説明

レベリング機のローラの間の距離を変更する方法、レベリング機、及び前記方法を実施するための装置

本発明は、定置の支持フレーム(20)と、下側レベリング装置(28)と、上側レベリング装置(30)と、を有し、それぞれのレベリング装置が、複数の分離されたローラ(34,36)を有するカセットを形成しており、前記ローラは、エクステンダ(44,46)によってローラ(34,36)のうちの少なくとも幾つかに結合された、ローラ(34,36)を回転させるための手段(47)のフレームに回転可能に取り付けられており、それぞれのエクステンダ(44,46)は、ローラ(34,36)を駆動するための1つの端部(52,53)を備えた取外し可能な連結部材(48,50)が取り付けられた1つの端部と、締付けによってそれぞれの取外し可能な連結部材(48,50)をロックするための手段(101,102,103)とを有しており、締付けによってロックするための手段(101,102,103)が、取外し可能な連結手段(48,50)を材料(M)の走行方向及びその反対方向に直進移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厚い金属ストリップ又は板をレベリングする分野に関する。本発明は、特に、レベリング機に取り付けられたレベリング装置のローラの間の距離を変更する方法に関する。本発明は、レベリング機、及び前記方法の実施を提供する装置にも関する。
【0002】
厚いストリップは、レベリング機の上流又は下流において外部牽引を適用することなく、減少する振幅の連続した交互の屈曲によってレベリングされる。これらのレベリング機は2つのレベリング装置を有しており、各レベリング装置は、それぞれストリップの上下に配置された平行な軸線を備えた一連のローラを支持しており、これらのローラは、嵌合させられるように長手方向及び鉛直方向にずらされており、これにより、ストリップのための蛇行した経路を決定し、ストリップはこれにより連続した交互の屈曲効果を受ける。これらの交互の屈曲は、ストリップに生ぜしめられる湾曲、つまり、線形変化の法則に従って、中央軸線若しくは"ニュートラルファイバ"におけるゼロ値を通過して、湾曲の上面における牽引の状態から下面における圧縮の状態へ変化する変形に反映される。湾曲の振幅に応じて、このようにして生ぜしめられた応力は、ストリップの厚さのより大きな又はより小さな部分にわたって、ストリップの弾性限界を超える。この可塑化は、"ロングエッジ"、"ロングセンター"等の、引き伸ばすことができない平坦度欠陥の排除における決定的な要素である。ストリップの厚さの可塑化された部分は、通常、"可塑化率"との用語により表される厚さ全体のパーセンテージとして表される。
【0003】
レベリング作業の制御は、それぞれの交互の屈曲において生ぜしめられる曲線の制御に依存するが、この制御は2つの困難に直面する。まず、ストリップの厚さと、下側ローラの間における上側ローラのネスティングと、ローラの分離とに関して曲線をモデリングする。このモデリングをより正確にするために、連続する下側及び上側のローラを単純な幾何学的配列に従って配置することが常に試みられており、つまり、ローラの軸線を、連続する二等辺三角形の頂点に配置している。次に、下側及び上側のローラの間の分離力の影響下でのレベリング機における"ギブ"の程度であり、ギブはローラの絞り力を提供する場合に考慮される。このようなレベリング機は長い間知られており、多くの文献に記載されている。例えば、出願人の特許出願である国際公開第2008/099126号が引用されてよい。
【0004】
一般的に、それぞれの、つまり下側又は上側のレベリング装置は、平行な軸線を備えた複数のローラを有しており、これらのローラは、通常、より小さな直径を有しているので、少なくとも2つの支持ローラによって保持されており、支持ローラ自体は、ホイールの列に載置されており、これらのローラ及びホイールのセットはフレームに組み付けられている。
【0005】
ストリップの走行の水平面の上下にそれぞれ配置されたこれらの2つのレベリング装置は、ストリップの走行の長手方向軸線のそれぞれの側に配置された4つのコラムを有する支持フレームに配置されており、下側部分においては定置のベースによって、上側部分において横方向ビームによってしっかりと保持されており、アセンブリは、閉鎖されたフレームを形成している。
【0006】
下側のレベリング装置は定置のベースに載置されており、上側の装置は、製品の抵抗による分離力を受け取りながら、2つのレベリング装置の分離、ひいてはローラのネスティングを調節するためにフレームの上側部分に載置された機械的又は液圧式のジャッキによって4つのコラムの間を鉛直方向に移動させることができる圧力フレームに載置されている。通常、レベリングローラの内の少なくとも幾つかは、下側及び上側のローラの間の蛇行経路に従う決定された速度における摩擦によってストリップを前進させるために、ローラン軸線を中心にして回転させられる。
【0007】
市場における圧延されたストリップの標準的な型の多様性により、1つの装置が、極めて広い範囲、例えば5mm〜50mm以上の範囲の厚さのストリップを製造及びレベリングしなければならない。3つのレベリングローラの従来の二等辺三角形配列において、ローラの同じピッチ及び同じネスティングの場合に、厚いストリップの曲率半径は、より薄いストリップのものよりも著しく小さく、これにより、著しく大きな可塑化率を生ぜしめる。従って、与えられた可塑化率及びその他の全ての点が等しい場合、ネスティングの必要な精度は、厚いストリップの場合には、必ずしも薄い水トリップの場合よりも高いわけではない。
【0008】
この理由から、ストリップの湾曲を決定するパラメータのうちの少なくとも1つを、ネスティングの調節から独立して可変にする試みが従来なされており、つまり、ローラの分離若しくは"ピッチ"を変更する試みがなされている。
【0009】
つまり、特開昭62−203616号公報には、2つのローラのうちの1つの鉛直方向後退によってレベリング機の上側及び下側のローラのピッチを変更することが記載されている。上側ローラは鉛直方向上方へ後退させられるのに対し、下側ローラは鉛直方向下方へ後退させられる。前記上側及び下側ローラに対して従来の二等辺三角形配列を維持するために、下側レベリング装置は、ストリップの長手方向で水平方向に移動するように作動させられる。
【0010】
特開昭50−57350号には、下側及び上側の装置がストリップの長手方向に可動なレベリング機が開示されている。
【0011】
これらの2つの文献によって記載された解決手段は、レベリングローラの間のピッチを、二倍にさせるが、高温圧延されたストリップのレベリング中に離脱されるカーボン堆積物による摩耗に著しく曝される下側レベリング装置移動機構を犠牲する。
【0012】
米国特許第5127250号明細書は、レベリング機を提案しており、このレベリング機において、全ての下側加工ローラが一方ではストリップの同じ面に接触しかつ他方では下側支持ローラと接触する低い位置と、上昇させられた加工ローラが一方ではストリップの反対側の面に接触しかつ他方では支持ローラとして作用する上側加工ローラと接触する高い位置との間を鉛直方向に移動するのに適したフレームによって、1つおきの下側ローラが支持されている。
【0013】
しかしながら、これらの文献に記載された装置は、より適切な中間値のための可能性なく、与えられたピッチと、二倍のピッチとの間での構成の1つの変化のみを許容し、ローラの直径の変化も可能にしない。
【0014】
欧州特許第0551658号明細書は、ローラがストリップと接触せず、これによりローラのピッチを変化させるように、レベリング装置におけるあるローラを鉛直方向に移動させることを提案している。この文献に開示された方法では、少なくとも一対の連続した上側及び下側のローラを移動させる。
【0015】
これは、幾つかのアクティブローラの間の3つのピッチの空間を、他のアクティブローラの間の1つのピッチの空間と共に又は択一的に、生ぜしめる。厚いストリップの場合、このような配列は、1つのピッチによって分離されたローラの不正確なネスティングという問題を解決せず、他方では、曲線のより正確なモデリングを提供する二等辺三角形配列を支持することを可能にしない。
【0016】
欧州特許第1584384号明細書は、様々な異なる直径を有する異なる数のローラを支持しておりかつ、1つのモータドライブによって1つの数のローラから別の数へ変更するための歯車式分配システムを有する、複数のタイプの上側及び下側レベリング装置を配置することを提案している。この配列は、装置の寸法をかなり著しく増大させるという大きな欠点を有している。この装置は、トランスミッションシャフトと、歯車式分配ボックスを有しており、この歯車式分配ボックスは、前記装置の内部で利用可能な空間の理由から、単に適度なトルクを伝達するようにしか設計することができず、これは、この文献において引用されている小さなストリップ厚さ及び小さなローラ直径によって示されている。
【0017】
本発明は、曲線のより正確なモデリングを許容する二等辺三角形配列を維持しながら全ての範囲の値に亘って連続的にレベリング装置ローラの相対位置を変更する新たな手段及び新たなステージを有するレベリング方法、レベリング機及び装置を提案することによって従来技術における問題を解決することを提案する。従って、レベリングされる材料の特性、特に厚さに関連してレベリングローラ間の分離を最も正確に調節することが可能となる。
【0018】
このために、本発明の第1の目的は、材料のストリップをレベリングするためのレベリング機であって、
固定された支持フレームが設けられており、該支持フレームが、4つのポストを有しており、該ポストは、材料の走行の長手方向軸線のそれぞれの側に配置されており、下側部分においては、固定されたベースによって、上側部分においては、横方向ビームによって、しっかりと保持されており、アセンブリが閉鎖されたフレームを形成しており、
