説明

レベチラセタムの徐放性製剤

1日1回投与でのレベチラセタムの徐放性医薬組成物、およびそれの製造方法に関する。レベチラセタムの徐放性錠剤であって、レベチラセタムおよび水分散速度調節ポリマーを含んだコアを有し、該錠剤コアが水非分散性および/または水分散性ポリマーの組合せを含んだ機能的な被膜で適宜コーティングされている徐放性錠剤に関する。本発明は、患者の血液血漿における薬物濃度のトラフとピークを除去して精神神経に有害な現象の発生を減少させながら、24時間にわたる持続性治療上有効な血漿レベルを提供し、治療が必要な患者に約8〜約16時間レベチラセタムのピーク血液血漿レベルを提供する徐放性錠剤を経口で投与することを特徴とする。該コアは湿式造粒、乾式造粒または直打錠で製造され、適宜錠剤コアがコーティングパン中または流動層システム中コーティングされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1日1回投与でのレベチラセタムの徐放性医薬組成物、およびそれの製造方法に関する。
【0002】
(背景技術)
徐放性または制御放出性医薬組成物を製造するための高い粘度グレードの親水性および疎水性ポリマーの使用は当該技術分野で知られている。徐放性のために、薬物を含んだ錠剤も高い粘度グレードの親水性ポリマーを含む。もし要求されるなら、該錠剤は疎水性ポリマーとコア形成剤でコーティングされる。固形製剤が周囲の媒体と接触するとすぐに、孔が形成され、薬物がこれらの孔を通して放散する。媒体は錠剤コアに入って、ポリマーの水和を生じ、薬物の放出もコントロールする。放出速度のコントロールは活性成分の一定の血液血漿レベルを生じさせ、投与頻度を減少されることで治療に利益をもたらし、それにより投与計画への患者の適応性を改善する。本発明は、ヒト患者への1日1回投与に適したレベチラセタムの徐放性錠剤の医薬組成物を提供する。
【0003】
レベチラセタムは、分子式C14で分子量170.21の化学名(−)−(S)−エチル−(2−オキソ−1−ピロリジン)アセトアミドである。レベチラセタムは白色から灰白色の結晶性の粉末で、104gm/mlの水溶性を有する。それは、クロロホルム(65.3g/100 mL)およびメタノール(53.6g/100 mL)によく溶け、エタノール(16.5g/100 mL)に溶け、アセトニトリル(5.7g/100 mL)に溶けにくく、n−ヘキサンにほとんど溶けない。レベチラセタムは米国特許第4,837,223号、第4,943,639号および第6,107,492号に記載されている。
【0004】
レベチラセタムは、てんかん持ちの成人のてんかん発作の部分的な発作に治療において補助的療法として指示される。レベチラセタムが抗てんかん効果を発揮する正確なメカニズムは知られておらず、阻害性および興奮性の神経伝達に含まれた公知のメカニズムとのいずれかの相互作用から得られることは明らかでない。レベチラセタムは100%の経口のバイオアベイラビリティで素早く吸収される。食物はレベチラセタムの吸収の程度に影響を与えないが、20%までCmaxが減少し、1.5時間までTmaxが遅れる。レベチラセタムの薬物動態は、1日2回反復投与2日後に安定な状態の動態に達して、500−5000mgの用量範囲に渡って直線である。それは血漿タンパク質への結合が10%未満である。レベチラセタムは、0.6L/Kgの分布容積で7±1時間の血漿排泄半減期を有する。全身クリアランスは0.9ml/分/kgで、腎クリアランスは0.6ml/分/kgである。それの排泄はクレアチニンクリアランスに関係する。年齢、性別、人種、日周効果はない。
【0005】
現在、レベチラセタムは通常の速放出錠剤として大人に投与されている。現在の投与計画には1日2回の投与が含まれる。レベチラセタムは速放出剤として入手可能であり、アメリカ合衆国を含む様々な国で、商品名ケプラ(登録商標、UCBファーマ)で販売承認されている。ケプラ(登録商標)は速放出錠剤として250、500および750mgの含量で入手可能である。
【0006】
生物薬剤学の分類システムにおいて、それは極めて溶けやすく(1.04g/ml)、極めて透過しやすく(F>90%)、3つのpH溶媒系で15分における錠剤全量の>85%が放出するので、クラス1に属する。臨床的に、それは比較的低いオーダーの毒性と比較的高い治療指数のため、狭い治療クラスには属さない。
【0007】
