説明

ループスの治療、診断、モニタリング方法

ループスの所定のサブフェノタイプを含むループスを同定し、診断し、予後予測する方法、並びに患者の所定の亜集団を含むループスを治療する方法が提供される。また提供されるものは、効果的なループス治療剤を同定し、ループス治療剤に対する応答性を予測する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願とのクロスリファレンス)
この出願は、その内容を出典明示によりここに援用する2008年9月26日出願の米国仮出願第61/100659号の優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
ループス(狼瘡)の所定のサブフェノタイプ(亜表現型)を含むループスを同定し、診断し、予後予測する方法、並びに患者の所定の亜集団(サブポピュレーション)を含むループスを治療する方法が提供される。また提供されるものは、効果的なループス治療剤を同定し、ループス治療剤に対する応答性を予測する方法である。
【背景技術】
【0003】
ループスは、主に20〜40歳の女性の、ほぼ100万人のアメリカ人が罹患していると推定される自己免疫疾患である。ループスは結合組織を攻撃する抗体を伴う。ループスの主な態様は全身性のもの(全身性エリテマトーデス;SLE)である。SLEは強い遺伝的な要素だけでなく環境的要素を持つ慢性的な自己免疫疾患である(例えば、Hochberg MC, Dubois' Lupus Erythematosus. 5版, Wallace DJ, Hahn BH, eds. Baltimore: Williams and Wilkins (1997); Wakeland EK等, Immunity 2001;15(3):397-408; Nath SK等, Curr. Opin. Immunol. 2004;16(6):794-800; D’Cruz等, Lancet (2007), 369:587-596を参照)。限定するものではないが、皮膚エリテマトーデス(CLE)、ループス腎炎(LN)、及び新生児ループスを含む様々な更なる型のループスが知られている。
【0004】
未処置のループスは、皮膚と関節の侵襲から肺、心臓、腎臓(腎臓疾患が一番の問題)を含む内部臓器に進行するので、致死的になり得、よってループスの早期の精確な診断及び/又はその発症のリスクの評価が特に重要になる。ループスは、主に、徴候を殆どもしくは全く示さない期間をはさんで、連続して再燃するように思われる。尿中のタンパク尿の量で測定される腎臓損傷は、SLEの病原に関連した最も急性の損傷部位の一つであり、疾患の死亡率及び羅病率の少なくとも50%を占める。
【0005】
臨床的には、SLEは高親和性の自己抗体(autoAbs)によって特徴づけられる高い親和性を示すことを特徴とする不均一な疾患である。自己抗体(autoAbs)はSLEの病理発生において重要な役割を果たしており、疾患の多様な臨床上の症状は、腎臓、脳及び皮膚の炎症へ至る、血管内における抗体含有免疫複合体の沈着が原因である。自己抗体は溶血性貧血及び血小板減少症を引き起こす直接的な病原作用も併せ持つ。SLEは抗核抗体の産生、免疫複合体の循環、補体系の活性化を伴う。SLEは、20から60歳の女性700人中およそ1人に発病する。SLEは何れの臓器系にも作用し、重症の組織損傷を引き起こしうる。特異性が様々な数多くの自己抗体がSLEにおいて存在する。SLE患者は、抗DNA、抗Ro、及び抗血小板特異性を有し、例えば糸球体腎炎、関節炎、漿膜炎、新生児の完全心ブロック及び血液学的な異常のような疾患の臨床症状を惹起しうる自己抗体をしばしば産生する。これらの自己抗体は、おそらく中枢神経系障害にも関連しうる。Arbuckle等は、SLEの臨床発症前の自己抗体の発生を記述している(Arbuckle等 N. Engl. J. Med. 349(16): 1526-1533 (2003))。
【0006】
RNA結合タンパク質を認識する自己抗体(RBPs;抽出可能な核内抗原とも称される)は40年以上も前にSLEで最初に特徴づけられた(Holman, Ann N Y Acad. Sci. 124(2):800-6 (1965))。そのようなRBPsは、RNAプロセシングや生化学において役割を果たす一群のタンパク質−SSA(Ro52/TRIM21及びRo60/TROVE2)、SSB(La)、リボ核内タンパク質(RNP/U1核内低分子RNP複合体)及びスミス自己抗原複合体(Sm)−を含む。抗SSA及び抗SSB IgG自己抗体はSLEにおいてだけでなく、関節リウマチやシェーングレン症候群においても見出されている。抗SSA自己抗体は、亜急性皮膚エリテマトーデス、先天性心ブロック及び抗SSA陽性の女性の子供の新生児ループスに付随する。抗SSB自己抗体は、殆ど常に抗SSA自己抗体と共に見いだされ、双方の自己抗原が細胞質内hYRNAに付随する(Lerner等, Science 211(4480):400-2 (1981)))。抗Sm自己抗体は、SLEに対して高度に特異的であり、一般に抗RNP自己抗体と共に見いだされる。Sm及びRNPタンパク質双方とも核内RNAスプライソソーム内で共通のsnRNA種に付随する(Lerner等, Proc Natl Acad Sci U S A 76(11):5495-9 (1979))。抗RNP自己抗体はまた混合性結合組織疾患の患者におもまた見出される。抗RBP自己抗体の存在により、B細胞除去治療後に耐久性が少ない応答を示すSLE症例を同定しうることが示唆されている(Cambridge等, Ann Rheum Dis 67:1011-16 (2008))。
【0007】
最近の報告では、ある場合には、I型インターフェロン(IFN)経路がSLEの病理発生において重要な役割を果たしていることが示されている。I型IFNはSLE症例の血清中に存在し、IFNの産生がAbと免疫複合体を含む核酸の存在に関連している(Ronnblom等, J Exp Med 194:F59 (2001)に概説)。SLE症例の大部分は、血球細胞中に顕著なI型IFN遺伝子発現「サイン」を示し(Baechler等, Proc Natl Acad Sci USA 100:2610 (2003))、血清中のIFN誘導性サイトカイン及びケモカインの量が上昇している(Bauer等., PLoS Med 3:e491 (2006))。天然DNA及びRNAを含む免疫複合体は、樹上細胞及びB細胞によって発現されるトール様レセプター(TLRs)7及び9を刺激してI型インターフェロンを産生せしめ、それが免疫複合体形成を更に刺激する(Marshak-Rothstein等, Annu Rev Immunol 25, 419 (2007)に概説)。
【0008】
ループスのような複合自己免疫疾患の臨床管理における最も困難なものの一つは、患者における疾患の精確で早期の同定である。加えて、SLEの病態生理学的な側面、臨床活動、治療に対する応答又は予後を、臨床医等が精確に定めることを可能にする信頼性のある診断マーカー、例えばバイオマーカーは同定されていないが、SLE易罹患性に寄与すると考えられる多くの候補遺伝子及び対立遺伝子(変異)は同定されている。例えば、ヨーロッパ子孫の個体においてSLEのリスクに寄与する少なくとも13の共通の対立遺伝子が報告されている(Kyogoku等, Am J Hum Genet 75(3):504-7 (2004);Sigurdsson等, Am J Hum Genet 76(3):528-37 (2005);Graham等, Nat Genet 38(5):550-55 (2006);Graham等, Proc Natl Acad Sci U S A 104(16):6758-63 (2007);Remmers等, N Engl J Med 357(10):977-86 (2007);Cunninghame Graham等, Nat Genet 40(1):83-89 (2008);Harley等, Nat Genet 40(2):204-10 (2008);Hom等, N Engl J Med 358(9):900-9 (2008);Kozyrev等, Nat Genet 40(2):211-6 (2008);Nath等, Nat Genet 40(2):152-4 (2008);Sawalha等, PLoS ONE 3(3):e1727 (2008))。推定の関係ある対立遺伝子はHLA-DR3、HLA-DR2、FCGR2A、PTPN22、ITGAM及びBANK1に対して知られており(Kyogoku等, Am J Hum Genet 75(3):504-7 (2004);Kozyrev等, Nat Genet 40(2):211-6 (2008);Nath等, Nat Genet 40(2):152-4 (2008))、一方でIRF5、TNFSF4及びBLKに対するリスクハロタイプがmRNA及びタンパク質発現レベルに影響することによって、SLEに寄与している可能性がある(Sigurdsson等, Am J Hum Genet 76(3):528-37 (2005);Graham等, Nat Genet 38(5):550-55 (2006);Graham等, Proc Natl Acad Sci U S A 104(16):6758-63 (2007);Cunninghame Graham等, Nat Genet 40(1):83-89 (2008);Hom等, N Engl J Med 358(9):900-9 (2008))。STAT4、KIAA1542、IRAK1及びPXKに対する因果関係のある対立遺伝子は確定されていない(Remmers等, N Engl J Med 357(10):977-86 (2007);Harley等, Nat Genet 40(2):204-10 (2008); Hom等, N Engl J Med 358(9):900-9 (2008);Sawalha等, PLoS ONE 3(3):e1727 (2008))。SLEの顕著な臨床的不均一性へのそのような遺伝的変異の寄与は知られていないままである。
【0009】
従って、患者における疾患の存在を客観的に同定し、及び/又は疾患を分類し、ループスの病態生理学的な側面、臨床活動、治療に対する応答、又は予後を定義するために使用することができる分子ベースの診断方法があれば非常に有利となるであろう。加えて、例えばこれだけには限られないが自己抗体の有無のように、疾患の様々な臨床上及び/又は病態生理学的及び/又は他の生物学的な指標に関連する分子ベースの診断マーカーがあれば有利となるであろう。そのような関連性は、患者におけるループスの存在の同定又は疾患を発症する易罹患性の判定に多大な利益となるであろう。そのような関連性は、病態生理学的なループスの側面や、臨床活動、治療への応答性又は予後の同定にも役立つであろう。更に、そのような関連性に関する統計学的及び生物学的に有意かつ再現性のある情報は、例えば治療剤がこのような特定のループス患者の亜集団において治療的利点があるか又はあることが臨床研究で示されている場合に、特定の治療剤による治療により顕著な利益を受けると期待される特定の患者のサブセットを同定する努力における不可欠な要素として利用できる。
【0010】
ここに記載した発明は上述の要望に応え、他の利益を提供するものである。
【0011】
特許出願及び刊行物を含むここで引用される全ての文献は、あらゆる目的のために出典明示によってその全体を援用する。
【発明の概要】
【0012】
本発明の方法は、SLEに関連し、疾患リスクに挙する遺伝子座のセット(SLEリスク遺伝子座)の発見に少なくとも部分的に基づく。また、本発明は、SLEリスク遺伝子座に関連する対立遺伝子(アレル)のセットを含む。本発明の更なる態様は、RNA結合タンパク質に対する自己抗体を含むSLEのサブフェノタイプ、I型インターフェロン経路における遺伝子の発現の誘導及び/又は疾患の早期の発症との所定のSLEリスク遺伝子座の関連性の発見である。
【0013】
一態様では、被検体におけるループスを同定する方法において、表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで各遺伝子座におけるバリエーションが表2に記載された遺伝子座の各々に対して一塩基多型(SNP)の位置に対応したヌクレオチド位置で起こっており、被検体はループスが疑われている方法が提供される。ある実施態様では、バリエーションは少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも7遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は少なくとも12遺伝子座において検出される。一実施態様では、バリエーションは16遺伝子座において検出される。一実施態様では、3つのSLEリスク遺伝子座は、PTTG1、ATG5、及びUBE2L3である。一実施態様では、各遺伝子座におけるバリエーションは遺伝的変異である。一実施態様では、各バリエーションは表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、検出は、プライマー伸長法;対立遺伝子特異的プライマー伸長法;対立遺伝子特異的ヌクレオチド取り込みアッセイ;対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイ;5’ヌクレアーゼアッセイ;分子ビーコン使用アッセイ;及びオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイから選択されるプロセスを実施することを含む。
【0014】
他の態様では、ループス治療剤へのループスの被検体の応答性を予測するための方法において、表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座におけるバリエーションを被検体が含むかどうかを判定することを含み、ここで各遺伝子座におけるバリエーションが表2に記載された遺伝子座の各々に対して一塩基多型(SNP)の位置に対応したヌクレオチド位置で起こっており、各遺伝子座におけるバリエーションの存在が治療剤への患者の応答性を示す方法が提供される。ある実施態様では、被検体は、少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも7遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は少なくとも12遺伝子座におけるバリエーションを含む。一実施態様では、被検体は16遺伝子座におけるバリエーションを含む。一実施態様では、3つのSLEリスク遺伝子座は、PTTG1、ATG5、及びUBE2L3である。一実施態様では、各遺伝子座におけるバリエーションは遺伝的変異である。一実施態様では、各バリエーションは表2に記載されたSNPを含む。
【0015】
更に他の態様では、被検体においてループスを診断し又は予後予測する方法において、表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで、生物学的試料は、表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座を含む核酸を含むことが知られているか、又は含むことが疑われ、各遺伝子座はバリエーションを含み;各遺伝子座におけるバリエーションが表2に記載されたSNPを含むか、該SNPに対応するヌクレオチド位置に位置し;及び各遺伝子座におけるバリエーションの存在が被検体におけるループスの診断又は予後である方法が提供される。ある実施態様では、バリエーションは少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも7遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は少なくとも12遺伝子座において検出される。一実施態様では、バリエーションは16遺伝子座において検出される。一実施態様では、3つのSLEリスク遺伝子座は、PTTG1、ATG5、及びUBE2L3である。
【0016】
また更なる態様では、被検体におけるループスの診断又は予後を助ける方法において、表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで、生物学的試料は、表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座を含む核酸を含むことが知られているか、又は含むことが疑われ、各遺伝子座はバリエーションを含み;各遺伝子座におけるバリエーションが表2に記載されたSNPを含むか、該SNPに対応するヌクレオチド位置に位置し;及び各遺伝子座におけるバリエーションの存在が被検体におけるループスの診断又は予後である方法が提供される。ある実施態様では、バリエーションは少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも7遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は少なくとも12遺伝子座において検出される。一実施態様では、バリエーションは16遺伝子座において検出される。一実施態様では、3つのSLEリスク遺伝子座は、PTTG1、ATG5、及びUBE2L3である。
【0017】
一態様では、遺伝的変異が表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々における表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応したヌクレオチド位置に存在することが知られている被検体において、ループス症状を治療する方法であって、該症状を治療するのに効果的な治療剤を被検体に投与することを含む方法が提供される。一実施態様では、3つのSLEリスク遺伝子座は、PTTG1、ATG5、及びUBE2L3である。
【0018】
他の態様では、ループス症状がある被検体を治療する方法において、表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々における表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応したヌクレオチド位置に遺伝的変異がある被検体の症状の治療に有効な治療剤を被検体に投与することを含む方法が提供される。一実施態様では、3つのSLEリスク遺伝子座は、PTTG1、ATG5、及びUBE2L3である。
【0019】
更に他の態様では、ループス症状がある被検体を治療する方法において、少なくとも一つの臨床試験において前記症状を治療するのに効果的であることが示された治療剤を被検体に投与することを含み、ここで、治療剤が、表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置にそれぞれ遺伝的変異がある少なくとも5人のヒト被検体に投与された方法が提供される。一実施態様では、3つのSLEリスク遺伝子座は、PTTG1、ATG5、及びUBE2L3である。
【0020】
一態様では、被検体においてループスのサブフェノタイプを同定する方法において、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される、少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで各遺伝子座におけるバリエーションが表2に記載された遺伝子座の各々に対して一塩基多型(SNP)の位置に対応したヌクレオチド位置で起こっており、被検体はループスであると疑われ、かつループスのサブフェノタイプであることが疑われる方法が提供される。ある実施態様では、バリエーションは少なくとも4遺伝子座又は少なくとも5遺伝子座において検出される。一実施態様では、バリエーションは7遺伝子座において検出される。一実施態様では、各遺伝子座におけるバリエーションは遺伝的変異である。一実施態様では、各バリエーションは表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、検出は、プライマー伸長法;対立遺伝子特異的プライマー伸長法;対立遺伝子特異的ヌクレオチド取り込みアッセイ;対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイ;5’ヌクレアーゼアッセイ;分子ビーコン使用アッセイ;及びオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイから選択されるプロセスを実施することを含む。
【0021】
一実施態様では、ループスのサブフェノタイプは、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在によって少なくとも部分的に特徴づけられる。一実施態様では、RNA結合タンパク質はSSA、SSB、RNP及びSmから選択される。一実施態様では、生物学的試料は血清である。一実施態様では、ループスのサブフェノタイプは、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のコントロール被検体と比較して、より高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって少なくとも部分的に特徴づけられる。一実施態様では、ループスのサブフェノタイプは、一又は複数のコントロール被検体と比較して、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在と、被検体から得た生物学的試料中におけるより高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって少なくとも部分的に特徴づけられる。
【0022】
一態様では、同定されたループスのサブフェノタイプがある被検体のループス治療剤への応答性を予想する方法において、被検体がHLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々においてバリエーションを含むかどうかを決定することを含み、ここで各遺伝子座におけるバリエーションが表2に記載された遺伝子座の各々に対して一塩基多型(SNP)の位置に対応したヌクレオチド位置で起こっており、各遺伝子座におけるバリエーションの存在が治療剤に対する被検体の応答性を示している方法が提供される。ある実施態様では、被検体は少なくとも4遺伝子座又は少なくとも5遺伝子座にバリエーションを含む。一実施態様では、被検体は7遺伝子座にバリエーションを含む。一実施態様では、各遺伝子座のバリエーションは遺伝的変異である。一実施態様では、各バリエーションは表2に記載されたSNPを含む。
【0023】
また他の態様では、被検体においてループスのサブフェノタイプを診断し又は予後予測する方法において、少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料中において検出することを含み、ここで、生物学的試料はHLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される、少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座を含む核酸を含むことが知られているか、又は含むことが疑われ、各遺伝子座はバリエーションを含み;各遺伝子座におけるバリエーションが表2に記載されたSNPを含むか、該SNPに対応するヌクレオチド位置に位置し;及び各遺伝子座におけるバリエーションの存在が被検体におけるループスの診断又は予後である方法が提供される。一実施態様では、ループスのサブフェノタイプは、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在によって少なくとも部分的に特徴づけられる。一実施態様では、RNA結合タンパク質はSSA、SSB、RNP及びSmから選択される。一実施態様では、生物学的試料は血清である。一実施態様では、ループスのサブフェノタイプは、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のコントロール被検体と比較して、より高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって少なくとも部分的に特徴づけられる。一実施態様では、ループスのサブフェノタイプは、一又は複数のコントロール被検体と比較して、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在と、被検体から得た生物学的試料中におけるより高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって少なくとも部分的に特徴づけられる。
【0024】
また更なる態様では、被検体におけるループスの診断又は予後予測を助ける方法において、少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料中において検出することを含み、ここで、生物学的試料はHLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される、少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座を含む核酸を含むことが知られているか、又は含むことが疑われ、各遺伝子座はバリエーションを含み;各遺伝子座におけるバリエーションが表2に記載されたSNPを含むか、該SNPに対応するヌクレオチド位置に位置し;及び各遺伝子座におけるバリエーションの存在が被検体におけるループスの診断又は予後である方法が提供される。一実施態様では、ループスのサブフェノタイプは、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在によって少なくとも部分的に特徴づけられる。一実施態様では、RNA結合タンパク質はSSA、SSB、RNP及びSmから選択される。一実施態様では、生物学的試料は血清である。一実施態様では、ループスのサブフェノタイプは、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のコントロール被検体と比較して、より高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって少なくとも部分的に特徴づけられる。一実施態様では、ループスのサブフェノタイプは、一又は複数のコントロール被検体と比較して、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在と、被検体から得た生物学的試料中におけるより高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって少なくとも部分的に特徴づけられる。
【0025】
一態様では、遺伝的変異が、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応したヌクレオチド位置に存在することが知られている被検体において、ループス症状を治療する方法であって、該ループス病状が一又は複数のコントロール被検体と比較して、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在、及び/又は被検体から得た生物学的試料中におけるより高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって少なくとも部分的に特徴づけられ、該症状を治療するのに効果的な治療剤を被検体に投与することを含む方法が提供される。
【0026】
他の態様では、ループス症状がある被検体を治療する方法において、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置に遺伝的変異がある被検体における症状の治療に有効な治療剤を被検体に投与することを含み、ここで、ループス病状が一又は複数のコントロール被検体と比較して、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在、及び/又は被検体から得た生物学的試料中におけるより高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって少なくとも部分的に特徴づけられる方法が提供される。
【0027】
更に他の態様では、ループス症状がある被検体を治療する方法において、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置にそれぞれ遺伝的変異がある少なくとも5人のヒト被検体に薬剤が投与された少なくとも一の臨床試験において前記症状を治療するのに効果的であることが示されている治療剤を被検体に投与することを含み、ここで、ループス病状が一又は複数のコントロール被検体と比較して、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在、及び/又は被検体から得た生物学的試料中におけるより高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって少なくとも部分的に特徴づけられる方法が提供される。
【0028】
また更なる態様では、患者亜集団においてループスを治療するのに効果的な治療剤を同定する方法において、患者亜集団におけるHLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の存在と薬剤の効能を相関させることを含み、それによって該患者亜集団においてループスを治療するのに有効な薬剤を同定をする方法が提供される。一実施態様では、薬剤の効能は、少なくとも4遺伝子座又は少なくとも5遺伝子座、又は7遺伝子座における表2に記載されたSNPに対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の存在と相関させられる。
