けたため、リンク機構の数が二組であっても、入力側のリンクハブに対する出力側のリンクハブの姿勢を規定することができる。リンク機構の数が二組であって、従来の三組と比べて少ないため、各リンク機構同士の干渉を回避し易く、設計の自由度が高い。それにより、リンク作動装置全体の外径が小さいコンパクトな構成とすることが可能である。また、リンク機構の数が少ないため、低コスト化を実現できる。
【0013】
直動アクチュエータを伸縮作動させると、この直動アクチュエータの両端がそれぞれ連結されている二つのリンク機構構成部材の相対的な角度や位置が変更される。よって、直動アクチュエータの伸縮量を制御することにより、上記相対的な角度や位置が決まり、それにより入力側のリンクハブに対する出力側のリンクハブの姿勢も決まる。直動アクチュエータを設けたことにより、上記二つのリンク機構構成部材を含む複数のリンク機構構成部材と直動アクチュエータとで閉じたリンク構成となり、二つのリンク機構構成部材間に作用する力を直動アクチュエータが受けるため、リンク作動装置の剛性が向上する。
【0014】
この発明において、前記伸縮作動可能な直動アクチュエータは、前記リンクハブとこのリンクハブに連結された前記端部リンクとに、両端が直接または間接的に連結されているのが良い。
リンクハブと端部リンクとは一つの回転対偶で連結されているため、リンクハブと端部リンクとの間に直動アクチュエータを設ければ、リンクハブと直動アクチュエータ、および端部リンクと直動アクチュエータのそれぞれの連結部も回転対偶とすることができる。つまり、二次元的な対偶とすることができる。そのため、連結部に深溝玉軸受等の軸受を使用することが可能であり、球対偶や十字継手を使用する場合に比べて、低コストおよび低回転抵抗を実現できる。また、深溝玉軸受等の軸受を使用すると、回転角の制限がなく、設計の自由度が増す。
【0015】
前記伸縮作動可能な直動アクチュエータが、筒状の外筒体と、この外筒体の内部にあって外筒体に対して進退する進退軸とを有する場合、前記外筒体は前記リンクハブに固定され、前記進退軸は前記端部リンクに、進退軸の進退に伴う進退軸と端部リンクとの位置関係を調整する補助リンクを介して連結された構成としても良い。
上記直動アクチュエータの外筒体と進退軸とを比較した場合、外筒体の方が進退軸よりも径が大きくて重量が重い。この重い方の外筒体を固定側であるリンクハブに固定することにより、可動部を軽くすることができ、直動アクチュエータの駆動に対する応答性が良くなる。また、直動アクチュエータの動作部を小さくできるので、直動アクチュエータとリンク作動装置の他の部材あるいはリンク作動装置以外の物品との干渉が起き難くすることができる。
【0016】
この発明において、前記伸縮作動可能な直動アクチュエータは、前記リンクハブと前記中央リンクとに、両端が直接または間接的に連結されていても良い。
この場合、リンクハブ、端部リンク、中央リンク、および直動アクチュエータで閉じたリンク構成となり、剛性が向上する。リンクハブと中央リンクとは相対的に3次元の動きをするため、リンクハブと直動アクチュエータの連結部、および中央リンクと直動アクチュエータの連結部は、いずれも球対偶とされる。それにより、直列のみの連鎖箇所が減少し、このことからも剛性が向上する。
【0017】
この発明において、前記直動アクチュエータは、入力側の端部リンクと、出力側の端部リンクとに、両端が直接または間接的に連結されていても良い。
この場合、入力側の端部リンク、中央リンク、出力側の端部リンク、および直動アクチュエータで閉じたリンク構成となり、剛性が向上する。入力側の端部リンクと出力側の端部リンクとは例えば鏡像対称の動きをするため、捩れた位置となることなく、一方、直動アクチュエータの直動軸に対して端部リンクの任意の面は、二方向に傾きが変化するため、入力側の端部リンクと直動アクチュエータの連結部、および出力側の端部リンクと直動アクチュエータの連結部は、いずれも十字継手結合とされる。それにより、直列のみの連鎖箇所が減少し、このことからも剛性が向上する。
【発明の効果】
【0018】
この発明のリンク作動装置は、入出力側にそれぞれ配されたリンクハブに対して回転可能に端部リンクを連結し、入力側および出力側の端部リンクを中央リンクに対して回転可能に連結することにより、前記入力側の端部リンク、中央リンク、および出力側の端部リンクで構成される、四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構を有する装置において、前記四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構を二組有し、これら二組のリンク機構は、入力側および出力側のいずれについても、それぞれの前記リンクハブと前記端部リンクの各回転対偶軸が同一平面上にあって、かつ互いに交差する位置関係であり、二組のリンク機構のうちの少なくとも一組に、前記入力側の端部リンクと前記出力側の端部リンクとを互いに連動して回転変位させる連動手段を設け、かつ二組のリンク機構のそれぞれに、前記リンクまたはリンクハブである二つのリンク機構構成部材に両端が直接または間接的にそれぞれ連結された伸縮作動可能な直動アクチュエータを設けたため、リンク機構の数が二組で構成でき、外径寸法が小さいコンパクトな構成でありながら剛性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の一実施形態にかかるリンク作動装置の底面図である。
【図2】同リンク作動装置のリンク作動装置本体の斜視図である。
【図3】図2のA矢視図である。
【図4】同リンク作動装置本体を展開した状態の一部破断展開図である。
【図5】同リンク作動装置本体を直線で表現した図である。
【図6】同リンク作動装置の直動アクチュエータの一例を示す断面図である。
【図7】同リンク作動装置本体に付与するトルクの大きさの変化を示すグラフである。
【図8】(A)は同リンク作動装置本体の一状態を示す正面図、(B)は底面図、(C)は斜視図である。
【図9】(A)は同リンク作動装置本体の異なる状態を示す正面図、(B)は底面図、(C)は斜視図である。
【図10】(A)は同リンク作動装置本体のさらに異なる状態を示す正面図、(B)は底面図、(C)は斜視図である。
【図11】(A)は同リンク作動装置本体のさらに異なる状態を示す正面図、(B)は底面図、(C)は斜視図である。
【図12】この発明の異なる実施形態にかかるリンク作動装置の底面図である。
【図13】この発明のさらに異なる実施形態にかかるリンク作動装置の底面図である。
【図14】この発明のさらに異なる実施形態にかかるリンク作動装置の底面図である。
【図15】この発明のさらに異なる実施形態にかかるリンク作動装置の底面図である。
【図16】この発明のさらに異なる実施形態にかかるリンク作動装置の底面図である。
【図17】従来のリンク作動装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
この発明の実施形態を図面と共に説明する。図1は、この発明の一実施形態にかかるリンク作動装置の底面図である。このリンク作動装置1は、リンク作動装置本体1aと、このリンク作動装置本体1aを駆動する駆動手段1bとでなる。リンク作動装置本体1aから説明する。
【0021】
図2および図3はリンク作動装置本体1aをそれぞれ異なる角度から見た斜視図、図4は同リンク作動装置本体1aを展開した状態の一部破断展開図である。図2ないし図4に示すように、リンク作動装置本体1aは、入力側および出力側のリンクハブ2,3を有し、これらリンクハブ2,3を二組のリンク機構4A,4Bで連結したものである。リンク機構4A,4Bは、四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構であり、入力側のリンクハブ2に一端が回転自在に連結された入力側の端部リンク5と、出力側のリンクハブ3に一端が回転自在に連結された出力側の端部リンク6と、これら端部リンク5,6の他端に両端がそれぞれ回転自在に連結された中央リンク7とで構成される。
【0022】
上記二組のリンク機構4A,4Bは、幾何学的に同じ形状である。幾何学的に同じ形状とは、図5のようにリンク機構を直線で表現した幾何学モデル、すなわち各回転対偶と、これら回転対偶間を結ぶ直線とで表現したモデルが互いに同じ形状であることを言う。また、それぞれのリンク機構4A,4Bは、直線で表現した幾何学モデルが、中央リンク7の中央部に対する入力側部分と出力側部分とが互いに鏡像対称を成す形状である。言い換えると、中央リンク7と端部リンク5,6の二つの回転対偶の並び方向に対して垂直な横断面F1を対称面として、前記入力側部分と出力側部分とが互いに鏡像対称である。上記横断面F1は、中央リンク7と2つの端部リンク5,6の回転対偶軸O3,O4の成す角度を2等分する平面であるとも言える。