速放出レベチラセタム錠剤の1日2回投与は、傾眠、疲労、強調困難および行動異常のような精神神経に有害な現象の発症率はほとんどなく、よく許容されている。これら副作用は薬物血漿レベルに比例しており、したがって、治療効力を改善し、副作用の発症率を減少させ、そして患者の適応を高めるため、徐放性の1日1回投与は本発明で検討されている。
【0008】
WO/01/51033は、レベチラセタムであり得る少なくとも1つの活性物質のコントロールされた放出をさせる経口投与できる固形医薬化合物を提供しており、それらは活性物質と、
不活性なマトリックス、親水性もしくは脂質のマトリックス、不活性で脂質のマトリックスの混合物、および親水性で不活性のマトリックスの混合物の中から選択される少なくとも1つのマトリックス賦形剤(化合物の全重量の比で5〜95重量%);
少なくとも1つの腸溶性ポリマー(化合物の全重量の比で2〜50重量%)および
生理的pHの条件下水相に可溶な少なくとも1つのアルカリ化剤(化合物の全重量の比で少なくとも0.5〜50重量%)
を含む均一な混合物からなっている。
【0009】
WO/03/101428は、活性本体を遅放出する、レベチラセタムであり得る医薬化合物の製造方法を提供している。遅放出を提供する活性物質およびポリマーの混合物は、40℃以上の温度で圧力は15〜40 kN/cm(ローラーの幅)以上でそれに力をかけて、2つのローラーを通して圧縮する。圧縮された混合物は目的の粒子径まで粉末化し、必要なら工程を繰り返す。
【0010】
(発明の目的)
本発明の目的は、レベチラセタムの徐放性医薬組成物を提供することであり、それは経口摂取において、徐放期間、プラトーな効果を有する血液血漿レベルをもたらす。
【0011】
本発明の別の目的は、所定の方法でレベチラセタムを放出する医薬組成物を生成することである。
【0012】
本発明の更に別の目的は、1日1回投与のレベチラセタム徐放性医薬組成物を提供することである。
【0013】
(発明の概要)
本発明は、レベチラセタム、適宜結合剤、親水性の速度調節ポリマーおよび通常の医薬的に許容される賦形剤を含むレベチラセタムの徐放性医薬組成物の製造方法に関する。そのブレンド混合されたものは錠剤に圧縮され、成形された錠剤は疎水性の速度調節ポリマーを含む機能的なコーティング剤でさらにコーティングされる。その機能的被膜には適宜親水性のポリマーまたは水溶性の物質であり得るチャネリング剤が含まれる。その組成物は更にポリマー基質の非機能的な被膜でコーティイングされ得る。構成は所定の方法でレベチラセタムの徐放性を与える方法で選択される。
【0014】
好ましくは、本発明は約30重量%〜約85重量%のレベチラセタム、約1重量%〜約50重量%の親水性ポリマーおよび適宜加えられる約1重量%〜約10重量%の結合剤を含む徐放性製剤に関する。このすべての重さは錠剤コアの重さに対するものである。この錠剤は、約2重量%〜約15重量%の錠剤コアを含む疎水性ポリマーで更に機能的にコーティングされる。該コーティングはコーティング層の全重量の約10重量%〜約60重量%のチャネリング剤を適宜含む。更にコーティングされた錠剤は、組成物の全重量の約1重量%〜3重量%を含む非機能的な被膜が含まれる。
【0015】
より好ましくは、本発明は約50重量%〜約75重量%のレベチラセタム、約0.5%〜約5%のポリビニルピロリドン、約20重量%〜約45重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む徐放性製剤に関する。錠剤上の機能的な被膜は、組成物の全量の約2重量%〜約5重量%が含まれる。該コーティング剤には、機能性ポリマーとして約50重量%〜約80重量%のエチルセルロース、およびチャネリング剤として約15重量%〜約35重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。
【0016】
本発明によれば、該徐放性製剤はマトリックス錠を圧縮し、続いて機能的な被膜でコーティングすることで調製され、該方法は
i.レベチラセタムまたは速度調節ポリマーと乾式または湿式造粒して調製したその顆粒を混合し、
ii.混合した混合物に滑沢剤を加え、適当な形状の錠剤に打錠し、
iii.水難溶性および水溶性ポリマーの水分散物で錠剤をコーティングし、
iv.非機能的ポリマーの水分散物で錠剤をコーティングする
工程が含まれる。
【0017】
(発明の詳細な説明)