前記固定されたベースに当接した下側のレベリング装置と、4つのポストの間を鉛直方向に移動することができる圧力フレームに当接した上側のレベリング装置とが設けられており、それぞれのレベリング装置は、材料の走行の長手方向軸線に対して垂直な軸線を中心にして回転可能にフレームに取り付けられた複数の分離されたローラを有するカセットを形成しており、
エクステンダによってローラのうちの少なくとも幾つかに結合された、ローラを回転させるための手段が設けられており、それぞれのエクステンダは、回転させられる第1の端部と、ローラを駆動する一方の端部を備えた取外し可能な連結部材に取り付けられた第2の端部とを有しており、前記エクステンダが、2つの高さ、すなわち、下側の装置のローラと連結する下側の高さと、上側の装置のローラに連結する上側の高さと、に配置されており、
レベリング装置を交換する間、所定の高さに締め付けることによってそれぞれの取外し可能な連結部材をロックするための手段が設けられており、
走行の軸線に対して垂直に、フレームの内部の作動位置と、駆動側とは反対側のフレームの一方の側に横方向にずらされた引っ込められた位置との間を移動することによって、カセットの形式の2つのレベリング装置のそれぞれを取り外すための手段が設けられている形式のものにおいて、
締め付けることによってロックするための手段が、取外し可能な連結手段を材料の走行の方向及びその反対方向に直進移動させるための手段を含むことを特徴とする、材料のストリップをレベリングするためのレベリング機である。
【0019】
本発明の他の特徴によれば、
取外し可能な連結手段を移動させるための手段が、取外し可能な連結手段を移動させるために、2つの終端位置の間を直進移動する複数のエレメントを含み、
締め付けることによってロックする手段が、
下側の水平面において、直進移動するエレメントの第1のセットを支持している上側の締付け横材と、
上側の水平面において、直進移動するエレメントの第2のセットを支持している下側の締付け横材と、
上側の水平面において、直進移動するエレメントの第3のセットを、下側の水平面において、直進移動するエレメントを支持している、中間の締付け横材と、を有し、該中間の締付け横材は、下側の締付け横材と上側の締付け横材との間に配置されており、
移動するエレメントがそれぞれ、可動なベアラを含み、該ベアラが、該ベアラを支持する横材の摺動面において摺動するようになっており、各ベアラは、取外し可能な連結部材を締め付けるための少なくとも1つの締付け受け台を支持しており、
移動するそれぞれのエレメントが、該移動するエレメントのベアラと一体のナットを含み、該ナットが、一つのねじによって移動させられる移動するエレメントの同じセットに属しており、ねじは回転する部材によって作動させられ、
前記ねじは、該ねじが案内する各ナットのために、所定の長さのねじ山付き駆動区分を有しており、各ねじ山付き駆動区分は、ねじ及びその点の両側における点から等しい距離に配置された2つの移動するベアラが、ねじが作動させられると、その点に関して対称的により近づくか又はより離れるように、ピッチ及び傾斜を有しており、
前記ねじ山のピッチ及び傾斜は、ねじが一方の方向に回転させられると、等しい相対的な分離を維持しながら一つのセットのベアラが離れ、ねじが他方の方向に回転させられると、一つのセットのベアラが、等しい相対的な分離を維持しながら近づくようになっており、
上側の横材及び下側の横材が、レベリング機のポストのうちの2つに固定された個々の端部支持体を有する2つの定置の鉛直方向軸線によって直進移動を案内され、中間の横材は、他の横材の案内軸線のうちの1つを中心にして、固定された鉛直方向軸線を通る平面において中間の横材が延びる加工位置と、定置の鉛直方向軸線を通る平面の外側において中間の横材が延びる休止位置との間を回転するようになっており、
中間の締付け横材の作動位置において、移動エレメントの第1のセットのそれぞれの移動エレメントが、移動エレメントの第3のセットの移動エレメントに向き合って配置され、移動エレメントの第2のセットのそれぞれの移動するエレメントが、移動エレメントの第4のセットの移動エレメントに向き合って配置され、それぞれのねじの回転する部材は、直接に向き合って配置された移動エレメントが、取外し可能な連結部材を駆動するために同時に同じ距離だけ同じ方向に順に直線移動するようになっており、
それぞれの締付け横材は、該締付け横材が支持している移動エレメントの一部分のための保護ケーシングを形成する中空部分を有しており、
締付け横材のうちの少なくとも2つが、移動エレメントの中央において、前記締付け横材のそれぞれの摺動面に配置された定置の受け台を有しており、それぞれの締付け受け台は、締付け横材が作動位置にある場合に別の定置の締付け受け台と向き合うように配置され、
上側の締付け横材と、下側の締付け横材とは、それぞれの端部において、上側及び下側の横材のための直進ガイドとして働く定置の鉛直方向軸を収容する中空の円筒体を有しており、
下側のレベリング装置が、下側フレームから鉛直方向に延びておりかつ上側部分においてピンによって終わっている少なくとも4つのビームを有しており、上側のレベリング装置が、少なくとも2つのピンプレートを有しており、それぞれのピンプレートに少なくとも1つのボアホールが穿孔されており、レベリング装置の抜き出し、導入及び移送の間に下側のレベリング装置との上側のレベリング装置のドッキングを提供するために下側のレベリング装置のピンが上側のレベリング装置のボアホールに挿入されるようになっている。
【0020】
本発明の別の目的は、レベリング機に取り付けられたレベリング装置のローラ)の間の距離を変更する方法であって、前記レベリング機には、
固定された支持フレームが設けられており、該支持フレームが、4つのポストを有しており、該ポストが、材料の走行の長手方向軸線のそれぞれの側に配置されており、下側部分において、定置のベースによって、上側部分において、横方向ビームによってしっかりと保持されており、アセンブリが閉鎖されたフレームを形成しており、
固定されたベースに当接した下側レベリング装置と、4つのポストの間を鉛直方向に移動することができる圧力フレームに当接した上側レベリング装置とが設けられており、各レベリング装置は、材料の走行の長手方向軸線に対して垂直な軸線を中心にして回転可能にフレームに取り付けられた複数の分離されたローラを有するカセットを形成しており、
エクステンダによってローラのうちの少なくとも幾つかに結合された、ローラを回転させるための手段が設けられており、各エクステンダが、回転させられる第1の端部と、ローラを駆動する一方の端部を備えた取外し可能な連結部材に取り付けられた第2の端部とを有しており、前記エクステンダが、2つの高さ、すなわち、下側の装置のローラと連結する下側の高さと、上側の装置のローラに連結する上側の高さとに配置されており、
レベリング装置を交換する間、所定の高さに締め付けることによって各取外し可能な連結部材をロックするための手段が設けられており、
走行の軸線に対して垂直に、フレームの内部の作動位置と、駆動側とは反対側のフレームの一方の側に横方向にずらされた引っ込められた位置との間を移動することによって、カセットの形式の2つのレベリング装置のそれぞれを取り外すための手段が設けられている形式のものにおいて、前記方法が、
レベリングローラを所定の高さに保持するために前記レベリングローラにトルクの伝達を提供するそれぞれの取外し可能な連結部材を締め付けるステージと、
古いレベリング装置をレベリング機から抜き取り、その間に、ローラを駆動するそれぞれの端部が、取外し可能な連結部材から抜き取られるステージと、
それぞれの取外し可能な連結部材が、材料の走行方向又は反対方向に、古いレベリング装置のローラのうちの1つとの連結の位置に対応する位置から、新たなレベリング装置のローラのうちの1つとの連結の新たな位置へ、直進移動させられるステージと、
新たなレベリング装置をレベリング機に導入し、その間に、新たなローラを駆動するそれぞれの端部が、取外し可能な連結部材に係合させられるステージと、
取外し可能な連結部材を解放するステージと、を含むことを特徴とする、レベリング機に取り付けられたレベリング装置のローラの間の距離を変更する方法である。
【0021】
方法の別の特徴によれば:
取外し可能な連結部材を締め付けるステージの前に、レベリングローラの回転を停止させるステージを含み、
取外し可能な連結部材を締め付けるステージが、
ステージBを有し、該ステージBの間に、上側の装置が作動位置から高い位置へ上昇し、中間の締付け横材が、休止位置から、中間の締付け横材が他の横材の2つの固定された鉛直方向の直進案内軸を通る平面において延びるような作動位置へ移動させられ、
ステージCを有し、該ステージCの間に、レベリング機の下側の締付け横材が下側の取外し可能な連結部材に接触するように上昇し、中間の横材が同じ下側の連結部材に接触するように下降し、これにより、下側の連結部材の締付けを提供し、
ステージDを有し、該ステージDの間に、上側のレベリング装置が、上側の連結部材と中間の締付け横材との接触を提供するように下降し、上側の締付け横材が、同じ上側の連結部材と接触するように下降し、これにより、これらの上側の連結部材の締付けを提供し、
下側のレベリング装置が、材料の走行方向に対して垂直に、例えば抜取り手段によって、作動位置から、下側レベリング装置のピンが上側レベリング装置のボアホールと向き合うような中間位置へ、直進移動させられる、ステージDの前のステージCを有し、
古いレベリング装置をレベリング機から抜き出すステージが、
ステージE1を有し、このステージE1の間に、ロッキング装置が解放され、これにより、圧力フレームと上側レベリング装置とを解放し、圧力フレームが再び上昇し、
ステージE2を有し、このステージE2の間に、上側のレベリング装置と下側のレベリング装置とが抜取り手段によって移送装置へ押し付けられ、これが、端部の抜取りを生ぜしめ、レベリングローラを取外し可能な連結部材から駆動し、