【0023】
各リンク機構4A,4Bの入力側および出力側の端部リンク5,6は、共に球面リンク構造である。球面リンク構造とは、図4に示すように、リンクハブ2(3)と端部リンク5(6)の回転対偶軸O1A,O1B(O2A,O2B)、および端部リンク5(6)と中央リンク7の回転対偶軸O3(O4)が、すべて球面リンク中心P1(P2)を通る構造を言う。
【0024】
二組のリンク機構4A,4Bは、それぞれの回転対偶軸O1A,O1B(O2A,O2B)が互いに交差する位置関係にある。つまり、回転対偶軸O1A,O1B(O2A,O2B)の軸間角度が180°でない。そして、回転対偶軸O1A,O1B(O2A,O2B)の軸間角度が180°よりも大きい側に、各リンク機構4A,4Bの中央リンク7が位置している。図示例では、小さい方の軸間角度αが120°とされている。
なお、図4の状態では、二組のリンク機構4A,4Bが、入力側および出力側の球面リンク中心P1,P2を通り、リンクハブ2(3)と端部リンク5(6)の回転対偶軸O1A,O1B(O2A,O2B)の軸間角度を二等分する縦断面F4に対して互いに鏡像対称となる位置に配置されている。
【0025】
端部リンク5,6と中央リンク7の各回転対偶軸O3,O4は、ある交差角をもっていても良いし、平行であっても良い。図示例では、回転対偶軸O3,O4の軸間角度γは90°とされている。また、入力側および出力側のリンクハブ2,3が同一平面上に位置する図4の状態において、回転対偶軸O1A,O1B(O2A,O2B)と回転対偶軸O3(O4)の軸間角度βは、75°とされている。
【0026】
図2ないし図4において、上記各リンク機構4A,4Bの入力側の端部リンク5と出力側の端部リンク6とは、連動手段9により、互いに連動して回転変位するようになっている。この実施形態の場合、連動手段9は、入力側の端部リンク5および出力側の端部リンク6に対してそれぞれ回転自在な一対のかさ歯車10,11を互いに噛み合わせた構成である。一対のかさ歯車10,11は同諸元のものであり、入力側の端部リンク5と出力側の端部リンク6が、互いの回転方向が反対で、かつ回転変位角度が同じになるように連動する。このように、連動手段9が複数のかさ歯車10,11等の歯車の噛み合いによるものであると、入力側の端部リンク5および出力側の端部リンク6の回転変位に滑り等による誤差が生じないため、精度良く連動させることができ、またコンパクトである。
【0027】
連動手段9は、同諸元の一対のかさ歯車10,11の噛み合いによるものに限らない。かさ歯車の代わりにリンク機構、カム、ベルト等を用いてもよい。なお、前記軸間角度γ(図4)が0°のときには、平歯車を用いる。また、一対の歯車の歯数を互いに異ならせても良い。その場合、入力側の端部リンク5と出力側の端部リンク6の回転変位角度が異なる。さらに、歯車以外の別の手段、例えばロータリアクチュエータやモータ等のアクチュエータで入力側の端部リンク5と出力側の端部リンク6の相互回転を制御してもよい。
【0028】
リンクハブ2(3)は、球面リンク中心P1(P2)を中心として、回転対偶軸O1A,O1B(O2A,O2B)が位置する平面F2(F3)(図3)に沿って拡がる円弧状であり、その両端に軸受内包部13がそれぞれ設けられている。軸受内包部13は内部に二つの転がり軸受14を有し、これら転がり軸受14により、端部リンク5,6の基端に一体に設けた回転軸15を回転自在に支持する。回転軸15の軸心は、回転対偶軸O1A,O1B,O2A,O2Bと一致する。二つの転がり軸受14は間隔を開けて配置されており、その間隔部に端部リンク5,6の基端が位置している。軸受内包部13には、端部リンク5,6の基部が回転可能に嵌る溝13aが形成されている。この溝13aにより端部リンク5,6の回転範囲を規制することで、先に説明したように、各リンク機構4A,4Bの中央リンク7が常に回転対偶軸O1A,O1B(O2A,O2B)の軸間角度が180°よりも大きい側に位置する。
【0029】
転がり軸受14は、外輪14aが軸受内包部13の内周に圧入等により嵌合し、内輪14bが回転軸15の外周に圧入等により嵌合している。転がり軸受14は、例えば深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受等の玉軸受である。転がり軸受14としては、図示例のように玉軸受を複列で配列する以外に、ローラ軸受を用いても良い。また、転がり軸受14の代わりに滑り軸受を用いてもよい。
【0030】
また、中央リンク7の両端部には転がり軸受17が設けられ、この転がり軸受17により、端部リンク5,6の先端に一体に設けた回転軸18を回転自在に支持する。回転軸18の軸心は、回転対偶軸O3,O4と一致する。転がり軸受17は、外輪17aが中央リンク7の端部に圧入等により嵌合し、内輪17bが回転軸18の外周に圧入等により嵌合している。転がり軸受17は、例えば深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受等の玉軸受である。転がり軸受17としては、図示例のように玉軸受を複列で配列する以外に、ローラ軸受を用いても良い。また、転がり軸受17の代わりに滑り軸受を用いてもよい。
【0031】
リンクハブ2,3は先に説明したような円弧状であり、それぞれその内部に、前記平面F2,F3に対して垂直な方向すなわち中心軸C1,C2(図2、図4)の方向に貫通した中空部20を有する。この中空部20は、一対の軸受内包部13間に形成された開口部21を介してリンクハブ2,3の外部と連通している。開口部21は、入力側および出力側のリンクハブ2,3のいずれについても、各回転対偶軸O1A,O1B,O2A,O2Bに対して同じ側に位置する。つまり、図2のように、入力側のリンクハブ2と出力側のリンクハブ3が互いに平行になる姿勢において、両リンクハブ2,3の開口部21が、共に同じ側を向く。
【0032】
図1において、駆動手段1bは、二組のリンク機構4A,4Bのそれぞれに設けられて、互いに異なる二つのリンク機構構成部材間の角度や位置を変更させる手段である。リンク機構構成部材として、入力側および出力側のリンクハブ2,3と、入力側および出力側の端部リンク5,6と、中央リンク7とが該当する。この実施形態では、入力側のリンクハブ2と一体に設けられた補助板23と、入力側の端部リンク5に一体に設けられた補助板24とを、伸縮作動可能な直動アクチュエータ25で連結して、入力側のリンクハブ2と入力側の端部リンク5との角度や位置を変更させる。直動アクチュエータ25と各補助板23,24との連結部26,27は、共に回転対偶となっている。なお、補助板23は、入力側のリンクハブ2と入力側の端部リンク5の回転対偶軸O1A,O1Bから離れた位置で、入力側のリンクハブ2に固定されている。直動アクチュエータ25は、直線方向に伸縮動作を行う駆動機構であればよいが、例えばボールねじを用いた機構や流体圧シリンダ装置を採用できる。
【0033】
図6は、ボールねじを用いた直動アクチュエータの一例を示す。この直動アクチュエータ25は、一方の補助板23に連結されたねじ軸30にナット31が螺合しており、これらねじ軸30とナット31とでボールねじ32が構成されている。ねじ軸30は、請求項で言う進退軸である。ナット31は、他方の補助板24にロッド33aを介して連結された外筒体33に、二つの軸受34により回転自在に支持されている。ナット31の外周には平歯車36が設けられ、この平歯車36に他の平歯車37が噛み合っている。他の平歯車37は、前記外筒体33の外周に設置したモータ38の出力軸38aに取り付けられている。
モータ38を回転させることで、一対の平歯車37,36を介してナット31が回転し、ボールねじ32によりねじ軸30がナット31に対して進退する。それにより、ねじ軸30の先端とロッド33aの先端間の距離が変わる。つまり、直動アクチュエータ25が伸縮作動する。
【0034】
この実施形態のように、リンクハブ2とこのリンクハブ2に連結された端部リンク5に両端を連結した直動アクチュエータ25の配置とすると、リンクハブ2と直動アクチュエータ25の連結部26、および端部リンク5と直動アクチュエータ25の連結部27を共に回転対偶とすることができる。つまり、二次元的な対偶とすることができる。そのため、これら連結部26,27に深溝玉軸受等の軸受を使用することが可能であり、球対偶や十字継手を使用する場合に比べて、低コストおよび低回転抵抗を実現できる。また、深溝玉軸受等の軸受を使用すると、回転角の制限がなく、設計の自由度が増す。
【0035】