【0029】
一態様では、特定のループス患者亜集団のループス被検体を治療する方法において、亜集団が、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々に対して、表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異との関連性によって少なくとも部分的には特徴づけられ、該亜集団への治療剤として承認されている治療剤の有効量を被検体に投与することを含む方法が提供される。一実施態様では、亜集団は、一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在によって少なくとも部分的に特徴づけられ、自己抗体が生物学的試料中において検出可能である。一実施態様では、RNA結合タンパクはSSA、SSB、RNP及びSmから選択される。一実施態様では、亜集団は、一又は複数のコントロール被検体と比較して高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子の発現によって少なくとも部分的に特徴づけられ、インターフェロン誘導性遺伝子の発現が生物学的試料中において検出可能で、定量可能である。一実施態様では、亜集団は女性である。一実施態様では、亜集団はヨーロッパ祖先のものである。
【0030】
他の態様では、ループス治療剤を製造し、ループスであるか又はループスであると思われ、表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応する位置に遺伝的変異を有する被検体に薬剤を投与するための指示書と共に薬剤を包装することを含む方法が提供される。
【0031】
更なる態様では、ループス患者亜集団において使用される治療剤を特定する方法において、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異によって少なくとも部分的に特徴づけられる患者亜集団に治療剤を投与するための指示書を提供する方法が提供される。
【0032】
また更なる態様では、ループス患者亜集団において使用される治療剤をマーケティングする方法において、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の、そのような亜集団の患者における存在によって少なくとも部分的に特徴づけられるとして、患者亜集団を治療するための治療剤の使用について標的の聴衆へ告知することを含む方法が提供される。
【0033】
また更なる態様では、遺伝的変異が、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応したヌクレオチド位置に存在することが知られている被検体においてI型インターフェロン経路を通じてシグナル伝達を調節する方法であって、一又は複数のインターフェロン誘導性遺伝子の遺伝子発現を調節するのに効果的な治療剤を被検体に投与することを含む方法が提供される。
【0034】
一態様では、ループス治療剤での治療のためにループスに罹患している患者を選択する方法において、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々における表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の存在を検出することを含む方法が提供される。一実施態様では、バリエーションは少なくとも4遺伝子座又は少なくとも5遺伝子座において検出される。一実施態様では、バリエーションは7遺伝子座において検出される。一実施態様では、各遺伝子座におけるバリエーションは遺伝的変異である。一実施態様では、各バリエーションは表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、検出は、プライマー伸長法;対立遺伝子特異的プライマー伸長法;対立遺伝子特異的ヌクレオチド取り込みアッセイ;対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイ;5’ヌクレアーゼアッセイ;分子ビーコン使用アッセイ;及びオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイから選択されるプロセスを実施することを含む。一実施態様では、ループスは、一又は複数のコントロール被検体と比較して、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数の治療のためのRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在と、より高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって少なくとも部分的に特徴づけられるループスのサブフェノタイプである。
【0035】
他の態様では、被検体にループスを発症するリスクがあるかどうかを評価する方法において、被検体から得た生物学的試料中において、ループスを発症するリスクを示す遺伝的サインの存在を検出することを含み、ここで、該遺伝的サインが少なくとも3つの一塩基多型(SNPs)のセットを含み、各SNPが表2に記載されたSLEリスク遺伝子座で生じている方法が提供される。ある実施態様では、遺伝的サインは、少なくとも4つのSNP、又は少なくとも5つのSNP、又は少なくとも7つのSNP、又は少なくとも10のSNP、又は少なくとも12のSNPのセットを含む。一実施態様では、遺伝的サインは16SNPのセットを含む。一実施態様では、SLEリスク遺伝子座は、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される。一実施態様では、SLEリスク遺伝子座はPTTG1、ATG5及びUBE2L3である。
【0036】
更なる態様では、被検体においてループスを診断する方法において、上記被検体から得られた生物学的試料においてループスを示す遺伝的サインの存在を検出することを含み、ここで、該遺伝的サインが少なくとも3つの一塩基多型(SNPs)のセットを含み、各SNPが表2に記載されたSLEリスク遺伝子座で生じている方法が提供される。ある実施態様では、遺伝的サインは、少なくとも4つのSNP、又は少なくとも5つのSNP、又は少なくとも7つのSNP、又は少なくとも10のSNP、又は少なくとも12のSNPのセットを含む。一実施態様では、遺伝的サインは16SNPのセットを含む。一実施態様では、遺伝的サインは16SNPのセットを含む。一実施態様では、SLEリスク遺伝子座は、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される。一実施態様では、SLEリスク遺伝子座はPTTG1、ATG5及びUBE2L3である。
【0037】
また更なる態様では、被検体に一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在によって特徴づけられるループスを発症するリスクがあるかどうかを評価する方法において、被検体から得た生物学的試料中において、ループスを発症するリスクを示す遺伝的サインの存在を検出することを含み、ここで、該遺伝的サインが少なくとも3つの一塩基多型(SNPs)のセットを含み、各SNPが表2に記載されたSLEリスク遺伝子座で生じており、各SLEリスク遺伝子座がHLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される方法が提供される。一実施態様では、RNA結合タンパク質はSSA、SSB、RNP及びSmから選択される。
【0038】
他の態様では、被検体にコントロール被検体と比較して高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって特徴づけられるループスを発症するリスクがあるかどうかを評価する方法において、被検体から得た生物学的試料中において、ループスを発症するリスクを示す遺伝的サインの存在を検出することを含み、ここで、該遺伝的サインが少なくとも3つの一塩基多型(SNPs)のセットを含み、各SNPが表2に記載されたSLEリスク遺伝子座で生じており、各SLEリスク遺伝子座がHLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される方法が提供される。
【0039】
更に他の態様では、被検体においてループスを同定する方法において、表12に記載される少なくとも一つのSLE関連遺伝子座におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで、各遺伝子座におけるバリエーションが、表12に記載された少なくとも一つの遺伝子座に対する一塩基多型(SNP)の位置に対応するヌクレオチド位置において起こっており、被検体がループスに罹患していることが疑われる方法が提供される。ある実施態様では、バリエーションは少なくとも2遺伝子座、又は少なくとも3遺伝子座、又は少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は19遺伝子座において検出される。ある実施態様では、少なくとも一つのSLE関連遺伝子座は、GLG1、MAPKAP1、LOC646841、C6orf103、CPM NCKAP1L、ASB7、NUMBL、 NR3C2、HSPA12A、LOC646187、LOC132817、LOC728073、NCOA4、KIAA1486、FDPSL2B、NDRG3、C19orf6及び LOC729826から選択される。一実施態様では、各遺伝子座におけるバリエーションは遺伝的変異である。一実施態様では、少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションは表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、検出は、プライマー伸長法;対立遺伝子特異的プライマー伸長法;対立遺伝子特異的ヌクレオチド取り込みアッセイ;対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイ;5’ヌクレアーゼアッセイ;分子ビーコン使用アッセイ;及びオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイから選択されるプロセスを実施することを含む。
【0040】
他の態様では、ループス治療剤へのループスの被検体の応答性を予測する方法において、被検体が表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座におけるバリエーションを含むかどうかを決定することを含み、ここで、少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションが表12に記載された少なくとも一つの遺伝子座の一塩基多型(SNP)の位置に対応するヌクレオチド位置において起こっており、各遺伝子座におけるバリエーションの存在が治療剤への被検体の応答性を示す方法が提供される。ある実施態様では、バリエーションは少なくとも2遺伝子座、又は少なくとも3遺伝子座、又は少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は19遺伝子座において検出される。ある実施態様では、少なくとも一つのSLE関連遺伝子座は、GLG1、MAPKAP1、LOC646841、C6orf103、CPM NCKAP1L、ASB7、NUMBL、 NR3C2、HSPA12A、LOC646187、LOC132817、LOC728073、NCOA4、KIAA1486、FDPSL2B、NDRG3、C19orf6及び LOC729826から選択される。一実施態様では、各遺伝子座におけるバリエーションは遺伝的変異である。一実施態様では、少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションは表12に記載されたSNPを含む。
【0041】
また他の態様では、被検体においてループスを診断し又は予後予測する方法において、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで、生物学的試料は、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座を含む核酸を含むことが知られているか、又は含むことが疑われ、各遺伝子座はバリエーションを含み;各遺伝子座におけるバリエーションが表12に記載されたSNPを含むか、該SNPに対応するヌクレオチド位置に位置し;及び各遺伝子座におけるバリエーションの存在が被検体におけるループスの診断又は予後である方法が提供される。ある実施態様では、バリエーションは少なくとも2遺伝子座、又は少なくとも3遺伝子座、又は少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は19遺伝子座において検出される。ある実施態様では、少なくとも一つのSLE関連遺伝子座は、GLG1、MAPKAP1、LOC646841、C6orf103、CPM NCKAP1L、ASB7、NUMBL、 NR3C2、HSPA12A、LOC646187、LOC132817、LOC728073、NCOA4、KIAA1486、FDPSL2B、NDRG3、C19orf6及び LOC729826から選択される。
【0042】
また更なる態様では、被検体におけるループスの診断又は予後を助ける方法において、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで、生物学的試料は、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座を含む核酸を含むことが知られているか、又は含むことが疑われ、各遺伝子座はバリエーションを含み;各遺伝子座におけるバリエーションが表12に記載されたSNPを含むか、該SNPに対応するヌクレオチド位置に位置し;及び各遺伝子座におけるバリエーションの存在が被検体におけるループスの診断又は予後である方法が提供される。ある実施態様では、バリエーションは少なくとも2遺伝子座、又は少なくとも3遺伝子座、又は少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は19遺伝子座において検出される。ある実施態様では、少なくとも一つのSLE関連遺伝子座は、GLG1、MAPKAP1、LOC646841、C6orf103、CPM NCKAP1L、ASB7、NUMBL、 NR3C2、HSPA12A、LOC646187、LOC132817、LOC728073、NCOA4、KIAA1486、FDPSL2B、NDRG3、C19orf6及び LOC729826から選択される。
【0043】
一態様では、遺伝的変異が表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置に存在することが知られている被検体においてループス症状を治療する方法であって、症状の治療に有効な治療剤を被検体に投与することを含む方法が提供される。
【0044】
他の態様では、ループス症状がある被検体を治療する方法において、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置に遺伝的変異を有する被検体における症状を治療するのに有効な治療剤を被検体に投与することを含む方法が提供される。
【0045】
更に他の態様では、ループス症状がある被検体を治療する方法において、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置に遺伝的変異をそれぞれが有する少なくとも5人の被検体に薬剤が投与された少なくとも一つの臨床試験において上記症状を治療するのに効果的であることが示された治療剤を被検体に投与することを含む方法が提供される。
【0046】
一態様では、被検体におけるループスのサブフェノタイプを同定する方法において、表12に提供された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで、少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションが、表12に記載された少なくとも一つの遺伝子座に対して一塩基多型(SNP)の位置に対応したヌクレオチド位置で起こり、被検体がループスに罹患していることが疑われ、ループスのサブフェノタイプを有していることが疑われる方法が提供される。ある実施態様では、バリエーションは少なくとも2遺伝子座、又は少なくとも3遺伝子座、又は少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は19遺伝子座において検出される。ある実施態様では、少なくとも一つのSLE関連遺伝子座は、GLG1、MAPKAP1、LOC646841、C6orf103、CPM NCKAP1L、ASB7、NUMBL、 NR3C2、HSPA12A、LOC646187、LOC132817、LOC728073、NCOA4、KIAA1486、FDPSL2B、NDRG3、C19orf6及び LOC729826から選択される。一実施態様では、少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションは遺伝的変異である。一実施態様では、少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションは表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、検出は、プライマー伸長法;対立遺伝子特異的プライマー伸長法;対立遺伝子特異的ヌクレオチド取り込みアッセイ;対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイ;5’ヌクレアーゼアッセイ;分子ビーコン使用アッセイ;及びオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイから選択されるプロセスを実施することを含む。
【0047】
一実施態様では、ループスのサブフェノタイプは、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在によって少なくとも部分的には特徴づけられる。一実施態様では、RNA結合タンパク質はSSA、SSB、RNP及びSmから選択される。一実施態様では、生物学的試料は血清である。
【0048】
他の態様では、同定されたループスサブフェノタイプを持つ被検体のループス治療剤への応答性を予想する方法において、被検体が、表12に提供された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座においてバリエーションを含むかどうかを決定することを含み、ここで、少なくとも一つの遺伝子座でのバリエーションが、表12に記載された少なくとも一つの遺伝子座に対して一塩基多型(SNP)の位置に対応したヌクレオチド位置で起こり、各遺伝子座におけるバリエーションの存在が治療剤への被検体の応答性を示す方法が提供される。ある実施態様では、被検体は、少なくとも2遺伝子座、又は少なくとも3遺伝子座、又は少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は19遺伝子座においてバリエーションを含む。ある実施態様では、少なくとも一つのSLE関連遺伝子座は、GLG1、MAPKAP1、LOC646841、C6orf103、CPM NCKAP1L、ASB7、NUMBL、 NR3C2、HSPA12A、LOC646187、LOC132817、LOC728073、NCOA4、KIAA1486、FDPSL2B、NDRG3、C19orf6及び LOC729826から選択される。一実施態様では、各遺伝子座におけるバリエーションは遺伝的変異である。一実施態様では、少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションは表12に記載されたSNPを含む。
【0049】
更に他の態様では、被検体においてループスのサブフェノタイプを診断し又は予後予測する方法において、少なくとも一つのSLE関連遺伝子座におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで、生物学的試料は、表12に提供された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座を含む核酸を含むことが知られているか、又は含むことが疑われ、各遺伝子座はバリエーションを含み;各遺伝子座におけるバリエーションが表12に記載されたSNPを含むか、該SNPに対応するヌクレオチド位置に位置し;及び少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションの存在が被検体におけるループスの診断又は予後である方法が提供される。ある実施態様では、バリエーションは少なくとも2遺伝子座、又は少なくとも3遺伝子座、又は少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は19遺伝子座において検出される。ある実施態様では、少なくとも一つのSLE関連遺伝子座は、GLG1、MAPKAP1、LOC646841、C6orf103、CPM NCKAP1L、ASB7、NUMBL、 NR3C2、HSPA12A、LOC646187、LOC132817、LOC728073、NCOA4、KIAA1486、FDPSL2B、NDRG3、C19orf6及び LOC729826から選択される。一実施態様では、ループスのサブフェノタイプは、一又は複数のRNA結合タンパク質に対する被検体から得た生物学的試料中の自己抗体の存在によって少なくとも部分的には特徴づけられる。一実施態様では、RNA結合タンパク質はSSA、SSB、RNP及びSmから選択される。一実施態様では、生物学的試料は血清である。
【0050】
また更なる態様では、被検体におけるループスの診断又は予後を助ける方法において、少なくとも一つのSLE関連遺伝子座におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで、生物学的試料は、表12に提供された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座を含む核酸を含むことが知られているか、又は含むことが疑われ、各遺伝子座はバリエーションを含み;各遺伝子座におけるバリエーションが表12に記載されたSNPを含むか、該SNPに対応するヌクレオチド位置に位置し;及び少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションの存在が被検体におけるループスの診断又は予後である方法が提供される。一実施態様では、ループスのサブフェノタイプが、一又は複数のRNA結合タンパク質に対する被検体から得た生物学的試料中の自己抗体の存在によって少なくとも部分的には特徴づけられる。一実施態様では、RNA結合タンパク質はSSA、SSB、RNP及びSmから選択される。一実施態様では、生物学的試料は血清である。
【0051】
一態様では、遺伝的変異が表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置に存在することが知られている被検体においてループス症状を治療する方法であって、ループス症状が一又は複数のRNA結合タンパク質に対する被検体から得られた生物学的試料中における自己抗体の存在によって少なくとも部分的に特徴付けられ、症状の治療に有効な治療剤を被検体に投与することを含む方法が提供される。
【0052】
他の態様では、ループス症状がある被検体を治療する方法において、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置に遺伝的変異を有する被検体における症状を治療するのに有効な治療剤を被検体に投与することを含み、ループス症状が一又は複数のRNA結合タンパク質に対する被検体から得られた生物学的試料中における自己抗体の存在によって少なくとも部分的に特徴付けられる方法が提供される。
【0053】
更に他の態様では、ループス症状がある被検体を治療する方法において、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置に遺伝的変異をそれぞれが有する少なくとも5人の被検体に薬剤が投与された少なくとも一つの臨床試験において上記症状を治療するのに効果的であることが示された治療剤を被検体に投与することを含み、ループス症状が、一又は複数のコントロール被検体と比較して、一又は複数のRNA結合タンパク質に対する被検体から得られた生物学的試料中における自己抗体の存在によって少なくとも部分的に特徴付けられる方法が提供される。
【0054】
また更なる態様では、患者亜集団においてループスを治療するのに効果的な治療剤を同定する方法において、患者亜集団における表12に提供された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の存在と薬剤の効能を相関させることを含み、それによって該患者亜集団においてループスを治療するのに有効な薬剤を同定をする方法が提供される。一実施態様では、薬剤の効能は、少なくとも2遺伝子座、又は少なくとも3遺伝子座、又は少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は19遺伝子座の各々における表12に記載されたSNPに対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の存在と相関付けされる。ある実施態様では、少なくとも一つのSLE関連遺伝子座は、GLG1、MAPKAP1、LOC646841、C6orf103、CPM NCKAP1L、ASB7、NUMBL、 NR3C2、HSPA12A、LOC646187、LOC132817、LOC728073、NCOA4、KIAA1486、FDPSL2B、NDRG3、C19orf6及び LOC729826から選択される。
【0055】
一態様では、特定のループス患者亜集団のループス被検体を治療する方法において、亜集団が、表12に提供された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異との関連性によって少なくとも部分的に特徴づけられ、該亜集団への治療剤として承認されている治療剤の有効量を被検体に投与することを含む方法が提供される。一実施態様では、亜集団は一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在によって少なくとも部分的に特徴付けられ、自己抗体が生物学的試料において検出可能である。一実施態様では、RNA結合タンパク質は、SSA、SSB、RNP及びSmから選択される。
【0056】
他の態様では、ループス治療剤を製造し、ループスであるか又はループスであると思われ、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応する位置に遺伝的変異を有する被検体に薬剤を投与するための指示書と共に薬剤を包装することを含む方法が提供される。
【0057】
更なる態様では、ループス患者亜集団において使用される治療剤を特定する方法において、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の存在によって少なくとも部分的に特徴づけられる患者亜集団に治療剤を投与するための指示書を提供することを含む方法が提供される。
【0058】
また更なる態様では、ループス患者亜集団において使用される治療剤をマーケティングする方法において、表12に提供された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の、そのような亜集団の患者における存在によって少なくとも部分的に特徴づけられるとして、患者亜集団を治療するための治療剤の使用について標的の聴衆へ告知することを含む方法が提供される。
【0059】