それぞれの取外し可能な連結部材が移動させられるステージが、締付け横材のそれぞれに属する複数の移動エレメントの移動のステージE0を有し、それぞれの移動エレメントは、取外し可能な連結部材を収容し、それぞれの移動エレメントの移動は、取外し可能な連結部材を、古いレベリング装置のローラのうちの1つに連結するための位置に対応する位置から、取外し可能な連結部材を、新たなレベリング装置のローラのうちの1つに連結するための新たな位置への移動であり、
レベリング機への新たなレベリング装置の導入のステージが、
ステージE3を有し、該ステージE3の間に、引渡しジャッキが、摩耗した、又はレベリング機から出てくる材料のストリップをレベリングするのに適していないレベリング装置をそれぞれ支持している2つの移送装置と、レール上の新たなレベリング装置とを含むアセンブリを、新たなレベリング装置を支持する移送装置がレベリング機の固定されたベースの延長位置に位置するまで押し付け、
ステージE4を有し、該ステージE4の間に、新たな上側レベリング装置及び新たな下側レベリング装置が、抜取り手段によって、貯蔵位置から、レベリング機の固定されたベースにおける作動位置へ、新たなレベリングローラを駆動する端部が取外し可能な連結部材に導入されるまで、引っ張られ、
ステージE5を有し、該ステージE5の間に、圧力フレームは再び下降し、新たな上側レベリング装置はロッキング装置によって圧力フレームにしっかりと取り付けられ、
取外し可能な連結部材の解放のステージが、
ステージFを有し、該ステージFの間に、上側締付け横材が再び休止位置へ上昇し、これにより、上側連結部材を解放し、新たな上側装置も再び上昇し、圧力フレームによって駆動され、
ステージGを有し、該ステージGの間に、中間の締付け横材が再び休止位置へ上昇し、次いで、回転軸を中心にして回動し、
ステージHを有し、該ステージHの間に、下側の締付け横材が休止位置へ下降し、新たな上側のレベリング装置が作動位置へ下降し、
新たなレベリング装置をレベリング機へ導入するステージが、
ステージE3を有しており、該ステージE3の間に、移送ジャッキは、新たなレベリング装置を支持する移送装置がレベリング機の固定されたベースの延長位置に位置するまで、レベリング機から出される、摩耗した又は適切でないレベリング装置と、レール上の新たなレベリング装置とをそれぞれ支持した2つの移送装置を有するアセンブリを押し付け、
ステージE4′を有しており、該ステージE4′の間に、ピンによって互いに結合された新たな下側及び上側のレベリング装置が、上側のレベリングローラを駆動する端部が上側の取外し可能な連結部材に導入されるまで、レベリング機の固定されたベースに押し込まれ、
ステージE5′を有しており、該ステージE5′の間に、圧力フレームが再び下降し、新たな上側のレベリング装置が、ロッキング装置によって圧力フレームにしっかりと取り付けられ、
取外し可能な連結手段を解放するステージが、
ステージF′を有しており、該ステージF′の間に、上側の締付け横材が再び休止位置へ上昇し、これにより上側の連結部材を解放し、新たな上側の装置も再び上昇し、圧力フレームによって駆動され、
ステージF′′を有しており、該ステージF′′の間に、新たな下側のレベリング装置は、下側のレベリングローラを駆動する端部が下側の取外し可能な連結部材に導入されるまで、取外し位置からストリップの走行方向に対して垂直に直進移動させられ、
ステージGを有しており、該ステージGの間に、中間の締付け横材が再び休止位置へ上昇し、次いで、回転軸を中心にして回動し、
ステージHを有しており、該ステージHの間に、下側の締付け横材が休止位置へ下降し、新たな上側のレベリング装置は作動位置へ下降する。
【0022】
本発明の別の目的は、上記で定義したレベリング機を有するレベリング機器において、
摩耗した、又はレベリング機から提供される新たな材料をレベリングするために不適切なレベリング装置を収容するための第1の移送装置と、
連結部によって第1の移送装置に連結された上側及び下側のレベリング装置搬送する第2の移送装置と、
2つの移送装置のセットを、第1の移送装置がレール上の固定されたベースの延長位置に取り付けられる位置から、新たなレベリング装置を支持した第2の移送装置がレベリング機の固定されたベースの延長位置に位置するような位置へ移動させるための、移送装置に接触したジャッキとが設けられている。
【0023】
本発明のその他の特徴及び利点は、図面を参照しながら詳細な非制限的な実施の形態を読むことによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】レベリング機の概略的な側面図である。
【図2】レベリング機の概略的な正面図である。
【図3】レベリングローラ回転装置の概略図である。
【図4】取外し可能なレベリングローラ駆動部材のための締付け及び移動横材の正面図である。
【図5】図4に示した締付け横材のうちの1つの断面図である。
【図6】レベリング機に取り付けられたレベリング装置のローラの間の距離を変更するステージを示す概略図である。
【図7A】レベリング装置を取り外すステージを示す概略図である。
【図7B】レベリング装置を取り外すステージを示す概略図である。
【図7C】レベリング装置を取り外すステージを示す概略図である。
【図7D】レベリング装置を取り外すステージを示す概略図である。
【図8A】本発明によるレベリング装置引渡し装置を使用するステージを示す概略図である。
【図8B】本発明によるレベリング装置引渡し装置を使用するステージを示す概略図である。
【図8C】本発明によるレベリング装置引渡し装置を使用するステージを示す概略図である。
【図8D】本発明によるレベリング装置引渡し装置を使用するステージを示す概略図である。
【図9A】本発明によるレベリング装置の一実施形態を示す概略図である。
【図9B】本発明によるレベリング装置の一実施形態を示す概略図である。
【図9C】本発明によるレベリング装置の一実施形態を示す概略図である。
【0025】
図1及び図2は、複数のローラを備えたレベラのアセンブリ15の側面図と正面図とを概略的に示している。アセンブリ15は、支持フレーム20の内部に材料Mの走行の水平な軸線Pのそれぞれの側に配置された2つのレベリング装置28,30を有している。支持フレーム20は、基礎ブロックに載置された固定されたベース24によってベースに固定された4つのポスト22(そのうち2つだけが図1に示されている)を有している。ポスト22は、上側部分において横ビーム26によって連結されている。
【0026】
上側のレベリング装置30は複数のレベリングローラ34を支持しており、これらのレベリングローラ34は、互いに平行な軸線を有しており、互いに分離されている。それぞれのローラは、少なくとも1つの支持ローラ25に対して当接させられている。レベリングローラ34は、それぞれの軸線を中心として回転可能にフレーム40に取り付けられている。フレーム40は、固定手段(図1には示されていない)によって、取外し可能な形式で、押圧フレーム32に対して当接させられかつ押圧フレーム32に結合されている。押圧フレーム32の、ひいては上側のレベリング装置30の高さを、横ビーム26に当接させられた、機械式又は液圧式のジャッキ27を用いて調節することができる。
【0027】
同様に、下側のレベリング装置28は、支持ローラ29に対して当接させられた複数のレベリングローラ36を有している。これらのレベリングローラ36は、互いに平行な軸線を中心にして回転可能に支持フレーム38に取り付けられている。支持フレーム38はベース24に当接している。上側のレベリングローラ34と、下側のレベリングローラ36とは、材料Mの走行方向でみてずらされており、これにより、材料Mのための波形の経路を形成している。レベリングローラのネスティング(上側のレベリングローラと下側のレベリングローラとの嵌り合いの程度)を、ジャッキ27によって調節することができる。
【0028】
材料Mにおいて所望の引張り−たるみ効果を生ぜしめるために、製品はローラの間を長手方向に走行しなければならない。この目的のために、製品は、レベリングローラ34,36のうちの少なくとも幾つかによって、摩擦によって駆動される。これらの幾つかのローラは、電動式アセンブリによって回転させられる。この電動式アセンブリは、例えば、図3に概略的に示すように、1つ又は2つ以上の減速装置43を駆動する1つ又は2つ以上のモータ47を有している。減速装置43は、少なくとも必要な速度で1つ又は2つ以上のギヤボックス45を作動させ、このギヤボックス45は、上側のエクステンダ44と下側のエクステンダ46とを介して、様々な異なる上側の加工ローラ若しくはレベリングローラ34と下側の加工ローラ若しくはレベリングローラ36とにトルクを分配する。エクステンダ44,46は2つの端部を有しており、これらの端部はそれぞれ、ユニバーサルジョイント51,55によって、一方の側ではレベリングローラ34,36の端部スピンドル52,53に、他方の側ではギヤボックス45からの出力部に結合されている。通常、大きな厚さのシート又はストリップのためのレベリング機は、場合に応じて、7本〜11本のレベリングローラを有している。例えば、図1及び図2に示すように、上側のレベリング装置30は5本のレベリングローラ34を支持し、下側のレベリング装置28は6本のレベリングローラ36を支持している。大きな幅及び厚さのストリップ及びプレートに適用されるこのようなレベリング機は、10mを超える高さを備えた300メトリックトン(メートルトン)よりも大きな質量に達する場合もあり、レベリング装置自体は場合によっては数十メトリックトンの質量を有する。
【0029】
レベリング作業の間、ローラは、高い表面圧力応力及び摩耗減少を受け、これは、メンテナンス工場での再調整、例えば作用面を研削することによる加工を必要とする。従って、レベリング装置は取り外すことができなければならない。このために、エクステンダ44,46の端部に配置されたそれぞれのユニバーサルジョイント51,55は、取外し可能な連結部材48,50によって加工ローラ34,36のスピンドル52,53に結合されている。連結部材は、示された例において、内部に溝を有するスリーブであってよく、このスリーブに、対応するスプラインが取り付けられたレベリングローラ34,36のスピンドル52,53が、軸方向摺動によって係合する。