駆動手段1bの直動アクチュエータ25の伸縮作動により、入力側のリンクハブ2に対して入力側の端部リンク5を回転させると、この入力側の端部リンク5の回転が連動手段9により出力側の端部リンク6に伝えられて、入力側の端部リンク5と出力側の端部リンク6とが互いに連動して回転変位する。駆動手段1bは各リンク機構4A,4Bに設けられているため、各リンク機構4A,4Bの出力側の端部リンク6の回転変位が決まる。それにより、入力側のリンクハブ2に対する出力側のリンクハブ3の姿勢が一義的に決まる。つまり、このリンク作動装置1は、入力側のリンクハブ2に対する出力側のリンクハブ3の姿勢が一義的に決まる、回転の自由度が2自由度の機構である。
【0036】
この実施形態のように、二組のリンク機構4A,4Bにおいて、端部リンク5,6の角度、長さ、および端部リンク5,6の幾何学的形状が入力側と出力側で等しく、また、中央リンク7についても入力側と出力側で形状が等しいとき、中央リンク7の対称面に対して中央リンク7と、入力側および出力側のリンクハブ2,3と連結される端部リンク5,6との角度や位置関係を入力側と出力側で同じにすれば、幾何学的対称性から入力側のリンクハブ2および入力側の端部リンク5と、出力側のリンクハブ3および出力側の端部リンク6とは同じに動く。
【0037】
このリンク作動装置1の具体的な動作を説明する。図7は、直動アクチュエータ25により入力側のリンクハブ2と入力側の端部リンク5の回転対偶の回転角を変更するときの、リンク機構4A,4Bに作用するトルクの変化を、図8の状態におけるトルクで無次元化した図である。図8ないし図11は、リンク作動装置本体1aを簡略化したモデルで表現した正面図、底面図、および斜視図であって、それぞれ図7におけるA,B,C,D各時点における姿勢を示している。このモデルでは、入力側のリンクハブ2の回転対偶軸O1A,O1B(図4)を含む平面F2(図3)を鉛直状態にし、かつ開口部21を重力G方向に配置した場合を示している。なお、図8ないし図11には、入力側および出力側の球面リンク中心P1,P2を球体で示してあり、リンクハブ3の中心P2に錘を配置している。錘は装置重量に比べて十分重く設定している。
【0038】
図8は、入力側のリンクハブ2に対して出力側のリンクハブ3が平行である状態を示している。このとき、重力Gに抗して出力側のリンクハブ3およびリンク機構4A,4Bの各リンク5,6,7の姿勢を維持するために、リンク機構4A,4Bに、直動アクチュエータ25(図1)によってそれぞれ同じ値の所定値のトルクが作用している。図8の状態から、リンク機構4A,4Bに作用する各トルクを前記所定値よりも小さくすると、図9のように、出力側のリンクハブ3が、リンク機構4A,4Bの中央リンク7が互いに干渉するまで下方に回動する。また、図8の状態から、リンク機構4Aの入力側のリンクハブ2と入力側の端部リンク5との角度を固定し、リンク機構4Bに作用するトルクを小さくすると、図10のように、リンク機構4Aが全体的に縮み、かつリンク機構4Bが全体的に伸びて、出力側のリンクハブ3が前方(同図(A)における手前側)に傾いた姿勢となる。さらに、リンク機構4Aに作用するトルクおよびリンク機構4Bに作用するトルクを前記所定値に対してそれぞれ別個に変化させると、図11のように、入力側のリンクハブ2に対して出力側のリンクハブ3が捩れた姿勢となる。全状態において、入力側のリンクハブ2に対する出力側のリンクハブ3の姿勢が変化しても、入力側と出力側の球面リンク中心P1,P2間の距離は変化しない。
【0039】
図8ないし図11に示すように、このリンク作動装置1は、入力側のリンクハブ2に対する出力側のリンクハブ3の可動範囲を広くとれる。例えば、入力側のリンクハブ2の中心軸C1と出力側のリンクハブ3の中心軸C2の折れ角θ(図9(A))の最大値(最大折れ角)を90°以上とすることができる。また、入力側のリンクハブ2に対する出力側のリンクハブ3の旋回角φ(図11(B))を0°〜360°の範囲で設定できる。折れ角θは、入力側のリンクハブ2の中心軸C1に対する出力側のリンクハブ3の中心軸C2の傾斜角度のことであり、旋回角φは、入力側のリンクハブ2の中心軸C1に対して出力側のリンクハブ3が傾斜した水平角度のことである。
【0040】
このリンク作動装置1は、連動手段9を設けたことにより、リンク機構4A,4Bの数が二組であっても、入力側のリンクハブ2に対する出力側のリンクハブ3の姿勢を規定することができる。リンク機構4A,4Bの数が二組であって、従来の三組と比べて少ないため、各リンク機構4A,4B同士の干渉を回避し易く、設計の自由度が高い。それにより、リンク作動装置1全体の外径が小さいコンパクトな構成とすることが可能である。また、リンク機構4A,4Bの数が少ないため、低コスト化を実現できる。リンク機構4A,4Bの数を減らすと剛性が低下することが懸念されるが、この実施形態のリンク作動装置1は、入力側のリンクハブ2と、入力側の端部リンク5と、直動アクチュエータ23とで閉じたリンク構成となっているため、高い剛性が実現されている。
【0041】
各リンク機構4A,4Bにおける4つの回転対偶、つまり、入力側のリンクハブ2と入力側の端部リンク5との連結部分、出力側のリンクハブ3と出力側の端部リンク6との連結部分、および入力側および出力側の端部リンク5,6と中央リンク7との二つの連結部分を軸受構造とすることにより、その連結部分での摩擦抵抗を抑えて回転抵抗の軽減を図ることができ、滑らかな動力伝達を確保できると共に耐久性を向上できる。
【0042】
各リンク機構4A,4Bの中央リンク7は、二組のリンク機構4A,4Bのリンクハブ2,3と端部リンク5,6の各回転対偶軸O1A,O1B,O2A,O2Bが成す角度が180°よりも大きい側に位置している。そのため、構造的に、一方のリンク機構4A(4B)のリンクハブ2,3と端部リンク5,6の回転対偶部が、他方のリンク機構4B(4A)の端部リンク5,6と中央リンク7の回転対偶部に干渉しにくい。このことから、前記干渉を避けるために、端部リンク5,6と中央リンク7の回転対偶部を外径方向に張り出して設ける必要がなくなり、外径寸法が小さいコンパクトな構成にできる。
【0043】
入力側および出力側のリンクハブ2,3は、中心軸C1,C2の方向に沿って貫通した中空部20を有している。この中空部20に、エアチューブ、電気配線等のケーブル類を通して設けることができ、ケーブル類が各リンク5,6,7やリンク作動装置1以外の器物と接触しにくくできる。また、中空部20は開口部21を介してリンクハブ2,3の外部と連通しているため、中空部20にケーブル類を通すときに、ケーブル類が機器に繋がった状態でも中空部20に入れることができ、作業性が良い。
【0044】
また、二組のリンク機構4A,4Bは、中央リンク7の中央部に対する入力側部分と出力側部分とが互いに鏡像対称を成す形状であり、入力側の端部リンク5と出力側の端部リンク6の可動範囲が、周方向に付き同じである。そのため、入力側のリンクハブ2と出力側のリンクハブ3との間の空間において、端部リンク5,6および中央リンク7が侵入しない周方向の領域が広くなり、この領域から前記空間に物品を入れることが可能となる。また、この領域では、各リンク5,6,7と他の部材とを接近させてもよいため、本装置をロボット、産業機械等に取付けたときにコンパクトとなる。
さらに、中央リンク7と二つの端部リンク5,6の組立て体を入力側と出力側のリンクハブ2,3に組み付ける際に、取付け部(図示せず)の回転対偶軸が入力側と出力側で周方向位置が一致しているため、前記組立て体を一方向から組み付けることができるため、組立て性が向上する。
【0045】
直動アクチュエータ25は、図12のように、進退軸であるねじ軸30と外筒体33とが逆向きとなる配置にしてもよい。この場合も、図1の配置と同じように機能する。
【0046】
また、図13のように、直動アクチュエータ25の外筒体33を入力側のリンクハブ2と一体の補助板23に固定し、進退軸であるねじ軸30は端部リンク5に一体の補助板24に補助リンク40を介して連結した配置としてもよい。ねじ軸30と補助リンク40の連結部41、および補助板24と補助リンク40の連結部42は、共に回転対偶とする。補助リンク40は、ねじ軸30の進退に伴うねじ軸30と端部リンク5との位置関係を調整する役割をする。
【0047】
直動アクチュエータ25の外筒体33とねじ軸30とを比較した場合、外筒体33の方がねじ軸30よりも径が大きくて重量が重い。この重い方の外筒体33を固定側であるリンクハブ2に固定することにより、可動部を軽くすることができ、直動アクチュエータ25の駆動に対する応答性が良くなる。また、直動アクチュエータ25の動作部を小さくできるので、直動アクチュエータ25とリンク作動装置1の他の部材あるいはリンク作動装置1以外の物品との干渉が起き難くすることができる。