一態様では、ループス治療剤での治療のためにループスに罹患している患者を選択する方法において、表12に提供された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座における表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の存在を検出することを含む方法が提供される。ある実施態様では、バリエーションは、少なくとも2遺伝子座、又は少なくとも3遺伝子座、又は少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は19遺伝子座において検出される。ある実施態様では、少なくとも一つのSLE関連遺伝子座は、GLG1、MAPKAP1、LOC646841、C6orf103、CPM NCKAP1L、ASB7、NUMBL、 NR3C2、HSPA12A、LOC646187、LOC132817、LOC728073、NCOA4、KIAA1486、FDPSL2B、NDRG3、C19orf6及び LOC729826から選択される。一実施態様では、少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションは遺伝的変異である。一実施態様では、少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションは表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、検出は、プライマー伸長法;対立遺伝子特異的プライマー伸長法;対立遺伝子特異的ヌクレオチド取り込みアッセイ;対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイ;5’ヌクレアーゼアッセイ;分子ビーコン使用アッセイ;及びオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイから選択されるプロセスを実施することを含む。一実施態様では、ループスは、一又は複数のコントロール被検体と比較して、治療のための一又は複数のRNA結合タンパク質に対する患者から得た生物学的試料中における自己抗体の存在によって少なくとも部分的に特徴付けられるループスのサブフェノタイプである。一実施態様では、RNA結合タンパク質はSSA、SSB、RNP及びSmから選択される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1A】図1は、抗RNA結合タンパク質自己抗体に関連したSLEリスク遺伝子座のサブセットを示す。(A)コントロール(N=7859)及びRBP−posSLE症例(全N=487症例,白抜き符号)又はRBP−negSLE症例(全N=782症例,塗り潰し符号)間の対立遺伝子頻度差を、16の確認されたSLEリスク対立遺伝子に対して3つの独立した症例シリーズについて示す。対立遺伝子頻度における有意差がHLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5に対して観察された。
【図1B】図1は、抗RNA結合タンパク質自己抗体に関連したSLEリスク遺伝子座のサブセットを示す。(B)組み合わせたRBP−pos及びRBP−negサブセットに対するオッズ比を、95%信頼区間と共に示す。
【図1C】図1は、抗RNA結合タンパク質自己抗体に関連したSLEリスク遺伝子座のサブセットを示す。(C)RBP−pos(白抜き領域)又はRBP−neg(ハッチング領域)SLE症例の頻度が抗RBP自己抗体リスク対立遺伝子の全数に基づいてプロットされている。
【図2】図2は、インターフェロン(IFN)遺伝子発現サインとの抗RBP自己抗体対立遺伝子の関連性を示す。末梢血細胞中のIFN遺伝子発現スコアを、23名の健常なコントロール及び274名のSLE症例においてマイクロアレイを使用して測定した。IFN遺伝子発現の複合スコアの分布は、抗RBPリスク対立遺伝子の数に対してプロットした。白抜きの符号は、血清抗RBP自己抗体を持つ個体を示し;黒の塗り潰し符号は、血清抗RBP自己抗体を欠く個体を示し;灰色の三角形は健常なコントロールを示す。0−1、2−4、又は≧5の抗RBP自己抗体リスク対立遺伝子を持つ個体を、スチューデントT検定を使用してIFN遺伝子発現スコアの分布における差について試験した。各ペアワイズ群比較に対するP値を示す。破線は平均コントロールIFN遺伝子発現スコアを越える2の標準偏差の閾値を示す。
【発明を実施するための形態】
【0061】
本発明の実施には、別段の記載がない限り、当業者の技量の範囲内にある分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学、及び免疫学の一般的な技術を使用する。かかる技術は、例えば"Molecular Cloning: A Laboratory Manual", 2版 (Sambrook等, 1989);"Oligonucleotide Synthesis" (M. J. Gait編, 1984);"Animal Cell Culture" (R. I. Freshney編, 1987);"Methods in Enzymology" (Academic Press, Inc.);"Current Protocols in Molecular Biology" (F. M. Ausubel等編, 1987,及び定期的改訂版); "PCR: The Polymerase Chain Reaction", (Mullis等, eds., 1994)のような文献で十分に説明されている。
【0062】
本発明で用いられるプライマー、オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドは当該分野で知られている標準的な技術を使用して産生せしめることができる。
【0063】
特に別に定義しない限り、ここで使用する技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。Singleton等, Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 2版, J. Wiley & Sons (New York, N.Y. 1994)、及びMarch, Advanced Organic Chemistry Reactions, Mechanisms and Structure 4版, John Wiley & Sons (New York, N.Y. 1992)は、本願で使用される用語の多くに対する一般的な手引きを当業者に提供する。
【0064】
定義
本明細書の解釈の目的で、以下の定義が適用され、必要な場合はいつでも、単数で使用した用語には複数形も含まれ、その逆もしかりである。以下に示す何れかの定義が、出典明示によってここに援用された何れかの文献と矛盾する場合には、以下に記載する定義が優先する。
【0065】
ここで使用される「ループス」又は「ループス症状」は、一般に、結合組織を攻撃する抗体を伴う自己免疫性疾患又は障害である。ループスの主な形態は、全身性のもの、つまり、SLE及び亜急性皮膚SLEを含む全身性エリテマトーデス(SLE)、並びに他のタイプのループス(腎炎、腎外、脳炎、小児性、腎臓以外、円板状、及び脱毛性を含む)である。一般には上掲のD'Cruz等を参照のこと。
【0066】
ここで交換可能に使用される「ポリヌクレオチド」又は「核酸」は、任意の長さのヌクレオチドのポリマーを意味し、DNA及びRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾されたヌクレオチド又は塩基、及び/又はそれらのアナログ、又はDNAもしくはRNAポリメラーゼによりポリマー中に取り込まれうる任意の基質でありうる。ポリヌクレオチドは、修飾されたヌクレオチド、例えばメチル化ヌクレオチド及びそれらのアナログを含みうる。存在するならば、ヌクレオチド構造に対する修飾は、ポリマーの組み立ての前又は後になされ得る。ヌクレオチドの配列は非ヌクレオチド成分により中断されていてもよい。ポリヌクレオチドは重合後に、例えば標識成分とのコンジュゲーションにより、更に修飾されてもよい。他のタイプの修飾には、例えば「キャップ(caps)」、アナログとの自然に生じたヌクレオチドの一又は複数の置換、ヌクレオチド間修飾、例えば非荷電連結(例えばホスホン酸メチル、ホスホトリエステル、ホスホアミダート、カルバマート等)及び荷電連結(ホスホロチオアート、ホスホロジチオアート等)を有するもの、ペンダント部分、例えばタンパク質(例えばヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジン等)を含むもの、インターカレーター(intercalators)を有するもの(例えばアクリジン、ソラレン等)、キレート剤を含むもの(例えば金属、放射性金属、ホウ素、酸化的金属等)、アルキル化剤を含むもの、修飾された連結を含むもの(例えばアルファアノマー核酸等)、並びにポリヌクレオチド(類)の未修飾形態が含まれる。更に、糖類中に通常存在する任意のヒドロキシル基は、例えばホスホナート基、ホスファート基で置き換えられてもよく、標準的な保護基で保護されていてもよく、又は付加的なヌクレオチドへの更なる連結を調製するように活性化されてもよく、もしくは固体支持体にコンジュゲートされていてもよい。5'及び3'末端OHはホスホリル化でき、又は1〜20の炭素原子を有するアミン又は有機キャップ基部分で置換することもできる。また他のヒドロキシルは標準的な保護基に誘導体化されうる。またポリヌクレオチドは当該分野で一般的に知られているリボース又はデオキシリボース糖類の類似形態のものをまた含み、これらには例えば2'-O-メチル-2'-O-アリル、2'-フルオロ又は2'-アジド-リボース、炭素環式糖のアナログ、α-アノマー糖、エピマー糖、例えばアラビノース、キシロース類又はリキソース類、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環式アナログ、及び非塩基性ヌクレオシドアナログ、例えばメチルリボシドが含まれる。一又は複数のホスホジエステル連結は代替の連結基で置き換えてもよい。これらの代替の連結基には、限定されるものではないが、ホスファートがP(O)S(「チオアート」)、P(S)S(「ジチオアート」)、「(O)NR(「アミダート」)、P(O)R、P(O)OR'、CO又はCH(「ホルムアセタール」)と置き換えられた実施態様のものが含まれ、ここでそれぞれのR又はR'は独立して、H又は、エーテル(-O-)結合を含んでいてもよい置換もしくは未置換のアルキル(1−20C)、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル又はアラルジルである。ポリヌクレオチド中の全ての結合が同一である必要はない。先の記述は、RNA及びDNAを含むここで言及される全てのポリヌクレオチドに適用される。
【0067】
ここで使用される「オリゴヌクレオチド」とは、少なくとも約7以上のヌクレオチド長で、約250未満のヌクレオチド長である短い一本鎖ポリヌクレオチドを意味する。オリゴヌクレオチドは合成であってもよい。「オリゴヌクレオチド」及び「ポリヌクレオチド」なる用語は、相互に排他的なものではない。ポリヌクレオチドについての上の説明はオリゴヌクレオチドに等しく完全に適用可能である。
【0068】
「プライマー」なる用語は、核酸にハイブリダイズすることができ、一般的に遊離3’−OH基を提供することによって、相補的核酸のハイブリダイゼーションを可能にする一本鎖ポリヌクレオチドを意味する。
【0069】
「遺伝的変異」又は「ヌクレオチド変異」なる用語は、参照配列(例えば、よく見出される及び/又は野生型の配列、及び/又は主要対立遺伝子の配列)に対するヌクレオチド配列における変化(例えば一塩基多型(SNP)を意味する。該用語は、他に示さない限り、ヌクレオチド配列の相補鎖における対応する変化もまた包含する。一実施態様では、遺伝的変異は、体細胞多型である。遺伝的変異は生殖系列多型である。
【0070】
「一塩基多型」又は「SNP」は、異なった対立遺伝子、又は別のヌクレオチドが集団中に存在するDNA中の一塩基位置を意味する。SNP位置は、通常は、対立遺伝子の高度に保存されている配列(例えば集団の1/100又は1/1000未満のメンバーで変動する配列)が前にありまた後に続く。個体は各SNP位置における対立遺伝子に対してホモ接合性又はヘテロ接合性でありうる。
【0071】
「アミノ酸変異」は、参照配列に対するアミノ酸配列中の変化(例えば、一又は複数のアミノ酸の挿入、置換、又は欠失、例えば内部欠損又はN末端又はC末端トランケーション)である。
【0072】
「バリエーション」は、ヌクレオチド変異又はアミノ酸変異の何れかである。
【0073】
「SNPに対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異」、「SNPに対応するヌクレオチド位置におけるヌクレオチド変異」なる用語及びその文法的な変形表現は、ゲノム中において前記SNPによって占められる相対的対応DNA位置におけるポリヌクレオチド配列のヌクレオチド変異を意味する。該用語は、他の定義が示されない限り、ヌクレオチド配列の相補鎖における対応するバリエーションも包含する。
【0074】
「アレイ」又は「マイクロアレイ」なる用語は、基質上でのハイブリダイズ可能なアレイエレメント、好ましくはポリヌクレオチドプローブ(例えばオリゴヌクレオチド)の規則正しい整列を意味する。基質は、ガラススライドなどの固体基質、又はニトロセルロースメンブレンなどの半固体基質でありうる。
【0075】
「増幅」なる用語は、参照核酸配列又はその相補鎖の一又は複数のコピーを生産するプロセスのことである。増殖は、線形的又は指数関数的(例えばPCR)でありうる。「コピー」は、鋳型配列に対する完全な配列相補性又は同一性を必ずしも意味するものではない。例えば、コピーは、ヌクレオチドアナログ、例えばデオキシイノシン、意図的な配列変化(例えば鋳型に完全には相補的ではないがハイブリダイズすることができる配列を含んでなるプライマーにより導入される配列変化)及び/又は増幅中に起こる配列エラーを含みうる。
【0076】
「対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド」なる用語は、ヌクレオチド変異(一般には置換)を含む標的核酸の領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを意味する。「対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーション」は、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドがその標的核酸にハイブリダイズされるときに、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド中のヌクレオチドがヌクレオチド変異と塩基対を特異的に形成することをを意味する。特定のヌクレオチド変異に対して対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーションが可能な対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドはその変異「に対して特異的」であると言われる。
【0077】
「対立遺伝子特異的プライマー」なる用語は、プライマーである対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドを意味する。
【0078】
「プライマー伸長アッセイ」なる用語は、ヌクレオチドが核酸に付加され、直接的又は間接的に検出される、より長い核酸又は「伸長産物」を生じるアッセイを意味する。ヌクレオチドは核酸の5'又は3'末端を伸長するように付加されうる。
【0079】
「対立遺伝子特異的ヌクレオチド取り込みアッセイ」なる用語は、(a)プライマーがヌクレオチド変異の3'又は5'の領域で標的核酸にハイブリダイズし、(b)ポリメラーゼにより伸長されることにより、ヌクレオチド変異に相補的なヌクレオチドが伸長産物に取り込まれるプライマー伸長アッセイを意味する。
【0080】
「対立遺伝子特異的プライマー伸長アッセイ」なる用語は、対立遺伝子特異的プライマーが標的核酸にハイブリダイズして伸長されるプライマー伸長アッセイを意味する。
【0081】
「対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイ」なる用語は、(a)対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドが標的核酸にハイブリダイズされ、(b)ハイブリダイゼーションが直接的又は間接的に検出される、アッセイを意味する。
【0082】
「5’ヌクレアーゼアッセイ」なる用語は、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドの標的核酸へのハイブリダイゼーションにより、ハイブリダイズされたプローブの核酸分解切断が起こり、検出可能なシグナルが生じるアッセイを意味する。
【0083】
「分子ビーコンを用いたアッセイ」なる用語は、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドの標的核酸へのハイブリダイゼーションが、遊離オリゴヌクレオチドから発せられる検出シグナルレベルよりも高い検出シグナルレベルを生じるアッセイを意味する。
【0084】
「オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ」なる用語は、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドが標的核酸上で互いに隣接してハイブリダイズし、(直接又は介在性ヌクレオチドを通して間接的に)共にライゲートし、ライゲーション産物が直接的又は間接的に検出されるアッセイを意味する。
【0085】
「標的配列」、「標的核酸」又は「標的核酸配列」なる用語は、一般的に、ヌクレオチド変異が存在すると推測されるか、又は存在することが知られている対象のポリヌクレオチドを意味し、増幅により生成されるかかる標的核酸のコピーも含む。
【0086】
「検出」なる用語は、直接的及び間接的な検出を含む検出する任意の手段を含む。
【0087】
「SLEリスク遺伝子座」及び「確認されたSLEリスク遺伝子座」なる用語は、表2に示された遺伝子座:HLA−DR3、IRF5、STAT4、ITGAM、BLK、PTTG1、ATG5、TNFSF4、PTPN22、IRAK1、FCGR2A、KIAA1542、UBE2L3、PXK、HLA−DR2、BANK1を意味する。
【0088】
「SLE関連遺伝子座」なる用語は、表12に示される遺伝子座:GLG1、MAPKAP1、LOC646841、C6orf103、CPM、NCKAP1L、ASB7、NUMBL、NR3C2、HSPA12A、LOC646187、LOC132817、LOC728073、NCOA4、KIAA1486、 FDPSL2B、NDRG3、C19orf6、及び LOC729826を意味する。
【0089】
「SLEリスク対立遺伝子」及び「確認されたSLEリスク対立遺伝子」なる用語は、SLEリスク遺伝子座で起こっている変異を意味する。このような変異は、一塩基多型、挿入、及び欠失を含むが、これだけに限定される訳ではない。所定の例示的なSLEリスク対立遺伝子を表2に示す。
【0090】
「SLE関連対立遺伝子」なる用語は、SLE関連遺伝子座に起こる変異を意味する。このような変異は一塩基多型、挿入、及び欠失を含み、それだけに限定される訳ではない。所定の例示的なSLE関連対立遺伝子は表12に示される。
【0091】
ここで使用される場合、ループスを発症する「リスクがある」被検体は、検出可能な疾患又は疾患の症状を有していても有していなくてもよく、ここに記載の治療方法の前に検出可能な疾患又は疾患の症状を示していても示していなくてもよい。「リスクがある」とは被検体が一又は複数の危険因子を有することを示し、ここに記載され、当該分野で知られているように、該危険因子はループスの発症と相関している測定可能なパラメーターである。これらの危険因子の一又は複数を有する被検体は、これらの危険因子の一又は複数を持たない被検体より、ループスを発症する可能性が高い。
【0092】
「診断」なる用語は、分子又は病的状態、疾患又は状態の同定又は分類を指すためにここでは用いられる。例えば、「診断」は特定のタイプのループス症状、例えばSLEの同定を意味しうる。また、「診断」は、例えば組織/臓器の関与により(例えばループス腎炎)、分子的特徴による(例えば特定の遺伝子又は核酸領域内の遺伝的変異(群)によって特徴付けられる患者亜集団)、ループスの特定のサブタイプの分類を意味する。
【0093】
「診断を助ける」なる用語は、ループスの症状や状態の特定のタイプの存在、又は性質に関する臨床上の決定を支援する方法を指すために用いられる。例えば、ループスの診断を助ける方法は、個体からの生体試料中における一又は複数のSLEリスク遺伝子座又はSLEリスク対立遺伝子の存在を測定すること含みうる。
【0094】
「予後」なる用語は、ループスのような自己免疫性疾患の例えば再発、再燃、及び薬剤耐性を含む自己免疫性疾患に起因し得る疾患症状の可能性の予測を指すためにここで用いられる。「予測」なる用語は、患者が薬剤又は薬剤セットに対して有利に又は不利に応答する可能性を指すためにここでは用いられる。一実施態様では、予測はそれらの応答の程度に関する。一実施態様では、予測は、例えば特定の治療的薬剤による治療、及び疾患の再発を伴わない一定期間の治療の後に患者が生存しているか改善しているかどうか、及び/又はその可能性に関する。本発明の予測方法は、任意の特定の患者のために最も好適な治療様式を選択することによって、治療決定を臨床的に行うことができる。本発明の予測方法は、患者が、治療投薬計画、例えば特定の治療剤や組み合わせの投与、外科的介入、ステロイド治療などを含む特定の治療投薬計画に有利に応答するかどうか、又は治療投薬計画の後に患者が長期に生存しているかどうかを予測する際の有用なツールである。SLEの診断は、現在の米国リウマチ学会(American College of Rheumatology)(ACR)判定基準に従ってもよい。活動中の疾患は、1つのイギリス諸島ループス活動性グループ(British Isles Lupus Activity Group)(BILAG)の「A」判定基準又は2つのBILAG「B」判定基準によって定められてもよい。SLEを診断するために用いられるいくつかの兆候、症状又は他の指標(出典:Tan等 "The Revised Criteria for the Classification of SLE" Arth Rheum 25 (1982))は、頬にわたる発疹などの頬部発疹、円板状(ジスコイド)発疹、又は赤い隆起したパッチ、日光に対する反応のような光線過敏症、結果として生じる皮膚発疹の発症又は増加、鼻又は口内の潰瘍のような口腔内潰瘍(通常痛くない)、関節炎、例として2以上の末梢関節を伴う非びらん性関節炎(関節のまわりの骨が破壊されない関節炎)、漿膜炎、胸膜炎又は心膜炎、尿中の過剰タンパク質などの腎臓疾患(0.5gm/日より多い又は試験スティックにおいて3+)及び/又は細胞性キャスト(尿及び/又は白血球及び/又は尿細管細胞から得られる異常な成分)、神経学的兆候、症状又は他の指標、発作(痙攣)、及び/又は引き起こすことがわかっている代謝性障害又は薬剤がない場合の精神異常、及び溶血性貧血又は白血球減少症(1立方ミリメートルにつき4000細胞未満の白血球数)又はリンパ球減少症(1立方ミリメートルにつき1500未満)又は血小板減少(1立方ミリメートルにつき100000未満の血小板)などの血液学的兆候、症状又は他の指標であってもよい。白血球減少症及びリンパ球減少症は一般に二以上の原因で検出されるはずである。血小板減少症は一般に、それを誘導することが知られている薬剤がない場合に検出されるはずである。本発明はループスのこれらの兆候、症状又は他の指標に限定されるものではない。
【0095】
ここで使用される「治療」とは、治療される個体又は細胞の自然の経過を変化させる試みにおける臨床的介入を意味し、臨床病理経過中又はその前に実施することができる。治療の所望する効果には、疾患又はその状態ないし症状の発症又は再発の予防、疾患の状態ないし症状の緩和、疾病の任意の直接的又は間接的な病理学的結果の低減、疾病の進行速度の低減、病状の回復又は緩和、及び寛解の達成又は予後の改善が含まれる。いくつかの実施態様では、本発明の方法及び組成物は疾患又は障害の発達を遅らせるために有用である。
「有効量」とは、所望される治療的又は予防的結果を達成するのに必要な期間、必要な用量での有効量を意味する。個体に所望する反応を引き出すための治療剤の「治療的有効量」は、病状、年齢、性別、個体の体重、及び抗体の能力等の要因に応じて変わり得る。また、治療的有効量とは、治療剤の任意の毒性又は有害な影響を、治療的に有益な効果が上回る量でもある。「予防的有効量」は、所望する予防的結果を達成するのに必要な期間、用量で有効な量を意味する。必ずではないが、典型的には、予防的用量は、疾病の前又は初期の段階に患者に使用されるために、予防的有効量は治療的有効量よりも少ない。
「個体」、「被検体」又は「患者」は脊椎動物である。特定の実施態様では、脊椎動物は哺乳動物である。哺乳動物には、これに限定されないが、霊長類(ヒト及び非ヒト霊長類を含む)及び齧歯類(例えばマウス及びラット)が含まれる。特定の実施態様では、哺乳動物はヒトである。
【0096】
本明細書において用いる「患者亜集団」及びその文法上の変形は、疾患が属する広範な疾患カテゴリーにおいて他の者から患者サブセットを区別する一又は複数の典型的な測定可能な及び/又は識別可能な特徴を有することに特徴がある患者サブセットを指す。このような特徴には、疾患サブカテゴリー(例えばSLE、ループス腎炎)、性別、生活習慣、病歴、関与する臓器/組織、治療歴などが含まれる。一実施態様では、患者亜集団は、特定のヌクレオチド位置及び/又は領域における遺伝子バリエーション(例えばSNP)などの遺伝子シグネチャーに特徴を有する。
【0097】
「コントロール被検体」はループスである又はループス症状ではないと診断されており、ループス又はループス症状に関係するの何らかの兆候もしくは症状に侵されていない健康な被検体を意味する。
【0098】
ここで使用される「試料」なる用語は、例えば理学的、生化学的、化学的及び/又は生理学的特徴に基づいて特性を示す又は同定される、細胞実体及び/又は他の分子実体を含有する対象とする被検体から得られる、又は対象とする被検体由来の組成物を指す。例えば、「疾患試料」なる表現及びこの変形は、特徴付けられている細胞実体及び/又は分子実体を含むことが予測される、又はそうであることが知られている対象の被検体から得た任意の試料を指す。
【0099】
「組織又は細胞の試料」は、被検体又は患者の組織から採取された同種の細胞の集まりを意味する。組織又は細胞試料の供給源は、新鮮な、凍結された及び/又は保存されていた臓器や組織の試料又は生検又は吸引による固形組織;血液又はいずれかの血液成分;大脳脊髄液、羊水、腹水又は間質液などの体液;被検体の妊娠期又は発生期の任意の時期の細胞であってもよい。また、組織試料は原発性又は培養した細胞又は細胞株であってもよい。場合によっては、組織又は細胞の試料は罹患組織/臓器から得られる。組織試料は、防腐剤、抗凝血物質、バッファー、固定液、栄養分、抗生物質など天然の組織にはもともと混在していない化合物を含んでもよい。ここで使用される「参照試料」、「参照細胞」、「参照組織」、「コントロール試料」、「コントロール細胞」又は「コントロール組織」は、本発明の方法又は組成物が同定するために用いられている疾患又は状態に罹患していないことがわかっているか、又は考えられている供給源から採取した試料、細胞又は組織を指す。一実施態様では、参照試料、参照細胞、参照組織、コントロール試料、コントロール細胞又はコントロール組織は、本発明の組成物又は方法によって疾患又は状態が同定される被検体又は患者と同じ身体の健康な部分から採取される。一実施態様では、参照試料、参照細胞、参照組織、コントロール試料、コントロール細胞又はコントロール組織は、本発明の組成物又は方法によって疾患又は状態が同定される被検体又は患者でない個体の身体の健康な部分から採取される。
【0100】
本明細書中の組織試料の「切断部分(切片)」とは、組織試料の一部又は一片、例えば組織試料から切り出した組織又は細胞の一薄片を意味する。本発明が、組織試料の同じ切断部分が形態学的及び分子的レベルで分析されるか、又はタンパク質及び核酸の両方に関して分析される方法を含む場合に、組織試料の複数の切断部分が採取され、本発明に係る分析に供されてもよいと理解される。
【0101】
「相関」又は「相関する」は、任意の方法で、第一の分析又はプロトコルの成績及び/又は結果を、第二の分析又はプロトコルの成績及び/又は結果と比較することを意味する。例えば、第二のプロトコルを行う際に第一の分析又はプロトコルの結果を用いてもよいし、及び/又は第一の分析又はプロトコルの結果を用いて、第二の分析又はプロトコルを行うかどうかを決定してもよい。遺伝子発現分析又はプロトコルの実施態様に関し、遺伝子発現分析又はプロトコルの結果を用いて、特定の治療投薬計画を実行するかどうかを決定してもよい。
【0102】
本明細書中で用いられる「標識」なる言葉は、核酸プローブや抗体などの試薬に直接的又は間接的にコンジュゲートないしは融合され、コンジュゲートないしは融合した試薬の検出を容易にする化合物又は組成物を指す。標識自体が検出可能なもの(例えば放射性標識又は蛍光性標識)であってもよく、酵素標識の場合、検出可能な基質化合物ないしは組成物の化学的変化を触媒するものであってもよい。
【0103】
「医薬」は、疾患、障害及び/又は状態を治療するために活性な薬剤である。一実施態様では、疾患、障害及び/又は状態は、ループス又はその症状又は副作用である。
【0104】
本発明に従って用いられる場合、特定の治療剤又は治療選択に対する「耐性の増加」なる用語は、薬剤の標準的な用量又は標準的な治療手順に対する応答の減少を意味する。
本発明に従って用いられる場合、特定の治療剤又は治療選択に対する「感受性の減少」なる用語は、薬剤の標準的な用量又は標準的な治療手順に対する応答の減少を意味し、この応答の減少は薬剤の用量や治療の強度を増やすことによって、(少なくとも部分的に)補われうるものである。
【0105】
「患者応答」は、限定するものではないが以下のものを含む患者に利益を示す任意のエンドポイントを使用して評価できる。(1)緩徐化及び完全な停止を含む、ある程度の疾患進行の阻害、(2)疾患出現及び/又は症状の数の減少、(3)病変サイズの減少、(4)近接する末梢器官及び/又は組織への疾患細胞浸潤の阻害(すなわち減少、緩徐化又は完全な停止)、(5)疾患の拡がりの阻害(すなわち減少、緩徐化又は完全な停止)、(6)必ずではないが疾患病変の退縮又は除去が生じ得る自己免疫応答の減少、(7)障害と関連する一又は複数の症状の、ある程度の軽減、(8)治療後の無症候期間の増加、及び/又は(9)治療後の特定の時点での死亡率の減少。