本発明の態様において、徐放性錠剤は、活性成分および水溶性の速度調節ポリマー、並びに適宜加えてもよい通常の賦形剤(例えば結合剤)を含む。これらの錠剤は水難溶性ポリマーの組合せでコーティングされる。該コーティング剤には適宜水溶性ポリマーまたはチャネリング剤としての物質が含まれる。機能的なコーティングをされた錠剤は更に、非機能的なコーティングとして水溶性ポリマーでコーティングされる。
【0018】
本発明の態様によれば、結晶形態が直接的な圧縮に好都合であれば、活性成分は結合剤を含めてまたは除いて用いられる。しかしながら、造粒が直接的な圧縮に都合がよくなければ、「乾式造粒」としてまたは「湿式造粒」として行われる造粒が要求される。乾式造粒工程には、結合剤とのもしくは直接的に速度調節する親水性ポリマーとのまたは両方との、薬物の混合、続く打錠機でまたはロール形成機を用いてスラッグ形成が含まれる。湿式造粒の工程には、水系または非水系造粒が含まれる。湿式造粒工程には、活性成分と、「希釈剤」または「希釈剤」および速度調節する親水性ポリマーとの混合物との混合、およびブレンドされた混合物と結合剤の塊との造粒、湿った塊の形成、続く乾燥、整径が含まれる。該結合剤は乾燥したブレンド混合物と適宜混合し、水系または非水系溶媒で造粒してもよい。非水系造粒用溶媒は、エタノール、イソプロピルアルコールおよびジクロロメタンから選択される。
【0019】
本発明によれば、医薬組成物は活性成分としてレベチラセタムを含む。レベチラセタムは、徐放性組成物の重さの約40%〜約80%、より好ましくは約50%〜約75%の量で存在しうる。
【0020】
本発明の好ましい態様において、レベチラセタムは結合剤溶液との水系造粒を用いて造粒される。用いられる結合剤は圧縮性、流動特性および強さ/硬さを与えるのに本質的に重要である。該結合剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(低粘度グレード)、メチルセルロース、デンプン、アルファ化デンプン、加工トウモロコシデンプン、ポリアクリルアミド、ポリ−N−ビニルアミド、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレングリコール、トラガント、アルギン酸、それらの組合せおよび当業者に公知の他の物質から選択されうる。該結合剤は、徐放性組成物の重さの約0.01%〜約10%、好ましくは約0.5%〜約5%の量で存在しうる。
【0021】
本発明の態様によれば、活性な顆粒剤は、マトリックスシステムの一部として高い粘度グレードの親水性の速度調節ポリマーと混合される。高い粘度グレードは2重量%溶液中15cpsより大きい粘度を提供するものである。マトリックスシステム中の親水性の速度調節ポリマーには、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ナトリウムアルギン酸塩、カルボマー(カルボポール(カルボポール、登録商標))、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(高粘度グレード)が含まれる。該マトリックス形成ポリマーは、コーティングされた徐放性組成物の重量の約1%〜約50%、好ましくは約20%〜約40%を含む。
【0022】
上記の成分に加えて、ここで述べられている徐放性錠剤にはまた、滑沢剤、抗接着剤および流動促進剤も含まれる。抗接着剤には、これらに限らないが例示すると、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸カルシウム、ベヘン酸グリセリル、ポリエチレングリコール、硬化植物油、鉱油、ステアリン酸および当業者に公知の他の物質が含まれる。流動促進剤には、トウモロコシデンプン、タルク、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムコロイド状の二酸化ケイ素、シリコンヒドロゲルおよび当業者に公知の他の物質が含まれる。滑沢剤には、これらに限らないが例示すると、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、パルミトステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、鉱油、ステアリン酸、およびステアリン酸亜鉛および当業者に公知の他の物質が含まれる。該流動促進剤、滑沢剤および抗接着剤は個々に、コーティングされた錠剤の約0.01重量%〜約5重量%の範囲で存在する。好ましくは該流動促進剤、抗接着剤および滑沢剤は、単独または組み合わせて、コーティングされた錠剤の約0.5重量%〜約4重量%の範囲で存在する。
【0023】