【0030】
さらに、それぞれのレベリング装置、すなわち上側のレベリング装置30又は下側のレベリング装置28はカセットを形成しており、このカセットは、支持フレーム20に配置された横方向レール(図示せず)において摺動可能に取り付けることができ、これにより、エクステンダ44,46から取り外した後にオペレータの側から横方向に分離させることができる。メンテナンスの後、それぞれのカセット、すなわち下側のカセット28又は上側のカセット30は、ケージ20内のレベリング位置へ戻され、次いで、それぞれのレベリングローラと、対応するエクステンダとの間の連結が再び確立されなければならない。
【0031】
図2に概略的に示したように、レベリング機を使用する場合、上側のレベリングローラ34の軸線は高さH2に配置されており、連結部材48は、同じ高さH2におけるローラの軸線に中心合わせされている。同様に下側のレベリングローラ36の軸線は高さH1に配置されており、連結部材50は、同じ高さH1における下側レベリングローラ36の軸線に中心合わせされている。
【0032】
それぞれの連結部材48,50と、対応するレベリングローラ34,36のそれぞれのスピンドル53,52との相互作用部分の劣化の危険性を生じることなくネスティングを提供するために、新たな、調整された若しくはレベリングされる材料の特性により適した新たなカセットを取り付ける際に、連結部材48,50はそれぞれ高さH2又はH1にとどまらなければならない。
【0033】
従って、レベリング機は、装置交換の間それぞれの取外し可能な連結部材48,50を所定の高さH2,H1にロックするための手段101,102,103を有している。このロッキングは、図示の実施の形態においては、それぞれの取外し可能な連結部材48,50を締め付けることによって生ぜしめられる。
【0034】
本発明によれば、ロッキング手段101,102,103は、取外し可能な連結部材を材料Mのストリップの水平の走行方向Pに沿って直進移動させるための手段も有している。この特徴は、レベリングローラ36と34との間の様々な異なる分離距離若しくはピッチを得ることを可能にし、レベリングローラの軸線の二等辺三角形配列を維持しながら、様々な異なる直径を備えるローラを同じレベリング機に容易に取り付けることもできるようにする。
【0035】
図4は、それぞれの取外し可能な連結部材をロックするための手段101,102,103の実施の形態を示しており、これらの手段は、取外し可能な連結部材を材料Mの走行方向に沿って、この方向によって規定された2つの方向に直進移動させるための手段を有している。言い換えれば、移動手段は、取外し可能な駆動部材を駆動することによってストリップと同じ方向に又はその反対方向に移動するようになっている。
【0036】
それぞれの取外し可能な連結部材48,50を所定の位置にロックするための手段は、3つの水平方向の横材、すなわち、上側の締付け横材101と、下側の締付け横材102と、下側及び上側の横材の間に配置された中間の締付け横材103とを有している。
【0037】
上側の横材101と下側の横材102とは、2つの鉛直方向のコラム若しくは軸104,124の間に長手方向に延びており、これらのコラムは、それぞれの端部に、レベリング機15のポスト22のうちの2つに固定される支持部105,125,135,145を有している。
【0038】
上側の横材101及び下側の横材102は、それぞれの端部に中空の円筒体110,111,112,113を有しており、この円筒体に、固定された鉛直方向の軸104,124が挿入されており、従って、これらの軸は、横材101及び102のための直進ガイドとして働く。それぞれの中空の円筒体110,111,112,113は、ジャッキ支持部110A,111A,112A,113Aにしっかりと取り付けられており、これらのジャッキ支持部は、上側の締付け横材101及び中間の締付け横材103を移動させるためのジャッキ106,116,118,119の端部を収容している。
【0039】
中間の横材103は、例えばジャッキ(図示せず)の作用により、他の横材の案内軸124のうちの1つを中心にして、作動位置と休止位置との間を水平方向に回転させられる。作動位置において、横材は、定置の鉛直方向軸104,124を通る仮想平面において延びており、休止位置において、横材は、定置の鉛直方向軸104,124を通る仮想平面の外側に延びている。中間の締付け横材103は、その回動端部において、中空の円筒部分1003Aを有しており、この円筒部分に、回転軸として作用する鉛直方向コラム124が挿入されている。円筒部分1003Aのそれぞれの端部は、コラム124に沿って摺動するためのC字形の直進ガイド140と接触している。直進ガイド140は、上側の締付け横材101の中空の円筒部分113と、下側の締付け横材102の中空の円筒部分112との間に挿入されており、これらの円筒部分のそれぞれと環状に接触している。直進ガイド140は、図4に示すように、中間の締付け横材103が作動位置にある場合にこの中間の締付け横材の方向とは反対方向に延びた、プレートの形式の部分182も有している。プレート182は、締付け横材101及び103を移動させるための2つのジャッキ118及び119のための支持部として働く。
【0040】
中間の締付け横材103は、自由端部103Bを有しており、この自由端部103Bは、作動位置において、コラム104に沿って摺動するためのC字形の直進ガイド141の2つの端部の間に収容されかつロックされている。直進ガイド141は、上側の締付け横材101の中空の円筒部分110と、下側の締付け横材102の中空の円筒部分111との間に挿入されており、これらの円筒部分のそれぞれと環状に接触している。直進ガイド141は、図4に示すように、中間の締付け横材103が作動位置にある場合にこの中間の締付け横材の方向とは反対方向に延びた、プレートの形式の部分181も有している。プレート181は、締付け横材101及び103を移動させるための2つのジャッキ106及び116のための支持部として働く。
【0041】
図4に示された実施の形態の例において、下側の横材102は、レベリング機13の固定されたエレメント、例えばベース24に固定された支持部にそれぞれ取り付けられた2つの機械的なジャッキ107,117に当接している。2つのジャッキ107,117は、モータによって駆動されるエクステンダシステム144によって同期して作動させられる。従って、下側の締付け横材102は、2つのジャッキ107,117のステムによって鉛直方向に案内されるので、図4に示した位置において下側のエクステンダ46の5つの連結部材若しくはスリーブ50を制御するように上昇させることができる。
【0042】
中間の横材103は、エクステンダ44,46が係合するスピンドル53,52の2つの高さの間において、製品の走行方向Pの高さに認知できるように配置されている。中間の横材を、水平方向に2つの位置、すなわち閉鎖ロッキング位置と、横方向に分離された開放位置との間で移動させることができる。閉鎖ロッキング位置の場合、中間の横材は、2つのエクステンダ44,46の連結スリーブ48,50の間に、ローラの軸線に対して横方向に延びている。開放位置は、レベリングローラ34,36のネスティングを調節するために、エクステンダと共に上側のレベリングローラ34の鉛直方向移動を提供する。
【0043】
ジャッキのそれぞれの対106/116及び118/119は、ジャッキ支持部110A,111A,112A,113Aと、直進ガイド140又は141のうちの1つのプレートの形式の部分181又は182との間に直列に取り付けられており、それぞれのジャッキのベースは、この実施の形態において、ガイド141又は140のプレート181又は182に固定されている。
【0044】
図5は、取外し可能な連結部材を移動させるための手段の実施の形態の詳細を示す、締付け横材102の縦断面図である。もちろん、その他の横材も、これから説明するものと同様の、移動させるための手段を有している。
【0045】
図5に示すように、横材102の中央部分102Aは、ケーシングを形成する中空の平行六面体の形状であり、複数のスロットを有する上側の摺動面1010を有しており、前記スロットに、符号130の移動エレメントが挿入され、取外し可能な連結部材を移動させるための手段の一部を形成している。この実施の形態において、それぞれの移動エレメント130は、少なくとも1つの支持ベアラ108A〜108Dを有している。支持ベアラ108A〜108Dは、レールとして働くスロットによって案内されることによって、摺動面において水平方向に直進するように自由に摺動する。それぞれの支持ベアラ108A〜108Dは、認知可能に矩形のプレートの形態である。横材の同じ摺動面に取付けあれた全てのベアラは、以下では、ベアラのセットと呼ばれる。
【0046】
それぞれのベアラ108A〜108Dは、上面に、取外し可能な連結部材48,50と協働するための少なくとも1つの締付け受け台109A,109B,109D,109Eを支持している。それぞれの受け台109A,109B,109D,109Eの、摺動面1010とは反対側の面は、締め付けようとする連結部材48,50の湾曲した形状と相補的な湾曲した形状を有している。従って、この実施の形態において、それぞれの移動エレメントは、少なくとも1つのベアラと、1つの受け台とを有している。
【0047】
それぞれの支持ベアラ108A〜108Dは、ねじ1013によって作動させられるナット1012A〜1012Dにしっかりと取り付けられており、ねじ1013自体は、回転作動部材1014によって操作される。ベアラ108の1つのセットにしっかりと取り付けられた全てのナットは、1つのねじ1013によって作動させられる。ナット1012A〜1012Dと、ねじ1013とは、横材102の中央部分102Aによって形成された保護ケーシングに挿入されており、横材102は、ベアラ108A〜108Dを駆動するためのこれらの手段の汚れ(fouling)を回避し、また、空間も節約する。
【0048】