【0106】
ここで使用される「ループス治療剤」、「ループスを治療するために有効な治療的薬剤」及びこれらの文法上の変形は、臨床医によって有効な量で施された場合にループスを有する被検体に治療上の有益をもたらすことがわかっているか、臨床上示されるか、又はそうであることが期待される薬剤を指す。一実施態様では、このフレーズには、有効な量で施された場合にループスを有する被検体に治療上の効果をもたらすことが期待される臨床上許容される薬剤として、製造業者によって販売される、さもなくば有資格臨床医によって用いられる任意の薬剤が含まれる。一実施態様では、ループス治療剤には、アセチルサルチル酸(例えばアスピリン)、イブプロフェン(モトリン)、ナプロキセン(Naprosyn)、インドメタシン(インドシン)、ナブメトン(Relafen)、トルメチン(Tolectin)を含む非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、並びに治療上同等な活性成分(一又は複数)及びその製剤を含む任意の他の実施態様が含まれる。一実施態様では、ループス治療剤には、アセトアミノフェン(例えばタイルノール)、副腎皮質ステロイド又は抗マラリア薬(例えばクロロキン、ヒドロキシクロロキン)が含まれる。一実施態様では、ループス治療剤には、免疫調節性薬剤(例えばアザチオプリン、シクロホスファミド、メトトレキセート、シクロスポリン)が含まれる。一実施態様では、ループス治療剤は、抗B細胞薬剤(例えば抗CD20(例えばリツキシマブ)、抗CD22)、抗サイトカイン薬剤(例えば抗腫瘍壊死因子α、抗インターロイキン1レセプター(例えばアナキンラ)、抗インターロイキン10、抗インターロイキン6レセプター、抗インターフェロンα、抗B-リンパ球刺激因子)、同時刺激のインヒビター(例えば抗CD154、CTLA4-Ig(例えばアバタセプト))、B細胞アネルギーのモジュレーター(例えばLJP394(例えばアベチムス(abetimus))である。一実施態様では、ループス治療剤には、ホルモン治療(例えばDHEA)および抗ホルモン療法(例えば抗プロラクチン薬剤ブロモクリプチン)が含まれる。一実施態様では、ループス治療剤は、免疫吸着を提供する薬剤、抗補体因子(例えば抗C5a)、T細胞ワクチン、T細胞レセプターゼータ鎖による細胞形質移入、またはペプチド療法(例えば、抗DNAイディオタイプを標的とするedratide)である。
【0107】
ここで使用される、「販売承認」がある治療剤、又は「治療剤として承認され」ている治療剤、又はその文法上の変形は、関係政府団体(例えば、連邦、州ないしは地方の管理機関、部門、局)により、特定の疾患(例えばループス)又は患者亜集団(例えばループス腎炎を有する患者、特定の民族性、性別、生活習慣、疾患リスク性質などを有する患者)の治療のために、ある商業団体(例えば営利団体)によって、及び/又は該団体を介して、及び/又は該団体の代わりに販売されることが承認、許諾、登録又は権限を与えられている(例えば薬剤製剤、医薬の形態の)薬剤を指す。関連する政府独立団体には、例えば、食品・医薬品局(FDA)、欧州医薬品審査庁(EMEA)およびその同等団体が含まれる。
【0108】
「抗体」(Ab)及び「免疫グロブリン」(Ig)は、類似の構造的特徴を有する糖タンパク質を意味する。抗体は、特定の抗原に対して結合特異性を示すが、免疫グロブリンは、抗体と、一般に抗原特異性を欠く抗体様分子の双方を含む。後者の種類のポリペプチドは、例えばリンパ系では低レベルで、骨髄腫では高レベルで産出される。
【0109】
「抗体」及び「免疫グロブリン」なる用語は、最も広義で相互に交換可能に使用され、モノクローナル抗体(例えば、全長又は無傷のモノクローナル抗体)、ポリクローナル抗体、一価抗体、多価抗体、多重特異性抗体(例えば、所望の生物活性を示す限り二重特異性抗体)が含まれ、さらにある種の抗体断片(ここに詳細に記載されるもの)も含まれ得る。抗体は、キメラ、ヒト、ヒト化及び/又は親和成熟したものであってよい。
【0110】
「完全長抗体」、「インタクトな抗体」、及び「全抗体」という用語は、本明細書では交換可能に使用され、実質的にインタクトな形態の抗体を指し、以下に定義するような抗体断片は意味しない。この用語は、特にFc領域を含む重鎖を有する抗体を指す。
【0111】
「抗体断片」は、インタクトな抗体の一部、好ましくはその抗原結合領域を含む。抗体断片の例には、Fab、Fab’、F(ab')、及びFv断片;ダイアボディ(diabodies);直鎖状抗体;単鎖抗体分子;及び抗体断片から形成された多重特異性抗体が含まれる。
【0112】
抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗体結合断片を生成し、その各々は単一の抗原結合部位を持ち、残りは容易に結晶化する能力を反映して「Fc」断片と命名される。ペプシン処理はF(ab')断片を生じ、それは2つの抗原結合部位を持ち、抗原を交差結合することができる。
【0113】
「Fv」は、完全な抗原結合部位を含む最小抗体断片である。ある実施態様では、二本鎖Fv種は、堅固な非共有結合をなした一つの重鎖及び一つの軽鎖可変ドメインの二量体からなる。集合的に、Fvの6つのCDRが抗体に抗原結合特異性を付与する。しかし、単一の可変ドメイン(又は抗原に対して特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)でさえ、全結合部位よりも親和性が低くなるが、抗原を認識して結合する能力を有している。
【0114】
またFab断片は、重鎖及び軽鎖の可変ドメインを含み、軽鎖の定常ドメインと重鎖の第一定常領域(CH1)を有する。Fab'断片は、抗体ヒンジ領域からの一又は複数のシステインを含む重鎖CH1領域のカルボキシ末端に数個の残基が付加している点でFab断片とは異なる。Fab'-SHは、定常ドメインのシステイン残基が一つの遊離チオール基を担持しているFab'に対するここでの命名である。F(ab')抗体断片は、間にヒンジシステインを有するFab'断片の対として生産された。また、抗体断片の他の化学結合も知られている。
【0115】
ここで使用される「モノクローナル抗体」なる用語は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団に含まれる個々の抗体は、少量で存在しうる可能性がある変異、例えば自然に生じる突然変異を除いて同一である。従って、「モノクローナル」との形容は、個別の抗体の混合物ではないという抗体の性質を示す。ある実施態様では、このようなモノクローナル抗体は、通常、標的に結合するポリペプチド配列を含む抗体を含み、この場合、標的に結合するポリペプチド配列は、複数のポリペプチド配列から単一の標的結合ポリペプチド配列を選択することを含むプロセスにより得られる。例えば、この選択プロセスは、雑種細胞クローン、ファージクローン又は組換えDNAクローンのプールのような複数のクローンからの、唯一のクローンの選択とすることができる。重要なのは、選択された標的結合配列を更に変化させることにより、例えば標的への親和性の向上、標的結合配列のヒト化、細胞培養液中におけるその産生の向上、インビボでの免疫原性の低減、多選択性抗体の生成等が可能になること、並びに、変化させた標的結合配列を含む抗体も、本発明のモノクローナル抗体であることである。異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を典型的に含むポリクローナル抗体の調製物とは異なり、モノクローナル抗体の調製物の各モノクローナル抗体は、抗原の単一の決定基に対するものである。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体の調製物は、それらが他の免疫グロブリンで通常汚染されていないという点で有利である。
【0116】
「モノクローナル」との形容は、抗体の、実質的に均一な抗体の集団から得られたものであるという特性を示し、抗体を何か特定の方法で生産しなければならないことを意味するものではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は様々な技術によって作製することができ、それらの技術には、例えば、ハイブリドーマ法(例えば、Kohler等, Nature, 256:495 (1975);Harlow等, Antibodies: A Laboratory Manual, (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2nd ed. 1988);Hammerling等: Monoclonal Antibodies and T-Cell hybridomas 563-681 (Elsevier, N. Y., 1981))、組換えDNA法(例えば、米国特許第4816567号参照)、ファージディスプレイ技術(例えば、Clackson等, Nature, 352:624-628 (1991);Marks等, J. Mol. Biol. 222:581-597 (1992);Sidhu等, J. Mol. Biol. 338(2): 299-310 (2004);Lee等, J. Mol. Biol. 340(5);1073-1093 (2004);Fellouse, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101(34):12467-12472 (2004);及びLee等, J. Immounol. Methods 284(1-2): 119-132 (2004))、並びに、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の一部又は全部、或るいはヒト免疫グロブリン配列をコードする遺伝子を有する動物にヒト又はヒト様抗体を生成する技術(例えば、国際公開第98/24893号;国際公開第96/34096号;国際公開第96/33735号;国際公開第91/10741号;Jakobovits等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 2551 (1993);Jakobovits等, Nature 362: 255-258 (1993);Bruggemann等, Year in Immunol. 7:33 (1993);米国特許第5545807号;同第5545806号;同第5569825号;同第5625126号;同第5633425号;同第5661016号; Marks等, Bio.Technology 10: 779-783 (1992);Lonberg等, Nature 368: 856-859 (1994);Morrison, Nature 368: 812-813 (1994);Fishwild等, Nature Biotechnol. 14: 845-851 (1996);Neuberger, Nature Biotechnol. 14: 826 (1996)及びLonberg及びHuszar, Intern. Rev. Immunol. 13: 65-93 (1995)参照)が含まれる。
【0117】
ここでモノクローナル抗体は、特に「キメラ」抗体を含み、それは特定の種由来又は特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体において、対応する配列に一致する又は類似する重鎖及び/又は軽鎖の一部であり、残りの鎖は、所望の生物学的活性を表す限り、抗体断片のように他の種由来又は他の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体において、対応する配列に一致するか又は類似するものである(米国特許第4816567号;及びMorrison等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851-6855(1984))。
【0118】
非ヒト(例えばマウス)の抗体の「ヒト化」型は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むキメラ抗体である。一実施態様では、ヒト化抗体は、レシピエントの高頻度可変領域の残基が、マウス、ラット、ウサギ又は所望の特異性、親和性及び/又は能力を有する非ヒト霊長類のような非ヒト種(ドナー抗体)からの高頻度可変領域の残基によって置換されたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。例として、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、もしくはドナー抗体にも見出されない残基を含んでいてもよい。これらの修飾は抗体の特性をさらに洗練するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、全てあるいは実質的に全ての高頻度可変ループが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、全てあるいは実質的に全てのFRが、ヒト免疫グロブリン配列のものである少なくとも一又は典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含むであろう。また、ヒト化抗体は、場合によっては免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンのものの少なくとも一部も含む。さらなる詳細については、Jones等, Nature 321:522-525(1986);Riechmann等, Nature 332:323-329(1988);及びPresta, Curr. Op. Struct. Biol. 2:593-596(1992)を参照のこと。また次の文献とそこに引用されている文献を参考のこと:Vaswani及びHamilton, Ann. Allergy, Asthma & Immunol. 1:105-115 (1998);Harris, Biochem. Soc. Transactions 23:1035-1038 (1995);Hurle及びGross, Curr. Op. Biotech. 5:428-433 (1994)。
【0119】
「ヒト抗体」は、ヒトによって生産される抗体のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を含むもの、及び/又はここに開示されたヒト抗体を作製する任意の技術を使用して製造されたものである。そのような技術には、ファージディスプレイのようなヒト由来組み合わせライブラリーのスクリーニング(Marks等, J. Mol. Biol., 222: 581-597 (1991)及びHoogenboom等, Nucl. Acids Res., 19: 4133-4137 (1991)参照);ヒトモノクローナル抗体産生のためのヒトミエローマ及びマウス−ヒトヘテロミエローマ細胞株の使用(Kozbor J. Immunol., 133: 3001 (1984); Brodeur等, Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp. 51-63 (Marcel Dekker, Inc., New York, 1987)及びBoerner等, J. Immunol., 147: 86 (1991)参照);及び内因性の免疫グロブリンを産生しない、ヒト抗体の完全なレパートリーを産生可能なトランスジェニック動物(例えばマウス)におけるモノクローナル抗体の生成(Jakobovits等, Proc. Natl. Acad. Sci USA, 90: 2551 (1993); Jakobovits等, Nature, 362: 255 (1993); Bruggermann等, Year in Immunol., 7: 33 (1993)参照)が含まれる。ヒト抗体のこの定義は、特に非ヒト動物由来の抗原結合残基を含むヒト化抗体を除く。
【0120】
「親和成熟」抗体とは、その改変を有していない親抗体と比較して、抗原に対する抗体の親和性に改良を生じさせる、その一又は複数のCDRにおいて一又は複数の改変を持つものである。一実施態様では、親和成熟抗体は、標的抗原に対してナノモル又はピコモルの親和性を有する。親和成熟抗体は、当該分野において知られている手順によって生産される。Marks等, Bio/Technology, 10:779-783(1992)は、VH及びVLドメインシャッフリングによる親和成熟について記載している。HVR及び/又はフレームワーク残基のランダム突然変異誘導は、Barbas等, Proc Nat Acad. Sci, USA 91:3809-3813(1994);Schier等, Gene, 169:147-155(1995);Yelton等, J. Immunol.155:1994-2004(1995);Jackson等, J. Immunol.154(7):3310-9(1995);及びHawkins等, J. Mol. Biol.226:889-896(1992)に記載されている。
【0121】
「阻止(ブロック)抗体」又は「アンタゴニスト抗体」は、結合する抗原の生物学的活性を阻害するか又は低下させる抗体である。特定の阻止抗体又はアンタゴニスト抗体は、抗原の生物学的活性を、部分的又は完全に阻害する。
「小分子」又は「有機小分子」は、本明細書において500ダルトン以下の分子量を有する有機分子と定義される。
【0122】
本明細書で用いられる単語「標識」は、検出可能な化合物又は組成物を意味する。標識は、それ自体(例えば放射性同位元素標識又は蛍光標識)が検出可能であってもよく、酵素的な標識においては検出可能な生成物を生じる基質化合物又は組成物の触媒化学変化であってもよい。検出可能な標識としての機能を果たす放射性核種には、例えばI−131、I−123、I−125、Y−90、Re−188、Re−186、At−211、Cu−67、Bi−212及びPd−109が含まれる。
【0123】
核酸、ポリペプチド又は抗体のような「単離された」生物学的分子は、少なくとも1つの自然環境の構成成分から同定及び分離、及び/又は回収されたものである。
【0124】
本明細書中の「およそ」の値又はパラメーターをいう場合、その値又はパラメーター自体に関する実施態様を含む(記載する)。例えば、「およそX」との記載には「X」の記載が含まれる。
【0125】
一般的技術
ループスに関連するヌクレオチド変異がここでは提供される。これらの変異は、ループスのバイオマーカーを提供し、及び/又は、ループスの発症、持続及び/又は進行の素因となり又は寄与する。従って、ここに開示される発明は、例えばループスの診断及び治療に関する方法及び組成物における様々な設定において有用である。
【0126】
遺伝的変異の検出
上記の方法の何れかに係る核酸は、ゲノムDNA;ゲノムDNAから転写されるRNA;又はRNAから産生されるcDNAでありうる。核酸は、脊椎動物、例えば哺乳動物に由来しうる。核酸は、その供給源から直接得られる場合、又はそれがその供給源に見出される核酸のコピーである場合、特定の供給源「に由来する(から誘導された)」という。
【0127】
核酸は、核酸のコピー、例えば増幅により生じるコピーを含む。例えば、変異を検出するための材料の所望量を得るために、ある状況下では、増幅が望ましいことがある。ついで、アンプリコンに、変異がアンプリコン内に存在するかどうか決定するために、以下に記載するもののような変異検査法を施してもよい。
【0128】
変異は、当業者に知られた所定の方法によって検出されうる。かかる方法は、DNA配列決定、対立遺伝子特異的ヌクレオチド取り込みアッセイ及び対立遺伝子特異的プライマー伸長アッセイ(例えば、対立遺伝子特異的PCR、対立遺伝子特異的ライゲーション連鎖反応(LCR)、及びgap−LCR)を含むプライマー伸長アッセイ;対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイ(例えばオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ);切断剤からの保護を核酸二重鎖のミスマッチ塩基を検出するために用いる切断保護アッセイ;MutSタンパク質結合の分析;変異体及び野生型核酸分子の可動性を比較する電気泳動的解析;変性勾配ゲル電気泳動(DGGE、例えばMyers等 (1985) Nature 313:495に記載);ミスマッチ塩基対のRNアーゼ切断の分析;ヘテロ二重鎖DNAの化学的又は酵素による切断の分析;マススペクトル分析(例えばMALDI−TOF);遺伝子のビット分析(GBA);5’ヌクレアーゼアッセイ(例えばTaqMan(登録商標));及び分子ビーコンを用いたアッセイを含むが、これに限定されるものではない。これらの方法の所定のものは、以下に更に詳細に検討する。
【0129】
標的核酸変異の検出は、その分野で公知の技術を用いて、標的核酸分子クローニング及び配列決定により達成され得る。あるいは、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)のような増幅技術を、腫瘍組織のゲノムDNA標本から直接標的核酸配列を増幅するために用いることができる。増幅された配列の核酸配列が決定され、変異が同定される。増幅技術はその分野で公知であり、例えば、PCRはSaiki等, Science 239:487, 1988;米国特許第4683203号及び同第4683195号において記載される。
その分野で公知であるリガーゼ連鎖反応もまた、標的核酸配列を増幅するために用いることができる。Wu等, Genomics 4:560-569 (1989)参照。さらに対立遺伝子特異的PCRとして公知の技術もまた、変異(例えば置換)を検出するために用いることができる。Ruano and Kidd (1989) Nucleic Acids Research 17:8392; McClay等 (2002) Analytical Biochem. 301:200-206参照。この技術のある実施態様において、対立遺伝子特異的プライマーを用いることができ、そのプライマーの3’末端ヌクレオチドは標的核酸における特定の変異に相補的である(すなわち、特異的に塩基対合できる)。特定の変異がない場合、増幅産物は観察されない。Amplification Refractory Mutation System(ARMS)もまた、変異(例えば置換)を検出するために用いることができる。ARMSは、例えば、欧州特許出願公開0332435及びNewton等, Nucleic Acids Research, 17:7, 1989において記載される。
【0130】
変異(例えば置換)を検出するために有用な他の方法は(1)単一塩基伸長アッセイなどの対立遺伝子特異的ヌクレオチド取り込みアッセイ(Chen等 (2000) Genome Res. 10: 549-557;Fan等 (2000) Genome Res. 10: 853-860;Pastinen等 (1997) Genome Res. 7: 606-614;及びYe等 (2001) Hum. Mut. 17: 305-316)参照);(2)対立遺伝子特異的PCRを含む対立遺伝子特異的プライマー伸長アッセイ(Ye等 (2001) Hum. Mut. 17: 305-316;及びShen等 Genetic Engineering News, vol. 23, Mar. 15, 2003参照);(3)5’ヌクレアーゼアッセイ(De La Vega等 (2002) BioTechniques 32:S48-S54(TaqMan(登録商標)アッセイを記載); Ranade等 (2001) Genome Res. 11: 1262-1268;及びShi (2001) Clin. Chem. 47:164-172参照);(4)分子ビーコンを用いるアッセイ(Tyagi等 (1998) Nature Biotech. 16:49-53;及びMhlanga等 (2001) Methods 25:463-71参照);及び、(5)オリゴヌクレオチド・ライゲーション・アッセイ(Grossman等 (1994) Nuc. Acids Res. 22: 4527-4534;米国特許出願公開US2003/0119004A1;PCT国際公開WO01/92579A2;及び米国特許第6027889号参照)を含むが、これに限定されるものではない。
【0131】
変異は、ミスマッチ検出法によってもまた検出され得る。ミスマッチは、100%相補的でないハイブリダイズされた二本鎖核酸である。完全な相補性の欠如は、欠失、挿入、逆転又は置換に起因している場合がある。ミスマッチ検出法の1つの例は、例えば、Faham等, Proc. Natl Acad. Sci. USA 102:14717-14722 (2005)及びFaham等, Hum. Mol. Genet. 10:1657-1664 (2001)において記載されるMismatch Repair Detection(MRD)アッセイである。他のミスマッチ切断技術の例は、RNアーゼ保護法であり、Winter等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82:7575, 1985及びMyers等, Science 230:1242, 1985においてその詳細が記載される。例えば、本発明の方法は、ヒト野生型標的核酸に相補的な標識化されたリボプローブを用いてもよい。組織試料の由来される標的核酸及びリボプローブは、共にアニール(ハイブリダイズ)され、二本鎖RNA構造におけるいくつかのミスマッチを検出することが可能な酵素RNアーゼAによってその後消化される。ミスマッチがRNアーゼAによって検出されると、ミスマッチの部位で切断される。従って、アニールされたRNA標本が電気泳動的ゲルマトリックスに分離され、ミスマッチが検出されてRNアーゼAによって切断された場合、リボプローブ及びmRNAもしくはDNAに対して全長二本鎖RNAより小さいRNA産物が確認される。リボプローブは、標的核酸の完全長である必要はなく、それが変異を有すると推測される位置を含むならば標的核酸の一部であってもよい。
【0132】
これと同様の方法で、例えば酵素的もしくは化学的な切断を通して、ミスマッチを検出するためにDNAプローブを用いることができる。Cotton等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85:4397, 1988;及びShenk等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 72:989, 1975参照。あるいは、ミスマッチは、マッチする二本鎖と比較して、ミスマッチ二本鎖の電気泳動易動度の変動によって検出することができる。Cariello, Human Genetics, 42:726, 1988参照。変異を含むと推測される標的核酸は、リボプローブ又はDNAプローブのいずれかにより、ハイブリダイゼーションの前に増幅されてもよい。特に標的核酸の変化が、大きな再配列(例えば欠失及び挿入)である場合、その変化はサザンハイブリダイゼーションを用いても検出できる。
【0133】
標的核酸又は周囲のマーカー遺伝子に対する制限断片長多形性(RFLP)プローブを、変異(例えば挿入又は欠失)の検出に用いることができる。挿入及び欠失を、標的核酸のクローニング、配列決定及び増幅により検出することができる。一本鎖DNA高次構造多型(SSCP)分析もまた、対立遺伝子の塩基変化変異体の検出に用いることができる。Orita等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:2766-2770, 1989及びGenomics, 5:874-879, 1989参照。
【0134】
生物学的試料は当業者に知られた所定の方法を使用して得ることができる。生物学的試料は、脊椎動物、特に哺乳動物から得ることができる。主要組織の代表的な片を得るために組織バイオプシーがしばしば使用される。別法では、腫瘍細胞は、興味のある腫瘍細胞を含むことが知られているか含むと思われる組織又は液体の形態で間接的に得ることができる。例えば、肺癌病変部の試料は、切除術、気管支鏡検査法、細針吸引、気管支擦過によって、あるいは痰、肋膜体液又は血液から採取されてもよい。標的核酸(又はコードされたポリペプチド)中の変異は、腫瘍試料から、あるいは尿、痰又は血清などの他の身体試料から検出されうる。(癌細胞は腫瘍から脱離させられ、そのような身体試料中に見られる。)そのような身体組織をスクリーニングすることによって、癌のような疾患のために簡便で迅速な診断法が達成されうる。加えて、治療の経過は、そのような身体試料を標的核酸(又はコードされたポリペプチド)中の変異について試験することによって、より容易にモニターされうる。加えて、腫瘍細胞の組織調製物を濃縮する方法が当該分野で知られている。例えば、組織をパラフィン又はクリオスタット切片から単離することができる。癌細胞はまたフローサイトメトリー又はレーザーキャプチャー法によって正常細胞からまた分離することができる。
【0135】
被検体、又は組織又は細胞試料がここに開示された遺伝的変異を含むことが決定された後、有効量の適切なループス治療剤を被検体に投与して被検体中のループス症状を治療することができる。ここに記載された様々な病理症状の哺乳動物における診断は、当業者によってなすことができる。例えば哺乳動物におけるループスの診断又は検出に対して許容される診断技術は当該分野において利用可能である。
【0136】
ループス治療剤は、既知の方法に従い、例えばボーラスとしての静脈内投与、又は一定期間にわたる連続的な注入、筋肉内、腹腔内、脳脊髄内、皮下、関節内、骨液内、くも膜腔内、経口、局所的、又は吸入経路により投与され得る。場合によっては、投与は、様々な市販の装置を使用するミニポンプ注入によって実施することもできる。