【0048】
図14はさらに異なる実施形態を示す。このリンク作動装置1は、入力側のリンクハブ2に一体に設けられた補助板43と、中央リンク7に一体に設けられた補助板44とを、伸縮作動可能な直動アクチュエータ25で連結して、入力側のリンクハブ2と中央リンク7との角度や位置を変更させる。入力側のリンクハブ2と中央リンク7とは相対的に3次元の動きをするため、直動アクチュエータ25と各補助板43,44との連結部46,47は、共に球対偶となっている。
【0049】
この場合、入力側のリンクハブ2、入力側の端部リンク5、中央リンク7、および直動アクチュエータ25で閉じたリンク構成となり、剛性が向上する。また、直列のみの連鎖箇所が減少したことからも剛性が向上する。
【0050】
図15に示すように、一方のリンク機構4Aについては、入力側のリンクハブ2に一体に設けられた補助板43と、中央リンク7に一体に設けられた補助板44とを直動アクチュエータ25で連結し、もう一方のリンク機構4Bについては、出力側のリンクハブ3に一体に設けられた補助板48と、中央リンク7に一体に設けられた補助板49とを直動アクチュエータ25で連結した構成としてもよい。出力側のリンクハブ3と中央リンク7とは相対的に3次元の動きをするため、直動アクチュエータ25と各補助板48,49との連結部50,51は、共に球対偶となっている。
【0051】
図16はさらに異なる実施形態を示す。このリンク作動装置1は、入力側の端部リンク5に一体に設けられた補助板52と、出力側の端部リンク6に一体に設けられた補助板53とを、伸縮作動可能な直動アクチュエータ25で連結して、入力側のリンクハブ2と中央リンク7との角度や位置を変更させる。入力側の端部リンク5と出力側の端部リンク6とは鏡像対称の動きをするため、直動アクチュエータ25と各補助板52,53との連結部54,55は、共に十字継手構造となっている。
【0052】
この場合、入力側の端部リンク5、中央リンク7、出力側の端部リンク6、および直動アクチュエータ25で閉じたリンク構成となり、剛性が向上する。また、直列のみの連鎖箇所が減少したことからも剛性が向上する。
【符号の説明】
【0053】
1…リンク作動装置
2…入力側のリンクハブ(リンク機構構成部材)
3…出力側のリンクハブ(リンク機構構成部材)
4A,4B…リンク機構
5…入力側の端部リンク(リンク機構構成部材)
6…出力側の端部リンク(リンク機構構成部材)
7…中央リンク(リンク機構構成部材)
9…連動手段
25…直動アクチュエータ
30…ねじ軸(進退軸)
33…外筒体
40…補助リンク
O1A,O1B…入力側のリンクハブと入力側の端部リンクの回転対偶軸
O2A,O2B…出力側のリンクハブと出力側の端部リンクの回転対偶軸
【技術分野】
【0001】
この発明は、ロボットの関節部、産業機械等における三次元空間での物品の取り回しや複雑な加工等の作業を広範囲な領域で、高速かつ精密に実行するために用いられるリンク作動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記リンク作動装置として、入力側のリンクハブと出力側のリンクハブを、四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構で連結し、入力側のリンクハブに対して出力側のリンクハブを姿勢変更可能とした構成が提案されている(例えば特許文献1,2)。四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構は、入力側および出力側の各リンクハブにそれぞれ回転可能に連結された入力側および出力側の端部リンクと、これら入力側および出力側の端部リンクに回転可能に連結された中央リンクとでなる。特許文献1には、リンク機構を直線で表現した幾何学モデルにおいて、中央リンクの中央部に対する入力側部分と出力側部分とが鏡像対称を成す形状である例と、点対称を成す形状である例とが開示されている。また、特許文献2には、前記入力側部分と出力側部分とが点対称を成す形状である例が開示されている。
【0003】
上記特許文献1,2を含めて、従来のリンク作動装置は、リンク機構の数が三組であった。これは、リンク機構をリンクだけで構成する場合に、入力側のリンクハブに対する出力側のリンクハブの姿勢を規定するために必要な最低限のリンク機構の数は三組であることによる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4476603号公報
【特許文献1】特開2004−009276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
リンク作動装置のリンク機構の数が三組であると、例えば図17に示すように、各リンク機構104(104A,104B,104C)がほぼ120°の間隔で配置されることとなる。この場合、各リンク機構104の相互間距離が狭く、一つのリンク機構104Aにおけるリンクハブ103(102)と端部リンク106(105)の回転対偶部112(111)と、他のリンク機構104Bにおける端部リンク106(105)と中央リンク107の回転対偶部114(113)とが接近した状態となる。そこで、両回転対偶部112(111),114(113)が互いに干渉するのを避けるために、回転対偶部114(113)を外径側に逃がした形状としている。その結果、リンク作動装置101全体の外径が大きいという課題があった。リンクハブ102,103を中空形状とし、その内部にエアチューブや電気配線等を通す場合には、外径がさらに大きくなる。
【0006】
また、リンク機構104の数が三組であると、各リンク機構104の各回転対偶部111,112,113,114の回転中心軸の相互角度を適正に保ちながら組立することが難しい。さらに、リンク機構104の数が多いと、その分だけコスト高となる。
【0007】
リンク機構の数が三組であると、用途によっては上記のように不都合が生じる。そこで、本件出願人は、リンク機構の数が二組であっても、入力側のリンクハブに対する出力側のリンクハブの姿勢を規定することが可能なリンク作動装置の開発を試みた。しかし、リンク機構の数をただ単に二組にするだけでは、三組である場合に比べて全体の剛性が低下する。
【0008】
この発明の目的は、リンク機構の数が二組で構成でき、外径寸法が小さいコンパクトな構成でありながら剛性が高いリンク作動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のリンク作動装置は、入出力側にそれぞれ配されたリンクハブに対して回転可能に端部リンクを連結し、入力側および出力側の端部リンクを中央リンクに対して回転可能に連結することにより、前記入力側の端部リンク、中央リンク、および出力側の端部リンクで構成される、四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構を有する。この発明は、上記リンク作動装置において、前記四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構を二組有し、これら二組のリンク機構は、入力側および出力側のいずれについても、それぞれの前記リンクハブと前記端部リンクの各回転対偶軸が同一平面上にあって、かつ互いに交差する位置関係であり、二組のリンク機構のうちの少なくとも一組に、前記入力側の端部リンクと前記出力側の端部リンクとを互いに連動して回転変位させる連動手段を設け、かつ二組のリンク機構のそれぞれに、前記リンクまたはリンクハブである二つのリンク機構構成部材に両端が直接または間接的にそれぞれ連結された伸縮作動可能な直動アクチュエータを設けたことを特徴とする。なお、この明細書で「回転対偶軸」とは、回転対偶の回転中心軸を言う。
【0010】
この構造において、リンクハブとそれに連結される端部リンクの入力側と出力側それぞれは、球面リンク機構を構成しており、それぞれの球面リンク機構は、入力側と出力側の端部リンクが中央リンクを介して連結されている。ここで各リンク機構の二つの中央リンクは、それぞれの球面リンク機構が重なる円の円周上の並進運動に限定された1自由度となる。入力側および出力側の球面リンク機構は、節の曲率半径を無限大とすれば平面上の四節リンク機構であり、入力側、出力側のそれぞれが独立して1自由度を有している。入力側と出力側の端部リンク間に連動手段が無い場合は、二つの中央リンクの1自由度と入力側と出力側の球面リンク機構の各1自由度とで3自由度となる。ここで、このリンク作動装置では、入力側と出力側の端部リンク間に連動手段を設けたため、それぞれの球面リンク機構は連動し、両球面リンク機構で1自由度となる。以上のように、このリンク作動装置は、中央リンクの1自由度と前記球面リンク機構の1自由度を合わせた2自由度の機構となる。なお、中央リンクの位置変位は、入力側と出力側のリンクハブ間においては角度変化となり、以上から入力側と出力側のリンクハブ間は、2方向の角度変化が可能な構造となる。