レベリングローラの移動を提供しながらこれらのレベリングローラの軸線の二等辺三角形配列を維持するために、ねじ1013は、それぞれのナットのための複数の案内区分を有しており、それぞれの案内区分のねじ山の特性は異なっている。
【0049】
ねじ1013は、このねじが案内するそれぞれのナット1012A,1012B,1012C又は1012Dのために、所定の長さのねじ山付き駆動区分1013A,1013B,1013C又は1013Dを有している。それぞれの区分1013A,1013B,1013C又は1013Dは、ねじが作動させられた場合に、ねじ1013上の1つの点、例えばねじ103の中間点から等しい距離に、この点の両側に配置された2つの移動するベアラ109B/109D若しくは109A/109Eが、この点に対して対称的に接近又は離反させられるような、ピッチ及び傾斜を有している。さらに、ねじ103のねじ山のピッチ及び傾斜角は、ねじが一方向に回転させられた場合に、ベアラの等しい相対的な間隔を維持しながらベアラ108A〜108Dをさらに離反させ、ねじ1013が反対方向に回転させられた場合に、ベアラの等しい相対的な間隔を維持しながらベアラ108A〜108Dを接近させるようになっている。
【0050】
奇数の受け台の特定の場合に、図5に示すように、横材102は、移動しないベアラを備えた中央の固定された受け台109Cを有している。従って、移動するベアラ108A〜108Dは、この固定された受け台109Cに関して対称的に移動する。より正確にいうと、ねじの区分1013B及び1013Cのねじ山のピッチ及び傾斜角は、受け台109Cの固定された位置を中心にして支持ベアラ108A/108D及び108B/108Cの対称的な移動を提供する。また、レベリングローラの軸線の二等辺三角形配列を依然として維持するために、ねじのねじ山のピッチ及び傾斜角は、ねじが作動させられた時に支持ベアラ108A及び108Dによって移動される距離が、支持ベアラ108B及び108Cによって移動される距離の2倍であるようになっている。さらに、図5に示した実施の形態の例において、2つの区分1013A及び1013Dの傾斜がそうであるように、2つの区分1013B及び1013Cは、往復ねじ山傾斜を有している。
【0051】
例えば、区分1013B及び1013Cのピッチは2mmであり、ねじの回転方向に応じて、ねじの一回転ごとに2mmの距離だけ、中央の受け台109Cに接近するか又は中央の受け台109Cから離反する。5つの受け台109A〜109Eの間に等しいピッチを維持するために、2つのベアラ108A及び108Dは、ねじの回転方向に応じて、ねじの一回転ごとに4mmの距離だけ、受け台109Cに接近するか又は受け台109Cから離反しなければならない。従って、区分1013D及び1013Aのピッチは4mmである。
【0052】
締付け横材102のねじ1013は、遠隔制御される回転アクチュエータ1014によって作動させられ、この回転アクチュエータ1014は、レベリングローラ34,36のための分離命令に関連して、ベアラ108A〜108Dの移動、ひいてはベアラの相対位置の変化を提供する。例えば、ねじのための回転アクチュエータ1014は、電気式又は液圧式のモータ又はサーボモータであってよい。また、ねじ1013・ナット1012A〜1012Dシステムは、ねじ・ボールナットシステムであってよい。
【0053】
図4に示すように、上側の締付け横材101は、下側の水平面101Aにおいて、移動エレメント130の第1のセットを支持しており、下側の締付け横材102は、上側の水平面102Aにおいて、移動エレメント130の第2のセットを支持しており、中間の締付け横材130は、上側の水平面103Aにおいて、移動エレメント130の第3のセットを支持しており、下側の水平面103Bにおいて、移動エレメント130の第4のセットを支持している。中間の横材が作動位置にある場合、移動エレメント130の第3のセットのそれぞれの移動エレメント130は、移動エレメントの第1のセットの移動エレメント130と向き合うように配置されており、移動エレメント130の第4のセットのそれぞれの移動エレメントは、移動エレメントの第2のセットと向き合うように配置されている。図4に示した実施の形態において、中間の横材103は、下面に、固定された受け台109Cを有しており、この受け台は、中間の横材103の作動位置において、下側の横材102によって支持された別の固定された受け台109Cと位置合わせされる。また、それぞれのねじ103の回転駆動部材1014は、レベリングローラの分離命令に関連して、直接に向き合って配置された移動エレメント130が、連結部材48又は50を駆動するために同時に同じ距離だけ同じ方向に直進移動するように、制御される。
【0054】
ここで、図2、図6、図7A〜図7D及び図8A〜図8Dを参照して、レベリングローラ34及び36の間の距離を調節する連続するステージを説明するが、前記距離は、レベリングローラのピッチとも呼ばれる。
【0055】
図6は、レベリング機の駆動面から見た、レベリング機の様々な異なるエレメントの移動を示しており、図2は、レベリング機の前方から見た、レベリング機15のエレメントの移動を示している。図8A〜図8Dは、摩耗した、又は材料の新たなストリップのレベリングに不適切なレベリング装置の取り出しのステージと、新たな装置を備えたレベリング機を再供給するためのステージとを示している。
【0056】
図6にAで示されたステージの間、上側のレベリング装置30と下側のレベリング装置28とは、作動位置に締め付けられている。上側の締付け横材101及び下側の締付け横材102は、レベリングローラの連結部材48,50から分離された休止位置にある。図2に示すように、この構成において、上側の締付け横材101は完全に上昇した位置にあり、下側の横材102は完全に下降した位置にあり、中間の横材103は後退した位置にある。上側のレベリング装置30は、4つのロッキング装置13によってレベリング機15にしっかりと取り付けられている。また、引渡し装置17は、摩耗した、又は次の材料をレベリングするのに不適切なレベリング装置28,30を待機する位置にある。これらのステージの間、レベリングローラ28,30の駆動装置は停止している。
【0057】
図6にBで示されたステージの間、上側のレベリング装置30は、ジャッキ27の作用により上昇し、ジャッキ27は、圧力フレーム32を持ち上げ、中間の締付け横材103を休止位置から作動位置へ移動させるための十分な空間を形成する。
【0058】
図6にCで示されたステージの間、下側の締付け横材102は、下側の連結部材50と接触するまで上昇し、中間の横材103は、同じ下側の連結部材50に接触するまで下降し、これにより、これらの下側連結部材50の締付けを提供する。ステージCの最後におけるレベリング機の様々な異なるエレメントの位置は、図7Aにも示されている。
【0059】
図6にDで示されたステージの間、上側のレベリング装置30は、上側の連結部材48と中間の締付け横材103との間の接触を提供するように下降し、次いで、上側の締付け横材101は、同じ上側の連結部材48と接触するまで下降し、これにより、これらの上側の連結部材48の締付けを提供する。ステージDの最後におけるレベリング機の様々な異なるエレメントの位置は、図7Bにも示されている。本発明によれば、レベリングローラを所定の高さH1又はH2に保持するためにレベリングローラにトルクの伝達を提供する、取外し可能な連結部材48,50を締め付けるステージは、前述のステージB、C及びDを有する。
【0060】
図6にE0で示されたステージの間、移動エレメント130の支持ベアラ108は、レベリングローラのピッチを増減させるために、3つの横材101,102,103のためのそれぞれのねじ1013のアクチュエータ1014を制御することによって離反又は接近させられる。より正確にいえば、2つの移動エレメント130の間に締め付けられたそれぞれの取外し可能な連結部材48,50は、古いローラ34,36と連結するための位置に対応する位置から、新たなレベリング装置28′,30′における新たなレベリングローラと連結するための新たな位置へ移動させられる。
【0061】
ステージE0に続いて、レベリング装置の実際の交換に関する一連のステージが実施されるが、これらのステージをここで図7C、図7D及び図8A〜図8Dを参照して説明する。
【0062】
図7Cに示されたステージE1の間、ロッキング装置13は解放しており、これにより、圧力フレーム32を上側のレベリング装置30から分離させており、次いで圧力フレーム32は再び上昇し、上側レベリング装置32から解放される。この位置において、上側のレベリング装置30は下側のレベリング装置28に当接している。
【0063】
図7Dに示されたステージE2の間、上側レベリング装置30及び下側レベリング装置28は、抜取り手段11によって、引渡し装置17に押し付けられ、これは、取外し可能な連結部材48,50からのレベリングローラ28,30の駆動スピンドル52,53の抜取りを生じる。ステージE1及びE2は、レベリング機からの古いレベリング装置の抜取りのステージを形成する。
【0064】
前記ステージの全体を通じて、レベリング機15の駆動装置42は停止させられなければならず、この停止時間を短縮するために、2つのレベリング装置28及び30のそれぞれ、すなわち下側及び上側のレベリング装置は、一体的にレベリング機から引き出され、新たな、調整された、レベリングされる新たな材料Mに適したローラを支持した装置と即座に交換され、使用済みの装置は工場へ又は単にメンテナンス場所へ搬送され、そこで様々なメンテナンス作業が行われる。
【0065】