【0137】
ループス治療薬を投与するための有効用量及び投与計画は経験的に決定されてもよく、このような決定は当業者の技量の範囲内である。単一又は複数用量が使用されうる。例えば、単独で用いられるインターフェロンインヒビターの有効用量又は有効量は1日につき約1mg/kgから約100mg/kg体重又はそれ以上の範囲でありうる。用量の種間のスケーリングは例えばMordenti等, Pharmaceut. Res., 8:1351 (1991)に開示されるような当該分野で知られている方法で実施されうる。
【0138】
ループス治療剤のインビボ投与が用いられる場合、通常の用量は、投与経路に応じて、約10ng/kgから100mg/kg(哺乳動物体重)日又はそれ以上、好ましくは約1μg/kg/日から10mg/kg/日であってもよい。特定の用量及びデリバリーの方法に関する手引きは文献に提供されている;例えば、米国特許第4657760号、同第5206344号、又は同第5225212号を参照のこと。異なる製剤が異なる治療化合物及び異なる疾患に対して効果的であり、器官又は組織を標的とする投与は例えば他の器官又は組織に対するものとは異なった形でのデリバリーを必要としうることが予想される。
【0139】
また更なる療法を該方法に用いることができることが考慮される。一又は複数の他の療法には、問題の障害のためのステロイド投与や他の標準的な治療計画が含まれるがこれらに限定されるものではない。例えば目標とするループス治療剤とは異なる薬剤としてそのような他の療法が使用されうることが考えられる。
【0140】
生物学的試料から得られる一又は複数のSLEリスク遺伝子座及び/又は一又は複数のSLE関連遺伝子座におけるバリエーションを検出することによってループスの存在を検出する方法が提供される。一実施態様では、生物学的試料はループスに罹患していることが疑われる哺乳動物から得られる。
【0141】
生物学的試料から得られる一又は複数のSLEリスク遺伝子座及び/又はSLE関連遺伝子座に遺伝的変異が存在するかどうかを検出することによって生物学的試料の遺伝子型を決定する方法が提供される。一実施態様では、遺伝的変異が表2に記載されたSNPの位置に対応するヌクレオチド位置にある。そのような一実施態様では、遺伝的変異が表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、ここで遺伝子(又はその制御領域)は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は、表12に記載されたSNPの位置に対応するヌクレオチド位置にある。そのような一実施態様では、 遺伝的変異は表12に記載されたSNPを含む。
【0142】
一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、ここで遺伝子(又はその制御領域)は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。他の実施態様では、生物学的試料は、一又は複数のSLEリスク遺伝子座及び/又は一又は複数のSLE関連遺伝子座を含む核酸であって、各遺伝子座が変異を含むものを含むことが知られ、又はそれを含むことが疑われる。他の実施態様では、生物学的試料は細胞株、例えば初代又は不死化細胞株である。そのような一実施態様では、遺伝子型判定が疾患を分類し又は細分類するための基礎を提供する。
【0143】
また提供されるものは、哺乳動物から得られた生物学的試料から誘導された一又は複数のSLEリスク遺伝子座及び/又は一又は複数のSLE関連遺伝子座を含む核酸中の一又は複数のバリエーションの存在を検出することによって哺乳動物におけるループスを診断する方法であり、ここで、生物学的試料は、一又は複数のSLEリスク遺伝子座及び/又は一又は複数のSLE関連遺伝子座を含む核酸であって、各遺伝子座がバリエーションを含むものを含むことが知られ、又はそれを含むことが疑われる。また提供されるものは、哺乳動物から得られた生物学的試料から誘導された一又は複数のSLEリスク遺伝子座及び/又は一又は複数のSLE関連遺伝子座を含む核酸中の一又は複数のバリエーションの存在を検出することによって哺乳動物におけるループスの診断を助ける方法であり、ここで、生物学的試料は、一又は複数のSLEリスク遺伝子座及び/又は一又は複数のSLE関連遺伝子座を含む核酸であって、各遺伝子座がバリエーションを含むものを含むことが知られ、又はそれを含むことが疑われる。一実施態様では、バリエーションは遺伝的変異である。一実施態様では、遺伝的変異は、表2に記載されたSNPの位置に対応するヌクレオチド位置にある。そのような一実施態様では、遺伝的変異は、表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、ここで遺伝子(又はその制御領域)は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は表12に記載されたSNPの位置に対応するヌクレオチド位置にある。そのような一実施態様では、遺伝的変異は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、ここで遺伝子(又はその制御領域)は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。
【0144】
他の実施態様では、被検体が表2に記載された一又は複数のSLEリスク遺伝子座及び/又は表12に記載された一又は複数のSLE関連遺伝子座におけるバリエーションを含むかどうかを決定することによって、ループスの被検体が治療剤に応答するかどうかを予測する方法が提供され、ここで、各遺伝子座におけるバリエーションが表2又は表12にそれぞれ記載された遺伝子座の各々に対して一塩基多型(SNP)の位置に対応したヌクレオチド位置で起こっており、各遺伝子座におけるバリエーションの存在が治療剤へ被検体が応答することを示している。一実施態様では、バリエーションは遺伝的変異である。一実施態様では、遺伝的変異は、表2に記載されたSNPの位置に対応するヌクレオチド位置にある。そのような一実施態様では、遺伝的変異は、表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、ここで遺伝子(又はその制御領域)は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は表12に記載されたSNPの位置に対応するヌクレオチド位置にある。そのような一実施態様では、遺伝的変異は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、ここで遺伝子(又はその制御領域)は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。
【0145】
また提供されるものは、表2に記載された一又は複数のSLEリスク遺伝子座及び/又は表12に記載された一又は複数のSLE関連遺伝子座におけるバリエーションの被検体における存在又は不存在を検出することによってループスを発症する被検体の素因を評価する方法であり、ここで、各遺伝子座におけるバリエーションが表2又は表12にそれぞれ記載された遺伝子座の各々に対して一塩基多型(SNP)の位置に対応したヌクレオチド位置で起こっており、各遺伝子座におけるバリエーションの存在が被検体にループスを発症する素因があることを示している。一実施態様では、バリエーションは遺伝的変異である。一実施態様では、遺伝的変異は、表2に記載されたSNPの位置に対応するヌクレオチド位置にある。そのような一実施態様では、遺伝的変異は、表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、ここで遺伝子(又はその制御領域)は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は表12に記載されたSNPの位置に対応するヌクレオチド位置にある。そのような一実施態様では、遺伝的変異は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、ここで遺伝子(又はその制御領域)は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。
【0146】
また提供されるものは、哺乳動物におけるループスを細分類する方法において、表2に記載された一又は複数のSLEリスク遺伝子座及び/又は表12に記載された一又は複数のSLE関連遺伝子座におけるバリエーションの存在を検出することを含む方法であり、ここで、哺乳動物から得られた生物学的試料において、各遺伝子座におけるバリエーションが表2又は表12にそれぞれ記載された遺伝子座の各々に対して一塩基多型(SNP)の位置に対応したヌクレオチド位置で起こっており、生物学的試料が、バリエーションを含む核酸を含むことが知られているか、又はそれを含むことが疑われている。一実施態様では、バリエーションは遺伝的変異である。一実施態様では、遺伝的変異は、表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、ここで遺伝子(又はその制御領域)は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、ここで遺伝子(又はその制御領域)は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。一実施態様では、細分類は、組織/器官の関与(例えば、ループス腎炎)、性別、及び/又は民族性によって特徴付けられる。
【0147】
本発明の検出方法の一実施態様では、検出は、プライマー伸長法;対立遺伝子特異的プライマー伸長法;対立遺伝子特異的ヌクレオチド取り込みアッセイ;対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイ;5’ヌクレアーゼアッセイ;分子ビーコン使用アッセイ;及びオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイから選択されるプロセスを実施することを含む。
【0148】
また提供されるものは、患者亜集団においてループスを治療するのに効果的な治療剤を同定する方法であって、患者亜集団におけるHLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置での遺伝的変異の存在と薬剤の効能を相関させることを含み、それによって該患者亜集団においてループスを治療するのに有効な薬剤を同定をする方法である。一実施態様では、遺伝的変異は、表2に記載されたSNPの位置に対応するヌクレオチド位置にある。そのような一実施態様では、遺伝的変異は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNAにあり、ここで、遺伝子(又はその制御領域)は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。
【0149】
また提供されるものは、患者亜集団においてループスを治療するのに効果的な治療剤を同定する方法であって、患者亜集団における表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の存在と薬剤の効能を相関させることを含み、それによって該患者亜集団においてループスを治療するのに有効な薬剤を同定をする方法である。一実施態様では、遺伝的変異は、表12に記載されたSNPの位置に対応するヌクレオチド位置にある。そのような一実施態様では、遺伝的変異は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNAにあり、ここで、遺伝子(又はその制御領域)は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。
【0150】
更なる方法は、適切な場合及び必要に応じて、適切な臨床的介入処置を決定するために有用な情報を提供する。従って、本発明の方法の一実施態様では、該方法は、ここに開示される一又は複数のSLEリスク遺伝子座及び/又はSLE関連遺伝子座におけるバリエーションの有無の評価の結果に基づく臨床的介入処置を含む。例えば、適切な介入は、本発明の方法によって得られた遺伝学的情報に基づいた、その当時の任意の予防的又は治療的な工程の予防的及び治療的な処置又は調整を伴ってもよい。
【0151】
当業者に明らかなように、本発明の任意の方法では、バリエーションの存在の検出が疾患の特徴(例えば疾患の存在又はサブタイプ)を確実に示すのに対して、バリエーションの非検出は、疾患の相互の特徴化をもたらすことによって有益にもなるであろう。
【0152】
また提供されるものは、SLEリスク遺伝子座又はその断片を含む核酸の増幅方法であって、ここでSLEリスク遺伝子座又はその断片が遺伝的変異を含む方法である。また提供されるものは、SLE関連遺伝子座又はその断片を含む核酸の増幅方法であって、ここでSLE関連遺伝子座又はその断片が遺伝的変異を含む方法である。一実施態様では、該方法は、(a)遺伝的変異の5'又は3'配列にハイブリダイズするプライマーと核酸を接触させ、(b)プライマーを伸展させて該遺伝的変異を含む増幅産物を生成することを含む。一実施態様では、該方法は、遺伝的変異の5'又は3'配列にハイブリダイズする第二のプライマーと増幅産物を接触させ、第二プライマーを伸展させて第二の増幅産物を生成することを含む。そのような一実施態様では、該方法は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応によって増幅産物及び第二増幅産物を増幅することを含む。
【0153】
幾つかの実施態様では、遺伝的変異は本発明のSNPの位置に対応するヌクレオチド位置にある。そのような一実施態様では、遺伝的変異は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、ここで、遺伝子(又はその制御領域)は表2に記載されたSNPを含む。そのような一実施態様では、遺伝的変異は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。
【0154】
また更なる方法は、哺乳動物においてループスを治療する方法であって、哺乳動物からの組織又は細胞試料を入手し、ここに開示されるバリエーションの有無について組織又は細胞を検査し、該組織又は細胞試料におけるバリエーションの有無の決定によって、該哺乳動物に適切な治療薬の有効量を投与することを含む方法を含む。場合によって、該方法には、有効量の標的とするループス治療剤と、場合によって第二の治療薬(例えばステロイドなど)を前記哺乳動物に投与することを含む。
【0155】
また提供されるものは、遺伝的変異が、表2に列挙された一又は複数のSLEリスク遺伝子座において表2に列挙された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置に存在することが知られている被検体においてループス症状を治療する方法であって、該症状を治療するのに有効な治療剤を被検体に投与することを含む方法である。一実施態様では、変異は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、遺伝子(又はその制御領域)は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。
【0156】
また提供されるものは、遺伝的変異が、表12に列挙された一又は複数のSLE関連遺伝子座において表12に列挙された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置に存在することが知られている被検体においてループス症状を治療する方法であって、該症状を治療するのに有効な治療剤を被検体に投与することを含む方法である。一実施態様では、変異は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、遺伝子(又はその制御領域)は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。
【0157】
また提供されるものは、ループス症状を持つ被検体を治療する方法であって、表2に列挙された一又は複数のSLEリスク遺伝子座において表2に列挙された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置に遺伝的変異を有する被検体において、該症状を治療するのに効果的であることが知られている治療剤を被検体に投与することを含む方法である。一実施態様では、変異は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、遺伝子(又はその制御領域)は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。
【0158】
また提供されるものは、ループス症状を持つ被検体を治療する方法であって、表12に列挙された一又は複数のSLE関連遺伝子座において表12に列挙された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置に遺伝的変異を有する被検体において、該症状を治療するのに効果的であることが知られている治療剤を被検体に投与することを含む方法である。一実施態様では、変異は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、遺伝子(又はその制御領域)は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。
【0159】
また提供されるものは、ループス症状を持つ被検体を治療する方法であって、表2に列挙された一又は複数のSLEリスク遺伝子座において表2に列挙された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置に遺伝的変異をそれぞれ有していた少なくとも5人のヒト被検体に薬剤が投与された少なくとも一つの臨床試験に該症状を治療するのに効果的であることが過去に知られている治療剤を被検体に投与することを含む方法である。一実施態様では、変異は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、遺伝子(又はその制御領域)は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。一実施態様では、前記少なくとも5人の被検体は、少なくとも5人の被検体の群に対して全体で二以上の異なったSNPsを有していた。一実施態様では、前記少なくとも5人の被検体は、少なくとも5人の被検体の群全体に対して同じSNPを有していた。
【0160】
また提供されるものは、ループス症状を持つ被検体を治療する方法であって、表12に列挙された一又は複数のSLE関連遺伝子座において表12に列挙された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置に遺伝的変異をそれぞれ有していた少なくとも5人のヒト被検体に薬剤が投与された少なくとも一つの臨床試験に該症状を治療するのに効果的であることが過去に知られている治療剤を被検体に投与することを含む方法である。一実施態様では、変異は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、遺伝子(又はその制御領域)は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。一実施態様では、前記少なくとも5人の被検体は、少なくとも5人の被検体の群に対して全体で二以上の異なったSNPsを有していた。一実施態様では、前記少なくとも5人の被検体は、少なくとも5人の被検体の群全体に対して同じSNPを有していた。
【0161】
また提供されるものは、特定のループス患者亜集団のループス被検体を治療する方法であって、該亜集団のための治療剤として承認されている治療剤の有効量を被検体に投与することを含み、ここで、亜集団が、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々に対して、表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異との関連性によって少なくとも部分的に特徴付けられる方法である。一実施態様では、変異は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、遺伝子(又はその制御領域)は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。一実施態様では、亜集団はヨーロッパ祖先のものである。一実施態様では、本発明は、ループス治療剤を製造し、ループスを有するか又は有すると思われ、表2に列挙された一塩基多型(SNP)に対応する位置に遺伝的変異を有する被検体に該薬剤を投与するための指示書と共に薬剤を包装することを含む方法を提供する。一実施態様では、変異は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、遺伝子(又はその制御領域)は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。
【0162】
また提供されるものは、特定のループス患者亜集団のループス被検体を治療する方法であって、該亜集団のための治療剤として承認されている治療剤の有効量を被検体に投与することを含み、ここで、亜集団が、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異との関連性によって少なくとも部分的に特徴付けられる方法である。一実施態様では、変異は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、遺伝子(又はその制御領域)は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。一実施態様では、本発明は、ループス治療剤を製造し、ループスを有するか又は有すると思われ、表12に列挙された一塩基多型(SNP)に対応する位置に遺伝的変異を有する被検体に該薬剤を投与するための指示書と共に薬剤を包装することを含む方法を提供する。一実施態様では、変異は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、遺伝子(又はその制御領域)は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。
【0163】
また提供されるものは、ループス患者亜集団に使用される治療剤を特定する方法であって、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において、表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異との関連性によって少なくとも部分的に特徴付けられる患者亜集団に治療剤を投与するための指示書を提供することを含む方法である。一実施態様では、変異は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、遺伝子(又はその制御領域)は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。一実施態様では、亜集団はヨーロッパ祖先のものである。
【0164】
また提供されるものは、ループス患者亜集団に使用される治療剤を特定する方法であって、表12に提供される少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において、1表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異によって少なくとも部分的に特徴付けられる患者亜集団に治療剤を投与するための指示書を提供することを含む方法である。一実施態様では、変異は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、遺伝子(又はその制御領域)は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。一実施態様では、亜集団はヨーロッパ祖先のものである。
【0165】
また提供されるものは、ループス患者亜集団に使用される治療剤をマーケティングする方法であって、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において、表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の、亜集団の患者における存在によって少なくとも部分的に特徴付けられる該患者亜集団を治療するための治療剤の使用について標的聴衆に告知することを含む方法である。一実施態様では、変異は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、遺伝子(又はその制御領域)は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。治療剤の使用を含む上記方法の何れかの実施態様において、そのような薬剤はここに開示されたループス治療剤を含む。
【0166】
また提供されるものは、ループス患者亜集団に使用される治療剤をマーケティングする方法であって、表12に提供された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において、表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の、亜集団の患者における存在によって少なくとも部分的に特徴付けられる該患者亜集団を治療するための治療剤の使用について標的聴衆に告知することを含む方法である。一実施態様では、変異は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、遺伝子(又はその制御領域)は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。治療剤の使用を含む上記方法の何れかの実施態様において、そのような薬剤はここに開示されたループス治療剤を含む。
【0167】
また提供されるものは、遺伝的変異が、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応したヌクレオチド位置に存在することが知られている被検体においてI型インターフェロン経路を通じてシグナル伝達を調節する方法であって、一又は複数のインターフェロン誘導性遺伝子の遺伝子発現を調節するのに効果的な治療剤を被検体に投与することを含む方法である。
【0168】
また提供されるものは、ループス治療剤での治療のためにループスに罹患している患者を選択する方法において、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々における表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の存在を検出することを含む方法である。一実施態様では、変異は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、遺伝子(又はその制御領域)は表2に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。
【0169】
また提供されるものは、ループス治療剤での治療のためにループスに罹患している患者を選択する方法において、表12に提供された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座における表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の存在を検出することを含む方法である。一実施態様では、変異は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、遺伝的変異は遺伝子(又はその制御領域)をコードするゲノムDNA中にあり、遺伝子(又はその制御領域)は表12に記載されたSNPを含む。一実施態様では、SNPは遺伝子の非コード領域にある。一実施態様では、SNPは遺伝子のコード領域にある。
【0170】
キット
本発明の一実施態様では、キットが提供される。一実施態様では、キットはここに記載のポリヌクレオチドの何れかを場合によって酵素と共に含む。一実施態様では、酵素は、ヌクレアーゼ、リガーゼ及びポリメラーゼから選択される少なくとも一の酵素である。
【0171】
一実施態様では、本発明は、本発明の組成物と、被検体のゲノムがここに開示された遺伝的変異を含むか否かを決定することによってループスを検出するために組成物を使用する指示書とを具備するキットを提供する。一実施態様では、本発明の組成物は、表2に記載された一又は複数のSLEリスク遺伝子座に特異的にハイブリダイズすることができる複数のポリヌクレオチドを含み、各SLEリスク遺伝子座は表2に記載されたSNPの位置又はその相補鎖に対応するヌクレオチド位置に遺伝的変異を含む。一実施態様では、本発明の組成物は、SLEリスク遺伝子座の少なくとも一部に結合し、重合(例えば増幅)を行うことができる核酸プライマーを含む。一実施態様では、本発明の組成物は、SLEリスク遺伝子座(又はその相補鎖)を含むポリヌクレオチドを特異的に検出する結合剤(例えばプライマー、プローブ)を含む。一実施態様では、本発明の組成物は、ここに開示された一又は複数のSLEリスク遺伝子座にバリエーションを有するループス患者を治療するために薬剤を使用する指示書と組み合わせて、治療剤を含む製造品を提供する。