形成された徐放性錠剤は疎水性の速度調節ポリマー性コーティング剤でコーティングされ、該速度調節ポリマー性コーティング剤は、疎水性のポリマー、疎水性または親水性の可塑剤および/または親水性の孔形成ポリマー(チャネリング剤)で構成される。疎水性のフィルム形成ポリマーは、エチルセルロースのようなセルロースエーテル、酢酸セルロース、ポリ酢酸ビニル、メタクリル酸エステル中性ポリマー、ポリビニルアルコール−無水マレイン酸コポリマーなどからなる群から選択される。ちょうど市販品として入手可能なフィルム形成体の分散剤、すなわち、ユードラギット(Eudragit)L−30D、ユードラギット(Eudragit)NE 30D、アクアコート(Aquacoat)ECD−30、シュアリース(Surelease)E−7、ユードラギット(Eudragit)RS 30D、ユードラギット(Eudragit)RL 30Dなどを、速度調節コーティング剤の提供の目的に用いてもよい。速度調節コーティング剤中の親水性の孔形成ポリマーは、コポリビドン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(低粘度グレード)から選択されるとされる。現態様において、該水難溶性ポリマーは、徐放性組成物の機能的なコーティング層の重さの40%〜約90%、好ましくは約50%〜約80%の量で存在する。該水溶性孔形成ポリマーは、コーティング層の重さの約10%〜約60%、好ましくは約15%〜約35%の量で存在する。更に、コーティング分散剤は、打錠された錠剤のコーティングに用いられるポリマーの特性および性質を修正するための可塑剤も含み得る。本発明で有用な可塑剤には、これらに限らないが例示すると、低分子量ポリマー、オリゴマー、コポリマー、オイル、低有機分子、脂肪族ヒドロキシルを有する低分子量ポリオール、エステル型可塑剤、グリコールエーテル、ポリ(プロピレングリコール)、マルチブロックポリマー、シングルブロックポリマー、低分子量ポリ(エチレングリコール)、クエン酸エステル型可塑剤、トリアセチン、プロピレングリコールおよびグリセリンが含まれる。かかる可塑剤にはまた、エチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、スチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよび他のポリ(エチレングリコール)化合物、モノプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸ソルビトール、乳酸エチル、乳酸ブチル、グリコール酸エチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチルおよびグリコール酸アリルも含まれうる。また、可塑剤の組合せも本製剤において使用されうる。本態様での組成物は好ましくは、コーティングされた錠剤の重量の1.0〜10.0%の疎水性ポリマー;適宜加えられていてもよいコーティングされた錠剤の5重量%までの親水性の孔形成ポリマー;および適宜加えられていてもよいコーティングされた錠剤の2重量%までの可塑剤を含む。
【0024】
本発明によれば、非機能的な被膜でのコーティング剤は、オパドライ(OPADRY)のような分散を形成する用意のある群から選択される。オパドライ(OPADRY)は、親水性の(低粘度グレード)フィルム形成ポリマー、適当な着色料および不透明化剤を含む。該不透明化剤には二酸化チタンおよび当業者に公知の他の物質が含まれる。着色料には、これらに限らないが例示すると、FD&C赤3号、FD&C赤20号、FD&C黄6号、FD&C青2号、D&C緑5号、D&C橙5号、D&C赤8号、カラメル、および酸化第二鉄、赤、他のF.D.&C.染色体および天然着色剤(例えば、ブドウ皮抽出物、赤カブ粉末、βカロチン、ベニノキ、カルミン、ウコン、パプリカ、および他の当業者に公知の物質)が含まれる。
【0025】
医薬製剤分野で用いられる本化合物は一般的に、様々な機能または目的に役立つことは理解されるべきである。したがって、本明細書で指名された化合物が一度だけ述べられたり、または本明細書で1より多くの用語を定義するのに用いられるなら、その目的または機能は指名された目的または機能にだけに限定して解釈されてはいけない。
【0026】
以下の実施例はこれらに徹して考慮されるべきでなく、本発明によって考えられている多くの態様のいくつかだけを単に詳しく説明しているものである。
【0027】
実施例1−2