【0011】
この2自由度機構は、入力側のリンクハブに対する出力側のリンクハブの可動範囲を広くとれる。例えば、入力側のリンクハブの中心軸と出力側のリンクハブの中心軸の最大折れ角を90°以上とすることが可能であり、入力側のリンクハブに対する出力側のリンクハブの旋回角を0°〜360°の範囲に設定できる。上記中心軸は、入力側と出力側のリンクハブが互いに平行である状態での、それぞれのリンクハブ内における二つの端部リンクとの回転対偶軸の交点であるリンクハブ中心を結ぶ軸を指す。
【0012】
この構成は、上記のように連動手段を設けたため、リンク機構の数が二組であっても、入力側のリンクハブに対する出力側のリンクハブの姿勢を規定することができる。リンク機構の数が二組であって、従来の三組と比べて少ないため、各リンク機構同士の干渉を回避し易く、設計の自由度が高い。それにより、リンク作動装置全体の外径が小さいコンパクトな構成とすることが可能である。また、リンク機構の数が少ないため、低コスト化を実現できる。
【0013】
直動アクチュエータを伸縮作動させると、この直動アクチュエータの両端がそれぞれ連結されている二つのリンク機構構成部材の相対的な角度や位置が変更される。よって、直動アクチュエータの伸縮量を制御することにより、上記相対的な角度や位置が決まり、それにより入力側のリンクハブに対する出力側のリンクハブの姿勢も決まる。直動アクチュエータを設けたことにより、上記二つのリンク機構構成部材を含む複数のリンク機構構成部材と直動アクチュエータとで閉じたリンク構成となり、二つのリンク機構構成部材間に作用する力を直動アクチュエータが受けるため、リンク作動装置の剛性が向上する。
【0014】
この発明において、前記伸縮作動可能な直動アクチュエータは、前記リンクハブとこのリンクハブに連結された前記端部リンクとに、両端が直接または間接的に連結されているのが良い。
リンクハブと端部リンクとは一つの回転対偶で連結されているため、リンクハブと端部リンクとの間に直動アクチュエータを設ければ、リンクハブと直動アクチュエータ、および端部リンクと直動アクチュエータのそれぞれの連結部も回転対偶とすることができる。つまり、二次元的な対偶とすることができる。そのため、連結部に深溝玉軸受等の軸受を使用することが可能であり、球対偶や十字継手を使用する場合に比べて、低コストおよび低回転抵抗を実現できる。また、深溝玉軸受等の軸受を使用すると、回転角の制限がなく、設計の自由度が増す。
【0015】
前記伸縮作動可能な直動アクチュエータが、筒状の外筒体と、この外筒体の内部にあって外筒体に対して進退する進退軸とを有する場合、前記外筒体は前記リンクハブに固定され、前記進退軸は前記端部リンクに、進退軸の進退に伴う進退軸と端部リンクとの位置関係を調整する補助リンクを介して連結された構成としても良い。
上記直動アクチュエータの外筒体と進退軸とを比較した場合、外筒体の方が進退軸よりも径が大きくて重量が重い。この重い方の外筒体を固定側であるリンクハブに固定することにより、可動部を軽くすることができ、直動アクチュエータの駆動に対する応答性が良くなる。また、直動アクチュエータの動作部を小さくできるので、直動アクチュエータとリンク作動装置の他の部材あるいはリンク作動装置以外の物品との干渉が起き難くすることができる。
【0016】
この発明において、前記伸縮作動可能な直動アクチュエータは、前記リンクハブと前記中央リンクとに、両端が直接または間接的に連結されていても良い。
この場合、リンクハブ、端部リンク、中央リンク、および直動アクチュエータで閉じたリンク構成となり、剛性が向上する。リンクハブと中央リンクとは相対的に3次元の動きをするため、リンクハブと直動アクチュエータの連結部、および中央リンクと直動アクチュエータの連結部は、いずれも球対偶とされる。それにより、直列のみの連鎖箇所が減少し、このことからも剛性が向上する。
【0017】
この発明において、前記直動アクチュエータは、入力側の端部リンクと、出力側の端部リンクとに、両端が直接または間接的に連結されていても良い。
この場合、入力側の端部リンク、中央リンク、出力側の端部リンク、および直動アクチュエータで閉じたリンク構成となり、剛性が向上する。入力側の端部リンクと出力側の端部リンクとは例えば鏡像対称の動きをするため、捩れた位置となることなく、一方、直動アクチュエータの直動軸に対して端部リンクの任意の面は、二方向に傾きが変化するため、入力側の端部リンクと直動アクチュエータの連結部、および出力側の端部リンクと直動アクチュエータの連結部は、いずれも十字継手結合とされる。それにより、直列のみの連鎖箇所が減少し、このことからも剛性が向上する。
【発明の効果】
【0018】
この発明のリンク作動装置は、入出力側にそれぞれ配されたリンクハブに対して回転可能に端部リンクを連結し、入力側および出力側の端部リンクを中央リンクに対して回転可能に連結することにより、前記入力側の端部リンク、中央リンク、および出力側の端部リンクで構成される、四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構を有する装置において、前記四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構を二組有し、これら二組のリンク機構は、入力側および出力側のいずれについても、それぞれの前記リンクハブと前記端部リンクの各回転対偶軸が同一平面上にあって、かつ互いに交差する位置関係であり、二組のリンク機構のうちの少なくとも一組に、前記入力側の端部リンクと前記出力側の端部リンクとを互いに連動して回転変位させる連動手段を設け、かつ二組のリンク機構のそれぞれに、前記リンクまたはリンクハブである二つのリンク機構構成部材に両端が直接または間接的にそれぞれ連結された伸縮作動可能な直動アクチュエータを設けたため、リンク機構の数が二組で構成でき、外径寸法が小さいコンパクトな構成でありながら剛性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の一実施形態にかかるリンク作動装置の底面図である。
【図2】同リンク作動装置のリンク作動装置本体の斜視図である。
【図3】図2のA矢視図である。
【図4】同リンク作動装置本体を展開した状態の一部破断展開図である。
【図5】同リンク作動装置本体を直線で表現した図である。
【図6】同リンク作動装置の直動アクチュエータの一例を示す断面図である。
【図7】同リンク作動装置本体に付与するトルクの大きさの変化を示すグラフである。
【図8】(A)は同リンク作動装置本体の一状態を示す正面図、(B)は底面図、(C)は斜視図である。
【図9】(A)は同リンク作動装置本体の異なる状態を示す正面図、(B)は底面図、(C)は斜視図である。
【図10】(A)は同リンク作動装置本体のさらに異なる状態を示す正面図、(B)は底面図、(C)は斜視図である。
【図11】(A)は同リンク作動装置本体のさらに異なる状態を示す正面図、(B)は底面図、(C)は斜視図である。
【図12】この発明の異なる実施形態にかかるリンク作動装置の底面図である。
【図13】この発明のさらに異なる実施形態にかかるリンク作動装置の底面図である。
【図14】この発明のさらに異なる実施形態にかかるリンク作動装置の底面図である。
【図15】この発明のさらに異なる実施形態にかかるリンク作動装置の底面図である。
【図16】この発明のさらに異なる実施形態にかかるリンク作動装置の底面図である。
【図17】従来のリンク作動装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
この発明の実施形態を図面と共に説明する。図1は、この発明の一実施形態にかかるリンク作動装置の底面図である。このリンク作動装置1は、リンク作動装置本体1aと、このリンク作動装置本体1aを駆動する駆動手段1bとでなる。リンク作動装置本体1aから説明する。
【0021】
図2および図3はリンク作動装置本体1aをそれぞれ異なる角度から見た斜視図、図4は同リンク作動装置本体1aを展開した状態の一部破断展開図である。図2ないし図4に示すように、リンク作動装置本体1aは、入力側および出力側のリンクハブ2,3を有し、これらリンクハブ2,3を二組のリンク機構4A,4Bで連結したものである。リンク機構4A,4Bは、四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構であり、入力側のリンクハブ2に一端が回転自在に連結された入力側の端部リンク5と、出力側のリンクハブ3に一端が回転自在に連結された出力側の端部リンク6と、これら端部リンク5,6の他端に両端がそれぞれ回転自在に連結された中央リンク7とで構成される。