【0172】
また提供されるのは、本発明の組成物と、被検体のゲノムがここに開示された遺伝的変異を含むか否かを決定することによってループスを検出するために組成物を使用するためのについての指示書とを具備するキットである。一実施態様では、本発明の組成物は、表12に記載された一又は複数のSLE関連遺伝子座に特異的にハイブリダイズすることができる複数のポリヌクレオチドを含み、各SLE関連遺伝子座は表12に記載されたSNPの位置又はその相補鎖に対応するヌクレオチド位置に遺伝的変異を含む。一実施態様では、本発明の組成物は、SLE関連遺伝子座の少なくとも一部に結合し、重合(例えば増幅)を行うことができる核酸プライマーを含む。一実施態様では、本発明の組成物は、SLE関連遺伝子座(又はその相補鎖)を含むポリヌクレオチドを特異的に検出する結合剤(例えばプライマー、プローブ)を含む。一実施態様では、本発明の組成物は、ここに開示された一又は複数のSLE関連遺伝子座にバリエーションを有するループス患者を治療するために薬剤を使用する指示書と組み合わせて、治療剤を含む製造品を提供する。
【0173】
上記され又は先に提案された用途での使用のために、キット又は製造品もまた本発明によって提供される。このようなキットは、バイアル、チューブなどのような一又は複数の容器手段を密に閉じ込めて収容するように区画化されている運搬手段を含み得、容器手段の各々は該方法で使用される別個の手段の一つを含む。例えば、容器手段の一つは、標識されているか又は検出可能に標識されうるプローブを含みうる。そのようなプローブは、SLEリスク遺伝子座又はSLE関連遺伝子座を含むポリヌクレオチドに対して特異的なポリヌクレオチドでありうる。キットが標的核酸を検出するために核酸ハイブリダイゼーションを利用する場合、キットは、標的核酸配列の増幅のためのヌクレオチドを収容する容器、及び/又は酵素、蛍光又は放射性標識などのリポーター分子に結合した、アビジン又はストレプトアビジンなどのビオチン結合タンパク質のようなレポーター手段を含む容器を有していてもよい。
【0174】
本発明のキットは、典型的には、上述の容器と、商業的及び使用者の観点からみて望ましい材料、例えばバッファー、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、及び使用のための指示書を有するパッケージ挿入物を収容する一又は複数のその他の容器を具備する。特定の治療又は非治療的用途に組成物が使用されることを示すラベルが容器上にあってもよく、またそのラベルは上述したもののようにインビボ用途又はインビトロ用途の何れかについての指示を示すものであってもよい。
【0175】
本発明のキットは多くの実施態様を有する。典型的な実施態様は、容器と、該容器上のラベルと、該容器内に収容される組成物を具備するキットであり、ここで、組成物はSLEリスク遺伝子座及び/又はSLE関連遺伝子座を含むポリヌクレオチドのための検出薬剤を含み、該容器上のラベルは、該組成物を用いて少なくとも一タイプの哺乳動物細胞においてSLEリスク遺伝子座及び/又はSLE関連遺伝子座を含むポリヌクレオチドの存在を評価することができることと、少なくとも一タイプの哺乳動物細胞においてSLEリスク遺伝子座及び/又はSLE関連遺伝子座を含むポリヌクレオチドの存在を評価するために検出薬剤を使用するための指示書を示すものである。キットは、組織試料を調製して組織試料の同一片に抗体及びプローブを適用するための一組の指示書と材料を更に具備しうる。例えば、キットは、容器と、該容器上のラベルと、該容器内に収容される組成物を具備し得、ここで、組成物はストリンジェントな条件下でSLEリスク遺伝子座及び/又はSLE関連遺伝子座を含むポリヌクレオチドの相補鎖にハイブリダイズするポリヌクレオチドを含み、該容器上のラベルは、該組成物を用いて少なくとも一タイプの哺乳動物細胞においてSLEリスク遺伝子座及び/又はSLE関連遺伝子座を含むポリヌクレオチドの存在を評価することができることと、少なくとも一タイプの哺乳動物細胞においてSLEリスク遺伝子座及び/又はSLE関連遺伝子座を含むポリヌクレオチドの存在を評価するためにポリヌクレオチドを使用するための指示書を示すものである。
【0176】
キット中の他の任意成分には、一又は複数のバッファー(例えばブロックバッファー、洗浄バッファー、基質バッファーなど)、酵素標識によって化学的に変化する基質などの他の試薬(例えば色素原)、エピトープ探索溶液、コントロール試料(ポジティブコントロール及び/又はネガティブコントロール)、コントロールスライドなどがある。
【0177】
マーケティング方法
また、本発明には、ループス治療剤、又はその薬学的に許容可能な組成物の販売方法であって、標的とする相手に対し、採取した試料が本明細書に開示される遺伝子バリエーションの存在を示すループスを有する患者又は患者の集団の治療に、本薬剤又は本薬剤の薬学的組成物の使用を促す、指示する、及び/又は明確に述べることを含む方法が包含される。
マーケティングは、通常、スポンサーが特定されてメッセージが制御される非個人的媒体を通した有料の通信である。本発明の目的のために行われるマーケティングには、公報、広告、製品の提供、後援、引受業務、及び販売促進が含まれる。この用語はまた大衆に訴えて、ここでの発明の購入、後援、又は承認の好ましいパターンに向かって、説得、通知、促進、動機付け又はそれ以外の方法で行動させるように設計された任意の活字媒体に現れるスポンサーがついた情報の告知を含む。
【0178】
本発明の診断方法のマーケティングは何れの手段で達成されてもよい。これらのメッセージを伝えるために使用されるマーケティング媒体の例には、テレビ、ラジオ、映画、雑誌、新聞、インターネット及び看板が含まれ、電波媒体に登場するメッセージであるコマーシャルも含まれる。
【0179】
使用されるマーケティングの種類は、多くの要因、例えば、病院、保険会社、診療所、医師、看護師、及び患者等の標的とする相手の性質、並びに経費の考慮、及び医薬と診断の販売を規定する関連の法律及び規則に依存する。サービスのやりとり、及び/又はユーザーの人口統計及び所在地のようなその他のデータによって規定されるユーザーの特徴に基づいて、マーケティングを個別化又はカスタマイズしてもよい。
【0180】
以下は、本発明の方法及び組成物の例である。上の一般的な記述が提供されていれば、様々な他の実施態様が実施されうることが理解される。
【実施例】
【0181】
実施例を通して、所定の刊行物への言及は、実施例のセクションの終わりに完全な書誌的情報を示す番号によって示す。
【0182】
実施例1
確認されたSLEリスク遺伝子座及びSLEリスク対立遺伝子の同定
SLE症例の選別及び遺伝子タイピング、並びにニューヨークヘルスプロジェクト(NYHP)コレクション(Mitchell等, J Urban Health 81(2):301-10 (2004))からのコントロールは先に記載された(Hom等, N Engl J Med 358(9):900-9 (2008))。以下に詳述するように、SLE症例は、3つの症例シリーズから構成された:a) NIH/NIAMSが資金供給した管理機関である自己免疫性バイオマーカー協力ネットワーク(ABCoN:Autoimmune Biomarkers Collaborative Network)(Bauer等, PLoS medicine 3(12):e491 (2006))から338の被検体、及び複数自己免疫性疾患遺伝子共同体(MADGC:Multiple Autoimmune Disease Genetics Consortium)(Criswell等, Am J Hum Genet 76(4):561-71 (2005))から141の被検体;b) カリフォルニアサンフランシスコ大学(UCSF)ループス遺伝子プロジェクト(Seligman等, Arthritis Rheum 44(3):618-25 (2001); Remmers等, N Engl J Med 357(10):977-86 (2007))から613被検体、及び;c) ピッツバーグメディカルセンター大学(UPMC)(Demirci等, Ann Hum Genet 71(Pt 3):308-11 (2007))から335の被検体とファインスタインメディカルリサーチ研究所で集められた8症例。コントロールは1861のNYHPコレクションからの試料、公的に利用できるiControlDBデータベース(Illumina Inc.から入手可能)からの1722の試料、及び公的に利用できる国際癌研究所癌遺伝子マーカーの感受性(CGEMS)National Cancer Institute Cancer Genetic Markers of Susceptibility プロジェクト(ワールドワイドウェブcgems.cancer.govで入手可能)からの4564の試料であった。
【0183】
1310のSLE症例及び7859のコントロールの全ゲノムデータセット
我々は過去にSLE症例試料の選択と遺伝子タイピングを記載した(Hom等, N Engl J Med 358(9):900-9 (2008))。全SLE症例は自称に加え遺伝子タイピングによって確かめられたヨーロッパ系の北アメリカ人であった。SLEの診断(米国リウマチ学会(ACR)規定の判定基準 [Hochberg等, Arthritis Rheum 40(9):1725[1997]の4以上の達成)は、医療記録検査(94%)又は治療するリウマチ専門医(6%)による文書での判定基準によって全症例において確認された。これらの症例のための臨床データは他に提示した(Seligman等, Arthritis Rheum 44(3):618-25 (2001);Criswell等, Am J Hum Genet 76(4):561-71 (2005); Bauer等, PLoS medicine 3(12):e491 (2006);Demirci等, Ann Hum Genet 71(Pt 3):308-11 (2007);Remmers等, N Engl J Med 357(10):977-86 (2007))。NYHP試料の遺伝子タイピング及び選別は前述した。(Hom等, N Engl J Med 358(9):900-9 (2008))。
【0184】
試料及びSNPフィルタリングは以下に示すようなソフトフェアプログラムPLINK及びEIGENSTRAT内の分析的モジュールを使用して行った(またPurcell等, Am J Hum Genet 81(3):559-75 (2007);Price等, Nat Genet 38(8):904-09 (2006)を参照)。この研究では、症例及びコントロールの密接なマッチングを容易にするため、及び確認された及び予想されるSLE遺伝子座における遺伝子型を提供するために、全ゲノムSNPデータを使用した。
【0185】
a) SLE症例、NYHP試料及びiControlDB試料
イルミナ550K SNPアレイ、バージョン1(HH550v1)を用いて464症例及び1962のコントロールを遺伝子タイピングし、イルミナ550K SNPアレイ、バージョン3(HH550v3)を用いて971の症例及び1621コントロールを遺伝子タイピングした(Hom等, N Engl J Med 358(9):900-9 (2008))。報告された性別が観察された性別と一致しなかった試料(HH550v1: 10, HH550v3: 11)及び>5%の欠測(missing)遺伝子型を有する試料(HH550v1: 25, HH550v3: 21)を分析から除外した。SLE症例とコントロールの間の曖昧な相関は、全ての起こりうるペアワイズ試料組合せについてゲノム全体の状態による識別(IBS)を推定して決定した。重複又は1世代−3世代の血縁関係(1st-3rd degree relatives)であると推定される各組の試料は除いた(Pi_hat≧0.10およびZ1≧0.15;HH550v1:88、HH550v3:73)。
【0186】
コントロール中HWE P≦1×10−6を有するSNP(HH550v1 : 3176、HH550v3: 2240)又は5%より大きな欠測データを有するSNP(HH550v1 : 12605、HH550v3: 7137)は除いた。症例とコントロールとの間の欠測データの頻度における有意差についてSNPを試験し、PLINKに用いた差次的欠測率においてP≦1×10−5を有するSNPを除いた(HH550v1:5027、HH550v3:2804)。また、SNPは、性別間での有意な対立遺伝子頻度差異についても試験した;全てのSNPはコントロールではP≧1×10−9を有していた。データは、(例えばABCoN試料と他のすべての症例との間の)バッチ効果の存在について試験し、P<1×10−9の対立遺伝子頻度差異を有するSNP(N=13)を除いた(HH550v1: 18、HH550v3: 10)。ヘテロ接合のハプロイド遺伝子型を有する変異は欠測(missing)に対して設定した(HH550v1:2305、HH550v3:875)。また、少数の対立遺伝子頻度<0.0001を有する変異を除いた(HH550v1:97、HH550v3:57)。
【0187】
b)CGEMS試料
2277の前立腺癌試料と、別に、2287の乳癌試料について、ヘテロ接合のハプロイド遺伝子型は欠測(missing)に対して設定した(前立腺:2717、胸部:0)。報告された性別が観察された性別と一致しなかった試料(前立腺:1、乳:2)、及び5%より大きな欠測(missing)データを有する試料(前立腺:15、乳:1)を分析から除外した。上記の通り、曖昧な相関については試料を試験し、重複又は1世代−3世代の血縁関係(1st-3rd degree relatives)であると推定される各組から一つの試料を除いた(Pi_hat≧0.10およびZ1≧0.15;前立腺:12、胸部:7)。MAF<0.0001を有するSNP(前立腺:3254、胸部:2166)を除いた。
【0188】
c)全試料
全てのSLE症例及びコントロールからなる混合(merge)したデータセットに更なるデータ品質フィルターを適用した。5%より大きい欠測データを有するSNP(N=65421)及び5%より大きい欠測データを有する試料(N=0)を除いた。二組の試料に対する試験はMAF≧0.45を有する957個の独立したSNPを用いて行い、二組の試料は見られなかった。コントロール中HWE P≦1×10−6を有するSNP(N2174)及び2%より大きな欠測データを有するSNP(N=5522)は除いた。発明者等は、症例とコントロールとの間の欠測データの割合における有意差についてSNPを試験し、過剰な欠測データ差を有するSNPを除いた(P≦1×10−5、N=16080)。SNPを性別間の有意差について試験し、全てのSNPはコントロール中P≧1×10−9を有していた。また、SNPは、特に、CGEMS乳癌試料と他の全てのコントロールとの間、そして、CGEMS前立腺癌試料と他の全てのコントロールとの間のバッチ効果の存在について調べ、P<1×10−9を有するSNP(N=73)を除いた。上記の品質フィルターの適用の後、480831個のSNPが残った。
【0189】
症例およびコントロールは、EIGENSTRATを用いて集団外れ値の存在について試験した。症例中MAF<2%(N=16068)、コントロール中HWE P≦1×10−4(N=977)、又は1%より大きな欠測データ(N=17029)を有するSNP、第6染色体(24−36Mb)、第8染色体(8−12Mb)、第11染色体(42−58Mb)および第17染色体(40−43Mb)上の構造的バリエーションによる異常なLDパターンの領域内のSNP、及び、染色体Xの偽常染色体領域内のSNP(N=12)は、集団外れ値を検出するためのバリエーションの主成分(EIGENSTRAT)を決定するために除いた。上位10のいずれかの主成分に従って平均から6の標準偏差を超える試料を分析から除いた(N=148)。
【0190】
最終的なデータセットは1310の症例、7859のコントロール及び480831個のSNPを有していた。最終的なゲノムコントロールインフレーション因子(λgc10は1.06であり、症例及びコントロールの優れたマッチングを示した。
【0191】
確認されているSLEリスク遺伝子座及びリスク対立遺伝子の同定
我々は、SLEリスク遺伝子座及び対立遺伝に関係する文献を調べ、確認されているSLEリスク遺伝子座及び確認されているSLEリスク対立遺伝子をを同定するためのここに記載するような統計学的な方法を用いた。簡単に言うと、P≦1×10−5のオーバーラップしていないSLEコホートにおける2の独立した刊行物レポートから遺伝子座を同定した。合計7遺伝子座が要求を満たした(表1参照)。よって、表1に記載する各遺伝子座が確定したSLEリスク遺伝子座である。表1は各確認されたSLEリスク遺伝子座の対立遺伝子も列挙しており、従ってそれらが確認されたSLEリスク対立遺伝子である。一つの刊行物がP≦1×10−5の関連性を報告した更なる18の遺伝子座が同定された。18遺伝子座中の14遺伝子座に対して、我々は1310のSLE症例及び7859の適合コントロールの我々の全ゲノムデータセット(上に記載)中に同一の変異又はほとんど完全なプロキシ(r>0.75)を見出した。その14遺伝子座では、報告されている相関と我々のデータセットにおける相関を組み合わせるようメタ分析を実施し、遺伝子座9つがP≦5×10−8を達成し、よって、我々は確認されているSLEリスク遺伝子座とまた同定した(表3)。これらの分析の更なる詳細を以下に示す。
【0192】
2つの独立した刊行レポートでのSLEリスク遺伝子座及びSLEリスク対立遺伝子
重複しないSLEコホートでの2つの独立した刊行されたレポートからそれぞれP≦1×10−5(フィッシャーの複合確率検定を使用して2.4×10-9のP値に対応)を有する遺伝子座を同定し(表1)。同じ方向の効果を有するSLEに相関を示す同一の変異(又はr2>0.3を有する代わりのもの)が必要であった。HLA−DRBl0301(遺伝子座HLA−DR3)(Hartung等, J Clin Invest 90:1346-51 (1992); Yao等, Eur J Immunogenet 20(4):259-66 (1993))、対立遺伝子HLA−DRBl1501(遺伝子座HLA−DR2)(Hartung等, J Clin Invest 90:1346-51 (1992); Yao等, Eur J Immunogenet 20(4):259-66 (1993))、及び次の遺伝子座:タンパク質チロシンホスファターゼ非レセプタータイプ22(PTPN22 )(Lee等, Rheumatology (Oxford, England) 46(1):49-56 (2007); Harley等, Nat Genet 40(2):204-10 2008))、インターフェロン制御因子5(IRF5)(Sigurdsson等, Am J Hum Genet 76(3):528-37 (2005); Graham等, Nat Genet 38(5):550-55 (2006))、転写因子4のシグナルトランスデュサー及びアクチベーター(STAT4)(Remmers等, N Engl J Med 357(10):977-86 (2007); Harley等, Nat Genet 40(2):204-10 (2008))、Bリンパ球チロシンキナーゼ(BLK)(Hom等, N Engl J Med 358(9):900-9 (2008); Harley等, Nat Genet 40(2):204-10 (2008)及びインテグリンαM(ITGAM)(Hom等, N Engl J Med 358(9):900-9 (2008); Nath等, Nat Genet 40(2):152-4 (2008))を含む合計7つの対立遺伝子が要件を満たした。1310のSLE症例および7859のコントロールの我々の全ゲノムデータセットにおける同一対立遺伝子又は最も良好な代替物(r>0.85)について解析を進めた(表1)。
【0193】
一つの刊行レポートでのSLEリスク遺伝子座及びSLEリスク対立遺伝子
PがP≦1×10−5である相関を報告している一つの刊行物において更に18の遺伝子座が同定された(Prokunina等, Nat Genet 32(4):666-9 (2002); Sigurdsson等, Am J Hum Genet 76(3):528-37 (2005); Jacob等, Arthritis Rheum 56(12):4164-73 (2007); Cunninghame Graham等, Nat Genet 40(1):83-89 (2008); Edberg等, Hum Mol Genet 17(8):1147-55 (2008); Harley等, Nat Genet 40(2):204-10 (2008); Kozyrev等, Nat Genet 40(2):211-6 (2008); Oishi等, Journal of human genetics 53(2):151-62 (2008); Sawalha等, PLoS ONE 3(3):e1727 (2008))。14の遺伝子座では、1310のSLE症例及び7859のコントロールの我々の全ゲノムスキャンにおいて、同一変異又はほぼ完全な代替物(r>0.75)を遺伝子タイピングした(表3)。以下に記載する方法を用いたメタ分析を14の遺伝子座について実行し、このうちの9つの遺伝子座はP≦5×10−8に達した。全ゲノム有意性を達成している遺伝子座(遺伝子座内の単一遺伝子によって標識される)には以下が含まれる。下垂体腫瘍−形質転換タンパク質1(PTTG1)、APG5自己貪食5様(ATG5)、CTD-結合SR様タンパク質rA9(KIAA1542)、ユビキチンコンジュゲート酵素E2L3(UBE2L3)、セリン/スレオニンキナーゼを含有しているPXドメイン(PXK)、IgGのFc断片、低親和性IIa、レセプター(FCGR2A)、腫瘍壊死因子(リガンド)スーパーファミリー4(TNFSF4)、及びアンキリンリピート1を有するB細胞骨格タンパク質(BANK1)。メタ分析の全ゲノム有意性を達成している変異について分析を進めた(表2、表3)。残りの4つの遺伝子座では、1310のSLE症例及び7859のコントロールのSLE全ゲノム相関スキャンにおいて、報告された変異又はほぼ完全な代替物(r>0.75)の遺伝子タイピングを行わなかった(表4)。
【0194】
修正メタ分析関連統計値を、現在の症例シリーズ及びKozyrev等, Nat Genet 40(2):211-6 (2008), Oishi等, Journal of Human Genetics 53(2):151-62 (2008)、及びSawalha等, PLoS ONE 3(3):e1727 (2008)からの報告についてのコホートサイズについて加重したZスコアを加算することによって、決定した。現在の症例シリーズとHarley等, Nat Genet 40(2):204-10 (2008)によって記載された相関スキャンとの間のメタ分析は、使用されたコントロール試料中にかなりの重複を有していた。これら対立遺伝子に対するメタ分析は、従って、Harley等のレポートからのSLE症例と現在の症例シリーズを併合し、前述した7859のコントロールに対する相関統計値を計算することによって、実施した。Cunninghame Graham等, Nat Genet 40(1):83-89 (2008)によって記載されたファミリーベースの研究については、メタ分析はフィッシャーの複合確率検定を使用して実施した。






【0195】
実施例2
RNA結合タンパク質に対する自己抗体との確認されたSLEリスク遺伝子座と確認されたSLEリスク対立遺伝子の関連性
RNA結合タンパク質に対する自己抗体の測定
全ゲノム相関スキャンに含まれる1310のSLE症例から合計1269の血清試料が利用できた。QUANTA Plex ENAプロファイル5ルミネックス蛍光免疫測定キット(Inova Diagnostics, San Diego, CA)を使用して、ABCoN、MADGC、及びピッツバーグからのSLE症例におけるRNA結合タンパク質SSA(SSA60及びSSA52)、SSB、RNP及びSmに対するIgG自己抗体を測定した。QUANTA Plex ENAプロファイル8 ルミネックス蛍光免疫測定キット(Inova Diagnostics, San Diego, CA)をUCSFのSLE症例からの血清試料中のSSA60、SSA52、SSB、RNPの力価を測定するために使用した。SSA60又はSSA52の何れかに対する自己抗体に対して陽性の試料がSSAポジティブであると考えられた。一又は複数の抗RBP自己抗体に陽性のSLE症例はRBP−posと分類し、抗RBP自己抗対を欠く症例はRBP−negと分類した。
【0196】
血清試料を希釈し、製造者のプロトコルに従ってルミネックス100ISシステムで実施した。結果は、試料の蛍光強度中央値(MFI)を各抗原に対する標準物質のMFIで割った後、その結果に、製造者のプロトコルによって特定されたその抗原に対する標準物質に割り当てられたLU(ルミネックス単位)数をかけることにより、計算した。使用したカットオフ値は、ネガティブ(陰性)<20LU;ポジティブ(陽性)≧20LUである。2組の血清試料を分析し、不調和な結果は更なる試験をすることによって解消した。SLE症例における抗RBP自己抗体の頻度を表5及び6に示す。
【0197】


【0198】
これらのアッセイからの結果を、診療記録が利用できる場合、それから入手したデータと比較した。ABCONコホートでは、診療記録とINOVA試験との間の一致は、SSAが84%、SSBが91%、RNPが85%、及びSmが85%であった。UCSFコホートでは、診療記録とINOVA結果との間の一致は、SSAが92%、SSBが91%、RNPが91%、Smが90%であった。よって、総括すると、カルテから入手できる情報とこれらの測定された抗RBP自己抗体データには優れた相関があった。ここで使用したルミネックス技術は、過去の方法(Delpech等, Journal of Clin Lab Analysis 7(4):197-202 (1993))よりも抗RBP自己抗体の検出に対して感度が高かったので、ルミネックスの結果を全ての分析に使用した。
【0199】
RNA結合タンパク質に対する自己抗体との確認されたSLEリスク遺伝子座及び確認されたSLEリスク対立遺伝子の関連性
各症例シリーズを、RBP−pos(一又は複数の抗RBP自己抗体に対して陽性のSLE症例)及びRPB−neg(抗RBP自己抗体を欠く症例)サブセットにグループ分けし、16の確認されたSLEリスク対立遺伝子の各々を次のようにして決定した。16の確認されたSLEリスク対立遺伝子の対立遺伝子頻度を、少なくとも一つの抗RNA結合タンパク質自己抗体(SSA、SSB、RNP又はSm)に陽性の487のSLE症例、抗RBP自己抗体に陰性の782のSLE症例、及び7859のコントロール試料に対して計算した。各症例シリーズに対する対立遺伝子頻度を表7に示す。SLEリスク対立遺伝子を、2×2の分割表を使用して、RBP陽性SLE対RBP陰性症例における有意な濃縮について検定した。ノミナルP値に加えて、PLINK(Purcell等, Am J Hum Genet 81(3):559-75 (2007))を使用して、実験的P値を、SLE症例のRBPステータスの百万の無作為の並び替えによって各対立遺伝子に対して計算した(表8)。SSA及び/又はSSB自己抗体に対して陽性の又はRNP及び/又はSm自己抗体に対して陽性の症例に対する対立遺伝子頻度及び関連性統計解析値を計算し、表8に示す。
【0200】





【0201】
我々は、14の対立遺伝子のうち5つがRBP−negSLE症例と比較してRBP−posSLE症例において有意に濃縮されることを観測する確率を評価した。(16の対立遺伝子のうち7が濃縮され、2つのHLA対立遺伝子が抗RBP自己抗体に関連することが過去に報告されていたため、現在の分析から除外した。)その観測されたP値における14の対立遺伝子から5を観測する確率は(ΠP)×(14 choose 5)=7.1×10−14であり、ここで、Pは5の対立遺伝子の各々に対する観測されたP値であり、「14 choose 5」は14の対立遺伝子のうち5の非順序組合せの数である。
【0202】
上で検討されたように、この研究で調べた25の遺伝子座のうち、全部で16が、確認されたSLEリスク対立遺伝子の我々の基準に合致した。その16の遺伝子座の各々に対して、我々は、確認されたSLEリスク対立遺伝子に対して我々の基準に合致した一つの対立遺伝子を同定した。これらを表2に示す。方法の定義によると、全ての16対立遺伝子は個々にSLEリスク遺伝子座又はSLEリスク対立遺伝子どちらかであると過去に同定されていた。しかしながら、遺伝子座の3つに対する過去のレポートでは、幾つかのコホートにわたる関連性の証拠は不整合であるか、又は統計的な有意な全ゲノムレベルには(P≦ 5×10-8)には達していない。その3つの遺伝子座はPTTG1、ATG5、及びUBE2Lである。しかして、我々の結果は、それらが、ここに記載の方法によれば、確認されたSLEリスク遺伝子座であることを示している。
【0203】