図8A〜図8Dは、レベリング装置の概略的な平面図であり、レベリング装置28,30の迅速な交換を提供する様々なステージ及び様々な手段を示している。図8には、レベリング装置の移動を理解するために必要なエレメントだけが示されている。図8Aにおいて、上側のレベリング装置30及び下側のレベリング装置28のセットは、再びレベリング機15の固定されたベース24に取り付けられ、上側のレベリング装置30は下側のレベリング装置上に配置されている。この図は、図7Cに示された位置と、前述のステージE1とに対応する。第1の移送装置17は、固定されたベースの延長部に取り付けられており、摩耗した、又は次の材料Mをレベリングするのに不適切なレベリング装置28,30収容する準備がなされている。上側のレベリング装置28′及び下側のレベリング装置30′の新たなセットを搬送する第2の移送装置17′は、連結部123によって移送装置17に連結されている。レベリング装置は、移送装置17′と接触したジャッキ1240も有している。
【0066】
図8Bにおいて、上側のレベリング装置30と下側のレベリング装置28とのセットは抜取り手段11(図8には示されていない)によって移送装置17へ押し付けられ、レベリング装置28,30のセットは、レール12によって案内され、このレール12は、ベース24内へ長手方向に延びており、移送装置17の下方へ続いている。この図は、図7Dに示した位置と、前述のステージE2に対応する。
【0067】
本発明による方法は、図8Cに示されたステージE3を有し、このステージE3の間、移送ジャッキ1240は、新たなレベリング装置28′,30′がレベリング機15の固定されたベース24の延長位置に位置するまで、レール125上で2つの移送装置17,17′のセットを押し付ける。
【0068】
次いで、図8に示されたステージE4の間、上側のレベリング装置30′及び下側のレベリング装置28′の新たなセットが、例えば抜取り手段11によって、貯蔵位置から、レベリング機15の固定されたベース上の作動位置へ、新たなレベリングローラ28′,30′の駆動スピンドル52,53が、取外し可能な連結部材48,50へ導入されるまで引き込まれる。このステージの後、レベリング機15には新たなレベリング装置28′,30′が取り付けられており、これらのレベリング装置のローラは、新たな特性を備える材料の最適なレベリングを提供するように分離されている。ステージE3及びE4は、この実施の形態において、新たなレベリング装置28′,30′をレベリング機15に導入するステージを形成している。次いで、再び、図6におけるE0の位置になる。新たなレベリング装置28′及び30′が、固定されたベース24に取り付けられた状態で、ステージE5において、圧力フレーム32が再び下降し、新たな上側のレベリング装置30′がロッキング装置13によって圧力フレーム32にしっかりと取り付けられる。再び、図7Bに示した構成が得られ、この場合は、新たなレベリング装置28′,30′を備えている。
【0069】
締付け横材は今や休止位置へ戻されなければならないので、図6にFで示したステージの間、上側の締付け横材101は再び休止位置へ上昇しこれにより上側の連結部材38を解放し、次いで新たな上側のレベリング装置30′も圧力フレーム32によって駆動されて、再び上昇する。
【0070】
ステージF、G及びHは、この実施の形態において、取外し可能な連結部材の解放のステージを形成する。
【0071】
取外し可能な連結部材を解放するステージの後、ステージIの間、圧力フレーム32は再び下降し、新たな材料をレベリングするための新たなレベリング装置の間の所望のネスティングを得るように新たなレベリング装置30′を駆動する。次いで、レベリングローラを駆動するモータ47が再始動される。
【0072】
レベリング機は、再び作動位置になり、新たな材料をレベリングすることができ、レベリングされる新たな材料Mの特性に適した分離及び直径を有する新たなレベリングローラ48′及び50′を有する。図9A〜図9Cは、レベリング装置の抜取り、導入及び移送の間、下側の装置への上側の装置の安全なドッキングを提供する、下側のレベリング装置28及び上側のレベリング装置30の特定の実施の形態を示している。この実施の形態は、一方の装置が他方の装置に対して相対的に移動することを阻止することができる。より理解しやすくするために、レベリング装置28及び30のみが図9A〜図9Cに示されている。
【0073】
図9Aに示すように、それぞれのレベリング装置は、複数のレベリングローラ34,36を有しており、これらのレベリングローラの駆動端部は、スピンドル52,53によって終わっている。また、下側のレベリング装置28は、少なくとも4つのビーム41を有していて、これらのビーム41は、フレーム38から鉛直方向に延びており、上側部分において2つのピン42によって終わっている。
【0074】
上側のレベリング装置30は、少なくとも2つのピン留めプレート43を有しており、それぞれのピン留めプレート43には少なくとも1つのボアホール44が貫通している。
【0075】
図9Aにおいて、2つの上側のレベリング装置30及び下側のレベリング装置28は、作動位置において示されている。
【0076】
抜取り作業の間及び図9Bに示すように、上側のレベリング装置がまず持ち上げられ、これにより、そのプレート43の下面がピン42の上端部よりも高くなり、次いで、上側のレベリング装置は、ピン42をボアホール44と位置合わせさせるように直進移動させられる。ピン42の上端部がボアホール44と位置合わせされるように、例えば直進移動によって移動させられるのが下側のレベリング装置28であることも可能である。次いで、上側のレベリング装置が下側のレベリング装置上に配置され、2つの装置は、ピン42をボアホール44に導入することによってピン締結される。
【0077】
最後の実施の形態によるレベリング装置がレベリング機15に取り付けられる場合、本発明による方法は、前述のステージCとステージDとの間に付加的なステージC′を有しており、ステージE4′,E5′,F′及びF′′が、上述のステージE4,E5及びFの代わりとなる。このステージC′の間、下側のレベリング装置28は例えば図7Dに示された抜取り手段11によって、材料Mの走行方向に対して垂直に、作動位置から、ピン42がボアホール44と位置合わせされる中間位置まで、直進移動させられる。この直進移動は、下側の取外し可能な連結部材50からの下側のレベリングローラ36の駆動スピンドル52の少なくとも部分的な抜取りも提供する。この構成において、下側の取外し可能な連結部材50は再び高さH1において中間の締付け横材103と下側の締付け横材102との間に締め付けられる。
【0078】
次いで、前述のステージDにおいて、上側の連結部材48と中間の締付け横材103とを接触させるように上側の装置が下降すると、ピンはボアホール44に突入し、2つのレベリング装置は安全に互いに結合される。次いでステージDの残りが行われる。
【0079】
ステージE4′の間、図9Cに示した実施の形態においてピン締結された新たな下側のレベリング装置28′及び上側のレベリング装置30′は、上側のレベリングローラの駆動スピンドル53が上側のエクステンダ連結部材48に導入されるまで、レベリング機15の固定されたベースに押し込まれる。図9に示した実施の形態においてピン留めされた新たな下側のレベリング装置28′及び上側のレベリング装置30′を除き、再び図8Dに示した構成が得られる。
【0080】
ステージE5′の間、圧力フレーム32は再び下降し、新たな上側のレベリング装置30′はロッキング装置13によって圧力フレーム32にしっかりと取り付けられる。ここで締付け横材は休止位置へ戻されなければならず、従って、ステージF′の間、上側の締付け横材101は再び休止位置へ上昇し、上側の連結部材48を解放し、次いで、新たな上側のレベリング装置30′も、圧力フレーム32によって駆動されて、上昇する。ステージF′′において、新たな下側のレベリング装置28′は、ストリップの走行方向に対して垂直に、取外し位置から、下側のレベリングローラの駆動スピンドル52が下側のエクステンダ連結部材50に導入されるまで、直進移動させられる。次いでステージG以下が行われる。
【0081】
従って、本発明によるレベリング機、装置及び方法は、レベリングローラのピッチの迅速な変更、レベリングローラの直径の変更を、ピッチの変更、装置の最大能力よりも少ない上側及び下側のローラの1つ又は2つ以上の対を備えた装置の取り付けと組み合わせて又は別個に、提供する。例えば、装置における大きな直径の7つ又は5つのローラはそのうち9つを収容しかつ回転させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料(M)のストリップをレベリングするためのレベリング機において、
固定された支持フレーム(20)が設けられており、該支持フレームが、4つのポストを有しており、該ポストは、材料の走行の長手方向軸線(P)のそれぞれの側に配置されており、下側部分においては、固定されたベース(24)によって、上側部分においては、横方向ビーム(26)によって、しっかりと保持されており、アセンブリが閉鎖されたフレームを形成しており、
前記固定されたベース(24)に当接した下側のレベリング装置(28)と、4つのポスト(22)の間を鉛直方向に移動することができる圧力フレーム(32)に当接した上側のレベリング装置とが設けられており、それぞれのレベリング装置は、材料(M)の走行の長手方向軸線(P)に対して垂直な軸線を中心にして回転可能にフレーム(38,40)に取り付けられた複数の分離されたローラ(34,36)を有するカセットを形成しており、
エクステンダ(44,46)によってローラ(34,36)のうちの少なくとも幾つかに結合された、ローラ(34,36)を回転させるための手段(47)が設けられており、それぞれのエクステンダ(44,46)は、回転させられる第1の端部と、ローラ(35,36)を駆動する一方の端部(52,53)を備えた取外し可能な連結部材(48,50)に取り付けられた第2の端部とを有しており、前記エクステンダ(44,46)が、2つの高さ、すなわち、下側の装置(28)のローラ(36)と連結する下側の高さと、上側の装置(30)のローラ(34)に連結する上側の高さと、に配置されており、
レベリング装置(28,30)を交換する間、所定の高さ(H1,H2)に締め付けることによってそれぞれの取外し可能な連結部材(48,50)をロックするための手段(101,102,103)が設けられており、