【0028】
レベチラセタム500mgを40メッシュのs.s.篩に通し、次いでポリビニルピロリドン水溶液で造粒し、造粒した塊を50℃で乾燥した。乾燥した顆粒を20メッシュのs.s.篩に通し、これらの顆粒をヒドロキシプロピルメチルセルロースと混合し、ステアリン酸マグネシウムおよびコロイド状の二酸化ケイ素で滑沢処理し、滑沢処理した顆粒を錠剤に打錠した。
【0029】
表1し示すように、実施例2の錠剤は、打錠した錠剤の2.96重量%の重量の増加になるまで、疎水性の速度調節するエチルセルロースの水分散物で更にコーティングした。機能コーティングに続いて、該錠剤を55℃で1時間ねかせた。
【0030】
実施例3

【0031】
レベチラセタム500mgを40メッシュのs.s.篩に通し、次いでポリビニルピロリドン水溶液で造粒し、造粒した塊を50℃で乾燥した。乾燥した顆粒を20メッシュのs.s.篩に通し、これらの顆粒をヒドロキシプロピルメチルセルロースと混合し、ステアリン酸マグネシウムおよびコロイド状の二酸化ケイ素で滑沢処理し、滑沢処理した顆粒を錠剤に打錠した。打錠した錠剤を、打錠した錠剤の9.60重量%の重量の増加になるまで、エチルセルロースの水分散物とオパドライの混合物でコーティングした。機能コーティングに続いて、該錠剤を55℃で1時間ねかせた。
【0032】
実施例4

【0033】
レベチラセタム500mgを40メッシュのs.s.篩に通し、次いでポリビニルピロリドン水溶液で造粒し、造粒した塊を50℃で乾燥した。乾燥した顆粒を20メッシュのs.s.篩に通し、これらの顆粒をヒドロキシプロピルメチルセルロースと混合し、ステアリン酸マグネシウム、タルクおよびコロイド状の二酸化ケイ素で滑沢処理し、滑沢処理した顆粒を錠剤に打錠した。打錠した錠剤を、打錠した錠剤の2重量%の重量の増加になるまで、オパドライでコーティングした。
【0034】
実施例5−6

【0035】
レベチラセタム500mgを40メッシュのs.s.篩に通し、次いでポリビニルピロリドン水溶液で造粒し、造粒した塊を50℃で乾燥した。乾燥した顆粒を20メッシュのs.s.篩に通し、これらの顆粒をヒドロキシプロピルメチルセルロースと混合し、ステアリン酸マグネシウム、タルクおよびコロイド状の二酸化ケイ素で滑沢処理し、滑沢処理した顆粒を錠剤に打錠した。
【0036】
実施例5および6の錠剤を、表4に示したように、エチルセルロースの水分散物とヒドロキシプロピルメチルセルロース(LV;低粘度)の混合物(75:25の比、固体内容物)でコーティングした。該錠剤を、実施例5および実施例6における打錠した錠剤のそれぞれ2.5重量%および5.0重量%の目標の増加になるまで、コーティングした。機能コーティングに続いて、該錠剤を65℃で1時間ねかせた。
【0037】
コーティングした錠剤を、機能コーティングされた錠剤の2重量%の増加になるまで、オパドライで更にコーティングした。
【0038】
実施例7
実施例1から実施例6の徐放性錠剤を、溶出溶媒としてpH 6.8のリン酸緩衝液(900ml)を用い、40メッシュのバスケット(USP 1型)中37℃100rpmで、レベチラセタムの溶出試験を行った。溶出プロフィールは表5に記録されている。
【0039】