抗RBP自己抗体はSLE易発性ファミリー中で凝集し、臨床的に未罹患のファミリーメンバーにおいて低頻度で見出され、このフェノタイプの遺伝的基礎を示唆している(Ramos等, Genes Immun 7(5):417-32 (2006))。HLAクラスII対立遺伝子DR3(DRB1*0301)及びDR2(DRB1*1501)は、症例におけるその濃縮によってSLEリスク対立遺伝子として最初に同定され、ついで全般的なSLEフェノタイプより特定の抗RBP自己抗体により強く関連していることが見出された(Harley等, Curr Opin Immunol 10(6):690-96 (1998)に概説)。従って、我々は、以下に記載されるように、16の確認されたSLEリスク対立遺伝子が3つの症例シリーズにわたって抗RBP自己抗体に優先的に関連していたかどうかを試験した。
【0204】
1269のSLE症例の血清を抗RBP自己抗体について試験した。総括すると、症例の26.1%が抗SSA及び/又は抗SSB自己抗体に対して陽性であり、18.4%が抗RBP及び/又は抗Sm自己抗体に対して陽性であった(表5)。全体で、症例の38.4%が一又は複数の抗RBP自己抗体に対して陽性であった。抗RBP自己抗体の頻度は症例シリーズ3においてより高かった(P=0.0065);しかしながら、3つのシリーズ間の不均一性のブレスロー・デイ検定は、研究した16の対立遺伝子の何れに対しても有意ではなく、1310の症例及び7859のコントロールにおいて有意な集団層別化は観察されなかった(未修正lgc =1.06)。
【0205】
16の確認されたSLEリスク対立遺伝子の頻度を、少なくとも一つの抗RBP自己抗体(SSA、SSB、RNP及びSm)に陽性の487症例、抗RBP自己抗体に陰性の782症例、及び7859のコントロールにおいて比較した。データを表9にまとめる。対立遺伝子の頻度は、7つの遺伝子座においてRBP−pos及びRBP−negサブセットの間で異なっていた:HLA−DR3、P=1.2×10−10;HLA−DR2、P =2.4×10−5;TNFSF4、P=3.3×10−5;IRAK1、P=5.9×10−4;STAT4、P=9.5×10−4;UBE2L3、P=1.2×10−3;及びIRF5、P=1.6×10−3(図1A及び表9)。3症例シリーズの各々において同じような対立遺伝子頻度の傾向がみられたので、我々は症例シリーズを次の分析のために一つの試料に組み合わせた(RBP−pos、N=487;RBP−neg、N=782)。組み合わせたRBP−pos及びRBP−negサブセットにおける関連性のオッズ比を図1Bに示す。興味深いことに、7つの抗RBp関連遺伝子座のうち4つ(HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1及びUBE2L3)は、RBP−negサブセット及びコントロール間の対立遺伝子頻度に有意差を示さなかった。残りの9つの確認されたSLEリスク遺伝子座(BANK1、K1AA1542、BLK、PTTG1、PXK、PTPN22、FCGR2A、ATG5、及びITGAM)では、RBP−pos及びRBP−negサブセット間の対立遺伝子頻度には有意差がなかった(図1A及び図1B及び表9)。我々は、全体的なSLEフェノタイプでの関連性によって最初に同定された16遺伝子座位のうち7つが、SLEのRBP−posサブセットと強い関連性を示し、RBP−negサブセットとは低いレベルの関連性か又は関連性がないと結論付ける。これらの遺伝子座を抗RBP関連SLEリスク遺伝子座と称する。ここで同定されたその抗RBP-関連SLEリスク遺伝子座の各々の対立遺伝子は、抗RBP関連リスク対立遺伝子と称する。
【0206】
次に、我々は、抗RBP関連SLEリスク対立遺伝子の数が血清中の抗RBP自己抗体の存在と相関するかどうかを問うた(図1C)。そのようなリスク対立遺伝子を持たない41の被検体に対して、1被検体のみが抗RBP自己抗体を示した。残りの症例では、抗RBP自己抗体に対する総合的なリスクは、段階的に抗RBP関連SLEリスク対立遺伝子の数と共に増加し(表1C)、抗RBP自己抗体を有するオッズは各々の更なる抗RBP関連SLEリスク対立遺伝子に対して50%増加している(95%CI=36−66%)。観測された分布の確率はP<5.2×10−21である。
【0207】


【0208】
実施例3
臨床及び病態生理学的指標との確認されたSLEリスク遺伝子座及び確認されたSLEリスク対立遺伝子の関連性
臨床的特徴との抗RBP自己抗体の関連性
ACR基準
1269のSLE症例における上述の血清中で測定された抗RBP自己抗体(SSA、SSB、RNP及びSm)の存在を、11のACR臨床基準(Hochberg等, Arthritis Rheum 40(9):1725 (1997))との相関について検査した(表10)。抗RBPsは血液学的免疫学的抗核抗体(ANA)臨床基準(Hochberg等, Arthritis Rheum 40(9):1725 (1997))と有意に関連していた。また、RNPとSmは腎臓関与に関連していた。しかしながら、7つの抗RBP関連SLEリスク遺伝子座を、性とリクルートメントセンターを組み込んだ線形回帰モデルで検定したとき、抗RBP関連SLEリスク遺伝子座の強い関連性はACR臨床基準では観察されなかった。
【0209】
診断時の年齢
7つの抗RBP関連SLEリスク対立遺伝子を、性とリクルートメントセンターを組み込んだ線形回帰モデルで検定した。この検定において、診断時の年齢との抗RBP関連SLEリスク対立遺伝子の関連性が観察された。抗RBP抗体に対する全体のリスクは、上で検討されたように、段階的な形で抗RBP関連SLEリスク対立遺伝子の数と共に増加し、抗RBP自己抗体を有するオッズが、各更なる抗RBP関連SLEリスク対立遺伝子に対して50%(95%CI=36−66%)増加した。6の抗RBP関連SLEリスク対立遺伝子を有する個体は、平均では診断時に32.4歳であり、0の抗RBP関連SLEリスク対立遺伝子を持つ者は平均で37.0歳であった。総括すると、診断時の平均年齢はそれぞれの更なる抗RBP関連SLEリスク対立遺伝子に対して0.72歳減少した(95%CI=0.23−1.21歳,P=0.004)(表11)。これらのデータは、抗RBP自己抗体サブフェノタイプ及び疾患の診断の年齢に対する抗RBP関連SLEリスク遺伝子座(又は対立遺伝子)の投薬効果を示唆している。

【0210】
ある例では、I型インターフェロン(IFN)経路が疾患の病因に関連していた。従って、我々は、抗RBP関連SLEリスク対立遺伝子が血液中のI型IFN調節遺伝子発現のレベルと相関しているかどうかを決定するために症例のサブセットを調べた。274のABCoN SLE症例と23の健常コントロールに対する遺伝子発現を、全血(PAXgene)RNAにおいて、IlluminaヒトWG−6v2ビーズチップを使用して測定した。生の発現データを分位正規化を使用してBeadStudio(Illumina)で正規化した。82のIFN調節遺伝子からなるインターフェロン(IFN)サインが過去にAffymetrixデータセット(81のSLE及び42の健常なコントロール)において同定されている(Baechler等, Proc Natl Acad Sci U S A 100(5):2610-15 (2003))。これらの82の遺伝子のうち、73の遺伝子をIlluminaビーズチップで測定した。これらの73の遺伝子に対する発現データを、各遺伝子が1.0の最大値を有するように正規化した。これらの73の遺伝子の正規化された値を合計して、各患者に対するIFN遺伝子発現スコアを得た。我々は各症例における抗RBP関連SLEリスク遺伝子の数によってSLE症例をグループ分けした。ついで、各群に対して平均IFN遺伝子発現スコアを計算した。抗RBP関連SLEリスク遺伝子の数を変動させたSLE症例間のIFN遺伝子発現スコアの差の有意性を、2テイルP値分布及び不等試料分散を使用するスチューデントT検定によって決定した。
【0211】
図2に示されるように、SLE症例は、コントロールと比較して高レベルのIFN誘導性遺伝子発現を有しており、これは過去に開示された結果と一致している(Baechler等, Proc Natl Acad Sci USA 100(5):2610-15(2003);Kirou等, Arthritis Rheum 50(12):3958-67 (2004))。図2はまた2、3又は4の抗RBP関連SLEリスク遺伝子を有する個体が、0又は1の抗RBP関連SLEリスク遺伝子を有する個体よりも平均で有意に高いIFN遺伝子発現スコアを示したことを示している。5つ以上のリスク対立遺伝子の症例では、更に高い平均IFN遺伝子発現スコアを示した(図2)。IFN遺伝子発現スコアはまた抗RBP自己抗体の存在と強く関係していた(Niewold等, Genes Immun 8(6):492-502 (2007))。我々は、抗RBP自己抗体リスク対立遺伝子が、血液中のIFN調節遺伝子発現によって測定してI型IFN経路の活性化と用量依存的な形で有意に関連していると結論づける。
【0212】
実施例4
RNA結合タンパク質に対する自己抗体に対して陽性のSLE症例と関連した変異体に対する全ゲノム関連性スキャン
試料及び方法
RNA結合タンパク質SSA、SSB、RNP及びSmに対する自己抗体を、(i)全ゲノム相関スキャンで使用された1269のSLE症例(上記の実施例2を参照);(ii)合衆国(US)からの342の独立したSLE症例(Gateva等, Nature Genetics, manuscript accepted for publication, 2009を参照);及び(iii)スウェーデン(SWE)で集められた748のSLE症例 (Gateva等, Nature Genetics, manuscript accepted for publication, 2009を参照)の血清中において実施例2において上述されたようにして測定した。全ゲノム相関スキャンからの1269のSLE症例に対する遺伝子型のデータを、487のRBP陽性(RBP+)SLE症例の対立遺伝子頻度(上の実施例2を参照)を782のRBP陰性(RBP−)症例の頻度と比較することによって調べた。RBP−症例と比較したRBP+に対してP<0.001の変異体を米国及びスウェーデンからの複製データセット中に組み入れた。複製データセット中の遺伝子型を、通例のIllumina 12Kビーズアレイ(Gateva等, Nature Genetics, manuscript accepted for publication, 2009を参照)を使用して測定した。変異体の頻度を、米国及びスウェーデンからの複製データセットのRBP+及びRBP−症例において、RBP+試料を症例として、またRBP−試料をコントロールとして標識することにより、測定した。症例対照研究を、PLINK(Purcell等, Am J Hum Genet 81(3):559-75 (2007))を使用して実施し、関連性に対する自由度一の対立遺伝子検定を実施した。3つのデータセットを組み合わせるメタ解析を、フリーに入手できるMETALソフトウェア パッケージ(www(dot)sph(dot)umich(dot)edu(slash)csg(slash)abecasis(slash)MetalのURLから入手可能)を使用して実施した。19の変異体が、複製試料中において有意なP値(P<0.05)を有していることが同定された。これらを表12に示す。
【0213】
考察
ヒトSLEにおける新しいことは、疾患の病因におけるI型インターフェロン(IFN)経路の重要な役割である。I型IFNは、SLE症例の血清中に存在し、マクロファージが樹状細胞に分化するのを誘導しうる(Blanco等, Science 294(5546):1540-43 (2001))。IFNの産生は、Ab及び核酸を含む免疫複合体に関連している(Ronnblom等, Arthritis Rheum 54(2):408-20 (2006)に概説)。SLE症例の大部分は血球細胞中に顕著なI型IFN遺伝子発現「サイン(signature)」を示し(Baechler等, Proc Natl Acad Sci USA 100(5):2610-15 (2003))、血清中に高レベルのIFN誘導性サイトカイン及びケモカインを有している(Bauer等, PLoS medicine 3(12):e491 (2006))。天然のDNA及びRNAを含む免疫複合体は、樹状細胞及びB細胞によって発現されるトール様レセプター(TLRs)7及び9を刺激してI型IFNを産生し、これが免疫複合体形成を更に刺激する(Marshak-Rothstein等, Annu Rev Immunol 25:419-41 (2007)に概説)。
【0214】
顕著なことには、この研究において同定された抗RBP関連SLEリスク遺伝子座の全てがTLR7及びTLR9シグナル伝達によって開始される生化学的及び免疫学的事象において既知の役割を有している。IRF5は、TLR7/9の下流のシグナル伝達を媒介する転写因子であり、I型IFN及び他のサイトカインのトランス活性化に重要である(Takaoka等, Nature 434(7030):243-9 (2005))。IRF5リスクハプロタイプは独特なIRF5タンパク質アイソフォームの発現上昇を推進し、TLRsの下流のIFNシグナル伝達を亢進すると仮定されている(Graham等, Proc Natl Acad Sci USA 104(16):6758-63 (2007))。チロシンキナーゼIRAK1はTLR4, 7及び 9の下流のシグナル伝達を媒介し、TLR7/9誘導性IFN−αの産生に必要とされる。クラスII抗原提示HLA−DR対立遺伝子は、マクロファージ、樹状細胞及びB細胞の表面で発現され、TLR7/9シグナル伝達によってアップレギュレートされる。TNFSF4(OX40L)もまたTLR9ライゲーション後にアップレギュレートされ、自己抗体産生を推進するCD4+のTH2 T細胞の強力な同時刺激因子である(Liu等, J Clin Invest 118(3):1165-75 (2008))。TNFSF4に対するSLEリスク対立遺伝子は、B細胞刺激後の延長され亢進されたTNFSF4タンパク質発現に関連している(Cunninghame Graham等, Nature Genet 40(1):83-89 (2008))。STAT4はT1ヘルパーT細胞分化に所定の役割を有しており、またヒトT細胞及びナチュラルキラー細胞におけるI型IFNレセプターシグナル伝達を媒介する(Miyagi等, J Exp Med 204(10):2383-96 (2007))。UBE2L3(UbcH7とも呼ばれる)は、E2ユビキチン結合酵素(Moynihan等, Mamm Genome;7(7):520-5 (1996))であり、特にIRF5を活性化しTLRライゲーション後にI型IFの誘導に必要とされるタンパク質であるTRAF6のような多くの標的を持つ(Takaoka等, Nature 434(7030):243-9 (2005))。SSA/Ro自体は、UBE2L3によってユビキチン化されるIFN誘導性E3ユビキチンリガーゼである(Espinosa等, J Immunol 176(10):6277-85 (2006))。よって、ここで同定された様々な抗RBP関連対立遺伝子は全てTLR7/9シグナル伝達及び下流の免疫経路にマッピングされる。
【0215】
総括すると、我々は全体のSLEフェノタイプに関連する16のSLEリスク遺伝子座と16のSLEリスク対立遺伝子を確認した。重要なことは、我々はそのSLEリスク遺伝子座及びSLEリスク対立遺伝子の7つがSLEの 抗RBP自己抗体フェノタイプに寄与することを更に決定したことで、抗RBP関連SLEリスク遺伝子座及び抗RBP関連SLEリスク対立遺伝子と称される。これらの抗RBP関連SLEリスク遺伝子座の既知の機能はI型IFNの誘導と抗RBP自己抗体の産生に寄与する離散した遺伝的経路を示唆している。我々の結果は、ここに記載された抗RBP関連SLEリスク遺伝子座と抗RBP関連SLEリスク対立遺伝子を含む抗RBP関連遺伝子マーカーが、患者における疾患の存在を客観的に同定し及び/又は該疾患を分離し、抗RBP自己抗体サブフェノタイプを有する患者を含むループス患者の亜集団を同定し、並びにループスの病態生理学的側面、臨床活動、治療への応答性、及び/又は予後を明らかにするのに最終的には有用である場合があることを示している。
【0216】
文献
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【0217】





【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体におけるループスを同定する方法において、表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで各遺伝子座におけるバリエーションが表2に記載された遺伝子座の各々に対して一塩基多型(SNP)の位置に対応したヌクレオチド位置で起こっており、被検体はループスが疑われている方法。
【請求項2】
バリエーションが少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも7遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は少なくとも12遺伝子座において検出される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
バリエーションが16遺伝子座において検出される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
各遺伝子座におけるバリエーションが遺伝的変異である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
各バリエーションが表2に記載されたSNPを含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
検出が、プライマー伸長法;対立遺伝子特異的プライマー伸長法;対立遺伝子特異的ヌクレオチド取り込みアッセイ;対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイ;5’ヌクレアーゼアッセイ;分子ビーコン使用アッセイ;及びオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイから選択されるプロセスを実施することを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ループス治療剤へのループスの被検体の応答性を予測するための方法において、表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々におけるバリエーションを被検体が含むかどうかを判定することを含み、ここで各遺伝子座におけるバリエーションが表2に記載された遺伝子座の各々に対して一塩基多型(SNP)の位置に対応したヌクレオチド位置で起こっており、各遺伝子座におけるバリエーションの存在が治療剤への患者の応答性を示す方法。
【請求項8】
被検体が少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも7遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は少なくとも12遺伝子座におけるバリエーションを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
被検体が16遺伝子座におけるバリエーションを含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
各遺伝子座におけるバリエーションが遺伝的変異である請求項7に記載の方法。
【請求項11】
各バリエーションが表2に記載されたSNPを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
被検体においてループスを診断し又は予後予測する方法において、表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで、
(a)生物学的試料は、表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座を含む核酸を含むことが知られているか、又は含むことが疑われ、各遺伝子座はバリエーションを含み;
(b)各遺伝子座におけるバリエーションが表2に記載されたSNPを含むか、該SNPに対応するヌクレオチド位置に位置し;及び
(c)各遺伝子座におけるバリエーションの存在が被検体におけるループスの診断又は予後である方法。
【請求項13】
被検体におけるループスの診断又は予後を助ける方法において、表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで、
(a)生物学的試料は、表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座を含む核酸を含むことが知られているか、又は含むことが疑われ、各遺伝子座はバリエーションを含み;
(b)各遺伝子座におけるバリエーションが表2に記載されたSNPを含むか、該SNPに対応するヌクレオチド位置に位置し;及び
(c)各遺伝子座におけるバリエーションの存在が被検体におけるループスの診断又は予後である方法。
【請求項14】
バリエーションが少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも7遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は少なくとも12遺伝子座において検出される請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
バリエーションが16遺伝子座において検出される請求項14に記載の方法。
【請求項16】
遺伝的変異が表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々における表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応したヌクレオチド位置に存在することが知られている被検体において、ループス症状を治療する方法であって、該症状を治療するのに効果的な治療剤を被検体に投与することを含む方法。
【請求項17】
ループス症状がある被検体を治療する方法において、表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々における表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応したヌクレオチド位置に遺伝的変異がある被検体の症状の治療に有効な治療剤を被検体に投与することを含む方法。
【請求項18】
ループス症状がある被検体を治療する方法において、治療剤が、表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置にそれぞれ遺伝的変異がある少なくとも5人のヒト被検体に投与された少なくとも一つの臨床試験において前記症状を治療するのに効果的であることが示された治療剤を被検体に投与することを含む方法。
【請求項19】
3つのSLEリスク遺伝子座がPTTG1、ATG5及びUBE2L3である請求項1、7、12、13、16、17又は18の何れか一項に記載の方法。
【請求項20】
被検体においてループスのサブフェノタイプを同定する方法において、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される、少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで各遺伝子座におけるバリエーションが表2に記載された遺伝子座の各々に対して一塩基多型(SNP)の位置に対応したヌクレオチド位置で起こっており、被検体はループスであると疑われ、かつループスのサブフェノタイプであることが疑われる方法。
【請求項21】
バリエーションが少なくとも4遺伝子座又は少なくとも5遺伝子座において検出される請求項20に記載の方法。
【請求項22】
バリエーションが7遺伝子座において検出される請求項20に記載の方法。
【請求項23】
各遺伝子座におけるバリエーションが遺伝的変異である請求項20に記載の方法。
【請求項24】
各バリエーションが表2に記載されたSNPを含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
検出が、プライマー伸長法;対立遺伝子特異的プライマー伸長法;対立遺伝子特異的ヌクレオチド取り込みアッセイ;対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイ;5’ヌクレアーゼアッセイ;分子ビーコン使用アッセイ;及びオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイから選択されるプロセスを実施することを含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ループスのサブフェノタイプが、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在によって少なくとも部分的に特徴づけられる請求項20に記載の方法。
【請求項27】
RNA結合タンパク質がSSA、SSB、RNP及びSmから選択される請求項26に記載の方法。
【請求項28】
生物学的試料が血清である請求項26に記載の方法。
【請求項29】
ループスのサブフェノタイプが、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のコントロール被検体と比較して、より高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって少なくとも部分的に特徴づけられる請求項20に記載の方法。
【請求項30】
ループスのサブフェノタイプが、一又は複数のコントロール被検体と比較して、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在と、被検体から得た生物学的試料中におけるより高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって少なくとも部分的に特徴づけられる請求項20に記載の方法。
【請求項31】
同定されたループスのサブフェノタイプがある被検体のループス治療剤への応答性を予想する方法において、被検体がHLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々においてバリエーションを含むかどうかを決定することを含み、ここで各遺伝子座におけるバリエーションが表2に記載された遺伝子座の各々に対して一塩基多型(SNP)の位置に対応したヌクレオチド位置で起こっており、各遺伝子座におけるバリエーションの存在が治療剤に対する被検体の応答性を示している方法。
【請求項32】
被検体が少なくとも4遺伝子座又は少なくとも5遺伝子座にバリエーションを含む請求項30に記載の方法。
【請求項33】
被検体が7遺伝子座にバリエーションを含む請求項30に記載の方法。
【請求項34】
各遺伝子座のバリエーションが遺伝的変異である請求項30に記載の方法。
【請求項35】
各バリエーションが表2に記載されたSNPを含む請求項33に記載の方法。
【請求項36】
被検体においてループスのサブフェノタイプを診断し又は予後予測する方法において、少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料中において検出することを含み、ここで、
(a)生物学的試料はHLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される、少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座を含む核酸を含むことが知られているか、又は含むことが疑われ、各遺伝子座はバリエーションを含み;
(b)各遺伝子座におけるバリエーションが表2に記載されたSNPを含むか、該SNPに対応するヌクレオチド位置に位置し;及び
(c)各遺伝子座におけるバリエーションの存在が被検体におけるループスの診断又は予後である方法。
【請求項37】
被検体におけるループスの診断又は予後予測を助ける方法において、少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料中において検出することを含み、ここで、
(a)生物学的試料はHLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される、少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座を含む核酸を含むことが知られているか、又は含むことが疑われ、各遺伝子座はバリエーションを含み;
(b)各遺伝子座におけるバリエーションが表2に記載されたSNPを含むか、該SNPに対応するヌクレオチド位置に位置し;及び
(c)各遺伝子座におけるバリエーションの存在が被検体におけるループスの診断又は予後である方法。
【請求項38】
ループスのサブフェノタイプが、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在によって少なくとも部分的に特徴づけられる請求項36又は37に記載の方法。
【請求項39】
RNA結合タンパク質がSSA、SSB、RNP及びSmから選択される請求項38に記載の方法
【請求項40】
生物学的試料が血清である請求項38に記載の方法。
【請求項41】
ループスのサブフェノタイプが、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のコントロール被検体と比較して、より高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって少なくとも部分的に特徴づけられる請求36又は37に記載の方法。