走行の軸線(P)に対して垂直に、フレーム(20)の内部の作動位置と、駆動側とは反対側のフレーム(20)の一方の側に横方向にずらされた引っ込められた位置との間を移動することによって、カセット(28,30)の形式の2つのレベリング装置(28,30)のそれぞれを取り外すための手段(11)が設けられている形式のものにおいて、
締め付けることによってロックするための手段(101,102,103)が、取外し可能な連結手段(48,50)を材料の走行の方向及びその反対方向に直進移動させるための手段(108,109,1013,1014)を含むことを特徴とする、材料(M)のストリップをレベリングするためのレベリング機。
【請求項2】
取外し可能な連結手段(48,50)を移動させるための手段(108,109,1013,1014)が、取外し可能な連結手段(48,50)を移動させるために、2つの終端位置の間を直進移動する複数のエレメント(130)を含む、請求項1記載のレベリング機。
【請求項3】
締め付けることによってロックする手段が、
下側の水平面(101A)において、直進移動するエレメント(130)の第1のセットを支持している上側の締付け横材(101)と、
上側の水平面(102A)において、直進移動するエレメント(130)の第2のセットを支持している下側の締付け横材(102)と、
上側の水平面(103A)において、直進移動するエレメント(130)の第3のセットを、下側の水平面(103B)において、直進移動するエレメント(130)を支持している、中間の締付け横材(103)と、を有し、該中間の締付け横材(103)は、下側の締付け横材(102)と上側の締付け横材(101)との間に配置されている、請求項1又は2記載のレベリング機。
【請求項4】
移動するエレメント(130)がそれぞれ、可動なベアラ(108A,108B,108C,108D)を含み、該ベアラが、該ベアラを支持する横材(101,102,103)の摺動面において摺動するようになっており、各ベアラは、取外し可能な連結部材(48,50)を締め付けるための少なくとも1つの締付け受け台(109A,109B,109D,109E)を支持している、請求項1から3までのいずれか1項記載のレベリング機。
【請求項5】
移動するそれぞれのエレメント(130)が、該移動するエレメント(130)のベアラ(108A,108B,108C,108D)と一体のナット(1012A,1012B,1012C,1012D)を含み、該ナット(1012A,1012B,1012C,1012D)が、一つのねじ(1013)によって移動させられる移動するエレメント(130)の同じセットに属しており、ねじ(1013)は回転する部材(1014)によって作動させられる、請求項1から4までのいずれか1項記載のレベリング機。
【請求項6】
前記ねじ(1013)は、該ねじが案内する各ナット(1012A,1012B,1012C,1012D)のために、所定の長さのねじ山付き駆動区分(1013A,1013B,1013C,1013D)を有しており、各ねじ山付き駆動区分(1013A,1013B,1013C,1013D)は、ねじ及びその点の両側における点から等しい距離に配置された2つの移動するベアラ(108A,108B,108C,108D)が、ねじ(1013)が作動させられると、その点に関して対称的により近づくか又はより離れるように、ピッチ及び傾斜を有している、請求項1から5までのいずれか1項記載のレベリング機。
【請求項7】
前記ねじ山のピッチ及び傾斜は、ねじ(1013)が一方の方向に回転させられると、等しい相対的な分離を維持しながら一つのセットのベアラ(108A,108B,108C,108D)が離れ、ねじが他方の方向に回転させられると、一つのセットのベアラ(108A,108B,108C,108D)が、等しい相対的な分離を維持しながら近づくようになっている、請求項1から6までのいずれか1項記載のレベリング機。
【請求項8】
上側の横材(101)及び下側の横材(102)が、レベリング機(15)のポスト(22)のうちの2つに固定された個々の端部支持体(105,125,135,145)を有する2つの定置の鉛直方向軸線(104,124)によって直進移動を案内され、中間の横材(103)は、他の横材の案内軸線(124)のうちの1つを中心にして、固定された鉛直方向軸線(104,124)を通る平面において中間の横材が延びる加工位置と、定置の鉛直方向軸線(104,124)を通る平面の外側において中間の横材が延びる休止位置との間を回転するようになっている、請求項3から7までのいずれか1項記載のレベリング機。
【請求項9】
中間の締付け横材(103)の作動位置において、移動エレメントの第1のセットのそれぞれの移動エレメント(130)が、移動エレメント(130)の第3のセットの移動エレメント(130)に向き合って配置され、移動エレメント(130)の第2のセットのそれぞれの移動するエレメントが、移動エレメント(130)の第4のセットの移動エレメントに向き合って配置され、それぞれのねじ(1013)の回転する部材(1014)は、直接に向き合って配置された移動エレメント(130)が、取外し可能な連結部材(48,50)を駆動するために同時に同じ距離だけ同じ方向に順に直線移動するようになっている、請求項1から8までのいずれか1項記載のレベリング機。
【請求項10】
それぞれの締付け横材(101,102,103)は、該締付け横材が支持している移動エレメントの一部分のための保護ケーシングを形成する中空部分を有している、請求項3から9までのいずれか1項記載のレベリング機。
【請求項11】
締付け横材(101,102,103)のうちの少なくとも2つが、移動エレメントの中央において、前記締付け横材(102,103)のそれぞれの摺動面に配置された定置の受け台(109C)を有しており、それぞれの締付け受け台(109C)は、締付け横材(101,102,103)が作動位置にある場合に別の定置の締付け受け台と向き合うように配置される、請求項3から10までのいずれか1項記載のレベリング機。
【請求項12】
上側の締付け横材(101)と、下側の締付け横材(102)とは、それぞれの端部において、上側及び下側の横材(101,102)のための直進ガイドとして働く定置の鉛直方向軸(104,124)を収容する中空の円筒体(110,111,112,113)を有している、請求項3から11までのいずれか1項記載のレベリング機。
【請求項13】
下側のレベリング装置(28)が、下側フレーム(38)から鉛直方向に延びておりかつ上側部分においてピン(42)によって終わっている少なくとも4つのビームを有しており、上側のレベリング装置(30)が、少なくとも2つのピンプレートを有しており、それぞれのピンプレート(43)に少なくとも1つのボアホール(44)が穿孔されており、レベリング装置(28,30)の抜き出し、導入及び移送の間に下側のレベリング装置(30)との上側のレベリング装置(28)のドッキングを提供するために下側のレベリング装置のピン(42)が上側のレベリング装置(30)のボアホール(44)に挿入されるようになっている、請求項1から12までのいずれか1項記載のレベリング機。
【請求項14】
レベリング機(15)に取り付けられたレベリング装置(28,30)のローラ(34,36)の間の距離を変更する方法であって、前記レベリング機(15)には、
固定された支持フレーム(20)が設けられており、該支持フレームが、4つのポスト(22)を有しており、該ポストが、材料の走行の長手方向軸線(P)のそれぞれの側に配置されており、下側部分において、定置のベース(24)によって、上側部分において、横方向ビーム(26)によってしっかりと保持されており、アセンブリが閉鎖されたフレームを形成しており、
固定されたベース(24)に当接した下側レベリング装置(28)と、4つのポスト(22)の間を鉛直方向に移動することができる圧力フレーム(32)に当接した上側レベリング装置とが設けられており、各レベリング装置は、材料(M)の走行の長手方向軸線(P)に対して垂直な軸線を中心にして回転可能にフレーム(38,40)に取り付けられた複数の分離されたローラ(34,36)を有するカセットを形成しており、
エクステンダ(44,46)によってローラ(34,36)のうちの少なくとも幾つかに結合された、ローラ(34,36)を回転させるための手段(47)が設けられており、各エクステンダ(44,46)が、回転させられる第1の端部と、ローラ(35,36)を駆動する一方の端部(52,53)を備えた取外し可能な連結部材(48,50)に取り付けられた第2の端部とを有しており、前記エクステンダ(44,46)が、2つの高さ、すなわち、下側の装置(28)のローラ(36)と連結する下側の高さと、上側の装置(30)のローラ(34)に連結する上側の高さとに配置されており、
レベリング装置(28,30)を交換する間、所定の高さ(H1,H2)に締め付けることによって各取外し可能な連結部材(48,50)をロックするための手段(101,102,103)が設けられており、
走行の軸線(P)に対して垂直に、フレーム(20)の内部の作動位置と、駆動側とは反対側のフレーム(20)の一方の側に横方向にずらされた引っ込められた位置との間を移動することによって、カセット(28,30)の形式の2つのレベリング装置(28,30)のそれぞれを取り外すための手段(11)が設けられている形式のものにおいて、前記方法が、
レベリングローラを所定の高さ(H1,H2)に保持するために前記レベリングローラにトルクの伝達を提供するそれぞれの取外し可能な連結部材(48,50)を締め付けるステージと、
古いレベリング装置(28,30)をレベリング機(15)から抜き取り、その間に、ローラ(34,36)を駆動するそれぞれの端部(53,52)が、取外し可能な連結部材(48,50)から抜き取られるステージと、
それぞれの取外し可能な連結部材(48,50)が、材料(M)の走行方向又は反対方向に、古いレベリング装置(28,30)のローラ(34,36)のうちの1つとの連結の位置に対応する位置から、新たなレベリング装置(28′,30′)のローラのうちの1つとの連結の新たな位置へ、直進移動させられるステージと、