【0040】
実施例8

【0041】
レベチラセタム750mgを40メッシュのs.s.篩に通し、次いでポリビニルピロリドン水溶液で造粒し、造粒した塊を50℃で乾燥した。乾燥した顆粒を20メッシュのs.s.篩に通し、これらの顆粒をヒドロキシプロピルメチルセルロースと混合し、ステアリン酸マグネシウム、コロイド状の二酸化ケイ素およびタルクで滑沢処理し、滑沢処理した顆粒を錠剤に打錠した。
【0042】
該錠剤は、表6に示すように、エチルセルロースの水分散物とヒドロキシプロピルメチルセルロースLVの混合物(75:25の比、固体内容物)でコーティングした。該錠剤を2.0重量%の目標の増加になるまで、コーティングした。機能コーティングに続いて、該錠剤を65℃で1時間ねかせた。コーティングした錠剤を、機能コーティングされた錠剤の2重量%の増加になるまで、オパドライで更にコーティングした。
【0043】
実施例9

【0044】
レベチラセタム750mgとカルボポールを30メッシュのs.s.篩に通し、一緒に混合した。得られた混合物をベヘン酸グリセリル、コロイド状の二酸化ケイ素およびタルクで滑沢処理し、滑沢処理した顆粒を錠剤に打錠した。
【0045】
実施例10

【0046】
レベチラセタム750mgとコリドン(Kollidon)SR(ポリ酢酸ビニル:ポリビニルピロリドン,8:2)を30メッシュのs.s.篩に通し、一緒に混合した。得られた混合物をベヘン酸グリセリル、コロイド状の二酸化ケイ素およびタルクで滑沢処理し、滑沢処理した顆粒を錠剤に打錠した。
【0047】
該錠剤は、表8に示すように、エチルセルロースの水分散物とヒドロキシプロピルメチルセルロース(LV)の混合物(75:25の比、固体内容物)でコーティングした。該錠剤を、素錠の1.90重量%の目標の増加になるまで、コーティングした。機能コーティングに続いて、該錠剤を65℃で1時間ねかせた。機能コーティングした錠剤を、機能コーティングされた錠剤の1.87重量%の増加になるまで、オパドライで更にコーティングした。
【0048】
実施例11

【0049】
レベチラセタム750mgとヒドロキシルプロピルメチルセルロース(HV)を40メッシュのs.s.篩に通し、一緒に混合した。該混合物を、ロール形成機(Chilsonator)を用いて圧縮し、スラッグを形成した。該スラッグを、20メッシュのs.s.篩を用いて、振動式造粒機で大きさを整えた。得られた顆粒剤をステアリン酸マグネシウム、コロイド状の二酸化ケイ素およびタルクで滑沢処理した。滑沢処理した混合物を錠剤に打錠した。
【0050】
該錠剤は、表9に示すように、エチルセルロースの水分散物とヒドロキシプロピルメチルセルロース(LV)の混合物(75:25の比、固体内容物)でコーティングした。該錠剤を、素錠の1.78重量%の目標の増加になるまで、コーティングした。機能コーティングに続いて、該錠剤を65℃で1時間ねかせた。
【0051】
機能コーティングした錠剤を、機能コーティングされた錠剤の1.75重量%の増加になるまで、オパドライで更にコーティングした。
【0052】
実施例12