【請求項42】
ループスのサブフェノタイプが、一又は複数のコントロール被検体と比較して、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在と、被検体から得た生物学的試料中におけるより高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって少なくとも部分的に特徴づけられる請求36又は37に記載の方法。
【請求項43】
遺伝的変異が、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応したヌクレオチド位置に存在することが知られている被検体において、ループス症状を治療する方法であって、該ループス病状が一又は複数のコントロール被検体と比較して、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在、及び/又は被検体から得た生物学的試料中におけるより高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって少なくとも部分的に特徴づけられ、該症状を治療するのに効果的な治療剤を被検体に投与することを含む方法。
【請求項44】
ループス症状がある被検体を治療する方法において、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置に遺伝的変異がある被検体における症状の治療に有効な治療剤を被検体に投与することを含み、ここで、ループス病状が一又は複数のコントロール被検体と比較して、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在、及び/又は被検体から得た生物学的試料中におけるより高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって少なくとも部分的に特徴づけられる方法。
【請求項45】
ループス症状がある被検体を治療する方法において、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置にそれぞれ遺伝的変異がある少なくとも5人のヒト被検体に薬剤が投与された少なくとも一の臨床試験において前記症状を治療するのに効果的であることが示されている治療剤を被検体に投与することを含み、ここで、ループス病状が一又は複数のコントロール被検体と比較して、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在、及び/又は被検体から得た生物学的試料中におけるより高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって少なくとも部分的に特徴づけられる方法。
【請求項46】
患者亜集団においてループスを治療するのに効果的な治療剤を同定する方法において、患者亜集団におけるHLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の存在と薬剤の効能を相関させることを含み、それによって該患者亜集団においてループスを治療するのに有効な薬剤を同定をする方法。
【請求項47】
薬剤の効能が、少なくとも4遺伝子座又は少なくとも5遺伝子座、又は7遺伝子座における表2に記載されたSNPに対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の存在と相関させられる請求項46に記載の方法。
【請求項48】
特定のループス患者亜集団のループス被検体を治療する方法において、亜集団が、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異との関連性によって少なくとも部分的には特徴づけられ、該亜集団への治療剤として承認されている治療剤の有効量を被検体に投与することを含む方法。
【請求項49】
亜集団が、一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在によって少なくとも部分的に特徴づけられ、自己抗体が生物学的試料中において検出可能である請求項48に記載の方法。
【請求項50】
RNA結合タンパクがSSA、SSB、RNP及びSmから選択される請求項49に記載の方法。
【請求項51】
亜集団が、一又は複数のコントロール被検体と比較して高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子の発現によって少なくとも部分的に特徴づけられ、インターフェロン誘導性遺伝子の発現が生物学的試料中において検出可能で、定量可能である請求項48に記載の方法。
【請求項52】
亜集団が女性である請求項48に記載の方法。
【請求項53】
亜集団がヨーロッパ祖先のものである請求項48に記載の方法。
【請求項54】
ループス治療剤を製造し、ループスであるか又はループスであると思われ、表2に記載された少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応する位置に遺伝的変異を有する被検体に薬剤を投与するための指示書と共に薬剤を包装することを含む方法。
【請求項55】
ループス患者亜集団において使用される治療剤を特定する方法において、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異によって少なくとも部分的に特徴づけられる患者亜集団に治療剤を投与するための指示書を提供する方法。
【請求項56】
ループス患者亜集団において使用される治療剤をマーケティングする方法において、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の、そのような亜集団の患者における存在によって少なくとも部分的に特徴づけられるとして、患者亜集団を治療するための治療剤の使用について標的の聴衆へ告知することを含む方法。
【請求項57】
遺伝的変異が、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々において表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応したヌクレオチド位置に存在することが知られている被検体においてI型インターフェロン経路を通じてシグナル伝達を調節する方法であって、一又は複数のインターフェロン誘導性遺伝子の遺伝子発現を調節するのに効果的な治療剤を被検体に投与することを含む方法。
【請求項58】
ループス治療剤での治療のためにループスに罹患している患者を選択する方法において、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される少なくとも3つのSLEリスク遺伝子座の各々における表2に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の存在を検出することを含む方法。
【請求項59】
バリエーションが少なくとも4遺伝子座又は少なくとも5遺伝子座において検出される請求項58に記載の方法。
【請求項60】
バリエーションが7遺伝子座において検出される請求項58に記載の方法。
【請求項61】
各遺伝子座におけるバリエーションが遺伝的変異である請求項58に記載の方法。
【請求項62】
各バリエーションが表2に記載されたSNPを含む請求項61に記載の方法。
【請求項63】
検出が、プライマー伸長法;対立遺伝子特異的プライマー伸長法;対立遺伝子特異的ヌクレオチド取り込みアッセイ;対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイ;5’ヌクレアーゼアッセイ;分子ビーコン使用アッセイ;及びオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイから選択されるプロセスを実施することを含む請求項62に記載の方法。
【請求項64】
ループスが、一又は複数のコントロール被検体と比較して、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数の治療のためのRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在、及び/又はより高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって少なくとも部分的に特徴づけられるループスのサブフェノタイプである請求項58に記載の方法。
【請求項65】
RNA結合タンパク質がSSA、SSB、RNP及びSmから選択される請求項64に記載の方法。
【請求項66】
被検体にループスを発症するリスクがあるかどうかを評価する方法において、被検体から得た生物学的試料中において、ループスを発症するリスクを示す遺伝的サインの存在を検出することを含み、ここで、該遺伝的サインが少なくとも3つの一塩基多型(SNPs)のセットを含み、各SNPが表2に記載されたSLEリスク遺伝子座で生じている方法。
【請求項67】
遺伝的サインが、少なくとも4つのSNP、又は少なくとも5つのSNP、又は少なくとも7つのSNP、又は少なくとも10のSNP、又は少なくとも12のSNPのセットを含む請求項66に記載の方法。
【請求項68】
遺伝的サインが16SNPのセットを含む請求項66に記載の方法。
【請求項69】
SLEリスク遺伝子座が、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される請求項66に記載の方法。
【請求項70】
SLEリスク遺伝子座がPTTG1、ATG5及びUBE2L3である請求項66に記載の方法。
【請求項71】
被検体においてループスを診断する方法において、上記被検体から得られた生物学的試料においてループスを示す遺伝的サインの存在を検出することを含み、ここで、該遺伝的サインが少なくとも3つの一塩基多型(SNPs)のセットを含み、各SNPが表2に記載されたSLEリスク遺伝子座で生じている方法
【請求項72】
遺伝的サインが、少なくとも4つのSNP、又は少なくとも5つのSNP、又は少なくとも7つのSNP、又は少なくとも10のSNP、又は少なくとも12のSNPのセットを含む請求項71に記載の方法。
【請求項73】
遺伝的サインが16SNPのセットを含む請求項71に記載の方法。
【請求項74】
SLEリスク遺伝子座が、HLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される請求項71に記載の方法。
【請求項75】
SLEリスク遺伝子座がPTTG1、ATG5及びUBE2L3である請求項71に記載の方法。
【請求項76】
被検体に一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在によって特徴づけられるループスを発症するリスクがあるかどうかを評価する方法において、被検体から得た生物学的試料中において、ループスを発症するリスクを示す遺伝的サインの存在を検出することを含み、ここで、該遺伝的サインが少なくとも3つの一塩基多型(SNPs)のセットを含み、各SNPが表2に記載されたSLEリスク遺伝子座で生じており、各SLEリスク遺伝子座がHLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される方法。
【請求項77】
RNA結合タンパク質がSSA、SSB、RNP及びSmから選択される請求項76に記載の方法。
【請求項78】
被検体にコントロール被検体と比較して高レベルのインターフェロン誘導性遺伝子発現によって特徴づけられるループスを発症するリスクがあるかどうかを評価する方法において、被検体から得た生物学的試料中において、リスクを示す遺伝的サインの存在を検出することを含み、ここで、該遺伝的サインが少なくとも3つの一塩基多型(SNPs)のセットを含み、各SNPがSLEリスク遺伝子座で生じており、各SLEリスク遺伝子座がHLA−DR3、HLA−DR2、TNFSF4、IRAK1、STAT4、UBE2L3及びIRF5から選択される方法。
【請求項79】
被検体においてループスを同定する方法において、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで、各遺伝子座におけるバリエーションが、表12に記載された少なくとも一つの遺伝子座に対する一塩基多型(SNP)の位置に対応するヌクレオチド位置において起こっており、被検体がループスに罹患していることが疑われる方法。
【請求項80】
バリエーションが少なくとも2遺伝子座、又は少なくとも3遺伝子座、又は少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は19遺伝子座において検出される請求項79に記載の方法。
【請求項81】
少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションが遺伝的変異である請求項79に記載の方法。
【請求項82】
バリエーションが表12に記載されたSNPを含む請求項81に記載の方法。
【請求項83】
検出が、プライマー伸長法;対立遺伝子特異的プライマー伸長法;対立遺伝子特異的ヌクレオチド取り込みアッセイ;対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイ;5’ヌクレアーゼアッセイ;分子ビーコン使用アッセイ;及びオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイから選択されるプロセスを実施することを含む請求項82に記載の方法。
【請求項84】
ループス治療剤へのループスの被検体の応答性を予測する方法において、被検体が表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座におけるバリエーションを含むかどうかを決定することを含み、ここで、少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションが表12に記載された少なくとも一つの遺伝子座に対する一塩基多型(SNP)の位置に対応するヌクレオチド位置において起こっており、各遺伝子座におけるバリエーションの存在が治療剤への被検体の応答性を示す方法。
【請求項85】
バリエーションが少なくとも2遺伝子座、又は少なくとも3遺伝子座、又は少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は19遺伝子座において検出される請求項84に記載の方法。
【請求項86】
少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションが遺伝的変異である請求項84に記載の方法。
【請求項87】
少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションが表12に記載されたSNPを含む請求項86に記載の方法。
【請求項88】
被検体においてループスを診断し又は予後予測する方法において、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで、
(d)生物学的試料は、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座を含む核酸を含むことが知られているか、又は含むことが疑われ、各遺伝子座はバリエーションを含み;
(e)各遺伝子座におけるバリエーションが表12に記載されたSNPを含むか、該SNPに対応するヌクレオチド位置に位置し;及び
(f)少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションの存在が被検体におけるループスの診断又は予後である方法。
【請求項89】
被検体におけるループスの診断又は予後を助ける方法において、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで、
(d)生物学的試料は、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座を含む核酸を含むことが知られているか、又は含むことが疑われ、各遺伝子座はバリエーションを含み;
(e)各遺伝子座におけるバリエーションが表12に記載されたSNPを含むか、該SNPに対応するヌクレオチド位置に位置し;及び
(f)少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションの存在が被検体におけるループスの診断又は予後である方法。
【請求項90】
バリエーションが、少なくとも2遺伝子座、又は少なくとも3遺伝子座、又は少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は19遺伝子座において検出される請求項88又は89に記載の方法。
【請求項91】
遺伝的変異が表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置に存在することが知られている被検体においてループス症状を治療する方法であって、症状の治療に有効な治療剤を被検体に投与することを含む方法。
【請求項92】
ループス症状がある被検体を治療する方法において、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置に遺伝的変異を有する被検体における症状を治療するのに有効な治療剤を被検体に投与することを含む方法。
【請求項93】
ループス症状がある被検体を治療する方法において、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置に遺伝的変異をそれぞれが有する少なくとも5人の被検体に薬剤が投与された少なくとも一つの臨床試験において上記症状を治療するのに効果的であることが示された治療剤を被検体に投与することを含む方法。
【請求項94】
被検体におけるループスのサブフェノタイプを同定する方法において、表12に提供された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで、少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションが、表12に記載された少なくとも一つの遺伝子座に対して一塩基多型(SNP)の位置に対応したヌクレオチド位置で起こり、被検体がループスに罹患していることが疑われ、ループスのサブフェノタイプを有していることが疑われる方法。
【請求項95】
バリエーションが、少なくとも2遺伝子座、又は少なくとも3遺伝子座、又は少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は19遺伝子座において検出される請求項94に記載の方法。
【請求項96】
少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションが遺伝的変異である請求項94に記載の方法。
【請求項97】
少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションが表12に記載されたSNPを含む請求項96に記載の方法。
【請求項98】
検出が、プライマー伸長法;対立遺伝子特異的プライマー伸長法;対立遺伝子特異的ヌクレオチド取り込みアッセイ;対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイ;5’ヌクレアーゼアッセイ;分子ビーコン使用アッセイ;及びオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイから選択されるプロセスを実施することを含む請求項97に記載の方法。
【請求項99】
ループスのサブフェノタイプが、被検体から得た生物学的試料中における一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在によって少なくとも部分的には特徴づけられる請求項94に記載の方法。
【請求項100】
RNA結合タンパク質がSSA、SSB、RNP及びSmから選択される請求項99に記載の方法。
【請求項101】
生物学的試料が血清である請求項99に記載の方法。
【請求項102】
同定されたループスサブフェノタイプを持つ被検体のループス治療剤への応答性を予想する方法において、被検体が、表12に提供された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座においてバリエーションを含むかどうかを決定することを含み、ここで、少なくとも一つの遺伝子座でのバリエーションが、表12に記載された少なくとも一つの遺伝子座に対して一塩基多型(SNP)の位置に対応したヌクレオチド位置で起こり、各遺伝子座におけるバリエーションの存在が治療剤への被検体の応答性を示す方法。
【請求項103】
被検体が、少なくとも2遺伝子座、又は少なくとも3遺伝子座、又は少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は19遺伝子座においてバリエーションを含む請求項102に記載の方法。
【請求項104】
少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションが遺伝的変異である請求項102に記載の方法。
【請求項105】
少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションが表12に記載されたSNPを含む請求項104に記載の方法。
【請求項106】
被検体においてループスのサブフェノタイプを診断し又は予後予測する方法において、少なくとも一つのSLE関連遺伝子座におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで、
(d)生物学的試料は、表12に提供された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座を含む核酸を含むことが知られているか、又は含むことが疑われ、各遺伝子座はバリエーションを含み;
(e)各遺伝子座におけるバリエーションが表12に記載されたSNPを含むか、該SNPに対応するヌクレオチド位置に位置し;及び
(f)少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションの存在が被検体におけるループスの診断又は予後である方法。
【請求項107】
被検体におけるループスの診断又は予後を助ける方法において、少なくとも一つのSLE関連遺伝子座におけるバリエーションの存在を被検体から得た生物学的試料において検出することを含み、ここで、
(d)生物学的試料は、表12に提供された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座を含む核酸を含むことが知られているか、又は含むことが疑われ、各遺伝子座はバリエーションを含み;
(e)各遺伝子座におけるバリエーションが表12に記載されたSNPを含むか、該SNPに対応するヌクレオチド位置に位置し;及び
(f)少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションの存在が被検体におけるループスの診断又は予後である方法。
【請求項108】
ループスのサブフェノタイプが、一又は複数のRNA結合タンパク質に対する被検体から得た生物学的試料中の自己抗体の存在によって少なくとも部分的には特徴づけられる請求項106又は107に記載の方法。
【請求項109】
RNA結合タンパク質がSSA、SSB、RNP及びSmから選択される請求項108に記載の方法。
【請求項110】
生物学的試料が血清である請求項108に記載の方法。
【請求項111】
患者亜集団においてループスを治療するのに効果的な治療剤を同定する方法において、患者亜集団における表12に提供された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の存在と薬剤の効能を相関させることを含み、それによって該患者亜集団においてループスを治療するのに有効な薬剤を同定をする、方法。
【請求項112】
薬剤の効能が、表12に提供された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表2に記載されたSNPに対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の存在と相関させられる請求項111に記載の方法。
【請求項113】
特定のループス患者亜集団のループス被検体を治療する方法において、亜集団が、表12に提供された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド遺伝子座における遺伝的変異との関連性によって少なくとも部分的に特徴づけられ、該亜集団への治療剤として承認されている治療剤の有効量を被検体に投与することを含む方法。
【請求項114】
亜集団が一又は複数のRNA結合タンパク質に対する自己抗体の存在によって少なくとも部分的に特徴付けられ、自己抗体が生物学的試料において検出可能である請求項113に記載の方法。
【請求項115】
RNA結合タンパク質が、SSA、SSB、RNP及びSmから選択される請求項114に記載の方法。
【請求項116】
亜集団が女性である請求項113に記載の方法。
【請求項117】
亜集団がヨーロッパ祖先のものである請求項113に記載の方法。
【請求項118】
ループス治療剤を製造し、ループスであるか又はループスであると思われ、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応する位置に遺伝的変異を有する被検体に薬剤を投与するための指示書と共に薬剤を包装することを含む方法。
【請求項119】
ループス患者亜集団において使用される治療剤を特定する方法において、表12に記載された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の存在によって少なくとも部分的に特徴づけられる患者亜集団に治療剤を投与するための指示書を提供することを含む方法。
【請求項120】
ループス患者亜集団において使用される治療剤をマーケティングする方法において、表12に提供された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座において表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の、そのような亜集団の患者における存在によって少なくとも部分的に特徴づけられるとして、患者亜集団を治療するための治療剤の使用について標的の聴衆へ告知することを含む方法。
【請求項121】
ループス治療剤での治療のためにループスに罹患している患者を選択する方法において、表12に提供された少なくとも一つのSLE関連遺伝子座における表12に記載された一塩基多型(SNP)に対応するヌクレオチド位置における遺伝的変異の存在を検出することを含む方法。
【請求項122】
バリエーションが、少なくとも2遺伝子座、又は少なくとも3遺伝子座、又は少なくとも4遺伝子座、又は少なくとも5遺伝子座、又は少なくとも10遺伝子座、又は19遺伝子座において検出される請求項121に記載の方法。
【請求項123】
少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションが遺伝的変異である請求項121に記載の方法。
【請求項124】
少なくとも一つの遺伝子座におけるバリエーションが表12に記載されたSNPを含む請求項123に記載の方法。
【請求項125】
検出が、プライマー伸長法;対立遺伝子特異的プライマー伸長法;対立遺伝子特異的ヌクレオチド取り込みアッセイ;対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイ;5’ヌクレアーゼアッセイ;分子ビーコン使用アッセイ;及びオリゴヌクレオチドライゲーションアッセイから選択されるプロセスを実施することを含む請求項124に記載の方法。
【請求項126】
ループスが、一又は複数のコントロール被検体と比較して、治療のための一又は複数のRNA結合タンパク質に対する患者から得た生物学的試料中における自己抗体の存在によって少なくとも部分的に特徴付けられるループスのサブフェノタイプである請求項121に記載の方法。
【請求項127】
RNA結合タンパク質がSSA、SSB、RNP及びSmから選択される請求項126に記載の方法。
【請求項128】
少なくとも一つのSLE関連遺伝子座が、GLG1、MAPKAP1、LOC646841、C6orf103、CPM NCKAP1L、ASB7、NUMBL、 NR3C2、HSPA12A、LOC646187、LOC132817、LOC728073、NCOA4、KIAA1486、FDPSL2B、NDRG3、C19orf6及び LOC729826から選択される請求項79、84、88、89、102又は121の何れか一項に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−503985(P2012−503985A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−529281(P2011−529281)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/058478
【国際公開番号】WO2010/036960
【国際公開日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(509012625)ジェネンテック, インコーポレイテッド (357)
【Fターム(参考)】