【0022】
上記二組のリンク機構4A,4Bは、幾何学的に同じ形状である。幾何学的に同じ形状とは、図5のようにリンク機構を直線で表現した幾何学モデル、すなわち各回転対偶と、これら回転対偶間を結ぶ直線とで表現したモデルが互いに同じ形状であることを言う。また、それぞれのリンク機構4A,4Bは、直線で表現した幾何学モデルが、中央リンク7の中央部に対する入力側部分と出力側部分とが互いに鏡像対称を成す形状である。言い換えると、中央リンク7と端部リンク5,6の二つの回転対偶の並び方向に対して垂直な横断面F1を対称面として、前記入力側部分と出力側部分とが互いに鏡像対称である。上記横断面F1は、中央リンク7と2つの端部リンク5,6の回転対偶軸O3,O4の成す角度を2等分する平面であるとも言える。
【0023】
各リンク機構4A,4Bの入力側および出力側の端部リンク5,6は、共に球面リンク構造である。球面リンク構造とは、図4に示すように、リンクハブ2(3)と端部リンク5(6)の回転対偶軸O1A,O1B(O2A,O2B)、および端部リンク5(6)と中央リンク7の回転対偶軸O3(O4)が、すべて球面リンク中心P1(P2)を通る構造を言う。
【0024】
二組のリンク機構4A,4Bは、それぞれの回転対偶軸O1A,O1B(O2A,O2B)が互いに交差する位置関係にある。つまり、回転対偶軸O1A,O1B(O2A,O2B)の軸間角度が180°でない。そして、回転対偶軸O1A,O1B(O2A,O2B)の軸間角度が180°よりも大きい側に、各リンク機構4A,4Bの中央リンク7が位置している。図示例では、小さい方の軸間角度αが120°とされている。
なお、図4の状態では、二組のリンク機構4A,4Bが、入力側および出力側の球面リンク中心P1,P2を通り、リンクハブ2(3)と端部リンク5(6)の回転対偶軸O1A,O1B(O2A,O2B)の軸間角度を二等分する縦断面F4に対して互いに鏡像対称となる位置に配置されている。
【0025】
端部リンク5,6と中央リンク7の各回転対偶軸O3,O4は、ある交差角をもっていても良いし、平行であっても良い。図示例では、回転対偶軸O3,O4の軸間角度γは90°とされている。また、入力側および出力側のリンクハブ2,3が同一平面上に位置する図4の状態において、回転対偶軸O1A,O1B(O2A,O2B)と回転対偶軸O3(O4)の軸間角度βは、75°とされている。
【0026】
図2ないし図4において、上記各リンク機構4A,4Bの入力側の端部リンク5と出力側の端部リンク6とは、連動手段9により、互いに連動して回転変位するようになっている。この実施形態の場合、連動手段9は、入力側の端部リンク5および出力側の端部リンク6に対してそれぞれ回転自在な一対のかさ歯車10,11を互いに噛み合わせた構成である。一対のかさ歯車10,11は同諸元のものであり、入力側の端部リンク5と出力側の端部リンク6が、互いの回転方向が反対で、かつ回転変位角度が同じになるように連動する。このように、連動手段9が複数のかさ歯車10,11等の歯車の噛み合いによるものであると、入力側の端部リンク5および出力側の端部リンク6の回転変位に滑り等による誤差が生じないため、精度良く連動させることができ、またコンパクトである。
【0027】
連動手段9は、同諸元の一対のかさ歯車10,11の噛み合いによるものに限らない。かさ歯車の代わりにリンク機構、カム、ベルト等を用いてもよい。なお、前記軸間角度γ(図4)が0°のときには、平歯車を用いる。また、一対の歯車の歯数を互いに異ならせても良い。その場合、入力側の端部リンク5と出力側の端部リンク6の回転変位角度が異なる。さらに、歯車以外の別の手段、例えばロータリアクチュエータやモータ等のアクチュエータで入力側の端部リンク5と出力側の端部リンク6の相互回転を制御してもよい。
【0028】
リンクハブ2(3)は、球面リンク中心P1(P2)を中心として、回転対偶軸O1A,O1B(O2A,O2B)が位置する平面F2(F3)(図3)に沿って拡がる円弧状であり、その両端に軸受内包部13がそれぞれ設けられている。軸受内包部13は内部に二つの転がり軸受14を有し、これら転がり軸受14により、端部リンク5,6の基端に一体に設けた回転軸15を回転自在に支持する。回転軸15の軸心は、回転対偶軸O1A,O1B,O2A,O2Bと一致する。二つの転がり軸受14は間隔を開けて配置されており、その間隔部に端部リンク5,6の基端が位置している。軸受内包部13には、端部リンク5,6の基部が回転可能に嵌る溝13aが形成されている。この溝13aにより端部リンク5,6の回転範囲を規制することで、先に説明したように、各リンク機構4A,4Bの中央リンク7が常に回転対偶軸O1A,O1B(O2A,O2B)の軸間角度が180°よりも大きい側に位置する。
【0029】
転がり軸受14は、外輪14aが軸受内包部13の内周に圧入等により嵌合し、内輪14bが回転軸15の外周に圧入等により嵌合している。転がり軸受14は、例えば深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受等の玉軸受である。転がり軸受14としては、図示例のように玉軸受を複列で配列する以外に、ローラ軸受を用いても良い。また、転がり軸受14の代わりに滑り軸受を用いてもよい。
【0030】
また、中央リンク7の両端部には転がり軸受17が設けられ、この転がり軸受17により、端部リンク5,6の先端に一体に設けた回転軸18を回転自在に支持する。回転軸18の軸心は、回転対偶軸O3,O4と一致する。転がり軸受17は、外輪17aが中央リンク7の端部に圧入等により嵌合し、内輪17bが回転軸18の外周に圧入等により嵌合している。転がり軸受17は、例えば深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受等の玉軸受である。転がり軸受17としては、図示例のように玉軸受を複列で配列する以外に、ローラ軸受を用いても良い。また、転がり軸受17の代わりに滑り軸受を用いてもよい。
【0031】
リンクハブ2,3は先に説明したような円弧状であり、それぞれその内部に、前記平面F2,F3に対して垂直な方向すなわち中心軸C1,C2(図2、図4)の方向に貫通した中空部20を有する。この中空部20は、一対の軸受内包部13間に形成された開口部21を介してリンクハブ2,3の外部と連通している。開口部21は、入力側および出力側のリンクハブ2,3のいずれについても、各回転対偶軸O1A,O1B,O2A,O2Bに対して同じ側に位置する。つまり、図2のように、入力側のリンクハブ2と出力側のリンクハブ3が互いに平行になる姿勢において、両リンクハブ2,3の開口部21が、共に同じ側を向く。
【0032】
図1において、駆動手段1bは、二組のリンク機構4A,4Bのそれぞれに設けられて、互いに異なる二つのリンク機構構成部材間の角度や位置を変更させる手段である。リンク機構構成部材として、入力側および出力側のリンクハブ2,3と、入力側および出力側の端部リンク5,6と、中央リンク7とが該当する。この実施形態では、入力側のリンクハブ2と一体に設けられた補助板23と、入力側の端部リンク5に一体に設けられた補助板24とを、伸縮作動可能な直動アクチュエータ25で連結して、入力側のリンクハブ2と入力側の端部リンク5との角度や位置を変更させる。直動アクチュエータ25と各補助板23,24との連結部26,27は、共に回転対偶となっている。なお、補助板23は、入力側のリンクハブ2と入力側の端部リンク5の回転対偶軸O1A,O1Bから離れた位置で、入力側のリンクハブ2に固定されている。直動アクチュエータ25は、直線方向に伸縮動作を行う駆動機構であればよいが、例えばボールねじを用いた機構や流体圧シリンダ装置を採用できる。
【0033】
図6は、ボールねじを用いた直動アクチュエータの一例を示す。この直動アクチュエータ25は、一方の補助板23に連結されたねじ軸30にナット31が螺合しており、これらねじ軸30とナット31とでボールねじ32が構成されている。ねじ軸30は、請求項で言う進退軸である。ナット31は、他方の補助板24にロッド33aを介して連結された外筒体33に、二つの軸受34により回転自在に支持されている。ナット31の外周には平歯車36が設けられ、この平歯車36に他の平歯車37が噛み合っている。他の平歯車37は、前記外筒体33の外周に設置したモータ38の出力軸38aに取り付けられている。