【0053】
レベチラセタム750mgとヒドロキシルプロピルメチルセルロース(HV)を40メッシュのs.s.篩に通し、一緒に混合した。該混合物を、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロースを用い、非水系の造粒装置を用い、造粒した。造粒した塊を45℃で乾燥した。乾燥した顆粒剤を20メッシュのs.s.篩に通して大きさを整え、得られた顆粒をステアリン酸マグネシウム、タルクおよびコロイド状の二酸化ケイ素で滑沢処理した。滑沢処理した混合物を錠剤に打錠した。
【0054】
該錠剤は、表10に示すように、エチルセルロースの水分散物とヒドロキシプロピルメチルセルロースLVの混合物(75:25の比、固体内容物)でコーティングした。該錠剤を素錠の1.78重量%の目標の増加になるまで、コーティングした。機能コーティングに続いて、該錠剤を65℃で1時間ねかせた。
【0055】
コーティングした錠剤を、機能コーティングされた錠剤の1.75重量%の増加になるまで、オパドライで更にコーティングした。
【0056】
実施例13

【0057】
レベチラセタム750mgを40メッシュのs.s.篩に通し、次いでヒドロキシプロピルセルロース非水溶液で造粒し、造粒した塊を45℃で乾燥した。乾燥した顆粒剤を20メッシュのs.s.篩に通し、これらの顆粒剤をヒドロキシエチルセルロースと混合し、ステアリン酸マグネシウム、コロイド状の二酸化ケイ素およびタルクで滑沢処理した。滑沢処理した顆粒を錠剤に打錠した。
【0058】
該錠剤は、表11に示すように、エチルセルロースの水分散物とヒドロキシプロピルメチルセルロース(LV)の混合物(75:25の比、固体内容物)でコーティングした。該錠剤を、1.78重量%の目標の増加になるまで、コーティングした。機能コーティングに続いて、該錠剤を65℃で1時間ねかせた。
【0059】
機能コーティングした錠剤を、機能コーティングされた錠剤の1.75重量%の増加になるまで、オパドライで更にコーティングした。
【0060】
実施例14
実施例8から実施例13の徐放性錠剤を、溶出溶媒としてpH 6.8のリン酸緩衝液(900ml)を用い、40メッシュのバスケット(USP 1型)中37℃100rpmで、レベチラセタムの溶出試験を行った。溶出プロフィールは表12に記録されている。
【0061】
表12

【0062】
実施例15
実施例8の徐放性錠剤として製剤化したレベチラセタムのバイオアベイラビリティを評価するのに、速放出のレベチラセタム錠剤での参考処置と比較して、インビボでの試験を健常人のボランティアで行った。
【0063】
方法
試験は、非盲検で、2つの処置、2つの期間、摂食条件下の健康な成人男子のヒトの被験者における比較経口バイオアベイラビリティ試験に従った。被験者は、単一のセンターで行われている試験のコースの間、2つの処置の各々を受けた。被験者は1500mgのレベチラセタムの経口製剤が与えられた。IR(速放出)製剤の場合、ケプラ(Keppra、登録商標)錠剤として提供されるが、2つの等しく分けた用量の750mg各々を、朝の開始から12時間の間隔で投与された。実施例8の徐放性製剤の場合、750mgの2つの錠剤を朝一度に投与した。血漿レベチラセタム濃度はHPLC法で定量した。サンプルはすべてのサンプルが定量限界以内であったので、分析前に希釈しなかった。レベチラセタムの薬物動態的パラメータは、ノンコンパートメント法で測定した。パラメータTmax、Cmax、AUC0→t、AUC0→∞は試験の間測定され、表13に記録された。
【0064】
結果
36時間の測定時間にわたる平均血漿レベチラセタム濃度は、図2に示される。
【0065】