新たなレベリング装置(28′,30′)をレベリング機に導入し、その間に、新たなローラを駆動するそれぞれの端部(52,53)が、取外し可能な連結部材(48,50)に係合させられるステージと、
取外し可能な連結部材を解放するステージと、を含むことを特徴とする、レベリング機(15)に取り付けられたレベリング装置(28,30)のローラ(34,36)の間の距離を変更する方法。
【請求項15】
取外し可能な連結部材(48,50)を締め付けるステージの前に、レベリングローラ(34,36)の回転を停止させるステージを含む、請求項14記載の方法。
【請求項16】
取外し可能な連結部材(48,50)を締め付けるステージが、
ステージBを有し、該ステージBの間に、上側の装置(30)が作動位置から高い位置へ上昇し、中間の締付け横材(103)が、休止位置から、中間の締付け横材(103)が他の横材(101,102)の2つの固定された鉛直方向の直進案内軸(104,124)を通る平面において延びるような作動位置へ移動させられ、
ステージCを有し、該ステージCの間に、レベリング機(15)の下側の締付け横材(102)が下側の取外し可能な連結部材(50)に接触するように上昇し、中間の横材(103)が同じ下側の連結部材(50)に接触するように下降し、これにより、下側の連結部材の締付けを提供し、
ステージDを有し、該ステージDの間に、上側のレベリング装置(30)が、上側の連結部材(48)と中間の締付け横材(103)との接触を提供するように下降し、上側の締付け横材(1019が、同じ上側の連結部材(48)と接触するように下降し、これにより、これらの上側の連結部材(48)の締付けを提供する、請求項14又は15記載の方法。
【請求項17】
下側のレベリング装置(28)が、材料(M)の走行方向に対して垂直に、例えば抜取り手段(11)によって、作動位置から、下側レベリング装置(28)のピン(42)が上側レベリング装置(30)のボアホール(44)と向き合うような中間位置へ、直進移動させられる、ステージDの前のステージCを有する、請求項16記載の方法。
【請求項18】
古いレベリング装置をレベリング機から抜き出すステージが、
ステージE1を有し、該ステージE1の間に、ロッキング装置(13)が解放され、これにより、圧力フレーム(32)と上側レベリング装置(30)とを解放し、圧力フレーム(32)が再び上昇し、
ステージE2を有し、該ステージE2の間に、上側のレベリング装置(30)と下側のレベリング装置(28)とが抜取り手段(11)によって移送装置(17)へ押し付けられ、これが、端部(52,53)の抜取りを生ぜしめ、レベリングローラ(28,30)を取外し可能な連結部材(48,50)から駆動する、請求項14から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
それぞれの取外し可能な連結部材(48,52)が移動させられるステージが、締付け横材(101,102,103)のそれぞれに属する複数の移動エレメント(130)の移動のステージE0を有し、それぞれの移動エレメント(130)は、取外し可能な連結部材(48,52)を収容し、それぞれの移動エレメントの移動は、取外し可能な連結部材を、古いレベリング装置(28,30)のローラ(34,36)のうちの1つに連結するための位置に対応する位置から、取外し可能な連結部材(130)を、新たなレベリング装置(28′,30′)のローラのうちの1つに連結するための新たな位置への移動である、請求項14から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
レベリング機(15)への新たなレベリング装置(28′,30′)の導入のステージが、
ステージE3を有し、該ステージE3の間に、引渡しジャッキ(1240)が、摩耗した、又はレベリング機から出てくる材料(M)のストリップをレベリングするのに適していないレベリング装置(28,30)をそれぞれ支持している2つの移送装置(17,17′)と、レール(1250)上の新たなレベリング装置(28′,30′)とを含むアセンブリを、新たなレベリング装置を支持する移送装置(17′)がレベリング機(15)の固定されたベース(24)の延長位置に位置するまで押し付け、
ステージE4を有し、該ステージE4の間に、新たな上側レベリング装置(30′)及び新たな下側レベリング装置(28′)が、抜取り手段(11)によって、貯蔵位置から、レベリング機(15)の固定されたベース(24)における作動位置へ、新たなレベリングローラを駆動する端部(52,53)が取外し可能な連結部材(48,50)に導入されるまで、引っ張られ、
ステージE5を有し、該ステージE5の間に、圧力フレーム(32)は再び下降し、新たな上側レベリング装置(30′)はロッキング装置(13)によって圧力フレーム(32)にしっかりと取り付けられる、請求項14から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
取外し可能な連結部材(48,50)の解放のステージが、
ステージFを有し、該ステージFの間に、上側締付け横材(101)が再び休止位置へ上昇し、これにより、上側連結部材(48)を解放し、新たな上側装置(30′)も再び上昇し、圧力フレーム(32)によって駆動され、
ステージGを有し、該ステージGの間に、中間の締付け横材(103)が再び休止位置へ上昇し、次いで、回転軸(124)を中心にして回動し、
ステージHを有し、該ステージHの間に、下側の締付け横材(102)が休止位置へ下降し、新たな上側のレベリング装置(30′)が作動位置へ下降する、請求項14から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
新たなレベリング装置をレベリング機へ導入するステージが、
ステージE3を有しており、該ステージE3の間に、移送ジャッキ(1240)は、新たなレベリング装置(28′,30)を支持する移送装置(17′)がレベリング機(15)の固定されたベース(24)の延長位置に位置するまで、レベリング機から出される、摩耗した又は適切でないレベリング装置(28,30)と、レール(1250)上の新たなレベリング装置(17′)とをそれぞれ支持した2つの移送装置(17,17′)を有するアセンブリを押し付け、
ステージE4′を有しており、該ステージE4′の間に、ピンによって互いに結合された新たな下側及び上側のレベリング装置(28′,30′)が、上側のレベリングローラを駆動する端部(53)が上側の取外し可能な連結部材(48)に導入されるまで、レベリング機(15)の固定されたベース(24)に押し込まれ、
ステージE5′を有しており、該ステージE5′の間に、圧力フレーム(32)が再び下降し、新たな上側のレベリング装置(30′)が、ロッキング装置(13)によって圧力フレーム(32)にしっかりと取り付けられる、請求項14から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
取外し可能な連結手段(48,50)を解放するステージが、
ステージF′を有しており、該ステージF′の間に、上側の締付け横材(101)が再び休止位置へ上昇し、これにより上側の連結部材(48)を解放し、新たな上側の装置(30′)も再び上昇し、圧力フレーム(32)によって駆動され、
ステージF′′を有しており、該ステージF′′の間に、新たな下側のレベリング装置(28′)は、下側のレベリングローラを駆動する端部(52)が下側の取外し可能な連結部材(50)に導入されるまで、取外し位置からストリップの走行方向に対して垂直に直進移動させられ、
ステージGを有しており、該ステージGの間に、中間の締付け横材(103)が再び休止位置へ上昇し、次いで、回転軸(104)を中心にして回動し、
ステージHを有しており、該ステージHの間に、下側の締付け横材(102)が休止位置へ下降し、新たな上側のレベリング装置(30′)は作動位置へ下降する、請求項22記載の方法。
【請求項24】
請求項1から13までのいずれか1項記載のレベリング機を有するレベリング機器において、
摩耗した、又はレベリング機(15)から提供される新たな材料(M)をレベリングするために不適切なレベリング装置(28,30)を収容するための第1の移送装置(17)と、
連結部(123)によって第1の移送装置(17)に連結された上側及び下側のレベリング装置(28′,30′)搬送する第2の移送装置(17′)と、
2つの移送装置(17,17′)のセットを、第1の移送装置がレール(1250)上の固定されたベース(24)の延長位置に取り付けられる位置から、新たなレベリング装置(28′,30′)を支持した第2の移送装置がレベリング機(15)の固定されたベース(24)の延長位置に位置するような位置へ移動させるための、移送装置(17′)に接触したジャッキ(1240)とが設けられている、請求項1から13までのいずれか1項記載のレベリング機を有するレベリング機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【公表番号】特表2012−518543(P2012−518543A)
【公表日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−551410(P2011−551410)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【国際出願番号】PCT/EP2009/001871
【国際公開番号】WO2010/097100
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(503087245)シーメンス ヴェ メタルス テクノロジーズ エスアーエス (19)
【氏名又は名称原語表記】Siemens VAI Metals Technologies SAS
【住所又は居所原語表記】51 rue Sibert, F−42400 Saint−Chamond, France
【Fターム(参考)】