モータ38を回転させることで、一対の平歯車37,36を介してナット31が回転し、ボールねじ32によりねじ軸30がナット31に対して進退する。それにより、ねじ軸30の先端とロッド33aの先端間の距離が変わる。つまり、直動アクチュエータ25が伸縮作動する。
【0034】
この実施形態のように、リンクハブ2とこのリンクハブ2に連結された端部リンク5に両端を連結した直動アクチュエータ25の配置とすると、リンクハブ2と直動アクチュエータ25の連結部26、および端部リンク5と直動アクチュエータ25の連結部27を共に回転対偶とすることができる。つまり、二次元的な対偶とすることができる。そのため、これら連結部26,27に深溝玉軸受等の軸受を使用することが可能であり、球対偶や十字継手を使用する場合に比べて、低コストおよび低回転抵抗を実現できる。また、深溝玉軸受等の軸受を使用すると、回転角の制限がなく、設計の自由度が増す。
【0035】
駆動手段1bの直動アクチュエータ25の伸縮作動により、入力側のリンクハブ2に対して入力側の端部リンク5を回転させると、この入力側の端部リンク5の回転が連動手段9により出力側の端部リンク6に伝えられて、入力側の端部リンク5と出力側の端部リンク6とが互いに連動して回転変位する。駆動手段1bは各リンク機構4A,4Bに設けられているため、各リンク機構4A,4Bの出力側の端部リンク6の回転変位が決まる。それにより、入力側のリンクハブ2に対する出力側のリンクハブ3の姿勢が一義的に決まる。つまり、このリンク作動装置1は、入力側のリンクハブ2に対する出力側のリンクハブ3の姿勢が一義的に決まる、回転の自由度が2自由度の機構である。
【0036】
この実施形態のように、二組のリンク機構4A,4Bにおいて、端部リンク5,6の角度、長さ、および端部リンク5,6の幾何学的形状が入力側と出力側で等しく、また、中央リンク7についても入力側と出力側で形状が等しいとき、中央リンク7の対称面に対して中央リンク7と、入力側および出力側のリンクハブ2,3と連結される端部リンク5,6との角度や位置関係を入力側と出力側で同じにすれば、幾何学的対称性から入力側のリンクハブ2および入力側の端部リンク5と、出力側のリンクハブ3および出力側の端部リンク6とは同じに動く。
【0037】
このリンク作動装置1の具体的な動作を説明する。図7は、直動アクチュエータ25により入力側のリンクハブ2と入力側の端部リンク5の回転対偶の回転角を変更するときの、リンク機構4A,4Bに作用するトルクの変化を、図8の状態におけるトルクで無次元化した図である。図8ないし図11は、リンク作動装置本体1aを簡略化したモデルで表現した正面図、底面図、および斜視図であって、それぞれ図7におけるA,B,C,D各時点における姿勢を示している。このモデルでは、入力側のリンクハブ2の回転対偶軸O1A,O1B(図4)を含む平面F2(図3)を鉛直状態にし、かつ開口部21を重力G方向に配置した場合を示している。なお、図8ないし図11には、入力側および出力側の球面リンク中心P1,P2を球体で示してあり、リンクハブ3の中心P2に錘を配置している。錘は装置重量に比べて十分重く設定している。
【0038】
図8は、入力側のリンクハブ2に対して出力側のリンクハブ3が平行である状態を示している。このとき、重力Gに抗して出力側のリンクハブ3およびリンク機構4A,4Bの各リンク5,6,7の姿勢を維持するために、リンク機構4A,4Bに、直動アクチュエータ25(図1)によってそれぞれ同じ値の所定値のトルクが作用している。図8の状態から、リンク機構4A,4Bに作用する各トルクを前記所定値よりも小さくすると、図9のように、出力側のリンクハブ3が、リンク機構4A,4Bの中央リンク7が互いに干渉するまで下方に回動する。また、図8の状態から、リンク機構4Aの入力側のリンクハブ2と入力側の端部リンク5との角度を固定し、リンク機構4Bに作用するトルクを小さくすると、図10のように、リンク機構4Aが全体的に縮み、かつリンク機構4Bが全体的に伸びて、出力側のリンクハブ3が前方(同図(A)における手前側)に傾いた姿勢となる。さらに、リンク機構4Aに作用するトルクおよびリンク機構4Bに作用するトルクを前記所定値に対してそれぞれ別個に変化させると、図11のように、入力側のリンクハブ2に対して出力側のリンクハブ3が捩れた姿勢となる。全状態において、入力側のリンクハブ2に対する出力側のリンクハブ3の姿勢が変化しても、入力側と出力側の球面リンク中心P1,P2間の距離は変化しない。
【0039】
図8ないし図11に示すように、このリンク作動装置1は、入力側のリンクハブ2に対する出力側のリンクハブ3の可動範囲を広くとれる。例えば、入力側のリンクハブ2の中心軸C1と出力側のリンクハブ3の中心軸C2の折れ角θ(図9(A))の最大値(最大折れ角)を90°以上とすることができる。また、入力側のリンクハブ2に対する出力側のリンクハブ3の旋回角φ(図11(B))を0°〜360°の範囲で設定できる。折れ角θは、入力側のリンクハブ2の中心軸C1に対する出力側のリンクハブ3の中心軸C2の傾斜角度のことであり、旋回角φは、入力側のリンクハブ2の中心軸C1に対して出力側のリンクハブ3が傾斜した水平角度のことである。
【0040】
このリンク作動装置1は、連動手段9を設けたことにより、リンク機構4A,4Bの数が二組であっても、入力側のリンクハブ2に対する出力側のリンクハブ3の姿勢を規定することができる。リンク機構4A,4Bの数が二組であって、従来の三組と比べて少ないため、各リンク機構4A,4B同士の干渉を回避し易く、設計の自由度が高い。それにより、リンク作動装置1全体の外径が小さいコンパクトな構成とすることが可能である。また、リンク機構4A,4Bの数が少ないため、低コスト化を実現できる。リンク機構4A,4Bの数を減らすと剛性が低下することが懸念されるが、この実施形態のリンク作動装置1は、入力側のリンクハブ2と、入力側の端部リンク5と、直動アクチュエータ23とで閉じたリンク構成となっているため、高い剛性が実現されている。
【0041】
各リンク機構4A,4Bにおける4つの回転対偶、つまり、入力側のリンクハブ2と入力側の端部リンク5との連結部分、出力側のリンクハブ3と出力側の端部リンク6との連結部分、および入力側および出力側の端部リンク5,6と中央リンク7との二つの連結部分を軸受構造とすることにより、その連結部分での摩擦抵抗を抑えて回転抵抗の軽減を図ることができ、滑らかな動力伝達を確保できると共に耐久性を向上できる。
【0042】
各リンク機構4A,4Bの中央リンク7は、二組のリンク機構4A,4Bのリンクハブ2,3と端部リンク5,6の各回転対偶軸O1A,O1B,O2A,O2Bが成す角度が180°よりも大きい側に位置している。そのため、構造的に、一方のリンク機構4A(4B)のリンクハブ2,3と端部リンク5,6の回転対偶部が、他方のリンク機構4B(4A)の端部リンク5,6と中央リンク7の回転対偶部に干渉しにくい。このことから、前記干渉を避けるために、端部リンク5,6と中央リンク7の回転対偶部を外径方向に張り出して設ける必要がなくなり、外径寸法が小さいコンパクトな構成にできる。
【0043】
入力側および出力側のリンクハブ2,3は、中心軸C1,C2の方向に沿って貫通した中空部20を有している。この中空部20に、エアチューブ、電気配線等のケーブル類を通して設けることができ、ケーブル類が各リンク5,6,7やリンク作動装置1以外の器物と接触しにくくできる。また、中空部20は開口部21を介してリンクハブ2,3の外部と連通しているため、中空部20にケーブル類を通すときに、ケーブル類が機器に繋がった状態でも中空部20に入れることができ、作業性が良い。
【0044】
また、二組のリンク機構4A,4Bは、中央リンク7の中央部に対する入力側部分と出力側部分とが互いに鏡像対称を成す形状であり、入力側の端部リンク5と出力側の端部リンク6の可動範囲が、周方向に付き同じである。そのため、入力側のリンクハブ2と出力側のリンクハブ3との間の空間において、端部リンク5,6および中央リンク7が侵入しない周方向の領域が広くなり、この領域から前記空間に物品を入れることが可能となる。また、この領域では、各リンク5,6,7と他の部材とを接近させてもよいため、本装置をロボット、産業機械等に取付けたときにコンパクトとなる。
さらに、中央リンク7と二つの端部リンク5,6の組立て体を入力側と出力側のリンクハブ2,3に組み付ける際に、取付け部(図示せず)の回転対偶軸が入力側と出力側で周方向位置が一致しているため、前記組立て体を一方向から組み付けることができるため、組立て性が向上する。
【0045】
直動アクチュエータ25は、図12のように、進退軸であるねじ軸30と外筒体33とが逆向きとなる配置にしてもよい。この場合も、図1の配置と同じように機能する。