【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は、100rpm、37℃で、USP I法を用いてマトリックス状態の薬物の4つの異なる組成物からのレベチラセタムの薬物放出プロフィールを示すプロットである。
【図2】図2は、健常人ボランティアに食餌による投与でのレベチラセタムの比較血漿レベルのプリフィールを示すプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レベチラセタムの徐放性錠剤であって、レベチラセタムおよび水分散速度調節ポリマーを含んだコアを有し、該錠剤コアが水非分散性および/または水分散性ポリマーの組合せを含んだ機能的な被膜で適宜コーティングされている徐放性錠剤。
【請求項2】
レベチラセタムの徐放性錠剤であって、約30重量%〜約85重量%のレベチラセタムおよび約1重量%〜約55重量%の水分散速度調節ポリマーを含むコアを有し、該錠剤コアが、コアの約1重量%〜15重量%の機能的被膜を、水非分散性および/または水分散性ポリマーの組合せを含む該機能的な被膜と共に有する徐放性錠剤。
【請求項3】
患者の血液血漿における薬物濃度のトラフとピークを除去して精神神経に有害な現象の発生を減少させながら、24時間にわたる持続性治療上有効な血漿レベルを提供するレベチラセタムの徐放性製剤であって、治療が必要な患者に約8〜約16時間レベチラセタムのピーク血液血漿レベルを提供する徐放性錠剤を経口で投与することを特徴とする徐放性製剤。
【請求項4】
該錠剤が50重量%〜80重量%のレベチラセタムおよび約20重量%〜約40重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、適宜約1重量%〜約5重量%のポビドンを含む、請求項1の徐放性製剤。
【請求項5】
該錠剤コアが約50重量%〜80重量%のレベチラセタムおよび約20重量%〜約40重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、適宜約1重量%〜約5重量%のポビドンを含み、該コアがエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む機能的被膜でコーティングされた、請求項1の徐放性製剤。
【請求項6】
該コアがフイルムコーティングの約70重量%〜約80重量%のエチルセルロースおよびフイルムコーティングの約20重量%〜約30重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むフイルムコーティングの全製剤重量の約1%〜約12%でコーティングされる、請求項5の徐放性製剤。
【請求項7】
該コアがフイルムコーティングの約70重量%〜約80重量のエチルセルロースおよびフイルムコーティングの約20重量%〜約30重量%の乳糖を含むフイルムコーティングの全製剤重量の約1%〜約12%でコーティングされる、請求項5の徐放性製剤。
【請求項8】
以下の溶出プロフィール(USP装置1(バスケット)、100rpm、精製水中、37℃)を有するレベチラセタムの徐放性製剤。

【請求項9】
該錠剤が約61重量%〜73重量%のレベチラセタムおよび約25重量%〜約35重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、適宜約1.1重量%〜約1.5重量%のポビドンを含む、請求項1の徐放性製剤。
【請求項10】
該錠剤コアが約61重量%〜73重量%のレベチラセタムおよび約25重量%〜約35重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、適宜約1.1重量%〜約1.5重量%のポビドンを含み、該コアがエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む機能的被膜でコーティングされた、請求項1の徐放性製剤。
【請求項11】
該コアがフイルムコーティングの約75重量%のエチルセルロースおよびフイルムコーティングの約25重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むフイルムコーティングの全製剤重量の約1.5重量%〜約4.8重量%でコーティングされる、請求項10の徐放性製剤。
【請求項12】
該機能的フイルムコーティングが全重量の1〜6重量%からなる、請求項1の徐放性製剤。
【請求項13】
該フイルムコーティング組成物が44.0〜51.0%のエトキシ基含量を有するエチルセルロース;並びに2%水溶液で2〜6cpsの粘度を有し、28.0〜30.0%のメトキシ基含量および7.0〜12.0%のヒドロキシプロポキシ基含量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、請求項1の徐放性製剤。
【請求項14】
該コアが湿式造粒、乾式造粒または直打錠で製造され、適宜錠剤コアがコーティングパン中または流動層システム中コーティングされる、請求項1の徐放性製剤。
【請求項15】
以下の溶出プロフィール(USP装置1(バスケット)、100rpm、精製水中、37℃)を有する、請求項1のレベチラセタムの徐放性製剤。

【請求項16】
更に親水性のポリマーでコーティングしてその外観を改善し、該ポリマーが調整された混合体(例えばオパドライ)である、請求項1の徐放性製剤。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2008−528571(P2008−528571A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552811(P2007−552811)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【国際出願番号】PCT/IN2005/000275
【国際公開番号】WO2006/080029
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(506267307)アレムビック・リミテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】ALEMBIC LIMITED
【Fターム(参考)】