【0046】
また、図13のように、直動アクチュエータ25の外筒体33を入力側のリンクハブ2と一体の補助板23に固定し、進退軸であるねじ軸30は端部リンク5に一体の補助板24に補助リンク40を介して連結した配置としてもよい。ねじ軸30と補助リンク40の連結部41、および補助板24と補助リンク40の連結部42は、共に回転対偶とする。補助リンク40は、ねじ軸30の進退に伴うねじ軸30と端部リンク5との位置関係を調整する役割をする。
【0047】
直動アクチュエータ25の外筒体33とねじ軸30とを比較した場合、外筒体33の方がねじ軸30よりも径が大きくて重量が重い。この重い方の外筒体33を固定側であるリンクハブ2に固定することにより、可動部を軽くすることができ、直動アクチュエータ25の駆動に対する応答性が良くなる。また、直動アクチュエータ25の動作部を小さくできるので、直動アクチュエータ25とリンク作動装置1の他の部材あるいはリンク作動装置1以外の物品との干渉が起き難くすることができる。
【0048】
図14はさらに異なる実施形態を示す。このリンク作動装置1は、入力側のリンクハブ2に一体に設けられた補助板43と、中央リンク7に一体に設けられた補助板44とを、伸縮作動可能な直動アクチュエータ25で連結して、入力側のリンクハブ2と中央リンク7との角度や位置を変更させる。入力側のリンクハブ2と中央リンク7とは相対的に3次元の動きをするため、直動アクチュエータ25と各補助板43,44との連結部46,47は、共に球対偶となっている。
【0049】
この場合、入力側のリンクハブ2、入力側の端部リンク5、中央リンク7、および直動アクチュエータ25で閉じたリンク構成となり、剛性が向上する。また、直列のみの連鎖箇所が減少したことからも剛性が向上する。
【0050】
図15に示すように、一方のリンク機構4Aについては、入力側のリンクハブ2に一体に設けられた補助板43と、中央リンク7に一体に設けられた補助板44とを直動アクチュエータ25で連結し、もう一方のリンク機構4Bについては、出力側のリンクハブ3に一体に設けられた補助板48と、中央リンク7に一体に設けられた補助板49とを直動アクチュエータ25で連結した構成としてもよい。出力側のリンクハブ3と中央リンク7とは相対的に3次元の動きをするため、直動アクチュエータ25と各補助板48,49との連結部50,51は、共に球対偶となっている。
【0051】
図16はさらに異なる実施形態を示す。このリンク作動装置1は、入力側の端部リンク5に一体に設けられた補助板52と、出力側の端部リンク6に一体に設けられた補助板53とを、伸縮作動可能な直動アクチュエータ25で連結して、入力側のリンクハブ2と中央リンク7との角度や位置を変更させる。入力側の端部リンク5と出力側の端部リンク6とは鏡像対称の動きをするため、直動アクチュエータ25と各補助板52,53との連結部54,55は、共に十字継手構造となっている。
【0052】
この場合、入力側の端部リンク5、中央リンク7、出力側の端部リンク6、および直動アクチュエータ25で閉じたリンク構成となり、剛性が向上する。また、直列のみの連鎖箇所が減少したことからも剛性が向上する。
【符号の説明】
【0053】
1…リンク作動装置
2…入力側のリンクハブ(リンク機構構成部材)
3…出力側のリンクハブ(リンク機構構成部材)
4A,4B…リンク機構
5…入力側の端部リンク(リンク機構構成部材)
6…出力側の端部リンク(リンク機構構成部材)
7…中央リンク(リンク機構構成部材)
9…連動手段
25…直動アクチュエータ
30…ねじ軸(進退軸)
33…外筒体
40…補助リンク
O1A,O1B…入力側のリンクハブと入力側の端部リンクの回転対偶軸
O2A,O2B…出力側のリンクハブと出力側の端部リンクの回転対偶軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入出力側にそれぞれ配されたリンクハブに対して回転可能に端部リンクを連結し、入力側および出力側の端部リンクを中央リンクに対して回転可能に連結することにより、前記入力側の端部リンク、中央リンク、および出力側の端部リンクで構成される、四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構を有するリンク作動装置において、
前記四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構を二組有し、これら二組のリンク機構は、入力側および出力側のいずれについても、それぞれの前記リンクハブと前記端部リンクの各回転対偶軸が同一平面上にあって、かつ互いに交差する位置関係であり、
二組のリンク機構のうちの少なくとも一組に、前記入力側の端部リンクと前記出力側の端部リンクとを互いに連動して回転変位させる連動手段を設け、かつ二組のリンク機構のそれぞれに、前記リンクまたはリンクハブである二つのリンク機構構成部材に両端が直接または間接的にそれぞれ連結された伸縮作動可能な直動アクチュエータを設けたことを特徴とするリンク作動装置。
【請求項2】
請求項1において、前記伸縮作動可能な直動アクチュエータは、前記リンクハブとこのリンクハブに連結された前記端部リンクとに、両端が直接または間接的に連結されているリンク作動装置。
【請求項3】
請求項2において、前記伸縮作動可能な直動アクチュエータは、筒状の外筒体と、この外筒体の内部にあって外筒体に対して進退する進退軸とを有し、前記外筒体は前記リンクハブに固定され、前記進退軸は前記端部リンクに、進退軸の進退に伴う進退軸と端部リンクとの位置関係を調整する補助リンクを介して連結されているリンク作動装置。
【請求項4】
請求項1において、前記伸縮作動可能な直動アクチュエータは、前記リンクハブと前記中央リンクとに、両端が直接または間接的に連結されているリンク作動装置。
【請求項5】
請求項1において、前記直動アクチュエータは、入力側の端部リンクと、出力側の端部リンクとに、両端が直接または間接的に連結されているリンク作動装置。
【請求項1】
入出力側にそれぞれ配されたリンクハブに対して回転可能に端部リンクを連結し、入力側および出力側の端部リンクを中央リンクに対して回転可能に連結することにより、前記入力側の端部リンク、中央リンク、および出力側の端部リンクで構成される、四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構を有するリンク作動装置において、
前記四つの回転対偶からなる三節連鎖のリンク機構を二組有し、これら二組のリンク機構は、入力側および出力側のいずれについても、それぞれの前記リンクハブと前記端部リンクの各回転対偶軸が同一平面上にあって、かつ互いに交差する位置関係であり、
二組のリンク機構のうちの少なくとも一組に、前記入力側の端部リンクと前記出力側の端部リンクとを互いに連動して回転変位させる連動手段を設け、かつ二組のリンク機構のそれぞれに、前記リンクまたはリンクハブである二つのリンク機構構成部材に両端が直接または間接的にそれぞれ連結された伸縮作動可能な直動アクチュエータを設けたことを特徴とするリンク作動装置。
【請求項2】
請求項1において、前記伸縮作動可能な直動アクチュエータは、前記リンクハブとこのリンクハブに連結された前記端部リンクとに、両端が直接または間接的に連結されているリンク作動装置。
【請求項3】
請求項2において、前記伸縮作動可能な直動アクチュエータは、筒状の外筒体と、この外筒体の内部にあって外筒体に対して進退する進退軸とを有し、前記外筒体は前記リンクハブに固定され、前記進退軸は前記端部リンクに、進退軸の進退に伴う進退軸と端部リンクとの位置関係を調整する補助リンクを介して連結されているリンク作動装置。
【請求項4】
請求項1において、前記伸縮作動可能な直動アクチュエータは、前記リンクハブと前記中央リンクとに、両端が直接または間接的に連結されているリンク作動装置。
【請求項5】
請求項1において、前記直動アクチュエータは、入力側の端部リンクと、出力側の端部リンクとに、両端が直接または間接的に連結されているリンク作動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−96523(P2013−96523A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241070(P2011−241070)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】
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